(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】冷蔵冷凍装置用の制御方法及び冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230721BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20230721BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F25D23/00 302K
F25D29/00
F25D11/00 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500359
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2021103182
(87)【国際公開番号】W WO2021219148
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010653066.6
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358039
【氏名又は名称】青島海尓特種電冰箱有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
(72)【発明者】
【氏名】王 銘
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】韓 志強
(72)【発明者】
【氏名】崔 展鵬
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA08
3L045NA03
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA17
3L345BB01
3L345CC01
3L345DD21
3L345DD33
3L345FF06
3L345FF13
3L345FF33
3L345GG12
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
冷蔵冷凍装置用の制御方法及び冷蔵冷凍装置を提供する。冷蔵冷凍装置は、1つの貯蔵室と、1つの冷凍室と、少なくとも一部が冷凍室内に設けられる冷凍システムと、を含む。制御方法は、冷凍システムが貯蔵室への冷気供給を停止するステップと、冷凍室と貯蔵室を連通させ、冷凍システムのファンを制御して作動させ、冷凍室と貯蔵室内の空気の循環流動を促進するステップと、を含む。本発明では、貯蔵室内の空気を利用して冷凍室について空気による除霜を行い、さらに除霜による高湿度気体を貯蔵室に戻すことによって、加熱装置によって液体除霜水を発生させてから加湿するという従来技術の構想に束縛されず、貯蔵室の熱を活用して冷凍室を除霜し、しかも除霜後の空気温度をより適切にし、貯蔵室へ十分な湿度をもたらし、生産コスト及び使用時のエネルギー消費を低下させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵冷凍装置用の制御方法であって、
前記冷蔵冷凍装置は、1つの貯蔵室と、1つの冷凍室と、少なくとも一部が前記冷凍室内に設けられる冷凍システムと、を含み、
前記冷凍システムを制御して、前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップと、
前記冷凍室と前記貯蔵室を連通させ、前記冷凍システムのファンを制御して作動させ、前記冷凍室と前記貯蔵室内の空気の循環流動を促進するステップと、を含む、
冷蔵冷凍装置用の制御方法。
【請求項2】
前記貯蔵室は、鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記冷凍室と前記貯蔵室を連通させる前記ステップは、
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを連通させるステップと、
第1所定時間後、前記冷凍室、前記貯蔵ゾーン及び前記鮮度保持ゾーンを連通させ、前記鮮度保持ゾーンを加湿するステップと、を含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーン及び前記鮮度保持ゾーンとを連通させる前記ステップが第2所定時間行われた後、前記ファンを制御して作動を停止し、前記冷凍室と前記鮮度保持ゾーンを遮断するステップと、
第3所定時間後、前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを遮断するステップと、をさらに含む、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室への冷気供給を停止する前記ステップの前に、前記貯蔵室の保存温度が予め設定された起動温度以上になると、前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室へ冷気を供給するステップと、
前記貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下すると、前記冷凍システムが前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップを実行するステップと、をさらに含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記貯蔵室は、鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記貯蔵室の保存温度は前記貯蔵ゾーンの温度であり、及び/又は
前記貯蔵室の保存温度は0℃よりも高い、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記貯蔵室は、鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室へ冷気を供給する前記ステップを実行すると同時に、
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを連通させ、前記冷凍室と前記鮮度保持ゾーンを遮断するステップをさらに含む、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
