(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】使い捨て手袋用のフローパックディスペンサーパッケージ、それを保管及び使用するための加工方法及び関連デバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20230721BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A41D19/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522750
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 PT2021050018
(87)【国際公開番号】W WO2021262021
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522495418
【氏名又は名称】ラックラック,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カルバーリョ ダ コスタ,ペドロ ミゲール
【テーマコード(参考)】
3B033
3E014
【Fターム(参考)】
3B033AB18
3B033AC03
3E014MC07
(57)【要約】
本発明は、可撓性材料のシート(2)によって形成された包装材(1)を含む少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋用のフローパックディスペンサーパッケージを含み、包装材(1)は、縦軸に沿って配置された密封材(3)によって及び包装材(1)の反対端に設定された横軸に沿って設置された密封材の対(4a,4b)によって閉鎖される。パッケージは、手袋を取り出すための開口部(5)と、密封蓋(6)とを含む。本発明は、さらに、フローパックパッケージを保管及び使用するための加工方法及びデバイスを含む。本発明は、不浸透性フローパックパッケージに使い捨て手袋を保管することによって、及びフローパックの加工に適応する方法によって、具体的に、段ボールパッケージの微生物及び微粒子によるパッケージ及び手袋の交差汚染及び直接汚染の問題を解決するためのものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージであって、前記ディスペンサーパッケージは、フローパックパッケージであり、少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を保管するために可撓性材料のシート(2)によって形成された包装材(1)を含み、
前記包装材(1)は、前記包装材(1)の縦軸に沿って設置された密封材(3)によって及び前記包装材(1)の横軸に沿って設置された密封材の対(4a,4b)によって閉鎖され、前記横軸に沿って設置された前記密封材(4a,4b)は、前記言及した包装材(1)の反対端に位置付けられ、
前記包装材(1)は、少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を取り出すための開口部(5)と、前記言及した開口部(5)の密封蓋(6)とを含み、シーリングは、前記開口部の辺縁ゾーン(7)と前記蓋の辺縁ゾーン(8)との間でユニオンによって実行される、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項2】
前記可撓性材料のシート(2)は、少なくとも1つのポリマー層を含むポリマーシートと、少なくとも1つの紙層を含む複合材シートと、少なくとも1つの紙層及び少なくとも1つのポリマー層を含む複合材シートとから成る群から選択された材料から作られることを特徴とする、請求項1に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項3】
前記可撓性材料のシート(2)は、前記フローパックパッケージの外部にある流体に対して不浸透性及び不透水性があることを特徴とする、請求項2に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項4】
前記開口部(5)の前記密封蓋(6)は可撓性材料のシート(9)から作られ、前記開口部の前記辺縁ゾーン(7)と前記蓋の前記辺縁ゾーン(8)との間の前記密封材は接着剤を用いて作られ、前記密封蓋(6)は少なくとも1つの折り畳み式接続点を用いて前記包装材(1)に連結されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項5】
前記開口部(5)の前記密封蓋(6)は剛体材料のシート(10)から作られ、前記開口部の前記辺縁ゾーン(7)と前記蓋の前記辺縁ゾーン(8)との間の前記密封材はオスメス接続部を用いて作られ、前記密封蓋(6)は少なくとも1つの連結式接続点を用いて前記包装材(1)に接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項6】
前記使い捨て手袋は非滅菌検査用手袋から成ることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項7】
前記使い捨て手袋は、ラテックス、ニトリルゴム、ビトリル、ポリ塩化ビニル、ネオプレン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリエチレン、及びそれらのコポリマーから成る群から選択された材料から作られていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項8】
前記開口部(5)は、前記横軸に沿って配置された前記密封材(4a,4b)のうちの1つに隣接して位置付けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項9】
前記開口部(5)は前記包装材(1)の横端に位置付けられることを特徴とする、請求項8に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項10】
前記開口部(5)は、前記包装材(1)の縦面のうちの1つの中心部に位置付けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項11】
前記開口部(5)は、前記横軸に沿った密封材(4a,4b)と、前記包装材(1)の縦方向長さの半分に一致する横線との間に配置された前記包装材(1)の前記縦面のうちの1つの一部に位置付けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項12】
前記非滅菌使い捨て手袋は、前記包装材(1)の前記縦軸に沿って前記包装材(1)の内側に保管され、前記使い捨て手袋の手首部に関連する部分は、前記開口部(5)によって覆われたゾーンに位置付けられることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項13】
