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特表2023-532652自律ファームウェア/ソフトウェア・アップデートのために構成されたディスペンサ、ディスペンサシステム、および補充ユニット
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  • 特表-自律ファームウェア/ソフトウェア・アップデートのために構成されたディスペンサ、ディスペンサシステム、および補充ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】自律ファームウェア/ソフトウェア・アップデートのために構成されたディスペンサ、ディスペンサシステム、および補充ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/12 20060101AFI20230724BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A47K5/12 Z
A61L2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579056
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 US2021037539
(87)【国際公開番号】W WO2021262493
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/043,180
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュエル,シェルビー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,マーク エー
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058DD13
(57)【要約】
吐出システム、ディスペンサ、補充ユニット、ディスペンサのファームウェアおよび/またはソフトウェアを自律的にアップデートするための方法の例示的実施形態が、本明細書で開示される。例示的なディスペンサは、プロセッサと、ディスペンサメモリと、ディスペンサの1つまたは複数の動作を制御するためのファームウェアと、補充ユニットを受け入れるための差込口とを含む。近距離無線通信タグから情報を読み取るための読取器も含まれる。補充ユニットは、補充ユニットに固定された近距離無線通信タグを含む。メモリは、近距離無線通信タグ上にある。データは、メモリに格納される。データは、ファームウェア・アップデート命令を含む。補充ユニットが差込口に設置されると、読取器がデータを読み取る。プロセッサは、補充ユニット上の近距離無線通信タグから読み取られたファームウェア・アップデート命令に従ってディスペンサファームウェアをアップデートする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石鹸または消毒剤ディスペンサであって、
プロセッサと、
ディスペンサメモリと、
前記ディスペンサの1つまたは複数の動作を制御するためのファームウェアと、
物体を検知するためのセンサと、
補充ユニットを受け入れるための差込口と、
近距離無線通信タグから情報を読み取るための読取器と、
補充ユニットであって、
前記補充ユニットが、前記補充ユニットに固定された前記近距離無線通信タグを有し、
メモリが、前記近距離無線通信タグ上にあり、
ファームウェアが、前記メモリに格納される、
補充ユニットと
を備え、
前記補充ユニットが前記差込口に設置されると、前記読取器が、前記ファームウェア・アップデート・コードを読み取り、
前記プロセッサが、前記補充ユニット上の前記近距離無線通信タグから読み取られた前記ファームウェア・アップデート・コードに従ってディスペンサファームウェアをアップデートする、
石鹸または消毒剤ディスペンサ。
【請求項2】
前記ファームウェア・アップデート・コードが、1つまたは複数の定数をアップデートするためのコードを含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記1つまたは複数の定数が、泡出力の液体対空気比である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の定数が、カットオフ電圧である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記1つまたは複数の定数が、前記吐出された出力物の滴下または逆流を制限するように構成されたスピード・プロフィールである、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の定数が、前記物体センサの検知パラメータを変える、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記1つまたは複数の定数は、1つまたは複数のステータス指標またはライトのオン/オフ率である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記1つまたは複数の定数が、システム・クロックのスピードである、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記1つまたは複数の定数が、1つまたは複数の低電力モード設定である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記1つまたは複数の定数が、認証タグをチェックするべきかどうかである、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記1つまたは複数の定数が、NFCタグ励振時間である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記1つまたは複数の定数が、センサ設定である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記1つまたは複数の定数が、スタート・スピードである、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記1つまたは複数の定数が、標的が物体センサの検知エリアを去るのを待つことになる時間の長さ、または標的の数である、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項15】
石鹸、消毒剤、またはローション補充ユニットであって、
石鹸、消毒剤、およびローションのうちの1つを保持するためのコンテナと、
前記コンテナに関連付けられた近距離無線通信タグと、
