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特表2023-532510ペーシングパルス検出およびペーシングアーチファクト除去のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】ペーシングパルス検出およびペーシングアーチファクト除去のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/365 20060101AFI20230721BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/347 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/353 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/352 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/346 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/332 20210101ALI20230721BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20230721BHJP
   A61N 1/37 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
A61N1/365
A61B5/256 210
A61B5/33 110
A61B5/347
A61B5/353
A61B5/352
A61B5/346
A61B5/332
A61B5/11 200
A61N1/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580843
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021040109
(87)【国際公開番号】W WO2022006409
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】16/920,039
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515058422
【氏名又は名称】ヴァイタル コネクト,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Vital Connect,Inc.
【住所又は居所原語表記】224 Airport Parkway,Suite 300,San Jose,CA,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナラタンビ ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】セルバラジ ナンダクマール
【テーマコード(参考)】
4C038
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB32
4C038VC20
4C053JJ04
4C053JJ18
4C053JJ23
4C127AA02
4C127BB03
4C127BB05
4C127CC02
4C127DD04
4C127FF01
4C127FF02
4C127GG01
(57)【要約】
比較的低いサンプリングレートで測定された表面心電図(ECG)信号を使用して、埋め込まれたペースメーカから発生するペーシングパルスを検出し、記録された表面ECG信号からペーシングアーチファクトを排除するための方法およびシステム。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルセンサによって、アナログ心電図(ECG)信号を測定することと、
前記ウェアラブルセンサによって、アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、
前記ウェアラブルセンサによって、第1のチャネルにおける前記アナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、
前記ウェアラブルセンサによって、第2のチャネルにおける前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、
前記ウェアラブルセンサによって、前記第1のチャネル出力と前記第2のチャネル出力との間の対応尺度を使用してペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することと、を含む、ペースメーカのモードおよび機能を評価するための方法。
【請求項2】
前記ECG信号を処理することは、前記ECG信号から対象のECG周波数外のスペクトル成分を捕捉するように調整されたフィルタを使用して、ペーシングパルスのエネルギーを抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ECG信号を処理することは、ペーシング信号のエネルギーを時間的にスケーリングすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ECG信号を処理することは、低サンプリング周波数でアナログ/デジタル変換器(ADC)を用いて前記スケーリングされたペーシング信号をサンプリングすることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ECG信号を処理することは、前記サンプリングされたペーシング信号からペーシングパルスを検出することと、前記検出されたペーシングパルスに基づいて前記第1のチャネル出力を提供することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することは、前記第1のチャネル出力の前記検出されたペーシングパルスに基づいてパッキングパルス位置を提供することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、前記第1のチャネルと同じサンプリング周波数でADCを用いて前記アナログECG信号をサンプリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、同様のサンプリング周波数範囲でADCを用いて前記アナログECG信号をサンプリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、ADCによって前記アナログACC信号をデジタル変換することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、前記サンプリングされたECG信号とデジタルACC信号との組合せに基づいてペーシングアーチファクトを検出することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ペーシングアーチファクトを検出することは、ECGデータの各リードから抽出された特徴に基づいて、デジタルECGの1つまたは複数の独立したリードにおいて検出される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、個々のリードの前記検出されたペーシングアーチファクトを集約することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、前記デジタルACC信号から導出された身体加速度の測定値に基づいて、前記検出されたペーシングアーチファクトの有無を決定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アナログECG信号および前記アナログACC信号を処理することは、1つまたは複数のECGリードにおける現在のペーシングアーチファクトを減衰させることと、前記ペーシングアーチファクトなしにデジタルECG信号を提供することと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することは、前記第2のチャネルの出力からのP波およびQRS群のピークを含むデジタルECG信号の基準マーカを検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記デジタルECG信号のペーシングパルスの位置および前記基準マーカは、時間的に同期され、次いで、前記第1のチャネル出力と前記第2のチャネル出力との間の対応を見つけるためにオーバーレイされる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することは、前記デジタルECGのペーシングパルス位置および前記基準マーカのそれぞれの後および前に持続時間Dのウィンドウを適用して、順序付けられた一対のPM(ペースメーカパルス)およびBM(QRSまたはP波のピークなどの拍動マーカ)の有無を決定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することは、PMとBMとの間の単射的、双射的、および全射的注などの異なるタイプの対応関係に基づいて、正常な機能およびモードを決定することをさらに含み、前記ペースメーカの機能不全は非対応関係によって識別され、前記非対応関係は前記機能の共ドメイン内の対応する要素を伴わない機能のドメイン内の要素を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
電極によって、アナログ心電図(ECG)信号の測定することと、
加速度センサによって、アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、
プロセッサによって、第1のチャネルにおいて前記アナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、
前記プロセッサによって、第2のチャネルにおいて前記アナログECG信号および前記ACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、
前記プロセッサによって、前記第1のチャネル出力と前記第2のチャネル出力との間の対応尺度を使用して、ペースメーカ装置のモードおよび機能を評価することと、を含む、ペースメーカモードおよび機能を評価するためのワイヤレスセンサ。
【請求項20】
実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、
アナログ心電図(ECG)信号を測定することと、
アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、
第1のチャネルにおけるアナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、
第2のチャネルにおける前記アナログECG信号と前記ACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、
前記第1のチャネル出力と前記第2のチャネル出力との間の対応尺度を使用して、ペースメーカデバイスのモードおよび機能を評価することと、を含む動作を実行させる命令を記憶する、ペースメーカモードおよび機能を評価するためのワイヤレスセンサに関連する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーシングパルス検出およびペーシングアーチファクト除去のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工ペースメーカは、異常な心調律、すなわち徐脈および心不全などの不整脈を含む一般的な心臓の状態に起因する、1つまたは複数の心腔内に配置された1つまたは複数の電極を有する、通常、胸部または腹部に埋め込まれる小型の医療デバイスである。電極を備えるペースメーカの感知ユニットは心臓の正常または異常な電気的活動を感知し、心臓の自然なインパルス発生器またはペースメーカがスキップまたは故障したとき、人工ペースメーカのパルス発生器ユニットは電気的インパルスを心臓に送り、心臓の電気伝導システム、機械的ポンピング、および心拍数をオンデマンドベースで調節する。