前記包装材(1)は2~500個の非滅菌使い捨て手袋を保管することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に定義された非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法であって、
i.可撓性材料のシート(2)を利用可能にするステップと、
ii.前記可撓性材料のシート(2)において開口部(5)を切断するステップと、
iii.前記可撓性材料のシート(2)において前記開口部(5)に密封蓋(6)を固定するステップと、
iv.前記可撓性材料のシート(2)をチャネル形状に成形するステップと、
v.前記チャネル形状に成形されたゾーンの縦軸に沿って前記可撓性材料のシート(2)の2つの縦端に接近して接触するステップと、
vi.前記可撓性材料のシート(2)の前記2つの縦端を密封し、前記縦軸に沿って配置された密封材(3)を形成するステップと、
vii.横方向密封材によって前記使い捨て手袋の保管ゾーンを分離し、横軸に沿って配置された密封材の対(4a,4b)を形成するステップと、
viii.前記横軸に沿って配置された前記密封材の対(4a,4b)の端を切断し、包装材(1)を形成するステップと、を含み、
少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を保管するサブステップは、群から選択されたオプションに従って実施され、前記群は、
a)ステップv)の後に及びステップvi)の前に、前記チャネル形状で成形された前記ゾーンに前記手袋を保管することと、
b)ステップvi)の後に及びステップvii)の前に、横開口部の1つを通して前記手袋を保管することと、
c)ステップvii)で第1の横軸が密封された後に、第2の横開口部を通して前記手袋を保管することと、から成り、
前記言及した少なくとも1つの手袋内に入っている空気を取り出すために、少なくとも1つの使い捨て手袋を保管するサブステップの実行後に、及びステップvii)が終わる前に、前記包装材を圧縮するサブステップを実施する、方法。
【請求項15】
少なくとも前記ステップii)~vii)及び前記少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を保管し前記包装材を押すためのサブステップは、微生物汚染を制御する手段を用いて及び粒子によって制御環境で実施され、前記制御手段は、HEPAフィルターによって、前記非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの加工ゾーンに流れる空気を濾過することを含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法。
【請求項16】
ii)前記可撓性材料のシート(2)において開口部(5)を切断するステップは、前記言及した開口部(5)が、前記包装材(1)の1つの横端の位置と、前記包装材(1)の縦面のうちの1つの中心部の位置と、前記横軸に沿った密封材(4a,4b)と前記包装材(1)の縦方向長さの半分に一致する横線との間に配置された前記包装材(1)の前記縦面のうちの1つの一部の位置と、から成る群から選択された位置に配置されるように実施されることを特徴とする、請求項14または15のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法。
【請求項17】
前記非滅菌使い捨て手袋は前記包装材(1)の前記縦軸に沿って収容され、前記非滅菌使い捨て手袋の手首部に関連する部分は、前記包装材(1)の前記開口ゾーン(5)に位置付けられることを特徴とする、請求項14~16のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法。
【請求項18】
前記包装材を圧縮する前記サブステップでは、圧力は指から前記手袋の前記手首部に向かう方向に加えられることを特徴とする、請求項17に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法。
【請求項19】
非滅菌使い捨て手袋、具体的に、検査用手袋を収容するための請求項1~13のいずれか1項に記載のフローパックディスペンサーパッケージの使用法。
【請求項20】
非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスであって、請求項1~13のいずれか1項に定義された非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージの少なくとも1つの保管ゾーン(11)を含み、
前記言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを挿入するための挿入用開口部(12)と、ユーザーが非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージにアクセスするための取り出し用開口部(13)と、ガイド(15)とを含み、
前記言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを保管するように適応し、
前記ガイド(15)は前記言及したデバイス内に配置され、前記言及したガイド(15)は斜面を形成し、前記斜面は、前記挿入用開口部(12)と前記デバイスの前面(17)との間に形成された第1の交点(16)から、前記取り出し用開口部(13)と前記デバイスの後部との間に形成された第2の合流交点(18)まで突出し、
前記ガイド(15)は、前記ガイド(15)を前記デバイスの前記前面(17)に接続する少なくとも1つの弾性手段(19)を含み、
前記保管ゾーン(11)は、前記挿入用開口部(12)、前記ガイド(15)、前記取り出し用開口部(13)によって及び前記第2の合流交点(18)によって制限され、
前記言及した第2の合流交点(18)は、前記挿入用開口部(12)によって導入され、前記言及した第2の合流交点(18)まで動く前記非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの前記開口部(5)が、前記弾性手段(19)を圧縮させることによって前記取り出し用開口部(13)と整合するように構成される、デバイス。
【請求項21】
前記挿入用開口部(12)の密封蓋(14)を含むことを特徴とする、請求項20に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項22】
