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特表2023-532616モジュール型同時診断PCRシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】モジュール型同時診断PCRシステム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230724BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20230724BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALN20230724BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12N15/09 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552852
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 KR2022005077
(87)【国際公開番号】W WO2022255624
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0069619
(32)【優先日】2021-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522348860
【氏名又は名称】ジェネシステム カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GENESYSTEM CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ユジン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ウンソプ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジュンヒ
(72)【発明者】
【氏名】リ, ウォンジェ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA10
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS39
4B063QX01
(57)【要約】
本発明は、モジュール型同時診断PCRシステムに関し、より詳しくは、本体ハウジングの上面にバイオチップを安着する多数の安着溝を形成し、前記本体ハウジングの内部には、安着溝に対応するように多数の加熱冷却モジュールと多数の光源モジュールを設置し、前記本体ハウジングの上面には、前記安着溝に対応する感知モジュールを含む多数のカバー部材を上下に回動可能に設置し、前記多数の加熱冷却モジュール、多数の光源モジュール及び多数の感知モジュールを、前記本体ハウジングの内部に設置された1つの制御モジュールを利用して統合的に制御することによって、多数のバイオチップに収容された試料に対するPCR検査を同時に行うことができるようにし、多数のPCR作業を便利にし維持管理費用を削減し、重複部品を省略して製品価格を下げることができるモジュール型同時診断PCRシステムを提供する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観を構成し、一定の大きさの内部空間を形成する本体ハウジングと、前記本体ハウジングの上面に多数のバイオチップを安着できるように凹状に形成された多数の安着溝と、前記多数の安着溝の下部に位置するように前記本体ハウジングの内部に設置され、前記バイオチップを加熱又は冷却する多数の加熱冷却モジュールと、前記多数の安着溝の側面に位置するように前記本体ハウジングの内部に設置され、前記バイオチップの側面に光を照射する多数の光源モジュールと、前記本体ハウジングの上面に前記多数の安着溝を覆うように上下に回動可能に設置される多数のカバー部材と、を含むモジュール型同時診断PCRシステムにおいて、
前記本体ハウジングの上面は、階段形態からなるように中央に一定の高さの段差部が形成され、前記段差部を中心に前方には下段上板が、後方には上段上板が設置され、前記本体ハウジングの前面には、PCRモジュールの作動状態を表示するディスプレイパネルが上下に回動可能に設定され、前記本体ハウジングの内部には、前記PCRモジュールを制御する1つの制御モジュールが設置され;
前記カバー部材は、前記本体ハウジングの下段上板と上段上板に回動可能に設定され、一定の大きさで内部空間を形成し、底板には前記安着溝に対応する貫通部が形成されたケースと;
