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特表2023-532627精密なマイクロスケール特徴、及び長期間のマクロスケール再現性を有する熱可塑性物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】精密なマイクロスケール特徴、及び長期間のマクロスケール再現性を有する熱可塑性物品
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/02 20060101AFI20230724BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
B29C59/02 Z
B81B1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022574636
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2021035579
(87)【国際公開番号】W WO2021247788
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,103
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521226439
【氏名又は名称】エッジ・エンボッシング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EDGE EMBOSSING, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ブライアン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】カムホルズ,アンドリュー・エバン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,キャメロン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファルハート,ホータン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルーブ,ジェイコブ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ムクラウド,コートニー・アン
(72)【発明者】
【氏名】ヘモンド,メーガン・アシュリー
【テーマコード(参考)】
3C081
4F209
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081AA17
3C081BA21
3C081BA23
3C081BA72
3C081CA35
3C081CA38
3C081DA10
3C081DA46
3C081EA27
3C081EA39
4F209AA04
4F209AA11
4F209AA12
4F209AA13
4F209AA15
4F209AA16
4F209AA21
4F209AA23
4F209AA24
4F209AA28
4F209AA29
4F209AA31
4F209AA40
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH63
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC05
4F209PN03
4F209PN06
4F209PW21
(57)【要約】
精密なマイクロスケール特徴及び長期間のマクロスケール再現性を有する種々の熱可塑性部品が、提供される。剛性ツール成形及びソフトツーリングの利点をハイブリッドツーリングに組み合わせることによって、複雑でかつ高難度のマイクロ特徴が、熱可塑性部品内で、顕著な位置精度及び再現性を伴って作り出されることが可能である。本明細書に記載の部品は、従来のハード及びソフトツーリング方法と比較すると、マスター部品を基準にして、数桁小さい部品間変動の大きさ、及び数桁小さい変動の大きさを例示することができる。いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の平均正規化変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項2】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項3】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の最大変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約10μm以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項4】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の平均変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約10μm以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項5】
以下のこと:
(i)前記精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%、0.07%、0.06%、又は0.06%未満であること、
(ii)前記精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約0.5%、0.2%、0.1%、又は0.1%未満であること、
(iii)前記精密マイクロスケール特徴間の最大変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、及び
(iv)前記精密マイクロスケール特徴間の平均変位が、前記複数の熱可塑性部品内の前記部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、のうちの2つ、3つ、又は4つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項6】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項11】
前記アスペクト比が、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である、請求項6~10のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項12】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項13】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項14】
前記抜き勾配が、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である、請求項12又は請求項13に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項16】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項17】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項18】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項19】
前記テクスチャ付き垂直表面が、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える、請求項17又は18に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項20】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項21】
前記横寸法が、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である、請求項6~17のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項22】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、
第1の横寸法、及び前記第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法であって、前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法が、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの大きさを有する、第1の横寸法及び第2の横寸法と、
前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、前記縦寸法が、約100μm又は500μm~約5000μm又は10000μmの大きさを有する、縦寸法と、を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項23】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、
前記熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、
前記第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、
前記第1の高難度マイクロ特徴と、前記第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置合わせが、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である、請求項1~22のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項24】
前記縦寸法の厚さ変動が、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である、請求項1~23のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項25】
前記高難度マイクロ特徴が、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える、請求項1~24のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項26】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、マクロスケール特徴を備え、
前記マクロスケール特徴と、前記高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位が、前記複数の部品内の前記部品の各々の間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である、請求項1~25のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項27】
前記熱可塑性材料が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む、請求項26に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項28】
前記複数の部品内の前記部品の各々が、少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える、請求項26に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項29】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する熱可塑性部品であって、
前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の非等方性変位に対する平均正規化寄与が、前記熱可塑性部品と、理想化されたマスター部品との間で測定されたときに、約0.1%以下である、熱可塑性部品。
【請求項30】
前記非等方性変位に対する前記平均正規化寄与が、前記変位を測定する前に、前記理想化されたマスター部品に対して前記等方性変形を減算することによって計算される、請求項29に記載の熱可塑性部品。
【請求項31】
前記非等方性変位に対する前記平均正規化寄与が、前記非等方性変位を測定する前に、静的な等方性収縮量を減算することによって計算され、前記静的な等方性収縮量が、前記熱可塑性材料の組成に基づくパーセンテージである、請求項29に記載の熱可塑性部品。
【請求項32】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える、請求項29~31のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項33】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える、請求項29~32のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項34】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える、請求項29~33のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項35】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える、請求項29~34のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項36】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える、請求項29~35のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項37】
前記アスペクト比が、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である、請求項29~36のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項38】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える、請求項29~37のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項39】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える、請求項29~38のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項40】