前記取り出し用開口部(13)は、前記ユーザーが、前記非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの前記包装材(1)の前記開口部(5)の前記密封蓋(6)にアクセスすることを可能にするように適応することを特徴とする、請求項20または21のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項23】
前記保管ゾーン(11)は壁によって制限されることを特徴とする、請求項20~22のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項24】
少なくとも2つの保管ゾーン(11)は隣接して配置されることを特徴とする、請求項20~23のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項25】
前記保管ゾーン(11)は垂直に配置されることを特徴とする、請求項20~24のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項26】
前記保管ゾーン(11)は水平に配置されることを特徴とする、請求項20~24のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項27】
皮膚保護消毒剤溶液の保管ゾーン(20)を含み、前記言及した保管ゾーン(20)は、前記皮膚保護消毒剤溶液の投入用開口部(21)と、前記皮膚保護消毒剤溶液の除去用開口部(22)とを含み、ユーザーは、前記非滅菌使い捨て手袋を着用する前に、前記ユーザーを消毒するために前記皮膚保護消毒剤溶液の一部の放出をアクティブにすることを特徴とする、請求項20~26のいずれか1項に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【請求項28】
前記ユーザーによる前記皮膚保護消毒剤溶液を自動放出するための短距離動作センサーを備えることを特徴とする、請求項27に記載の非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージと、言及したディスペンサーパッケージの保管及び使用を可能にするデバイスとに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術
非滅菌使い捨て手袋、具体的に、非滅菌検査用手袋は、微生物及び粒子状物質の存在に関して非制御環境において、生産ラインで包装される。最先端の技術で知られている非滅菌手袋の包装プロセスでは、従来のシステムが使用され、包装プロセスのほとんどは、人員によって及び非自動方式で実施される。
【0003】
最先端の技術から知られている使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージは、通常、段ボール包装であり、パッケージの開口部について、通常パッケージの上部に配置されるミシン目がある開口部を用いて作成されたものである。最先端の技術から知られている包装では、手袋は、ランダムに、そしてパッケージの内部で配向性がない状態で保管される。2011年3月30日に公開された出願者Guilin Latex Factoryの中国実用新案第201777458号明細書では、段ボールから作られた使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージが開示されており、そのパッケージの面のうちの1つにパッケージ内に収容された手袋へのアクセスを可能にするミシン目がある開口部が示される。
【0004】
先行技術の問題
最先端の技術から知られている使い捨て可能非滅菌手袋用のパッケージを加工するための方法は、非滅菌使い捨て手袋の周辺の環境に関して、非制御環境で実施され、すなわち、オープン生産及びパッケージラインで実施され、環境条件について切り離して実施されるものではない。その結果、非滅菌使い捨て手袋は、様々な微生物から粒子にわたる、いくつかの汚染物質を含む。非滅菌使い捨て手袋について、病気を防止する目的で考案したクラスIの非滅菌医療デバイスを構成することを指摘するのが重要である。この理由として、非滅菌使い捨て手袋の使用中、非滅菌使い捨て手袋は、微生物及び/または汚染した生体液との接触から生じる起こり得る汚染から、医療従事者、患者、及び第三者を保護するためである。このように、該当する使い捨て手袋は滅菌ではないが、手袋が損傷及び傷がある皮膚と接触するため、粒子及び微生物を最低可能なレベルにする必要がある。この理由として、汚染しないための媒体を構成する必要があり、汚染物質のエンハンサーが必要ではないためである。
【0005】
最先端の技術から知られている段ボール使い捨て可能パッケージに関して、これは、通常、手袋を取り出すために、パッケージの最上部にミシン目がある開口部を有し、上部は非気密であり、すなわち、パッケージのミシン目または上部のどちらかは気密ではなく、パッケージ内から空気の流出を可能にし、逆の場合も同じであり、パッケージ周辺の全ての空気は、手袋が製造される時点から、ユーザーがパッケージを開けるまで、非滅菌使い捨て手袋と接触する。この累積的な汚染サイクルは、ユーザーがパッケージを開ける時点まで、補助的な輸送用段ボールでの、容器での包装中、保管中に取得された汚染と、海上/航空輸送または他の輸送の期間中に取得された汚染と、世界中の個々の保管所での保管から生じる他の汚染とを含むことに留意する必要がある。
【0006】
さらに、汚染物質の侵入が可能になる言及したミシン目がある開口部は、ミシン目を破くことによって開けられ、これは、最後の手袋がパッケージから取り出されるまで開いた状態が維持されるため、パッケージ内に収容された手袋は、微生物及び粒子状物質等の環境汚染物質に曝される。
【0007】
さらに、最先端の技術のディスペンサーパッケージは、また、手袋を収集するためのパッケージの内部のユーザーの手による挿入自体に関連する他の汚染ルートも可能になり得る。段ボールに保管される手袋は、パッケージ内に乱雑な状態で設置され、すなわち、手袋のほとんどがパッケージ内で全てしわくちゃになり、その内部で任意の論理的配向がなく、手袋の片側に手首部があり、別側に向かって指を有する他の部分がある。そして、手袋がランダムに配置され、開口部がパッケージの中心にあると仮定すると、ユーザーが装着する手袋を引っ張るとき、ユーザーは、開口部に入ることを可能にする状態に応じて、指によって、手のひらによって、または手首によって、手袋を引っ張り得る。このように、ユーザーは、手袋の指等の汚染物質の存在に対してより敏感なエリアを用いて、手袋を引っ張る可能性がある。この理由として、そのエリアは、特に、専門家の活動の範囲内にある、活動に接触する指のゾーン、具体的に、傷がある皮膚であることが考えられるためである。したがって、ユーザーが指によって手袋をパッケージから取るという事実により、最終的に、ユーザーは手袋のエリアを汚染させ、手袋を使用する活動のためにその汚染を不活発にするべきであり、交差汚染をもたらすことになる。さらに、結局、ユーザーは、手袋の敏感な部分を不意に汚染させる可能性があり、最終的に、取り出されていないパッケージに存在する他の手袋も同様に汚染する。
