(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】パケット処理方法およびネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 45/50 20220101AFI20230724BHJP
【FI】
H04L45/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581598
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2021104000
(87)【国際公開番号】W WO2022007702
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010638513.0
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011022649.5
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドン、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】フ、ジボ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ユン
(72)【発明者】
【氏名】フ、ヨンジアン
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA08
5K030HA08
5K030LB05
(57)【要約】
本願は、パケット処理方法およびネットワークデバイスを提供する。方法は、第1ネットワークデバイスがパケットを取得する段階を含む。第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加し、更新されたパケットを取得し、第1指示情報および第2指示情報は、更新されたパケットのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダに位置し、第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示し、第2指示情報は、パケットの転送経路を示す。第1ネットワークデバイスは、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する。パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路は、それぞれ、異なる指示情報を介して、MPLSパケットヘッダにおいて示される。このように、転送経路上のネットワークデバイスは、同じネットワークスライスに異なるMPLSラベルを割り当てる必要なく、統一されたネットワークスライス指示情報に基づいて、パケットを正常に転送する。これにより、MPLSラベルリソースを効果的に節約することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット処理方法であって、
第1ネットワークデバイスによって、パケットを取得する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、第1指示情報および第2指示情報を前記パケットに追加し、更新されたパケットを取得する段階であって、前記第1指示情報および前記第2指示情報は、前記更新されたパケットのマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)パケットヘッダに位置し、前記第1指示情報は、前記パケットに対応するネットワークスライスを示し、前記第2指示情報は、前記パケットの転送経路を示す、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する段階と、
を備える方法。
【請求項2】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、前記MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、前記第1ラベルフィールドは、前記第2ラベルフィールドが前記第1指示情報を含むことを示し、前記第2ラベルフィールドは、前記第1指示情報を含む、請求項1に記載のパケット処理方法。
【請求項3】
前記第1ラベルフィールドは、拡張ラベル(EL)および拡張特殊目的ラベル(ESPL)を含む、請求項2に記載のパケット処理方法。
【請求項4】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、前記MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、前記第1指示情報を含む、請求項1に記載のパケット処理方法。
【請求項5】
前記MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子(Flow-ID)ラベルを含む、請求項4に記載のパケット処理方法。
【請求項6】
前記予約済みフィールドは、優先度フィールドおよびタイム・トゥー・ライブ(TTL)フィールドのうちの1または複数を含む、請求項4または5に記載のパケット処理方法。
【請求項7】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、前記MPLS拡張ヘッダは、前記第1指示情報を保持する、請求項1に記載のパケット処理方法。
【請求項8】
前記第1ネットワークデバイスによって、前記更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する前記段階は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスに基づいて、前記更新されたパケットを送信するために用いられる転送リソースを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記転送リソースを用いることによって前記更新されたパケットを送信する段階と
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項9】
前記転送リソースは、前記第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む、請求項8に記載のパケット処理方法。
【請求項10】
前記第1ネットワークデバイスによって前記第2ネットワークデバイスに送信される前記更新されたパケットは、第1パケットであり、前記方法は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットを更新し、第2パケットを取得する段階であって、前記第2パケットは、前記第1指示情報および第3指示情報を含み、前記第3指示情報は、前記第2パケットの転送経路を示す、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記第2パケットを第3ネットワークデバイスに送信する段階と、
をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項11】
前記第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチング(SR-MPLS)ネットワークにおけるネットワークデバイスである、請求項1から5のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項12】
第1ネットワークデバイスによって、第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信する段階であって、前記パケットは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)パケットヘッダを含み、前記MPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記第1指示情報に基づいて、前記パケットに対応するネットワークスライスを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する段階であって、前記第3ネットワークデバイスは、前記パケットの転送経路上のデバイスであり、前記第2指示情報に基づいて決定される、段階と、
を備えるパケット処理方法。
【請求項13】
前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する前記段階は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットに対応する前記ネットワークスライスに基づいて、前記第1ネットワークデバイスによって前記ネットワークスライスに割り当てられる転送リソースを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記転送リソースを用いることによって、前記更新されたパケットを前記第3ネットワークデバイスに転送する段階と、
を含む、請求項12に記載のパケット処理方法。
【請求項14】
前記転送リソースは、前記第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む、請求項13に記載のパケット処理方法。
【請求項15】
前記更新されたパケットは、前記第1指示情報を含む、または、前記パケットは、更新された第1指示情報を含み、前記更新された第1指示情報は、前記第1指示情報に基づいて決定され、前記更新された第1指示情報は、前記更新されたパケットに対応する前記ネットワークスライスを示す、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項16】
前記更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、前記更新された第2指示情報は、前記更新されたパケットの転送経路を示す、請求項15に記載のパケット処理方法。
【請求項17】
前記第1ネットワークデバイスが前記パケットに対応する前記ネットワークスライスに基づいて前記パケットを転送する前に、前記方法は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットをデカプセル化し、デカプセル化されたパケットを取得する段階
をさらに備える、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項18】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、前記MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、前記第1ラベルフィールドは、前記第2ラベルフィールドが前記第1指示情報を含むことを示し、前記第2ラベルフィールドは、前記第1指示情報を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項19】
前記第1ラベルフィールドは、拡張ラベルおよび拡張特殊目的ラベルを含む、請求項18に記載のパケット処理方法。
【請求項20】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、前記MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、前記第1指示情報を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項21】
前記MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子ラベルを含む、請求項20に記載のパケット処理方法。
【請求項22】
前記予約済みフィールドは、優先度フィールドおよびタイム・トゥー・ライブフィールドのうちの1または複数を含む、請求項21に記載のパケット処理方法。
【請求項23】
前記MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、前記MPLS拡張ヘッダは、前記第1指示情報を保持する、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項24】
前記第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチング(SR-MPLS)ネットワークにおけるネットワークデバイスである、請求項12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
【請求項25】
プロセッサおよびメモリを備えるネットワークデバイスであって、前記メモリは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記命令を実行するように構成され、これにより、前記ネットワークデバイスは、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行する、ネットワークデバイス。
【請求項26】
プロセッサおよびメモリを備えるネットワークデバイスであって、前記メモリは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記命令を実行するように構成され、これにより、前記ネットワークデバイスは、請求項12から24のいずれか一項に記載の方法を実行する、ネットワークデバイス。
【請求項27】
請求項25に記載のネットワークデバイスと、請求項26に記載のネットワークデバイスとを備えるネットワークシステム。
【請求項28】
プロセッサに請求項1から24のいずれか一項に記載の方法を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、中国国家知識産権局に2020年7月6日に出願された、発明の名称を「ネットワークスライス識別子を保持するための方法およびデバイス」とする中国特許出願第202010638513.0号に対する優先権を主張し、中国国家知識産権局に2020年9月25日に出願された、発明の名称を「パケット処理方法およびネットワークデバイス」とする中国特許出願第202011022649.5号に対する優先権を主張し、これらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信技術分野に関し、特に、パケット処理方法およびネットワークデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
セグメントルーティング(Segment Routing、SR)は、ソースルーティング(Source Routing)技術である。SRの基本原理は、1または複数のセグメント識別子(Segment ID、SID)をデータパケットヘッダにカプセル化することであり、SIDの各々は、ネットワークにおける特定のノード、リンク、または実行予定のサービス機能を示す。したがって、ネットワークにおける各ノードは、パケットが通過する必要があるノードまたはリンクを連続的に選択する、または、パケットヘッダにおけるSIDの指示に従って、実行予定のサービス機能を選択する。マルチプロトコルラベルスイッチング(Multi-Protocol Label Switching、MPLS)は、SRのデータプレーン技術として用いられてよい。この場合、SRにおけるSIDは、データプレーン上でMPLSラベルスタックを用いて、カプセル化および保持される。SR-MPLSには、2つの基本SIDタイプ、プリフィクスSID(prefix-SID)および隣接SID(adj-SID)が存在し、これらはそれぞれ、SRネットワークにおけるノードおよびリンクを識別するために用いられる。SIDの2つのタイプを組み合わせることによって取得されるSIDリストは、SRを用いて転送経路を示す機能を実装することができる。
【0004】
現在、SR-MPLSに基づくネットワークスライシングを実装する解決手段において、ノードおよびリンクが属する異なるネットワークスライスを識別するために、異なるSR SIDが用いられている。具体的には、各ノードは、異なるネットワークスライスにおけるノードの識別子として、異なるprefix-SIDを異なるネットワークスライスに割り当てる必要がある。さらに、各ノードは、異なるネットワークスライスにおいて接続されたリンクに異なるadj-SIDを割り当て、同じリンク上の異なるネットワークスライスに割り当てられたリソースを識別することがさらに必要である。言い換えれば、同じネットワークスライスにおける異なるノードおよびリンクと、異なるネットワークスライスにおける同じノードおよびリンクとは、全て、異なるMPLSラベルによって識別される必要がある。
【0005】
結果的に、MPLSラベルの多くは、ネットワークスライスが多数かつ大規模な場合に割り当てられる必要があり、MPLSラベルリソースの深刻な消費を引き起こす。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、パケット処理方法およびネットワークデバイスを提供する。MPLSパケットヘッダは、MPLSデータプレーン上のパケットについてカプセル化され、パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路が、それぞれ、異なる指示情報を介して、MPLSパケットヘッダにおいて示される。このように、転送経路上のネットワークデバイスは、ネットワークスライス識別子と同じネットワークスライスに異なるMPLSラベルを割り当てる必要なく、統一されたネットワークスライス指示情報に基づいて、パケットを正常に転送する。これにより、MPLSラベルリソースを効果的に節約することができる。さらに、パケット処理方法をSR-MPLSネットワークに適用することによって、SIDリソースを効果的に節約することもできる。
【0007】
本願の第1態様によれば、パケット処理方法が提供される。方法は、第1ネットワークデバイスがパケットを取得する段階を含み、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスであってよい。第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加し、更新されたパケットを取得し、第1指示情報および第2指示情報は、更新されたパケットのMPLSパケットヘッダに位置し、第1指示情報は、例えば、ネットワークスライス識別子を含んでよく、パケットに対応するネットワークスライスを示してよく、第2指示情報は、パケットの転送経路を示す。第1ネットワークデバイスは、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する。
