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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】倉庫シャトル
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580983
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2021092993
(87)【国際公開番号】W WO2022001377
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010612746.3
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】宋 国▲庫▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】于 宗靖
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲偉▼全
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF22
3F022HH05
3F022MM01
3F022MM57
3F022NN02
(57)【要約】
本開示は、倉庫シャトルに関する。倉庫シャトルは、車両本体と、車両本体に取り付けられた第1のアームと、車両本体に取り付けられ第1のアームから間隔を置いて配置された第2のアームと、第1のアームと第2のアームとの間に配置され第1のアームと第2のアームとの間で物品を担持する第1の担持部材と、第1のアームに対して第2のアームを動かすように第2のアームに連結された第1の可撓性伝動部材を備える第1の可撓性駆動部と、第1のアームに対して第1の担持部材を動かすように第1の担持部材に連結された第2の可撓性伝動部材を備える第2の可撓性駆動部と、を備える。本開示の技術的な解決策を採用することによって、第2のアームおよび第1の担持部材の両方が、可撓性駆動部によって駆動され、それによって、従来技術におけるリンク機構によってアームに中間支持プレートを連結することによる多くの結合点および複雑な構造の問題が改善される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫シャトルであって、
車両本体と、
前記車両本体に取り付けられた、第1のアーム(23)と、
前記車両本体に取り付けられ、前記第1のアーム(23)から間隔を置いて配置された、第2のアーム(8)と、
前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間に配置され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で物品を担持する、第1の担持部材(7)と、
前記第1のアーム(23)に対して前記第2のアーム(8)を動かすように前記第2のアーム(8)に連結された第1の可撓性伝動部材(12)を備える、第1の可撓性駆動部(1)と、
前記第1のアーム(23)に対して前記第1の担持部材(7)を動かすように前記第1の担持部材(7)に連結された第2の可撓性伝動部材(17)を備える、第2の可撓性駆動部(2)と、
を含んでなることを特徴とする、倉庫シャトル。
【請求項2】
前記第1の可撓性駆動部(1)が、前記車両本体の前記第1のアーム(23)に近接する側に取り付けられた、第1の駆動輪(10)と、前記車両本体の前記第2のアーム(8)に近接する側に取り付けられた、第1の従動輪(11)と、をさらに備え、前記第1の可撓性伝動部材(12)が、前記第1の駆動輪(10)と前記第1の従動輪(11)とに巻き付けられ、
前記第2の可撓性駆動部(2)が、前記車両本体の前記第1のアーム(23)に近接する側に取り付けられた、第2の駆動輪(15)と、前記車両本体の前記第2のアーム(8)に近接する側に取り付けられた、第2の従動輪(16)と、をさらに備え、前記第2の可撓性伝動部材(17)が、前記第2の駆動輪(15)と前記第2の従動輪(16)とに巻き付けられている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項3】
回転シャフト(5)をさらに備え、前記第1の駆動輪(10)および前記第2の駆動輪(15)がともに前記回転シャフト(5)に取り付けられ、前記第1の駆動輪(10)と前記第2の駆動輪(15)との直径比が、2対1である、請求項2に記載の倉庫シャトル。
【請求項4】
前記車両本体が、
前記第1のアーム(23)の前記第2のアーム(8)から離れた側に配置され、内部に前記回転シャフト(5)、ならびに前記回転シャフト(5)に取り付けられた前記第1の駆動輪(10)および前記第2の駆動輪(15)が配置される、第1のボックス(9)と、