【0008】
最先端の技術の段ボールディスペンサーパッケージの他の不利点は、言及したパッケージの保管場所の周辺の環境による、例えば、大気汚染によって、空気湿度による、またはパッケージの全てにわたる過度の水の流れによる、汚染の可能性に関連する。この理由として、段ボールパッケージは不浸透性ではなく、それは湿度に敏感であり、結果として、段ボールパッケージ内にある手袋に汚染が生じるためである。最先端の技術から知られているこれらのパッケージは、交差汚染による蓄積された汚染の要因を受け、微生物の相互間の移動媒体として働き得、それによって、微生物の移動は、さらに、複数の耐性菌の発生に影響を及ぼし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国実用新案第201777458号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、第1の態様では、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージに関し、ディスペンサーパッケージは、フローパックパッケージであり、少なくとも1つの使い捨て手袋を保管するために可撓性材料のシート(2)によって形成された包装材(1)を含み、
包装材(1)は、包装材(1)の縦軸に沿って設置された密封材(3)によって及び包装材(1)の横軸に沿って設置された密封材の対(4a,4b)によって閉鎖され、横軸に沿って設置された密封材(4a,4b)は、言及した包装材(1)の反対端に位置付けられ、
包装材(1)は、少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を取り出すための開口部(5)と、言及した開口部(5)の密封蓋(6)とを含み、シーリングは、開口部の辺縁ゾーン(7)と蓋の辺縁ゾーン(8)との間でユニオンによって実行される。
【0011】
本発明は、第2の態様では、本発明の第1の態様に従って、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法を示す。
【0012】
本発明は、第3の態様では、第1の態様に従って、使い捨て手袋、具体的に、検査用手袋を保管するためのフローパックディスペンサーパッケージの使用に関する。
【0013】
本発明は、第4の態様では、第1の態様に従って、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージのための保管ゾーン(11)を含む使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスに関し、
言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを挿入するための挿入用開口部(12)と、ユーザーが使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージにアクセスするための取り出し用開口部(13)と、ガイド(15)とを含み、
言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを保管するように適応し、
ガイド(15)は言及したデバイス内に設置され、言及したガイド(15)は斜面を形成し、斜面は、挿入用開口部(12)とデバイスの前面(17)との間に形成された第1の交点(16)から、取り出し用開口部(13)とデバイスの後部との間に形成された第2の合流交点(18)まで突出し、
ガイド(15)は、ガイド(15)をデバイスの前面(17)に接続する少なくとも1つの弾性手段(19)を含み、
保管ゾーン(11)は、挿入用開口部(12)によって、ガイド(15)によって、取り出し用開口部(13)によって、及び第2の合流交点(18)によって制限され、
言及した第2の合流交点(18)は、挿入用開口部(12)によって導入され、第2の合流交点(18)まで動く使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの開口部(5)が、弾性手段(19)を圧縮させることによって取り出し用開口部(13)と整合するように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、不浸透性及び不透水性のフローパックパッケージで非滅菌使い捨て手袋を保管することによって、そして、特にフローパックパッケージの加工に適応する方法によって最先端の技術の問題を解決する。ディスペンサーパッケージが気密であり、パッケージの内部と外部との間で空気交換が可能にならないという事実により、ユーザーがパッケージを開ける時点まで、制御環境における製造及び保管から生じる微生物、粒子であろうとなかろうと内部で手袋の周辺の環境特徴、具体的に、制御された環境特徴を不活発に及びそれを確実に維持することを可能にする。
【0015】
さらに、フローパックにより、ユーザーが最後の手袋までのパッケージの使用中に開口部が完全に開いている状態に維持することを可能にする(従来の方法)、または、開口部及び蓋によって、各手袋が取り出されると、ユーザーがパッケージを閉鎖できる、という事実により、ユーザーは、このパッケージによって、パッケージ内でその状態を不活発に維持し、非汚染物質を維持することを可能にし、パッケージの手袋がなくなるまで、蓄積された交差汚染物質の除去への貢献を可能にする。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、非滅菌使い捨て手袋は、フローパックパッケージの縦方向に沿って誘導され、手袋を取り出すための開口部を有し、手袋の手首部は、常に、言及した開口部を通して取り出される。このように、そして、手首部が活動中に接触しないゾーンになるため、ユーザーが指または手のひらによって手袋を引っ張り/取り出し(手袋を汚染させ)、その後、手袋を使用する活動に接触することから生じる可能性がある交差汚染がなくなる。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法は、言及したパッケージの加工ゾーンに流れる空気の濾過に関して制御環境で実施される。
【0018】
