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特表2023-532656検体採取道具密着挿入型の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】検体採取道具密着挿入型の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579917
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 KR2021011474
(87)【国際公開番号】W WO2022019732
(87)【国際公開日】2022-01-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496725
【氏名又は名称】パク、ヨンナム
【氏名又は名称原語表記】PARK, Yong Nam
【住所又は居所原語表記】8F, 12 Geumbit-ro, Paju, Gyeonggi-do 10915 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨンナム
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB20
2G052AD09
2G052BA19
2G052JA23
(57)【要約】
本発明は、検体採取道具密着挿入型の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースに係り、さらに詳しくは、検査者が、ブース内で、ブース外の被検査者の検体を採取するようになるが、検査者は、検体採取用スワブ道具をブース内で扱いながら、被検査者の検体を採取することができ、厚くて鈍いゴム手袋を着用せず、検査者の検体採取作業を行うことができることにより、検体採取作業の効率性を高め、検体採取過程における汚染及び交差感染の発生を防止することができるようにした、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースに関する。このため、検査者が位置する空間を形成するが、外部から密閉され、被検査者に向かってウィンドウウォールが設置された空間部と、前記空間部のウィンドウウォールに設けられ、被検査者の顔面に対応する検診窓と、を含み、前記検診窓は、前記検診窓の両側を貫通して形成され、検体採取用スワブ道具が出入り可能な直径の通路を有するスワブ出入孔部と、前記スワブ出入孔部のうち、前記空間部側のスワブ出入孔部に脱着可能に設けられ、前記空間部から検体採取用スワブをスワブ出入孔部の通路にガイドするために開放される開放手段が形成された脱着キャップと、を含んでもよく、前記開放手段は、前記空間部からスワブ出入孔部の通路に向かって一方向にのみ開放されることを特徴とする検診窓、または、開放手段が必要でなければ、ブースの外部からスワブを挿入可能なホルダ部分が検診窓を貫通し、それと連結され、ブースの内部に露出した取っ手部分を有する構造の形態を特徴とする検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースを提供する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査者が位置する空間を形成するが、外部から密閉され、被検査者に向かってウィンドウウォールが設置された空間部と、
前記空間部のウィンドウウォールに設けられ、被検査者の顔面に対応する検診窓と、を含み、
前記検診窓は、
前記検診窓の両側を貫通して形成され、検体採取用スワブ道具が出入り可能な直径の通路を有するスワブ出入孔部と、
前記スワブ出入孔部のうち、前記空間部側のスワブ出入孔部に脱着可能に設けられ、前記空間部から検体採取用スワブをスワブ出入孔部の通路にガイドするために開放される開放手段が形成された脱着キャップと、を含んでもよく、
前記開放手段は、前記空間部からスワブ出入孔部の通路に向かって一方向にのみ開放されることを特徴とする検診窓、または、開放手段が必要でなければ、ブースの外部からスワブを挿入可能なホルダ部分が検診窓を貫通し、それと連結され、ブースの内部に露出した取っ手部分を有する構造の形態を特徴とする検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【請求項2】
前記開放手段が存在する検診窓の場合は、脱着キャップの一部に設けられた切開線からなり、検体採取用スワブの挿入時、外力によって切開されて切開片を形成し、切開片が脱着キャップ内に巻き込まれながら、脱着キャップの気密が維持されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【請求項3】
