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特表2023-532590食品ハンドリングシステムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】食品ハンドリングシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500370
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2021067999
(87)【国際公開番号】W WO2022008314
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】20184141.8
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】コラッツァーリ、ジャンニ
(72)【発明者】
【氏名】ダマト、ルイーザ
(72)【発明者】
【氏名】ルージー、ファビオ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
オペレータ携帯装置(106)を用いて、複数の食品生産ユニット(104)を含む食品ハンドリングシステム(102)を制御する方法(400)であって、サーバー(108)によってプロセスデータを受信し(S402)、プロセスデータは、食品ハンドリングシステム(102)から抽出され、プロセスデータは、食品生産ユニット(104)に設けられたセンサ(110)を介して取り込まれたパラメータ値を含み、ユーザー入力データ要求をオペレータ携帯装置(106)に送信することによってユーザー入力データを要求し(S404)、オペレータ携帯装置(106)を介してユーザー入力データを受信し(S406)、プロセスデータ及びユーザー入力データに基づいて制御データを決定し(S408)、制御データを食品製造装置(104)に送信し(S410)、制御データに基づいて食品生産ユニット(104)の設定を更新する(S412)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータ携帯装置(106)を用いて、複数の食品生産ユニット(104)を含む食品ハンドリングシステム(102)を制御する方法(400)であって、
サーバー(108)によるプロセスデータを受信し(S402)、前記プロセスデータは前記食品ハンドリングシステム(102)から抽出され、前記プロセスデータは前記食品生産ユニット(104)に設けられたセンサ(110)を介して取り込まれたパラメータ値を含み、
オペレータ携帯装置(106)にユーザー入力データ要求を送信することにより、ユーザー入力データを要求し(S404)、
前記オペレータ携帯装置(106)を介して、前記ユーザー入力データを受信し(S406)、
前記プロセスデータ及び前記ユーザー入力データに基づいて制御データを決定し(S408)、
前記制御データを前記食品生産ユニット(104)へ送信し(S410)、及び
前記制御データに基づいて前記食品生産ユニット(104)の設定を更新する(S412)、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記ユーザー入力データは、前記オペレータ携帯装置(106)のカメラ(112)を用いて提供された前記パッケージサンプルに設けられたコードを介して受信されたパッケージサンプル識別を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスデータに基づいて、前記ユーザー入力データ要求を決定する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
オペレータ識別を受信し、前記オペレータ識別は、前記オペレータ携帯装置(106)を使用することによって決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記オペレータ識別は、生体認証を用いることによって行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オペレータ識別と過去のユーザー入力データベースを使用して、オペレータ固有の特性を決定し、
オペレータ固有の特性に基づいて、ユーザー入力データを調整する、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記オペレータ携帯装置(106)を用いて手書きテキストをキャプチャし、
前記手書きテキストを前記ユーザー入力データに変換する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザー入力データの前記手書きテキストから手書きテキスト特徴を抽出し、
手書きテキストテンプレートを受信し、
前記手書きテキストテンプレートから手書きテキストテンプレート特徴を抽出し、
前記手書きテキスト特徴と前記手書きテキストテンプレート特徴を比較し、
一致した場合、前記手書きテキストテンプレート特徴に対応する前記オペレータ識別を要求する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記手書きテキストを分析し、前記手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされているかどうかを判断し、
前記手書きテキストを確認し、
前記手書きテキストをデジタルテキストに変換し、及び
前記デジタルテキストをオンサイトデータベースに格納し(114)、
もしくは、
前記手書きテキストに修正を加え、
前記修正された手書きテキストを分析し、前記修正された手書きテキストが前記複数の所定のオプションのうちの1つにリンクしているかどうかを判断し、
前記修正した手書きテキストを確認し、
前記修正された手書きテキストをデジタルテキストに変換し、及び
前記デジタルテキストを前記オンサイトデータベースに格納する(114)、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザー入力データと前記基準ユーザー入力データとを比較し、
前記ユーザー入力データが、前記基準ユーザー入力データに関連付けられた所定の入力範囲と異なる場合、前記食品ハンドリングシステムを停止させる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザー入力データを要求するステップは、さらに、
前記食品ハンドリングシステム(102)のユーザーにユーザーガイドを提供し、及び