その上、本発明は、さらに、非滅菌使い捨て手袋用のフローパックディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスに関連する解決策に貢献し、デバイスは、より効率的及び実用的にフローパックパッケージ内に収容された手袋へのユーザーによるアクセスを可能にし、好ましい実施形態では、手首部によるアクセスで、交差汚染をなくし、考案した同じフローパックの概念を維持する。さらに、手袋を着用する前に使用するために、このデバイスは、皮膚保護消毒剤溶液を保管するためのスペースの一部になることが可能になり、非滅菌使い捨て手袋の正しい使用に利用可能である技術的適応と完全に一致する手順が可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法は、完全に自動化された生産ラインで実施され、人間の従業員が存在しない。これは、手袋における微生物及び粒子の存在をかなり減らす非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法に貢献する。
【0020】
本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法は、微生物及び粒子の汚染を制御する手段により、制御環境で実施され、汚染物質に関連する品質管理は、手袋の包装前に手袋の不適合を検出する場合、自動廃棄点で、生産ラインにおいてリモートで完全に実施される。
【0021】
加工方法とは別に、本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージは、言及したパッケージを開けるときでさえ、保管された手袋を微生物及び粒子による汚染からさらに保護されたままにすることを可能にする構造的特徴を提示する。本発明に従ったパッケージは手袋を取り出すための開口部を含み、開口部により、非滅菌使い捨て手袋を取り出した後に十分な閉鎖を可能にし、パッケージの他の手袋が、例えば大気汚染物質を受けることを回避する。
【0022】
本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージは、さらに、具体的に、パッケージの全てにわたる液体の過度の流れによる汚染に関して、または湿度の吸収に関して、最先端の技術の段ボールパッケージの面の十分に画期的なレベルの気密を含み、寿命及び有効期間の全ての期間中、非滅菌使い捨て手袋の防腐のために適切及び理想的な状態を維持することを可能にする。さらに、本発明のパッケージの不浸透性は、液体手段を含む衛生剤及び洗浄剤によってパッケージを外部から衛生的にして、パッケージの内容物を汚染することなく、最終的に、包装材の全てにわたって汚染物質をなくすことを可能にする。その実施は最先端の技術の段ボールパッケージでは実現不可能である。
【0023】
また、非滅菌使い捨て手袋は、本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ内に規則的に整理でき、具体的に、パッケージ内に配向でき、手首部は同じ側、つまり開口部側に向いている。非滅菌使い捨て手袋は積み重ねることができないため、手袋の手首部は、パッケージの開口部に向いたままであり、ユーザーが、非滅菌使い捨て手袋の指及び手のひら等、汚染に対してより敏感な手袋の一部に触れることを回避し、このように、論理的に、ユーザーが常に手首部によって、ユーザーの手袋を着用するという論理的事実が、非滅菌使い捨て手袋に追加され、交差汚染をなくす利点とは別に、ユーザーはこのプロセスを容易にして速くする。
【0024】
本発明、及び本発明の加工方法に従ったパッケージは、非滅菌検査用手袋における微生物学的汚染物質及び粒子状汚染物質の存在に関連する許容可能レベルの防腐を可能にし、その特徴は、患者の傷がある皮膚及び損傷と接触する必要がある医療従事者による手袋の使用中に特に利点をもたらし、それによって、汚染物質に患者を曝すことと、最終的に非滅菌使い捨て手袋に存在する微生物による感染症にかかる可能性に患者を曝すこととを回避する必要がある。
【0025】
本発明の実施形態に従って原理の理解を提供する目的で、図に示される実施形態及びそれを説明するために使用される専門用語を参照する。いずれの場合、本発明の範囲を図の内容に限定する意図がないことを理解する必要がある。この説明を検討する当業者に通常発生するであろう、本明細書に示される本発明の特徴の後続の変更または修正のいずれか、及び示される本発明の原理ならびに実施形態のいずれかの追加の適用は、請求項に係る発明の範囲内にあるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの実施形態を示す。
【
図2】本発明による、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの実施形態の上面図を示す。
【
図3】本発明による、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ及び皮膚保護消毒剤溶液を保管及び使用するための垂直に配置されたデバイスの実施形態を示す。
【
図4】本発明による、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するための水平に配置されたデバイスの別の実施形態を示す。
【
図5】本発明による、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージ及び皮膚保護消毒剤溶液を保管及び使用するためのデバイスの実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージに関し、ディスペンサーパッケージは、フローパックパッケージであり、少なくとも1つの使い捨て手袋を保管するために可撓性材料のシート(2)によって形成された包装材(1)を含み、
包装材(1)は、包装材(1)の縦軸に沿って設置された密封材(3)によって及び包装材(1)の横軸に沿って設置された密封材の対(4a,4b)によって閉鎖され、横軸に沿って設置された密封材(4a,4b)は、言及した包装材(1)の反対端に位置付けられ、
包装材(1)は、少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を取り出すための開口部(5)と、言及した開口部(5)の密封蓋(6)とを含み、シーリングは、開口部の辺縁ゾーン(7)と蓋の辺縁ゾーン(8)との間でユニオンによって実行される。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、可撓性材料のシート(2)は、少なくとも1つのポリマー層を含むポリマーシートと、少なくとも1つの紙層を含む複合材シートと、少なくとも1つの紙層及び少なくとも1つのポリマー層を含む複合材シートとから成る群から選択された材料から作られる。
【0029】
可撓性材料シート(2)が少なくとも1つのポリマー層を含むポリマーシートから選択されるとき、包装材料として使用することが可能である最先端の技術で知られている任意のタイプのポリマー材料を採用でき、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ塩化ビニリデン、及びそれらのコポリマーが挙げられる。フローパック材料を通る流体通路に対する不透水性及び不浸透性のより重要な特徴がある可撓性材料のシート(2)を提供するために、2つ以上の層のポリマー材料を含むポリマー材料を使用できる。当業者によって理解されるように、最先端の技術から知られている生分解可能ポリマー材料及び/またはリサイクル可能ポリマー材料可撓性材料のシート(2)を加工するために使用できる。
