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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】同心カテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/088 20060101AFI20230724BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230724BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A61M25/088
A61M25/00 600
A61M25/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581330
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2021036522
(87)【国際公開番号】W WO2022005713
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/045,571
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/339,532
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ホップウッド
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA03
4C267AA12
4C267AA28
4C267AA32
4C267BB04
4C267BB12
4C267BB18
4C267BB26
4C267BB40
4C267CC08
4C267GG02
4C267HH08
4C267HH14
(57)【要約】
カテーテルシステム(10)が、外カテーテルアダプタ(12)、外カテーテルを通して延びる外カテーテル内腔(24)を有する外カテーテル(18)、内カテーテルアダプタ(28)、内カテーテルアダプタ(28)を通って延びる内カテーテル内腔(34)、内カテーテルアダプタ(28)から末端側に延びる内カテーテル(36)を含んでいて、内カテーテル(36)が外カテーテル内腔(24)内に配置されるようになっており、内カテーテル(36)及び内カテーテルアダプタ(28)が、基端位置と末端位置との間で外カテーテル(18)及び外カテーテルアダプタ(12)に対して移動するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムが、
末端端部及び基端端部を備える外カテーテルアダプタを備え、
外カテーテルであって、末端端部、基端端部、前記外カテーテルの前記末端端部と前記外カテーテルの前記基端端部とを通って延びる外カテーテル内腔、及び前記外カテーテル内腔を形成する内表面を備える、外カテーテルを備え、前記外カテーテルが、前記外カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びていて、前記外カテーテルの前記末端端部が末端開口部を備え、
内カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、前記内カテーテルアダプタの前記末端端部と前記内カテーテルアダプタの前記基端端部とを通って延びる内カテーテル内腔を備える、内カテーテルアダプタを備え、及び、
前記内カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びる内カテーテルを備え、前記内カテーテルが前記外カテーテル内腔内に配置され、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが、前記外カテーテル及び前記外カテーテルアダプタに関して基端位置と末端位置との間で移動するように構成されている、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記末端位置にあることに応答して、前記内カテーテルの前記末端端部が前記外カテーテルの前記末端端部に対して末端に配置されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記内カテーテルの外表面と前記外カテーテルの前記内表面との間に配置されたギャップをさらに備え、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記末端位置にあることに応答して、前記内カテーテルは前記末端開口部内に配置されて前記ギャップ内への末端の流れを制限し、前記末端位置から前記基端位置への前記内カテーテルの移動に応答して、前記内カテーテルは前記末端開口部の基端に配置されて前記ギャップが前記末端開口部と流体連通する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記内カテーテルアダプタが、前記外カテーテルアダプタに対してスライド可能であり、前記内カテーテルアダプタ及び前記内カテーテルを前記基端位置と前記末端位置との間で移動させる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記外カテーテルアダプタに結合された末端端部及び前記内カテーテルアダプタに結合された基端端部を備えるトグルジョイントを更に備える、請求項4に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記トグルジョイントは、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタを前記基端位置に移動させるために押し下げるように構成されている、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
カテーテルシステムが、
末端端部及び基端端部を備える外カテーテルアダプタを備え、
外カテーテルであって、末端端部、基端端部、前記外カテーテルの前記末端端部及び前記外カテーテルの前記基端端部を通って延びる外カテーテル内腔、及び前記外カテーテル内腔を形成する内表面を備える、外カテーテルを備え、前記外カテーテルが前記外カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びており、前記外カテーテルの前記末端端部が末端開口部を備え、
内カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、及び前記内カテーテルアダプタの前記末端端部及び前記内カテーテルアダプタの前記基端端部を通って延びる内カテーテル内腔を備える、内カテーテルアダプタを備え、
前記内カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びる内カテーテルを備え、前記内カテーテルが前記外カテーテル内腔内に配置され、前記内カテーテルが、末端端部、基端端部、及び前記内カテーテルを通って延びる内カテーテル内腔を備え、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記外カテーテル及び前記外カテーテルアダプタに対して第1位置と第2位置との間で移動するように構成され、及び
前記外カテーテル又は前記内カテーテル内に配置された複数の開窓を備え、前記複数の開窓は前記内カテーテルが前記第1位置にあるときにブロックされ、前記内カテーテルの前記第1位置から前記第2位置への移動に応答して、前記複数の開窓がブロックされずに流体が前記複数の開窓を通って前記内カテーテル内腔内に流入できるようになっている、カテーテルシステム。