前記ユーザーガイドに基づき、前記ユーザー入力データ要求に関連するプロセスを前記ユーザーにガイドする、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記オペレータ携帯装置(106)が、ハンドヘルド装置又はウェアラブル装置である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記オペレータ携帯装置(106)が前記ウェアラブル装置である場合、
前記ウェアラブル装置を使用して手書きテキストをキャプチャし、前記ウェアラブル装置は前記手書きテキストを前記デジタルテキストに変換するように構成されており、
前記デジタルテキストを前記オンサイトデータベースに格納する(114)、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数の食品生産ユニット(104)を含む食品ハンドリングシステム(102)を制御するように構成されたサーバー(108)であって、前記サーバー(108)は、トランシーバー(202)、制御回路(204)及びメモリ(208)を備え、
前記トランシーバ(202)は、
プロセスデータを受信し、前記プロセスデータは、前記食品ハンドリングシステム(102)から抽出され、前記プロセスデータは、前記食品製造ユニット(104)に設けられたセンサ(110)を介して取り込まれたパラメータ値を含み、
前記オペレータ携帯装置(106)にユーザー入力データ要求を送信することにより、ユーザー入力データを要求し、
前記オペレータ携帯装置(106)から前記ユーザー入力データを受信し、及び
前記食品生産ユニット(104)に制御データを送信する、
構成を備えており、及び
前記制御回路(204)は、
前記プロセスデータ及び前記ユーザー入力データに基づいて制御データを決定するように構成された決定機能と、及び
前記制御データに基づいて、前記食品生産ユニット(104)の設定を更新するように構成された更新機能と、
を備える、
サーバー。
【請求項15】
複数の食品生産ユニット(104)を含む食品ハンドリングシステム(102)を制御するシステム(100)であって、
前記食品ハンドリングシステム(102)と、前記食品ハンドリングシステム(102)は、センサ(110)を備えた前記複数の食品生産ユニット(104)を含み、
ユーザー入力データを送信するように構成されたオペレータ携帯装置(106)と、
サーバー(108)と、
ユーザー入力データを格納するように構成されたオンサイトデータベース(114)と、及び
オフサイトデータベース(116)と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装技術に関する。より具体的には、オペレータ携帯装置を使用することによって、多数の食品製造ユニットを含む食品ハンドリングシステムを制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、包装ラインや加工ラインの点検・保守作業では、オペレータが紙とペンを使ってデータを収集することが一般的である。検査や整備作業は、主に製造現場や倉庫で行われる。通常、オペレータは、工場レベルの標準作業手順書に従ってデータを収集する。紙とペンを使用する利点は、高い柔軟性を提供することである。作業手順が変更され、異なる内容のデータを収集しなければならない場合でも、紙とペンを使用すれば問題にはならない。更に、紙とペンは広く受け入れられている。
【0003】
紙とペンを使った現在のソリューションの欠点は、正しい情報が書かれた正しい紙を見つけるのが難しい場合があること、異なるバージョンの情報を管理することが難しいことである。更に、情報が紙に書かれている間に、情報を例えばデジタルデータソースに変換することが面倒であるという欠点もある。上記の欠点を克服するために、データを紙からコンピュータに手動で転送することがあるが、この手順は、時間がかかり、効果的ではない。
【0004】
紙とペンの代わりに、コンピュータを使用することも現在では一般的になっている。コンピュータを使う利点は、オペレータが収集した情報を転送する必要がなく、正しいフォーマットで情報を直接入力できることである。このため、データの収集と保存の手順がより効率的になる。更に、コンピュータを使用することで、古いバージョンのフォームを使用するリスクを減らすことができる。
【0005】
オペレータからのデータ収集にコンピュータを使用することは一般的に機能しているが、柔軟性、データ品質、応答性の点でさらなる改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の上記した1つ以上の制限を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、オペレータ携帯装置を用いて、複数の食品生産ユニットを含む食品ハンドリングシステムを制御する方法が提供される。本方法は、
サーバーによってプロセスデータを受信し、プロセスデータは、食品ハンドリングシステムから抽出され、プロセスデータは、食品生産ユニットに設けられたセンサを介して取り込まれたパラメータ値を含み、
オペレータ携帯装置にユーザー入力データ要求を送信することにより、ユーザー入力データを要求し、
オペレータ携帯装置を介してユーザー入力データを受信し、
プロセスデータ及びユーザー入力データに基づいて制御データを決定し、
制御データを食品生産ユニットへ送信し、
制御データに基づいて食品生産ユニットの設定を更新する、
ことを含む。
【0008】
ここで、「オペレータ携帯装置」という用語は、プロセスデータ及びユーザー入力データの両方のデータを受信して分析するように構成された装置を意味する。この装置は、生産現場や倉庫で検査や保守作業を行う際に、オペレータ(ここではユーザーとも呼ばれる)が持ち運びできるサイズであることが望ましい。
【0009】
「プロセスデータ」という用語は、食品生産ユニットに設けられたセンサによって手動または自動で収集される任意のデータを意味する。プロセスデータは、食品ハンドリングシステムの状態をリアルタイムで示す、リアルタイムデータであってもよい。非限定的な例によれば、プロセスデータのパラメータ値は、圧力、流量、単位時間当たりの生産パッケージ等を含んでもよい。
【0010】
「ユーザー入力データ」という用語は、食品ハンドリングシステムのオペレータ等のユーザーによって、オペレータ携帯装置に手動または自動で入力されるデータを意味する。更に、ユーザー入力データは、パッケージサンプルの品質パラメータデータ、例えば、横方向シールと比較したキャップの配置に関連するデータであってもよい。
【0011】
「ユーザー入力データ要求」という用語は、ユーザー入力データが応答できる要求を意味する。非限定的な例によれば、ユーザー入力データ要求は、例えば食品ハンドリングシステム、生産管理者、シフトリーダー、又はアラームからの要求に基づいてもよい。
【0012】