前記検体採取用スワブには、検体採取用スワブの直径よりも大きな直径を有し、スワブ出入孔部に挿入されてから抜け出ながら、前記開放手段を干渉して脱着キャップを分離させる干渉板が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【請求項4】
前記ウィンドウウォールには、検査者が位置した空間部と被検査者が位置した外部とを貫通する通孔が形成され、前記検診窓は、脱着手段によって前記通孔に脱着されるように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【請求項5】
前記検診窓には、柔軟な材質の連結部が検診窓の内外部を貫通して形成され、前記連結部を介して非接触体温計が検診窓の外部に露出して設置され、必要に応じて、前記連結部を介して非接触体温計の取っ手が検診窓の内部に露出して設置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【請求項6】
前記空間部は、移動手段によって中央統制建物から移動されるように設置され、前記空間部と中央統制建物との間には、伸縮可能なしわ部が設置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体採取道具密着挿入型の検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースに係り、さらに詳しくは、のろくて鈍くなるゴム手袋の着用を排除し、検診者の検体採取作業の効率性を高め、検体採取過程において、検体採取用スワブがゴム手袋を介して汚染及び交差感染されることを防止することができる、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行(Pandemic)によって、全世界的に多くの感染者と死亡者が発生している。治療剤またはワクチンが開発されている状況では、マスク着用による感染予防とともに、感染疑い者を早期発見する防疫活動が極めて重要である。防疫活動の一つとして、感染疑い者に対する検体採取のためのスクリーニング検査を行う衛生検査所が設けられており、検査者である医療スタッフが、衛生検査所で感染疑い者の検体を採取している。
【0003】
一方、感染疑い者に対する検体採取過程において、検査者である医療関係者及び次の被検査者への伝染防止のために、検体採取場所の環境汚染を防止しなければならない必要性が重要な問題として台頭している。正確なウイルス検査のためには、医療関係者が上気道(口咽頭塗擦物、鼻咽頭塗擦物、鼻腔塗擦物等)からの検体を十分な量で採取することが重要であり、上気道での検体採取は、被検査者がマスク着用を解除した状態で、検査者が被検査者の口咽頭(口)と鼻咽頭(鼻)から採取することにより行われる。このとき、口または鼻からの検体採取時、医療関係者は、必ず滅菌されたスワブを使用しなければならず、患者が多少不便でも、鼻咽頭後壁と口蓋咽頭後壁を数回塗擦(swab)して、十分な量の検体を得なければならない。このような検体採取過程で、被検査者は、反射神経部位の刺激によってくしゃみや咳を引き起こす可能性が極めて高く、被検査者のくしゃみや咳による検体採取場所での飛沫及びエアロゾル伝播等の広範囲な空間汚染を含めて、検査者である医療関係者への伝染可能性が極めて高いという問題と直面しており、実際に、感染疑い者を検査する医療関係者への感染事例が多数発生している。
【0004】
したがって、被検査者に対する検体採取過程で、被検査者のくしゃみによる飛沫及びエアロゾル等の排出、また、呼吸による汚染源の排出等の汚染源に対する管理が極めて重要な問題として台頭している実情である。このような問題を解消するために、図1に示すように、検査者と被検査者との間にウィンドウウォール(window wall)を設置した検査ブースが設けられている。ウィンドウウォールを有する検査ブースの設置によって、ウォークスルー(walking thru)方式の検査が行われることにより、検査者は、短時間で、多くの人の検体を採取することができる。ウォークスルー方式の検査は、ブース内に医療スタッフが位置し、ブース外には、被検査者が位置した状態で、検査者は、ブース外に出ているゴム手袋を着用した後、検体採取用スワブを用いて、被検査者の検体を採取する方式である。このようなウィンドウウォールを有する検査ブースによって、検査者は、外気温に影響されず、防護服を着用する必要がないので、快適な検体採取環境を提供され得るという長所がある。さらに、ウィンドウウォールを有する検査ブースは、医療スタッフの安全性の確保はもとより、検査毎に内部を消毒する必要がないので、検体採取時間をさらに短縮することができるという長所がある。