【請求項8】
前記複数の開窓が前記外カテーテル内に配置され、前記内カテーテル内に配置された他の複数の開窓をさらに備え、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが、前記第1位置と前記第2位置との間で前記外カテーテル及び前記外カテーテルアダプタに対して回転するように構成され、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記第2位置にあることに応答して、前記複数の開窓及び前記他の複数の開窓が整列され、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記第1位置にあることに応答して、前記複数の開窓及び前記他の複数の開窓が位置ずれされる、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタは、前記第1位置と前記第2位置との間で前記外カテーテル及び前記外カテーテルアダプタに対してスライドするように構成されている、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記内カテーテルが前記第2位置にあることに応答して、前記内カテーテルが前記外カテーテルの末端開口部を通って延びている、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記内カテーテルの前記第1位置から前記第2位置への移動に応答して、前記複数の開窓が前記内カテーテルの前記末端端部内に配置され、前記複数の開窓が前記外カテーテルの前記末端開口部から末端に配置される、請求項10に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記複数の開窓が前記外カテーテル内に配置され、前記内カテーテル内に配置された他の複数の開窓をさらに備え、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記第2位置にあることに応答して、前記複数の開窓及び前記他の複数の開窓が整列され、前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタが前記第1位置にあることに応答して、前記複数の開窓及び前記他の複数の開窓が位置ずれされる、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記複数の開窓は、前記外カテーテルの前記末端端部内又は前記外カテーテルの前記基端端部内に配置されている、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記内カテーテル及び前記内カテーテルアダプタは、前記第1位置と前記第2位置との間で前記外カテーテル及び前記外カテーテルアダプタに対してスライドするように構成され、前記複数の開窓は前記外カテーテル内に配置されている、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記内カテーテルが前記第1位置と前記第2位置との間で移動することに応答して、前記内カテーテルの前記末端端部が前記複数の開窓の末端に移動する、請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
カテーテルシステムが、
末端端部及び基端端部を備えるカテーテルアダプタを備え、
末端端部、基端端部、前記末端端部と前記基端端部とを通って延びる内腔、及び前記内腔を形成する壁、を備えるカテーテルを備え、前記カテーテルが前記壁内の複数の開窓を備え、及び
前記カテーテル内に配置されたチューブを備え、前記チューブが末端端部を備えていて基端位置と末端位置との間を移動するように構成され、前記チューブが前記基端位置と前記末端位置との間を移動することに応答して、前記チューブの前記末端端部が前記複数の開窓に対して末端に移動する、カテーテルシステム。
【請求項17】
前記チューブの前記末端端部が、鋭利なエッジを備える、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記チューブの基端端部がガイドワイヤに結合されている、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
外カテーテルをさらに備え、前記カテーテルは、前記外カテーテル内に配置された内カテーテルであり、前記チューブは、前記内カテーテル内腔内に配置されている、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記カテーテルアダプタに結合された末端端部と、前記チューブに結合された基端端部とを備えるトグルジョイントを更に備え、前記トグルジョイントが、前記チューブを前記基端位置に移動させるために押し下げるように構成されている、請求項15に記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
カテーテルは、一般に、患者の血管系内に流体を注入するために使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な医薬品、又は全非経口栄養を注入するために使用されてもよい。また、カテーテルは、患者から血液を抜き取るために使用されてもよい。
【0002】
カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈(「IV」)カテーテルを含んでもよい。この場合、カテーテルは、鋭利な末端先端を有する導入針上に装着されてもよい。カテーテル及び導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延びて針のベベルが患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられてもよい。カテーテル及び導入針は、皮膚を介して患者の血管系に全体として浅い角度で挿入される。
【0003】
導入針及び/又はカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するために、施術者は一般に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバにおいて血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、施術者は、血管系の流れを一時的に閉塞し、針を取り外し、将来の血液の引き出し又は流体の注入のためにカテーテルを所定の位置に残してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カテーテルを用いた血液の抜き取りは、特に血管内でのカテーテルの滞留時間が1日を超える場合、いくつかの理由で困難な場合がある。カテーテルが長期間患者に挿入されたままであると、カテーテル又は静脈は、狭窄、崩壊、キンク、堆積物(例えば、フィブリン又は血小板の塊)による閉塞、及びカテーテルの先端が血管系に付着するなどの影響を受けやすくなることがある。このため、カテーテルは、時間の経過とともに、輸液、採血、吸引に支障をきたすようになることがある。カテーテルは、カテーテル留置時に血液サンプルの採取に使用されることが多いが、カテーテル留置期間中に血液サンプルの採取に使用されることはあまり多くない。したがって、血液サンプルが必要とされる場合、追加の針刺しが血液採取のための静脈アクセスを提供するためにしばしば使用され、これは、患者にとって苦痛であり、より高い材料コストにつながる可能性がある。
【0005】