前記抜き勾配が、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である、請求項38又は請求項39に記載の熱可塑性部品。
【請求項41】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える、請求項29~40のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項42】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える、請求項29~41のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項43】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える、請求項29~42のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項44】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える、請求項29~43のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項45】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える、請求項43又は請求項44に記載の熱可塑性部品。
【請求項46】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える、請求項29~45のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項47】
前記横寸法が、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である、請求項29~46のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項48】
第1の横寸法、及び前記第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法であって、前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法が、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの大きさを有する、第1の横寸法及び第2の横寸法と、
前記第1及び第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、前記縦寸法が、約100μm又は500μm、及び最大約5000μm、10000μm、又は50000μmの大きさを有する、縦寸法と、を備える、請求項29~47のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項49】
前記熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、
前記第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、
前記第1の高難度マイクロ特徴と、前記第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置合わせが、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である、請求項29~48のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項50】
前記縦寸法の厚さ変動が、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である、請求項29~49のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項51】
前記高難度マイクロ特徴が、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える、請求項29~50のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項52】
マクロスケール特徴を備え、
前記マクロスケール特徴と、前記高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位が、前記部品と前記マスターとの間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である、請求項29~51のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項53】
前記熱可塑性材料が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む、請求項29~52のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項54】
少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える、請求項29~53のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年6月3日に出願された「Thermoplastic Articles Having Precise Micro-Scale Features and Long-Range Macro-Scale Reproducibility」と題する、同時係属する米国仮特許出願第63/034,103号に対する優先権、及びその利益を主張し、その出願の内容は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、熱可塑性部品に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ流体デバイスは、化学、医学、及びバイオテクノロジーなどの様々な分野で適用される。比較的低コストで済む大量生産規模での集積化マイクロ流体デバイスの製造により、マイクロ流体工学が商業上更に大きく受け入れられ得ることが可能になる。これは、使い捨てデバイスが使用される分野、例えば、医療分析の場合には、特に重要である。マイクロスケール特徴を有する使い捨てデバイスは、診断からライフサイエンス、ポイントオブケア医療機器まで幅広い用途で現在一般的に使用されている。製品としてのそのようなデバイスの成功は、デバイスの製造コスト及び品質の両方に部分的に依存する。これらのデバイスで使用される技術は、多くの場合、マイクロチャネル、マイクロピラー、マイクロポスト、マイクロウェル、ナノウェル、及び関連する公開文献において周知の多数の他のものなどの、1つ以上のマイクロスケール構造(「マイクロ構造」)を含む。そのようなデバイスの多くは、実験室又は臨床環境で調製された任意の生体液又は他の流体からなり得る流体に対してアッセイ、試験、測定、又は他の観察を行う目的で、流体を導く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロ流体などの熱可塑性デバイス、及びマイクロスケール特徴を備える他のデバイスを生産するための非常に多くの技術が探索されている。しかしながら、高難度のマイクロ特徴及びマクロスケールの再現性を備えた熱可塑性構成要素の精密な生産は、依然として難題を残している。これらのプロセスとしては、3D印刷、CNC機械加工、回転成形、真空成形、射出成形、押し出し成形、及び吹き込み成形が挙げられる。
【0005】
3D印刷は、これを使用し部品を層毎に構築してようやく完全な物理的部品を形成することができる。しかしながら、3D印刷は、プラスチック部品の生産において多くの制限を有しており、それらの制限としては、材料選択肢の選択が非常に限定されていること、化学組成、剛性、表面粗さ、並びに密度及び吸光度などの物理的特性に大きな制限が置かれていること、寸法精度において大きな公差があること、許容可能な公称最小寸法を約50~1000マイクロメートル未満の精度を達成することが困難であること、マイクロウェル、マイクロピラー、又はマイクロチャネルなどのマイクロ構造特徴が3Dプリンタの解像度に対して非常に小さいサイズであるために、それらを生産することができないことが挙げられる。
【0006】
CNC機械加工は、固体材料から出発し、様々なミル、旋盤、及び他のコンピュータ制御されたサブトラクティブプロセスを使用して部品を形成する。機械加工プロセスは、3D印刷よりも多くの、部品の幾何学的形状の制限を有する。機械加工プロセスには、ツールアクセスのためのゆとりが必要であり、湾曲した内部チャネル及び他の高難度のマイクロ特徴のような特定の幾何学的形状は、サブトラクティブ法を用いて生産することは、困難又は不可能である。
【0007】
回転成形又は回転式成形は、ポリマーが溶融されて、回転する金型の内部に形成されるプロセスである。この方法は、より大きな中空構造をもたらすように使用され、精密な又は高難度のマイクロ特徴を提供しない。
【0008】
真空成形は、製品包装のようなものを生成するために使用することができるが、比較的薄い壁、及び単純な幾何学的形状を有する部品に限定される。真空成形は、高難度のマイクロ特徴に好適ではなく、高度な大規模再現性をもたらさない。
【0009】
射出成形は、プラスチック構成要素を製造する最も一般的な方法の1つである。高い温度及び圧力が伴うため、従来の射出金型は、焼き入れ鋼などの金属から機械加工される。これにより、小さな若しくは負の抜き勾配、高いアスペクト比、又はテクスチャ加工された表面を有する垂直壁などの特定の高難度マイクロ特徴を離型させる能力に制限が生じる。マイクロ成形は、より小さな部品をミクロンスケールの精度で生成するために使用することができるが、従来の射出成形と同じ制限を受けるため、特定の高難度マイクロ特徴を生成することができない。
【0010】
ソフトツール成形は、射出成形と類似するが、シリコーンなどの材料で作製されたソフト金型、又は他のゴム金型を利用する。ソフトツーリングは、離型が容易であるという利点を有するが、長期間のマクロスケール再現性、及び位置の許容誤差又は再現性を犠牲にしている。これは、ソフトツーリングが、従来の射出成形で使用されているハードツーリングと比較して、部品成形中に金型の変形を生じさせるためである。
【0011】
押し出し成形は、所望の形状を作り出す金型を通して、溶融したプラスチックを押し込むことによって部品を形成する。押し出し成形は、T断面、I断面、L断面、U断面、及び正方形断面又は円形断面などの連続したプロファイルを有する単純な部品に限定される。
【0012】
吹き込み成形は、加熱されたプラスチックチューブを金型の内部に、そのプラスチックチューブが金型形状に成形されるまで膨張させることによって、中空のプラスチック部品を作り出すために使用される。吹き込み成形は、プラスチックボトルのような品物を製造するために使用されるが、単純な幾何学的形状に限定され、総じてマイクロスケール射出成形よりも精度が劣る。
【0013】
したがって、前述の欠陥を克服する、熱可塑性物品を形成するための、改善された熱可塑性物品及び方法の必要性が依然として残されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様では、複数の熱可塑性部品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を含み、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を含み、精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0015】
別の態様では、複数の熱可塑性部品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を含み、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を含み、精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0016】
更に別の態様では、複数の熱可塑性部品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を含み、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を含み、精密マイクロスケール特徴間の最大変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0017】
更に別の態様では、複数の熱可塑性部品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を含み、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を含み、精密マイクロスケール特徴間の平均変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0018】
更に別の態様では、熱可塑性部品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を含み、精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴間の非等方性変位に対する平均正規化寄与は、熱可塑性部品と、理想化されたマスター部品との間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0019】
本開示の更なる態様は、添付の図面と併せて、以下に説明するその様々な実施形態の詳細な説明を吟味することにより、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本開示の様々な態様による、複数の第1の例示的な高難度マイクロ特徴の上面図である。
図1B図1Aの1-1に沿った断面図である。
図2A】本開示の様々な態様による、複数の第2の例示的な高難度マイクロ特徴の上面図である。
図2B図2Aの2-2に沿った断面図である。
図3】本開示の様々な態様による、ピラー及びウェルなどの高難度マイクロ特徴内に作り出すことができる例示的な断面プロファイルを示す上面図である。
図4】正の抜き勾配(上)、垂直側壁又はゼロ抜き勾配(中)、及び負の抜き勾配(下)を有するマイクロ特徴の断面図である。
図5A】本開示の様々な態様による、複数の第3の例示的な高難度マイクロ特徴の上面図である。
