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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】呼吸デバイスの遠隔配置
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/67 20180101AFI20230721BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G16H40/67
A61M16/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022580201
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 AU2021050665
(87)【国際公開番号】W WO2021258152
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】2020902141
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
(71)【出願人】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リサ・ニコール・マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ミレン・ジェームズ・ラス-メイ
(72)【発明者】
【氏名】マイ・ホン・ヴオン・サラメ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
本技術は、臨床医または医療従事者が呼吸デバイスから離れている場合に呼吸デバイスを配置することを可能にするためのシステムおよび/または方法に関連する。一形態は、呼吸デバイスを配置する方法を提供し、呼吸デバイスは、複数の動作パラメータに従って呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含む。方法は、デバイスに送信され、設定の組み合わせに対応する識別子からデバイスに対する設定の組み合わせを決定するステップと、それに応じて呼吸デバイスを配置するステップと、を含む。別の形態は、デバイスに対する設定の組み合わせに対応する識別子を出力し、識別子から設定を決定することによって、呼吸デバイスの配置を検証する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸デバイスを配置するプロセッサ実装方法であって、前記呼吸デバイスが、複数の動作パラメータに従って前記呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含み、前記複数の動作パラメータのそれぞれが、複数の設定に設定することができ、前記プロセッサ実装方法は、
識別子を受信するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応し、前記設定の前記組み合わせのそれぞれが、前記複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
前記受信された識別子から、前記受信された識別子に対応する前記設定の組み合わせを決定するステップと、
前記決定された設定の組み合わせに従って動作するように前記呼吸デバイスを配置するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項2】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項3】
前記識別子は、文字列を表すデータとして受信される、請求項1~2のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項4】
前記識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項5】
前記ユーザ入力デバイスは、前記識別子を前記プロセッサに直接的または間接的に送信するように配置されたモバイルコンピューティングデバイスである、請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項6】
前記識別子を受信する前記ステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、前記光学データから前記識別子を生成することとを含む、請求項4~5のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項7】
前記識別子を受信する前記ステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、前記音響データから前記識別子を生成することとを含む、請求項4~5のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項8】
前記ユーザ入力デバイスは、前記呼吸デバイス上のキーパッドである、請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項9】
前記受信された識別子から前記設定の組み合わせを決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された識別子に対応する前記設定の組み合わせを識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項10】
前記受信された識別子を検証するステップをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項11】
前記受信された識別子を検証する前記ステップは、所望の前記設定の組み合わせに対応するものであるか否かを検証することを含む、請求項10に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項12】
前記受信された識別子を検証する前記ステップは、
検証データ生成アルゴリズムを使用して前記受信された識別子から生成される第1の検証データを受信することと、
前記第1の検証データを前記受信された識別子と比較して、前記受信された識別子を検証することと、を含む、請求項11に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項13】
前記比較するステップは、
前記検証データ生成アルゴリズムを使用して、前記受信された識別子から第2の検証データを生成することと、
前記第1の検証データを前記第2の検証データと比較することと、を含む、請求項12に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項14】
前記比較するステップは、
前記検証データ生成アルゴリズムに対して逆な検証識別子生成アルゴリズムを使用して、前記第1の検証データから検証識別子を生成することと、
前記検証識別子を前記受信された識別子と比較することと、を含む、請求項12に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項15】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項16】
呼吸デバイスの配置に使用される識別子を生成するプロセッサ実装方法であって、
設定の組み合わせを受信するステップであって、前記設定の組み合わせが、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせであり、前記設定の組み合わせのそれぞれが、前記呼吸デバイスの複数の動作パラメータのそれぞれに対する複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
前記受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応する、ステップと、
前記識別子を出力するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項17】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項16に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項18】
前記識別子は、文字列を表すデータとして出力される、請求項16~17のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項19】
前記識別子は、モバイルコンピューティングデバイスに送信される、請求項16~18のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項20】
前記識別子は、光学機械可読コードを表す光学データとして出力される、請求項16~19のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項21】
前記識別子は、複数の音響トーンを表す音響データとして出力される、請求項16~19のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項22】
前記受信された設定の組み合わせから前記識別子を決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された設定の組み合わせに対応する前記識別子を識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項16~21のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項23】
前記識別子の検証を可能にするために検証データを生成するステップをさらに含む、請求項16~22のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項24】
検証データを生成する前記ステップは、検証データ生成アルゴリズムを前記識別子に適用して前記検証データを生成することを含む、請求項23に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項25】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項16~24のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項26】
呼吸デバイスの配置の検証に使用される識別子を生成するプロセッサ実装方法であって、前記呼吸デバイスが、複数の動作パラメータに従って前記呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含み、前記複数の動作パラメータのそれぞれが、複数の設定に設定することができ、前記プロセッサ実装方法は、
前記呼吸デバイスの現在の設定の組み合わせを受信するステップであって、前記現在の設定の組み合わせが、前記呼吸デバイスに対する複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせであり、前記設定の組み合わせのそれぞれが、前記呼吸デバイスの前記複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
前記受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応する、ステップと、
前記識別子を出力するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項27】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項26に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項28】
前記識別子は、文字列を表すデータとして出力される、請求項26~27のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項29】
前記識別子は、前記呼吸デバイスのディスプレイに出力される、請求項26~28のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項30】
前記識別子は、光学機械可読コードを表す光学データとして出力される、請求項26~29のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項31】
前記識別子は、複数の音響トーンを表す音響データとして出力される、請求項26~28のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項32】
前記受信された設定の組み合わせから前記識別子を決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された設定の組み合わせに対応する前記識別子を識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項26~31のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項33】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項26~32のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項34】
呼吸デバイスの配置を検証するプロセッサ実装方法であって、
識別子を受信するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの1つの現在の設定の組み合わせに対応し、前記設定の前記組み合わせのそれぞれが、複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
前記受信された識別子から、前記受信された識別子に対応する前記現在の設定の組み合わせを決定するステップと、
前記現在の設定の組み合わせを出力するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項35】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項34に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項36】
前記識別子は、文字列を表すデータとして受信される、請求項34~35のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項37】
前記識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む、請求項34~36のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項38】
前記ユーザ入力デバイスは、前記識別子をプロセッサに直接的または間接的に送信するように配置されたモバイルコンピューティングデバイスである、請求項37に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項39】
前記識別子を受信する前記ステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、前記光学データから前記識別子を生成することとを含む、請求項34~38のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項40】
前記識別子を受信する前記ステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、前記音響データから前記識別子を生成することとを含む、請求項34~38のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項41】
前記受信された識別子から前記現在の設定の組み合わせを決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された識別子に対応する前記設定の組み合わせを識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項34~40のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項42】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項34~41のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項43】
呼吸デバイスであって、
患者の気道に送達するための空気流を生成するための流れ発生器と、
請求項1~15および26~33のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサと、を備える、呼吸デバイス。
【請求項44】
請求項16~25および34~42のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月26日に出願された出願番号2020902141のオーストラリア国仮出願の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、呼吸関連障害のスクリーニング、診断、監視、治療、予防および改善のうちの1つ以上に関する。本技術はまた、医療デバイスまたは装置と、その使用とに関する。
【0003】
本技術は、一般的に、呼吸障害のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防のためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本技術は、臨床医または医療従事者が呼吸デバイスから離れている場合に呼吸デバイスを配置することを可能にするためのシステムおよび/または方法に関する。
【背景技術】
【0004】
様々な呼吸障害が存在する。特定の障害は、特定の発症(例えば、無呼吸、呼吸低下および過呼吸)によって特徴付けられ得る。呼吸障害の例として、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、呼吸不全、肥満過換気症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)および胸壁障害が含まれる。
【0005】
多様な呼吸治療(例えば、持続的気道陽圧(CPAP)治療、非侵襲的換気(NIV)、侵襲的換気(IV)、および高流量治療(HFT))が上記の呼吸障害の1つ以上の治療のために用いられている。呼吸圧力治療とは、(例えば、タンクベンチレータや陽陰圧体外式人工呼吸器(cuirass)などの陰圧治療とは対照的に)患者の呼吸サイクル全体にわたって大気に対してノミナル陽圧になるように制御された目標圧力で気道の入口へ空気を供給することの適用である。CPAP、NIVおよびIVは、呼吸圧力治療の例である。
【0006】
全ての呼吸治療が、所定の治療圧力の送達を目的としているわけではない。一部の呼吸治療は、正のベースライン圧力とできるだけ重なる吸気流量プロファイルの送達を目標継続期間にわたって行うことによって、所定の呼吸量を送達することを目的している。患者の気道へのインターフェースが「開放」され(密閉されていない)、調整ガスまたは高濃度ガスの流れによる呼吸治療が患者自身の自発呼吸の補助のみとして用いられる場合もある。一例において、高流量治療(HFT)とは、連続的な、加熱された、加湿された空気流を気道への入口に密閉されていないかまたは開口された患者インターフェースを通じて、呼吸サイクル全体にわたってほぼ一定に保持される「治療流量」で提供することである。治療流量は、患者のピーク吸気流量を超えるようにノミナル設定されている。HFTは、OSA、CSR、呼吸不全、COPDおよび他の呼吸障害の治療のために用いられている。一定の流量の代わりに、治療流量は、呼吸サイクルにわたって変動するプロファイルに追随し得る。
【0007】
別の形態の流量治療として、長期酸素治療(LTOT)または酸素補充治療がある。特定の患者の場合、補充酸素を加圧空気流へ付加することにより、酸素治療と呼吸圧力治療またはHFTとの組み合わせが得られ得る。呼吸圧力治療へ酸素を付加した場合、これは、補充酸素を用いたRPTと呼ばれる。HFTへ酸素を付加した治療は、補充酸素を用いたHFTと呼ばれる。
【0008】
呼吸治療の別の形態として、酸素濃度がある。酸素濃縮器とは、ガス供給中の酸素量を濃縮して、酸素濃縮された呼吸可能なガスの流れを患者に提供するデバイスである。いくつかの形態の酸素濃縮器は、周囲の空気を取り込み、その窒素含有量を選択的に低減するように動作して、酸素濃縮された呼吸可能なガスの流れを生成する。
【0009】
呼吸治療の別の形態として、換気がある。人工呼吸器とは、患者が自分で呼吸できないまたは呼吸に介助が必要になる場合、患者が呼吸できるように呼吸可能な空気を肺内外に移動させるデバイスである。人工呼吸器は、機械的な機構を介して空気流を作り出す。
【0010】
これら呼吸治療は、呼吸治療システムまたはデバイスによって提供され得る。このようなシステムおよびデバイスは、疾患を治療することなくスクリーニング、診断、または監視するために用いられてもよい。呼吸治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インターフェース、酸素源、およびデータ管理を含み得る。
【0011】
患者インターフェースは、例えば気道への入口に空気流を提供することによって呼吸装具へのインターフェースとして着用者に提供するために、用いられてもよい。空気流は、鼻および/または口へのマスク、口への管、または患者の気管への気管切開管を介して提供され得る。適用される治療によっては、患者インターフェースは、例えば患者の顔の一部とシールを形成することによって周囲圧力と十分に異なる圧力例えば、例えば、周囲圧力に対して約10cmHOの陽圧でガス送達を促進し、治療を効果的に実行し得る。酸素送達などの他の治療形態の場合、患者インターフェースは、約10cmHOの陽圧で気道へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まないことがある。鼻HFTなどの流量治療の場合、患者インターフェースは、鼻孔への送気を行うが完全に密閉しないように、配置される。このような患者インターフェースの一例として、鼻カニューレがある。
【0012】
呼吸圧力治療(RPT)デバイスは、例えばデバイスを作動させて気道へのインターフェースへの空気送達流を生成することにより、上記した複数の治療のうちの1つ以上の送達に個別的に、またはシステムの一部として用いられてもよい。空気流は、(呼吸圧力治療のために)圧力制御され得るかまたは(HFTなどの流量治療のために)流れ制御され得る。そのため、RPTデバイスは、流量治療デバイスとしても機能し得る。空気流は加圧され得る。RPTデバイスの例として、CPAPデバイス、NIVデバイス、HFTデバイス、酸素濃縮器、および人工呼吸器がある。
【0013】
空気流の送達を加湿無しで行った場合、気道の乾燥に繋がり得る。加湿器をRPTデバイスおよび患者インターフェースと共に用いた場合、加湿ガスが生成されるため、鼻粘膜の乾燥が最小化され、患者気道の快適性が増加する。より冷涼な気候においては、患者インターフェースの周囲の顔領域全体へ温風をさらに付加すると、冷風の場合よりも快適性が高まる。そのため、加湿器は、空気流を加熱する能力だけでなく、空気流を加湿する能力を持つことが多い。
【0014】
RPTデバイスは、通常、多くの動作パラメータを各使用および/または各患者に応じた特定の設定に変更することで配置可能である。RPTデバイスの動作パラメータの多くは、例えば、CPAP治療における空気流の圧力およびHFTにおける治療流量など、治療に関連するものである。他の動作パラメータは、例えば、空気流の加湿を制御することによって、治療が患者にとってより快適になるのに助けるなど、他の目的に役立つ。他の動作パラメータは、例えば、ユーザインターフェースの設定など、RPTデバイスのユーザビリティに関するものである。
【0015】
