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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(54)【発明の名称】抽出フード付き調理コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/20 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
F24C15/20 F
F24C15/20 D
F24C15/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501148
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 IB2021054806
(87)【国際公開番号】W WO2022008994
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000016360
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515295636
【氏名又は名称】エリカ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】オルランド レオ
(72)【発明者】
【氏名】マヌエーレ マルテッリ
(57)【要約】
本発明は、調理活動のための支持体として作用するように構成されている本体2であって、上面21及び下面22を有する本体2と、本体2の上面21に位置する少なくとも1つの調理領域3と、上面21上に形成された吸込口4と、吸込口4と流体連通して配置されておりかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段5とを備える、調理コンロ1であって、吸引手段5は、上面21と実質的に平行な平面内に存在する回転軸線X-Xを有しかつ回転軸線X-Xに沿って第1の端部511と反対側の第2の端部512との間に延びている、モータファン51を備え、吸引手段5は、調理煙を前記モータファン51の第1の端部511と第2の端部512にそれぞれ向けられた調理煙の第1の部分と第2の部分に分割するように構成されている、調理コンロ1に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理コンロ(1)において、
前記調理コンロ(1)は、
調理活動のための支持体として作用するように構成されている本体(2)であって、上面(21)と下面(22)を有する本体(2)と、
前記本体(2)の前記上面(21)に位置する少なくとも1つの調理領域(3)と、
前記上面(21)上に形成された吸込口(4)と、
前記吸込口(4)と流体連通して配置されておりかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段(5)とを備え、
前記吸引手段(5)は、回転軸線(X-X)を有するモータファン(51)を備え、
前記モータファン(51)は、前記回転軸線(X-X)に沿って第1の端部(511)と反対の第2の端部(512)との間を延びており、
前記吸引手段(5)は、前記調理煙を前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ向けられた調理煙の第1の部分と第2の部分に分割するように構成されている、調理コンロ(1)において、
前記回転軸線(X-X)は、この前記上面(21)に対して平行な平面内に存在することを特徴とする調理コンロ(1)。
【請求項2】
前記吸引手段(5)が、前記吸込口(4)と、前記モータファン(51)の前記第1の端部(511)及び前記第2の端部(512)にそれぞれ流体連通する、第1の吸引ダクト(52)及び第2の吸引ダクト(53)を備え、
前記第1の吸引ダクト(52)の流体力学的抵抗が前記第2の吸引ダクト(53)の流体力学的抵抗にほぼ等しく、
前記モータファン(51)が、前記第1の吸引ダクト(52)を介して前記調理煙の前記第1の部分と、前記第2の吸引ダクト(53)を介して前記調理煙の前記第2の部分とを吸引するように構成されている、請求項1に記載の調理コンロ(1)。
【請求項3】
前記調理コンロ(1)は、ハウジング(61)を形成するように互いに接続された一対のカバーケーシング(6)を備え、前記モータファン(51)は、前記ハウジング(61)内に配置され、前記一対のカバーケーシング(6)は、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を形成する、請求項2に記載の調理コンロ(1)。
