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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】改善された発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/35 20230101AFI20230721BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20230721BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20230721BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 50/12 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 59/86 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 50/19 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 85/50 20230101ALI20230721BHJP
   H10K 50/13 20230101ALI20230721BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
H10K59/35
H05B33/14 Z
H05B33/12 C
H10K50/115
H10K50/12
H10K59/38
H10K59/86
H10K50/19
H10K85/50
H10K50/13
H05B33/12 E
G09F9/30 365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581587
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 GB2021051664
(87)【国際公開番号】W WO2022003353
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2010090.5
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
(71)【出願人】
【識別番号】520409970
【氏名又は名称】エクサイトン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】レバーモア、ピーター アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC02
3K107CC07
3K107DD51
3K107DD52
3K107DD57
3K107DD58
3K107DD66
3K107DD67
3K107EE11
3K107EE24
3K107FF13
5C094AA08
5C094AA44
5C094BA27
5C094EA04
5C094ED20
5C094JA11
(57)【要約】
デバイスが提供される。デバイスは、積層型青色発光デバイスであって、第1の電極、第2の電極、第1の発光層を備える第1の発光ユニット、第2の発光層を備える第2の発光ユニット、及び第1の電荷生成層を備える、積層型青色発光デバイスを含み、第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第1の電荷生成層は全て、第1の電極と第2の電極との間に配設され、第1の発光ユニットは、第1の電極の上に配設され、第1の電荷生成層は、第1の発光ユニットの上に配設され、第2の発光ユニットは、第1の電荷生成層の上に配設され、第2の電極は、第2の発光ユニットの上に配設され、第1の発光ユニットは、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニットは、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
580nm~780nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する赤色光を発するように構成された第1のサブピクセルと、
500nm~580nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する緑色光を発するように構成された第2のサブピクセルと、
380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発するように構成された第3のサブピクセルと、を備え、
前記第1のサブピクセルが、赤色変換層に光学的に結合された第1の積層型青色発光デバイスを備え、
前記第2のサブピクセルが、緑色変換層に光学的に結合された第2の積層型青色発光デバイスを備え、
前記第3のサブピクセルが、第3の積層型青色発光デバイスを備え、
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てが、積層型青色発光デバイスであって、
第1の電極、
第2の電極、
第1の発光層を備える第1の発光ユニット、
第2の発光層を備える第2の発光ユニット、及び
第1の電荷生成層を備える、積層型青色発光デバイスを含み、
前記第1の発光ユニット、前記第2の発光ユニット及び前記第1の電荷生成層が全て、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設され、
前記第1の発光ユニットが、前記第1の電極の上に配設され、
前記第1の電荷生成層が、前記第1の発光ユニットの上に配設され、
前記第2の発光ユニットが、前記第1の電荷生成層の上に配設され、
前記第2の電極が、前記第2の発光ユニットの上に配設され、
前記第1の発光ユニットが、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
前記第1の発光ユニットが、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、
前記第2の発光ユニットが、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
前記第2の発光ユニットが、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、
前記第2の色度が、第1の色度と実質的に異なり、
前記第1の発光層及び前記第2の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む、ディスプレイ。
【請求項2】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスのいずれかについて、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第3の積層型青色発光デバイスの前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができ、
前記第1の積層型青色発光デバイスの前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができず、
前記第2の積層型青色発光デバイスの前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第2の色度座標(x2,y2)が、前記第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第2の色度座標(x2,y2)が、前記第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第2のピーク波長が、前記第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)が、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、かつ
前記第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)が、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、
前記第1の色度座標(u1,v1)及び前記第2の色度座標(u2,v2)が、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、前記第2の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、前記第2の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、前記第2の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、前記第2の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光層及び前記第2の発光層が、有機発光材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第1の発光層及び前記第2の発光層のうちの少なくとも1つが、リン光有機発光材料を含み、
前記第1の発光層及び前記第2の発光層のうちの少なくとも1つが、蛍光有機発光材料を含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光層及び前記第2の発光層が、量子ドット発光材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、前記第1の発光層及び前記第2の発光層が、ペロブスカイト発光材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第1の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの発光材料を含み、
前記第2の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの発光材料を含み、
前記第2のクラスの発光材料が、前記第1のクラスの発光材料と同じではない、請求項1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記第1の積層型青色発光デバイス、前記第2の積層型青色発光デバイス及び前記第3の積層型青色発光デバイスが全て、同じデバイスアーキテクチャを有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てが、
第3の発光層を備える第3の発光ユニットと、
第2の電荷生成層と、を更に含み、
前記第3の発光ユニット及び前記第2の電荷生成層が、前記第2の発光ユニットと前記第2の電極との間に配設され、
前記第2の電荷生成層が、前記第2の発光ユニットの上に配設され、
前記第3の発光ユニットが、前記第2の電荷生成層の上に配設され、前記第2の電極が、前記第3の発光ユニットの上に配設され、
前記第3の発光ユニットが、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
前記第3の発光ユニットが、(x3,y3)の第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第3の色度を有する青色光を発し、かつ
前記第3の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第3の色度が、前記第1の色度及び前記第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、
前記第3の色度が、前記第1の色度及び前記第2の色度のうちの一方と実質的に異なる、請求項19に記載のディスプレイ。
【請求項21】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第3の発光ユニットが、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
前記第3の発光ユニットが、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができる、請求項19に記載のディスプレイ。
【請求項22】
前記第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
前記第3の発光ユニットが、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
前記第3の発光ユニットが、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができ、
前記第3の発光ユニットと共通してアドレス指定される前記発光ユニットが、前記第3の発光ユニットと実質的に同じ色度を有し、
前記第3の発光ユニットから独立してアドレス指定される前記発光ユニットが、前記第3の発光ユニットと実質的に異なる色度を有する、請求項19に記載のディスプレイ。
【請求項23】
前記ディスプレイが、消費者製品の一部である、請求項1~22のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ、光パネル及び他の光電子デバイスにおける用途のための新規発光デバイスアーキテクチャに関し、特に、実質的に異なる色度を有する青色光を発する2つ以上の発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)技術は急速に進歩しており、近年の技術革新によって、より高い解像度、改善されたフレームレート及び強化されたコントラスト比を備えた、より薄く、より軽いディスプレイが可能になっている。OLED技術は、現在、小面積ディスプレイのための最先端技術と見なされており、Samsung Galaxy S20 Ultra、iPhone 11 Pro Max、及びOne Plus 8 Proなどのフラッグシップスマートフォンにおいて広く採用されており、これらは全て、効率的な、湾曲の、カラフルなOLEDディスプレイを備える。
【0003】
小面積ディスプレイ市場におけるOLED技術の継続的な成功にもかかわらず、OLED技術を備えるテレビなどの大面積ディスプレイは比較的少ない。テレビの大部分は、依然として、適合された液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)アーキテクチャを使用して製造されている。この相違は、小面積OLEDスマートフォンディスプレイ及び大面積OLEDテレビディスプレイのディスプレイアーキテクチャの違いによって説明することができる。
【0004】
OLEDスマートフォンは、赤色、緑色及び青色有機発光材料が、赤色、緑色及び青色光を発する別個の赤色、緑色及び青色サブピクセルにパターン化される、RGB OLEDディスプレイアーキテクチャを備える。例示的なRGB OLEDディスプレイアーキテクチャが、図18の配置1800によって描写されている。赤色サブピクセル1805のデバイスは、赤色発光層1840を備える。緑色サブピクセル1815のデバイスは、緑色発光層1850を備える。青色サブピクセル1825のデバイスは、青色発光層1860を備える。赤色、緑色及び青色発光層は、第1の電極1820と第2の電極1830との間に配設される。全ての層は、基板1810上に配設される。配置1800の例示的なRGB OLEDディスプレイアーキテクチャは、図18に描写されていない任意選択の追加のデバイス層を含んでもよい。赤色、緑色及び青色発光層のパターン化は、それぞれの赤色、緑色及び青色サブピクセルに正確に位置合わせされた開口部を有する微細な金属マスクを通した蒸気熱蒸着によって、赤色、緑色及び青色有機発光材料を堆積させることによって達成される。RGB OLEDディスプレイアーキテクチャは、赤色、緑色及び青色サブピクセルの各々が、効率的で、明るく、カラフルな光を発するように個々に最適化され得るので、高性能をもたらす。RGB OLEDディスプレイアーキテクチャはまた、赤色、緑色及び青色サブピクセルの各々が、典型的には、およそ6~7層の蒸着層の単純なOLEDデバイススタックを備えるため、比較的低コストである。
【0005】
残念ながら、スマートフォンで非常に上手く使用されているRGB OLEDディスプレイアーキテクチャは、テレビへの応用に上手くスケーリングされていない。テレビの製造では、スマートフォン(例えば、1800mm×1500mmのGen 6基板)の製造よりも大きなガラス基板(例えば、3130mm×2880mmのGen 10基板)が必要となることが問題である。次いで、赤色、緑色及び青色有機発光材料を赤色、緑色及び青色サブピクセルにパターン化するために必要とされる微細な金属マスクは、基板面積が大きくなるとたわむ傾向があり、位置ずれ及び望ましくないシャドーイング効果をもたらす。
【0006】
代わりに、OLEDテレビは、ディスプレイの各サブピクセルが白色OLEDを備える、RGBW OLEDディスプレイアーキテクチャを備える。異なるサブピクセルの個々のパターン化は必要とされない。例示的なRGBW OLEDディスプレイアーキテクチャが、図19の配置1900によって描写されている。赤色、緑色及び青色のカラーフィルタは、白色OLEDサブピクセルのうちの4分の3の上にパターン化される。赤色サブピクセル1905のデバイスは、赤色カラーフィルタ1985に光学的に結合された白色OLEDを備える。緑色サブピクセル1915のデバイスは、緑色カラーフィルタ1990に光学的に結合された白色OLEDを備える。青色サブピクセル1925のデバイスは、青色カラーフィルタ1995に光学的に結合された白色OLEDを備える。白色サブピクセル1935のデバイスは、カラーフィルタのない白色OLEDを備える。各白色OLEDは、第1の電極1920と第2の電極1980との間に全て配設された赤色発光層1930、緑色発光層1950及び青色発光層1970を含む3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスを備える。赤色発光層1930は、第1の電荷生成層1940によって緑色発光層1950から分離されている。緑色発光層1950は、第2の電荷生成層1960によって青色発光層1970から分離されている。全ての層は、基板1910上に配設される。配置1900の例示的なRGBW OLEDディスプレイアーキテクチャは、図19に描写されていない任意選択の追加のデバイス層を含んでもよい。
【0007】
残念ながら、OLEDテレビで使用されるRGBW OLEDディスプレイアーキテクチャは、OLEDスマートフォンで使用されるRGB OLEDディスプレイアーキテクチャと比較して、性能の低下をもたらす。その理由は、赤色、緑色及び青色サブピクセル内の白色OLEDから発せられる光の大部分がフィルタリングされるからである。これは、ディスプレイの効率及び明るさを低下させる。ディスプレイの色域を拡張するためにより強いカラーフィルタを使用することと、より多くの白色光をフィルタリングすることによって明るさを低減することとの間にトレードオフがあるので、RGBW OLEDディスプレイの彩度も制限される。RGBW OLEDディスプレイアーキテクチャはまた、赤色、緑色、及び青色サブピクセルの各々が、典型的には、およそ15~20個の蒸着層の白色OLEDデバイススタックを備えるため、比較的高価である。
【0008】
したがって、RGBW OLEDディスプレイアーキテクチャを有するOLEDテレビは、RGB OLEDディスプレイアーキテクチャを有するOLEDスマートフォンよりも、効率が低く、明るさが低く、カラフルでなく、比較的高価である。このため、OLED技術は、スマートフォンに広く採用されているが、テレビには採用されていない。この課題に対処するために、新規のQD-OLEDディスプレイアーキテクチャが、Samsungによって最近提案された。例示的なQD-OLEDディスプレイアーキテクチャは、図20の配置2000によって描写されている。QD-OLEDディスプレイアーキテクチャでは、ディスプレイの各サブピクセルは青色OLEDを備える。次いで、赤色及び緑色の色変換層は、青色OLEDサブピクセルのうちの3分の2の上にパターン化される。赤色サブピクセル2005のデバイスは、赤色変換層2050に光学的に結合された青色発光層2040を含む。緑色サブピクセル2015のデバイスは、緑色変換層2060に光学的に結合された青色発光層2040を含む。青色サブピクセル2025のデバイスは、色変換層のない青色発光層2040を含む。青色発光層は、第1の電極2020と第2の電極2030との間に配設される。全ての層は、基板2010上に配設される。配置2000の例示的なQD-OLEDディスプレイアーキテクチャは、図20に描写されていない任意選択の追加のデバイス層を含んでもよい。
【0009】
Samsungは、赤色及び緑色変換層が量子ドット(quantum dot、QD)材料を含むことを提案しており、このディスプレイアーキテクチャをQD-OLEDと呼んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
QD-OLEDディスプレイアーキテクチャは、RGBW OLEDディスプレイアーキテクチャに対する改善であることが期待される。これは、色変換層を使用して青色光を赤色光又は緑色光に変換することが、カラーフィルタを使用して白色光を赤色、緑色又は青色光にフィルタリングするよりも効率的なプロセスだからである。したがって、QD-OLEDディスプレイは、RGBW OLEDディスプレイよりも効率的で、より明るく、よりカラフルであることが期待される。更に、QD-OLEDディスプレイ内の青色OLEDデバイススタックは、より単純であり得、RGBW OLEDディスプレイ内の白色OLEDスタックよりも少ない層を備え得る。これにより、コストが削減される。RGBW OLEDディスプレイに関して、QD-OLEDディスプレイは、異なるサブピクセルのための発光材料の個々のパターン化を伴わずに製造され得るので、これらの改善は全て、微細金属マスク技術を伴わずに達成され得る。
【0011】
しかしながら、提案されたQD-OLEDディスプレイアーキテクチャには欠点がある。特に、1つの重大な欠点は、青色OLEDデバイスの寿命が、典型的には、赤色及び緑色OLEDデバイスよりも短く、QD-OLEDディスプレイアーキテクチャでは、青色OLEDが、赤色及び緑色サブピクセル、並びに青色サブピクセルに光を提供するために使用されることである。これは、QD-OLEDディスプレイの寿命が制限されることが予想される。更に、青色OLEDが発する青色光は、深い青色及び拡張された色域をレンダリングするために、高飽和性であることが要求される。問題は、より高い効率を有する深い青色のリン光発光体が比較的不安定であり、商業的用途に適していないことである。したがって、より低い効率を有するが、比較的改善された安定性を有する深い青色の蛍光発光体が必要とされることが予想される。これは、QD-OLEDディスプレイの効率及び明るさを低下させる。更に、青色OLEDから発せられる青色光は、赤色及び緑色の色変換材料の吸収率と一致するように、かつディスプレイが拡張された色域のための深い青色をレンダリングすることを可能にするのに十分な深さであるように、同時に最適化されなければならない。性能の低下をもたらすトレードオフが存在する可能性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ディスプレイ、光パネル及び他の光電子デバイスにおける用途のために、実質的に異なる色度を有する青色光を発する2つ以上の発光ユニットを含む積層型青色発光デバイスアーキテクチャを提案することによって、これらの問題に対処する。任意選択的に、少なくとも1つの発光ユニットは、より深い青色光を発することができ、少なくとも1つの発光ユニットは、より明るい青色光を発することができる。
【0013】
提案されたアーキテクチャを、2つの発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスについて、図21の例示的な配置2100によって描写している。赤色サブピクセル2105のデバイスは、第1の電荷生成層2140によって分離され、赤色変換層2170に光学的に結合された第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150を備える。緑色サブピクセル2115のデバイスは、第1の電荷生成層2140によって分離され、緑色変換層2180に光学的に結合された第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150を備える。青色サブピクセル2125のデバイスは、第1の電荷生成層2140によって分離された第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150を備える。第1及び第2の青色発光ユニットの層、並びに第1の電荷生成層は全て、第1の電極2120と第2の電極2160との間に配設される。全ての層は、基板2110上に配設される。第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150のうちの少なくとも1つは、より明るい青色光を発することができ、第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150のうちの少なくとも1つは、より深い青色光を発することができる。
【0014】
任意選択的に、本発明の積層型青色発光デバイスアーキテクチャは、第3の発光ユニット2220及び第2の電荷生成層2210を含むことができる。これは、3つの発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスについて、図22の例示的な配置2200によって描写されている。第3の発光ユニット2220は、より明るい青色光又はより深い青色光を発することができる。
【0015】
任意選択的に、発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができる。任意選択的に、発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。
【0016】