前記近距離無線通信タグ上の補充ユニット・メモリと、
ソフトウェアおよび/またはファームウェアをアップデートするための前記補充ユニット・メモリに格納されたアップデート・ロジックと
を備え、
前記アップデート・ロジックが、ディスペンサ上でソフトウェアまたはファームウェア・アップデートを実施するように構成される、
石鹸、消毒剤、またはローション補充ユニット。
【請求項16】
アップデート・ロジックが、1つまたは複数の定数をアップデートするためのロジックを含む、請求項15に記載の石鹸、消毒剤、またはローション補充ユニット。
【請求項17】
前記定数が、泡出力の液体対空気比である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項18】
前記定数が、カットオフ電圧である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項19】
前記定数が、前記吐出された出力物の滴下または逆流を制限するように構成されたスピード・プロフィールである、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項20】
前記定数が、ハンド・センシング・パラメータを変える、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項21】
前記定数が、1つまたは複数のステータス指標またはライトのオン/オフ率である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項22】
前記定数が、システム・クロックのスピードである、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項23】
前記定数が、1つまたは複数の低電力モード設定である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項24】
前記定数が、認証タグをチェックするかどうかである、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項25】
前記定数が、NFCタグ励振時間である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項26】
前記定数が、センサ設定である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項27】
前記定数が、スタート・スピードである、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項28】
前記定数が、標的が検知エリアを去るのを待つことになる時間の長さ、標的の数である、請求項16に記載のディスペンサ。
【請求項29】
石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法であって、
補充ユニットを用意すること、
近距離無線通信タグを固定すること、
前記近距離無線通信タグにアップデート・ロジックを格納すること
を含み、
前記補充ユニットが、プロセッサ、メモリ、1つまたは複数のディスペンサ機能を制御するための前記メモリに格納されたディスペンサロジックを有するディスペンサに置かれたとき、前記近距離無線通信タグに格納された前記アップデート・ロジックが、前記アップデート・ロジックに前記ディスペンサロジックをアップデートさせる、
石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項30】
プロセッサ、メモリ、1つまたは複数のディスペンサ機能を制御するための前記メモリに格納されたディスペンサロジックを有するディスペンサを用意することをさらに含む、請求項29に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項31】
アップデート・ロジックが、1つまたは複数の定数をアップデートするためのロジックを含む、請求項29に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項32】
前記定数が、泡出力の液体対空気比である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項33】
前記定数が、カットオフ電圧である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項34】
前記定数が、前記吐出された出力物の滴下または逆流を制限するように構成されたスピード・プロフィールである、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項35】
前記定数が、ハンド・センシング・パラメータを変える、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項36】
前記定数が、1つまたは複数のステータス指標またはライトのオン/オフ率である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項37】
前記定数が、システム・クロックのスピードである、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項38】
前記定数が、1つまたは複数の低電力モード設定である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項39】
前記定数が、認証タグをチェックするかどうかである、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項40】
前記定数が、NFCタグ励振時間である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項41】
前記定数が、センサ設定である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項42】
前記定数が、スタート・スピードである、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項43】
前記定数が、標的が検知エリアを去るのを待つことになる時間の長さ、標的の数である、請求項31に記載の石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする方法。
【請求項44】
石鹸または消毒剤ディスペンサの製造の方法であって、
ディスペンサ収納容器、
物体センサ、
近距離無線通信読取器、
電源、
プロセッサ、および
メモリ
を用意すること、
前記ディスペンサを制御するための、前記物体センサを有効化しない、第1のロジックを前記メモリに格納すること、