【請求項4】
前記モータファン(51)は、電気モータとインペラとを備え、前記インペラは、前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ配置される、第1の半分部(51a)と第2の半分部(51b)とを備える、請求項3に記載の調理コンロ(1)。
【請求項5】
前記調理コンロ(1)は、前記調理コンロの動作のため、前記調理コンロの制御のため、及び、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を通る調理蒸気の流出のための操作ユニット(7)であって、前記操作ユニット(7)は、前記少なくとも1つの調理領域(3)を加熱することができる少なくとも1つの加熱要素と、前記調理コンロ(1)の指令及び制御電子機器を収容するように構成されており、かつ、前記調理コンロ(1)の前記本体(2)の下に配置されている、操作ユニット(7)を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の調理コンロ(1)。
【請求項6】
前記カバーケーシング(6)は、前記操作ユニット(7)の下方に配置されて拘束されており、少なくとも一つの前記カバーケーシング(6)は、前記モータファン(51)に到達することができるように前記操作ユニット(7)に可逆的に拘束されている、請求項4及び5に記載の調理コンロ(1)。
【請求項7】
前記調理コンロ(1)は、前記調理煙の前記第1の部分及び前記第2の部分にそれぞれ存在する油脂及び蒸気を濾過するように、それぞれの前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)の上流側の前記ハウジング(61)に配置された、第1のフィルタ群(8a)及び第2のフィルタ群(8b)を備える、請求項3~6のいずれか一項に記載の調理コンロ(1)。
【請求項8】
前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)が、それぞれ、金属グリッド及び活性炭フィルタを備えるグリースフィルタを備える、請求項7に記載の調理コンロ(1)。
【請求項9】
前記吸引手段(5)は、前記吸込口(4)と流体連通する吸引室(54)を備え、前記吸引室(54)は、それぞれ前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)と流体連通する、第1の吹出口(541)及び第2の吹出口(542)を有し、前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)は、それぞれ前記第1の吹出口(541)及び前記第2の吹出口(542)に配置されている、請求項7及び8に記載の調理コンロ(1)。
【請求項10】
前記カバーケーシング(6)は、拘束されたときに前記モータファン(51)と流体連通する排気出口(62)を形成し、前記吸引手段(5)は、前記排気出口(62)を通して前記調理煙を排出するように構成されている、請求項3~9のいずれか一項に記載の調理コンロ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の前文に係る調理コンロに関する。
【0002】
特に、しかし排他的ではないが、本発明は、下向き通風のフードとして市販されているタイプのフードを組み込んだ調理コンロに関する。
【背景技術】
【0003】
生活環境用フードは、食品調理による空気、すなわち調理蒸気の抽出の有用性が明白であるため、現在では、家庭内に存在する全てのキッチンに設置されている。したがって、食品調理の段階で生成される調理蒸気を実際に排除できる家庭環境用のフードを有することがますます重要になってきている。
【0004】
そのために、吸引手段で吸い込んだり、吸い込んだ空気を家庭外に排出したり、濾過して家庭環境に再導入することができるフードが開発されている。
【0005】
市販されている種々のフードの中には、いわゆる下向き通風のフードもあり、これらはしばしば調理コンロに一体化されているか、あるいはキッチンキャビネットの頂部に一体化されている。特に、下向き通風のフードは、調理蒸気が垂直下向き方向に調理コンロ自体に向かって吸引されるように、調理蒸気の上昇速度よりも大きい下向きの流れを発生させるように構成されている。
【0006】
例えば、調理活動のための支持体として作用するように構成されかつ上面と反対の下面とを有する本体を備える、調理コンロは、当該技術分野で知られている。この調理コンロは、本体の上面に配置された少なくとも1つの調理領域をさらに備える。
【0007】