そのような積層型青色発光デバイスは、OLEDディスプレイの赤色、緑色及び青色のサブピクセルに組み込まれてもよい。そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、より明るい青色発光ユニットから発せられ得る光よりも飽和度が高いが、より深い青色発光ユニットから発せられ得る光よりも飽和度が低い、比較的飽和した青色光を発することが必要とされるとき、より深い青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より明るい青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができる。しかしながら、そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、より明るい青色発光ユニットから発せられ得る光よりも飽和度が低い、比較的に不飽和の青色光を発することのみが要求される場合、より明るい青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より深い青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができる。光は、ディスプレイ画像の大部分をレンダリングするために、比較的により効率的な、かつ/又は安定したより明るい青色発光ユニットから発せられてもよく、比較的にあまり効率的でない、かつ/又はあまり安定していないより深い青色発光ユニットから発せられる光は、画像のほんの一部をレンダリングするためにのみ必要とされる。したがって、ディスプレイの効率及び/又は寿命を向上させることができる。更に、より明るい青色発光ユニットを単独で、又はより深い青色発光ユニットと組み合わせて使用して、赤色及び緑色サブピクセル内の赤色及び緑色変換層に光を提供することができる。
【0017】
任意選択的に、より明るい青色発光ユニットは、リン光有機発光材料又は蛍光有機発光材料を含むことができる。任意選択的に、より深い青色発光ユニットは、リン光有機発光材料又は蛍光有機発光材料を含むことができる。任意選択的に、より明るい青色発光ユニットは、蛍光有機発光材料を含むことができ、より深い青色発光ユニットは、蛍光有機発光材料を含むことができる。任意選択的に、より明るい青色発光ユニットは、リン光有機発光材料を含んでもよく、より深い青色発光ユニットは、リン光有機発光材料を含んでもよい。任意選択的に、より明るい青色発光ユニットは、リン光有機発光材料を含むことができ、より深い青色発光ユニットは、蛍光有機発光材料を含むことができる。
【0018】
提案された新規デバイスアーキテクチャは、OLEDデバイス及びディスプレイに理想的に適している。提案された新規デバイスアーキテクチャは、量子ドット発光材料を含む量子ドット発光ダイオード(dot light emitting diode、QLED)ディスプレイ、及びペロブスカイト発光材料を含むペロブスカイト発光ダイオード(perovskite light emitting diode、PeLED)ディスプレイにも理想的に適している。有機発光材料、量子ドット発光材料及びペロブスカイト発光材料の固有の特性は、本明細書で開示する積層型青色発光デバイスアーキテクチャに十分に適するようにこれらの材料をレンダリングする。これらの特性には、可視スペクトル、紫外スペクトル及び赤外スペクトルにわたって容易に調整可能な光学バンドギャップ、広い色域でディスプレイを可能にする高い彩度、優れた電荷輸送特性及び低い無放射率が含まれる。
【0019】
提案された新規デバイスアーキテクチャは、以下の例示的な関連技術によって実証されるように、関連技術に対していくつかの利点を有する。
国際公開第2019/224546(A1)号は、少なくとも1つのPeLED発光ユニットと、少なくとも1つのPeLED、OLED又はQLED発光ユニットと、を備える積層型発光デバイスを開示している。発光ユニットは、任意の色であってもよく、共通して、又は独立してアドレス指定可能であってもよい。発光ユニットは、1つ以上の色変換層に光学的に結合されてもよい。これは、OLED、QLED及びPeLEDなどの異なるクラスの発光材料を積層型発光デバイスに組み合わせることを可能にするという利点を有する。しかしながら、本開示とは異なり、国際公開第2019/224546(A1)号は、そのような積層型発光デバイスアーキテクチャがディスプレイの1つ以上のサブピクセルにおいてどのように実装され得るかについての詳細を開示していない。更に、それは、発光ユニットが異なる色度のものであり得るいかなる実施形態も開示しておらず、異なる色度の発光ユニットを有することのいかなる用途又は利点も記載していない。異なるクラスの発光材料を含む例示的な発光ユニットについての色度データが開示されているに過ぎない。本開示とは異なり、国際公開第2019/224546(A1)号も、1つ以上のPeLED発光ユニットが1つ以上のPeLED、OLED又はQLED発光ユニットと組み合わされた積層型発光デバイスに限定されている。それは、OLEDのみ、QLEDのみ、又はPeLED発光ユニットのみを備える積層型発光デバイスを含まず、これは製造がより簡単である。
【0020】
米国特許出願公開第2019/0043407(A1)号は、独立してアドレス指定可能な異なる色度の2つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスを備える青色サブピクセルと、(段落[0043]及び[0057]に開示されているように)単一接合(積層されていない)発光デバイスである赤色及び緑色サブピクセルと、を備えるディスプレイのためのピクセルレイアウトを開示している。本開示とは異なり、米国特許出願公開第2019/0043407(A1)号に開示されているピクセルレイアウトは、赤色変換層及び緑色変換層を含まず、赤色発光ユニット、緑色発光ユニット、及び青色発光ユニットを、それらのサブピクセルに個別にパターン化することが必要である。そのため、製造プロセスが複雑化し、コスト高になる可能性があり、大面積の基板への拡張が困難である可能性がある。
【0021】
欧州特許第3188272(A1)号は、電荷生成層によって分離された第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスを開示している。第1の発光ユニットは青色光を発する第1の発光層を備え、第2の発光ユニットは青色光を発する第2の発光層を備え、第1及び第2の発光層は異なる色度の光を発する。3つの発光層を含む3つの発光ユニットを有する例も開示されている。また、赤色及び緑色のサブピクセルの上に色変換材料が存在する、ディスプレイアーキテクチャも含まれる。本開示とは異なり、図7及び図8の欧州特許第3188272(A1)号に開示された発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、電荷生成層は全てのサブピクセルに共通である。独立してアドレス指定可能な発光ユニットの開示はない。したがって、本開示とは異なり、画像コンテンツに応じて画像をレンダリングするために、異なる色度の異なる発光ユニット及び異なる発光層を選択し、独立してアドレス指定することは不可能である。したがって、同等の電力消費の低減及びデバイスの長寿命化を達成することができない。
【0022】
国際公開第2020/030042(A1)号は、少なくとも第1の青色発光層と、基板のディスプレイ領域全体の上に配設された1つ以上の追加の青色発光層とを備え、基板の発光側に量子ドットカラーフィルムが配設されたOLEDディスプレイを開示している。段落[0065]及び[0066]は、青色発光層が異なる色度の青色光を発し、一方が400~440nmで光を発し、他方が440~490nmで光を発することを記載している。量子ドットフィルムは、赤色サブピクセルのための赤色量子ドットと、緑色サブピクセルのための緑色量子ドットとを含み得る。青色サブピクセルは、量子ドットを含んでも含まなくてもよい。青色発光層は、標準的な積層型デバイスのように電荷生成層で直列に接続されていてもよいし、電気的に直列に接続される各発光ユニットに対してアノード及びカソードが別々に存在してもよい。本開示とは異なり、国際公開第2020/030042(A1)号に開示されている発光層は、直列に接続されているものとして記載されている。独立してアドレス指定可能な発光ユニットの開示はない。したがって、本開示とは異なり、画像コンテンツに応じて画像をレンダリングするために、異なる色度の異なる発光ユニット及び異なる発光層を選択し、独立してアドレス指定することは不可能である。したがって、同等の電力消費の低減及びデバイスの長寿命化を達成することができない。
【0023】
概要として、いくつかのOLED材料及び構成が、Uoyama et al.、並びに欧州特許第0423283(B1)号、並びに米国特許第6303238(B1)号及び米国特許第7279704(B2)号に記載されている。いくつかのQLED材料及び構成が、Kathirgamanathan et al.に記載されている。いくつかのPeLED材料及び構成が、Adjokatse et al.に記載されている。これらの参考文献の全ては、参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【0024】
本明細書で使用されるように、「有機」という用語は、ポリマー材料、並びにOLEDなどのオプトエレクトロニクスデバイスを製作するために使用され得る小分子有機材料を含む。本明細書で使用されるように、小分子という用語は、ポリマーではないいずれかの有機材料を指し、小分子は実際には非常に大きい場合がある。小分子には、状況によっては繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を使用しても、小分子クラスから分子が削除されることはない。小分子はまた、例えば、ポリマー主鎖上のペンダント基として、又は主鎖の一部として、ポリマーに組み込まれ得る。デンドリマーは小分子であり得、OLEDの分野で現在使用されている全てのデンドリマーは小分子であると考えられている。
【0025】
本明細書で使用されるように、「有機発光材料」という用語は、蛍光及びリン光有機発光材料、並びに三重項-三重項消滅(triplet-triplet annihilation、TTA)又は熱活性化遅延蛍光(thermally activated delayed fluorescence、TADF)又は過蛍光などのメカニズムを通して光を発する有機材料を含む。本明細書で使用される場合、TADF又は過蛍光などのメカニズムを通して光を発する有機材料は、蛍光有機発光材料と見なされる。赤色光を発する有機発光材料の一例は、ビス(2-(3,5-ジメチルフェニル)キノリン-C2、N’)(アセチルアセトナト)イリジウム(III)Ir(dmpq)2(acac)である。緑色光を発する有機発光材料の一例は、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)である。青色光を発する有機発光材料の一例は、ビス[2-(4,6-ジフルオロフェニル)ピリジナト-C2,N](ピコリナト)イリジウム(III)(FIrpic)である。
【0026】
一般に、OLEDデバイスはフォトルミネセント又はエレクトロルミネセントであってよい。「OLED」という用語は、エレクトロルミネセント有機発光材料を含む単一発光ユニットエレクトロルミネセントデバイスを説明するために使用され得る。「OLED」という用語はまた、エレクトロルミネセント有機発光材料を含む積層型エレクトロルミネセントデバイスのうちの1つ以上の発光ユニットを説明するために使用され得る。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0027】
本明細書で使用されるように、「量子ドット」という用語は、本明細書で別個に定義される「ペロブスカイト」材料を除いて、量子ドット材料、量子ロッド材料、及び他の発光ナノ結晶材料を含む。量子ドットは、一般に、バルク半導体と離散分子との中間の特性を呈する半導体ナノ粒子と見なすことができる。量子ドットは、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)などのIII-V族半導体材料、又は酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、及びテルル化カドミウム(CdTe)などのII-VI族半導体材料、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。一般に、量子閉じ込め効果の結果として、量子ドットの光電子特性は、量子ドットのサイズ又は形状の関数として変化することがある。
【0028】
量子ドットのいくつかのタイプは、光学的又は電気的な励起に応答して発光するように刺激されてもよい。つまり、量子ドット発光材料は、フォトルミネセント又はエレクトロルミネセントであり得る。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0029】
本明細書で使用されるように、「量子ドット」という用語は、「ペロブスカイト」材料を含まない。ペロブスカイトナノ結晶、2Dペロブスカイト材料、及び準2Dペロブスカイト材料など、ペロブスカイト材料のいくつかのタイプは、バルク半導体と離散分子との中間の特性を呈する半導体材料であり、量子ドットと同様に、量子閉じ込めが光電子特性に影響を与える可能性がある。しかしながら、本明細書で使用されるように、そのような材料は、「量子ドット」材料ではなく、「ペロブスカイト」材料と呼ばれる。この用語体系の第1の理由は、本明細書で定義されるように、ペロブスカイト材料及び量子ドット材料が、一般に、異なる結晶構造を含むことである。この用語体系の第2の理由は、本明細書で定義されるように、ペロブスカイト材料及び量子ドット材料が、一般に、その構造内に異なる材料タイプを含むことである。この用語体系の第3の理由は、ペロブスカイト材料からの発光は一般にペロブスカイト材料の構造サイズに依存しないのに対し、量子ドット材料からの発光が一般に量子ドット材料の構造サイズ(例えば、コア及びシェル)に依存することである。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0030】
一般に、量子ドット発光材料はコアを含む。任意選択的に、コアは、1つ以上のシェルによって囲まれていてもよい。任意選択的に、コア及び1つ以上のシェルは、不動態化構造によって囲まれていてもよい。任意選択的に、不動態化構造は、1つ以上のシェルに結合した配位子を含んでいてもよい。コア及びシェルのサイズは、量子ドット発光材料の光電子特性に影響を与える可能性がある。一般に、コア及びシェルのサイズが小さくなると、量子閉じ込め効果がより強くなり、エレクトロルミネセント発光がより短い波長で刺激される可能性がある。ディスプレイ応用の場合、コア及びシェルの構造の直径は、典型的には、1~10nmの範囲内である。青色光を発する量子ドットは、典型的には、最小であり、コアシェルの直径はおよそ1~2.5nmの範囲内である。緑色光を発する量子ドットは、典型的には、わずかに大きく、コアシェルの直径はおよそ2.5~4nmの範囲内である。赤色光を発する量子ドットは、典型的には、より大きく、コアシェルの直径はおよそ5~7nmの範囲内である。これらの範囲は、例として、また理解を助けるために提供されており、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0031】
量子ドット発光材料の例には、CdSeのコアを含む材料が含まれる。CdSeは1.73eVのバルクバンドギャップを有しており、716nmでの発光に対応している。しかしながら、CdSeの発光スペクトルは、CdSe量子ドットのサイズを調整することにより、可視スペクトル全体で調整することができる。CdSeコアを含む量子ドット発光材料は、CdS、ZnS、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上のシェルを更に含み得る。CdSeを含む量子ドット発光材料は、シェルに結合した配位子を含む不動態化構造を更に含んでいてもよい。CdSe/CdS又はCdSe/ZnSコアシェル構造を含む量子ドット発光材料は、ディスプレイ及び/又は光パネルでの応用のために赤、緑、又は青色光を発するように調整することができる。
【0032】
量子ドット発光材料の例には、InPのコアを含む材料が更に含まれる。InPは1.35eVのバルクバンドギャップを有しており、918nmでの発光に対応している。しかしながら、InPの発光スペクトルは、InP量子ドットのサイズを調整することにより、可視スペクトル全体で調整することができる。InPコアを含む量子ドット発光材料は、CdS、ZnS又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上のシェルを更に含み得る。InPを含む量子ドット発光材料は、シェルに結合した配位子を含み得る不動態化構造を更に含み得る。InP/CdS又はInP/ZnSコアシェル構造を含む量子ドット発光材料は、ディスプレイ及び/又は光パネルでの応用のために赤色、緑色、又は青色光を発するように調整することができる。
【0033】
一般に、QLEDデバイスはフォトルミネセント又はエレクトロルミネセントであってよい。「QLED」という用語は、エレクトロルミネセント量子ドット発光材料を含む単一発光ユニットエレクトロルミネセントデバイスを説明するために使用され得る。「QLED」という用語はまた、エレクトロルミネセント量子ドット発光材料を含む積層型エレクトロルミネセントデバイスのうちの1つ以上の発光ユニットを説明するために使用され得る。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ペロブスカイト」という用語は、光電子デバイスで使用され得るいずれかのペロブスカイト材料を含む。A及びBがカチオンであり、XがアニオンであるABX3の三次元(three-dimensional、3D)構造を採用し得る材料は、ペロブスカイト材料と見なすことができる。図3は、ABX3の3D構造を有するペロブスカイト材料の例を描いている。AカチオンはBカチオンよりも大きい場合がある。Bカチオンは、周囲のXアニオンと6倍に配位していてもよい。Aアニオンは、周囲のXアニオンと12倍に配位していてもよい。
【0035】
ペロブスカイト材料は、光電子デバイスでの応用にとってますます魅力的になってきている。このようなデバイスの作製に使用されるペロブスカイト材料の多くは、地球に豊富で比較的安価であるため、ペロブスカイト光電子デバイスは、コスト面で有利になる可能性がある。ペロブスカイト材料には多くのクラスがある。光電子デバイスに特に有望であるペロブスカイト材料の1つのクラスは、金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料のクラスである。金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料の場合、A成分は、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)又はホルムアミジニウム(CH(NH22 +)などの一価有機カチオン、セシウム(Cs+)又はそれらの組み合わせなどの無機原子カチオンであってもよく、B成分は、鉛(Pb+)、スズ(Sn+)、銅(Cu+)、ユーロピウム(Eu+)又はそれらの組み合わせなどの二価金属カチオンであってもよく、X成分は、I-、Br-、Cl-又はそれらの組み合わせなどのハロゲン化物アニオンであってもよい。A成分が有機カチオンである場合、ペロブスカイト材料は、有機金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料として定義され得る。CH3NH3PbBr3及びCH(NH22PbI3は、3D構造を有する金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料の非限定的な例である。A成分が無機カチオンである場合、ペロブスカイト材料は、無機金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料として定義され得る。CsPbI3、CsPbCl3、及びCsPbBr3は、無機金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料の非限定的な例である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ペロブスカイト」という用語は、L2(ABX3n-1BX4(L2n-1n3n+1とも記載される)の層状構造を採用し得る任意の材料を更に含み、ここでL、A及びBはカチオン、Xはアニオン、nはカチオンの2層間に配設されたBX4単層Lの数である。図4は、nの値が異なるL2(ABX3n-1BX4の層状構造を有するペロブスカイト材料の例を描写している。ハロゲン化金属ペロブスカイト材料の場合、A成分は、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)又はホルムアミジニウム(CH(NH22 +)などの一価有機カチオン、セシウム(Cs+)などの原子カチオン、又はそれらの組み合わせであってもよく、L成分は、2-フェニルエチルアンモニウム(C6524NH3 +)又は1-ナフチルメチルアンモニウム(C107CH2NH3 +)などの有機カチオンであってもよく、B成分は、鉛(Pb+)、スズ(Sn+)、銅(Cu+)、ユーロピウム(Eu+)又はそれらの組み合わせなどの二価金属カチオンであってもよく、X成分は、I-、Br-、Cl-又はそれらの組み合わせなどのハロゲン化物アニオンであってもよい。(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbBr4及び(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbI3Brは、層状構造を有する金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料の非限定的な例である。
【0037】
層数nが大きい場合、例えば、nがおよそ10より大きい場合、L2(ABX3n-1BX4の層状構造を持つペロブスカイト材料は、ABX3の3D構造を持つペロブスカイト材料とほぼ同等の構造を採用する。本明細書で使用されるように、かつ当業者によって一般的に理解されるように、多数の層を有するペロブスカイト材料は、そのようなペロブスカイト材料がn=∞から縮小された次元性を有することが認識されているにもかかわらず、3Dペロブスカイト材料と呼ばれることがある。層数n=1の場合、L2(ABX3n-1BX4の層状構造を持つペロブスカイト材料は、L2BX4の二次元(two-dimensional、2D)構造を採用する。単層のペロブスカイト材料は、2Dペロブスカイト材料と呼ばれることがある。nが小さい場合、例えばおよそ2~10の範囲にあるnの場合、L2(ABX3n-1BX4の層状構造を持つペロブスカイト材料は、準二次元(quasi-two-dimensional、Quasi-2D)構造を採用する。層の数が少ないペロブスカイト材料は、準2Dペロブスカイト材料と呼ばれることがある。量子閉じ込め効果により、nが最も高い層状ペロブスカイト材料構造では、エネルギーバンドギャップが最も小さくなる。
【0038】
ペロブスカイト材料は、いずれかの数の層を有していてもよい。ペロブスカイトは、2Dペロブスカイト材料、準2Dペロブスカイト材料、3Dペロブスカイト材料、又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、ペロブスカイトは、異なる数の層を有する層状ペロブスカイト材料のアンサンブルを含み得る。例えば、ペロブスカイトは、異なる数の層を有する準2Dペロブスカイト材料のアンサンブルを含み得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ペロブスカイト」という用語は、ペロブスカイト材料のフィルムを更に含む。ペロブスカイト材料のフィルムは、結晶性、多結晶性、又はそれらの組み合わせであり得、いずれかの数の層及びいずれかの範囲の粒径又は結晶サイズを有する。
【0040】
本明細書で使用されるように、「ペロブスカイト」という用語は、ABX3の3Dペロブスカイト構造、又はL2(ABX3n-1BX4のより一般的な層状ペロブスカイト構造と同等又は類似の構造を有するペロブスカイト材料のナノ結晶を更に含む。ペロブスカイト材料のナノ結晶は、ペロブスカイトナノ粒子、ペロブスカイトナノワイヤ、ペロブスカイトナノプレートレット、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。ペロブスカイト材料のナノ結晶は、いずれかの形状又はサイズであってもよく、いずれかの数の層、及びいずれかの範囲の粒径又は結晶サイズを有する。図5は、L2(ABX3n-1BX4に類似した層状構造を有するペロブスカイト材料のナノ結晶の例を描写しており、式中、n=5であり、Lカチオンがペロブスカイトナノ結晶の表面に配置されている。ペロブスカイト材料のナノ結晶では、L2(ABX3n-1BX4の正式な層状構造を持つペロブスカイト材料とは、Lカチオンの分布が異なる場合があるため、「似ている」という用語を使用している。例えば、ペロブスカイト材料のナノ結晶では、ナノ結晶の側面に沿って配置されたLカチオンの割合が高くなる可能性がある。
【0041】
ペロブスカイト材料のいくつかのタイプは、光学的又は電気的な励起に応答して発光するように刺激されてもよい。つまり、ペロブスカイト発光材料は、フォトルミネセント又はエレクトロルミネセントであり得る。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。赤色光を発するペロブスカイト発光材料の一例は、メチルアンモニウム鉛ヨウ化物(CH3NH3PbI3)である。
【0042】
緑色光を発するペロブスカイト発光材料の一例は、ホルムアミジニウム臭化鉛(CH(NH22PbBr3)である。青色光を発するペロブスカイト発光材料の一例は、塩化メチルアンモニウム鉛(CH3NH3PbCl3)である。
【0043】
一般に、PeLEDデバイスはフォトルミネセント又はエレクトロルミネセントであってよい。「PeLED」という用語は、エレクトロルミネセントペロブスカイト発光材料を含む単一発光ユニットエレクトロルミネセントデバイスを説明するために使用され得る。「PeLED」という用語はまた、エレクトロルミネセントペロブスカイト発光材料を含む積層型エレクトロルミネセントデバイスのうちの1つ以上の発光ユニットを説明するために使用され得る。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0044】
本明細書で使用されるように「上」は、基板から最も遠いことを意味し、「下」は、基板に最も近いことを意味する。第1の層が第2の層の「上に配置されている」と記載されている場合、第1の層は基板から更に離れて配置されている。第1層が第2層と「接触」していることが指定されていない限り、第1層と第2層との間に他の層が存在する場合がある。
【0045】
本明細書で使用されるように、「溶解処理可能」とは、溶液又は懸濁液の形態のいずれかで、液体媒体中に溶解し、分散し、又は輸送し、及び/又はそこから堆積させることができることを意味する。
【0046】