オペレータ携帯装置を使用する開示された方法による利点は、オペレータが装置を常に携帯できることである。これにより、オペレータは、データを紙からコンピュータに転送し、データを挿入するために固定コンピュータを起動する必要がなく、最初から正しい形式でデータを収集することができるため、より効果的なデータの収集が可能となる。このように、オペレータを携帯させることで、ユーザーが入力したデータをより早く利用できるようになるので、システムの応答性を向上させることができる。更に、オペレータ携帯装置を有することにより、特定のユーザーの特定のニーズに合わせてカスタマイズすることができ、応答性を更に向上させることができる。
【0013】
さらなる利点は、食品生産ユニットの設定を更新するために使用される制御データが、食品生産ユニット内のセンサから受信したプロセスデータだけでなく、ユーザーから受信したユーザー入力データの両方に基づいていることである。このように、プロセスデータ及びユーザー入力データの両方が迅速に受信されるデータの組み合わせに基づいて設定が更新されるため、設定の更新が迅速に行われる。設定が迅速に更新されるほど、食品生産ユニットの誤った設定に基づき発生し得る問題を回避しやすくなる。したがって、応答性が向上し、より確実で柔軟な食品ハンドリングシステムの制御を実現することができる。
【0014】
更に、ユーザー入力データは、プロセスデータによって形成された情報のギャップを埋めるために要求することができる。例えば、システムが、システムの特定の部分について、特定部分の状態について信頼できる結論を出すのに十分な情報がないことを識別した場合、ユーザー入力データ要求は、ユーザー入力データがシステムのこの特定部分に対処するように行うことができる。したがって、組み合わせて使用することに加えて、またはその代わりに、ユーザー入力データをプロセスデータの補完として使用することができる。
【0015】
本開示によって、信頼性が高く効率的な解決策を提供するために、収集された全てのデータを利用する。更に、収集された全てのデータを利用することによって、オペレータがユーザー入力データ要求に対して応答してもよい。ユーザー入力データ要求は、チェックを実行するためにリアルタイムでコマンドを送信するための質問又は要求を含んでも良い。チェックは、同じオペレータによって提供された以前の入力に基づくものであってもよい。チェックは、工場レベルでの新しい状態、例えば、生産管理者、シフトリーダー、アラームからの要求又はプロセスデータに基づくものであってもよい。このように、ユーザー入力データ要求は、自動的または手動的な要求に基づいてもよい。
【0016】
しかし、開示された方法の利点は、オペレータ携帯装置と組み合わせて食品ハンドリング処理システムを使用する顧客にとって、より効率的な毎日の作業ルーチンを容易にすることである。
【0017】
ユーザー入力データは、オペレータ携帯装置のカメラを使用してパッケージサンプルに設けられたコードを介して受信されたパッケージサンプル識別を含んでもよい。
【0018】
ユーザー入力データにパッケージサンプルの識別情報を導入することにより、パッケージのトレーサビリティを向上させることができる。トレーサビリティの向上による利点は、あるパッケージサンプルに問題がある場合、同じバッチ内で同様の問題にさらされた他のパッケージサンプルを追跡することが可能となる。このことは、オペレータ携帯装置を使用することによる応答性の向上と相まって、不十分な処理または包装が施された製品をより迅速に検出することができ、例えば食品安全の観点から重要である。
【0019】
本方法は、プロセスデータに基づいてユーザー入力データ要求を決定することを更に含んでもよい。
【0020】
プロセスデータに基づいてユーザー入力データ要求を決定することによる利点は、プロセスデータとユーザー入力データとの間の動的性を達成し得ることである。
【0021】
オペレータ携帯装置が食品生産ユニットからのプロセスデータを含む任意のデータベース上に格納された他のデータと相互作用することができるさらなる利点は、ユーザー入力データ要求が最新のものであり、その時点で食品ハンドリングシステムに関連する情報を要求できることである。したがって、ユーザー入力データ要求の遅延が少なく、もはや関連性のない情報を要求する可能性もある。
【0022】
本方法は、オペレータ識別情報を受信することを更に含み、オペレータ識別情報は、オペレータ携帯装置を使用することによって決定してもよい。
【0023】
オペレータを識別できることの利点は、オペレータ携帯装置のユーザインタフェースを、このオペレータに特に適合するように調整することができることである。例えば、おぺーレーターが初めてチェックを実行するよう求められた場合、意図したとおりにチェックが行われるように、画面上に追加の指示を提供することができる。
【0024】
オペレータ識別は、生体認証を用いてもよい。例えば、顔認証及び/又は指紋認証が用いられてもよい。オペレータ識別は、デバイスのロック解除と同時に行ってもよい。
【0025】
本方法は、
オペレータ識別と過去のユーザー入力データベースを使用して、オペレータ固有の特性を決定し、オペレータ固有の特性に基づいて、ユーザー入力データを調整すること、
を更に含んでもよい。
【0026】
オペレータには個人差があり、状況や事象によって解釈が異なる可能性があるため、オペレータを把握することで、このオペレータに紐づく過去のデータを利用し、異なるオペレータからのデータをより確実に比較できるようにユーザー入力データを調整することが可能である。
【0027】
本方法は、オペレータ携帯装置を用いて手書きテキストをキャプチャし、手書きテキストをユーザー入力データに変換すること、を更に含んでもよい。
【0028】
手書きテキストは、それ自体で、又は例えば顔認識データとの組み合わせで、オペレータを識別するために使用することもできる。手書きテキストは、ユーザー入力データを入力する際のオペレータの状態を判断するためにも使用される。例えば、オペレータがストレスを感じているのか落ち着いているのかを手書きテキストから検出することが可能である。これは、特定のオペレータの過去のデータと比較することによって可能になるが、手書きテキストがそれを書く人の状態をどのように反映するかについての一般的な学習も利用できる。
【0029】
ここで、「捕捉」又は「収集」という用語は、一般的な意味で情報を取得することを意味する。情報は、手書きテキスト、キーボードで入力されたテキスト、音声、オペレータ携帯装置のカメラでキャプチャされた画像などである。
【0030】