前記ケースが上下に回動可能となるように、前記ケースの後方に設置された回動部材と;
前記回動部材を中心に前記ケースを上下に回動させ得るように、前記ケースの前面と両側面の一部を覆うように設置された取っ手と;
前記安着溝に安着した前記バイオチップから発光する蛍光を測定できるように、前記貫通部の上部に設置された感知モジュールと;
前記貫通部の前方に垂直に設置され、前記PCRモジュールの作動状態を光を介して前記カバー部材の上面に伝達するLED表示部と;
を含み、
前記制御モジュールは、前記本体ハウジングの背面板に形成された開口部を介して前後方にスライドして収納可能なように設置され、前記多数の加熱冷却モジュール、光源モジュール、感知モジュール、LED表示部及び前記ディスプレイパネルと電気的に連結され、これらを制御することを特徴とする、モジュール型同時診断PCRシステム。
【請求項2】
前記本体ハウジングの前面板には、前記ディスプレイパネルを回動可能に支持するリンク部材が前記本体ハウジングの内部に出入可能なように一定の大きさの開口部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール型同時診断PCRシステム。
【請求項3】
前記本体ハウジングの上板には、前記多数の安着溝に対応するように多数の開口部が形成され、前記開口部の下部には、前記安着溝を形成するように中央に貫通ホールが形成された安着プレートが設置され、前記安着プレートの下部には、前記加熱冷却モジュールを支持する支持プレートが固定設置され、前記支持プレートの後段上面には、前記カバー部材を上下に回動可能に支持する前記回動部材が垂直に設置され、前記支持プレートの左右側の上面には、前記カバー部材を固定する水平固定軸が設置され、前記安着プレートには、前記安着溝の側面に位置するように前記光源モジュールが設置されることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール型同時診断PCRシステム。
【請求項4】
前記LED表示部は、多数のLEDが水平に配列されたLED基板と、前記LED基板から放射される光を多数の反射面を介して上部に伝達できるように透明な素材からなり、少なくとも4つの反射面が形成された導光プレートと、前記LED基板と前記導光プレートを支持して前記カバー部材の底面に固定するベースと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール型同時診断PCRシステム。
【請求項5】
前記取っ手の両端の内側面には、前記カバー部材の外側面に突出するように設置された回転軸が挿入される中心溝が形成され、これを中心に回転可能に設置され、
前記支持プレートの上面に設置され、前記本体ハウジングの上面に突出した水平固定軸が挿入されて移動するガイド溝が形成され、前記ガイド溝は、前記取っ手を上部に回動させて垂直に立てるとき、下方に開放されるように形成され、前記取っ手を下部に回動させて水平に寝かせるときは、前記水平固定軸が離脱しないように固定するロック機能を行うことを特徴とする、請求項2に記載のモジュール型同時診断PCRシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)装置に関し、より詳しくは、1つの装置内に多数のPCRモジュールを設置し、これら多数のPCRモジュールを1つの制御モジュールを利用して制御できるようにするモジュール型同時診断PCRシステムModular type multi-plex PCR apparatus}に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction;PCR)は、核酸分子を含むサンプル溶液を繰り返し加熱及び冷却し、特定の塩基配列を有する部位(ターゲット核酸)を連鎖的に複製して幾何級数的に増幅させる技術であって、微量の核酸を増幅、複製して目的遺伝子を検出できるようにする技術である。
【0003】
このようなPCR方法は、DNA変性段階、アニーリング段階及びDNA合成段階を繰り返し行うが、DNA変性段階(denaturing step)は、2本鎖の鋳型DNAが含まれるサンプル溶液を特定の温度、例えば約95℃で5秒間加熱して二本鎖のDNAを単一鎖のDNAに分離する段階であり、アニーリング段階(annealing step)は、DNA変性段階後、サンプル溶液に増幅しようとする特定の塩基配列と相補的な配列を有するプライマーを注入し、単一鎖のDNAと共に特定の温度、例えば50℃で5秒間冷却して単一鎖のDNAの特定の塩基配列にプライマーを混成化させ部分的なDNAプライマー複合体を形成する段階であり、DNA合成段階(extension step)は、アニーリング段階後、サンプル溶液をDNAポリメラーゼの活性温度、例えば72℃で5秒間維持し、DNAポリメラーゼにより部分的なDNAプライマー複合体のプライマーに基づいて二本鎖のDNAを形成する段階である。そして、タケット核酸と結合した蛍光染料から発生する蛍光を検出してターゲット核酸を検出することができる。