【0008】
可能な事例において、第1ネットワークデバイスによって取得されたパケットが、MPLSパケットヘッダをすでに含んでいる場合、第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報を既存のMPLSパケットヘッダに追加し、更新されたパケットを取得する。別の可能な事例において、第1ネットワークデバイスによって取得されたパケットがMPLSパケットヘッダを含まない場合、第1ネットワークデバイスは、新たなMPLSパケットヘッダを追加し、新たに追加されたMPLSパケットヘッダに第1指示情報および第2指示情報を追加し、更新されたパケットを取得してよい。第1指示情報および第2指示情報を追加するための位置は、例えば、具体的な設計に基づいて、MPLSラベルスタックまたはMPLS拡張ヘッダに設定されてよい。指示情報を追加するオペレーションを実行可能な第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークのヘッドノードであってよい。
【0009】
本解決手段において、MPLSパケットヘッダは、MPLSデータプレーン上のパケットについてカプセル化され、パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路が、それぞれ、異なる指示情報を介して、MPLSパケットヘッダにおいて示される。このように、ネットワークデバイスは、単一のMPLSラベルに基づいて、ネットワークスライスと、転送経路上のノードおよびリンクとを識別する必要なく、言い換えれば、MPLSラベルに基づいて、ノードおよびリンクが属するネットワークスライスを識別する必要なく、同じネットワークスライス指示情報に基づいて、パケットを正常に転送することができる。これにより、MPLSラベルリソースを効果的に節約することができる。パケット処理方法をSR-MPLSネットワークに適用することによって、SIDリソースを効果的に節約することもできる。
【0010】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、第1ラベルフィールドは、第2ラベルフィールドが第2指示情報を含むことを示し、第2ラベルフィールドは、第2指示情報を含む。第1指示情報および第2指示情報は、それぞれ、MPLSラベルスタックにおける異なるラベルフィールドを用いることによって保持され、これにより、本解決手段の拡張性を向上させることができる。
【0011】
任意選択的に、可能な実装において、第1ラベルフィールドは、拡張ラベル(Extension Label、EL)および拡張特殊目的ラベル(Extended Special Purpose Label、ESPL)を含む。
【0012】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、第1指示情報を含む。
【0013】
任意選択的に、可能な実装において、MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子(Flow-ID)ラベルを含む。
【0014】
任意選択的に、可能な実装において、予約済みフィールドは、優先度(Traffic Class、TC)フィールドおよびタイム・トゥー・ライブ(Time to Live、TTL)フィールドのうちの1または複数を含む。
【0015】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、MPLS拡張ヘッダは、第1指示情報を保持する。
【0016】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスが、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する段階は、第1ネットワークデバイスが、ネットワークスライスに基づいて、更新されたパケットを送信するために用いられる転送リソースを決定する段階を含む。第1ネットワークデバイスは、転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを送信する。
【0017】
任意選択的に、可能な実装において、転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む。
【0018】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスによって第2ネットワークデバイスに送信される更新されたパケットは、第1パケットであり、方法は、第1ネットワークデバイスが、さらに、パケットを更新し、第2パケットを取得する段階をさらに含み、第2パケットは、第1指示情報および第3指示情報を含み、第3指示情報は、第2パケットの転送経路を示す。第1ネットワークデバイスは、第2パケットを第3ネットワークデバイスに送信する。言い換えれば、第2ネットワークデバイスにパケットを送信することに加えて、第1ネットワークデバイスは、さらに、別の隣接ネットワークデバイスにパケットを送信し、マルチパスパケット転送を実装してよい。本実装は、高信頼性転送またはマルチキャスト転送のような適用シナリオに適用されてよい。第1ネットワークデバイスは、取得されたパケットのペイロードおよび/または他の必要なデータ情報を複数回コピーし、例えば、コピーを通して、少なくとも第1パケットおよび第2パケットを生成し、第1パケットおよび第2パケットの各々に、ネットワークスライス指示情報および転送経路指示情報を追加する。第1パケットのネットワークスライス指示情報と、第2パケットのネットワークスライス指示情報とは、同じであってよい。この場合、両方とも第1ネットワークデバイスによって取得されたパケットのマルチキャスト複製パケットである第1パケットおよび第2パケットは、同じネットワークスライスリソースを共有してよい。ただし、複製パケットとして用いられる第1パケットおよび第2パケットが異なる転送経路に沿って分配されることを別個に示すために、第1パケットの転送経路指示情報と第2パケットの転送経路指示情報とは異なってよい。したがって、マルチキャストデータ分配またはネットワークデータ分配の高信頼性が確保される。
【0019】
別の可能な事例において、第1パケットのネットワークスライス指示情報と第2パケットのネットワークスライス指示情報とは、代替的に、異なってよく、第1パケットの転送経路指示情報と第2パケットの転送経路指示情報とは、代替的に、同じであってよい。
【0020】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである。
【0021】
本願の第2態様によれば、パケット処理方法が提供される。方法は、第1ネットワークデバイスが、第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信する段階を含み、パケットは、マルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダを含み、MPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む。第1ネットワークデバイスは、第1指示情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定する。第1ネットワークデバイスは、ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送し、第3ネットワークデバイスは、パケットの転送経路上のデバイスであり、第2指示情報に基づいて決定される。第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークにおける任意のトランジットノードデバイスまたはテールノードデバイスであってよい。本解決手段において、第1ネットワークデバイスは、MPLSパケットヘッダにおける第1指示情報を解析してよく、第1指示情報は、MPLSネットワークにおけるネットワークスライスを識別するために用いられる統一された識別子であってよい。第1ネットワークデバイスは、統一された識別子に基づいて、パケットを転送するために用いられる必要があるネットワークスライスを決定してよい。本解決手段において、パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路は、それぞれ、異なる指示情報を追加することによって、MPLSパケットヘッダにおいて示される。このように、転送経路上のネットワークデバイスは、スライス識別子と同じネットワークスライスに異なるMPLSラベルを割り当てる必要なく、統一されたネットワークスライス指示情報に基づいて、パケットを正常に転送する。これにより、MPLSラベルリソースを効果的に節約することができる。さらに、パケット処理方法をSR-MPLSネットワークに適用することによって、SIDリソースを効果的に節約することもできる。
【0022】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスが、ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する段階は、第1ネットワークデバイスが、パケットに対応するネットワークスライスに基づいて、ネットワークスライスに割り当てられる転送リソースを決定する段階を含む。第1ネットワークデバイスは、転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する。別の可能な事例において、転送リソースに関連付けられることに加えて、ネットワークスライスは、さらに、ネットワークトポロジに関連付けられてよい。この場合、第1ネットワークデバイスが、ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する段階は、第1ネットワークデバイスが、パケットに対応するネットワークスライスに基づいてネットワークスライスに対応するネットワークトポロジおよび/または転送リソースを決定し、ネットワークトポロジおよび/または転送リソースに基づいて、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する段階を含む。
【0023】
任意選択的に、可能な実装において、転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む。
【0024】
任意選択的に、可能な実装において、更新されたパケットは、第1指示情報を含む、または、パケットは、更新された第1指示情報を含み、更新された第1指示情報は、第1指示情報に基づいて決定され、更新された第1指示情報は、更新されたパケットに対応するネットワークスライスを示す。
【0025】
任意選択的に、可能な実装において、更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、更新された第2指示情報は、更新されたパケットの転送経路を示す。
【0026】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスが、パケットに対応するネットワークスライスに基づいて、パケットを転送する前に、方法は、第1ネットワークデバイスが、パケットをデカプセル化し、デカプセル化されたパケットを取得する段階をさらに含み、デカプセル化されたパケットは、例えば、ヘッドノード(例えば、第1態様において説明される、ヘッドノードの役割を実装可能な第1ネットワークデバイス)によって追加されるMPLSパケットヘッダ情報を含まず、MPLSパケットヘッダ情報は、ネットワークスライス指示情報および転送経路指示情報を含む。このシナリオでは、可能な事例において、ヘッドノードが、ヘッドノードによって最初に取得されたMPLSパケットヘッダ情報をパケットに追加する前に、パケットは、MPLSパケットヘッダを含まず、これにより、ヘッドノードは、MPLSパケットヘッダ情報を含む完全なMPLSパケットヘッダを追加してよい。この場合、第1ネットワークデバイスは、デカプセル化オペレーションを通して、完全なMPLSパケットヘッダを除去してよい。別の可能な事例において、ヘッドノードが、ヘッドノードによって最初に取得されたパケットにMPLSパケットヘッダ情報を追加する前に、パケットは、MPLSパケットヘッダをすでに含んでおり、これにより、ヘッドノードは、対応するMPLSパケットヘッダ情報を既存のMPLSパケットヘッダに追加する。この場合、第1ネットワークデバイスは、デカプセル化オペレーションを通して、ヘッドノードによって追加された、MPLSパケットヘッダにおける少なくとも残りのMPLSパケットヘッダ情報を除去するが、ヘッドノードによって最初に取得されたパケットに含まれる元のMPLSパケットヘッダを保持してよい。第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークのテールノードであってよい。第1ネットワークデバイスがテールノードの役割を実装する場合、デカプセル化オペレーションを通して除去されるMPLSパケットヘッダ情報は、例えば、ヘッドノードによって追加されたネットワークスライス指示情報と、ヘッドノードによって追加された転送経路指示情報の中で、トランジットノード上で出現しない情報(例えば、テールノードラベル)とを含んでよい。
【0027】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、第1ラベルフィールドは、第2ラベルフィールドが第2指示情報を含むことを示し、第2ラベルフィールドは、第2指示情報を含む。
【0028】
任意選択的に、可能な実装において、第1ラベルは、拡張ラベルおよび拡張特殊目的ラベルを含む。
【0029】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、第1指示情報を含む。
【0030】
任意選択的に、可能な実装において、MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子ラベルを含む。
【0031】
任意選択的に、可能な実装において、予約済みフィールドは、優先度フィールドおよびタイム・トゥー・ライブフィールドのうちの1または複数を含む。
【0032】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、MPLS拡張ヘッダは、第1指示情報を保持する。
【0033】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチングSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである。
【0034】
本願の第3態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスであり、パケットを取得するように構成される取得ユニットと、第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加し、更新されたパケットを取得するように構成される処理ユニットであって、第1指示情報および第2指示情報は、更新されたパケットのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダに位置し、第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示し、第2指示情報は、パケットの転送経路を示す、処理ユニットと、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信するように構成される送受信機ユニットと、を含む。
【0035】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、第1ラベルフィールドは、第2ラベルフィールドが第2指示情報を含むことを示し、第2ラベルフィールドは、第2指示情報を含む。
【0036】
任意選択的に、可能な実装において、第1ラベルフィールドは、拡張ラベルELおよび拡張特殊目的ラベルESPLを含む。
【0037】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、第1指示情報を含む。
【0038】
任意選択的に、可能な実装において、MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子Flow-IDラベルを含む。
【0039】
任意選択的に、可能な実装において、予約済みフィールドは、優先度TCフィールドおよびタイム・トゥー・ライブTTLフィールドのうちの1または複数を含む。
【0040】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、MPLS拡張ヘッダは、第1指示情報を保持する。
【0041】
任意選択的に、可能な実装において、処理ユニットは、さらに、ネットワークスライスに基づいて、更新されたパケットを送信するために用いられる転送リソースを決定するように構成される。処理ユニットは、具体的には、転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを送信するように構成される。
【0042】
任意選択的に、可能な実装において、転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む。
【0043】
任意選択的に、可能な実装において、処理ユニットは、さらに、パケットを更新し、第2パケットを取得するように構成され、第2パケットは、第1指示情報および第3指示情報を含み、第3指示情報は、第2パケットの転送経路を示す。送受信機ユニットは、さらに、第2パケットを第3ネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0044】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチングSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである。
【0045】