図5B図5Aの5-5に沿った断面図である。
図6A】本開示の様々な態様による、複数の第4の例示的な高難度マイクロ特徴の上面図である。
図6B図6Aの6-6に沿った断面図である。
図7A】本開示の様々な態様による、例示的な部品の上面図であり、複数の高難度マイクロ特徴を含む。
図7B図7Aの7-7に沿った断面図である。
図7C図7Aの円形領域のクローズアップ図である。
図8A】本開示の様々な態様による、第2の例示的な部品の斜視図であり、複数の高難度マイクロ特徴を含む。
図8B】第2の例示的な部品の上面図である。
図8C図8Bの8-8に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
精密マイクロスケール特徴を有し、更に高難度マイクロ特徴及び長期間のマクロスケール再現性のための熱可塑性部品が提供される。提示される部品は、従来のプラスチック製造方法では生成することができないため、熱可塑性部品の適用可能性及び利点を更に多くの適用分野に拡張する。これらの部品は、高レベルの位置精度及び再現性を維持しながら、以前に作製されたものよりも更に複雑な幾何学的形状及び構造を可能にする。
【0022】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の平均正規化変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0023】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の最大正規化変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0024】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴間の最大変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0025】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴間の平均変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0026】
本開示をより詳細に説明する前に、本開示は説明された特定の態様に限定されず、したがって、当然のことながら、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを説明する目的のためであり、限定することは意図されないことも理解されたい。当業者は、本明細書で説明される態様の多くの変形形態及び適応形態を認識するであろう。これらの変形形態及び適応形態は、この開示の教示に包含されることが意図される。
【0027】
この明細書に引用される全ての刊行物及び特許は、それらの刊行物が関連して引用される方法及び/又は材料を開示及び説明するために引用される。そのような全ての刊行物及び特許は、それぞれ個々の刊行物又は特許が、あたかも参照により組み込まれることを具体的かつ個々に示しているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。そのような参照による組み込みは、引用された刊行物及び特許に記載されている方法及び/又は材料に明示的に限定され、引用された刊行物及び特許からのいかなる語彙的定義にも及ばない。本明細書においても明示的に繰り返されない引用された刊行物及び特許における任意の語彙的定義は、そのように扱われるべきではなく、添付の特許請求の範囲に出現する任意の用語を定義するものとして読み取られるべきではない。いずれかの刊行物の引用は、出願日前のその刊行物の開示のためのものであり、本開示が、先行開示によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供された刊行物の日付は、独立して確認を要し得る実際の刊行日とは異なっている可能性がある。
【0028】
本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料はまた、本開示の実施又は試験において使用することもできるが、ここでは、好ましい方法及び材料が記載される。当技術分野において周知の機能又は構造は、簡潔さ及び/又は明確さのために詳細に記載されていない場合がある。本開示の実施形態は、別段の記載がない限り、ナノテクノロジー、有機化学、材料科学、及び工学などの技術を使用するであろうが、これらは先行技術の範囲内である。かかる技術は、文献において完全に説明される。
【0029】
比、濃度、量、及び他の数値データは、本明細書では、範囲形式で記載される場合があることに留意されたい。このような範囲形式は便宜性と簡潔さのために用いられており、そのため、範囲の端点として明示されている数値を包含するだけでなく、全ての個々の数値又は範囲内に包含される部分範囲も、各々の数値及び部分範囲が明示されているかの如く、包含すると、柔軟に解釈されるべきであると理解されたい。例示するために、「約0.1%~約5%」という数値範囲は、約0.1%~約5%という明示的に列挙された値だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)、並びに部分範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も包含するものと解釈されるべきである。記述された範囲が制限のうちの一方又は両方を含む場合、それらのうちのいずれか一方又は両方を除く範囲もまた、本開示に含まれ、例えば、「x~y」という句は、「x」~「y」の範囲、並びに「x」超、かつ「y」未満である範囲を含む。範囲はまた、上限、例えば、「約x以下、約y以下、約z以下」として表すことができ、「約x」、「約y」、及び「約z」という特定の範囲と、「x未満」、「y未満」、及び「z未満」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。同様に、「約x以上、約y以上、約z以上」という句とは、「約x」、「約y」、及び「約z」という特定の範囲と、「x超」、「y超」、及び「z超」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、数値の有効数字に従った従来の四捨五入を包含され得る。更に、「約「x」~「y」」という表現(「x」及び「y」は数値)には、「約「x」~約「y」」が包含される。
【0030】
場合によっては、本明細書では、非メートル単位、又は非SI単位である単位が使用される場合がある。そのような単位は、例えば、NIST HB 44、NIST HB 133、NIST SP 811、NIST SP 1038、NBS Miscellaneous Publication 214などの刊行物においてアメリカ合衆国商務省国立標準技術研究所によって定められているような、米国の慣習的な度量衡であり得る。米国慣用単位は、当業者によって理解されるように、メートル単位及び他の単位における等価次元(例えば、「1インチ」として開示される寸法は、「2.5cm」の等価寸法を意味することが意図され、「1pcf」として開示される単位は、0.157kN/mの等価次元を意味することが意図され、100°Fと開示される単位は、37.8°Cの等価次元を意味することが意図されるなど)を包含することが理解される。
【0031】
特段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者によって共通に理解されているものと同じ意味を有する。更に、一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、本明細書の文脈及び関連する技術分野におけるその意味と合致した意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明白に定義されていない限りは、理想的又は過度に形式張った意味に解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「a」及び「an」は、本明細書及び特許請求の範囲に記載される本発明の実施形態において任意の特徴に適用されるとき、1つ以上を意味する。「a」及び「an」の使用は、そのような限定が具体的に記述されない限り、意味を単一の特徴に限定するものではない。単数又は複数の名詞若しくは名詞句に先行する冠詞「the」は、特定の具体的な特徴(単数)又は特定の具体的な特徴(複数)を表し、それが使用される文脈に応じて、単数又は複数の含意を有し得る。
【0033】
「抜き勾配」という用語は、本明細書で使用される場合、金型又は特徴面、及び引き抜き方向に沿った理論的な中心軸に関して定義される角度である。従来の成形では、正の抜き勾配が、通常、金型からの部品の突き出しをより容易にするために、全ての垂直壁に設計される。金型又は特徴の壁が金型又は特徴の理論的中心軸から引っ張り方向に離れて傾斜する場合、抜き勾配は「正の抜き勾配」であると言われる。金型又は特徴の壁が金型又は特徴の理論的中心軸から引っ張る方向に内側に傾斜する場合、抜き勾配は「負の抜き勾配」であると言われる。特徴付けられた表面は、正の抜き勾配を有する特徴と、負の抜き勾配を有する特徴と、の両方を含むことができる。「非負の抜き勾配」は、ゼロの抜き勾配又は正の抜き勾配を有する金型又は特徴を指す。
【0034】
任意の可能な角度から部品を見るときに、すなわち、その部品の他の部分が視線の邪魔をせず、その特徴の少なくとも1つの表面を見ることができる角度が全く存在しない場合、1つ以上の表面が直接の視線では見ることができないときに、特徴という用語が本明細書で使用されるように、その特徴は、「アンダーカット」を有するか、又は代替的に「アンダーカット」であると言われる。アンダーカットは、その部品がストレートプル金型から突き出されるのを防止して、金型の一部が部品に損傷を与えないようにすることができる。部品上のアンダーカット特徴の最も単純な例は、部品突き出し方向に対して垂直に位置調整されたスルーホールであり得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「マイクロスケール特徴」という用語は、約1,000マイクロメートル以下の1つ以上の寸法を有し、概して、約10ナノメートル、100ナノメートル以上よりも大きな寸法を有する特徴を指す。場合によっては、マイクロスケール特徴は、約10マイクロメートル又は約50マイクロメートル~約100マイクロメートル又は約250マイクロメートルの最大寸法を有する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「マクロスケール」という用語は、通常、1ミリメートル以上の寸法、より正確には、約1ミリメートル、5ミリメートル、又は10ミリメートル、及び最大約20ミリメートル、100ミリメートル、500ミリメートル、又は更には1,000ミリメートルの寸法である熱可塑性構成要素の全体的な寸法特徴を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、「精密なマイクロスケール特徴」という用語は、複数の熱可塑性構成要素にわたって測定される場合に、マイクロスケール特徴のサイズにおいて、非常に小さい二乗平均平方根(RMS)偏差を有するマイクロスケール特徴を指す。いくつかの態様では、精密なマイクロスケール特徴は、約10マイクロメートル、約1マイクロメートル、又はそれ以下のRMS偏差を有する。いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴は、約10%、約5%、約1%、約0.1%以下のRMS偏差を有する。
【0038】
「再現可能なマクロスケール寸法」という用語は、複数の熱可塑性構成要素にわたって測定された、熱可塑性構成要素間のマクロスケール寸法の再現性を指す。いくつかの態様では、マクロスケール寸法は、マクロスケール寸法の全て又は実質的に全ての二乗平均平方根(RMS)偏差が1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%以下の許容誤差以内にある場合に、再現可能であると言われる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「剛性」という用語は、エンボス加工及び射出成形で使用される典型的な圧力にさらされたときに、形状の屈曲又は変形に耐え得る、例えば、少なくとも10GPa、20GPa、25GPa、30GPa以上の剛性率を有する材料又は構成要素を指す。
【0040】
本明細書で区別なく使用される場合、「高難度マイクロ特徴」及び「高難度マイクロスケール特徴」という用語は、概して、金型及びマイクロスケール特徴のうちの一方又は両方を損傷することなく、剛性金型から離型させることができないマイクロスケール特徴を指す。剛性金型を用いた従来の射出成形では、部品は、特定の制限を伴って設計される必要があり、それ以外の場合には、離型プロセスにより、部品又は金型の損傷又は変形をもたらす可能性がある。したがって、従来の射出成形の場合、部品は、離型をより容易にするために、抜き勾配を有するように設計されている。熱可塑性材料の剛性、及び部品上の特徴の全体的な設計及び密度はまた、損傷又は変形なしに部品を離型させる能力にも大きな影響を与える。特徴又はテクスチャを有する垂直壁はまた、部品と、より大きな抜き勾配を必要とする金型との間の摩擦を増大させる可能性もある。高難度マイクロ特徴の例としては、(i)約300μm、約250μm、約200μm以下のうちの少なくとも1つの横寸法、及び(ii)下記の、少なくとも2:1、少なくとも3:1、又は少なくとも4:1、及び最大約10:1、約20:1、約40:1、又は約50:1のアスペクト比(高さ:幅)、最小約-1°、-2°、又は-5°の負の抜き勾配を含む、約2°、約1°、約0°以下の抜き勾配を有する少なくとも1つの垂直壁、少なくとも1つのアンダーカット、少なくとも0.01μm、少なくとも0.1μm、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも2.5μm、少なくとも10μm、又は少なくとも20μmのテクスチャ深さを有する少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面、のうちの任意の1つ以上、の両方を有する凹部又は凸部が挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「垂直壁」という用語は、その壁が接続するその部品の外面に対して実質的に垂直であり、例えば、その壁が少なくとも45度、少なくとも75度、又は少なくとも90度の角度で外側部分表面と交わる、マイクロスケール又はマクロスケール特徴の壁を指す。垂直壁は、引き抜き方向と実質的に位置調整することができる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「横寸法」という用語は、寸法が測定されている部品上の外面に対して実質的に平行である寸法を指し、この寸法を画定する線は、外面を画定する平面から最大45度の角度にあり、典型的には、最大15度の角度にある。横寸法は、引き抜き方向に対して垂直であり得る。