ここで、「手書きテキスト」という用語は、ユーザーがユーザー入力データをオペレータ携帯装置に手書きで入力することができることを意味する。また、ユーザーは、紙に情報を手書きし、その紙を撮影することによって、ユーザー入力データを提供することもできる。オペレータ携帯装置上の手書きテキスト及び紙上の手書きテキストは、ユーザー入力データが手書きテキストを構成するように、ユーザー入力データに変換されてもよい。
【0031】
オペレータが手書きで操作できるようにすることで、オペレータ携帯装置への情報入力の簡略化および柔軟性を提供することができるという利点がある。
【0032】
本方法は、
ユーザー入力データの手書きテキストから手書きテキスト特徴を抽出し、
手書きテキストテンプレートを受信し、
手書きテキストテンプレートから手書きテキストテンプレート特徴を抽出し、
手書きテキスト特徴と手書きテキストテンプレート特徴を比較し、
一致した場合、手書きテキストテンプレート特徴に対応するオペレータ識別を要求する、
ことを更に含んでも良い。
【0033】
本方法は、
手書きテキストを分析し、手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされているかどうかを判断し、
手書きテキストを確認し、
手書きテキストをデジタルテキストに変換すること、及び
デジタルテキストをオンサイトデータベースに格納すること、
もしくは、
手書きテキストに1つまたは複数の修正を行い、
修正された手書きテキストを分析し、修正された手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクしているかどうかを判断し、
修正した手書きテキストを確認し、
修正された手書きテキストをデジタルテキストに変換する、及び
デジタルテキストをオンサイトデータベースに格納する、
ことを更に含んでもよい。
【0034】
ここでいう「修正」とは、ユーザー入力データを、複数の所定のオプションうちの1つにリンクさせるように修正することを意味する。非限定的な一例によれば、修正はスペルミスの単語を修正することであってもよい。修正は、ユーザーによって手動で実行されてもよい。修正は、オペレータ携帯装置によって自動的に実行されてもよい。
【0035】
本方法は、
ユーザー入力データを基準ユーザー入力データと比較し、
ユーザー入力データが、基準ユーザー入力データに関連付けられた所定の入力範囲と異なる場合、食品ハンドリングシステムを停止させる、
ことを更に含んでもよい。
【0036】
ユーザー入力データを基準ユーザー入力データと比較することによる利点は、ユーザー入力データが関連する正しい情報を含んでいるかどうかを識別することが可能であることである。更に、ユーザー入力データが正しい方法で入力されたかどうかを識別することが可能である。
【0037】
開示された方法でユーザー入力データを分析することによる更なる利点は、工場レベルでの顧客の作業に関する多くの価値と知識を提供することができることである。また、顧客がどのように意思決定を行うかについての知識も提供されることもある。
【0038】
更に、問題が発生した内容が何であるかを分析できる可能性があるという別の利点もある。
【0039】
そのため、より使いやすく、効率的な監視サービスを提供することができ、トラブルの発生を未然に防ぎ、お客様の一歩先を行くことができる。
【0040】
このように、ユーザーの入力データが範囲外であった場合、問題が発生する前に食品ハンドリングシステムを停止させることが可能である場合がある。また、システムの他のオペレータに対して、対策を講じるためのアラートを行うことも可能でる。予防的な保守作業を実行できるように、情報を分析することも可能である。
【0041】
ユーザー入力データを要求するステップは、
食品ハンドリングシステムのユーザーにユーザーガイドを提供し、
ユーザーガイドに基づき、ユーザー入力データ要求に関連するプロセスをユーザーにガイドする、
ことを更に含んでもよい。
【0042】
ここで、「ユーザーガイド」という用語は、テンプレート又はチャットボットを意味し、チャットボットは、人工知能を使用している。したがって、ユーザーガイドは、ユーザーが正しい方法でユーザー入力データを入力するだけでなく、ユーザー入力データ要求と比較して関連性のあるデータであるように、ユーザーに対するガイドとして解釈される。ユーザーガイドは、ユーザーをガイドするものであってもよい。テンプレートは、ユーザーがどこに何を入力するかガイドするために、テキストボックスとグリッドコントロールを含んでも良い。テンプレートは、プロセスデータに基づいて、又はユーザー入力データ要求に基づいて、時間の経過とともに更新されてもよい。オペレータ携帯装置は、ユーザーガイドを含んでもよい。
【0043】
プロセスを通じてユーザーをガイドできるユーザーガイドを導入することにより、ユーザーが何をすべきかを知ることができるため、より効率的なプロセスを提供することができる。
【0044】
オペレータ携帯装置は、ハンドヘルド装置であってもよいし、ウェアラブル装置であってもよい。
【0045】
ここで、「ハンドヘルド装置」という用語は、オペレータが持ち運びできる任意の機器、例えば、タブレットや携帯電話などを意味する。
【0046】
「ウェアラブル装置」とは、オペレータが身につけることができる任意のデバイスを意味し、例えば、スマートグラス、スマートウォッチ、カメラ付きの携帯デバイス等を意味する。
【0047】
携帯装置がウェアラブル装置である場合、本方法は、
ウェアラブル装置を使用して手書きテキストをキャプチャし、ウェアラブル装置は、手書きテキストをデジタルテキストに変換するように構成され、
デジタルテキストをオンサイトデータベースに格納する、
ことを更に含んでもよい。
【0048】
第2の態様によれば、複数の食品生産ユニットを含む食品ハンドリングシステムを制御するように構成されたサーバーが提供される。サーバーは、トランシーバーと、制御回路と、メモリとを備えてもよく、
トランシーバーは、
プロセスデータを受信し、プロセスデータは、食品ハンドリングシステムから抽出され、プロセスデータは、食品生産ユニットに設けられたセンサを介して取り込まれたパラメータ値を含み、
オペレータ携帯装置にユーザー入力データ要求を送信することにより、ユーザー入力データ要求し、
オペレータ携帯装置からユーザー入力データを受信し、
食品生産ユニットに対して制御データを送信する、
構成を含み、
制御回路は、
プロセスデータ及びユーザー入力データに基づいて制御データを決定するように構成された決定機能と、及び
制御データに基づいて、前記食品製造装置における設定を更新する更新機能と、
を備える。
【0049】
第3の態様によれば、複数の食品生産ユニットを含む食品ハンドリングシステムを制御するためのシステムが提供される。本システムは、
食品ハンドリングシステムと、食品ハンドリングシステムは、センサを備える複数の食品生産ユニットを含み、
ユーザー入力データを送信するように構成されたオペレータ携帯装置と、