コンテナ、
近距離無線通信タグ、
前記近距離無線通信タグに格納されたソフトウェアまたはファームウェア・アップデート
を有する補充ユニットを用意することを含み、
前記ソフトウェアまたはファームウェア・アップデートが、前記ディスペンサを制御するための前記メモリに格納された前記第1のロジックをアップデートするための第2のロジックを含み、前記第2のロジックが、前記物体センサを有効化する、
石鹸または消毒剤ディスペンサの製造の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年6月24日に出願され参照により本明細書に全体として組み込まれるDISPENSERS, DISPENSER SYSTEMS AND REFILL UNITS CONFIGURED FOR AUTONOMOUS FIRMWARE/SOFTWARE UPDATESという表題の米国仮特許出願第63/043180号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、非接触ディスペンサ(dispenser)およびディスペンサシステムに関し、より詳細には、自律ファームウェア/ソフトウェア・アップデートを受けるように構成された非接触ディスペンサおよびディスペンサシステム、ならびに自律ファームウェア/ソフトウェア・アップデート命令を有する補充ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
石鹸、消毒剤、およびローション用のいくつかの非接触ディスペンサは、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを利用して、ディスペンサを動作させること、データを収集すること、およびデータを共有することに関する様々な機能を制御する。時間と共に、何百万とは言わないまでも何千もの非接触ディスペンサが、世界中のオフィス、病院、レストラン、小売店、トイレなどに配布されて据え付けられ得る。時折、ディスペンサは、ファームウェア/ソフトウェア・バグまたは他の問題を有し、これらは発見され、理想的には、修復またはアップデートされるはずである。一般に、ディスペンサは、世界中に設置された大量の非接触ディスペンサ、およびこれらが設置された何千もの異なる場所が原因で、このような問題を訂正することが極めて難しいことおよび/または訂正するにはコストが途方もなくかかることにより、アップデートされることが不可能であるか、一度もアップデートされない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
吐出システム、ディスペンサ、補充ユニット、ディスペンサのファームウェアおよび/またはソフトウェアを自律的にアップデートするための方法の例示的実施形態が、本明細書で開示される。例示的なディスペンサは、プロセッサと、ディスペンサメモリと、ディスペンサの1つまたは複数の動作を制御するためのファームウェアと、補充ユニットを受け入れるための差込口とを含む。近距離無線通信タグから情報を読み取るための読取器も含まれる。補充ユニットは、補充ユニットに固定された近距離無線通信タグを含む。メモリは、近距離無線通信タグ上にある。データは、メモリに格納される。データは、ファームウェア・アップデート命令を含む。補充ユニットが差込口に設置されると、読取器がデータを読み取る。プロセッサは、補充ユニット上の近距離無線通信タグから読み取られたファームウェア・アップデート命令に従ってディスペンサファームウェアをアップデートする。
【0005】
別の例示的なディスペンサは、プロセッサと、ディスペンサメモリと、ディスペンサの1つまたは複数の動作を制御するためのソフトウェアと、補充ユニットを受け入れるための差込口とを含む。近距離無線通信タグから情報を読み取るための読取器も含まれる。補充ユニットは、補充ユニットに固定された近距離無線通信タグを含む。メモリは、近距離無線通信タグ上にある。データは、メモリに格納される。データは、ソフトウェア・アップデート命令を含む。補充ユニットが差込口に設置されると、読取器がデータを読み取る。プロセッサは、補充ユニット上の近距離無線通信タグから読み取られたファームウェア・アップデート命令に従ってディスペンサソフトウェアをアップデートする。
【0006】
別の例示的なディスペンサは、プロセッサと、ディスペンサメモリと、ディスペンサの1つまたは複数の動作を制御するためのディスペンサメモリ上のロジックと、補充ユニットを受け入れるための差込口と、補充メモリから情報を読み取るためのワイヤレス通信回路構成要素とを含む。近距離無線通信回路構成要素を有する補充ユニットも提供される。補充ユニットは、近距離無線通信回路構成要素上のメモリ、およびメモリに格納されたデータを含む。データは、ロジック・アップデート命令を含む。補充ユニットが差込口に設置されると、ワイヤレス通信回路構成要素がデータを読み取り、プロセッサがロジック・アップデート命令に従ってディスペンサロジックをアップデートする。
【0007】
例示的な石鹸、消毒剤、またはローション補充ユニットは、石鹸、消毒剤、およびローションのうちの1つを保持するためのコンテナを含む。近距離無線通信タグは、コンテナに関連付けられる。補充ユニット・メモリは、近距離無線通信タグ上にある。データは、補充ユニット・メモリに格納される。補充ユニットは、補充ユニット・メモリに格納されたロジック・アップデート命令をさらに含む。ロジック・アップデート命令は、1つまたは複数のディスペンサが補充ユニット・メモリに応答指令信号を送ったとき、1つまたは複数のディスペンサ上でロジック・アップデートを行うように構成される。
【0008】
ディスペンサをアップデートするための例示的方法は、補充ユニットを用意することを含む。補充ユニットは、近距離無線通信タグを含む。データは、近距離無線通信タグに格納される。ロジック・アップデート命令は、近距離無線通信タグに格納される。方法は、ディスペンサを用意することをさらに含む。ディスペンサは、プロセッサと、メモリと、1つまたは複数のディスペンサ機能を制御するためのメモリに格納されたロジックと、補充ユニットを受け入れるための差込口とを有する。ディスペンサは、近距離無線通信タグからデータを読み取るためのワイヤレス通信回路構成要素をさらに含む。近距離無線通信タグから読み取られたデータは、ロジック・アップデートを含み、プロセッサは、ディスペンサのメモリに格納されたロジックをアップデートする。
【0009】
石鹸または消毒剤ディスペンサをアップデートする例示的方法は、補充ユニットを用意することと、近距離無線通信タグを固定することと、近距離無線通信タグにアップデート・ロジックを格納することとを含む。プロセッサ、メモリ、1つまたは複数のディスペンサ機能を制御するためのメモリに格納されたディスペンサロジックを有するディスペンサ内に補充ユニットが置かれると、近距離無線通信タグに格納されたアップデート・ロジックが、アップデート・ロジックにディスペンサロジックをアップデートさせる。