さらに、従来技術の調理コンロは、本体の上面に形成された吸込口部と、吸込口部と流体連通して配置されかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段とを備える。
【0008】
従来技術の吸引手段は、吸込口部を通る調理煙の流れを生成するように構成された少なくとも1つの電気モータを備える。この電気モータは、本体の上面に直交する平面内で作用する回転軸線を有する。換言すれば、電気モータの回転軸線は、本質的に垂直方向、すなわち、このような調理コンロが設置されている家庭環境の歩行面に対して垂直方向である。
【0009】
従来技術のこのような調理コンロの例は、Bora Pure(登録商標)及びBora Basic(登録商標)の商品名で知られており、それぞれ、単一吸引電気モータと、一対の単一吸引電気モータとを備える。
【0010】
本願の請求項1の前文による調理コンロの例が特許文献1(独国実用新案第202019106084号明細書)に示されている。
【0011】
従来技術の課題
従来技術の調理コンロの運転中、特に、吸込口部からの調理煙の吸引中において、吸引手段は、使用者が特に不快になる騒音を発生させる。
【0012】
運転中に発生する騒音の値は、製造者及び/又は使用者が多大な注意を払うパラメータとなっており、そのため、そのエネルギーラベルは、電気モータの所定の運転速度で発生する相対デシベル値を示さなければならない。
【0013】
そのため、より静かな吸引手段を備えた調理コンロに対する家電製造業者からの強い要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国実用新案第202019106084号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
それゆえ、本発明の技術的目的は、上述した従来技術の欠点を解消した調理コンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
特に、本発明の目的は、調理煙を吸引するために運転するとき、従来技術のものよりも低い騒音レベルを発生する吸引手段を備える調理コンロを利用可能にすることである。
【0017】
上述の技術的課題及び特定された目的は、添付の請求項の内の1つ以上に記載された技術的特徴を備える調理コンロによって実質的に達成される。
【0018】
本発明の好適な実施形態によって、使用者にとって許容可能なレベルの吸引騒音を生成しながら食品を調理することによって生成された調理煙を吸引することができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によって、調理煙を吸引手段内で分割することもでき、それによって、調理煙のより効率的な濾過、すなわち、調理煙内に存在する油脂及び蒸気のより良好な除去が可能になる。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面に図示されるような、調理コンロの好ましいが排他的ではない実施形態の、概略的な、したがって、非限定的な説明から、より明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明に係る調理コンロの部分断面斜視図である。
図2図2は、図1の調理コンロの断面側面図である。
図3図3図1の調理コンロの断面正面図である。
図4図4は、カバーケーシングを取り外した図1からの調理コンロの下からの斜視図である。
図5図5は、図1の調理コンロによって生成された騒音を、従来技術の調理コンロによって生成された騒音と比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
明示的に強調されていない場合でさえも、特定の実施形態を参照して説明される個々の特徴は、他の実施形態を参照して説明される、付属の特徴及び/又は他の特徴と交換可能であると見なされなければならない。
【0023】
特に添付の図を参照すると、調理コンロは、参照番号1で示されている。
【0024】
前記調理コンロ1は、調理活動のための支持体として作用するように構成された本体2を備える。
【0025】
実際、以下でより明瞭になるように、調理されるべき食品を収容する容器がこの本体2上に配置されて適切に加熱されている。
【0026】
一態様によれば、本体は、形状が正方形又は長方形であり、所定の厚さを有することが好ましい。
【0027】
この本体2は、上面21及び下面22を有する。
【0028】
好ましくは、上面21、すなわち、調理されるべき食品を収容する容器の支持体として作用することを意図した面は、平坦である。
【0029】
上面21と下面22とは、長手方向Y-Yに沿って互いに対向している。
【0030】