【0003】
表面レベル心電図(ECG)を使用した、埋め込まれたペースメーカから発生するペーシングパルスの検出は、心臓専門医がペースメーカ駆動リズムを識別し、そのような心臓補助装置を必要とする患者における埋め込まれたペースメーカ装置の機能を評価することを可能にし、最適な治療またはペースメーカバッテリ交換のためのペースメーカ装置の再プログラミングに関する決定につながる。
【0004】
ベッドサイドECGモニタまたはポータブルホルターECGモニタは一般に、ECG電極を胸部および/または四肢に配置し、ワイヤを介してモニタに取り付け、ECG波形および同時ペースメーカパルスを非侵襲的に記録/表示するために使用される。典型的なペースメーカパルス持続時間は、ペーシングパルスの高周波数成分を確実に捕捉し、高帯域幅のベッド再度ECGモニタを使用して正確に表示するために、4kHzのようなサンプリング周波数で高精度を必要とするμsから数msオーダーである。そのようなベッドサイドECGモニタは、非常に限られた期間、主に静止状態(病院ベッドに拘束されている)で表面ECGおよびペースメーカパルスを捕捉するように設計される。
【0005】
一方、ホルターECGレコーダは、高いサンプリング周波数で動作し、自宅で24~48時間、歩行状態で表面多誘導ECGおよびペーサーパルス信号の収集を可能にするように設定することができる。ホルターモニタは、典型的には表面ECGを記録するために使用され、ECG形態学的特徴および心調律を評価するための独自のソフトウェアツールを使用してオフラインで分析され、患者が規則的な心調律を回復するためにペースメーカを必要とすることを決定することにつながる。より高いサンプリングレートが選択された場合、ペースメーカを植え込まれた患者におけるホルター心電図記録は、ECG信号に加えてペーサーパルスを捕捉することができる。しかしながら、ホルターレコーダは、医師によるリアルタイムモニタリングがないこと、オフライン分析のためにホルターレコーダを医師オフィスに返却すること、集計結果を得るために待機期間を延長すること、ならびにペーサー検出およびペースメーカ診断評価に関連する能力が限られていることを含めて、制限を提示している。
【0006】
そのような従来のベッドサイドECGモニタおよびホルターレコーダはさらに、自由生活の家庭条件におけるペースメーカ移植患者の連続的、長期的およびリアルタイムのモニタリングおよび管理には適していない。長期監視のための目立たない便利な着用可能なECGセンサ装置がないために、ペースメーカ埋め込み患者は、ペースメーカ装置が正しく機能していると信じることを含む深刻な心理的暗示を有し得るペースメーカまたは埋め込まれた心臓補助装置の機能に関する定期的な評価を受け得ない。したがって、ペースメーカパルス認識のリアルタイムの長期連続モニタリングを有する目立たない着用可能なECGモニタは、植え込まれたペースメーカの機能性および心臓の状態に対する治療の進行を評価する際に非常に価値がある。
【0007】
長期ウェアラブルECGセンサ装置は通常、1000Hz未満のサンプリング周波数を有し、これは、ECGに対応する対象の関心周波数を捕捉するのに十分である。しかし、ウェアラブルECGセンサ装置におけるそのような低いサンプルレートは、約4kHzの比較的高いサンプリング周波数を有する高帯域幅ECGシステムとは対照的に、ペースメーカパルスをμsから数msオーダーで確実に取得し、表示するには不十分である。したがって、低いサンプリング周波数を有するウェアラブル低帯域幅ECGシステムは、ペースメーカパルスを捕捉するように本質的に設計されておらず、埋め込まれたペースメーカの動作設定の選択に応じてペーシングパルスの1つまたは複数のサンプルを散発的に捕捉し得る。
【0008】
本発明は、低サンプルレートで動作するウェアラブルECGセンサ装置を使用して、自由生活状態におけるペースメーカ患者の連続的で目立たない歩行モニタリングのための従来のECGモニタの制限を克服する。本開示は最初に、ウェアラブルECGセンサ装置を使用してペーシングパルスの位置の識別を説明し、低いサンプリング周波数(例えば、125Hz)でペーサー検出出力マーカを送出する。したがって、ペーサー検出方法および低帯域幅ウェアラブルECGセンサは、植え込まれたペースメーカ患者において測定された1つまたは複数の表面ECGを利用して、ECGサンプルレベルまたは心周期/拍動レベルにおけるペーサーパルスの有無を示すセンサ出力に変換する。
【0009】
高いサンプルレートを有する従来のECGモニタでは、ECGと共にペースメーカパルス全体をアナログデジタル変換器(ADC)によって捕捉することができ、デジタル出力信号はECG信号とペースメーカパルスの同時発生をそのまま含む。一方、低帯域幅検出ウェアラブルECGセンサ装置はペースメーカパルス全体を捕捉することができないが、固有の低サンプリングレートのために、各心周期におけるペーサーパルスの1つまたは複数のサンプルを散発的に捕捉する。したがって、捕捉された散発性ペースメーカパルスサンプルは、出力ECGトレースにおけるリップル/歪みとともに、低振幅から高振幅のアーチファクトとして現れる可能性があり、出力ECGトレースを用いた任意の臨床的推論の導出を複雑にする可能性がある。したがって、本開示はまた、低いサンプリングレートでの出力ECG波形からのペーサーアーチファクト除去を説明する。したがって、ペーサー拒絶方法は植え込まれたペースメーカ患者における低帯域幅ウェアラブルECGセンサ装置の1つまたは複数の表面ECGおよび身体加速度測定値を処理して、ECGからのペーサーアーチファクトおよび歪みを除去し、ECGサンプルレベルまたは心周期/拍動レベルベースにおけるペーサーパルスの除去を示すためのセンサ出力を提供する。