【0005】
しかしながら、上述したウィンドウウォールを有する検査ブースは、検査者が、破れないように厚くて鈍いゴム手袋を着用した状態で、精密な検体採取を行わなければならないので、微細な操作が困難であるという問題があった。例えば、ゴム手袋の着用によって、医療スタッフは、検体採取用スワブの衛生包装紙を把持し難く、検体採取後、検体採取用スワブを切断して診断チューブに入れる一連の過程が円滑に行われ難いという問題があった。しかも、感染者の汚染源がゴム手袋に付いた状態で、次の被検査者の検体採取を行う場合、ゴム手袋の汚染源が次の被検査者の検体採取用スワブに移ってしまうことがあるので、交差感染の恐れ及び検査正確度の低下のような問題が生じた。このような問題のため、使い捨てビニール手袋を着用しようとしても、交差感染の恐れが全くない状態で精巧に取り出して着用することが難しいのみならず、大規模な検査時は、かえって時間遅れの大きな原因になるという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】『青松郡、「ウォークスルー」検体採取の導入』(慶北新聞2020.04.12.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、検査者が外部と分離されたブース内で、検体採取用スワブの一端部またはそれが挿入結合されたスワブホルダの取っ手部分を、特別な防疫装置無しに、直接握って、検体を採取しやすくすることにより、検体採取作業の効率性を高めるとともに、汚染源が検体採取用スワブに付くことを防止して、検査の正確度を高めることができるようにした、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために導き出されたものであり、検査者が位置する空間を形成するが、外部から密閉され、被検査者に向かってウィンドウウォールが設置された空間部と、前記空間部のウィンドウウォールに設けられ、被検査者の顔面に対応する検診窓と、を含み、前記検診窓は、前記検診窓の両側を貫通して形成され、検体採取用スワブ道具が出入り可能な直径の通路を有するスワブ出入孔部と、前記スワブ出入孔部のうち、前記空間部側のスワブ出入孔部に脱着可能に設けられ、前記空間部から検体採取用スワブをスワブ出入孔部の通路にガイドするために開放される開放手段が形成された脱着キャップと、を含んでもよく、前記開放手段は、前記空間部からスワブ出入孔部の通路に向かって一方向にのみ開放されることを特徴とする検診窓の形態、またはブースの外部からスワブを挿入可能なホルダ部分が検診窓を貫通し、それと連結され、ブースの内部に露出した取っ手部分を有する構造の検診窓の形態等を有するウイルス検体採取用の検査ブースを提供する。
【0009】
このとき、前者の検診窓の形態における前記開放手段は、脱着キャップの一部に設けられた切開線からなり、検体採取用スワブの挿入時、外力によって切開されて切開片を形成し、切開片が脱着キャップ内に巻き込まれながら、脱着キャップの気密が維持されるように構成されたことが好ましい。また、前記検体採取用スワブには、検体採取用スワブの直径よりも大きな直径を有し、スワブ出入孔部に挿入されてから抜け出ながら、前記開放手段を干渉して脱着キャップを分離させる干渉板が形成されたことが好ましい。また、前記ウィンドウウォールには、検査者が位置した空間部と被検査者が位置した外部とを貫通する通孔が形成され、前記検診窓は、脱着手段によって前記通孔に脱着されるように構成されたことが好ましい。
【0010】
また、前記検診窓には、柔軟な材質の連結部が検診窓の内外部を貫通して形成され、前記連結部を介して非接触体温計が検診窓の外部に露出して設置され、前記連結部を介して非接触体温計の取っ手が検診窓の内部に露出して設置されたことが好ましい。
【0011】
また、前記空間部は、移動手段によって中央統制建物から移動されるように設置され、前記空間部と中央統制建物との間には、伸縮可能なしわ部が設置されたことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、以下のような効果を奏する。
【0013】
第一、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、検査者がゴム手袋を着用していない状態で、素手で検体採取用スワブを扱うことができるので、検査者は、検体採取用スワブを精密に操作することができる。これにより、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、検査者の検体採取の効率性を高めることができるという効果がある。
【0014】
