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特表2023-532512互いに近づき合う楕円軌道にボールまたはローラを備える差動装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】互いに近づき合う楕円軌道にボールまたはローラを備える差動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 48/14 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
F16H48/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580947
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 IT2021050199
(87)【国際公開番号】W WO2022009241
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000015964
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522501904
【氏名又は名称】クロゾッリ,グアルティエロ
【氏名又は名称原語表記】CROZZOLI,Gualtiero
【住所又は居所原語表記】Via di Vermicino n. 182, 00133 Roma, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】クロゾッリ,グアルティエロ
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA11
3J027FA36
3J027FA37
3J027FB01
3J027HB20
3J027HC07
3J027HC12
3J027HC13
(57)【要約】
差動装置は、遊星ギヤや衛星ギヤにおける歯車なく形成され、遊星シャフトに楕円軌道が前面にそしてシャフトの周囲に形成される。軌道の形状は半球状または半円筒状である。半分の球体または半分のローラの外形が軌道内でその周面と接しながら転動することを要する。これにより、ボールまたはローラは、軌道に部分的にかつ変換器に部分的に、ある場合ではシリンダに部分的に拘束され、他の場合では、テーブル7における図23図24に示すように二つのシャフトを分割する十字に部分的に拘束される。全体は、ボールまたはローラをドラッグする長いシートが変換器と球体とに割り当てられるシリンダに収容される。また、このシリンダを、十字変換器ともいう十字を間に挟むよう中心で接続される二つの部分で構成することもできる。ある場合では、両方向固定・固定解除ソレノイド(SBL)がシャフト内に配置される。差動装置は、内部構成部品および外部シリンダの径を小さくでき、また差動装置全体を数値制御旋盤で形成できるので生産コストが低いという特徴を有する。また、本発明は、車の電気トラクションのモータのためのシャフトとして挿入されるのに好適であり、大量生産に適した新しい産業を生みだすことができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の両側に適用されるベアリング上で回転するシリンダ(CI)を収容するケーシング(8)を備える機械式鋼差動装置であって、シリンダが、伝導歯車列、クラウン、磁場磁石、磁場銅コイルによって印加される駆動トルクに達し、
シリンダ(CI)に印加される動力トルクは二つの同心状シャフト(A),(B)に伝達され、シリンダ(CI)の両外側で周方向に形成されるネジにネジ締めされる二つのリングナット(EC)から出力され、
シャフト(A),(B)とシリンダの内壁との間に変換器(T)および球体(S)が組み入れられる差動装置において、
複数の軌道(SE),(SE’)が、シリンダの内側に長手方向に延びるよう厚さ方向に円筒状リング円弧形状で刻み込まれており、変換器(T)はこれらの軌道に設置され、貫通孔(S’)が変換器に形成され、貫通孔(S’)には軌道(SE’)においてシリンダと接するボール(S)が設置され、変換器の孔(S’)に対応して軌道(Z),(R)がシャフト(A),(B)に刻み込まれている差動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の差動装置において、
タイプ(Z)およびタイプ(R)の円形曲線を有する凹状軌道は、シャフト(A),(B)に刻み込まれており、
軌道(Z)はシャフト(A)の周方向における一方の側から刻み込みが始まり、他の軌道(R)は該軌道(Z)に隣接して刻み込まれており、
タイプ(Z)の軌道は、シャフト(A)の軌道(Z)と常に平行に、継続して対向するシャフト(B)の周方向に刻み込まれ、軌道(R)は、該軌道(Z)に隣接して、シャフト(A)の軌道(R)に対して常に鏡像となるよう刻み込まれており、
シャフト(A)の軌道(R)およびシャフト(B)の軌道(R)は、刻み込みの始まりが両方のシャフト(A),(B)の軌道(Z)に対して径に関して45°回転するよう、刻み込まれている差動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の差動装置において、シャフト(A)においては一の軌道(Z)のみが刻み込まれ、対向するシャフト(B)においては軌道(Z)が刻み込まれるとともに軌道(R90°)が該軌道(Z)と並んで刻み込まれる差動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の差動装置において、シャフト(A)とシャフト(B)との間のシリンダ(CI)の中央において、十字(CR)が設置されており、該十字(CR)は、該十字の四つのアーム(Q’)の間のシリンダ(CI)に、シリンダ(CI)の軌道(Q)で強固に固定されている差動装置。
【請求項5】
請求項2に記載の差動装置において、
シャフト(A)においてシャフト(B)に対向する前面壁に楕円軌道が刻み込まれ、同時にシャフト(B)の前面壁にも楕円軌道が刻み込まれており、
軌道は凹状に形成され、前面側軌道(B)は、楕円の短軸がシャフト(A),(B)の両方の周方向に刻み込まれる軌道(Z)の短軸上に射影される線上に位置するよう、刻み込まれ、短軸は二つのシャフト(A),(B)の周方向に平行に刻み込まれる半楕円状軌道(Z)の反転線(V)に対応し、
シャフト(A)の前面に刻み込まれる楕円軌道の短軸は、シャフト(B)の前面に刻み込まれる楕円軌道の短軸に対して90°回転している差動装置。
【請求項6】
請求項2に記載の差動装置において、シャフト(B)において、軌道(R)は、刻み込みの始まりがシャフト(A)および(B)の軌道(Z)に対して径に関して90°回転するよう、刻み込まれている差動装置。
【請求項7】
請求項1に記載の差動装置において、リングシリンドリカル(CI)の厚み方向において内側に軌道(Q)が刻み込まれている差動装置。
【請求項8】
請求項1に記載の差動装置において、
シャフト(A),(B)の内部に、バネ(M)を有するソレノイドシャフト(SBL)が両方向位置に挿入されており、
ソレノイドシャフト(SBL)は、シャフト(B)の六角ソケット上の六角形の摺動ソケット内に常にあり、
ソレノイドシャフト(SBL)の反対側にある磁鉄アンカー(FM)がシャフト(A)の溝(DS)の面に密着する位置で収容されており、
ソレノイドシャフト(SBL)端部のシートが、シャフト(B)の壁に対向するシャフト(A)の壁における六角溝で終端している差動装置。
【請求項9】
請求項6に記載の差動装置において、
シリンダ(CI)の各軌道(SE)にシフター(T)が設置され、
円筒状回転の中心軸側のシフター(T)は形状がシャフト(A),(B)の周方向と等しく、
外側の該シフター(T)は、円の円弧を形成しており、シリンダ(CI)の長さ内に収容されており、必ずシリンダ(CI)の長さより短く、
シフターには、貫通孔がある半球状形状のシートがあり、孔は間隔を空けて配置されており、該間隔はシャフト(A),(B)に形成される複数対の軌道(Z),(R)の間で用いられるピッチと同じである差動装置。
【請求項10】
