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特表2023-532648無脊椎有害生物を防除するためのクロメノン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】無脊椎有害生物を防除するためのクロメノン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/04 20060101AFI20230724BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230724BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20230724BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
C07D413/04 CSP
A01N43/80 101
A01P7/04
C07D413/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578969
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021038332
(87)【国際公開番号】W WO2021262621
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/042,812
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ウェンミン・チャン
【テーマコード(参考)】
4C063
4H011
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC79
4C063CC91
4C063DD12
4C063DD51
4C063DD79
4C063EE03
4H011AC01
4H011BA01
4H011BA06
4H011BB10
4H011BC03
4H011DA13
4H011DC05
4H011DE15
(57)【要約】
開示されているのは、全ての幾何異性体及び立体異性体を含めた式1の化合物、そのN-オキシド及び塩であり、
【化1】
式中、
Gは、
【化2】
であり、
、A、A、A、A、R、R、m、X、X、X及びJは、本開示において定義されている通りである。また開示されているのは、式1の化合物を含有する組成物、及び無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物とを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。開示されているのは、全ての幾何異性体及び立体異性体を含めた式1の化合物、そのN-オキシド及び塩であり、(I)式中、Gは、(G-1)又は(G-2)であり、A1、A2、A3、A、A5、R、R、m、X、X、X及びJは、本開示において定義されている通りである。また開示されているのは、式1の化合物を含有する組成物、及び無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物とを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1から選択される化合物、そのN-オキシド及び塩
【化1】
[式中、
Gは、
【化2】
であり、
、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、N又はCRであり、ただし、A、A、A、A及びAの1つ以下は、Nであり;
Xは、O、S又はCHであり;
及びXは、それぞれ独立に、N又はCRであり;
は、C~Cハロアルキルであり;
各Rは、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
各Rは、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
mは、0、1又は2であり;
Jは、C(=Z)NR又はCH(R)N(R13)C(=Z)R14であり;
各Zは、独立に、O又はSであり;
は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
は、H、OR10、NR1112、SONR1112、C(R12)=NOR11、CHR12NHR11若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
及びRは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、前記硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
は、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cシクロアルキルアミノ、C~Cアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cシクロアルキルアミノカルボニル、C~Cアルケニルアミノカルボニル、C~Cアルキニルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cハロアルキルアミノカルボニル、C~Cハロジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH、-CN、-CONH;-NO又はQであり;
は、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する、5員若しくは6員芳香族環又は4~11員部分不飽和環又は環系であり、ここで、2個までの炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、前記硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、各環又は環系は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
各Qは、独立に、フェニル環、5員若しくは6員芳香族複素環式環又は3~6員非芳香族複素環式環であり、各環は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、-CN又は-NOであり;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、-CN、-NO、フェニル又はピリジニルであり;
10は、H;又はそれぞれが1個若しくは複数のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
11は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
12は、H若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
11及びR12は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、前記硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
は、フェニル環又は5員若しくは6員複素環式環であり、各環は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
13は、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル又はC~Cアルコキシアルキルであり;
14は、ハロゲン、OR19、S(=O)20又はNR21C(=O)R22で任意選択で置換されているC~Cアルキルであるか;或いは
14は、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される4個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
14は、(CHであるか;或いは
14は、OR16又はNR17a17bであり;
は、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環であり、ここで、前記硫黄原子環員は、S、S(=O)又はS(=O)から選択され、各環は、R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されており;
16は、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
17aは、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
17bは、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
17a及びR17bは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、前記硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
各R18は、独立に、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
19は、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
20は、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
21は、H又はC~Cアルキルであり;
22は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
nは、独立に、0、1又は2であり;
pは、0又は1である]。
【請求項2】
、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Jが、C(=Z)NRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
が、H、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシであり;
11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
が、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
11が、Hであり;
12が、C~Cアルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、シクロプロピル、シクロプロピルメチル又は-CH(CH)C(=O)NHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Jが、CH(R)N(R13)C(=Z)R14である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
13が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
13が、Hであり;
14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルであるか;或いは
14が、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
14が、NR17a17bであり;
17aが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルであり;
17bが、Hである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
14が、メチル又はエチルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
群:
N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
(R)-N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
(S)-N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-シクロプロピル-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-[[5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド、
N-[[5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド、及び
N-[[5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1又は請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、並びに界面活性剤、固体賦形剤及び液体賦形剤から選択される少なくとも1種のさらなる構成要素を含む組成物であって、少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤を任意選択でさらに含む、組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレ-ト、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルオピラム、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、昆虫病原菌、昆虫病原性ウィルス及び昆虫病原性真菌から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種のさらなる生物学的活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレ-ト、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメエート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多角体病ウイルスの全ての菌株から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
殺寄生生物有効量の請求項1又は請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物及び少なくとも1種の担体を含む、無脊椎動物寄生性有害生物から生物を保護するための組成物。
【請求項16】
前記生物が、植物である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記生物が、動物である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
経口投与のための形態である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
液体肥料をさらに含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記液体肥料が、水性である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
請求項12~16のいずれか1項に記載の組成物を含む、土壌灌液配合物。
【請求項22】
請求項12~17のいずれか1項に記載の組成物及び噴射剤を含む、噴霧組成物。
【請求項23】
請求項12~15のいずれか1項に記載の組成物、1種若しくは複数の食材、任意選択で誘引物質、及び任意選択で保湿剤を含む、誘引組成物。
【請求項24】
無脊椎有害生物を防除するためのトラップ装置であって、請求項23に記載の誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適合されたハウジングを含み、ここで、前記ハウジングは、前記無脊椎有害生物が前記ハウジングの外側の場所から前記誘引組成物にアクセスすることができるように、前記無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能するような大きさの少なくとも1つの開口部を有し、前記ハウジングは、前記無脊椎有害生物についての潜在的又は既知の活動の場所中若しくは近くに置かれるようにさらに適合されている、トラップ装置。
【請求項25】
微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、及び充填剤入りフィルムから選択される固体組成物である、請求項12~15のいずれか1項に記載の組成物を含む、組成物。
【請求項26】
水分散性又は水溶性である、請求項12~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
点滴潅漑システム、植え付け中の間の畝間、手持ち型の噴霧器、背負い型の噴霧器、ブーム噴霧器、地上噴霧器、空中散布、無人空中輸送手段、又は種子処理において使用するための、請求項12~15のいずれか1項に記載の組成物を含む、液体又は乾燥配合物。
【請求項28】
超低容量で噴霧される、請求項27に記載の液体又は乾燥配合物。
【請求項29】
無脊椎有害生物を防除するための方法であって、前記無脊椎有害生物又はその環境と、生物学的有効量の請求項1又は請求項1~28のいずれか1項に記載の化合物とを接触させることを含む、方法。
【請求項30】
前記環境が、土壌である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記環境が、植物である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記環境が、動物である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記環境が、種子である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記種子が、塗膜形成剤又は接着剤を含む組成物として配合された請求項1に記載の化合物でコーティングされる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
処理された種子であって、処理前の前記種子の約0.0001~1重量%の量で請求項1に記載の化合物を含む、種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、農業的及び非農業的な用途に好適な、ある種のクロメノン化合物、それらのN-オキシド、塩、及び組成物、並びに、無脊椎有害生物、例えば農業的及び非農業的両方の環境に存在する節足動物を防除するためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無脊椎有害生物の駆除は、高い作物効率を達成するのに極めて重要である。成長中の及び貯蔵される農作物への無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい低下を引き起こし、それによって消費者へのコストの増加をもたらし得る。林業、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵食品及び繊維製品、家畜、家族、芝生、木材製品、並びに公衆衛生及び動物の健康における無脊椎有害生物の駆除もまた重要である。多くの製品が、これらの目的のために商業的に入手可能であるが、より効果的であり、費用がかからず、毒性が少なく、環境上より安全であるか、又は異なる作用部位を有する新規化合物が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、式1の化合物(全ての幾何異性体及び立体異性体を含めた)、そのN-オキシド、及び塩、並びにそれらを含有する組成物、並びに無脊椎有害生物を防除するためのそれらの使用を対象とし、
【化1】
式中、
Gは、
【化2】
であり、
、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、N又はCRであり、ただし、A、A、A、A及びAの1つ以下は、Nであり;
Xは、O、S又はCHであり;
及びXは、それぞれ独立に、N又はCRであり;
は、C~Cハロアルキルであり;
各Rは、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
各Rは、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルであり;
mは、0、1又は2であり;
Jは、C(=Z)NR又はCH(R)N(R13)C(=Z)R14であり;
各Zは、独立に、O又はSであり;
は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
は、H、OR10、NR1112、SONR1112、C(R12)=NOR11、CHR12NHR11若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
及びRは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される2個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
は、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cシクロアルキルアミノ、C~Cアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cシクロアルキルアミノカルボニル、C~Cアルケニルアミノカルボニル、C~Cアルキニルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cハロアルキルアミノカルボニル、C~Cハロジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH、-CN、-CONH;-NO又はQであり;
は、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する、5員若しくは6員芳香族環又は4~11員部分不飽和環又は環系であり、ここで、2個までの炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、各環又は環系は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
各Qは、独立に、フェニル環、5員若しくは6員芳香族複素環式環又は3~6員非芳香族複素環式環であり、各環は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、-CONH、-CN又は-NOであり;
各Rは、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、-CN、-NO、フェニル又はピリジニルであり;
10は、H;又はそれぞれが1個若しくは複数のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
11は、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
12は、H若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
11及びR12は、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
は、フェニル環又は5員若しくは6員複素環式環であり、各環は、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されており;
13は、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル又はC~Cアルコキシアルキルであり;
14は、ハロゲン、OR19、S(=O)20又はNR21C(=O)R22で任意選択で置換されているC~Cアルキルであるか;或いは
14は、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される4個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
14は、(CHであるか;或いは
14は、OR16又はNR17a17bであり;
は、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環であり、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)又はS(=O)から選択され、各環は、R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されており;
16は、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
17aは、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
17bは、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
17a及びR17bは、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員は、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
各R18は、独立に、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
19は、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
20は、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
21は、H又はC~Cアルキルであり;
22は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルであり;
nは、独立に、0、1又は2であり;
pは、0又は1である。
【0004】
本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、組成物も提供する。一つの実施形態においては、本開示はさらに、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに、界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物も提供するが、前記組成物には、任意選択で、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤がさらに含まれる。
【0005】
本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物と接触させるような方法にも関するが、前記組成物には、任意選択で、生物学的有効量の、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤をさらに含む。
【0006】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、植物である。
【0007】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、動物である。
【0008】
本開示はまた、無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の前述の組成物のいずれかとを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法を提供し、ここで、環境は、種子である。
【0009】
本開示はまた、種子と生物学的有効量の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書に記載されている組成物として)とを接触させることを含む、種子を無脊椎有害生物から保護するための方法を提供する。本開示はまた、処理された種子(すなわち、式1の化合物と接触した種子)に関する。
【0010】
本開示はまた、作物植物、そこから作物植物が成長する種子又は作物植物の生息地(例えば、成長培地)と生物学的有効量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載されている組成物として)とを接触させることを含む、作物植物の勢いを増加させるための方法を提供する。
【0011】
本開示はさらに、動物に対して、駆虫的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩を(例えば、本明細書記載の組成物として)投与することを含む、無脊椎の寄生有害生物から動物を保護するための方法も提供する。本開示はさらに、無脊椎有害生物からの動物の保護における、式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物としての)の使用も提供する。
【0012】
本開示はまた、式2の化合物(全ての立体異性体を含めた)、そのN-オキシド、及び塩に関し、
【化3】
式中、
、A、A、A、A、R、R、m、X、X及びXは、式1について上記に定義されている通りである。
【0013】
本開示はさらに、式20の化合物(全ての立体異性体を含めた)、そのN-オキシド、及び塩に関し、
【化4】
式中、
、A、A、A、A、R、R、m、X、X及びXは、式1について上記に定義されている通りである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はそれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、又は方法は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、又はそのような組成物、混合物、プロセス、又は方法に固有の他の要素を含んでもよい。
【0015】
移行句「からなる(consisting of)」は、明記されないいかなる要素、工程、又は原料をも排除する。特許請求の範囲における場合、そのようなものは、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含をクレームから締め出す。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、クレームの本体の条項に現れる場合、それは、当該条項に記述される要素のみを限定し;他の要素は、全体としてクレームから排除されない。
【0016】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物、又は方法を定義するために用いられ、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、特許請求される開示の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との中間領域を占める。
【0017】
出願人らが、実施形態又はその一部を、「含む(comprising)」などの開放端用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような実施形態をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0018】
さらに、明確にそれとは反対を述べられない限り、「又は(or)」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方ともが真である(又は存在する)。
【0019】
また、本開示の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。それ故「a」又は「an」は、1つ若しくは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、特に数が明らかに単数形であることを意図しない限り複数形を含む。
【0020】
本開示に言及されるように、用語「無脊椎有害生物」には、有害生物として経済的に重要な節足動物、腹足類、線形動物及び蠕虫が含まれる。用語「節足動物」には、昆虫、ダニ(mite)、クモ、サソリ、ムカデ類、ヤスデ、ダンゴムシ及びコムカデが含まれる。用語「腹足類」には、カタツムリ、ナメクジ及び他の柄眼目が含まれる。用語「線形動物」には、植食性線形動物及び動物に寄生する蠕虫線形動物などの、線形動物門のメンバーが含まれる。用語「蠕虫」には、回虫(線形動物門)、犬糸状虫(線形動物門、双腺綱)、吸虫(扇形動物門、吸虫綱)、こう頭虫(こう頭虫門)、及び条虫(扇形動物門、条虫綱)などの、寄生蠕虫のすべてが含まれる。
【0021】
本開示との関連で、「無脊椎有害生物駆除」は、無脊椎有害生物成長の阻害(死亡、摂食低下、及び/又は交尾途絶を含む)を意味し、関連表現は、類似して定義される。
【0022】
用語「農学的」は、食品及び繊維のためなどの農作物の生産を言い、トウモロコシ又はコーン、大豆及び他のマメ科植物、米、穀物(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及び米)、葉物野菜(例えば、レタス、キャベツ、及び他のアブラナ科作物)、結果野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花植物及びウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、ナシ状果、核果及び柑橘類)、小果(例えば、ベリー及びサクランボ)並びに他のスペシャルティ作物(例えば、キャノーラ、ヒマワリ及びオリーブ)の成長を含む。
【0023】
用語「非農学的」は、例えば園芸作物(例えば、田畑で成長させられない温室植物、苗床植物又は観賞植物)以外の農作物、居住の、農業の、商業の及び工業構造物、芝生(例えば、芝農場、牧場、ゴルフコース、芝土、スポーツフィールドなど)、木製品、貯蔵製品、農森林管理及び植物管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)及び動物の健康(例えば、家畜化された動物、例えばペット、家畜及び家禽など、家畜化されていない動物、例えば野生生物など)用途を言う。
【0024】
用語「作物成長力」は、作物の成長又はバイオマス蓄積の速度を言う。「成長力の増加」は、未処理対照作物に対して作物の成長又はバイオマス蓄積の増加を言う。用語「作物収量」は、作物の収穫後に得られた、量及び品質の両方の観点からの、作物材料リターンを言う。「作物収量の増加」は、未処理対照作物に対して作物収量の増加を言う。
【0025】
「生物学的有効量(biologically effective amount)」という用語は、無脊椎有害生物の害から植物を保護したり、或いは所望の効果(例えば、植物の活力の増大)を得たりするために、防除対象の無脊椎有害生物若しくはその環境に対して、又は植物、それから植物が生育する種子、若しくはその植物の領域(例えば、生育環境)に対して適用(すなわち、接触)させて、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な、生物活性化合物(例えば、式1の化合物)の量を指している。
【0026】
非農学的適用は、典型的には獣医学における使用のために配合された組成物の形態の殺寄生生物有効(すなわち、生物学的有効)量の本開示の化合物を保護される動物に投与することによって、無脊椎動物寄生性有害生物から動物を保護することを含む。本開示及び特許請求の範囲において言及するように、用語「殺寄生生物性」及び「殺寄生生物的に」は、有害生物からの動物の保護を実現する無脊椎寄生性有害生物に対する観察可能な効果を指す。殺寄生生物性効果は典型的には、標的無脊椎動物寄生性有害生物の出現又は活性を減少させることに関連する。有害生物に対するこのような効果は、壊死、死亡、成長の遅延、移動性の減少、又は宿主動物上若しくは中に留まる能力の減少、摂食の低減、及び繁殖の阻害を含む。無脊椎寄生性有害生物に対するこれらの効果は、動物の寄生又は感染の制御(予防、低減又は除去を含めた)を実現する。
【0027】
構造フラグメントにおける波線は、分子の残部へのフラグメントの付着点を示す。例えば、式1における可変部分GがG-1として定義されるとき、クロメノンG-1のアスタリスク(*)で同定される位置における結合を二分する波線は、クロメノンG-1が、下記で示すように前記位置において式1の構造の残部に付着していることを意味する。
【化5】
【0028】