好ましくは、使用時、すなわち、調理コンロ1が、例えば家庭用住居のキッチンなどの室内(添付の図には示されていない)に適切に設置されているとき、この長手方向Y-Yは、実質的に垂直、すなわち、調理コンロ1が設置されている室の歩行面に垂直である。使用中において依然として、本体2の下面22は、歩行面に面している。
【0031】
調理コンロ1は、本体2の上面21に位置する少なくとも1つの調理領域3を備える。調理されるべき食品を収容する容器は、調理領域3の調理コンロ1上に配置される。
【0032】
さらに、調理コンロ1は、前記上面21上に形成された少なくとも1つの吸込口4と、前記吸込口4と流体連通して配置されておりかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段5とを備える。これらの吸引手段5は、この吸込口4を介して食品を調理することによって生成される調理煙を吸引するように構成されている。
【0033】
好ましくは、調理コンロ1は、吸込口4に配置されたドア41を備える。このドア41は、ドア41によって吸込口4を介して調理煙を吸引することを可能にする第1の位置と、ドア41が吸込口4を閉鎖する第2の位置との間で切換可能である。
【0034】
吸引手段5は、上面21に平行な平面内に存在する回転軸線X-Xを有するモータファン51を備える。
【0035】
特に、調理コンロ1が室内に正しく設置されている場合には、この回転軸線X-Xは、上面21及び調理コンロ1が設置されている室の歩行面の双方に対して平行であり、すなわち、回転軸線X-Xは長手軸線Y-Yに対して直交している。
【0036】
本説明において、「上面21に平行な平面内に存在する(lies in a plane parallel to the upper surface 21)」という語は、モータファン51の回転軸線X-Xが上面21に対して実質的に平行であること、すなわち、回転軸線X-Xが平行性の条件に対して+/-5゜の変動を与えることができる平面内に存在することを意味する。この平行性の条件の変動性は、例えば、モータファン51の構造上の理由、組立上の理由、又は、設計上の選択に起因する。
【0037】
モータファン51は、回転軸線X-Xに沿って第1の端部511と反対側の第2の端部512との間で延びている。
【0038】
吸引手段5は、調理煙を、モータファン51の第1の端部511と第2の端部512にそれぞれ向けられた、調理煙の第1の部分と第2の部分に分割するように構成されている。
【0039】
モータファン51の回転軸線X-Xの配置と、吸引手段5によって作動させられる調理煙の分割とにより、吸引手段5によって発生される吸引騒音は、従来技術の調理コンロによって発生する対応する吸引騒音よりも低いことに留意されたい。
【0040】
実際、特に図5を参照すると、この図は、吸引された調理煙の流量を横軸に示し、発生した騒音の強度を縦軸に示したグラフを示している。
【0041】
特に、当該グラフは、本発明による調理コンロ1に対する第1の曲線100と、単一吸引電気モータを備える従来技術の調理コンロに対する第2の曲線200と、一対の単一吸引電気モータを備える従来技術の調理コンロに対する第3の曲線300とを示している。
【0042】
図5に示す前記グラフから分かるように、約600m/hに等しい吸引された調理煙の流量値、すなわち、調理コンロの吸引手段の通常の使用の場合に典型的な吸引された調理煙の流量値に対して、本発明による調理コンロ1が発生する騒音は約67dBAに等しいのに対して、単一吸引式モータファンを備える従来技術の調理コンロ及び1対の単一吸引式モータファンを備える従来技術の調理コンロが発生する騒音は、それぞれ約68.6dBA及び69dBAである。
【0043】
したがって、本発明による調理コンロの値の差は、単一吸引モータファンを備えた調理コンロと比較して1.6dBAに等しく、二重単一吸引モータファンを備えた調理コンロと比較して2dBAに等しい。
【0044】
これらの差異は、1時間当たりに吸い込まれる空気量が同じである使用者によって知覚される騒音の有意な低下を示しており、従って、調理コンロ1は従来技術のものよりも静かになっている。
【0045】
本発明の好ましい実施形態によると、吸引手段5は、吸込口4と流体連通し、かつ、モータファン51の第1の端部511及び第2の端部512とそれぞれ流体連通している、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53とを備えている。
【0046】
モータファン51は、第1の吸引ダクト52を介して調理煙の第1の部分を、第2の吸引ダクト53を介して調理煙の第2の部分を吸引するように構成されている。
【0047】
