(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】ポリウレタンを含む安全窓フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 27/40 20060101AFI20230724BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230724BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20230724BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
B32B27/40
B32B27/00 M
C09J7/38
C09J201/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580726
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2021055776
(87)【国際公開番号】W WO2022003544
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ギロン,レスビア イー.
(72)【発明者】
【氏名】ライオン,キース アール.
(72)【発明者】
【氏名】ジェネン,ジェイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スーン
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AK42C
4F100AK51A
4F100AT00
4F100BA03
4F100CB05B
4F100CB05G
4F100EH51C
4F100EJ91C
4F100GB07
4F100GB32
4F100JK12
4F100JN01
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA06
4J004CE01
4J004DB02
4J004FA04
4J004FA07
4J004FA08
4J040DF001
4J040JA09
4J040JB09
4J040MA05
4J040MB05
4J040NA12
(57)【要約】
安全窓フィルムが記載される。特に、ポリウレタンを含む基材であって、第1及び第2の主面を有する基材と、光学的に透明な感圧接着剤と、ポリマーライナーと、を含む安全窓フィルムが記載される。基材の第1の主面は、安全フィルムの上面であり、ポリウレタンは、80D未満のショア硬度を有する。このようなフィルムは、従来の安全窓フィルムよりも改善された物理的及び光学性能を提供することができるとともに、設置がより容易である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全フィルムであって、
ポリウレタンを含む基材であって、第1及び第2の主面を有する前記基材と、
光学的に透明な感圧接着剤と、
ポリマーライナーと、
を含み、
前記基材の前記第1の主面が、前記安全フィルムの上面であり、
前記ポリウレタンが、80D未満のショア硬度を有する、安全フィルム。
【請求項2】
前記基材が、少なくとも2つの層を含む、請求項1に記載の安全フィルム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの層のうちの1つの層がポリウレタンを含み、前記少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つの他の層がポリウレタンを含まない、請求項2に記載の安全フィルム。
【請求項4】
前記少なくとも2つの層が、接着剤で互いに結合されている、請求項2に記載の安全フィルム。
【請求項5】
前記ポリマーライナーが、ポリエステルを含む、請求項1に記載の安全フィルム。
【請求項6】
前記基材が、100~360マイクロメートルである、請求項1に記載の安全フィルム。
【請求項7】
前記基材が、単一層である、請求項1に記載の安全フィルム。
【請求項8】
飛散防止窓であって、
少なくとも1枚のガラス板であって、内面及び外面を画定する、少なくとも1枚のガラス板と、
前記少なくとも1枚のガラス板の前記内面又は外面に積層された安全フィルムであって、前記安全フィルムが、80D未満のショア硬度を有するポリウレタンを含む基材と、光学的に透明な感圧接着剤と、を含み、前記基材が第1及び第2の主面を有する、安全フィルムと、
を含み、
前記少なくとも1枚のガラス板の表面から遠い方の前記主面が、前記安全フィルムの上面である、飛散防止窓。
【請求項9】
前記安全フィルムの前記基材が、少なくとも2つの層を含む、請求項8に記載の飛散防止窓。
【請求項10】
前記基材が、100~360マイクロメートルである、請求項8に記載の飛散防止窓。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
安全窓フィルムは、異なる物理的特性を有するガラス窓に追加のバリア基材を設けるために使用される。安全窓フィルムとして設置されたポリマーフィルムは、不法侵入の攻撃を遅らせ、物理的衝撃に対する保護を提供し、又はそうでなければガラスが粉々になる事象の場合に自由に飛散する破片の数を減少させることができる。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本明細書は安全フィルムに関する。安全フィルムは、ポリウレタンを含む基材であって、第1及び第2の主面を有する、基材と、光学的に透明な感圧接着剤と、ポリマーライナーと、を含む。基材の第1の主面は、安全フィルムの上面であり、ポリウレタンは、80D未満のショア硬度を有する。
【0003】