ここで請求される主題は、何らかの欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実装が実施され得る一例の技術領域を説明するためにのみ提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、全体として、血管アクセスシステム及び関連する装置と方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルシステムを通る流体経路を開放することによって吸引、採血、及び輸液を容易にする一方で、微生物の侵入及び患者の血管系からのカテーテルシステムの脱落のリスクを低減させてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、外カテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部と基端端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、外カテーテルを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、外カテーテルの末端端部及び外カテーテルの基端端部を通って延びる外カテーテル内腔、並びに外カテーテル内腔を形成する内表面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテルは、外カテーテルアダプタの末端端部から末端に延びてもよく、外カテーテルの末端端部は末端開口部を含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは内カテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及び内カテーテルアダプタの末端端部と内カテーテルアダプタの基端端部とを通って延びる内カテーテル内腔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び外カテーテルは、同心であってもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルは内カテーテルアダプタの末端端部から末端に延びていてもよく、内カテーテルは外カテーテル内腔内に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタは、基端位置と末端位置との間で外カテーテル及び外カテーテルアダプタに対して移動するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが末端位置にあることに応答して、内カテーテルの末端端部は、外カテーテルの末端端部に対して末端に配置されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、内カテーテルの外表面と外カテーテルの内表面との間に配置されたギャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが末端位置にあることに応答して、内カテーテルは、末端開口部内に配置されて、ギャップ内への末端への流れを制限してもよい。いくつかの実施形態では、末端位置から基端位置への内カテーテルの移動に応答して、内カテーテルは末端開口部の基端に配置されてもよく、ギャップは末端開口部と流体連通していてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタは、内カテーテルアダプタ及び内カテーテルを基端位置と末端位置との間で移動させるために外カテーテルアダプタに対してスライド可能であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムはトグルジョイントを含んでもよく、これは外カテーテルアダプタに結合された末端端部と内カテーテルアダプタに結合された基端端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイントは、内カテーテル及び内カテーテルアダプタを基端位置に移動させるために押し下げるように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタは、第1位置と第2位置との間で外カテーテル及び外カテーテルアダプタに対して移動するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、外カテーテル又は内カテーテル内に配置された複数の開窓(fenestrations)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、内カテーテルが第1位置にあるとき、開窓はブロックされていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルの第1位置から第2位置への移動に応答して、開窓はブロックされずに流体が開窓を通って内カテーテル内腔に流れることを可能にしてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、開窓は外カテーテル内に配置されてもよく、カテーテルシステムは、内カテーテル内に配置された複数の他の開窓を含んでもよい。幾つかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタは、第1位置と第2位置との間で外カテーテル及び外カテーテルアダプタに対して回転するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが第2位置にあることに応答して、開窓及び他の開窓は、整列されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが第1位置にあることに応答して、開窓と他の開窓とが位置ずれされてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタは、第1位置と第2位置との間で外カテーテル及び外カテーテルアダプタに対してスライドするように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルが第2位置にあることに応答して、内カテーテルは外カテーテルの末端開口部を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、開窓は、内カテーテルの末端端部内に配置されてもよい。これら及び他の実施形態では、開窓は、第1位置から第2位置への内カテーテルの移動に応答して、外カテーテルの末端開口部の末端に配置されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、開窓は外カテーテル内に配置されてもよく、他の開窓は内カテーテル内に配置されてもよい。これら及び他の実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが第2位置にあることに応答して、開窓及び他の開窓が整列されてもよく、内カテーテル及び内カテーテルアダプタが第1位置にあることに応答して、開窓及び他の開窓が位置ずれされてもよい。いくつかの実施形態では、開窓は、外カテーテルの末端端部内に配置されてもよく、又は外カテーテルの基端端部内に配置されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、内カテーテル及び内カテーテルアダプタは、第1位置と第2位置との間で外カテーテル及び外カテーテルアダプタに対してスライドするように構成されてもよい。