上の説明における、単独、又は「アルキルチオ」又は「ハロアルキル」のような化合物用語で使用される、「アルキル」という用語には、直鎖状又は分岐状のアルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は各種のブチル、ペンチル若しくはヘキシル異性体が含まれる。「アルケニル」には、直鎖状又は分岐状のアルケン、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、並びに各種のブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル異性体が含まれる。「アルケニル」にはさらに、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルのような、ポリエンも含まれる。「アルキニル」には、直鎖状又は分岐状のアルキン例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、並びに各種のブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体が含まれる。「アルキニル」にはさらに、複数の三重結合、例えば2,5-ヘキサジイニル(2,5-hexadiynyl)からなる残基を含むことも可能である。「アルキレン」は、直鎖状又は分岐状のアルカンジイルを表す。「アルキレン」の例としては、CH、CHCH、CH(CH)、CHCHCH、CHCH(CH)、及び各種のブチレン異性体が挙げられる。「アルケニレン」は、1個のオレフィン結合を含む、直鎖状又は分岐状のアルケンジイルを表す。「アルケニレン」の例としては、CH=CH、CHCH=CH、CH=C(CH)、及び各種のブテニレン異性体が挙げられる。「アルキニレン」は、1個の三重結合を含む、直鎖状又は分岐状のアルキンジイルを表す。「アルキニレン」の例としては、C≡C、CHC≡C、C≡CCH、及び各種のブチニレン異性体が挙げられる。
【0029】
「アルキルアミノ」は、直鎖状若しくは分岐状アルキルで置換されているNH基を含む。「アルキルアミノ」の例には、CHCHNH、CHCHCHNH及び(CHCHNHが含まれる。「ジアルキルアミノ」の例には、(CHN、(CHCHN及びCHCH(CH)Nが含まれる。「アルケニルアミン」は、直鎖状若しくは分岐状アルケンで置換されているNH基を含む。「アルケニルアミン」の例には、CH=CHNH、CHCH=C(CH)CHNH、(CHCHCH=CHNH並びに異なるブテニルアミン、ペンテニルアミン及びヘキセニルアミン異性体が含まれる。「アルキニルアミン」は、直鎖状若しくは分岐状アルキンで置換されているNH基を含む。「アルキニルアミン」の例には、HC≡CNH、CHC≡CCHNH、(CHCHC≡CNH並びに異なるブチニルアミン、ペンチニルアミン及びヘキシニルアミン異性体が含まれる。
【0030】
「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ並びに各種のブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例には、CHOCH、CHOCHCH、CHCHOCH、CHCHCHOCH及びCHCHOCHCHが含まれる。
【0031】
「アルキルチオ」には、分岐鎖若しくは直鎖アルキルチオ部分、例えば、メチルチオ、エチルチオ、並びに各種のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオ異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」は、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーを含む。「アルキルスルフィニル」の例には、CHS(O)-、CHCHS(O)-、CHCHCHS(O)-、(CHCHS(O)-並びに各種のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニル異性体が含まれる。「アルキルスルホニル」の例には、CHS(O)-、CHCHS(O)-、CHCHCHS(O)-、(CHCHS(O)-、並びに各種のブチルスルホニル、ペンチルスルホニル及びヘキシルスルホニル異性体が含まれる。「アルキルチオアルキル」は、アルキル上のアルキルチオ置換を示す。「アルキルチオアルキル」の例には、CHSCH、CHSCHCH、CHCHSCH、CHCHCHCHSCH及びCHCHSCHCHが含まれる。
【0032】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合している直鎖状若しくは分岐状アルキル部分を示す。「アルキルカルボニル」の例には、CHC(=O)-、CHCHCHC(=O)-及び(CHCHC(=O)-が含まれる。「アルコキシカルボニル」の例には、CHOC(=O)-、CHCHOC(=O)-、CHCHCHOC(=O)-、(CHCHOC(=O)-並びに異なるブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル及びヘキソキシカルボニル異性体が含まれる。
【0033】
用語「アルキルアミノカルボニル」は、C(=O)基に付着しており、且つC(=O)基を介して連結している直鎖状若しくは分岐状アルキルアミノを示す。「アルキルアミノカルボニル」の例には、CHNHC(=O)、CHCHNHC(=O)、CHCHCHNHC(=O)及び(CHCHNHC(=O)が含まれる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例には、(CHNC(=O)、(CHCHNC(=O)、CHCH(CH)NC(=O)及び(CHCH(CH)NC(=O)が含まれる。用語「アルケニルアミノカルボニル」は、C(=O)基に付着しており、且つC(=O)基を介して連結している直鎖状若しくは分岐状アルケニルアミノを示す。「アルケニルアミノカルボニル」の例には、CH=CHNHC(=O)、CHCH=C(CH)CHNHC(=O)及び(CHCHCH=CHNHC(=O)が含まれる。用語「アルキニルアミノカルボニル」は、C(=O)基に付着しており、且つC(=O)基を介して連結している直鎖状若しくは分岐状アルキニルアミノを示す。「アルキニルアミノカルボニル」の例には、HC≡CNHC(=O)、CHCH≡CCHNHC(=O)及び(CHCHC≡CNHC(=O)が含まれる。
【0034】
「シクロアルキル」には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。用語「アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル部分上のアルキル置換を示し、例えば、エチルシクロプロピル、i-プロピルシクロブチル、3-メチルシクロペンチル及び4-メチルシクロヘキシルを含む。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例には、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル及び直鎖状若しくは分岐状アルキル基に結合している他のシクロアルキル部分が含まれる。用語「シクロアルコキシ」は、酸素原子を介して連結しているシクロアルキル、例えば、シクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシを示す。「シクロアルキルアミノ」は、シクロアルキルで置換されているNH基を示す。「シクロアルキルアミノ」の例には、シクロプロピルアミノ及びシクロヘキシルアミノが含まれる。「シクロアルキルアミノカルボニル」は、C(=O)基に結合しているシクロアルキルアミノ、例えば、シクロペンチルアミノカルボニル及びシクロヘキシルアミノカルボニルを示す。
【0035】
「ハロゲン」という用語には、単独又は「ハロアルキル」のような化合物用語の中で、或いは「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」のような記述で使用されたとき、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が含まれる。さらに、「ハロアルキル」のような化合物用語の中で使用されたとき、前記アルキルは、部分的又は完全にハロゲン原子(それらは、同一であっても、異なっていてもよい)で置換されていてもよい。「ハロアルキル」又は「ハロゲンを用いて置換されたアルキル」の例としては、FC-、ClCH-、CFCH-、及びCFCCl-が挙げられる。「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルカルボニル」、「ハロアルコキシカルボニル」、「ハロアルキルアミノカルボニル」、「ハロジアルキルアミノカルボニル」などの用語は、「ハロアルキル」の用語と同様にして定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO-、CClCHO-、HCFCHCHO-、及びCFCHO-が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例には、CClS-、CFS-、CClCHS-及びClCHCHCHS-が含まれる。「ハロアルキルスルフィニル」の例には、CFS(O)-、CClS(O)-、CFCHS(O)-及びCFCFS(O)-が含まれる。「ハロアルキルスルホニル」の例には、CFS(O)-、CClS(O)-、CFCHS(O)-及びCFCFS(O)-が含まれる。
【0036】
化学的略語S(O)及びS(=O)は、本明細書において使用するように、スルフィニル部分を表す。化学的略語SO、S(O)及びS(=O)は、本明細書において使用するように、スルホニル部分を表す。化学的略語C(O)及びC(=O)は、本明細書において使用するように、カルボニル部分を表す。化学的略語C(S)及びC(=S)は、本明細書において使用するように、チオカルボニル部分を表す。化学的略語CO、C(O)O及びC(=O)Oは、本明細書において使用するように、オキシカルボニル部分を表す。「CHO」は、ホルミルを意味する。
【0037】
「オキシラニルアルキル」は、直鎖状若しくは分岐状アルキル基上のオキシラン置換を表す。「オキシラニルアルキル」の例には、これらに限定されないが、
【化6】
が含まれる。
【0038】
「オキセタニルアルキル」は、直鎖状若しくは分岐状アルキル基上のオキセタン置換を表す。「オキセタニルアルキル」の例には、これらに限定されないが、
【化7】
が含まれる。
【0039】
「チエタニルアルキル」は、直鎖状若しくは分岐状アルキル基上のチエタン置換を示す。「チエタニルアルキル」の例には、これらに限定されないが、
【化8】
が含まれる。
【0040】
置換基の中の炭素原子の合計数は、「C~C」の接頭表記によって示されるが、ここでi及びjは、1~9の数である。例えば、C~Cアルキルスルホニルは、メチルスルホニルからブチルスルホニルまでを表し;Cアルコキシアルキルは、CHOCH-を表し;Cアルコキシアルキルは、例えば、CHCH(OCH)-、CHOCHCH-、又はCHCHOCH-を表し;そしてCアルコキシアルキルは、全部で4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されたアルキル基の各種の異性体を表し、例としては、CHCHCHOCH-、及びCHCHOCHCH-が挙げられる。
【0041】
化合物が置換基の数が1を超え得ることを示す下付き文字を有する前記置換基で置換されているとき、前記置換基(これらが1を超えるとき)は、確定した置換基の群、例えば、(R(式中、mは、0、1又は2である)から独立に選択される。ある基が水素であることが可能な置換基、例えば、R又はR12を含有していて、次いで、この置換基が水素であるとした場合には、これは、前記基が非置換であると同等であることが認識される。可変基がある位置、例えば、(R(式中、mは、0であり得る)に任意選択で付着していることが示されるとき、水素は、たとえ可変基の定義において説明されていなくても、その位置にあり得る。ある基上の1つ若しくは複数の位置が「置換されていない」又は「非置換」であると言われるとき、水素原子が付着して、自由原子価を占有する。
【0042】
他に示さない限り、「環」又は「環系」は、式1の構成要素(例えば、置換基Q)として、炭素環式又は複素環式である。用語「環系」は、2個若しくはそれより多い縮合環を示す。用語「二環式環系」及び「縮合二環式環系」は、「オルト縮合」、「架橋二環式」又は「スピロ二環式」でよい2個の縮合環からなる環系を示す。「オルト縮合二環式環系」は、2個の構成環が共通した2個の隣接する原子を有する環系を示す。「架橋二環式環系」は、1個若しくは複数の原子のセグメントを環の隣接していない環員へと結合させることによって形成される。「スピロ二環式環系」は、2個若しくはそれより多い原子のセグメントを環の同じ環員へと結合させることによって形成される。用語「縮合複素二環式環系」は、少なくとも1個の環原子が炭素ではない縮合二環式環系を示す。用語「環員」は、環又は環系の骨格を形成する原子又は他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)、S(O)又はS(O))を指す。
【0043】
用語「炭素環式環」、「炭素環」又は「炭素環式環系」は、環骨格を形成する原子が炭素のみから選択される環又は環系を示す。用語「複素環式環」、「複素環」又は「複素環式環系」は、環骨格を形成する少なくとも1個の原子が炭素ではなく、例えば、窒素、酸素又は硫黄である環又は環系を示す。典型的には、複素環式環には、4個以下の窒素、2個以下の酸素、及び2個以下の硫黄しか含まない。特に断らない限り、炭素環式環又は複素環式環は、飽和環であっても、或いは不飽和環であってもよい。「飽和している(saturated)」は、単結合によって相互に結合されている原子からなる主鎖を有する環を指すが、特に断らない限り、原子の残りの原子価は、水素原子によって占められている。特に断らない限り、「不飽和な環」は、部分的又は全面的に不飽和であってよい。「完全に不飽和な環」という表現は、その環の中の原子の間の結合が、原子価結合理論に従った単結合又は二重結合であり、そしてさらに、その環の中の原子の間の結合に、累積的な二重結合は除いて(すなわち、C=C=CやC=C=Nは除いて)、可能な限り多くの二重結合が含まれているような、原子の環を意味している。「部分的に不飽和な環」という用語は、二重結合を介して隣接する環メンバーに結合されている少なくとも一つの環メンバーを含み、そして概念的、潜在的に、存在している(すなわち、その部分的に不飽和な形態にある)二重結合の数よりも大きい、隣接する環メンバーとの間の非累積的な(すなわち、その完全に不飽和なカウンターパートの形態にある)二重結合の数を収容している環を表している。
【0044】
特に断らない限り、複素環式の環及び環系は、各種利用可能な炭素又は窒素を介し、前記炭素又は窒素の上の水素と置き換えることによって結合させることが可能である。
【0045】
「芳香族」は、環の原子のそれぞれが、本質的に同じ平面上にあり、そしてその環平面に垂直なp-軌道を有し、そしてそこで(4n+2)個のπ電子(ここで、nは、正の整数である)が、その環と関わって、ヒュッケル則を満たしているということを示している。用語「芳香族環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である炭素環式環又は複素環式環系を示す。完全不飽和炭素環式環がヒュッケル則を満たすとき、前記環はまた、「芳香族環」又は「芳香族炭素環式環」と称される。
【0046】
用語「芳香族炭素環式環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である炭素環式環系を示す。完全不飽和複素環式環がヒュッケル則を満たすとき、前記環はまた、「ヘテロ芳香族環」又は「芳香族複素環式環」と称される。用語「芳香族複素環式環系」は、環系の少なくとも1個の環が芳香族である複素環式環系を示す。用語「非芳香族環系」は、完全飽和、及び部分又は完全不飽和であり得る炭素環式環又は複素環式環系を示すが、ただし、環系における環のいずれも芳香族でない。用語「非芳香族炭素環式環系」は、環系における環が芳香族ではない炭素環式環を示す。用語「非芳香族複素環式環系」は、環系における環が芳香族でない複素環式環系を示す。
【0047】
複素環式環に関連して、「任意選択で置換された」という用語は、非置換であるか、又は非置換の類似体によって保持されている生物学的活性を消失させることがない、少なくとも1種の非水素置換基を有している基であることを示している。本明細書で使用するとき、特に断らない限り、以下の定義が適用されるものとする。「任意選択で置換された」という用語は、「置換若しくは非置換の」という文言、又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。特に断らない限り、任意選択で置換された基では、その基のそれぞれの交換可能な位置に置換基を有していてよく、そしてそれぞれの置換は互いに独立している。
【0048】
置換基、例えば、Q又はQが、5員若しくは6員窒素含有複素環式環であるとき、これは、他に記載しない限り、任意の利用可能な炭素又は窒素環原子を介して式1の残部へと付着し得る。上で述べたように、Q又はQは、(とりわけ)概要において定義したような置換基の群から選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されているフェニルでよい。1~5個の置換基で任意選択で置換されているフェニルの一例は、例示1においてU-1として例示される環であり、式中、Rは、Q及びQについて概要において定義したようなRであり、rは、0~5の整数である。
【0049】
上で述べたように、Q又はQは、(とりわけ)飽和又は不飽和であり得、概要において定義したような置換基の群から選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、5員若しくは6員複素環式環でよい。1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている5員若しくは6員不飽和芳香族複素環式環の例は、例示1において例示する環U-2~U-61を含み、式中、Rは、Q及びQについて概要において定義したような任意の置換基(すなわち、R)であり、rは、各U基上の利用可能な位置の数によって限定される0~4の整数である。U-29、U-30、U-36、U-37、U-38、U-39、U-40、U-41、U-42及びU-43は1つのみ利用可能な位置を有するため、これらのU基について、rは、整数0又は1に限定され、rが0であることは、U基が非置換であり、且つ水素が(Rによって示される位置に存在することを意味する。
【化9】
【化10】
【化11】
【0050】
がQの概要において定義したような置換基の群から選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている3員若しくは6員の飽和若しくは不飽和の非芳香族複素環式環であるとき、複素環の1個若しくは2個の炭素環員は、任意選択でカルボニル部分の酸化された形態でよいことに留意されたい。
【0051】
5員若しくは6員の飽和若しくは非芳香族不飽和複素環式環の例は、例示2において例示したような環T-1~T-35を含む。T基上の付着点が浮動しているとして例示されるとき、T基は、水素原子の置き換えによってT基の任意の利用可能な炭素又は窒素を介して式1の残部へと付着することができることに留意されたい。Rに対応する任意選択の置換基は、水素原子を置き換えることによって任意の利用可能な炭素又は窒素に付着することができる。これらのT環について、rは典型的には、0~4の整数であり、各T基上の利用可能な位置の数によって限定される。
【0052】
、Q又はQがT-28~T-35から選択される環を含むとき、Tは、O、S又はNから選択されることに留意されたい。TがNであるとき、窒素原子は、H又はQ、Q又はQ(すなわちR又はR)の概要において定義したようなRに対応する置換基による置換によってその原子価を満たすことができることに留意されたい。
【化12】
【0053】
上で述べたように、Qは、(とりわけ)概要において定義したような置換基(すなわち、R)の群から選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている8員、9員若しくは10員オルト縮合二環式環系でよい。1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている8員、9員若しくは10員オルト縮合二環式環系の例は、例示3において例示されている環U-81~U-123を含み、式中、Rは、Qについて概要において定義したような任意の置換基(すなわち、R)であり、rは、典型的には0~4の整数である。
【化13】
【化14】
【0054】
基は構造U-1~U-123において示すが、これらは任意選択の置換基であるため、存在する必要がないことに留意されたい。Rが原子に付着した際Hであるとき、これは、前記原子が非置換であるのと同じであることに留意されたい。それらの原子価を満たすように置換を必要とする窒素原子は、H又はRで置換されている。(R及びU基の間の付着点が浮動しているとして例示されるとき、(Rは、U基の任意の利用可能な炭素原子又は窒素原子へと付着することができることに留意されたい。U基上の付着点が浮動しているとして例示されるとき、U基は、水素原子の置き換えによってU基の任意の利用可能な炭素又は窒素を介して式1の残部に付着することができることに留意されたい。いくつかのU基は、4個未満のR基でのみ置換することができることに留意されたい(例えば、U-2~U-5、U-7~U-48、及びU-52~U-61)。
【0055】
当技術に関しては、芳香族及び非芳香族複素環式環及び環構造の調製を可能とする広く各種の合成方法が公知である。詳しい総説については、以下の文献を参照されたい:Comprehensive Heterocyclic Chemistry(A.R.Katritzky and C.W.Ree,editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1984)の8巻セット、並びに、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II(A.R.Katritzky,C.W.Rees,and E.F.V.Scriven,editors-in-chief,Pergamon Press,Oxford,1996)の12巻セット。
【0056】
本開示の化合物では、1種又は複数の立体異性体が存在可能である。立体異性体とは、同一の構成を有しているが、それらの原子の空間配置が異なっている異性体であって、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-trans-異性体(幾何異性体とも呼ばれる)、及びアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、単結合の回りでの束縛回転から生じるものであって、その回転の障壁が高いために、それらの異性体種を単離することが可能である。当業者のよく理解するところであろうが、一つの立体異性体が、他の立体異性体よりも高濃度にするか、又は他の立体異性体から分離するときに、反応性がより高くてもよいし、及び/又は有利な効果を示してもよい。それに加えて、当業者であれば、前記立体異性体の分離法、富化法、及び/又は選択的な調製法を知っている。立体異性のすべての態様についての包括的な議論については、次の文献を参照されたい:Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994。
【0057】
本開示の化合物は、立体異性体の混合物又は個々の立体異性体として存在し得る。例えば、2つの可能な式1のエナンチオマーは、アスタリスク()で同定されたイソキサゾリンキラル中心が関与する式1’及び式1’’として示される。類似して、他のキラル中心は、例えば、Rにおいて可能である。
【化15】
【0058】
本明細書において描かれた分子の描写は、立体化学を描写するための、標準的な慣例に従っている。立体的な配置を描写するために、図の面から立ち上がって観察者の方に向かっている結合は、実線のくさび形で表現され、そのくさび形の幅広い方の末端は、図の面から立ち上がって観察者の方に向かう原子に結合されている。図の面の下の方に向かい、観察者から離れていく結合は、点線のくさび形で表現され、そのくさび形の狭い方末端は、原子に結合され、観察者からはさらに遠ざかっていく。
【0059】
本開示の化合物は、式1中に存在する可能なキラル炭素原子によって立体異性体として存在することができる。このように、本開示は、式1の化合物の個々の立体異性体、及び式1の化合物の立体異性体の混合物を含む。
【0060】
本開示の化合物は、式1におけるアミド結合の周りの束縛回転によって1種若しくは複数の配座異性体として存在することができる。本開示は、配座異性体の混合物を含む。さらに、本開示は、他の配座異性体に対して1つの配座異性体が濃縮されている化合物を含む。
【0061】
本開示は、ラセミ混合物、例えば、等しい量の式1’及び1’’のエナンチオマーを含む。さらに、本開示は、ラセミ混合物と比較して式1のエナンチオマーが濃縮されている化合物を含む。また含まれるのは、式1、例えば、式1’及び式1’’の化合物の本質的に純粋なエナンチオマーである。
【0062】
鏡像異性的に濃縮された1つのエナンチオマーが他のエナンチオマーより多い量で存在するとき、濃縮の程度は、(2x-1)100%(式中、xは、混合物中の主要なエナンチオマーのモル分率である)として定義される鏡像体過剰率(「ee」)という表現によって定義することができる(例えば、20%のeeは、エナンチオマーの60:40比に対応する)。好ましくは、本開示の組成物は、少なくとも50%鏡像体過剰率;より好ましくは、少なくとも75%鏡像体過剰率;さらにより好ましくは、少なくとも90%鏡像体過剰率;最も好ましくは、少なくとも94%鏡像体過剰率のより活性な異性体を有する。特に注目すべきは、より活性な異性体の鏡像異性的に純粋な実施形態である。
【0063】
当業者の認識するところであろうが、全部の窒素含有複素環がN-オキシドを形成できる訳ではないが、その理由は、その窒素が、酸化されてオキシドとなるには、利用可能な孤立電子対を必要とするからである。N-オキシドを形成することが可能なそれらの窒素含有複素環は、当業者のよく知るところであろう。第三級アミンがN-オキシドを形成することが可能であることもまた、当業者のよく知るところであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、ペルオキシ酸例えば過酢酸及び3-クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、並びにジオキシラン例えばジメチルジオキシランを用いて、複素環及び第三級アミンを酸化させることも含めて、当業者の極めてよく知るところである。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献に広く記述され、総説が書かれているが、例えば、以下の文献を参照されたい:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp.748-750(S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp.18-20(A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press);M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.43,pp.149-161(A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.9,pp.285-291(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press);及びG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.22,pp.390-392(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press)。
【0064】
当業者の認識するところであるが、環境内及び生理学的条件下では、化合物の塩は、それらに相当する非塩の形態とは平衡関係にあることが理由で、塩は、その非塩の形態と、生物学的実用性を分け合っている。したがって、式1の化合物の広く各種の塩が、無脊椎有害生物を防除するのに有用である。式1の化合物の塩としては、例えば以下のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる:臭化水素酸、塩化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸。式1の化合物に、カルボン酸又はフェノールのような酸性の残基が含まれているような場合には、塩としてはさらに、例えば以下のような有機又は無機の塩基を用いて形成されたものが含まれる:ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア、又はアミド、水素化物、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、若しくはバリウムの水酸化物又は炭酸塩。したがって、本開示には、式1から選択される化合物、それらのN-オキシド及び好適な塩が含まれる。
【0065】
式1から選択される化合物、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、及び塩は、典型的には、二つ以上の形態で存在し、そのため、式1には、式1で表される化合物の、すべての結晶性及び非晶性の形態が含まれる。非晶性の形態には、固体である実施形態例えばワックス及びゴム、さらには液体である実施形態例えば溶液及び溶融物が含まれる。結晶性の形態には、実質的に単結晶タイプを表す実施形態、及び多形の混合物(すなわち、複数の結晶性タイプ)を表す実施形態が含まれる。「多形(polymorph)」という用語は、各種の結晶性の形態で結晶化することが可能な、化合物の特定の結晶性の形態を表しており、これらの形態は、結晶格子の中での、各種の分子の配列及び/又は配座を有している。複数の多形が、同一の化学組成を有することできるが、それらはさらに、その格子の中に弱く、又は強く結合されることが可能な、共結晶された水又は他の分子の存否によって、組成が異なっていることも可能である。多形は、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的アベイラビリティーのような、化学的、物理的、及び生物学的性質の面で異なっている可能性がある。当業者が認めるところであろうが、式1で表される化合物の多形が、式1で表される同一の化合物の他の多形、又は複数の多形の混合物に比較して、有利な効果(例えば、有用な配合を調製する際の適合性、改良された生物学的性能)を示すことが可能である。式1で表される化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用する結晶化など、当業者には公知の方法によって達成することができる。本開示の化合物は、1つ若しくは複数の結晶性多形として存在し得る。本開示は、個々の多形、及び他の多形に対して1つの多形が濃縮されている混合物を含めた多形の混合物の両方を含む。多形の網羅的な考察について、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照されたい。
【0066】
概要において記載するような本開示の実施形態は、下記に記載するものを含む。下記の実施形態において、式1は、その立体異性体、N-オキシド及び塩を含み、「式1の化合物」への言及は、実施形態においてさらに定義しない限り、概要において特定した置換基の定義を含む。
【0067】
実施形態1。Gが、G-1である、式1の化合物。
【0068】
実施形態1a。Gが、G-2である、式1の化合物。
【0069】
実施形態2。A、A、A、A及びAが、独立に、CRである、実施形態1又は1aに記載の化合物。
【0070】
実施形態2a。A及びAが、CHである、実施形態2に記載の化合物。
【0071】
実施形態3。Aが、Nであり;A、A、A及びAが、独立に、CRである、実施形態1又は1aに記載の化合物。
【0072】
実施形態3a。Aが、Nであり;A、A、A及びAが、独立に、CRである、実施形態1又は1aに記載の化合物。
【0073】
実施形態3b。Aが、Nであり;A、A、A及びAが、独立に、CRである、実施形態1又は1aに記載の化合物。
【0074】
実施形態4。Xが、O又はCHである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0075】
実施形態4a。Xが、Oである、実施形態4に記載の化合物。
【0076】
実施形態4b。Xが、CHである、実施形態4に記載の化合物。
【0077】
実施形態5。X及びXが、それぞれ独立に、N又はCRである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0078】
実施形態5a。X及びXが、それぞれ独立に、CRである、実施形態5に記載の化合物。
【0079】
実施形態5b。X及びXが、CHである、実施形態5aに記載の化合物。
【0080】
実施形態6。Xが、Nであり;Xが、CRである、実施形態5に記載の化合物。
【0081】
実施形態6a。Xが、Nであり;Xが、CRである、実施形態5に記載の化合物。
【0082】
実施形態7。X及びXが、Nである、実施形態5に記載の化合物。
【0083】
実施形態8。Rが、C~Cフルオロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0084】
実施形態8a。Rが、CF、CHF、CHF、CHCHF又はCHCFである、実施形態8に記載の化合物。
【0085】
実施形態8b。Rが、CFである、実施形態8に記載の化合物。
【0086】
実施形態9。各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0087】
実施形態9a。各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシである、実施形態9に記載の化合物。
【0088】
実施形態9b。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシである、実施形態9に記載の化合物。
【0089】
実施形態9c。各Rが、独立に、H、ハロゲン又はC~Cハロアルキルである、実施形態9に記載の化合物。
【0090】
実施形態9d。各Rが、独立に、H、ハロゲン又はC~Cハロアルコキシである、実施形態9に記載の化合物。
【0091】
実施形態9e。各Rが、独立に、H又はハロゲンである、実施形態9に記載の化合物。
【0092】
実施形態10。各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル又はC~Cハロアルキルスルホニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0093】
実施形態10a。各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシである、実施形態10に記載の化合物。
【0094】
実施形態10b。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシである、実施形態10に記載の化合物。
【0095】
実施形態10c。各Rが、独立に、H、ハロゲン又はC~Cハロアルキルである、実施形態10に記載の化合物。
【0096】
実施形態10d。各Rが、独立に、H、ハロゲン又はC~Cハロアルコキシである、実施形態10に記載の化合物。
【0097】
実施形態10e。各Rが、独立に、H又はハロゲンである、実施形態10に記載の化合物。
【0098】
実施形態10f。Rが、Hである、実施形態10に記載の化合物。
【0099】
実施形態11。mが、0、1又は2である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0100】
実施形態11a。mが、2である、実施形態11に記載の化合物。
【0101】
実施形態11b。mが、0又は1である、実施形態11に記載の化合物。
【0102】
実施形態11c。mが、0である、実施形態11に記載の化合物。
【0103】
実施形態11d。mが、1である、実施形態11に記載の化合物。
【0104】
実施形態12。Jが、C(=Z)NRである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0105】
実施形態13。Jが、CH(R)N(R13)C(=Z)R14である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0106】
実施形態14。Zが、独立に、O又はSである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0107】
実施形態14a。Zが、Oである、実施形態12に記載の化合物。
【0108】
実施形態14b。Zが、Sである、実施形態12に記載の化合物。
【0109】
実施形態14c。Zが、Oである、実施形態13に記載の化合物。
【0110】
実施形態14d。Zが、Sである、実施形態13に記載の化合物。
【0111】
実施形態15。Rが、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0112】
実施形態15a。Rが、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態15に記載の化合物。
【0113】