本願の第4態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスであり、第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信するように構成される送受信機ユニットであって、パケットは、マルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダを含み、MPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む、送受信機ユニットと、第1指示情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定するように構成される処理ユニットと、を含む。送受信機ユニットは、さらに、ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送するように構成され、第3ネットワークデバイスは、パケットの転送経路上のデバイスであり、第2指示情報に基づいて決定される。
【0046】
任意選択的に、可能な実装において、処理ユニットは、さらに、パケットに対応するネットワークスライスに基づいて、ネットワークスライスに割り当てられる転送リソースを決定するように構成される。送受信機ユニットは、具体的には、転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送するように構成される。
【0047】
任意選択的に、可能な実装において、転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む。
【0048】
任意選択的に、可能な実装において、更新されたパケットは、第1指示情報を含む、または、パケットは、更新された第1指示情報を含み、更新された第1指示情報は、第1指示情報に基づいて決定され、更新された第1指示情報は、更新されたパケットに対応するネットワークスライスを示す。
【0049】
任意選択的に、可能な実装において、更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、更新された第2指示情報は、更新されたパケットの転送経路を示す。
【0050】
任意選択的に、可能な実装において、処理ユニットは、さらに、パケットをデカプセル化し、デカプセル化されたパケットを取得するように構成される。
【0051】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、第1ラベルフィールドは、第2ラベルフィールドが第2指示情報を含むことを示し、第2ラベルフィールドは、第2指示情報を含む。
【0052】
任意選択的に、可能な実装において、第1ラベルは、拡張ラベルおよび拡張特殊目的ラベルを含む。
【0053】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、第1指示情報を含む。
【0054】
任意選択的に、可能な実装において、MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子ラベルを含む。
【0055】
任意選択的に、可能な実装において、予約済みフィールドは、優先度フィールドおよびタイム・トゥー・ライブフィールドのうちの1または複数を含む。
【0056】
任意選択的に、可能な実装において、MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、MPLS拡張ヘッダは、第1指示情報を保持する。
【0057】
任意選択的に、可能な実装において、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチングSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである。
【0058】
本願の第5態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスが第1態様のいずれかの可能な実装に係る方法を実装することを可能にするように構成されるプロセッサを含む。デバイスは、メモリをさらに含んでよい。メモリは、プロセッサに結合される。プロセッサが、メモリに格納された命令を実行する場合、ネットワークデバイスは、第1態様のいずれかの可能な実装に係る方法を実装することを可能にされてよい。デバイスは、通信インタフェースをさらに含んでよい。通信インタフェースは、装置によって、別のデバイスと通信するために用いられる。例えば、通信インタフェースは、送受信機、回路、バス、モジュール、または別のタイプの通信インタフェースであってよい。
【0059】
本願の第6態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスが第2態様のいずれかの可能な実装に係る方法を実装することを可能にするように構成されるプロセッサを含む。デバイスは、メモリをさらに含んでよい。おメモリは、プロセッサに結合される。プロセッサが、メモリに格納された命令を実行する場合、ネットワークデバイスは、第2態様のいずれかの可能な実装に係る方法を実装することを可能にされてよい。デバイスは、通信インタフェースをさらに含んでよい。通信インタフェースは、装置によって、別のデバイスと通信するために用いられる。例えば、通信インタフェースは、送受信機、回路、バス、モジュール、または別のタイプの通信インタフェースであってよい。
【0060】
本願において、メモリ内の命令は、事前に格納されてよい、または、ネットワークデバイスが用いられる場合にインターネットからダウンロードされた後に格納されてよい。メモリ内の命令のソースは、本願において特に限定されるものではない。本願における結合とは、間接結合、または、装置、ユニット、またはモジュール間の接続であり、電気的形式、機械的形式、または別の形式であってよく、装置、ユニット、またはモジュール間の情報交換に用いられる。
【0061】
本願の第7態様によれば、コンピュータ記憶媒体が提供される。コンピュータ記憶媒体は、不揮発性であってよい。コンピュータ記憶媒体はコンピュータ可読命令を格納する。コンピュータ可読命令がプロセッサによって実行される場合、第1態様または第2態様のいずれかの可能な実装に係る方法が実装される。
【0062】
本願の第8態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される場合、コンピュータは、第1態様または第2態様のいずれかの可能な実装に係る方法を実行することを可能にされる。
【0063】
本願の第9態様によれば、ネットワークシステムが提供される。ネットワークシステムは、第3態様のいずれかの実装に係るネットワークデバイスと、第4態様のいずれかの実装に係るネットワークデバイスとを含む。代替的に、ネットワークシステムは、第5態様のいずれかの実装に係るネットワークデバイスと、第6態様のいずれかの実装に係るネットワークデバイスとを含む。
【0064】
任意選択的に、可能な実装において、ネットワークシステムは、第4態様または第6態様のいずれかの実装に係る複数のネットワークデバイスを含んでよい。
【0065】
第3態様から第9態様において提供される解決手段は、第1態様および第2態様において提供される方法を実装する、または実装するように協働するために用いられ、したがって、第1態様および第2態様のものと同じ、またはこれらに対応する有益な効果を、実現することができる。本明細書では、詳細について改めて説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1(a)】本願の実施形態に係るネットワークの構造の概略図である。
【0067】
【
図1(b)】本願の実施形態に係るネットワークスライスの構造の概略図である。
【0068】
【
図1(c)】本願の実施形態に係る別のネットワークスライスの構造の概略図である。
【0069】
【
図1(d)】本願の実施形態に係る別のネットワークスライスの構造の概略図である。
【0070】
【
図2】本願の実施形態に係るパケット処理方法200の概略フローチャートである。
【0071】
【
図3】本願の実施形態に係るパケット転送の概略図である。
【0072】
【
図4】本願の実施形態に係るMPLSラベルの構造の概略図である。
【0073】
【
図5】本願の実施形態に係る他のMPLSラベルの構造の概略図である。
【0074】
【
図6】本願の実施形態に係るMPLSパケットヘッダのフォーマットの概略図である。
【0075】
【
図7】本願の実施形態に係る拡張ヘッダのフォーマットの概略図である。
【0076】
【
図8】本願の実施形態に係るパケット処理方法800の概略フローチャートである。
【0077】
【
図9】本願の実施形態に係るネットワークデバイス900の構造の概略図である。
【0078】
【
図10】本願の実施形態に係るネットワークデバイス1000の構造の概略図である。
【0079】
【
図11】本願の実施形態に係るネットワークシステム1100の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本願の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下、添付図面を参照して、本願の実施形態を説明する。説明される実施形態は、本願の実施形態の全部ではなく、一部に過ぎないことは明らかである。当業者であれば、本願の実施形態において提供される技術的解決手段が、新たな適用シナリオが出現すると、同様の技術的課題にも適用可能であることを認識しよう。
【0081】
本願の本明細書、特許請求の範囲、および添付図面において、「第1」、「第2」等の用語は、同様の対象間を区別することが意図されているが、特定の順番または順序を必ずしも示すものではない。このようなやり方で述べられたデータは、適切な状況において交換可能であり、これにより、本明細書において説明される実施形態は、本明細書において例示または説明される順序以外の順序で実装可能であることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「包含する」、およびあらゆる他の変形は、非排他的包含をカバーすることが意図される。例えば、段階またはモジュールの列挙を含む処理、方法、システム、製品、またはデバイスは、明示的に列挙された段階またはモジュールに必ずしも限定されるものではないが、明示的に列挙されていない、またはこのような処理、方法、製品、またはデバイスに固有の他の段階またはモジュールを含んでよい。本願における段階の名称または番号は、方法の手順における段階が当該名称または番号によって示された時間/論理的な順序で実行される必要があることを意味するものではない。名称または番号が付された手順における段階の実行順序は、同じまたは同様の技術的効果を実現することができる場合は、実現すべき技術的目的に基づいて変更することができる。本願において、複数のユニットへの分割は、論理的分割であって、実際の実装の際には他の分割であってよい。例えば、複数のユニットが別のシステムに組み合わせまたは統合されてよく、または、いくつかの特徴が無視または実行されなくてよい。さらに、示されたまたは説明された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェースを通じて実装されてよい。ユニット間の間接結合または通信接続は、電気的形式または別の同様の形式で実装されてよい。これは、本願において限定されるものではない。さらに、別個の部分として説明されるユニットまたはサブユニットは、物理的に離れていてもそうでなくてもよく、物理ユニットであってもそうでなくてもよく、または、複数の回路ユニットに分散されてよい。これらのユニットの一部または全部が、実際の要求に基づいて選択され、本願の解決手段の目的を実現してよい。
【0082】
5Gネットワークでは、多様化したサービスが、速度、性能、セキュリティ、信頼性、遅延等の観点で、ネットワーク上で異なる要求を有する。例えば、エンハンスドモバイルブロードバンド(enhanced mobile broadband、eMBB)シナリオ(例えば、仮想現実シナリオまたは拡張現実シナリオ)は、帯域幅に高い要求を有し、xGbpsレベルの帯域幅を必要とする。別の例では、多数同時接続(massive machine type communication、mMTC)シナリオ(例えば、ウェアラブルシナリオまたはスマートグリッドシナリオ)は、多数のデバイスのアクセスをサポートする必要、例えば、数億または数十億のデバイスのアクセスをサポートする必要がある。別の例では、超高信頼性および低遅延通信(ultra-reliable and low-latency communications、uRLLC)シナリオ(例えば、自動運転シナリオ、遠隔手術シナリオ、または産業制御シナリオ)は、1msという超低遅延をサポートする必要がある。ネットワークスライシングは、異なるシナリオおよび要求に基づいて、異なる特徴でネットワークを柔軟に構築することによって、異なるシナリオ、異なる要求、および究極体験要求を満たすために登場したものである。
【0083】
ネットワークスライスは、物理的または仮想ネットワークのインフラストラクチャ上の異なるサービス要求に基づいてカスタマイズされた論理ネットワークである。ネットワークスライスは、アクセスネットワーク、トランスポートネットワーク、コアネットワーク、およびアプリケーションサーバを含む完全なエンドツーエンドネットワークであってよく、完全な通信サービスを提供することができ、具体的なネットワーク能力を有する。代替的に、ネットワークスライスは、アクセスネットワーク、トランスポートネットワーク、コアネットワーク、およびアプリケーションサーバの任意の組み合わせであってよい。
【0084】
1つのネットワークスライスは、通常、インスタンス化された5Gネットワークとみなされてよい。このようなネットワーク構造により、オペレータは、ユーザにサービスとしてネットワークを提供可能であり、物理ネットワークは、異なるユーザの要求を満たすように、レート、容量、カバレッジ、遅延、信頼性、セキュリティ、および可用性のような指標に基づいて、自由に組み合わせられることができる。
【0085】
SR技術は、順序付けられた命令リストをパケットに追加することによって、パケット転送を制御するために用いられる。命令リストは、セグメントリスト(Segment List)と称されてよい。セグメントリストにおける各ラベルは、1つのリンクまたはノードを識別してよく、ラベルスタック全体は、スタックの上からスタックの下まで転送経路を識別する。セグメントリストにおける各ラベルは、セグメント識別子(Segment Identifier、SID)と称されてよい。パケット転送中に、ラベルスタックのスタックの上部ラベルに基づいて、対応するリンクが検索され、パケットは、当該リンク上で転送される。ラベルスタックにおける全てのラベルが出現した後、パケットは、デスティネーションに到達する。
【0086】
MPLSは、SRのデータプレーン技術として用いられてよい(SR-MPLSと称される)。この場合、SRにおけるSIDは、データプレーン上でMPLSラベルスタックを用いて、カプセル化および保持される。SR-MPLSには、2つの基本SIDタイプ、プリフィクスSID(prefix-SID)および隣接SID(adj-SID)が存在し、これらはそれぞれ、SRネットワークにおけるノードおよびリンクを識別するために用いられる。SIDの2つのタイプを組み合わせることによって取得されるSIDリストは、SRのソースルーティング機能を実装することができる。
【0087】
現在、SR-MPLSに基づくネットワークスライシングを実装する解決手段において、ノードおよびリンクが属する異なるネットワークスライスを識別するために、異なるSR SIDが用いられている。具体的には、各ノードは、異なるネットワークスライスにおけるノードの識別子として、異なるprefix-SIDを異なるネットワークスライスに割り当てる必要がある。さらに、各ノードは、接続されたリンクに異なるadj-SIDを割り当て、同じリンク上の異なるネットワークスライスに割り当てられたリソースを識別することがさらに必要である。
【0088】
例えば、
図1(a)は、本願の実施形態に係るネットワークの構造の概略図である。
図1(a)に示すように、ネットワークアーキテクチャは、複数のネットワークデバイス、すなわちネットワークデバイス1からネットワークデバイス9を含むSR-MPLSネットワークアーキテクチャである。
【0089】
図1(b)は、本願の実施形態に係るネットワークスライスの構造の概略図である。
図1(b)に示すように、SR-MPLSネットワークアーキテクチャにおけるネットワークデバイス1からネットワークデバイス5と、ネットワークデバイス7からネットワークデバイス9は、共同でネットワークスライス1を構成する。したがって、1つのprefix-SIDが、ネットワークスライス1における各ネットワークデバイス(例えば、ネットワークデバイス101から105および107から109)に割り当てられ、ネットワークスライス1におけるネットワークデバイスの識別子として用いられる。さらに、各ネットワークデバイスは、さらに、対応するadj-SIDを接続されたリンクに割り当て、当該リンク上のネットワークスライス1に割り当てられたリソースを識別する必要がある。
【0090】
図1(c)は、本願の実施形態に係る別のネットワークスライスの構造の概略図である。
図1(c)に示すように、SR-MPLSネットワークアーキテクチャにおけるネットワークデバイス2からネットワークデバイス4と、ネットワークデバイス6からネットワークデバイス9とは、共同でネットワークスライス2を構成する。同様に、1つのprefix-SIDが、ネットワークスライス2における各ネットワークデバイス(例えば、ネットワークデバイス202から204および206から209)に割り当てられ、ネットワークスライス2におけるネットワークデバイスの識別子として用いられる。さらに、各ネットワークデバイスは、さらに、対応するadj-SIDを接続されたリンクに割り当て、当該リンク上のネットワークスライス2に割り当てられたリソースを識別する必要がある。
【0091】
図1(b)および
図1(c)に示すように、ネットワークスライス1およびネットワークスライス2は、異なるネットワークトポロジに対応し、異なるネットワークスライスが異なるネットワークトポロジに対応してよいことを意味する。いくつかの場合、異なるネットワークスライスは、代替的に、同じネットワークトポロジに対応してよく、1つのネットワークトポロジが、複数のネットワークスライスに対応してよいことを意味する。
図1(d)は、本願の実施形態に係る別のネットワークスライスの構造の概略図である。
図1(d)に示すように、SR-MPLSネットワークアーキテクチャにおけるネットワークデバイス2からネットワークデバイス4と、ネットワークデバイス6からネットワークデバイス9とは、共同でネットワークスライス3を構成する。言い換えれば、ネットワークスライス3に対応するネットワークトポロジは、