請求項2に記載の差動装置において、一方の側から始まる軌道(Z)がシャフト(A)に刻み込まれ、軌道(R)は該軌道(Z)と並んで刻み込まれ、他方の軌道(Z)および一方の軌道(R)と順に続いてシャフト(A)の長さに応じて決められ、
一連の軌道を形成しており、該一連の軌道は軌道(R)で終わり、
同様に、シャフト(A),(B)が対向して配置される中心から始まる軌道(Z)がシャフト(B)に刻み込まれ、軌道(R)は側部に配置され、シャフト(B)の長さに応じて決められる該一連の軌道が続いており、この一連の軌道は軌道(R)で終わる差動装置。
【請求項11】
請求項1に記載の差動装置において、軌道(SE)においてシリンダと接しており、シャフト(A),(B)において切頭円錐状軌道(Z),(R)と接しているローラ(R)が、変換器の孔(S’)に設置される差動装置。
【請求項12】
請求項7に記載の差動装置において、クランクケース(8)のシリンダの外側においてソレノイドコイル(7)が一方の側に設置される差動装置。
【請求項13】
請求項2に記載の差動装置において、
シャフト(A)における、シャフト(B)の前面壁に対向する前面壁に、円形軌道が刻み込まれ、
同様に、シャフト(B)にも円形軌道が刻み込まれており、該軌道は形状が凹状であり、リングナット(EC)に対向するシャフト(A)の反対側に円形軌道が刻み込まれており、
同様に、シャフト(B)において、リングナット(EC)と対向する凹状円形軌道が刻み込まれている差動装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
歯車差動装置に対する他の解決法はあまり多くなく、玉(ボール)差動装置を製造しようという挑戦は前世紀の70年代に私自身が行った。
【0002】
このシステムは、偏心軌道をベアリングともに利用していた。その発明は成功とはいかなかったのであったが、一方が他方の内側にある2つの偏心軌道を利用したものとして出願番号52910/70Aで申請され伊国特許第9029531号公報として発行された。
【0003】
主な自動車製造会社は、生産コストが高すぎることに加えて、玉詰まり(ジャミング)問題を解決できなかったこと、そして中央十字(クロス)によって分離される二つの同一面円板上の二重オーバーラップにおける離心円の直径が大きすぎることにより、玉差動装置を捨て置いた。
【0004】
今まさに、これらの問題は最適方法で解決され、したがって、新たな発明が産業的な発明として特許を受けるに値すると確信するに至った。
【発明の概要】
【0005】
サラミをスライスするとき通常行うように、円筒を45°で切断して差動装置を観察すると、その切断部は、その周辺楕円を鏡像化して重ねた場合に交差を形成するのに有効な経路となることを支持するのに有効である楕円断面を呈する。実際に、円筒を、一方が他方の内部に挿入される二つのチューブで置き換えて、約45°で切断すると、この経路は、交差において周期的かつ漸進的に無限に回転する駆動となることが分かるという着想に基づく。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1に、パイプ(A)が静止したままの状態にありパイプ(B)が回転する場合に図2の通り交差が形成される上述の原理を示す。図2においては、軸(H2)が、球体(S)のシンボルを配置した交点を強調している。チューブ(B)が一方または他方の方向に回転する場合、軸(H2)も、十字点(クロス・ポイント)および球体シンボルをそれ自体とともに引きずるように移動させる(ドラッグする)ことによって、右へまたは左へと移動する。
【0007】
また、球体のシンボルも上へまたは下へ移動する。
【0008】
実際、二つの半球状軌道が刻み込まれた二つのチューブによって交差が形成される場合であって、それぞれのチューブの軌道に一対の球体が挿入されている場合、相対回転においても二つのチューブの間に配置されるどんなチューブも引きずるように移動させることができる。
【0009】
チューブ(A)およびチューブ(B)の回転軸と平行に長手方向にかつ対向して配置される二重軸方向溝を有する第三チューブを想像することは容易であろう。このようにして、球体は、(A)と(B)との間の相対的な回転において、(C)と呼ぶ中央チューブを引きずるように移動させることによって中央チューブを、チューブ(A),(B),(C)の端部を回転面から移動させることなく、回転させることができる。
【0010】
なお、形成される交差は二つであり互いに反対側にあるが、図2においては互いに反対側にある交差は見えていない。したがって、一対の軌道は二つの球体を移動させ、逆もまた同じで、中央チューブは二つの球体に同時に作用するが、図1においては交差がないので中立位置または中心死点と呼ぶことにする位置は分からないであろう。図3においては、チューブ当たりの二対の楕円軌道が描かれており、これらの組によって、合わせて、全体として、中央死点を確実になくすことができ、交差を常に存在させることができ、パイプ(A-B-C)間の引っ張り(トーイング)関係が得られるよう利用される。
【0011】
図3を参照して、中実シャフトになり得るインナーチューブ(A)、左側にフランジ(C’)を有する中央チューブ(C)であって実際のチューブがシャフト(A)を収容している中央チューブ(C)、があることが分かり、次いでチューブ(C)は、右側がシャフト(B)で終端しているチューブ(aB)に収容されていることが分かるであろう。
【0012】
ボール(S)に合った凹状断面形状を有する二つの軌道(a1),(a2)がチューブ(A)に刻み込まれている。二つの軌道は、傾斜しているとともに平行である。チューブ(aB)には二つの他の同様な軌道が刻み込まれているが、チューブ(aB)の内側に形成されており、平行ではなくて互いに近づき合っている。軌道(b1)は軌道(a1)と正確に重なっており、一方、軌道(b2)は軌道(a2)と重なる交差を形成している。また、交差(s2)および溝(C”)に球体を見出すことができよう。
【0013】
球体は、1/3が軌道(A2)に収容され、1/3が軸方向溝(C”)に収容され、また1/3がパイプ(aB)の軌道(b2)に収容される。クラウン(Co)を、チューブ(C)のフランジ(C’)に適用することができ、したがって、クラウンおよびチューブ(C)を回転させることによって、回転時に係合する交差(s2)を介してすなわちボールおよび作用している軌道によって、チューブ(A)およびチューブ(aB)の両方を引きずるように移動させる。
【0014】
左側の重なり合う軌道は中立であるが、二つの球体は常にチューブ(C)と係合しているので、チューブの一方(A)または(B)が回転を減速するとすぐに二つの球体は引っ張りが作用するフェーズへと入る。最終的に、チューブ(A)および(aB)は交差点(クロッシング)を介して常にフェーズを同期させて回転することができる、または一方が回転を加速すると他方は減速する。
【0015】
なお、左側では交差は角部に形成され、右側では(a2)の(b2)との重なりのために交差の角部は消失する。
【0016】
角部が中心において45°の傾斜で形成され、その結果得られる交差が常に90°である場合、交差が最大のときの角部の幅によって、効率は最大に達する。
【0017】
また、図3において、(a2)の(b2)との交差は、二つの球体に対する二つのクロッシングとして常に理解しておく必要があろう。
【0018】
図4は、球体を収容する溝(s2)が形成されるチューブ(C)を示す。二つの対向する溝はそれぞれ、一対の球体を必要とする。溝は、互いに反対側にあり平行である。
(本発明の用途に関する説明)
先で説明した図から分かる通り、約45°の傾斜で得られる交差では全体として、シャフトの二つの対向する母線を接続する楕円の平面に沿って測定する長さが過剰な距離(E)となる(図2を参照)。そのため、楕円母線の方向が中間で反転すると、機械的な観点からは等しい有効な経路が形成されるが、空間は約50%低減されることが分かる(図2を参照)。
【0019】
しかし、実際には、二つの漸進的な楕円が形成され(楕円V’および反転線Vと回転矢印v’を参照)、二つのクロッシングが同じ多角形上に、二つの他の球体のアプリケーションに対するそれぞれの側に、形成される。
【0020】
基本的に、半分の楕円(以下では半楕円という)の各対に対して四つの作用している球体がある。図5は、原理を示す。ここでは、シャフトの半分の円(D)に二つの傾斜断面を描いており、中間断面(1D),(2D)は二つの球体であり、反対側でクロッシングしているさらに二つの球体があり、つまり線(1D-2D-3D-4D)には四つの球体がある。