前記貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下するたびに、前記冷凍システムが前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップを実行する、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項8】
冷蔵冷凍装置であって、
1つの貯蔵室と1つの冷凍室が区画されている箱体と、
少なくとも一部が前記冷凍室内に設けられ、前記貯蔵室へ冷気を供給する冷凍システムと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されているメモリと、を含む冷蔵冷凍装置。
【請求項9】
前記貯蔵室は、鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記鮮度保持ゾーンは、前記貯蔵ゾーンの下方に設けられる、
請求項8に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項10】
前記貯蔵室は、鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記鮮度保持ゾーンは、前記鮮度保持ゾーンの気体圧力を予め設定された圧力閾値以下に維持するための弁が設けられている、
請求項8に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍の分野に関し、特に冷蔵冷凍装置用の制御方法及び冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果物や野菜は冷蔵庫によく貯蔵される食品であり、果物や野菜の鮮度保持には低温が必要であると同時に、高い湿度も必要である。従来技術では、冷蔵庫内において独立した鮮度保持ゾーンが区画され、鮮度保持ゾーンは蒸発器で生成した除霜水を加熱することにより加湿されるが、加熱するために追加の加熱装置を設置する必要があり、製造コストが増大するだけでなく、日常的に使用するエネルギー消費量が増大し、エネルギーの無駄を生じていた。総合的に考えると、鮮度保持ゾーンを有する冷蔵冷凍装置の制御方法及び冷蔵冷凍装置については、設計上安価であることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1態様の1つの目的は、従来技術の少なくとも1つの技術の欠点を解決し、冷蔵冷凍装置用の制御方法を提供することである。
【0004】
本発明の第1態様の別の目的はエネルギー消費量を低下させることである。
【0005】
本発明の第1態様のさらに別の目的は冷凍室に霜が酷く付くことを回避することである。
【0006】
本発明の第2態様の1つの目的は冷蔵冷凍装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によれば、
冷蔵冷凍装置用の制御方法であって、
前記冷蔵冷凍装置は、1つの貯蔵室と、1つの冷凍室と、少なくとも一部が前記冷凍室内に設けられる冷凍システムと、を含み、
前記冷凍システムを制御して、前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップと、
前記冷凍室と前記貯蔵室を連通させ、前記冷凍システムのファンを制御して作動させ、前記冷凍室と前記貯蔵室内の空気の循環流動を促進するステップと、を含む冷蔵冷凍装置用の制御方法を提供する。
【0008】
好ましくは、前記貯蔵室は鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、前記冷凍室と前記貯蔵室を連通させる前記ステップは、
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを連通させるステップと、
第1所定時間後、前記冷凍室と前記貯蔵ゾーン及び前記鮮度保持ゾーンとを連通させ、前記鮮度保持ゾーンを加湿するステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記制御方法は、
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーン及び前記鮮度保持ゾーンとを連通させる前記ステップが第2所定時間行われた後、前記ファンを制御して作動を停止し、前記冷凍室と前記鮮度保持ゾーンを遮断するステップと、
第3所定時間後、前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを遮断するステップと、をさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室への冷気供給を停止する前記ステップの前に、前記貯蔵室の保存温度が予め設定された起動温度以上になると、前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室へ冷気を供給するステップと、
前記貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下すると、前記冷凍システムが前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップを実行するステップと、をさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記貯蔵室は鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記貯蔵室の保存温度は前記貯蔵ゾーンの温度であり、及び/又は
前記貯蔵室の保存温度は0℃よりも高い。
【0012】
好ましくは、前記貯蔵室は鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、前記冷凍システムを制御して前記貯蔵室へ冷気を供給する前記ステップを実行すると同時に、
前記冷凍室と前記貯蔵ゾーンを連通させ、前記冷凍室と前記鮮度保持ゾーンを遮断するステップをさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下するたびに、前記冷凍システムは前記貯蔵室への冷気供給を停止するステップを実行する。