第二、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、ゴム手袋を要しないので、汚染源が、ゴム手袋を介して、次の被検査者の検体採取用スワブに交差感染されることが発生しない。これにより、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、検査の安全性を高めることができるという効果がある。
【0015】
第三、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、検診窓が脱着可能になっているので、必要に応じて、検診窓の交替及び別途の殺菌消毒によって、衛生的な検体採取の環境を提供することができるという効果がある。
【0016】
第四、検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、移動手段が設置されることにより、ウォークスルー方式はもとより、ドライブスルー方式にも適用され得る。すなわち、自動車に乗った被検査者に向かって検査者が近付く場合、検査ブース自体が自動車に乗った被検査者に向かって移動することができるので、検査者が外部に露出しなかった状態で、外部温度の変化にかかわらず、便利かつ快適に検体採取作業を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術によるウイルス検体採取用の検査ブースによって、被検査者の検体採取が行われる状態を示す写真である。
図2】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースを示す分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースを示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースの要部断面を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースにおいて用いられる検体採取用スワブを示す図である。
図6】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースにおける脱着キャップを示す斜視図である。
図7a】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースにおける脱着キャップが検診窓から空間部側に脱去される過程を示す図である。
図7b】本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースにおける脱着キャップが検診窓から空間部側に脱去される過程を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態による検体採取用スワブを外部から挿入可能な検診窓とブース内部に取っ手部分が露出した様子を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースが、移動手段によって移動されるように配備された様子を示す平面図である。
図10】本発明の第2実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースが、移動手段によって動くように配備された様子を簡略に示す要部側面図である。
図11】本発明の第3実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースが、トレーラーによって移動されるように配備された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書及び請求の範囲において用いられる用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0019】
以下、添付された図2乃至図7bを参照して、本発明の第1実施形態による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースについて説明する。
【0020】
検査ブースは、検査者である医療スタッフが、ブース内で、検体採取用スワブ道具を素手で扱いながら、ブース外の被検査者の検体を採取するようにした。
【0021】
検査ブースは、図2及び図3に示すように、空間部100と検診窓200を含む。
【0022】