【0021】
なお、チューブ(C)を無くす場合には、このシステムをよく用いることもある。
【0022】
図5、6、7および以下の説明では、楕円母線の方向または向きは、3/8頁のガイドライン(M-N)のように実際の曲線とは逆になっている。
【0023】
記載したとおり、(a)と(aB)との間に配置されるチューブ(C)によって、球体は回転しなければならないが、チューブ(C)が大きすぎるので組み立てるのが困難である。そこで、チューブ(C)を、ボールを引きずるように移動させる同じ機能を実行するより単純なシステムで置き換える方法を見出した。チューブ(C)を、変換器(T)で置き換えたのである。
【0024】
変換器を導入する解決法には利点がある。その利点とは、チューブ(C)を無くすとともに、そのような機能において、右側部分のみを残し(図3を参照)、シャフト(A)と一列となって対向する新たなシャフトとし、外形を同じとし、これに加えて、複数の球体を、複数の軌道の1/2にそして変換器の1/2に係合させることによって、1/3-1/3-1/3と比べて牽引力(トラクション)に関して大きな利点が得られることである。
【0025】
二つのシャフト(A),(B)は、動作可能であり、複数の球体によって駆動される。
【0026】
実際、現実のクロッシングでさえも無くなる。
【0027】
理論上、十字を作るためには、システムを変換器にともなって変形すると同時にパイプを重ねなければならないが、交差はオフセットとなるだけで仮想的である。
【0028】
図6は、シャフト(A),(B)が遊星歯車式シャフトになってもはやチューブでない交換的な関係を明確に強調している。したがって、シャフト(A),(B)は一方が他方に挿入されることは不可能であり、挿入ではなく、横に並んでおり同じ構造軸上で連なっている。
【0029】
軌道(A)a1と軌道(B)b1とは互いに平行である。
【0030】
シャフト(A)の軌道(a2)とシャフト(B)の軌道(b2)は、互いに近づき合うかまたは鏡像である。
【0031】
もしも(b2)を(a2)に重ねたとしたら(A)の(a2)とのクロッシングが形成されよう。また、同様に互いに近づき合う両方の軌道(a2)および軌道(b2)を軌道(a1)および軌道(b1)に対して径に関して45°回転している。
【0032】
図6において、破線の軌道は、現実には右側にある軌道(b2)を再現するシンボルとして軌道(a2)上に描いた。したがって、二つの別々のシャフトにおける交差は仮想的なものにすぎず、すでに記載したとおり、実際には存在しない。
【0033】
それを得るためには、変換器(T)の導入で十分である。
【0034】
図7に、対向して、破線点線で示す中心に近づき合って互いに対照(コントラスト)をなして同じ共通の回転面を維持する同じシャフト(A),(B)を示す。シャフトの端部にも、(A),(B)の二つの端部におけるハッチングから分かる通り、収容面(コンテインメント・プレーン)が形成されている。
【0035】
図8の(a2),(b2)の中心に、二つの球体のシンボルを描いている。二つの球体のシンボルは、半分が変換器(T)へと挿入されており、半分が軌道(a2),(b2)へと挿入されている。
【0036】
半楕円をより分かりやすく説明するために、図は、楕円が中央部で折り畳まれていないようかのように用いられるが、図2’のように見える。矢印(V)は、図9-9c-9dで楕円を表している。また、種々の図において交差している楕円を、面の回転軸に沿った透視図における二つのシャフトに属するものとして表現している。
【0037】
図9は、それぞれの組に対して四つの球体がある半楕円形の傾斜を用いることから派生する理論的な問題と、それぞれの組に対して二つの球体としたことによるソリューションと、を示している。
【0038】
図において、八つの球体が描かれていることが分かるであろう。四つは軌道(Z)に対する球体であり、四つは軌道(R)に対する球体である(ゼータおよびエッレと名付ける)。これらは本発明をより分かりやすく説明するために必要であり、以下に詳述する。
【0039】
太線の軌道(Z)は半円周として右側および左側に広がって、そして収束して戻る。右側および左側は、図(5)、ディテール(P)においての意味である。
【0040】
図9に、楕円(Z)および四つの球体s1-s2-s3-s4のシンボルが描かれていることが分かるであろう。
【0041】
軌道は、二つが中立位置において重なったものあることを想像しておく必要があろう。太線楕円は、二つの重なり合った軌道を示しており、すなわち、一方はシャフト(A)であり、他方はシャフト(B)であり、同じ回転軸に投影したものである。この位置は、クロッシングがない死点であるので、s1-s2-s3-s4においてはけん引(トーイング)がない。
【0042】
一方、軌道(R)は交差しており、シャフト(A),(B)を引っ張ることができる。軌道(R)の一つはシャフト(A)に属しており、軌道(R)の一つはシャフト(B)に属している。なお、図8における変換器(T)と(A)の(a2)と(B)の(b2)との間の交差は仮想的なものであったことを思い返されたい。
【0043】
水平軸を含む中央十字(CR’)を形成する線を観察すると、軌道(R)とそれぞれの球体との交差は、軌道(Z)の球体(s1-s2-s3-s4)と一列になっていることが分かるであろう。その結果、以下で説明する互換性のない直交系が形成される。四つの球体は他の四つに重なる。そして、すべての球体は、変換器によって、保持され制御されなければならないが、変換器は円の周囲には重ねることができない。このことを図10に示す。図10では、関係する球体を有するチューブ(CI)に部分的に挿入されているnとして4つの変換器(T)だけが見えている。二つのボールを有する変換器の斜視図を参照されたい。二つのボールの一方はシャフト(A)の途中に拘束されており、他方はシャフト(B)の途中に拘束されている。
【0044】
水平線上の球体は軌道(R),(r6),(r8)に属し、垂直線にある球体は傾斜(Z)または(s1),(s3)に属する。
【0045】
図9における軌道(Z)の球体(s2),(s4)を除いており(E)、軌道(R)から球体(r5),(r7)を除いている(E)。
【0046】
本発明の他の面をより分かりやすく記載するために、球体という語をローラとして理解しなければならないこと、逆にローラという語を球体として理解しなければならないことも明示しておく。
【0047】
図8において、変換器を(T’),(T)とシンボルを付すとともに断面で描く。この場合、(T’)は、常に平行である軌道(Z)に属し、変換器(T)は、常に中心において近づき合い回転する軌道(R)に属している。
【0048】
推測の通り、シャフト(A)または(B)の一方が他方のシャフトと反対に回転する場合、変換器によってすでに拘束されている球体は、長さ方向における位置が不変であり、つまり同じ間隔であり(矢印間の距離(L)を参照)、それぞれの軌道に半分入っている球体はこのような回転を可能にする。変換器が一方または他方の回転に追従するとすれば、長手方向における新しい位置へ移動することになる。
【0049】
なお、四つの変換器はチューブ(CI)によって拘束されており、長い台座(シート)で摺動することを記載しておく。最終的に、一の球体が、チューブ(A)の1/3に、チューブ(C)の1/3に、チューブ(aB)の1/3に関係する図3のクロッシングによって生じる同じ効果を得られよう。その交差において、チューブ(C)は、チューブ(A)およびチューブ(aB)の両方を回転させるよう駆動して、同時に二つのうちの一方を無段減速させ、その結果として他方を加速させることができることは、軌道(A),(B)間で有効な交差が用いられるという条件では常に明らかであろう。
【0050】
二つの例の間の差異は、次の通りである。つまり、図3の差動効果は、チューブ(C)の溝と二つの重なり合う軌道の間で、軌道(b2),(a2)を一の球体とともに用いることによって、得られる。一方、図8の例においては、差動効果は、すでに記載した通りチューブ(C)すなわちはチューブの溝(s2)(図4参照)と置き換える変換器(T)のシャフト(A)の軌道(a2)とシャフト(B)の(b2)とに拘束された二つの球体を用いることによって、得られる。