本明細書で使用されるように、かつ当業者によって一般的に理解されるように、第1の「最高被占軌道」(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMO)又は「最低空軌道」(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、LUMO)エネルギー準位は、第1のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近い場合、第2のHOMO又はLUMOエネルギー準位よりも「大きい」又は「高い」。イオン化ポテンシャル(ionization potential、IP)及び電子親和力(electron affinitie、EA)は、真空準位に対する負のエネルギーとして測定されるため、HOMOエネルギー準位が高いほど、負のエネルギーが少ないIPに対応する。同様に、LUMOエネルギー準位が高いほど、負のエネルギーが小さいEAに対応する。従来のエネルギー準位図では、真空準位が最上位にあるため、材料のLUMOエネルギー準位は同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高くなっている。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりも、このような図の上部近くに表示される。
【0047】
本明細書で使用されるように、かつ当業者によって一般的に理解されるように、第1の作業関数は、第1の作業関数がより高い絶対値を有する場合には、第2の作業関数よりも「大きい」又は「より大きい」。仕事関数は一般的に真空準位に対して負の数として測定されるため、これは「より高い」仕事関数がより負であることを意味する。従来のエネルギー準位図では、真空準位が上にあり、「より高い」仕事関数が、真空準位から下方向に離れているように図示されている。したがって、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣習に従っている。
【0048】
本明細書で使用されるように、かつ当業者によって一般的に理解されるように、PeLED、OLED又はQLEDなどの発光デバイスは、2つ以上の発光ユニットが発光デバイスの層構造内の1つ以上の電荷生成層によって分離されている場合、「積層」型発光デバイスと呼ばれ得る。いくつかの光源では、積層型発光デバイスは、タンデム型発光デバイスと呼ばれることがある。「積層」及び「タンデム」型という用語は同じ意味で使用することができ、本明細書で使用されるように、タンデム型発光デバイスはまた、積層型発光デバイスであると見なされることを理解されたい。この用語体系は、他のソースで使用されているものとわずかに異なる場合がある。
【0049】
本明細書で使用される場合、「OLED」、「QLED」及び「PeLED」という用語は、エレクトロルミネセント有機発光材料、量子発光材料、ペロブスカイト発光材料をそれぞれ含む単一発光ユニットエレクトロルミネセントデバイスを説明するために使用され得る。「OLED」、「QLED」及び「PeLED」という用語はまた、エレクトロルミネセント有機発光材料、量子ドット発光材料及びペロブスカイト発光材料をそれぞれ含む積層型エレクトロルミネセントデバイスのうちの1つ以上の発光ユニットを説明するために使用され得る。
【0050】
本明細書で使用されるように、「光学的に結合された」という用語は、1つ以上の要素の間に光が付与され得るように配置されたデバイス又は構造のうちの1つ以上の要素を指す。1つ以上の要素は、接触しているか、又は1つ以上の要素間に光を付与することを可能にする間隙又はいずれかの接続、結合、リンクなどによって分離されていてもよい。例えば、ディスプレイのピクセル配列内の1つ以上のサブピクセルは、色変換層及びカラーフィルタなどの1つ以上の色変更層に光学的に結合され得る。
【0051】
[発明の概要]
デバイスが提供される。一実施形態では、デバイスは、積層型青色発光デバイスであって、第1の電極、第2の電極、第1の発光層を備える第1の発光ユニット、第2の発光層を備える第2の発光ユニット、及び第1の電荷生成層を備える、積層型青色発光デバイスを含み、第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第1の電荷生成層は全て、第1の電極と第2の電極との間に配設され、第1の発光ユニットは、第1の電極の上に配設され、第1の電荷生成層は、第1の発光ユニットの上に配設され、第2の発光ユニットは、第1の電荷生成層の上に配設され、第2の電極は、第2の発光ユニットの上に配設され、第1の発光ユニットは、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニットは、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0052】
一実施形態では、第2の色度座標(x2,y2)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第2の色度座標(x2,y2)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第2のピーク波長は、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい。一実施形態では、第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)は、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)は、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、第1の色度座標(u1,v1)及び第2の色度座標(u2,v2)は、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる。
【0053】
一実施形態では、第1の発光ユニットは、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の発光ユニットは、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。
【0054】
一実施形態では、第1の発光ユニットは、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の発光ユニットは、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0055】
一実施形態では、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、リン光有機発光材料を含み、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、蛍光有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の発光層及び第2の発光層は、量子ドット発光材料を含む。一実施形態では、第1の発光層及び第2の発光層は、ペロブスカイト発光材料を含む。一実施形態では、第1の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの発光材料を含み、第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの発光材料を含み、第2のクラスの発光材料は、第1のクラスの発光材料と同じではない。
【0056】
一実施形態では、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。一実施形態では、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0057】
一実施形態では、積層型青色発光デバイスは、第3の発光層を備える第3の発光ユニットと、第2の電荷生成層と、を更に備え、第3の発光ユニット及び第2の電荷生成層は、第2の発光ユニットと第2の電極との間に配設され、第2の電荷生成層は、第2の発光ユニットの上に配設され、第3の発光ユニットは、第2の電荷生成層の上に配設され、第2の電極は、第3の発光ユニットの上に配設され、第3の発光ユニットは、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の発光ユニットは、(x3,y3)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第3の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0058】
一実施形態において、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に異なる。一実施形態では、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができる。一実施形態では、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができ、第3の発光ユニットと共通してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニットと実質的に同じ色度を有し、第3の発光ユニットから独立してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニットと実質的に異なる色度を有する。
【0059】
一実施形態では、デバイスは光パネルの一部である。一実施形態では、デバイスはディスプレイの一部である。
【0060】
ディスプレイが提供される。一実施形態では、ディスプレイは、580nm~780nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する赤色光を発するように構成された第1のサブピクセルと、500nm~580nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する緑色光を発するように構成された第2のサブピクセルと、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発するように構成された第3のサブピクセルと、を備え、第1のサブピクセルは、赤色変換層に光学的に結合された第1の積層型青色発光デバイスを備え、第2のサブピクセルは、緑色変換層に光学的に結合された第2の積層型青色発光デバイスを備え、第3のサブピクセルは、第3の積層型青色発光デバイスを備え、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全ては、第1の電極、第2の電極、第1の発光層を備える第1の発光ユニット、第2の発光層を備える第2の発光ユニット、及び第1の電荷生成層を備え、第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第1の電荷生成層は全て、第1の電極と第2の電極との間に配設され、第1の発光ユニットは、第1の電極の上に配設され、第1の電荷生成層は、第1の発光ユニットの上に配設され、第2の発光ユニットは、第1の電荷生成層の上に配設され、第2の電極は、第2の発光ユニットの上に配設され、第1の発光ユニットは、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニットは、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0061】
一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2の色度座標(x2,y2)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2の色度座標(x2,y2)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2のピーク波長は、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)は、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)は、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、第1の色度座標(u1,v1)及び第2の色度座標(u2,v2)は、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる。
【0062】
一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットは、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットは、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。
【0063】
一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットは、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットは、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットは、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0064】
一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料を含む。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、リン光有機発光材料を含み、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、蛍光有機発光材料を含む。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層は、量子ドット発光材料を含む。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層は、ペロブスカイト発光材料を含む。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの発光材料を含み、第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの発光材料を含み、第2のクラスの発光材料は、第1のクラスの発光材料と同じではない。
【0065】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス、第2の積層型青色発光デバイス及び第3の積層型青色発光デバイスは全て、同じデバイスアーキテクチャを有する。
【0066】
一実施形態では、第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスのいずれかについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。一実施形態では、第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスのいずれかについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0067】
一実施形態では、第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。一実施形態では、第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0068】
一実施形態では、第3の積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができ、第1の積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができず、第2の積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0069】
一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全ては、第3の発光層を備える第3の発光ユニットと、第2の電荷生成層と、を更に備え、第3の発光ユニット及び第2の電荷生成層は、第2の発光ユニットと第2の電極との間に配設され、第2の電荷生成層は、第2の発光ユニットの上に配設され、第3の発光ユニットは、第2の電荷生成層上に配設され、第2の電極は、第3の発光ユニット上に配設され、第3の発光ユニットは、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の発光ユニットは、(x3,y3)の第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第3の色度を有する青色光を発し、第3の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0070】
一実施形態において、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に異なる。一実施形態では、第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができる。
【0071】
一実施形態では、第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つとともに共通にアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つとは独立して光を発することができない。第3の発光ユニットは、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができ、第3の発光ユニットと共通してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニットと実質的に同じ色度を有し、第3の発光ユニットから独立してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニットと実質的に異なる色度を有する。
【0072】
一実施形態では、ディスプレイは消費者製品の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
上記の要約、並びに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法及び手段に限定されない。更に、当業者は、図面が原寸に比例していないことを理解するであろう。
【0074】
添付の図面において、下線番号は、下線番号が配置されている項目又は下線番号が隣接している項目を表すために使用されている。下線のない番号は、下線のない番号をアイテムに結び付ける線によって識別されるアイテムに関する。番号に下線がなく、関連する矢印が付いている場合、下線なしの番号は、矢印が指している一般的な項目を識別するために使用される。ここで、本開示の実施形態は、以下を参照して、例としてのみ説明される。
図1】発光デバイスを描写する。
図2】反転発光デバイスを描写する。
図3】構造ABX3を有する3Dペロブスカイト発光材料を描写する。
図4】構造L2(ABX3n-1BX4を有する層状ペロブスカイト発光材料を描写し、式中、n=1、3、5、10及び∞である。
図5】L2(ABX3n-1BX4に似た層状構造を有するペロブスカイト材料のナノ結晶の例を描写し、式中、n=5である。
図6】2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスを描写する。
図7】3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスを描写する。
図8】2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスの層を描写する。
図9】3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスの層を描写する。
図10】CIE1931(x,y)色空間色度図の表現を描写する。
図11】(a)DCI-P3及び(b)Rec.2020の色空間の色域も示すCIE1931(x,y)色空間色度図の表現を描写する。
図12】例示的な青色デバイスについての色座標を有する(a)DCI-P3及び(b)Rec.2020の色空間の色域も示す、CIE1931(x,y)色空間色度図の表現を描写する。
図13】10ステップマクアダム楕円も示すCIE1931(x,y)色空間色度図の表現を描写する。
図14】明所視発光効率関数に対してプロットされた青色発光デバイスについての例示的なエレクトロルミネセンス発光スペクトルを描写する。
図15】2つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスの発光ユニットの様々な構成を描写する。
図16-1】3つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスの発光ユニットの様々な構成を描写する。
図16-2】3つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスの発光ユニットの様々な構成を描写する。
図17】ディスプレイにおける用途のための赤色、緑色、及び青色サブピクセルの例示的な設計を描写する。
図18】例示的なRGB OLEDディスプレイアーキテクチャを描写する。
図19】例示的なRGBW OLEDディスプレイアーキテクチャを描写する。
図20】例示的なQD-OLEDディスプレイアーキテクチャを描写する。
図21】2つの青色発光ユニットを備える例示的なQD-OLEDディスプレイアーキテクチャを描写する。
図22】3つの青色発光ユニットを備える例示的なQD-OLEDディスプレイアーキテクチャを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明は、OLED、QLED及びPeLEDに関する。OLED、QLED及びPeLEDのデバイスアーキテクチャ及び動作原理は、実質的に同様である。これらの発光デバイスの各々は、アノードとカソードとの間に配置され、電気的に接続された少なくとも1つの発光層を含む。OLEDの場合、発光層は有機発光材料を含む。QLEDの場合、発光層は量子ドット発光材料を含む。PeLEDの場合、発光層はペロブスカイト発光材料を含む。これらの発光デバイスの各々について、電流が印加されると、アノードは正孔を注入し、カソードは電子を発光層に注入する。注入された正孔及び電子は各々、反対に帯電した電極に向かって移動する。電子及び正孔が局在化すると、励起エネルギー状態を有する局在化した電子正孔の対である励起子が形成され得る。励起子が光電子放出メカニズムを介して緩和すると、光が発せられる。熱放射及び/又はオージェ再結合のような非放射メカニズムも起こり得るが、一般には望ましくないと考えられている。OLED、QLED及びPeLEDに必要なデバイスアーキテクチャ及び動作原理が実質的に類似しているため、単一の発光デバイスにおいて、有機発光材料、量子ドット発光材料及びペロブスカイト発光材料を組み合わせることが容易になる。
【0076】
図1は、単一の発光ユニットを有する発光デバイス100を示している。発光デバイス100は、OLED、QLED又はPeLEDであり得る。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子遮断層130、発光層135、正孔遮断層140、電子輸送層145、電子注入層150、カソード155及びバリア層160を含み得る。デバイス100は、順に記載された層を堆積することによって製作されてもよい。デバイス100は、カソード155の下に配設されたアノード115を有するので、デバイス100は、「標準的な」デバイスアーキテクチャと呼ばれ得る。OLEDの場合、発光層は有機発光材料を含む。QLEDの場合、発光層は量子ドット発光材料を含む。PeLEDの場合、発光層はペロブスカイト発光材料を含む。
【0077】
図2は、単一の発光ユニットを有する反転発光デバイス200を示している。発光デバイス200は、OLED、QLED又はPeLEDであり得る。デバイスは、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225及びアノード230を含む。デバイス200は、順に記載された層を堆積することによって製作されてもよい。デバイス200は、アノード230の下に配設されたカソード215を有するので、デバイス200は、「反転」デバイスアーキテクチャと呼ばれ得る。OLEDの場合、発光層は有機発光材料を含む。QLEDの場合、発光層は量子ドット発光材料を含む。PeLEDの場合、発光層はペロブスカイト発光材料を含む。デバイス100に対して記載されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層で使用することができる。図2は、OLED、QLED又はPeLEDの構造からいくつかの層がどのように省略され得るかの一例を提供する。
【0078】
図1及び図2に図示される単純な層状構造は、非限定的な例として提供され、本発明の実施形態は、多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記載されている特定の材料及び構造は、本質的に例示的なものであり、他の材料及び構造を使用することができる。機能性OLED、QLED及びPeLEDは、異なる方法で説明した様々な層を組み合わせることで実現されてもよく、性能、設計及びコストなどの要因に基づいて、層を完全に省略してもよい。特に記載されていない他の層も含まれ得る。特に記載されているもの以外の材料を使用することができる。本明細書で提供される例の多くは、単一の材料を含むものとして様々な層を説明しているが、材料の組み合わせを使用できることが理解される。また、層は様々な副層を有していてもよい。本明細書の様々な層に付けられた名前は、厳密に限定することを意図するものではない。例えば、デバイスでは、正孔輸送層は、発光層に正孔を輸送及び注入することができ、正孔輸送層又は正孔注入層として説明することができる。
【0079】
OLED、PeLED及びQLEDは、一般に、電極のうちの少なくとも1つを通して光を発することを意図されており、1つ以上の透明電極は、そのような光電子デバイスにおいて有用であり得る。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明電極材料を下部電極に使用することができ、一方、マグネシウムと銀(Mg:Ag)を混合した薄い金属層などの透明電極材料を上部電極に使用することができる。下部電極を通してのみ発光することを意図したデバイスの場合、上部電極は透明である必要はなく、高反射率を有する金属層など、不透明及び/又は反射層から構成され得る。同様に、上部電極を通して発光することのみを意図したデバイスの場合、下部電極は、高い反射率を有する金属層など、不透明及び/又は反射性であってもよい。電極を透明にする必要がない場合、より厚い層を使用すると、導電率が向上し、デバイスの電圧降下やジュール熱が減少する可能性があり、反射電極を使用すると、透明電極に向かって光を戻すように反射させて他方の電極から発せられる光の量を増加させることができる。両方の電極が透明である完全に透明なデバイスも製作され得る。