RPTデバイスの動作パラメータ、特に治療パラメータの設定は、通常、臨床医によって、または臨床医と協議して決定される。これらの設定は、患者が必要な呼吸治療を受けることを確認するために重要になる場合がある。そのため、RPTデバイスが適切な動作設定に従って呼吸治療を送達するように正しく配置されていることが重要である。
【0016】
RPTデバイスの配置は、患者が初めて呼吸治療を開始するときに行われることがある。加えて、患者の状態は、例えば、治療の結果として、呼吸治療を受ける期間にわたって変化し得る。したがって、臨床医が呼吸治療の変更を診断することがあり、これによりRPTデバイスの設定を再配置することが必要になる場合がある。治療に対する患者の反応は、例えば、患者の状態が改善しない場合、または予想とは異なる速度で改善する場合に、RPTデバイスの設定を再配置する必要性が生じる可能性がある。
【0017】
RPTデバイスは、臨床医が立ち会うことなく、患者の自宅で使用されることが多い。多くの場合、臨床医は、患者に必要な呼吸治療を提供するために、適切な動作設定で患者自宅のRPTデバイスを初期配置するのを支援する。これは、臨床医が患者の自宅を訪問する必要があるため、時間がかかる場合がある。また、臨床医の時間に対する需要により、彼らの働く医療システムにコストが追加されるため、費用がかかる場合がある。一部の場合では、臨床医による患者に対するホーム訪問は非現実的で極めて難しい。
【0018】
これらの問題に対処するために、臨床医は、患者が自分でRPTデバイスを配置するのを支援するための指示を患者に提供することがある。ただし、その結果、RPTデバイスの理解不足または不慣れ、あるいは不適切な指示によるヒューマンエラーのため、患者がRPTデバイスを正しく配置できないことがある。
【0019】
一部のRPTデバイスは、病院または他の医療施設で使用される。病院環境では、臨床医および他の医療従事者は、RPTデバイスの適切な配置を確保するために実際にいる可能性が高い。それでも、依然としてヒューマンエラーにより、配置エラーが発生する可能性がある。また、医療システムに対する需要の高い期間では、臨床医の時間に対するより多くの需要を生み出し、RPTデバイスの適切な配置を確保するために臨床医がすべての患者に十分な時間を割くことがより困難になる可能性がある。
【0020】
誤配置されるRPTデバイスを使用すれば、患者が最適でない、効果がない、または潜在的に有害な呼吸治療を受けることがある。
【0021】
呼吸治療を受ける患者は、呼吸治療を開始した後、呼吸臨床医によって評価されることがある。このような評価には、患者が使用しているRPTデバイスの設定のチェックが含まれることが多い。このチェックは、臨床医が順番にRPTデバイスの各動作設定を確認することを含み、時間のかかる課題となり得る。呼吸治療が患者の自宅で提供され、チェックを行うために臨床医が患者の自宅を訪問する必要がある場合、特に時間がかかることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
これらの問題のうちのいずれか1つ以上に対処する呼吸デバイス、呼吸システム、呼吸デバイスを配置する方法および/または呼吸デバイスの配置を検証する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本技術は、呼吸障害のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防において用いられる医療デバイスの提供に関連し、これらの医療デバイスは、向上した快適性、コスト、有効性、使い易さおよび製造可能性のうちの1つ以上を有する。
【0024】
本技術の第1の態様は、呼吸障害のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防に用いられる装置に関連する。
【0025】
本技術の別の態様は、呼吸障害のスクリーニング、診断、監視、改善、治療または予防において用いられる方法に関連する。
【0026】
本技術の特定の形態の一態様は、呼吸治療に対する患者のコンプライアンスを向上させる方法および/または装置を提供することである。
【0027】
本技術の別の態様は、ユーザが迅速、便利、および/または低エラーな方式で呼吸デバイスを配置することを可能にするためのシステム及び/または方法に関連する。本技術の一形態は、臨床医または医療従事者が呼吸デバイスから離れている場合に呼吸デバイスを配置することを可能にするためのシステムおよび/または方法に関連する。
【0028】
本技術の一形態は、呼吸デバイスを含む。呼吸デバイスは、プロセッサ可読命令を有する少なくとも1つのメモリと、プロセッサ可読命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサとを含む。プロセッサ可読命令は、プロセッサに、識別子を受信すると識別子から呼吸デバイスに対する設定の組み合わせを決定させるとともに、決定された設定の組み合わせに従って呼吸デバイスの動作をさせるための命令を含む。
【0029】
本技術の別の形態は、呼吸デバイスの配置に使用されるシステムを含む。システムは、プロセッサ可読命令を有する少なくとも1つのメモリと、プロセッサ可読命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサとを含む。プロセッサ可読命令は、プロセッサに、呼吸デバイスに対する設定の組み合わせを受信すると、設定の組み合わせから、設定の組み合わせに対応する識別子を生成させるための命令を含む。
【0030】
本技術の一形態は、呼吸デバイスを配置するプロセッサ実装方法を含む。呼吸デバイスは、複数の動作パラメータに従って呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含んでもよく、複数の動作パラメータのそれぞれは、複数の設定に設定することができる。上記方法は、識別子を受信するステップを含んでもよく、識別子は、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、複数の識別子のそれぞれは、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応し、設定の組み合わせのそれぞれは、複数の動作パラメータのそれぞれに対する複数の設定のうちの1つの設定を含む。上記方法は、受信された識別子から、受信された識別子に対応する設定の組み合わせを決定するステップをさらに含み得る。上記方法は、決定された設定の組み合わせに従って動作するように呼吸デバイスを配置するステップをさらに含み得る。
【0031】
本技術の形態の一例では、複数の識別子のそれぞれに対応する設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である。
【0032】
本技術の形態の一例では、識別子は、文字列を表すデータとして受信される。
【0033】
本技術の形態の一例では、上記方法は、識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む。ユーザ入力デバイスは、識別子をプロセッサに直接的または間接的に送信するように配置されたモバイルコンピューティングデバイスであってもよい。
【0034】
本技術の形態の一例では、識別子を受信するステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、光学データから識別子を生成することとを含む。
【0035】
本技術の形態の一例では、識別子を受信するステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、音響データから識別子を生成することとを含む。
【0036】
本技術の形態の一例では、ユーザ入力デバイスは、呼吸デバイス上のキーパッドである。
【0037】
本技術の形態の一例では、受信された識別子から設定の組み合わせを決定するステップは、データアレイ内の受信された識別子に対応する設定の組み合わせを識別することを含んでもよく、データアレイに、複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている。
【0038】
本技術の形態の一例では、上記方法は、受信された識別子を検証するステップをさらに含み得る。
【0039】
本技術の形態の一例では、受信された識別子を検証するステップは、が所望の設定の組み合わせに対応するものであるか否かを検証することを含む。
【0040】
本技術の形態の一例では、受信された識別子を検証するステップは、検証データ生成アルゴリズムを使用して受信された識別子から生成される第1の検証データを受信することを含み得る。検証するステップは、第1の検証データを受信された識別子と比較して、受信された識別子を検証することをさらに含み得る。
【0041】
本技術の形態の一例では、比較するステップは、検証データ生成アルゴリズムを使用して、受信された識別子から第2の検証データを生成することを含み得る。比較するステップは、第1の検証データを第2の検証データと比較することをさらに含み得る。
【0042】
本技術の形態の一例では、比較するステップは、検証データ生成アルゴリズムに対して逆な検証識別子生成アルゴリズムを使用して、第1の検証データから検証識別子を生成することを含み得る。比較するステップは、検証識別子を受信された識別子と比較することをさらに含み得る。
【0043】
本技術の形態の一例では、複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、呼吸デバイス、呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む。
【0044】
本技術の別の形態は、呼吸デバイスの配置に使用される識別子を生成するプロセッサ実装方法を含む。上記方法は、設定の組み合わせを受信するステップを含んでもよく、設定の組み合わせは、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせであり、設定の組み合わせのそれぞれは、呼吸デバイスの複数の動作パラメータのそれぞれに対する複数の設定のうちの1つの設定を含む。上記方法は、受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップをさらに含んでもよく、識別子は、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、複数の識別子のそれぞれは、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応する。上記方法は、識別子を出力することをさらに含み得る。
【0045】
本技術の形態の一例では、複数の識別子のそれぞれに対応する設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である。
【0046】
本技術の形態の一例では、識別子は、文字列を表すデータとして出力される。
【0047】
本技術の形態の一例では、識別子は、モバイルコンピューティングデバイスに送信される。
【0048】
本技術の形態の一例では、識別子は、光学機械可読コードを表す光学データとして出力される。
【0049】
本技術の形態の一例では、識別子は、複数の音響トーンを表す音響データとして出力される。
【0050】
本技術の形態の一例では、受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップは、データアレイ内の受信された設定の組み合わせに対応する識別子を識別することを含み、データアレイに、複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている。
【0051】
本技術の形態の一例では、上記方法は、識別子の検証を可能にするために検証データを生成するステップをさらに含む。
【0052】
本技術の形態の一例では、検証データを生成するステップは、検証データ生成アルゴリズムを識別子に適用して検証データを生成することを含む。
【0053】
本技術の形態の一例では、複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、呼吸デバイス、呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む。
【0054】
本技術の別の態様は、ユーザが呼吸デバイスの配置を迅速、便利、および/または低エラーな方式で検証することを可能にするためのシステムおよび/または方法に関する。
【0055】
本技術の一形態は、呼吸デバイスを含む。呼吸デバイスは、プロセッサ可読命令を有する少なくとも1つのメモリと、プロセッサ可読命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサとを含む。プロセッサ可読命令は、プロセッサに、呼吸デバイスの現在の設定の組み合わせに対応する識別子を生成させるための命令を含む。
【0056】
本技術の別の形態は、呼吸デバイスの配置を検証するためのシステムを含む。システムは、プロセッサ可読命令を有する少なくとも1つのメモリと、プロセッサ可読命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサとを含む。プロセッサ可読命令は、プロセッサに、識別子を受信すると識別子から呼吸デバイスに対する設定の組み合わせを決定させるとともに、ユーザによる検証のための設定の組み合わせを出力させるための命令を含む。
【0057】
本技術の一形態は、呼吸デバイスの配置の検証に使用される識別子を生成するプロセッサ実装方法を含み、呼吸デバイスは、複数の動作パラメータに従って呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含み、複数の動作パラメータのそれぞれは、複数の設定に設定することができる。上記方法は、呼吸デバイスの現在の設定の組み合わせを受信するステップを含んでもよく、現在の設定の組み合わせは、呼吸デバイスに対する複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせであり、設定の組み合わせのそれぞれは、呼吸デバイスの複数の動作パラメータのそれぞれに対する複数の設定のうちの1つの設定を含む。上記方法は、受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップをさらに含んでもよく、識別子は、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、複数の識別子のそれぞれは、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応する。上記方法は、識別子を出力することをさらに含み得る。
【0058】
本技術の形態の一例では、複数の識別子のそれぞれに対応する設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である。
【0059】
本技術の形態の一例では、識別子は、文字列を表すデータとして出力される。
【0060】
本技術の形態の一例では、識別子は、呼吸デバイスのディスプレイに出力される。
【0061】
本技術の形態の一例では、識別子は、光学機械可読コードを表す光学データとして出力される。
【0062】
本技術の形態の一例では、識別子は、複数の音響トーンを表す音響データとして出力される。
【0063】
本技術の形態の一例では、受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップは、データアレイ内の受信された設定の組み合わせに対応する識別子を識別することを含み、データアレイに、複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている。
【0064】
本技術の形態の一例では、複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、呼吸デバイス、呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む。
【0065】
本技術の別の形態は、呼吸デバイスの配置を検証するプロセッサ実装方法を含む。方法は、識別子を受信するステップを含んでもよく、識別子は、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、複数の識別子のそれぞれは、複数の設定の組み合わせのうちの1つの現在の設定の組み合わせに対応し、設定の組み合わせのそれぞれは、複数の動作パラメータのそれぞれに対する複数の設定のうちの1つの設定を含む。上記方法は、受信された識別子から、受信された識別子に対応する現在の設定の組み合わせを決定するステップをさらに含み得る。上記方法は、現在の設定の組み合わせを出力するステップをさらに含み得る。
【0066】
本技術の形態の一例では、複数の識別子のそれぞれに対応する設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である。
【0067】
本技術の形態の一例では、識別子は、文字列を表すデータとして受信される。
【0068】
本技術の形態の一例では、方法は、識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む。
【0069】
本技術の形態の一例では、ユーザ入力デバイスは、識別子をプロセッサに直接的または間接的に送信するように配置されたモバイルコンピューティングデバイスである。
【0070】
本技術の形態の一例では、識別子を受信するステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、光学データから識別子を生成することとを含む。
【0071】
本技術の形態の一例では、識別子を受信するステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、音響データから識別子を生成することとを含む。
【0072】
本技術の形態の一例では、受信された識別子から現在の設定の組み合わせを決定するステップは、データアレイ内の受信された識別子に対応する設定の組み合わせを識別することを含み、データアレイに、複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている。
【0073】
本技術の形態の一例では、複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、呼吸デバイス、呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む。
【0074】
本技術の一形態は、呼吸デバイスを含む。呼吸デバイスは、患者の気道に送達するための空気流を生成するための流れ発生器を含み得る。呼吸デバイスは、本技術の任意の1つ以上の他の形態のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサをさらに含み得る。
【0075】
本技術の一形態は、システムを含む。システムは、本技術の別の形態のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサを含み得る。
【0076】
本技術の特定の形態の一態様は、例えば医療トレーニングを受けたことの無い人や、あまり器用ではない人、洞察力の欠いた人、またはこの種の医療デバイスの使用経験が限られた人にとって使い易い医療デバイスである。
【0077】
上記した方法、システム、デバイス、及び装置は、特定の目的のコンピュータ、呼吸モニタ、及び/または呼吸治療装置などのプロセッサの機能を改善するように実装され得る。また、上記した方法、システム、デバイス及び装置は、例えば睡眠呼吸障害を含む呼吸状態の自動管理、監視及び/または治療の技術分野における改善を提供することができる。
【0078】
もちろん、上記態様の一部は、本技術の下位態様を形成し得る。また、下位態様および/または態様のうちのそれぞれを多様に組み合わせ、同様に本技術のさらなる態様または下位態様を構成することができる。
【0079】
本技術の他の特徴は、以下の詳細な説明、要約、図面および特許請求の範囲中に含まれる情報に鑑みれば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本技術を、添付図面中に非限定的に一例として例示する。図面中、類似の参照符号は、以下の類似の要素を含む。
【0081】
図1A】呼吸治療システム:患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを示す。このシステムは、鼻枕の形態をとり、RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受ける。RPTデバイス4000からの空気は、加湿器5000内で調整され、空気回路4170を通過して患者1000に送達される。ベッドパートナー1100も示される。患者は、仰臥位睡眠姿勢で睡眠している。
図1B】患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを示す。このシステムは、鼻マスクの形態をとり、RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受ける。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000内で加湿され、空気回路4170を通過して患者1000に送達される。
図1C】患者インターフェース3000を装着している患者1000を含むシステムを示す。このシステムは、全面マスクの形態をとり、RPTデバイス4000から供給される陽圧の空気を受ける。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000内で加湿され、空気回路4170を通過して患者1000に送達される。患者は、側臥位睡眠姿勢で睡眠している。 呼吸器系および顔の解剖学的構造
図2A】鼻腔および口腔、喉頭、声帯ひだ、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓および横隔膜を含むヒト呼吸器系の概要を示す。 患者インターフェース
図3A】本技術の一形態による鼻マスクの形態の患者インターフェースを示す。
図3B】本技術の一形態による鼻カニューレの形態の患者インターフェースを示す。 RPTデバイス
図4A】本技術の一形態によるRPTデバイスを示す。
図4B】本技術の一形態によるRPTデバイスの空気圧経路の概略図である。上流および下流の方向は、ブロワおよび患者インターフェースを参照して示される。特定の時点での実際の流れ方向に関係なく、ブロワが患者インターフェースの上流にあると定義され、患者インターフェースがブロワの下流にあると定義される。ブロアと患者インターフェースの間の空気圧経路内にあるアイテムは、ブロアの下流および患者インターフェースの上流にある。
図4C】本技術の一形態によるRPTデバイスの電気部品の概略図である。
図4D】本技術の一形態によるRPTデバイスの電気部品のさらなる概略図である。
図4E】本技術の一形態によるRPTデバイスに実装されるアルゴリズムの概略図である。
図4F】本技術の一形態による、図4Eの治療エンジンモジュールによって実施される方法を例示するフローチャートである。 加湿器
図5A】本技術の一形態による加湿器の等角図を示す。
図5B】本技術の一形態による加湿器の等角図を示し、加湿器貯水槽ドック5130から取り外された加湿器貯水槽5110を示す。
図5C】本技術の一形態による加湿器の概略を示す。 呼吸波形
図6A】睡眠中の人の典型的な呼吸波形のモデルを示す。 スクリーニング、診断及び監視システム
図7A】ポリソムノグラフィー(PSG)を受けている患者1000を示す。患者は、仰臥位睡眠姿勢で睡眠している。
図7B】患者の状態を監視するための監視装置を示す。患者は、仰臥位睡眠姿勢で睡眠している。
図7C】本技術の一形態による、RPGスクリーニング/診断/監視システム集中装置内に呼吸ポリグラフィー(RPG)ヘッドボックスを実装するために使用され得るスクリーニング/診断/監視デバイスの配置要素の概略図である。 酸素濃縮器
図8A】本技術の一形態による酸素濃縮器を示す。
図8B図8Aの酸素濃縮器の配置要素の概略図である。 コンピューティングシステムとプロセス
図9】本技術の形態による方法を実装するための例示的な、コンピューティングデバイスを含むシステムの図である。
図10】本技術の形態による方法を実装するために使用される例示的なコンピューティングデバイスの配置要素の図である。