【0051】
変換器システムの大きな利点は、図3の右半分シャフト・チューブ(aB)が、変換器(T)に対する重なり空間を与え、変換器(T)が、近づき合う半楕円軌道上で運動する球体またはローラ差動装置全体を収容する図10のシリンダ(CI)に組み込まれることにある。
【0052】
1/8頁の図10は、半円形(Se)と四つのシートとしての四つの変換器(T)とが見えているシリンダ(CI)を示しており、それぞれの変換器には二つの球体がそのシート上に挿入されて(斜視図を参照)、重ねられている。
【0053】
ディテール(CI)は、図9において表現した導出の通り係合するシリンダ(CI)に部分的に埋め込まれる4つの変換器(T)のセットを、つまり図10における(r6)と係合する(r8)と、(s3)と係合する(s1)と、を表している。
【0054】
先の観察から、差動装置の実現が可能となるが、その特性および関係する利点は、ブリッジ差動装置の模式的な実施形態を示している2/8頁に示す、例示的であってしたがって限定するものではない好ましい実施態様の説明から明らかとなろう。
【0055】
3/8頁には、第二実施形態を以下のテーブルにおいて第三形状として示しており、また、産業上の応用における差動装置のいくつかの変形例を示している。
【0056】
2/8頁の図11は、断面で表すケーシング(8)つまり従来の限定するものではない差動装置ボックスを備えるアセンブリ(11)を示している。ケーシングの内部において、シャフト(A)がシャフト(B)と対向しており、シリンダ(CI)に収容されていることが分かるであろう。シリンダ上には、二列のクラウン・アセンブリ(Co)がある。クラウン・アセンブリは、限定するものではなく構成上の効率的な使用に関するシステムの描写にすぎない。
【0057】
最上部には、フランジ(F)(例えばネジ山(F”)によってネジ締めされるシリンダ・キャップ(CI))が、シリンダを閉じており、フランジ(F)の上方には、シリンダ(CI)のヘッドにおいて、モールスコーン円錐(Cm)を把持するクラウンが閉止されていることが分かるであろう。
【0058】
下部(0S)においては、ボルトによるネジ締および固定が分かるであろう。
【0059】
なお、システム下部(s0)におけるフランジは大きくまたボルトの使用のために費用がかかることは直ちに理解されよう。分解の可能性を残しておく利点は多大なコストに見合わない。
【0060】
差動装置セットに加えて、ディテールが有する形状および割合が明瞭に分かるであろう。
【0061】
変換器(T)は、それぞれ二つの球体を引きずるように移動させる。二つの凹状軌道が、中程度の大きさの球体に対するそれぞれのシャフトに形成される。
【0062】
短い(ショート)変換器(Tc)を左下に描き、延長した変換器(T)を中心に描いた。つまり、変換器は対称形でなく、一方はより長い。この延長の理由は、変換器は互いに接するよう組み立てられ、一体となって、シャフト(A),(B)を収容するチューブを形成する(図10も参照されたい)からである。
【0063】
シャフト(A),(B)を収容するこの方法は、四つの変換器を有するシステムにおいて有効であるだけでなく強靱にでき、したがって、延長によって捻れに対する機械耐性が確実に得られる。また、変換器(T)における球体を示している。
【0064】
図12は、本発明に関して設計される変換器の構造がいかに経済的であるかを示している。変換器は、丸く引き延ばした鋼部から形成される。
【0065】
形状は、同時にミリングマシンで切削されて(図13、工具(U)を参照)長手形状にすでに形成されており、シャフト(A),(B)の断面図における漸進的に形状が変化しているコアとなる。
【0066】
図10”において、球体と異なるローラとの両方が描かれていることが分かるであろう。左側には、セグメント(TA)において一つの球体が接していないことを強調している。セグメント(TA)は直線状であり、クレードル(cu)におけるホール循環(F)を有するストロークの端部において真下から球体を挿入する必要があるからである(図11T参照)。
【0067】
正しい回転を得るとともに、互いに隣接したシャフトの半楕円の軌道とより強靱にグリップするために部分的に円錐状とできる、上から通すことができるローラへと、球体を置き換える場合、このストローク(TA)をうまく用いることができる。左側に、変換器間の摩擦を低減するのに有用である、完全に任意選択的で限定するものではない球体のトレインがある。
【0068】
2/8頁における図11Cおよび図31において、相互連結歯を有するシリンダと、ユニオンリング(ac)すなわち2つの半シリンダの中央部(CI)と、を図示している。ユニオンリング(ac)すなわち2つの半シリンダの中央部(CI)には、説明のためのものであり限定に関して非拘束的な例示として4つの負の(ネガティブ)歯(QC)を線を引いて描いている。4つのネガティブ歯(QC)は、十字(CR)のアームとぴったりと嵌まる(十字が長いアームを有するよう構成されている場合)。十字は、中心に設置され、二つの半シリンダを結合して、シャフトと変換器とを収容している単一ピースとする。十字は、実際には、他の変換器の機能を達成するが、二つのシャフト(A),(B)の正面に形成された楕円状軌道に対してのみの機能であると言っておかなくてはならないであろう。図11Cにおいては、4つのアームを有する十字を図示しており(QC’)、そしてまた四つの溝(SC)を有している。四つの溝(SC)には、4つの球体が、7/8頁に示すシャフトの垂直楕円状軌道(VR),(VZ)に割り当てられている。
【0069】
印加された力を逃すことなく小型化するよう構成できる差動装置を、シャフト当たり二つの軌道のみを有するとともに全くの球体またはローラを有する差動装置と同様に得ることができる。
【0070】
このタイプの差動装置は、直径ではなく長さにおいて空間がある場合、不可欠である。
【0071】
実用的な用途は、電気自動車のための新しい電気トラクション技術に代表される。電気自動車において、同じエンジンが電気差動装置シャフトとなる回転シャフトとしての差動装置を収容することができる。3/8頁は、この技術的な分野の電気機械工学における改良を示している。他の用途としては、トラック車両における使用を挙げることができよう。
【0072】
シャフト(A),(B)は非常に長く延長されており、軌道が反復的でありトルク伝達に適したタイプと同じタイプである、縦長適合差動装置とよぶ差動装置を、図14に示す。
【0073】
シャフト(A)においてゼロ(Z)と呼ぶ5つの軌道が刻み込まれており、また回転軌道(R)と呼ぶ五つの他の軌道が刻み込まれている。軌道の数は説明上での例示であって限定されない。
【0074】
なお、以下の発明は、従来の差動歯車によって伝達されるトルクと同じトルクとした条件で50%以上差動装置の外径を低減することを意図している点を特に記載しておく。
【0075】
このことを達成するために、遊星ギヤや衛星ギヤがなく、鋼を用いて産業製品を生産することでより安価で薄型とした本発明に辿り着いた。これにより、本発明を、自動車産業の用途における電気エンジンの回転シャフトとして用いることができる。シャフトは、ロータの両側ですでに差動運動するよう構成されており、ロータの全体寸法は、支持構造の直径または巻き線もしくは磁石の大きさを大きくすることはない。
【0076】
他の利点は、数値制御旋盤に全体的に移管される産業生産プロセスにおいて得られる。このことにより、これは、熟練労働のコストを85%節約でき、3/8頁における図14図15でかなり強調し8/8頁の図32図33図34図35図36図37に示す「延長」差動装置と特に関連する量産効果が得られる。
【0077】
シャフト当たり二つのシステム軌道のように、横に並んだ複数軌道システムとして定義するシステムにおいてであっても、両方のシステムにおいて軌道(R)の刻み込みが同様に径に関して45°回転していることを記載しておく。
【0078】
図において軌道(Z)と軌道(R)とは異なるように見えるが、位置が違うだけで、軌道(Z)と軌道(R)とは同一である。その符号の違いは刻み込み位置に起因するにすぎない。
【0079】
コンテナ・チューブ(CI)は、その端部(EC)がネジ形成フェルールで閉じられており、シリンダによって閉じ込められている。こうして、シャフト(A,B)は、回転面に拘束された状態にあり、完全密閉で動作する(5/8頁も参照)。