【0030】
可撓性材料のシート(2)が少なくとも1層の紙を含む複合材シートから選択されるとき、任意のタイプのシートを層に使用でき、紙層は、アルミホイルシート等の他のポリマー材料または金属材料のシートと連結される。
【0031】
可撓性材料のシート(2)が少なくとも1層の紙及び少なくとも1つのポリマー層を含む複合材シートから選択されるとき、任意のタイプのシートを層に使用でき、紙層は、上記に言及したもの等、紙自体によって使用されることが可能である同じポリマー材料のシートと連結される。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、可撓性材料のシート(2)は、フローパックパッケージの外部流体に対して不透水性及び不浸透性がある。「外部流体」という語句は、通常または偶然、本発明に従ったディスペンサーパッケージの外面と接触し得る任意の流体に相当し、流体は、例えば、包装材に接触し得る大気、水、または他の液体等が挙げられる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、開口部(5)の密封蓋(6)は可撓性材料のシート(9)から作られ、開口部の辺縁ゾーン(7)と蓋の辺縁ゾーン(8)との間の密封材は接着剤を用いて作られ、密封蓋(6)は少なくとも1つの折り畳み式接続点を用いて包装材(1)に連結される。当業者によって理解されるように、可撓性材料のシートは、可撓性材料のシート(2)を作ることができる同じポリマー材料から作ることができる。本実施形態では、ユーザーが密封蓋(6)を開けることによってパッケージの内部の手袋にアクセスし、開口部の辺縁ゾーン(7)及び/または蓋の辺縁ゾーン(8)に配置できる接着剤により、密封蓋(6)を再度閉鎖できる。
【0034】
本発明に従った代替の実施形態では、開口部(5)の密封蓋(6)は剛体材料のシート(10)から作られ、開口部の辺縁ゾーン(7)と蓋の辺縁ゾーン(8)との間の密封材はオスメス接続部を用いて作られ、密封蓋(6)は少なくとも1つの連結式接続点を用いて包装材(1)に接続される。オス及びメスの接続点は、蓋の辺縁ゾーン(8)及び開口部の辺縁ゾーン(7)の両方に配置できる。当業者によって理解されるように、剛体材料のシート(10)は、通常、包装材料の産業界で使用される任意のポリマー材料から作ることができる。密封蓋(6)及びオスメス接続部は、熱可塑性ポリマーを射出することによって従来の成形プロセスから加工できる。
【0035】
好ましくは、本発明のディスペンサーパッケージに保管される非滅菌使い捨て手袋は、検査用手袋である。使い捨て手袋は、ラテックス、ニトリルゴム(ニトリルとしても知られている)、ビトリル、ポリ塩化ビニル(ビニルとしても知られている)、ネオプレン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリエチレン、及びそれらのコポリマーから成る群から選択された材料から作ることができる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、開口部(5)は、横軸に沿って配置された密封材(4a,4b)のうちの1つに隣接して位置付けられる。
図1に示されるように、開口部(5)は包装材(1)の横端に位置付けられる。
【0037】
図1は、可撓性材料のシート(2)によって形成された包装材(1)を含む使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを示し、包装材は、横方向密封材(4a,4b)によって、そして、この図に表されない縦方向密封材(3)によって閉鎖される。前述に詳述したように、本発明の1つの好ましい実施形態では、手袋が規則的で積み重ねた方式で保管されるため、開口部(5)は言及した包装材の一端に位置付けられ、手袋の手首部は開口部(5)に向く。
図1では、開口部(5)は密封蓋(6)によって密封され、シーリングは、開口部の辺縁ゾーン(7)と蓋の辺縁ゾーン(8)との間のユニオンによって実施される。
図2には、
図1の同じ実施形態が示され、それによって、縦軸に沿って配置された密封材(3)が表される。
【0038】
しかしながら、また、本発明の範囲内に、包装材(1)の任意のゾーンにおける、すなわち、言及した包装材の任意の面における、例えば、縦上面、縦下面、及び縦横面における、開口部(5)の位置決めが含まれる。本発明の一実施形態では、開口部(5)は包装材(1)の縦面の1つの中心部に位置付けられる。代替として、開口部(5)は、横軸に沿った密封材(4a,4b)と、包装材(1)の縦方向長さの半分に一致する横線との間に配置された包装材(1)の縦面のうちの1つの一部に位置付けられる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、使い捨て手袋は、包装材(1)の縦軸に沿って包装材(1)の内側に保管され、使い捨て手袋の手首部に関連する部分は、開口部(5)によって覆われたゾーンに位置付けられる。特に利点をもたらすこの構成により、ユーザーが、汚染物質に関して手袋の重要ではない部分に触れる開口部を通して手袋を引き抜くことが可能になり、例えば、手袋の指及び手のひらを回避する。このように、ユーザーは、また、パッケージに保管される他の手袋の汚染を回避する。
【0040】
好ましくは、包装材(1)は2~500個の使い捨て手袋を保管し、それによって、本発明に従ったディスペンサーパッケージを加工でき、顧客によって要求された手袋の任意の標準的な量、例えば、50、100、及び200個を収容する。
【0041】
本発明は、さらに、以下のステップを含む本発明に従った使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法に関する。
i.可撓性材料のシート(2)を利用可能にするステップと、
ii.可撓性材料シート(2)において開口部(5)を切断するステップと、
iii.可撓性材料のシート(2)において開口部(5)に密封蓋(6)を固定するステップと、
iv.可撓性材料のシート(2)をチャネル形状に成形するステップと、
v.チャネル形状に成形されたゾーンの縦軸に沿って可撓性材料のシート(2)の2つの縦端に接近して接触するステップと、
vi.可撓性材料のシート(2)の2つの縦端を密封し、縦軸に沿って配置された密封材(3)を形成するステップと、
vii.横方向密封材によって使い捨て手袋の保管ゾーンを分離し、横軸に沿って配置された密封材の対(4a,4b)を形成するステップと、