これら及び他の実施形態では、開窓は外カテーテル内に配置されてもよく、内カテーテルが第1位置と第2位置との間で移動することに応答して、内カテーテルの末端端部は開窓に対して末端に移動してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、壁内に複数の開窓を含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテル内に配置されたチューブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チューブは末端端部を含んでもよく、基端位置と末端位置との間で移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、チューブが基端位置と末端位置との間を移動することに応答して、チューブの末端端部はカテーテルの開窓に末端に移動してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、チューブの末端端部は、鋭利なエッジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チューブの基端端部は、ガイドワイヤに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、外カテーテルを含んでもよく、カテーテルは、外カテーテル内に配置された内カテーテルであってもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、チューブは内カテーテル内腔内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、トグルジョイントを含んでもよく、これはカテーテルアダプタに結合されたトグルジョイントの末端端部と、チューブに結合されたトグルジョイントの基端端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイントは、チューブを基端位置に移動させるために押し下げるように構成されてもよい。
【0017】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例であり説明的であり、請求されるような本発明を制限するものではないことが理解される。様々な実施形態は、図面に例示された配置および器具に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態を組み合わせてもよいし、他の実施形態を利用してもよいこと、および、構造的な変更は、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるものではない。
【0018】
幾つかの図面の簡単な説明
例示的な実施形態は、その中の添付図面の使用を通じて、さらなる具体性及び詳細性をもって詳述され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な末端位置にある例示的な内カテーテル及び例示的な内カテーテルアダプタを示す、例示的なカテーテルシステムの断面図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、例示的な基端位置にある内カテーテル及び内カテーテルアダプタを例示する、カテーテルシステムの断面図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある内カテーテル及び内カテーテルアダプタ並びに例示的な外カテーテルを例示する、カテーテルシステムの一部分の断面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にある内カテーテル及び内カテーテルアダプタを示す、カテーテルシステムの一部分の断面図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、トグルジョイントの例を示す、カテーテルシステムの上方斜視図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、末端位置にある内カテーテル及び例示的な内カテーテルアダプタの上方斜視図であり、例示的な開窓を図示している。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、基端位置にある図4Aの内カテーテル及び内カテーテルアダプタの上方斜視図であり、末端位置にある内カテーテルを図示している。
図4C図4Cは、末端位置にある内カテーテル及び内カテーテルアダプタの上方斜視図であり、いくつかの実施形態による、他の例示的な開窓を図示している。
図4D図4Dは、いくつかの実施形態による、基端位置にある図4Cの内カテーテル及び内カテーテルアダプタの上方斜視図である。
図5図5は、いくつかの実施形態による、例示的なねじ部を示す、カテーテルシステムの部分切断面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある例示的なチューブを示す、カテーテルシステムの一部分の断面図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるチューブを示す、カテーテルシステムの一部分の断面図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態による、1つ以上のスロットを有するチューブを示す、カテーテルシステムの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本開示で使用されるとき、用語「末端」は、装置を患者と接触させる施術者から離れ、患者に近い方向を指す。本開示で使用されるとき、用語「基端」は、装置を患者と接触させるであろう施術者に近く、かつ、患者から遠い方向を指す。
【0021】
ここで図1A~1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、末端端部14及び基端端部16を含んでもよい外カテーテルアダプタ12を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、外カテーテル18を含んでもよくこれは末端端部20、基端端部22、外カテーテル18の末端端部20及び外カテーテル18の基端端部22を通って延びる外カテーテル内腔24、並びに外カテーテル内腔24を形成する内表面25を含んでもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテル18は、外カテーテルアダプタ12の末端端部14から末端に延びていてもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテルの末端端部20は、末端開口部26を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、内カテーテルアダプタ28を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28は、末端端部30、基端端部32、及び内カテーテルアダプタ28の末端端部30と内カテーテルアダプタ28の基端端部32とを通って延びる内カテーテル内腔34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、内カテーテルアダプタ28の末端端部30から末端に延びていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、外カテーテル内腔24内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28は、例えば図1Aに図示される基端位置と、例えば図1Bに図示される末端位置との間で外カテーテル18及び外カテーテルアダプタ12に対