図11】本技術の特定の形態によるRPTデバイスを配置する方法のフローチャートである。
図12】本技術の形態による、識別子決定アルゴリズムおよび/または設定の組み合わせの決定アルゴリズムを実行するためのデータアレイの図である。
図13】本技術の一形態による識別子を検証する方法のフローチャートである。
図14】本技術の別の形態による識別子を検証する方法のフローチャートである。
図15】本技術の特定の形態によるRPTデバイスの配置を検証する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本技術についてさらに詳細に説明する前に、本技術は、本明細書中に記載される異なり得る特定の例に限定されるのではないことが理解されるべきである。本開示中に用いられる用語は、本明細書中に記載される特定の例を説明する目的のためのものであり、限定的なものではないことも理解されるべきである。
【0083】
以下の記載は、1つ以上の共通の特性および/または特徴を共有し得る多様な例に関連して提供される。任意の1つの例の1つ以上の特徴は、別の例または他の例の1つ以上の特徴と組み合わせることが可能であることが理解されるべきである。加えて、これらの例のうちのいずれかにおける任意の単一の特徴または特徴の組み合わせは、さらなる例を配置し得る。
【0084】
治療
一形態において、本技術は、呼吸障害の治療方法を含む。当該方法は、患者1000の気道の入口へ陽圧を付加するステップを含む。
【0085】
本技術の特定の例において、陽圧での空気供給が鼻孔の片方または両方を介して患者の鼻通路へ提供される。
【0086】
本技術の特定の例において、口呼吸が制限されるか、限定されるか、または妨げられる。
【0087】
呼吸治療システム
一形態において、本技術は、呼吸障害を治療するための呼吸治療システムを含む。呼吸治療システムは、限定されないが、持続的気道陽圧(CPAP)治療、非侵襲的換気(NIV)、侵襲的換気(IV)、高流量治療(HFT)、酸素濃縮及び換気を含む任意のタイプの呼吸治療を送達するのに適していてもよい。
【0088】
呼吸治療システムは、空気回路4170及び患者インターフェース3000または3800を介して患者1000に空気流を供給するためのRPTデバイス4000を備え得る。
【0089】
患者インターフェース
本技術の一態様による非侵襲的患者インターフェース3000は、シール形成構造3100、プレナムチャンバ3200、位置決めおよび安定化構造3300、通気部3400、空気回路4170への接続のための一形態の接続ポート3600、および選択的な前額支持部3700を機能態様として含む。いくつかの形態において、機能態様が、1つ以上の物理的配置要素によって提供され得る。いくつかの形態において、1つの物理的配置要素は、1つ以上の機能態様を提供し得る。使用時において、シール形成構造3100は、患者1000の気道への入口において陽圧を維持するように、患者の気道への入口を包囲するように設置される。そのため、密閉された患者インターフェース3000は、陽圧治療の送達に適している。
【0090】
本技術の別の形態によれば、密封されていない患者インターフェース3800が提供される。鼻カニューレの形態において、患者1000のそれぞれの鼻孔に、その先端のそれぞれのオリフィスを介して空気を送達することができる鼻プロング3810a、3810bが含まれる。そのような鼻プロングは、一般的に、鼻孔の内側または外側の皮膚表面とシールを形成しない。鼻プロングへの空気は、鼻カニューレ3800と結合される1つ以上の空気供給ルーメン3820a、3820bによって送達されてよい。ルーメン3820a、3820bは、鼻カニューレ3800から空気回路を介して呼吸治療デバイスに通じる。密封されていない患者インターフェース3800は、RPTデバイスが制御された圧力ではなく制御された流速で空気流を生成する、流量治療の送達に特に適している。密封されていない患者インターフェース3800において、過剰な空気流を周囲環境に逃がすための「通気部」は、カニューレ3800のプロング3810aと3810bの端部の間の患者の鼻孔を介した大気への通路である。
【0091】
RPTデバイス
本技術の一態様によるRPTデバイス4000は、機械的配置要素、空気圧配置要素、及び/または電気的配置要素を含み、本明細書に記載される方法の全体的または部分的ないずれかなどの1つ以上のアルゴリズム4300を実行するように配置される。RPTデバイス4000は、患者の気道に送達するための空気流を生成するように配置されてもよく、例えば、本明細書の他の箇所に記載される呼吸状態のうちの1つ以上を治療するように配置されてもよい。
【0092】
一形態では、RPTデバイス4000は、少なくとも6cmHO、または少なくとも10cmHO、または少なくとも20cmHOの陽圧を維持しながら、-20L/分~+150L/分の範囲の空気流を送達することができるように構成および配置される。
【0093】
RPTデバイスは、上部4012及び下部4014の2つの部分に形成される外部ハウジング4010を有してもよい。さらに、外部ハウジング4010は、1つ以上のパネル4015を含み得る。RPTデバイス4000は、RPTデバイス4000の1つ以上の内部配置要素を支持するシャーシ4016を備える。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含んでもよい。
【0094】
RPTデバイス4000の空気圧経路は、1つ以上の空気経路アイテム、例えば、入口空気フィルタ4112、入口マフラー4122、陽圧で空気を供給可能な圧力発生器4140(例えば、ブロワ4142)、出口マフラー4124、及び圧力センサ4272及び流量センサ4274などの1つ以上の変換器4270を含んでもよい。空気経路アイテムのうちの1つ以上は、空気圧ブロック4020と称される取り外し可能な一体構造内に位置してもよい。空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に位置してもよい。一形態では、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるか、またはシャーシ4016の一部として形成される。
【0095】
RPTデバイス4000は、電源4210、1つ以上の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240、圧力発生器4140、1つ以上の保護回路4250、メモリ4260、変換器4270、データ通信インターフェース4280、及び1つ以上の出力デバイス4290を有してもよい。電気部品4200は、単一のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202に搭載されてもよい。代替形態では、RPTデバイス4000は、2つ以上のPCBA4202を含んでもよい。
【0096】
RPTデバイスの機械的および空気圧的コンポーネント
RPTデバイスは、以下の配置要素のうちの1つ以上を一体的ユニットに含んでもよい。代替形態では、以下の配置要素のうちの1つ以上は、それぞれ別々のユニットとして設置されてもよい。
【0097】
空気フィルタ
本技術の一形態によるRPTデバイスは、1つまたは複数の空気フィルタ4110を含んでもよい。一形態では、入口空気フィルタ4112は、圧力発生器4140の上流の空気圧経路の開始部に位置する。一形態では、出口空気フィルタ4114、例えば、抗菌フィルタは、空気圧ブロック4020の出口と患者インターフェース3000または3800との間に位置する。
【0098】
マフラー
本技術の一形態によるRPTデバイスは、1つまたは複数のマフラー4120を含んでもよい。本技術の一形態では、入口マフラー4122は、圧力発生器4140の上流の空気圧経路に位置する。本技術の一形態では、出口マフラー4124は、圧力発生器4140と患者インターフェース3000または3800との間で空気圧経路に位置する。
【0099】
圧力または流量発生器
本技術の特定の形態では、RPTデバイス4000は、圧力発生器または流量発生器4140を備える。本技術の一形態では、陽圧で空気流または供給を生成するための圧力または流量発生器4140は、制御可能なブロワ4142である。例えば、ブロワ4142は、1つ以上のインペラを有するブラシレスDCモータ4144を含んでもよい。インペラは、渦巻き状に設置されてもよい。ブロワは、例えば、最大約120リットル/分の速度で、約4cmHO~約20cmHOの範囲の陽圧で、または他の形態で呼吸圧力治療を送達する場合に最大約30cmHOの範囲の陽圧で、空気の供給を送達することが可能である。ブロワは、参照により内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許7866944号、米国特許8638014号、米国特許8636479号、及びPCT特許出願公開番号WO2013/020167のいずれか1つに記載されているものであってもよい。
【0100】
圧力発生器4140は、治療デバイスコントローラ4240によって制御される状態にある。
【0101】
他の形態では、圧力発生器4140は、ピストン駆動ポンプ、高圧源(例えば、圧縮空気貯水槽)に接続される圧力調整器、またはベローズであってもよい。
【0102】
変換器
変換器は、RPTデバイスの内部であっても、RPTデバイスの外部であってもよい。外部変換器は、例えば、空気回路、例えば、患者インターフェースに設けられてもよく、またはその一部を形成してもよい。外部変換器は、RPTデバイスにデータを送信または転送するドプラーレーダー移動センサなどの非接触センサの形態であってもよい。
【0103】
本技術の一形態では、1つ以上の変換器4270は、圧力発生器4140の上流及び/または下流に位置する。1つ以上の変換器4270は、空気圧経路内のその点における流量、圧力または温度などの空気流の特性を表す信号を生成するように構成および配置されてもよい。
【0104】
本技術の一形態では、1つ以上の変換器4270は、患者インターフェース3000または3800に近接して位置してもよい。例として、1つ以上の変換器4270は、(例えば、SENSIRION製SDP600シリーズ差圧変換器などの差圧変換器に基づいた)流量センサ4274、空気圧経路と流体連通するように位置する圧力センサ4272(例えば、HONEYWELL製ASDXシリーズ変換器、またはGENERAL ELECTRIC製NPAシリーズ変換器)、及び/またはモータ4144及び/またはブロワ4142の回転速度を決定するために使用されるモータ速度変換器4276(例えば、ホール効果センサなどの速度センサ)を含んでもよい。他の例では、1つ以上の変換器4270は、音響センサ(例えば、マイクロフォン)及び/または光学センサ(例えば、カメラまたはバーコードリーダ)を備え得る。
【0105】
一形態では、変換器4270からの信号は、ローパスフィルタリング、ハイパスフィルタリング、またはバンドパスフィルタリングなどによってフィルタリングされ得る。
【0106】
RPTデバイスの電気部品
電源
電源4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の内部または外部に位置してもよい。本技術の一形態では、電源4210は、RPTデバイス4000にのみ電力を提供する。本技術の別の形態では、電源4210は、RPTデバイス4000及び加湿器5000の両方に電力を提供する。
【0107】
入力デバイス
本技術の一形態では、RPTデバイス4000は、人(例えば、患者、臨床医または介護者)とデバイスの対話を可能にするためのボタン、スイッチまたはダイヤルの形態の1つ以上の入力デバイス4220を含む。ボタン、スイッチ、またはダイヤルは、物理デバイス、またはタッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスであり得る。ボタン、スイッチ、またはダイヤルは、一形態で、外部ハウジング4010に物理的に接続され得る。本技術の一形態では、入力デバイス4220は、ユーザが文字列、例えば、一連の英数字を入力することを可能にするボタンを備えるキーパッドまたはキーボードの形態を取り得る。キーパッドは、ボタンとして視覚的に表示されるタッチスクリーンデバイスの物理的なボタンまたは領域、またはそのようなボタンの組み合わせから形成され得る。
【0108】
他の形態では、入力デバイス4220は、RPTデバイス4000から分離しているまたは分離可能で、中央コントローラ4230に電気的に接続されているRPTデバイス4000のデータ通信インターフェース4280と無線通信する、遠隔外部デバイス4286及び/またはローカル外部デバイス4288の形態を取り得る。遠隔外部デバイス4286及び/またはローカル外部デバイス4288とデータ通信インターフェース4280との間の例示的なタイプの無線通信は、さらに以下に記載される。
【0109】
本技術の一形態では、入力デバイス4220は、モバイルコンピューティングデバイス、例えば、携帯電話である。モバイルコンピューティングデバイスは、例えば中間通信デバイス及び/またはデータ通信インターフェース4280を介して、中央コントローラ4230と直接的または間接的に通信するように動作可能であってもよい。モバイルコンピューティングデバイスは、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をモバイルコンピューティングデバイスのスクリーンによってユーザに表示する1つ以上のソフトウェアアプリケーションまたはアプリケーションを実行するように配置され得る。
【0110】
一形態では、入力デバイス4220は、人が値及び/またはメニューオプションを選択することを可能にするように構成及び設定されてよい。
【0111】
本技術の特定の形態では、1つ以上の変換器4270は、入力デバイス4220として動作し、情報を中央コントローラ4230に送信することを可能にし得る。例えば、情報は、音響的に(例えば、多周波数シグナリングを介して)受信され得、この情報は、音響センサによる音響信号の検出によってRPTデバイス4000に入力され得る。別の例では、情報は(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、またはコード化された点滅光を介して)光学的に受信され得、この情報は、光学センサによる光信号の検出によってRPTデバイス4000に入力され得る。データ通信インターフェース4280はまた、1つ以上の変換器4270(例えば、アンテナ)を含んでもよく、情報を中央コントローラ4230に送信することができる別の入力デバイス4220として機能してもよいことが理解されるであろう。
【0112】
入力デバイス4220は、ユーザによって入力される情報またはデータを表す信号を生成し、信号を中央コントローラ4230に送信するように配置される。例えば、信号は、中央コントローラ4230への有線接続に沿って送信される電気信号であってもよい。加えて、または代替的に、信号は、無線通信信号であってもよい。本技術の一形態では、キーパッドは、ユーザによってキーパッドに入力される文字列を表すデータを生成し、文字列を表すデータを中央コントローラ4230に送信する。
【0113】
中央コントローラ
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000を制御するのに好適な1つまたは複数のプロセッサである。好適なプロセッサには、x86 INTELプロセッサ、ARM Holdings社のARM(登録商標)Cortex(登録商標)-Mプロセッサに基づくプロセッサ、例えば、ST MICROELECTRONIC社のSTM32シリーズマイクロコントローラが含まれ得る。本技術の特定の代替形態において、ST MICROELECTRONICS社製のSTR9シリーズマイクロコントローラなどの32ビットRISCCPU、またはTEXAS INSTRUMENTS社製造のMSP430マイクロコントローラ製品群のプロセッサなどの16ビットRISCCPUも好適であり得る。
【0114】
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、専用の電子回路である。一形態において、中央コントローラ4230は、特定用途向け集積回路である。別の形態において、中央コントローラ4230は、別個の電子部品を備える。
【0115】
中央コントローラ4230は、1つ以上の変換器4270、1つ以上の入力デバイス4220、及び加湿器5000から入力信号を受信するように配置され得る。中央コントローラ4230は、出力信号を出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ4240、データ通信インターフェース4280、及び加湿器5000のうちの1つ以上に提供するように配置され得る。
【0116】
本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、メモリ4260などの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表現される1つ以上のアルゴリズム4300など、本明細書に記載される1つ以上の方法論を実装するように配置される。本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000に統合され得る。しかしながら、本技術のいくつかの形態において、一部の方法論は、遠隔に位置するデバイスによって実行され得る。例えば、遠隔に位置するデバイスは、本明細書に記載されるセンサのいずれかなどに記憶されたデータの解析によって、人工呼吸器に対する制御設定の決定または呼吸関連事件の検出を行い得る。
【0117】
治療デバイスコントローラ
本技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、中央コントローラ4230によって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する治療制御モジュール4330の形態の仮想コントローラである。本技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、専用のモータ制御集積回路である。例えば、一形態において、ONSEMI社製のMC33035ブラシレスDCモータコントローラが使用される。
【0118】
メモリ
本技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260、例えば、不揮発性メモリを含む。いくつかの形態において、メモリ4260は、バッテリ駆動スタティックRAMを含み得る。いくつかの形態において、メモリ4260は、揮発性RAMを含み得る。メモリ4260は、PCBA4202に位置し得る。メモリ4260は、EEPROM、またはNANDフラッシュの形態とし得る。
【0119】
追加的または代替的に、RPTデバイス4000は、取り外し可能な形態のメモリ4260、例えば、セキュアデジタル(SD)規格に従って作製されたメモリカードを含む。
【0120】
本技術の一形態において、メモリ4260は、1つ以上のアルゴリズム4300など、本明細書に記載される1つ以上の方法論を表すコンピュータプログラム命令が記憶される非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として機能する。
【0121】
データ通信システム
本技術の一形態において、中央コントローラ4230に接続されたデータ通信インターフェース4280が設けられている。データ通信インターフェース4280は、遠隔外部通信ネットワーク4282及び/またはローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能であり得る。遠隔外部通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286に接続可能であり得る。ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288に接続可能であり得る。
【0122】
一形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。別の形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230とは別個であり、集積回路またはプロセッサを含み得る。
【0123】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282は、インターネットである。データ通信インターフェース4280は、(例えば、イーサネットまたは光ファイバを介した)有線通信または無線プロトコル(例えば、CDMA、GSM、LTE)を使用してインターネットに接続し得る。一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetooth、近距離通信(NFC)または消費者赤外線プロトコルなどの1つ以上の通信規格を利用する。
【0124】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、1つ以上のコンピュータ、例えば、ネットワーク化されたコンピュータのクラスタである。一形態において、遠隔外部デバイス4286は、物理コンピュータではなく、仮想コンピュータであり得る。いずれの場合も、このような遠隔外部デバイス4286は、臨床医などの適切に許可された人に利用可能であり得る。ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話またはタブレット)、またはリモコンであり得る。
【0125】
出力デバイスは、オプションのディスプレイ、アラームを含む。
【0126】
本技術の形態において、RPTデバイス4000は、1つ以上の出力デバイス4290を含む。
【0127】
本技術による出力デバイス4290は、視覚ユニット、聴覚ユニット、及び触覚ユニットのうちの1つ以上の形態をとり得る。視覚ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイ(例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、及びパッシブマトリックス有機発光ダイオード(PMOLED)及びアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイなどの有機発光ダイオードのサブタイプを含み得る)であり得る。
【0128】
本技術の形態において、出力デバイス4290は、遠隔外部デバイス4286及び/またはローカル外部デバイス4288の一部として含まれ得る。例えば、出力デバイス4290は、中央コントローラ4230と無線通信するモバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話またはタブレット)上のディスプレイであり得る。モバイルコンピューティングデバイスは、情報をモバイルコンピューティングデバイスの画面に出力させる1つ以上のソフトウェアアプリケーション、またはアプリケーションを実行するように配置され得る。
【0129】
データ通信インターフェース4280は、RPTデバイス4000から情報を出力することを可能にし得るので、別の形態の出力デバイス4290として動作し得る。
【0130】
RPTデバイスの動作パラメータと設定
中央コントローラ4230は、1つ以上の動作パラメータに従ってRPTデバイス4000の動作を制御し得る。動作パラメータは、RPTデバイス4000の動作に影響を与える要因である。各動作パラメータは異なる場合がある。動作パラメータは、定量的および/または定性的であり得る。
【0131】
動作パラメータは、RPTデバイス4000によって患者1000に提供される呼吸治療に関連し得、この動作パラメータは、治療パラメータと称されてもよい。動作パラメータはまた、RPTデバイス4000の動作の他の態様に関連し得る。例えば、加湿パラメータは、RPTデバイス4000によって患者に供給される空気の加湿に関連し、入力デバイスパラメータ(例えば、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)パラメータ)は、RPTデバイス4000の入力デバイスに関連する。
【0132】