【0010】
ペースメーカの機能や機能不全を正確に評価することは、ペースメーカの治療法や患者の症状を臨床的に解釈するために不可欠である。本開示はまた、従来のECGモニタの制限を克服する際に、歩行可能で自由生活の条件における長期連続モニタリングにおけるペースメーカ装置の機能の評価のために適用される、ペーサー検出およびアーチファクト除去機能を有するウェアラブルECGセンサ装置を説明する。したがって、ペーサー検出出力とペースメーカアーチファクト除去のECG出力との融合は、ペーサーモード、ペーサーレート、ペーサータイミング、ペーシング入射角、効果的および非効果的なペーシングまたはペーサー機能不全を含むペースメーカの機能的特徴を決定するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一例示的な実施形態では、ペースメーカモードおよび機能を評価するための方法がウェアラブルセンサによって、アナログ心電図(ECG)信号を測定することと、ウェアラブルセンサによって、アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、ウェアラブルセンサによって、第1のチャネル内のアナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、ウェアラブルセンサによって、第2のチャネル内のアナログECG信号およびACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、ウェアラブルセンサによって、第1のチャネル出力と第2のチャネル出力との間の対応測定値を使用して、ペースメーカ装置のモードおよび機能を評価することとを含む。
【0012】
別の例示的な実施形態では、ペースメーカモードおよび機能を評価するためのワイヤレスセンサが電極によって、アナログ心電図(ECG)信号を測定することと、加速度計センサによって、アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、プロセッサによって、第1のチャネル内のアナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、プロセッサによって、第2のチャネル内のアナログECG信号およびACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、プロセッサによって、第1のチャネル出力と第2のチャネル出力との間の対応測定値を使用して、ペースメーカ装置のモードおよび機能を評価することとを含む。
【0013】
さらに別の例示的な実施形態では、実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、アナログ心電図(ECG)信号を測定することと、アナログ加速度計(ACC)信号を測定することと、第1のチャネルにおいてアナログECG信号を処理し、第1のチャネル出力を提供することと、第2のチャネルにおいてアナログECG信号およびACC信号を処理し、第2のチャネル出力を提供することと、第1のチャネル出力と第2のチャネル出力との間の対応測定値を使用してペースメーカ装置のモードおよび機能を評価することとを含む動作を実行させる命令を記憶する、ペースメーカモードおよび機能を評価するためのワイヤレスセンサに関連付けられた非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0014】
前述の概要は、例示に過ぎず、決して限定することを意図するものではない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の簡単な説明では、様々な変更および修正が以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるので、実施形態は例示としてのみ説明される。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様または同一のアイテムを示す。
図1図1は、ペーシングパルス指示の1つまたは複数の実施形態を実施するための例示的なブロック図である。
図2】ペーシングパルス指示アルゴリズムを実施するための例示的なブロック図を示す。
図3図3A図3Dは、ペーシングフィルタの出力の例示的な図を示す。
図4図4Aおよび図4Bは、アンチエイリアシングフィルタおよびADCによるPSEEPの出力の変換後の出力の例示的な図を示し、低サンプリング周波数であってもスケーリングされたペースメーカエネルギーの捕捉を示す。
図5図5A図5Cは、チャネルAにおけるECGリードのうちの1つに対応するPSEEPの第1および第2の部分からのペーシング位置の検出の例示的な図を示す。
図6図6は、ペーシングアーチファクトおよび単一チャンバペーシングECG信号の例示的な図を示す。
図7図7は、直接選択論理の例示的な図を示す。
図8図8は、間接選択論理の例示的な図を示す。
図9図9A~9Cは、固定拒絶によるペーシング減衰の例示的な図を示す。
図10図10A~10Cは、可変拒絶によるペーシング減衰の例示的な図を示す。
図11図11A~11Bは、固定拒絶および可変拒絶の組み合わせによるペーシング減衰の例示的な図を示す。
図12図12A~12Bは、ECGのペーシング位置および基準マーカ(QRS群)の同期オーバーレイの例示的な図を示す。
図13-1】図13Aおよび13Bは、ペースメーカモードおよび機能を決定するための対応措置の例示的な図を示す。