【0004】
図1は、従来技術に係るPCR装置の概略的な構成図であり、図2は、図1に示すPCR装置の使用状態を示すものである。
【0005】
図に示すように、従来のPCR装置(100)は、大きく本体ハウジング(110)、PCRモジュール(120)、制御モジュール(130)及びバイオチップ(140)を含む。
【0006】
前記本体ハウジング(110)は、PCR装置(100)の外観を形成するもので、六面体形状からなり、内部に一定の大きさの空間を形成する。前記PCRモジュール(120)は、バイオチップ(140)に収容された反応物を加熱及び冷却するもので、直六面体の形態からなり、前記本体ハウジング(110)の前面に形成された開口部を介して前記本体ハウジング(110)の内部にスライディングして収納できるように設置される。
【0007】
前記制御モジュール(130)は、前記本体ハウジング(110)の内部に設置され、前記PCRモジュール(120)と電気的に連結され、PCRモジュール(120)を制御して所定のPCR工程を行う。
【0008】
前記バイオチップ(140)は、試料と試薬とを含む反応物を収容する多数のチャンバが形成されたもので、前記PCRモジュール(120)の上面に形成された安着溝(122)に安着し、前記PCRモジュール(120)と共に本体ハウジング(110)の内部に設置される。
【0009】
そして、前記PCRモジュール(120)の内部には、前記安着溝(122)に安着したバイオチップ(140)を加熱及び冷却する加熱冷却モジュール(150)と、前記バイオチップ(140)の側面に所定の波長の光を照射する光源モジュール(160)が設置される。前記加熱冷却モジュール(150)は、ヒーティングプレート(151)、放熱ブロック(153)及び放熱ファン(155)からなり、
前記光源モジュール(160)の多数のLED(161)とフィルタ(163)とからなる。
【0010】
また、前記本体ハウジング(110)の内部には、前記PCRモジュール(120)の安着溝(122)に安着したバイオチップ(140)から放射される蛍光を感知するように安着溝(122)の上部に位置するように感知モジュール(170)が設置される。前記感知モジュール(170)はイメージセンサ(171)とフィルタ(173)とを含む。
【0011】
また、前記本体ハウジング(110)の上面には上下に回動可能にディスプレイパネル(180)が設置される。前記制御モジュール(130)は、制御部(131)と電源部(133)とで構成される。未説明符号135は送風機である。
【0012】
このように、従来のPCR装置(100)は、前記本体ハウジング(110)の内部に1つのPCRモジュール(120)が設置され、前記制御モジュール(130)は、前記PCRモジュール(120)、ディスプレイパネル(180)を制御するため、同時に多数の試料に対するPCR検査が行うことができなかった。また、従来は、ディスプレイパネル(180)が本体ハウジング(110)の上面に上下に回動可能に設置される構造であるので、大面積のパネルを適用することが難しく、構造的にも脆弱であるという問題があった。また、従来は、制御モジュール(130)が本体ハウジング(110)の内部に固着されている構造であるので、修理及び交換が難しいという問題点があった。
【0013】
すなわち、従来のPCR装置を利用して多数の試料に対するPCR検査を同時に行うためには、必ず多数のPCR装置(100)を準備しなければならないので、装備の購入費用が増加するだけでなく、多数のPCR装置(100)を使用してPCR検査を行わなければならないため、作業が複雑で維持管理費用が増加する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためのもので、本発明の主な目的は、1つのPCRシステムを利用して多数の試料に対するPCR検査を同時に行うことができるモジュール型同時診断PCRシステムを提供することである。
【0015】
また、本発明は、1つの本体ハウジングに多数のPCRモジュールを設置し、多数のPCRモジュールを構成する多数の加熱冷却モジュール、多数の光源モジュール、多数の感知モジュール及び多数のディスプレイパネルを前記本体ハウジングの内部に設置された1つの制御モジュールを利用して統合的に制御することによって、多数の試料に対するPCR検査を同時に行うことができるだけでなく、1つのPCR装置を使用するため、作業が容易で維持管理費用を削減することができ、重複する部品を省略して製品価格を大きく下げることができるモジュール型同時診断PCRシステムを提供することである。