【0080】
4/8頁に、四つの軌道(Z)に、四つの軌道(R)を加え、また軌道が関連する球体と釣り合っている二つの対向するシャフトを加えたシャフトタイプのCADを示す。
【0081】
3/8頁において、左上に、「球の中心Z」軌道の5つのトレース線を描いている。理論上、シャフト上にその線を巻きつけることによって半楕円状で近づき合う配列が形成される。端部(M)は端部(N)につながっている。タイプRの各ツリーに属する線のグループは、曲線の半分より上に描いており、これによって、軌道グループ(Z)の構成が完成すると、傾斜(R)の刻み込みの始まりの前にシャフトが45°回転していることを示している。
【0082】
この全体概念により、1/8頁における図10、7/8頁における図27、6/8頁における図19、2/8頁における図11、3/8頁における図14図15、5/8頁における図18から分かる通り、球体は十字円形配列(クロス・サーキュラー・フォーメーション)90°+90°を正確に占めることができる。
【0083】
八つの変換器を用いたいとする場合、軌道(R)の回転は90°となり、このタイプの軌道を(R90°)を呼ぶことにする。二重の球体の使用を可能にする(R)と名付けた軌道と区別するためである。この場合、球体が、90°ではなく半分のストロークすなわち45°となることがわかる。したがって、差動装置のトーイングの継続において、バランスの取れた交差は、ゼロ点は22.5°上がるよう移動し、45°グループは22.5°下がるよう移動する交差となる。ゼロ点は、中立点(すなわち回転の瞬間)を意味する。
【0084】
この選択では、シャフト当たり4+4個のボールで作用するにもかかわらず、ゼロ点が45°上がるよう移動して、90°から45°へと下がるよう移動している他のグループと一致する4つのシステム変換器より損傷を受けにくい。すなわち、四つの変換器を有するシステムでは、トーイングの各変更において2+2個の球体だけを用いるにもかかわらず、完全にうまくバランスがとれており、常に4つの球体の45°で最小グリップとなり90°で最大グリップとなる。
【0085】
また、軌道(Z)および軌道(R)のセットを交互に形成することもできる。こうして、各ツリーが受けるであろう捻れに対するツリーの耐性が良好となる。その配置は、3/8頁における図15に強調した配置であり、左から右へと、軌道(Z)から始まり次いで軌道(R)が始まり、そして(Z)次いで(R)というように始まって、最初とは反対側の軌道で終わる。
【0086】
また、図15は、軌道(Z)および軌道(R)の両方は、シャフト(A),(B)に、より浅い深さで、図11に示す4つのローラまたは球体を有する通常の差動装置のものよりも半分にさえできる深さで、刻み込まれることを強調している。
【0087】
その理由は、長い差動装置では、複数の軌道を用いるからである。ローラまたは球体のスラストの合計は、ボール循環を有するネジに生じるのと同様に、引っ張り力を与える。この場合、変換器には、シャフト上の半楕円形状軌道の深さと比較して二倍を超えるグリップが割り当てられる。
【0088】
図15に、軌道(Z)の深さおよび軌道(R)の深さの両方を表す線(a)を描く。その上方に、変換器(T)上の把持孔(グリッピング・ホール)の深さ(b)も描いており、深さ(b)がかなり深いことがわかるが、評価は残されている。
【0089】
シャフト(A),(B)に刻み込まれる軌道の深さが浅いことは、直径が非常に小さい軸においてシャフト(A),(B)のコアを頑強にできるという大きな利点がある。この場合でも、軌道の最小限の深さは、伝達する動力を低下させることはない。軌道の数は、掛け算に用いる係数であり、必要とされる全トルクを計算してそれが得られる軌道の数を用いればよいからである。
【0090】
シリンダ・コンテナを、電気モータにおける磁石の基部またはコイルのそれに対応するものとすべき場合、3/8頁を参照した左下の断面から分かる通りファセット(SF)が形成される。
【0091】
2/8頁の図11Tでは、シャフトの抵抗から得られる軸まわりの(アキシャル)遠心スラストを球体が放出できる、変換器の「圧力および循環の孔」と呼ぶホール(Fr)の具体的な細部を強調している。このスラストは、変換器において球体のガイド・シートの周囲の回転クレイドル(Cu)に放出される。したがって、これにより、適切に変換器へと放出されて、変換器(T)のホール(Fr)を部分的に通過しシリンダ上に放出する球体の収容圧力(コンテインメント・プレッシャ)が減算される。変形することなく接するために変換器の球体のために行われる内部測定が校正(キャリブレート)されているからである。結論として、変換器は、変換器とシリンダのスライディング・シート(Se)との間にセンター・ブロック圧力と呼んでいる過剰な圧力による全体粘着効果を受けることとなく、二つの球体間のまたは四つの球体間のまたは六つの球体間等の厳密な距離を保証して校正するタスクを有する。このブロック・センター圧力は、円筒ローラまたはロー・テーパー・ローラ(2/8頁に図示したローラおよび球体(図10”)参照)を用いて、全体的に除去される(E)ことは明らかであろう。
【0092】
3/8頁の図16は、すでに記載した四つの変換器を有するシステムに対して二倍のローラまたは球体を用いる八つの変換器を有するシリンダを示している。
【0093】
数1-3-5-7は軌道(Z)上のローラを示し、数2-4-6-8は軌道(R)上のローラを示している。数1-3-5-7および数2-4-6-8を、図16の右側および左側により分かりやすく強調している。
【0094】
右側に、軌道(Z)のためのリールのシンボルを強調しており、左側に、軌道(R)のためのローラのシンボルを強調している。したがって、右側の軌道が中立ゼロ点(Z)にあり、左側の軌道(R)が作用状態にある場合、ご想像の通り、作用状態にある軌道は、球体またはローラが45°で軌道(Z)間に位置するよう、配置される。最小トラクションの交差は、右上の二つの対向する矢印によって表す通り、約22.5°で発生する。なお、八つの球体またはローラでクロッシングが形成されていることに留意されたい(図9D参照)。
【0095】
実際には、軌道(Z)は、中立位置(O)から始動し交差を形成するとともに22.5°へと向かい、45°で作用状態にあった交差と均衡し、22.5°へと下がり、交差(O)において消失し、増加していく交差は、さらに増加していく交差へと戻り、45°に向かって作用状態となり、さらに最大クロッシング90°まで戻る。
【0096】
1/8頁の図9dから、形成される最小かつ均衡トラクションの点は、八つの球体によってよく分かるであろう。四つの球体が垂直楕円の、上部および下部において、約22.5°にあり、他の四つは中心に近い内側の平均位置にあり、すべてが作用状態にある。図9cは、すでに記載した通り軌道(b2)を軌道(a2)に対して90°回転して刻み込むことによって実現した八つの変換器システムを示している。軌道(a2)は、ランウェイ(a1)と同じ位置でなければならない。
【0097】
このことは、(a1)と(a2)とが等しい場合、シャフト(A)に、二重機能を実行する単一トラックを刻み込むだけで十分であることを意味する。したがって、(a1)は、(b1)とだけでなく、例では(Rb2)と定義する(b2)ともクロッシングを形成することができる。確認は、ランウェイ(Rb2)が、ランウェイ(Za1)およびランウェイ(B1)の鏡像となっている図17を参照して行える。
【0098】
この軌道(Rb2)を、垂直楕円と考えて図9dの軌道(Za1)と呼び、水平軌道と考えて図9cの軌道(Rb2)と呼ぶ。図9cの交差で中立位置における軌道(Z)に対して45°回転することによって、交差が形成されることが分かるであろう。
【0099】
四つの正方形によってシンボル化した十字において、四つの球体が間に配置されている。実際には、八つの球体に対する八つの位置があり、したがって、正方形および球体のシンボルで示す45°毎の完全に等距離に配置される八つの変換器がある。
【0100】