図1(c)のネットワークスライス2に対応するネットワークトポロジと同じである。同様に、1つのprefix-SIDは、ネットワークスライス3における各ネットワークデバイス(例えば、ネットワークデバイス302から304および306から309)にも割り当てられる必要があり、ネットワークスライス3におけるネットワークデバイスの識別子として用いられる。さらに、各ネットワークデバイスは、さらに、対応するadj-SIDを接続されたリンクに割り当て、当該リンク上のネットワークスライス3に割り当てられたリソースを識別する必要がある。
【0092】
前述した説明から、ネットワークにおいて、異なるネットワークスライスが、異なるネットワークトポロジを分類することによって構成されてよく、同じネットワークトポロジが、複数の異なるネットワークスライスに対応してよいことを認識することができる。したがって、多数のネットワークスライスが、実際の要求に応じて、ネットワークに形成されてよい。さらに、各ネットワークデバイスは、異なるprefix-SIDを異なるネットワークスライスに割り当て、異なるadj-SIDをネットワークデバイスに接続されたリンクに割り当てる必要がある。言い換えれば、割り当てられるべきprefix-SIDおよびadj-SIDの数は、ネットワークスライスの数と正の相関を有する。言い換えれば、多数のネットワークスライスの場合に、現在のSR-MPLSデータプレーンのカプセル化技術がネットワークスライシングに用いられる場合、多数のprefix-SIDおよび多数のadj-SIDが、異なるネットワークスライスにおけるノードおよびリンクを識別するために割り当てられる必要がある。結果的に、SIDリソースが深刻に消費され、SID計画および管理の複雑性が増大する。さらに、各ネットワークデバイスに割り当て可能なSIDは限定されるので、多数のネットワークスライスの場合、ネットワークデバイス上の多数のSIDリソースが消費される。結果的に、SIDリソースの正常な割り当てが影響を受ける。
【0093】
さらに、SIDはMPLSラベルに保持されるので、単一のMPLSラベルが、ネットワークスライスおよび転送経路を識別するために用いられてよい。ネットワークスライスは同じだがリンクが異なる場合、および、ネットワークスライスは異なるがリンクが同じ場合には、異なるMPLSラベルが識別のために必要とされる。結果的に、MPLSラベルの多くは、ネットワークスライスが多数かつ大規模な場合に割り当てられる必要があり、MPLSラベルリソースの深刻な消費を引き起こす。
【0094】
これを考慮して、本願の実施形態は、パケット処理方法を提供する。MPLSパケットヘッダは、MPLSデータプレーン上のパケットについてカプセル化され、パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路が、それぞれ、異なる指示情報を介して、MPLSパケットヘッダにおいて示される。このように、ネットワークデバイスは、MPLSラベルに基づいてネットワークスライスおよび転送経路を識別する必要なく、ネットワークスライスに基づいて、パケットを正常に転送することができる。これにより、MPLSラベルリソースを効果的に節約することができる。さらに、パケット処理方法をSR-MPLSネットワークに適用することによって、SIDリソースを効果的に節約することもできる。
【0095】
図2は、本願の実施形態に係るパケット処理方法200の概略フローチャートである。パケット処理方法200は、
図1(a)に示すネットワーク構造に適用されてよい。
【0096】
図2に示すように、パケット処理方法200は、少なくとも以下の段階を含む。
【0097】
段階201:第1ネットワークデバイスは、パケットを取得する。
【0098】
本実施形態において、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスであってよい。第1ネットワークデバイスは、以下の方式でパケットを取得してよく、別のネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信する、例えば、MPLSネットワーク外のネットワークデバイスによって送信されたデータパケットを受信し、第1ネットワークデバイスによって、パケットを生成する、または、アクセス側のユーザ機器からパケットを受信する。
【0099】
段階202:第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加し、更新されたパケットを取得し、第1指示情報および第2指示情報は、更新されたパケットのMPLSパケットヘッダに位置する。第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示し、第2指示情報は、パケットの転送経路を示す。
【0100】
本実施形態において、パケットを取得した後、第1ネットワークデバイスは、パケットを更新し、これにより、更新されたパケットにおけるMPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む。第1ネットワークデバイスによって取得されるパケットは、MPLSパケットヘッダを含んでよい。第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報をMPLSパケットヘッダに追加し、更新されたパケットを取得する。代替的に、第1ネットワークデバイスによって取得されるパケットは、MPLSヘッダを含まなくてよい。第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報を含むMPLSパケットヘッダをパケットに追加し、更新されたパケットを取得する。第1指示情報および第2指示情報を追加するオペレーションを実行する第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークにおけるヘッドノードであってよい。ヘッドノードは、例えば、トンネルの終点またはネットワーク境界ノードであってよい。
【0101】
第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加する前に、第1ネットワークデバイスは、第1指示情報および第2指示情報を決定するために、パケットに対応するネットワークスライスと、パケットの転送経路とを決定してよい。
【0102】
可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスは、パケットに保持された情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい、または、第1ネットワークデバイスは、パケットを受信するために用いられるリソース情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0103】
例えば、ネットワークスライスを決定するためのポリシは、第1ネットワークデバイスにおいて予め構成されてよい。第1ネットワークデバイスは、ポリシの指示に従って、かつ、パケットにおけるソースアドレス、デスティネーションアドレス、またはプロトコル番号に基づいて、パケットに対応するネットワークスライス、すなわち、パケットを転送するために用いられるネットワークスライスを決定してよい。ソースアドレスは、例えば、パケットを送信するためのソースインターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)アドレスまたはソース媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレス、例えば、ユーザーホストまたは基地局のアドレスであってよい。デスティネーションアドレスは、例えば、パケットのデスティネーションIPアドレスまたはデスティネーションMACアドレスであってよい。代替的に、第1ネットワークデバイスは、パケットにおけるいくつかの他のフィールド、例えば、インターネットプロトコルバージョン4(Internet Protocol version 4、IPv4)またはIPv6パケットヘッダにおける差別化サービスコードポイント(Differentiated Services Code Point、DSCP)フィールドまたはトラフィッククラス(Traffic Class)フィールド、またはイーサネット(登録商標)ヘッダにおける仮想ローカルエリアネットワーク識別子(Virtual Local Area Network identifier、VLAN ID)に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。第1ネットワークデバイスは、具体的には、前述のフィールド(例えば、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、プロトコル番号、DSCPフィールド、またはTCフィールド)のうちの1つ、または前述のフィールドのうちいくつかのフィールドの組み合わせに基づいて、パケットが属するネットワークスライスを決定してよい。
【0104】
第1ネットワークデバイスは、ユーザ側のサービス要求に基づいて、サービスパケットを送信するためのソースデバイスアドレスと、ネットワークスライスとの間の対応関係を確立してよい。このように、ユーザ側によって送信されたサービスパケットを受信した後、第1ネットワークデバイスは、サービスパケットにおけるソースアドレスに基づいて、対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0105】
同様に、第1ネットワークデバイスは、デスティネーションアドレスとネットワークスライスとの間の対応関係も予め確立してよい。サービスパケットを受信した後、第1ネットワークデバイスは、サービスパケットにおけるデスティネーションアドレスに基づいて、対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0106】
さらに、パケットにおけるプロトコル番号は、パケットに保持されるデータに用いられるデータプロトコルを示してよい。データプロトコルとネットワークスライスとの間の対応関係が予め確立されている場合、第1ネットワークデバイスは、代替的に、パケットにおけるプロトコル番号に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0107】
例えば、第1ネットワークデバイスは、代替的に、パケットを受信するために用いられるリソース情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよく、リソース情報は、例えば、第1ネットワークデバイスによってパケットを受信するための物理インタフェース情報または論理インタフェース情報である。例えば、第1ネットワークデバイスのインバウンドインタフェースに対応するネットワークスライスが構成され、パケットが別のネットワークデバイスによって第1ネットワークデバイスに転送される場合、別のネットワークデバイスは、パケットが属するネットワークスライスに基づいて、第1ネットワークデバイスに対応するインバウンドインタフェースにパケットを転送してよい。したがって、第1ネットワークデバイスは、パケットを受信するためのインバウンドインタフェース情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0108】
パケットに対応するネットワークスライスを決定した後、第1ネットワークデバイスは、第1指示情報を生成してよい。第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示すネットワークスライスの識別子を含んでよい。パケットを受信するネットワークデバイスは、第1指示情報におけるネットワークスライスの識別子に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。
【0109】
可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスは、パケットのデスティネーションアドレスに基づいて、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路を決定してよく、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路に基づいて、第2指示情報を生成してよい。
【0110】
第2指示情報は、パケットの転送経路を複数の方式で示してよい。
【0111】
方式1:第2指示情報は、MPLSネットワークにおけるパケットの完全な転送経路を示してよい。
【0112】
例えば、第2指示情報は、転送プロセスにおいてパケットが通過する必要がある全てのノードについての情報を含んでよい。
図1(a)のネットワークが、例として用いられる。パケットを受信した後、ネットワークデバイス1は、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路が「ネットワークデバイス1--ネットワークデバイス2--ネットワークデバイス3--ネットワークデバイス4--ネットワークデバイス5」であると決定してよい。本願の本実施形態において提供される方法が従来のMPLSネットワークに適用される場合、MPLSラベルスイッチング経路が、制御シグナリングを用いて予め確立されてよい。ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、経路を識別するMPLSラベルのみを保持してよく、経路に沿ったノードデバイスは、パケットの転送プロセスにおいて、ホップバイホップでMPLSラベルをスイッチする(例えば、ノードデバイスは、MPLSラベルAをMPLSラベルBに置き換える)。パケットの経路に沿ったノードデバイスでは、ノードデバイスによって受信されたパケットのMPLSラベルAは、ノードによってデスティネーションノードまでの経路に割り当てられるラベルである。ノードデバイスは、MPLSラベルAに基づいて、ローカルテーブルルックアップを実行し、対応するMPLSラベルBと、パケットを送信するためのアウトバウンドインタフェースとを取得してよい。MPLSラベルBは、ネクストホップノードによって同じデスティネーションノードまでの経路に割り当てられるラベルである。
【0113】
本願の本実施形態において提供される方法がSR-MPLSネットワークに適用される場合、ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、MPLSネットワークにおけるパケットの完全な転送経路を示すために、ネットワークデバイス2、ネットワークデバイス3、ネットワークデバイス4、およびネットワークデバイス5についての情報を保持してよい。例えば、MPLSネットワークにおいて、ネットワークデバイス1は、複数のMPLSラベルのうち、ネットワークデバイス2からネットワークデバイス5の識別子を含んでよい。SR-MPLSネットワークにおいて、ネットワークデバイス1は、MPLSラベルスタックにおけるセグメントリストを含んでよく、セグメントリストは、ネットワークデバイス2からネットワークデバイス5を別個に示す複数のSIDを含む。
【0114】
方式2:第2指示情報は、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路の一部を示してよい。
【0115】
例えば、第2指示情報は、転送プロセスにおいてパケットが通過する必要がある一部のノードについての情報を含んでよい。
図1(a)のネットワークが、例として用いられる。ネットワークデバイス1が、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路が「ネットワークデバイス1--ネットワークデバイス2--…ネットワークデバイス5」であると決定した場合、ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、MPLSネットワークにおいてパケットが通過する必要があるネットワークデバイスを示すために、ネットワークデバイス2およびネットワークデバイス5についての情報のみを保持してよい(言い換えれば、パケットは、具体的なネットワークデバイス2およびネットワークデバイス5を通過する必要がある)。
【0116】
方式3:第2指示情報は、MPLSネットワークにおいてパケットが通過するテールノードのみを示してよい。
【0117】
例えば、第2指示情報は、転送プロセスにおいてパケットが通過する必要があるテールノードについての情報のみを含んでよい。このように、経路に沿ってパケットを転送する処理において、パケットを受信する各ネットワークデバイスは、第2指示情報およびデフォルト転送ポリシ(例えば、最短経路転送ポリシ)に示されるテールノードに基づいて、パケットを転送してよい。言い換えれば、第2指示情報は、パケットが通過する必要があるテールノードを示すことによって、パケットの転送経路を示してよい。パケットの転送経路は、ヘッドノードおよびテールノードが指定されている場合は、デフォルト経路である。
図1(a)のネットワークも、例として用いられる。ネットワークデバイス1がパケットを受信した後、ネットワークデバイス1は、デフォルト経路を用いてパケットを転送すると決定する。したがって、ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、MPLSネットワークにおいてパケットが通過する必要があるテールノードを示すために、ネットワークデバイス5についての情報のみを保持してよい。このように、パケットの転送プロセスにおいて、パケットを受信する各ネットワークデバイスは、デフォルト転送ポリシに基づいて、デフォルト経路上の次のネットワークデバイスにパケットを転送し、これにより、パケットは、デフォルト経路に基づいて、最終的に転送されることができる。
【0118】
方式4:第2指示情報は、完全な経路の前半と、完全な経路の後半を更新することを示す情報とを示してよい。
【0119】
例えば、パケットの転送経路が長い場合、第1ネットワークデバイスによって生成される第2指示情報は、パケットの完全な経路の前半のみを示し、第2指示情報は、パケットの経路の後半を更新するために、さらに、パケットの転送経路上の別のノードを示してよい。