【0016】
また、本発明は、1つのPCR装置の前面にディスプレイ装置を設置することによって、構造的に安定して大面積のパネルを適用することができるモジュール型同時診断PCRシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような本発明の目的を達成するための手段として、本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムは、
外観を構成し、一定の大きさの内部空間を形成する本体ハウジングと;
前記本体ハウジングの上面に凹状に形成された多数の安着溝に安着する多数のバイオチップと;
前記多数の安着溝の下部に位置するように前記本体ハウジングの内部に設置され、前記バイオチップを加熱又は冷却する多数の加熱冷却モジュールと;
前記多数の安着溝の側面に位置するように前記本体ハウジングの内部に設置され、前記バイオチップの側面に光を照射する多数の光源モジュールと;
前記本体ハウジングの上面に上下に回動可能に設置され、前記バイオチップから発光する蛍光を測定できるように前記安着溝の上部に位置するように設置される感知モジュールを含む多数のカバー部材と;
前記本体ハウジングの内部に設置され、前記多数の加熱冷却モジュール、光源モジュール及び感知モジュールと電気的に連結され、これらを制御する1つの制御モジュールと;を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記本体ハウジングの前面には、上下に回動可能に設置され、前記制御モジュールと電気的に連結されるディスプレイパネルがさらに設置される。
【0019】
前記本体ハウジングの上面は階段形態からなるように中央に一定の高さの段差部が形成され、前記段差部を中心に前方には下段上板が、後方には上段上板が設置され、前記下段上板と前記上段上板には前記多数のカバー部材が上下に回動可能に設置される。
【0020】
前記本体ハウジングの前面板には、前記ディスプレイパネルを回動可能に支持するリンク部材が前記本体ハウジングの内部に出入可能なように一定の大きさの開口部が形成され、前記本体ハウジングの後面板には、前記制御モジュールが前後方にスライドして収納可能なように一定の大きさの開口部が形成される。
【0021】
前記本体ハウジングの上板には、前記多数の安着溝に対応するように多数の開口部が形成され、前記開口部の下部には、前記安着溝を形成するように中央に貫通ホールが形成された安着プレートが設置され、前記安着プレートの下部には、前記加熱冷却モジュールを支持する支持プレートが固定設置され、前記支持プレートの後段上面には、前記カバー部材を上下に回動可能に支持するヒンジ部材が垂直に設置され、前記支持プレートの左右側の上面には、前記カバー部材を固定する水平固定軸が設置され、前記安着プレートには、前記安着溝の側面に位置するように前記光源モジュールが設置される。
【0022】
前記カバー部材は、一定の大きさの内部空間を形成し、底面には前記安着溝に対応する貫通部が形成されたケースと;前記ケースの前面と左右両側に設置される「コ」字形態の取っ手と;を含み、前記ケースの後段には、前記回動部材が設置される設置溝が形成される。
【0023】
前記カバー部材の内部には、前記感知モジュールが前記安着溝の上部に位置するように設置され、前記安着溝の前方には、前記カバー部材の上面に光を伝達するLED表示部が設置される。
【0024】
前記LED表示部は、多数のLEDが水平に配列されたLED基板と、前記LED基板から放射される光を多数の反射面を介して上部に伝達できるように透明な素材からなり、少なくとも4つの反射面が形成された導光プレートと、前記LED基板と導光プレートを支持して前記カバー部材の底面に固定するベースを含む。
【0025】
前記取っ手の両端の内側面には、前記カバー部材の外側面に突出するように設置された回転軸が挿入される中心溝が形成され、これを中心に回転可能に設置され、前記支持プレートの上面に設置され、前記本体ハウジングの上面に突出した水平固定軸が挿入されて移動するガイド溝が形成され、前記ガイド溝は、前記取っ手を上部に回動させて垂直に立てるときは、下方に開放されるように形成され、前記取っ手を下部に回動させて水平に寝かせるときは、前記水平固定軸が離脱しないように固定するロック機能を行う。
【0026】