その動作は、四つのシフター・システム球体の四つと同様に正確にバランスが取れているが、より強力である。しかし、それだけでなく、ツリーの一つは、二つの機能のための軌道を用いることもできる。このようなシャフトを50%を超えて短くできる。この場合、利点は、ショートと呼ぶ差動装置の実現であることは明らかであろう。四つの軌道の代わりに、三つの軌道とすることもできよう。三つの軌道とは、4/8頁の図17は、三つの軌道を有する差動装置を示す。これを(ショート・ショーター)と呼ぶことにする。三つの軌道は、シャフト(A)に対応する一つとシャフト(B)に対応する二つである。この逆とすることもできる。図17には、二つずつ球体中心を結ぶ5本の水平線を描いている。各線は、関係する変換器のグリップを示す。線は、図を複雑にしないための、見えている変換器のシンボルである。背後にあり見えていない三つの線は、図17では、示していない。
【0101】
ロングと呼ぶことにする差動装置において、小型化を達成したい。そこで、非常に小さい直径の全周囲を占める四つの変換器だけを用いることにする。したがって、8つの変換器とする可能性はないであろう。
【0102】
図14および図15において、変換器(T)は、半楕円形状軌道の平行移動ストロークと同程度、矢印(FT)によって強調されるストロークと同程度、コンテナ・チューブ(CI)よりも常に短いことを示した。
【0103】
滑り摩擦が非常に大きい最も技術的に高度な差動装置においては、円筒状曲面シートを結ぶ四つの接続線(Q”)を形成することを回避できる。このため、変換器を分離する一連の球体(S)を間に配置することできる。変換器上には、ベアリングのように凹状シートが形成される。この配置は、滑り摩擦が転がりへと変換される変換器(T)の平滑性の向上と同時にスラスト・センター・ブロックへの対抗作用(カウンターアクト)としても同様に有効である。
【0104】
図11Tおよび図10は、ベアリングのための溝および球体(s)を有する変換器(T)の断面を示す。5/8頁に、四つの半楕円形状軌道における四つの変換器上に大きい球体を有する差動装置以上の大きな引っ張り力を確実に得る、複数の軌道を有する小型化のための差動装置を再び示す。
【0105】
すでに記載した通り、目標は、トルク伝達の値を失うことなく最小限のシャフト直径を用いることである。5/8頁の左上の図18aに、四つの変換器を有するシリンダの断面を示し、ここでは、四つの球体によって、四つの変換器を確実に完全に用いることができる。図18aから分かる通り、四つの球体が変換器(T)に通り抜けてシリンダのガイド軌道溝と係合する。このことは、シリンダは、回転引っ張りスラストのための変換器(T)を介することなくボール(S)を引きずるよう移動させることを意味する。このようにして、球体団(S)は、変換器のブロックの中心として定義したスラストを生成することなくシャフトを引きずるよう移動させる。
【0106】
シフターのタスクは、近づき合う半楕円形状軌道の交差のためのゲージを保持することだけであり、こうして、変換器は、回転スラスト・フェーズにおいてさえ、最小程度の拘束力すら受けることなく、全体的に球体に引っ掛かる。なお、本発明をより良好な特化では、球体に割り当てられる軌道の円弧において生じるあらゆる変形に直面しても、変換器の軌道を、これにより、完全な対称性が得られるような状態に、保持し、各球体のそれぞれ軌道は、最大の軌道または変換器の軌道に位置する。
【0107】
図18bに、1-2-3-4と番号を付した球体に対する四つの軌道の中心と、5-6-7-8と番号を付した変換器(T)の軌道の中心と、を示す。見て分かる通り、球体の各軌道が変換器の他の軌道の中心にある。中央における星型の四つの点は、変換器(T)の四つの軌道の合流を表す。
【0108】
図18は、部分的に断面で示した混合図である。この図では、潤滑油をシリンダ内に収容するために、ツリー(A)が、限定するものではなく例示にすぎない形状として円形のガスケット(y)を用いてシリンダを密封して閉じることを強調している。左側において、抜け防止圧力クレイドルにネジ締めされ圧着されたカウンター・スラスト・リングナットを用いた機械的閉止を強調している。図17におけるリングナットは、異なるとともに独特であり、シリンダの外側の周囲にネジ締めされている。また、8/8頁の図においては、フェルールが、シリンダ(CI)の外周にネジ締めされている。
【0109】
本システムによって、保守がなくとも本発明の長寿命化を保証ができるが、限定するものではなく、目標的な保証である。
【0110】
中央において、シャフト(A)とシャフト(B)との間に、カウンタ・スラストベアリング(Yc)を構成するよう一連の球体が組み立てられている。また、図18aからよく分かる通り、この構成は、差動装置を完全な自己芯出し機能(セルフ・センタリング)とするとともに反応性を高めるのにも役立つ。
【0111】
また、軸受ボール(Yc)は、ナット(EC)とシャフトとの間にも設置される。ベアリング・レースは、5/8頁の下側のネジ・ナット(EC)においてはっきりと分かるであろう。同じシートは、シャフト(B)においても分かるであろう。ここでも、対照(コントラスト)をなす球体が分かるであろう。
【0112】
見て分かる通り、中央変換器(T)は、軌道(R)の六つの球体に対応して構成されている。
【0113】
上部の断面で示した変換器は、軌道(Z)に対応して構成されており、球体(s)が上から挿入されることを強調している。矢印を参照されたい。
【0114】
左側に、変換器(T)の断面を示しており、また、三つの要素を提供するために変換器の最上部から中心へと配置される球体(s)を示している。三つの要素は、シリンダ(CI)、シフター(T)およびシャフト(A),(B)である。
【0115】
中央において右側に、密封ガスケット(Y)の位置を示しているシャフト(B)を描いている。その下には、断面で示したリングナットを有するシリンダ(CI)を描いている。クレイドル変形(x)は、リングナット(EC)のネジ締め後に生じることは明らかであろう。
【0116】
見て分かる通り、差動装置の主要部分は、いくつかの要素から構成される。いくつかの要素とは、つまり、シリンダ、変換器、ボール、シャフト、リングナット、ガスケット、および任意の固定ソレノイド(SBL)である。それぞれのディテールによって、種々の特徴的な用途を実現できる。
【0117】
6/8頁に、二つのツリー(A),(B)間に中心にある特定のソレノイドシャフト(SBL)を有する差動装置ロックを示す。
【0118】
ディテールの左部分には、側部(1)を収容するようドリル穴が開けられたシャフト(A)が描かれており、右側には端部(E)が挿入されるシャフト(B)が描かれている。
【0119】
図19において、ディテール(E)は、六角形状のグリップを提供するシャフト(B)に挿入される。ソレノイドの六角形状部分が左側へと摺動しながら挿入され、シャフト(A)における同じ形状のシート(F)と嵌合し、六角形の一部分が(B)上で右側ガイドに常に留まっており、他の部分は左側で摺動しながらシャフト(A)と係合している。
【0120】
このようにして、二つのシャフトは単一のシャフトとなり、差動装置は一斉に移動する。シャフトの中央において、左側に、ソレノイドの電気回路を示すために、四列のコイルが固定ケーシング(8)の最上部に描かれている。ソレノイドの電気回路は、電流が流れるときには引き付け磁場を生成し、ソレノイドシャフト(SBS)の固定器(アンカー)(FM)を左側へと引っ張り、これにより、二つのシャフト(A),(B)を連結して単一のシャフトとする。対照的な(コントラスト)バネ(M)は、電気回路が開いたときには、すべてを定位置(レスト)へと戻す。
【0121】
常に、上部において、傾斜破線は、ブラシレスギヤのように、磁石は、ロータとだけでなく、ファセット(SF)において差動装置シリンダとも一体であることを意味している。このようなシャフトを、電気差動装置球体シャフトとして定義した。
【0122】
平坦破線は、カバーと一体的なステータをシンボル化したものである。その上には、スラストベアリングおよびシャフトAに対応する内径(カリバ)ローラが描かれている。また、ステータとロータとを逆とすることもできる。
【0123】
本実施形態全体は、本発明の例示的で限定するものではない参考的な観点に基づいて、設計した。
【0124】
図20に、ソレノイド(SBL)の棒(ステム)(1)へとネジ締めされるアンカーとして磁鉄端部(FM)を示す。
【0125】
図21は、空気によって動作するソレノイドの形状、関係するゴム・パッドに対応する溝、およびクランクケース上の空気通路(Ap)を示す。
