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特表2023-532773リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法
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  • 特表-リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/09 20060101AFI20230724BHJP
   H05K 3/10 20060101ALI20230724BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20230724BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
H05K1/09 A
H05K3/10 Z
H05K3/10 C
H05K3/12 610B
H05K1/03 610H
H05K1/09 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501028
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 FR2021051236
(87)【国際公開番号】W WO2022008831
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】2007230
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520299382
【氏名又は名称】ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ ウードゥー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン パトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ティモテ ポワトゥーゼ
【テーマコード(参考)】
4E351
5E343
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351BB31
4E351CC08
4E351EE12
4E351EE13
4E351GG16
4E351GG20
5E343AA02
5E343AA12
5E343AA34
5E343BB72
5E343BB76
5E343BB77
5E343DD03
5E343DD12
5E343EE23
5E343EE24
5E343ER33
5E343ER43
5E343ER45
5E343GG02
5E343GG06
5E343GG11
(57)【要約】
リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法は、以下の工程、すなわち、
複合基材を製造するために、前記リグノセルロース材料に少なくとも1つの充填化合物を含浸させる工程(S10)と、導電性デバイスを製造するために、前記複合基材の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程(S12)と、を含む方法。
そのように製造された導電性デバイスの、例えば、特にタッチインターフェースとしての使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法において、
以下の工程を含む、すなわち、
複合基材を製造するために、前記リグノセルロース材料に、少なくとも1つの充填化合物を含浸させる工程(S10)と、
前記導電性デバイスを製造するために、前記複合基材の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程(S12)と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複合基材が、該複合基材の総重量に対して30重量%~80重量%の充填化合物の分量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填化合物が、含浸ポリマー、例えばアクリル系熱可塑性ポリマーであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リグノセルロース材料は、リグニンと、セルロース及びヘミセルロースのネットワークとを含む木材であり、該木材は少なくとも部分的に脱リグニンされていることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複合基材は少なくとも1つの平面を含み、導電性トラックは前記少なくとも1つの平面の表面上に堆積されることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記導電性トラックを焼成する工程(S14)と、任意選択的に、前記複合基材を成形する工程(S15)とをさらに含み、3次元の導電性デバイスを製造することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記充填化合物は金属粒子の充填剤を有する樹脂であり、前記方法は、前記堆積させる工程(S121)の前に、紫外線又はレーザビームによって前記金属粒子を活性化する工程(S13)