前記本体ハウジングの前面上段には、前記ディスプレイパネルを上下に回動可能にするヒンジが設置され、前記リンク部材は、前記本体ハウジングの底板に一定の間隔で離隔するように固定された2つの固定ブロックと、前記2つの固定ブロックを水平に貫通する下部水平固定軸に上下に回転可能に設置される2つの下部リンク部材と、前記2つの下部リンク部材の上段を水平に貫通する中間水平固定軸に上下に回転可能に設置される2つの上部リンク部材と、前記2つの上部リンク部材の上段に水平に貫通する上段水平固定軸に上下に回転可能に設置され、前記ディスプレイパネルの後面に固定される2つの固定ブラケットと、を含む。
【0027】
前記多数の加熱冷却モジュール、多数の光源モジュール、多数の感知モジュール及び多数のディスプレイパネルは、前記1つの制御モジュールによって制御される。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、モジュール型同時診断PCRシステムによれば、1つの本体ハウジングの上面にバイオチップを安着する多数の安着溝を形成し、前記本体ハウジングの内部には安着溝に対応するように多数の加熱冷却モジュールと多数の光源モジュールを設置し、前記本体ハウジングの上面には前記安着溝に対応する感知モジュールを含む多数のカバー部材を上下に回動可能に設置し、前記多数の加熱冷却モジュール、多数の光源モジュール及び多数の感知モジュールを、前記本体ハウジングの内部に設置された1つの制御モジュールを利用して統合的に制御することによって、多数のバイオチップに収容された試料に対するPCR検査を同時に行うことができるようにして、多数のPCR作業を便利にし維持管理費用を削減し、重複部品を省略して製品価格を下げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来技術に係る携帯用PCR装置の概略的な構成図である。
図2図1に示す従来の携帯用PCR装置の使用状態を示す構成である。
図3】本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムの概略的な構成図である。
図4図3に示すモジュール型同時診断PCRシステムの使用状態を示す構成図である。
図5】本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムの好ましい実施形態を示す斜視図である。
図6】本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムの好ましい実施形態を示す斜視図である。
図7図5に示すモジュール型同時診断PCRシステムから一部のカバー部材を分離し、ディスプレイパネルを回動させた状態を示す斜視図である。
図8図6に示すモジュール型同時診断PCRシステムから制御モジュールを分離した様子を示す斜視図である。
図9】本発明に係る本体ハウジングの好ましい実施形態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る加熱冷却モジュールの好ましい実施形態を示す斜視図である。
図11図10に示す加熱冷却モジュールの上部に安着プレートが設置された様子を示す斜視図である。
図12】本発明に係るカバー部材の内部構造を示す斜視図である。
図13図12に示すカバー部材の取っ手を示す斜視図である。
図14】本発明に係るLED表示部の一例を示す斜視図である。
図15】本発明に係るLED表示部の一例を示す斜視図である。
図16】本発明に係るディスプレイパネルを支持するリンク部材の好ましい実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る好ましい実施形態について説明する。本実施形態は例示的なもので、いかなる形でも本発明を制限するものではない。
【0031】
図3は、本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムの概略的な構成図であり、図4は、図3に示すモジュール型同時診断PCRシステムの使用状態を示すものである。
【0032】
図に示すように、本発明のモジュール型同時診断PCRシステム(1)は、外観を構成し、一定の大きさの内部空間を形成する本体ハウジング(10)と、前記本体ハウジング(10)の上面に形成された多数の安着溝(12)に安着する多数のバイオチップ(40)と、を含む。
【0033】
そして、前記本体ハウジング(10)の内部には、多数の加熱冷却モジュール(50)が前記多数の安着溝(12)に対応するようにその下部に設置され、多数の光源モジュール(60)は、前記安着溝(12)に対応するようにその側面に設置される。
【0034】