viii.横軸に沿って配置された密封材の対(4a,4b)の端を切断し、包装材(1)を形成するステップと、を含み、
及び、
少なくとも1つの非滅菌使い捨て手袋を保管するサブステップは、群から選択されたオプションに従って実施され、群は、
a)ステップv)の後に及びステップvi)の前に、チャネル形状で成形されたゾーンに手袋を保管することと、
b)ステップvi)の後に及びステップvii)の前に、横開口部の1つを通して手袋を保管することと、
c)ステップvii)で第1の横軸が密封された後に、第2の横開口部を通して手袋を保管することと、から成り、
及び、
言及した少なくとも1つの手袋内に入っている空気を取り出すために、少なくとも1つの使い捨て手袋を保管するサブステップの実行後に、及びステップvii)が終わる前に、包装材を圧縮するサブステップを実施する。
【0042】
ステップi)では、可撓性材料のシート(2)は、可撓性材料のロールから利用可能になり得る。
【0043】
開口部(5)を切断することに関連するステップii)は、最先端の技術から知られている可撓性材料の任意の切断システムから実施できる。
【0044】
好ましい実施形態では、ii)可撓性材料のシート(2)において開口部(5)を切断するステップは、言及した開口部(5)が、包装材(1)の1つの横端の位置と、包装材(1)の縦面のうちの1つの中心部の位置と、横軸に沿った密封材(4a,4b)と包装材(1)の縦方向長さの半分に一致する横線との間に配置された包装材(1)の縦面のうちの1つの一部の位置と、から成る群から選択された位置に設置される状態で実施される。より好ましくは、
図1に示されるように、開口部(5)は、包装材(1)の一端に定められた位置に配置される。
【0045】
可撓性材料から作られた密封蓋(6)を開口部(5)に固定することに関連するステップiii)は、接着剤を開口部の辺縁ゾーン(7)及び/または蓋の辺縁ゾーン(8)に塗布することによって作ることができる。代替として、蓋が剛体材料から作られるとき、オスメス接続要素は、接着剤または溶接法によって、開口部の辺縁ゾーン(7)に接続でき、次に、剛性蓋はオスメス要素及び剛性蓋の連結式接続点に接続でき、これらの要素及び接続点は、接着剤または溶接によって包装材に接続される。
【0046】
ステップiv)~viii)は、最先端の技術で知られている方法及びシステムによって実施される。
【0047】
非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを加工するための方法は、微生物汚染物質及び粒子状物質の汚染物質等の外部物質による汚染に対して、制御手段を用いて制御環境で実施できる。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つの使い捨て手袋を保管するサブステップは、ステップv)の後に及びステップvi)の前に行われ、すなわち、手袋はチャネルの形状に成形されたゾーンに保管される。
【0049】
本発明に従った方法の他の好ましい実施形態では、非滅菌使い捨て手袋は包装材(1)の縦軸に沿って保管され、使い捨て手袋の手首部に関連する部分は包装材(1)の開口部ゾーン(5)に位置付けられる。
【0050】
本発明は、さらに、本発明に従った非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージのための保管ゾーン(11)を含む非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスに関し、
言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを挿入するための挿入用開口部(12)と、ユーザーが非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージにアクセスするための取り出し用開口部(13)と、ガイド(15)とを含み、
言及した保管ゾーン(11)は、非滅菌使い捨て手袋用の少なくとも1つのディスペンサーパッケージを保管するように適応し、
ガイド(15)は言及したデバイス内に配置され、言及したガイド(15)は斜面を形成し、斜面は、挿入用開口部(12)とデバイスの前面(17)との間に形成された第1の交点(16)から、取り出し用開口部(13)とデバイスの後部との間に形成された第2の合流交点(18)まで突出し、
ガイド(15)は、ガイド(15)をデバイスの前面(17)に接続する少なくとも1つの弾性手段(19)を含み、
保管ゾーン(11)は、挿入用開口部(12)、ガイド(15)、取り出し用開口部(13)によって、及び第2の合流交点(18)によって制限され、
言及した第2の合流交点(18)は、挿入用開口部(12)によって導入され、言及した第2の合流交点(18)まで動く非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの開口部(5)が、弾性手段(19)を圧縮させることによって取り出し用開口部(13)と整合するように構成される。
【0051】
好ましい実施形態では、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスは、挿入用開口部(12)の密封蓋(14)を含む。
【0052】
他の好ましい実施形態では、取り出し用開口部(13)は、ユーザーが、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの包装材(1)の開口部(5)の密封蓋(6)にアクセスすることを可能にするように適応し、開口部(5)は、保管ゾーン(11)の下部に、具体的に、言及した第2の合流交点(18)に位置付けられる。
【0053】
好ましくは、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスは、壁によって制限された保管ゾーン(11)を含む。言及したデバイスの他の実施形態は、隣接して配置された少なくとも2つの保管ゾーン(11)を含む。好ましくは、保管ゾーン(11)のそれぞれ1つは垂直に配置される。
【0054】
図3に示されるように、使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスは3つの保管ゾーン(11)を含み、1つの密封蓋(14)は、言及したデバイスの上面に配置された挿入用開口部(12)のそれぞれ1つを覆う。非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためにデバイスの後面に配置された取り出し用開口部(13)、及び各々の保管ゾーン(11)のそれぞれ1つは、各々、非滅菌使い捨て手袋の用の異なるサイズのディスペンサーパッケージを保管するように構成でき、言及したパッケージのサイズは、手袋のサイズと比較して、例えば、大きいサイズ、中程度のサイズ、及び小さなサイズである。