【0080】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に基板110を備え得る。基板110は、所望の構造的及び光学的特性を提供する任意選択的に適切な材料を含み得る。基板110は、剛性又は可撓性であり得る。基板110は、平坦であっても湾曲していてもよい。基板110は、透明、半透明、又は不透明であり得る。好ましい基板材料は、ガラス、プラスチック及び金属箔である。布及び紙などの他の基板を使用してもよい。基板110の材料及び厚さは、所望の構造的及び光学的特性を得るために選択され得る。
【0081】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的にアノード115を備え得る。アノード115は、アノード115が正孔を伝導してデバイスの層内に注入することができるように、当技術分野で知られている任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好ましいアノード115の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)及びアルミニウム亜鉛酸化物(AlZnO)などの導電性金属酸化物、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-ネオジム(Al:Nd)、金(Au)及びそれらの合金などの金属、又はそれらの組み合わせを含む。他の好ましいアノード115の材料は、グラフェン、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ又はナノ粒子、銀ナノワイヤ若しくはナノ粒子、有機材料、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸塩(PEDOT:PSS)及びその誘導体、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかのデバイスでは、単層において1つ以上のアノード材料を含む複合アノードが好ましい場合がある。いくつかのデバイスでは、1つ以上の層において1つ以上のアノード材料を含む多層アノードが好ましい場合がある。多層アノードの一例は、ITO/Ag/ITOである。OLED、QLED及びPeLEDのための標準的なデバイスアーキテクチャでは、アノード115は、基板を通して光が発せられる下部発光デバイスを創出するために十分に透明であってもよい。標準的なデバイスアーキテクチャにおいて一般的に使用される透明アノードの一例は、ITOの層である。標準的なデバイスアーキテクチャにおいて共通して使用される透明アノードの別の例は、ITO/Ag/ITOであり、Agの厚さはおよそ25nm未満である。およそ25nm未満の厚さの銀の層を含むことにより、アノードは透明であると同時に部分的に反射性であってもよい。このような透明で部分的に反射性のアノードをLiF/Alなどの反射カソードと組み合わせて使用すると、デバイス内にマイクロキャビティを生じさせるという利点を得ることができる。マイクロキャビティは、デバイスから発せられた光の総量が増加するため、効率及び明るさが向上すること、順方向に発せられた光の割合が増加するため、垂直入射時の見かけの明るさが増加すること、及び発光スペクトルが狭くなるため、色飽和度の高い発光が得られることという、利点のうちの1つ以上を提供することができる。アノード115は不透明及び/又は反射性であってもよい。OLED、QLED及びPeLEDのための標準的なデバイスアーキテクチャでは、デバイスの上部から発せられる光の量を増加させるために、いくつかの上部発光デバイスでは反射アノード115が好ましい場合がある。標準的なデバイスアーキテクチャにおいて共通して使用される反射アノードの一例は、ITO/Ag/ITOの多層アノードであり、Agの厚さはおよそ80nm超である。そのような反射アノードを、Mg:Agなどの透明で部分的に反射性のカソードと組み合わせて使用すると、デバイス内にマイクロキャビティが創出されるという利点があり得る。アノード115の材料及び厚さは、所望の導電性及び光学的特性を得るために選択され得る。アノード115が透明である場合には、所望の導電性を提供するのに十分な厚さでありながら、所望の透明度を提供するのに十分な薄さである、特定の材料のための厚さの範囲が存在し得る。他の材料及び構造を使用することができる。
【0082】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に正孔輸送層125を含み得る。正孔輸送層125は、正孔を輸送することができる任意の材料を含み得る。正孔輸送層125は、溶解法によって、又は真空蒸着法によって堆積され得る。正孔輸送層125は、ドープされていても、ドープされていなくてもよい。ドープは、導電性を強化するために使用することができる。
【0083】
ドープされていない正孔輸送層の例は、N,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPD)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(4,4’-(N-(4-sec-ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](ポリ-TPD)、ポリ(9-ビニルカルバゾール)(PVK)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、スピロ-OMeTAD、及び酸化モリブデン(MoO3)である。ドープされた正孔輸送層の一例は、F4-TCNQを50:1のモル比でドープした4,4’,4’-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(m-MTDATA)である。溶解処理された正孔輸送層の一例は、PEDOT:PSSである。他の正孔輸送層及び構造を使用することができる。
【0084】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に発光層135を含み得る。発光層135は、電流がアノード115とカソード155との間を通過するときに発光することができる、任意の材料を含み得る。
【0085】
蛍光有機発光材料のいくつかの例は、欧州特許第0423283(B1)号に記載されている。リン光有機発光材料のいくつかの例は、米国特許第6303238(B1)号及び米国特許第7279704(B2)号に記載されている。TADF機構を通して発光する有機発光材料のいくつかの例は、Uoyama et al.に記載されている。
【0086】
量子ドット発光材料のいくつかの例は、Kathirgamanathan et al.に記載されている。これらの引用の全ては、その全体が参照により本明細書に含まれている。
【0087】
ペロブスカイト発光材料の例には、メチルアンモニウムヨウ化鉛(CH3NH3PbI3)、メチルアンモニウム臭化鉛(CH3NH3PbBr3)、メチルアンモニウムリード塩化物(CH3NH3PbCl3)、ホルムアミジニウムヨウ化鉛(CH(NH22PbI3)、ホルムアミジリードブロマイド(CH(NH22PbBr3)、ホルムアミジニウム塩化鉛(CH(NH22PbCl3)、ヨウ化セシウム鉛(CsPbI3)、臭化セシウム鉛(CsPbBr3)、及び塩化セシウム鉛(CsPbCl3)などの、3Dペロブスカイト材料が含まれる。ペロブスカイト発光材料の例には、CH3NH3PbI3-xClx、CH3NH3PbI3-xBrx、CH3NH3PbCl3-xBrx、CH(NH22PbI3-xBrx、CH(NH22PbI3-xClx、CH(NH22PbCl3-xBrx、CsPbI3-xClx、CsPbI3-xBrx、及びCsPbCl3-xBrxなどの、混合ハロゲン化物を用いた3Dペロブスカイト材料が更に含まれ、式中、xは0~3の範囲内である。ペロブスカイト発光材料の例には、(C107CH2NH32PbI4、(C107CH2NH32PbBr4、(C107CH2NH32PbCl4、(C6524NH32PbI4、(C6524NH32PbBr4及び(C6524NH32PbCl4などの2Dペロブスカイト材料、(C107CH2NH32PbI4-xClx、(C107CH2NH32PbI4-xBrx、(C107CH2NH32PbCl4-xBrx、(C6524NH32PbI4-xClx、(C6524NH32PbI4-xBrx及び(C6524NH32PbCl4-xBrxなどの混合ハロゲン化物を用いた2Dペロブスカイト材料が更に含まれ、式中、xは0~4の範囲内である。ペロブスカイト発光材料の例には、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbI4、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbBr4、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbCl4、(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbI4、(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbBr4、及び(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbCl4などの準2Dペロブスカイト材料が更に含まれ、式中、nは層の数であり、任意選択的に、nは約2~10の範囲内であってもよい。ペロブスカイト発光材料の例には、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbI4-xClx、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbI4-xBrx、(C6524NH32(CH(NH22PbBr3n-1PbCl4-xBrx、(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbI4-xClx、(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbI4-xBrx及び(C107CH2NH32(CH3NH3PbI2Br)n-1PbCl4-xBrxなどの混合ハロゲン化物を用いた準2Dペロブスカイト材料が更に含まれ、式中、nは層の数であり、任意選択的に、nは約2~10の範囲内であってもよく、xは0~4の範囲内である。ペロブスカイト発光材料の例には、前述の例のいずれかが更に含まれ、二価金属カチオン鉛(Pb+)は、スズ(Sn+)、銅(Cu+)、又はユーロピウム(Eu+)で置換されてもよい。ペロブスカイト発光材料の例には、準2Dペロブスカイト材料に非常に似た構造を有するペロブスカイト発光ナノ結晶が更に含まれる。
【0088】
ペロブスカイト発光材料としては、ヨウ化メチルアンモニウム鉛(CH3NH3PbI3)、臭化メチルアンモニウム鉛(CH3NH3PbBr3)、塩化メチルアンモニウム鉛(CH3NH3PbCl3)などの、有機金属ハロゲンペロブスカイト材料が含まれてもよく、ここで、材料は有機カチオンを含む。ペロブスカイト発光材料は、ヨウ化セシウム鉛(CsPbI3)、臭化セシウム鉛(CsPbBr3)、及び塩化セシウム鉛(CsPbCl3)などの無機金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料を含んでいてもよく、ここで、材料は無機カチオンを含む。更に、ペロブスカイト発光材料は、有機及び無機カチオンの組み合わせが存在するペロブスカイト発光材料を含み得る。有機又は無機カチオンの選択は、所望の発光色、エレクトロルミネッセンスの効率、エレクトロルミネッセンスの安定性、及び処理の容易さを含むいくつかの要因によって決定され得る。無機金属ハロゲン化物ペロブスカイト材料は、図5に描写されるようなナノ結晶構造を有するペロブスカイト発光材料に特によく適していてもよく、無機カチオンは、コンパクトで安定したペロブスカイト発光ナノ結晶構造を可能にし得る。
【0089】
ペロブスカイト発光材料は、種々の方法で発光層135に含まれ得る。例えば、発光層は、2Dペロブスカイト発光材料、準2Dペロブスカイト発光材料又は3Dペロブスカイト発光材料、若しくはそれらの組み合わせを含み得る。任意選択的に、発光層は、ペロブスカイト発光ナノ結晶を含み得る。任意選択的に、発光層135は、準2Dペロブスカイト発光材料のアンサンブルを含んでもよく、ここで、アンサンブル中の準2Dペロブスカイト発光材料は、異なる数の層を含んでいてもよい。準2Dペロブスカイト発光材料のアンサンブルは、層数が少なくエネルギーバンドギャップが大きい準2Dペロブスカイト発光材料から、層数が多くエネルギーバンドギャップが小さい準2Dペロブスカイト発光材料へのエネルギー移動があってもよいため、好ましい場合がある。このエネルギーファンネルは、PeLEDデバイス内の励起子を効率的に閉じ込めることができ、デバイスの性能を改善させることができる。任意選択的に、発光層135は、ペロブスカイト発光ナノ結晶材料を含み得る。ペロブスカイト発光ナノ結晶材料は、ナノ結晶境界を使用してPeLEDデバイスに励起子を閉じ込めることができ、表面カチオンを使用してナノ結晶境界を不動態化することができるので、好ましい場合がある。この励起子の閉じ込め及び表面の不動態化により、デバイスの性能が改善する可能性がある。他の発光層材料及び構造を使用することができる。
【0090】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、電子輸送層145を含み得る。電子輸送層145は、電子を輸送することができる任意の材料を含み得る。電子輸送層145は、溶解法によって、又は真空蒸着法によって蒸着され得る。電子輸送層145は、ドープされていても、ドープされていなくてもよい。ドープは、導電性を強化するために使用することができる。
【0091】
ドープされていない電子輸送層の例は、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)、2,2’,2”-(1,3,5-ベンジントリイル)-トリス(1-フェニル-1-H-ベンズイミダゾール)(TPBi)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、酸化亜鉛(ZnO)、及び二酸化チタン(TiO3)である。ドープされた電子輸送層の一例は、リチウム(Li)をモル比1:1でドープした4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BPhen)である。溶解処理された電子輸送層の一例は、[6,6]-フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)である。他の電子輸送層及び構造を使用することができる。
【0092】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、カソード155を含み得る。カソード155は、カソード155が電子を伝導してデバイスの層内に注入することができるように、当技術分野で知られている任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好ましいカソード155材料には、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)及びフッ素スズ酸化物(FTO)などの金属酸化物、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)及びイッテルビウム(Yb)などの金属、又はそれらの組み合わせが含まれる。他の好ましいカソード155材料には、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-ネオジム(Al:Nd)、金(Au)及びそれらの合金などの金属、又はそれらの組み合わせが含まれる。いくつかのデバイスからは、単層において1つ以上のカソード材料を含む複合カソードが好ましい場合がある。複合カソードの一例は、Mg:Agである。いくつかのデバイスでは、1つ以上の層において1つ以上のカソード材料を含む多層アノードが好ましい場合がある。多層カソードの一例は、Ba/Alである。OLED、QLED及びPeLEDのための標準的なデバイスアーキテクチャでは、カソード155は、デバイスの上部から光が発せられる上部発光デバイスを創出するために十分に透明であり得る。標準的なデバイスアーキテクチャにおいて共通して使用される透明カソードの一例は、Mg:Agの化合物層である。Mg:Agの化合物を使用することにより、カソードは、部分的に反射性であるだけでなく、透明であってもよい。このような透明で部分的に反射性のカソードを、Agの厚さがおよそ80nm超であるITO/Ag/ITOなどの反射アノードと組み合わせて使用すると、デバイス内にマイクロキャビティを創出させるという利点を有することができる。カソード155は、不透明及び/又は反射性であり得る。OLED、QLED及びPeLEDのための標準的なデバイスアーキテクチャでは、デバイスの底部から基板を通して発せられる光の量を増加させるために、いくつかの底部発光デバイスに反射カソード155が好ましい場合がある。標準的なデバイスアーキテクチャにおいて一般的に使用される反射カソードの一例は、LiF/Alの多層カソードである。このような反射カソードを、Agの厚さがおよそ25nm未満であるITO/Ag/ITOなどの透明で部分的に反射性のアノードと組み合わせて使用すると、デバイス内にマイクロキャビティを創出させるという利点を有することができる。
【0093】
カソード155の材料及び厚さは、所望の導電性及び光学的特性を得るために選択され得る。カソード155が透明である場合には、所望の導電性を提供するのに十分な厚さでありながら、所望の透明度を提供するのに十分な薄さである、特定の材料のための厚さの範囲が存在してもよい。他の材料及び構造を使用することができる。
【0094】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、1つ以上の遮断層を含み得る。遮断層を使用して、発光層を出る電荷キャリア(電子又は正孔)及び/又は励起子の数を減らすことができる。電子遮断層130を発光層135と正孔輸送層125との間に配設して、発光層135から正孔輸送層125の方向に出ていく電子を遮断することができる。同様に、正孔遮断層140を発光層135と電子輸送層145との間に配設して、発光層135から電子輸送層145の方向に出ていく正孔を遮断することができる。遮断層はまた、発光層から拡散する励起子を遮断するために使用され得る。本明細書で使用されるように、かつ当業者によって理解されるように、「遮断層」という用語は、層が電荷キャリア及び/又は励起子の輸送を著しく阻害するバリアを提供することを意味し、層が電荷キャリア及び/又は励起子を完全に遮断することを示唆するものではない。デバイス内のそのような遮断層の存在は、遮断層を欠く同様のデバイスと比較して、実質的により高い効率をもたらす可能性がある。遮断層を使用して、発光をデバイスの所望の領域に限定することもできる。
【0095】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、1つ以上の注入層を含み得る。一般に、注入層は、電極などの1つの層から隣接する層への電荷キャリアの注入を改善することができる1つ以上の材料から構成される。注入層はまた、電荷輸送機能を果たしてもよい。
【0096】
デバイス100では、正孔注入層120は、アノード115から正孔輸送層125内への正孔の注入を改善する任意の層であり得る。正孔注入層として使用できる材料の例は、蒸着することができる銅(II)フタロシアニン(CuPc)及び1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(HATCN)及びPEDOT:PSSなどのポリマーがあり、これは溶液から堆積することができる。正孔注入層として使用できる材料の別の例は、酸化モリブデン(MoO3)である。
【0097】
正孔注入層(hole injection layer、HIL)120は、本明細書に記載の相対IPエネルギーによって定義されるように、HILの一方の側に隣接するアノード層と、HILの反対側に隣接する正孔輸送層とに、有利に適合するHOMOエネルギー準位を有する電荷搬送成分を含んでいてもよい。「電荷搬送成分」は、実際に正孔を輸送するHOMOエネルギー準位を担う材料である。この材料は、HILの基材であってもよいか、又はドーパントであってもよい。ドープされたHILを使用することにより、ドーパントをその電気的特性に合わせて選択することができ、ホストを形態学的特性、例えば堆積のしやすさ、濡れ性、柔軟性、及び靭性などに合わせて選択することができる。HIL材料の好ましい特性は、正孔がアノードからHIL材料に効率的に注入され得るようなものである。HIL120の電荷搬送成分は、好ましくは、アノード材料のIPを超える約0.5eV以下のIPを有する。同様の条件は、正孔が注入されているいずれの層にも応用される。HIL材料は、そのようなHIL材料が、実質的に従来の正孔輸送材料の正孔伝導率未満の正孔伝導率を有し得るという点で、OLED、QLED又はPeLEDの正孔輸送層で通常使用される従来の正孔輸送材料とは更に区別される。本発明のHIL120の厚さは、アノードを平坦化し、効率的な正孔注入を可能にするのに十分な厚さであってもよいが、正孔の輸送を妨げないような薄さであってもよい。例えば、10nm程度のHILの厚さが許容され得る。しかしながら、一部のデバイスでは、最大50nmのHILの厚さが好ましい場合がある。
【0098】
デバイス100では、電子注入層150は、カソード155から電子輸送層145内への電子の注入を改善する任意の層であり得る。電子注入層として使用できる材料の例は、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化バリウム(BaF)、及びフッ化セシウム(CsF)などの無機塩、及び炭酸セシウム(CsCO3)である。電子注入層として使用できる材料の他の例は、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化チタン(TiO2)などの金属酸化物、並びにカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、及びイッテルビウム(Yb)などの金属である。他の材料又は材料の組み合わせを、注入層に使用することができる。特定のデバイスの構成に応じて、注入層は、デバイス100に示されているものとは異なる場所に配設され得る。
【0099】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、バリア層160を含み得る。バリア層160の1つの目的は、湿気、蒸気及び/又はガスを含む、環境中の損傷を与える種からデバイス層を保護することである。任意選択的に、バリア層160は、基板、電極又はエッジを含むデバイスの任意の他の部分の上、下又は隣に蒸着させることができる。任意選択的に、バリア層160は、ガラス又は金属などのバルク材料であり得、バルク材料は、基板、電極又はデバイスの任意の他の部分の上、下、隣に貼り付けることができる。任意選択的に、バリア層160をフィルム上に蒸着させることができ、フィルムを、基板、電極又はデバイスの任意の他の部分の上、下、隣に貼り付けることができる。バリア層160がフィルム上に蒸着される場合、好ましいフィルム材料は、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)及びポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)などのプラスチック、並びに金属箔を含む。バリア層160がバルク材料であるか、又はフィルム上に蒸着される場合、フィルム又はバルク材料をデバイスに貼り付けるために使用される好ましい材料には、熱又はUV硬化性接着剤、ホットメルト接着剤及び感圧接着剤が含まれる。
【0100】
バリア層160は、バルク材料であってもよいし、又はスパッタリング、真空熱蒸着、電子ビーム蒸着、並びにプラズマ化学気相成長法(plasma-enhanced chemical vapour deposition、PECVD)及び原子層成長法(atomic layer deposition、ALD)などの化学蒸着(chemical vapour deposition、CVD)技法を含む、様々な既知の蒸着技法によって形成されていてもよい。バリア層160は、単相を有する組成物、並びに複数の相を有する組成物を含み得る。任意の適切な材料又は材料の組み合わせを、バリア層160に使用することができる。バリア層160は、有機又は無機化合物、若しくはその両方を組み込むことができる。好ましい無機バリア層材料には、Al23などの酸化アルミニウム、SiO2などの酸化ケイ素、SiNxなどの窒化ケイ素、並びにガラス及び金属などのバルク材料が含まれる。好ましい有機バリア層材料には、ポリマーが含まれる。バリア層160は、単一の層又は複数の層を含み得る。いくつかのデバイスでは、1つ以上の層において1つ以上のバリア材料を含む多層バリアが好ましい場合がある。多層バリアの1つの好ましい例は、多層バリアSiNx/ポリマー/SiNxなどの、SiNx及びポリマーの交互の層を含むバリアである。
【0101】
図6は、2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス600を示している。発光デバイス600は、1つ以上のOLED、QLED又はPeLED発光ユニット、若しくはそれらの組み合わせを備え得る。デバイス600は、第1の電極610、第1の発光ユニット620、第1の電荷生成層630、第2の発光ユニット640及び第2の電極650を備え得る。第1の電極610は、外部電源E1に直接接続されてもよい。第2の電極650は、外部電源E2に直接接続されてもよい。第1の電荷生成層630は、外部電源E3に直接接続されてもよい。デバイス600は、順に記載された層を堆積することによって製作され得る。
【0102】
図8は、2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス800の層構造を描写している。発光デバイス800は、1つ以上のOLED、QLED又はPeLED発光ユニット、若しくはそれらの組み合わせを備え得る。デバイス800は、基板805、アノード810、第1の正孔注入層815、第1の正孔輸送層820、第1の発光層825、第1の正孔遮断層830、第1の電子輸送層835、第1の電荷生成層840、第2の正孔注入層845、第2の正孔輸送層850、第2の発光層855、第2の正孔遮断層860、第2の電子輸送層865、第1の電子注入層870及びカソード875を含み得る。第1の発光ユニット880は、第1の正孔注入層815、第1の正孔輸送層820、第1の発光層825、第1の正孔遮断層830及び第1の電子輸送層835を含み得る。第2の発光ユニット885は、第2の正孔注入層845、第2の正孔輸送層850、第2の発光層855、第2の正孔遮断層860、第2の電子輸送層865及び第1の電子注入層870を含み得る。デバイス800は、順に記載された層を堆積することによって製作され得る。