図13-2】図13Cおよび13Dは、ペースメーカモードおよび機能を決定するための対応措置の例示的な図を示す。
図14図14は、チャネルAおよびチャネルBデータストリームの出力を有するペース分析の例示的な図を示す。
図15図15は、ペーシングパルス指示のための実施形態による、ワイヤレスおよびウェアラブルセンサデバイス200の例示的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明では、説明の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は典型的には類似の構成要素を識別する。さらに、別段の記載がない限り、各連続した図面の説明は、電流例示的な実施形態のより明確な文脈およびより実質的な説明を提供するために、前の図面のうちの1つまたは複数からの特徴を参照し得る。さらに、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、他の変更が行われ得る。本明細書で一般的に説明され、図面に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置換され、組み合わされ、分離され、設計され得、そのすべてが本明細書で明示的に企図されることが容易に理解されるのであろう。
【0017】
図1は、低サンプリング周波数でのペーシングパルス指示、ペーシングアーチファクトの除去、およびペースメーカの機能の評価のためのシステムおよび方法の1つまたは複数の実施形態を実施するための例示的なブロック図を示す。したがって、ウェアラブルセンサは、10において、身体上の患者の胸部皮膚表面における心電図(ECG)および加速度計(ACC)信号を測定するために使用される。アナログ表面ECGは、2つの別個のチャネルで同時に処理される。チャネルAでは、対象のECG周波数外のスペクトル成分を捕捉するように調整されたフィルタを使用して、ペーシングパルスのエネルギーが抽出され、ペーシング信号のエネルギーは11で時間的にスケーリングされる。次いで、スケーリングされたペーシング信号は、12において、低サンプリング周波数(例えば、125Hz)で、アナログ/デジタル変換器(ADC)を用いてサンプリングされる。13において、デジタルチャネルA信号からペーシングパルスが検出される。チャネルBでは、アナログ表面ECGが、チャネルAと同じサンプリング周波数(例えば、125Hz)で、またはサンプリング周波数の同様の範囲で、ADCでサンプリングされる。同様に、加速度計信号も、14においてチャネルBにおいてデジタル変換される。ペーシングアーチファクトは、ECGデータの各リードから抽出された特徴に基づいて、デジタルECGの1つまたは複数の独立したリードにおいて検出される。個々のリードのペーシング検出が集約され、15において、デジタル加速度計データから導出された身体加速度の測定値に基づいて、ペーシングアーチファクトの有無が決定される。チャネルBにおいてペーシングアーチファクトが検出されるときはいつでも、そのサンプルは、16において1つまたは複数のECGリードにおいて減衰される。ペースメーカデバイスのモードおよび適切な機能は、17において、チャネルAおよびBの出力間の対応尺度を使用して評価される。
【0018】
図2は、図1のシステムおよびペーシングパルスの表示およびECGからのペーシングアーチファクトの除去のための方法のさらなる詳細をブロック図によって示す。センサシステムは、シングルリードまたはマルチリードECG電極と、単軸または多軸加速度計センサとを含み得る。接着パッチセンサ、胸部バンド、または身体に接着された電子モジュールなどのウェアラブルセンサデバイスのフォームファクタは、本発明の範囲内である。さらに、ペーシングされた信号エネルギー抽出器およびプロセッサ(PSEEP)220内のチャネルAでは、ペースメーカパルスに対応するペーシングエネルギーが抽出され、時間的にスケーリングされる。1つまたは複数のリード211からのアナログECG信号は、ペーシングフィルタ221に供給されて、ECG200からペーシング信号のエネルギーを抽出する。ペーシングフィルタはアナログハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタであり、そのカットオフ周波数は、ECG信号のスペクトル成分の外側にある。図3はペーシングフィルタの出力を示す。ペーシングフィルタの出力の図を図3A~3Dに示す。図3Aは、デュアルチャンバペーシングを用いたアナログECGの例を示す。図3Bは、ペーシングフィルタによる、ペースメーカパルスのスペクトル構成要素のかなりの部分の抽出と、P波、QRS波、T波などのECGのスペクトル構成要素の除去を示している。
【0019】
ペーシングフィルタの出力は、2つの部分で処理される。第1の部分では、ペーシングフィルタリングされた信号は、222において、畳み込みプロセスにおいて基準信号と畳み込みされる。上述の基本信号の正弦波信号、ステップ関数、ランプ関数、放物線信号、信号関数、指数信号、三角信号、正弦関数、線形または非線形結合などの基準信号は、本発明の範囲内である。振幅および持続時間などの基準信号のパラメータは、ペーシングフィルタの出力におけるパルスの時間スケーリングを決定する。畳み込まれた出力は、比較器223において、ECGのM番目のリードに起因するPSEEPの第1の部分の出力である閾値と比較されて、M-Pが得られる。図3Cでは、PSEEPの第1の部分の出力の例示が正弦波信号である基準信号とともに提供され、ペーシング信号のエネルギーの処理およびスケーリングを示す。第2の部分では、ペーシングフィルタリングされた信号が比較器224によって閾値と比較され、225において、比較器224の出力に基づいてトリガされる単安定マルチバイブレータに供給される。次いで、単安定マルチバイブレータ225は、ECGのM番目のリードに起因するPSEEPの第2の部分の出力である、所定の持続時間のパルスを生成してM-Pが得られる。閾値の値は、固定されてもよく、ペースメーカ設定に基づいてプログラムされてもよく、またはデータから学習されてもよい。図3Dは、PSEEPの第2の部分によるペーシング信号のエネルギーの処理およびスケーリングを示す。