第2の態様に対応するサーバーと、
ユーザー入力データを格納するように構成されたオンサイトデータベースと、及び
オフサイトのデータベースと、
を備える。
【0050】
本発明の更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0051】
第2及び第3の態様の効果および特徴は、第1の態様に関連して上述したものとほぼ類似している。第1の態様に関連して言及された実施形態は、第2及び第3の態様とほぼ互換性がある。更に、本発明の概念は、明示的に別段の記載がない限り、特徴のすべての可能な組み合わせに関するものであることに留意されたい。本発明の更なる適用範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の範囲内の様々な変更および修正は、以下の詳細な説明から当業者には明らかになるので、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示のためにのみ与えられていることを理解すべきである。
【0052】
したがって、本発明は、記載された装置の特定の構成部分又は記載された方法のステップに限定されないことが理解される。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけに使用されるものであり、限定することを意図していないことを理解されたい。本明細書及び添付の請求項で使用されているように、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、文脈が明確に指示しない限り、要素の1つ以上が存在することを意味することを意図していることに留意されたい。したがって、例えば、「ユニット」又は「ユニット」への言及は、複数のデバイスなどを含むことができる。
【0053】
更に、「構成する」、「含む」、「含む」、および同様の語句は、他の要素又はステップを排除するものではない。
【0054】
以下、本発明の実施形態について、添付の概略図を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】食品ハンドリングシステムを制御するシステムを示す図である。
図2】食品ハンドリングシステムを制御するように構成されたサーバーを示す図である。
図3a】ユーザーガイドを含むオペレータ携帯装置を示す図である。
図3b】ユーザーガイドを含むオペレータ携帯装置を示す図である。
図3c】ユーザーガイドを含むオペレータ携帯装置を示す図である。
図4】食品ハンドリングシステムの制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1を参照すると、食品ハンドリングシステム102を制御するシステム100が一例として示されている。システム100は、食品ハンドリングシステム102と、オペレータ携帯装置106と、サーバー108から構成されてもよい。サーバー108は、図2においてより詳細に説明される。システム100は、オンサイトデータベース114及びオフサイトデータベース116を更に備えてもよい。
【0057】
システム100の各装置は、システム100の他の任意の装置と通信可能に接続されてもよい。したがって、各装置は、システム内の任意の他の装置に情報を送信し、又は情報を受信するように構成されてもよい。非限定的な一例によれば、食品生産ユニット104は、オペレータ携帯装置106に情報を送信するように構成されてもよい。システム100の各装置は、システム100の外部の他の装置にも通信可能に接続されてもよい。例えば、他の工場からの情報も考慮されてもよい。異なる装置が互いに通信可能に接続されている場合でも、情報が共有されない状況もあり得る。例えば、ビジネス上重要なデータは、共有されないよう選択してもよい。オンサイトデータベース114とオフサイトデータベース116を用いることで、ビジネス上重要なデータはオンサイトデータベース114に保持され、他者と共有可能なデータはオフサイトデータベース116に保持されることが可能となる。例えば、手書きテキスト認識に関連するデータは、関連する結論を出すのに十分なデータを取得するために、他者と共有することが適している場合がある。
【0058】
システム100の目的は、食品ハンドリングシステム102を含む工場レベルでデータの収集を容易にすることである。システム100の更なる目的は、食品ハンドリングシステム102を含む工場レベルから収集されたデータの保存を簡略化することである。更に、システム100は、データの収集及び保存の効率的かつ柔軟な方法を提供することができる。
【0059】
食品ハンドリングシステム102は、多数の食品生産ユニット104を含んでもよい。図1に示されるように、食品ハンドリングシステム102は、5つの食品生産ユニット104を含む。しかしながら、食品ハンドリングシステム102は、5つ未満の食品生産ユニット104を含んでもよいことが理解されるべきである。また、食品ハンドリングシステム102は、5つ以上の食品生産ユニット104を含んでもよいも理解されるべきである。一つの非限定的な例によれば、食品生産ユニット104は、包装機及び/又は加工ラインであってもよい。したがって、食品生産ユニット104は、食品、例えばミルク又はジュースを処理するように構成されてもよく、又は包装材料から食品パッケージを製造するように構成されてもよい。
【0060】
食品生産ユニット104は、食品生産ユニット104からプロセスデータを収集するためのセンサ110を備えてもよい。プロセスデータは、食品ハンドリングシステム102から抽出されてもよい。プロセスデータは、センサ110を介して取り込まれたパラメータ値を含んでもよい。プロセスデータは、食品生産ユニット104から収集されたリアルタイムのデータであってもよい。非限定的な一例によれば、プロセスデータは、食品生産ユニット104、食品又は包装材料に関連する情報を含んでもよい。したがって、プロセスデータは、圧力、流量、単位時間当たりに製造されるパッケージの数、振動、温度などに関連する情報を含んでもよい。食品生産ユニット104は、センサ110によって収集されたプロセスデータを、オペレータ携帯装置106に送信するように構成されてもよい。食品生産ユニット104は、センサ110によって収集された情報をサーバー108に送信するように構成されてもよい。食品生産ユニット104が情報をオペレータ携帯装置106に送信する場合に得られる利点は、情報がサーバー108を介してオペレータ携帯装置106に送信される場合と比較して、応答性が低下する可能性があることである。センサからの情報を直接オペレータ携帯装置に送信し、又はサーバー108を介して送信することによって、制御システムで対応できないようなセンサ出力を行うことが可能となる。別の言い方をすれば、システムの状態に関する情報は、制御システムをバイパスすることができる。これによる利点は、センサ110における新たな追加機能を容易に利用することができることである。