各動作パラメータについて、動作パラメータが取れる1つ以上の設定があり得る。言い換えれば、動作パラメータは可変であり、設定はそれぞれの動作パラメータに対する可能な「値」である。設定は、圧力または温度の数値のような定量的な値、または非数値であるため、定性的な尺度と称されてもよい、レベルまたは定性的な記述子のような定性的な「値」であり得る。設定は離散的であってもよく、または連続的であってもよい。
【0133】
以下の表は、RPTデバイス4000に関して、動作パラメータが関連し得る例示的な側面の非限定的なリスト、例示的な動作パラメータ、及び本技術の特定の形態による各動作パラメータに対する例示的な可能な設定を示す。
【0134】
【表1】
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【0137】
【表4】
【0138】
上表の例示的な設定のいくつかは、値として示される。本技術の特定の形態において、設定が値である動作パラメータは、離散的な数の可能な設定があり得る。例えば、治療圧力は、所定の範囲内のcmHOの離散値(例えば、3~20cmHOの範囲内の0.2cmHOの増分での治療圧力の値)に設定してもよい。このような形態において、設定には有限の複数の値が存在する。
【0139】
他の形態において、これらの動作パラメータは、連続変数に設定され得る。連続変数としても、本技術の形態は設定に制限を設定し得る。例えば、設定は、設定を最大値と最小値との間の許容値の範囲に制限可能な最大値と最小値を有し得、中央コントローラ4230によって設定可能な変数に対する有効数字の数に制限があり得る。したがって、このような形態においても、設定に対して有限の複数の値が存在する。
【0140】
RPTデバイス4000を少なくとも部分的に配置するために、中央コントローラ4230がRPTデバイス4000の動作を制御するための動作パラメータの任意の1つ以上に対する設定を選択することが実現され得る。本技術の特定の形態において、操作パラメータに対する設定を選択することによるRPTデバイス4000の配置は、人(例えば、患者、臨床医)によって手動で実現され得る。例えば、設定は、入力デバイス4220への手動入力によって中央コントローラ4230に入力され得る。追加的または代替的に、動作パラメータに対する設定を選択することによるRPTデバイス4000の配置は、中央コントローラ4230によって自動的に実現され得る。例えば、設定は、変換器4270及び/または入力デバイス4220から中央コントローラ4230に入力されてもよく、及び/または、設定は、中央コントローラ4230によって実装される1つ以上のアルゴリズム4300によって決定されてもよい。
【0141】
RPTデバイス4000は、1つ以上の動作パラメータについて、その/それらの動作パラメータに対する設定の入力または決定がない場合に、デフォルトで設定のうちの1つを採用するように配置され得る。各動作パラメータに対するデフォルト設定は、入力デバイス4220への手動入力に基づいて変更され得る。代替的に、1つ以上の動作パラメータに対するデフォルト設定は、アルゴリズムを使用して中央コントローラ4230によって自動的に決定され得る。
【0142】
RPTデバイスアルゴリズム
上記のように、本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、メモリ4260などの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表現される1つ以上のアルゴリズム4300を実装するように配置される。アルゴリズム4300は、一般に、モジュールと称されるグループに分類される。
【0143】
本技術の他の形態において、アルゴリズム4300の一部または全ては、ローカル外部デバイス4288または遠隔外部デバイス4286などの外部デバイスのコントローラによって実装され得る。このような形態において、外部デバイスで実行するアルゴリズム4300の一部に必要な入力信号及び/または中間アルゴリズム出力を表すデータは、ローカル外部通信ネットワーク4284または遠隔外部通信ネットワーク4282を介して外部デバイスに通信され得る。このような形態において、外部デバイスで実行するアルゴリズム4300の一部は、外部デバイスのコントローラにアクセス可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとして表現され得る。このようなプログラムは、アルゴリズム4300の一部を実行するように外部デバイスのコントローラを配置する。
【0144】
このような形態において、治療エンジンモジュール4320を介して外部デバイスによって生成された治療パラメータ(このような形態では、外部デバイスによって実行されるアルゴリズム4300の一部である)は、治療制御モジュール4330に伝達されるように中央コントローラ4230に通信され得る。
【0145】
前処理モジュール
本技術の1つの形態による前処理モジュール4310は、変換器4270、例えば、流量センサ4274または圧力センサ4272からの信号を入力として受信し、1つ以上のプロセスステップを行って、別のモジュール、例えば、治療エンジンモジュール4320への入力として使用される1つ以上の出力値を計算する。
【0146】
本技術の一形態において、出力値は、インターフェース圧力Pm、呼吸流量Qr、及び漏れ流量Qlを含む。
【0147】
本技術の様々な形態において、前処理モジュール4310は、インターフェース圧力推定アルゴリズム4312、通気流量推定アルゴリズム4314、漏れ流量推定アルゴリズム4316、及び呼吸流量推定アルゴリズム4318のうち1つ以上のアルゴリズムを含む。
【0148】
治療エンジンモジュール
本技術の一形態において、治療エンジンモジュール4320は、患者インターフェース3000または3800内の圧力Pm、及び患者への空気の呼吸流量Qrのうちの1つ以上を入力として受信し、かつ1つ以上の治療パラメータを出力として提供する。
【0149】
本技術の一形態において、治療パラメータは、治療圧力Ptである。
【0150】
本技術の一形態において、治療パラメータは、圧力変動の振幅、ベース圧力、及び目標換気のうちの1つ以上である。
【0151】
様々な形態において、治療エンジンモジュール4320は、位相決定アルゴリズム4321、波形決定アルゴリズム4322、換気決定アルゴリズム4323、吸気流制限決定アルゴリズム4324、無呼吸/低呼吸決定アルゴリズム4325、いびき決定アルゴリズム4326、気道開存決定アルゴリズム4327、目標換気決定アルゴリズム4328、及び治療パラメータ決定アルゴリズム4329のうち1つ以上のアルゴリズムを含む。
【0152】
本技術の形態において、治療エンジンモジュール4320、及びそのアルゴリズムのうちの任意の1つ以上は、動作パラメータの設定のうちの任意の1つ以上を入力として使用し得る。
【0153】
本技術の形態において、治療エンジンモジュール4320、及びそのアルゴリズムのうちの任意の1つ以上は、動作パラメータの設定のうちの任意の1つ以上を出力として提供し得る。
【0154】
治療制御モジュール
本技術の一態様による治療制御モジュール4330は、治療エンジンモジュール4320の治療パラメータ決定アルゴリズム4329から治療パラメータを入力として受信し、治療パラメータに従って空気流を送達するように圧力発生器4140を制御する。
【0155】
本技術の一形態において、治療パラメータは、治療圧力Ptであり、治療制御モジュール4330は、患者インターフェース3000または3800におけるインターフェース圧力Pmが治療圧力Ptと等しい空気流を送達するように圧力発生器4140を制御する。
【0156】
その他の動作パラメータのエンジンおよび制御モジュール
上述したように、中央コントローラ4230は、呼吸治療における送達を制御するための1つ以上のアルゴリズム4300を実装するように配置され得、当該アルゴリズムは、前処理モジュール4310、治療エンジンモジュール4320、及び治療制御モジュール4330に分類される。中央コントローラ4230は、追加的にまたは代替的に、RPTデバイス4000の動作の他の態様を制御するための1つ以上のアルゴリズム4300を実装するように配置され得る。RPTデバイス4000の動作の他の態様を制御するための1つ以上のアルゴリズム4300は、前処理モジュール、動作エンジンモジュール、及び動作制御モジュールに分類され得る。
【0157】
本技術の形態において、動作エンジンモジュール4320及びその任意の1つ以上のアルゴリズムは、動作パラメータの設定のうちの任意の1つ以上を入力として使用し得、及び/または動作パラメータの設定のうちの任意の1つ以上を出力として提供し得る。
【0158】
アルゴリズム4300によって制御され得るRPTデバイス4000の動作の他の態様は、加湿及び入力デバイス(例えば、グラフィカルユーザインタフェース(GUI))を含む。
【0159】
故障状態の検出
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、例えば、電源障害(電力なし、または電力不足)、変換器の障害の検出、配置要素の存在の検出の失敗、推奨範囲外の動作パラメータ(例えば、圧力、流量、温度、PaO)、及び検出可能なアラーム信号を生成するためのテストアラームの失敗などの障害状態の検出のための1つ以上の方法4340を実行する。
【0160】
障害状態を検出すると、対応するアルゴリズム4340は、可聴、視覚及び/または運動(例えば、振動)アラームの起動、外部デバイスへのメッセージの送信、ならびにインシデントのログ記録のうちの1つ以上によって、障害の存在を信号化する。
【0161】
空気回路
本技術の一態様による空気回路は、使用時において空気流が呼吸治療システムの2つの配置要素(例えば、RPTデバイス4000及び患者インターフェース3000または3800)間に移動することを可能にするように、構成および配置された導管または管である。特に、空気回路4170は、空気圧ブロック4020の出口及び患者インターフェースと流体接続し得る。空気回路は、空気送達チューブと称されてもよい。一部の場合において、吸息および呼息のための空気回路の別個の肢が存在することがある。それ以外の場合において、単肢が使用される。いくつかの形態において、空気回路4170は、例えば空気の温度を維持または上昇させるために、空気回路内の空気を加熱するように配置された1つ以上の加熱素子を備え得る。加熱素子は、中央コントローラ4230等のコントローラと連通し得る。
【0162】
補助ガスの送達
本技術の一形態において、補助ガス、例えば酸素4180は、空気圧ブロック4020の上流などの空気圧経路内の1つ以上の点、空気回路4170、及び/または患者インターフェース3000または3800に送達される。
【0163】
加湿器
本技術の一形態において、周囲空気に対して患者に送達するための空気またはガスの絶対湿度を変更するための加湿器5000(例えば、図5Aに示すように)が提供される。典型的には、加湿器5000は、空気を患者の気道に送達する前に、絶対湿度を増加させ、(周囲の空気に対して)空気流の温度を増加させるのに使用される。
【0164】
加湿器5000は、加湿器貯水槽5110、空気流を受けるための加湿器入口5002、及び加湿された空気流を送達するための加湿器出口5004を備え得る。いくつかの形態において、図5A及び図5Bに示されるように、加湿器貯水槽5110の入口及び出口は、それぞれ加湿器入口5002及び加湿器出口5004であり得る。加湿器5000は、加湿器貯水槽5110を受け入れるように適合され、加熱素子5240を備え得る加湿器ベース5006をさらに備え得る。一形態において、加湿器5000は、加湿器貯水槽5110を受け入れるように配置された加湿器貯水槽ドック5130(図5Bに示されるように)を備え得る。
【0165】
水貯水槽5110は、空気流の加湿のために蒸発する液体(例えば、水)の体積を保持または維持するように配置され得る。水貯水槽5110は、少なくとも、睡眠の一晩などの呼吸治療セッションの期間にわたって適切な加湿を提供するために、所定の最大体積の水を保持するように配置され得る。典型的には、貯水槽5110は、数百ミリリットル、例えば300ミリリットル(ml)、325ml、350mlまたは400mlの水を保持するように配置される。他の形態において、加湿器5000は、建物の給水システムなどの外部水源から供給される水を受けるように配置され得る。
【0166】
加湿器5000は、変換器4270に代えてまたは加えて、1つ以上の加湿器変換器(センサ)5210を備え得る。加湿器変換器5210は、図5Cに示されるように、空気圧センサ5212、空気流量変換器5214、温度センサ5216、または湿度センサ5218のうちの1つ以上を備え得る。加湿器変換器5210は、中央コントローラ4230及び/または加湿器コントローラ5250などのコントローラに通信され得る1つ以上の出力信号を生成し得る。いくつかの形態において、加湿器変換器は、出力信号をコントローラに送信し、加湿器5000の外部(例えば、空気回路4170内)に設置され得る。
【0167】
場合によっては、加熱素子5240は、加湿器貯水槽5110における水の少なくとも一部および/または空気流に熱入力を提供するように、加湿器5000に設けられ得る。
【0168】
本技術の1つの配置によれば、加湿器5000は、図5Cに示されるように、加湿器コントローラ5250を備え得る。一形態において、加湿器コントローラ5250は、中央コントローラ4230の一部であり得る。別の形態において、加湿器コントローラ5250は、中央コントローラ4230と連通し得る別個のコントローラであり得る。
【0169】
一形態において、加湿器コントローラ5250は、例えば、空気流、貯水槽5110及び/または加湿器5000における水の特性(温度、湿度、圧力及び/または流量など)に対する測定値を入力として受信し得る。加湿器コントローラ5250はまた、加湿器アルゴリズムを実行または実装し、及び/または1つ以上の出力信号を送達するように配置され得る。
【0170】
図5Cに示されるように、加湿器コントローラ5250は、中央加湿器コントローラ5251、加熱空気回路4171の温度を制御するように配置される加熱空気回路コントローラ5254、及び/または加熱素子5240の温度を制御するように配置される加熱素子コントローラ5252などの1つ以上のコントローラを備え得る。
【0171】
呼吸波形
図6Aは、睡眠中の人の典型的な呼吸波形のモデルを示す。横軸は時間とし、縦軸は呼吸流量とする。パラメータ値は異なる場合があるが、典型的な呼吸は、潮汐体積Vt0.5L、吸息時間Ti1.6s、ピーク吸気流量Qpeak0.4L/s、呼息時間Te2.4s、ピーク呼気流量Qpeak-0.5L/sの近似値を有し得る。呼吸の合計時間Ttotは約4秒である。典型的には、人は毎分約15回の速率(BPM)で呼吸し、換気量が約7.5L/分である。典型的なデューティサイクルであるTiとTtotの比率は約40%である。
【0172】
スクリーニング、診断、監視システム
ポリソムノグラフィ
図7Aは、ポリソムノグラフィー(PSG)を受けている患者1000を示す。PSGシステムは、EOG電極2015、EEG電極2020、ECG電極2025、オトガイ下EMG電極2030、いびきセンサ2035、胸部バンド上の呼吸インダクタンスプレチスモグラム(呼吸労力センサ)2040、腹部バンド上の呼吸インダクタンスプレチスモグラム(呼吸労力センサ)2045、経口サーミスタ付き口腔鼻カニューレ2050、フォトプレチスモグラフィ(パルスオキシメータ)2055、及び体位センサ2060からの信号を受信及び記録するヘッドボックス2000を含む。電気信号は、額の中心に設置された接地電極(ISOG)2010を参照する。
【0173】
隠し監視システム
睡眠中の患者1000の呼吸を監視するための監視装置7100の一例を図7Bに示す。監視装置7100は、一般に患者1000に向けられた非接触運動センサを含む。運動センサは、患者1000の体の動きを表す1つ以上の信号を生成するように配置され、患者の呼吸の動きを表す信号が得られる。
【0174】
呼吸ポリグラフィー
呼吸ポリグラフィー(RPG)は、電気信号(EOG、EEG、EMG)、いびき、または体位センサのないPSGの簡略化された形態の総称である。RPGは、少なくとも、胸部バンド上の呼吸インダクタンスプレチスモグラム(動きセンサ)、例えば、動きセンサ2040からの胸部動き信号、鼻カニューレを介して感知された鼻圧信号、及びパルスオキシメータ、例えば、パルスオキシメータ2055からの酸素飽和信号を含む。3つのRPG信号またはRPGチャネルは、PSGヘッドボックス2000と同様に、RPGヘッドボックスによって受信される。
【0175】
特定の配置において、鼻圧信号は、密封された鼻マスクに合致した流量変換器によって生成された鼻流量信号に対する適切な代用物であり、鼻圧信号は、形状が鼻流量信号に相当する。患者の口が閉じたままの場合、つまり口漏れがない場合、鼻の流量は呼吸流量と等しくなる。
【0176】
図7Cは、RPGスクリーニング/診断/監視システム内にRPGヘッドボックスを実装するために使用され得るスクリーニング/診断/監視デバイス7200を示すブロック図である。スクリーニング/診断/監視デバイス7200は、データ入力インターフェース7260において、上記の3つのRPGチャネル(胸部動きを示す信号、鼻腔流量を示す信号、及び酸素飽和を示す信号)を受信する。スクリーニング/診断/監視デバイス7200はまた、エンコードされた命令を実行するように配置されるプロセッサ7210を含む。スクリーニング/診断/監視デバイス7200はまた、非一時的コンピュータ可読メモリ/記憶媒体7230を含む。
【0177】
メモリ7230は、RAM、フラッシュメモリまたはROMなどのスクリーニング/診断/監視デバイス7200の内部メモリであり得る。一部の実施態様において、メモリ7230は、例えば、SDカード、サーバ、USBフラッシュドライブ、または光ディスクなどのスクリーニング/診断/監視デバイス7200にリンクされた取り外し可能なメモリまたは外部メモリであってもよい。他の実施態様において、メモリ7230は、外部メモリ及び内部メモリの組み合わせであり得る。メモリ7230は、記憶されたデータ7240、及び特定のタスクを実行するようにプロセッサ7210を配置するように適合されたプロセッサ制御命令(コード)7250を含む。記憶されたデータ7240は、データ入力インターフェース7260によって受信されたRPGチャネルデータ、及びアプリケーションの配置要素として提供される他のデータを含み得る。プロセッサ制御命令7250も、アプリケーションプログラムの配置要素として提供され得る。プロセッサ7210は、メモリ7230からコード7250を読み取り、エンコードされた命令を実行するように配置される。特に、コード7250は、インターフェース7260によって提供されるRPGチャネルデータを処理する方法を実行するようにプロセッサ7210を配置するように適合された命令を含み得る。そのような方法の1つは、RPGチャネルデータをデータ7240としてメモリ7230に記憶することであり得る。別のそのような方法は、記憶されたRPGデータを解析して特徴を抽出することであり得る。プロセッサ7210は、そのような解析の結果をデータ7240としてメモリ7230に記憶し得る。
【0178】
スクリーニング/診断/監視デバイス7200はまた、通信インターフェース7220を含み得る。コード7250は、プロセッサ7210が通信インターフェース7220を介して外部コンピューティングデバイスと通信可能に配置された命令を含み得る。通信モードは、有線であってもよく、または無線であってもよい。そのような実施態様の1つにおいて、プロセッサ7210は、記憶されたRPGチャネルデータをデータ7240から遠隔コンピューティングデバイスに送信し得る。そのような実施態様において、遠隔コンピューティングデバイスは、受信したRPGデータを解析して特徴を抽出するように配置され得る。別のそのような実施態様において、プロセッサ7210は、解析結果をデータ7240から遠隔コンピューティングデバイスに送信し得る。
【0179】
代替的に、メモリ7230がスクリーニング/診断/監視デバイス7200から取り外し可能である場合、遠隔コンピューティングデバイスは、取り外し可能なメモリ7230に接続されるように配置され得る。そのような実施態様において、遠隔コンピューティングデバイスは、取り外し可能なメモリ7230から取り出されたRPGデータを解析して特徴を抽出するように配置され得る。
【0180】
携帯式酸素濃縮器
酸素濃縮器は、圧力スイング吸着(PSA)を利用し得る。圧力スイング吸着は、圧縮機を使用して、ガス分離吸着剤の粒子を含むキャニスター内のガス圧力を増加させることを含み得る。圧力が上昇するにつれて、ガス中の特定の分子がガス分離吸着剤に吸着されるようになり得る。加圧された条件下でキャニスター内のガスの一部を除去することにより、吸着されていない分子を吸着された分子から分離することができる。ガス分離吸着剤は、吸着剤からの分子の吸着を逆転させる圧力を低下させることによって再生し得る。酸素濃縮器に関するさらなる詳細は、例えば、2009年3月12日に公開され、「酸素濃縮器装置及び方法」と題された米国公開特願第2009-0065007号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0181】
図8Aは、一実施態様による酸素濃縮器8000の概略図を示す。酸素濃縮器8000は、空気流から酸素を濃縮して、酸素濃縮ガスをユーザに提供し得る。酸素濃縮器8000は、携帯式酸素濃縮器であり得る。例えば、酸素濃縮器8000は、酸素濃縮器を手で及び/またはキャリングケースで搬送可能な重量及びサイズを有してよい。
【0182】
酸素は、ガス分離吸着剤を含む第1キャニスター8102及び8104を含むキャニスター8100内の周囲空気を加圧することによって、周囲空気から収集され得る。酸素濃縮器に有用なガス分離吸着剤は、空気流から少なくとも窒素を分離して酸素濃縮ガスを生成することができる。図8Bに示されるように、空気は、圧縮システム8200によって空気入口8002を介して酸素濃縮器8000に引き込まれ得る。圧縮システム8200は、酸素濃縮器の周囲から空気を引き込み、空気を圧縮して、圧縮された空気をキャニスター8102及び8104の一方または両方に押し込み得る。圧縮システム8200は、空気を圧縮することができる1つ以上の圧縮器を含み得る。一実施態様において、入口マフラー8004は、空気入口8002に結合され、圧縮システム8200によって酸素濃縮器内に引き込まれる空気によって生成される音を低減し得る。
【0183】
各キャニスター8102/8104に、入口バルブ8020/8022及び出口バルブ8030/8032が結合されている。図8Bに示されるように、入口バルブ8020/8022は、圧縮システム8200からそれぞれのキャニスターへの空気の通過を制御するために使用される。出口バルブ8030/8032は、通気プロセス中にそれぞれのキャニスターからガスを放出するために使用される。一実施態様において、加圧された空気は、他のキャニスターが通気されている間、キャニスター8102または8104の一方に送られる。
【0184】
一実施態様において、コントローラ8300は、バルブ8020、8022、8030、及び8032に電気的に結合される。コントローラ8300は、メモリ8320に記憶されたプログラム命令を実行するように動作可能な1つ以上のプロセッサ8310を含む。プログラム命令は、本明細書でより詳細に説明される方法など、酸素濃縮器8000を操作するために使用される様々な所定の方法を実行するように動作可能である。コントローラ8300は、入口バルブ8020及び8022を互いに異相で動作させるためのプログラム命令を含み得、すなわち、入口バルブ8020または8022の一方が開かれると、他方のバルブが閉じられる。キャニスター8102の加圧中に、出口バルブ8030が閉じられ、出口バルブ8032が開かれる。入口バルブと同様に、出口バルブ8030及び8032は、互いに異相で動作する。一部の実施態様において、入力バルブ及び出力バルブを開くための電圧及び電圧の持続時間は、コントローラ8300によって制御され得る。
【0185】
チェックバルブ8040及び8042は、それぞれキャニスター8102及び8104に結合される。チェックバルブ8040及び8042は、キャニスターが加圧されて通気されるときに生じる圧力差によって受動的に動作する一方向バルブである。チェックバルブ8040及び8042は、キャニスターに結合され、キャニスターの加圧中に生成された酸素がキャニスターから流出することを可能にし、かつ酸素または任意の他のガスがキャニスターに逆流するのを阻止する。