実施形態15b。Rが、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態15に記載の化合物。
【0114】
実施形態15c。Rが、H、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態15に記載の化合物。
【0115】
実施形態15d。Rが、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態15に記載の化合物。
【0116】
実施形態15e。Rが、Hである、実施形態15に記載の化合物。
【0117】
実施形態16。Rが、H、OR10、NR1112、SONR1112、C(R12)=NOR11、CHR12NHR11若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0118】
実施形態16a。Rが、OR10、NR1112、SONR1112、C(R12)=NOR11又はQである、実施形態16に記載の化合物。
【0119】
実施形態16b。Rが、H、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態16に記載の化合物。
【0120】
実施形態16c。Rが、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態16に記載の化合物。
【0121】
実施形態16d。Rが、それぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル又はC~Cアルキルシクロアルキルである、実施形態16に記載の化合物。
【0122】
実施形態16e。Rが、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態16に記載の化合物。
【0123】
実施形態16f。Rが、それぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、シクロプロピル、シクロプロピルメチル又は-CH(CH)C(=O)NHである、実施形態16に記載の化合物。
【0124】
実施形態16g。Rが、シクロプロピル、シクロプロピルメチル又は-CH(CH)C(=O)NHである、実施形態16に記載の化合物。
【0125】
実施形態16h。Rが、シクロプロピルである、実施形態16に記載の化合物。
【0126】
実施形態16i。Rが、シクロプロピルメチルである、実施形態16に記載の化合物。
【0127】
実施形態16j。Rが、CH(CH)C(=O)NHである、実施形態16に記載の化合物。
【0128】
実施形態16k。Rが、Hである、実施形態16に記載の化合物。
【0129】
実施形態17。R及びRが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びにN、S及びOから独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0130】
実施形態17a。R及びRが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びにN、S及びOから独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態17に記載の化合物。
【0131】
実施形態17b。R及びRが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びにN、S及びOから独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態17に記載の化合物。
【0132】
実施形態17c。R及びRが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びにN、S及びOから独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~5員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態17に記載の化合物。
【0133】
実施形態18。Rが、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0134】
実施形態18a。Rが、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、実施形態18に記載の化合物。
【0135】
実施形態18b。Rが、Hである、実施形態18に記載の化合物。
【0136】
実施形態19。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cシクロアルキルアミノ、C~Cアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cシクロアルキルアミノカルボニル、C~Cアルケニルアミノカルボニル、C~Cアルキニルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cハロアルキルアミノカルボニル、C~Cハロジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH、-CN、-CONH、-NO又はQである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0137】
実施形態19a。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、-CN又はQである、実施形態19に記載の化合物。
【0138】
実施形態19b。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシである、実施形態19に記載の化合物。
【0139】
実施形態19c。各Rが、独立に、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニルである、実施形態19に記載の化合物。
【0140】
実施形態19d。各Rが、独立に、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシである、実施形態19に記載の化合物。
【0141】
実施形態20。Qが、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5員若しくは6員芳香族環又は4~11員部分不飽和環又は環系であり、ここで、2個までの炭素原子環員が、C(=O)及びC(=S)から独立に選択され、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、各環又は環系が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0142】
実施形態20a。Qが、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5員若しくは6員芳香族環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態20に記載の化合物。
【0143】
実施形態20b。Qが、1個までの酸素、1個までの硫黄及び2個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5員若しくは6員芳香族環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態20に記載の化合物。
【0144】
実施形態20c。Qが、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~11員部分不飽和環又は環系であり、各環又は環系が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態20に記載の化合物。
【0145】
実施形態20d。Qが、1個までの酸素、1個までの硫黄及び3個までの窒素から選択される3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する4~6員部分不飽和環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態20に記載の化合物。
【0146】
実施形態21。各Qが、独立に、フェニル環、5員若しくは6員芳香族複素環式環又は3~6員非芳香族複素環式環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0147】
実施形態21a。各Qが、独立に、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されているフェニル環である、実施形態21に記載の化合物。
【0148】
実施形態21b。各Qが、5員若しくは6員芳香族複素環式環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態21に記載の化合物。
【0149】
実施形態21c。各Qが、独立に、3~6員非芳香族複素環式環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、実施形態21に記載の化合物。
【0150】
実施形態22。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニル、C~Cジアルキルアミノカルボニル、-CN又は-NOである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0151】
実施形態22a。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態22に記載の化合物。
【0152】
実施形態22b。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態22に記載の化合物。
【0153】
実施形態22c。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態22に記載の化合物。
【0154】
実施形態23。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cハロアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cハロアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cハロアルキルスルホニル、C~Cアルキルアミノ、C~Cジアルキルアミノ、-CN、-NO、フェニル又はピリジニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0155】
実施形態23a。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態23に記載の化合物。
【0156】
実施形態23b。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態23に記載の化合物。
【0157】
実施形態23c。各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ又は-CNである、実施形態23に記載の化合物。
【0158】
実施形態24。R10が、H;又はそれぞれが1個若しくは複数のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0159】
実施形態24a。R10が、H;又はそれぞれが1個若しくは複数のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態24に記載の化合物。
【0160】
実施形態24b。R10が、H;又はそれぞれが1~3個のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態24に記載の化合物。
【0161】
実施形態24c。R10が、それぞれが1~3個のハロゲンで任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態24に記載の化合物。
【0162】
実施形態24d。R10が、H;又は1~3個のハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、実施形態24に記載の化合物。
【0163】
実施形態25。R11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0164】
実施形態25a。R11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態25に記載の化合物。
【0165】
実施形態25b。R11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態25に記載の化合物。
【0166】
実施形態25c。R11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態25に記載の化合物。
【0167】
実施形態25d。R11が、Hである、実施形態25に記載の化合物。
【0168】
実施形態26。R12が、H若しくはQ;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0169】
実施形態26a。R12が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されているQである、実施形態26に記載の化合物。
【0170】
実施形態26b。R12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態26に記載の化合物。
【0171】
実施形態26c。R12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキルである、実施形態26に記載の化合物。
【0172】
実施形態26d。R12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されているC~Cアルキルである、実施形態26に記載の化合物。
【0173】
実施形態26e。R12が、C~Cアルキルである、実施形態26に記載の化合物。
【0174】
実施形態27。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0175】
実施形態27a。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態27に記載の化合物。
【0176】
実施形態27b。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態27に記載の化合物。
【0177】
実施形態27c。R11及びR12が、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~5員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態27に記載の化合物。
【0178】
実施形態28。Qが、フェニル環又は5員若しくは6員複素環式環であり、各環が、Rから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0179】
実施形態28a。Qが、Rから独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されているフェニル環である、実施形態28に記載の化合物。
【0180】
実施形態28b。Qが、Rから独立に選択される1~3個の置換基で任意選択で置換されている5員若しくは6員複素環式環である、実施形態28に記載の化合物。
【0181】
実施形態29。R13が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル、C~Cアルコキシカルボニル又はC~Cアルコキシアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0182】
実施形態29a。R13が、H、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシアルキルである、実施形態29に記載の化合物。
【0183】
実施形態29b。R13が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態29に記載の化合物。
【0184】
実施形態29c。R13が、H、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態29に記載の化合物。
【0185】
実施形態29d。R13が、Hである、実施形態29に記載の化合物。
【0186】
実施形態30。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0187】
実施形態30a。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、実施形態30に記載の化合物。
【0188】
実施形態30b。R14が、メチル又はエチルである、実施形態30に記載の化合物。
【0189】
実施形態31。R14が、OR19で任意選択で置換されているC~Cアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0190】
実施形態32。R14が、S(=O)20で任意選択で置換されているC~Cアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0191】
実施形態33。R14が、NR21C(=O)R22で任意選択で置換されているC~Cアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0192】
実施形態34。R14が、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される4個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0193】
実施形態34a。R14が、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態34に記載の化合物。
【0194】
実施形態34b。R14が、それぞれがハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態34に記載の化合物。
【0195】
実施形態34c。R14が、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されているC~Cシクロアルキルである、実施形態34に記載の化合物。
【0196】
実施形態34d。R14が、1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、-CN、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されているC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態34に記載の化合物。
【0197】
実施形態35。R14が、(CHである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0198】
実施形態36。R14が、OR16である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0199】
実施形態36a。R14が、NR17a17bである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0200】
実施形態37。Qが、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環であり、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)又はS(=O)から選択され、各環が、R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0201】
実施形態37a。Qが、R18から独立に選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、炭素原子、並びに1個の酸素及び1個の硫黄から独立に選択される1個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~6員飽和複素環式環である、実施形態37に記載の化合物。
【0202】
実施形態38。R16が、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0203】
実施形態38a。R16が、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、実施形態38に記載の化合物。
【0204】
実施形態39。R17aが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0205】
実施形態39a。R17aが、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルである、実施形態39に記載の化合物。
【0206】
実施形態39b。R17aが、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、実施形態39に記載の化合物。
【0207】
実施形態39c。R17aが、C~Cアルキルである、実施形態39に記載の化合物。
【0208】
実施形態39d。R17aが、C~Cハロアルキルである、実施形態39に記載の化合物。
【0209】
実施形態40。R17bが、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0210】
実施形態40a。R17bが、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cシクロアルキルである、実施形態40に記載の化合物。
【0211】
実施形態40b。R17bが、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、実施形態40に記載の化合物。
【0212】
実施形態40c。R17bが、H又はC~Cアルキルである、実施形態40に記載の化合物。
【0213】
実施形態40d。R17a及びR17bが、Hである、実施形態40に記載の化合物。
【0214】
実施形態41。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、ここで、硫黄原子環員が、S、S(=O)及びS(=O)から選択され、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0215】
実施形態41a。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、-CN及び-NOから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態41に記載の化合物。
【0216】
実施形態41b。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~6員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態41に記載の化合物。
【0217】
実施形態41c。R17a及びR17bが、それらが付着している窒素と一緒になって、炭素原子、並びに窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1個までのさらなる原子から選択される環員を含有する3~5員環を形成し、前記環が、ハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから独立に選択される1~2個の置換基で任意選択で置換されている、実施形態41に記載の化合物。
【0218】
実施形態42。各R18が、独立に、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0219】
実施形態43。R19が、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0220】
実施形態44。R20が、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0221】
実施形態45。R21が、H又はC~Cアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0222】
実施形態46。R22が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cシクロアルキルである、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0223】
実施形態47。nが、0、1又は2である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0224】
実施形態47a。nが、0である、実施形態47に記載の化合物。
【0225】
実施形態47b。nが、1又は2である、実施形態47に記載の化合物。
【0226】
実施形態47c。nが、1である、実施形態47に記載の化合物。
【0227】
実施形態47d。nが、2である、実施形態47に記載の化合物。
【0228】
実施形態48。pが、0又は1である、式1又は先行する実施形態のいずれかに記載の化合物。
【0229】
実施形態48a。pが、0である、実施形態48に記載の化合物。
【0230】
実施形態48b。pが、1である、実施形態48に記載の化合物。
【0231】
実施形態S1。式1の化合物が、式1’の化合物である、実施形態1~48bのいずれか1項に記載の化合物。
【0232】
実施形態S2。式1の化合物が、式1’’の化合物である、実施形態1~48bのいずれか1項に記載の化合物。
【0233】
実施形態S3。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、60:40超である、式1’の化合物及び式1’’の化合物からなる組成物。
【0234】
実施形態S3a。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、80:20超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0235】
実施形態S3b。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、90:10超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0236】
実施形態S3c。式1’の化合物と式1’’の化合物の比が、99:1超である、実施形態S3に記載の組成物。
【0237】
実施形態S4。式1’’の化合物と式1’の化合物の比が、60:40超である、式1’’の化合物及び式1’の化合物からなる組成物。
【0238】
実施形態X。無脊椎有害生物又はその環境と生物学的有効量の式1の化合物とを接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法。
【0239】
実施形態X1。環境が、土壌又は植物の葉である、請求項Xに記載の方法。
【0240】
上述の実施形態1~X1、さらには本明細書に記載の各種の他の実施形態も含めて、本開示の実施形態は、どのように組合せてもよく、そしてそれらの実施形態における各種の記述は、式1の化合物に関連するだけではなく、出発化合物、及び式1の化合物を調製するのに有用な中間体化合物にも関連する。それに加えて、上述の実施形態1~X1、さらには本明細書に記載の各種その他の実施形態、及びそれらの各種組合せも含めた、本開示の実施形態は、本開示の組成物及び方法にも関連する。
【0241】
実施形態1~X1の組合せは、下記によって例示される。
実施形態A。Gが、
【化16】
である、式1の化合物。
【0242】
実施形態AA。A、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ及びC~Cハロアルコキシであるか;或いは
Jが、C(=Z)NRである、式1又は実施形態Aに記載の化合物。
【0243】
実施形態AA1。Aが、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
が、H、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシであり;
11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態AAに記載の化合物。
【0244】
実施形態AA2。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
が、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
11が、Hであり;
12が、C~Cアルキルである、実施形態AA1に記載の化合物。
【0245】
実施形態AA3。Rが、シクロプロピル、シクロプロピルメチル又は-CH(CH)C(=O)NHである、実施形態AA2に記載の化合物。
【0246】
実施形態AB。A、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Jが、CH(R)N(R13)C(=Z)R14である、式1又は実施形態Aに記載の化合物。
【0247】
実施形態AB1。Aが、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
13が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態ABに記載の化合物。
【0248】
実施形態AB2。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
13が、Hであり;
14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルであるか;或いは
14が、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
14が、NR17a17bであり;
17aが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルであり;
17bが、Hである、実施形態AB1に記載の化合物。
【0249】
実施形態AB3。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、実施形態AB2に記載の化合物。
【0250】
実施形態AB4。R14が、メチル又はエチルである、実施形態AB3に記載の化合物。
【0251】
実施形態B。Gが、
【化17】
である、式1の化合物。
【0252】
実施形態BA。A、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Jが、C(=Z)NRである、式1又は実施形態Bに記載の化合物。
【0253】
実施形態BA1。Aが、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
が、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
各Rが、独立に、ハロゲン、C~Cアルキル又はC~Cアルコキシであり;
11が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル、C~Cハロアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルであり;
12が、H;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル若しくはC~Cシクロアルキルアルキルである、実施形態BAに記載の化合物。
【0254】
実施形態BA2。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
が、CHR12NHR11;又はそれぞれがRから独立に選択される1個若しくは複数の置換基で任意選択で置換されている、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、若しくはC~Cシクロアルキルアルキルであり;
11が、Hであり;
12が、C~Cアルキルである、実施形態BA1に記載の化合物。
【0255】
実施形態BA3。Rが、シクロプロピル、シクロプロピルメチル又は-CH(CH)C(=O)NHである、実施形態BA2に記載の化合物。
【0256】
実施形態BB。A、A、A、A及びAが、それぞれ独立に、CRであり;
Xが、O又はCHであり;
及びXが、それぞれ独立に、CRであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Jが、CH(R)N(R13)C(=Z)R14である、式1又は実施形態Bに記載の化合物。
【0257】
実施形態BB1。Aが、CHであり;
が、CHであり;
Xが、Oであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ又はC~Cハロアルコキシであり;
Zが、Oであり;
が、H、C~Cアルキル又はC~Cハロアルキルであり;
13が、H、C~Cアルキル、C~Cアルキルカルボニル又はC~Cアルコキシカルボニルである、実施形態BBに記載の化合物。
【0258】
実施形態BB2。各Rが、独立に、H、ハロゲン、C~Cハロアルキル又はC~Cハロアルコキシであり;
各Rが、Hであり;
が、Hであり;
13が、Hであり;
14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルであるか;或いは
14が、それぞれが1個までのシクロプロピル、並びにハロゲン、C~Cアルキル及びC~Cハロアルキルから選択される2個までの置換基で任意選択で置換されている、C~Cシクロアルキル又はC~Cシクロアルキルアルキルであるか;或いは
14が、NR17a17bであり;
17aが、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルであり;
17bが、Hである、実施形態BB1に記載の化合物。
【0259】
実施形態BB3。R14が、ハロゲンで任意選択で置換されているC~Cアルキルである、実施形態BB2に記載の化合物。
【0260】
実施形態BB4。R14が、メチル又はエチルである、実施形態BB3に記載の化合物。
【0261】
実施形態C。式1の化合物が、式1’である、実施形態A~BB3のいずれか1項に記載の化合物。
【0262】
実施形態D。式1の化合物が、式1’’である、実施形態A~BB3のいずれか1項に記載の化合物。
【0263】
特定の実施形態は、
N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
(R)-N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
(S)-N-シクロプロピル-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-シクロプロピル-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(シクロプロピルメチル)-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-(2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチル)-5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボキサミド、
N-[[5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド、
N-[[5-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド、及び
N-[[5-[4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-イソオキサゾリル]-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]メチル]アセトアミド
からなる群から選択される式1の化合物を含む。
【0264】
実施形態Y1。式1又は先行する実施形態のいずれか1項に記載の化合物、並びに界面活性剤、固体賦形剤及び液体賦形剤からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる構成要素を含む組成物であって、少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤を任意選択でさらに含む、組成物。
【0265】