空間部100は、検査者である医療スタッフが位置する空間を形成し、空間部100の外部視認性が確保されるように透明であることが好ましい。空間部100の形状は、特に制限されず、外部との密閉された空間を形成するものであれば、いずれも可能である。空間部100は、図2に示すように、六面体であることが好ましい。このとき、空間部100には、空間部100の内外部を連通させる通孔110が形成される。通孔110は、検査者が後述する検診窓200から被検査者の検体を採取するための空間であって、円形に形成されることが好ましい。また、空間部100には、検診窓200の脱着のための脱着手段300が設けられるが、通孔110の周縁には、脱着手段300である脱着突起310が設置される。脱着突起310の端部の直径は、脱着突起310の直径に比べて大きく形成される。
【0023】
検診窓200は、検査者が検体採取用スワブ400を空間部100の内部から空間部外へ押し出す通路を形成し、透明材質からなる。検診窓200は、通孔110を覆い被せる円形に形成されることが好ましく、脱着手段300によって空間部100に脱着されるようになっている。このため、検診窓200には、脱着手段300の脱着突起310に対応する脱着孔320が、検診窓200の周縁に沿って形成される。脱着孔320は、長孔状に形成されることが好ましく、脱着孔320の端部の直径は、脱着孔320の直径に比べて大きく形成される。脱着孔320の端部から脱着突起310が挿入された後、検診窓200の回転によって、脱着突起310の端部が脱着孔320に係止されることにより、検診窓200が空間部に結合される。検診窓200は、上記のように、脱着手段300によって空間部100に脱着可能に設けられてもよく、空間部100に一体で形成されてもよい。検診窓200の下部には、図2に示すように、被検査者の顎が支持されるように、顎置き部200aが形成されることが好ましい。顎置き部200aは、検診窓200の曲率に沿って弧状に形成されることが好ましい。図示されてはいないが、前記顎置き部200aの両側に延長片が延長され、被検査者の両頬を支持するようにしてもよい。
【0024】
検診窓200は、図4に示すように、スワブ出入孔部210と脱着キャップ220を含む。スワブ出入孔部210は、検体採取用スワブ400が着用者の呼吸器に向かって出入りする通路を形成し、検診窓200の中央に形成される。スワブ出入孔部210の個数は、少なくとも一つであることが好ましく、通常、検体採取用スワブ400が被検査者の鼻や口の中に挿入されることを考慮すると、スワブ出入孔部210の個数は、図2乃至図4に示すように、二つであることが好ましい。スワブ出入孔部210は、検診窓200の内側、すなわち、空間部100に向かって突出され、脱着キャップ220によって開閉されるように形成される。スワブ出入孔部210は、脱着キャップ220との嵌合のために傾斜して形成されることが好ましい。すなわち、スワブ出入孔部210は、検診窓200から空間部100に向かって突出形成されるが、空間部100の方へ行くほどスワブ出入孔部210の直径が次第に細くなるように形成されたものである。このようなスワブ出入孔部210の構成は、脱着キャップ220との締り嵌めの際に効果的であり得る。一方、検診窓200の周縁面には、図2及び図4に示すように、シーリング部材Sが設置され、空間部との気密を維持させることができる。
【0025】
検診窓200の脱着キャップ220は、スワブ出入孔部210を覆い被せてスワブ出入孔部210の通路を閉鎖させ、スワブ出入孔部210に脱着されるようになっている。脱着キャップ220は、スワブ出入孔部210に締り嵌めされるように樹脂物からなることが好ましく、図4及び図7a乃至図7bに示すように、傾斜面を有して形成されることが好ましい。脱着キャップ220は、一側が開口された中空状に形成され、脱着キャップ220の他側面には、開放手段221が形成される。開放手段221は、検体採取用スワブ400のスワブ出入孔部210への挿入をガイドするためのものであり、スワブ出入孔部400に向かって一方向だけが開放されるようになっている。このような構成によって、脱着キャップ220は、検体採取用スワブ400が開放手段221から脱着キャップ220内に挿入されても、気密を維持することができる。開放手段221は、その構成が特に限定されるものではないが、図6に示すように、脱着キャップ220の他側面を四方から切開する切開線で形成されることが好ましい。切開線221の厚さは、脱着キャップ220の厚さに比べて薄いラインに形成され、検体採取用スワブ400に外力が加えられると、切開されるようになっている。これにより、開放手段221は、脱着キャップ220の材質の特性上、検体採取用スワブ400が通過する瞬間、図7aに示すように、スワブ出入孔部210に向かって切開され、一方向に広がって切開片221aを形成するようにしたものである。もちろん、切開線221は、既に切開されている状態であってもよい。また、図示されてはいないが、切開線221の形状は、様々な形状とすることが可能である。例えば、切開線221は、一側だけが固定された円形に形成され、検体採取用スワブ400に力が加えられると、一側を中心として、円形の切開片が巻き込まれるようになっていてもよい。