前記第2のアーム(8)の前記第1のアーム(23)から離れた側に配置され、それに前記第1の従動輪(11)および前記第2の従動輪(16)が取り付けられる、第2のボックス(20)と、
を備えている、請求項3に記載の倉庫シャトル。
【請求項5】
2つの第1の可撓性駆動部(1)が、前記倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の倉庫シャトル。
【請求項6】
2つの第2の可撓性駆動部(2)が、前記倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の倉庫シャトル。
【請求項7】
前記第1の可撓性伝動部材(12)が、伝動ベルトを備える、および/または、
前記第2の可撓性伝動部材(17)が、伝動ベルトを備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の倉庫シャトル。
【請求項8】
前記第1のアーム(23)に連結され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で前記物品を担持するように構成された、第2の担持部材(22)と、
前記第2のアーム(8)に連結され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で前記物品を担持するように構成された、第3の担持部材(24)と、
をさらに備えている、請求項1から7のいずれか一項に記載の倉庫シャトル。
【請求項9】
前記第1のアーム(23)が、前記第1の可撓性伝動部材(12)に連結された、第1のアーム本体と、前記車両本体の外側まで伸長するように前記第1のアーム本体に対して動くことができる、第1の移動部材と、を備え、
前記第2のアーム(8)が、前記第2の可撓性伝動部材(17)に連結された、第2のアーム本体と、前記車両本体の外側まで伸長するように前記第2のアーム本体に対して動くことができる、第2の移動部材と、を備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の倉庫シャトル。
【請求項10】
第1のシフティングアーム(25)が前記第1の移動部材に対して平行な第1の位置と、前記第1のシフティングアーム(25)が前記第1の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、前記第1の移動部材に回転可能に取り付けられた、前記第1のシフティングアーム(25)と、
第2のシフティングアームが前記第2の移動部材に対して平行な第1の位置と、前記第2のシフティングアームが前記第2の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、前記第2の移動部材に回転可能に取り付けられた、前記第2のシフティングアームと、
をさらに備えている、請求項9に記載の倉庫シャトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、参照によりその開示全体を本明細書に組み込む、2020年6月30日出願の中国特許出願第202010612746.3号に基づいており、その優先権を主張する。
【0002】
本開示は、物流機材の分野に関し、詳細には、倉庫シャトルに関する。
【背景技術】
【0003】
多層シャトルの立体倉庫における物品-人システム(articles-to-person system)、すなわち、「多数シャトルシステム(multiple shuttle system)」は、eコマース物流に対処するように独立的に開発された小パッケージ品-人システム(small-package articles-to-person system)である。このシステムは、従来の倉庫と比較すると、人的な有効性および領域の有効性を著しく向上させ、物品-人ピッキングモード(picking mode)の重要な部分である。多層シャトルは、固定ピッチシャトル、および可変ピッチシャトルを含む。固定ピッチシャトルは、固定されたサイズの物品の収納および取り出しのみに使用することができる。可変ピッチシャトルは、アーム同士の間のスペースを調整することができるので、様々なサイズの物品の収納および取り出しに使用することができ、一般に、独自パッケージの物品の収納および取り出しに使用される。独自パッケージの幅および重量が大きすぎる場合、通路がシャトルへと引っ張られるまたはたシャトルから押し出されるとき、パッケージの底部が沈みやすく、それによって、パッケージの底部、シャトルの積載領域の両端におけるパッケージ中間支持プレート、およびシャトルがそれに沿って移動するレールの頻繁な摩損が引き起こされ、結果的にパッケージの底部がダメージを受けることになる。
【0004】