【0061】
食品生産ユニット104は、情報を伝達するために、オペレータ携帯装置106とサーバー108に有線または無線で接続されてもよい。
【0062】
オペレータ携帯装置106は、カメラ112及びスクリーンを備えてもよい。オペレータ携帯装置106は、ユーザー入力データ要求を受信するように構成されてもよい。ユーザー入力データ要求は、食品生産ユニット104に設けられたセンサ110によって収集されたプロセスデータに基づいてもよい。別の言い方をすれば、ユーザー入力データ要求は、プロセスデータに基づいて動的に決定されてもよい。このように、ユーザー入力データは、プロセスデータを補完するために使用することができる。なお、ユーザー入力データ要求は、システム100の外部の装置やデータからの要求に基づいてもよい。
【0063】
オペレータ携帯装置106は、食品ハンドリングシステム102のオペレータからユーザー入力データを受信するように構成されてもよく、ユーザー入力データは、ユーザー入力データ要求に基づいてもよい。ユーザー入力データは、フリーテキストを含んでもよい。ユーザー入力データは、予め決められたテキスト又はテキスト代替物であってもよい。ユーザー入力データは、手書きテキスト又はデジタルテキストを含んでもよい。非限定的な一例によれば、ユーザー入力データは、オペレータ携帯装置106のカメラ112を使用することによってパッケージサンプル上に提供されたコードを介して受信されたパッケージサンプル識別を含んでもよい。
【0064】
オペレータ携帯装置106は、ユーザー入力データをプレビューするように更に構成されてもよく、ユーザーは、ユーザー入力データを受け入れるか拒否することができる。オペレータ携帯装置106は、ユーザーがユーザー入力データの修正を実行できるようにすることができ、図3cにおいて更に示されている。ユーザー入力データの修正は、ユーザーによって、手動で実行されてもよく、又はオペレータ携帯装置106によって自動的に実行されてもよい。
【0065】
オペレータ携帯装置106は、ユーザーガイドを含んでもよい。ユーザーガイドは、ユーザー入力データ要求に関連するプロセスを通じてユーザー、すなわちオペレータを案内するように構成されてもよい。ユーザーガイドは、テンプレートであってもよく、チャットボットであってもよい。ユーザーガイドは、プロセスデータに基づいてもよい。ユーザーガイドは、ユーザー入力データ要求に基づくものであってもよい。したがって、ユーザーガイドは、ユーザー入力データがどのような種類の情報を含むべきかを示してもよい。ユーザー入力データが例えば圧力に関連する情報を含む場合、ユーザーガイドは、ユーザー入力データがどのようなタイプの単位を有するべきかを示してもよい。ユーザーガイドは、図3a~cにおいてより詳細に説明される。
【0066】
オペレータ携帯装置106は、オペレータ識別を決定するように更に構成されてもよい。非限定的な一例によれば、オペレータ識別は、バイオメトリクス識別を使用することによって行われてもよい。オペレータ携帯装置106は、オペレータ識別と過去のユーザー入力データベースとを用いて、オペレータ固有の特性を決定するように更に構成されてもよい。ユーザー入力データは、オペレータ固有の特性に基づいて調整されてもよい。
【0067】
オペレータ携帯装置106は、食品ハンドリングシステム102及び食品生産ユニット104に情報を送信するように構成されてもよい。オペレータ携帯装置106は、更に、サーバー108に情報を送信するように構成されてもよい。オペレータ携帯装置106は、更に、情報を格納するために、オンサイトデータベース114及びオフサイトデータベース116に情報を送信するように構成されてもよい。
【0068】
図2は、サーバー108の概略構成を示す。サーバー108は、食品ハンドリングシステム102を制御するために構成されてもよい。サーバー108は、トランシーバー202と、制御回路204と、メモリ208を含んでもよい。
【0069】
トランシーバー202は、サーバー108が他の装置、例えば、食品生産ユニット104及びオペレータ携帯装置106だけでなく、オンサイトデータベース114及びオフサイトデータベース116と通信できるように構成されてもよい。トランシーバー202は、プロセスデータを受信するように構成されてもよく、プロセスデータは、食品生産ユニット104から、又は食品生産ユニット104に設けられたセンサ110から送信されてもよい。トランシーバー202は、ユーザー入力データ要求をオペレータ携帯装置106に送信するように構成されてもよい。トランシーバー202は、オペレータ携帯型装置106からユーザー入力データを受信するように構成されてもよい。
【0070】
制御回路204は、サーバー108の機能及び動作の制御を実行されるように構成されてもよい。制御回路204は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ206を含んでもよい。プロセッサは、サーバー108の機能及び動作を実行するために、メモリ208に格納されたプログラムコードを実行するように構成されてもよい。
【0071】
制御回路204は、決定機能210を実行してもよい。決定機能210は、プロセスデータ及びユーザー入力データに基づいて、制御データを決定するように構成されてもよい。
【0072】
制御回路204は、更新機能212を実行してもよい。更新機能は、制御データに基づいて、食品生産ユニット104における設定を更新するように構成されてもよい。
【0073】
制御回路204は、データ分析機能216を実行してもよい。データ分析機能216は、プロセスデータ及びユーザー入力データを分析するように構成されてもよい。データ分析機能216は、プロセスデータ及び分析データに基づいて制御データを分析するように更に構成されてもよい。非限定的な一例によれば、データ分析機能216は、ユーザー入力データを基準ユーザー入力データと比較するように構成されてもよい。ユーザー入力データが、基準ユーザー入力データに関連付けられた所定の入力範囲と異なる場合、データ分析機能216は、食品ハンドリングシステム102を停止させるように構成されてもよい。代替的に、又は組み合わせて、ユーザー入力データが基準ユーザー入力データに関連付けられた所定の入力範囲と異なる場合、データ分析機能216は、不一致を示すアラーム信号をオペレータ携帯装置106に送信するように構成されてもよい。このように、データ分析機能216は、データが有効なデータであるかどうかを分析するように構成されてもよい。
【0074】