【0010】
石鹸または消毒剤ディスペンサの製造の例示的方法は、ディスペンサ収納容器、物体センサ、近距離無線通信読取器、電源、プロセッサ、およびメモリを用意することを含む。方法は、ディスペンサを制御するための第1のロジックをメモリに格納することをさらに含み、第1のロジックは、物体センサを有効化しない。方法は、コンテナ、近距離無線通信タグ、および近距離無線通信タグに格納されたソフトウェアまたはファームウェア・アップデートを有する補充ユニットを用意することをさらに含む。ソフトウェアまたはファームウェア・アップデートは、ディスペンサを制御するためのメモリに格納された第1のロジックをアップデートするための第2のロジックを含み、第2のロジックは、物体センサを有効化する。
【0011】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の説明および添付の図面に関して、より良く理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自律ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを受けるように構成されたディスペンサの例示的実施形態の概略図である。
【0013】
図2】ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを伴う近距離無線通信タグを有する補充ユニットの例示的実施形態の概略図である。
【0014】
図3】ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを伴う近距離無線通信タグを有する補充ユニットの例示的実施形態の概略図である。
【0015】
図4】補充ユニットを使用してディスペンサファームウェアおよび/またはソフトウェアを自律的にアップデートするための方法の例示的実施形態または論理図である。
【0016】
図5】ディスペンサファームウェアおよび/またはソフトウェアを自律的にアップデートするためのファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを伴う近距離無線通信タグを有する補充ユニットを用意するための方法の例示的実施形態または論理図である。
【0017】
図6】スリープ・モードまたは無効モードを有する、ならびにファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを伴う近距離無線通信タグを有する補充ユニットを介してファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを受ける、ディスペンサを製造するための方法の例示的実施形態または論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は、本開示の全体を通じて使用される例示的用語の定義を含む。全ての用語の単数形と複数形両方が、それぞれの意味の範囲内に入る。別途言及される場合を除いて、全ての用語の大文字形と非大文字形が、それぞれの意味の範囲内に入る。
【0019】
本明細書で使用されるような「回路通信」は、デバイス間の通信関係を示す。直接的な電気、電磁気、および光接続、ならびに間接的な電気、電磁気、および光接続が、回路通信の例である。一方のデバイスからの信号が他方のデバイスによって受信された場合、他のいくつかのデバイスによって信号が修正されたかどうかに関わらず、2つのデバイスは回路通信中である。例えば、以下-増幅器、フィルタ、変換器、光遮断器、デジタルもしくはアナログ・バッファ、アナログ積分器、他の電子回路構成要素、光ファイバ送受信器、またはことによると衛星-のうちの1つまたは複数によって分離された2つのデバイスは、一方からの信号が他方に伝達される場合、信号が中間デバイスによって修正されたとしても、回路通信中である。別の例として、電磁気センサは、信号からの電磁放射線を受けた場合、信号で回路通信中である。最後の例として、互いに直接接続されていないが、例えばCPUなどの、第3のデバイスとインターフェースする能力がある2つのデバイスは、回路通信中である。
【0020】
また、本明細書で使用されるように、電圧およびデジタル化された電圧を表す値は、本出願の必要上、同等であるとみなされ、したがって、本明細書で使用されるような「電圧」という用語は、信号、または信号を表すプロセッサにおける値、または信号を表す値から決定されたプロセッサにおける値を指す。
【0021】
本明細書で使用されるような「信号」は、1つもしくは複数の電気信号、アナログもしくはデジタル信号、1つもしくは複数のコンピュータ命令、ビットもしくはビット・ストリーム、または同様のものを含むがこれらに限定されない。
【0022】
「ロジック」は、本明細書で使用されるような「回路」と同義であり、機能または行為を実施するための、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれぞれの組合せを含むがこれらに限定されない。例えば、所望の用途または必要性に基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ、または他のプログラムされたロジック・デバイスを含むことができる。また、ロジックは、ソフトウェアとして完全に具体化されてもよい。本明細書で識別および説明される回路は、所望の機能を実施するための多くの異なる構成を有することができる。
【0023】
詳細な説明において識別された値は例示的なものであり、特定のディスペンサおよび/または補充設計のために必要に応じて決定される。したがって、本明細書で開示および特許請求された発明の概念は、本明細書で開示された実施形態を説明するために使用される特定の値または値の範囲に限定されない。
【0024】
図1は、自律ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートのために構成された非接触ディスペンサ100の例示的実施形態を示す。本例示的実施形態では、ディスペンサ100は、収納容器102を含む。システム回路構成要素130は、収納容器102内にある。システム回路構成要素130は、単一の回路基板上にあってもよく、または複数の回路基板上にあってもよい。さらに、回路構成要素のうちのいくつかは、回路基板上になくてもよく、むしろ、必要に応じて、個別に据え付けられ、他の構成要素に電気的に接続されてもよい。本実施形態では、システム回路構成要素130は、プロセッサ132、メモリ133、オプションのヘッダ134、永久電源136、オプションの電圧調整器138、オプションのドア・スイッチ回路構成要素140、物体センサ142、アクチュエータ・ドライブ回路構成要素148、オプションのキャパシタ・バンク145、オプションのキャパシタ制御回路構成要素146、オプションの取替え可能電源インターフェース差込口144、および読取器170を含む。