図1は、関連技術の可変ピッチシャトルの構造図である。可変ピッチシャトルは、固定アーム1と、固定アーム1から間隔を置いて配置された移動アーム2と、固定アーム1と移動アーム2との間に配置された中間支持プレート3とを含む。中間支持プレート3は、パッケージの中間部を支持することに使用される。可変ピッチシャトルは、固定アーム1に連結されたねじロッドと、そのねじロッドとねじ嵌合するねじ付きスリーブとをさらに含む。ねじ付きスリーブは、移動アーム2に連結され、ねじロッドの回転の間、ねじ付きスリーブは、ねじロッドに沿って移動し、それによって、移動アーム2が固定アーム1に対して動かされる。車両本体の対称配置リンク機構4を用いて、中間支持プレート3および移動アーム2が一緒に動き、それらの移動距離は、1対2の関係のままであり、それによって中間支持プレート3は、パッケージの中間部を支持するように、常に、移動アーム2と固定アーム1との間の中程に位置し、それによってパッケージの中間部が沈むことによる摩損およびダメージが回避される。
【0005】
可変ピッチシャトルは、固定アーム1に連結された第1の支持プレート5と、移動アーム2に連結された第2の支持プレート6とをさらに含む。第1の支持プレート5および第2の支持プレート6はともに、パッケージの担持に使用される。リンク機構4は、第1の支持プレート5、第2の支持プレート6および中間支持プレート3を一緒に連結する。
【0006】
移動アーム2の移動の間、ねじロッドは車両本体の片側に配置されているので、移動アーム2にかかる応力が均一でなく、移動アーム2が動かされるとき、伝達がスムーズになされず、それによって、移動アーム2が両側のガイドシャフト上を動くとき、ジャミングが起こりやすくなり、その結果はじき現象が起き、それに加えて、中間支持プレートがリンク機構4によってアームに連結されているので、構造に結合点が多過ぎ、構造が複雑になり、大きなノイズが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、従来技術におけるリンク機構によってアームに中間支持プレートを連結することによる多くの結合点および複雑な構造の問題を改善する倉庫シャトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態の一態様によれば、倉庫シャトルであって、
車両本体と、
車両本体に取り付けられた、第1のアームと、
車両本体に取り付けられ第1のアームから間隔を置いて配置された、第2のアームと、
第1のアームと第2のアームとの間に配置され第1のアームと第2のアームとの間で物品を担持する、第1の担持部材と、
第1のアームに対して第2のアームを動かすように第2のアームに連結された第1の可撓性伝動部材を含む、第1の可撓性駆動部と、
第1のアームに対して第1の担持部材を動かすように第1の担持部材に連結された第2の可撓性伝動部材を含む、第2の可撓性駆動部と
を含む、倉庫シャトルが提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、
第1の可撓性駆動部が、車両本体の第1のアームに近接する側に取り付けられた、第1の駆動輪と、車両本体の第2のアームに近接する側に取り付けられた、第1の従動輪と、をさらに含み、第1の可撓性伝動部材が、第1の駆動輪と第1の従動輪とに巻き付けられ、
第2の可撓性駆動部が、車両本体の第1のアームに近接する側に取り付けられた、第2の駆動輪と、車両本体の第2のアームに近接する側に取り付けられた、第2の従動輪と、をさらに含み、第2の可撓性伝動部材が、第2の駆動輪と第2の従動輪とに巻き付けられる。
【0010】
いくつかの実施形態では、倉庫シャトルは、回転シャフトをさらに含み、第1の駆動輪および第2の駆動輪がともにこの回転シャフトに取り付けられ、第1の駆動輪と第2の駆動輪との直径比が、2対1である。
【0011】
いくつかの実施形態では、車両本体が、
第1のアームの第2のアームから離れた側に配置され、内部に回転シャフト、ならびに回転シャフトに取り付けられた第1の駆動輪および第2の駆動輪が配置される、第1のボックスと、
第2のアームの第1のアームから離れた側に配置され、それに第1の従動輪および第2の従動輪が取り付けられる、第2のボックスと
を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、2つの第1の可撓性駆動部が、倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、2つの第2の可撓性駆動部が、倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、
第1の可撓性伝動部材が、伝動ベルトを含む、および/または、
第2の可撓性伝動部材が、伝動ベルトを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、倉庫シャトルは、
第1のアームと第2のアームとの間で物品を担持するように第1のアームに連結された、第2の担持部材と、
第1のアームと第2のアームとの間で物品を担持するように第2のアームに連結された、第3の担持部材と
をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、
第1のアームが、第1の可撓性伝動部材に連結された、第1のアーム本体と、車両本体の外側まで伸長するように第1のアーム本体に対して動くことができる、第1の移動部材と、を含み、
第2のアームが、第2の可撓性伝動部材に連結された、第2のアーム本体と、車両本体の外側まで伸長するように第2のアーム本体に対して動くことができる、第2の移動部材と、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、倉庫シャトルは、
第1のシフティングアームが第1の移動部材に対して平行な第1の位置と、第1のシフティングアームが第1の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、第1の移動部材に回転可能に取り付けられた、第1のシフティングアームと、
第2のシフティングアームが第2の移動部材に対して平行な第1の位置と、第2のシフティングアームが第2の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、第2の移動部材に回転可能に取り付けられた、第2のシフティングアームと
をさらに含む。
【0018】
本開示の技術的な解決策を採用することによって、第2のアームおよび第1の担持部材の両方が可撓性駆動部によって駆動され、それによって、従来技術におけるリンク機構によるアームへの中間支持プレートの連結による多くの結合点および複雑な構造の問題が改善される。
【0019】
本開示の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して本開示の例示的な実施形態の以下にある詳細な説明から明らかになるであろう。
【0020】
本開示の一部としての図面は、本開示のさらなる理解を提供することに使用される。本開示の例示的な実施形態およびその説明は、本開示の説明のために使用され、本開示を不適切に制限しない。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】関連技術の可変ピッチシャトルの構造図である。
図2】本開示の一実施形態の倉庫シャトルの構造図である。
図3】本開示の一実施形態の倉庫シャトルの内部構造図である。
図4】本開示の一実施形態の第1の可撓性駆動部の構造図である。
図5】本開示の一実施形態の第2の可撓性駆動部の構造図である。
図6】第1の位置にある、本開示の一実施形態の倉庫シャトルの断面構造図である。
図7図6のAの拡大図である。
図8】第2の位置にある、本開示の一実施形態の倉庫シャトルの断面構造図である。
図9図8のBの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本開示の実施形態における添付の図面と関連して、本開示の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。当然、記載の実施形態は、本開示の実施形態のすべてではなく単なる一部である。少なくとも1つの例示的な実施形態に以下の説明は、実際、例示に過ぎず、本開示およびその適用または使用における限定としての役割は一切果たさない。創造的な作業をすることなく本開示の実施形態に基づいて当業者によって行われるすべての他の実施形態は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0023】
図2は、この実施形態の倉庫シャトルの構造図であり、図3は、この実施形態の倉庫シャトルの内部構造図である。
【0024】
図2および図3に示されるように、この実施形態では、倉庫シャトルは、車両本体と、第1のアーム23と、第2のアーム8と、第1の担持部材7と、第1の可撓性駆動部1と、第2の可撓性駆動部2とを含む。
【0025】
第1のアーム23は、車両本体に取り付けられ、第2のアーム8は、車両本体に取り付けられ第1のアーム23から間隔を置いて配置され、第1の担持部材7は、第1のアーム23と第2のアーム8との間で物品を担持するように第1のアーム23と第2のアーム8との間に配置される。
【0026】
図4は、この実施形態の第1の可撓性駆動部の構造図である。図4に示されるように、第1の可撓性駆動部1は、第1の可撓性伝動部材12を含む。第1の可撓性伝動部材12は、第2のアーム8に連結され、それを第1のアーム23に対して動かす。
【0027】
第1の可撓性駆動部1は、車両本体の第1のアーム23に近接する側に取り付けられる第1の駆動輪10と、車両本体の第2のアーム8に近接する側に取り付けられる第1の従動輪11とをさらに含み、第1の可撓性伝動部材12は、第1の駆動輪10と第1の従動輪11とに巻き付いている。
【0028】
第1の可撓性伝動部材12は、第2のアーム8との連結のための第1の連結部材14を備える。