図3a~cを参照すると、ユーザーガイドを構成するオペレータ携帯装置106が一例として示されている。図3a~cにおいて、ユーザーガイドは、プロセスを通じてユーザー案内するために構成されたテンプレートである。
【0075】
図3aは、ユーザーが手書きテキスト又はデジタルテキストを使用してユーザー入力データを入力することができる3つのボックスを示している。その後、ユーザー入力データをプレビュー及び保存することができる。
【0076】
図3bは、図3aと同じ図であるが、ユーザー入力データが3つのボックスで受信された後であり、ユーザー入力データは手書きテキストを含む。ユーザーがデジタルテキストの代わりに手書きテキストを使用することで、オペレータ携帯装置106上の書き込みが簡素化される。したがって、よりユーザーフレンドリーで柔軟なデータ収集方法を提供する。オペレータ携帯装置106は、ユーザーがペンデバイス(stylus)で英数字テキストを手書きすることを可能にするように構成されてもよく、句読点、例えば、疑問符、感嘆符、ピリオド、カンマ、コロン及びセミコロンも手書きすることができる。このように、オペレータ携帯装置106は、ユーザーがフリーテキストを含むユーザー入力データを入力することができるようにしてもよい。オペレータ携帯装置106は、ユーザーが所定のテキストまたはテキスト代替物を含むユーザー入力データを入力することを可能にしてもよい。オペレータ携帯装置106は、ユーザー入力データをプレビューするように構成されてもよく、ユーザーは、ユーザー入力データを受け入れるか拒否することができる。オペレータ携帯装置106は、ユーザーがユーザー入力データの修正を実行できるようにしてもよく、図3cにおいて更に示されている。ユーザー入力データの修正は、ユーザーによって、手動で実行されてもよく、又はオペレータ携帯装置106によって、自動的に実行されてもよい。
【0077】
図3cに示すように、オペレータ携帯装置106は、手書きテキストを修正するように構成されてもよい。図3cに更に示すように、オペレータ携帯装置106は、手書きテキストをデジタルテキストに変換するように構成されてもよい。オペレータ携帯装置106は、デジタルテキストをオンサイトデータベース114又はオフサイトデータベース116に格納するように構成されてもよい。デジタルテキストは、オペレータ携帯装置106に格納されるように構成されてもよい。
【0078】
更に容易にするために、または代替として、ユーザー入力データを音声で入力してもよい。オペレータ携帯機器にマイクを搭載し、音声認識ソフトウェアを使用することで、ユーザーは自分の声を使って入力することができる。これは、ユーザー入力データを提供する唯一の方法であってもよいし、手書き認識ソフトウェアが手書き入力を誤って解釈した場合、つまり手書き認識を使用する際のバックアップとして使用してもよい。
【0079】
代替的に、または組み合わせて、ユーザーガイドは、プロセスを通じてユーザーをガイドするためのチャットボットであってもよい。その場合、オペレータ携帯装置106は、別のオペレータ携帯装置に接続されてもよく、別のオペレータ携帯デバイスは、スマートペンシルであってもよい。オペレータ携帯装置106と別のオペレータ携帯装置が接続された場合、オペレータは、別のオペレータ携帯装置を使用して紙にユーザー入力データを書き込むことができ、オペレータ携帯装置106は、手書きテキストを同時に再生することができるようにしてもよい。
【0080】
代替的に、または組み合わせて、ユーザーは、ペンと紙を使用し、その後、オペレータ携帯装置106のカメラ112を使用して紙の写真をキャプチャするように構成されてもよく、オペレータ携帯装置106は、手書きテキストをデジタルテキストに変換するように構成されてもよい。
【0081】
代替的に、または組み合わせて、オペレータ携帯装置106がウェアラブル装置、例えばスマートグラスである場合、ウェアラブル装置は、手書きテキストをデジタルテキストに変換するように構成される。したがって、ウェアラブル装置は、手書きテキストを含む画像をキャプチャするように構成されてもよい。ウェアラブル装置によるテキストキャプチャは、ユーザーによって自動的に又は手動でトリガーされてもよい。
【0082】
上記の概念は、一般的な方法として次のように説明できる。
オペレータ携帯装置106を用いて、複数の食品生産ユニット104を含む食品ハンドリングシステム102を制御する方法であって、
前記オペレータ携帯装置106を前記複数の食品生産ユニット104に接続し、
サーバー108によってプロセスデータを受信し、前記プロセスデータは前記食品ハンドリングシステム102から抽出され、前記プロセスデータは前記食品生産ユニット104に設けられたセンサ110を介して取り込まれたパラメータ値を含み、
前記プロセスデータに基づいてユーザー入力データテンプレートを生成し、
前記オペレータ携帯装置を介して前記ユーザー入力データテンプレートに基づくユーザー入力データを受信し、前記ユーザー入力データは前記オペレータ携帯装置106上の手書きテキストを含み、
前記手書きテキストをデジタルテキストに変換し、
前記デジタルテキストを格納する、
ことを含む。
【0083】
本方法は、更に、
前記プロセスデータおよび前記ユーザー入力データに基づいて制御データを決定し、
前記制御データを食品生産ユニット104に送信し、
前記制御データに基づいて、前記食品生産ユニットの設定を更新する、
ことを含む。
【0084】
図2を参照すると、ユーザー入力データが手書きテキストを含む場合、制御回路204は、認識機能214を実行してもよい。認識機能214は、手書きテキストを含むユーザー入力データから手書きテキスト特徴を抽出するように構成されてもよい。認識機能214は、手書きテキストテンプレートを受信し、手書きテキストテンプレートから手書きテキストテンプレート特徴を抽出するように更に構成されてもよい。認識機能214は、手書きテキスト特徴を手書きテキストテンプレート特徴と比較するように更に構成されてもよい。手書きテキスト特徴と手書きテキストテンプレート特徴との間に一致が見出された場合、認識機能214は、手書きテキストテンプレート特徴に対応するオペレータ識別を要求するように更に構成されてもよい。
【0085】
手書きテキスト特徴と手書きテキストテンプレート特徴とを比較することによる利点は、ユーザーが有効なユーザーとして許可されているか、及びユーザー入力データを受け入れる必要があるかを決定するための分析を提供することである。
【0086】