【0026】
一方、スワブ出入孔部210から検診窓200の内外部を出入りする検体採取用スワブ400について説明する。検体採取用スワブ400は、図5に示すように、切断部410、干渉板420、及び取っ手430を含む。切断部410は、検体採取用スワブ400と取っ手430との分離のためのものであって、検体採取用スワブ400及び取っ手430の直径に比べて小さく形成される。干渉板420は、検体採取用スワブ400がスワブ出入孔部210から被検査者の特定の身体部位を塗擦した後、空間部100の検査者によって回収される過程で、検体が脱着キャップ220に接触しないように、脱着キャップ220を干渉して、スワブ出入孔部210から脱着キャップ220を脱去させるためのものである。干渉板420は、取っ手430の直径に比べて大きな直径を有して形成されるが、スワブ出入孔部210の通路の直径に比べては、小さな直径を有して形成される。取っ手430は、検査者が把持可能なようにバー(bar)の形状に形成される。一方、図示されてはいないが、干渉板420は、凹凸状を有するしわ部からなってもよい。すなわち、検体採取用スワブ400は、しわ部によって脱着キャップ220を除去するようになっていてもよい。このようなしわ部は、上述した脱着キャップ220の円形の切開片に対応するものと言える
【0027】
一方、検診窓200には、図2に示すように、非接触式体温計230と把持部240がさらに配備されることが好ましい。非接触式体温計230は、被検査者の体温を測定するためのものであって、柔軟な材質の連結部231を介して検診窓200に設置される。すなわち、非接触式体温計230は、検査者が被検査者と直接対面しない状態で、熱感知を行うようにするものであって、本発明は、被検査者の検体を採取するための一連の過程で、完全な非対面接触を提供することができるものである。非接触式体温計230は、センサ232を含み、このセンサ232は、検診窓200の外部に露出する。このとき、非接触式体温計230の取っ手233は、図4に示すように、検診窓200の内側に位置され、検査者がセンサ232の位置を調整できるようにした。把持部240は、管理者が検診窓200を運搬しやすくするためのものであって、検診窓200の両側に設置される。
【0028】
以下、上述した構成からなる検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースによって、検査者が被検査者の検体を採取する過程について説明する。
【0029】
中央統制建物から検査ブースが設けられ、検査ブースの前において、ウォークスルー方式によって、感染疑い者に対する検体採取が行われる。このため、検査者は、検査ブース内に位置し、被検査者は、検査ブースの検診窓200に顔面を位置させる。このとき、被検査者は、顎置き部200aに顎を当てた状態で検査を待つ。
【0030】
もし、検体採取用スワブの管理を検査ブースの内部でのみ行おうとするときは、検査ブースの内部で、検体採取用スワブを挿入することができる検診窓の形態を採用する。このとき、検診窓の検査者は、検体採取用スワブ400を脱着キャップ220の開放手段221に押し込み、スワブ出入孔部210の通路に挿入させる。このとき、検体採取用スワブ400は、図7aに示すように開放手段である切開線221を切開して広がって挿入され、以降、検体採取用スワブ400は、スワブ出入孔部210の通路から被検査者の呼吸器系の空間に挿入される。
【0031】
この過程で、広がった切開片221aが、復元されながら、検体採取用スワブ400の取っ手430に密着する。これにより、検診窓200の内側、すなわち、空間部100の内部は、気密が維持され続き、たとえ、被検査者が検診窓200に向かってくしゃみをしても、切開片221aが外側に広げることは発生せず、スワブ出入孔部210の通路は、相変わらず気密維持になっているので、被検査者の呼吸や飛沫が、検査者が位置した空間部100に流入することは発生しなくなる。
【0032】
以降、検査者は、検診窓200から被検査者の顔面を確認しながら、検体採取用スワブ400で塗擦を行うが、検査者は、空間部100の内部において、素手で検体採取用スワブ400を扱うので、検体採取作業の効率性を高めることができる。それから、塗擦が完了すれば、検査者は、検体採取用スワブ400を引っ張って、検診窓200の内部、すなわち、空間部100に抜き出す。
【0033】