実施形態Y2。少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ボレート、ブロマントラニリプロール、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロラントラニリプロール、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレ-ト、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルオピラム、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン、ニコチン、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テトラクロラントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、昆虫病原菌、昆虫病原性ウィルス及び昆虫病原性真菌からなる群から選択される、実施形態Y1に記載の組成物。
【0266】
実施形態Y3。少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤が、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレ-ト、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ハイドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多角体病ウィルスの全ての菌株からなる群から選択される、実施形態Y2に記載の組成物。
【0267】
実施形態Y4。液体肥料をさらに含む、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物。
【0268】
実施形態Y5。液体肥料が、水性である、実施形態Y4に記載の組成物。
【0269】
実施形態Y6。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む、土壌灌液配合物。
【0270】
実施形態Y7。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物、及び噴射剤を含む、噴霧組成物。
【0271】
実施形態Y8。実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物、1種若しくは複数の食材、任意選択で誘引物質、及び任意選択で保湿剤を含む、誘引組成物。
【0272】
実施形態Y9。無脊椎有害生物を防除するためのトラップ装置であって、実施形態Y8に記載の誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適合されたハウジングを含み、ここで、ハウジングは、無脊椎有害生物がハウジングの外側の場所から前記誘引組成物にアクセスすることができるように、無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能とするような大きさの少なくとも1つの開口部を有し、ハウジングは、無脊椎有害生物についての潜在的又は既知の活性の生息地中若しくは近くにおいて置かれるようにさらに適合されている、トラップ装置。
【0273】
実施形態Y10。微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、及び充填剤入りフィルムから選択される固体組成物である、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む組成物。
【0274】
実施形態Y11。水分散性又は水溶性である、実施形態Y10に記載の組成物。
【0275】
実施形態Y12。点滴潅漑システム、植え付け中の間の畝間、手持ち型の噴霧器、背負い型の噴霧器、ブーム噴霧器、地上噴霧器、空中散布、無人空中輸送手段、又は種子処理において使用するための、実施形態Y1~Y3のいずれか1項に記載の組成物を含む、液体又は乾燥配合物。
【0276】
実施形態Y13。超低容量で噴霧される、実施形態Y12に記載の液体又は乾燥配合物。
【0277】
本開示の化合物が有利な代謝パターン及び/又は土壌残留パターンで特徴づけられ、一連の農学的及び非農学的無脊椎有害生物を駆除する活性を示すことに注目すべきである。
【0278】
無脊椎有害生物駆除スペクトル及び経済的重要性の理由から、無脊椎有害生物を駆除することによって無脊椎有害生物により引き起こされる損害若しくは被害からの農作物の保護が本開示の実施形態であることに特に注目すべきである。本開示の化合物は、植物でのそれらの有利な転座特性又は組織性のために、式1の化合物又は本化合物を含む組成物と直接接触しない葉面部位又は他の植物部位をも保護する。
【0279】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、先行する実施形態のいずれかの化合物、さらには本明細書で記述された各種その他の実施形態及びそれらの各種組み合わせのいずれか、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、前記組成物が任意選択でさらに、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤を含む組成物である。
【0280】
本開示の実施形態としてさらに注目すべきは、以下のものである:前述の実施形態のいずれか、さらには本明細書に記載の他の実施形態いずれかの化合物及びそれらの各種組合せ、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物であって、前記組成物には、任意選択で、少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤をさらに含んでいる。本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の(例えば、本明細書に記載された組成物としての)化合物と接触させること含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0281】
本開示の実施形態にはさらに、土壌灌液液体配合物の形態にある、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかの化合物を含む、土壌灌液としての液体組成物と接触させる、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれる。
【0282】
本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の先行する実施形態のいずれかの化合物と、噴射剤とを含む、無脊椎有害生物を防除するための組成物を噴霧することも含まれる。本開示の実施形態にはさらに、生物学的有効量の、先行する実施形態のいずれかに記載の化合物、1種又は複数の餌物質、任意選択で誘引剤、そして任意選択で湿潤剤を含む、無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物も含まれる。本開示の実施形態にはさらに、前記誘引組成物、及び前記誘引組成物を受容するように適応されたハウジングを含む、無脊椎有害生物を防除するためのデバイスも含まれるが、ここで、そのハウジングは、無脊椎有害生物が、ハウジングの外側位置から前記誘引組成物へアクセスできるようにした、前記無脊椎有害生物が通過できるような大きさの少なくとも一つの開口部を有し、そしてそのハウジングがさらに、前記無脊椎有害生物の可能性があるか又は公知の活動領域の内部又は近傍に設置されるように適応される。
【0283】
本開示の実施形態はまた、種子を、生物学的有効量の先行実施形態のいずれかの化合物と接触させる工程を含む、無脊椎有害生物からの種子の保護方法を含む。
【0284】
本開示の実施形態はまた、寄生虫駆除上有効量の先行実施形態のいずれかの化合物を動物に投与する工程を含む、無脊椎寄生性有害生物からの動物の保護方法を含む。
【0285】
本開示の実施形態にはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩(例えば、本明細書記載の組成物として)と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法も含まれるが、但し、その方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0286】
本開示はさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の式1の化合物、それらのN-オキシド又は塩、並びに界面活性剤、固体希釈剤、及び液状希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加成分を含む組成物と接触させるような方法にも関し、前記組成物には、任意選択で、生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は薬剤も含むが、但しその方法は、治療によるヒト又は動物の身体の薬物療法とは異なる。
【0287】
本開示の実施形態はまた、植栽エリア上への本明細書において開示されている組成物の散布のための無人空中輸送手段(UAV)の使用を含む。一部の実施形態では、植栽エリアは、作物を有しているエリアである。一部の実施形態では、作物は、単子葉植物又は双子葉植物から選択される。一部の実施形態では、作物は、イネ、コーン、オオムギ、ダイズ、コムギ、野菜、タバコ、ナガバクコ、果樹及びサトウキビから選択される。一部の実施形態では、本明細書において開示されている組成物は、超低容量で噴霧するために配合される。ドローンによって施用される生成物は、噴霧担体として水又は油を使用し得る。ドローン施用のために全体的に使用される典型的な噴霧容量(生成物を含めた)は、5.0リットル/ha~100リットル/ha(概ね0.5~10gpa)である。これは、超低噴霧容量(ULV)から低噴霧容量(LV)の範囲を含む。一般ではないが、1.0リットル/ha(0.1gpa)ほど低いさらにより低い噴霧容量を使用することができる状況が存在し得る。
【0288】
式1の化合物は、スキーム1~21において記載されているような下記の方法及びバリエーションの1つ若しくは複数によって調製することができる。下記の式1~36の化合物における置換基の定義は、他に断りのない限り概要において上記に定義した通りである。式1a、1b、1c及び1dの化合物は、式1の化合物のサブセットであり;式2aは、式2のサブセットであり;式9aは、式9のサブセットであり;式13aは、式13のサブセットであり;式20aは、式20のサブセットであり;式27aは、式27のサブセットである。それぞれのサブセット式のための置換基は、他に断りのない限り、その親式について定義する通りである。周囲温度又は室温は、約20~25℃と定義される。
【0289】
式1aの化合物(すなわち、式1、式中、Gは、G-1であり、Jは、C(=Z)NRであり、Zは、Oである)は、スキーム1において示すような式3のアミンによる式2のハロゲン化アリール(式中、Rは、Cl、Br又はIである)のアミノカルボニル化のよって調製することができる。
【化18】
【0290】
この反応は典型的には、パラジウム触媒の存在下でCO雰囲気下で式2の臭化アリール(式中、Xは、Brである)と共に行われる。本方法のために使用されるパラジウム触媒は典型的には、0(すなわち、Pd(0))又は2(すなわち、Pd(II))の形式的酸化状態のパラジウムを含む。多種多様のこのようなパラジウム含有化合物及び錯体は、本方法のための触媒として有用である。スキーム1の方法において触媒として有用なパラジウム含有化合物及び錯体の例は、PdCl(PPh(すなわち、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)、Pd(dba)(すなわち、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、Pd(PPh(すなわち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))、Pd(C(すなわち、アセチルアセトン酸パラジウム(II))及びジクロロ-[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)を含む。スキーム1の方法は一般に液相中で行われ、したがって、最も有効であるには、パラジウム触媒は好ましくは、液相中で良好な溶解度を有する。有用な溶媒は、例えば、エーテル、例えば、1,2-ジメトキシエタン、アミド、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、及び非ハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、トルエンを含む。
【0291】
スキーム1の方法は、約25~約150℃の範囲の広範囲の温度に亘り行うことができる。注目すべきは約60~約110℃の温度であり、これは典型的にはより速い反応速度及びより高い生成物収量を実現する。臭化アリール及びアミンによるアミノカルボニル化についての一般方法及び手順は、文献において周知である;例えば、H.Horino et al., Synthesis 1989,715;及びJ.J.Li,G.W.Gribble,editors,Palladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist,2000を参照されたい。
【0292】
スキーム2において示すように、式1aの化合物はまた、カップリング試薬の存在下で式4のカルボン酸と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。有用なカップリング試薬は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド及びカルボニルジイミダゾールを含む。この方法において有用なさらなるカップリング試薬は、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)及びプロピルホスホン酸無水物(T3P)を含む。これらのカップリング試薬は一般に、塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で使用される。典型的な反応条件は、無水非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N-ジメチルホルムアミド、及び室温から70℃の反応温度を含む。スキーム2の方法において有用な反応条件、及び他の十分に確立したカップリング条件について、例えば、Journal of Organic Chemistry 2008,73(7),2731-2737;Tetrahedron Letters 2009,50(45),6200-6202;及びOrganic letters 2011,13(12),2988-91を参照されたい。
【化19】
【0293】
代わりに、スキーム3において示すように、式1aの化合物は、酸掃去剤の存在下で式5の酸塩化物と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。典型的な酸掃去剤は、アミン塩基、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンを含む。他の掃去剤は、水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又は炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムを含む。ある特定の場合において、ポリマーに支持された酸掃去剤、例えば、ポリマー結合N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びポリマー結合4-(ジメチルアミノ)ピリジンを使用することは有用である。
【化20】
【0294】
式5の酸塩化物は、多数の周知の方法によって式4のカルボン酸から容易に調製される。例えば、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はトルエン中、及び任意選択で、触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下で、カルボン酸と塩素化試薬、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル又はオキシ塩化リンとを反応させることによって、式5の対応する酸塩化物を提供することができる。
【化21】
【0295】
スキーム5において示すように、式4のカルボン酸は、好ましくは、水混和性の共溶媒、例えば、メタノール、エタノール又はテトラヒドロフラン中で約25~45℃の温度にて僅かに過剰な水酸化物塩基(例えば、水酸化リチウム)を使用して、式6の対応する化合物の塩基性又は酸性加水分解の周知の方法によって調製することができる。生成物は、pHを約1~3に調節し、次いで、任意選択で、蒸発による有機溶媒の除去の後に、濾過又は抽出することによって単離することができる。
【化22】
【0296】
式7のアルコールは、スキーム1の反応において式3のアミンに代えて用いて、スキーム6において示すように式6のエステルを得ることができる。
【化23】
【0297】
式2aの化合物(すなわち、式2、式中、Xは、Oである)は、スキーム7において概要を述べるように、2ステップ手順によって式10のアルデヒドから調製することができる。第1のステップにおいて、式10のアルデヒドはヒドロキシルアミンと反応して、式8のオキシムが提供される。この反応のための一般手順は、化学文献において裏付けられている;例えば、Bioorg. Med. Chem. 2004, 12, 3965を参照されたい。
【0298】
第2のステップにおいて、式8のオキシムは式9のスチレンと反応し、式2aの化合物が精製される。この反応は典型的には、式8のオキシムの塩素化、及びニトリルオキシドへのそれに続く脱塩化水素化が関与し、次いで、これは式9のスチレンによる1,3-双極子環化付加を受けて、式2aの化合物が得られる。典型的な手順において、塩素化試薬、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、N-クロロスクシンイミド又はクロラミン-Tは、スチレンの存在下でオキシムと合わさる。脱塩化水素化ステップを促進するために、塩基条件下にて反応を実行することが必要であり得る。典型的な塩基は、炭酸水素ナトリウム、ピリジン及びトリエチルアミンを含む。反応は、室温から溶媒の還流温度の範囲の温度を伴って、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジオキサン、及びトルエンを含めた多種多様の溶媒中で実行することができる。オレフィンとのニトリル酸化物の環化付加のための一般手順は、化学文献において十分に裏付けられており、例えば、Synthesis, 1982, 6, 508-509; Tetrahedron, 2000, 56, 1057-1064;及び欧州特許出願公開第1,538,138-A1号明細書を参照されたい。
【化24】
【0299】
式6のエステルは、上記のスキーム7(式中、Rは、C(=O)ORで置き換えられている)において記載される1,3-双極子環化付加方法と類似して調製することができることを当業者は認識する。
【0300】
式9のスチレンは市販であり、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。例えば、スキーム8において示すように、式9aのスチレン(すなわち、式9、式中、Rは、CFである)は、市販の2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロプロペン(式11)による式12のアリールボロン酸のパラジウムによって触媒されるカップリングによって調製することができる。この反応のための一般手順は、化学文献において裏付けられている;例えば、J. Fluorine Chemistry, 1999, 95, 167-170を参照されたい。
【化25】
【0301】
式10のアルデヒドは、当技術分野において公知の多種多様の方法によって調製することができ、例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 902及び欧州特許出願公開第2049481A2号明細書、並びにその中で引用した参照文献を参照されたい。スキーム9において示すように、式10のアルデヒドは、酢酸ナトリウム及びラジカル開始剤、例えば、過酸化ベンゾイルの存在下で臭素化剤、例えば、N-ブロモスクシンイミド(NBS)を使用して式13の化合物をブロム化することによって調製し、式14のアセテートを得ることができ、次いで、これはエステル化及び酸化によって式10のアルデヒドへと変換される。
【化26】
【0302】
式13の化合物は市販であり、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。式13aの化合物(すなわち、式13、式中、mは、0である)は、スキーム10において概要を述べるような2ステップにおいて式15の化合物から調製することができる。第1のステップにおいて、式14の化合物は、カップリング試薬、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で式15の化合物と式16のカルボン酸とを反応させることによって調製することができる。
【0303】
第2のステップにおいて、式14の化合物をパラジウム触媒、例えば、酢酸パラジウムで処理して、式13aの化合物が得られる。この反応のための一般手順は、化学文献において裏付けられている;例えば、Science, 2000, 287(5460), 1992-1995を参照されたい。
【化27】
【0304】
式1bの化合物(すなわち、式1、式中、Gは、G-1であり、Jは、CH(R)N(R13)C(=Z)R14であり、Rは、Hであり、R13は、Hである)は、スキーム11において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。第1のステップにおいて、式2の化合物のメチル化によって、式17の化合物が形成される。式17の化合物のアミノ化によって、式18の化合物が得られる。式18の化合物を式19の塩化アシルで処理して、式1bの化合物が提供される。
【化28】
【0305】
式1cの化合物(すなわち、式1、式中、Gは、G-2であり、Jは、C(=Z)NRであり、Zは、Oである)は、スキーム12において示すように式3のアミンによる式20のハロゲン化アリール(式中、Rは、Cl、Br又はIである)のアミノカルボニル化によって調製することができる。
【化29】
【0306】
この反応は典型的には、パラジウム触媒の存在下でCO雰囲気下で、式20の臭化アリール(式中、Xは、Brである)と共に行われる。本方法のために使用されるパラジウム触媒は典型的には、0(すなわち、Pd(0))又は2(すなわち、Pd(II))の形式的酸化状態のパラジウムを含む。多種多様のこのようなパラジウム含有化合物及び錯体は、本方法のための触媒として有用である。スキーム1の方法における触媒として有用なパラジウム含有化合物及び錯体の例は、PdCl(PPh(すなわち、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド)、Pd(dba)(すなわち、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、Pd(PPh(すなわち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))、Pd(C(すなわち、アセチルアセトン酸パラジウム(II))及びジクロロ-[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)を含む。スキーム1の方法は一般に液相中で行われ、したがって、最も有効であるには、パラジウム触媒は好ましくは、液相中で良好な溶解度を有する。有用な溶媒は、例えば、エーテル、例えば、1,2-ジメトキシエタン、アミド、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、及び非ハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、トルエンを含む。
【0307】
スキーム12の方法は、約25~約150℃の範囲の広範囲の温度に亘り行うことができる。注目すべきは、約60~約110℃の温度であり、これは典型的には、より速い反応速度及びより高い生成物収量を生じさせる。臭化アリール及びアミンによるアミノカルボニル化についての一般方法及び手順は、文献において周知である;例えば、H.Horino et al.,Synthesis 1989,715;及びJ.J.Li,G.W.Gribble,editors,Palladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist,2000を参照されたい。
【0308】
スキーム13において示すように、式1cの化合物はまた、カップリング試薬の存在下で式21のカルボン酸と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。有用なカップリング試薬は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド及びカルボニルジイミダゾールを含む。この方法において有用なさらなるカップリング試薬は、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)及びプロピルホスホン酸無水物(T3P)を含む。これらのカップリング試薬は一般に、塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で使用される。典型的な反応条件は、無水非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N-ジメチルホルムアミド、及び室温から70℃の反応温度を含む。スキーム13の方法において有用な反応条件、及び他の十分に確立したカップリング条件について、例えば、Journal of Organic Chemistry 2008,73(7),2731-2737;Tetrahedron Letters 2009,50(45),6200-6202;及びOrganic letters 2011,13(12),2988-91を参照されたい。
【化30】
【0309】
代わりに、スキーム14において示すように、式1cの化合物は、酸掃去剤の存在下で式22の酸塩化物と式3のアミンとを反応させることによって調製することができる。典型的な酸掃去剤は、アミン塩基、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンを含む。他の掃去剤は、水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又は炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムを含む。ある特定の場合において、ポリマーに支持された酸掃去剤、例えば、ポリマー結合N,N-ジイソプロピルエチルアミン及びポリマー結合4-(ジメチルアミノ)ピリジンを使用することは有用である。
【化31】
【0310】
式22の酸塩化物は、多数の周知の方法によって式21のカルボン酸から容易に調製される。例えば、溶媒、例えば、ジクロロメタン又はトルエン中、任意選択で、触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下で、カルボン酸と塩素化試薬、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル又はオキシ塩化リンとを反応させることによって、対応する式22の酸塩化物を提供することができる。
【化32】
【0311】
スキーム16において示すように、式21のカルボン酸は、水混和性共溶媒、例えば、メタノール、エタノール又はテトラヒドロフラン中、約25~45℃の温度にて、好ましくは、僅かに過剰の水酸化物塩基(例えば、水酸化リチウム)を使用して、対応する式23の化合物の塩基性又は酸性加水分解の周知の方法によって調製することができる。生成物は、pHを約1~3に調節し、次いで、任意選択で、蒸発による有機溶媒の除去の後で濾過又は抽出することによって単離することができる。
【化33】
【0312】
式7のアルコールは、スキーム12の反応において式3のアミンに代えて用いて、スキーム17において示すように式23のエステルを生じさせることができる。
【化34】
【0313】
式20aの化合物(すなわち、式2、式中、Xは、Oである)は、スキーム18において概要を述べるように、2ステップ手順によって式26のアルデヒドから調製することができる。第1のステップにおいて、式26のアルデヒドはヒドロキシルアミンと反応して、式24のオキシムを提供する。この反応のための一般手順は、化学文献において裏付けられている;例えば、Bioorg. Med. Chem. 2004, 12, 3965を参照されたい。
【0314】
第2のステップにおいて、式24のオキシムは式9のスチレンと反応して、式20aの化合物が生じる。この反応は典型的には、式24のオキシムの塩素化及びそれに続くニトリルオキシドへの脱塩化水素化が関与し、次いで、これは、式9のスチレンによる1,3-双極子環化付加を受けて、式20aの化合物が得られる。典型的な手順において、塩素化試薬、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、N-クロロスクシンイミド又はクロラミン-Tは、スチレンの存在下でオキシムと合わさる。脱塩化水素化ステップを促進するために、塩基条件下にて反応を行うことが必要であり得る。典型的な塩基は、炭酸水素ナトリウム、ピリジン及びトリエチルアミンを含む。反応は、室温から溶媒の還流温度の範囲の温度を伴って、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジオキサン、及びトルエンを含めた多種多様の溶媒中で行うことができる。オレフィンとのニトリル酸化物の環化付加のための一般手順は、化学文献において十分に裏付けられており、例えば、Synthesis,1982,6,508-509;Tetrahedron,2000,56,1057-1064;及び欧州特許出願公開第1,538,138-A1号明細書を参照されたい。
【化35】
【0315】
式23のエステルは、上記のスキーム18(式中、Rは、C(=O)ORに置き換えられている)に記載されている1,3-双極子環化付加方法と類似して調製することができることを当業者は認識する。
【0316】
式26のアルデヒドは、当技術分野において公知の多種多様の方法によって調製することができ、例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 902及び欧州特許出願公開第2049481A2号明細書、並びにその中で引用した参照文献を参照されたい。スキーム19において示すように、式26のアルデヒドは、酢酸ナトリウム及びラジカル開始剤、例えば、過酸化ベンゾイルの存在下で、臭素化剤、例えば、N-ブロモスクシンイミド(NBS)を使用して式27の化合物をブロム化することによって調製することができ、式28のアセテートが得られ、次いで、これはエステル化及び酸化によって式26のアルデヒドへと変換される。
【化36】
【0317】
式27aの化合物(すなわち、式27、式中、mは、0である)は、スキーム20において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。ステップのこの順序のための一般手順は、化学文献において裏付けられている;例えば、Australian J. of Chem. 2010, 63(11), 1582-1593を参照されたい。式32の化合物は市販であり、当業者に公知の一般方法によって調製することができる。
【化37】
【0318】
式1dの化合物(すなわち、式1、式中、Gは、G-2であり、Jは、CH(R)N(R13)C(=Z)R14であり、Rは、Hであり、R13は、Hである)は、スキーム21において概要を述べるようなステップにおいて当業者に公知の一般方法によって調製することができる。第1のステップにおいて、式20の化合物のメチル化によって、式34の化合物が形成される。式34の化合物のアミノ化によって、式35の化合物が提供される。式18の化合物は式36の塩化アシルで処理されて、式1bの化合物が得られる。
【化38】
【0319】
上記の方法によって調製された式1の化合物(式中、Zは、Oである)は、種々の標準的なチア化試薬、例えば、五硫化リン又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(ローソン試薬)を使用して対応するチオアミド(式中、Zは、Sである)に変換することができる。このタイプの反応は周知であり、例えば、Heterocycles 1995, 40, 271-278;J. Med. Chem. 2008, 51, 8124-8134;J. Med. Chem. 1990, 33, 2697-706;Synthesis 1989, (5), 396-3977;J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1988, 1663-1668;Tetrahedron 1988 44, 3025-3036;及びJ. Org. Chem. 1988 53(6), 1323-1326を参照されたい。
【0320】
スキーム1~21は、種々の置換基を有する式1の化合物を調製する方法を例示する。スキーム1~21について特に留意したもの以外の置換基を有する式1の化合物は、スキーム1~21について記載されたものと類似の方法を含めた有機合成化学の当技術分野において公知の一般方法によって調製することができる。
【0321】
様々な官能基は他の官能基へと変換されて、式1の異なる化合物を提供することができることを当業者は認識する。式1の化合物、又はそれらの調製のための中間体は、芳香族ニトロ基を含有し得、これはアミノ基へと還元され、次いで、当技術分野において周知の反応(例えば、ザントマイヤー反応)を介して様々なハロゲン化物に変換することができる。同様の公知の反応によって、芳香族アミン(アニリン)は、ジアゾニウム塩を介してフェノールへと変換することができ、次いで、これはアルキル化されて、アルコキシ置換基を有する式1の化合物を調製することができる。同様に、ザントマイヤー反応によって調製される芳香族ハロゲン化物、例えば、臭化物又はヨウ化物は、銅によって触媒される条件、例えば、ウルマン反応又はその公知の変形下でアルコールと反応して、アルコキシ置換基を含有する式1の化合物を提供することができる。さらに、いくつかのハロゲン基、例えば、フッ素又は塩素は、塩基条件下にてアルコールで置換して、対応するアルコキシ置換基を含有する式1の化合物を提供することができる。ハロゲン化物、好ましくは、臭化物又はヨウ化物を含有する式1の化合物又はその前駆体は、式1の化合物を調製する遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応のための特に有用な中間体である。これらのタイプの反応は、文献において十分に裏付けられている;例えば、Tsuji in Transition Metal Reagents and Catalysts:Innovations in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Chichester,2002;Tsuji in Palladium in Organic Synthesis,Springer,2005;及びMiyaura and Buchwald in Cross Coupling Reactions:A Practical Guide,2002;並びにその中で引用された参照文献を参照されたい。
【0322】
式1の化合物を製造するための上で記載されたいくつかの試薬及び反応条件は、中間体中に存在するある種の官能基と相性がよくない場合があることが認められる。これらの場合には、保護/脱保護シーケンスの組み込み又は合成への官能基相互変換が、所望の生成物を得るのに役立つであろう。保護基の使用及び選択は、化学合成の熟練者に明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。場合によって、個々のスキームにおいて示す試薬の導入の後、式1の化合物の合成を完了するために詳細に記載していないさらなる通例の合成ステップが必要であり得ることを当業者は認識する。当業者はまた、上のスキームに例示されるステップの組み合わせを、式1の化合物を製造するために提示された特定のシーケンスで暗示されるもの以外の順番で行うことが必要であり得ることを認めるであろう。
【0323】
当業者はまた、本明細書に記載される式1の化合物及び中間体が、置換基を追加するために又は存在する置換基を変更するために様々な親電子的な、求核的な、ラジカルの、有機金属の、酸化、及び還元反応にかけられ得ることを認めるであろう。
【0324】