【0055】
図3に示されるデバイスの側面図を表す
図5に示されるように、ガイド(15)は言及したデバイス内に配置され、言及したガイド(15)は斜面を形成し、斜面は、挿入用開口部(12)とデバイスの前面(17)との間に形成された第1の交点(15)から、取り出し用開口部(13)とデバイスの後部との間に形成された第2の合流交点(18)まで突出する。第2の合流交点(18)は、デバイスの前面に配置された取り出し用開口部(13)によって及びガイド(15)によって形成された保管ゾーン(11)の合流部を含み、ガイド(15)の斜面は、デバイスの前面にある取り出し用開口部(13)の下に位置する割り当て分を遮断する。代替として、第2の合流交点(18)は、デバイスの前面に設置された取り出し用開口部(13)によって及びガイド(15)によって形成された保管ゾーン(11)の合流部を含み得、ガイド(15)の斜面は、デバイスの側面を遮断する。ガイド(15)は、ガイド(15)をデバイスの前面(17)に接続する少なくとも1つの弾性手段(19)を含み、弾性手段(19)は、例えば、ばねまたはエラストマー材料シャフトである。
【0056】
図4は、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスの代替の実施形態を示し、これは水平に配置される。
【0057】
図3~
図5に示されるように、保管ゾーン(11)は、挿入用開口部(12)によって、ガイド(15)によって、取り出し用開口部(13)によって、及び第2の合流交点(18)によって制限される。さらに、言及した第2の合流交点(18)は、挿入用開口部(12)によって導入され、言及した第2の合流交点(18)まで動く非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージの開口部(5)が、弾性手段(19)を圧縮させることによって取り出し用開口部(13)と整合するように構成される。したがって、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージは挿入用開口部(12)によって導入され、開口部(5)を含む包装材(1)の面は、デバイスの後部に向く。次に、言及したパッケージは第2の合流交点(18)の方向にプレスされ、パッケージの開口部(5)がデバイスの取り出し用開口部(13)と整合される。第2の合流交点(18)で言及したパッケージを収容するステップでは、ガイド(15)は、弾性手段(19)を圧縮することによって、デバイスの前面(17)に接近して、大きい手袋を収容するパッケージまたは多量の手袋を収容するパッケージの収容を可能にし得る。手袋がパッケージの開口部(5)と整合する取り出し用開口部(13)を通して取り出されると、弾性手段(19)の減圧が発生し、結果として、デバイスの前面(17)に対してガイド(15)が離れ、パッケージの開口部(5)との取り出し用開口部(13)の十分な整合が維持されるようになる。
【0058】
図3に示されるように、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスの好ましい実施形態では、皮膚保護消毒剤溶液の保管ゾーン(20)が含まれ、言及した保管ゾーン(20)は、皮膚保護消毒剤溶液の投入用開口部(21)を含み、ユーザーは、非滅菌使い捨て手袋を着用する前に、ユーザーを消毒するために皮膚保護消毒剤溶液の一部の分配をアクティブにする。これらの実施形態では、ユーザーには、皮膚保護消毒剤溶液の一部を放出するボタンを押すオプションがあり、そのオプションにより、当然行うべき手の洗浄に進む。これにより、非滅菌使い捨て手袋の汚染が生じることなく、使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージへの後続のアクセスは実施される。非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスの他の実施形態では、ユーザーによる皮膚保護消毒剤溶液を自動放出するための短距離動作センサーが含まれ、ユーザーが言及したデバイスに触れることを回避し、デバイスと接触するために使用されたユーザーの本体の一部は最終的に汚染される。このような意味では、最先端の技術で知られている任意の短距離動作センサーまたはプレゼンスセンサーが使用できる。
【0059】
図面に示されていないが、当業者によって理解されるように、非滅菌使い捨て手袋用のディスペンサーパッケージを保管及び使用するためのデバイスの実施形態を示し、これは水平に配置され、さらに、皮膚保護消毒剤溶液を保管するためのゾーン(20)を含み得、言及した保管ゾーン(20)は、皮膚保護消毒剤溶液の投入用開口部(21)と、皮膚保護消毒剤溶液の除去用開口部(22)とを含む。随意に、そしてアナログ方式で、さらに、ユーザーによって皮膚保護消毒剤溶液を自動放出するために、皮膚保護消毒剤溶液の除去用開口部(22)の近くに短距離動作センサーが含まれ得る。本発明の好ましい実施形態では、皮膚保護消毒剤溶液の保管ゾーン(20)は垂直に配置される。他の実施形態では、言及した皮膚保護消毒剤溶液の保管ゾーン(20)は、わずかに傾く斜面で、保管ゾーン(22)に対して水平に配置され、皮膚保護消毒剤溶液の除去用開口部(22)の方向において消毒剤溶液の十分な排水が可能になり得る。
【0060】
上記に説明した主題は本発明の例証として提供され、ひいては、本発明を制限するように解釈できない。本発明の好ましい実施形態を説明する目的で本明細書に使用される専門用語は、本発明を制限するように解釈する必要はない。明細書に使用される場合、定冠詞及び不定冠詞は、それらの単数形では、説明の文脈で、明確に相違するものを示さない限り、複数形も含むものと解釈することを目標とする。「備える(comprise)」及び「含む(include)」という語句は、この説明で使用されるとき、特徴、要素、構成要素、ステップ、及び関連動作の存在を規定するが、それらの語句は、同様に想到される他の特徴、要素、構成要素、ステップ、及び動作の可能性を除外しないことが理解される。
【0061】
変更により以下に続く請求項の本質的特徴が修正しないことが提供される全ての変更は、本発明を保護する範囲内で考慮する必要がある。
【符号の説明】
【0062】
1 包装材
2 可撓性材料のシート
3 縦軸に沿って配置された密封材
4a,4b 横軸に沿って配置された密封材の対
5 開口部
6 密封蓋
7 辺縁開口ゾーン
8 蓋の辺縁ゾーン
9 密封蓋用の可撓性材料シート
10 密封蓋用の剛体材料シート
11 保管ゾーン
12 挿入用開口部
13 取り出し用開口部
14 密封蓋
15 ガイド
16 第1の交点
17 デバイスの前面
18 第2の合流交点
19 弾性手段
20 皮膚保護消毒剤溶液の保管ゾーン
21 皮膚保護消毒剤溶液の投入ゾーン
22 皮膚保護消毒剤溶液の除去用開口部
【国際調査報告】