好ましくは、第1の吸引ダクト52の流体力学的抵抗は、第2の吸引ダクト53の流体力学的抵抗に対応する。より好ましくは、第1の吸引ダクト52の流体力学的抵抗は、第2の吸引ダクト53の流体力学的抵抗に実質的に等しい。最大の好ましい場合には、第1の吸引ダクト52の流体力学的抵抗は、第2の吸引ダクト53の流体力学的抵抗に等しい。
【0048】
さらに好ましくは、第1の吸引ダクト52の調理煙の長さと通路部分と、第2の吸引ダクト53の調理煙の長さと通路部分は、互いに対応する。
【0049】
第1の吸引ダクト52の流体力学的抵抗と第2の吸引ダクト53の流体力学的抵抗との対応によって、第1の吸引ダクト52と第2の吸引ダクト53との間の調理煙の分布は対称的である。換言すれば、調理煙の第1の部分は、調理煙の第2の部分に対応する。換言すれば、第1の吸引ダクト52における調理煙流量は、第2の吸引ダクト53における調理煙流量に対応する。
【0050】
所望の吸引力を得るために、モータファン51は、電気モータとインペラとを備える。
【0051】
一態様によれば、インペラは、電気モータのシャフトに機械的に接続されている。このようにして、電気モータのモータシャフトの回転により、インペラが回転し、従って、調理煙を吸い込むことができる。
【0052】
インペラは、好ましくは成形によって作られた単一部品から成り、モータファン51の第1の端部511及び第2の端部512にそれぞれ配置された、第1の半分部51a及び第2の半分部51bを備えている。
【0053】
インペラの第1の半分部51aは、第1の吸引ダクト52を介して調理煙の第1の部分を吸引するように構成されており、インペラの第2の半分部51bは、第2の吸引ダクト53を介して調理煙の第2の部分を吸引するように構成されている。
【0054】
本発明の好ましい実施形態によれば、調理コンロ1は、ハウジング61を形成するように互いに接続された、一対のカバーケーシング(又はフレーム)6を備える。ハウジング61内にモータファン51が配置されている。したがって、モータファン51は、カバーケーシング6によって支持されかつ保護される。
【0055】
一態様によれば、カバーケーシング6は、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53を形成する。換言すれば、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53の形状及び寸法は、カバーケーシング6同士の間の結合によって規定される。
【0056】
本発明の好ましい実施形態によると、調理コンロ1は、調理コンロ1の操作のため、その制御のため、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53を通る調理蒸気の流出のための操作ユニット7を備える。
【0057】
操作ユニット7は、さらに、少なくとも1つの調理領域3を加熱することができる少なくとも1つの加熱要素と、調理コンロ1の指令及び制御電子回路とを収容するように構成されている。
【0058】
操作ユニット7によって、使用者は、調理領域3の加熱を選択的に調節し、吸引手段5を操作することができる。つまり、操作ユニット7の手段により、モータファン51を操作し、かつ、前記モータファン51の回転速度を調整することができる。
【0059】
操作ユニット7は、当業者にはそれ自体が知られており、したがって、さらに説明しない。
【0060】
この操作ユニット7は、調理コンロ1の本体2の下方に配置されている。好ましくは、この操作ユニット7は、本体2の下面22に拘束されている。
【0061】
一態様によれば、カバーケーシング6は、操作ユニット7の下に配置されて拘束され、少なくとも1つのカバーケーシング6は、ハウジング61へのアクセスを可能にするように、操作ユニット7に可逆的に拘束されている。カバーケーシング6の一方を取り外すことにより、例えばモータファン51に対してメンテナンス活動を行うことができる。言い換えると、少なくとも1つのカバーケーシング6は、モータファン51に到達できるように、操作ユニット7に可逆的に拘束されている。
【0062】
本発明の好ましい実施形態によれば、カバーケーシング6は、可逆的に操作ユニット7に拘束されており、他方のカバーケーシング6は、安定して操作ユニット7に拘束されている。
【0063】
代替の実施形態では、両方のカバーケーシングが、操作ユニット7に可逆的に拘束されるように提供され得る。
【0064】
操作ユニット7に安定して拘束された、ハウジング61のカバーケーシング6に近い部分には、モータファン51の電源部(図示せず)が収納されている。
【0065】