また、前記本体ハウジング(10)の上面には、前記多数の安着溝(12)に対応するようにその上部に多数のカバー部材(30)が上下に回動可能に設置され、前記カバー部材(30)の内部には、前記多数の安着溝(12)に対応するようにその上部に感知モジュール(70)がそれぞれ設置される。
【0035】
また、前記本体ハウジング(10)の内部には、前記多数の加熱冷却モジュール(50)、光源モジュール(60)及び感知モジュール(70)と電気的に連結され、これらを制御する1つの制御モジュール(30)が設置される。
【0036】
そして、前記本体ハウジング(10)の前面には、前記制御モジュール(30)と電気的に連結されるディスプレイパネル(80)が上下に回動可能に設置される。
【0037】
具体的に、前記本体ハウジング(10)は、プラスチック及び金属素材からなる六面体構造からなり、底面を形成する下板、両側面を形成する2つの側板、上面を形成する上板(11)、前面を形成する前面板及び後面を形成する後面板を含む。
【0038】
好ましくは、前記上板(11)は、階段形態を有するように中央に一定の高さの段差部が一定の高さに形成され、前記段差部を中心に前方には下段上板(11a)が、後方には上段上板(11b)が設置される。
【0039】
前記上板(11)には、前記多数の安着溝(12)に対応し、前記バイオチップ(40)が通過できるように一定の大きさの開口部が形成され、前記開口部の下には、前記加熱冷却モジュール(50)が設置される。
【0040】
前記加熱冷却モジュール(50)は、ヒーティングプレート(51)、放熱ブロック(53)及び放熱ファン(55)からなり、前記ヒーティングプレート(51)は、一定の厚さの平板からなり、前記安着溝(12)の底面を形成する。前記ヒーティングプレート(51)は所定の電源が供給されるとき、熱や冷気を発生させ、その上にあるバイオチップ(40)を加熱及び冷却させる。前記ヒーティングプレート(51)の下部には、多数の放熱フィンが形成された放熱ブロック(53)が設置される。そして、前記放熱ファン(55)は、放熱ブロック(53)の後方に垂直に設置される。
【0041】
前記バイオチップ(40)は、前記安着溝(12)に安着可能な大きさの基板からなり、光がよく通過する透明な素材からなり、内部に試薬と試料とを含む反応物を収容する多数のチャンバが備えられる。好ましくは、前記バイオチップ(40)の底面は、熱伝達に優れた薄い封止フィルムからなり得る。
【0042】
前記光源モジュール(60)は、前記安着溝(12)の側面に設置され、前記安着溝(12)に安着したバイオチップ(40)の側面に光を照射し、照射された光が多数のチャンバを通過するようにする。前記フィルタ(63)は、特定の波長の光のみを通過させることができる。
【0043】
前記カバー部材(20)は、前記本体ハウジング(10)の上面に形成された安着溝(12)をカバーするためのもので、前記安着溝(12)にバイオチップ(40)を挿入したり、取り出したりするときは、上部に回動させて開放し、前記安着溝(12)にバイオチップ(40)に対するPCR工程を行うときは、下部に回動させて前記安着溝(12)の上部を閉鎖する。
【0044】
前記カバー部材(20)は、前記安着溝(12)を完全に覆うことができる大きさのケース(21)と、前記ケース(21)を前記本体ハウジング(10)に対して上下に回動可能に支持するヒンジ部材(25)と、を含む。
【0045】
そして、前記感知モジュール(70)は、前記カバー部材(20)の内部に設置されるもので、前記バイオチップ(40)から放射される蛍光を感知できるように、前記カバー部材(20)を前記本体ハウジング(10)の上面に回動させるとき、前記感知モジュール(70)が前記安着溝(12)の上部に位置するように設置される。
【0046】
前記ディスプレイパネル(80)は、PCR実行過程やその結果を示すためのもので、前記本体ハウジング(10)の前面に前後に回動可能に設置される。そして、前記制御モジュール(30)は、前記本体ハウジング(10)の内部に設置され、前記多数の加熱冷却モジュール(50)、多数の光源モジュール(60)、多数の感知モジュール(70)及び1つのディスプレイパネル(80)と電気的に連結される。
【0047】
このように、本発明のモジュール型同時診断PCRシステム(1)は、1つの本体ハウジング(10)の上面に多数のバイオチップ(40)を安着できるように多数の安着溝(12)を離隔するように形成し、前記本体ハウジング(10)の内部には前記多数の安着溝(12)に対応するようにその下部には多数の加熱冷却モジュール(50)を、その側面には多数の光源モジュール(60)を設置し、前記本体ハウジング(10)の上面には前記多数の安着溝(12)に対応するように多数のカバー部材(20)を上下に回動可能に設置し、前記カバー部材(12)の内部には前記多数の安着溝(12)に対応するようにその上部に光学モジュール(70)を設置し、前記多数の加熱冷却モジュール(50)、多数の光源モジュール(60)及び多数の感知モジュール(70)は、前記本体ハウジング(10)の内部に設置された1つの制御モジュール(30)を利用して統合的に制御することを特徴とする。