して移動するように構成されていてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が、例えば図1Aに図示されているように基端位置にあることに応答して、内カテーテル36の末端端部38は、外カテーテル18の末端端部20に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が、例えば図1Bに図示されているように末端位置にあることに応答して、内カテーテル36の末端端部38は、基端位置にあるときよりも外カテーテル18の末端端部20に対してより末端に配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、外カテーテル18は、干渉嵌め、ブッシング、接着剤、又は別の適切な技術若しくは装置により外カテーテルアダプタ12に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、干渉嵌め、ブッシング、接着剤、又は別の適切な技術若しくは装置により内カテーテルアダプタ28に結合されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28は、基端位置と末端位置との間で内カテーテルアダプタ28及び内カテーテル36を移動させるために外カテーテルアダプタ12に対してスライド可能であってもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36が移動されるときに外カテーテル18は患者の血管系内で静止していて、したがって、内カテーテル36の移動に応答して血管系から外れることがないようにしてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、トグルジョイント42を含んでいて、外カテーテルアダプタ12に対して内カテーテルアダプタ28を移動又はスライドさせて、それによって外カテーテル18に対して内カテーテル36を移動又はスライドさせることを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、ユーザが特定のカテーテルアダプタの代わりにトグルジョイント42に接触することを可能にして血管系内で内カテーテル36を移動させることによって、細菌汚染のリスクを低減することも可能にしてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、外カテーテルアダプタ12に結合された末端端部44及び内カテーテルアダプタ28に結合された基端端部46を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28を基端位置に移動させるために押し下げるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、例えば図1Aに図示される第1位置から、例えば図2Bに図示される第2位置まで押し下げられてもよい。いくつかの実施形態において、トグルジョイント42は、第2位置よりも第1位置でより角度が付けられてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、第2位置において全体として真っ直ぐであってもよい。いくつかの実施形態では、トグルがもはや押されていないことに応答して、トグルジョイント42は、第2位置に留まっていてもよく、又はトグルジョイント42が第1位置に戻って、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28を末端位置へ移動させてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、可撓性ポリマー又は他の適切な材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、末端端部44と基端端部46との間の溝又は折り目で折り畳まれるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、トグルジョイント42は、弾性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性ポリマー又は他の適切な材料が、溝での折り畳みを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42は、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。他の実施形態では、トグルジョイント42は、1つ以上のヒンジによって結合されてもよい別々の部品を含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28は、外カテーテルアダプタ12内又はその上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテル18は、内カテーテル36の外径よりも大きい内径を含んでいて、外カテーテル18がその中に内カテーテル36を受容してもよいようになっていてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、例えばОリングのような1つ以上のシール要素48が、外カテーテルアダプタ12と内カテーテルアダプタ28との間に配置されて、外カテーテルアダプタ12と内カテーテルアダプタ28との間の流体経路をシールしてもよい。いくつかの実施形態では、シール要素48は、シリコーン、ゴム、エラストマー、又は別の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28の内腔は、セプタム49を含んでいて血液が内カテーテルアダプタ28の基端端部32を通って流れるのを防いでもよい。
【0031】
ここで図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態に従って、外カテーテル18の末端端部20及び内カテーテル36の末端端部38が図示されている。いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28は、外カテーテルアダプタ12に対して基端方向に移動されて内カテーテル36を後退させてもよく、又は外カテーテルアダプタ12に対して末端方向に移動されて内カテーテル36を前進させてもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42(図1A~1B参照)は、図1A~1Bに関して説明されたように内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図5に関して説明したようなねじ式アジャスタ、又は別の適切な機構が、内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、例えば図2Aに図示されているように、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が基端位置にあることに応答して、内カテーテル36の末端端部38は外カテーテル18の末端開口部26の基端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図2Bに示されるように、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が末端位置にあることに応答して、内カテーテル36の末端端部38は外カテーテル18の末端開口部26の末端に配置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ギャップ50が内カテーテル36の外表面と外カテーテル18の内表面との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が末端位置及び/又は基端位置にあることに応答して、ギャップ50が外カテーテル18の末端開口部26と流体連通し、外カテーテル18が静脈に挿入されることに応答して、血液が外カテーテル18の末端開口部26を通ってギャップ50に流入し得るようになっていても良い。