さらに本発明の好ましい実施形態によれば、調理コンロ1は、調理煙の第1の部分及び第2の部分にそれぞれ存在する油脂及び蒸気を濾過するように、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53それぞれの上流側のハウジング61に配置された、第1のフィルタ群8a及び第2のフィルタ群8bを備える。有利には、調理煙の第1の部分と第2の部分は、別々に濾過され、したがって、調理煙のより良好な濾過効率を可能にする。
【0066】
好ましくは、第1のフィルタ群8a及び第2のフィルタ群8bは、それぞれ、金属グリッド及び活性炭フィルタを備えるグリースフィルタ(grease filter)を備える。グリースフィルタ及び活性炭フィルタは、当業者に知られているので、これ以上は説明しない。
【0067】
本発明の好ましい実施形態によれば、吸引手段5は、吸込口4と流体連通する吸引室54を備える。この吸引室54は、吸込口4の下流側に位置している。好ましくは、吸引室54は、操作ユニット7とカバーケーシング6とによって形成される。
【0068】
前記吸引室54は、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53とそれぞれ流体連通した、第1の吹出口541及び第2の吹出口542を有する。したがって、吸引室54は、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53の上流側に位置する。つまり、吸引室54は、吸込口4と、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53との間に介在している。
【0069】
調理煙の第1の部分と第2の部分との間の調理煙の分離は、吸引室54で行われる。実際、調理煙の第1の部分は、吸引室54から第1の吸引ダクト52に通って第1の吹出口541を通り、調理煙の第2の部分は、吸引室54から第2の吸引ダクト53に通って第2の吹出口542を通る。好ましくは、第1の吹出口541の表面の範囲は、第2の吹出口542の表面の範囲に対応する。
【0070】
第1のフィルタ群8a及び第2のフィルタ群8bは、それぞれ吸引室54の第1の吹出口541及び第2の吹出口542に配置される。好ましくは、第1のフィルタ群8a及び第2のフィルタ群8bは、吸引室54と、第1の吸引ダクト52及び第2の吸引ダクト53との間にそれぞれ介在する。
【0071】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、拘束されたときのカバーケーシング6は、モータファン51と流体連通する排気出口62を形成する。吸引手段5は、この排気出口62を通して調理煙を排出するように構成されている。次いで、吸込口4を通って吸引された調理煙は、排気出口62を通って除去される。
【0072】
好ましくは、カバーケーシング6は、拘束されているときに、排気ダクト63を形成する。前記排気ダクト63は、モータファン51と排気出口62とを流体連通して配置するように構成されている。つまり、この排気ダクト63は、モータファン51の下流側かつ排気出口62の上流側に位置している。
【0073】
本発明の好ましい実施形態によれば、吸込口4から排気出口62までの調理煙の経路は、吸引室54内の調理煙を吸込口4を通過させ、吸引室54において調理煙を第1の部分と第2の部分に分割し、調理煙の第1の部分が第1の吸引ダクト52を通ってモータファン51の第1の端部511に到達し、調理煙の第2の部分が第2の吸引ダクト53を通ってモータファン51の第2の端部512に到達し、最後に、排気出口62を通って排出する前に、排気ダクト63内で調理煙の第1の部分と第2の部分が再結合する。
【0074】
一態様によれば、排気出口62は、調理煙を室外に流出させるために、調理コンロ1が設置された室の出口ダクト(図示せず)に接続可能である。
【0075】
明らかに、当業者は、不測の要求事項及び特定の要求事項を満足させる目的のために、上記の変形例に対して多数の修正を行うことができ、従って、全ては、以下の請求項に定義されるように保護の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
明らかに、当業者は、不測の要求事項及び特定の要求事項を満足させる目的のために、上記の変形例に対して多数の修正を行うことができ、従って、全ては、以下の請求項に定義されるように保護の範囲内に含まれる。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
調理コンロ(1)において、
前記調理コンロ(1)は、
調理活動のための支持体として作用するように構成されている本体(2)であって、上面(21)と下面(22)を有する本体(2)と、