【0048】
図5及び図6は、本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステムの好ましい実施形態を示す斜視図であり、図7は、図5に示すモジュール型同時診断PCRシステムから一部のカバー部材を分離し、ディスプレイパネルを回動させた状態を示す斜視図であり、図8は、図6に示すモジュール型同時診断PCRシステムから制御モジュールを分離した様子を示す斜視図である。
【0049】
図に示すように、本実施形態のモジュール型同時診断PCRシステム(1)は、六面体形状の本体ハウジング(10)と、前記本体ハウジング(10)の上面に一定の間隔で離隔するように設置された多数のカバー部材(20)と、前記本体ハウジング(10)の前面に設置されたディスプレイパネル(80)と、を含む。
【0050】
前記本体ハウジング(10)の上面は、中央の段差部を中心に下段上面(11a)と上段上面(11b)とに区分され、前記下段上面(11a)に2つ、前記上段上面(11b)にも2つのカバー部材(20)がそれぞれ設置されている。このとき、各カバー部材(20)の前面には取っ手(23)が設置されている。
【0051】
図6に示すように、前記本体ハウジング(10)の後面には一定の大きさに開口部が形成され、前記開口部には後面カバー板(16)が着脱可能に設置される。このとき、前記後面カバー板(16)には各種ケーブルを連結することができる接続具が形成される。したがって、前記後面カバー板(16)を分離すれば、前記本体ハウジング(10)に設置された制御モジュール(30)を容易に分離することができる。このとき、前記本体ハウジング(10)の内部には、前記制御モジュール(30)を案内するガイドレール(18)が備えられる。
【0052】
図7に示すように、前記本体ハウジング(10)の上面(11)には、バイオチップ(40)を安着できるように多数の安着溝(12)が形成されている。そして、前記安着溝(12)の後方には、前記カバー部材(20)を上下に回動可能に支持するヒンジ部材(25)が垂直に設置されている。また、前記安着溝(12)の左右両側には、前記取っ手(23)を利用して前記カバー部材(20)を本体ハウジング(10)に固定する水平固定軸(44)を含むロック部材(45)が垂直に設置されている。
【0053】
図9は、本発明に係る本体ハウジング(10)の好ましい実施形態を示すもので、前記本体ハウジング(10)の前面には、前記ディスプレイパネル(80)を回動可能に支持するリンク部材(85)が出入するように開口部(14)が形成されている。また、前記本体ハウジング(10)の上面には、安着溝(12)を形成するための4つの貫通部(15)が形成されており、前記貫通部(15)の後方には、4つのヒンジ部材(25)を設置するための4つの貫通ホール(18)が形成されている。そして、上板(11)の中央に形成された段差部(13)には、多数の換気口が形成されている。
【0054】
次に、図10は、本発明に係る加熱冷却モジュール(50)の好ましい実施形態を示す斜視図である。図に示すように、前記加熱冷却モジュール(50)は、前記本体ハウジング(10)の上板(11)の下部に結合する支持プレート(56)を含む。前記支持プレート(56)の中央には、放熱ブロック(53)と放熱ファン(55)が設置される貫通部が形成されており、左右両側の上面には、前記上板(11)に結合される結合ブラケット(58)が垂直に設置されている。
【0055】
そして、前記支持プレート(56)に設置された放熱ブロック(53)の上面には、一定の大きさのヒーティングプレート(51)が水平に設置される。また、前記ヒーティングンプレート(51)の一方側には、電源接続部と印刷回路基板が設置される。そして、前記放熱ファン(55)は、前記放熱ブロック(53)の後方に垂直に設置される。
【0056】
次に、図11は、本発明に係る加熱冷却モジュール(50)の上部に安着プレート(59)が設置された様子を示す斜視図である。前記安着溝プレート(58)はプラスチック素材からなり、中央にはバイオチップ(40)が貫通できるように貫通ホールが形成される。そして、前記安着溝プレート(58)の左右両側には、前記カバー部材(20)を固定する水平固定軸(44)が形成されたロック部材(45)が設置される。また、前記安着溝(12)の左右両側には、光源モジュール(60)を設置するための設置溝(66)が水平方向に形成されている。あわせて、前記支持プレート(56)の後段上面には、前記カバー部材(20)を上下に回動可能に支持するヒンジ部材(25)が垂直に設置されている。