【0029】
図5は、この実施形態の第2の可撓性駆動部の構造図である。図5に示されるように、第2の可撓性駆動部2は、第2の可撓性伝動部材17を含む。第2の可撓性伝動部材17は、第1の担持部材7に連結され、それを第1のアーム23に対して動かす。
【0030】
第2の可撓性駆動部2は、車両本体の第1のアーム23に近接する側に取り付けられる第2の駆動輪15と、車両本体の第2のアーム8に近接する側に取り付けられる第2の従動輪16とをさらに含み、第2の可撓性伝動部材17は、第2の駆動輪15と第2の従動輪16とに巻き付いている。
【0031】
第2の可撓性伝動部材17は、第1の担持部材7との連結のための第2の連結部材19を備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1の可撓性伝動部材12は、伝動ベルトを含み、好ましくは、伝動ベルトは、同期ベルトを含む。第2の可撓性伝動部材17は、伝動ベルトを含み、好ましくは、伝動ベルトは、同期ベルトを含む。
【0033】
倉庫シャトルは、回転シャフト5をさらに含み、回転シャフト5には、第1の駆動輪10および第2の駆動輪15の両方が取り付けられる。第1の駆動輪10と第2の駆動輪15との直径の比は、2対1である。
【0034】
第1の駆動輪10と第2の駆動輪15とが同じ回転シャフト5に取り付けられるので、第1の駆動輪10および第2の駆動輪15の角速度は必ず同じであり、第1の駆動輪10と第2の駆動輪15との直径の比が2対1であるとき、第1の可撓性伝動部材12と第2の可撓性伝動部材17との線速度の比は2対1であり、したがって、第2のアーム8と第1の担持部材7との運動速度の比は2対1である。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1の担持部材7は、第1のアーム23と第2のアーム8との間の中程に配置される。第1の担持部材7と第1のアーム23との距離は、第1の担持部材7と第2のアーム8との間の距離と等しい。
【0036】
第2のアーム8と第1の担持部材7との間の運動速度の比が2対1であることから、第1の担持部材7は、第1のアーム23と第2のアーム8との間の中間位置に常に留まることができる。
【0037】
車両本体は、第1のボックス9と第2のボックス20とを含む。第1のボックス9は、第1のアーム23の第2のアーム8から離れた側に配置され、内部に回転シャフト5、ならびに回転シャフト5に取り付けられた第1の駆動輪10および第2の駆動輪15が配置される。
【0038】
第1のボックス9の内部にはさらに、駆動モータ4および回転シャフト5に動力を伝達する伝動機構3が配置される。第1の駆動輪10および第2の駆動輪15はともに、回転シャフト5に取り付けられ、回転シャフト5は、第1の取付台座6によって第1のボックス9内に取り付けられる。
【0039】
第2のボックス20は、第2のアーム8の第1のアーム23から離れた側に配置され、それに第1の従動輪11および第2の従動輪16が取り付けられる。
【0040】
図4図6および図7に関連して、第1の従動輪11は、第2の取付台座13によって第2のボックス20に取り付けられる。
【0041】
図5図8および図9に関連して、第2の従動輪16は、第3の取付台座18によって第2のボックス20に取り付けられる。
【0042】
図2図3図6および図8に関連して、この実施形態では、第1のボックス9と第2のボックス20とは倉庫シャトルの移動方向において並置される。第2のボックス20は、倉庫シャトルの移動方向において、第1のボックス9の前に配置される。
【0043】
この実施形態では、倉庫シャトルは、ガイドシャフト21をさらに含む。ガイドシャフト21は、第1のアームに対して第1の担持部材7および/または第2のアーム8を動かして案内するように構成される。2本のガイドシャフト21が設けられ、2本のガイドシャフト21は、倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置される。
【0044】
移動中に第2のアーム8に均一な応力がかかるように、2つの第1の可撓性駆動部1は倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置され、それによって第1のアーム23に対する第2のアーム8の動きがスムーズになり、第2のアーム8の移動中におけるジャミングの防止になる。
【0045】
移動中に第1の担持部材7に均一な応力がかかるように、2つの第2の可撓性駆動部2は倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置され、それによって第1のアーム23に対する第1の担持部材7の動きがスムーズになり、第1の担持部材7の移動中におけるジャミングの防止になる。
【0046】