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記含浸させる工程(S10)の後、かつ前記堆積させる工程(S12)の前に、前記複合基材を成形する工程(S11)をさらに含むことを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複合基材は2つの対向する面を含むプレートであり、前記方法が、前記プレートの前記2つの対向する面のうちの1つの少なくとも1つの面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程(S12)を含むことを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プレートの厚さは10mm未満であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複合基材は半透明又は透明であり、半透明基材の光透過係数が少なくとも3%に等しいことを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記充填化合物の屈折率は1.35~1.70であることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの導電層は透明導電性インクを含むことを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の方法により得られることを特徴とする、リグノセルロース材料の導電性デバイス。
【請求項15】
前記導電性デバイスは、電子対象物、支払カード、アクセス制御バッジ、センサ、トランジスタ、抵抗器、エネルギー発生デバイス、又は導電体の制御のためのインターフェースを構成することを特徴とする、請求項14に記載の導電性デバイス。
【請求項16】
建物、包装又は調度品の分野において、自動車、船舶若しくは航空車両部品、又は部材若しくは付属品を形成することを特徴とする請求項14又は15に記載の導電性デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法に関する。
本発明は、このような方法によって得られるリグノセルロース材料の導電性デバイスにも関する。
【背景技術】
【0002】
モノのインターネット(IoT)、ホームオートメーション、及びスマートサーフェスの分野、並びに表示デバイス及び制御スクリーンの普及は、対象物に直接一体化される電子機能を介した対話性の必要性を今日増加させている。
【0003】
非接触であるか接触であるかにかかわらず、決済カード、アクセス制御バッジ、及び真正証明書を有するカードも、日常生活においてますます使用されるようになっている。
【0004】
特に、デバイスの動作を制御するためのタッチインターフェースは、今日、輸送(自動車、船舶、航空)、建設、包装、アクセスセキュリティ、及び例えば調度品などの非常に多様な分野で使用されている。
【0005】
現在、タッチインターフェースは多くの場合、その上に堆積され、プラスチックフィルム、一般に、例えばITO(インジウムスズ酸化物)のプリント回路を担持するPET(ポリエチレンテレフタレート)の薄層が接合されるガラス又はシリカ基材から製造される。したがって、容量性検出を伴うタッチインターフェースが提供される。
【0006】
これらのタッチインターフェースは、しばしば、厚く、重く、壊れやすく、2次元で扁平状用途に寸法的に限定される。
【0007】
さらに、それらの製造は制御された環境においてITOの高温堆積を必要とし、高いエネルギー消費を生じさせ、それは、それらの製造方法のコストを増加させ、それを複雑にする。これらの製造方法はまた、高いカーボンフットプリントを有する。
【0008】
フレキシブル画面の開発を可能にするプラスチック基材など、ガラス基材の代替物が提案されている。しかしながら、ITO堆積温度は、そのようなプラスチック基材上に制限され、そのような構造の電気的及び光学的性能を低下させる。
【0009】
特許文献1から、紙、織物、セラミック、木材又は発泡体などの非ポリマー基材を使用して開発されたタッチインターフェースも知られている。導電性トラックは、導電性インクを用いて印刷することによって、又は3次元の基材によく適した水転写印刷技術を介して、基材上に直接堆積される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2019/055680号
【発明の概要】
【0011】
しかしながら、導電性被膜の堆積の品質は、基材の性質及びそれを受ける表面に強く依存する。このようにして製造された導電回路の電気的動作は、基材の性質及びその誘電特性によっても影響を受ける。
【0012】
本発明は最終形状が何であれ、導電性デバイスの製造を単純化し、同時に、そのようにして得られたデバイスの良好な品質の電気伝導を確実にする一方で、既存の解決策の代替案を提供することを目的とする。
【0013】
第1の態様によれば、本発明は、リグノセルロース材料から導電性デバイスを製造する方法に関する。
【0014】
本発明によれば、製造方法は以下の工程、すなわち、
複合基材を製造するために、リグノセルロース材料に少なくとも1つの充填化合物を含浸させる工程と、
導電性デバイスを製造するために、複合基材の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程と、を含む。
【0015】