【0126】
最後に、図22に、用途を、例示的であって限定するものではない超精密(ウルトラ・デファインド)球体として、強調する。したがって、常に任意の直径でよく校正されている。この校正(キャリブレーション)の場合、ガイド曲線をシリンダにおける二つの接触点グリップに分配することができ、曲線を駆動シャフトに形成することができる。
【0127】
図では、すべての力が球体(S)の中心と一致するとともにすべての成分が平行である直交構造に配置されているとして、外形およびスラスト方向を示している(P1,P2)。
【0128】
この超精密加工のタイプでは、変換器Tは、シリンダの長手軌道において案内されるのではなく球体によって案内され、シャフト(A-B)およびシリンダ(CI)と同心円状に構成され、例えばシャフトとシリンダとの間に隙間を埋めるよう均一な厚さを有する。
【0129】
7/8頁において、図27に、大きい球体を有するショート差動装置を示す。ショート差動装置は、同一サイズのシャフトA,Bを用いる。周囲には単一軌道が形成されている。図24を参照されたい。
【0130】
シャフト(A),(B)の周囲にあるのは、互いに平行であるタイプZの軌道である。このことは、描いた位置は交差を形成しない、したがってトーイングはない。交差は、シャフト(A),(B)の前面の交差に対応する楕円軌道を刻み込むことによって、形成される。トーイングは、シャフトの対向する凸状前面に形成される楕円軌道によって、生成する必要がある。中央図の左側から分かる通り、楕円(EC)全体は、水平に形成される。右側では、垂直に形成される。交差は、正確に45°をなす。すなわち、図28のような、四つの球体との四つのクロッシングである。
【0131】
シャフトの中央の図24において、丸い面(BO)が対向していることが分かるであろう。四つの球体のうちの交差を形成する二つの球体(S)が、上述した通り描かれており、図番28においてよりいっそう強調されている。四つの球体は、シャフト(A)のレースウェイ(VR)とシャフト(B)のレースウェイ(Vz)の二つのレースウェイの間の、交差の中心に配置されている。
【0132】
図26に、二つの部分に切断された、四つの溝(SC)を有する十字変換器が描かれている。十字において、左側の二つのアーム(Qc)をより長く描いているが、変更可能であり、シリンダが完全であればより短くできる(Q’)ので、限定するものではない。また、図30から、十字の4つのアームが同じであり長かった場合、図30のジョイント(Qc)に嵌まり、シリンダは二つの部分で形成されるとともにアームは短くなる(Q’)であろうことが分かるであろう。シリンダが単一部材で形成された場合、これらのアームは、単一部材で形成された長い全体シリンダの軌道(Q)におけるジョイントにあるであろう。図30において見えているジョイントを参照されたい。
【0133】
図29の四つの中央球体(Sr)は、溝において摺動し、同時に、図24に強調しているシャフト(A)の垂直楕円軌道(VR)およびシャフト(B)の軌道(VZ)内と溝(Sc)内とに拘束される。
【0134】
また、図23に、同じ十字変換器を、均等なアームを含む垂直断面で示している。
【0135】
十字(CR)は、二つのシャフト(A),(B)間の空間を占めるが、安定してシリンダ(CI)にまたはシリンダのジョイント(QC)にまたはレースウェイ(Q)に拘束される。シャフトの中心においては、非拘束であり、シャフト(CC)の軸(H)と同心状である。
【0136】
図29に、シリンダとの拘束の四点(QC)すべてを、例示的であって限定するものではないモードで示しており、引っ張りフェーズにおける四つの球体(SR)が、シャフト(A)の(VZ)およびシャフト(B)の(VR)と呼ぶ楕円軌道(EC)における十字中央(CR)間で見える状態にある。
【0137】
中央の図24においては、(A)の軌道(VR)と(B)の(VZ)との間に挟まれた、(A),(B)間のグリッピング位置をより分かりやすく表すために、二つのより小さい球体だけをシンボル的に描いている。
【0138】
図25は、二つの変換器(T)の横方向の接近を表している。一方と他方との間で、十字の端部部分(QC)が、変換器(T)の両側のエグゾーストへと通っており、シリンダ(CI)に拘束される。二つの矢印(F)は変換器(T)の移動の方向を示しており、十字の端部(QC)は(CI)に固定された状態にある。見て分かる通り、変換器(T)の中央部分は、無負荷状態にあり、十字が通過できそのアームによってシリンダへと取り付け可能である。
【0139】
図30に、シリンダ(CI)を示す。シリンダ(CI)は、球体に対応する軌道(S)の中心軸、変換器(T)の中心軸、ガイド軌道(Q)の中心軸を持つ、半分のシリンダでもある。後者は、シリンダ(CI)の長さの半分まででのみ得られる。
【0140】
シャフト(A),(B)の、例示的であって限定するものではない方法で、チャンベラテ(ciambellate)とも呼ばれる丸い部分(BO)によって、図23図24では点(B)で凸状である十字変換器間のトーイングに対する球体の良好な使用が可能となる。凸部(B)は、凸状シャフト(A),(B)の軌道(VR),(VZ)の凹部における空間にある。同様に、シャフト(A),(B)の環状の壁によって、係合する十字の厚みの変化が決定される。
【0141】
見て分かる通り、(VR)が(VZ)に対して90°回転しているシャフト(A),(B)の二つの対向する正面の楕円軌道を形成するこのシステムは、軌道(R)が軌道(Z)に対して90°回転している八つのシステム変換器において同じである。したがって、周囲の軌道(Z)において、四つの球体が(A),(B)のそれぞれの各軌道に適用され、軌道は互いに平行である。中央の図24では二つの球体は見えていない。
【0142】
互いに反対となる軌道(VZ),(VR)とすることによって、4/8頁のように八つのボールを単一のシャフト軌道(A)に入れることが回避され、同時に、長さが等しいシャフトで差動装置を形成することができる。
【0143】
本システムは、より小型で均一なバランスがとれ、しかも安価であり、寸法をさらに低減できる。
【0144】
なお、ツリーの対向する前面の楕円軌道は、点(E)において周囲からはみ出すことになることを付言しておく。それらの点における軌道の重なりはトラクションを生じるのではなくボールと十字(CR)との間の同期のみを与えるのである。
【0145】
変換器と同期する二つの軌道と、中央十字と、四つの変換器(T)と同期するシャフト(A),(B)の周囲の他の二つの軌道を形成するために楕円軌道(EC)を形成するこの方法によって、シャフト(A),(B)間の中心における球体と、周囲の楕円軌道のローラと特に2/8頁の図10”の変換器(T)に示すラッパ型(フレアータイプ)のローラと、を混合して使用することができる。なお、シリンダ全体が、2/8頁の図31に示すように二つの半分のシリンダから構成される場合、正の(ポジティブ)歯(B)が半分のシリンダ(Cib)に属し、ネガティブ歯が半分のシリンダ(Cia)に属し、弾性リング(Ac)が二つの半分シリンダと三つのディテールの凹部(C)における十字との間に嵌められることを記載しておく。すべては、限定するものではなく、例示のためにのみ表現している。
【0146】
1/8頁の楕円軌道を有する差動装置をより分かりやすく定義するために、それぞれの対の楕円が数4のクロッシングを形成し、楕円の対は2である、すなわち差動装置が機能するためにはシャフト当たり少なくとも二対の楕円が必要であることを記載した。この場合、クロッシングは8である。差動装置の直径は可能な限り小さくしなければばらないので、最小の差動装置は四つの変換器を有することになる。
【0147】
理論上の図9において記載した通り、図10のように、二つの球体を第一対の二つのクロッシングに、他の二つの球体を第二対の他の二つのクロッシングに、用いた。実際には、四つのシフト差動装置の合計四つのクロッシングは用いなかった。
【0148】
したがって、8シフト差動装置の説明においてのみ、二対の楕円を用いることができるクロッシングを用い、8シフト差動装置のタイプを形成する経済的な方法を変更した。
【0149】