図1(a)のネットワークも、例として用いられる。パケットを受信した後、ネットワークデバイス1は、パケットの転送経路が「ネットワークデバイス1--ネットワークデバイス2--ネットワークデバイス3--ネットワークデバイス4--ネットワークデバイス5」であると決定してよい。ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、MPLSネットワークにおけるパケットの転送経路の前半を示するために、ネットワークデバイス2およびネットワークデバイス3についての情報を保持してよい。さらに、指示情報は、経路情報を更新するために、ネットワークデバイス3を示すために用いられる情報をさらに保持してよい。例えば、指示情報は、バインドセグメント識別子(binding segment identifier、binding-sid)を保持し、バインドSIDは、パケットの後続の経路情報を示す。ネットワークデバイス3は、バインドSIDに基づいて、パケットにおける後続の経路情報を更新してよい。バインドSIDは、ドメイン内トンネルラベルスタックを示してよく、トンネルラベルスタックは、パケットの後続の経路情報を保持してよい。言い換えれば、ネットワークデバイス1によって生成される指示情報は、複数のMPLSラベルを用いることによって、ネットワークデバイス2およびネットワークデバイス3の識別情報を保持してよく、指示情報は、さらに、後続の転送経路を更新するために、ネットワークデバイス3を示すバインドSIDを保持してよい。バインドSIDは、後続の経路情報を示し、これにより、ネットワークデバイスによってカプセル化されるラベルスタック層の数を低減させることができる。
【0120】
段階203:第1ネットワークデバイスは、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する。
【0121】
第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加した後、第1ネットワークデバイスは、転送経路上の次のネットワークデバイスに更新されたパケットを送信してよい。第2ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスによって決定された転送経路上のネットワークデバイスであってよく、第2ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスの隣接ネットワークデバイスである。
【0122】
可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスは、ネットワークスライスに基づいて、更新されたパケットを送信するために用いられる転送リソースを決定してよく、第1ネットワークデバイスは、転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを送信する。転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含んでよい。処理リソースは、パケットを転送するために用いられる転送エントリを検索するために、第1ネットワークデバイスによって用いられるリソースであってよい。処理リソースが多いことは、第1ネットワークデバイスによる転送エントリを検索するより高い効率を示す。したがって、多くの処理リソースは、低遅延要求を有するネットワークスライスのために構成されてい。アウトバウンドインタフェースリソースは、第1ネットワークデバイスによってパケットを転送するために用いられるアウトバウンドインタフェースであってよく、キューリソースは、第1ネットワークデバイスがパケットを転送する場合にパケットが入ることのできる転送キューであってよい。
【0123】
異なるネットワークスライスは異なるサービス要求に対応するので、異なる転送リソースは、ネットワークスライスの要求を満たすために、ネットワークデバイスにおける異なるネットワークスライスに対して構成されてよいことが理解されよう。言い換えれば、ネットワークスライスと転送リソースとの間の対応関係は、ネットワークデバイスにおいて予め構成されてよく、これにより、ネットワークデバイスは、パケットに対応するネットワークスライスに基づいて、パケットを転送するために用いられる転送リソースを決定することができる。
【0124】
可能な実施形態において、パケットを第2ネットワークデバイスに送信することに加えて、第1ネットワークデバイスは、さらに、別の隣接ネットワークデバイスにパケットを送信してよい。例えば、高信頼性シナリオまたはマルチキャスト分配シナリオのようなシナリオでは、第1ネットワークデバイスは、取得されたパケットのペイロードおよび/または他の必要なデータ情報を複数回コピーし、対応するネットワークスライス指示情報および転送経路指示情報を、コピーを通して生成された複数のパケットの各々に追加してよく、これにより、複数のパケットが、それぞれの転送経路に沿って、対応するネットワークスライスリソースを用いることによって、転送される。
【0125】
例えば、第1ネットワークデバイスによって第2ネットワークデバイスに送信される更新されたパケットは、第1パケットであってよい。第1ネットワークデバイスは、さらに、パケットを更新し、第2パケットを取得してよく、第2パケットは、第3指示情報を含んでよく、第3指示情報は、第2パケットの転送経路を示す。第2パケットは、第1パケットのものと同じ第1指示情報をさらに含んでよく、第2パケットおよび第1パケットは、同じネットワークスライスリソースを用いてよい。第1ネットワークデバイスは、第2パケットを第3ネットワークデバイスに送信する。言い換えれば、第1ネットワークデバイスは、パケット転送に用いられる複数の経路を決定してよく、対応する経路上のネットワークデバイスについての情報に基づいて、複数のパケットを生成してよい。異なるパケットは、異なる経路上のパケットの転送を示すために、異なる経路指示情報を保持する。
【0126】
図3は、本願の実施形態に係るパケット転送の概略図である。
図3に示すように、パケット1を受信した後、ネットワークデバイス1は、パケット1に対応するネットワークスライス(例えば、ネットワークスライス1)と、パケット1を転送するために用いられる2つの経路とを決定してよい。2つの経路は、経路1「ネットワークデバイス1--ネットワークデバイス2--ネットワークデバイス3--ネットワークデバイス4--ネットワークデバイス5」および経路2「ネットワークデバイス1--ネットワークデバイス7--ネットワークデバイス8--ネットワークデバイス9--ネットワークデバイス5」であってよい。ネットワークデバイス1は、経路1に基づいてパケット2を生成し、パケット2をネットワークデバイス2に送信してよい。パケット2は、ネットワークスライス1の識別子と、経路1を示す情報(例えば、ネットワークデバイス2からネットワークデバイス5の識別子)とを含む。ネットワークデバイス1は、経路2に基づいてパケット3を生成し、パケット3をネットワークデバイス7に送信してよい。パケット3は、ネットワークスライス1の識別子と、経路2を示す情報(例えば、ネットワークデバイス7からネットワークデバイス9およびネットワークデバイス5の識別子)を含む。このように、ネットワークデバイス1は、パケット1をコピーしてパケット2およびパケット3を生成し、次に、同じネットワークスライス1のリソースを用いることによって、経路1および経路2に沿ってパケット2およびパケット3をそれぞれ転送することを示すために、同じネットワークスライス情報および異なる経路情報をパケット2およびパケット3に追加してよい。
【0127】
前述の例において、第1パケットおよび第2パケットは同じネットワークスライス指示情報を保持する。例えば、パケット2およびパケット3は、ネットワークスライス1の同じ識別子を保持する、言い換えれば、ネットワークデバイス1は、経路2および経路3上でパケット2およびパケット3を受信するネットワークデバイスをそれぞれ示し、同じネットワークスライス1を用いることによって、パケット2およびパケット3を転送する。さらに、ネットワークデバイス1は、同じネットワークスライスリソースを用いることによって、パケット2およびパケット3を転送してもよい。例えば、ネットワークスライスに対応する転送リソースが、パケット転送のためにネットワークデバイス1に割り当てられた処理リソースである場合、ネットワークデバイス1によってパケット2をネットワークデバイス2に転送するために用いられる処理リソースは、ネットワークデバイス1によってパケット3をネットワークデバイス7に転送するために用いられる処理リソースと同じであってよい。
【0128】
別の可能な事例において、第1ネットワークデバイスが複数の転送経路を決定し、複数の隣接ネットワークデバイスにパケットを転送する場合、第1ネットワークデバイスは、異なる隣接ネットワークデバイスにパケットを転送する場合に異なるネットワークスライス指示情報をパケットに含めてよく、異なるネットワークスライスリソースを用いてよい。例えば、ネットワークスライスに対応する転送リソースがインタフェースリソースである場合、第1ネットワークデバイスによってによって第1パケットを第2ネットワークデバイスに転送するために用いられるインタフェースリソースは、第1ネットワークデバイスによって第2パケットを第3ネットワークデバイスに転送するために用いられるインタフェースリソースとは異なってよい。
【0129】
前述の内容は、ネットワークデバイスが第1指示情報をパケットに追加してパケットを転送する処理を説明する。理解を容易ならしめるために、以下、具体的な例を参照して、第1指示情報をMPLSパケットヘッダにどのように追加するかを詳述する。
【0130】
本実施形態において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックまたはMPLS拡張ヘッダを用いることによって、パケットに対応する第1指示情報を保持してよい。
【0131】
MPLSラベルスタックを用いることによってパケットに対応するネットワークスライスの識別子を保持する複数の方式が存在してよい。
【0132】
可能な実施形態において、MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含んでよく、MPLSラベルスタックは、第1ラベル情報および第2ラベル情報を含み、第1ラベル情報は、第2ラベル情報がネットワークスライスに対応する識別情報を保持することを示し、第2ラベル情報は、第1識別情報を保持する。第1ラベル情報および第2ラベル情報の両方は、MPLSラベルスタックに位置する。さらに、MPLSラベルスタックにおいて、第1ラベル情報は、第2ラベル情報よりも上方に位置してよい。このように、第1ラベル情報を読み出した後、ネットワークデバイスは、第1ラベル情報より後に位置する第2ラベル情報がネットワークスライスに対応する識別情報を保持すると決定してよい。
【0133】
例において、第1ラベル情報は、拡張ラベル(Extension Label、EL)および拡張特殊目的ラベル(Extended Special Purpose Label、ESPL)を含む。拡張ラベルは、拡張特殊目的ラベルよりも上方に位置してよく、拡張ラベルの値は、拡張ラベルより後に位置するラベルが拡張特殊目的ラベルであることを示すために、関連規格に定義される値、例えば、15であってよい。拡張特殊目的ラベルの値は、拡張特殊目的ラベルより後に位置するラベルがネットワークスライスに対応する識別情報を保持することを示すために、予め定められた値であってよい。拡張特殊目的ラベルより後に位置するラベルは、ネットワークスライスラベルとも称されてよい。
【0134】
言い換えれば、MPLSラベルスタックは、拡張ラベル、拡張特殊目的ラベル、およびネットワークスライスラベルを含んでよい。拡張特殊目的ラベルは、拡張ラベルより後に位置し、ネットワークスライスラベルは、拡張特殊目的ラベルより後に位置する。拡張ラベル、拡張特殊目的ラベル、およびネットワークスライスラベルは、3つの隣接ラベルであり、3つの隣接ラベルは、MPLSラベルスタック全体の任意の位置に位置してよいことが理解されよう。
【0135】
例えば、
図4は、本願の実施形態に係るMPLSラベルの構造の概略図である。
図4に示すように、拡張ラベルの下位層は拡張特殊目的ラベルであり、拡張特殊目的ラベルの下位層はネットワークスライスラベルである。ラベル値フィールドに加えて、各ラベルは、優先度(Traffic Class、TC)フィールド、スタックフィールド下部、およびタイム・トゥー・ライブ(time to live、TTL)フィールドをさらに含んでよい。TCフィールドは、パケットの優先度が0から7の範囲にある優先権を示す。スタックフィールドの下部は、ラベルスタックにおけるラベルの位置を示す。スタックフィールドSの下部の値は0に等しく、ラベルが最下位層にないことを示す。スタックフィールドSの下部の値は1に等しく、ラベル最下位層であることを示す。TTLフィールドは、ラベルのタイム・トゥー・ライブを示す。
【0136】
ネットワークデバイスがラベルスタックを読み出す場合、ネットワークデバイスは、最初に、上位層の拡張ラベルを読み出し、拡張ラベルの値15に基づいて、拡張ラベルの下位層のラベルが拡張特殊目的ラベルであると決定してよい。拡張特殊目的ラベルを読み出す場合、ネットワークデバイスは、拡張特殊目的ラベルの予め定められた値に基づいて、拡張特殊目的ラベルの下位層のラベルがネットワークスライスラベルであると決定してよい。最後に、ネットワークデバイスは、ネットワークスライスラベルを読み出すことによって、ネットワークスライスに対応する識別子を取得し、パケットに対応するネットワークスライスを決定する。
【0137】
別の可能な実施形態において、MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、第1指示情報を含む。MPLS特殊目的ラベルは、関連規格で予め定められたラベル、例えば、エントロピーラベル(Entropy Label、EL)、ルータアラートラベル(Router Alert Label)、またはフロー識別子ラベル(Flow-ID Label)であってよい。MPLS特殊目的ラベルは、予約済みフィールド、すなわち、予約され、かつ、実際の使用に供されていないフィールドを有する。当該フィールドは、第1指示情報を保持するために用いられてよい。予約済みフィールドは、以下のフィールド、すなわちラベル値フィールド(すなわち、ラベルの具体的な値を示すフィールド)、TCフィールド、およびTTLフィールドのうちの1または複数を含んでよい。
【0138】
例えば、MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルである。
図5は、本願の実施形態に係る他のMPLSラベルの構造の概略図である。
図5に示すように、MPLSパケットヘッダは、エントロピーラベルインジケータ(Entropy Label Indicator、ELI)およびエントロピーラベルを含む。エントロピーラベルインジケータは、エントロピーラベルの前のラベルであり、エントロピーラベルの位置を示し、エントロピーラベルインジケータのラベル値は、7であってよい。言い換えれば、エントロピーラベルインジケータを読み出す場合、ネットワークデバイスは、エントロピーラベルインジケータの次のラベルがエントロピーラベルであると決定してよい。
【0139】
エントロピーラベルにおいて、エントロピーラベルのラベル値フィールドのフォーマットは、ネットワークスライスの識別子を保持するように修正されてよい。例えば、20ビット(bit)ラベル値フィールドでは、ラベル値フィールドのうち12ビットが、ネットワークスライスの識別子を示してよく、4,000のネットワークスライスの指示をサポートしてよく、ラベル値フィールドのうち残りの8ビットは、負荷分散のために用いられる。言い換えれば、ネットワークデバイスは、ラベル値フィールドの8ビットによって示される値に基づいてハッシュ計算を実行し、取得された結果は、転送のための複数のの等価経路のうちの1つを選択するために用いられてよい。異なるパケットは、異なるハッシュ結果を有する。したがって、ネットワークデバイスは、パケットを転送するために異なる経路を選択する。このように、トラフィックバランシングおよび転送が、複数の経路内で実装される。さらに、エントロピーラベルのうち3ビットのTCフィールドおよび8ビットのTTLフィールドが、代替的に、ネットワークスライスの識別子を直接示してよい。
【0140】
エントロピーラベルのラベル値フィールドのフォーマットが、ネットワークスライスの識別子を保持するために修正される場合、エントロピーラベルインジケータのフィールドは、代替的に、エントロピーラベルがネットワークスライスの識別子を保持することを示す識別子として用いられてよい。例えば、エントロピーラベルインジケータにおけるTCフィールドの特別な値またはビットは、識別のために用いられてよい。このように、ネットワークデバイスは、エントロピーラベルインジケータにおけるTCフィールドの特別な値またはビットに基づいて、エントロピーラベルのラベル値フィールドがネットワークスライスの識別子を示すために修正されていると決定してよい。
【0141】
別の可能な実施形態において、MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダ(Extension Header)を含み、MPLS拡張ヘッダは、第1指示情報を保持する。MPLSパケットヘッダは、1または複数のMPLS拡張ヘッダを含んでよい。MPLS拡張ヘッダは、MPLSラベルスタックより下方で、上位層のプロトコルヘッダまたはパケットペイロードより上方に位置する。第1指示情報を保持するMPLS拡張ヘッダは、新たに定義されたMPLS拡張ヘッダであってよく、具体的には、第1指示情報を保持するために用いられる。第1指示情報を保持するMPLS拡張ヘッダは、代替的に、関連規格で定義されたMPLS拡張ヘッダであってよく、新たなタイプ、長さ、値(type length value、TLV)が、第1指示情報を保持するために、定義されたMPLS拡張ヘッダにおいて定義される。
【0142】
図6は、本願の実施形態に係るMPLSパケットヘッダのフォーマットの概略図である。
図6に示すように、MPLSパケットヘッダは、ラベルスタック、拡張ヘッダ、およびペイロード(Payload)を含む。ラベルスタックは、複数のMPLSラベルを含み、複数のMPLSラベルは、拡張ヘッダラベル(Extension Header Label)を含み、拡張ヘッダラベルは、MPLS拡張ヘッダがMPLSパケットヘッダに存在することを示す。ラベルスタックとペイロードとの間に、拡張ヘッダのヘッダ(Header of Extension Headers)および複数の拡張ヘッダ(拡張ヘッダ1から拡張ヘッダN)が含まれる。第1指示情報を保持する拡張ヘッダは、拡張ヘッダ1から拡張ヘッダNのうちの1つ、例えば、関連規格で定義された拡張ヘッダ、または新たに定義された拡張ヘッダであってよい。定義されたMPLS拡張ヘッダは、新たなTLVを保持することによって、第1指示情報を保持してよい。
【0143】
図7は、本願の実施形態に係る拡張ヘッダのフォーマットの概略図である。