したがって、そのような方法はそのように製造されたデバイスに電気的及び/又は電子的機能を付加するために、複合基材の表面と接触して、リグノセルロース基材上に直接導電性被膜を堆積させることを可能にする。したがって、基材上に接着された中間プラスチックフィルムの使用は不要である。印刷されたエレクトロニクスを組み込んだプラスチックフィルムを接着剤で結合する必要なしにリグノセルロース基材を機能化することにより、同じ機能性のために、使用する部品の数を減らし、組み立てを単純化し、製造コストを低減することが可能になる。
【0016】
さらに、そのような方法はスマートで、相互作用的で、3次元的な部品及び表面を製造するために、良好炭素衝撃を有するバイオマスから誘導されるリグノセルロース材料を使用することを可能にする。
【0017】
リグノセルロース材料に充填化合物を含浸させることにより、リグノセルロース材料の寸法安定化が可能となり、導電性デバイスの最終構造が改善される。
【0018】
さらに、含浸は、少なくとも1つの導電層の堆積物を受容する複合基材の表面状態を均質化することを可能にする。複合基材の表面は充填化合物を含浸させることにより、制御され得、より少ない凹凸又は中空を有する。
【0019】
したがって、未処理木材などのリグノセルロース基材は、含浸後の粗さがより低く、導電層堆積物の品質が改善され、したがって、そのようにして得られた導電デバイスの使用時のその導電特性が改善される。複合基材の低い粗さは、導電層の密着性及びその電気伝導度を改善することを可能にする。
【0020】
したがって、電子部品のネットワークを堆積させること、又は含浸されたリグノセルロース材料を半導体要素に変換することが可能である。導電性デバイスは特に、2次元又は3次元の制御インターフェースを形成することができる。
【0021】
本発明の有利な特徴によれば、複合基材は、前記基材の総重量に対して30重量%~80重量%の充填化合物の分量を含む。
【0022】
充填化合物は、リグノセルロース基材の誘電性を改善することを可能にする。リグノセルロース基材中のコアに細孔及び空気ポケットを置き換えることによって、充填化合物は、複合基材の電気絶縁特性を増大させる。
【0023】
実際には、充填化合物がアクリル系の含浸ポリマー、例えば熱可塑性ポリマーである。
【0024】
ポリマーはそのように製造された複合基材の誘電特性を変更し、制御するのによく適している。
【0025】
さらに、熱可塑性ポリマーは、特に、熱成形又は熱圧縮などによって、熱間成形することによって、複合基材の後の成形によく適している。
【0026】
本発明の有利な特徴によれば、リグノセルロース材料はリグニンと、セルロース及びヘミセルロースのネットワークとを含む木材であり、木材は、少なくとも部分的に脱リグニン化されている。
【0027】
リグニンの少なくとも部分的な除去は、複合基材の光学特性を最適化することを可能にする。リグニンが紫外線の影響下で分解されるので、リグニンの少なくとも一部が除去されるならば、複合基材は、自然分解及び紫外線劣化に対してより耐性がある。
【0028】
充填化合物を用いた含浸と組み合わせたリグニンの除去は、複合基材が湿度の変動及び温度変化に対する感受性を低くすることを可能にする。
【0029】
これらの特性は、導電性デバイスの最適な機能にとって、特に複合基材の誘電特性の安定性にとって重要である。このようにして得られた導電性デバイスは適切な電気的動作を保証しながら、内外の異なる環境で使用することができる。
【0030】
1つの実用的な実施形態では複合基材が少なくとも1つの平面を備え、導電性トラックは前記少なくとも1つの平面の表面上に堆積される。
【0031】
導電層の堆積は複合基材の表面上に導電性トラックをスクリーン印刷することによって実施することができ、スクリーン印刷は大量生産によく適している。スクリーン印刷は、特に導電性インクの堆積によく適している。また、インクジェットにより導電性インクを堆積させる技術は、小型シリーズの製造のために実施されてもよい。
【0032】
リグノセルロース基材での含浸による改善された表面状態のおかげで、スクリーン印刷によって堆積する技術は、十分に実施され得、そのように堆積された導電層の良好な接着性及び良好な電気的連続性を有する。スクリーン印刷による、又はインクジェットを行うことによる堆積は、導電層を堆積させる工程が周囲温度で実施されることを可能にする。それは、複合基材上に印刷された電子回路を得ることを可能にする。
【0033】
導電層を周囲温度で堆積させることにより、ITO堆積に必要とされる高温の使用を回避することが可能になる。
【0034】
改善された実施形態では、製造方法が導電性トラックを焼成する工程をさらに含み、任意選択で、その後、3次元で導電性デバイスを製造するように複合基材を成形する工程が続く。
【0035】
導電性トラックの焼成は、複合基材上に堆積された導電性トラックの溶媒及び揮発性化合物を排除する。
【0036】
したがって、配置後に焼成を必要とする導電性インクを使用することが可能である。それは、複合基材が3次元で導電性デバイスを得るために成形されなければならない用途で使用され得る。導電性インクの焼成は、その導電特性をさらに改善する。
【0037】
成形工程は、複合基材の熱間での成形を用いる場合、導電性インクの第2の焼成によって導電性インクの導電特性を改善することを可能にする。
【0038】