【0103】
図7は、3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス700を示している。発光デバイス700は、1つ以上のOLED、QLED又はPeLED発光ユニット、若しくはそれらの組み合わせを備え得る。デバイス700は、第1の電極710、第1の発光ユニット720、第1の電荷生成層730、第2の発光ユニット740、第2の電荷生成層750、第3の発光ユニット760及び第2の電極770を備え得る。第1の電極710は、外部電源E1に直接接続されてもよい。第2の電極770は、外部電源E2に直接接続されてもよい。第1の電荷生成層730は、外部電源E3に直接接続されてもよい。第2の電荷生成層750は、外部電源E4に接続されてもよい。デバイス700は、順に記載された層を堆積することによって製作され得る。
【0104】
図9は、3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス900の層構造を描写している。発光デバイス900は、1つ以上のOLED、QLED又はPeLED発光ユニット、若しくはそれらの組み合わせを備え得る。デバイス900は、基板905、アノード910、第1の正孔注入層915、第1の正孔輸送層920、第1の発光層925、第1の電子輸送層930、第1の電荷生成層935、第2の正孔輸送層940、第2の発光層945、第2の電子輸送層950、第2の電荷生成層955、第3の正孔輸送層960、第3の発光層965、第3の電子輸送層970、第1の電子注入層975及びカソード980を含み得る。第1の発光ユニット985は、第1の正孔注入層915、第1の正孔輸送層920、第1の発光層925及び第1の電子輸送層930を含み得る。第2の発光ユニット990は、第2の正孔輸送層940、第2の発光層945及び第2の電子輸送層950を含み得る。第3の発光ユニット995は、第3の正孔輸送層960、第3の発光層965、第3の電子輸送層970及び第1の電子注入層975を含み得る。デバイス900は、順に記載された層を堆積することによって製作され得る。
【0105】
図8及び図9に図示される単純な層状構造は、非限定的な例として提供され、本発明の実施形態は、多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記載されている特定の材料及び構造は、本質的に例示的なものであり、他の材料及び構造を使用することができる。機能性発光デバイスは、異なる方法で説明した様々な層を組み合わせることで実現されてもよく、あるいは性能、設計、及びコストなどの要因に基づいて、層を完全に省略してもよい。特に記載されていない他の層も含まれ得る。特に記載されているもの以外の材料を使用することができる。本明細書で提供される例の多くは、単一の材料を含むものとして様々な層を説明しているが、材料の組み合わせを使用できることが理解される。また、層は様々な副層を有していてもよい。本明細書の様々な層に付けられた名前は、厳密に限定することを意図するものではない。例えば、デバイスでは、電子輸送層は、電子を発光層に輸送することができ、また、正孔が発光層を出るのを遮断することができ、電子輸送層又は正孔遮断層として説明することができる。
【0106】
図6図7図8及び図9に描写されるように、積層型発光デバイスアーキテクチャは、(1)複数の発光ユニットからの光をデバイスの同じ表面面積内で組み合わせることができ、それによりデバイスの明るさを増加させることができるという利点、(2)複数の発光ユニットを、各発光ユニットを通過する実質的に同じ電流で電気的に直列に接続することができ、それにより、電流密度を大幅に増加させずに、デバイスを増加した明るさで動作させることを許容し、それにより、デバイスの動作寿命を延長することができるという利点、並びに(3)別々の発光ユニットから発せられた光を、別々に制御し、それにより、デバイスの明るさ及び/又は色を、用途の正確な必要性に従って調整することを許容することができるという利点のうちの1つ以上を提供することができる。
【0107】
概して、輝度(luminance、L)におけるOLED、QLED又はPeLEDの動作寿命(lifetime、LT)は、LT2=LT1×(L1/L2AFのように表すことができ、式中、LT1は(高)輝度L1におけるデバイスの測定寿命であり、LT2は(低)輝度L2における予測寿命であり、AFは加速係数である。高輝度での測定寿命を低輝度での予測寿命に変換するためのおおよその加速係数は、OLED、QLED及びPeLEDについてはおよそ1.5~2.0の範囲内にあると判定されている。
【0108】
2つの発光ユニットを備える積層型発光デバイスの場合、同じ総デバイス輝度に対して、各発光ユニットは、単一の発光ユニットを有する同等の発光デバイスに必要な輝度L1より2倍低い輝度L2で動作し得る。加速係数を2.0とすると、2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスの予想動作寿命は、単一の発光ユニットを有する同等の発光デバイスの予想動作寿命よりも22=4倍長くなる。更に、3つの発光ユニットを含む積層型発光デバイスの場合、同じ総デバイス輝度に対して、各発光ユニットは、単一の発光ユニットを有する同等の発光デバイスに必要な輝度L1より3倍低い輝度L2で動作し得る。加速係数を2.0とすると、3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイスの予想動作寿命は、単一の発光ユニットを有する同等の発光デバイスの予想寿命よりも32=9倍長くなる。
【0109】
有機発光材料を含む積層型発光デバイスの例は、Forrest et al.、Frobel et al.及びJung et al.の米国特許第5707745(B1)号に記載されている。これらの引用の全ては、その全体が参照することにより本明細書に含まれる。米国特許第5707745(B1)号は、多色積層型有機発光デバイスについて説明している。Forrest et al.及びFrobel et al.は、独立してアドレス指定可能な赤色、緑色及び青色の発光ユニットを備える積層型有機発光デバイスについて説明している。Jung et al.は、3つの発光ユニットを備える上部発光積層型有機発光デバイスについて説明しており、3つの発光ユニットからの光を組み合わせて、デバイスから白色光の発光を発生させることができる。
【0110】
このような積層型発光デバイスの性能上の利点はよく理解されている。しかしながら、現在まで、実質的に異なる色度の青色光を発する2つ以上の発光ユニットを備える積層型青色OLED、QLED又はPeLEDデバイスは実証されていない。したがって、本明細書で提示される新規なデバイスアーキテクチャは、既存の最新技術とは異なり、既存の最新技術を超える改善である。
【0111】
本発明は、ディスプレイ、光パネル及び他の光電子デバイスにおける用途のために、実質的に異なる色度を有する青色光を発する2つ以上の発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスアーキテクチャに関連する。任意選択的に、少なくとも1つの発光ユニットは、より深い青色光を発することができ、少なくとも1つの発光ユニットは、より明るい青色光を発することができる。任意選択的に、発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができる。任意選択的に、発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。
【0112】
そのような積層型青色発光デバイスは、OLEDディスプレイの赤色、緑色及び青色のサブピクセルに組み込まれてもよい。そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、比較的に飽和した青色光を発することを要求される場合、より深い青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より明るい青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができる。しかしながら、そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、比較的に不飽和の青色光を発することのみが要求される場合、より明るい青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より深い青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができる。光は、ディスプレイ画像の大部分をレンダリングするために、相対的により効率的な、かつ/又は安定したより明るい青色発光ユニットから発せられてもよく、相対的にあまり効率的でない、かつ/又はあまり安定していないより深い青色発光ユニットから発せられる光は、画像のほんの一部をレンダリングするためにのみ必要とされる。したがって、ディスプレイの効率及び/又は寿命を向上させることができる。更に、より明るい青色発光ユニットを単独で、又はより深い青色発光ユニットと組み合わせて使用して、赤色及び緑色サブピクセル内の赤色及び緑色変換層に光を提供することができる。
【0113】
任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、2つの発光層を含み得る。任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、3つの発光層を含み得る。任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、4つ以上の発光層を含み得る。
【0114】
任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、2つの発光層を含み得る。任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、3つの発光ユニットを含み得る。任意選択的に、本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、4つ以上の発光ユニットを含み得る。
【0115】
任意選択的に、発光ユニットは、発光層を含み得る。任意選択的に、発光ユニットは、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、正孔阻止層、電子輸送層、及び/又は電子注入層などの1つ以上の追加の層を更に含み得る。任意選択的に、これらの追加の層のいくつかは、発光ユニット内に含まれてもよく、これらの追加の層のいくつかは、除外されてもよい。
【0116】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、任意選択的に、1つ以上の電荷生成層を含み得る。任意選択的に、電荷生成層を使用して、積層型発光デバイス内の2つ以上の発光ユニットを分離することができる。図6に描写される積層型発光デバイス600は、第1の電荷生成層630を含み、これは、第1の発光ユニット620を第2の発光ユニット640から分離する。図7に描写される積層型発光デバイス700は、第1の電荷生成層730を含み、これは、第1の発光ユニット720を第2の発光ユニット740から分離する。図7に描写される積層型発光デバイス700は、第2の電荷生成層750を更に含み、これは、第2の発光ユニット740を第3の発光ユニット760から分離する。
【0117】
電荷生成層630、730又は750は、単一の層又は複数の層を含み得る。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、電子を注入するためのnドープ層及び正孔を注入するためのpドープ層を含み得る。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、正孔注入層(HIL)を含み得る。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750のpドープ層は、正孔注入層(HIL)として機能することができる。図9は、3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス900を描写し、第1の電荷生成層935は、正孔注入層(図示せず)を含み、第2の電荷生成層955は、正孔注入層(図示せず)を含む。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750を、別個の正孔注入層に隣接、かつ接触して位置決めすることができる。図8は、2つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス800を描写し、第1の電荷生成層840は、第2の正孔注入層845に隣接し、かつ接触している。
【0118】
任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、電子注入層(electron injection layer、EIL)を含み得る。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750のnドープ層は、電子注入層(EIL)として機能することができる。図9は、3つの発光ユニットを有する積層型発光デバイス900を描写し、第1の電荷生成層935は、電子注入層(図示せず)を含み、第2の電荷生成層955は、電子注入層(図示せず)を含む。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750を、別個の電子注入層に隣接、かつ接触して位置決めすることができる。
【0119】
任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、電子を伝導し、かつ/又はそれらをデバイスの層内に注入するための層を含み得る。そのような層は、層が正孔を伝導し、かつ/又はそれらをデバイスの層内に注入することができるように、当技術分野で知られているいずれかの適切な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。そのような層は、アノード層と呼ぶことができる。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、電子を伝導し、かつ/又はそれらをデバイスの層内に注入するための層を含み得る。そのような層は、層が正孔を伝導し、かつ/又はそれらをデバイスの層内に注入することができるように、当技術分野で知られているいずれかの適切な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。そのような層は、カソード層と呼ぶことができる。任意選択的に、電荷生成層630、730又は750は、互いに電気的に接続されたアノード層及びカソード層を含むことができる。
【0120】
電荷生成層630、730又は750は、溶解法によって、又は真空蒸着法によって堆積され得る。電荷生成層630、730又は750は、電子及び正孔の注入を可能にする任意の適用可能な材料から構成され得る。電荷生成層630、730又は750は、ドープされていても、ドープされていなくてもよい。ドープは、導電性を強化するために使用することができる。
【0121】
蒸気法の電荷生成層の一例は、電子注入用のn-ドープ層としてリチウムドープBPhen(Li-BPhen)を、正孔注入用のp-ドープ層として1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(HATCN)と組み合わせて構成される二層構造である。溶解法の電荷生成層の一例は、電子注入用のnドープ層としてポリエチレニミン(PEI)表面改質酸化亜鉛(ZnO)と、正孔注入用のpドープ層として酸化モリブデン(MoO3)又は三酸化タングステン(WO3)と組み合わせて構成される二層構造である。他の材料又は材料の組み合わせを、電荷生成層に使用することができる。特定のデバイスの構成に応じて、電荷生成層は、デバイス800及びデバイス900に示されているものとは異なる場所において配設され得る。
【0122】
任意選択的に、積層型発光デバイス内の1つ以上の電荷生成層は、1つ以上の外部電源に直接接続され得る。任意選択的に、積層型発光の1つ以上の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができる。1つ以上の電荷生成層を1つ以上の外部電源に接続することは、積層型発光デバイスの別々の発光ユニットからの発光を、適用のニーズに応じて選択し、個別に制御することができるという点で有利であり得る。本発明では、1つ以上の電荷生成層を1つ以上の外部電源に接続することにより、積層型発光デバイスからの青色光の色度を制御することが許容され得る。
【0123】
特に指定されない限り、様々な実施形態の層のうちのいずれか1つは、いずれかの適切な方法で堆積されてもよい。方法には、真空熱蒸着、スパッタリング、電子ビーム物理蒸着、有機気相蒸着、及び有機蒸気ジェット印刷が含まれる。他の適切な方法には、スピンコーティング及び他の溶液ベースの処理が含まれる。実質的に同様の処理を使用して、OLED、QLED及びPeLEDデバイスにおいて使用される材料を堆積することができ、これにより、これらの材料を発光デバイス内で組み合わせることが容易になる。
【0124】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、広範囲の消費者製品に組み込むことができる。任意選択的に、デバイスは、テレビ、コンピュータモニタ、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオレコーダ、スマートウォッチ、フィットネストラッカ、パーソナルデジタルアシスタント、車両ディスプレイ、及び他の電子デバイスのディスプレイに使用することができる。任意選択的に、デバイスは、イクロディスプレイ又はヘッドアップディスプレイに使用することができる。任意選択的に、デバイスは、内部又は外部の照明及び/又は信号伝達のための光パネル、スマートパッケージ、又は看板で使用されてもよい。
【0125】
任意選択的に、パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスアドレススキームを含む、本発明に従って製作された発光デバイスを制御するために、様々な制御メカニズムを使用することができる。
【0126】
本明細書に記載の材料及び構造は、発光デバイス以外のデバイスにおいても応用があり得る。例えば、太陽電池、光検出器、トランジスタ、又はレーザなどの他の光電子デバイスは、材料及び構造を採用してもよい。
【0127】
本発明は、ディスプレイ、光パネル及び他の光電子デバイスなどのデバイスにおける用途のための新規発光デバイスアーキテクチャに関し、特に、実質的に異なる色度を有する青色光を発する2つ以上の発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスに関する。
【0128】
デバイスが提供される。デバイスは、2つの発光ユニットを有する例示的な積層型発光デバイスを描写する、図6の配置600を参照して理解することができる。一実施形態では、デバイスは、積層型青色発光デバイス600であって、第1の電極610、第2の電極650、第1の発光層(図示せず)を備える第1の発光ユニット620、第2の発光層(図示せず)を備える第2の発光ユニット640、及び第1の電荷生成層630を備える、積層型青色発光デバイス600を含み、第1の発光ユニット620、第2の発光ユニット640及び第1の電荷生成層630は全て、第1の電極610と第2の電極650との間に配設され、第1の発光ユニット620は、第1の電極610の上に配設され、第1の電荷生成層630は、第1の発光ユニット620の上に配設され、第2の発光ユニット640は、第1の電荷生成層630の上に配設され、第2の電極650は、第2の発光ユニット640の上に配設され、第1の発光ユニット620は、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニット620は、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニット640は、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニット640は、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0129】
本明細書で使用される場合、「赤色」、「緑色」及び「青色」は、発光材料、発光層、発光ユニット、領域又はデバイスによって発せられる光が、赤色、緑色及び青色の色相と同様であるか又は異なるものとして説明され得る程度を指す。材料、層、領域、ユニット及びデバイスは、それらが発する光の色相を参照して、本明細書で説明することができる。本明細書で使用される場合、赤色の材料、層、領域、ユニット又はデバイスは、580nm~780nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する発光スペクトルを有する赤色の色相を有する光を発するものを指し、緑色の材料、層、領域、ユニット又はデバイスは、500nm~580nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する発光スペクトルを有する緑色の色相を有する光を発するものを指し、青色の材料、層、領域、ユニット又はデバイスは、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する発光スペクトルを有する青色の色相を有する光を発するものを指す。
【0130】
同様に、色変更層への何らかの言及は、光の別の色相を、その色相に指定された波長を有する光に変換又は修正する層を指す。概して、色変更層には2つのクラス、不要な光の波長を除去することによってスペクトルを修正するカラーフィルタと、より高いエネルギーの光子をより低いエネルギーの光子に変換する色変換層とがある。赤色カラーフィルタは、580nm~780nmの範囲にピーク波長を有する発光スペクトルを有する光をもたらすフィルタを指す。緑色カラーフィルタは、500nm~580nmの範囲にピーク波長を有する発光スペクトルを有する光をもたらすフィルタを指す。青色カラーフィルタは、380nm~500nmの範囲にピーク波長を有する発光スペクトルを有する光をもたらすフィルタを指す。赤色変換層は、580nm~780nmの範囲にピーク波長を有する発光スペクトルを有する光をもたらす変換層を指す。緑色変換層は、500nm~580nmの範囲にピーク波長を有する発光スペクトルを有する光をもたらす変換層を指す。図19は、白色スペクトルを修正する赤色1985、緑色1990及び青色1995のカラーフィルタを備える例示的なRGBW OLEDディスプレイの配置1900を描写する。図20は、青色光の光子を赤色光及び緑色光の光子に変換する赤色2050及び緑色2060の色変換層を備える例示的なQD-OLEDディスプレイの配置2000を描写する。
【0131】
本明細書で使用される場合、材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光は、本明細書では、「深い」若しくは「より深い」、又は「明るい」若しくは「より明るい」と称されてもよく、これは、光の相対的な飽和を指す。一実施形態では、本明細書で使用される場合、「深い青色」光は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を指し、「明るい青色」光は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を指す。一実施形態では、本明細書で使用される場合、「より深い」青色光は、相対的により短いピーク波長を有する青色光を指し、「より明るい」青色光は、相対的により長いピーク波長を有する青色光を指す。
【0132】
色度とは、輝度に関係なく、色の品質の客観的仕様を指す。本明細書で使用するとき、光の「色度」は、CIE1931XYZ色空間を描写するCIE1931(x,y)色度図を使用して、視覚化及び定量化することができる。材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光の色度は、CIE1931(x,y)色度図上のそのCIE1931(x,y)座標によって定量化することができる。
【0133】
本明細書で使用される場合、材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光は、発せられた光が平均的な人間の目に対して著しく異なる場合、「実質的に異なる」色度を有すると見なされ得る。本明細書で使用される場合、材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光は、発せられた光が平均的な人間の目では区別できない場合、「実質的に同じ」色度を有すると見なされ得る。
【0134】
光の色度及び色度の差を定量化する1つの好適な技法は、マクアダム楕円を使用することである。これは、CIE1931(x,y)色空間色度図上に重ね合わされたマクアダム楕円を描写する図13を参照して視覚化することができる。CIE1931(x,y)色空間色度図内で、1ステップマクアダム楕円は、平均的な人間の目では楕円の中心の色度座標と区別できない全ての色度座標を包含する。すなわち、平均的な人間の目には、1ステップ楕円の外側の色度座標を有する任意の光は、楕円の中心における色度とは色度が著しく異なる。公差は、楕円を拡張することで導入することができる。例えば、2ステップマクアダム楕円は、1ステップ楕円の2倍の大きさの軸を有し、10ステップマクアダム楕円は、1ステップ楕円の10倍の大きさの軸を有する。図13に描写するマクアダム楕円は、全て10ステップマクアダム楕円である。
【0135】
一実施形態では、第2の発光ユニット640から発せられた光について測定された第2の色度座標(x2,y2)は、第1の発光ユニット620から発せられた光について測定された第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第2の発光ユニット640から発せられた光について測定された第2の色度座標(x2,y2)は、第1の発光ユニット620から発せられた光について測定された第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない。
【0136】