倉庫シャトルは、第2の担持部材22と、第3の担持部材24とをさらに含む。第2の担持部材22は、物品を第1のアーム23と第2のアーム8との間で担持するように第1のアーム23に連結される。第2の担持部材22は、第1のアーム23の内側に配置される。
【0047】
第3の担持部材24は、物品を第1のアーム23と第2のアーム8との間で担持するように第2のアーム8に連結される。第3の担持部材は、第2のアーム8の内側に配置される。第3の担持部24は、第2のアーム8と一緒に動く。
【0048】
第2の担持部材22および第3の担持部材24はそれぞれ物品の2つの端部を担持し、第1の担持部材7は、物品の中央部を担持するように第2の担持部材22と第3の担持部材24との間に配置される。
【0049】
第1のアーム23は、第1の可撓性伝動部材12に連結される第1のアーム本体と、車両本体の外側まで伸長するように第1のアーム本体に対して動くことができる第1の移動部材とを含む。
【0050】
第2のアーム8は、第2の可撓性伝動部材17に連結される第2のアーム本体と、車両本体の外側まで伸長するように第2のアーム本体に対して動くことができる第2の移動部材とを含む。
【0051】
図8に示されるように、倉庫シャトルは、第1のシフティングアーム25と、第2のシフティングアームとをさらに含む。第1のシフティングアーム25は、第1のシフティングアーム25が第1の移動部材に対して平行な第1の位置と、第1のシフティングアームが第1の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように第1の移動部材に回転可能に取り付けられる。
【0052】
第2のシフティングアームは、第2のシフティングアームが第2の移動部材に対して平行な第1の位置と、第2のシフティングアームが第2の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように第2の移動部材に回転可能に取り付けられる。
【0053】
倉庫シャトルが倉庫から物品を取り出す必要があるとき、まず、第1のシフティングアーム25および第2のシフティングアームの両方が、第1の位置へと調整され、次いで、第1のアーム23の第1の移動部材および第2のアーム8の第2の移動部材が、車両本体の外側まで伸長され、第1の移動部材と第2の移動部材との間に物品が置かれ、次いで、第1のシフティングアーム25および第2のシフティングアームが、第2の位置へと調整されて物品をホック留めし(hook)、最後に、第1の移動部材および第2の移動部材が、物品を車両本体の方へと動かすように車両本体の内側へと後退する。
【0054】
この実施形態では、第2のアーム8を動かすように駆動する2つの第1の可撓性駆動部1および第1の担持部材7を動かすように駆動する2つの第2の可撓性駆動部2が設けられ、2つの第1の可撓性駆動部1および2つの第2の可撓性駆動部2は、車両本体の中心線の両側に対称に配置され、それによって、第2のアーム8および第1の担持部材7の両方がスムーズに動くことができることが確実になり、それによって移動中のジャミングの防止が導かれる。
【0055】
さらに、第1の駆動輪10と第2の駆動輪15との直径比が2対1であることから、第2のアーム8の移動距離は、第1の担持部材7の移動距離の2倍となり、第1の担持部材7は、常に、第1のアーム23と第2のアーム8との間の中程に留まることができ、それによって2本のアーム間に配置される物品の良好な担持が導かれる。
【0056】
上記は、本開示の単なる例示的な実施形態であり、本開示に対する限定を意図するものではなく、本開示の趣旨および原理内においてなされるすべての修正形態、等価の代替実施形態および改良は、本開示の保護範囲内に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
1 第1の可撓性駆動部
2 第2の可撓性駆動部
3 伝動機構
4 駆動モータ
5 回転シャフト
6 第1の取付台座
7 第1の担持部材
8 第2のアーム
9 第1のボックス
10 第1の駆動輪
11 第1の従動輪
12 第1の可撓性伝動部材
13 第2の取付台座
14 第1の連結部材
15 第2の駆動輪
16 第2の従動輪
17 第2の可撓性伝動部材
18 第3の取付台座
19 第2の連結部材
20 第2のボックス
21 ガイドシャフト
22 第2の担持部材
23 第1のアーム
24 第3の担持部材
25 第1のシフティングアーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫シャトルであって、
車両本体と、
前記車両本体に取り付けられた、第1のアーム(23)と、
前記車両本体に取り付けられ、前記第1のアーム(23)から間隔を置いて配置された、第2のアーム(8)と、
前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間に配置され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で物品を担持する、第1の担持部材(7)と、