一実施形態では、充填化合物が金属粒子の充填剤を有する樹脂であり、製造方法は堆積工程の前に、紫外線又はレーザビームによって金属粒子を活性化する工程をさらに含む。
【0039】
したがって、金属粒子の充填材を有する樹脂を局所的に活性化することによって、トラックを彫刻することが可能であり、次いで、懸濁液中の金属の1つ以上の浴中に複合基材を浸漬することによって、導電層の堆積を可能にする。
【0040】
このようにして、複合基材上で局所的に活性化されたトラックの金属化が得られ、懸濁液中の金属が活性化金属粒子に付着するようになる。
【0041】
このような製造方法は、導電性デバイスを3次元で製造するのによく適している。
【0042】
実際には、製造方法が含浸工程の後で、堆積工程の前に、複合基材を成形する工程を含んでもよい。
【0043】
したがって、導電層は例えば熱成形又は熱圧縮の後に、複合基材の3次元の1つ又は複数の表面に直接適用される。
【0044】
1つの実用的な実施形態では複合基材が2つの対向する面を含むプレートであり、製造方法はプレートの2つの面のうちの1つの少なくとも1つの面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程を含む。
【0045】
したがって、方法は例えば、電極又は導電ワイヤのメッシュなどの2つの面のうちの1つに導電性要素を提供することによってプレートを機能化することを可能にし、それによって、反対側の面上のタッチの検出に基づいて、プレートをタッチ制御インターフェースに変換する。したがって、容量性又は抵抗性の検出技術を有するタッチ制御インターフェースを得ることが可能である。
【0046】
実際にはプレートの厚さは10mm未満である。
【0047】
複合基材の厚さを制限することによって、導電性デバイスを、コーティングとして、又は電子物体上に配置された制御インターフェースとして使用することが可能である。
【0048】
有利には複合基材が半透明又は透明であり、半透明基材の光透過係数は少なくとも3%に等しい。
【0049】
複合基材の半透明性により、複合基材は、LED(発光ダイオード)タイプの表示部又は表示灯などの光生成デバイスと関連して使用されることが可能になる。光線の伝達、したがって情報の伝達が可能になる。
【0050】
好ましくは、導電層が透明導電性インクを含む。
【0051】
透明導電性インクの使用は複合基材の半透明性又は透明性と関連して、複合基材を、例えば、ディスプレイスクリーンの上のインターフェースとして使用することを可能にする。
【0052】
実際には、充填化合物の屈折率は1.35~1.70である。
【0053】
したがって、充填化合物の屈折率は、リグノセルロース材料のセルロースの屈折率に近い。
【0054】
実際、少なくとも半透明である複合基材を得るためには、充填化合物の屈折率が少なくとも部分的な脱リグニン後のリグノセルロース基材の屈折率に近いことが重要である。
【0055】
したがって、充填化合物が重合すると、それは、基材中に存在するセルロースの光学濃度と実質的に同じ光学濃度を有する。
【0056】
セルロースの屈折率が1.47に近いので、1.35~1.70の範囲に含まれる屈折率を有する充填化合物の選択は、互いに近い屈折率を有することを可能にする。したがって、光は、実質的に逸脱することなく、複合基材を通過することができる。
【0057】
第2の態様によれば、本発明は、本発明による製造方法によって得られるリグノセルロース材料の導電性デバイスに関する。
【0058】
この導電性デバイスは、方法に関して上述したものと同様の特徴及び利点を有する。
【0059】
実際には、デバイスが電子対象物、支払カード、アクセス制御部バッジ、センサ、トランジスタ、抵抗器、エネルギー生成デバイス、又は導電体の制御部のためのインターフェースを電気的に構成する。
【0060】
そのような導電性デバイスは例えば、自動車、船舶若しくは航空機部品、又は建物、包装若しくは調度品の技術分野における部材若しくは付属品を形成する。
【0061】
本発明のさらに他の特殊性及び利点は、以下の説明において明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
添付の図面は非限定的な例として与えられる。
図1図1は、本発明による導電性デバイスを製造するための方法の例示的な実施形態を示すブロック図である。
図2a図2aは、本発明の導電性デバイスを製造するための方法の実施形態に従って製造されたアンテナの正面図である。
図2b図2bは図2aのアンテナの分解斜視図である.
図3a図3aは本発明の導電性デバイスを製造するための方法の例示的な実施形態による、リグノセルロース材料からタッチインターフェースを製造するための第1の工程を示す図である。
図3b図3bは、図3aのリグノセルロース材料からタッチインターフェースを製造するための第2の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
まず、図1を参照して、リグノセルロース系材料から導電性デバイスを製造する方法の一例について説明する。
【0064】
リグノセルロース材料は例えば、リグニンと、セルロース及びヘミセルロースのネットワークとを含む木材である。
【0065】
例として、オーク、クルミ、ポプラ、メープル、灰分又は針葉樹などの異なるタイプの木材を使用することができる。
【0066】
製造方法は、未処理の、又は部分的に若しくは完全に脱リグニン化されたリグノセルロース材料を使用することができる。
【0067】