いくつかの実施形態では、ギャップ50は環状であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が末端位置にあることに応答して、内カテーテル36は、末端開口部26内に配置されて、ギャップ50への末端への流れを部分的又は完全に制限してもよい。末端位置は、いくつかの実施形態によれば、図2Bに図示されている。いくつかの実施形態では、末端位置から基端位置への内カテーテル36の移動に応答して、内カテーテル36は、末端開口部26の基端に配置されてもよく、ギャップ50は、末端開口部26と流体連通していてもよい。基端位置は、いくつかの実施形態によれば、図2Aに図示されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び/又は外カテーテル18は、1つ以上の開窓又は穴を含んでもよく、これらは流体の出入りを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の末端端部は、閉鎖されていてもよく、これは閉塞を防止してもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の末端端部は、静脈を損傷する可能性を低減するために丸められ及び/又は潤滑化されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、治療の間、末端開口部26と内カテーテル36との間の接触は、血栓又は血餅がギャップ50に入るリスクを低減させてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、血液収集及び/又は注入のために基端位置に移動されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、外カテーテル18に対して基端位置に移動してもよく、これは開口した流体経路を確保することによって吸引、採血、及び輸液を容易にし、同時に外カテーテル18の脱落、微生物汚染、又は他の合併症のリスクを低減させてもよい。
【0037】
ここで図3を参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルシステム10が図示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、針ハブ52を含んでもよく、これは外カテーテルアダプタ12に取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、導入針53は、針ハブ52に結合されてもよく、外カテーテル18及び内カテーテル36を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテルアダプタ12は、翼54を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、延長チューブ56を含んでもよく、これは内カテーテルアダプタ28に結合された末端端部を含んで内カテーテル内腔34と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、アダプタ58が、延長チューブ56の基端端部に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、流体注入装置がアダプタ58に結合されて、静脈に挿入される内カテーテル36を介して患者に流体を供給してもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置がアダプタ58に結合されて、静脈に挿入されてもよい内カテーテル36を介して患者から血液を引き出してもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ56は、外カテーテルアダプタ12のスロットを通って延びていてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルシステム10は延長チューブ56を含まなくてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、ベントされて、血液のフラッシュバックを観察し、血液の基端流を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、任意の適切な方法でベントされてもよい。例えば、ベントプラグ60は、外カテーテル18の患者への挿入中にアダプタ58に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ベントプラグ60は、空気に対しては透過性であるが血液に対しては非透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36、内カテーテルアダプタ28、延長チューブ56、アダプタ58、及びベントプラグ60は、流体連通していてもよい。
【0040】
ここで図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28は、例えば図4Aに図示する第1位置と、例えば図4Bに図示する第2位置との間で外カテーテル18及び外カテーテルアダプタ12に対して移動するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1位置及び第2位置は、それぞれ末端位置及び基端位置に対応してもよい。いくつかの実施形態では、トグルジョイント42(図1A~1B参照)は、図1A~1Bに関して説明されたように内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図5に関して説明されたようなねじ式アジャスタ、又は別の適切な機構が、内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、1つ以上の開窓62が外カテーテル18内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、開窓62は、外カテーテル18の末端端部14内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、開窓62は、内カテーテル36が第1位置にあるときに、内カテーテル36によってブロックされるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の第1位置から第2位置への移動に応答して、開窓62は、流体が開窓62を通って内カテーテル内腔34内に流れることを可能にするためにブロックされなくてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28は、第1位置と第2位置との間で外カテーテル18及び外カテーテルアダプタ12に対してスライドするように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28は、外カテーテル18と整列された軸63(例えば、図3参照)に沿って外カテーテル18及び外カテーテルアダプタ12に対してスライドするように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つ以上の他の開窓64が内カテーテル36内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が第2位置にあることに応答して、開窓62及び他の開窓64は整列されてもよい。