図2を参照すると、ユーザー入力データが手書きテキストを含む場合、制御回路204は、手書きテキスト分析機能218を実行してもよい。ユーザー入力データが手書きテキストからなる場合、手書きテキスト分析機能218は、手書きテキストを分析するように構成されてもよい。手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされる場合、手書きテキスト分析機能218は、手書きテキストを確認し、手書きテキストをデジタルテキストに変換し、デジタルテキストを格納するように構成されてもよい。手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされていない場合、手書きテキスト分析機能218は、手書きテキストに対して修正を実行し、手書きテキストを分析するように構成されてもよい。修正された手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされる場合、手書きテキスト分析機能218は、修正された手書きテキストを確認し、修正された手書きテキストをデジタルテキストに変換し、デジタルテキストを格納するよう構成されてもよい。
【0087】
したがって、手書きテキスト分析機能218は、手書きテキストを分析し、手書きテキストが正しいフォーマットで書かれていることを検証するように構成されてもよい。非限定的な一例によれば、手書きテキスト分析機能216は、文法チェックを実行するように構成されてもよい。
【0088】
図4では、オペレータ携帯装置106を使用することによって、複数の食品生産ユニット104を含む食品ハンドリングシステム102を制御する方法400を示すフローチャートが示されている。非限定的な一例によれば、オペレータ携帯装置106は、例えばタブレット又は携帯電話等の持ち運び可能なデバイスであってよい。更に別の非限定的な一例によれば、オペレータ携帯装置106は、例えば、スマートグラス又はスマートウォッチ等のウェアラブル装置であってもよい。
【0089】
第1のステップS402において、プロセスデータはサーバー108から受信される。プロセスデータは、食品ハンドリングシステム102から抽出することができる。プロセスデータは、食品生産ユニットに設けられたセンサ110を介して取り込まれたパラメータ値を含む。
【0090】
第2のステップS404において、ユーザー入力データ要求をオペレータ携帯装置106に送信することによって、ユーザー入力データが要求される。オプションとして、第2のステップS404は、プロセスデータに基づいてユーザー入力データ要求を決定することを含んでいてもよい。オプションとして、第2のステップS404は、食品ハンドリングシステム102のユーザーにユーザーガイドを提供すること、ユーザーガイドに基づいて、ユーザー入力データ要求に関連するプロセスを通じてユーザーをガイドすること、を更に備えてもよい。
【0091】
第3のステップS406では、オペレータ携帯装置106を介して、ユーザー入力データを受信する。第4のステップS408では、プロセスデータ及びユーザー入力データに基づく制御データを決定する。第5のステップS410では、制御データを食品生産ユニット104に送信する。第6のステップS412では、制御データに基づいて、食品生産ユニット104の設定を更新する。
【0092】
オプションとして、方法400は、オペレータ識別を受信することを更に含んでもよい。オペレータ識別は、オペレータ携帯装置106を使用することによって決定されてもよい。非限定的な一例によれば、オペレータ識別は、生体認証を使用してもよい。オプションとして、方法400は、オペレータ識別および過去のユーザー入力データベースを使用することによって、オペレータ固有の特性を決定することを更に含んでもよい。ユーザー入力データは、オペレータ固有の特性に基づいて調整されてもよい。
【0093】
オプションとして、方法400は、オペレータ携帯装置106を使用して手書きテキストをキャプチャすること、手書きテキストをユーザー入力データに変換すること、を更に含んでもよい。
【0094】
オプションとして、ユーザー入力データが手書きテキストを含む場合、方法400は、ユーザー入力データの手書きテキストから手書きテキスト特徴を抽出することを更に含んでもよい。手書きテキストテンプレートを受信する。手書きテキストテンプレートから手書きテキストテンプレート特徴を抽出する。手書きテキスト特徴と手書きテキストテンプレート特徴を比較する。一致するものが見つかった場合、手書きテキストテンプレート特徴に対応するオペレータ識別を要求する。このように、一致するものが見つかれば、そのユーザーは有効なユーザーとして認証され、ユーザー入力を使用して設定を更新してもよい。
【0095】
オプションとして、ユーザー入力データが手書きテキストを含む場合、方法400は、手書きテキストを分析することを更に含んでもよい。手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされる場合、方法400は、手書きテキストを確認し、手書きテキストをデジタルテキストに変換し、デジタルテキストをオンサイトのデータベースに格納することを更に含んでもよい。手書きテキストが複数の所定のオプションのうちの1つにリンクされない場合、方法400は、手書きテキストに修正を行い、修正された手書きテキストを分析することを更に含んでもよい。修正された手書きテキストが所定のオプションのうちの1つにリンクされる場合、方法400は、修正された手書きテキストを確認し、修正された手書きテキストをデジタルテキストに変換し、デジタルテキストをオンサイトのデータベースに格納することを更に含んでもよい。
【0096】
オプションとして、方法400は、ユーザー入力データを基準ユーザー入力データと比較することを更に含んでもよい。ユーザー入力データが基準ユーザー入力データに関連付けられた所定の入力範囲と異なる場合、方法400は、食品ハンドリングシステム102を停止させることを更に含んでもよい。
【0097】
オプションとして、ユーザー入力データが手書きテキストを含み、オペレータ携帯装置106がウェアラブル装置である場合、方法400は、ウェアラブル装置を用いて手書きテキストを取り込むことを更に含み、ウェアラブル装置は、手書きテキストをデジタルテキストに変換し、デジタルテキストを格納するように構成されてもよい。
【0098】
したがって、方法400は、プロセスデータ及びユーザー入力データなどの異なるタイプのデータを受信し、及び処理することによって、食品ハンドリングシステム102を制御してもよい。方法400は、更に、ユーザー入力データを分析することによって、食品ハンドリングシステム102を制御してもよい。
【0099】
上記の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し、示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義される主題の範囲内で他の方法で具体化することもできる。
図1
図2
図3a
図3b
図3C
図4
【国際調査報告】