【0186】
加圧下では、加圧された周囲空気中の窒素分子は、加圧されたキャニスター内のガス分離吸着剤によって吸着される。圧力が上昇するにつれて、キャニスター内のガスが酸素富化されるまで、より多くの窒素が吸着される。圧力がキャニスターに結合されたチェックバルブの抵抗を克服するのに十分なポイントに達すると、吸着されていないガス分子(主に酸素)は加圧キャニスターから流出する。例示的な実施態様において、キャニスター8102は、圧縮システム8200で生成され、キャニスター8102に通される圧縮空気によって加圧され、キャニスター8104は、キャニスター8102が加圧される間、実質的に同時に通気される。キャニスター8102は、キャニスター内の圧力がチェックバルブ8040を開くのに十分になるまで加圧される。キャニスター8102で生成された酸素濃縮ガスは、チェックバルブを介して排出され、一実施態様において、アキュムレータ8006内で収集される。
【0187】
しばらくすると、ガス分離吸着剤は窒素で飽和し、大量の窒素を入ってくる空気から分離することができなくなる。この点は、通常、酸素濃縮ガスの生成の所定の時間後に到達する。上記の実施態様において、キャニスター8102内のガス分離吸着剤がこの飽和点に達すると、圧縮空気の流入が停止され、キャニスター8102が通気されて窒素が除去される。キャニスター8102が通気されている間、キャニスター8104は、上記と同様に酸素濃縮ガスを生成するように加圧される。キャニスター8104の加圧は、出口バルブ8032を閉じ、入口バルブ8022を開くことによって達成される。酸素濃縮ガスは、チェックバルブ8042を介してキャニスター8104から排出される。
【0188】
キャニスター8102の通気中に、出口バルブ8030が開かれ、加圧されたガス(主に窒素)が濃縮器出口8008を介してキャニスターから排出されることを可能にする。一実施態様において、排出されたガスは、マフラー8010を介して案内され、加圧されたガスをキャニスターから放出することによって生成されるノイズを低減し得る。キャニスター8102からガスが放出されると、キャニスター内の圧力が低下し、窒素がガス分離吸着剤から脱離されることを可能にする。放出された窒素は、出口8008を介してキャニスターから排出され、キャニスターを空気流からの酸素の再分離を可能にする状態にリセットする。
【0189】
キャニスターの通気中に、窒素の少なくとも大部分が除去されることが有利である。一部の実施態様において、キャニスターは、他のキャニスターからキャニスターに導入される酸素濃縮流を使用して、さらに窒素パージし得る。例示的な実施態様において、酸素濃縮ガスの一部は、キャニスター8104から窒素が排出されているときに、キャニスター8102からキャニスター8104に移され得る。一実施態様において、酸素濃縮ガスは、2つのキャニスター間で流量制限器8050、8052、及び8054を介して移動し得る。
【0190】
酸素濃縮ガスの流れはまた、バルブ8056及びバルブ8058を使用して制御される。バルブ8056及び8058は、パージキャニスターからの過剰な酸素損失を防止するために、通気プロセス中に一定期間で開き得る(それ以外の場合は閉じてもよい)。例示的な実施態様において、キャニスター8102が通気されているとき、キャニスター8104で生成される酸素濃縮ガスの一部をキャニスター8102に通過させることによってキャニスター8102をパージすることが望ましい。キャニスター8102の通気中に、酸素濃縮ガスの一部は、キャニスター8104の加圧時に、流量制限器8050を介してキャニスター8102内を通過する。追加の酸素濃縮空気は、キャニスター8104から、バルブ8058及び流量制限器8054を介してキャニスター8102を通過する。バルブ8056は、移送プロセス中に閉じたままであってもよく、または追加の酸素濃縮ガスが必要な場合に開いてもよい。バルブ8058における制御された開口部と結合された適切な流量制限器8050及び8054の選択によって、制御された量の酸素濃縮ガスをキャニスター8104からキャニスター8102に送ることを可能にする。一実施態様において、酸素濃縮ガスの制御量は、キャニスター8102をパージし、キャニスター8102の通気バルブ8030を介して酸素濃縮ガスの損失を最小限に抑えるのに十分な量である。この実施態様は、キャニスター8102の通気を説明するが、同じプロセスによって流量制限器8050、バルブ8056、および流量制限器8052を使用してキャニスター8104を通気することができることが理解されるべきである。
【0191】
均等化/通気バルブ8056/8058のペアは、流量制限器8052および8054と連携して、2つのキャニスター間の空気流のバランスを最適化する。一部の実施態様において、空気経路は、制限器がなく、代わりに抵抗を内蔵したバルブがあり得、または空気経路自体が抵抗を提供するために狭い半径を有し得る。
【0192】
場合によっては、酸素濃縮器が一定期間でシャットダウンされることがある。一実施態様において、シャットダウン前に両方のキャニスターを加圧することにより、酸素濃縮器がシャットダウンされた後に外部空気がキャニスターに入るのを阻止し得る。一実施態様において、シャットダウン時のキャニスター内の圧力は、少なくとも周囲圧力より大きい必要がある。本明細書で使用する用語「周囲圧力」は、酸素濃縮器が位置する周囲の圧力(例えば、部屋内、外、平面内などの圧力)を指す。一実施態様において、シャットダウン時のキャニスター内の圧力は、少なくとも標準大気圧よりも大きい(すなわち、760mmHg(Torr)、1atm、101,325Paを超える)。
【0193】
図8Bは、携帯式酸素濃縮器8000の例を示す。この実施態様において、酸素濃縮器8000は、外側ハウジング8500を含む。外側ハウジング8500は、圧縮システム入口8502、冷却システム受動入口8504(図8Bには見られないが、符号8502で示される)及び外側ハウジング8500の各端部における冷却システム受動出口8504を含む。外側ハウジング8500はまた、出口ポート8506、及び制御パネル8600を含む。入口8502及び出口8504は、冷却空気がハウジング8500に入り、ハウジングに流れ、ハウジングの内部から排出され、酸素濃縮器8000の冷却を助けることを可能にする。圧縮システム入口8502は、空気が図8Aに示される圧縮システム8200に入ることを可能にする。出口ポート8506は、酸素濃縮器8000によって生成された酸素濃縮ガスをユーザに提供するための導管を取り付けるのに使用される。制御パネル8600は、ユーザとコントローラ8300(図8Aに示す)との間のインターフェースとして機能し、ユーザが酸素濃縮器8000の所定の動作モードを開始し、システムの状態を監視することを可能にする。充電入力ポート8602は、制御パネル8600に設置され得る。
【0194】
呼吸治療モード
様々な呼吸治療モードは、開示された呼吸治療システムによって実施され得る。呼吸治療モードの例としては、CPAP治療、Bi-level治療、及び高流量治療が挙げられる。
【0195】
コンピューティングシステムとプロセス
本技術の形態において、RPTデバイス4000は、システム9000の一部であってもよく、またはシステム9000と併せて動作してもよい。システム9000は、1つ以上のサーバ9010及び1つ以上のコンピューティングデバイス9040を含んでよく、一般にコンピューティングシステム9000と称されてもよい。システム9000の配置要素は、例えば、RPTデバイス4000の動作を制御及び/または監視するために、RPTデバイス4000と対話し得る。一部の例では、システム9000は、人(例えば、患者、臨床医)がRPTデバイス4000の動作を制御及び/または監視することを可能にし得る。RPTデバイス4000の動作の制御及び/または監視は、患者1000に提供される呼吸治療を制御及び/または監視することを可能にし得る。
【0196】
コンピューティングシステム
図9は、本技術の特定の形態による例示的なシステム9000を示す。システム9000は、一般的に、サーバ9010、1つ以上の通信ネットワーク9030、及び1つ以上のコンピューティングデバイス9040のうちの1つ以上を含み得る。サーバ9010及びコンピューティングデバイス9040はまた、1つ以上の通信ネットワーク9030を介して1つ以上の呼吸治療デバイス(例えば、限定されないが、図4Aから4Fに関連して説明されるRPTデバイス4000)と通信し得る。
【0197】
1つ以上の通信ネットワーク9030は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/または有線通信ネットワーク9032、無線通信ネットワーク9034、またはそれらの組み合わせ(例えば、無線リンクを有する有線ネットワーク)を介して実装されるパーソナルエリアネットワークを含み得る。一形態において、ローカル通信ネットワークは、Bluetooth、近距離通信(NFC)または消費者赤外線プロトコルなどの1つ以上の通信規格を利用し得る。
【0198】
サーバ9010は、1つ以上のプロセッサ9012、メモリ9014、及びそのようなコンピューティング環境に典型的に存在する他の配置要素に代表される処理設備を備え得る。プロセッサ9012の処理能力は、例えば、1つ以上の汎用プロセッサ、1つ以上の専用プロセッサ、または所望の特性、サービスモデル、及び展開モデルに従って配置されたコンピューティングリソースの共有プールへのアクセスを提供するクラウドコンピューティングサービスによって提供され得る。例示される例では、メモリ9014は、プロセッサ9012によってアクセス可能な情報を記憶し、当該情報は、プロセッサ9012によって実行され得る命令9016と、プロセッサ9012によって取り出され、操作され、または記憶され得るデータ9018とを含む。メモリ9014は、コンピュータ可読媒体、または電子デバイスを用いて読み取られ得るデータを記憶する他の媒体を含む、プロセッサ9012によってアクセス可能な方法で情報を記憶することができる、当該技術分野で知られている任意の適切な手段であり得る。プロセッサ9012及びメモリ9014は、単一のユニット内にあるように例示されるが、これは限定を意図するものではなく、本明細書に記載されるような各々の機能は、互いに離れていてもいなくてもよく、システム9000の残り部分から離れていてもいなくてもよい複数のプロセッサ及びメモリによって実行され得ることが理解されるべきである。
【0199】
命令9016は、プロセッサ9012による実行に好適な命令の任意のセットを含み得る。例えば、命令9016は、コンピュータコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶され得る。命令は、任意の適切なコンピュータ言語または形式で記憶され得る。データ9018は、命令9016に従って、プロセッサ9012によって取り出され、記憶され、または修正され得る。データ9018はまた、任意の適切なコンピュータ可読形式でフォーマットされ得る。ここでも、データは単一の場所に含まれるように例示されるが、これは限定を意図するものではなく、つまり、データは、複数のメモリまたは場所に記憶されてもよいことが理解されるべきである。データ9018は、1つ以上のデータベース9020を含み得る。
【0200】
一部の例では、サーバ9010は、コンピューティングデバイス9040のうちの1つ以上に情報を提供することによって、コンピューティングデバイス9040と一方向で通信可能であり、またはその逆も可能である。他の実施形態において、サーバ9010及びコンピューティングデバイス9040は、互いに双方向で通信可能であり、情報及び/または処理タスクを共有可能である。
【0201】
一部の例では、コンピューティングデバイス9040は、図4Cを参照して説明される遠隔外部デバイス4286及び/またはローカル外部デバイス4288を含み得る。
【0202】
コンピューティングデバイス
コンピューティングデバイス9040は、限定されないが、デスクトップまたはラップトップコンピュータ9042などのパーソナルコンピュータ、あるいはスマートフォン9044またはタブレット9046などのモバイルコンピューティングデバイスなどの任意の好適な処理デバイスであり得る。図10は、コンピューティングデバイス9040の例示的な一般アーキテクチャ9100を示す。コンピューティングデバイス9040は、1つ以上のプロセッサ9110を含み得る。コンピューティングデバイス9040はまた、メモリ/データストレージ9120、入力/出力(I/O)デバイス9130、及び通信インターフェース9150を含み得る。
【0203】
1つ以上のプロセッサ9110は、メモリ/データストレージ9120などの場所から制御命令をフェッチし、プログラム命令をデコードし、プログラム命令を実行し、実行された命令の結果を書き込むための機能配置要素など、命令の実行に使用される機能配置要素を含み得る。
【0204】
メモリ/データストレージ9120は、RAM、フラッシュメモリまたはROMなどのコンピューティングデバイスの内部メモリであり得る。一部の例では、メモリ/データストレージ9120はまた、例えば、SDカード、USBフラッシュドライブ、光ディスク、または遠隔に位置するメモリ(例えば、サーバ9010などのサーバを介してアクセスされる)などのコンピューティングデバイス130にリンクされた外部メモリであり得る。他の例では、メモリ/データストレージ9120は、外部メモリ及び内部メモリの組み合わせであり得る。
【0205】
メモリ/データストレージ9120は、本明細書に記載されるように、特定のタスクを実行するようにプロセッサ9110に指示するプロセッサ制御命令9122及び記憶データ9124を含む。上記のように、例では、命令は、コンピューティングデバイス9030と通信するサーバ9010と関連付けられたリソースによって実行され得、データは、当該リソースによって記憶され、及び/またはそこからアクセスされ得る。
【0206】
例では、入力/出力(I/O)デバイス9130は、1つ以上のディスプレイ9132を含み得る。例では、ディスプレイ9132は、コンピューティングデバイス9030のユーザに可視情報を出力することに加えて、ユーザが入力できるようにするタッチセンシティブ画面であり得る。例では、I/Oデバイスは、1つ以上のスピーカ9134及び触覚フィードバックデバイス9136を含む他の出力デバイスを含み得る。例では、入力/出力(I/O)デバイス9130は、物理入力デバイス9138(例えば、ボタンまたはスイッチ)、光学センサ9140(例えば、カメラなどの1つ以上の撮像デバイス)、及び(特に、コンピューティングデバイス9030がモバイルコンピューティングデバイスである例では)慣性センサ9142などの入力デバイスを含み得る。他のI/Oデバイス9130が含まれるか、またはI/Oインターフェース9150を通じて(例えば、コンピューティングデバイス9130に接続された周辺デバイスとインターフェースして)アクセスされ得ることが理解されるべきである。通信インターフェース9160は、コンピューティングデバイス9030が1つ以上のネットワーク9030(図9に示される)を介して通信することを可能にする。
【0207】
コンピュータ実装可能な方法
本明細書は、本技術の特定の形態でシステム9000によって少なくとも部分的に実装可能な方法を示すフローチャートを含む。フローチャートは、例示的な方法を実施するための例示的なコンピュータ可読命令を表す。例では、コンピュータ可読命令は、本明細書に記載される1つ以上のプロセッサ、例えば、プロセッサ9012及び/または中央コントローラ4230による実行のための1つ以上のアルゴリズムを含む。これらの機能を実行するための命令は、選択的に、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、例えば、メモリ9014、または1つ以上のプロセッサによって実行されるように配置された他のコンピュータプログラム製品に含まれる。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持及び記憶できる有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または前述の記憶装置の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由に伝播する電磁波、導波路または他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波、またはワイヤを通じて伝送される電気信号などの、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0208】
しかしながら、当業者は、アルゴリズム全体及び/またはその一部分が、代替的に、プロセッサ以外のデバイスによって実行され、及び/または周知の方法でファームウェアもしくは専用ハードウェアに具現化され得、例えば、アルゴリズム全体及び/またはその一部分が、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジックなどによって実装され得ることを容易に理解する。例えば、コンポーネントのいずれかまたはすべては、ソフトウェア、ハードウェア、及び/またはファームウェアによって実装され得る。また、フローチャートによって表される命令の一部または全ては、手動で実装され得る。さらに、例示的なアルゴリズムは、図示されたフローチャートを参照して説明されるが、当業者は、例示的なプロセッサ可読命令を実装する多くの他の方法が代替的に使用され得ることを容易に理解する。例えば、ブロックの実行順序が変更されてもよく、及び/または説明されたブロックのいくつかが変更、削除、または組み合わせられてもよい。
【0209】
本明細書で使用される用語「配置要素」、「モジュール」、「システム」などは、一般的に、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または1つ以上の特定の機能を有する操作マシンに関連するエンティティのいずれかを指す。例えば、配置要素は、プロセッサで実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能なモジュール、実行スレッド、プログラム、及び/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例示として、コントローラで実行されるアプリケーションとコントローラの両方は、配置要素であり得る。1つ以上の配置要素は、プロセス及び/または実行スレッド内に存在し得、また、配置要素は、1つのコンピュータにローカライズされ、及び/または2つ以上のコンピュータ間に分散され得る。さらに、「デバイス」は、特別に設計されたハードウェア、ハードウェアが特定の機能を実行可能なソフトウェアの実行によって専門化された一般化ハードウェア、プロセッサ可読媒体に記憶されたソフトウェア、またはそれらの組み合わせの形態であり得る。
【0210】
RPTデバイス設定の配置
上述したように、患者1000、またはRPTデバイス4000の訓練を受けていない他のユーザが、臨床医、またはRPTデバイス4000の訓練を受けた他のユーザによる監督あるいは彼らと相談なしにRPTデバイス4000を配置して使用する必要がある場合に、問題に遭遇し、または問題を引き起こす可能性がある。特に、1つの問題は、RPTデバイス4000の誤った配置であり、これにより、患者1000が最適ではない、効果がない、または潜在的に有害な呼吸治療を受ける可能性がある。
【0211】
これらの問題に対処するために、本技術の特定の形態は、中央コントローラ4230がRPTデバイス4000の動作を制御するための動作パラメータのうちのいずれか1つ以上に対する特定の設定を選択することによって、RPTデバイス4000が配置され得る方法及び/またはシステムを提供する。選択された特定の設定は、RPTデバイス4000を患者1000の特定の治療ニーズに合わせてカスタマイズするために、特定の患者1000のために選択され得る。
【0212】
RPTデバイスの配置方法
図11は、本技術の特定の形態によるRPTデバイス4000を配置する方法9500のフローチャートである。図11は、方法9500の実施に関与し得るパーティーを示し、当該パーティーは、示される形態において、臨床医1500、サーバ9010、患者1000またはローカル外部デバイス4288、及びRPTデバイス4000の中央コントローラ4230を含む。
【0213】
ステップ9510において、臨床医1500は、患者1000に対する呼吸治療の提供に好適な複数の設定を決定する。臨床医によって決定された設定は、上記のセクション8.4.3で説明されたように、RPTデバイス4000の操作パラメータの任意の設定であり得る。設定及び対応する動作パラメータの例は、このセクションに記載されている。
【0214】
ステップ9520において、臨床医1500は、決定された設定をコンピューティングデバイス9040に入力する。コンピューティングデバイス9040は、臨床医1500が設定をコンピューティングデバイス9040に入力できるようにカスタマイズされたコンピュータプログラムまたはアプリケーションを実行するように配置され得る。例えば、アプリケーションは、コンピューティングデバイス9040のディスプレイデバイスに、各動作パラメータに対する一部の選択可能な値として設定を提示する画面を提示し得る。臨床医1500は、マウス、キーボード、及び/またはタッチスクリーンなどの入力デバイスを使用して、適切な設定値を選択し得る。いくつかの形態において、設定は、臨床医1500による選択のため、ドロップダウンリストとして提示され得る。アプリケーションは、例えば「完了」ボタンを選択することによって、臨床医1500が設定の選択を確認し得る機構を提示し得る。
【0215】
ステップ9530において、入力された設定は、サーバ9010によって受信される。例えば、入力された設定を表すデータは、コンピューティングデバイス9040からサーバ9010に、例えばネットワーク9030を介して送信され得る。
【0216】
ステップ9540において、サーバ9010は、設定から識別子を決定する。識別子は、臨床医1500によって選択された設定の組み合わせを識別するために使用され得る情報である。識別子のさらなる議論と、設定の組み合わせを識別するためにそれらの識別子がどのように使用され得るかについては、以下に提供される。
【0217】
ステップ9550において、ステップ9540で決定された識別子は、サーバ9010によって出力される。識別子は、一部の方法のうちの任意の1つ以上で出力され得る。例えば、ステップ9560において、識別子は、コンピューティングデバイス9040のディスプレイデバイスで臨床医1500に表示され得る。追加的または代替的に、識別子は、サーバ9010によって別のコンピューティングデバイス9040に送信され得る。例では、識別子は、患者のコンピューティングデバイス、別の臨床医のコンピューティングデバイス、または医療施設のコンピューティングデバイスに送信される。本技術の一形態において、識別子は、例えば、臨床医1500のコンピューティングデバイス9040におけるディスプレイによって、最初に臨床医1500に送信され、また、ステップ9570において、臨床医は、識別子を別のパーティーに送信する。例えば、臨床医1500は、識別子を患者1000に送信し得る。一形態において、臨床医1500は、ネットワーク9030を介して、識別子を臨床医1500のコンピューティングデバイス9040から患者1000のコンピューティングデバイス9040に送信する。識別子は、電子メール、SMS、FTP、HTTP、HTTPSを含む任意の適切な通信プロトコルによって送信され得る。他の形態において、臨床医は、識別子を別の通信手段、例えば、口頭または郵便を介して、患者に送信し得る。一形態において、患者1000のコンピューティングデバイスは、RPTデバイス4000と通信するローカル外部デバイス4288である。
【0218】
ステップ9580において、患者1000及び/またはローカル外部デバイス4288及び/または患者1000に関連付けられた別のコンピューティングデバイス9040は、場合によっては、識別子を受信する。
【0219】
ステップ9590において、識別子は、RPTデバイス4000に入力される。このステップが生じる方法は、識別子の性質に依存し、本技術の特定の形態に従った実施例は、以下により詳細に説明される。一般に、識別子は、データ通信インターフェース4280、入力デバイス4220、及び変換器4270のうちの1つ以上を介してRPTデバイス4000に入力される。