【0043】
熱可塑性部品及び他の製造物品
高難度マイクロ特徴を有する種々の熱可塑性部品及び他の製造物品が、本明細書に記載される。それらの部品は、高難度マイクロ特徴だけでなく、再現可能なマクロスケール寸法精度を伴って生成することができる。部品、及びその部品を作製する方法は、熱可塑性部品の適用可能性(並びにコストの関連する利点、スケーリング、及び製造の容易さ等)を、従来の方法を使用しては以前には入手不可能であった複雑な幾何学的構造に拡張する。
【0044】
熱可塑性部品及び製造物品は、マスター構造に対して並外れた許容誤差で生成することができる。本明細書で使用される場合、「マスター構造」という用語は、典型的には、金属基板上に製造される複製テンプレートを指す。マスター金型の特徴は、UV-LIGAプロセス、及び他の微細加工プロセスを使用して作製される。マスター金型上に作り出されるマイクロ構造は、マスター金型基板と同じ材料のもの、例えば、ニッケル基板上のニッケルマイクロ構造であり得るか、又は異種材料、例えば、シリコン表面上のフォトレジストであり得る。マスター構造はまた、理想化されたマスター部品又はマスター構造、すなわち、部品の所望された又は意図された幾何学的形状を指す場合もある。
【0045】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する熱可塑性部品又は製造物品が提供され、精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、マイクロスケール特徴間の非等方性変位に対する平均正規化寄与は、部品と、理想化されたマスター部品との間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0046】
高難度マイクロ特徴及び高難度マイクロ特徴アレイは、チャネル、ポスト、及び壁を含む種々の凸部及び凹部を組み合わせることによって作成することができる。いくつかの態様では、約3:1又は約5:1から、最大約20:1又は最大約50:1のアスペクト比を有する、精密に画定された壁、ポスト、及びチャネルが組み合わされる。
【0047】
種々の高難度マイクロ特徴が、本明細書に記載の部品及び他の物品に含まれ得る。図3に描写されるように、高難度マイクロ特徴は、円形、楕円形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形、菱形、及び他の複雑な断面を含む、種々の断面を有するポスト、ウェル、又は他の構造を含むことができる。
【0048】
図1A~1Bは、円形断面を有するポスト102を含む、例示的な高難度マイクロ特徴を描写している。ポスト102は、約5μm~約50μm、約10μm~約30μm、又は約15μm~約25μmの幅(「b」)を有することができる。ポスト102は、約40μm~約250μm、約40μm~約100μm、又は約20μm~約75μmの高さ(「c」)を有することができる。ポスト102は、5個、10個、15個、20個、又は20個超のポストの高密度アレイで提供することができる。ポスト102は、約1μm、2μm、5μm、10μm、又は10μm超の、最も接近した小さな隣接間隔(「a」)を有することができる。
【0049】
図2A~2Bは、矩形断面を有するポスト202を含む、例示的な高難度マイクロ特徴を描写している。ポスト202は、約5μm~約50μm、約10μm~約30μm、又は約15μm~約25μmの長さ(「c」)及び幅(「b」)を有することができる。ポスト202は、約40μm~約250μm、約40μm~約100μm、又は約20μm~約75μmの高さ(「d」)を有することができる。ポスト202は、5個、10個、15個、20個、又は20個超のポストの高密度アレイで提供することができる。ポスト202は、約1μm、2μm、5μm、10μm、又は10μm超の、最も接近した小さな隣接間隔(「a」)を有することができる。
【0050】
図5A~5Bは、円形断面を有するウェル502を含む、例示的な高難度マイクロ特徴を描写しているが、ウェル502はまた、図3に描写される任意の断面を有することができる。ウェル502は、約5μm~約50μm、約10μm~約30μm、又は約15μm~約25μmの幅(「b」)を有することができる。ウェルは、約40μm~約250μm、約40μm~約100μm、又は約20μm~約75μmの深さ(「d」)を有することができる。ウェルは、5個、10個、15個、20個、又は20個超のウェルの高密度アレイで提供することができる。ウェルは、約1μm、2μm、5μm、10μm、又は10μm超の、最も接近した小さな隣接間隔(「a」)を有することができる。
【0051】
図6A~6Bは、内側に、より小さく、かつより浅いウェル604を有するウェル602を含む、例示的な高難度マイクロ特徴を描写している。図6A~6Bに描写されるマイクロウェル604は、円形断面を有するが、図3に描写されるものなどの他の断面を容易に有することができる。いくつかの態様では、より大きな外側ウェル602は、図3に描写される断面を有し、より小さな内側ウェル604は、図3に描写される断面とは異なる断面を有する。内側ウェル604及び外側ウェル602は、内側ウェル604が外側ウェル602よりも小さい幅を有する限り、上述の寸法をそれぞれ有することができる。
【0052】
第1の例示的な部品が、図7A~7Cに描写されており、多数の高難度マイクロ特徴を組み合わせる部品を実証している。この部品は、メイン入口チャネル(a)、中間チャネル(b)、フィルタチャネル(c)、及びメイン出口チャネル(d)を含む。図7Bに描写されるように、中間チャネル及びフィルタチャネルは、メイン入口チャネル及び/又はメイン出口チャネルとは異なる深さ及び幅を有することができる。いずれのチャネルも、高アスペクト比を有することができる。更に、これらのチャネルの側壁及び表面は、ピラー、ポスト、凸部、ウェル、くぼみなどの追加の高難度マイクロ特徴を含むこともできる。それらの表面のうちの1つ以上はまた、テクスチャ加工された、又は不規則な表面を含むこともできる。中間チャネルとフィルタチャネルとの間の接合部(j)は、極めて小さい曲率半径(5μm未満、好ましくは1μm未満)を有する非常に鋭利なコーナー及び縁端部を伴って生成することができる。
【0053】
図8A~8Cに描写されるように、それらの部品は、同じ若しくは異なる断面、同じ若しくは異なる深さを有し、かつ部品上のアレイ内に離間されるか、又は密に詰まっているピラー802及びウェル804などの多くの高難度マイクロ特徴を組み合わせることができる。それらの特徴は、本明細書に記載されているように、高アスペクト比を有するチャネル806、ピラー802、又はウェル804を含むことができる。図8A~8Cに描写される部品は、高難度マイクロ特徴上に、アンダーカット808、及びテクスチャ加工された垂直壁810を有する特徴を含む。
【0054】
いくつかの態様では、非等方性変位に対する平均正規化寄与は、変位を測定する前に、マスターに対して等方性変形を減算することによって計算される。いくつかの態様では、非等方性変位に対する平均正規化寄与は、変位を測定する前に、等方性収縮の静的量を減算することによって計算され、その等方性収縮の静的量は、熱可塑性材料の組成に基づいたパーセンテージである。
【0055】
熱可塑性部品及び製造物品は、再現可能なマクロスケール寸法のお陰で、並外れて低い部品間変動を伴って作製することができる。これは、同じ又はほぼ同じ特徴精度及び寸法を有する複数の部品又は製造物品を提供することができる。
【0056】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品又は製造物品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の平均正規化変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0057】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品又は製造物品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の最大正規化変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0058】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品又は製造物品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴の間の最大変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0059】
いくつかの態様では、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品又は製造物品が提供され、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、そのマイクロスケール特徴間の平均変位は、その複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0060】
いくつかの態様では、複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、以下の特性:
i.精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%、0.07%、0.06%、又は0.06%未満であること、
ii.マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.5%、0.2%、0.1%、又は0.1%未満であること、
iii.精密マイクロスケール特徴間の最大変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、及び
iv.精密マイクロスケール特徴間の平均変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを有する。
【0061】
高難度マイクロ特徴は、通常、従来のハードツールのエンボス加工又は射出成形では生成することができない。高難度マイクロ特徴は、幾何学的形状のせいで、部品及び金型のうちの一方又は両方に損傷を与えずに、剛性金型から容易に離型させるができない特徴を含む。実施例としては、特に、小さなマイクロ特徴のために負の抜き勾配を有する部品、及び離型に対して抵抗を生じる、垂直壁上のテクスチャ又は構造を有する特徴又は部品が挙げられる。
【0062】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約2:1、約3:1、約4:1及び最大約10:1、20:1、50:1、又は50:1超のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を含む。
【0063】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約2:1、約3:1、約4:1及び最大約10:1、20:1、50:1、又は50:1超のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を含む。
【0064】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約2:1、約3:1、約4:1及び最大約10:1、20:1、50:1、又は50:1超のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを含む。
【0065】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約2:1、約3:1、約4:1及び最大約10:1、20:1、50:1、又は50:1超のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを含む。
【0066】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約2:1、約3:1、約4:1及び最大約10:1、20:1、50:1、又は50:1超のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネルを含む。
【0067】
いくつかの態様では、アスペクト比は、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である。
【0068】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、並びに約3°、約2°、約1°、約0°、約-1°、及び最小-5°若しくは-10°、又は-10°未満の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を含む。
【0069】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び約3°、約2°、約1°、約0°、約-1°、及び最小-5°若しくは-10°、又は-10°未満の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を含む。
【0070】
いくつかの態様では、抜き勾配は、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である。高アスペクト比を有するピラー、ウェル、及びチャネルなどの高難度マイクロ特徴は、種々の抜き勾配を有するように作製することができる。図4は、正の(「f」)、ゼロの(垂直壁)、及び負の(「g」)抜き勾配を有する特徴を描写している。図4及び図8の負の抜き勾配は、その用語が本明細書で使用されるように、アンダーカットを有する特徴をもたらし、これは、剛性ツーリングによるアプローチでは不可能である。
【0071】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を含む。
【0072】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を含む。
【0073】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有するポストを含む。
【0074】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有するウェルを含む。
【0075】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有するチャネルを含む。