【0025】
プロセッサ132は、例えばマイクロプロセッサまたは同様のものなどの、任意のタイプのプロセッサでよい。プロセッサ132は、ヘッダ134と回路通信中である。ヘッダ134は、回路構成要素を手動でプログラムすること、回路構成要素上で診断を実行すること、および/または回路構成要素から情報を取り出すことを行うために、ユーザがシステム回路構成要素130に接続できる接続ポートである。ヘッダ134は、ユーザがシステム回路構成要素130にデバイスを物理的に接続する必要がある物理的な接続である。
【0026】
プロセッサ132は、メモリ133と回路通信中である。メモリ133は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)、電気的プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、もしくは同様のもの、またはその組合せなどの、任意のタイプのメモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ133は、プロセッサ132とは別個のものであり、いくつかの実施形態では、メモリ133は、プロセッサ132上にあるか、その中にある。
【0027】
本例示的実施形態では、例えば1つまたは複数のバッテリなどの、永久電源136も提供される。永久電源136は、ディスペンサ100の耐用期間中、永久電源136を取り替える必要がないように設計されることが好ましい。永久電源136は、電圧調整器回路構成要素138と回路通信中である。いくつかの例示的実施形態では、電圧調整器回路構成要素138は、プロセッサ132、物体センサ142、読取器170、およびドア回路構成要素140に調整された電力を提供する。永久電源136は、少しの電力量を必要とし永久電源136を早期に枯渇させることがない他の回路構成要素に、電力を提供するために使用され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセッサ132は、オプションのドア回路構成要素140と回路通信中であり、その結果、プロセッサ132は、ディスペンサ100のドア(図示せず)がいつ閉められたかがわかる。いくつかの実施形態では、プロセッサ132は、ドアが開けられても、ディスペンサ100が1回分の流体を吐出することを可能にしない。ドア回路構成要素140は、例えば、機械スイッチ、磁気スイッチ、近接スイッチ、または同様のものなど、任意のタイプの回路構成要素でよい。
【0029】
また、プロセッサ132は、物体が吐出エリアに存在するかどうかを検出するための物体センサ142と回路通信中である。物体センサ142は、例えば、赤外線センサおよび検出器、近接センサ、画像化センサ、熱センサ、または同様のものなど、任意のタイプの受動または能動物体センサでよい。
【0030】
さらに、プロセッサ132は、アクチュエータ・ドライブ回路構成要素148と回路通信中である。本例示的実施形態では、アクチュエータ・ドライブ回路構成要素148は、補充ユニット110上にある泡ポンプ114を、モータおよび関連伝導装置150に動作させる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ・ドライブ回路構成要素148は、ディスペンサ100内にある永久ポンプ(図示せず)に、補充ユニットから流体をくみ上げさせる。いくつかの実施形態では、永久ポンプは、例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,143,339号に示され記載されたものなどの、順次アクティブにされるマルチダイアフラム泡ポンプである。非接触ディスペンサの例示的実施形態は、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,172,266号において見つけることができる。
【0031】
本例示的実施形態では、補充ユニット110が、図1のディスペンサ100に挿入された二点鎖線で示されており、補充ユニット110は、図2にも実線で示されている。補充ユニット110は、ディスペンサ100に容易に挿入され、ユニットとしてディスペンサ100から除去される。本例示的実施形態では、補充ユニット110は、コンテナ112、ならびに空気圧縮器116および出口ノズル118を含むオプションの泡ポンプ114を含む。補充ユニット110は、例えば、発泡性石鹸、消毒剤、ローション、モイスチャライザ、または個人の衛生のために使用される他の液体などの、発泡性液体113も含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、補充ユニット110は、泡ディスペンサではなく液体ディスペンサで使用するためのものであり、泡立てられていない液体で満たされる。したがって、空気圧縮器116は、必要ではない。
【0033】
いくつかの実施形態では、ポンプ114および出口ノズル118は、ディスペンサ100の一部であり、補充ユニット110は、ディスペンサポンプおよび出口ノズルと流体伝達中の、コンテナ112の内部を置くために使用される、コンテナ112の最下部の開口部(図示せず)を密封するための密封部材(図示せず)を含む。このような実施形態では、ポンプ114は、泡ポンプまたは液体ポンプでよい。
【0034】
本例示的実施形態では、補充ユニット110は、取替え可能電源120を含む。取替え可能電源120は、例えば、単一の「AA」バッテリなどの、任意の電源でよい。いくつかの実施形態では、取替え可能電源120は、補充ユニット110の中身を吐出するためのモータおよび関連伝導装置150に直接的に電力供給すること、または関連伝導装置150を必要としないポンプ(図示せず)に電力供給することを行うのに十分な電力および/または十分高い電圧を含まない。本例示的実施形態では、取替え可能電源120が、補充ユニット110と共にディスペンサ100に挿入され、補充ユニット110と共にディスペンサ100から除去される。補充ユニット110は、補充ユニット110に添付された取替え可能電源120を有することが好ましいが、いくつかの実施形態では、取替え可能電源120は、補充ユニット110と共に別々に提供される。それでも、どちらの場合でも、取替え可能電源120は、補充ユニット110と共に設置され、除去される。
【0035】