いくつかの実施形態では、他の開窓64は、末端又は基端に移動されて、他の開窓と整列してもよい。加えて又は代替的に、他の開窓は、回転されて他の開窓と整列してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、内カテーテル36及び内カテーテルアダプタ28が第1位置にあることに応答して、開窓62及び他の開窓64が位置ずれされてもよい。いくつかの実施形態では、開窓62と他の開窓64の整列は、内カテーテル内腔34を通る流体の流れを増加させ、開窓62と他の開窓64の位置ずれは、血栓又は他の障害物が内カテーテル内腔34に入ることを防止してもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の外周は、外カテーテル18の内周よりわずかに小さくなっていて、内カテーテル36が外カテーテル18に対して移動してもよく、及び/又は、流体が内カテーテル36と外カテーテル18との間で漏れないようにしてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の外周は、外周の全て又は一部に沿って外カテーテル18の内周に接触していてもよい。
【0045】
ここで図4C~4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、内カテーテル36が第2位置にあることに応答して、内カテーテル36は外カテーテル18の末端開口部26を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテル36の末端端部38は、開放していても閉鎖されていてもよい。いくつかの実施形態では、開窓62は、内カテーテル36の末端端部38内に配置されてもよく、開窓62は、内カテーテル36の第1位置から第2位置への移動に応答して外カテーテル18の末端開口部26の末端に配置されてもよい。これらの実施形態では、開窓62は、外カテーテル18内にいかなる開窓も含まずに、開窓を通って内カテーテル内腔34への流体の流れを容易にしてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、トグルジョイント42(図1A~1B参照)は、図1A~1Bに関して説明されたように、内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図5に関して説明されたようなねじ式アジャスタ、又は別の適切な機構が、内カテーテル36を移動させるために使用されてもよい。
【0047】
ここで図5を参照すると、いくつかの実施形態では、内カテーテル36は、ユーザ制御の方法によって外カテーテル18に対して回転されてもよい。例えば、カテーテルシステム10は、ねじ式アジャスタ66を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ねじ式アジャスタ66は、ねじ部70を含んでもよく、これは他のねじ部72に対応していてもよい。いくつかの実施形態では、ねじ部70は、内カテーテルアダプタ28の外表面及び/又は末端端部30に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、他のねじ部72は、外カテーテルアダプタ12の内表面上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28は、ねじ部70及び他のねじ部72を介して外カテーテルアダプタ12に結合されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、内カテーテルアダプタ28及び内カテーテル36は、軸63のまわりに回転してもよく、これは第1位置と第2位置との間で外カテーテル18と整列されてもよい。更に詳細には、内カテーテルアダプタ28は、第1位置から第2位置まで、及び/又は第2位置から第1位置まで、外カテーテルアダプタ12に対してねじを付けられてもねじを付けられなくてもよい。いくつかの実施形態では、外カテーテルアダプタ12は、内カテーテル36が移動されるときに患者の血管系内で静止していて、したがって内カテーテル36の移動に応答して血管系から外れなくてもよい。
【0049】
ここで図6A~6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、チューブ80が外カテーテル18内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ80は、内カテーテル36に対応してもよい。他の実施形態では、チューブ80は、ガイドワイヤ82に結合されてもよく、これはチューブ80を末端に前進させ及び/又はチューブ80を基端に後退させるために使用されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、外カテーテル18は、外カテーテル18の壁を通る開窓62を含んでもよい。いくつかの実施形態では、チューブ80が、例えば図6Aに図示される基端位置と、例えば図6Bに図示される末端位置との間を移動するのに応答して、チューブ80の末端端部84は、開窓62の末端に接触及び/又は移動してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、血栓、血塊又は障害物が1つ以上の開窓62をブロックしていてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ80の末端端部84は、血栓、血塊、又は障害物を切断又は開窓して開窓104を清浄し、そこを通る流体の流れを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ80の末端端部84は、鋭利なエッジ86を含んでもよい。いくつかの実施形態では、鋭利なエッジ86は、環状であってもよい。いくつかの実施形態では、鋭利なエッジ86は、金属、セラミック、高密度ポリエチレン、又は別の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、鋭利なエッジ86は、基端位置と末端位置との間のチューブの軸方向の動きで開窓を清浄してもよい(これは、ユーザによって達成されてもよい)。
【0052】
図6Cに示されるように、いくつかの実施形態では、チューブ80は、1つ以上のスロット92を含んでもよく、これはチューブ80の末端端部84から延びていてもよい。いくつかの実施形態では、スロット92は、鋭利なエッジ94を含んでもよく、これはチューブ80及びガイドワイヤ82が軸63の周りで回転させられる(これはユーザによって達成されてもよい)のに応答して、開窓62を清浄するのを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、スロット92の各々の幅は、開窓62の幅よりも大きいか又は等しくてもよい。
【0053】
ここに記載された全ての例及び条件文は、読者が本発明及び技術を促進するために発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のためのものであり、そのように具体的に記載された例及び条件に制限されないものとして解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変がここになされ得ることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】