図7に示すように、拡張ヘッダは、ヘッダ長(Header Length)フィールド、ヘッダ特定データ(Header Specific Data)フィールド、およびTLVフィールドを含んでよい。TLVフィールドは、第1指示情報を保持するネットワークスライスの識別子を示してよい。
【0144】
前述の内容は、第1ネットワークデバイスがヘッドノードである例を用いることによって、ヘッドノードによるパケット転送処理を詳述する。以下、トランジットノードまたはテールノードによるパケット転送処理を詳述する。
【0145】
図8は、本願の実施形態に係るパケット処理方法800の概略フローチャートである。
【0146】
図8に示すように、パケット処理方法800は、以下の段階を含む。
【0147】
段階801:第1ネットワークデバイスは、第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信し、パケットは、マルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダを含み、MPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む。
【0148】
第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるトランジットノードまたはテールノードであってよく、第2ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるヘッドノードまたはトランジットノードであってよい。第1ネットワークデバイスによって受信されるパケットは、第1指示情報および第2指示情報を含む。第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示し、第2指示情報は、パケットに対応する転送経路を示す。
【0149】
可能な事例において、第1ネットワークデバイスによって受信されるパケットに保持される第2指示情報は、第2ネットワークデバイスによってパケットに最初に追加される完全な経路指示情報であってよく、第2ネットワークデバイスは、例えば、ヘッドノードであってよい。例えば、第1ネットワークデバイスは、第2ネットワークデバイスによって決定される転送経路上の次のネットワークデバイスである。
図3は、例として用いられる。ネットワークデバイス1がヘッドノードである場合、ネットワークデバイス2は、ネットワークデバイス1によって決定されたパケット2の転送経路1上の次のネットワークデバイス、すなわち、経路1上の第1トランジットノードである。この場合、ネットワークデバイス2によって受信される、転送経路を示す第2指示情報は、ネットワークデバイス1によって追加された、経路1を示す完全情報である。完全情報は、上述したように、MPLSネットワークにおけるホップバイホップ転送経路を示す情報、転送のための経路上の指定ノードの一部を示す情報、テールノードを示す情報等であってよい。
【0150】
別の可能な事例において、第2ネットワークデバイスは、トランジットノードであり、第1ネットワークデバイスは、転送経路上で第2ネットワークデバイスより後に位置する次のネットワークデバイスであり、第1ネットワークデバイスによって受信されるパケットに保持される第2指示情報は、部分経路指示情報、すなわち、第1ネットワークデバイスからデスティネーションデバイスまでの経路の一部を示す情報であってよい。
図3は、例として用いられる。ネットワークデバイス1がヘッドノードである場合、ネットワークデバイス2は、ネットワークデバイス1によって決定されたパケット2の転送経路1上の次のネットワークデバイス、すなわち、経路1上の第1トランジットノードであり、ネットワークデバイス3は、経路1上でネットワークデバイス2より後に位置する次のネットワークデバイス、すなわち、経路1上の第2トランジットノードである。ネットワークデバイス2によって受信される、転送経路を示す第2指示情報は、ネットワークデバイス1によって追加された、経路1を示す完全情報であってよく、完全情報は、SR-MPLSネットワークにおけるホップバイホップ転送経路を示す情報であってよい。例えば、完全情報は、ネットワークデバイス2を示す識別子2、ネットワークデバイス3を示す識別子3、およびネットワークデバイス4を示す識別子4を含む。ネットワークデバイス3によって受信される、転送経路を示す第2指示情報は、経路1の一部を示す情報であってよく、経路1の当該一部を示す情報は、SR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイス3からネットワークデバイス4までのホップバイホップ転送経路を示す情報であってよい。例えば、ネットワークデバイス2がネットワークデバイス2を示す識別子をパケットから除去し、次に、パケットをネットワークデバイス3に送信した場合、ネットワークデバイス3が受信したパケットにおける第2指示情報は、ネットワークデバイス3を示す識別子3およびネットワークデバイス4を示す識別子4、すなわち、経路1の当該一部を示す情報を含んでよい。
【0151】
別の可能な事例において、第1ネットワークデバイスは第1トランジットノードではないが、第1ネットワークデバイスは、ヘッドノードによって追加された完全な経路情報、例えば、ヘッドノードによって追加された、テールノードのみを示す指示情報を受信してもよい。この場合、第1ネットワークデバイスは第2指示情報を含むパケットを前のトランジットノードから受信するが、前のトランジットノードを含む他のトランジットノードは、ヘッドノードによって追加された第2指示情報を更新しない。したがって、この場合、第1ネットワークデバイスによって受信されたパケットに含まれる第2指示情報は、依然として、ヘッドノードによって追加された完全な経路情報である。
【0152】
別の可能な事例において、第1ネットワークデバイスは、代替的に、テールノードであってよい。テールノードによって受信された第2指示情報は、テールノードの識別子を含んでよい。テールノードは、1つのトンネルの終点、つなぎ合わせられたいくつかのトンネルの終点、または、ネットワークドメインまたは管理ドメインのドメイン境界ノードであってよい。
【0153】
段階802:第1ネットワークデバイスは、第1指示情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定する。
【0154】
第1指示情報は、パケットに対応するネットワークスライスを示すネットワークスライスの識別子を含んでよい。パケットを受信した後、第1ネットワークデバイスは、第1指示情報におけるネットワークスライスの識別子に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。第1指示情報をパケットに含める方式については、前述の実施形態における説明を参照されたい。本明細書では、詳細について改めて説明しない。
【0155】
段階803:第1ネットワークデバイスは、ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送し、第3ネットワークデバイスは、パケットの転送経路上のデバイスであり、第2指示情報に基づいて決定される。
【0156】
本実施形態において、第1ネットワークデバイスは、第2指示情報によって示されるパケット転送経路に基づいて、第3ネットワークデバイスが転送経路上の次のネットワークデバイスであると決定してよい。したがって、第1ネットワークデバイスは、ネットワークスライスに基づいて、パケットに対応する転送リソース、すなわち、パケットに対応する第1ネットワークデバイスによってネットワークスライスに割り当てられる転送リソースを決定してよく、ネットワークスライスに対応する転送リソースを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送してよい。転送リソースは、第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含んでよい。第1ネットワークデバイスがネットワークスライスに対応する転送リソースを決定し、転送リソースを用いることによってパケットを転送する処理は、
図2に示す実施形態におけるものと同様である。詳細については、前述の実施形態を参照されたい。本明細書では、詳細について改めて説明しない。別の可能な事例において、第1ネットワークデバイスは、ネットワークスライスに基づいて、ネットワークトポロジ情報のような、パケット転送に関連する他の情報を決定し、決定された他の情報に基づいてパケットを転送してもよい。
【0157】
第2指示情報は、転送経路上のノードまたはリンクを識別するために用いられるトンネルラベルを含んでよく、サービスラベル、例えば、サービスを識別するために用いられる仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network、VPN)ラベルをさらに含んでよい。第1ネットワークデバイスがテールノードである場合、テールノードが第2指示情報に基づいて第3ネットワークデバイスを決定する方式は、VPNラベルに基づいて、サービスパケットを転送するために用いられるアウトバウンドインタフェースおよびネクストホップネットワークデバイス(すなわち、第3ネットワークデバイス)を決定するものであってよい。
【0158】
可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスは、受信されたパケットを更新し、更新されたパケットを取得する。更新されたパケットは、第1指示情報を含む、または、更新されたパケットは、更新された第1指示情報を含む。更新された第1指示情報は、第1指示情報に基づいて決定され、更新された第1指示情報は、更新されたパケットに対応するネットワークスライスを示す。
【0159】
パケットが複数のネットワークドメインを通して転送される、例えば、複数のMPLSネットワークを通して転送される場合、複数のネットワークドメインにおけるネットワークデバイスは、完全なネットワークスライスを形成してよく、複数のネットワークドメインにおける複数のネットワークスライスに割り当てられるリソースの数またはタイプは、同じであってよく、または異なってよい。ただし、上述した具体的な事例に関係なく、異なるネットワークドメインにおけるネットワークスライスのために構成されるリソースが同じ場合でさえ、異なるネットワークドメインで用いられるネットワークスライス識別子は、異なってよい。したがって、第1ネットワークデバイスが、あるネットワークドメインにあり、別のネットワークドメインに接続される境界デバイスである場合、第1ネットワークデバイスは、受信されたパケットにおける第1指示情報を更新し、更新された第1指示情報を取得してよい。更新された第1指示情報は、次のネットワークドメインにおける対応するネットワークスライス識別子を示す。
【0160】
例えば、ネットワークドメイン1およびネットワークドメイン2におけるネットワークデバイスは、完全なネットワークスライス1を形成し、ネットワークドメイン1におけるネットワークスライス1に対応するネットワークスライス識別子は、「001」であり、ネットワークドメイン2におけるネットワークスライス1に対応するネットワークスライス識別子は、「002」である。第1ネットワークデバイスは、ネットワークドメイン1にあり、ネットワークドメイン2に接続される境界デバイスである。第1ネットワークデバイスは、ネットワークドメイン1におけるネットワークデバイスによって転送されたパケット1を受信し、パケット1は、ネットワークスライス識別子「001」を保持する。第1ネットワークデバイスが、ネットワークドメイン2におけるネットワークデバイスにパケット1を転送する前に、第1ネットワークデバイスは、パケット1を更新して更新されたパケット1を取得してよい。更新されたパケット1は、更新されたネットワークスライス識別子を含み、更新されたネットワークスライス識別子は、「002」である。
【0161】
可能な実施形態において、更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、更新された第2指示情報は、更新されたパケットの転送経路を示す。第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットが第2指示情報を含み、第2指示情報が完全な経路の前半と、完全な経路の後半を更新することを示す情報とを示す場合、第1ネットワークデバイスは、第2指示情報に示される完全な経路の後半を更新することを示す指示情報に基づいて、第2指示情報を更新し、更新された第2指示情報を取得してよく、更新された第2指示情報は、更新されたパケットの転送経路を示す。このように、第1ネットワークデバイスが更新されたパケットを転送する場合、更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、更新されたパケットの後続の転送経路を示す。
【0162】
可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスは、代替的に、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるテールノードであってよい。第1ネットワークデバイスがテールノードである場合、第1ネットワークデバイスが、パケットに対応するネットワークスライスに基づいてパケットを転送する前に、第1ネットワークデバイスは、パケットをデカプセル化し、デカプセル化されたパケットを取得してよく、デカプセル化されたパケットは、ヘッドノードによって追加されたMPLSパケットヘッダを含まない。言い換えれば、第1ネットワークデバイスがMPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるテールノードである場合、第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークの外にパケットを転送する必要がある。したがって、第1ネットワークデバイスは、パケットをデカプセル化し、パケットからMPLSパケットヘッダを除去してよく、これにより、MPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワーク外のネットワークデバイスがパケットを識別できない場合を回避する。
【0163】
いくつかの場合、パケットは、MPLSネットワークに入る前に、MPLSラベルスタックを保持してよい。この場合、MPLSネットワークのヘッドノードは、新たなMPLSラベルスタックを元のMPLSラベルスタックに追加し、パケットに対応するネットワークスライスおよびパケットの転送経路を示す。この場合、パケットをデカプセル化する場合、テールノードは、ヘッドノードによって追加されたMPLSラベルスタックのみをデカプセル化し、パケットにおける元のMPLSラベルスタックを保持する。したがって、テールノードがパケットをデカプセル化した後で取得されるデカプセル化されたパケットは、パケットがMPLSネットワークに入る前に保持されていたMPLSラベルスタックを依然として含む。この場合、テールノードによって転送されるデカプセル化されたパケットは、元のMPLSラベルスタックが保持するMPLSパケットヘッダを依然として含む。
【0164】
別の実施形態において、第1ネットワークデバイスがテールノードである場合、第1ネットワークデバイスは、前述の段階802および803を実行しなくてよい。ただし、段階801の実行後、第1ネットワークデバイスは、ヘッドノードによって追加されたMPLSパケットヘッダ情報に除去オペレーションを実行し、次に、デスティネーションIPアドレスのような、パケットに保持される他の情報に基づいて、パケットを受信するためのデバイスを検索および決定し、当該デバイスにパケットを転送する。パケットを受信するためのデバイスは、例えば、ユーザアクセス側のデバイスであってよい。
【0165】
前述の実施形態は、第1ネットワークデバイスがMPLSネットワークまたはSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである例を用いて、本願の実施形態において提供されるパケット処理方法が適用されるシナリオを説明する。ただし、本願の実施形態において提供されるパケット処理方法は、さらに、パケットに対応するネットワークスライスが示される必要があるネットワークシナリオに適用されてよいことが理解されよう。本願の実施形態が適用されるネットワークシナリオは、本明細書において一意に限定されるものではない。
【0166】
前述の実施形態を実装するために、本願は、ネットワークデバイスをさらに提供する。
図9は、本願の実施形態に係るネットワークデバイス900の構造の概略図である。
【0167】
図9に示すネットワークデバイス900は、いくつかの特定の特徴を示すが、
図9が、簡潔性のために、本願の実施形態に開示される実装の、より関連性の高い態様を不明瞭にすることを回避すべく、様々な他の特徴を示していないことを、当業者であれば、本願の実施形態から認識しよう。この目的のために、例えば、いくつかの実装において、ネットワークデバイス900は、1または複数の処理ユニット(CPU)901、ネットワークインタフェース902、プログラミングインタフェース903、メモリ904、および様々なコンポーネントを相互接続するように構成される1または複数の通信バス905を含む。いくつかの他の実装において、いくつかの機能コンポーネントまたはユニットは、前述の例に基づて、ネットワークデバイス900から省略またはこれに追加されてよい。
【0168】
いくつかの実装において、別の目的に加えて、ネットワークインタフェース902は、ネットワークシステムにおける1または複数の他のネットワークデバイス/サーバを接続するように構成される。いくつかの実装において、通信バス905は、システムコンポーネントを相互接続し、システムコンポーネント間の通信を制御する回路を含む。メモリ904は、不揮発性メモリ、例えば、リードオンリメモリ(read-only memory、ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリを含んでよい。メモリ904は、揮発性メモリを含んでもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってよく、外部キャッシュとして用いられる。
【0169】
いくつかの実装において、メモリ904またはメモリ904の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール、データ構造、またはこれらのサブセットを格納し、例えば、送受信機ユニット(図には示されていない)、取得ユニット9041、および処理ユニット9042を含む。
【0170】