本発明の第2態様によれば、
冷蔵冷凍装置であって、
1つの貯蔵室と1つの冷凍室が区画されている箱体と、
少なくとも一部が前記冷凍室内に設けられ、前記貯蔵室へ冷気を供給する冷凍システムと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、上記のいずれか1項に記載の制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されているメモリと、を含む冷蔵冷凍装置を提供する。
【0014】
好ましくは、前記貯蔵室は鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記鮮度保持ゾーンは前記貯蔵ゾーンの下方に設けられる。
【0015】
好ましくは、前記貯蔵室は鮮度保持ゾーンと一般貯蔵ゾーンに仕切られ、
前記鮮度保持ゾーンは、前記鮮度保持ゾーンの気体圧力を予め設定された圧力閾値以下に維持するための弁が設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、貯蔵室内の空気を利用して冷凍室について空気による除霜を行って、さらに除霜による高湿度気体を貯蔵室に戻すことによって、加熱装置によって液体除霜水を発生させてから加湿するという従来技術の構想に束縛されず、貯蔵室の熱を活用して冷凍室を除霜し、しかも除霜後の空気温度をより適切にし、貯蔵室へ十分な湿度をもたらし、生産コスト及び使用時のエネルギー消費を低下させる。
【0017】
さらに、本発明では、貯蔵室を加湿するに先立って、貯蔵室を冷凍して、貯蔵室の温度を許容範囲内にすることで、貯蔵室内の食物の保存品質を確保する。さらに、本発明では、貯蔵室を冷凍するたびに貯蔵室を加湿することによって、貯蔵室に霜が酷く付くことを回避し、冷気の有効利用率を向上させ、貯蔵室の湿度をより安定的にする。
【0018】
さらに、本発明では、貯蔵室の空気を利用して冷凍室を除霜すると、初期段階で貯蔵室の水蒸気を除去することができる(水蒸気は冷凍室で昇華する)という本願の発明者らの革新的な見解から、加湿に際しては、まず、冷凍室と貯蔵ゾーンを連通させ、次に冷凍室と鮮度保持ゾーンを連通させ、鮮度保持ゾーンの加湿後に冷凍室と貯蔵ゾーンの連通を持続し、これによって、鮮度保持ゾーンの湿度を効果的に向上させ、貯蔵ゾーンの湿度を安定的に維持する。
【0019】
以下、図面を参照して本発明の特定の実施例を詳細に説明するが、これによって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴が当業者にとってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの特定の実施例を限定的ではなく例示的に説明する。図面における同じ符号は同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者にとって明らかなように、これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれたものではない。
【
図1】本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置の概略断面図であり、冷凍室と貯蔵ゾーンを連通させ、冷凍室と鮮度保持ゾーンを遮断する気体流路が示されている。
【
図2】
図1に示す冷蔵冷凍装置の概略断面図であり、冷凍室と貯蔵ゾーン及び鮮度保持ゾーンとを連通させる気体流路が示されている。
【
図3】本発明の一実施例に係る冷凍室の概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置用の制御方法の概略流れ図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置用の制御方法の詳細な概略流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置100の概略断面図であり、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させ、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断する気体流路が示されている。
図1に示すように、冷蔵冷凍装置100は箱体110、冷凍システム、プロセッサ及びメモリ(プロセッサ及びメモリは
図1に示される)を含んでもよい。
【0022】
箱体110は、外箱と、少なくとも1つの内箱と、外箱と内箱との間に設けられる断熱層と、を含んでもよい。箱体110では、少なくとも1つの貯蔵室と少なくとも1つの冷凍室112が区画されていてもよい。図に示す実施例では、内箱、貯蔵室及び冷凍室112はそれぞれ2つであり、いずれの内箱においても、1つの貯蔵室と1つの冷凍室112が区画されており、貯蔵室と冷凍室112はダクトカバー150によって仕切られてもよい。
【0023】
別のいくつかの実施例では、貯蔵室は複数であってもよく、冷凍室112の数は1つであってもよい。貯蔵室と冷凍室112は互いに独立しており、断熱層によって仕切られてもよく、冷凍室112は1つの貯蔵室とともに1つの内箱内に設けられてもよい。
【0024】
冷凍システムは、圧縮機、凝縮器、絞り要素、蒸発器120及び送風ファン130を含む蒸気圧縮冷凍システムであってもよい。冷凍システムは少なくとも部分的に冷凍室112内(例えば、蒸発器120及び送風ファン130)に設けられて、貯蔵室へ冷気を供給するようにしてもよい。
【0025】
メモリには、プロセッサによって実行されると、本発明の制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されていてもよい。
【0026】
特に、プロセッサは冷凍システムを制御して貯蔵室への冷気供給を停止し、冷凍室112と貯蔵室を連通させ、また冷凍システムのファン130を制御して作動させ、冷凍室112と貯蔵室内の空気の循環流動を促進し、貯蔵室を加湿するように構成されてもよい。
【0027】