【0057】
次に、図12は、本発明に係るカバー部材の内部構造を示す斜視図である。図に示すように、前記カバー部材(20)は、一定の大きさの内部空間を形成するケース(21)と、前記ケース(21)は前面と側面の一部を覆い、上下に回動可能に設置される「コ」字形態の取っ手(30)とを含む。前記ケース(21)の底には、前記安着溝(12)に対応するように貫通ホール(22)が形成され、前記貫通ホール(22)の上部には、図に示していないイメージセンサ(71)とフィルタ(73)が設置される。そして、前記貫通ホール(22)の前方には、LED表示部(80)が垂直に設置される。未説明符号26は、ヒンジ部材(25)が設置される設置溝である。
【0058】
図13から分かるように、前記取っ手(23)は「コ」字形態からなり、両端の内側面には、前記カバー部材(20)の外側面に突出するように形成された回転軸が挿入される中心溝(131)が形成され、これを中心に回転可能に設置される。また、前記中心溝(131)の外側には、前記支持プレート(56)の上面に設置されたロック部材(45)の水平固定軸(44)が挿入されるガイド溝(133)が形成されている。前記ガイド溝(133)は、取っ手(23)を上部に回動させて垂直に立てるとき、前記水平固定軸(44)が下方に離脱できるように一部が開放(133a)され、前記取っ手(23)を下部に回動させるときは、前記水平固定軸(44)が離脱しないように固定する。そして、未説明符号132は、前記取っ手(23)が円滑に回転するように案内する別途のガイドピンが挿入されるガイド溝である。
【0059】
図14及び図15は、本発明に係るLED表示部(90)の一例を示す斜視図である。図に示すように、前記LED表示部(80)は、PCRモジュールの作動状態をカバー部材(20)の上面に伝達するためのもので、前記カバー部材(20)の内部に備えられた印刷回路基板と連結され、多数のLEDが配列されたLED基板(91)と、前記LED基板(91)から放射される光を上部に伝達する導光プレート(93)と、前記LED基板(91)と前記導光プレート(93)の下段とを結合して前記カバー部材(20)の底面に固定するベース(95)と、を含む。特に、前記導光プレート(93)は透明な素材からなり、45°の角度で傾斜した少なくとも4つの反射面を有しているので、下段から水平に入射される光を上部に反射させ、前記カバー部材(20)の上面から垂直に放射されるようになる。
【0060】
図16は、本発明に係るディスプレイパネルを支持するリンク部材(84)の好ましい実施形態を示す斜視図である。図に示すように、前記リンク部材(85)は、前記本体ハウジング(10)の底に一定の間隔で離隔するように固定された2つの固定ブロック(851)と、前記2つの固定ブロック(851)を水平に貫通する下部水平固定軸(852)に上下に回転可能に設置される2つの下部リンク部材(853)と、前記2つの下部リンク部材(853)の上段を水平に貫通する中間水平固定軸(854)に上下に回転可能に設置される2つの上部リンク部材(855)と、前記2つの上部リンク部材(855)の上段を水平に貫通する上段水平固定軸(856)に上下に回転可能に設置され、前記ディスプレイパネル(80)の後面に固定される2つの固定ブラケット(857)と、を含む。また、前記上部リンク部材(855)の前面には一定の大きさの前面カバー板(858)が設置され開口部を遮断するようにする。
【0061】
このように、本発明に係るモジュール型同時診断PCRシステム(1)は、前記本体ハウジング(10)の上面に多数の安着溝(12)が設置されているので、前記多数のカバー部材(20)を上方に回動させて開放した後、前記多数の安着溝(12)にバイオチップ(40)をそれぞれ安着させることができる。そして、バイオチップ(40)が安着すると、前記カバー部材(20)を下方に回動させる。このとき、前記カバー部材(20)の取っ手(30)を下方に回転させると、前記ロック部材(45)によって前記カバー部材(20)が固定されるようになる。
【0062】
次に、前記本体ハウジング(10)の内部に設置された前記制御モジュール(30)は、多数の加熱冷却モジュール(50)、多数の光源モジュール(60)及び多数の感知モジュール(70)を制御して多数のバイオチップ(40)に対するPCR工程を行う。 そして、各PCR工程の過程及び結果を前記ディスプレイパネル(80)に表示する。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】