【0220】
ステップ9610において、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230は、識別子を受信する。例えば、識別子を表すデータは、データ通信インターフェース4280、入力デバイス4220及び/または変換器4270から中央コントローラ4230に送信され得る。
【0221】
ステップ9620において、中央コントローラ4230は、識別子から、ステップ9510において臨床医1500によって患者1000に対する呼吸治療の提供に適していると決定されたRPTデバイス4000に対する設定を決定する。臨床医1500によって決定された設定の組み合わせを識別するために識別子がどのように使用され得るかに対するさらなる議論が以下に提供される。
【0222】
ステップ9630において、中央コントローラ4230は、ステップ9620で決定された設定の組み合わせに従って動作するようにRPTデバイス4000を配置する。RPTデバイス4000の配置は、治療制御モジュール4330及び/または別の動作制御モジュールの実装によって実現され得る。セントラルコントローラ4230はまた、RPTデバイス4000が現在配置されている設定の組み合わせをメモリ4260に記憶し得る。メモリ4260はまた、過去にRPTデバイス4000を配置するために使用される設定の組み合わせを記憶し得る。
【0223】
図11に例示される方法は、RPTデバイス4000が、臨床医1500または医療従事者が立ち会うことなく、臨床医1500または医療従事者と相談することなく、またはRPTデバイス4000を患者自分で配置する場合、臨床医1500または他の医療従事者によって選択された操作パラメータに対する設定に従って、特定の患者1000のために使用されるように配置されることを可能にする。必要なのは、動作設定を効果的にエンコードする識別子が、RPTデバイス4000のセントラルコントローラ4230がRPTデバイス4000を適切に配置できるように、RPTデバイス4000に通信されることである。臨床医1500または他の医療従事者が、RPTデバイスと直接対話することによって、患者1000のRPTデバイス4000のセットアップまたは配置を助けることができない状況では、この方法は、患者1000がRPTデバイスを誤ってセットアップし、結果として、最適ではない、効果がない、または潜在的に有害な呼吸治療を受けるリスクを低減する。
【0224】
識別子と設定の組み合わせの決定
本技術の特定の形態において、中央コントローラ4230は、複数の動作パラメータO、O、O、…Oに従ってRPTデバイス4000の動作を制御する。RPTデバイス4000の動作パラメータの例は、上記のセクション8.4.3の表に示されている。
【0225】
動作パラメータOの各々は、複数の設定SOx 、SOx 、SOx 、…SOx のうちの任意の設定SOx に設定され得る。すなわち、動作パラメータOは、設定SO1 、SO1 、SO1 、…SO1 のいずれかに設定され得、動作パラメータOは、設定SO21、SO22、SO23、…SO2jのいずれかに設定され得る。なお、可能な設定の数が、動作パラメータごとに同じではなくてもよいので、i、jなどは異なる値をとってもよい。RPTデバイス4000の設定の例は、上記のセクション8.4.3の表に示されている。
【0226】
動作パラメータOは、有限個(n個)が存在し、それぞれが、可能な設定SOx を有限個(m=i、j、…個)有するので、全ての動作パラメータOについて、設定の組み合わせ{SO1 、SO2 、SO3 、…SOn }は、有限個が存在する。
【0227】
そのため、可能な設定の組み合わせ{SO1 、SO2 、SO3 、…SOn }ごとに識別子Iを定義することが可能である。そうすることで、有限個の識別子Iが存在する。本技術の特定の形態において、各識別子Iに対応する設定の組み合わせは、各識別子に固有対して一意である。他の形態において、同一の設定の組み合わせは、2つ以上の識別子に対応し得る。
【0228】
実際には、各動作パラメータのすべての可能な設定のすべての可能な組み合わせが識別子Iに対応する必要はない場合がある。例えば、設定の組み合わせのいくつかは、RPTデバイス4000を操作するために実用的または安全ではない場合がある。また、特定の動作パラメータの1つまたは複数の設定は、別の動作パラメータの1つまたは複数の設定と互換性がない場合がある。RPTデバイス4000は、相互に互換性のない設定で配置されず、その場合、互換性のない設定が存在する組み合わせに識別子は必要ない。そのため、識別子の数は、各パラメータの設定の数の積、すなわちij…によって与えられる組み合わせの数よりも少ない場合がある。
【0229】
本技術の形態は、ステップ9540において、識別子Iを対応する設定の組み合わせから決定するための識別子決定アルゴリズムを提供する。例えば、サーバ9010は、設定の組み合わせを入力として受信し、識別子決定アルゴリズムを実行し、入力された設定の組み合わせに対応する識別子Iを出力するように配置される。
【0230】
本技術の形態は、ステップ9620において、対応する識別子Iから設定の組み合わせを決定するための設定の組み合わせの決定アルゴリズムをさらに提供する。例えば、中央コントローラ4230は、入力として識別子Iを受信し、設定の組み合わせの決定アルゴリズムを実行し、識別子Iに対応する設定の組み合わせを出力するように配置される。本技術の形態において、同一の設定の組み合わせが2つ以上の識別子に対応し得る場合、その設定の組み合わせに対応する識別子のいずれかが出力され得る。設定の組み合わせの決定アルゴリズムは、識別子決定アルゴリズムと逆である。
【0231】
データアレイ
本技術の一形態において、識別子決定アルゴリズムおよび/または設定の組み合わせの決定アルゴリズムは、データアレイ9700を使用して実行される。図12は、本技術の形態により識別子決定アルゴリズムおよび/または設定の組み合わせの決定アルゴリズムを実行するための例示的なデータアレイ9700の図である。データアレイ9700は、ルックアップテーブルと呼ばれてもよい。
【0232】
データアレイ9700は、複数の動作パラメータOのそれぞれについて、設定SOx に関連付けられるように識別子Iが記憶されるメモリストアである。図12において、この対応は、同一の行を占める識別子及び設定の組み合わせとして示される。RPTデバイス4000の配置が必要な場合がある全ての設定の組み合わせは、行に表され、各行に識別子Iが割り当てられる。識別子決定アルゴリズム、または設定の組み合わせの決定アルゴリズムを実行するために、ルックアップ機能が実行される。このルックアップ機能によって、入力された設定の組み合わせ、または入力された識別子がデータアレイ9700において識別され、対応する識別子、または設定の組み合わせが、関連する行から識別される。
【0233】
他の決定アルゴリズム
本技術の特定の形態において、識別子は、何らかの形で設定の組み合わせをエンコードし得る。このような形態において、識別子決定アルゴリズム及び設定の組み合わせの決定アルゴリズムは、エンコーディング及びデコーディング処理をそれぞれ行うアルゴリズムである。
【0234】
一形態において、識別子Iは、複数の識別子配置部分Ix1、Ix2、…Ixnを含み得、各識別子配置部分Ixiは、動作パラメータOの1つに対応し、それぞれの動作パラメータについて設定SOx の値または代表指標を有する。例えば、識別子Iは、複数の識別子配置部分Ix1、Ix2、…Ixnを連結することによって形成される文字ストリングであり得る。連結は、例えば、分離インジケータ(例えば、「;」)を使用することによって、識別子配置部分を区切り得る。各識別子配置部分は、データアレイまたはルックアップテーブルによって、それぞれの動作パラメータについて設定を表し得る。
【0235】
他の形態において、識別子決定アルゴリズム及び設定の組み合わせの決定アルゴリズムは、設定の組み合わせを識別子によって一意に表すことを可能にする、任意のアルゴリズム及びその逆であり得る。いくつかの形態において、例えば、ハッシュ関数及びその逆関数を使用し得る。
【0236】
ローカルまたは遠隔決定アルゴリズム
ステップ9540で識別子決定アルゴリズムを実行するために、サーバ9010は、識別子決定アルゴリズムのステップまたはその実行に関連するデータが記憶されるメモリにアクセスできる必要があり得る。同様に、ステップ9620で設定の組み合わせの決定アルゴリズムを実行するために、中央コントローラ4230は、設定の組み合わせの決定アルゴリズムのステップまたはその実行に関連するデータが記憶されるメモリにアクセスできる必要があり得る。これらのメモリの位置する場所のさまざまなオプションは、特定の利点を提供する。
【0237】
非限定的な例として、データアレイ9700を使用して実行されている識別子決定アルゴリズム及び設定の組み合わせの決定アルゴリズムの場合を参照すると、本技術の一形態において、データアレイ9700は、RPTデバイス4000のメモリ4260、およびサーバ9010にアクセス可能なメモリ、例えば、メモリ9014、またはネットワーク9030を介してサーバ9010によってアクセス可能なメモリ、の両方に記憶される。この状況は、RPTデバイス4000が、受信した識別子から、臨床医1500によって選択された設定の組み合わせを決定することができるように遠隔通信能力を有する必要がないので、臨床医の意図に従って配置される、という利点を有する。一部の場合において、例えば、RPTデバイス4000が遠隔通信能力を有しない場合、またはRPTデバイス4000をデータ通信ネットワークに接続するのに十分に強いデータ通信信号が利用できない場合、RPTデバイス4000が遠隔で通信することは、実用的ではない、または不可能であり得る。データアレイ9700への任意の変更は、例えばソフトウェア更新によって、RPTデバイス4000上のメモリ4260に記憶されているデータアレイ9700を更新することによって反映され得る。遠隔通信が不可能なRPTデバイス4000の場合、データアレイ9700を更新するためのソフトウェア更新を実行するために、例えばセキュアデジタル(SD)規格に従って作製されたメモリカード等のポータブルメモリデバイスを、RPTデバイス4000に挿入するために患者1000に郵送し得る。同様に、既存のRPTデバイス4000は、RPTデバイス4000への挿入のために、データアレイ9700が記憶されているポータブルメモリデバイスプロビジョニングを患者1000に物理的に送ることによって、方法9500に従って遠隔で配置され得るように更新され得る。
【0238】
別の形態において、データアレイ9700は、中央コントローラ4230及びサーバ9010の一方または両方から離れて位置するメモリに記憶されるが、中央コントローラ4230及びサーバ9010の両方によって、例えばデータ通信インターフェース4280及びネットワーク9030を介してアクセス可能である。データアレイ9700を、RPTデバイス4000及びシステム9000の両方にアクセス可能な単一の場所に記憶することは、データアレイ9700への任意の更新は、単一の場所で一度行うことができるが、RPTデバイス4000及びシステム9000の両方が遠隔通信能力を有する必要があることを意味する。特に、RPTデバイス4000の場合、これは常に実用的または望ましいとは限らない場合がある。
【0239】
識別子
本技術の形態による識別子は、例えば、識別子上の適切な設定の組み合わせの決定アルゴリズムの適用時に、設定の組み合わせを識別する能力を有する任意のデータまたは要素であり得る。
【0240】
本技術の一形態において、識別子は文字ストリングである。文字ストリングは、英数字の文字のストリング、または、例えばASCIIまたはUnicodeシステムにより、他の文字をエンコードする文字のストリングであり得る。例えば、1つの識別子は、文字ストリングABCDEF12345であり得るとともに、別の識別子は、文字ストリングGHIJKL67890であり得る。本技術の一形態において、識別子は、上記で説明したように、データアレイ9700によって、対応する設定の組み合わせを識別する能力を有し、逆もまた同様である。識別子を表すために使用される文字ストリングの長さが、少なくとも1つの一意の識別子が設定の組み合わせの各々に割り当てられることを可能にするのに十分な長さである必要があることは明らかであろう。明らかに、文字ストリング内の各文字の選択肢数は、文字ストリングの最小必要長を決定するファクターでもある。
【0241】
一方のパーティーまたはデバイスから他方のパーティーまたはデバイスに識別子を送信するために、識別子は、識別子を表すデータの形式で送信され得る。識別子が如何に表され得るかの非限定的な例は、文字ストリングを表すデータのビット、文字ストリングをエンコードする特性(例えば、周波数)を有する電磁信号、文字ストリングを表す光学機械可読コード(例えば、QRコード(登録商標)またはバーコード)を表す光学データ、及び文字ストリングを表す複数の音響トーンを表す音響データである。既知のデータ通信技術は、識別子を一方のパーティーまたはデバイスから他方に通信するために、識別子を表すデータを送信するために使用される。
【0242】
本技術の特定の形態において、識別子を表すデータは暗号化され得る。例えば、サーバ9010は、ステップ9550で識別子を出力する前に識別子を暗号化するステップを実行し得る。同様に、中央コントローラ4230は、ステップ9610で識別子を受信した後に復号化ステップを実行し得る。従来の暗号化及び復号化方法を使用し得る。識別子を暗号化することは、患者固有の情報のプライバシーに関する懸念を軽減し得る。例えば、一部の管轄区域では、呼吸デバイスの動作パラメータの設定の選択は、処方箋と同様に患者の機密情報であると見なされ得、その結果、プライバシー法の対象となる。上記の識別子の暗号化などの措置は、患者情報の機密性を維持するための要件を満たすのに役立ち得る。
【0243】
識別子入力
識別子は、任意の1つ以上の入力デバイス4220を介してRPTデバイス4000に提供され得る。異なる形態のデータをRPTデバイス4000に入力することを可能にする入力デバイスの例は、前述したとおりである。本技術の形態において、これらの入力デバイス4220、及び説明された方法は、ステップ9590において、識別子をRPTデバイス4000に入力するために使用され得る。いくつかの形態において、入力デバイス4220は、ユーザ入力デバイス、すなわち、例えば、キーパッド上のボタンを押すことによって、またはセンサによる検出のために特定の位置にディスプレイデバイスを保持することによって、ユーザ(患者1000など)がデータ入力プロセスの一部として手動プロセスを実行するデバイスであり得る。
【0244】
一例において、患者1000は、彼らの臨床医1500から電子メールまたはテキストメッセージとして、例えばABCDEF12345などの文字ストリングの形態の識別子を受信する。患者1000は、RPTデバイス4000のキーパッドまたはキーボード、例えば、タッチスクリーンデバイス上に表示されるキーパッドに「ABCDEF12345」を入力する。その結果、識別子ABCDEF12345を表すデータが中央コントローラ4230に送信される。
【0245】
別の例において、患者1000は、彼らの臨床医1500から電子メールまたはテキストメッセージとして、例えばABCDEF12345などの文字ストリングの形態の識別子を受信する。患者1000は、モバイルコンピューティングデバイスのキーパッドを使用してモバイルコンピューティングデバイス上で実行中のアプリによって、例えば患者の携帯電話などのモバイルコンピューティングデバイスの画面上に表示されるフィールドに「ABCDEF12345」を入力する。モバイルコンピューティングデバイスは、ローカル外部通信ネットワーク4284を介して中央コントローラ4230と通信するローカル外部デバイス4288であってよく、モバイルコンピューティングデバイスは、例えば、Bluetooth、近距離通信(NFC)または消費者赤外線プロトコルによって、識別子ABCDEF12345を表すデータをローカル外部通信ネットワーク4284を介して中央コントローラ4230に送信する。モバイルコンピューティングデバイスは、データを中央コントローラ4230に直接、または、例えば受信機または他の中間配置要素を介して、間接的に送信し得る。
【0246】
別の例において、患者1000は、彼らの臨床医1500からQRコード(登録商標)の形態で表される識別子を受信する。QRコード(登録商標)は、電子メール、テキストメッセージ、または患者1000のモバイルコンピューティングデバイス上で実行中のアプリを介して患者に送信され得る。QRコード(登録商標)は、例えば、ABCDEF12345などの文字ストリングの形態の識別子を表し得る。患者1000は、モバイルコンピューティングデバイスに、デバイスの画面上にQRコード(登録商標)を表示するように促し、QRコード(登録商標)が表示されている画面を、QRコード(登録商標)を感知するRPTデバイス4000上のカメラまたは他の光学センサに提示する。QRコード(登録商標)を表す光学データは、それによって中央コントローラ4230に送信され、中央コントローラ4230は、光学データから識別子を決定するように配置される。同様の例において、患者1000は、彼らのモバイルコンピューティングデバイスを使用してQRコード(登録商標)を読み取ることによって、QRコード(登録商標)および/またはQRコード(登録商標)によって表される識別子を表す光学データを生成し得、モバイルコンピューティングデバイスは、上記のように、例えばローカル外部通信ネットワーク4284を介して光学データおよび/または識別子をRPTデバイス4000に送信する。
【0247】
別の例において、患者1000は、オーディオデータファイル内のオーディオデータによって表される識別子を受信する。患者1000は、モバイルコンピューティングデバイス上のオーディオデータファイルを、可聴にするようにRPTデバイス4000に近接して再生する。RPTデバイス4000上の音響センサ(例えば、マイクロフォン)は、モバイルコンピューティングデバイスからの音響信号を検出し、中央コントローラ4230は、音響信号を表すデータから識別子を決定する。
【0248】
さらなる例において、識別子は、患者1000のモバイルコンピューティングデバイスによって生成され得る一連の点滅するライトでエンコードされる。識別子は、RPTデバイス4000の光学センサによって点滅するライトのシーケンスを検出することによって、中央コントローラ4230に提供され得る。
【0249】
設定の組み合わせの入力
ステップ9520において、設定の組み合わせをシステム9000のサーバ9010に提供するために、臨床医1500が如何に設定の組み合わせをコンピューティングデバイス9040に入力し得るかが説明された。他の例において、ステップ9520において、設定の組み合わせは、ステップ9590において、適切な場合、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230に識別子を提供するための上述したものと同等の方法を使用して、システム9000のサーバ9010に提供され得る。
【0250】
識別子の検証
本技術のいくつかの形態において、患者1000によって受信された識別子は、識別子が対応する設定の組み合わせで患者に何の情報も与えない場合がある(すなわち、識別子は、人間に理解可能な形態ではない場合がある)。そのため、患者1000は、適切な識別子を受信したか否かが分からない場合がある。さらに、患者1000、または他の人が、例えばキーパッドに文字ストリングを入力することによって、識別子をRPTデバイス4000の中央コントローラ4230に提供するプロセスに参加する必要がある場合、間違った識別子を入力するというユーザエラーのリスクがある。入力された間違った識別子が、設定の組み合わせに対応する識別子でもある場合、これは、RPTデバイス4000が、臨床医1500の所望する以外の設定の組み合わせで配置され得るリスクを生じる。これは、患者1000が無効または潜在的に有害な呼吸治療を受けることを招く可能性がある。
【0251】
本技術の特定の形態において、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230によって受信された識別子を検証するための方法および/またはシステムが提供される。
【0252】
検証データ-1の実施形態
本技術の一形態による、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230によって受信された識別子を検証するための方法9800が、図13に示される。前述した本技術の形態によるシステムは、図13の方法9800を実行するために使用される。
【0253】
本技術のいくつかの形態において、図13に示される検証方法9800は、図11の配置方法9500の一部を形成する。そのため、図13は、図11に示されるのと同じステップのいくつかを含む。図11からのステップを図13から省略するのは、図示を簡単にするためであり、前記ステップが検証方法9800で発生しないためではない。
【0254】
ステップ9540において、システム9000のサーバ9010は、ステップ9530で臨床医1500から受信された設定の組み合わせから識別子を決定する。図11を参照して説明されるように、識別子は、ステップ9550で出力され、それがステップ9610で受信される、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230に直接または間接的に送信される。
【0255】
また、ステップ9810において、サーバ9010は、ステップ9540で決定された識別子から検証データを生成する。検証データは、検証データ生成アルゴリズムを識別子に適用することによって生成される。検証データ生成アルゴリズムは、以下により詳細に説明される。
【0256】
ステップ9820において、サーバ9010は、検証データを出力する。検証データ出力は、サーバ9010がステップ9550で識別子を出力する上記の方法のいずれかなど、多くの方法のうちのいずれか1つ以上でサーバ9010によって出力され得る。
【0257】
出力検証データは、それがステップ9830で受信されるRPTデバイス4000の中央コントローラ4230に送信される。検証データは、例えば、識別子について上述したように、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230に直接、または、例えば患者1000および/またはローカル外部デバイス4288を介して間接的に送信され得る。
【0258】
ステップ9840において、中央コントローラ4230は、検証識別子を生成する。このステップは、検証識別子生成アルゴリズムを適用し、ステップ9830で受信された検証データをそのアルゴリズムへの入力として使用することによって実行される。検証識別子生成アルゴリズムは、検証データ生成アルゴリズムの効果を逆転させる。すなわち、検証識別子生成アルゴリズムを使用して識別子から生成された検証データに適用されるとき、同じ識別子が生成される。そのため、ステップ9840で生成された検証識別子は、RPTデバイス4000を配置するための設定の組み合わせを生成するために正しい識別子が使用されたか否かを検証するための機構を提供する。
【0259】
ステップ9850において、中央コントローラ4230は、ステップ9840で生成された検証識別子を、ステップ9610で受信された識別子と比較する。検証識別子が、受信された識別子と一致する場合、識別子が中央コントローラ4230に正しく提供されたと検証され、中央コントローラ4230は、ステップ9620に移行し、識別子から設定の組み合わせを決定し、その後、それに応じてステップ9630でRPTデバイス4000を配置する。一方、検証識別子が、受信された識別子と一致しない場合、例えば患者1000がユーザ入力デバイスに識別子を誤って入力した、または識別子が何らかの形で誤って通信されたなど、エラーが発生したことが示される。これが発生した場合、中央コントローラは、ステップ9860でエラープロセスを開始する。エラー処理は、RPTデバイス4000のディスプレイ4294にエラーメッセージを患者1000に表示させること、またはエラーを示すメッセージを臨床医1500に送信することを含み得る。
【0260】
検証データ-第2の実施形態
本技術の別の形態による、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230によって受信された識別子を検証するための方法9900が、図14に示される。前述した本技術の形態によるシステムは、図14の方法を実行するために使用される。