【0020】
集合的に226であるアナログ信号ストリーム1-P,1-P,・・・,M-P,M-Pは、アンチエイリアシングフィルタに供給され、230で、低サンプリング周波数(例えば、125Hz)で動作するADCを使用してデジタルストリームに変換される。図4は、アンチエイリアシングフィルタおよびADC239によるPSEEPの出力の変換後の出力を示し、125Hzの低サンプリング周波数においてさえ、スケーリングされたペースメーカエネルギーの捕捉を示す。
【0021】
図2は、ペーシングされたパルス検出器237をさらに示す。ペースメーカパルスの位置を見つけるための第1のステップとして、232において、デジタルストリーム1-P,1-P,・・・,M-P,M-P231が閾値C11,C12,・・・,Cm1,Cm2と比較される。232におけるすべての閾値C11,C12,・・・,Cm1,Cm2の値は、同じであっても異なっていてもよく、サンプリング周波数に基づいて選択される。次いで、比較器の出力は、233において微分器d(.)に供給され、ゼロと比較されて、各デジタルストリームについて234においてペーシングパルスp11,p12,・・・,pm1,pm2の位置を取得する。図5に、ECGリードの1つに対応するPSEEPの第1および第2の部分からのペーシング位置の検出の図を示す。
【0022】
ペースメーカパルスの最終位置は、データ融合ルールを235において、論理1または論理0がペースメーカパルスの有無をそれぞれ示す、pij、すなわち、
【数1】
に適用することによって、取得される。一例として、ペースメーカパルス236の位置を決定するためのデータ融合ルールh(p11,・・・,pij,・・・,pm2)235は、多数決、および閾値交差(2mのうちのp)、AND、ORなどの論理機能ルールの組み合わせ、およびベイズ検出ルールなどの投票スキームであり得る。したがって、ペースメーカパルスの有無およびそれらの対応する位置は、240において、チャネルAデータストリームの処理において検出され、表示される。
【0023】
図2は、チャネルBにおいて、加速度計信号もまた、チャネルBにおいてデジタル変換されることを示す。同様に、210における1つまたは複数のリード1-ECG,2-ECG,・・・,M-ECGからのアナログ表面ECGは、アンチエイリアシングフィルタに供給され、230におけるチャネル1(例えば、125Hz)と同じ低サンプリング周波数で動作するADCを使用して、デジタルストリームに変換される。そのような低いサンプリング周波数では、ペースメーカパルスは表されず、ペーシングパルスの散発的に1つまたは複数のサンプルがECGトレース上にアーチファクトとして現れ得る。図6には、125Hzでサンプリングされた単一チャンバペーシングECG信号の例が示されている。ペーシングアーチファクトの少数のサンプルの入射角が明確に観察される。後続のセクションでは、そのようなアーチファクトの入射角を低減するためのスキームが提供される。
【0024】
デジタルECG信号241のM個のチャネルの各々は、選択論理エンジン242、243に供給されて、ペーシングアーチファクトに対応するサンプルを識別する。選択論理エンジン242は、形態学的ECG特徴の2つのチャネル、すなわち、直接選択論理244および間接選択論理245に依拠して、ペーシングアーチファクトに対応するサンプルを識別する。これらの単一チャネルの出力は、ペーシングアーチファクトを決定するために独立して用いられる。次いで、単一チャネル検出は、ペーシングアーチファクトの最終サンプル位置を得るために集約される。
【0025】
直接選択論理244は、ECGの各リードのサンプルを直接使用してペーシングアーチファクトの有無を決定することを含む。直接選択論理の例は、ECG信号x[n]のi番目のリードの連続差の絶対値をd[n]=|x[n]-x[n-1]として計算することによって与えられる。次いで、246において閾値Cと比較され、その閾値Cを超えるd[n]のサンプルは、ペーシングアーチファクトの位置を提供する。これは図7に示されており、ここで、ペーシングアーチファクトの位置は、直接選択論理スキームによって決定されるペーシングアーチファクトの有無に応じて、1および0のデジタルストリームによって与えられる。
【0026】
間接選択論理245は、ECG信号の各リードにおけるデータに対して実行される信号操作動作によってペーシングアーチファクトの有無を決定することを含む。一例として、基本ペーシング周波数を抽出し、ECG信号のスペクトル特徴を除去するために、バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタが適用される。このフィルタリングされた信号をf[n]とする。フィルタリングされた信号f[n]のi番目のリードの連続差の絶対値を計算すると、g[n]=|f[n]-f[n-1]をもたらす。次いで、247において、閾値Cinを超えるg[n]のサンプルは、ペーシングアーチファクトの位置を提供する。これは図8に示されており、ここで、ペーシングアーチファクトの位置は、間接選択論理スキームによって決定されるペーシングアーチファクトの有無に応じて、1および0のデジタルストリームによって与えられる。
【0027】