【0076】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を含む。
【0077】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、約350μm、約300μm、約250μm、約200μm、約150μm、約100μm、又は約100μm未満の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を含む。
【0078】
いくつかの態様では、複数の部品内の部品の各々は、少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える。
【0079】
テクスチャ加工された垂直表面は、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を含むことができる。テクスチャ加工された垂直表面は、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるミクロンスケールのテクスチャを含むことができる。
【0080】
いくつかの態様では、複数の熱可塑性部品又は製造物品の各々は、第1の横寸法、及びその第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法を含み、第1の横寸法及び第2の横寸法は、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの寸法を有し、縦寸法は、第1及び第2の横寸法に対して垂直であり、その縦寸法は、約100μm又は500μm~約5000μm又は10000μmの寸法を有する。
【0081】
いくつかの態様では、複数の熱可塑性部品又は製造物品の各々は、熱可塑性部品の第1の面の上に第1の高難度マイクロ特徴、及び第1の面とは反対の第2の面の上に第2の高難度マイクロ特徴を含み、第1の高難度マイクロ特徴と第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置調整は、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である。
【0082】
いくつかの態様では、縦寸法の厚さ変動は、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である。
【0083】
いくつかの態様では、高難度マイクロ特徴は、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える。
【0084】
いくつかの態様では、複数の熱可塑性部品又は製造物品の各々は、マクロスケール特徴を有し、マクロスケール特徴と高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位は、複数の部品内の部品の各々の間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である。マクロスケール特徴は、例えば、試薬ウェル、スルーホール等を含むことができる。
【0085】
いくつかの態様では、熱可塑性材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む。
【0086】
熱可塑性部品及び他の製造物品を作製する方法
ハイブリッドツーリングのシステム及び方法は、2019年11月29日に出願された「THERMOPLASTIC FORMING TOOLS,ASSEMBLAGES,AND METHODS OF MAKING AND METHODS OF USE THEREOF」と題するPCT/US2019/063338に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。これらのツール及び組立体は、構成要素の長期間のマクロスケールの再現性も維持しながら、精密に寸法決定されたマイクロスケール特徴を有し、更には高アスペクト比を有する熱可塑性構成要素を形成するために使用することができる。剛性ツーリングをキャビティ形成表面上の薄いエラストマー層と組み合わせることによって、本記載のツールは、剛性ハードツールエンボス加工アプローチ、及びソフトツールエンボス加工アプローチの両方の利点を達成することができる。それらのツールにより、高難度マイクロ特徴の生成が、ハードツールマイクロ射出成形の位置/寸法の精度及び再現性を維持しながら、ソフトツーリングによるアプローチでのみ可能とすることができる。
【0087】
いくつかの態様では、熱可塑性構成要素を成形するための熱可塑性成形アセンブリが提供される。アセンブリは、精密なマイクロスケール特徴と、再現可能なマクロスケール寸法と、を有する構成要素を成形し得る。様々な態様では、熱可塑性成形アセンブリは、底部ツール及び上部ツールの両方を含む。いくつかの態様では、ツールが、複数の構成要素を成形するための複数のウェルを含む場合、アセンブリは、複数の上部ツールを含むことができる。例えば、いくつかの態様では、アセンブリは、3つ、4つ、又はそれ以上のキャビティと、同じ数の上部ツールと、を有する。
【0088】
上部ツールと、底部ツールとが一緒になって、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを形成する。いくつかの態様では、上部ツールは、少なくとも1つの凸部を有する第1のキャビティ形成側を有する第1の剛性ツール本体を含む。上部ツールは、少なくとも1つの凸部をコンフォーマルにコーティングし、第1のキャビティ形成面を作成する第1のエラストマー層も含むことができる。熱可塑性成形アセンブリは、底部ツールも有するであろう。いくつかの態様では、底部ツールは、少なくとも1つの凹部を有する第2のキャビティ形成側を有する第2の剛性ツール本体を含み、この少なくとも1つの凹部は、アセンブリが閉位置にあるときに、上部ツールの少なくとも1つの凸部を受容するように構成されている。いくつかの態様では、底部ツールは、少なくとも1つの凹部をコンフォーマルにコーティングし、第2のキャビティ形成面を作成する第2のエラストマー層を含む。アセンブリが閉位置にあるとき、第1のキャビティ形成面と、第2のキャビティ形成面とが、熱可塑性構成要素を成形するためのキャビティを画定し得る。
【0089】
ツール及びアセンブリは、精密なマイクロスケール特徴を有する熱可塑性構成要素を成形するために使用され得る。いくつかの態様では、第1のキャビティ形成面及び第2のキャビティ形成面のうちの一方又は両方が、熱可塑性構成要素を成形するときに、精密なマイクロスケール特徴を画定する特徴形成面を含む。特徴形成面は、ウェル、ピラー、ディンプル、ポア、チャネル、リッジ、より複雑な幾何学的構造、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0090】
剛性ツール本体と薄いエラストマーコーティングとを組み合わせたハイブリッドツーリングのアプローチは、剛性ツーリング又はエラストマーツーリングのいずれかによって単独で達成され得るよりも厳しい寸法制御を、全ての特徴サイズにわたって可能にする。熱可塑性部品の幾何学的特徴は、一般に、マクロスケール又はマイクロスケールとして定義され得る。マクロスケールとして定義される特徴は、典型的には、少なくとも1ミリメートルの長さ、幅、高さ、ピッチ、及び曲率半径を有する。マイクロスケールとして定義される特徴は、典型的には、1ミリメートル未満の長さ、幅、高さ、ピッチ、又は曲率半径のセットからの少なくとも1つの特徴を有する。エラストマーコーティングなしの剛性ツーリングは、典型的には、部品毎に0.1%未満だけ変動するマクロ特徴を有する熱可塑性部品を生成することができるが、典型的には、(10%を超える)大きな変動のない、ほとんどのタイプのマイクロ特徴を生成することができない。剛性本体なしのエラストマーツーリングは、典型的には、部品毎に1%未満だけ変動するマイクロ特徴を有する熱可塑性部品を生成することができるが、典型的には、少なくとも5%だけ変動するマクロ特徴を生成する。本明細書に記載のハイブリッドツーリングは、0.1%未満変動するマクロ特徴、及び1%未満だけ変動するマイクロ特徴を有する熱可塑性部品を生成することが、いくつかの態様で、実証されている。
【0091】
剛性ツール本体は、成形されるときに、熱可塑性構成要素内に再現可能なマクロスケール寸法を提供し得る。ソフトツールエンボス加工に関する1つの問題が、生成された構成要素が、大規模な構造偏差と、望ましくない変動なしに高信頼性で再現することが可能でないマクロスケール寸法を有し得ることである。例えば、いくつかの態様では、本明細書で提供される方法は、約5%、約1%、約0.1%、又は約0.1%未満の寸法公差で熱可塑性構成要素を生成することができる。
【0092】
上部及び底部ツールのキャビティ形成面は、ツールのキャビティ形成側の少なくとも一部をコーティングする薄いエラストマー層から形成される。キャビティ形成面は、熱可塑性構成要素内に精密なマイクロスケール特徴を形成するための特徴形成面を含むことができる。エラストマー層は、小さなマイクロスケール特徴の形成を、高アスペクト比を有する非常に小さな特徴サイズであっても、可能にし、かつマイクロスケール特徴が、成形後に金型からより容易に剥離されることを可能にする。
【0093】
本明細書に記載の熱可塑性成形ツール及びアセンブリは、熱可塑性樹脂から、及び場合によっては、ポリマー熱硬化物及び複合材料などの他の材料から様々な構成要素を作製するために使用され得る。方法は、熱エンボス加工、射出成形、圧縮成形、及びそれらの組み合わせ又は変形を含むことができる。
【0094】
いくつかの態様では、方法は、熱エンボス加工法を含む。エンボス加工プロセスは、本明細書に記載の熱可塑性成形ツール又はアセンブリと、ポリマー「ブランク」と、熱可塑性成形ツール又はアセンブリに熱及び/又は圧力を加える方法と、を必要とする。典型的には、ポリマーブランクが、まずエンボス加工ツールのキャビティ内に配置され、次いで、ツール及びブランクの温度が、ブランク材料のガラス転移温度を超えて上昇され、次いで、ポリマーが強制的に流されて、ツールによって画定されたキャビティの形態を取るように、圧力がブランクに印加される。次いで、ツール及びブランクが、ポリマーのガラス転移温度を下回って冷却され、その後、エンボス加工された熱可塑性構成要素が、キャビティから離型され得る。
【0095】
エンボス加工サイクル:
標準的なエンボス加工サイクルは、以下のように実施され得る。ブランクがツーリング内に配置された後、真空ポートを通じてキャビティの空気を排気しながら、金型が、初期「接触圧力」まで圧縮される。接触圧力が、ツールの内面と、ブランクとの間の十分な熱接触を確実にする。接触力を維持しながら、ツール温度が、所与のランプレートで、エンボス温度まで上昇される。ツール温度がエンボス温度で安定化したら、圧縮力が増加されて所望の「エンボス加工圧力」に達し、この圧力が「ソークタイム」の間保持される。ソークタイムは、ブランク材料が流れて、金型キャビティの全ての凹部を充填するのを可能にする十分な長さでなければならない。「エンボス加工圧力」を維持しながら、金型が、離型温度まで冷却され、その後、金型に印加されている圧力が解放される。
【0096】
金型の加熱及び冷却は、加熱/冷却されたプラテンと直接接触することによって実施され得る。加熱素子及び冷却素子がツーリング内に直接埋め込まれる場合がある。他の加熱方法としては、金型の誘導加熱及び放射加熱が挙げられるが、これらに限定されない。他の冷却方法としては、熱電冷却、並びに冷却流体又は冷却ガスによる伝導冷却又は対流冷却が挙げられる。圧縮力は、電動リニアステージ、空気圧若しくは油圧プレスを使用して、又は重りの重力下で印加され得る。
【0097】
ポリマーと、ツーリング表面上の凹部との間に閉じ込められた、ブランク加熱中に発生した任意の空気又は他の蒸気を排気するために、真空が、キャビティに印加され得る。キャビティからの酸素の排気は、エンボス加工プロセス中のポリマーの熱酸化を防止するのにも役立つ。キャビティはまた、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスを使用してパージされ得る。排気とパージとの組み合わせを使用して、キャビティ内の酸素、水分、及び他の汚染物を最小限に抑えることができる。
【0098】
いくつかの態様では、装置は、ツールが取り付けられるか、さもなければ配置され得る力制御電動圧縮ステージに取り付けられた上部及び底部熱制御プラテンを含む。上部及び底部プラテンは、埋め込み抵抗加熱カートリッジで積極的に加熱され、チラーからの冷水を流す埋め込み液体冷却回路で積極的に冷却される。上部ツール及び底部ツールは、底部プラテン上に自由に位置し得るか、又は上部プラテン及び下部プラテンにそれぞれ取り付けられ得る。
【0099】
部品の取り外し:
構成要素が冷却されると、ツール構成要素が分離され、エンボス加工部品が、ツールから離型され得る。空気又は別の好適なガスによるキャビティの通気を使用して、キャビティ内の真空を破壊し、ツールからエンボス加工構造物を排出するのを助けることができる。キャビティは、キャビティを排気するために使用される同じポート、又はキャビティ又は真空チャネルに接続する1つ又は複数のポートを通じて通気され得る。エンボス加工部品は、ツールの表面と真直角な方向に均一に引っ張ることによって取り外され得るか、又は部品の片側から持ち上げて、剥離動作で徐々に取り外され得る。エジェクタピンを金型に組み込むことによって、ツールからの部品の取り外しを助けることができる。エジェクションピンは、機械的に、電気的に、又は空気圧で作動され得る。エジェクションピンは、メインキャビティ内又は、代替的に、エジェクション後に取り除かれる領域にピンが接触するオーバーフローキャビティ内に位置し得る。エジェクションピンは、エラストマー層の下に隠され得、作動すると、ピンが、エラストマー層を変形させて突き出させ、成形された部分を突くことができる。この構成により、エジェクタピンと、周囲のツール材料との間の不連続性に関連付けられた可視の特徴が部品上に現れることなく、エジェクタピンを使用して、成形部品を突き出すことが可能になる。自動化装置を使用して、ブランク及びエンボス加工部品の配置及び取り外しを容易にして、スループットを高め、労力を削減することができる。
【0100】
ブランク基材「ブランク」
熱可塑性構成要素は、熱可塑性「ブランク」基材から作製され得る。いくつかの態様では、ブランク基材は、第1のキャビティ形成面、及び第2のキャビティ形成面によって形成されるキャビティの体積の約10%、約5%、約1%、又は約0.1%以内の体積を有するであろう。いくつかの態様では、ブランクの体積は、キャビティの体積よりもわずかに大きいであろう。このことは、最小限又は実質的にゼロのフラッシングで、より高品質の構成要素を生成するために使用され得る。例示的なブランクは、標準的な顕微鏡スライドの大きさとほぼ同じであり得る。しかしながら、ブランクは、他の用途では、ツーリングのキャビティ体積に対応する任意の体積又は寸法を有し得る。いくつかの態様では、ブランクは全く使用されず、熱可塑性物質は、熱可塑性粉砕若しくは粉末として導入され得るか、又はポート若しくはチャネルを通して、溶融状態若しくは部分的溶融状態でチャンバ内に流入され得る。