前記本体(2)の前記上面(21)に位置する少なくとも1つの調理領域(3)と、
前記上面(21)上に形成された吸込口(4)と、
前記吸込口(4)と流体連通して配置されておりかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段(5)とを備え、
前記吸引手段(5)は、回転軸線(X-X)を有するモータファン(51)を備え、
前記モータファン(51)は、前記回転軸線(X-X)に沿って第1の端部(511)と反対の第2の端部(512)との間を延びており、
前記吸引手段(5)は、前記調理煙を前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ向けられた調理煙の第1の部分と第2の部分に分割するように構成されている、調理コンロ(1)において、
前記回転軸線(X-X)は、この前記上面(21)に対して平行な平面内に存在することを特徴とする調理コンロ(1)である。
第2の態様は、
前記吸引手段(5)が、前記吸込口(4)と、前記モータファン(51)の前記第1の端部(511)及び前記第2の端部(512)にそれぞれ流体連通する、第1の吸引ダクト(52)及び第2の吸引ダクト(53)を備え、
前記第1の吸引ダクト(52)の流体力学的抵抗が前記第2の吸引ダクト(53)の流体力学的抵抗にほぼ等しく、
前記モータファン(51)が、前記第1の吸引ダクト(52)を介して前記調理煙の前記第1の部分と、前記第2の吸引ダクト(53)を介して前記調理煙の前記第2の部分とを吸引するように構成されている、第1の態様における調理コンロ(1)である。
第3の態様は、
前記調理コンロ(1)は、ハウジング(61)を形成するように互いに接続された一対のカバーケーシング(6)を備え、前記モータファン(51)は、前記ハウジング(61)内に配置され、前記一対のカバーケーシング(6)は、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を形成する、第2の態様における調理コンロ(1)である。
第4の態様は、
前記モータファン(51)は、電気モータとインペラとを備え、前記インペラは、前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ配置される、第1の半分部(51a)と第2の半分部(51b)とを備える、第3の態様における調理コンロ(1)である。
第5の態様は、
前記調理コンロ(1)は、前記調理コンロの動作のため、前記調理コンロの制御のため、及び、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を通る調理蒸気の流出のための操作ユニット(7)であって、前記操作ユニット(7)は、前記少なくとも1つの調理領域(3)を加熱することができる少なくとも1つの加熱要素と、前記調理コンロ(1)の指令及び制御電子機器を収容するように構成されており、かつ、前記調理コンロ(1)の前記本体(2)の下に配置されている、操作ユニット(7)を備える、第2の態様~第4の態様のいずれか一つにおける調理コンロ(1)である。
第6の態様は、
前記カバーケーシング(6)は、前記操作ユニット(7)の下方に配置されて拘束されており、少なくとも一つの前記カバーケーシング(6)は、前記モータファン(51)に到達することができるように前記操作ユニット(7)に可逆的に拘束されている、第4の態様及び第5の態様における調理コンロ(1)である。
第7の態様は、
前記調理コンロ(1)は、前記調理煙の前記第1の部分及び前記第2の部分にそれぞれ存在する油脂及び蒸気を濾過するように、それぞれの前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)の上流側の前記ハウジング(61)に配置された、第1のフィルタ群(8a)及び第2のフィルタ群(8b)を備える、第3の態様~第6の態様のいずれか一つにおける調理コンロ(1)である。
第8の態様は、
前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)が、それぞれ、金属グリッド及び活性炭フィルタを備えるグリースフィルタを備える、第7の態様における調理コンロ(1)である。
第9の態様は、
前記吸引手段(5)は、前記吸込口(4)と流体連通する吸引室(54)を備え、前記吸引室(54)は、それぞれ前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)と流体連通する、第1の吹出口(541)及び第2の吹出口(542)を有し、前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)は、それぞれ前記第1の吹出口(541)及び前記第2の吹出口(542)に配置されている、第7の態様及び第8の態様における調理コンロ(1)である。