本発明の冷蔵冷凍装置100は、貯蔵室内の空気を利用して冷凍室112について空気による除霜を行い、さらに除霜による高湿度気体を貯蔵室に戻すことによって、加熱装置によって液体除霜水を発生させてから加湿するという従来技術の構想に束縛されず、貯蔵室の熱を活用して冷凍室112を除霜し、しかも除霜後の空気温度をより適切にし、貯蔵室へ十分な湿度をもたらし、生産コスト及び使用時のエネルギー消費を低下させる。
【0028】
いくつかの実施例では、冷凍システムを制御して貯蔵室への冷気供給を停止するステップの前に、プロセッサはさらに、貯蔵室の保存温度が予め設定された起動温度以上になると、冷凍システムを制御して貯蔵室へ冷気を供給し、貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下すると、貯蔵室を加湿する(すなわち、貯蔵室への冷気供給を停止するとともにファン130を作動のままに維持する)ように構成されていてもよく、これによって、貯蔵室の温度を許容範囲内にすることで、貯蔵室内の食物の保存品質を確保するように構成されている。
【0029】
予め設定されたシャットダウン温度は0℃よりも高い。すなわち、貯蔵室の温度は常に0℃以上に保持され、これによって、冷凍室112に対する除霜が行われる。
【0030】
いくつかの更なる実施例では、プロセッサはさらに、貯蔵室の冷凍が完了するたびに(すなわち、貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下するたびに)、冷凍室112を除霜して、貯蔵室を加湿する(すなわち、貯蔵室への冷気供給を停止するとともに、ファン130を作動のままに維持する)ように構成されていてもよく、これによって、貯蔵室に霜が酷く付くことを回避し、冷気の有効利用率をさらに高め、貯蔵室の湿度をより安定的にする。
【0031】
いくつかの実施例では、貯蔵室は棚板140と引き出しケースによって鮮度保持ゾーン111bと一般貯蔵ゾーン111aに仕切られてもよい。鮮度保持ゾーン111bは通常果物や野菜の保存に用いられる。
【0032】
いくつかの更なる実施例では、プロセッサはさらに、制御冷凍システムが貯蔵室へ冷気を供給するときに、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させ、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断するように構成されていてもよく、これによって、鮮度保持ゾーン111bの湿度低下を回避する。本実施例では、貯蔵室の保存温度は貯蔵ゾーン111aの温度である。貯蔵ゾーン111aの温度に基づいて貯蔵室への冷気供給(予め設定された起動温度以上)が必要であるか否か又は貯蔵室への冷気供給(予め設定されたシャットダウン温度以下)が完了したか否かを判断する。
【0033】
鮮度保持ゾーン111bは、貯蔵ゾーン111a内の冷たい空気が沈下して鮮度保持ゾーン111bへ冷気を供給するように、貯蔵ゾーン111aの下方に設けられてもよい。
【0034】
図2は
図1に示す冷蔵冷凍装置100の概略断面図であり、冷凍室112と貯蔵ゾーン111a及び鮮度保持ゾーン111bとを連通させる気体流路が示されている。
図1及び
図2に示すように、いくつかの更なる実施例では、プロセッサはさらに、冷凍システムを制御して貯蔵室への冷気供給を停止した後、まず、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させ、第1所定時間後、冷凍室112と貯蔵ゾーン111a及び鮮度保持ゾーン111bとを連通させるように構成されていてもよく、これによって、鮮度保持ゾーン111bを効果的に加湿し、貯蔵ゾーン111aの湿度を安定的に維持する。
【0035】
プロセッサはさらに、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを連通させてから第2所定時間後、ファン130を制御して作動を停止し、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断し(すなわち、鮮度保持ゾーン111bに対する加湿が完了する)、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断してから第3所定時間後、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを遮断するように構成されていてもよく、これによって、貯蔵ゾーン111aの湿度を向上させる。
【0036】
鮮度保持ゾーン111bは、鮮度保持ゾーン111bの気体圧力を予め設定された圧力閾値以下に維持するための弁160が設けられてもよく、これによって、鮮度保持ゾーン111bの気体圧力が高すぎることにより引き出しケースが不意に開くことを回避する。
【0037】
図3は、本発明の一実施例に係る冷凍室112の概略断面図である。
図1~
図3に示すように、ダクトカバー150には、1つの還風口152と少なくとも1つの送風部が設けられてもよく、いずれの送風部にも少なくとも1つの送風口151と1つの吹込み口が設けられてもよい。
【0038】
送風ファン130は蒸発器120の下流に設けられてもよく、渦巻ケーシングと渦巻ケーシング内に設けられる羽根車とを含む。渦巻ケーシングは、吹き出し口を1つ又は複数の送風部の吹込み口に合わせるように回転することができ、これによって、蒸発器120で冷却された冷気流を対応する送風部に送って、この送風部の送風口151から吹き出す。
【0039】
図4は、本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置100用の制御方法の概略流れ図である。
図4に示すように、本発明の冷蔵冷凍装置100用の制御方法はステップS402とステップS404を含んでもよい。
ステップS402:冷凍システムを制御して貯蔵室への冷気供給を停止する。
ステップS404:冷凍室112と貯蔵室を連通させ、冷凍システムのファン130を制御して作動させ、冷凍室112と貯蔵室内の空気の循環流動を促進して、貯蔵室を加湿する。
【0040】
本発明の制御方法は、貯蔵室内の空気を利用して冷凍室112について空気による除霜を行い、さらに除霜による高湿度気体を貯蔵室に戻すことによって加熱装置によって液体除霜水を発生させてから加湿するという従来技術の構想に束縛されず、貯蔵室の熱を活用して冷凍室112を除霜し、しかも除霜後の空気温度をより適切にし、貯蔵室へ十分な湿度をもたらし、生産コスト及び使用時のエネルギー消費を低下させる。