別の態様では、本明細書は、飛散防止窓に関する。飛散防止窓は、少なくとも1枚のガラス板であって、内面及び外面を画定する、少なくとも1枚のガラス板と、少なくとも1枚のガラス板の内面又は外面に積層された安全フィルムであって、安全フィルムが、80D未満のショア硬度を有するポリウレタンを含む基材と、光学的に透明な感圧接着剤と、を含み、基材が第1及び第2の主面を有する、安全フィルムと、を含む。少なくとも1枚のガラス板の表面から遠い方の主面は、安全フィルムの上面である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、安全フィルムの概略側面断面図である。安全フィルム100は、第1の主面112及び第2の主面114を含む基材110と、光学的に透明な感圧接着剤120と、ポリマーライナー130と、を含む。
【0006】
安全フィルムは、任意の好適なサイズ及び形状であってもよい。いくつかの実施形態では、安全フィルム100は、取り付けられる窓のサイズに予め切断される、又はカスタムカットされる。一般に、この形状は長方形であるが、完全な若しくは部分的な円又は楕円、又は別のまっすぐな側部形状などの他の形状も適切であり得る。概して、安全フィルムは、フィルムのロール(適切なサイズ及び形状への変換を可能にするために、特定の固定された幅及び非常に長い長さ寸法を有する)として販売又は輸送される。
【0007】
基材110は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、基材110は、ポリウレタンの層である、又はポリウレタンの層を含む。ポリウレタンフィルムは、ペレット化された原材料からの溶融押出などの任意の好適なプロセスによって形成されてもよい。ポリウレタンフィルム基材は、任意の好適な厚さのものであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリウレタンフィルム基材は、100マイクロメートル~400マイクロメートルの厚さである。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、熱可塑性ポリウレタンである。様々なポリウレタン及びポリウレタンブレンドは、それらのショア硬度によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、基材110のポリウレタンは、90D未満のショア硬度を有してもよく、80D未満のショア硬度を有してもよく、70D未満のショア硬度を有してもよく、100A未満のショア硬度を有してもよく、95A未満のショア硬度を有してもよく、90A未満のショア硬度を有してもよく、85A未満のショア硬度を有してもよく、又は80A未満のショア硬度を有してもよい。いくつかの実施形態では、基材110のポリウレタンは、交互のハードセグメント及びソフトセグメント(熱可塑性ポリウレタンに典型的)から構成されるブロックコポリマーであり、ハードセグメントの百分率として特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、基材110のポリウレタンは、66%未満のハードセグメント、62%未満のハードセグメント、60%未満のハードセグメント、55%未満のハードセグメント、50%未満のハードセグメント、又は45%未満のハードセグメントを有する。
【0008】
驚くべきことに、より剛性のポリウレタン(又は従来の、更により剛性のポリエチレンテレフタレート)が、必ずしも安全窓フィルムのより良好な性能をもたらすとは限らない。対照的に、より軟質のポリウレタンは、その適合性のために、多種多様な試験にわたってより良好に機能し得る。加えて、安全窓フィルムの設置は、典型的には湿式設置であり、これは、正確に位置決めされるまでフィルムをスライドできるようにするために、石鹸水が使用されることを意味する。しかしながら、これは、外観における気泡及び他の光学的欠陥を回避するために、水をフィルムと窓との間から物理的に出す必要があることを意味する。従来のより剛性のフィルムでは、この工程は非常に労働集約的であり、困難である。本明細書に記載されるものなどのより軟質のポリウレタン安全フィルムは、安全窓フィルム及び窓自体への損傷の可能性がより低い状態で、この設置工程をはるかに容易にかつ迅速にすることができる。しかしながら、本明細書に記載されるフィルムは、乾式積層(窓が建物に設置される前にフィルムをガラスに取り付けるために機械を使用して)などの任意の他の設置方法で使用されてもよい。
【0009】
基材110の第1の主面112は、フィルムの外面又は上面であってもよい。この区別は、いくつかの実施形態では、基材110、例えば、ハードコーティング又は追加の基材若しくは他の層の主面112上に更なる材料が設けられないことを強調することを意図している。
【0010】
いくつかの実施形態では、基材110は、複数の層を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基材110は、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリウレタンの3層を含んでもよい。これらの層は、接着剤を用いて一緒に積層されてもよく、恒久的に熱結合されてもよく、又は任意の他の好適な手段によって取り付けられてもよい。用途に応じて、各々が任意の好適な厚さを有する任意数の層、例えば5層又は7層を有する他の実施形態が望ましい場合がある。
【0011】