非限定的な例として、未処理のリグノセルロース材料から除去されるリグニンの画分は、未処理のリグノセルロース材料中に最初に存在するリグニンの40重量%~90重量%を構成することができる。
【0068】
リグノセルロース材料の少なくとも部分的な脱リグニンは少なくとも半透明であり、場合によっては透明である木材でできた部品を得ることを可能にする。
【0069】
さらに、リグノセルロース材料から作製された部品を使用すると、リグニンが紫外線によって分解されるので、リグノセルロース材料の少なくとも部分的な脱リグニンによって、光又は紫外線の影響下での分解に対してより耐性のある部品を得ることが可能になる。
【0070】
以下に説明する例示的な実施形態では、製造方法がリグノセルロース材料のプレートに基づいて実行される。もちろん、製造方法は、2次元又は3次元で、任意の他のタイプの形状に形成されてもよい。
【0071】
製造方法は、まず、複合基材を製造するために、少なくとも1つの充填化合物によってリグノセルロース材料を含浸させる工程S10を含む。
【0072】
含浸工程S10は、リグノセルロース材料をその厚さ内でコアに含浸させるように構成された充填化合物を使用する。
【0073】
したがって、充填化合物は、未処理のリグノセルロース材料中に天然に存在する、及び/又はリグノセルロース材料の少なくとも部分的な脱リグニンによって生成される隙間及び空隙を充填するように構成される。
【0074】
充填化合物は、含浸ポリマー、エラストマー、シリカ誘導体又は任意の他のタイプの含浸化合物であってもよい。
【0075】
例として、含浸ポリマーは、アクリル系の熱可塑性ポリマーであってもよい。あるいは、含浸ポリマーは熱硬化性樹脂であってもよい。
【0076】
充填化合物は石油源又はバイオ源であってもよい。
【0077】
リグノセルロース材料を含浸させるための方法は当業者に公知であり、特に、国際公開第2017/098149号及び国際公開第2019/155159号に記載されている。
【0078】
含浸工程は木材のセルロース繊維を機械的に強化し被覆するために、リグノセルロース材料の構造内の充填化合物によってコアへの含浸を得ることを可能にする。
【0079】
含浸工程S10は、リグノセルロース材料からなるプレートの充填化合物を充填する工程と、充填化合物の重合及び/又は架橋による仕上げ工程とを含む。脱リグニン及び含浸工程の複数の例は国際公開第2017/098149号に詳細に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
特に、リグニンの抽出はリグニンの少なくとも部分的な溶解を可能にする溶液中のリグノセルロース材料のプレートの浸漬及び洗浄によって実施することができ、これは、おそらく、単一工程で対にすることができる。
【0081】
国際公開第2019/155159号は、充填化合物、及び使用される木材の性質に従って使用される割合の複数の例を提供する。
【0082】
特に、充填化合物はこのようにして製造された複合基材の電気伝導度を変更し、制御するために、導電性粒子によってドープされた樹脂であってもよい。
【0083】
したがって、充填化合物中の導電性粒子の分量を変更することによって、リグノセルロース材料から得られる複合基材の誘電性を制御することが可能である。特に、未処理のリグノセルロース材料とは対照的に、そのようにして得られた複合基材は、屋内及び屋外の両方でのその使用によく適した、安定した導電率の値を有する。
【0084】
充填化合物がポリマーである場合、仕上げ工程は充填化合物を完全に架橋又は重合し、したがって、後の使用のために複合基材の良好な物理化学的安定性を保証するように機能する。
【0085】
一般的に、このようにして得られた複合基材中の充填化合物の分量は、複合基材の総重量に対して30重量%~80重量%である。
【0086】
このようにして得られた複合基材は次いで、任意選択で、初期形状工程S11において、例えば、熱間形状によって形状されてもよい。
【0087】
成形の初期工程S11は熱間での成形の異なる技術によって、例えば、特に真空熱成形又は熱圧縮によって実施されてもよい。
【0088】
限定されるものではないが、熱間成形は樹脂トランスファー成形(RTM)又は高圧樹脂トランスファー成形(HP-RTM)の後に、複合部品を製造するために使用される工業プロセスを実施することができる。
【0089】
熱間成形の工程は熱間成形(RIM又は反応射出成形)、圧縮成形、又は例えば、シート成形(SMC又はシート成形コンパウンドを使用する)の技術を使用することができる。
【0090】
その原理によれば、熱成形は、得られた複合基材をさらに含浸工程S10に加熱する工程、次いで熱圧縮金型を加熱する工程を実施する。
【0091】
複合基材及び型を加熱するために使用される温度は、含浸ポリマーのガラス転移温度に依存する。
【0092】
したがって、複合基材及び熱成形型を加熱する温度は複合基材の構造及び支持を維持するために、この含浸ポリマーの粘度を維持しながら、含浸ポリマーを流動化し、複合基材の成形を可能にするのに十分でなければならない。
【0093】
したがって、含浸工程S10から得られる複合基材がプレートである場合、初期成形工程S11は例えば、そのプレートを1つ以上の空間方向に湾曲させて、円筒形、切頭円錐形、又は半球形の形状の一部、又は二重湾曲面若しくは反り面を有する任意のタイプの形状を得ることを可能にする。
【0094】