補充ユニット110は、近距離無線通信タグ160を含む。近距離無線通信タグ160(「NFC」タグ160」)は、電子的に読取り可能なデバイスである。いくつかの例示的実施形態では、NFCという用語は、例えば無線周波数識別デバイス(「RFID」)を含むことができる。NFCタグ160は、情報を含む受動デバイスである。いくつかの実施形態では、NFCタグ160は、能動デバイスである。ディスペンサ100は、NFCタグ160がディスペンサに設置されたときにNFCタグ160を読み取るために使用され得る読取器170を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、NFCタグ160は、タイプAまたはタイプBカードを使用して13.56MHzの周波数でワイヤレス通信するデバイスの国際規格であるISO/IEC18000-3を利用する。いくつかの実施形態では、NFCタグ160および読取器170は、情報を伝送できる前に、例えば、互いの4センチメートル内など、互いに近くなければならない。
【0037】
通常動作中、補充ユニット110がディスペンサ100内に置かれたとき、NFCタグ160は、読取器170の近くに置かれる。読取器170は、NFCタグ160に信号をブロードキャストする。NFCタグ160は、読取器170から伝送された信号によって電力供給される状態になる。信号は、NFCタグ160に電力供給し、結果として生じた高周波数の磁場が、NFCタグ160上の1つまたは複数のコイルを読取器170上の1つまたは複数のコイルと離れた状態で連結する。この場が確立されて接続が形成されると、読取器170とNFCタグ160との間で情報が渡されることが可能である。いくつかの実施形態では、読取器170は、タイプAまたはタイプBなど、どのタイプの通信をNFCタグ160が使用するかを知るために、第1のメッセージをNFCタグ160に送る。NFCタグ160が応答すると、読取器170は、その第1のコマンドを適切な仕様で送る。いくつかの実施形態では、NFCタグ160は、命令を受信し、命令が有効であるかどうかをチェックする。信号が有効でない場合、何も発生しない。信号が有効なリクエストである場合、NFCタグ160は、リクエストされた情報で応答する。
【0038】
いくつかの実施形態では、NFCタグ160は、半二重で機能し、その一方で読取器は、全二重で機能する。半二重は、送信と受信両方同時ではなく、送信または受信だけが可能なデバイスを指す。全二重は、信号を同時に送受信することが可能である。したがって、本例示的実施形態では、NFCタグ160は、信号を受信することまたは送信することだけが可能であり、その一方で、読取器170は、コマンドまたは信号を送信すると同時に信号を受信することが可能である。いくつかの実施形態では、コマンドは、周囲の場を修正して信号を送出するために、PJM(位相ジッター変調)を使用して、読取器から伝送される。NFCタグ160は、誘導連結を使用して、NFCタグ160のコイルを通じて電荷を送ることによって回答する。
【0039】
本例示的実施形態では、システム回路構成要素130は、また、プロセッサ132と回路通信中のキャパシタ・バンク145およびキャパシタ制御回路構成要素146を含む。キャパシタ・バンク145およびキャパシタ制御回路構成要素146は、取替え可能電源インターフェース差込口144およびアクチュエータ・ドライブ148と回路通信中である。取替え可能電源インターフェース差込口144は、補充ユニット110がディスペンサ100に挿入されたとき、取替え可能電源120を受け入れること、および/またはそうでなければ、取替え可能電源120と電気的に連結することを行うように構成される。
【0040】
動作中、補充ユニット110がディスペンサ100に挿入されたとき、プロセッサ132およびキャパシタ制御回路構成要素146は、キャパシタ・バンクを同時に充電する。1つの例示的実施形態では、3つのキャパシタがある。キャパシタは、モータおよび関連伝導装置150に電力供給して1回分の泡を吐出するのに必要な電力に備えて、大型であることが好ましい。大型のキャパシタは、キャパシタの最大充電値より少ないポイントまで充電されることが好ましい。キャパシタ・バンク145は最大容量より少なく充電されるので、キャパシタがしばらく稼働していないとき、キャパシタの放電はあまりない。いくつかの実施形態では、キャパシタは、その最大容量の約50%より少なく充電される。いくつかの実施形態では、キャパシタは、その最大容量の約75%より少なく充電される。いくつかの実施形態では、キャパシタは、その最大容量の約90%より少なく充電される。
【0041】
プロセッサ132が、物体センサ142を通じて、物体が吐出ゾーン内にあると決定したとき、プロセッサ132は、アクチュエータ・ドライブ回路構成要素に電力を提供して、モータおよび関連伝導装置150に電力供給し、泡ポンプ118を動作させるために、キャパシタ制御回路構成要素146に、キャパシタを直列に置かせる。1回分が吐出されると、プロセッサ132は、キャパシタ145の電荷をチェックする。電荷が閾値を下回る場合、プロセッサ132は、キャパシタ制御回路構成要素146に、キャパシタ145を充電させる。キャパシタ145は、同時に充電される。
【0042】
図3は、例示的な補充ユニット300の概略図である。例示的な補充ユニット300は、補充ユニット110と同じまたは同様でよく、オプションのポンプを含んでもよい。それでも、本例示的実施形態では、補充ユニット300は、オプションのポンプを含まない。本例示的実施形態では、補充ユニット300は、例えば、消毒剤、石鹸、またはローションなどの、流体(図示せず)を保持するためのコンテナ312を含む。補充ユニット300は、オプションの電力供給装置300も含む。電力供給装置300は、上記で示され説明されたもの、および本明細書に組み込まれるものなどの、ディスペンサ(図示せず)に電力を転送するために使用され得る。補充ユニット300は、NFCタグ360を含み、NFCタグ360は、補充ユニット300のコンテナ312または任意の他の部分に固定され得る。本例示的実施形態では、NFCタグ360は、受動近距離無線通信タグであるが、いくつかの実施形態では、NFCタグ360は、能動タグでもよく、いくつかの実施形態では、電力供給装置320によって電力供給されてもよい。
【0043】
NFCタグ360は、メモリ364を含む。いくつかの実施形態では、補充固有データまたは情報366は、メモリ364内にある。補充固有データ366は、補充ユニット300に固有の情報、または補充ユニット300を描写した情報を含む。補充固有データ366は、例えば、シリアル番号、製造日、製造場所、1つまたは複数の流通業者権限付与コード、有効期限、容積、流体のタイプ、流体用量サイズ、または同様のものでよい。
【0044】