材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光の色度の差を特徴付けるための1つの更なる適切な技法は、CIE1976(u’,v’)色度座標における絶対差を定量化することである。CIE1931(x,y)色空間と異なり、CIE1976(u’,v’)色空間では、距離が色の知覚される差にほぼ比例するため、CIE1976(u’,v’)色空間はCIE1931(x,y)色空間を優先して使用される。色空間の間の変換は簡単であり、u’=4x/(-2x+12y+3)及びv’=9y/(-2x+12y+3)である。色度の差は、Δuv=√(Δu’2+Δv’2)=√((u1-u2)2+(v1-v2)2として定量化することができ、これは、第2の色度座標(u2,v2)からの第1の色度座標(u1,v1)のCIE1976(u’,v’)色空間における距離である。本明細書で使用される場合、第1の色度座標(u1,v1)を有する第1の材料、領域、ユニット又はデバイスから発せられる光は、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上である場合、第2の色度座標(u2,v2)を有する第2の材料、領域、ユニット又はデバイスから発せられる光と実質的に異なる色度を有すると見なすことができる。一実施形態では、第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)は、CIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)は、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、第1の青色発光層620から発せられた光の第1の色度座標(u1,v1)、及び第2の青色発光層640から発せられた光の第2の色度座標(u2,v2)は、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる。
【0137】
材料、層、ユニット、領域又はデバイスから発せられる光の色度の差を特徴付けるための1つの更なる適切な技法は、発光スペクトルを測定し、かつピーク発光波長を比較することである。一実施形態では、第2の発光ユニット640から発せられる光の第2のピーク波長は、第1の発光ユニット620から発せられる光の第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい。
【0138】
提案された新規デバイスアーキテクチャは、OLED、QLED及びPeLEDディスプレイに理想的に適している。有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を、積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット620の第1の発光層及び第2の発光ユニット640の第2の発光層に含めることの1つ以上の利点は、表1及び図12に示すデータを使用して実証することができる。表1及び図12のデータはまた、積層型青色発光デバイスにおいて異なる種類の発光材料を含む発光層を組み合わせることの1つ以上の利点を実証するために使用することができる。
【0139】
表1は、単一発光ユニットの青色のOLED、QLED及びPeLEDデバイスのCIE1931(x,y)色座標を示している。表1には、DCI-P3及びRec.2020色域標準、並びに市販のOLEDディスプレイのCIE1931(x,y)色座標も含まれている。一般に、青色光の場合、より低いCIEy値は、より深い発光に対応する。これは、図12を参照すると理解することができ、この図は、明るい青色のOLED(四角形)、深い青色のOLED(五角形)、深い青色のQLED(三角形)及び深い青色のPeLED(丸)についての表1からのデータ、並びに市販のOLEDディスプレイ(星形)及びDCI-P3色域の原色のデータを図12aに、Rec.2020色域のデータを図12bに描写している。
【0140】
【表1】
【0141】
表1の単一発光ユニットOLED、QLED及びPeLEDデバイスについて報告されているCIE1931(x,y)色座標データは、例示である。市販のOLEDデータは、DCI-P3の色域を完全にサポートするApple iPhone Xから取得されている。このデータセットは、DisplayMate Technologies Corporation(Soneiraら)のRaymond Soneiraから入手可能である。他のデータは、査読済み科学雑誌の選択から取得され、明るい青色OLEDデータはZanoni et al.から取得、深い青色QLEDデータはTakita et al.から取得、深い青色OLEDデータはWang et al.から取得、深い青色PeLEDデータはKumar et al.から取得したものである。これらのソースからのデータは、例として使用され、非限定的であると見なされるべきである。他の査読済み科学雑誌からのデータ、実験デバイスから収集されたシミュレーションデータ及び/又は実験データも、主張されたデバイスアーキテクチャの前述の利点を実証するために使用され得る。
【0142】
提示された色度データは、発光スペクトルを参照して更に理解することができる。図14は、表1に要約された単一発光ユニットの青色OLEDについての例示的な正規化エレクトロルミネセンス発光スペクトルを描写している。破線を使用して描写されるスペクトルは、470nmに発光ピークを有する明るい青色光を発するOLEDのスペクトルに対応する。実線を使用して描写されるスペクトルは、451nmに発光ピークを有する深い青色光を発するOLEDのスペクトルに対応する。理解を容易にするために、発光スペクトルの形状を釣鐘曲線に簡略化していることに留意されたい。図14では例としてOLEDが使用されているが、同じ原理をQLED及びPeLEDに適用することもできる。
【0143】
555nmにおける明所視発光効率関数のピークのより近くに位置するピークを有する発光スペクトルは、一般に、明所視発光効率関数とのより大きな重なりを有する。図14は、明るい青色の発光スペクトルが、それぞれの深い青色の発光スペクトルよりも、明所視発光効率関数とより大きな重なりを有することを示す。これは、明るい青色光が、深い青色光よりも、同じ明るさを知覚するために必要な写真の枚数が少なくなることを意味する。したがって、明るい青色光を発する発光ユニットは、深い青色光を発する発光ユニットよりも高い効率を有し得る。
【0144】
したがって、実質的に異なる色度のより明るく、かつより深い青色の発光ユニットを備える本発明の積層型青色発光デバイスは、ディスプレイなどのデバイスが改善された効率で動作することを可能にすることができる。これは、より効率の良い青色の発光ユニットを大部分の画像のレンダリングに使用することができ、効率の悪い深い青色の発光ユニットは、拡大色域が要求される少数の画像のレンダリングにのみ使用されるためである。日々使用されるディスプレイでレンダリングされる画像の大半は拡大色域を必要としないため、省エネ効果は絶大である。
【0145】
そのような積層型青色発光デバイスを実証するために、2つ以上の発光ユニットは、それらが互いに独立して光を発することができるように、独立してアドレス指定可能である必要がある。一実施形態では、第1の発光ユニット620及び第2の発光ユニット640は、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。図6に描写されるように、これは、1つ以上の電荷生成層630が外部電源に直接接続される場合に達成され得る。
【0146】
一実施形態では、図6の配置600に描写されるように、第1の電極610は外部電源E1に直接接続され、第2の電極650は外部電源E2に直接接続され、第1の電荷生成層630は外部電源E3に直接接続される。標準的なデバイスアーキテクチャでは、E1をE3に対して正の電位にすることで、又は逆デバイスアーキテクチャではE1をE3に対して負の電位にすることで、第1の発光ユニットを独立してアドレス指定することができる。標準的なデバイスアーキテクチャでは、E3をE2に対して正の電位にすることで、又は逆デバイスアーキテクチャではE3をE2に対して負の電位にすることで、第2の発光ユニットを独立してアドレス指定することができる。
【0147】
一実施形態において、デバイスは、少なくとも2つの青色発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスを含む。図15は、2つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスの発光ユニットの様々な構成を描写する。各構成において、積層型青色発光デバイスは、第1の電極610と、第1の青色発光層(図示せず)を備える第1の青色発光ユニット620と、第1の電荷生成層630と、第2の青色発光層(図示せず)を備える第2の青色発光ユニット640と、第2の電極650と、を備える。第1の青色発光ユニット620、第1の電荷生成層630及び第2の青色発光ユニット640は全て、第1の電極610と第2の電極650との間に配設される。第1の青色発光ユニット620は、第1の電極610の上に配設される。第1の電荷生成層630は、第1の青色発光ユニット620の上に配設される。第2の青色発光ユニット640は、第1の電荷生成層630の上に配設される。第2の電極650は、第2の青色発光ユニット640の上に配設される。各構成では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は各々、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0148】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット620は青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット640は青色光を発することができる。一実施形態では、第1の青色発光ユニット620及び第2の青色発光ユニット640は両方とも、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、図15aのデバイス1510によって描写されるように、第1の青色発光ユニット620は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット640は、より深い青色光を発することができる。一実施形態では、図15bのデバイス1520によって描写されるように、第1の青色発光ユニット620は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット640は、より明るい青色光を発することができる。
【0149】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット620は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット640は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット620は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット640は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。一実施形態では、第2の青色発光ユニット640は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の青色発光ユニット620は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第2の青色発光ユニット640は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、青色の第1の発光ユニット620は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0150】
そのような例示的な実施形態は全て、表1に記載されている明るい青色OLED、深い青色OLED、深い青色QLED及び/又は深い青色PeLEDデバイスからの発光材料の任意の好適な組み合わせを使用して実現され得る。
【0151】
一実施形態では、第1の発光ユニット620及び第2の発光ユニット640は、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0152】
有機発光材料、量子ドット発光材料及びペロブスカイト発光材料の固有の特性は、本明細書で開示する積層型青色発光デバイスアーキテクチャに十分に適するようにこれらの材料をレンダリングする。これらの特性には、可視スペクトル、紫外スペクトル及び赤外スペクトルにわたって容易に調整可能な光学バンドギャップ、広い色域でディスプレイを可能にする高い彩度、優れた電荷輸送特性及び低い無放射率が含まれる。
【0153】
1つの好ましい実施形態では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む。
【0154】
一実施形態では、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、リン光有機発光材料を含み、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、蛍光有機発光材料を含む。1つの好ましい実施形態では、第1の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む明るい青色発光層であり、第2の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む深い青色発光層である。1つの好ましい実施形態では、第1の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む深い青色発光層であり、第2の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む明るい青色発光層である。そのような積層型青色発光デバイスアーキテクチャは、より効率的であるが安定性が低いリン光有機材料が、明るい青色をレンダリングするために明るい青色光を発することができ、一方、あまり効率的でないが安定性が高い蛍光有機材料が、深い青色をレンダリングするために深い青色光を発することができるため、有利であり得る。
【0155】
一実施形態では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、量子ドット発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、ペロブスカイト発光材料を含む。
【0156】
一実施形態では、第1の青色発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの青色発光材料を含み、第2の青色発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの青色発光材料を含み、第2のクラスの青色発光材料は、第1のクラスの青色発光材料と同じではない。1つの好ましい実施形態では、第1の青色発光層は有機発光材料を含み、第2の青色発光層は量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0157】
一実施形態では、有機発光材料を含む第1の青色発光ユニット620を、有機発光材料を含む第2の青色発光ユニット640と組み合わせることによって、DCI-P3又はRec.2020色域の青色の原色をレンダリングすることができる積層型発光デバイスを実証することができる。一実施形態では、有機発光材料を含む第1の発光ユニット620を、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む第2の発光ユニット640と組み合わせることによって、DCI-P3又はRec.2020色域の青色の原色をレンダリングすることができる積層型青色発光デバイスを実証することができる。そのようなデバイスは、ディスプレイの1つ以上のサブピクセルに実装された場合、ディスプレイは、日常生活で経験されるより広い範囲の色をレンダリングし、それによって機能性及びユーザ体験を改善することができるという点で有利であり得る。そのようなデバイスは、改善された効率、より高い明るさ、改善された動作寿命、より低い電圧及び/又は低減されたコストなどの更なる利点をディスプレイに提供できるという点で、更に有利であり得る。
【0158】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット620が、1つ、かつ1つ以下の発光層を含む。一実施形態では、第1の青色発光ユニット620が、2つ以上の発光層を含む。一実施形態では、第2の青色発光ユニット640が、1つ、かつ1つ以下の発光層を含む。一実施形態では、第2の青色発光ユニット640は、2つ以上の発光層を含む。一実施形態では、第1の発光層が、1つ、かつ1つ以下の発光材料含む。一実施形態では、第1の発光層が、2つ以上の発光材料含む。一実施形態では、第2の発光層が、1つ、かつ1つ以下の発光材料含む。一実施形態では、第2の発光層が、2つ以上の発光材料含む。
【0159】
本発明は、3つの発光ユニットを有する例示的な積層型発光デバイスを描写する、図7の配置700を参照して更に理解することができる。一実施形態では、デバイスは、積層型青色発光デバイス700であって、第1の電極710、第2の電極770、第1の発光層(図示せず)を備える第1の発光ユニット720、第2の発光層(図示せず)を備える第2の発光ユニット740、及び第1の電荷生成層730を備える、積層型青色発光デバイス700を含み、第1の発光ユニット720、第2の発光ユニット740及び第1の電荷生成層730は全て、第1の電極710と第2の電極770との間に配設され、第1の発光ユニット720は、第1の電極710の上に配設され、第1の電荷生成層730は、第1の発光ユニット720の上に配設され、第2の発光ユニット740は、第1の電荷生成層730の上に配設され、第2の電極770は、第2の発光ユニット740の上に配設され、第1の発光ユニット720は、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニット720は、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニット740は、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニット740は、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0160】
積層型青色発光デバイス700は、第3の発光層(図示せず)を備える第3の発光ユニット760と、第2の電荷生成層750と、を更に備え、第3の発光ユニット760及び第2の電荷生成層750は、第2の発光ユニット740と第2の電極770との間に配設され、第2の電荷生成層750は、第2の発光ユニット740の上に配設され、第3の発光ユニット760は、第2の電荷生成層750の上に配設され、第2の電極770は、第3の発光ユニット760の上に配設され、第3の発光ユニット760は、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の発光ユニット760は、(x3,y3)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第3の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0161】
図16は、3つの青色発光ユニットを有する積層型青色発光デバイスの青色発光ユニットの様々な構成を描写している。各構成では、積層型青色発光デバイスは、第1の電極710と、第1の青色発光層(図示せず)を備える第1の青色発光ユニット720と、第1の電荷生成層730と、第2の青色発光層(図示せず)を備える第2の青色発光ユニット740と、第2の電荷生成層750と、第3の青色発光層(図示せず)を備える第3の青色発光ユニット760と、第2の電極770と、を備える。第1の青色発光ユニット720、第1の電荷生成層730、第2の青色発光ユニット740、第2の電荷生成層750及び第3の青色発光ユニット760は全て、第1の電極710と第2の電極770との間に配設される。第1の青色発光ユニット720は、第1の電極710の上に配設される。第1の電荷生成層730は、第1の青色発光ユニット720の上に配設される。第2の青色発光ユニット740は、第1の電荷生成層730の上に配設される。第2の電荷生成層750は、第2の発光ユニット740の上に配設される。第3の青色発光ユニット760は、第2の電荷生成層750の上に配設される。第2の電極770は、第3の青色発光ユニット760の上に配設される。各構成では、第1の青色発光層、第2の青色発光層及び第3の青色発光層は各々、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0162】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は青色光を発することができる。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720、第2の青色発光ユニット740及び第3の青色発光ユニット760は全て、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発することができる。
【0163】
一実施形態では、図16aのデバイス1610によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より深い青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より深い青色光を発することができる。一実施形態では、図16bのデバイス1620によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より深い青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より明るい青色光を発することができる。一実施形態では、図16cのデバイス1630によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より明るい青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より深い青色光を発することができる。一実施形態では、図16dのデバイス1640によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より明るい青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より深い青色光を発することができる。一実施形態では、図16eのデバイス1650によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より明るい青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より明るい青色光を発することができる。一実施形態では、図16fのデバイス1660によって描写されるように、第1の青色発光ユニット720は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット740は、より深い青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット760は、より明るい青色光を発することができる。
【0164】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0165】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0166】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0167】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0168】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0169】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット740は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット760は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0170】
そのような例示的な実施形態は全て、表1に記載されている明るい青色OLED、深い青色OLED、深い青色QLED及び/又は深い青色PeLEDデバイスからの発光材料の任意の好適な組み合わせを使用して実現され得る。
【0171】
一実施形態では、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、第3の色度は、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に異なる。一実施形態では、第3の色度は、第1の色度と実質的に同じであり、第2の色度と実質的に異なる。一実施形態では、第3の色度は、第2の色度と実質的に同じであり、第1の色度と実質的に異なる。
【0172】
そのような積層型青色発光デバイスを実証するために、3つ以上の発光ユニットは、それらが互いに独立して光を発することができるように、独立してアドレス指定可能である必要がある。一実施形態では、第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第3の発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。図7に描写されるように、これは、1つ以上の電荷生成層が外部電源に直接接続される場合に達成され得る。
【0173】
一実施形態では、図7の配置700に描写されるように、第1の電極710は外部電源E1に直接接続され、第2の電極770は外部電源E2に直接接続され、第1の電荷生成層730は外部電源E3に直接接続され、第2の電荷生成層750は外部電源E4に直接接続される。標準的なデバイスアーキテクチャでは、E1をE3に対して正の電位にすることで、又は逆デバイスアーキテクチャではE1をE3に対して負の電位にすることで、第1の発光ユニットを独立してアドレス指定することができる。標準的なデバイスアーキテクチャでは、E3をE4に対して正の電位にすることで、又は逆デバイスアーキテクチャではE3をE4に対して負の電位にすることで、第2の発光ユニットを独立してアドレス指定することができる。標準的なデバイスアーキテクチャでは、E4をE2に対して正の電位にすることで、又は逆デバイスアーキテクチャではE4をE2に対して負の電位にすることで、第3の発光ユニットを独立してアドレス指定することができる。
【0174】