本開示の化合物の調製において有用な中間体の例を、表I-1及びI-6において示す。
【0325】
【表1】
【0326】
【表2】
【0327】
【表3】
【0328】
【表4】
【0329】
【表5】
【0330】
【表6】
【0331】
さらなる詳述を伴わずに、前述の記述内容を使用した当業者は、本開示をその最も完全な程度まで利用することができると考えられる。
【0332】
当技術分野において公知の方法と一緒に本明細書に記載されている手順によって、表1~10の下記の化合物を調製することができる。下記の略語は、下記の表において使用される。Meは、メチルを意味し、OMeは、メトキシを意味し、Etは、エチルを意味し、OEtは、エトキシを意味し、n-Prは、n-プロピルを意味し、i-Prは、イソプロピルを意味し、c-Prは、シクロプロピルを意味し、n-Buは、n-ブチルを意味し、s-Buは、sec-ブチルを意味し、t-Buは、第三ブチルを意味し、c-Buは、シクロブチルを意味し、Phは、フェニルを意味し、CNは、シアノを意味する。
【0333】
【表7】
【0334】
【表8】
【0335】
本開示はまた、表2~5を含み、これらのそれぞれは上記の表1と同じ構図になっているが、ただし、表1における列見出し(すなわち、「Aは、C-Clであり、Aは、C-Fであり、Aは、C-Clである」)は、下記で示すそれぞれの列見出しで置き換えられている。
【0336】
【表9】
【0337】
【表10】
【0338】
本開示はまた、表7~10を含み、これらのそれぞれは上記の表6と同じ構図になっているが、ただし、表6における列見出し(すなわち、「Aは、C-Clであり、Aは、C-Fであり、Aは、C-Clである」)は、下記で示すそれぞれの列見出しで置き換えられている。
【0339】
【表11】
【0340】
表11
【化39】
表11は表1と同じ構図になっているが、ただし、表1における構造は、表11についての上記の構造で置き換えられている。
【0341】
表12~表15
表12は表2と同じ構図になっているが、ただし、表2における構造は、表11についての上記の構造で置き換えられている。表13~15は、表3~5と同じ様式の構図となっている。
【0342】
表16
【化40】
表16は表6と同じ構図になっているが、ただし、表6における構造は、表16についての上記の構造で置き換えられている。
【0343】
表17~表20
表17は表7と同じ構図になっているが、ただし、表7における構造は、表16についての上記の構造で置き換えられている。表17~20は、表7~10と同じ様式の構図となっている。
【0344】
配合物/有用性
本開示の化合物は一般に、キャリアとして働く、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分とともに、組成物、すなわち、調合物中の無脊椎有害生物駆除活性成分として使用されるであろう。調合物又は組成物成分は、活性成分の物理的特性、適用様式並びに土壌タイプ、湿気及び温度などの環境因子と整合するように選択される。
【0345】
有用な調合物には、液体及び固体組成物が含まれる。液体組成物には、任意選択で増粘してゲルにすることができる、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルジョンを含む)などが含まれる。一般的なタイプの水性液体組成物は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及びサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散系である。
【0346】
一般的なタイプの固体組成物は、水分散性(「濡らすことができる」)又は水溶性であり得る、微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、充填剤入りフィルム(種子コーティングを含む)などである。フィルム形成溶液又は流動性懸濁液から形成されたフィルム及びコーティングは、種子処理用に特に有用である。活性成分は、(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液又は固体調合物にすることができるか;或いはまた活性成分の全体調合物は、カプセル化する(又は「上塗りする」)ことができる。カプセル化は、活性成分の放出を制御する、又は遅くすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物調合物及び乾燥粒状調合物の両方の利点を兼ね備える。高強度組成物は、さらなる調合物用の中間体として主に使用される。
【0347】
噴霧可能な調合物は典型的には、噴霧前に好適な媒体に希釈される。そのような液体及び固体調合物は、調合されて噴霧媒体、通常水、しかし時々、芳香族又はパラフィン系炭化水素又は植物油のような別の好適な媒体に容易に希釈される。散布量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲にある。噴霧可能な調合物は、空中若しくは地上散布による茎葉処理のために、又は植物の生育培地への適用のために水又は別の好適な媒体とタンク混合することができる。液体及び乾燥調合物は、植え付け中に、細流かんがいシステムへ直接計量供給するか又は畝間へ計量供給することができる。液体及び固体調合物は、浸透吸収によって成長中の根及び他の地下植物部位並びに/又は群葉を保護するために、植え付け前の種子処理として作物及び他の望ましい植生の種子上へ適用することができる。
【0348】
これらに限定されないが、作物を有している領域などの標的エリア上に本明細書において開示されている組成物を分配する1つの方法は、ドローンを使用することによる。例えば、化学製品で領域を処理するための農業用途におけるドローン又は無人空中輸送手段(UAV)の使用は急速に拡大している。化学製品の容器は、UAV、及びUAVに搭載されている材料分配システムと連結しており、UAVは、化学製品が分配されている間に処理されるエリアの上を飛行する。
【0349】
配合物は典型的には、下記の概ねの範囲内で有効量の活性成分、賦形剤及び界面活性剤を含有するが、合計は100重量パーセントとなる。
【0350】
【表12】
【0351】
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、サッカロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸及び重炭酸ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0352】
液体希釈剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテート及びイソボルニルアセテートなどのアセテート、アルキル化乳酸エステル、二塩基性酸エステルアルキル及びアリールベンゾエートなどの他のエステル、γ-ブチロラクトン、並びにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールなどの、線状、分岐、飽和若しくは不飽和であってもよい、アルコールが含まれる。液体希釈剤にはまた、植物種油及び果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ごま油、コーン(トウモロコシ)油、ピーナツ油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ココナツ油及びパーム核油)、動物源脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、並びにそれらの混合物などの、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC~C22)のグリセロールエステルが含まれる。液体希釈剤にはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸であって、脂肪酸が植物及び動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られてもよいし、蒸留によって精製することができる脂肪酸が含まれる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0353】
本開示の固体及び液体組成物は多くの場合、1つ若しくは複数の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(surfactant)(「界面活性剤(surface-active agent)としても知られる」は一般に、液体の表面張力を、変性し、ほとんどの場合低下させる。界面活性剤分子中の親水性及び親油性基の性質に依存して、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であり得る。
【0354】
界面活性剤は、非イオン、アニオン又はカチオン界面活性剤として分類することができる。本組成物に有用な非イオン界面活性剤には、(分岐若しくは線状であってもよい)天然及び合成アルコールをベースとする、そしてアルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油及び菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;(フェノール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから製造されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から製造されるものを含む);脂肪酸エスエル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキッドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト若しくは櫛形ポリマー及び星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;並びにサッカロースエステル、アルキルポリグリコシド及びアルキル多糖類などの糖誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0355】
有用なアニオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸若しくはコハク酸又はそれらの酸無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステル及びスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパクベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油及び脂肪酸のスルフェート及びスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート及びスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分別石油のスルホネート;スルホスクシネート;並びにジアルキルスルホスクシネート塩などのスルホスクシネート及びそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0356】
有用なカチオン界面活性剤には、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミン、並びに(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミンなどのアミン;アミン酢酸塩などのアミン塩及びジアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩及びジ四級化塩などの第四級アンモニウム塩;並びにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが含まれるが、それらに限定されない。
【0357】
非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との混合物又は非イオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン、アニオン及びカチオン界面活性剤並びにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な出版された参考文献に開示されている。
【0358】
本開示の組成物はまた、調合助剤として当業者に公知の、調合補助剤及び添加剤を含有してもよい(それらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤又は界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得る)。そのような調合補助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散系)、洗脱(フィルム形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発防止剤)、及び他の調合属性を制御し得る。フィルム形成剤には、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが含まれる。調合補助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Volume 2: Functional Materials,annual International and North American editions;及びPCT公開国際公開第03/024222号パンフレットにリストアップされているものが挙げられる。
【0359】
式1の化合物及び任意の他の活性成分は典型的には、活性成分を溶媒に溶解させることによって、又は液体若しくは乾燥希釈剤中ですり潰すことによって本組成物中へ組み込まれる。乳化性濃縮物などの、溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮物としての使用を意図される液体組成物の溶媒が水混和性である場合、乳化剤が典型的には、水での希釈時に活性含有溶媒を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒子径の、活性成分スラリーは、3μmよりも下の平均径の粒子を得るために媒体ミルを用いて湿式ミリングすることができる。水性スラリーは、完成懸濁液濃縮物にすることができる(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)か又は噴霧乾燥によってさらに処理して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥調合物は通常、2~10μm範囲の平均粒子径を生み出す、乾式ミリング法を必要とする。微粉及び粉末は、ブレンドし、そして通常(ハンマーミル又は流体エネルギーミルを使ってなどで)すり潰すことによって調製することができる。顆粒及びペレットは、あらかじめ形成された粒状キャリア上へ活性材料を噴霧することによって、又は凝集技術によって調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages8-57及びそれに続くもの、並びに国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載されているように調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書及び独国特許第3,246,493号明細書に教示されているように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書及び米国特許第5,208,030号明細書に教示されているように調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書及び米国特許第3,299,566号明細書に教示されているように調製することができる。
【0360】
調合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。また、米国特許第3,235,361号明細書、列6、行16~列7、行19及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、列5、行43~列7、行62並びに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164,166,167及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、列3、行66~列5、行17及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp 81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000を参照されたい。
【0361】
以下の実施例において、配合物はすべて、慣用される方法で調製される。化合物の番号は、索引表Aでの化合物を指している。さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本開示を利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。百分率は、特に示される場合を除いて重量による。
【実施例
【0362】
実施例A
高強度濃縮物
化合物1 98.5%
シリカエーロゲル 0.5%
合成アモルファス微粉シリカ 1.0%
【0363】
実施例B
水和剤
化合物1 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
ケイアルミン酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成品) 23.0%
【0364】
実施例C
顆粒
化合物1 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発性物質、0.71/0.30mm;U.S.S.No.25-50篩) 90.0%
【0365】
実施例D
押出加工ペレット
化合物1 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0366】
実施例E
乳化性濃縮物
化合物1 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘクスオレエート 20.0%
~C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0367】
実施例F
マイクロエマルジョン
化合物1 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
モノオレイン酸グリセリル 15.0%
水 20.0%
【0368】
実施例G
種子処理
化合物1 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
着色剤、赤色染料 0.05%
水 65.75%
【0369】
実施例H
棒状肥料
化合物1 2.5%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.8%
トリスチリルフェニル16-エトキシレート 2.3%
タルク 0.8%
トウモロコシデンプン 5.0%
徐放性肥料 36.0%
カオリン 38.0%
水 10.6%
【0370】
実施例I
懸濁液濃縮物
化合物1 35%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0371】
実施例J
水中エマルジョン
化合物1 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油をベースとする炭化水素 20.0
水 58.7%
【0372】
実施例K
油分散体
化合物1 25%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15%
有機変性ベントナイトクレイ 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0373】
実施例L
サスポエマルジョン
化合物1 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンをベースとする消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油をベースとする炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0374】
本開示の化合物は、幅広いスペクトルの無脊椎有害生物に対して活性を示す。これらの有害生物には、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫済み作物又は他の食料、建造物又は動物外皮などの様々な環境に生息する無脊椎動物が含まれる。これらの有害生物には、例えば、群葉(葉、茎、花及び果実を含む)、種子、木、織物繊維又は動物血液若しくは組織上で摂食し、それによって、例えば、成長中の又は貯蔵される農作物、森林、温室作物、観賞植物、苗床作物、貯蔵される食料若しくは繊維製品、又は家屋若しくは他の構造物若しくはそれらの内容物に被害若しくは損害を引き起こすか、又は動物の健康若しくは公衆衛生に有害である無脊椎動物が含まれる。当業者は、すべての化合物が、すべての成長段階のすべての有害生物に対して等しく有効であるわけではないことを十分理解するであろう。
【0375】
これらの本化合物及び組成物はしたがって、農作物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために農学的に、そしてまた他の園芸作物及び植物を植食性の無脊椎有害生物から保護するために非農学的に有用である。この有用性には、遺伝子工学(すなわち、遺伝子組み換え)によって導入された、又は有利な形質を提供するために突然変異生成によって変性された遺伝物質を含有する作物及び他の植物(すなわち、農学的及び非農学的の両方の)を保護することが含まれる。そのような形質の例としては、除草剤への耐性、植食性の有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線形動物、カタツムリ、植物病原性真菌類、細菌及びウィルス)に対する抵抗性、改善された植物成長、高温若しくは低温、低い若しくは高い土壌湿気、及び高い塩分濃度などの不利な生育条件への増加した耐性、増加した開花又は結果、より大きい収穫収量、より速い成熟、収穫産物のより高い品質及び/若しくは栄養価、又は収穫産物の改善された貯蔵若しくは加工特性が挙げられる。遺伝子組み換え植物は、多形質を発現させるように変性することができる。遺伝子工学又は突然変異生成によって提供される形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)及びNEWLEAF(登録商標)、INVICTA RR2 PROTMなどの殺虫性のバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現させるコーン、綿、大豆及びジャガイモの変種、及びROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)及びCLEARFIELD(登録商標)などのコーン、綿、大豆及び菜種の除草剤耐性亜種、並びにグリホサート除草剤に対する抵抗性を提供するためのN-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現させる作物、又はアセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する抵抗性を提供するHRA遺伝子を含有する作物が挙げられる。本化合物及び組成物は、遺伝子工学によって導入された、又は突然変異生成によって変性された形質と向上効果を示し、このようにして形質の表現型発現又は有効性を高め得るか、又は本化合物及び組成物の無脊椎有害生物駆除有効性を増加させ得る。具体的には、本発明の化合物及び組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性を有するタンパク質又はその他の天然物の表現型発現(phenotypic expression)と向上効果を示して、これらの有害生物に、単に加えた以上の防除を与えることができる。
【0376】
本開示の組成物はまた、植物栄養物、例えば、窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛、及びモリブデンから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む肥料組成物を任意選択で含むことができる。窒素、リン、カリ、硫黄、カルシウム及びマグネシウムから選択される少なくとも1つの植物栄養物を含む少なくとも1つの肥料組成物を含む組成物に注目すべきである。少なくとも1つの植物栄養物をさらに含む本開示の組成物は、液体若しくは固体の形態にあり得る。顆粒、小スティック又は錠剤の形態での固体調合物に注目すべきである。肥料組成物を含む固体調合物は、本開示の化合物又は組成物を調合成分と一緒に肥料組成物と混合し、そして次に顆粒化又は押出などの方法によってこの調合物を調製することによって調製することができる。或いはまた、固体調合物は、揮発性溶媒中の本開示の化合物又は組成物の溶液又は懸濁液を、寸法安定性のある混合物、例えば、顆粒、小スティック又は錠剤の形態での事前調製された肥料組成物上へ噴霧し、次に溶媒を蒸発させることによって調製することができる。
【0377】
非農学的使用は、作物の田畑以外のエリアでの無脊椎有害生物駆除を意味する。本化合物及び組成物の非農学的使用には、貯蔵される穀物、豆及び他の食料での、並びに衣類及びカーペットなどの織物での無脊椎有害生物の駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、観賞植物、森林での、道路沿い及び鉄道施設用地に沿った、芝土での、並びに芝土、ゴルフコース及び牧場などの芝生上での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、ヒト及び/又は連れによって占有されてもよい家屋及び他の建物、農場、大牧場、動物園又は他の動物での無脊椎有害生物駆除が含まれる。本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、建物に使用された木材又は他の構造材料に損害を与え得るシロアリなどの有害生物の駆除が含まれる。
【0378】
本化合物及び組成物の非農学的使用にはまた、寄生性であるか、又は伝染病をうつす無脊椎有害生物を駆除することによるヒト及び動物の健康の保護が含まれる。動物寄生生物の駆除には、ホスト動物の体の表面(例えば、肩、脇の下、腹部、大腿部の内側部)に寄生する外部寄生生物及びホスト動物の体の内部(例えば、胃、腸、肺、静脈、皮下、リンパ組織)に寄生する内部寄生生物の駆除が含まれる。外部寄生性又は病気媒介有害生物には、例えば、ツツガムシの幼虫、マダニ(tick)、シラミ、蚊、ハエ、ダニ及びノミが含まれる。内部寄生生物には、犬糸状虫、十二指腸虫及び蠕虫が含まれる。本開示の化合物及び組成物は、動物上の寄生生物によるまん延又は感染の全身及び/又は非全身制御に好適である。本開示の化合物及び組成物は、外部寄生性有害生物又は病気媒介有害生物と闘うのに特に好適である。本開示の化合物及び組成物は、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、めんどり、七面鳥、アヒル、ガチョウ及びハチなどの、農作業動物;犬、猫、愛玩鳥及び観賞魚などの愛玩動物及び家畜;並びにハムスター、モルモット、ラットおよぶマウスなどの、いわゆる実験動物にはびこる寄生生物と闘うのに好適である。これらの寄生生物と闘うことによって、災難及びパフォーマンス低下(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜜の観点からの)が低減され、その結果本開示の化合物を含む組成物の適用は、動物のより経済的な、且つ、簡単な畜産を可能にする。
【0379】
農学的若しくは非農学的な無脊椎有害生物の例には、鱗翅目(Lepidoptera)、ヤガ科(Noctuidae)における、例えば、ヨトウムシ、ネキリムシ、シャクトリムシ、及びタバコガ(例えば、ピンクステムボーラー(イネヨトウ(Sesamia inferens)Walker)、コーンスタークボーラー(セサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides)Lefebvre)、南部ヨトウムシ(スポドプテラ・エリダニア(Spodopteraeridania)Cramer)、ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)J.E.Smith)、シロイチモジヨトウガの幼虫(シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)Huebner)、コットンリーフワーム(スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)Boisduval)、イエローストリップトヨトウムシ(スポドプテラ・オルニトガリ(Spodoptera ornithogalli)Guenee)、ブラックネキリムシ(タマナヤガ(Agrotis ipsilon)Hufnagel)、ベルベットビーンイモムシ(アンチカルシア・ゲムマタリス(Anticarsia gemmatalis)Huebner)、グリーンフルーツワーム(リトファン・アンテンナタ(Lithophane antennata)Walker)、キャベツヨトウムシ(ヨトウガ(バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)Linnaeus)、ダイズシャクトリムシ(プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)Walker)、イラクサギンウワバ(イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)Huebner)、タバコバドワーム(ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)Fabricius))における卵、幼虫及び成虫;メイガ科(Pyralidae)からのボーラー、繭を作る昆虫、ウェブワーム、コーンワーム、キャベッジワーム及び葉を食い荒らす虫(例えば、ヨーロッパコーンボーラー(オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)Huebner)、ネーブルオレンジワーム(アミエロイス・トランシテラ(Amyelois transitella)Walker)、コーンルートウェブワーム(クランブス・カリギノセルス(Crambus caliginosellus)Clemens)、ソッドウェブワーム(メイガ科(Pyralidae):蠕ツトガ科(Crambinae))、例えば、ソッドワーム(ヘルペトグランマ・リカルシサリス(Herpetogramma licarsisalis)Walker)、サトウキビステムボーラー(チロ・インフスカテルラス(Chilo infuscatellus)Snellen)、トマトスモールボーラー(ネオロイシノデス・エレガンタリス(Neoleucinodes elegantalis)Guenee)、グリーンハマキムシ(コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis))、ブドウリーフフォルダー(デスミア・フネラリス(Desmia funeralis)Huebner)、メロンワーム(ディアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)Stoll)、キャベッジセンターグラブ(ヘルアラ・ヒドラリス(Helluala hydralis)Guenee)、イエローステムボーラー(サンカメイチュウ(Scirpophaga incertulas)Walker)、アーリーシュートボラー(オオメイガ・インフスカテラス(Scirpophaga infuscatellus)Snellen)、ホワイトステムボーラー(スシルポファガ・インノタタ(Scirpophaga innotata)Walker)、トップシュートボーラー(スシルポファガ・ニベラ(Scirpophaga nivella)Fabricius)、ダークヘッドのライスボーラー(チロ・ポリクリスス(Chilo polychrysus)Meyrick)、ストライプドライスボーラー(ニカメイガ(Chilo suppressalis)Walker)、キャベツクラスターイモムシ(クロシドロミア・ビノタリス(Crocidolomia binotalis)English));ハマキガ科(Tortricidae)におけるハマキムシ、ブッドワーム、シードワーム、及びフルーツワーム(例えば、コドリンガ(コドリンガ(Cydia pomonella)Linnaeus)、グレープベリーガ(エンドピザ・ビテアナ(Endopiza viteana)Clemens)、ナシヒメシンクイ(ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)Busck)、ミカンニセコドリンガ(クリプトフレビア・ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)Meyrick)、シトラスボーラー(ギムナンドロソマ・アウランチアヌム(エクジトロファ・アウランチアナ(Ecdytolopha aurantiana)Lima)、赤色縞ハマキムシ(アルギロテニア・ベルチナナ(Argyrotaenia velutinana)Walker)、斜め縞ハマキムシ(コリストネウラ・ロサセアナ(Choristoneura rosaceana)Harris)、薄茶リンゴガ(エピフィアス・ポスティフィッタナ(Epiphyas postvittana)Walker)、ヨーロッパグレープベリーガ(エウポエシリア・アムビグエラ(Eupoecilia ambiguella)Huebner)、リンゴ芽ガ(パンデミス・ピルサナ(Pandemis pyrusana)Kearfott)、雑食性ハマキムシ(プラチノタ・スツルタナ(Platynota stultana)Walsingham)、縞のある果樹ハマキガ(パンデミス・セラサナ(Pandemis cerasana)Huebner)、リンゴブラウンハマキガ(パンデミス・ヘパラナ(Pandemis heparana)Denis&Schiffermueller));