ECGの各リードに対する選択論理エンジンの論理出力は、ペーシングアーチファクトの有無の信頼できる決定のために論理融合248に供給される。固定期間の249における重複しないタイミングウィンドウWは、選択論理エンジンの論理出力Lijに適用される。j番目の選択論理を有するi番目のリードの論理出力Lij(直接選択論理の場合、j=1、間接選択論理の場合、j=2)がW内で1である場合、そのウィンドウに論理1が割り当てられ、すなわち、W内でLij=1である場合、割り当てられた値aij=1であり、W内でLij=0である場合、250で割り当てられた値aij=0である。時間窓および論理割当ては、異なる選択論理スキームを用いて、すべてのリードにおける同時ペーシング位置の同期を保証する。論理融合ルールは、ペーシングアーチファクトの有無を決定するためにaijで適用される。融合ルールは、aijの関数、すなわち、
【数2】
であり、ここで、論理1または論理0がペーシングアーチファクトの有無をそれぞれ示す関数である。一例として、ペーシングアーチファクトを決定するための論理融合ルールg(a11,・・・,aij,・・・,am2)は、多数決、および閾値交差(2mのうちのp))、AND、ORなどの論理関数ルールの組み合わせ、およびベイズ検出ルールなどの投票スキームであり得る。次に、身体加速度のy(n)の関数としての尺度が得られ、K=(f(y(n))<C)であるように閾値Cと比較され、ここで、
【数3】
およびy(n)はデジタル加速度計信号である。ペーシングアーチファクトの有無に関する最終決定は、251でZ=K.g(a11,・・・,aij,・・・,am2)によって与えられる。
【0028】
260において、値Zに基づいて、異なるチャネルがアクティブ化される。Z=0の場合、ペーシングアーチファクトは検出されず、ECG信号は減衰せずに出力ユニットに送信される。次いで、Z=1の場合、ECG信号におけるペーシングアーチファクトに対応するサンプルが、ペーシング減衰システム261において減衰される。ペーシング減衰システム261は、ECG信号内のペーシングアーチファクトを除去するために、減衰の2つのカテゴリ、すなわち、262における固定拒絶と、263における可変拒絶とに依存する。拒絶システムの出力は、減衰後のサンプルを平滑化し、減衰アグリゲータ264においてペーシングアーチファクトなしでECG信号を得るために組み合わされる。
【0029】
固定拒絶262システムは、ペーシングアーチファクトのサンプリング瞬間にわたって一定値を保持する。一例として、k番目のサンプルがペーシングサンプルとして検出される場合、k-2番目のサンプルの値は、k-1,k,k+1サンプルのために保持され得る。保持値はまた、ペーシングアーチファクトを完全に無効にするためにゼロになるように選択され得る。保持ウィンドウの持続時間は、記録デバイスのサンプリング周波数およびペースメーカパルス幅設定に基づき得る。図9Aは、ペーシングアーチファクトを有するデジタルECG信号の図を示し、図9Bはペーシングアーチファクトの位置を示し、1のデジタルストリームは、ペーシングアーチファクトのサンプリング瞬間を示す。図9Cは、ホールド値がk-2番目のサンプルとして選択され、ホールドウィンドウが[k-1,k+1]によって与えられ、kがサンプリングインスタンスである、ペーシングアーチファクトを完全に除去するための固定拒絶の図を示す。
【0030】
可変拒絶263システムは、ペーシングアーチファクトのサンプリング瞬間にわたって新しい値を生成し、それによってアーチファクトを除去する。一例として、k番目のサンプルがペーシングサンプルとして検出された場合、k-2番目およびk+2番目のサンプルの値が境界値として選択され、それらの間のサンプルが補間される。補間方式は、線形、多項式、スプライン、およびウェーブレット、有理および三角補間などの他の変形であってもよい。図10Aはペーシングアーチファクトを有するデジタルECG信号の図を示し、図10Bはペーシングアーチファクトの位置を示し、ここで、1のデジタルストリームは、ペーシングアーチファクトのサンプリング瞬間を示す。図10Cは、境界値がk-2番目およびk+2番目のサンプルとして選択され、間欠的サンプルがペーシングアーチファクトを拒絶するために線形補間される、可変拒絶スキームの図を示す。
【0031】
減衰アグリゲータ264では、265において、固定および可変拒絶方式の出力が組み合わされて、ペーシングアーチファクトなしで出力ECG信号が取得される。一例として、図11Aは、ペーシングアーチファクトを有するデジタルECG信号を示す。図11Bは、固定および可変拒絶出力の平均をとることによるペーシングアーチファクトの除去を示す。このステップは、QRS形態が損なわれないままであることを保証する一方で、減衰のために修正されたサンプルの値を平滑化する。
【0032】
直接および間接選択論理244、245、固定および可変拒絶262、263などの方式の組合せが本実施形態で説明されるが、それらは独立型の実施形態であってもよいことに留意されたい。したがって、ペーシングアーチファクトは、チャネルBデータストリームの処理においてECG信号から除去され、266で表示される。
【0033】
ペースメーカデバイスのモードおよび適切な機能は、ペース分析270におけるチャネルAおよびBの出力を用いて評価される。チャネルAの出力は、236においてペーシングパルスの位置を提供する。265におけるチャネルBの出力から、267において、P波およびQRS群のピークなどのECGの基準マーカが検出される。ECGのペーシングパルスの位置および基準マーカは、時間的に同期され、次いで、268においてオーバーレイされて、2つのストリーム間の対応を見つける。図12Aは、アナログ入力ECGを示す。図12Bは、ECGのQRS群のデジタルペーシング位置とピークマーカとの間の時間同期オーバーレイを示す。
【0034】
時間同期オーバーレイ268を用いたペースメーカの機能およびモードの自動決定の例は、以下の通りである。第1に、持続時間Dのウィンドウが、ペーシング位置236およびECG267の基準マーカの後および前にそれぞれ適用されて、PM(ペースメーカパルス)およびBM(QRSまたはP波のピークなどの拍動マーカ)の順序付けられた一対の存在または不在を決定する。PMからBMへの対応Rは、269で要素