一実施形態では、第1の青色発光ユニット720、第2の青色発光ユニット740及び第3の青色発光ユニット760は全て、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。一実施形態では、第1の青色発光ユニット720、第2の青色発光ユニット740及び第3の青色発光ユニット760は全て、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。一実施形態では、少なくとも1つの発光ユニットは、独立してアドレス指定可能であってもよく、他の2つの発光ユニットから独立して光を発することができるが、他の2つの発光ユニットは、共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。
【0175】
一実施形態では、第3の発光ユニット760は、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニット760は、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立して光を発することができる。一実施形態では、第3の発光ユニット760は、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニット760は、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット720及び第2の発光ユニット740のうちの1つから独立して光を発することができ、共通して第3の発光ユニット760とアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニット760と実質的に同じ色度を有し、第3の発光ユニット760から独立してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニット760と実質的に異なる色度を有する。
【0176】
一実施形態では、より明るい青色発光ユニットは、別のより明るい青色発光ユニットと共通してアドレス指定されてもよく、別のより明るい青色発光ユニットから独立して光を発することができない。一実施形態では、より深い青色発光ユニットは、別のより深い青色発光ユニットと共通してアドレス指定されてもよく、別のより深い青色発光ユニットから独立して光を発することができない。一実施形態では、より明るい青色発光ユニットは、より深い青色発光ユニットから独立してアドレス指定されてもよく、より深い青色発光ユニットから独立して光を発することができる。一実施形態では、より深い青色発光ユニットは、より明るい青色発光ユニットから独立してアドレス指定されてもよく、より明るい青色発光ユニットから独立して光を発することができる。
【0177】
例えば、図16aのデバイス1610において、より明るい青色の第1の発光ユニット720は、より深い青色の第2の発光ユニット740及びより深い青色の第3の発光ユニット760の両方から独立して光を発することができるが、より深い青色の第2の発光ユニット740及びより深い青色の第3の発光ユニット760は、共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。
【0178】
一実施形態では、第3の色度座標(x3,y3)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第3の色度座標(x3,y3)は、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第3の色度座標(x3,y3)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第3の色度座標(x3,y3)は、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含される。
【0179】
一実施形態では、第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x3,y3)は、第3のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u3,v3)に変換されてもよい。一実施形態では、第3の色度座標(u3,v3)及び第1の色度座標(u1,v1)は、Δuv=√((u3-u1)2+(v3-v1)2)によって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なるが、第3の色度座標(u3,v3)及び第2の色度座標(u2,v2)は、Δuv=√((u3-u2)2+(v3-v2)2)によって定義されるような色度の差が0.010未満であるように十分に類似している。一実施形態では、第3の色度座標(u3,v3)と第2の色度座標(u2,v2)とは、Δuv=√((u3-u2)2+(v3-v2)2)によって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なり、第3の色度座標(u3,v3)と第1の色度座標(u1,v1)とは、Δuv=√((u3-u1)2+(v3-v1)2)によって定義されるような色度の差が0.010未満であるように十分に類似している。
【0180】
一実施形態では、第3のピーク波長は、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は小さいが、第3のピーク波長は、第2のピーク波長の4nm以内である。一実施形態では、第3のピーク波長は、第2のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は小さいが、しかし、第3のピーク波長は、第1のピーク波長の4nm以内である。
【0181】
積層型青色発光デバイスアーキテクチャ内に3つ以上の青色発光ユニットを備えるそのようなデバイスは、より多くの青色発光ユニットからの光をデバイスの同じ表面面積内で組み合わせることができるため、デバイスの明るさが増し、複数の発光ユニットを、各発光ユニットに流れる電流が実質的に同じ状態で、電気的に直列接続できるため、電流密度を実質的に増加させずに、増大した明るさでデバイスを動作させ、それによってデバイスの動作寿命を延長できるという点で有利であり得る。
【0182】
一実施形態では、積層型青色発光デバイスは、マイクロキャビティ構造を含み得る。任意選択的に、本明細書に記載されるように、透明で部分的に反射性の電極が、対向する反射電極と組み合わせて使用されるマイクロキャビティ構造を作成してもよい。任意選択的に、標準的なデバイスアーキテクチャでは、Agの厚さがおよそ25nmであるITO/Ag/ITOのような透明で部分的に反射性の多層アノードと、LiF/Alのような反射性多層カソードとを組み合わせて使用して、下部発光マイクロキャビティ構造を創出することができる。このアーキテクチャでは、発光はアノードを介して行われる。任意選択的に、標準的なデバイスアーキテクチャでは、Mg:Agなどの透明で部分的に反射性の化合物カソードを、Agの厚さがおよそ80nm超である、ITO/Ag/ITOなどの反射性多層アノードと組み合わせて使用して、上部発光マイクロキャビティ構造を創出することができる。このアーキテクチャでは、発光はカソードを介して行われる。
【0183】
そのようなデバイスは、そのようなマイクロキャビティ構造がデバイスから発せられる光の総量を増加させ、それによってデバイスの効率及び明るさを増加させることができるという点で有利であり得る。そのようなデバイスは、そのようなマイクロキャビティ構造が、デバイスから順方向に発せされる光の割合を増加させ、それによって、法線入射で配置されたユーザに対するデバイスの見かけの明るさを増加させることができるという点で、更に有利であり得る。そのようなデバイスは、そのようなマイクロキャビティ構造がデバイスから発せられる光のスペクトルを狭め、それによって発せられた光の色飽和度を増加させることができるという点で有利であり得る。そのようなマイクロキャビティ構造をデバイスに適用することにより、デバイスは、DCI-P3色域の原色をレンダリングすることが可能になり得る。そのようなマイクロキャビティ構造をデバイスに適用することにより、デバイスは、Rec.2020色域の原色をレンダリングすることが可能になり得る。
【0184】
一実施形態では、デバイスはディスプレイの一部である。一実施形態では、デバイスは、ディスプレイのサブピクセルに含まれ得る。任意選択的に、ディスプレイは幅広い消費者製品に組み込むことができる。任意選択的に、ディスプレイは、テレビ、コンピュータモニタ、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオレコーダ、スマートウォッチ、フィットネストラッカ、パーソナルデジタルアシスタント、車両ディスプレイ、及び他の電子デバイスに使用することができる。任意選択的に、ディスプレイをマイクロディスプレイ又はヘッドアップディスプレイに使用することができる。任意選択的に、ディスプレイは、内部又は外部の照明及び/又は信号伝達のための光源、スマートパッケージ、又は看板で使用されてもよい。
【0185】
図17は、サブピクセルの例示的な設計を描写している。図17に含まれるのは、長さL及び幅Wの各々の3つの隣接するサブピクセルの配置1700である。第1のサブピクセル1710は、赤色サブピクセルを備えてもよく、そのような赤色サブピクセルは、赤色変換層に光学的に結合された図6又は図7に描写されるような積層型青色発光デバイスを備えてもよい。第2のサブピクセル1720は、緑色サブピクセルを備えることができ、そのような緑色サブピクセルは、緑色変換層に光学的に結合された図6又は図7に描写されるような積層型青色発光デバイスを備えることができる。第3のサブピクセル1730は、青色サブピクセルを備えることができ、そのような青色サブピクセルは、図6又は図7に描写されるような積層型青色発光デバイスを備えることができる。商用ディスプレイの典型的なピクセル配置は、1700などのサブピクセル配置を備え得る。
【0186】
ディスプレイが提供される。一実施形態では、ディスプレイは、図17の配置1700に描写されるように配置され得る、サブピクセルを備える。ディスプレイは、図21に描写される配置2100を参照して更に理解され得る。
【0187】
一実施形態では、ディスプレイは、580nm~780nmの可視スペクトル内にピーク波長を有する赤色光を発するように構成された第1のサブピクセル1710と、500nm~580nmの可視スペクトル内にピーク波長を有する緑色光を発するように構成された第2のサブピクセル1720と、380nm~500nmの可視スペクトル内にピーク波長を有する青色光を発するように構成された第3のサブピクセル1730と、を備え、第1のサブピクセル1710は、赤色変換層2170に光学的に結合された第1の積層型青色発光デバイス2105を備え、第2のサブピクセル1720は、緑色変換層2180に光学的に結合された第2の積層型青色発光デバイス2115を備え、第3のサブピクセル1730は、第3の積層型青色発光デバイス2125を備え、第1の積層型青色発光デバイス1705、第2の積層型青色発光デバイス1715及び第3の積層型青色発光デバイス1725の全ては、第1の電極2120と、第2の電極2160と、第1の発光層(図示せず)を備える第1の発光ユニット2130と、第2の発光層(図示せず)を備える第2の発光ユニット2150と、第1の電荷生成層2140と、を備え、第1の発光ユニット2130、第2の発光ユニット2150及び第1の電荷生成層2140は全て、第1の電極2120と第2の電極2160との間に配設され、第1の発光ユニット2130は、第1の電極2120の上に配設され、第1の電荷生成層2140は、第1の発光ユニット2130の上に配設され、第2の発光ユニット2150は、第1の電荷生成層2140の上に配設され、第2の電極2160は、第2の発光ユニット2150の上に配設され、第1の発光ユニット2130は、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の発光ユニット2130は、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニット2150は、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニット2150は、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、第2の色度は、第1の色度と実質的に異なり、第1の発光層及び第2の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0188】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第2の発光ユニット2150から発せられた光について測定された第2の色度座標(x2,y2)は、第1の発光ユニット2130から発せられた光について測定された第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第2の発光ユニット2150から発せられた光について測定された第2の色度座標(x2,y2)は、第1の発光ユニット2130から発せられた光について測定された第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない。
【0189】
一実施形態では、第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)は、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)は、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130から発せられた光の第1の色度座標(u1,v1)と、第2の青色発光ユニット2150から発せられた光の第2の色度座標(u2,v2)は、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる。
【0190】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第2の発光ユニット2150から発せられた光の第2のピーク波長は、第1の発光ユニット2130から発せられた光の第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい。
【0191】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット2150は、青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130及び第2の青色発光ユニット2150は両方とも、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット2150は、より深い青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット2150は、より明るい青色光を発することができる。
【0192】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第2の青色発光ユニット2150は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第1の青色発光ユニット2130は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125の全てについて、第2の青色発光ユニット2150は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、青色の第1の発光ユニット2130は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。
【0193】
そのような例示的な実施形態は、表1に記載されている明るい青色OLED、深い青色OLED、深い青色QLED及び/又は深い青色PeLEDデバイスからの発光材料の任意の好適な組み合わせを使用して実現され得る。
【0194】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイスは2125全て、同じデバイスアーキテクチャを有する。すなわち、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125は全て、同じ構成で配置され、同じ材料を同じ割合で含む同じデバイス層を含む。すなわち、第1の積層型青色発光デバイス2105、第2の積層型青色発光デバイス2115及び第3の積層型青色発光デバイス2125は全て、同じ光電子性能を有する。
【0195】
一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125のいずれかの第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125のいずれかの第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。
【0196】
一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全ての第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全ての第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる。
【0197】
一実施形態では、第3の積層型青色発光デバイス2125の第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して発光することができ、第1の積層型青色発光デバイス2105の第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができず、第2の積層型青色発光デバイス2115の第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150は、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない。
【0198】
1つの好ましい実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む。
【0199】
一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、リン光有機発光材料を含み、第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つは、蛍光有機発光材料を含む。1つの好ましい実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む明るい青色発光層であり、第2の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む深い青色発光層である。1つの好ましい実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層は、蛍光有機発光材料を含む深い青色発光層であり、第2の青色発光層は、リン光有機発光材料を含む明るい青色発光層である。そのような積層型青色発光デバイスアーキテクチャは、より効率的であるが安定性が低いリン光有機材料が、明るい青色をレンダリングするために明るい青色光を発することができ、一方、あまり効率的でないが安定性が高い蛍光有機材料が、深い青色をレンダリングするために深い青色光を発することができるため、有利であり得る。
【0200】
一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、量子ドット発光材料を含む。一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層及び第2の青色発光層は、ペロブスカイト発光材料を含む。
【0201】
一実施形態では、第1の青色積層型発光デバイス2105、第2の青色積層型発光デバイス2125及び第3の青色積層型発光デバイス2125の全てについて、第1の青色発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの青色発光材料を含み、第2の青色発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの青色発光材料を含み、第2のクラスの青色発光材料は、第1のクラスの青色発光材料と同じではない。1つの好ましい実施形態では、第1の青色発光層は有機発光材料を含み、第2の青色発光層は量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0202】
一実施形態では、図22の配置2200によって描写されるように、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全ては、第3の発光層(図示せず)を備える第3の発光ユニット2220と、第2の電荷生成層2210と、を更に備え、第3の発光ユニット2220及び第2の電荷生成層2210は、第2の発光ユニット2150と第2の電極2160との間に配設され、第2の電荷生成層2210は、第2の発光ユニット2150の上に配設され、第3の発光ユニット2220は、第2の電荷生成層2210の上に配設され、第2の電極2160は、第3の発光ユニット2220の上に配設され、第3の発光ユニット2220は、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の発光ユニット2220は、(x3,y3)の第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第3の色度を有する青色光を発し、第3の発光層は、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む。
【0203】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度は、第1の色度と実質的に同じであり、第2の色度と実質的に異なる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度は、第2の色度と実質的に同じであり、第1の色度と実質的に異なる。
【0204】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(x3、y3)は、第1の色度座標(x1、y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第2の色度座標(x2、y2)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(x3,y3)は、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(x3,y3)は、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含される。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(x3,y3)は、第2の色度座標(x2,y2)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されないが、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含される。
【0205】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x3,y3)は、第3のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u3,v3)に変換されてもよい。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(u3,v3)及び第1の色度座標(u1,v1)は、Δuv=√((u3-u1)2+(v3-v1)2)によって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なるが、第3の色度座標(u3,v3)及び第2の色度座標(u2,v2)は、Δuv=√((u3-u2)2+(v3-v2)2)によって定義されるような色度の差が0.010未満であるように十分に類似している。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の色度座標(u3,v3)及び第2の色度座標(u2,v2)は、Δuv=√((u3-u2)2+(v3-v2)2)によって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なるが、第3の色度座標(u3,v3)及び第1の色度座標(u1,v1)は、Δuv=√((u3-u1)2+(v3-v1)2)によって定義されるような色度の差が0.010未満であるように十分に類似している。
【0206】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3のピーク波長は、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は小さいが、第3のピーク波長は、第2のピーク波長の4nm以内である。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3のピーク波長は、第2のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は小さいが、第3のピーク波長は、第1のピーク波長の4nm以内である。
【0207】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130、第2の青色発光ユニット2150及び第3の青色発光ユニット2220は、青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130、第2の青色発光ユニット2150及び第3の青色発光ユニット2220は、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、より深い青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット2150は、より明るい青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット2220は、より明るい青色光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、より明るい青色光を発することができ、第2の青色発光ユニット2150は、より明るい青色光を発することができ、第3の青色発光ユニット2220は、より深い青色光を発することができる。第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225のいずれか、又は全てについて、より明るい青色発光ユニットとより深い青色発光ユニットとの他の組み合わせも想定される。