並びに多くの他の経済的に重要な鱗翅目(lepidoptera)(例えば、コナガ(コナガ(Plutella xylostella)Linnaeus)、ワタキバガの幼虫(ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)Saunders)、マイマイガ(マイマイガ(Lymantria dispar)Linnaeus)、モモ果実ボーラー(カルポシナ・ニポネンシス(Carposina niponensis)Walsingham)、モモ小枝ボーラー(アナルシア・リネアテラ(Anarsia lineatella)Zeller)、ジャガイモキバガの幼虫(ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)Zeller)、スポテッドテニフォームハモグリムシ(リソコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)Fabricius)、アジアリンゴハモグリムシ(リソコレティス・リンゴニエラ(Lithocolletis ringoniella)Matsumura)、ライスリーフフォルダー(レロデア・エウファラ(Lerodea eufala)Edwards)、リンゴハモグリムシ(ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)Zeller));チャバネゴキブリ科(Blattellidae)及びゴキブリ科(Blattidae)からのゴキブリを含めたゴキブリ目(Blattodea)(例えば、トウヨウゴキブリ(トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)Linnaeus)、アジアゴキブリ(ブラッテラ・アサヒナイ(Blatella asahinai)Mizukubo)、ドイツゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)Linnaeus)、褐色縞ゴキブリ(スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)Fabricius)、ワモンゴキブリ(ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)Linnaeus)、ブラウンゴキブリ(ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)Burmeister)、マデイラゴキブリ(ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)Fabricius))、スモーキーブラウンゴキブリ(ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)Service)、オーストラリアゴキブリ(ペリプラネタ・オーストララシアエ(Periplaneta australasiae)Fabr.)、ロブスターゴキブリ(ナウホエタ・シネレア(Nauphoeta cinerea)Olivier)及びスムースゴキブリ(シムプロセ・パレンス(Symploce pallens)Stephens))の卵、若虫及び成虫;ヒゲナガゾウムシ科(Anthribidae)、マメゾウムシ科(Bruchidae)、及びゾウムシ科(Curculionida)からのゾウムシを含めた甲虫目(Coleoptera)の卵、葉面摂食、果物摂食、根摂食、種子摂食並びに小胞状組織摂食幼虫及び成虫(例えば、ワタミハナゾウムシ(アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)Boheman)、イネミズゾウムシ(リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)Kuschel)、穀物倉ゾウムシ(シトフィラス・グラナリウス(Sitophilus granarius)Linnaeus)、ライスゾウムシ(シトフィラス・オリザエ(Sitophilus oryzae)Linnaeus))、スズメノカラビラゾウムシ(リストロノツス・マキュリコリス(Listronotus maculicollis)Dietz)、ブルーグラスゾウムシ(スフェノフォルス・パルウルス(Sphenophorus parvulus)Gyllenhal)、シバオサゾウムシ(スフェノフォルス・ベナタス・ベスチタス(Sphenophorus venatus vestitus))、デンバーゾウムシ(スフェノフォルス・シカトリストリツス(Sphenophorus cicatristriatus)Fahraeus));ハムシ科(Chrysomelida)におけるノミハムシ、ウリハムシ、ルートワーム、ハムシ、コロラドハムシ、及びハモグリムシ(例えば、コロラドハムシ(コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)Say)、ウェスタンコーンルートワーム(ジアブロチカ・ビルギフェラ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)LeConte));コガネムシ科(Scarabaeidae)からのコガネムシ及び他の甲虫(例えば、マメコガネ(マメコガネ(Popillia japonica)Newman)、セマダラコガネ(アノマラ・オリエンタリス(Anomala orientalis)Waterhouse、セマダラコガネ(Exomala orientalis)(Waterhouse)Baraud)、北部コガネカブト(シクロセファラ・ボレアリス(Cyclocephala borealis)Arrow)、南部コガネカブト(シクロセファラ・イマキュラタ(Cyclocephala immaculata)Olivier又はC.lurida Bland)、フンコロガシ及び地虫(マグソコガネ属(Aphodius)の種)、クソコガネの1種(アタエニウス・スプレツルス(Ataenius spretulus)Haldeman)、アオコフキコガネ(コチニス・ニチダ(Cotinis nitida)Linnaeus)、アカビロウドコガネ(アカビロウドコガネ(Maladera castanea)Arrow)、コフキコガネ(フィロファガ(Phyllophaga)種)及びヨーロッパコガネムシ(リオトウス・マジャリス(Riotous majalis)Razoumowsky));カツオブシムシ科(Dermestidae)からのカツオブシムシ;コメツキムシ科(Elateridae)からのコメツキムシ幼虫;キクイムシ科(Scolytidae)からのキクイムシ、及びゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)からのコクヌストモドキが含まれる。
【0380】
さらに、農学的及び非農学的有害生物には、クギヌキハサミムシ科(Forficulidae)からのハサミムシ(例えば、ヨーロッパハサミムシ(フォルフィキュラ・オーリキュラリア(Forficula auricularia)Linnaeus)、ブラックハサミムシ(チェリソチェス・モリオ(Chelisoches morio)Fabricius))を含めた革翅目(Dermaptera)の卵、成虫及び幼虫;半翅目(Hemiptera)、例えば、メクラカメムシ科(Miridae)からのカスミカメムシ、セミ科(Cicadidae)からのセミ、オオヨコバイ科(Cicadellidae)からのリーフホッパー(例えば、ミドリヒメヨコバイ属(Empoasca)の種)、トコジラミ科(Cimicidae)からのトコジラミ(例えば、シメックス・レクチュラリウス(Cimex lectularius)Linnaeus)、ビワハゴロモ科(Fulgoridae)及びウンカ科(Delphacidae)からのウンカ、ツノゼミ科(Membracidae)からのツノゼミ、ヒラズキジラミ科(Liviidae)、キジラミ科(Psyllidae)及びトガリキジラミ科(Triozidae)からのキジラミ、コナジラミ科(Aleyrodidae)からのコナジラミ、アブラムシ科(Aphididae)からのアブラムシ、ネアブラムシ科(Phylloxeridae)からのネアブラムシ、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)からのコナカイガラムシ、カタカイガラムシ科(Coccidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)及びワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)からのカイガラムシ、グンバイムシ科(Tingidae)からのグンバイムシ、カメムシ科(Pentatomidae)からのカメムシ、アメリカコバネナガカメムシ(例えば、毛深いアメリカコバネナガカメムシ(ブリサス・ロイコプテルス・ヒルツス(Blissus leucopterus hirtus)Montandon)及び南部アメリカコバネナガカメムシ(ブリサス・インスラリス(Blissus insularis)Barber))並びにナガカメムシ科(Lygaeidae)からの他のシードバグ、アワフキムシ科(Cercopidae)からのアワフキムシ、ヘリカメムシ科(Coreidae)からのヘリカメムシ、並びにホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)からのアカホシカメムシ及びコットンステイナーの卵、幼体、成虫及び若虫が含まれる。
【0381】
農学的及び非農学的有害生物にはまた、ダニ目(Acari)(ダニ)、例えば、ハダニ科(Tetranychidae)におけるハダニ及びアカダニ(例えば、ヨーロッパアカダニ(リンゴハダニ(Panonychus ulmi)Koch)、ナミハダニ(ナミハダニ(Tetranychus urticae)Koch)、McDanielダニ(テトラニクス・マクダニエリ(Tetranychus mcdanieli)McGregor));ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)におけるフラットダニ(例えば、シトラスフラットダニ(ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)McGregor));フシダニ科(Eriophyidae)におけるサビダニ及び芽ダニ、及び他の葉面摂食ダニ、及びヒト及び動物の健康において重要なダニ、すなわち、トリハダダニ科(Epidermoptidae)におけるチリダニ、ニキビダニ科におけるニキビダニ、ニクダニ科(Glycyphagidae)におけるコナダニ;カタダニとして一般に知られるマダニ科(Ixodidae)におけるダニ(例えば、シカダニ(イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)Say)、オーストラリアまひダニ(イクソデス・ホロシクラス(Ixodes holocyclus)Neumann)、アメリカイヌダニ(デルマセンター・バリアビリス(Dermacentor variabilis)Say)、ローンスターダニ(アンブリオマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)Linnaeus))、及びヒメダニとして一般に知られるヒメダニ科(Argasidae)におけるダニ(例えば、回帰熱ダニ(オルニトドロス・ツリカタ(Ornithodoros turicata))、一般家禽ダニ(アルガス・ラジアツス(Argas radiatus)));キュウセンダニ科(Psoroptidae)、シラミダニ科(Pyemotidae)、及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)におけるヒゼンダニ及び疥癬虫の卵、幼虫、若虫及び成虫;バッタ、ワタリバッタ及びコオロギ(例えば、移住性バッタ(例えば、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)Fabricius、M.ディファレンシャリス(M.differentialis)Thomas)、アメリカバッタ(例えば、シストセルカ・アメリカーナ(Schistocerca americana)Drury)、砂漠ワタリバッタ(サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)Forskal)、移住性ワタリバッタ(ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)Linnaeus)、ブッシュワタリバッタ(ゾノセラス(Zonocerus)種)、イエコオロギ(アセタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)Linnaeus)、ケラ(例えば、黄褐色ケラ(スカプテリスクス・ビシナス(Scapteriscus vicinus)Scudder)及び南部ケラ(スカプテリスクス・ボレリイ(Scapteriscus borellii)Giglio-Tos))を含めた直翅目(Orthoptera)の卵、成虫及び幼体;ハモグリムシ(例えば、リリオミザ属(Liriomyza)の種、例えば、マメ野菜ハモグリムシ(トマトモグリバエ(Liriomyza sativae)Blanchard))、ミジ、ショウジョウバエ(ミバエ科(Tephritidae))、キモグリ(例えば、オスシネラ・フリット(Oscinella frit)Linnaeus)、ソイルマゴット、イエバエ(例えば、イエバエ(Musca domestica)Linnaeus)、小イエバエ(例えば、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)Linnaeus、F.フェモラリス(F.femoralis)Stein)、サシバエ(例えば、サシバエ(Stomoxys calcitrans)Linnaeus)、フェースフライ、ノサシバエ、クロバエ(例えば、オビキンバエ属(Chrysomya)の種、ホルミア(Phormia)種)、及び他のキンバエ有害生物、ウマバエ(例えば、アブ属(Tabanus)の種)、ウマバエ(例えば、ウマバエ属(Gastrophilus)の種、オエストルス(Oestrus)種)、ウシバエ(例えば、ヒフバエ属(Hypoderma))、メクラアブ(例えば、クリソップス(Chrysops)種)、ヒツジシラミバエ(例えば、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)Linnaeus)及び他の短角類、カ(例えば、ヤブカ属(Aedes)の種、ハマダラカ属(Anopheles)の種、イエカ属(Culex)の種)、ブヨ(例えば、プロシムリウム(Prosimulium)種、シムリウム属(Simulium)の種)、ヌカカ、スナバエ、クロバネキノコバエ、並びにネギアザミウマ(ネギアザミウマ(Thrips tabaci)Lindeman)、ヒラズハナアザミウマ(フランクリニエラ属(Frankliniella)の種)、及び他の葉面摂食アザミウマを含めた他の糸角類を含めた双翅目(Diptera)の卵、成虫及び幼体;アザミウマ目(Thysanoptera)の卵、成虫及び幼体;フロリダオオアリ(カムポノツス・フロリダヌス(Camponotus floridanus)Buckley)、アカオオアリ(カムポノツス・フェルギネウス(Camponotus ferrugineus)Fabricius)、クロオオアリ(カムポノツス・ペンシルバニクス(Camponotus pennsylvanicus)De Geer)、シロアシアリ((テクノミルメックス・アルビペス(Technomyrmex albipes)fr.Smith)、オオアタマアリ(フェイドール(Pheidole)種)、ゴーストアリ(タピノマ・メラノセファルム(Tapinoma melanocephalum)Fabricius)を含めたアリ科(Formicidae)のアリを含めた膜翅目(Hymenoptera)の害虫;イエヒメアリ(モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)Linnaeus)、チビヒアリ(ワスマニア・アウロプンクタータ(Wasmannia auropunctata)Roger)、ヒアリ(ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)Fabricius)、アカヒアリ(ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)Buren)、アルゼンチンアリ(イリドミルメックス・フミリス(Iridomyrmex humilis)Mayr)、クレイジーアリ(パラトレキナ・ロンギコルニス(Paratrechina longicornis)Latreille)、ペイブメントアリ(テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)Linnaeus)、トウモロコシ畑アリ(ラシウス・アリエヌス(Lasius alienus)Forster)及び臭いのあるイエアリ(タピノマ・セシル(Tapinoma sessile)Say)が含まれる。ハチ(クマバチを含めた)、スズメバチ、イエロー・ジャケット、カリバチ、及びハバチ(ネオジプリオン属(Neodiprion)の種を含めた他の膜翅目(Hymenoptera);セフス属(Cephus)の種);
シロアリ科(Termitidae)におけるシロアリ(例えば、マクロテルメス属(Macrotermes)の種、オドントテルメス・オベサス(Odontotermes obesus)Rambur)、レイビシロアリ科(Kalotermitidae)(例えば、クリプトテルメス属(Cryptotermes)の種)、及びミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)(例えば、レチクリテルメス属(Reticulitermes)の種、コプトテルメス属(Coptotermes)の種、ヘテロテルメス・テヌイス(Heterotermes tenuis)Hagen)、東部地下シロアリシロアリ(レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)Kollar)、西部地下シロアリ(レチクリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)Banks)、イエシロアリ(コプトテルメス・ホルモサヌス(Coptotermes formosanus)Shiraki)、ウエストインディアンドライウッドシロアリ(インシシテルメス・イミグランス(Incisitermes immigrans)Snyder)、パウダーポストシロアリ(クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)Walker)、ドライウッドシロアリ(インシシテルメス・スナイデリ(Incisitermes snyderi)Light)、南東部地下シロアリ(レチクリテルメス・バージニカス(Reticulitermes virginicus)Banks)、西部ドライウッドシロアリ(インシシテルメス・ミノル(Incisitermes minor)Hagen)、樹上シロアリ、例えば、ナスティテルメス属(Nasutitermes)の種及び経済的に重要な他のシロアリを含めた等翅目(Isoptera)の害虫;総尾目(Thysanura)の害虫、例えば、シミ(レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)Linnaeus)及びマダラシミ(テルモビア・ドメスチカ(Thermobia domestica)Packard);アタマジラミ(ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis De Geer)、コロモジラミ(ペジクルス・フマヌス(Pediculus humanus)Linnaeus)、ニワトリジラミ(メナカンタス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)Nitszch)、犬刺咬シラミ(トリコデクテス・カニス(Trichodectes canis)De Geer)、綿毛状シラミ(ゴニオコテス・ガリナエ(Goniocotes gallinae)De Geer)、ヒツジジラミ(ボビコラ・オビス(Bovicola ovis)Schrank)、ウシジラミ(ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)Nitzsch)、ハナナガウシジラミ(リノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)Linnaeus)並びにヒト及び動物を攻撃する他の吸血及び刺咬寄生性シラミを含めたハジラミ目(Mallophaga)の害虫;オリエンタルラットノミ(ケオピスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)Rothschild)、ネコノミ(シテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)Bouche)、イヌノミ(シテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)Curtis)、ニワトリノミ(セラトフィラス・ガリナエ(Ceratophyllus gallinae)Schrank)、吸着ノミ(エキドノファガ・ガリナセア(Echidnophaga gallinacea)Westwood)、ヒトノミ(プレックス・イリタンス(Pulex irritans)Linnaeus)及び哺乳動物及び鳥に影響を及ぼす他のノミを含めたノミ目(Siphonoptera)の害虫。カバーされるさらなる節足動物有害生物には、真正クモ目(Araneae)におけるクモ、例えば、ドクイトグモ(ロクソスセレス・レクルーサ(Loxosceles reclusa)Gertsch&Mulaik)及びクロゴケグモ(ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)Fabricius)、並びにゲジ目(Scutigeromorpha)におけるムカデ、例えば、イエムカデ(スクチゲラ・コレオプトラタ(Scutigera coleoptrata)Linnaeus)が含まれる。
【0382】
貯蔵した穀物の無脊椎有害生物の例には、ナガシンクイムシ(プロステファヌス・トルンカツス(Prostephanus truncatus))、コナナガシンクイムシ(リゾペルタ・ドミニカ(Rhyzopertha dominica))、ライスゾウムシ(シトフィラス・オリザエ(Sitophilus oryzae))、トウモロコシゾウムシ(シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais))、ヨツモンマメゾウムシ(カロソブルーカス・マキュラタス(Callosobruchus maculatus))、コクヌストモドキ(トリボリウム・カスタネウム(Tribolium castaneum))、穀物倉ゾウムシ(シトフィラス・グラナリウス(Sitophilus granarius))、ノシメマダラメイガ(プロディア・インタープンクテラ(Plodia interpunctella))、地中海コクヌストモドキ(エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuhniella))及びクムネコクヌスト又はサビカクムネヒラタムシ(クリプトレステス・フェルギノイス(Cryptolestis ferrugineus))が含まれる。
【0383】
本開示の化合物は、経済的に重要な農業有害生物(すなわち、メロイドギネ属(Meloidogyne)の根瘤線形動物、プラチレンクス属(Pratylenchus)のネグサレセンチュウ(lesion nematodes)、トリコドルス属(Trichodorus)のユミハリセンチュウ(stubby root nematodes)など)並びに動物及びヒト健康有害生物(すなわち、馬における普通円虫(Strongylus vulgaris)、犬におけるイヌ回虫(Toxocara canis)、羊における捻転胃虫(Haemonchus contortus)、犬における犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、馬における寄生蠕虫類(Anoplocephala perfoliata)、反すう動物における肝テツ(Fasciola hepatica Linnaeus)などの、すべての経済的に重要な吸虫、条虫、及び回虫など)などの、しかしそれらに限定されない円虫目、カイチュウ目、蟯虫、桿線虫目、旋尾線虫目、及びエノプルス目の商業的に重要なメンバーを含む線虫綱、条虫綱、吸虫綱、及びこう頭虫鋼のメンバーへの活性を有する可能性がある。
【0384】
本開示の化合物は、鱗翅目の有害生物(例えば、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)Huebner(コットンリーフワーム)、アルキプス・アルギロスピラ(Archips argyrospila)Walker(フルーツツリーリーフローラー)、A.ロサナ(A.rosan)Linnaeus(ヨーロッパリーフローラー)及び他のアルキプス種、チロ・スプレッサリス(Chilo suppressalis)Walker(ライスステムボーラー)、クナファロクロシス・メジナリス(Cnaphalocrosis medinalis)Guenee(ライスリーフローラー)、クランブス・カリギノセルラス(Crambus caliginosellus)Clemens(コーンルートウェブワーム)、クランブス・テテレルス(Crambus teterrellus)Zincken(ブルーグラスウェブワーム)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)Linnaeus(コドリンガ)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)Boisduval(スパイニーボウルワーム)、エアリアス・ビッテラ(Earias vittella)Fabricius(スポテッドボウルワーム)、ヘリコヴェルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)Huebner(アメリカン・ボウルワーム)、ヘリコヴェルパ・ゼア(Helicoverpa zea)Boddie(アメリカタバコガの幼虫)、ヘリオティス・ビレスセンス(Heliothis virescens)Fabricius(ニセアメリカタバコガ)、ヘルペトグランマ・リカルシサリス(Herpetogramma licarsisalis)Walker(ソッドウェブワーム)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)Denis & Schiffermueller(グレープベリー蛾)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)Saunders(ワタアカミムシガの幼虫)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)Stainton(ミカンハモグリバエ)、ピエリス・ブラシカエ(Pieris brassicae)Linnaeus(ラージホワイトバタフライ)、ピエリス・ラパエ(Pieris rapae)Linnaeus(スモールホワイトバタフライ)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)Linnaeus(コナガ)、スポドプテラ・エグジグア(Spodoptera exigua)Huebner(シロイチモンジョトウ)、スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura)Fabricius(ハスモンヨトウ、クラスターいも虫)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)J.E.Smith(ツマジロクサヨトウ)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)Huebner(キャベツシャクトリムシ)及びツタ・アブソルタ(Tuta absoluta)Meyrick(トマトハモグリバエ))に対して特に高い活性を示す。
【0385】
本開示の化合物はまた、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)Harris(エンドウヒゲナガアブラムシ)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)Koch(ササゲアブラムシ)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)Scopoli(クロマメアブラムシ)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)Glover(ワタアブラムシ、メロンアブラムシ)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)De Geer(リンゴアブラムシ)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)Patch(スピレアアブラムシ)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)Kaltenbach(フォックスグローブアブラムシ)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)Cockerell(イチゴアブラムシ)、ジウラフィス・ノキシア(Diuraphis noxia)Kurdjumov/Mordvilko(ロシアコムギアブラムシ)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)Passerini(バラ色リンゴアブラムシ)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)Hausmann(リンゴワタムシ)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)Geoffroy(ミーリープラムアブラムシ)、リパフィス・プソイドブラッシカ(Lipaphis pseudobrassicae)Davis(ニセダイコンアブラムシ)、メトポロフィウム・ジルホズム(Metopolophium dirhodum)Walker(穀物アブラムシ)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)Thomas(ジャガイモアブラムシ)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)Sulzer(モモ-ジャガイモアブラムシ、モモアカアブラムシ)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)Mosley(レタスアブラムシ)、天疱瘡(Pemphigus)種(根アブラムシ及びコブアブラムシ)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)Fitch(トウモロコシアブラムシ)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)Linnaeus(バードチェリー-オートアブラムシ)、シザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)Rondani(ムギミドリアブラムシ)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)Fabricius(イングリッシュグレインアブラムシ)、テリオアフィス・マクラタ(Therioaphis maculata)Buckton(スポテッドアルファルファアブラムシ)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)Boyer de Fonscolombe(黒ミカンアブラムシ)、及びトキソプテラ・シトリシズス(Toxoptera citricidus)Kirkaldy(茶ミカンアブラムシ);アデルゲス属(Adelges)の種(カサアブラムシ);フィロキセラ・デバスタトリクス(Phylloxera devastatrix)Pergande(ペカンフィロキセラ);タバココナジラミ(Bemisia tabaci)Gennadius(タバココナジラミ、サツマイモコナジラミ)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)Bellows&Perring(シルバーリーフコナジラミ)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)Ashmead(ミカンコナジラミ)及びオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)Westwood(オンシツコナジラミ);エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)Harris(ポテトリーフホッパー)、ラオデルファックス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)Fallen(スモーラーブラウンプラントホッパー)、マクロレステス・クアドリリネアツス(Macrosteles quadrilineatus)Forbes(アスターリーフホッパー)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)Uhler(グリーンリーフホッパー)、ネフォテティクス・ニグロピクツス(Nephotettix nigropictus)Stal(ライスリーフホッパー)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)Stal(ブラウンプラントホッパー)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)Ashmead(コーンプラントホッパー)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)Horvath(ホワイトバックドプラントホッパー)、タゴソデス・オリジコルス(Tagosodes orizicolus)Muir(ライスデルファシッド)、ティフロシバ・ポマリア(Typhlocyba pomaria)McAtee(ホワイトアップルリーフホッパー)、エリトロネウラ属(Erythroneura)の種(ブドウリーフホッパー);マギシダダ・セプテンデシム(Magicidada septendecim)Linnaeus(周期ゼミ);イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)Maskell(ワタフキカイガラムシ)、クアドラスピディオツス・ペルニシオサス(Quadraspidiotus perniciosus)Comstock(サンホセカイガラムシ);ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)Risso(ミカンコナカイガラムシ);シュードコッカス属(Pseudococcus)の種(他のコナカイガラムシ複合体);カコプシラ・ピリコラ(Cacopsylla pyricola)Foerster(セイヨウナシキジラミ)、トリオザ・ジオスピリ(Trioza diospyri)Ashmead(カキキジラミ)を含めた半翅目(Hemiptera)からのメンバーに対してかなりの活性を有し得る。
【0386】
本開示の化合物はまた、アクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hilare)Say(アオカメムシ)、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)De Geer(ヘリカメムシ)、ブリサス・ロイコプテラス・ロイコプテラス(Blissus leucopterus leucopterus)Say(アメリカコバネナガカメムシ)、シメックス・レクチュラリウス(Cimex lectularius)Linnaeus(トコジラミ)コリツカ・ゴッシピイ(Corythuca gossypii)Fabricius(コットンレースバグ)、シルトペルチス・モデスタ(Cyrtopeltis modesta)Distant(トマトバグ)、ディスデルカス・スツレルス(Dysdercus suturellus)Herrich-Schaffer(コットンステイナー)、オイスキスツス・セルブス(Euchistus servus)Say(ブラウンカメムシ)、オイスキスツス・バリオラリウス(Euchistus variolarius)Palisot de Beauvois(ワンスポッテッドカメムシ)、ヒメマダラナガカメムシ属(Graptosthetus)の種(シードバグの複合体)、クサギカメムシ(Halymorpha halys)Stal(ブラウン大理石様カメムシ)、レプトグロッスス・コルクルス(Leptoglossus corculus)Say(リーフフーティッドパインシードバグ)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)Palisot de Beauvois(ミドリメクラガメ)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)Linnaeus(ミナミアオカメムシ)、オエバラス・プグナクス(Oebalus pugnax)Fabricius(ライスカメムシ)、オンコペルタス・ファシアタス(Oncopeltus fasciatus)Dallas(ラージミルクウィードバグ)、シューダトモスセリス・セリアツス(Pseudatomoscelis seriatus)Reuter(コットンフリーホッパー)を含めた半翅目(Hemiptera)からのメンバーに対して活性を有する。本開示の化合物によって防除される他の昆虫目には、アザミウマ目(Thysanoptera)(例えば、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)Pergande(ミカンキイロアザミウマ)、シルトトリプス・シトリ(Scirthothrips citri)Moulton(ミカンアザミウマ)、シルトトリプス・バリアビリス(Sericothrips variabilis)Beach(ダイズアザミウマ)、及びネギアザミウマ(Thrips tabaci)Lindeman(ネギアザミウマ));並びに甲虫目(Coleoptera)(例えば、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)Say(コロラドハムシ)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)Mulsant(インゲンテントウ)、及びアグリオテス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)又はリモニウス属(Limonius)のコメツキムシ幼虫)が含まれる。
【0387】