【0101】
好適な熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。理想的には、熱可塑性物質は、エンボス加工されるマイクロ特徴の完全な形成を可能にするのに十分なエンボス加工温度でのメルトフローインデックスを有するであろう。ブランクは、高温加硫(HTV)シリコーン、又はエポキシ樹脂などの熱硬化性ポリマーで作製され得る。ブランクはまた、多層ポリマーラミネートなどの複合材料、又はガラス繊維、シリカ、若しくは粘土などの無機添加剤で充填されたポリマーマトリックスであり得る。ブランク材料はまた、抗菌剤、光吸収剤、清澄剤、離型剤、スリップ剤、及び帯電防止剤などの射出成形樹脂に一般的に添加される添加剤を含み得る。
【0102】
熱可塑性物品を測定する方法
熱可塑性物品及びその部品における寸法、特徴、及び再現性を比較するための複数の方法が提供される。それらの方法は、本明細書においてより詳細に説明される。場合によっては、それらの方法は、対応する基準又は目標の物品若しくは部品との比較を含む。
【0103】
特徴位置精度を評価するために、部品上の選択されたマイクロ特徴の座標が測定されて、基準(マスター構造又は別の部品)に対する変位が計算された。分析は、同じマスター構造から作製されたソフトツール及びハイブリッドツールの両方について実施された。
【0104】
本明細書で使用される場合、熱可塑性部品と基準部品との間の差の尺度を指す「変位」という用語は、熱可塑性部品上の識別された点と、基準部品上の対応する点との間の距離(ユークリッドノルム)である。「変位」は、
【0105】
【数1】
【0106】
と表記される場合がある。点の各々は、例えば、部品上のマイクロ特徴の場所に対応し得る。
【0107】
本明細書で使用される場合、熱可塑性部品と基準部品との間の差の尺度を指す「平均変位」という用語は、部品上の複数の点(典型的には、16個)にわたって平均化された変位の平均値である。この平均変位は、各々が変位
【0108】
【数2】
【0109】
を有するn個の点についての式
【0110】
【数3】
【0111】
を介して計算することができる。
本明細書で使用される場合、熱可塑性部品と基準部品との間の差の尺度を指す「最大変位」という用語は、複数の点(典型的には、16個)にわたって測定される最大変位である。
【0112】
本明細書で使用される場合、熱可塑性部品と基準部品との間の差の尺度を指す「正規化変位」という用語は、基準部品上の点と、原点との間の距離で正規化された(それによって除算された)、熱可塑性部品上の識別された点と、基準部品上の対応する点との間の距離(ユークリッドノルム)である。この正規化された変位は、
【0113】
【数4】
【0114】
が基準部品上の点と、原点との間の距離である場合に、式
【0115】
【数5】
【0116】
を介して計算することができる。
本明細書で使用される場合、「平均正規化変位」という用語は、いくつかの点(典型的には、16個)にわたって平均化された正規化された変位を指す。
【0117】
エンボス加工からの熱可塑性収縮(約-0.5%)は、ツーリング変形によって引き起こされるものと同じ程度又は大きさの変位をもたらす可能性があるため、比較を複雑にする可能性がある。この収縮は、ほとんど等方的であり、スケーリング係数を使用して考慮することができる。材料に関連する等方性収縮を考慮するために、収縮の等方性成分が除去され、各等方性寄与の平均正規化変位が、マスターと比較された各方法からの部品について測定された。
【0118】
等方性効果が材料によって決定され、かつ方法と関連付けられていないことを検証するために、次に、各部にわたって固定した等方性収縮を適用し、異方性部分を分離することにより、等方性収縮を考慮した。異方性寄与の平均正規化変位は、各方法からの部品について、マスターと比較して再度測定された。
【0119】
物品の異方性の歪みを比較するために、完全に異方性のスケーリング(xスケーリング=A(1+ε)、yスケーリング=A(1-ε))が適用されて、部品をマスターと比較した。異方性パラメータεを使用してそれらの方法を比較した。
【0120】
最後に、同じ方法によって生成されたバッチ内の物品が、内部的に互いに比較されて、部品間の変動を確認した。
【0121】
本開示による特定の態様
上記の開示は、特許請求の範囲と混同されるべきではない以下の番号付けされた態様を読むと、より良く理解されるであろう。いくつかの例では、番号付けされた態様の1つ以上が、本開示から逸脱することなく、本明細書に記載される他の態様と組み合わされ得る。
【0122】
態様1.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有し、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0123】
態様2.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有し、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0124】
態様3.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有し、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴の間の最大変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0125】
態様4.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有し、各部品上の精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴の間の平均変位は、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約10μm以下である。
【0126】
態様5.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品は、以下のこと:(i)精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.1%、0.07%、0.06%、又は0.06%未満であること、(ii)精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約0.5%、0.2%、0.1%、又は0.1%未満であること、(iii)精密マイクロスケール特徴の間の最大変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、及び(iv)精密マイクロスケール特徴の間の平均変位が、複数の熱可塑性部品内の部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、のうちの2つ、3つ、又は4つを含む。
【0127】
態様6.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える。
【0128】
態様7.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える。
【0129】
態様8.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える。
【0130】
態様9.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える。
【0131】
態様10.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える。
【0132】
態様11.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、アスペクト比は、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である。
【0133】
態様12.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える。
【0134】
態様13.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える。
【0135】
態様14.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、抜き勾配は、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である。
【0136】
態様15.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える。
【0137】
態様16.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える。
【0138】
態様17.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える。
【0139】
態様18.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える。
【0140】
態様19.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、テクスチャ加工された垂直表面は、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える。
【0141】
態様20.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、テクスチャ加工された垂直表面は、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える。
【0142】
態様21.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、横寸法は、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である。
【0143】
態様22.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、複数の熱可塑性部品内の熱可塑性部品の各々は、第1の横寸法、及び第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法であって、第1の横寸法及び第2の横寸法が、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの寸法を有する、第1の横寸法及び第2の横寸法と、第1の横寸法及び第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、縦寸法が、約100μm又は500μm~約5000μm又は10000μmの寸法を有する、縦寸法と、を含む。
【0144】
態様23.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、複数の熱可塑性部品内の熱可塑性部品の各々は、熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、第1の高難度マイクロ特徴と、第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置調整は、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である。
【0145】
態様24.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、縦寸法の厚さ変動は、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である。
【0146】
態様25.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える。
【0147】
態様26.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、複数の熱可塑性部品内の熱可塑性部品の各々は、マクロスケール特徴を備え、マクロスケール特徴と、高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位は、複数の部品内の部品の各々の間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である。
【0148】
態様27.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、熱可塑性材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む。
【0149】
態様28.本明細書に記載のいずれかの態様による複数の熱可塑性部品又は他の製造物品であり、複数の部品の部品の各々は、少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える。
【0150】
態様29.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品は、精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有し、精密マイクロスケール特徴は、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、精密マイクロスケール特徴の間の非等方性変位に対する平均正規化寄与は、部品と、理想化されたマスター部品との間で測定されたときに、約0.1%以下である。
【0151】
態様30.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、非等方性変位に対する平均正規化寄与は、変位を測定する前に、マスターに対して等方性変形を減算することによって計算される。
【0152】
態様31.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、非等方性変位に対する平均正規化寄与は、非等方性変位を測定する前に、静的な等方性収縮量を減算することによって計算され、静的な等方性収縮量は、熱可塑性物質の組成に基づくパーセンテージである。
【0153】
態様32.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える。