【0261】
本技術のいくつかの形態において、図14に示される検証方法9900は、図11の配置方法9500の一部を形成する。そのため、図14は、図11に示されるのと同じステップのいくつかを含む。図11からのステップを図14から省略するのは、図示を簡単にするためであり、前記ステップが検証方法9900で発生しないためではない。
【0262】
方法9900のステップの多くは、方法9800に関して上記に説明したものと同じである。方法の異なる点は、中央コントローラ4230がステップ9830で検証データ及びステップ9610で識別子を受信した後である。
【0263】
方法9900において、中央コントローラ4230は、ステップ9910において、受信した識別子からさらなる検証データを生成する。中央コントローラ4230は、ステップ9810でサーバ9010によって適用されるのと同じ検証データ生成アルゴリズムを適用することによって、さらなる検証データを生成し得る。これは、正しい識別子が、RPTデバイス4000を配置するための設定の組み合わせを生成するために使用されることを検証するための機構を提供する。
【0264】
ステップ9920において、中央コントローラ4230は、ステップ9910で生成されたさらなる検証データを、ステップ9830で受信された検証データと比較する。さらなる検証データが、受信された検証データと一致する場合、識別子が中央コントローラ4230に正しく提供されたと検証され、中央コントローラ4230は、ステップ9620に移行して識別子から設定の組み合わせを決定し、その後、それに応じてステップ9630でRPTデバイス4000を配置する。一方、さらなる検証データが、受信された検証データと一致しない場合、例えば患者1000がユーザ入力デバイスに識別子を誤って入力した、または識別子が何らかの形で誤って通信されたなど、エラーが発生したことが示される。これが発生した場合、中央コントローラは、ステップ9860でエラープロセスを開始する。エラー処理は、RPTデバイス4000のディスプレイ4294にエラーメッセージを患者1000に表示させること、またはエラーを示すメッセージを臨床医1500に送信することを含み得る。
【0265】
検証データ
本技術の形態による検証データは、例えば、適切なアルゴリズムの適用時またはアルゴリズムの組み合わせ時に、設定の組み合わせまたは識別子を検証する能力を有する任意のデータまたは要素であり得る。
【0266】
検証データは、識別子に関して前述した形態のうちのいずれか1つ以上を取り得る。例えば、検証データは、文字ストリングであり得る。検証も、識別子に関して上述したものと同様の方式で、一方のパーティーまたはデバイスから他方のパーティーまたはデバイスに送信され得る。さらに、本技術の特定の形態において、検証データを表すデータが暗号化され得る。
【0267】
検証アルゴリズム
上述したように、本技術の形態において、検証データ生成アルゴリズムは、例えばステップ9810及び9910において、識別子から検証データを生成するために使用される。さらに、検証識別子生成アルゴリズムは、例えばステップ9840において、本技術の形態における検証データから検証識別子を生成するために使用される。検証識別子生成アルゴリズムは、検証データ生成アルゴリズムの効果を逆転させる。すなわち、検証識別子生成アルゴリズムを使用して識別子から生成された検証データに適用されるとき、それは同じ識別子を生成する。すなわち、検証識別子生成アルゴリズムは、検証データ生成アルゴリズムとは逆の動作であり得る。
【0268】
本技術の特定の形態において、検証識別子生成アルゴリズム及び検証データ生成アルゴリズムは、検証データ生成アルゴリズムによって生成された検証データが、そのアルゴリズムに入力された各識別子に固有対して一意であり、検証識別子生成アルゴリズムによって生成された検証識別子が、そのアルゴリズムに入力された各検証データに固有対して一意であるようなものである。
【0269】
本技術の形態において、検証データ生成アルゴリズムは、ハッシュ関数、チェックサム関数または指紋関数であり得る。検証識別子生成アルゴリズムは、それが存在する場合、検証データ生成アルゴリズムに対する逆関数であり得る。
【0270】
方法9800に対する方法9900の1つの利点は、方法9900が検証識別子生成アルゴリズムを使用しないことである。代わりに、検証データ生成アルゴリズムは、サーバ9010によって「送信者」側で1回、中央コントローラ4230によって「受信者」側で1回、合計2回使用される。そのため、方法9900は、逆を有しない、または逆動作が計算上困難であるタイプの検証データ生成アルゴリズムを使用し得る。
【0271】
有効な識別子の検証
上記に与えられた識別子の検証の例は、中央コントローラ4230によって受信された識別子が、臨床医1500の所望する設定の組み合わせに対応する識別子であるか否かを検証することを可能にする。本技術の形態において、検証プロセスは、追加的または代替的に、識別子が有効な識別子Ixであることを検証する。
【0272】
これらの本技術の形態において、中央コントローラ4230は、ステップ9610で識別子を受信した後、受信した識別子が有効な識別子であることを検証するステップを実行する。この検証ステップは、上記の方法9500、9800、及び9900においてステップ9610の後に発生する上記の他のステップの前、後、またはそれらと同時に発生し得る。
【0273】
本技術の特定の形態において、識別子は、識別子を自己検証するために使用されるデータおよび/または要素を含み、検証ステップは、受信された識別子に適切なアルゴリズムを適用して、自己検証データおよび/または要素を使用し、受信された識別子の有効性を確認することを含む。適切な自己検証データおよび/または要素、並びに/あるいは自己検証アルゴリズムのタイプの例として、チェックサム関数、チェックデジット、及びエラー訂正コードが挙げられる。具体例として、Luhnアルゴリズム、Verhoeffアルゴリズム、及びDammアルゴリズムが挙げられる。
【0274】
RPTデバイス設定の認証
前のセクションは、中央コントローラ4230がRPTデバイス4000の動作を制御する動作パラメータのうちのいずれか1つ以上について特定の設定を選択することによって、RPTデバイス4000が配置され得る方法及びシステムを説明した。本技術の形態はまた、RPTデバイス4000が配置される設定の組み合わせを認証することができる方法および/またはシステムを提供する。これは、臨床医1500または他の医療従事者が、患者1000のRPTデバイス4000の配置を随時認証して、RPTデバイス4000の設定が依然として患者の治療ニーズに適していることを確保するのに役立ち得る。患者の治療ニーズに変更があり得るため、設定の変更は必要となる。あるいは、RPTデバイス設定に、例えば、技術的な障害や患者(または他の人)による不用意な設定変更など、意外な変更がないことをチェックするのに役立ち得る。
【0275】
RPTデバイスの配置の認証方法
図15は、本技術の特定の形態によるRPTデバイス4000の配置を認証する方法8900のフローチャートである。図15は、示される形態において、臨床医1500、サーバ9010、患者1000またはローカル外部デバイス4288、及びRPTデバイス4000の中央コントローラ4230を含む、方法8900の実施に関与し得るパーティーを示す。
【0276】
ステップ8910において、臨床医1500は、RPTデバイス4000の設定の認証を要求する。本技術の一形態において、このステップは、臨床医1500が、設定認証プロセスを開始させることを患者1000に依頼すること、例えば、口頭または電子メッセージとして患者1000に依頼することを含む。本技術の別の形態において、臨床医1500は、例えば、グラフィカルユーザインタフェース上の適切なボタンまたはアイコンをクリックすることによって、コンピューティングデバイス9040を操作して設定認証プロセスを開始し得る。この形態において、RPTデバイス4000の設定の認証を要求するメッセージは、患者1000、ローカル外部デバイス4288および/または患者1000と関連付けられる別のコンピューティングデバイス9040に送信され得る。
【0277】
ステップ8920において、中央コントローラは、設定チェックを開始するように促される。本技術の一形態において、患者1000は、デバイス上でアクションを実行することによってそれを手動で開始し得る。例えば、患者1000は、RPTデバイス4000を操作して、設定チェックを開始し得る。例えば、患者1000は、RPTデバイス4000の入力デバイス4220上の「設定チェックを開始する」ボタンを押し得、そのようなボタンは、RPTデバイス4000のディスプレイ4294上のインターフェースをナビゲートすることによって、患者1000に提示され得る。別の例において、患者1000は、ローカル外部デバイス4288、例えば、モバイルコンピューティングデバイスを操作して設定チェックを促し得る。この例において、モバイルコンピューティングデバイスは、患者1000が操作して「設定チェックを開始する」ボタンを選択することができるアプリを実行し得る。これらの本技術の形態において、設定チェックが実行されることを示すメッセージは、中央コントローラ4230に送信される。別の例において、設定チェックの開始は患者1000によって行われない。例えば、臨床医1500が操作するコンピューティングデバイス9040は、いかなる通信も患者1000のデバイスを介さずに、通信を中央コントローラ4230に送信して設定チェックを開始し得る。
【0278】
ステップ8930において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000が現在配置されている設定を要求する。本技術の一形態において、設定の組み合わせは、RPTデバイス4000のメモリ4260に記憶され、中央コントローラ4230は、メモリ4260から設定を取り出す。ステップ8940において、中央コントローラ4230は、設定の組み合わせを受信する。
【0279】
ステップ8950において、中央コントローラ4230は、受信した設定の組み合わせから識別子を決定する。特定の形態において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス4000を配置するための方法9500を参照して説明された設定の組み合わせから識別子を決定する方法のいずれかを使用する。ステップ8950で中央コントローラ4230によって決定される識別子は、配置方法9500において同じ設定の組み合わせからサーバ9010によって決定されるものと同一または異なる識別子であり得、すなわち、同一または異なる識別子と設定の組み合わせとの対応関係(そして決定方法)が使用され得る。
【0280】
ステップ8960において、中央コントローラは、識別子を出力する。識別子は、多くの方法のうちのいずれか1つ以上で出力され得る。例えば、識別子は、RPTデバイス4000のディスプレイ4294上で患者1000に表示され得る。追加的または代替的に、識別子は、ネットワーク9030を介して、例えば、臨床医1500、または別の医療従事者と関連付けられるコンピューティングデバイス9040にデータ通信インターフェース4280によって送信されてもよい。本技術の一形態において、識別子は、例えば、患者1000のローカル外部デバイス4288上のディスプレイによって、まず患者1000に送信され、ステップ8970において、患者1000は、識別子を別のパーティー、例えば、臨床医1500に送信する。識別子は、電子メール、SMS、FTP、HTTP、HTTPSを含む任意の適切な通信プロトコルによって送信され得る。他の形態において、患者1000は、識別子を別の通信手段、例えば、口頭または郵便を介して臨床医1500に送信してもよい。
【0281】
ステップ8980において、臨床医1500および/または(臨床医と関連付けられ得る)コンピューティングデバイス9040は、場合により識別子を受信する。
【0282】
ステップ8990において、識別子は、システム9000及びサーバ9010に入力される。このステップが発生する方式は、識別子の性質に依存する。本技術の特定の形態により識別子をRPTデバイス4000に入力するための例は、先に説明された。本技術の特定の形態において、識別子は、RPTデバイス4000に関して上述したものと類似の方法で、すなわち、同様の入力デバイス及び機構を使用して、サーバ9010に提供され得る。一般に、識別子は、ネットワーク9030及びコンピューティングデバイス9040のうちの1つ以上を介してサーバ9010に入力される。
【0283】
ステップ8992において、システム9000のサーバ9010は、識別子を受信する。例えば、識別子を表すデータは、データ通信ネットワーク9030および/またはコンピューティングデバイス9040からサーバ9010に送信され得る。
【0284】
ステップ8994において、サーバ9010は、識別子から、RPTデバイス4000のための設定の組み合わせを決定する。サーバ9010は、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230が配置方法9500において受信した識別子から設定の組み合わせを決定し得る、前述の方法のいずれか1つ以上を使用して、識別子から設定の組み合わせを決定し得る。
【0285】
ステップ8996において、サーバ9010は、ステップ8994で識別子から決定された設定の組み合わせを出力する。一形態において、設定の組み合わせは、1つ以上のコンピューティングデバイス9040のディスプレイデバイス上に設定を表示することによって出力される。設定の組み合わせは、例えば表形式で、設定及び対応する動作パラメータを互いに関連付けて表示し得る。本技術の一形態において、サーバ9010は、ステップ8994で識別子から決定された設定のサブセットを出力する。代替的に、サーバ9010は、臨床医1500が特に関心を持ち得る特定の重要設定のみを表示するように配置され得る。重要設定を表示するコンピューティングデバイス9040は、必要に応じて、他の設定を確認する機会を臨床医に提供し得る。サーバ9010によって実行されるアプリケーションは、設定認証プロセスを実行する時に表示される設定と、表示されない設定とを選択する機会を臨床医に提供し得る。
【0286】
臨床医1500は、出力された設定の組み合わせをレビューし、例えば、設定の組み合わせを処方箋データと比較することによって、RPTデバイス4000が適切に配置されているか否かを認証することができる。本技術の一形態において、サーバ9010は、ステップ8994で決定された設定の組み合わせを、(メモリ9014に記憶され得る)患者1000の医療記録内の患者1000に対して所望の設定の組み合わせに関するデータと比較し、それらが如何に比較されるかに対する指示を出力し、例えば、臨床医1500によって容易に識別されるために任意の不一致を強調したり、所望の設定の組み合わせと実際の設定の組み合わせとの間の完全な一致の確認を出力したりする。臨床医1500は、設定認証プロセスの結果を患者1000に中継することができ、必要に応じて、RPTデバイス4000は、例えば、上記で説明した本技術の一形態による配置方法を使用して、適切に再配置することができる。
【0287】
用語集
本技術開示の目的のために、本技術の特定の形態において、以下の定義のうちの1つ以上が適用され得る。本技術の他の形態において、代替の定義が適用され得る。
【0288】
概要
空気:本技術の特定の形態において、空気は大気を意味すると見なされ得、本技術の他の形態において、空気は、呼吸可能なガスの一部の他の組み合わせ、例えば酸素を濃縮した大気を意味すると見なされ得る。
【0289】
周囲:本技術の特定の形態において、周囲という用語は、(i)治療システムまたは患者の外部、および(ii)治療システムまたは患者を直接囲むことを意味すると見なされる。
【0290】
例えば、加湿器に対する周囲湿度は、加湿器を直接囲む空気の湿度、例えば、患者が寝ている部屋の湿度であり得る。そのような周囲湿度は、患者が寝ている部屋の外の湿度とは異なる場合がある。
【0291】
別の例において、周囲圧力は、体を直接囲む、または体外にある圧力であり得る。
【0292】
特定の形態において、周囲(例えば、音響)ノイズは、例えば、RPTデバイスによって生成され、またはマスクまたは患者インターフェースから発せられるるノイズ以外の、患者が位置する部屋内のバックグラウンドノイズレベルであると見なされ得る。周囲ノイズは、部屋の外のソースによって生成され得る。
【0293】
自動気道陽圧(APAP)治療:治療圧力が、例えば呼吸から呼吸まで、最小限度と最大限度の間で、SDB発症の兆候の有無に応じて、自動的に調節可能である、CPAP治療である。
【0294】
持続的気道陽圧(CPAP)治療:患者の呼吸サイクルを通じて治療圧力がほぼ一定となる呼吸圧力治療である。いくつかの形態において、気道への入口における圧力は、呼息中にわずかに高くなり、吸息中にわずかに低くなる。いくつかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間で変化し、例えば、部分的な上部気道閉塞の兆候の検出に応答して増加し、部分的な上部気道閉塞の兆候がない場合に減少する。
【0295】
流量:単位時間あたりに送られる空気の量(または質量)。流量は、瞬間的な量を指し得る。一部の場合において、流量への参照は、スカラー量、すなわち、大きさのみを有する量への参照となる。他の場合において、流量への参照は、ベクトル量、すなわち、大きさ及び方向の両方を有する量への参照となる。流量には、記号Qが付与され得る。「流量」は、単に「流」または「空気流」と記すことがある。
【0296】
患者呼吸の例において、流量は、患者の呼吸サイクルの吸気部分に対してノミナルポジティブであり得るので、患者の呼吸サイクルの呼気部分に対してネガティブであり得る。デバイス流量Qdは、RPTデバイスから離れる空気の流量である。総流量Qtは、空気回路を介して患者インターフェースに到達する空気および任意の補助ガスの流量である。通気流量Qvは、吐き出されるガスの洗浄を可能にするために通気部から離れる空気の流量である。漏れ流量Qlは、患者インターフェースシステムまたは他の場所からの漏れの流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系に受け入れる空気の流量である。
【0297】
流量治療:患者の呼吸サイクル全体にわたって典型的にポジティブである治療流量と呼ばれる制御された流量で気道の入口へ空気流を送達することを含む呼吸治療である。
【0298】
加湿器:加湿器という単語は、患者のメディカル呼吸状態を改善するために空気流に治療上有益な量の水(HO)蒸気を提供することができるように配置され、設置される、または物理的構造を有する加湿装置を意味すると見なされる。
【0299】
漏れ:漏れという単語は、意図しない空気流と見なされる。一例において、マスクと患者の顔との間の不完全なシールの結果として、漏れが発生し得る。別の例において、周囲へのスイベルエルボーに漏れが発生し得る。
【0300】
伝導(音響)ノイズ:本明細書における伝導ノイズとは、空気回路や患者インターフェースなどの空気圧経路とその中の空気によって患者に運ばれるノイズを指す。一形態において、伝導ノイズは、空気回路の端部における音圧レベルを測定することによって定量化され得る。
【0301】
放射(音響)ノイズ:本明細書における放射ノイズとは、周囲空気によって患者に運ばれるノイズを指す。一形態において、放射ノイズは、ISO3744に従って問題のオブジェクトの音量/圧力レベルを測定することによって定量化され得る。
【0302】
通気(音響)ノイズ:本明細書における通気ノイズとは、患者インターフェースの通気孔などの任意の通気部を通る空気流によって生成されるノイズを指す。
【0303】
患者:呼吸状態に苦しむか否かにかかわらず、人である。
【0304】
圧力:単位面積あたりの力である。圧力は、cmHO、g-f/cm、およびヘクトパスカルを含む単位の範囲で表され得る。1cmHOは、1g-f/cmに等しく、約0.98ヘクトパスカル(1ヘクトパスカル=100Pa=100N/m=1ミリバール~0.001atm)である。本明細書において、別途記載がない限り、圧力はcmHOの単位で与えられる。
【0305】
患者インターフェース内の圧力には記号Pmが付与され、現在の瞬間にインターフェース圧力Pmによって達成される目標値を表す治療圧力には記号Ptが付与される。
【0306】
呼吸圧力治療(RPT):大気に対して典型的に陽圧である処理圧力において気道の入口へ空気を供給することの適用である。
【0307】
人工呼吸器:患者に圧力サポートを提供して呼吸の一部または全部の作業を行う機械的なデバイスである。
【0308】
呼吸サイクル
無呼吸:一部の定義によれば、流量が一定期間、例えば10秒間にわたって所定の閾値を下回ると、無呼吸が発生したと言われる。患者の労力にもかかわらず、気道の一部の閉塞が空気流を妨げると、閉塞性無呼吸が発生したと言われる。気道の開存にもかかわらず、呼吸労力の減少または呼吸労力の欠如による無呼吸が検出されると、中枢性無呼吸が発生したと言われる。混合無呼吸は、呼吸労力の減少または欠如が閉塞された気道と一致するときに発生する。
【0309】
呼吸数:患者の自発呼吸のレートであり、通常は1分あたりの呼吸数で測定される。
【0310】
デューティサイクル:吸息時間Tiが合計呼吸時間Ttotに対する比である。
【0311】
労力(呼吸):自発的に呼吸する人が呼吸をしようとする作業である。
【0312】
呼吸サイクルの呼気部分:呼気の流れが始まってから吸気の流れが始まるまでの期間である。
【0313】
流量制限:流量制限は、患者の労力の増加が対応する流量の増加をもたらさない患者の呼吸における事態と見なされる。呼吸サイクルの吸気部分において流量制限が発生する場合、吸気流量制限と表現され得る。呼吸サイクルの呼気部分において流量制限が発生する場合、呼気流量制限と表現され得る。
【0314】
流量制限吸気波形の種類:
(i)フラット化:上昇が続き、比較的平坦な部分が続き、その後に下降が続く。
【0315】
(ii)M字形:前縁に一つ、後縁に一つ、合計2つのローカルピークを有し、この2つのピークの間に比較的平坦な部分を有する。
【0316】
(iii)チェア形状:単一のローカルピークを有し、このピークは前縁にあり、その後に比較的平坦な部分が続く。
【0317】
(iv)リバースチェア形状:比較的平坦な部分に続いて単一のローカルピークを有し、このピークは後縁にある。
【0318】
呼吸低下:一部の定義によれば、呼吸低下は、流量の減少であるが、流れの停止ではないと見なされる。一形態において、流量が減少して一定期間にわたって閾値レートを下回ると、呼吸低下が発生したと言われ得る。呼吸労力の減少による呼吸低下が検出されると、中枢性呼吸低下が発生したと言われる。成人における一形態において、以下のいずれかが呼吸低下と見なされ得る:
(i)少なくとも10秒間の患者呼吸の30%の減少、および関連付けられた4%の不飽和化;あるいは
(ii)少なくとも10秒間の患者呼吸の減少(ただし50%未満)、および関連付けられた少なくとも3%の不飽和化または興奮。
【0319】
呼吸困難:通常よりも高いレベルへの流量の増加である。
【0320】
呼吸サイクルの吸気部分:吸気の流れが始まってから呼気の流れが始まるまでの期間は、呼吸サイクルの吸気部分と見なされる。
【0321】
開存(気道):気道が開いているデグリー、または気道が開いているエクステントである。開存気道が開いている。気道開存は、例えば、開存状態であると、ワン(1)の値に定量化され、閉じている(閉塞)状態であると、ゼロ(0)の値に定量化され得る。
【0322】
呼気終末陽圧(PEEP):呼気の終末に存在する肺における大気以上の圧力である。
【0323】
ピーク流量(Qピーク):呼吸流量波形の吸気部分中の流量の最大値である。
【0324】
呼吸流量、患者気流レート、呼吸気流レート(Qr):これらの用語は、「真の呼吸流量」または「真の呼吸流量」とは異なり、RPTデバイスによる呼吸流量の推定値を指すと理解され得る。「真の呼吸流量」または「真の呼吸流量」は、患者が経験した実際の呼吸流量であり、通常は1分あたりのリットルで表される。
【0325】