【数4】
および
【数5】
で構成される順序付き一対のセットである。さらに、269において、正常な機能およびモードの自動決定は、PMとBMとの間の単射的(injective)、双射的(bijective)、および全射的(surjective)などの異なるタイプの対応関係に基づいて決定され、一方、ペースメーカの機能不全は非対応関係によって識別される(すなわち、機能の共ドメイン内に対応する要素がない機能のドメイン内に要素が存在する)。
【0035】
図13A~13Dは、ペースメーカモードを決定するためにPMとQRS BMとの間の対応尺度269を利用し、271において異なる使用事例の間で機能する例を示す。図13Aは、1つの使用事例において、対応が双射的であること、すなわち、ドメインPMの要素と共ドメインQRSとの間に1対1の対応があり、単一チャンバペーシングの正常な機能を示し、ここで、ことを示す。図13Bは別の使用事例を示し、共ドメイン(QRS)の各要素は、単一チャンバペーシングの正常な機能を示すドメインPM(単射的、非全射的)の最大1つの要素にマッピングされ、ここで、2つの拍動がペースメーカによって駆動され、1つの拍動が内因性(ネイティブ)拍動である。図13Cは、さらに別の使用事例において、共ドメインQRSの各要素がドメインPMの2つの要素にマッピングされ、両心室ペーシングの正常な機能を示し、ここで、すべての拍動はペースメーカによって駆動される。最後に、図13Dに示すように、機能PMのドメインに、機能QRSの共ドメインに対応する要素がない要素が存在する場合、それは、ペースメーカの機能不全を示す。上記スキームの組み合わせは、本発明の範囲内で、心室捕捉、生来の拍動、融合拍動、擬似融合拍動、捕捉失敗、アンダーセンシング、心房ペーシング、心室ペーシング、および両心室ペーシングなどの他の機能およびモードを識別するために使用することができる。
【0036】
図14に、同期チャネルAおよびチャネルBのデータストリームを使用したペーシング分析の例を示す。したがって、ペースメーカの機能およびモードは、低サンプリング周波数での診断グレードECGから決定することができる。
【0037】
図15は、一実施形態による、無線ウェアラブルセンサデバイス200を示す。ワイヤレスセンサデバイス200は、センサ202と、センサ202に結合されたプロセッサ204と、プロセッサ204に結合されたメモリ206と、メモリ206に結合された適用器208と、適用器208に結合された送信器209とを含む。ワイヤレスセンサデバイス200は、任意の向きで、ユーザに取り付けられる。センサ202は、ユーザからデータを取得し、そのデータをメモリ206に送信し、次に適用器208に送信する。プロセッサ204は適用器208を実行して、ユーザのECGおよびACCに関する情報を決定し、その後、ペーサー検出出力およびペースメーカアーチファクト拒絶ECG出力の融合を利用して、ペーサーモード、ペーサーレート、ペーサータイミング、ペーシング入射角、有効および無効ペーシングまたはペーサー誤動作を含むペースメーカの機能的特徴を決定する。情報は、送信器209に送信され、次いで、別のユーザまたはデバイスに中継される。
【0038】
当業者は、ワイヤレスおよびウェアラブルセンサデバイス200が限定はしないが、一軸加速度計、二軸加速度計、三軸加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、フォトプレチスモグラフ(パルスオキシメータセンサ)、および電極を含む、センサ202のための様々なデバイスを利用され得、本発明の趣旨および範囲内にあることを容易に認識する。当業者は、ワイヤレスセンサデバイス200がマイクロプロセッサ、コントローラ、およびマイクロコントローラを含むがこれらに限定されず、プロセッサ204のための様々なデバイスを利用され得、本発明の趣旨および範囲内にあることを容易に認識する。加えて、当業者は、様々なデバイスが、メモリ206、適用器208、および送信器209のために利用され得、本発明の趣旨および範囲内にあることを容易に認識する。
【0039】
当業者は、ユーザのECGに関する情報がECGデータ信号セグメントを含むがこれに限定されない異なるタイプの情報であり得、本発明の精神および範囲内であり得ることを容易に認識する。さらに、当業者は、ECGデータ信号セグメントが125Hzのサンプリング周波数(Fs)および40時間の所定の期間長を含むがこれらに限定されず、本発明の趣旨および範囲内で様々なサンプリング周波数および所定の期間で測定され得ることを容易に認識する。
【0040】
図1~15に示され、それに従って説明される構成要素、結果、図、出力、グラフ、および動作に関して、低サンプリング周波数における診断グレードECGにおけるペーシングパルスの位置を識別し、ECGにおけるペーシングアーチファクトを減衰させ、ペースメーカ装置のモードおよび機能を評価する動作およびサブ動作のいずれも、コンピュータ可読媒体に記憶された非一時的コンピュータ可読命令として実装され得る。コンピュータ可読命令は例えば、特に上述のアプリケーションおよび/またはプログラムに適用可能なように、ネットワーク要素および/またはそれに対応する任意の他のデバイスを有する、本明細書で参照されるようなワイヤレスおよびウェアラブルセンサの1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。
【0041】
上記から、本開示の様々な実施形態が例示の目的のために本明細書に記載されており、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されよう。したがって、本明細書に開示される様々な実施形態は限定を意図するものではなく、真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13-1】
図13-2】
図14
図15
【国際調査報告】