含浸工程S10又は初期成形工程S11に加えて、製造方法は導電性デバイスを製造するために、複合基材の少なくとも1つの表面上に少なくとも1つの導電層を堆積させる工程S12を含む。
【0095】
堆積工程S12は、含浸工程S10まで複合基材を冷却した後、又は場合により初期成形工程S11まで冷却した後に実施される。
【0096】
堆積工程S12は、基材上に導電層を堆積させるための異なる技術を使用することができる。
【0097】
非限定的な例として、堆積工程S12は、スクリーン印刷技術を使用して実行されてもよい。スクリーン印刷は、複合基材の平面状の表面上に導電性トラックを堆積させるのによく適している。導電性トラックは、例えば導電性インクの手段によって製造することができる。
【0098】
従来、ステンシル又はスクリーンが使用され、導電性インクと複合基材との間に介在される。
【0099】
画面が複合基材上に置かれると、液体インクが画面上に堆積され、スキージを使用して表面上に広げられる。
【0100】
スクリーン又はステンシルの使用は、複合基材上に多種多様な導電パターン、トレース又はトラックを得ることを可能にする。
【0101】
スクリーン印刷によってそのように堆積された導電性インクの層は特に、高い生産量によく適している。
【0102】
もちろん、導電性インクのいくつかの層は、導電性層の間に絶縁性プラスチックフィルム又は電気絶縁性インクの層などの絶縁層を介在させることによって、複合基材の表面上に堆積されてもよい。
【0103】
あるいは、特に小型シリーズでの製造のために、インクジェット印刷を行うことによって堆積させる技術を用いることができる。
【0104】
複合基材が3次元形状であり、特に導電層が平面状表面上に堆積されない場合、堆積工程S12において、非平面状表面上へのグラフィカル印刷の異なる工程が使用され得る。
【0105】
特に、水転写印刷を使用することができる。水路写真フィルムは槽内の水の表面に堆積される前に、水路写真画像で印刷される。ハイドログラフィー膜は水に可溶性であるので、活性剤溶液を水に適用することによって溶解する。
【0106】
槽の水中に浸漬される複合基材は、水の表面張力によって、ハイドログラフィーフィルムからの画像を複合基材の1つ以上の面上に堆積させることが可能になる。
【0107】
別の実施形態によれば、含浸工程S10で使用される充填化合物は、金属粒子の充填剤を有する樹脂であってもよい。
【0108】
次に、製造方法は堆積工程S12の前に、例えば紫外線又はレーザビームによって金属粒子を活性化する工程S13を含む。
【0109】
したがって、紫外線又はレーザビームは金属粒子又は有機金属添加剤の充填剤を有する樹脂を含浸させた複合基材上に、トラック又は異なるトレースを彫刻することを可能にする。
【0110】
したがって、材料は局所的に活性化され、紫外線又はレーザビームは、充填材を有する樹脂中に存在する金属要素を引き離す。
【0111】
堆積工程S12において、複合基材は、次いで、浴に浸漬され、金属化導電層の堆積物がこのように活性化された領域上の電気分解によって得られる。
【0112】
この堆積技術は内蔵電子機能を有するプラスチック部品を製造するために、成形された相互接続デバイスにおいて従来から使用されている。
【0113】
それは、リグノセルロース材料の複合基材上での3次元での製造方法の実施に特によく適している。
【0114】
導電層を堆積させるこれらの様々な技術は従来技術において周知であり、ここでより詳細に説明する必要はない。
【0115】
さらに、上記の例は限定的なものではなく、熱の作用下で、又は複合基材を濡らすことによって、圧力伝達技術などの他の技術を実施することもできる。
【0116】
フォトリソグラフィ処理は工程S12を堆積する際に実施することもでき、2次元又は3次元の形状にかかわらず、画像を複合基材に転写することを可能にする。
【0117】
次に、製造方法は、任意選択で、そのように堆積された導電層を焼成する工程S14を含む。
【0118】
焼成工程S14は導電性インクの溶媒及び揮発性化合物を除去し、それによって堆積された導電性インクの導電性を改善することを可能にする。
【0119】
焼成工程S14で実施される温度はリグノセルロース材料の複合基材を燃やす危険性を回避するために、典型的には180℃未満である。
【0120】
生成されるインク又は導電性トラックのタイプによれば、温度は、典型的には100℃~150℃である。
【0121】
非限定的な例として、焼成工程S14は、130℃の温度で実施することができる。
【0122】
焼成工程S14において、導電層が堆積された複合基材は、所定の時間、制御された温度でオーブン内に配置される。
【0123】
代替的に、焼成工程S14は、圧力と熱との組み合わせ実施を使用してもよい。したがって、2つの加熱プレートを複合基材の表面に押し付けることができる。あるいは、圧延機を用いて、導電層が堆積された複合基材に押圧力を加えることができる。
【0124】
連続製造方法において、複合基材がプレートの形態である場合、複合基材は、有利には焼成工程S14において加熱ラミネータ内を通過することができる。
【0125】
より一般的には、焼成工程S14が任意選択で導電性インクが堆積された表面への圧力の印加と組み合わせて、加熱の使用によって導電性インクを焼成することを可能にする。
【0126】
任意選択的に、焼成工程S14は2つの部分で実施されてもよく、第1に、インクの予備焼成又は乾燥は、50℃程度の温度で実施されてもよく、堆積されたインクは液体状態から固体状態へと通過し、導電性電気デバイスを製造するための方法において複合基材の操作又は輸送を容易にする。