【0154】
態様33.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える。
【0155】
態様34.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える。
【0156】
態様35.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える。
【0157】
態様36.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える。
【0158】
態様37.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、アスペクト比は、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である。
【0159】
態様38.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える。
【0160】
態様39.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える。
【0161】
態様40.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、抜き勾配は、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である。
【0162】
態様41.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える。
【0163】
態様42.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える。
【0164】
態様43.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える。
【0165】
態様44.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える。
【0166】
態様45.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、テクスチャ加工された垂直表面は、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える。
【0167】
態様46.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、テクスチャ加工された垂直表面は、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える。
【0168】
態様47.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、横寸法は、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である。
【0169】
態様48.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品は、第1の横寸法、及び第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法を含み、第1の横寸法及び第2の横寸法は、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの寸法を有し、第1及び第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、縦寸法が、約100μm又は500μm~最大約5000μm又は10000μmの寸法を有する、縦寸法と、を備える。
【0170】
態様49.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品は、熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、第1の高難度マイクロ特徴と第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置調整は、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である。
【0171】
態様50.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、縦寸法の厚さ変動は、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である。
【0172】
態様51.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、高難度マイクロ特徴は、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える。
【0173】
態様52.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品は、マクロスケール特徴を備え、マクロスケール特徴と、高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位は、部品とマスターとの間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である。
【0174】
態様53.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品であり、熱可塑性材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む。
【0175】
態様54.本明細書に記載のいずれかの態様による熱可塑性部品又は他の製造物品は、少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える。
【0176】
実施例:ハイブリッドツーリングを経て作製された熱可塑性部品と、従来のソフトツーリングで作製された熱可塑性部品との、位置精度の比較
方法
熱可塑性部品は、同じマイクロ加工されたシリコン挿入物から生成されたハイブリッドツーリング及びソフトツーリングの両方を使用して形成された。これらの部品は、多数の凹部のマイクロ特徴を有し、それらのマイクロ特徴は、8umと小さい横寸法、及び4:1と大きいアスペクト比を有するマイクロ流体チャネル及びマイクロウェルを含む。それらのマイクロ特徴のアスペクト比が高いため、これらの部品は、エラストマー金型、又はエラストマー表面を有する金型を使用してのみ形成及び離型させることができる。マイクロ特徴に加えて、それらの部品は、特定のマイクロ特徴に位置調整されるスルーホール、及びその部品の長方形の外周部を画定する平滑な垂直縁端部を含む。ハイブリッドツーリングによって作られる部品の場合、スルーホール、及び特徴を画定する縁端部は、金型の中に組み込まれる。ソフトツーリングによって作られる部品の場合、これらの特徴は、マイクロ構造がエンボス加工された後に、CNC機械加工によって画定される。それらの部品は、射出成形によって特徴のない長方形のブランク中に予め形成された、高溶融流れの環化オレフィンポリマーであるZeonex COP 1430Rで作製された。
【0177】
ハイブリッドツール及びエンボス加工パラメータ:
1つの上部及び1つの底部ツールからなる熱可塑性成形組立体は、PCT/US2019/063338に記載されているように組み立てられた。その上部ツール及び底部ツールは、アルミニウム剛性裏材、及びエラストマー層としてのRTVシリコーンで作製された。マイクロ特徴加工されたシリコン挿入物は、上部ツールのためのマスター構造を形成するために、アクリル製フレームに取り付けられた。光学的に平滑な表面を有する別のアクリル製マスターを使用して、25mmx75mmx1mmのキャビティを備える底部ツールを形成した。それらの部品は、金型のキャビティの体積と適合するように適切にサイズ設計されたCOP1430Rブランクで形成された。エンボス加工温度及び圧力は、それぞれ、215℃及び5kNであった。エンボス加工後の、それらの部品の後処理は、不要であった。
【0178】
従来のソフトツール及びエンボス加工パラメータ:
完全にエラストマーである上部ツール及び底部ツールからなるソフトツールは、Carvalhoによる米国特許出願公開第2004/0241049号に記載されている方法を使用して作製された。マイクロ特徴加工されたシリコン挿入物は、上部ツールのためのマスター構造を形成するために、アクリル製フレームに取り付けられた。光学的に平滑な表面を有する別のアクリル製マスターを使用して、特大の50mmx100mmx1mmのキャビティを有する底部ツールを形成した。ソフトツーリングは、厚さ変動が著しく、かつ画定された縁端部が不明瞭であるエンボス加工された部品を生成するため、そのエンボス加工された部品のサイズを大きくして、別個の処理工程でその部品の中央部分を切り出すことが必要である。上部及び底部のエラストマーツールは、それらのそれぞれのマスター構造と、平坦ガラス片との間にRTVシリコーンを鋳造することによって形成された。それらの部品は、金型のキャビティの体積と適合するように適切にサイズ設計されたCOP1430Rブランクで形成された。エンボス加工温度及び圧力は、それぞれ、225℃及び5kNであった。アルミニウムの詰め金を使用して、エラストマーツールを横方向に拘束し、エンボス加工中に経験される圧縮力の下での変形を最小限に抑えた。エンボス加工後、部品のスルーホール及び外周部は、CNCミル上で切り出された。
【0179】
特徴位置の特性付け
モータの付いたステージを備える光学顕微鏡(約1μmの再現性を有する)を使用して、グリッド状の16個のマイクロ特徴の座標を、それらが複製された部品及びシリコン挿入物の両方の上で測定した。試験部品座標の相対変位は、別の部品か又はシリコン挿入物のいずれかである基準構造の変位と比較された。いずれの場合も、剛性のある並進及び回転を基準座標に適用して、試験座標と基準座標との間の変位の合計を最小限に抑えた。
【0180】
結果
単純な変位(部品とマスターとの比較):
表1は、マスター構造と比較した熱可塑性部品についての平均変位及び最大変位、平均正規化変位、並びに最大正規化変位を列挙している(比較毎に16ポイント)。ハイブリッド部品の変位は、マスターに対して均一な収縮によって支配され、一方、ソフトツーリング部品は、より複雑な変形を提示している。「ハイブリッド1」、「ハイブリッド2」、及び「ハイブリッド3」という用語は、本明細書に提供されたハイブリッドツーリング技術を経て作製された部品を指す。「ソフト1」及び「ソフト2」という用語は、従来のソフトツーリングを経て作製された類似部品を指す。
【0181】
【表1】
【0182】
非等方性寄与を分離する(マスターに対する部品の比較)
等方性収縮は、スケーリング係数Aによるフィッティングを介して除去され、再度、変位分析を完了した。等方性スケーリングは、ハイブリッド座標をマスター座標上に正確にマッピングする。表2は、等方性収縮を考慮した後の、マスター構造と比較した熱可塑性部品についての平均変位及び最大変位、平均正規化変位、並びに最大正規化変位の結果を示している(比較毎に16ポイント)。
【0183】
【表2】
【0184】
0.52%の等方性収縮の考慮
材料選択が、固定された等方性収縮に与える寄与を実証するために、その分析は、比較の前に、一定の0.52%の等方性収縮を取り除くことによって進められた。表3は、一定の0.52%の等方性収縮を考慮した後の、マスター構造と比較した熱可塑性部品についての平均及び最大変位、平均正規化変位、並びに最大正規化変位の結果を示している(比較毎に16ポイント)。表からわかるように、それらの結果は、表2からの結果とほぼ同一である。
【0185】
【表3】
【0186】
部品間の比較
次に、部品間の変動性の尺度として同じ方法から調製された部品間の平均正規化変位を比較した。表4は、ハイブリッドツーリング又はソフトツーリングのいずれかを経て作製された部品間の平均及び最大変位(μm)、平均正規化変位(%)、並びに最大正規化変位(%)を示している。測定を示すための用語は、比較される方法(ハイブリッド又はソフト)及び部品番号であり、例えば、「ハイブリッド1-2」は、第1のハイブリッド部品と第2のハイブリッド部品との間の16ポイントにわたる比較である。
【0187】
【表4】
【0188】
本開示の上記の態様は、可能性のある実装の例に過ぎず、開示の原理の明確な理解のためにのみ記載されていることが、強調されるべきである。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、本開示の上記の実施形態に対して多くの変形及び修正がなされ得る。全てのそのような修正及び変形は、本明細書において、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項2】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項3】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の最大変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約10μm以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項4】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する複数の熱可塑性部品であって、
各部品上の前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の平均変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約10μm以下である、複数の熱可塑性部品。
【請求項5】
以下のこと:
(i)前記精密マイクロスケール特徴の平均正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約0.1%、0.07%、0.06%、又は0.06%未満であること、
(ii)前記精密マイクロスケール特徴の最大正規化変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約0.5%、0.2%、0.1%、又は0.1%未満であること、
(iii)前記精密マイクロスケール特徴間の最大変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、及び