潮汐体積(Vt):余分な労力が加えられていない場合に、通常の呼吸中に吸い込まれ、または吐き出される空気の体積である。原則として、吸気体積Vi(吸い込まれる空気の体積)は、呼気体積Ve(吐き出される空気の体積)に等しいので、単一の潮汐体積Vtは、いずれかの量に等しいと定義され得る。実際には、潮汐体積Vtは、吸気体積Viと呼気体積Veの一部の組み合わせ、例えば、平均として推定される。
【0326】
(吸息)時間(Ti):呼吸流量波形の吸気部分の持続時間である。
【0327】
(呼息)時間(Te):呼吸流量波形の呼気部分の持続時間である。
【0328】
(合計)時間(Ttot):呼吸流量波形の1つの吸気部分の開始から呼吸流量波形の次の吸気部分の開始までの合計時間である。
【0329】
ティピカル最近換気:その周りに所定のタイムスケールにわたる換気最近値Ventが集まる傾向がある換気値、すなわち、換気最近値の中心傾向の尺度である。
【0330】
上気道閉塞(UAO):部分的および完全な上気道閉塞の両方を含む。これは、流量が、上気道を横切る圧力差が増加する(スターリング抵抗の挙動)につれてわずかに増加するか、またはさらに減少する可能性もある流量制限の状態に関連付けられ得る。
【0331】
換気(通気):患者の呼吸器系によって交換されるガスのレートの尺度。換気の尺度は、単位時間あたりの吸気および呼気流量の一方または両方を含み得る。1分あたりの体積で表されると、この量は「分間換気」と呼ばれることが多い。分間換気量は、単に体積として与えられることがあり、1分あたりの体積と理解される。
【0332】
換気
アダプティブサーボ人工呼吸器(ASV):固定ではなく、変更可能な目標換気を有するサーボ人工呼吸器である。変更可能な目標換気は、患者の一部の特性、例えば、患者の呼吸特性から学ぶことができる。
【0333】
バックアップレート:自発呼吸労力によってトリガーされないと、人工呼吸器が患者に提供する最小呼吸数(典型的には1分あたりの呼吸数)を設定する、人工呼吸器のパラメータである。
【0334】
サイクルされる:人工呼吸器の吸気期の終了である。人工呼吸器が、自発的に呼吸する患者に呼吸を送達する場合、呼吸サイクルの吸気部分の終末に、人工呼吸器は、呼吸を送達するのを止めるためにサイクルされると言われる。
【0335】
呼気気道陽圧(EPAP):呼吸内で変化する圧力が加えられて、人工呼吸器が所定の時間に達成しようとする所望のインターフェース圧力を生成するベース圧力である。
【0336】
呼気末圧(EEP):人工呼吸器が呼気の呼気部分の終末に達成しようとする所望のインターフェース圧力である。
【数1】
の場合に、呼気の終末に圧力波形テンプレート
【数2】
がゼロとされると、すなわち、
【数3】
と、EEPはEPAPに等しい。
【0337】
吸気気道陽圧(IPAP):人工呼吸器が呼吸の吸気部分において達成しようとする最大の所望のインターフェース圧力である。
【0338】
圧力サポート:人工呼吸器の吸気中の圧力が人工呼吸器の呼気中の圧力よりも上昇したことを示す数値であり、一般に吸気中の最大値とベース圧力との間の圧力の差を意味する(例えば、PS=IPAP-EPAP)。一部の状況で、圧力サポートは、人工呼吸器が実際に達成する差ではなく、それが達成しようとする差を意味する。
【0339】
サーボ人工呼吸器:患者換気を測定し、目標換気を有し、患者換気を目標換気に向かわせるために圧力サポートのレベルを調整する人工呼吸器である。
【0340】
自発/時限式(S/T):自発的に呼吸する患者の呼吸の開始を検出しようとする人工呼吸器または他の装置のモードである。もしデバイスが所定の期間内に呼吸を検出できない場合、デバイスは自動的に呼吸の送達を開始する。
【0341】
スイング:圧力支持に相当する用語である。
【0342】
トリガーされる:人工呼吸器が、自発的に呼吸する患者に呼吸用空気を送達する場合、それが患者の労力によって呼吸サイクルの呼吸部分の開始時にトリガーされてそうすると言われる。
【0343】
他のリマーク
本特許文書の開示の一部は、著作権保護が与えられる内容を含む。著作権所有者は、何者かが本特許文書または本特許開示をファックスにより再生しても、特許庁の特許ファイルまたは記録に記載されるものであれば目的のものであれば異論は無いが、その他の目的については全ての著作権を保持する。
【0344】
文脈が別途明確に指示しない限り、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその範囲内の任意の他の記載された値または介在値が、本技術内に包含されることが理解される。介在範囲に独立して含まれてもよい、これらの介在範囲の上限及び下限は、記載された範囲内の任意の明確に除外された制限に従うことを条件として、本技術内にも包含される。記載された範囲が、制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方または両方を除外した範囲も本技術に含まれる。
【0345】
さらに、1つまたは複数の値が、本技術の一部として実装されているとして本明細書に記載されている場合、別途記載がない限り、そのような値は近似され得、そのような値は、実用的な技術的実装がそれを許可または必要とし得る範囲で、任意の適切な有効デジットに利用され得ることが理解される。
【0346】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本技術の実践または試験において、本明細書に記載の方法及び材料と同様または同等のものを使用してもよいが、限られた数の例示的な方法及び材料が本明細書に記載される。
【0347】
特定の材料が配置要素を配置するために使用されていると特定されるとき、同様の特性を有する自明の代替材料を代替として使用してもよい。さらに、反対に指定されない限り、本明細書に記載される任意のおよびすべての配置要素は、製造可能であることが理解されるので、一緒にまたは別々に製造され得る。
【0348】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形は、それの複数の相当物を含むことに留意されたい。
【0349】
本明細書で言及される全ての刊行物は、それらの刊行物の主題である方法および/または材料を開示及び記載するために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日の前にそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書のいかなる内容も、本発明の技術が従来の発明によりそのような刊行物に先行する権利を有さないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、独立して確認する必要があり得る実際の公開日とは異なる場合がある。
【0350】
用語「含む」及び「含み」は、非排他的な方式で要素、配置要素、またはステップを指すと解釈されるべきであり、参照される要素、配置要素、またはステップが、明示的に参照されない他の要素、配置要素、またはステップと共に存在し得る、または組み合わせられ得ることを示す。
【0351】
詳細な説明で使用される主題の見出しは、読者の参照の容易さのためにのみ含まれ、本開示または特許請求の範囲を通して見出される主題を限定するために使用されるべきではない。主題の見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の制限を解釈する際に使用されるべきではない。
【0352】
本明細書における技術は、特定の実施例を参照して説明されたが、これらの実施例は、技術の原理及び適用を例示するに過ぎないことが理解されるべきである。一部のインスタンスで、用語および記号は、技術を実践するために必要とされない特定の詳細を意味し得る。例えば、用語「第1の」及び「第2の」を使用し得るが、別途指定されない限り、それらは順序を示すことを意図するものではなく、異なる要素を区別するために利用され得る。さらに、方法論におけるプロセスステップは、順序で説明または図示され得るが、そのような順序付けは必要とされない。当業者は、そのような順序付けが修正されてもよく、および/またはその態様が同時に、または同期的に行われてもよいことを認識するであろう。
【0353】
したがって、例示的な実施例に多数の修正を加えてもよく、本技術の精神及び範囲から逸脱することなく他の配置を考案してもよいことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0354】
1000 患者
1100 ベッドパートナー
1500 臨床医
2000 ヘッドボックス
2015 EOG電極
2020 EEG電極
2025 ECG電極
2030 オトガイ下EMG電極
2035 いびきセンサ
2040 呼吸インダクタンスプレチスモグラム(呼吸労力センサ)
2045 呼吸インダクタンスプレチスモグラム(呼吸労力センサ)
2050 口腔鼻カニューレ
2055 フォトプレチスモグラフィ(パルスオキシメータ)
2060 体位センサ
3000 患者インターフェース
3100 シール形成構造
3200 プレナムチャンバ
3300 位置決めおよび安定化構造
3400 通気部
3600 接続ポート
3700 前額支持部
3800 鼻カニューレ
3810 鼻プロング
3820 空気供給ルーメン
4000 RPTデバイス
4010 外部ハウジング
4012 上部
4014 下部
4015 パネル
4016 シャーシ
4018 ハンドル
4020 空気圧ブロック
4110 空気フィルタ
4112 入口空気フィルタ
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 流量発生器
4142 ブロワ
4144 ブラシレスDCモータ
4170 空気回路
4180 補助ガス
4200 電気部品
4202 プリント回路基板アセンブリ(PCBA)
4210 電源
4220 入力デバイス
4230 中央コントローラ
4240 治療デバイスコントローラ
4250 保護回路
4260 メモリ
4270 変換器
4272 圧力センサ
4274 流量センサ
4276 モータ速度変換器
4280 データ通信インターフェース
4282 遠隔外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 遠隔外部デバイス
4288 ローカル外部デバイス
4290 出力デバイス
4300 アルゴリズム
4310 前処理モジュール
4312 インターフェース圧力推定アルゴリズム
4314 通気流量推定アルゴリズム
4316 漏れ流量推定アルゴリズム
4318 呼吸流量推定アルゴリズム
4320 治療エンジンモジュール
4321 位相決定アルゴリズム
4322 波形決定アルゴリズム
4323 換気決定アルゴリズム
4324 吸気流制限決定アルゴリズム
4325 無呼吸/低呼吸決定アルゴリズム
4326 いびき決定アルゴリズム
4327 気道開存決定アルゴリズム
4328 目標換気決定アルゴリズム
4329 治療パラメータ決定アルゴリズム
4330 治療制御モジュール
4340 方法/アルゴリズム
4170 空気回路
4171 加熱空気回路
5000 加湿器
5002 加湿器入口
5004 加湿器出口
5006 加湿器ベース
5110 加湿器貯水槽
5130 加湿器貯水槽ドック
5210 変換器
5212 空気圧センサ
5214 空気流量変換器
5216 温度センサ
5218 湿度センサ
5240 加熱素子
5250 加湿器コントローラ
5251 中央加湿器コントローラ
5252 加熱素子コントローラ
5254 加熱空気回路コントローラ
7100 監視装置
7200 スクリーニング/診断/監視デバイス
7210 プロセッサ
7220 通信インターフェース
7230 非一時的コンピュータ可読メモリ/記憶媒体
7240 データ
7250 プロセッサ制御命令(コード)
7260 データ入力インターフェース
8000 酸素濃縮器
8002 空気入口
8004 入口マフラー
8006 アキュムレータ
8008 出口
8020 入口バルブ
8022 入口バルブ
8030 出口バルブ
8032 出口バルブ
8040 チェックバルブ
8042 チェックバルブ
8050 流量制限器
8052 流量制限器
8054 流量制限器
8056 バルブ
8058 バルブ
8100 キャニスター
8102 第1キャニスター
8104 第2キャニスター
8200 圧縮システム
8300 コントローラ
8210 プロセッサ
8320 メモリ
8500 外側ハウジング
8502 圧縮システム入口
8504 冷却システム受動入口
8506 ポート
8600 制御パネル
8602 充電入力ポート
8900 方法
8910~8996 方法のステップ
9000 システム
9010 サーバ
9012 プロセッサ
9014 メモリ
9016 命令
9018 データ
9030 通信ネットワーク
9032 有線通信ネットワーク
9034 無線通信ネットワーク
9040 コンピューティングデバイス
9042 デスクトップまたはラップトップコンピュータ
9044 スマートフォン
9046 タブレット
9100 一般アーキテクチャ
9110 プロセッサ
9120 メモリ/データストレージ
9122 制御命令
9124 記憶データ
9130 入力/出力(I/O)デバイス
9132 ディスプレイ
9134 スピーカ
9136 触覚フィードバックデバイス
9138 物理入力デバイス
9140 光学センサ
9142 慣性センサ
9150 通信インターフェース
9160 通信インターフェース
9500 方法
9510~9630 方法のステップ
9700 データアレイ
9800 方法
9810~9860 方法のステップ
9900 方法
9910~9920 方法のステップ
図1A
図1B
図1C
図2A
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図6A
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸デバイスを構成するプロセッサ実装方法であって、前記呼吸デバイスが、複数の動作パラメータに従って前記呼吸デバイスの動作を制御するように構成されたプロセッサを含み、前記複数の動作パラメータのそれぞれが、複数の設定に設定することができ、前記プロセッサ実装方法は、
識別子を受信するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応し、前記設定の組み合わせのそれぞれが、前記複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと
所望の設定の組み合わせに対応するものであるか否か、前記識別子を検証するステップであって、検証する前記ステップは、
検証データ生成アルゴリズムを使用して、前記識別子から生成される第1の検証データを受信するステップと、
前記検証データ生成アルゴリズムを使用して、前記識別子から第2の検証データを生成するステップと、
前記第1の検証データを前記第2の検証データと比較するステップと、を含む、検証する前記ステップと、
を含み、
前記第2の検証データが、前記第1の検証データと一致する場合、前記プロセッサ実装方法は、さらに、
前記識別子から、前記識別子に対応する設定の組み合わせを決定するステップと、
記決定された設定の組み合わせに従って動作するように前記呼吸デバイスを構成するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項2】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項3】
前記識別子は、文字列を表すデータとして受信される、請求項1~2のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項4】
前記識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項5】
前記ユーザ入力デバイスは、前記識別子を前記プロセッサに直接的または間接的に送信するように構成されたモバイルコンピューティングデバイスである、請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項6】
前記識別子を受信する前記ステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、前記光学データから前記識別子を生成することとを含む、請求項4~5のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項7】
前記識別子を受信する前記ステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、前記音響データから前記識別子を生成することとを含む、請求項4~5のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項8】
前記ユーザ入力デバイスは、前記呼吸デバイス上のキーパッドである、請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項9】
前記受信された識別子から前記設定の組み合わせを決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された識別子に対応する前記設定の組み合わせを識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項10】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項11】
呼吸デバイスの構成の検証に使用される識別子を生成するプロセッサ実装方法であって、前記呼吸デバイスが、複数の動作パラメータに従って前記呼吸デバイスの動作を制御するように配置されたプロセッサを含み、前記複数の動作パラメータのそれぞれが、複数の設定に設定することができ、前記プロセッサ実装方法は、
前記呼吸デバイスの現在の設定の組み合わせを受信するステップであって、前記現在の設定の組み合わせが、前記呼吸デバイスに対する複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせであり、前記設定の組み合わせのそれぞれが、前記呼吸デバイスの前記複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
前記受信された設定の組み合わせから識別子を決定するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの1つの設定の組み合わせに対応する、ステップと、
前記呼吸デバイスから前記識別子を出力するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項12】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項11に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項13】
前記識別子は、文字列を表すデータとして出力される、請求項11または12に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項14】
前記識別子は、前記呼吸デバイスのディスプレイに出力される、請求項11~13のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項15】
前記識別子は、光学機械可読コードを表す光学データとして出力される、請求項11~14のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項16】
前記識別子は、複数の音響トーンを表す音響データとして出力される、請求項11~13のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項17】
前記受信された設定の組み合わせから前記識別子を決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された設定の組み合わせに対応する前記識別子を識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項11~16のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項18】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項11~17のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項19】
呼吸デバイスの構成を、前記呼吸デバイスから離れたプロセッサによって、検証するプロセッサ実装方法であって、
前記呼吸デバイスは、複数の動作パラメータに従って動作するよう構成されており、前記複数の動作パラメータのそれぞれが、複数の設定に設定することができ、
前記プロセッサ実装方法は、
前記呼吸デバイスから出力された識別子を受信するステップであって、前記識別子が、複数の識別子のうちの1つの識別子であり、前記複数の識別子のそれぞれが、複数の設定の組み合わせのうちの1つの現在の設定の組み合わせに対応し、前記設定の前記組み合わせのそれぞれが、複数の動作パラメータのそれぞれに対する前記複数の設定のうちの1つの設定を含む、ステップと、
記識別子から、前記識別子に対応する前記現在の設定の組み合わせを決定するステップと、
前記現在の設定の組み合わせを出力するステップと、を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項20】
前記複数の識別子のそれぞれに対応する前記設定の組み合わせは、各識別子に対して一意である、請求項19に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項21】
前記識別子は、文字列を表すデータとして受信される、請求項19または20に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項22】
前記識別子をユーザ入力デバイスから受信するステップを含む、請求項19~21のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項23】
前記ユーザ入力デバイスは、前記識別子をプロセッサに直接的または間接的に送信するように配置されたモバイルコンピューティングデバイスである、請求項22に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項24】
前記識別子を受信する前記ステップは、光学機械可読コードを表す光学データを受信することと、前記光学データから前記識別子を生成することとを含む、請求項19~23のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項25】
前記識別子を受信する前記ステップは、複数の音響トーンを表す音響データを受信することと、前記音響データから前記識別子を生成することとを含む、請求項19~23のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項26】
前記受信された識別子から前記現在の設定の組み合わせを決定する前記ステップは、データアレイ内の前記受信された識別子に対応する前記設定の組み合わせを識別することを含み、前記データアレイに、前記複数の識別子のそれぞれが、前記複数の設定の組み合わせのうちの前記対応する設定の組み合わせと関連付けられて記憶されている、請求項19~25のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項27】
前記複数の動作パラメータは、呼吸治療を受ける患者、前記呼吸デバイス、前記呼吸デバイスと併せて使用される周辺デバイス、呼吸治療の送達、前記呼吸デバイスによって送達される呼吸可能なガス、1つ以上の警報状態、及び加湿のうちのいずれか1つ以上に関するパラメータを含む、請求項19~26のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項28】
呼吸デバイスであって、
患者の気道に送達するための空気流を生成するための流れ発生器と、
請求項1~18のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサと、を備える、呼吸デバイス。
【請求項29】
請求項19~27のいずれか1項に記載のプロセッサ実装方法を実行するように配置されたプロセッサを備える、システム。
【国際調査報告】