注目すべきは、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、コナガ(プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella))を防除するための、本開示の化合物の使用である。注目すべきは、ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペドラ(Spodoptera frugiperda))を防除するための、本開示の化合物の使用である。
【0388】
本開示の化合物はまた、作物の成長力を高めるのに有用でる。本方法は、作物(例えば、群葉、花、果実若しくは根)又は作物がそれから成長する種子を、所望の植物成長力効果を達成するのに十分な量(すなわち、生物学的有効量)の式1の化合物と接触させる工程を含む。典型的には式1の化合物は、調合組成物で適用される。式1の化合物は多くの場合作物又はその種子に直接適用されるが、それはまた、作物の場所、すなわち、作物の環境、特に式1の化合物を作物に移動させるのに十分に接近した環境の部分に適用される。本方法にとって適切な場所は、最も一般的には成長培地(すなわち、植物に栄養物を提供する媒体)、典型的には植物がそこで成長する土壌を含む。作物の成長力を高めるための作物の処理はしたがって、作物、作物がそれから成長する種子又は作物の場所を、生物学的有効量の式1の化合物と接触させる工程を含む。
【0389】
高められた作物成長力は、以下の観察される効果の1つ若しくは複数をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物出現及び作物群生によって実証されるような最適作物体系;(b)速い及び頑丈な葉成長(例えば、葉面積指数によって測定される)、植物高さ、ひこばえの数(例えば、イネについて)、根塊及び作物の植物塊の全体乾燥重量によって実証されるような高められた作物成長;(c)開花までの時間、開花の継続時間、花の数、総バイオマス蓄積(すなわち、収穫高)及び/又は農産物の果実若しくは穀物品位市場性(すなわち、収穫品質)によって実証されるような、改善された作物収量;(d)植物病気感染及び節足動物、線形動物又は軟体動物有害生物まん延に耐える又はそれらを防ぐ作物の高められた能力;並びに(e)極端な熱、準最適な湿気又は植物毒素化学薬品への暴露などの環境ストレスに耐える作物の高められた能力。
【0390】
本開示の化合物は、殺すか又は別のやり方で植物の環境での植食性の無脊椎有害生物の摂食を防ぐことによって未処理植物と比べて処理植物の成長力を高め得る。植食性の無脊椎有害生物のそのような駆除の不在下で、有害生物は、植物組織若しくは樹液を消費するか、又はウィルスなどの植物病原菌をうつすことによって植物成長力を低下させる。植食性の無脊椎有害生物の不在下でさえも、本開示の化合物は、植物の代謝を修正することによって植物成長力を高め得る。一般に、作物の成長力は、非理想的な環境、すなわち、それが理想的な環境で示すであろう最大限の遺伝子的ポテンシャルを達成する植物に不利な1つ若しくは複数の態様を含む環境で植物が成長させられる場合に、植物を本開示の化合物で処理することによって最も顕著に高められるであろう。
【0391】
作物が植食性の無脊椎有害生物を含む環境中で成長させられる作物の成長力を高める本方法に注目すべきである。作物が植食性の無脊椎有害生物を含まない環境中で成長させられる作物の成長力を高める本方法にも注目すべきである。作物が作物の成長を支えるのに理想的なものよりも少ない水分量を含む環境中で成長させられる作物の成長力を高める本方法にも注目すべきである。作物がイネである作物の成長力を高める本方法に注目すべきである。作物がトウモロコシ(コーン)である作物の成長力を高める本方法にも注目すべきである。作物が大豆である作物の成長力を高める本方法にも注目すべきである。
【0392】
本開示の化合物はまた、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調整物質、例えば昆虫脱皮阻害剤及び発根刺激剤など、不妊化剤、情報物質、忌避剤、誘引物質、フェロモン、摂食刺激剤、他の生物学的に活性な化合物若しくは昆虫病原性細菌、さらにより幅広いスペクトルの農学的及び農学的有用性を与える多成分殺有害生物剤を形成するためのウィルス若しくは真菌類を含む1つ若しくは複数の他の生物学的に活性な化合物若しくは試剤と混合することができる。したがって、本開示はさらに、生物学的有効量の式1の化合物、界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群より選択される少なくとも1種の追加の成分、並びに少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤を含む、組成物にも関する。本開示の混合物では、他の生物活性化合物又は薬剤を、本発明の化合物(式1の化合物)とともに配合して、プレミックスを形成させることが可能であるか、又は、他の生物活性化合物又は薬剤を、本発明の化合物(式1の化合物を含む)とは別途に配合して、その2種の配合物を共に(例えば、噴霧タンク中で)組み合わせた後で施用するか、又は別な方法として、順次に施用することも可能である。
【0393】
本開示の化合物とともに配合することが可能なそのような生物活性化合物又は薬剤の例は、例えば、以下の殺虫剤である:アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシレート)、アミドフルメット、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンズピリモキサン、ビフェントリン、カッパ-ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブロフラニリド、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾル、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロロプラレトリン、クロルピリホス、クロルピリホス-e、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロロプラレトリン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロル(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロプロトリン、シクロキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロロメソチアズ、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジンプロピリダズ、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エプシロン-メトフルトリン、エトキザゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカーボネート)、フロニカミド、フルアザインドリジン、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、フルエンスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルヘキサフォン、フルオピラム、フルピプロル(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルピリミン、フルバリネート、タウフルバリネート、フルキサメタミド、フォノホス、ホルメタネート、フォスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシレート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、エプシロン-メトフルトリン、エプシロン-モンフルオロトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、オキサゾスルフィル、パラチオン、パラチオンメチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルガイト、プロトリフェンブテ、ピフルブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセテート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロピジオン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロール(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、カッパ-テフルトリン、ターブホス、テトラクロラントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル 2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テトラニリプロル、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ--1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩)、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウィルス、又は昆虫病原性真菌。
【0394】
注目すべきは、例えば以下の殺虫剤である:アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドピロペン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、ブロフラニリド、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロロパレトリン、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロル、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エプシロン-メトフルトリン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フルキサメタミド、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフェンオキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロル、フルピリミン、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-シペルメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び核多角体病ウィルスのすべての菌株。
【0395】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態には、バチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、及びCellCap(登録商標)プロセスによって製造されるMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)バイオ殺虫剤(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USAの商標である)などのバチルス・チュウリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のカプセル化デルタ-エンドトキシンなどの昆虫病原性細菌;黒きょう病菌などの昆虫病原性真菌類;及びバキュロウィルス、核多核体病ウィルス(NPV)、例えばアメリカタバコガ(Helicoverpa zea)多核体病ウィルス(HzNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)多核体病ウィルス(AfNPV)などを含む昆虫病原性(天然に存在する及び遺伝子操作されたの両方の)ウィルス;並びにシディア・ポモネラ(Cydia pomonella)グラニュロシスウィルス(CpGV)などのグラニュロシスウィルス(GV)が含まれる。
【0396】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態は、(i)アクチノマイセス属(Actinomycetes)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、オーレオバクテリウム属(Aureobacterium)、アゾバクター属(Azobacter)、バチルス属(Bacillus)、ベイエリンキア属(Beijerinckia)、ブラディリゾビウム属(Bradyrhizobium)、ブレビバチルス属(Brevibacillus)、バークホルデリア属(Burkholderia)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、クラビバクター属(Clavibacter)、コマモナス属(Comamonas)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クルトバクテリウム属(Curtobacterium)、エンテロバクター属(Enterobacter)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ハイドロゲノファーガ属(Hydrogenophaga)、クレブシエラ属(Klebsiella)、メチロバクテリウム属(Methylobacterium)、パエニバチルス属(Paenibacillus)、パスツリア属(Pasteuria)、フォトラブダス属(Photorhabdus)、フィロバクテリウム属(Phyllobacterium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リゾビウム属(Rhizobium)、セラチア属(Serratia)、スフィンゴバクテリウム属(Sphingobacterium)、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、バリオボラックス属(Variovorax)、又はゼノラブダス属(Xenorhabdus)の細菌、例えば、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、クロモバクテリウム・スブツガ(Chromobacterium subtsugae)、パスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae)、パスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)、パスツリア・ユーセジ(Pasteuria usage)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、及びストレプトマイセス・リジクス(Streptomyces lydicus)の細菌;(ii)真菌、例えば、黒きょう病菌;(iii)バキュロウィルス、核多角体病ウィルス、例えば、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多角体病ウィルス、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウィルス;顆粒病ウィルス、例えば、コドリンガ(Cydia pomonella)顆粒病ウィルスを含めたウィルスの1つ又は組合せを含む。
【0397】
他の無脊椎有害生物駆除活性成分が、異なる化学的分類に属するか、又は式1の化合物とは異なる作用部位を有するそのような組み合わせに特に注目すべきである。ある種の場合には、類似の駆除スペクトルを有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1つの他の無脊椎有害生物駆除活性成分との組み合わせは、耐性管理のために特に有利であろう。したがって、本開示の組成物は、類似の駆除スペクトルを有するが、異なる化学的分類に属するか又は異なる作用部位を有する生物学的有効量の少なくとも1つの追加の無脊椎有害生物駆除活性成分をさらに含むことができる。これらのさらなる生物活性化合物又は薬剤には、これらに限定されないが、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えば、カルバメートであるメソミル、オキサミル、チオジカルブ、トリアザメート、及び有機ホスフェートであるクロルピリホス;GABA作動性クロライドチャネルアンタゴニスト、例えば、シクロジエンであるジエルドリン及びエンドスルファン、並びにフェニルピラゾールであるエチプロール及びフィプロニル;ナトリウムチャネルモジュレーター、例えば、ピレスロイドであるビフェントリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレ-ト、メトフルトリン及びプロフルトリン;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト、例えば、ネオニコチノイドであるアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、及びチアメトキサム、及びスルホキサフロル;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤、例えば、スピノシンであるスピネトラム及びスピノサド;クロライドチャネル活性化剤、例えば、アベルメクチンであるアバメクチン及びエマメクチン;幼若ホルモン模倣物、例えば、ジオフェノラン、メトプレン、フェノキシカルブ及びピリプロキシフェン;選択的同翅類摂食遮断薬、例えば、ピメトロジン及びフロニカミド;ダニ成長抑制剤、例えば、エトキサゾール;ミトコンドリアATPシンターゼの阻害剤、例えば、プロパルギット;プロトン勾配の途絶による酸化的リン酸化の脱共役剤、例えば、クロルフェナピル;ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断薬、例えば、ネライストキシン類似体であるカルタップ;キチン生合成の阻害剤、例えば、ベンゾイル尿素であるフルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン及びトリフルムロン、及びブプロフェジン;双翅類脱皮撹乱物質、例えば、シロマジン;エクジソン受容体アゴニスト、例えば、ジアシルヒドラジンであるメトキシフェノジド及びテブフェノジド;オクトパミン受容体アゴニスト、例えば、アミトラズ;ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害剤、例えば、ハイドラメチルノン;ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害剤、例えば、ピリダベン;電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、インドキサカルブ;アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤、例えば、テトロン酸及びテトラミン酸であるスピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマト;ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害剤、例えば、β-ケトニトリルであるシエノピラフェン及びシフルメトフェン;リアニジン受容体モジュレーター、例えば、アントラニル酸ジアミドであるクロラントラニリプロール、シアントラニリプロール及びシアントラニリプロール、ジアミド、例えば、フルベンジアミド、及びリアノジン受容体配位子、例えば、リアノジン;生物活性に関与している標的部位が未知であるか若しくは特性決定されていない化合物、例えば、アザジラクチン、ビフェナゼート、ピリダリル、ピリフルキナゾン及びトリフルメゾピリム;昆虫中腸膜の微生物撹乱物質、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringensis)及びこれらが産生するデルタ-内毒素及びバチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus);並びに核多核体病ウィルス(NPV)及び他の天然又は遺伝子改変された殺虫性ウィルスを含めた生物学的作用物質が含まれる。
【0398】
本開示の化合物をそれとともに配合することができる生物活性化合物又は薬剤のさらなる例は、殺真菌剤、例えば、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミノピリフェン、アミスルブロム、アリラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含めた)、ベンダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含めた)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナプアクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロベンチアゾクス、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含めた)、ジノカップ、ジピメチトロン、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エディフェンホス、エノクサストロビン(エネストロブリンとしてまた公知である)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミンストロビン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンピコキサミド、フェンプロピディン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチンアセタート、フェンチンヒドロキシド、ファーバム、フェリムゾン、フロメトキン、フロリルピコキサミド、フルオピモミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサピプロリン、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド(フタリドとしてまた公知である)、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、インピルフルキサム、イオジカルブ、イプコナゾール、イペントリフルコナゾール、イプフルフェノキン、イソフェタミド、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソフルシプラム、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシムメチル、ランコトリオン、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンデストロビン、マネブ、マパニピリン、メフェントリフルコナゾール、メプロニル、メプチルジノカプ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含めた)、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メチルテトラプロール、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチチン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸鉄)、ヌアリモール、オクチリノン、オフレース、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフラゾエート、亜リン酸(その塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含めた)、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロビネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン(Adepidyn(登録商標))、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラプロポイン、ピラオキシストロビン、ピラジフルミド、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブタカルブ、ピリダクロメチル、ピリフェノックス、ピリオフェノン、ペリソオキサゾール、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピロールニトリン、ピロキロン、キンコナゾール、キノメチオネート、キノフメリン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、セダキサン、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホスメチル、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリモプルアミドトリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフォリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしてまた公知である)、ビンクロゾリン、ジネブ、ザイラム、ゾキサミド及び1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン;殺線虫剤、例えば、フルオピラム、スピロテトラマト、チオジカルブ、ホスチアゼート、アバメクチン、イプロジオン、フルエンスルホン、二硫化ジメチル、チオキサザフェン、1,3-ジクロロプロペン(1,3-D)、メタム(ナトリウム及びカリウム)、ダゾメット、クロロピクリン、フェナミホス、エトプロホス、カズサホス、テルブホス、イミシアホス、オキサミル、カルボフラン、チオキサザフェン、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)及びパスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae);殺菌剤、例えば、ストレプトマイシン;殺ダニ剤、例えば、アミトラズ、チノメチオナート、クロロベンジレート、シヘキサチン、ジコホール、ジエノクロール、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、プロパルギット、ピリダベン及びテブフェンピラドである。
【0399】
ある特定の場合において、本開示の化合物と他の生物活性のある(特に、無脊椎有害生物防除)化合物又は薬剤(すなわち、活性成分)との組み合わせは、増進された効果をもたらすことができる。有効な有害生物防除を確実にする一方で、環境中に放出される活性成分量を低減させることは常に望ましい。増進された無脊椎有害生物防除が農学的に満足なレベルの無脊椎有害生物防除を生じさせる散布量で起こるとき、このような組合せは、作物の生産コストを低減し、環境への負荷を減少させるのに有利であり得る。
【0400】
本開示の化合物及びその組成物は、無脊椎有害生物に対して毒性を持つタンパク質(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-内毒素)を発現するように遺伝学的に形質転換された植物に適用することができる。このような適用は、より幅広いスペクトルの植物保護を実現し、且つ抵抗性制御のために有利であり得る。発現された毒素タンパク質と組み合わせた外部から適用された本開示の無脊椎有害生物防除化合物は、増進された効果を実現し得る。
【0401】
これらの農業用保護剤(すなわち、殺虫剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び生物学的作用物質)についての一般的参照文献には、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が含まれる。
【0402】
本開示の化合物は、これらに限定されないが、DNA、RNA、及び/又は化学修飾されたヌクレオチドを含めたポリヌクレオチドとともに合わせるか、又は配合し、殺虫性効果を与える遺伝的に由来する転写物のダウンレギュレーション、干渉、抑制又はサイレンシングを介して特定の標的の量に影響を与えることができる。
【0403】
これら各種の混合パートナーの1種又は複数を使用するような実施形態においては、これら各種の混合パートナー(合計したもの)の、式1の化合物に対する重量比は、典型的には、約(1:3000)~約(3000:1)の間である。注目すべきは、約(1:300)~約(300:1)の間の重量比(例えば、約(1:30)~約(30:1)の間の比率)である。当業者ならば、所望の生物学的活性スペクトルを得るのに必要な、有効成分の生物学的有効量を、単純な実験で容易に決めることができる。これら追加の成分を含むことによって、無脊椎有害生物の防除スペクトルを、式1の化合物単独で防除されるスペクトルよりも、拡張することが可能であることは、明らかであろう。
【0404】
表Aは、式1の化合物と本開示の混合物、組成物及び方法を例示する他の無脊椎有害生物防除剤との特定の組合せを列挙する。表Aの第1の欄は、特定の無脊椎有害生物防除剤を列挙する(例えば、第1行における「アバメクチン」)。表Aの第2の欄は、作用機序(公知の場合)又は無脊椎有害生物防除剤の化学的分類を列挙する。表Aの第3の欄は、式1の化合物に対して無脊椎有害生物防除剤を適用することができる割合についての一連の重量比の実施形態を列挙する(例えば、重量によって式1の化合物に対して「50:1~1:50」のアバメクチン)。このように、例えば、表Aの第1行は、式1の化合物とアバメクチンの組合せが50:1~1:50の重量比で適用することができることを特に開示する。表Aの残りの行は、同様に解釈される。さらに注目すべきは、表Aは、式1の化合物と本開示の混合物、組成物及び方法を例示する他の無脊椎有害生物防除剤との特定の組合せを列挙し、散布量についての重量比範囲のさらなる実施形態を含む。
【0405】
【表13】
【0406】
【表14】
【0407】
【表15】
【0408】
【表16】
【0409】
注目すべきは、本開示の組成物であり、ここで、少なくとも1種のさらなる生物活性化合物又は薬剤は、上記の表Aにおいて列挙された無脊椎有害生物防除剤から選択される。
【0410】
式1の化合物、そのN-オキシド又は塩を含めた化合物とさらなる無脊椎有害生物防除剤の重量比は典型的には、1000:1~1:1000であり、一実施形態では、500:1~1:500であり、別の実施形態では、250:1~1:200であり、別の実施形態では、100:1~1:50である。
【0411】
表B1において下記で列挙したのは、式1の化合物(化合物番号(Cmpd.No.)は、索引表Aにおける化合物を指す)及びさらなる無脊椎有害生物防除剤を含む特定の組成物の実施形態である。
【0412】
【表17】
【0413】
【表18】
【0414】
表B1において列挙される特定の混合物は典型的には、表Aにおいて特定した比で式1の化合物と他の無脊椎有害生物剤とを合わせる。
【0415】
表C1において下記で列挙するのは、式1の化合物(化合物番号(Cmpd.No.)は、索引表Aにおける化合物を指す)及びさらなる無脊椎有害生物防除剤を含む特定の混合物である。表C1は、表C1の混合物の特色をよく示している特定の重量比をさらに列挙する。例えば、表C1の第1行の第1の重量比の記入項目は、100部の化合物1と1部のアバメクチンの重量比で適用された索引表Aの化合物1とアバメクチンとの混合物を特に開示する。
【0416】
【表19】
【0417】
【表20】
【0418】
【表21】
【0419】
表D1において下記で列挙するのは、式1の化合物(化合物番号(化合物番号)は、索引表Aにおける化合物を指す)及びさらなる殺真菌剤を含む特定の組成物の実施形態である。
【0420】
【表22】
【0421】
典型的には組成物の形態にあり、生物学的有効量の、1種又は複数の開示の化合物を、農業的領域及び/又は非農業的領域も含めた有害生物の発生環境に対して、保護すべき領域に対して、或いは防除対象の有害生物に対して、直接施用することにより、無脊椎有害生物が、農業的用途及び非農業的用途において防除される。
【0422】
したがって、本開示には、農業的用途及び/又は非農業的用途において無脊椎有害生物を防除するための方法が含まれるが、それに含まれるのは、無脊椎有害生物又はその環境を、本開示の化合物の1種又は複数の生物学的有効量と、又は少なくとも1種のそのような化合物を含む少なくとも1種のそのような化合物又は組成物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む組成物と、接触させることである。本開示の化合物及び少なくとも1種の追加の生物活性化合物又は生物活性薬剤の生物学的有効量を含む適切な組成物の例としては、その追加の活性化合物が、本開示の化合物と同じ顆粒の上に、又は本開示の化合物のものとは別の顆粒の上に存在している、粒状の組成物が挙げられる。
【0423】
農作物を無脊椎有害生物から保護するために、本開示の化合物又は組成物との接触を達成するためには、その化合物又は組成物を、典型的には植え付け前の作物の種子に対して、作物の茎葉(例えば、葉、茎、花、果実)に対して、又は作物を植え付ける前又は後の土壌又はその他の生育環境に対して、施用する。
【0424】
接触させる方法の一つの実施形態が、噴霧によるものである。別な方法として、本開示の化合物を含む顆粒状組成物を、植物の茎葉又は土壌に施用することもできる。本開示の化合物はさらに、液体配合物の土壌灌液、土壌への顆粒状配合物、育苗箱処理、又は移植の際の浸液(a dip of transplant)として施用された本開示の化合物を含む組成物と接触させることによって、植物による吸収を介して、効果的に送達することもできる。注目すべきは、土壌灌液の液体配合物の形態にある本開示の組成物である。注目すべきはさらに、無脊椎有害生物又はその環境を、生物学的有効量の本開示の化合物、又は生物学的有効量の本開示の化合物を含む組成物と接触させることを含む、無脊椎有害生物を防除するための方法である。さらに注目すべきは、その環境が土壌であり、そして組成物が、土壌灌液配合物としてその土壌に施用されるような、この方法である。さらに注目すべきは、発生の領域に対して局所的に施用しても、本開示の化合物がやはり効果的であるということである。接触させるためのその他の方法としては、直接噴霧及び残存性噴霧、空中散布、ゲル、種子コーティング、マイクロカプセル化、浸透性吸収、誘引剤、耳標、ボーラス(bolus)、噴霧塗(fogger)、くん蒸剤、エアロゾル、粉剤、その他によって本開示の化合物又は組成物を施用することが挙げられる。接触させる方法の一つの実施形態は、本開示の化合物又は組成物を含む、寸法的に安定な肥料の顆粒、棒、又は錠剤である。本開示の化合物はさらに、無脊椎動物を防除するための道具(例えば、虫除けネット)を作製するための材料の中に含浸させることもできる。
【0425】
本開示の化合物は、植物全体、植物の各部分、及び種子を処理するのに有用である。植物及び種子の変種、並びに栽培品種は、慣用される繁殖方法及び育種方法によるか、或いは遺伝工学的方法によって得ることができる。遺伝子組換え(genetically modified、又はtoransgenic)植物又は種子とは、異種起源の遺伝子(導入遺伝子)が、植物のゲノム又は種子のゲノムの中に安定的に組み入れられたものである。植物のゲノムの中の特定の位置によって規定される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子組換え事象と呼ばれる。
【0426】
本開示において扱うことが可能な遺伝子組換え植物及び種子栽培品種としては、1種又は複数の生物的ストレス(有害生物例えば、線虫、昆虫、ダニ、真菌など)若しくは非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分など)に対する抵抗性があるもの、又はその他の望ましい特性を有するものが挙げられる。植物及び種子は、遺伝子組換えによって、例えば、除草剤耐性、昆虫抵抗性、改良されたオイル特性、又は干ばつ耐性などの特性を示すことができる。単一の遺伝子形質転換事象又は形質転換事象の組合せを含有する有用な遺伝子改変された植物及び種子を、表Zにおいて列挙する。表Zにおいて列挙した遺伝子組換えについてのさらなる情報は、下記のデータベースから得ることができる:
http://www2.oecd.org/biotech/byidentifier.aspx
http://www.aphis.usda.go
http://gmoinfo.jrc.ec.europa.eu
【0427】
下記の略語を下記の表Zにおいて使用する。tol.は、耐性であり、res.は、抵抗性であり、SUは、スルホニル尿素であり、ALSは、アセト乳酸シンターゼであり、HPPDは、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼであり、NAは、利用不可能である?