前記第1のアーム(23)に対して前記第2のアーム(8)を動かすように前記第2のアーム(8)に連結された第1の可撓性伝動部材(12)を備える、第1の可撓性駆動部(1)と、
前記第1のアーム(23)に対して前記第1の担持部材(7)を動かすように前記第1の担持部材(7)に連結された第2の可撓性伝動部材(17)を備える、第2の可撓性駆動部(2)と、
を含んでなることを特徴とする、倉庫シャトル。
【請求項2】
前記第1の可撓性駆動部(1)が、前記車両本体の前記第1のアーム(23)に近接する側に取り付けられた、第1の駆動輪(10)と、前記車両本体の前記第2のアーム(8)に近接する側に取り付けられた、第1の従動輪(11)と、をさらに備え、前記第1の可撓性伝動部材(12)が、前記第1の駆動輪(10)と前記第1の従動輪(11)とに巻き付けられ、
前記第2の可撓性駆動部(2)が、前記車両本体の前記第1のアーム(23)に近接する側に取り付けられた、第2の駆動輪(15)と、前記車両本体の前記第2のアーム(8)に近接する側に取り付けられた、第2の従動輪(16)と、をさらに備え、前記第2の可撓性伝動部材(17)が、前記第2の駆動輪(15)と前記第2の従動輪(16)とに巻き付けられている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項3】
回転シャフト(5)をさらに備え、前記第1の駆動輪(10)および前記第2の駆動輪(15)がともに前記回転シャフト(5)に取り付けられ、前記第1の駆動輪(10)と前記第2の駆動輪(15)との直径比が、2対1である、請求項2に記載の倉庫シャトル。
【請求項4】
前記車両本体が、
前記第1のアーム(23)の前記第2のアーム(8)から離れた側に配置され、内部に前記回転シャフト(5)、ならびに前記回転シャフト(5)に取り付けられた前記第1の駆動輪(10)および前記第2の駆動輪(15)が配置される、第1のボックス(9)と、
前記第2のアーム(8)の前記第1のアーム(23)から離れた側に配置され、それに前記第1の従動輪(11)および前記第2の従動輪(16)が取り付けられる、第2のボックス(20)と、
を備えている、請求項3に記載の倉庫シャトル。
【請求項5】
2つの第1の可撓性駆動部(1)が、前記倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置されている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項6】
2つの第2の可撓性駆動部(2)が、前記倉庫シャトルの中心線の両側に対称に配置されている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項7】
前記第1の可撓性伝動部材(12)が、伝動ベルトを備える、および/または、
前記第2の可撓性伝動部材(17)が、伝動ベルトを備えている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項8】
前記第1のアーム(23)に連結され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で前記物品を担持するように構成された、第2の担持部材(22)と、
前記第2のアーム(8)に連結され、前記第1のアーム(23)と前記第2のアーム(8)との間で前記物品を担持するように構成された、第3の担持部材(24)と、
をさらに備えている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項9】
前記第1のアーム(23)が、前記第1の可撓性伝動部材(12)に連結された、第1のアーム本体と、前記車両本体の外側まで伸長するように前記第1のアーム本体に対して動くことができる、第1の移動部材と、を備え、
前記第2のアーム(8)が、前記第2の可撓性伝動部材(17)に連結された、第2のアーム本体と、前記車両本体の外側まで伸長するように前記第2のアーム本体に対して動くことができる、第2の移動部材と、を備えている、請求項1に記載の倉庫シャトル。
【請求項10】
第1のシフティングアーム(25)が前記第1の移動部材に対して平行な第1の位置と、前記第1のシフティングアーム(25)が前記第1の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、前記第1の移動部材に回転可能に取り付けられた、前記第1のシフティングアーム(25)と、
第2のシフティングアームが前記第2の移動部材に対して平行な第1の位置と、前記第2のシフティングアームが前記第2の移動部材に対して垂直な第2の位置との間を切り替えるように、前記第2の移動部材に回転可能に取り付けられた、前記第2のシフティングアームと、
をさらに備えている、請求項9に記載の倉庫シャトル。
【国際調査報告】