そして、三つの楕円軌道を有する差動装置の構成においては、シャフト(A)においては図11の差動装置に関する単一の楕円軌道(Z)を用い、シャフト(B)においては一方がタイプ(Z)であり他方がタイプ(R)である二つの楕円軌道を用いることを説明した。シャフト(A)がその単一トラック(Z)によってすべての交差を形成するかのようであり、交差のうちの4つはシャフト(B)の軌道(Z)によって形成され、4つは常にシャフト(B)の軌道(R90)によって形成される。
【0150】
したがって、(A)の8つの球体と(B)の8つの球体と係合する変換器を構成した。そのシャフト(B)の8つの球体のうちの四つは軌道(Z)にあり、四つは軌道(R)にある。
【0151】
このことは、円の周囲に八つの変換器が45°ずれるよう並んで配置され、各シフターが、装着されるとともに同じ方向に一体に対応する対になって移動する円の直径の反対側にある他の反対側のシフターと対になって機能することを意味する。
【0152】
次に、以下のことを考察すべきであろう。シャフト(A)において両方の軌道を用いる場合、そうすることができ、軌道(R45°)をシャフト(B)の軌道(Z)と連結することができ、このことは、8つの変換器のシステムで説明した通り、この差動装置において(B)の軌道(R)が90°回転する範囲で、可能である。そのためには、(A)の軌道(R45°)は四つのボールのみを有する(B)の軌道(Z)と連結しなければならない。軌道は、実際には径に関して45°回転させて刻み込まれ、22.5°に位置する交差をまたは(B)の軌道(Z)と22.5°での四つの交差を一方の側にのみ形成する。図9の矢印(F’)を参照されたい。
【0153】
したがって、シャフト(A)の軌道(R)を(B)の軌道(Z)に連結することもできよう。変換器は、12個の変換器となる、すなわちボールの数が増え伝達するトルクも増えることになる。
【0154】
結論として、差動装置は、理論的には、変換器システムによってすべて利用できる多くのクロッシング点を形成する。それぞれのクロッシング点をシャフト(A),(B)の周囲に形成される楕円軌道によって形成される交差に割り当てることができる。
【0155】
これらの場合、球体が増え、小型化のための差動装置に関して記載した通り可能な限り小さくすることができ、適切なトルクを伝達できる。同じトルクを伝達する場合、変換器の数の増加は、球体の直径のサイズに反比例させることができることは理解されよう。
【0156】
差動装置が12個の変換器を有するとすると、シャフト(A)の軌道(Z)には8つの球体を有することとなる。それは8つの変換器と軌道(R45°)に4つの球体を有する差動装置と同様である。一方、シャフト(B)には、軌道(Z)に8つの球体を有することとなり、8シフト差動装置であって軌道(R90°)に4つの球体がある差動装置よりも4つ多いが、シャフト(A),(B)は長さが等しくなる。
【0157】
シャフト(B)の軌道(R90°)のこの原理は、22.5°毎の16個の変換器にさらに拡張することができる。その場合も、(A)の軌道(R45°)は(B)の軌道(R90°)に連結され、利用可能な代替的タップを完成し、したがって、16シフト差動装置は、32個の球体によって引っ張られる強力な差動装置として、またはシャフト(A)に16個およびシャフト(B)に16個の差動装置として機能することになる。
【0158】
なお、1/9頁の図9においては、4つの変換器の使用を説明しているが、次にことに留意されたい。図9の同じ方式では、(A)の軌道(R45°)の(B)の軌道(Z)との合流を示す4つの矢印(F’)を導入した。(F’)は22.5°における実際の交差を示すが、(B)の90°軌道の交差を見たい場合には、図9を複雑にしないという目的のためにのみ、図9Eでの例を導入している。図9Eでは、交差は、さらに22.5°ずらすことによって、周囲の完全な均衡を達成する。
【0159】
図9Eにおける四つの矢印(F’)および四つの三角(tri)は、曲がった楕円軌道としても知られている半楕円形システムにあると考えて説明する16個の点の完全なバランスを示す。
【0160】
実際的な観点から、留意する必要があるその変換器は、回転の完全なバランスを維持するために、常に連結状態になければならず、最低限4個でなければならず、4個からであれば8個等まで段階的に増やすこともできよう。
【0161】
また、図9Eは、それぞれの対の球体が、どのように、中心において投影が常に90°である他の球体の軸と中心で合流する接続軸が生成するかを強調している(より強調された図9Eの三角および矢印を参照)。
【0162】
図9Eは、次にことを考慮すると、より解釈しやすくなろう。矢印(F’)および三角(tri)は、八つのクロッシングまたは八つの変換器を表す。
【0163】
一方、四つの正方形シンボルおよび四つの丸いシンボルがある図9cは、八つの他のクロッシングまたは八つの他の変換器を表す。
【0164】
二つの図を観察して重ねると、図9cのシンボルがそれぞれ45°の間隔で周囲を占めており、図9Eのシンボルが16個の変換器の図9cの45°の間隔の中間点22.5°を占めており、周囲全体において(B)の16個の球体に完全に連結されることになることが分かる。そして、回転ZERO=Zの瞬間毎に、(A)の四つの球体および(B)の四つの球体が係合から外れることを想定しておかなくてはならず、このことから必然的に、この連結において、常に回転に際し作用状態にあるのは32-8=24個の球体となり、それぞれのツリーでは12個の球体となる。
【0165】
同じ推論に基づいて、四つの変換器の差動装置では、トラクションにおいて、シャフト当たりに最低二つの球体が常にあると言うことができる。
【0166】
この推論は、それぞれのシャフトに対して二経路(ツーレーン)差動装置を分析するときにだけ、正しく、トラクションにおいて作用状態にある球体の四つの変換器を有する長いシャフトの理論である小型化を分析する場合には、シャフト当たりの球体の数は繰り返しがあるものと同じくらい多い。
【0167】
シャフト当たり四つの軌道(Z)と四つの軌道(R)とを有するシャフトの例においては、回転に際しZEROの瞬間に、常に、八つの球体が作用状態にあり、シャフトトラクションのその他の瞬間では16個の球体が作用状態にある。
【0168】
差動装置実体(オブジェクト)は、設計者が本発明をプロジェクトに最も有用な方法で実現するために用いる寸法によってのみ、限定されることになろう。
【0169】
8/8頁の図に、請求項1のオブジェクトを示す。図32から図36までのオブジェクトは、差動装置の態様を本質的に区別しうる、つまり、図32のシャフト(A),(B)は、中央において対向する球体によって分離されており、端部においてキャップすなわちシリンダ(CI)のナット(EC)と合流している。図33は、シャフト(A),(B)に球体(S)を有する四つの変換器(T)のアセンブリを強調している。図34は、球体とシリンダ(CI)の外周にネジ締めされるリングナット(EC)とを有する切断形態のシリンダのアセンブリを示しており、内部にシャフトおよび変換器が見えていることが分かるであろう。図34は、自動車産業の応用性の態様での主要な外観を示している。図35は、アセンブリから分離された部分における4つの変換器を示す。図36は、変換器(T)および球体(S)の両方の内部摺動軌道が見えているシリンダ(CI)を示す。図37では、複数軌道を有するタイプの二つの長いシャフト(A),(B)を有する。この図は、シャフト(A),(B)のそれぞれに対応する四つの軌道(Z)および四つの軌道(R)を有する例を示しており、電気モータのための差動シャフトとして特に専用に構成される長いまたは小型差動装置と呼ばれる差動装置の態様の実現のために用いられ、また、従来のエンジンのギアボックスに組み込むのにも有用であり、また、あらゆる収容力のトラックのデッキに設置される差動装置としても有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0170】
【特許文献1】伊国特許第9029531号公報
図1
図2
図2-1】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9c
図9d
図9e
図10
図10-1.11-13.31】
図14-16】
図17
図18
図19-22】
図23-30】
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【国際調査報告】