可能な実施形態において、ネットワークデバイス900は、方法200における第1ネットワークデバイスまたは方法800における第1ネットワークデバイスのいずれかの機能を有してよい。ネットワークデバイス900における送受信機ユニットは、段階203、段階801、または段階803を実行するように構成される。取得ユニット9041は、段階201を実行するように構成される。処理ユニット9042は、段階202または段階802を実行するように構成される。
【0171】
ネットワークデバイス900は、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスに対応し、ネットワークデバイス900におけるモジュールおよび前述の他のオペレーションおよび/または機能は、別個に、方法の実施形態における第1ネットワークデバイスによって実装される様々な段階および方法を実装するために用いられることを理解されたい。具体的な詳細については、方法200または方法800を参照されたい。簡潔性のために、本明細書においては、詳細について改めて説明しない。
【0172】
送受信機ユニットの前述の機能は、プロセッサによって、メモリ内のプログラムコードを呼び出すことによって実装されてよく、ネットワークインタフェース902との協働が、必要な場合に実行されることを理解されたい。代替的に、データ受信/送信オペレーションは、ネットワークデバイス900上で、ネットワークインタフェース902によって完了されてよい。
【0173】
様々な実装において、ネットワークデバイス900は、本願の実施形態において提供されるパケット処理方法を実行する、例えば、
図2または
図8に示す実施形態に対応するパケット処理方法を実行するように構成される。
【0174】
本願において提供される方法の実施形態および仮想装置の実施形態との対応関係において、本願の実施形態は、さらに、ネットワークデバイスを提供する。以下、ネットワークデバイスのハードウェア構造を説明する。
【0175】
図10は、本願の実施形態に係るネットワークデバイス1000の構造の概略図である。ネットワークデバイス1000は、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスとして構成されてよい。
【0176】
ネットワークデバイス1000は、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスに対応してよい。ネットワークデバイス1000におけるハードウェアおよびモジュールおよび前述の他のオペレーションおよび/または機能は、別個に、方法の実施形態における第1ネットワークデバイスによって実装される様々な段階および方法を実装するために用いられる。どのようにネットワークデバイス1000がパケットを転送するかについての詳細な手順の具体的な詳細は、前述の方法の実施形態を参照されたい。簡潔性のために、本明細書においては、詳細について改めて説明しない。前述の方法200または方法800の段階は、ネットワークデバイス1000のプロセッサにおけるハードウェアの集積ロジック回路を用いることによって、またはソフトウェアの形式で命令を用いることによって、完了される。本願の実施形態を参照して開示される方法における段階は、ハードウェアプロセッサによって直接実行および完了されてよい、または、プロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせを用いることによって、実行および完了されてよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ、プログラマブルリードオンリメモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタのような当技術分野の成熟した記憶媒体に位置してよい。記憶媒体は、メモリに位置し、プロセッサは、メモリにおける情報を読み出し、プロセッサのハードウェアとの組み合わせで、前述の方法における段階を完了させる。繰り返しを回避するために、詳細は本明細書において改めて説明しない。
【0177】
ネットワークデバイス1000は、前述の仮想装置の実施形態におけるネットワークデバイス900にも対応してよく、ネットワークデバイス900における各機能モジュールは、ネットワークデバイス1000のソフトウェアおよびハードウェアを用いることによって実装される。可能な実装において、ネットワークデバイス900に含まれる機能モジュールは、ネットワークデバイス1000のプロセッサがメモリに格納されたプログラムコードを読み出した後で生成される、または、ネットワークデバイス1000のプロセッサによって、メモリに格納されたプログラムコードを読み出して通信インタフェースと協働することによって実装される。
【0178】
ネットワークデバイス1000は、メイン制御ボード1010およびインタフェースボード1030を含む。
【0179】
メイン制御ボード1010は、メイン処理ユニット(main processing unit、MPU)またはルート処理カード(route processor card)とも称される。メイン制御ボード1010は、ネットワークデバイス1000におけるコンポーネントを制御および管理し、ルーティング計算、デバイス管理、デバイス維持、およびプロトコル処理のような機能を含む。メイン制御ボード1010は、中央処理装置1011およびメモリ1012を含む。
【0180】
インタフェースボード1030は、ラインインタフェースユニットカード(line processing unit、LPU)、ラインカード(line card)、またはサービスボードとも称される。インタフェースボード1030は、様々なサービスインタフェースを提供し、データパケットを転送するように構成される。サービスインタフェースは、限定されるものではないが、イーサネットインタフェース、POS(Packet over SONET/SDH)インタフェース等を含む。イーサネットインタフェースは、例えば、フレキシブルイーサネットサービスインタフェース(Flexible Ethernet Client、FlexE Client)である。インタフェースボード1030は、中央処理装置1031、ネットワークプロセッサ1032、転送エントリメモリ1034、および物理インタフェースカード(physical interface card、PIC)1033を含む。
【0181】
インタフェースボード1030上の中央処理装置1031は、インタフェースボード1030を制御および管理し、メイン制御ボード1010上の中央処理装置1011と通信するように構成される。
【0182】
ネットワークプロセッサ1032は、パケットを転送するように構成される。ネットワークプロセッサ1032の形式は、転送チップであってよい。具体的には、アップリンクパケット上での処理は、パケット入力インタフェースおよび転送テーブルルックアップにおける処理を含み、ダウンリンクパケット上での処理は、転送テーブルルックアップ等を含む。
【0183】
物理インタフェースカード1033は、物理層相互接続機能を実装するように構成される。元のトラフィックは、物理インタフェースカード1033からインタフェースボード1030に入り、処理されたパケットは、物理インタフェースカード1033から送出される。物理インタフェースカード1033は、少なくとも1つの物理インタフェースを含み、物理インタフェースは、物理ポートとも称される。物理インタフェースカード1033は、システムアーキテクチャにおけるFlexE物理インタフェースに対応する。物理インタフェースカード1033は、サブカードとも称され、インタフェースボード1030上に搭載されてよく、光/電気信号のパケットへの変換を担い、パケット上で有効性チェックを実行し、パケットを処理のためにネットワークプロセッサ1032に転送する。いくつかの実施形態において、インタフェースボード1030上の中央処理装置1031は、ネットワークプロセッサ1032の機能を実行、例えば、汎用CPUに基づくソフトウェア転送を実装してもよく、これにより、ネットワークプロセッサ1032は、物理インタフェースカード1033において不要となる。
【0184】
任意選択的に、ネットワークデバイス1000は、複数のインタフェースボードを含む。例えば、ネットワークデバイス1000は、インタフェースボード1040をさらに含み、インタフェースボード1040は、中央処理装置1041、ネットワークプロセッサ1042、転送エントリメモリ1044、および物理インタフェースカード1043を含む。
【0185】
任意選択的に、ネットワークデバイス1000は、スイッチングボード1020をさらに含む。スイッチングボード1020は、スイッチファブリックユニット(switch fabric unit、SFU)とも称されてよい。ネットワークデバイスが複数のインタフェースボード1030を有する場合、スイッチングボード1020は、インタフェースボード間でデータ交換を完了するように構成される。例えば、インタフェースボード1030およびインタフェースボード1040は、スイッチングボード1020を介して互いに通信してよい。
【0186】
メイン制御ボード1010は、インタフェースボード1030に結合されている。例えば、メイン制御ボード1010、インタフェースボード1030および1040、およびスイッチングボード1020は、システムバスを通してシステムバックプレーンに接続され、互いに通信する。可能な実装において、プロセス間通信(inter-process communication、IPC)チャネルがメイン制御ボード1010とインタフェースボード1030との間で確立され、メイン制御ボード1010は、IPCチャネルを通してインタフェースボード1030と通信する。
【0187】
論理的に、ネットワークデバイス1000は、制御プレーンおよび転送プレーンを含む。制御プレーンは、メイン制御ボード1010および中央処理装置1031を含む。転送プレーンは、転送エントリメモリ1034、物理インタフェースカード1033、およびネットワークプロセッサ1032のような、転送を実行するコンポーネントを含む。制御プレーンは、ルーティング、転送テーブルの生成、シグナリングおよびプロトコルパケットの処理、ならびにデバイスステータスの構成および維持のような機能を実行する。制御プレーンは、生成された転送テーブルを転送プレーンに伝送する。転送プレーンにおいて、制御プレーンによって伝送された転送テーブルに基づいて、テーブルルックアップを実行することによって、ネットワークプロセッサ1032は、物理インタフェースカード1033によって受信されたパケットを転送する。制御プレーンから伝送された転送テーブルは、転送エントリメモリ1034に格納されてよい。いくつかの実施形態において、制御プレーンおよび転送プレーンは、完全に分離されてよく、同じデバイス上にはない。
【0188】
ネットワークデバイス1000が方法200における第1ネットワークデバイスとして構成される場合、中央処理装置1011は、パケットを取得し、第1指示情報および第2指示情報をパケットに追加して更新されたパケットを取得してよい。ネットワークプロセッサ1032は、物理インタフェースカード1033をトリガし、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信させる。
【0189】
ネットワークデバイス1000が方法800における第1ネットワークデバイスとして構成される場合、中央処理装置1011は、パケットを取得し、パケットにおける第1指示情報に基づいて、パケットに対応するネットワークスライスを決定してよい。ネットワークプロセッサ1032は、物理インタフェースカード1033をトリガし、更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信させる。
【0190】
ネットワークデバイス900における送受信機ユニットは、ネットワークデバイス1000における物理インタフェースカード1033または物理インタフェースカード1043と等価であってよく、ネットワークデバイス900における取得ユニット9041および処理ユニット9042は、ネットワークデバイス1000における中央処理装置1011または中央処理装置1031と等価であってよいことを理解されたい。
【0191】
インタフェースボード1040に対するオペレーションは、本願の本実施形態におけるインタフェースボード1030に対するオペレーションと一致することを理解されたい。簡潔性のために、詳細は改めて説明しない。本実施形態におけるネットワークデバイス1000は、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスに対応してよいことを理解されたい。ネットワークデバイス1000におけるメイン制御ボード1010と、インタフェースボード1030および/またはインタフェースボード1040とは、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスによって実装された機能および/または様々な段階を実装してよい。簡潔性のために、本明細書においては、詳細について改めて説明しない。
【0192】
1または複数のメイン制御ボードが存在してよく、複数のメイン制御ボードが存在する場合、メイン制御ボードは、アクティブメイン制御ボードおよびスタンバイメイン制御ボードを含んでよいことに留意されたい。1または複数のインタフェースボードが存在してよく、より大きいデータ処理能力を有するネットワークデバイスは、より多くのインタフェースボードを提供する。インタフェースボード上に1または複数の物理インタフェースカードもあり得る。スイッチングボードが存在しなくてよい、または、1または複数のスイッチングボードが存在してよい。複数のスイッチングボードが存在する場合、負荷分散および冗長バックアップが共に実装されてよい。集中型転送アーキテクチャでは、ネットワークデバイスはスイッチングボードを必要としないことがあり、インタフェースボードによって、システム全体のサービスデータを処理する機能が提供される。分散型転送アーキテクチャにおいて、ネットワークデバイスは、少なくとも1つのスイッチングボードを有し得、複数のインタフェースボード間のデータ交換は、スイッチングボードを用いることによって実装され、大容量のデータ交換および処理能力を提供する。したがって、分散型アーキテクチャにおけるネットワークデバイスのデータアクセスおよび処理能力は、集中型アーキテクチャにおけるデバイスより良い。任意選択的に、ネットワークデバイスは、代替的に、1つのカードのみが存在する形式であってよい。具体的には、スイッチングボードが存在せず、インタフェースボードおよびメイン制御ボードの機能はカード上に統合される。この場合、インタフェースボード上の中央処理装置およびメイン制御ボード上の中央処理装置は、組み合わせられてカード上の1つの中央処理装置になり、2つの中央処理装置が組み合わせられた後で取得される機能を実行してよい。この形式のデバイス(例えば、ローエンドのスイッチまたはルータのようなネットワークデバイス)は、弱いデータ交換および処理能力を有する。どのアーキテクチャが具体的に用いられるかは、具体的なネットワーク展開シナリオに応じて異なり、本明細書において一意に限定されない。
【0193】
いくつかの可能な実施形態において、第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスは、仮想化デバイスとして実装されてよい。例えば、仮想化デバイスは、パケット送信機能を有するプログラムが実行される仮想マシン(英語:Virtual Machine、VM)であってよく、仮想マシンは、ハードウェアデバイス(例えば、物理的サーバ)上に展開される。仮想マシンは、完全なハードウェアシステム機能を有し、完全に分離された環境で実行される完全なソフトウェアシミュレーションのコンピュータシステムである。仮想マシンは、第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスとして構成されてよい。例えば、第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスは、ネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization、NFV)技術と組み合わせられた汎用物理サーバに基づいて実装されてよい。第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスは、仮想ホスト、仮想ルータ、または仮想スイッチである。本願を読んだ後、NFV技術を参照して、当業者であれば、汎用物理サーバ上で、前述の機能を有する第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスを仮想化することができよう。詳細は本明細書において説明しない。
【0194】
前述の製品形式のネットワークデバイスは、前述の方法の実施形態における第1ネットワークデバイスまたは第2ネットワークデバイスのいずれかの機能を別個に有し、詳細は本明細書において説明しないことを理解されたい。
【0195】
本願の実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がネットワークデバイス上で実行される場合、ネットワークデバイスは、方法200または方法800における第1ネットワークデバイスによって実行される方法を実行可能にされる。
【0196】
図11を参照すると、本願の実施形態は、ネットワークシステム1100を提供する。システム1100は、ネットワークデバイス1101およびネットワークデバイス1102を含む。任意選択的に、ネットワークデバイス1101は、方法200における第1ネットワークデバイスであってよく、ネットワークデバイス900またはネットワークデバイス1000およびネットワークデバイス1101は、ネットワークにおけるヘッドノードであってよい。ネットワークデバイス1102は、方法800における第1ネットワークデバイスであってよく、ネットワークデバイス900またはネットワークデバイス1000およびネットワークデバイス1102は、ネットワークにおけるトランジットノードであってよい。任意選択的に、システム1100は、ネットワークデバイス1103をさらに含んでよく、ネットワークデバイス1103は、ネットワークデバイス900またはネットワークデバイス1000であってよく、ネットワークデバイス1103は、ネットワークにおけるテールノードであってよい。
【0197】
本願の実施形態は、さらに、プロセッサおよびインタフェース回路を含むチップを提供する。インタフェース回路は、命令を受信し、命令をプロセッサに伝送するように構成される。プロセッサは、メモリに結合され、メモリは、プログラムまたは命令を格納するように構成され。プログラムまたは命令がプロセッサによって実行された場合、チップシステムは、前述の方法の実施形態のいずれか1つにおける方法を実装可能にされる。