【0208】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット2220は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット2220は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット2220は、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の青色発光ユニット2150は、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第3の青色発光ユニット2220は、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する。第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225のいずれか、又は全てについて、より明るい青色発光ユニットとより深い青色発光ユニットとの他の組み合わせも想定される。
【0209】
そのような例示的な実施形態は全て、表1に記載されている明るい青色OLED、深い青色OLED、深い青色QLED及び/又は深い青色PeLEDデバイスからの発光材料の任意の好適な組み合わせを使用して実現され得る。
【0210】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130、第2の青色発光ユニット2150及び第3の青色発光ユニット2220は全て、共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第1の青色発光ユニット2130、第2の青色発光ユニット2150及び第3の青色発光ユニット2220は全て、独立してアドレス指定可能であってもよく、全て互いに独立して光を発することができる。一実施形態では、第1の積層型発光デバイス2205、第2の積層型発光デバイス2215及び第3の積層型発光デバイス2225の全てについて、少なくとも1つの発光ユニットは独立してアドレス指定可能であってもよく、他の2つの発光ユニットとは独立して光を発することができるが、他の2つの発光ユニットは共通してアドレス指定可能であってもよく、互いに独立して光を発することができない。
【0211】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の発光ユニット2220は、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニット2220は、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立して光を発することができる。
【0212】
一実施形態では、第1の積層型青色発光デバイス2205、第2の積層型青色発光デバイス2215及び第3の積層型青色発光デバイス2225の全てについて、第3の発光ユニット2220は、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立して光を発することができず、第3の発光ユニット2220は、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット2130及び第2の発光ユニット2150のうちの1つから独立して光を発することができ、第3の発光ユニット2220と共通してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニット2220と実質的に同じ色度を有し、第3の発光ユニット2220から独立してアドレス指定される発光ユニットは、第3の発光ユニット2220と実質的に異なる色度を有する。
【0213】
一実施形態では、より明るい青色発光ユニットは、別のより明るい青色発光ユニットと共通してアドレス指定されてもよく、別のより明るい青色発光ユニットから独立して光を発することができない。一実施形態では、より深い青色発光ユニットは、別のより深い青色発光ユニットと共通してアドレス指定されてもよく、別のより深い青色発光ユニットから独立して光を発することができない。一実施形態では、より明るい青色発光ユニットは、より深い青色発光ユニットから独立してアドレス指定されてもよく、より深い青色発光ユニットから独立して光を発することができる。一実施形態では、より深い青色発光ユニットは、より明るい青色発光ユニットから独立してアドレス指定されてもよく、より明るい青色発光ユニットから独立して光を発することができる。
【0214】
ディスプレイに実装される場合、本明細書に開示されるような実質的に異なる色度を有する光を発する2つ以上の発光ユニットを備える積層型青色発光デバイスは、同じ色域をレンダリングすることができる単一の発光ユニットデバイスを備えるディスプレイと比較して、ディスプレイが改善された効率と延長された寿命で動作することを可能にすることが期待される。これは、そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、比較的飽和した青色光を発することを要求される場合、より深い青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より明るい青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができるためである。しかしながら、そのようなディスプレイの青色サブピクセルが、比較的に不飽和の青色光を発することのみが要求される場合、より明るい青色光を発する発光ユニットは、個別にアドレス指定されてもよく、より深い青色光を発する発光ユニットが非アクティブのままであり得る間に、ディスプレイ画像を生成するために光を発することができる。光は、ディスプレイ画像の大部分をレンダリングするために、相対的により効率的な、かつ/又は安定したより明るい青色発光ユニットから発せられてもよく、相対的にあまり効率的でない、かつ/又はあまり安定していないより深い青色発光ユニットから発せられる光は、画像のほんの一部をレンダリングするためにのみ必要とされる。したがって、ディスプレイの効率及び/又は寿命を向上させることができる。更に、より明るい青色発光ユニットを単独で、又はより深い青色発光ユニットと組み合わせて使用して、赤色及び緑色サブピクセル内の赤色及び緑色変換層に光を提供することができる。
【0215】
これは、典型的なディスプレイ画像のセットをレンダリングするときのディスプレイの電力消費をモデル化することによって実証することができる。そのようなモデル化の例は、米国特許第9559151(B2)号に記載されており、これは、多色ピクセルとして使用され得るデバイスを開示しており、デバイスは、第1のOLED、第2のOLED、第3のOLED及び第4のOLEDを備える。この参考文献は、その全体が参照により本明細書に含まれる。本発明は、開口率、効率及び寿命を低減し、複雑さ及びコストを増大させる、ディスプレイ内の追加の第4のサブピクセルを必要とせずに、等価エネルギー節約及び寿命向上を達成することができるので、米国特許第9559151(B2)号を超える著しい改善であることに留意されたい。更に、本発明は、有機発光材料、量子ドット発光材料及びペロブスカイト発光材料を含む異なるタイプの発光材料の使用に適合する。
【0216】
一実施形態では、積層型発光デバイスは、光パネルに含まれ得る。任意選択的に、光パネルは、幅広い消費者製品に含まれ得る。任意選択的に、光パネルは、内部又は外部の照明及び/又は信号伝達、スマートパッケージ、又は看板で使用されてもよい。
【0217】
当業者は、ほんのわずかな使用例しか記載されていないが、それらが決して限定的ではないことを理解するであろう。
【0218】
前述の発明の実施形態への修正が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく可能である。本発明を説明及び主張するために使用される「含む(including)」、「含む(comprising)」、「組み込む」、「からなる」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的な方法で解釈されることを意図しており、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にしている。単数形への言及も、複数形に関すると解釈されるべきである。添付の請求項の括弧内に含まれる数字は、請求項の理解を助けることを意図しており、これらの特許請求の範囲によって請求される主題を制限するように解釈されるべきではない。
【0219】
本発明の特定の実施形態は以下のとおりである。
1. デバイスであって、
積層型青色発光デバイスを含み、積層型青色発光デバイスが、
第1の電極、
第2の電極、
第1の発光層を備える第1の発光ユニット、
第2の発光層を備える第2の発光ユニット、及び
第1の電荷生成層を備え、
第1の発光ユニット、第2の発光ユニット及び第1の電荷生成層が全て、第1の電極と第2の電極との間に配設され、
第1の発光ユニットが、第1の電極の上に配設され、
第1の電荷生成層が、第1の発光ユニットの上に配設され、
第2の発光ユニットが、第1の電荷生成層の上に配設され、
第2の電極が、第2の発光ユニットの上に配設され、
第1の発光ユニットが、第1のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
第1の発光ユニットが、(x1,y1)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、
第2の発光ユニットが、第2のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
第2の発光ユニットが、(x2,y2)の第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第2の色度を有する青色光を発し、
第2の色度が、第1の色度と実質的に異なり、
第1の発光層及び第2の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料及び/又はペロブスカイト発光材料を含む、デバイス。
2.
第2の色度座標(x2,y2)が、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない、実施形態1に記載のデバイス。
3.
第2の色度座標(x2,y2)が、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない、実施形態1に記載のデバイス。
4. 第2のピーク波長が、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい、実施形態1~3のいずれか1つに記載のデバイス。
5.
第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)が、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、かつ
第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)が、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、
第1の色度座標(u1,v1)及び第2の色度座標(u2,v2)が、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる、実施形態1~3のいずれか1つに記載のディスプレイ。
6. 第1の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
7. 第1の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
8. 第1の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
9. 第1の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
10. 第1の発光層及び第2の発光層が、有機発光材料を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のデバイス。
11.
第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つが、リン光有機発光材料を含み、
第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つが、蛍光有機発光材料を含む、実施形態10に記載のディスプレイ。
12. 第1の発光層及び第2の発光層が、量子ドット発光材料を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のデバイス。
13. 第1の発光層及び第2の発光層が、ペロブスカイト発光材料を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のデバイス。
14.
第1の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの発光材料を含み、
第2の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの発光材料を含み、
第2のクラスの発光材料が、第1のクラスの発光材料と同じではない、実施形態1~9のいずれか1つに記載のディスプレイ。
15. 第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる、実施形態1~14のいずれか1つに記載のデバイス。
16. 第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない、実施形態1~14のいずれか1つに記載のデバイス。
17. 積層型青色発光デバイスが、
第3の発光層を備える第3の発光ユニットと、
第2の電荷生成層と、を更に備え、
第3の発光ユニット及び第2の電荷生成層が、第2の発光ユニットと第2の電極との間に配設され、
第2の電荷生成層が、第2の発光ユニットの上に配設され、
第3の発光ユニットが、第2の電荷生成層の上に配設され、
第2の電極が、第3の発光ユニットの上に配設され、
第3の発光ユニットが、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
第3の発光ユニットが、(x3,y3)の第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する青色光を発し、かつ
第3の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載のデバイス。
18.
第3の色度が、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、
第3の色度が、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に異なる、実施形態17に記載のデバイス。
19.
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができる、実施形態17に記載のデバイス。
20.
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができ、
第3の発光ユニットと共通してアドレス指定される発光ユニットが、第3の発光ユニットと実質的に同じ色度を有し、
第3の発光ユニットから独立してアドレス指定される発光ユニットが、第3の発光ユニットと実質的に異なる色度を有する、実施形態17に記載のデバイス。
21. デバイスが、光パネルの一部である、実施形態1~20のいずれか1つに記載のデバイス。
22. デバイスが、ディスプレイの一部である、実施形態1~20のいずれか1つに記載のデバイス。
23. ディスプレイが提供され、ディスプレイは、
580nm~780nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する赤色光を発するように構成された第1のサブピクセルと、
500nm~580nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する緑色光を発するように構成された第2のサブピクセルと、
380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発するように構成された第3のサブピクセルと、を備え、
第1のサブピクセルは、赤色変換層に光学的に結合された第1の積層型青色発光デバイスを備え、
第2のサブピクセルは、緑色変換層に光学的に結合された第2の積層型青色発光デバイスを備え、
第3のサブピクセルは、第3の積層型青色発光デバイスを備え、
第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全ては、実施形態1に記載の積層型青色発光デバイスを含む。
24.
第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2の色度座標(x2,y2)が、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする1ステップマクアダム楕円内に包含されない、実施形態23に記載のディスプレイ。
25.
第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2の色度座標(x2,y2)が、第1の色度座標(x1,y1)を中心とする3ステップマクアダム楕円内に包含されない、実施形態23に記載のディスプレイ。
26. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第2のピーク波長が、第1のピーク波長よりも少なくとも4nm大きいか又は少なくとも4nm小さい、実施形態23~25のいずれか1つに記載のディスプレイ。
27. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第1のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x1,y1)が、第1のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u1,v1)に変換されてもよく、かつ
第2のCIE1931(x,y)色空間色度座標(x2,y2)が、第2のCIE1976(u’,v’)色空間色度座標(u2,v2)に変換されてもよく、
第1の色度座標(u1,v1)及び第2の色度座標(u2,v2)が、Δuvによって定義されるような色度の差が0.010以上であるように十分に異なる、実施形態23~25のいずれか1つに記載のディスプレイ。
28. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、実施形態23~27のいずれか1つに記載のディスプレイ。
29. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットが、465nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、380nm~465nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発する、実施形態23~27のいずれか1つに記載のディスプレイ。
30. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発する、実施形態23~27のいずれか1つに記載のディスプレイ。
31. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニットが、0.080超のCIE1931y座標を有する青色光を発し、第2の発光ユニットが、0.080以下のCIE1931y座標を有する青色光を発する、実施形態23~27のいずれか1つに記載のディスプレイ。
32. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層が、有機発光材料を含む、実施形態23~31のいずれか1つに記載のディスプレイ。
33. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つが、リン光有機発光材料を含み、
第1の発光層及び第2の発光層のうちの少なくとも1つが、蛍光有機発光材料を含む、実施形態32に記載のディスプレイ。
34. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層が、量子ドット発光材料を含む、実施形態23~31のいずれか1つに記載のディスプレイ。
35. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光層及び第2の発光層が、ペロブスカイト発光材料を含む、実施形態23~31のいずれか1つに記載のディスプレイ。
36. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第1の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第1のクラスの発光材料を含み、
第2の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料のいずれかである第2のクラスの発光材料を含み、
第2のクラスの発光材料が、第1のクラスの発光材料と同じではない、実施形態23~31のいずれか1つに記載のディスプレイ。
37. 第1の積層型青色発光デバイス、第2の積層型青色発光デバイス及び第3の積層型青色発光デバイスが全て、同じデバイスアーキテクチャを有する、実施形態23~36のいずれか1つに記載のディスプレイ。
38. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスのいずれかについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる、実施形態23~37のいずれか1つに記載のディスプレイ。
39. 第1、第2、及び第3の積層型青色発光デバイスのいずれかについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない、実施形態23~37のいずれか1つに記載のディスプレイ。
40. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができる、実施形態23~37のいずれか1つに記載のディスプレイ。
41. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない、実施形態23~37のいずれか1つに記載のディスプレイ。
42.
第3の積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、独立してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができ、
第1の積層型青色発光デバイス及び第2の積層型青色発光デバイスの第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットが、共通してアドレス指定可能であり、互いに独立して光を発することができない、実施形態23~41のいずれか1つに記載のディスプレイ。
43. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てが、
第3の発光層を備える第3の発光ユニットと、
第2の電荷生成層と、を更に備え、
第3の発光ユニット及び第2の電荷生成層が、第2の発光ユニットと第2の電極との間に配設され、
第2の電荷生成層が、第2の発光ユニットの上に配設され、
第3の発光ユニットが、第2の電荷生成層の上に配設され、第2の電極が、第3の発光ユニットの上に配設され、
第3の発光ユニットが、第3のピーク波長として定義される、380nm~500nmの範囲で可視スペクトルのピーク波長を有する青色光を発し、
第3の発光ユニットが、(x3,y3)の第3のCIE1931(x,y)色空間色度座標を有する第3の色度を有する青色光を発し、かつ
第3の発光層が、有機発光材料、量子ドット発光材料又はペロブスカイト発光材料を含む、実施形態23~42のいずれか1つに記載のデバイス。
44. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第3の色度が、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に同じであり、
第3の色度が、第1の色度及び第2の色度のうちの一方と実質的に異なる、実施形態43に記載のデバイス。
45. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができる、実施形態43に記載のディスプレイ。
46. 第1、第2及び第3の積層型青色発光デバイスの全てについて、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つと共通してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができず、
第3の発光ユニットが、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立してアドレス指定され、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの1つから独立して光を発することができ、
第3の発光ユニットと共通してアドレス指定される発光ユニットが、第3の発光ユニットと実質的に同じ色度を有し、
第3の発光ユニットから独立してアドレス指定される発光ユニットが、第3の発光ユニットと実質的に異なる色度を有する、実施形態43に記載のディスプレイ。
47. ディスプレイが、消費者製品の一部である、実施形態23~46のいずれか1つに記載のディスプレイ。
【0220】
特許参考文献
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米国特許第6303238(B1)号、Thompson et al.,OLEDs Doped with Phosphorescent Compounds
米国特許第7279704(B2)号、Walters et al.,Complexes with Tridentate Ligands
米国特許第9559151(B2)号、Hack et al.,OLED Display Architecture
国際公開第2019/224546(A1)号
国際公開第2020/030042(A1)号
米国特許出願公開第2019/0043407(A1)号
欧州特許第3188272(A1)号
他の参考文献
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