さらに、本例示的実施形態では、メモリ364は、ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデート370を含む。ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデート370は、オプションのアップデート・バージョン372、オプションのディスペンサタイプ/使用法374、1つまたは複数のアップデート定数376、および同様のものを含むことができる。アップデート・バージョン372は、ディスペンサ(例えばディスペンサ100)によって読み取られ、ディスペンサ上で現在動いているファームウェア/ソフトウェア・バージョンと比較される。ディスペンサ上で動いているファームウェア/ソフトウェア・バージョンが同じかこれより新しい場合、アップデート370は無視され得る。ディスペンサ上で動いているファームウェア/ソフトウェア・バージョンがより古い場合、アップデート370は設置され得る。いくつかの実施形態では、バージョンは、メモリ364に含まれない。したがって、アップデート370を受ける任意の互換性のあるディスペンサが、ファームウェア/ソフトウェア・アップデートを実行することになる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ファームウェア/ソフトウェア・アップデートは、ディスペンサタイプ/使用法372を含む。このような場合、ファームウェア/ソフトウェア・アップデート370は、ディスペンサタイプ/使用法372にマッチする選択されたディスペンサ上で動くことができるが、他ではできない。したがって、「汎用」補充ユニット、すなわち、複数のタイプのディスペンサで作動することになる補充ユニットは、ファームウェア/ソフトウェア・アップデートを含むことができるが、アップデートは、ディスペンサの選択されたサブセット上でのみ動くことになる。
【0046】
さらに、いくつかの実施形態では、ファームウェア/ソフトウェア・アップデート370は、例えば選択された年齢についてのディスペンサなどの、選択された層を有するディスペンサ、または、選択された期間にわたってディスペンサを通じて実行される選択された容積の処理量を有してきたディスペンサでのみ動くようにデザインされる。例えば、3年経過したディスペンサおよび/または5個以上の補充ユニットを吐出してきたディスペンサは、現在構成されているものとは異なる容積で吐出するように再構成されるべきであると決定されてもよく、ファームウェア/ソフトウェア・アップデートは、選択された年齢または容積の処理量を超えるこれらのディスペンサだけに対して、出力物の容積を変えるために使用されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ファームウェア/ソフトウェア・アップデート370は、定数アップデート374を含む。定数アップデート374は、ファームウェア・アップデート、またはNFCタグがより少ない量のメモリを有するのに値するアップデートにとって特に有用になり得る。自律的にアップデートされ得る例示的な定数は、例えば、泡出力の液体対空気比、カットオフ電圧、すなわちそのポイントでディスペンサが機能しなくなる電源の電圧レベル、吐出された出力物の滴下または逆流を制限するように構成されたスピード・プロフィール、例えばどのくらいの頻度でセンサが手を探すかなどのハンド・センシング・パラメータの変更、1つまたは複数のステータス指標またはライトのオン/オフ率、例えば20MHzまたは5MHzなどのシステム・クロックのスピード、低電力モード設定、認証タグをチェックするべきかどうか、NFCタグ励振時間、例えば標的と非標的との間のライトの差などのセンサ設定、スタート・スピード、標的が検知エリアを去るのを待つことになる時間の長さ、標的の数、および同様のものを含む。
【0048】
図4は、ディスペンサにおいてソフトウェアおよび/またはファームウェアを自律的にアップデートするための例示的方法400または論理図である。本明細書で示され開示された例示的方法は、例示的実施形態である。いくつかの実施形態では、より多くのまたはより少ないステップまたはブロックが使用されてもよい。さらに、特に言及されない限り、ブロックまたはステップは、異なる順序で実施されてもよい。さらに、1つの例示的実施形態におけるステップまたはブロックは、他の例示的実施形態に追加されても除去されてもよい。
【0049】
例示的方法は、ブロック402において始まる。ブロック404において、NFCタグを有する補充ユニットがディスペンサに設置されたかどうかについての判定が行われる。補充ユニットがディスペンサに設置されていない場合、または補充ユニットがNFCタグを有していない場合、方法は、始まりに引き返す。NFCタグを有する補充ユニットが設置された場合、ディスペンサは、ブロック406において、NFCタグから情報を読み取る。NFCタグからの情報は、例えば、補充ユニットのシリアル番号、補充ユニットの有効期限、補充ユニットの流体容積、補充ユニットの流通業者識別情報、ソフトウェア・アップデート、ファームウェア・アップデート、および同様のものなどの情報を含むことができる。ブロック408において、ファームウェアまたはソフトウェア・アップデートが識別されなかったという判定が行われた場合、方法は、ブロック412に進んで終わる。ブロック408において、ファームウェアまたはソフトウェア・アップデートが識別されたという判定が行われた場合、方法は、ブロック410に移動する。
【0050】
いくつかの実施形態では、ブロック408において、ディスペンサは、ファームウェア/ソフトウェア・アップデートを、ディスペンサで現在動いているファームウェア/ソフトウェアのバージョンと比較する。ディスペンサで現在動いているファームウェア/ソフトウェアのバージョンがアップデートと同じである場合、方法は、ブロック412に移動して終わる。バージョンが異なる場合、方法は、ブロック410に移動する。ブロック410において、ディスペンサは、ディスペンサ上でソフトウェアおよび/またはファームウェア・アップデートを実行する。ディスペンサは、アップデートされたソフトウェアおよび/またはファームウェアをディスペンサメモリに格納する。必要なら、ディスペンサは、リブートして立ち上げる。ディスペンサがリブートまたはリスタートすると、ディスペンサは、アップデートされたソフトウェアおよび/またはアップデートされたファームウェアを使用して動作する。ファームウェア/ソフトウェアは、ファームウェア/ソフトウェアの完全アップデートでよく、または部分アップデートでもよい。いくつかの実施形態では、アップデートは、1つまたは複数の定数のアップデートである。いくつかの実施形態では、ディスペンサは、ディスペンサの停止時間を防ぐために、例えば午前2時など、設定された時間にアップデートを実行する。いくつかの実施形態では、ディスペンサは、即時にアップデートを実行するべきかどうか、または後で実行するべきかどうかについてのユーザ入力をリクエストする。
【0051】