【0041】
いくつかの実施例では、ステップS402の前に、本発明の制御方法は
貯蔵室の保存温度が予め設定された起動温度以上になると、冷凍システムを制御して貯蔵室へ冷気を供給するステップをさらに含んでもよい。
【0042】
さらに、貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下すると、ステップS402を実行し、貯蔵室の温度を許容範囲内にすることで、貯蔵室内の食物の保存品質を確保する。
【0043】
本発明では、貯蔵室の保存温度は貯蔵ゾーン111aの温度である。貯蔵ゾーン111aの温度に基づいて貯蔵室への冷気供給(予め設定された起動温度以上)が必要であるか否か又は貯蔵室への冷気供給(予め設定されたシャットダウン温度以下)が完了したか否かを判断する。
【0044】
予め設定されたシャットダウン温度は0℃よりも高い。すなわち、貯蔵室の温度は常に0℃以上に保持され、これによって、冷凍室112に対する除霜が行われる。
【0045】
いくつかの更なる実施例では、冷凍システムを制御して貯蔵室へ冷気を供給すると同時に、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させ、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断し、これによって、鮮度保持ゾーン111bの湿度低下を回避する。
【0046】
いくつかの更なる実施例では、貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下するたびに、ステップS402を実行することによって、貯蔵室に霜が酷く付くことを回避し、冷気の有効利用率を向上させ、貯蔵室の湿度をより安定的にする。
【0047】
いくつかの実施例では、ステップS404は、
冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させるステップと、
第1所定時間後、冷凍室112と貯蔵ゾーン111a及び鮮度保持ゾーン111bとを連通させ、鮮度保持ゾーン111bを加湿し、これによって、鮮度保持ゾーン111bを効果的に加湿し、貯蔵ゾーン111aの湿度を安定的に維持するステップと、をさらに含んでもよい。
【0048】
いくつかの更なる実施例では、本発明の制御方法は、
冷凍室112と貯蔵ゾーン111a及び鮮度保持ゾーン111bとを連通させるステップが第2所定時間行われた後、ファン130を制御して作動を停止し、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断するステップと、
第3所定時間後、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを遮断して、貯蔵ゾーン111aの湿度を向上させるステップと、をさらに含んでもよい。
【0049】
図5は、本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置100用の制御方法の詳細な概略流れ図である(ここでは、「Y」は「はい」、「N」は「いいえ」を表す)。
図5に示すように、本発明の冷蔵冷凍装置100用の制御方法は、具体的には、以下のステップを含む。
【0050】
ステップS502:貯蔵室の保存温度が予め設定された起動温度以上であるか否かを判断する。その場合、ステップS504を実行し、そうでない場合、ステップS502を繰り返す。
【0051】
ステップS504:冷凍システムを制御して貯蔵室へ冷気を供給し、ファン130を作動させ、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを連通させ、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断する。
【0052】
ステップS506:貯蔵室の保存温度が予め設定されたシャットダウン温度以下に低下するか否かを判断する。その場合、ステップS508を実行し、そうでない場合、ステップS504に戻る。
【0053】
ステップS508:冷凍システムを制御して貯蔵室への冷気供給を停止し、ファン130の作動を持続し、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aの連通を持続し、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断する。
【0054】
ステップS510:ステップS508の実行時間が第1所定時間に達したか否かを判断する。その場合、ステップS512を実行し、そうでない場合、ステップS508に戻る。
【0055】
ステップS512:冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを連通させ、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aの連通を持続する。
【0056】
ステップS514:ステップS512の実行時間が第2所定時間に達したか否かを判断する。その場合、ステップS516を実行し、そうでない場合、ステップS512に戻る。
【0057】
ステップS516:ファン130を制御して作動を停止し、冷凍室112と鮮度保持ゾーン111bを遮断し、冷凍室112と貯蔵ゾーン111aの連通を持続する。
【0058】
ステップS518:ステップS516の実行時間が第3所定時間に達したか否かを判断する。その場合、ステップS520を実行し、そうでない場合、ステップS516に戻る。
【0059】
ステップS520:冷凍室112と貯蔵ゾーン111aを遮断する。ステップS502に戻る。
【0060】
以上、本発明の複数の例示的な実施例を示して本明細書を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明で開示された内容に基づいて本発明の原理に合致する多くの他の変更や修正を直接決定又は導出することができることを当業者は認識すべきである。よって、本発明の範囲はこれらの他の変更や修正をカバーするものとして理解され、見なされるべきである。
【国際調査報告】