このとき、検査者が検体採取用スワブ400を検診窓200内に引っ張ると、検体採取用スワブ400は、図7aに示すように、図面上の左側に移動されてから、干渉板420が切開片221aを干渉して、脱着キャップ220に脱去圧力を作用する。以降、検体採取用スワブ400は、図7bに示すように、脱着キャップ220を、スワブ出入孔部210から分離させる。
【0034】
ところで、もし、検体採取用スワブの全ての管理を、検診ブースの外部において行おうとするときは、図8のように、検体採取用スワブを検診ブースの外部から挿入可能なスワブホルダが付いた検診窓を利用し、ホルダ及び検診窓と連結されて、ブースの内部に突出した取っ手を握って検体を採取する。
【0035】
以降、検査者は、検体採取用スワブ400の切断部410を切断し、検査キットを介してウイルスの診断を行う。このとき、検体採取用スワブ400を切断する作業も、検査者が素手で行うことができるので、正確かつ迅速に行われる。
【0036】
一方、被検査者に対する検体採取が完了すれば、図7bに示すように、脱着キャップ220が分離されて、スワブ出入孔部210が開放された状態となることが分かる。このとき、検体採取を終えた被検査者の呼吸や周辺のエアロゾルがスワブ出入孔部210から流入するか、被検査者がくしゃみをする場合、飛沫がスワブ出入孔部210から検診窓200内に流入する恐れがある。このように、検体採取の完了後、被検査者から汚染源が検診窓200内に流入することを防止するために、図4に示すように、検診窓200の内側に設けられた遮蔽覆い500によってスワブ出入孔部210を遮蔽させる。遮蔽覆い500は、検診窓200の内側の下部に軸結合されており、その軸を中心としてスワブ出入孔部210側に向かって回動可能に設けられる。このとき、図示されてはいないが、遮蔽覆い500の端部には、締結手段(図示せず)が設置され、遮蔽覆い500が検診窓200の内側に向かって回動されて、スワブ出入孔部210を遮蔽させた後、遮蔽覆い500の動きを拘束させることができる。
【0037】
上述したように、検査ブースは、中央統制建物の一側に構造物として配備され、被検査者が検査ブースを通る中で検体採取が行われるウォークスルー方式が適用されてもよく、また、検査ブース自体が移動し、自動車に乗った被検査者に近付いて検体採取が行われるドライブスルー方式が適用されてもよい。これを、本発明の第2実施形態として提示し、添付された図9及び図10を参照して説明する。説明するのに先立って、第1実施形態と同じ部材については、同じ符号を付けてあることを言っておく。
【0038】
検査ブースは、中央統制建物とは別個の個別体として配備され、検査ブースと中央統制建物との間には、伸縮作用が可能なしわ部600が設置される。しわ部600は、伸縮作用を行いながら、中央統制建物に対して検査ブースの移動及び接近を円滑に行うことができる。しわ部600は、中央統制建物と検査ブースとの間を連結する連結通路を形成するが、このようなしわ部600の構成は、空港の搭乗ゲートと飛行機との間を連結して通路を形成する搭乗橋(Boarding Bridge;Jet Bridge)の構成と同様である。
【0039】
また、検査ブースには、図10に示すように、検査ブースの移動のための駆動手段700が設置され、検査ブースの高さを調節可能な高さ調節手段800が設置される。駆動手段700は、駆動モータ等の駆動部と、この駆動部の動力を介して転がり作用を行うことができるホイールとを含む。このとき、ホイールの方向を切り替える操向装置が配備されてもよい。高さ調節手段800は、ドライブスルー検査方式の場合、自動車の運転席の位置に対応するためのものである。自動車の種類毎に、運転席の高さが異なるので、高さ調節手段800は、検査ブースを昇降させるようになったものである。高さ調節手段800には、油圧シリンダ等が設けられてもよく、検査ブースを昇降させる動力を発生するものであれば、いずれも使用可能である。
【0040】
一方、検査ブースは、移動式トレーラーに適用され、集団検査が必要な当該検査場所に移動することができる移動型として配備されてもよい。これを、本発明の第3実施形態として提示し、図11を参照して説明する。
【0041】
図11に示すように、救急車とトレーラー900が配備され、トレーラー900の一側には、検診窓200が設置される。救急車は、一般の自動車であってもよく、検診窓200は、第1実施形態において説明した検診窓200とその構成が同じである。このように、検査ブースがトレーラー900に適用されることにより、本発明は、距離にかかわらず、被検査者を直接訪ねることができるので、ウイルス検査を迅速に行うことができるという長所がある。
【0042】