図5は、補充ユニット上で近距離無線通信タグをプログラムする例示的方法である。例示的方法は、ブロック502において始まる。ブロック504において、補充ユニットが提供される。いくつかの実施形態では、補充ユニットは、コンテナに取り付けられたポンプを有するコンテナである。いくつかの実施形態では、補充ユニットは、NFCタグを適用する前に満たされている。いくつかの実施形態では、補充ユニットは、補充ユニットにNFCタグを適用した後に満たされる。ブロック506において、NFCタグが提供される。ブロック510において、ファームウェアまたはソフトウェア・アップデートが、NFCタグにコピーされる。補充固有データは、同時にNFCタグに格納されることが好ましい。ブロック512において、ファームウェアおよび/またはソフトウェアがNFCタグに正しく保存されたかどうかについての判定が行われる。保存された場合、方法は、ブロック516に進む。保存されなかった場合、ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートは、ブロック514において、再保存される。ブロック516において、NFCタグは、補充ユニットに固定され、方法は、ブロック518において終わる。
【0052】
補充ユニットは、例えば、消毒剤、石鹸、またはローションなど、吐出されることが望まれる流体を有するコンテナを含む標準的な補充ユニットであることが好ましい。いくつかの実施形態では、補充ユニットは、ダミーの補充ユニットであり、流体を含まない。いくつかの実施形態では、NFCタグの場所に応じて、ダミーの補充ユニットは、標準的な補充の1つまたは複数の構成要素を含まなくてもよいが、実際は、むしろ、補充ユニットに物理的に似ていなくてもよい。
【0053】
非接触ディスペンサは、物体がいつ検知エリアに存在しているかを検知するための1つまたは複数のセンサを有する。バッテリが製造時にディスペンサ内に置かれ、次にボックス内に置かれる場合、センサは、通常行うのと同様に、物体が存在するかどうかを確かめるためにチェックし、これは、バッテリが電力を枯渇し始める原因となる。いくつかの非接触ディスペンサは、電力を切るためのスイッチ、またはバッテリ接点とディスペンサ接点との間のプラスチック・タブを有し、プラスチック・タブは、ディスペンサを動作させるとき、ディスペンサから除去されなければならない。スイッチを反転させることまたは設置中にプラスチックを除去することを設置者が忘れると、問題が発生する。この例示的方法では、ディスペンサが製造され、バッテリがディスペンサに置かれ、スイッチまたはプラスチック・タブを必要とせずにディスペンサがボックスに詰められてよい。
【0054】
図6は、ファームウェアおよび/またはソフトウェア・アップデートを有する補充ユニットがディスペンサに設置されるまで「スリープ」するディスペンサのための例示的方法である。例示的方法は、ブロック602において始まる。ブロック604において、ディスペンサが製造される。製造中、ディスペンサが完成し、バッテリが設置される。ブロック606において、ディスペンサがプログラムされる。ディスペンサは、スリープ・モードになるように、または検知エリアにおいて物体を検知するためのセンサを無効にするモードになるように、プログラムされる。スリープ・モードでは、センサは節電モードに入り、定期的に目覚めて物体をサーチするだけである。ディスペンサ無効モードでは、センサは、目覚めて物体をサーチすることをしない。
【0055】
ディスペンサは、ブロック608において出荷され、ブロック610において設置される。ディスペンサが設置されると、ブロック612において補充ユニットが設置される。補充は、NFCタグを含む。いくつかの実施形態では、NFCタグがディスペンサ回路構成要素内の読取器の近くに置かれると、NFCタグ上のアップデート情報を読み取り、ファームウェアおよび/またはソフトウェアをアップデートする。ファームウェア/ソフトウェアは、ブロック614においてアップデートし、センサは、通常動作中に検知ゾーン内の物体を能動的にサーチするように設定される。例示的方法は、ブロック616において終わる。
【0056】
本発明の様々な発明の態様、概念、および特徴は、例示的実施形態において組み合わせて具体化されるように本明細書に記載され示され得るが、これらの様々な態様、概念、および特徴は、個別に、またはその様々な結合および小結合で、多くの代替実施形態において使用されてもよい。添付の特許請求の範囲をこのような細目に制約すること、または任意のやり方で限定することは、出願人の意図ではない。本明細書ではっきりと除外されない限り、全てのこのような結合および小結合が、本発明の範囲内であることが意図される。さらに、本発明の様々な態様、概念、および特徴についての様々な代替実施形態--代替の材料、構造、構成、方法、回路、デバイスおよび構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック、(形式、適合および機能についての)代案など--が本明細書で説明され得るが、このような説明は、現時点で知られていようと後で開発されようと、利用可能な代替実施形態の完全なまたは網羅的なリストであることを意図していない。当業者は、発明の態様、概念、または特徴のうちの1つまたは複数を追加の実施形態に容易に採用することができ、このような実施形態が本明細書ではっきりと開示されなかったとしても、本発明の範囲内で使用する。追加として、本発明のいくつかの特徴、概念、または態様が、好ましい配置または方法であると本明細書で説明されることがあったとしても、このような説明は、はっきりとそのように述べられない限り、このような特徴が要求されることまたは必要であることを示唆することを意図するものではない。さらに、本開示の理解を助けるために、例示的または代表的な値および範囲が含まれることがあるが、このような値および範囲は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、そのようにはっきりと述べられた場合のみ、重要な値または範囲であることが意図される。その上、様々な態様、特徴、および概念が、発明であるものとまたは発明の一部を形成するものと本明細書ではっきりと識別されることがあるが、このような識別は、排他的であることを意図するものではなく、むしろ、このような特定の発明としてまたは特定の発明の一部としてはっきりと識別されることのない、本明細書で完全に説明される発明の態様、概念、および特徴が存在し得る。例示的方法またはプロセスの説明は、全てのステップを全ての場合に必要なものとして含むことに限定されず、ステップが提示される順序は、はっきりとそのように述べられない限り、要求されるものまたは必要なものと解釈されるべきではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】