【0127】
次いで、導電性インクの溶媒及び揮発性化合物を除去し、そのインクの導電性の特性を得るために、100℃~150℃の間に含まれるより高い温度での実際の焼成の工程を実施することができる。
【0128】
最後に、製造方法は任意選択で、堆積工程S12又は焼成工程S14の後に、複合基材の最終成形工程S15を含むことができる。
【0129】
この最終成形工程S15は、初期成形工程S11と同様であってもよい。
【0130】
したがって、最終成形工程S15は上述のように、熱成形又は熱圧縮によって実施することができる。
【0131】
最終成形工程S15における複合基材のこの新たな温度上昇は導電層が堆積された複合基材を再度加熱することを可能にし、それによって、任意選択的に、焼成工程S14の後に導電層の第2の焼成を実行する。
【0132】
複合基材自体が熱成形可能なインクの使用は、電気的な機能表面を形成することを可能にする。最終成形工程S15で実施される複合基材の熱間成形は導電性インクの第2の焼成として作用し、導電性の特性をさらに改善する。
【0133】
したがって、上述の製造工程は、リグノセルロース材料の複合基材から導電性デバイスを得ることを可能にする。
【0134】
複合基材の機能化は接着剤及び印刷された電子機器を組み込んだプラスチックフィルムの使用を必要とせずに、複合基材の表面と直接接触して、少なくとも1つの導電層を堆積させることによって得られる。
【0135】
このようにして実施される製造方法は単純かつ低コストであり、必要とされる部品の数及び導電性デバイスの製造のための組み立て工程を制限する。
【0136】
充填化合物を含浸させたリグノセルロース材料上に周囲温度で導電性インクの1つ以上の層を堆積させる技術は、非常に多様な導電性デバイスを製造することを可能にする。
【0137】
特に、複合基材が2つの対向する面を含むプレートである場合、製造方法は、プレートの対向する面の少なくとも1つの表面上に1つ又は複数の導電層を堆積させる工程S12を含むことができる。
【0138】
したがって、プレートの面の1つに異なる導電性要素を生成することが可能である。
【0139】
したがって、図2a及び図2bに関連して、プレート状の複合基材上にアンテナを製造することを可能にする製造方法の実施例について説明する。
【0140】
この例示的な実施形態では、複合基材が2つの対向する面20a及び20bを備えるプレート20である。製造方法は、プレート20の面20aの平面上に導電層を堆積させる工程を含む。
【0141】
この例示的な実施形態では、製造方法が2つの連続する堆積工程S12を含み、第1の堆積工程S12は例えば、導電性インクを用いたスクリーン印刷によって、第1の導電性トラック21を堆積させることを可能にする。
【0142】
例えば、電気絶縁インクのスクリーン印刷によって製造された絶縁体22が、第1の導電性トラック21上に配置される。絶縁体22は、プレート20の同じ面20a上に生成された異なる導電層を分離することを可能にする。
【0143】
次いで、第2の堆積工程S12が実施されて、第2の導電性トラック23が生成される。
【0144】
第2の導電性トラック23は、アンテナを形成するように螺旋状に形成されている。第2の導電性トラック23は、第1の導電性トラック21に電気的に接続される。
【0145】
また、SMD(surface mounted device)などの電子部品24を表面に実装してもよい。したがって、電子部品24は例えば、第2の導電性トラック23の2つのパッド23a、23bにはんだ付けすることができる。電子部品24は記憶デバイスであってもよい。
【0146】
したがって、導電性デバイスは、識別カードタイプのカード、アクセス制御バッジ、又は支払いカードの形成をとる。プレート20の厚さは、10mm未満であってもよく、例えば0.1~3mm、又は1~3mmであってもよい。
【0147】
したがって、製造方法は、プレート20の2つの面20aのうちの1つを機能化することを可能にする。
【0148】
このようにして生成された無線アンテナは、RFID、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、又はNFC(Near Field Communication)タイプの異なるタイプの周知の通信プロトコルに従って動作することができる。
【0149】
もちろん、図2a及び2bの例示的な実施形態は、限定するものではない。
【0150】
また、プレート20の面20aの一方は、例えば抵抗センサ又は容量センサを形成する電極のためのトレースをスクリーン印刷することによって、堆積によって機能化することもできる。
【0151】
含浸されたリグノセルロース材料の複合基材が誘電性であるので、プレート20の第2の面20bはタッチ機能を有し、プレート20の第1の面20a上に生成されたセンサ上でプレート20を通して作用することを可能にする。
【0152】
したがって、電子対象物の制御のためのインターフェースを製造することが可能である。複合基材20は好ましくは半透明であり、複合基材20の光透過係数は、少なくとも3%に等しい。
【0153】
したがって、複合基材20を通して、制御インターフェースによって制御される電子物体によって放出される光信号を見ることが可能である。
【0154】