上述のように、本発明による検診窓を有するウイルス検体採取用の検査ブースは、検査者がブース内に位置し、ゴム手袋を着用しなかった状態で、検体採取用スワブ道具を扱い、ブース外の被検査者の検体を採取できるようになっている。これにより、検査者の感染からの安全を確保するとともに、検査者に快適な検査環境を提供することができ、ウォークスルー及びドライブスルー等の多様な検査方式に適用され得る。
【0043】
以上、本発明は、記載された具体例について詳しく説明されたが、本発明の技術思想の範囲内で、様々な変形及び修正が可能であることは、当業者にとって明白なものであり、このような変形及び修正は、添付された特許請求の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0044】
100 空間部
110 通孔
200 検診窓
200a 顎置き部
210 スワブ出入孔部
220 脱着キャップ
221 開放手段(切開線)
221a 切開片
230 非接触式体温計
231 連結部
232 センサ
233 取っ手
240 把持部
300 脱着手段
310 脱着突起
320 脱着孔
400 検体採取用スワブ
410 切断部
420 干渉板
430 取っ手
500 遮蔽覆い
600 しわ部
700 駆動手段
800 高さ調節手段
900 トレーラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
検診窓200は、図4に示すように、スワブ出入孔部210と脱着キャップ220を含む。スワブ出入孔部210は、検体採取用スワブ400が被検査者の呼吸器に向かって出入りする通路を形成し、検診窓200の中央に形成される。スワブ出入孔部210の個数は、少なくとも一つであることが好ましく、通常、検体採取用スワブ400が被検査者の鼻や口の中に挿入されることを考慮すると、スワブ出入孔部210の個数は、図2乃至図4に示すように、二つであることが好ましい。スワブ出入孔部210は、検診窓200の内側、すなわち、空間部100に向かって突出され、脱着キャップ220によって開閉されるように形成される。スワブ出入孔部210は、脱着キャップ220との嵌合のために傾斜して形成されることが好ましい。すなわち、スワブ出入孔部210は、検診窓200から空間部100に向かって突出形成されるが、空間部100の方へ行くほどスワブ出入孔部210の直径が次第に細くなるように形成されたものである。このようなスワブ出入孔部210の構成は、脱着キャップ220との締り嵌めの際に効果的であり得る。一方、検診窓200の周縁面には、図2及び図4に示すように、シーリング部材Sが設置され、空間部との気密を維持させることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
検診窓200の脱着キャップ220は、スワブ出入孔部210を覆い被せてスワブ出入孔部210の通路を閉鎖させ、スワブ出入孔部210に脱着されるようになっている。脱着キャップ220は、スワブ出入孔部210に締り嵌めされるように樹脂物からなることが好ましく、図4及び図7a乃至図7bに示すように、傾斜面を有して形成されることが好ましい。脱着キャップ220は、一側が開口された中空状に形成され、脱着キャップ220の他側面には、開放手段221が形成される。開放手段221は、検体採取用スワブ400のスワブ出入孔部210への挿入をガイドするためのものであり、スワブ出入孔部210に向かって一方向だけが開放されるようになっている。このような構成によって、脱着キャップ220は、検体採取用スワブ400が開放手段221から脱着キャップ220内に挿入されても、気密を維持することができる。開放手段221は、その構成が特に限定されるものではないが、図6に示すように、脱着キャップ220の他側面を四方から切開する切開線で形成されることが好ましい。切開線221の厚さは、脱着キャップ220の厚さに比べて薄いラインに形成され、検体採取用スワブ400に外力が加えられると、切開されるようになっている。これにより、開放手段221は、脱着キャップ220の材質の特性上、検体採取用スワブ400が通過する瞬間、図7aに示すように、スワブ出入孔部210に向かって切開され、一方向に広がって切開片221aを形成するようにしたものである。もちろん、切開線221は、既に切開されている状態であってもよい。また、図示されてはいないが、切開線221の形状は、様々な形状とすることが可能である。例えば、切開線221は、一側だけが固定された円形に形成され、検体採取用スワブ400に力が加えられると、一側を中心として、円形の切開片が巻き込まれるようになっていてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7a
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7b
【国際調査報告】