光学的に透明な感圧接着剤120は、任意の好適な厚さで適用される任意の好適な接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤120は、基材110及びそれが適用される予定のガラス窓表面の両方に適合するように選択される。いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤120は、その柔軟性若しくは硬度(弾性率)又はその流動性などのその物理的特性のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤120は、その透過性、又はより具体的にはその光学的透明性(高)、光透過率(高)、及び光学ヘイズ(低)などのその光学特性のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤120は、アクリル接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤120は、1~25マイクロメートルの厚さ、25~50マイクロメートルの厚さ、50~75マイクロメートルの厚さ、75~100マイクロメートルの厚さ、又は更には100~500マイクロメートルの厚さであってもよい。接着剤層は、任意の好適な手段によって形成されてもよく、次いで、任意の好適な方法によって、例えば、溶媒若しくは押出コーティングによって、又は転写テープ若しくは接着剤層を担持する剥離ライナー(例えば、本明細書でより詳細に論じられるポリマーライナー130)の積層によって、基材上に施され又は設けられてもよい。
【0012】
ポリマーライナー130は、任意の好適な材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーライナー130は、平滑なライナーであってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーライナー130は、識別可能なテクスチャ又は反復構造を有しておらず、必ずしも数学的に完全に平坦(0のRa)ではない。ライナーがポリマーであることは、それを従来の紙ライナーと区別ことになる。紙ライナーは、木材繊維から形成されており、概して感光用途には本質的に粗すぎる表面を有する。特に、ポリウレタンのような軟質ポリマーを含む基材では、紙ライナーは、その粗さをフィルムの前面又は裏面に転写し、安全窓フィルム用途にとって非常に好ましくない「オレンジピール」様のテクスチャをもたらする場合がある。
【0013】
ポリマーライナー130は、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。好適な剥離コーティングとしては、シリコーン又は天然ワックスが挙げられる。ライナーもまた、任意の好適な厚さであってもよい。例えば、ライナーは、25~100マイクロメートルの厚さであってもよい。用途に応じて、容易な取り扱い、接着(逆に、剥離)、及び重量の間のバランスは、特定の材料、厚さ、又は構成を当業者に示唆し得る。
【0014】
図2は、飛散防止窓の概略側面断面図である。飛散防止窓200は、第1の主面212及び第1の主面の反対側の第2の主面を含む基材210と、光学的に透明な感圧接着剤220と、内面242及び外面244を有し画定する少なくとも1枚のガラス板240と、を含む。
【0015】
基材210は、
図1の基材110について記載したとおりである。同様に、光学的感圧接着剤220は、光学的に透明な感圧接着剤220に対応する。基材が感圧接着剤を介して少なくとも1枚のガラス板240に取り付けられているので、ポリマーライナーは存在しない。少なくとも1枚のガラス板240は、少なくとも単一枚数のガラス板を含むが、二重若しくは三重ガラスを含む、又はそれらで構成されていてもよい。そのような場合、
図2には詳細に示されておらず、飛散防止窓の全般的な構造及び構成は同じままである。
【0016】
少なくとも1枚のガラス板240は、ガラス板の数にかかわらず、窓にどのように設置されることが意図されているか、又はどのように実際に設置されるかに応じて、内面及び外面を画定する。最も一般的には、内面242は、基材210が取り付けられる表面であり、そのような構成は、UV、熱、及び降雨曝露などの環境老化に対するフィルムの保護を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態では、外面244を使用して、基材210を取り付けてもよい。このような構成は
図2に明示的に示されていないが、当業者であれば容易に理解することができる。フィルムのための追加の保護は、フィルムが屋外環境に曝露される構成に必要な場合がある。例えば、外部に配置された安全窓フィルムの機能寿命を延ばすのを助けるために、UV吸収剤、UV安定剤、又はハードコートが含まれてもよい。
【0017】
光学的に透明な感圧接着剤220を介した少なくとも1枚のガラス板240への基材210の接着は、窓構造全体に物理的利益を提供し得る。例えば、ガラス板への基材の取り付けは、窓を破壊しようとする攻撃を遅らせ得る。安全窓フィルムが伸張し、工具の衝撃力の一部を吸収するので、引き裂いて貫通し、侵入するのに十分な開口部を作り出すのに必要な時間が増加すると、犯罪の機会を求める犯罪者を思いとどまらせることができる。盗難の抑止力としての車の警報と同様に、安全窓フィルムが取り付けられた窓を通って侵入するのに必要な長時間の努力及び時間は、犯罪の遂行を妨害する不要な注目を集めることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光学的に透明な感圧接着剤220を介した少なくとも1枚のガラス板240への基材210の接着は、震盪性事象(爆発又は爆風)、暴風、又は強烈な応力が窓に加えられる別の種類の事象の場合に、破損防止又は飛散防止性を提供し得る。
【0019】
図中の要素についての説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されると理解されたい。本発明は、前述した特定の実施形態に限定されると考えてはならないが、それは、このような実施形態が、本発明の種々の態様の説明を容易にするために詳細に説明しているためである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって定義される本発明の範囲内に含まれる様々な変形形態、同等のプロセス、及び代替的デバイスを含めた、本発明の全ての態様を包含するものと理解されるべきである。