【0198】
任意選択的に、チップシステムには、1または複数のプロセッサが存在してよい。プロセッサは、ハードウェアを用いることによって実装されてよい、または、ソフトウェアを用いることによって実装されてよい。プロセッサがハードウェアを用いることによって実装される場合、プロセッサは、論理回路、集積回路等であってよい。プロセッサがソフトウェアを用いることによって実装される場合、プロセッサは、汎用プロセッサであってよく、メモリに格納されているソフトウェアコードを読み出すことによって実装される。
【0199】
任意選択的に、チップシステムには、1または複数のメモリが存在してもよい。メモリは、プロセッサに統合されてよい、または、プロセッサとは独立に配置されてよい。これは、本願において限定されるものではない。例えば、メモリは、非一時的プロセッサ、例えば、リードオンリメモリROMであってよい。メモリおよびプロセッサは、同じチップに集積されてよい、または、異なるチップ上に別個に配置されてよい。メモリのタイプ並びにメモリおよびプロセッサの配置方式は、本願において特に限定されるものではない。
【0200】
例えば、チップシステムは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(system on chip、SoC)、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、デジタル信号処理回路(digital signal processor、DSP)、マイクロコントローラ(microcontroller unit、MCU)、プログラマブルコントローラ(programmable logic device、PLD)、または別の集積チップであってよい。
【0201】
前述の内容は、本願の実施形態を詳述する。本願の実施形態における方法の段階は、実際の要求に基づいて、連続的にスケジューリングされ、組み合わせられ、または削除されてよい。本願の実施形態における装置のモジュールは、実際の要求に基づいて、分割され、組み合わせられ、または削除されてよい。
【0202】
明細書全体で記述される「一実施形態」または「実施形態」は、実施形態に関連する特定の特徴、構造、または特性が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することを理解されたい。したがって、本明細書全体にわたって出現する「一実施形態において」または「実施形態において」は、必ずしも同じ実施形態を意味するものではない。さらに、これらの特定の特徴、構造または特性は、任意の適切な方式で、1または複数の実施形態に組み合わせられてよい。前述のプロセスのシーケンス番号は本願の実施形態における実行順序を意味するものではないことを理解されたい。プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部論理に基づいて、決定されるべきであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる限定としても解釈されるべきでない。
【0203】
本明細書での「および/または」という用語は、関連対象を説明するための対応関係のみを説明しており、3つの関係が存在してよいことを表している。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合、すなわち、Aのみが存在する、AおよびBの両方が存在する、および、Bのみが存在するという場合を表し得る。さらに、本明細書における記号「/」は、概して、関連対象間の「または」の関係を示している。
【0204】
本願の実施形態において、「BはAに対応する」は、BがAに関連付けられ、BがAに基づいて決定されてよいことを示すことを理解されたい。ただし、Aに基づいてBを決定することは、BがAのみに基づいて決定されることを意味するものではなく、Bは、代替的に、Aおよび/または他の情報に基づいて決定されてよいことをさらに理解されたい。
【0205】
当業者は、本明細書に開示される実施形態に説明される例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズム段階が、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの組み合わせにより実装され得ることを認識し得る。ハードウェアとソフトウェアとの間の互換性を明確に説明するために、前述の内容は、各例の構成要素および段階を機能に基づいて一般的に説明している。これらの機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらで実行されるかは、技術的解決手段の具体的な用途および設計の制約に応じて決まる。当業者は、異なる方法を用いて、説明される機能を具体的な用途毎に実装してよいが、このような実装が本願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0206】
簡便かつ簡単な説明を目的として、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスが参照されるべきであり、本明細書では詳細について改めて説明しないことを、当業者であれば明確に理解することができる。
【0207】
本願において提供されたいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方式で実装されてよいことを理解されたい。例えば、説明される装置の実施形態は例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実装の際には、他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせてもよいし、または別のシステムに統合してもよいし、またはいくつかの特徴を無視してもよいし、または実行されなくてもよい。さらに、示されたまたは説明された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェースを通して実装されてよい。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気的形態、機械的形態、または他の形式で実装されてよい。
【0208】
別個の部分として説明されているユニットは、物理的に離れていてもそうでなくてもよく、ユニットとして表示されている部分は、物理ユニットであってもそうでなくてもよい、言い換えれば、1つの位置に位置付けられてもよいし、または、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決手段の目的を実現するための実際の要求に基づいて選択され得る。
【0209】
さらに、本願の実施形態における機能ユニットが統合されて1つの処理ユニットになってもよいし、または、これらのユニットの各々が物理的に単独で存在してもよいし、または、2つまたはそれより多くのユニットが統合されて1つのユニットになってもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実装されてもよく、または、ソフトウェア機能ユニットの形式で実装されてもよい。
【0210】
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形式で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、統合されたユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決手段は基本的に、または現在の技術に寄与する部分、または技術的解決手段の全部または一部は、ソフトウェア製品の形式で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス/サーバ等であってよい)に本願の実施形態における方法の段階の全部または一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクまたは光学ディスクのような、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
[他の可能な項目]
1.パケット処理方法であって、
第1ネットワークデバイスによって、パケットを取得する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、第1指示情報および第2指示情報を前記パケットに追加し、更新されたパケットを取得する段階であって、前記第1指示情報および前記第2指示情報は、前記更新されたパケットのマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダに位置し、前記第1指示情報は、前記パケットに対応するネットワークスライスを示し、前記第2指示情報は、前記パケットの転送経路を示す、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する段階と、
を備える方法。
2.前記MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、前記MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、前記第1ラベルフィールドは、前記第2ラベルフィールドが前記第1指示情報を含むことを示し、前記第2ラベルフィールドは、前記第1指示情報を含む、項目1に記載のパケット処理方法。
3.前記第1ラベルフィールドは、拡張ラベルELおよび拡張特殊目的ラベルESPLを含む、項目2に記載のパケット処理方法。
4.前記MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、前記MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、前記第1指示情報を含む、項目1に記載のパケット処理方法。
5.前記MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子Flow-IDラベルを含む、項目4に記載のパケット処理方法。
6.前記予約済みフィールドは、優先度TCフィールドおよびタイム・トゥー・ライブTTLフィールドのうちの1または複数を含む、項目4または5に記載のパケット処理方法。
7.前記MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、前記MPLS拡張ヘッダは、前記第1指示情報を保持する、項目1に記載のパケット処理方法。
8.前記第1ネットワークデバイスによって、前記更新されたパケットを第2ネットワークデバイスに送信する前記段階は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスに基づいて、前記更新されたパケットを送信するために用いられる転送リソースを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記転送リソースを用いることによって前記更新されたパケットを送信する段階と
を含む、項目1から7のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
9.前記転送リソースは、前記第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む、項目8に記載のパケット処理方法。
10.前記第1ネットワークデバイスによって前記第2ネットワークデバイスに送信される前記更新されたパケットは、第1パケットであり、前記方法は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットを更新し、第2パケットを取得する段階であって、前記第2パケットは、前記第1指示情報および第3指示情報を含み、前記第3指示情報は、前記第2パケットの転送経路を示す、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記第2パケットを第3ネットワークデバイスに送信する段階と、
をさらに備える、項目1から9のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
11.前記第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチングSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである、項目1から10のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
12.第1ネットワークデバイスによって、第2ネットワークデバイスによって送信されたパケットを受信する段階であって、前記パケットは、マルチプロトコルラベルスイッチングMPLSパケットヘッダを含み、前記MPLSパケットヘッダは、第1指示情報および第2指示情報を含む、段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記第1指示情報に基づいて、前記パケットに対応するネットワークスライスを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する段階であって、前記第3ネットワークデバイスは、前記パケットの転送経路上のデバイスであり、前記第2指示情報に基づいて決定される、段階と、
を備えるパケット処理方法。
13.前記第1ネットワークデバイスによって、前記ネットワークスライスを用いることによって、更新されたパケットを第3ネットワークデバイスに転送する前記段階は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットに対応する前記ネットワークスライスに基づいて、前記第1ネットワークデバイスによって前記ネットワークスライスに割り当てられる転送リソースを決定する段階と、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記転送リソースを用いることによって、前記更新されたパケットを前記第3ネットワークデバイスに転送する段階と、
を含む、項目12に記載のパケット処理方法。
14.前記転送リソースは、前記第1ネットワークデバイスの処理リソース、アウトバウンドインタフェースリソース、およびキューリソースのうちの1または複数を含む、項目13に記載のパケット処理方法。
15.前記更新されたパケットは、前記第1指示情報を含む、または、前記パケットは、更新された第1指示情報を含み、前記更新された第1指示情報は、前記第1指示情報に基づいて決定され、前記更新された第1指示情報は、前記更新されたパケットに対応する前記ネットワークスライスを示す、項目12から14のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
16.前記更新されたパケットは、更新された第2指示情報を含み、前記更新された第2指示情報は、前記更新されたパケットの転送経路を示す、項目15に記載のパケット処理方法。
17.前記第1ネットワークデバイスが前記パケットに対応する前記ネットワークスライスに基づいて前記パケットを転送する前に、前記方法は、
前記第1ネットワークデバイスによって、前記パケットをデカプセル化し、デカプセル化されたパケットを取得する段階
をさらに備える、項目12から16のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
18.前記MPLSパケットヘッダは、MPLSラベルスタックを含み、前記MPLSラベルスタックは、第1ラベルフィールドおよび第2ラベルフィールドを含み、前記第1ラベルフィールドは、前記第2ラベルフィールドが前記第2指示情報を含むことを示し、前記第2ラベルフィールドは、前記第2指示情報を含む、項目12から17のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
19.前記第1ラベルは、拡張ラベルおよび拡張特殊目的ラベルを含む、項目18に記載のパケット処理方法。
20.前記MPLSパケットヘッダは、MPLS特殊目的ラベルを含み、前記MPLS特殊目的ラベルにおける予約済みフィールドは、前記第1指示情報を含む、項目12から17のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
21.前記MPLS特殊目的ラベルは、エントロピーラベルまたはフロー識別子ラベルを含む、項目20に記載のパケット処理方法。
22.前記予約済みフィールドは、優先度フィールドおよびタイム・トゥー・ライブフィールドのうちの1または複数を含む、項目20または21に記載のパケット処理方法。
23.前記MPLSパケットヘッダは、MPLS拡張ヘッダを含み、前記MPLS拡張ヘッダは、前記第1指示情報を保持する、項目12から22のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
24.前記第1ネットワークデバイスは、MPLSネットワークまたはセグメントルーティングマルチプロトコルラベルスイッチングSR-MPLSネットワークにおけるネットワークデバイスである、項目12から23のいずれか一項に記載のパケット処理方法。
25.プロセッサおよびメモリを備えるネットワークデバイスであって、前記メモリは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記命令を実行するように構成され、これにより、前記ネットワークデバイスは項目1から11のいずれか一項に記載の方法を実行する、ネットワークデバイス。
26.プロセッサおよびメモリを備えるネットワークデバイスであって、前記メモリは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記命令を実行するように構成され、これにより、前記ネットワークデバイスは項目12から24のいずれか一項に記載の方法を実行する、ネットワークデバイス。
27.項目25に記載のネットワークデバイスと、項目26に記載のネットワークデバイスとを備えるネットワークシステム。
28.コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令を格納し、前記コンピュータ可読命令がプロセッサによって実行される場合、項目1から24のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】