(iv)前記精密マイクロスケール特徴間の平均変位が、前記複数の熱可塑性部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品間で測定されたときに、約100μm、50μm、10μm、又は10μm未満であること、のうちの2つ、3つ、又は4つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項6】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項11】
前記アスペクト比が、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である、請求項6~10のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項12】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項13】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項14】
前記抜き勾配が、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である、請求項12又は請求項13に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項16】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項17】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項18】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項19】
前記テクスチャ付き垂直表面が、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える、請求項17又は18に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項20】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項21】
前記横寸法が、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である、請求項6~17のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項22】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、
第1の横寸法、及び前記第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法であって、前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法が、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの大きさを有する、第1の横寸法及び第2の横寸法と、
前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、前記縦寸法が、約100μm又は500μm~約5000μm又は10000μmの大きさを有する、縦寸法と、を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項23】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、
前記熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、
前記第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、
前記第1の高難度マイクロ特徴と、前記第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置合わせが、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である、請求項1~22のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項24】
前記縦寸法の厚さ変動が、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である、請求項1~23のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項25】
前記高難度マイクロ特徴が、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える、請求項1~24のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項26】
前記複数の熱可塑性部品内の前記熱可塑性部品の各々が、マクロスケール特徴を備え、
前記マクロスケール特徴と、前記高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位が、前記複数の部品のうちの、同じ生産されたバッチ内の前記部品の各々の間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である、請求項1~25のいずれか一項に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項27】
前記熱可塑性材料が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む、請求項26に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項28】
前記複数の部品内の前記部品の各々が、少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える、請求項26に記載の複数の熱可塑性部品。
【請求項29】
精密マイクロスケール特徴及び再現可能なマクロスケール寸法を有する熱可塑性部品であって、
前記精密マイクロスケール特徴が、少なくとも1つの高難度マイクロ特徴を備え、
前記精密マイクロスケール特徴間の非等方性変位に対する平均正規化寄与が、前記熱可塑性部品と、理想化されたマスター部品との間で測定されたときに、約0.1%以下である、熱可塑性部品。
【請求項30】
前記非等方性変位に対する前記平均正規化寄与が、前記変位を測定する前に、前記理想化されたマスター部品に対して前記等方性変形を減算することによって計算される、請求項29に記載の熱可塑性部品。
【請求項31】
前記非等方性変位に対する前記平均正規化寄与が、前記非等方性変位を測定する前に、静的な等方性収縮量を減算することによって計算され、前記静的な等方性収縮量が、前記熱可塑性材料の組成に基づくパーセンテージである、請求項29に記載の熱可塑性部品。
【請求項32】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凹部を備える、請求項29~31のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項33】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有する凸部を備える、請求項29~32のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項34】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するポストを備える、請求項29~33のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項35】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するウェルを備える、請求項29~34のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項36】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴は、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも2:1のアスペクト比(高さ:幅)を有するチャネル又はリッジを備える、請求項29~35のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項37】
前記アスペクト比が、約2:1~約100:1、約2:1~約50:1、約2:1~約20:1、約5:1~約20:1、約5:1~約50:1、約10:1~約20:1、又は約10:1~約20:1超である、請求項29~36のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項38】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凹部を備える、請求項29~37のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項39】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び約2°以下の抜き勾配を有する垂直壁を有する凸部を備える、請求項29~38のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項40】
前記抜き勾配が、約1°、約0°、約-1°、又は約-1°未満である、請求項38又は請求項39に記載の熱可塑性部品。
【請求項41】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凹部を備える、請求項29~40のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項42】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのアンダーカットを有する凸部を備える、請求項29~41のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項43】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凹部を備える、請求項29~42のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項44】
前記少なくとも1つの高難度マイクロ特徴が、約250μm以下の少なくとも1つの横寸法、及び少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する凸部を備える、請求項29~43のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項45】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ねじ付きポスト、スカロップ壁、又は類似のテクスチャ加工された垂直壁を備える、請求項43又は請求項44に記載の熱可塑性部品。
【請求項46】
前記テクスチャ加工された垂直表面が、ミクロンスケールの溝、ミクロンスケールのくぼみ、ミクロンスケールのテクスチャ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたミクロンスケールのテクスチャを備える、請求項29~45のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項47】
前記横寸法が、約200μm、150μm、100μm、50μm、又は50μm未満である、請求項29~46のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項48】
第1の横寸法、及び前記第1の横寸法に対して垂直である第2の横寸法であって、前記第1の横寸法及び前記第2の横寸法が、約5mm又は20mm~約1000mm又は2000mmの大きさを有する、第1の横寸法及び第2の横寸法と、
前記第1及び第2の横寸法に対して垂直である縦寸法であって、前記縦寸法が、約100μm又は500μm、及び最大約5000μm、10000μm、又は50000μmの大きさを有する、縦寸法と、を備える、請求項29~47のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項49】
前記熱可塑性部品の第1の面上の第1の高難度マイクロ特徴と、
前記第1の面とは反対の第2の面上の第2の高難度マイクロ特徴と、を備え、
前記第1の高難度マイクロ特徴と、前記第2の高難度マイクロ特徴との間のx-y位置合わせが、約100μm、約80μm、約60μm、約40μm、又は約40μm未満である、請求項29~48のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項50】
前記縦寸法の厚さ変動が、約10μm/cm、約5μm/cm、又は約5μm/cm未満である、請求項29~49のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項51】
前記高難度マイクロ特徴が、ナノメートルスケールの平滑性を有する平滑な表面を備える、請求項29~50のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項52】
マクロスケール特徴を備え、
前記マクロスケール特徴と、前記高難度マイクロ特徴との間の平均正規化変位が、前記部品と前記マスターとの間で測定されたときに、約1%、約0.5%、約0.1%、又は約0.1%未満である、請求項29~51のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項53】
前記熱可塑性材料が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン若しくはポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)等)、スチレン系ブロック共重合体(例えば、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンイソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレンイソブチレンブロックスチレン(SIBS)等)又はそれらの共重合体、及び他のポリマーを有するそれらの共重合体を含む、請求項29~52のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【請求項54】
少なくとも1つのテクスチャ加工された垂直表面を有する少なくとも1つのマクロスケール特徴を備える、請求項29~53のいずれか一項に記載の熱可塑性部品。
【国際調査報告】