【0428】
【表23】
【0429】
【表24】
【0430】
【表25】
【0431】
【表26】
【0432】
【表27】
【0433】
【表28】
【0434】
【表29】
【0435】
【表30】
【0436】
【表31】
【0437】
【表32】
【0438】
本開示の化合物を用いて遺伝子組換え植物及び種子を処理すると、向上効果が得られる可能性がある。例えば、散布量の減少、活性スペクトルの拡大、生物的/非生物的ストレスに対する耐性の向上、又は貯蔵安定性の向上が、遺伝子組換え植物及び種子への本開示の化合物の施用の単なる相加作用から予想されるよりは、大きくなる可能性がある。
【0439】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物から種子を保護するための種子処理剤においても有用である。本発明の開示及び特許請求の文脈においては、種子を処理するということは、種子を、生物学的有効量の本開示の化合物(典型的には本開示の組成物として配合されている)と接触させることを意味している。この種子処理によって、その種子が、無脊椎土壌有害生物から保護され、そして一般的には、発芽中の種子から生長している幼苗の、土壌と接触状態にある根及び植物の他の部分もまた保護することができる。その種子処理はさらに、本開示の化合物の転流によるか、又は生長しつつある植物の内部の第二の有効成分によって、茎葉の保護を与えることもできる。種子処理剤は、特殊化された特性を発現させる目的で遺伝子形質転換された植物が、それから生長させられるようなものも含めて、あらゆるタイプの種子に適用することができる。代表例としては、以下のものが挙げられる:無脊椎有害生物に対して有毒なタンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するもの、又は、例えば、グリホサートに対する抵抗性を付与するグリホサートアセチルトランスフェラーゼのような除草剤耐性を発現するもの。本開示の化合物を用いた種子処理剤は、処理種子から生長している植物の活力を向上させることもできる。
【0440】
種子処理の一つの方法は、播種する前に、本開示の化合物(すなわち、配合された組成物として)を用いて、種子を噴霧又は散粉(spraying or dusting)することによる。種子処理のために配合された組成物には、一般的には、塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。したがって、典型的には、本開示の種子コーティング組成物には、生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩、及び塗膜形成剤又は接着剤が含まれる。種子は、種子の転動ベッドの中に流動性の懸濁液濃縮物を直接噴霧し、次いでそれらの種子を乾燥させることにより、コーティングすることができる。別な方法として、他のタイプの配合物、例えば濡らした粉体、溶液、サスポエマルジョン、乳剤(emulsifiable concentrate)、及び水中エマルジョンを種子の上に噴霧することも可能である。このプロセスは、種子の上にフィルムコーティングを適用する場合に、特に有用である。当業者であれば、各種のコーティング機械及びプロセスが利用可能である。適切なプロセスとしては、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994,BCPC Monograph No.57、及びその中に記されている参考文献に記載されたものが挙げられる。
【0441】
式1の化合物及びそれらの組成物は、単独、或いは他の殺虫剤及び殺真菌剤との組み合わせのいずれにおいても、以下のような作物のための種子処理には、特に有用である:例えばトウモロコシ(maze又はcorn)、ダイズ、ワタ、穀物(例えば、コムギ、オートムギ、オオムギ、ライムギ、及びイネ)、ジャガイモ、野菜類、及びアブラナ(これらに限定される訳ではない)。
【0442】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、その他の殺虫剤としては、以下のものが挙げられる:アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、エバーメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキザゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルプ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、フォスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のすべての菌株、及び核多角体病ウィルスのすべての菌株。
【0443】
式1の化合物とともに配合して、種子処理において有用な混合物を与える、殺真菌剤としては、以下のものが挙げられる:アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、サイラム、トリフロキシストロビン、及びトリチコナゾール。
【0444】
種子処理剤のために有用な式1の化合物を含む組成物は、細菌、例えば、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)(例えば、菌株GB34)及びバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)(例えば、分離株1582)、根粒菌接種材料/エキステンダー、イソフラボノイド及びリポ-キトオリゴ糖をさらに含むことができる。
【0445】
処理種子は典型的には、種子の100kg当たり約0.1g~1kg(すなわち、処理前の種子の約0.0001~1重量%)の量で本開示の化合物を含む。種子処理のために調合される流動性懸濁液は典型的には、約0.5~約70%の活性成分と、約0.5~約30%のフィルム形成付着剤と、約0.5~約20%の分散剤と、0~約5%の増粘剤と、0~約5%の顔料及び/又は染料と、0~約2%の消泡剤と、0~約1%の保存剤と、0~約75%の揮発性液体希釈剤とを含む。
【0446】
本開示の化合物は、無脊椎有害生物によって消費されるか、又はトラップ、餌ステーションなどのデバイス内で使用される餌組成物中へ組み込むことができる。そのような餌組成物は、(a)活性成分、すなわち生物学的有効量の式1の化合物、それらのNーオキシド、又は塩と;(b)1つ若しくは複数の食品材料と;任意選択で(c)誘引物質と、任意選択で(d)1つ若しくは複数の保湿剤とを含む顆粒の形態にあり得る。約0.001~5%活性成分と、約40~99%食品材料及び/又は誘引物質と;任意選択で約0.05~10%保湿剤とを含む顆粒又は餌組成物であって、非常に低い散布率で、特に直接接触によってよりもむしろ摂食によって致死である活性成分の用量で土壌無脊椎有害生物を駆除するのに有効である顆粒又は餌組成物に注目すべきである。いくつかの食品材料は、食品源及び誘引物質の両方として機能することができる。食品材料は、炭水化物、タンパク質及び脂肪を含む。食品材料の例は、野菜粉、砂糖、デンプン、動物脂、植物油、酵母エキス及び乳固形分である。誘引物質の例は、果実若しくは植物エキス、香料、又は他の動物若しくは植物成分などの、付香剤及び香味剤、フェロモン又は標的無脊椎有害生物を誘引することが知られている他の試剤である。保湿剤、すなわち、湿気保持剤の例は、グリコール及び他のポリオール、グリセリン及びソルビトールである。アリ、シロアリ及びゴキブリからなる群から選択される少なくとも1つの無脊椎有害生物を駆除するために用いられる餌組成物(及びそのような餌組成物を利用する方法)に注目すべきである。無脊椎有害生物を駆除するためのデバイスは、本餌組成物と、餌組成物を受け入れるのに適合したハウジングとを含むことができ、ここで、ハウジングは、無脊椎有害生物が開口部を通過することを可能にするためのサイズの少なくとも1つの開口部を有し、だから無脊椎有害生物はハウジングの外側の場所から餌組成物にアクセスすることができ、そしてここで、ハウジングは、無脊椎有害生物についての潜在的な又は既知の活動の場所に又はその近くに置かれるようにさらに適合させられている。
【0447】
本開示の化合物は、他の補助剤を伴わずに適用することができるが、殆どの場合、適用は、適切な担体、賦形剤、及び界面活性剤とともに、そして場合により、意図する最終用途によって食物と組み合わせた1種若しくは複数の活性成分を含む配合物の適用である。適用の1つの方法は、本開示の化合物の水分散液又は精製油溶液を噴霧することが関与する。噴霧油、噴霧油濃縮、散布機ステッカー、補助剤、他の溶媒、及びピペロニルブトキシドとの組合せは、化合物の有効性を増進させることが多い。非農学的使用のために、このような噴霧は、ポンプを用いて、又は加圧された容器、例えば、加圧されたエアゾールスプレー缶からそれを放出することによって、噴霧容器、例えば、缶、ボトル又は他の容器から適用することができる。このような噴霧組成物は、様々な形態、例えば、噴霧、ミスト、泡、煙又は霧をとることができる。このように、このような噴霧組成物は、任意選択で、噴射剤、発泡剤などをさらに含むことができる。注目すべきは、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物及び担体を含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的有効量の本開示の化合物又は組成物及び噴射剤を含む。代表的な噴射剤には、これらに限定されないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ハイドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、及び上記の混合物が含まれる。注目すべきは、個々に又は組み合わせたものを含めた、カ、ブヨ、サシバエ、メクラアブ、ウマバエ、カリバチ、イエロー・ジャケット、スズメバチ、ダニ、クモ、アリ、ブヨなどからなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物を防除するために使用される、噴霧組成物(及び噴霧容器から分配されるそのような噴霧組成物を利用した方法)である。
【0448】
本開示の一実施形態は、本開示の殺有害生物組成物(界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤と調合された式1の化合物、又は式1の化合物と少なくとも1つの他の殺有害生物剤との調合混合物)を水で希釈する工程と、補助剤を任意選択で添加して希釈組成物を形成する工程と、無脊椎有害生物又はその環境を、有効量の前記希釈組成物と接触させる工程とを含む、無脊椎有害生物の駆除方法に関する。
【0449】
十分な濃度の本殺有害生物組成物を水で希釈することによって形成された噴霧組成物は、無脊椎有害生物を駆除するのに十分な効能を提供することができるが、別々に調合された補助剤生成物をまた、空気圧縮タンク混合物に添加することができる。これらの追加の補助剤は、「噴霧補助剤」又は「タンクミックス補助剤」として一般に知られ、殺有害生物剤の性能を向上させる、又は噴霧混合物の物理的特性を変えるために空気圧縮タンクで混合される任意の物質を含む。補助剤は、界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物油、作物由来種油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であり得る。補助剤は、効能(例えば、生物学的利用率、付着性、浸透性、カバレージの一様性及び保護の耐久性)を高めるために、又は不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、気化及び分解に関連した噴霧適用問題を最小限にするか若しくは排除するために使用される。最適性能を得るために、補助剤は、活性成分、調合物及び標的(例えば、作物、害虫)の特性に関して選択される。
【0450】
噴霧補助剤の中で、作物油を含む油、作物油濃縮物、植物油濃縮物及びメチル化種油濃縮物が、場合によりより均一な及び一様な噴霧沈着物を促進することによって、殺有害生物剤の効能を向上させるために最も一般的に使用される。油又は他の水と混ざらない液体によって潜在的に引き起こされる植物毒性が懸念される状況では、本開示の組成物から調製される噴霧組成物は一般に、油ベースの噴霧補助剤を含有しないであろう。しかしながら、油ベースの噴霧補助剤によって引き起こされる植物毒性が商業的に重要でない状況では、本発明の組成物から調製される噴霧組成物は、無脊椎有害生物の駆除、並びに雨堅牢性を潜在的にさらに高めることができる、油ベースの噴霧補助剤をまた含有することができる。
【0451】
「作物油」と特定される製品は典型的には、95~98%パラフィン又はナフサベースの石油と、乳化剤として機能する1~2%の1つ若しくは複数の界面活性剤とを含有する。「作物油濃縮物」と特定される製品は典型的には、80~85%の乳化性石油ベースの油と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。「植物油濃縮物」と正しく特定される製品は典型的には、80~85%の植物油(すなわち、最も一般的には綿、亜麻仁、大豆又はヒマワリからの、種油又は果実油)と、15~20%の非イオン界面活性剤とからなる。補助剤性能は、植物油を、植物油に典型的には誘導される脂肪酸のメチルエステルで置き換えることによって向上させることができる。メチル化種油濃縮物の例としては、MSO(登録商標)Concentrate(UAP-Loveland Products,Inc.)及びPremium MSO Methylated Spray Oil(Helena Chemical Company)が挙げられる。
【0452】
噴霧混合物に添加される補助剤の量は一般に、約2.5容積%を越えず、より典型的にはその量は、約0.1~約1容積%である。噴霧混合物に添加される補助剤の散布率は典型的には、1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧補助剤の代表例としては、Adigor(登録商標)(Syngenta)液体炭化水素中の47%メチル化菜種油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサン及びAssist(登録商標)(BASF)83%パラフィンベースの鉱油中の17%界面活性剤ブレンドが挙げられる。
【0453】
非農学的適用は、典型的には、獣医学における使用のために配合された組成物の形態での殺寄生生物有効(すなわち、生物学的有効)量の本開示の化合物を、保護される動物に投与することによって、動物、特に、脊椎動物、より特定すると、恒温脊椎動物(例えば、哺乳動物又は鳥)、及び最も特に、哺乳動物を無脊椎動物寄生性有害生物から保護することを含む。したがって、注目すべきは、動物に殺寄生生物有効量の本開示の化合物を投与することを含む、動物を保護するための方法である。本開示及び特許請求の範囲において言及するように、用語「殺寄生生物性」及び「殺寄生生物的に」は、有害生物からの動物の保護を実現する無脊椎寄生性有害生物に対する観察可能な効果を指す。殺寄生生物性効果は典型的には、標的無脊椎動物寄生性有害生物の出現又は活性を減少させることと関連している。有害生物に対するこのような効果は、壊死、死亡、成長の遅延、移動性の減少、又は宿主動物上若しくは中に留まる能力の減少、摂食の低減、及び繁殖の阻害を含む。無脊椎寄生性有害生物に対するこれらの効果は、動物の寄生又は感染の制御(予防、低減又は除去を含めた)を実現する。殺寄生生物有効量の本開示の化合物を保護される動物に投与することによって防除される無脊椎動物寄生性有害生物の例には、外部寄生生物(節足動物、ダニ目など)及び内部寄生生物(蠕虫、例えば、線虫、吸虫、条虫、鈎頭虫など)が含まれる。特に、本開示の化合物は、ハエ、例えば、ノサシバエ(Haematobia (Lyperosia) irritans)(ノサシバエ)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)(サシバエ)、シムリウム属(Simulium)の種(ブヨ)、ツェツェバエ属(Glossina)の種(ツェツェバエ)、ヒドロタエア・イリタンス(Hydrotaea irritans)(ヘッドフライ)、ムスカ・アウツムナリス(Musca autumnalis)(フェースフライ)、イエバエ(Musca domestica)(イエバエ)、モレリア・シンプレックス(Morellia simplex)(スウィートフライ)、アブ属(Tabanus)の種(ウマバエ)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)(グリーンブローフライ)、オオクロバエ属(Calliphora)の種(ブローフライ)、プロトフォルミア属(Protophormia)の種、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)(ネイサルボットフライ)、サシバエ属(Culicoides)の種(ミジ)、ヒッポボスカ・エキン(Hippobosca equine)、ガストロフィルス・インステスチナリス(Gastrophilus instestinalis)、ガストロフィルス・ハエモロイダリス(Gastrophilus haemorrhoidalis)及びガストロフィルス・ナスリス(Gastrophilus naslis);シラミ、例えば、ボビコラ(ダマリニア)ボビス(Bovicola(Damalinia)bovis)、ボビコラ・エキ(Bovicola equi)、ハエマトピヌス・アシニ(Haematopinus asini)、フェリコラ・スブロストラツス(Felicola subrostratus)、ヘテロドキスス・スピニゲル(Heterodoxus spiniger)、リグノナツス・セトスス(Lignonathus setosus)及びトリコデクテス・カニス(Trichodectes canis);ヒツジシラミバエ、例えば、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus);ダニ、例えば、キュウセンヒゼンダニ属(Psoroptes)の種、サルコプテス・スカベイ(Sarcoptes scabei)、コリオプテス・ボビス(Chorioptes bovis)、デモデキス・エキ(Demodex equi)、ケイルエチエラ属(Cheyletiella)の種、ノトエドレス・カチ(Notoedres cati)、ツツガムシ属(Trombicula)の種及びオトデクテス・シアノチス(Otodectes cyanotis)(ミミダニ);ダニ、例えば、マダニ属(Ixodes)の種、ウシマダニ属(Boophilus)の種、コイタマダニ属(Rhipicephalus)の種、キララマダニ属(Amblyomma)の種、カクマダニ属(Dermacentor)の種、イボマダニ属(Hyalomma)の種及びチマダニ属(Haemaphysalis)の種;並びにノミ、例えば、シテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)及びシテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)(イヌノミ)を含めた外部寄生生物に対して有効である。
【0454】
獣医学セクターにおける非農学的適用は、通常の手段により、例えば、錠剤、カプセル剤、ドリンク、ドレンチ調製物、粒質物、ペースト、ボーラス、フィードスルー手順、若しくは坐剤の形態での経腸投与により;又は非経口投与、例えば、注射(筋内、皮下、静脈内、腹腔内を含めた)若しくは埋込物により;経鼻投与により;例えば、浸漬若しくは液浸、噴霧、洗浄、粉末によるコーティング、又は動物の小領域への適用の形態における、及び本開示の化合物若しくは組成物を含む物品、例えば、首輪、耳標、テイルバンド、肢バンド若しくは端綱を介した局所投与による。
【0455】
典型的には、本開示による殺寄生生物性組成物は、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩と、意図する投与経路(例えば、経口、局所又は非経口投与、例えば、注射)に関して、且つ標準的な実務に従って選択される添加剤及び助剤を含む1種若しくは複数の薬学的又は獣医学的に許容される担体との混合物を含む。さらに、適切な担体は、pH及び水分含有量に対する安定性などの考慮を含めた組成物中の1種若しくは複数の活性成分との適合性に基づいて選択される。したがって、注目すべきは、寄生性有効量の本開示の化合物及び少なくとも1種の担体を含む、無脊椎動物寄生性有害生物から動物を保護するための組成物である。
【0456】
静脈内、筋内及び皮下注射を含めた非経口投与のために、本開示の化合物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョン中で配合することができ、補助剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散化剤を含有し得る。注射のための医薬組成物は、好ましくは、医薬製剤の当技術分野において公知のような他の添加剤又は助剤を含有する生理学的に適合性の緩衝液中の、活性成分(例えば、活性化合物の塩)の水溶性形態の水溶液を含む。
【0457】
溶液(吸収のために最も容易に利用可能な形態)、エマルジョン、懸濁液、ペースト、ゲル、カプセル剤、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、ルーメン-リテンション及び飼料/水/リックブロックの形態での経口投与のために、本開示の化合物は、経口投与組成物に適した当技術分野において公知の結合剤/充填剤、例えば、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、米デンプン、バレイショデンプン)、セルロース及び誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース)、タンパク質誘導体(例えば、ゼイン、ゼラチン)、及び合成ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)とともに配合することができる。必要に応じて、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリジノン、寒天、アルギン酸)及び染料又は顔料を加えることができる。ペースト及びゲルはまた、組成物が口腔と接触を続け、且つ容易に排出されないことにおいて補助する接着剤(例えば、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、セルロース、キサンタンガム、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム)を含有することが多い。
【0458】
殺寄生生物性組成物が飼料濃縮物の形態である場合、担体は典型的には、高性能飼料、穀類飼料又はタンパク質濃縮物から選択される。このような飼料濃縮物含有組成物は、殺寄生生物性活性成分に加えて、動物の健康若しくは成長を促進し、屠殺のために動物からの肉の質を改善させる添加物、又は他に畜産にとって有益である添加物を含むことができる。これらの添加物は、例えば、ビタミン、抗生物質、化学療法剤、制菌剤、制真菌薬、抗コクシジウム剤及びホルモンを含むことができる。
【0459】
本開示の化合物は、経口投与及び摂取からの全身的利用可能性を実現する都合よい薬物動態学的及び薬力学的特性を有することが発見されてきた。したがって、保護される動物による摂取の後、血流中の殺寄生生物有効濃度の本開示の化合物は、処置された動物を吸血有害生物、例えば、ノミ、ダニ及びシラミから保護する。したがって、注目すべきは、経口投与(すなわち、殺寄生生物有効量の本開示の化合物に加えて、経口投与に適した結合剤及び充填剤、並びに飼料濃縮物担体から選択される1種若しくは複数の担体を含む)のための形態の、動物を無脊椎寄生性有害生物から保護するための組成物である。
【0460】
局所投与のための配合物は典型的には、粉末、クリーム、懸濁液、スプレー、エマルジョン、泡、ペースト、エアゾール、軟膏剤、軟膏又はゲルの形態である。より典型的には、局所配合物は、使用前に希釈される濃縮物の形態でよい水溶性溶液である。局所投与に適した殺寄生生物性組成物は典型的には、本開示の化合物及び1種若しくは複数の局所的に適切な担体を含む。ライン又はスポットとしての動物の外面への局所的な殺寄生生物性組成物の適用(すなわち、「スポットオン」処理)において、活性成分は、動物の表面に亘り移動し、その外部表面積の大部分又は全てカバーする。その結果、処置された動物は、動物の表皮に寄生する無脊椎有害生物、例えば、ダニ、ノミ及びシラミから特に保護される。したがって、局所局部的投与のための配合物は、皮膚を亘る活性成分の輸送及び/又は動物の表皮への浸透を促進する少なくとも1種の有機溶媒を含むことが多い。このような配合物中で担体として一般に使用される溶媒には、プロピレングリコール、パラフィン、芳香族化合物、エステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、グリコールエーテル、並びにアルコール、例えば、エタノール及びn-プロパノールが含まれる。
【0461】
有効な防除のために必要とされる適用の割合(すなわち、「生物学的有効量」)は、防除される無脊椎動物の種、有害生物の生活環、ライフステージ、そのサイズ、場所、時節、宿主作物又は動物、摂食行動、交尾行動、周囲水分、温度などなどの要因によって決まる。通常の状況下で、1ヘクタール当たり約0.01~2kgの活性成分の散布量は、農学的生態系において有害生物を防除するのに十分であるが、せいぜい0.0001kg/ヘクタールは十分であり得るか、又は8kg/ヘクタールと同量を必要とし得る。非農学的適用のために、有効な使用割合は、約1.0~50mg/平方メートルの範囲であるが、せいぜい0.1mg/平方メートルは十分であり得るか、又は150mg/平方メートルと同量を必要とし得る。当業者は、望ましいレベルの無脊椎有害生物防除にとって必要である生物学的有効量を容易に決定することができる。
【0462】
一般に、獣医学における使用のために、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩は、無脊椎寄生性有害生物から保護される動物に殺寄生生物有効量で投与される。殺寄生生物有効量は、観察可能な効果を達成して、標的無脊椎寄生性有害生物の出現又は活性を減少させるのに必要とされる活性成分の量である。寄生性有効用量は、本開示の様々な化合物及び組成物、望ましい寄生性効果及び期間、標的無脊椎有害生物種、保護される動物、適用のモードなどのために変化することができ、特定の結果を達成するのに必要とされる量は、単純な実験法によって決定することができることを当業者は認識する。
【0463】
恒温動物への経口投与のために、本開示の化合物の1日投与量は典型的には、約0.01mg/kg~約100mg/kg、より典型的には、約0.5mg/kg~約100mg/kg(動物体の体重)の範囲である。局所(例えば、皮膚)投与のために、ディップ及びスプレーは典型的には、約0.5ppm~約5000ppm、より典型的には、約1ppm~約3000ppmの本開示の化合物を含有する。
【0464】
本明細書に記載したような方法によって調製される本開示の化合物を、索引表Aにおいて示す。質量スペクトル(MS)データについて、報告された数値は、大気圧化学イオン化(AP)を使用した質量分析法によって観察される、分子へのH(1の分子量)の添加によって形成される最も高い同位体存在度親イオン(M+1)の分子量である。下記の略語を下記の索引表において使用する。Cmpdは、化合物を意味し、i-Prは、イソプロピルを意味し、Buは、ブチルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味する。略語「Ex.」は、「実施例」を表し、その後に続く番号は、どの合成実施例において化合物が調製されるかを示している。
【0465】
【表33】
【0466】
下記の試験は、特定の有害生物に対する本開示の化合物の防除有効性を示す。「防除有効性」は、相当に低減された摂食をもたらす無脊椎有害生物発生の阻害(死亡率を含めた)を表す。しかし、化合物によってもたらされる有害生物防除保護は、これらの種に限定されない。化合物の説明について索引表Aを参照されたい。
【0467】
生物学的実施例
試験A~Cのための配合及び噴霧方法
試験コンパウンド物は、10%のアセトン、90%の水、及び300ppmのActivator 90(登録商標)ノニオン性界面活性剤(Loveland Products,Loveland,Colorado,USA)を含む溶液を使用して配合した。その配合したコンパウンド物を、それぞれの試験ユニットの上1.27cm(0.5インチ)に位置させたアトマイザーノズルを通して1mLの液体の中で適用した。所定の速度で試験コンパウンド物を噴霧し、それぞれの試験を3回繰り返した。
【0468】
試験A
コナガ(diamondback moth)(プルテラ・キシロステラ・(L.)(Plutella xylostella (L.))の防除を評価するための試験ユニットが、12~14日齢のカラシ植物(mustard plant)を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。これには、約50匹の生まれたての幼虫を用い、イノキュレーターを使用し、トウモロコシの穂軸の粗粒を介してその試験ユニットの中に分配することにより、予備的に寄生させた。試験ユニットの中に分配させた後、それらの幼虫は、試験植物の上へ移動した。
【0469】
試験コンパウンド物を配合し、2及び0.4ppmで噴霧した。配合された試験コンパウンド物を噴霧した後で、試験ユニットを1時間放置して乾燥させ、次いでその上に黒色の網蓋を置いた。それらの試験ユニットを、グロースチャンバーの中、25℃、70%相対湿度で6日間保持した。次いで、消費された茎葉を基準にして、植物の摂食ダメージを肉眼で調べ、評価して、幼虫の死亡率を評価した。
【0470】
0.4ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好なレベルから優れたレベルの防除有効性(40%若しくはそれ未満の食害及び/又は100%の死亡率)をもたらした:1。
【0471】
試験B
ツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)J.E.Smith)の防除を評価するため、試験ユニットは内側に4~5日齢のコーン(トウモロコシ)植物を有する小さな蓋なし容器からなった。これに一切れの昆虫の食餌上の10~15匹の1日齢の幼虫を事前に外寄生させた。
【0472】
試験化合物を配合し、2ppm及び0.4ppmで噴霧した。配合された試験化合物の噴霧の後、試験ユニットを成長チャンバー中に25℃及び70%相対湿度にて6日間維持した。次いで、消費した葉に基づいて植物食害を視覚的にアセスメントし、幼虫を死亡率についてアセスメントした。
【0473】
2ppmで試験した式1の化合物の内、下記は、非常に良好なレベルから優れたレベルの防除有効性を実現した(40%若しくはそれ未満の食害及び/又は100%の死亡率):1。
【0474】
試験C
接触性及び/又は浸透性手段を介しての、ミカンキイロアザミウマ(Western Flower Thrips)(フランクリニエラ・オクシデンタリス・(ペルガンデ)(Frankliniellla occidentalis (Pergande))の防除を評価するために、その試験ユニットが、5~7日齢のソレイユマメ植物を内側に入れた小型の開放容器で構成されていた。
【0475】
試験コンパウンド物を配合し、2、04及び0.08ppmで噴霧した。噴霧の後、1時間放置して、その試験ユニットを乾燥させてから、それぞれのユニットに、約60匹のアザミウマ(成虫及び幼虫)を加えた。試験ユニットの上に黒色の網蓋を置き、25℃、45~55%相対湿度で6日間保持した。次いで、それぞれの試験ユニットについて、植物のダメージと昆虫死亡率を、肉眼で評価した。
【0476】
2ppmで試験した式1の化合物の内では、以下のものが、極めて良好ないしは優れたレベルの防除有効性(30%以下の植物のダメージ、及び/又は100%の死亡率)を与えた:1。
【国際調査報告】