【実施例】
【0020】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)フィルムを、ペレット形態のポリウレタン樹脂で作製し、接着剤でコーティングし、それらの物理的特性を測定した。また、フィルムをアニールしたガラスパネルに積層し、衝撃試験に供した。
【0021】
本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比などは、別途指示がない限り、重量に基づくものである。以下の略語が本明細書で使用される:N-m=ニュートン-メートル、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、°F=華氏、J=ジュール、mm/分=ミリメートル/分、μm=マイクロメートル、”=インチ、%=パーセント、MD=機械方向、TD=横断方向。
【0022】
【0023】
試験方法:
物理的特性
以下の試験は、Universal Testing System、モデル#5965U2578、Instron(Norwood,MA)を使用して行った。応力-歪み曲線下の面積は、フィルムの高エネルギー吸収及びフィルムの引き裂き抵抗の指標を提供した。
1.プラスチックフィルム及び薄シートの引き裂き伝播抵抗(トラウザー引き裂き)のための単一引き裂き法によるASTM D1938-19標準試験法に従ったトラウザー引き裂き。引き裂き速度率に対する変更は、12700mm/分の速度率に変更された。
2.プラスチックフィルム及びシートの引き裂き抵抗(グレーブス引き裂き)のためのASTM D 1004-13標準試験法に従ったグレーブス引き裂き。試験に以下の変更を加えた。
a.試料幅は38.1mmであった。
b.速度率12700mm/分
3.薄プラスチックシートの引張特性のためのASTM D-882-18標準試験法に従った伸び率。速度率を12700mm/分に変更した。
4.荷重及び変位センサーを使用したプラスチックフィルムの高速穿刺特性のためのASTM D7192-20標準試験法に従った穿刺。試験に対する変更は、締め付けのためのゴムガスケットの使用を伴わず、落下速度は2.45m/sであり、衝撃のために露出されたフィルムの直径は45mmである。
【0024】
衝撃特性
試料を、幅86.36cm×高さ193.04cm、0.623cm厚のアニールされたガラスパネル上に乾式積層し、以下の基準に従って評価した。結果を、分離した材料のグラム(g)として記録する。
1)建物に使用される安全材料のための衝撃ANSI Z 97.1-2015クラスA、542.33 J衝撃-安全性能仕様及び試験法、米国規格協会
2)建築用ガラスはめ材料のためのCPSC 1201安全規格、消費者製品安全委員会(16 CFR Ch.II,1-1-03版)。
【0025】
光学特性
ヘイズ、透明度、及び透過率を全ての試料について測定した。試験は、Hunter Lab ULTRASCAN PRO(Reston,VA)を用いて行った。結果を%で報告した。
【0026】
実施例(E1-2、CE1):
熱可塑性カプロラクトン系ポリウレタン樹脂R1を、約380°Fの温度で、二軸押出機で押出した。コーティングダイにより、キャスティングホイールの上部にある平滑なPETキャスティングライナー上に、TPUフィルムをおよそ305μmの厚さに押出した。次いで、TPUフィルムを積層ニップに通して供給して、押出されたTPUフィルムとキャスティングライナーとの間の結合を増大させた。エッジトリムを除去し、TPUフィルムを巻取機に巻き取った。TPUフィルムの露出側をコロナ処理し、次いで、3M Optical Clear Adhesive 8212(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)と同様の、ポリマーライナーに取り付けられた光学的に透明なアクリル系感圧接着剤(PSA)でコーティングした。
実施例1(E1)は、25.4μmのPSAでコーティングされたTPUフィルムであった。
実施例2(E2)は、44.45μmのPSAでコーティングされたTPUフィルムであった。
比較例1(CE1)は、25.4μmのPSAでコーティングされたPET1であった。
【0027】
【0028】
【0029】
トラウザー及びグレーブス引き裂き試験は、TPUフィルムの靭性がPET1フィルムと比較してはるかに高いことを示した。
【0030】
【0031】
E2は、CE1と比較して優れたガラス断片保持率を示した。
【0032】
【0033】
E1及びE2は、CE1と比較してより低いヘイズを示す。CE1及びE1上にコーティングされた接着剤及び接着剤の厚さは同じであった。
【0034】
設置観察
Interwest Tools(Denver,CO)製の5インチ(12.7cm)のBlue Max Angle Cut Squeegee Blade(GT117A)を備えたThor’s Hammer Squeegee Handle(GT1006)を使用し、窓に石鹸水を適用して、フィルムCE1を窓に設置した。この工具は、設置者が石鹸水を除去するために必要に応じてスキージプロセス中に大きな力を加えることを可能にした。E1及びE2フィルムを設置するために、Interwest Tools(Denver CO)製のBlue Max Angle Cut Squeegee Blade(GT122)を備えたUnger Handleを使用して、石鹸水を除去した。水を除去するのに必要な力がより小さくなるので、この工具を使用した。
【国際調査報告】