より一般的には、導電層の堆積がSMDであるか、又は通過する1つ又は複数の構成要素をはんだ付けすることができる導電回路又はトラックを生成することを可能にする。
【0155】
また、導電性インクに抵抗特性を付与する炭素含有導電性インクを堆積させることも可能である。
【0156】
このような導電性インクを用いて製造されたトラックに電流が流れると、加熱要素が得られ、加熱要素は熱調整され得る。
【0157】
したがって、抵抗器を形成する導電性デバイス、又はエネルギー発生デバイス、又は例えば単なる導電体を生成することが可能である。
【0158】
次に、リグノセルロース材料からタッチインターフェース30を生成することを可能にする製造方法の実施の別の例の図3a及び3bを参照して説明する。
【0159】
図3aに示されるように、例えばスクリーン印刷によって堆積される導電性インクを使用して、含浸ポリマーが含浸されたリグノセルロース材料の複合基材32の面32a上にマトリクス形態の導電性トラック31のネットワークが生成される。
【0160】
そのように製造されたタッチセンサは、本質的に抵抗性又は容量性であってもよい。
【0161】
図3bに示されるように、複合基材32は、導電層の堆積後、例えば熱成形によって成形されて、3次元の導電性デバイスを製造することができる。
【0162】
図示の例では、導電性デバイスがしたがって、球体の一部などの2つの曲率半径を有する表面を構成するために熱い間に成形される。
【0163】
もちろん、2つの曲率半径を有する任意のタイプの反り面を、高温時に成形することができる。
【0164】
したがって、上述のように、誘電体複合基材によって、2次元又は3次元を有するタッチインターフェース30を製造することが可能である。
【0165】
リグノセルロース材料は好ましくは少なくとも部分的に脱リグニンされ、充填化合物の屈折率は1.35~1.70の間に含まれる。
【0166】
屈折率は、セルロースの屈折率に近い1.47程度の充填化合物に対して選択される。
【0167】
したがって、タッチインターフェース30の下に配置された電子対象物又はスクリーンから来る光は、ほとんど又は全く逸脱せず、ユーザのための光の演出を改善する。
【0168】
複合基材32の脱リグニンは、光線の回折なしに光を通過させることを可能にする。
【0169】
好ましくは、タッチインターフェース30が電子対象物又は表示部を制御するために使用されるように構成されるとき、透明導電性インクを半透明又は透明複合基材と組み合わせて使用することが有利である。
【0170】
さらに、全体の接触界面が10mmを超える厚さを有することができるように、リグノセルロース材料のいくつかのプレートを結合することによって接触界面を得ることが可能である。
【0171】
このタイプのタッチインターフェースは脆い又は敏感な電子物体を保護するのによく適しており、例えば、強化ガラスが従来必要である用途に使用することができる。
【0172】
図2a、2b、3a、及び3bに示される例示的な実施形態では複合基材20、32の面20a、32aのうちの1つのみが、導電層堆積物を使用して機能化されることに留意されたい。したがって、導電性デバイスの他方の面20b、32bは提示のための面を形成し、特に、リグノセルロース材料の外観及び外観を有し、複合基材を製造するために使用される木材の特性及び静脈がある。
【0173】
したがって、様々な技術分野、特に自動車、船舶若しくは航空車両部品、又は例えば建物、包装若しくは備品の技術分野の部材又は付属品に提示するための部品を形成することが可能である。
【0174】
さらに、物体に直接一体化されたタッチ検出機能を付与することが望まれるリグノセルロース材料の物体を製造することが可能である。
【0175】
例えば、携帯電話のケーシングは、前面のスクリーンとは反対側で、携帯電話の背面を機能化することを可能にする上述のような導電性デバイスから製造されてもよい。
【0176】
例として、製造方法はまた、スマートウォッチのためのストラップとして、又はウォッチ本体として使用することができる導電性デバイスを製造することを可能にする。
【0177】
リグノセルロース材料の導電性デバイスはまた、スキーなどのスポーツ用品、又は大量市場商品(例えば、眼鏡又は電話カバー)に使用されてもよい。
【0178】
リグノセルロース材料の導電性デバイスはまた、備品、例えば、一体化されたタッチスクリーンを有する事務表、又はタッチ検出デバイスを有するドアであってもよい。
【0179】
このような導電性デバイスは、自動車、船舶又は航空分野の車両キャビン(ダッシュボード、ドア部材)においても使用することができる。
【0180】
リグノセルロース材料の導電性デバイスはより一般的にはプラスチック製又はガラスから製造された今日のすべてのタイプのインターフェースを置き換えることを可能にするが、それは脆弱又は厚く、重く、石油から供給されるので環境に有害な生態学的影響を有するという欠点を有することに留意されたい。
【0181】
もちろん、上述の例示的な実施形態は、決して限定するものではない。
【0182】
特に、複合基材は2D又は3Dにおいて非常に多様な形状を有することができ、反り又は双曲放物面を有するタイプの複雑な幾何学的形状の物体を製造することを可能にする。
【0183】
さらに、導電層の堆積は、複合基材のいくつかの面上で実行されてもよい。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
【国際調査報告】