第10の態様は、
前記カバーケーシング(6)は、拘束されたときに前記モータファン(51)と流体連通する排気出口(62)を形成し、前記吸引手段(5)は、前記排気出口(62)を通して前記調理煙を排出するように構成されている、第3の態様~第9の態様のいずれか一つにおける調理コンロ(1)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理コンロ(1)において、
前記調理コンロ(1)は、
調理活動のための支持体として作用するように構成されている本体(2)であって、上面(21)と下面(22)を有する本体(2)と、
前記本体(2)の前記上面(21)に位置する少なくとも1つの調理領域(3)と、
前記上面(21)上に形成された吸込口(4)と、
前記吸込口(4)と流体連通して配置されておりかつ調理煙を吸引するように構成された吸引手段(5)とを備え、
前記吸引手段(5)は、回転軸線(X-X)を有するモータファン(51)を備え、
前記モータファン(51)は、前記回転軸線(X-X)に沿って第1の端部(511)と反対の第2の端部(512)との間を延びており、
前記吸引手段(5)は、前記調理煙を前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ向けられた調理煙の第1の部分と第2の部分に分割するように構成されている、調理コンロ(1)において、
前記回転軸線(X-X)は、この前記上面(21)に対して平行な平面内に存在することを特徴とする調理コンロ(1)。
【請求項2】
前記吸引手段(5)が、前記吸込口(4)と、前記モータファン(51)の前記第1の端部(511)及び前記第2の端部(512)にそれぞれ流体連通する、第1の吸引ダクト(52)及び第2の吸引ダクト(53)を備え、
前記第1の吸引ダクト(52)の流体力学的抵抗が前記第2の吸引ダクト(53)の流体力学的抵抗にほぼ等しく、
前記モータファン(51)が、前記第1の吸引ダクト(52)を介して前記調理煙の前記第1の部分と、前記第2の吸引ダクト(53)を介して前記調理煙の前記第2の部分とを吸引するように構成されている、請求項1に記載の調理コンロ(1)。
【請求項3】
前記調理コンロ(1)は、ハウジング(61)を形成するように互いに接続された一対のカバーケーシング(6)を備え、前記モータファン(51)は、前記ハウジング(61)内に配置され、前記一対のカバーケーシング(6)は、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を形成する、請求項2に記載の調理コンロ(1)。
【請求項4】
前記モータファン(51)は、電気モータとインペラとを備え、前記インペラは、前記モータファン(51)の第1の端部(511)と第2の端部(512)にそれぞれ配置される、第1の半分部(51a)と第2の半分部(51b)とを備える、請求項3に記載の調理コンロ(1)。
【請求項5】
前記調理コンロ(1)は、前記調理コンロの動作のため、前記調理コンロの制御のため、及び、前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)を通る調理蒸気の流出のための操作ユニット(7)であって、前記操作ユニット(7)は、前記少なくとも1つの調理領域(3)を加熱することができる少なくとも1つの加熱要素と、前記調理コンロ(1)の指令及び制御電子機器を収容するように構成されており、かつ、前記調理コンロ(1)の前記本体(2)の下に配置されている、操作ユニット(7)を備える、請求項に記載の調理コンロ(1)。
【請求項6】
前記調理コンロ(1)は、ハウジングを形成するように互いに接続された、一対のカバーケーシングを備え、前記モータファンは前記ハウジングの中に配置されており、前記一対のカバーケーシングは前記第1の吸引ダクト及び前記第2の吸引ダクトを形成し、
前記カバーケーシング(6)は、操作ユニット(7)の下方に配置されて拘束されており、少なくとも一つの前記カバーケーシング(6)は、前記モータファン(51)に到達することができるように前記操作ユニット(7)に可逆的に拘束されている、請求項4及び5に記載の調理コンロ(1)。
【請求項7】
前記調理コンロ(1)は、
ハウジングを形成するように互いに接続された、一対のカバーケーシングであって、前記モータファンは前記ハウジングの中に配置されており、前記一対のカバーケーシングは前記第1の吸引ダクト及び前記第2の吸引ダクトを形成する、一対のカバーケーシングと、
前記調理煙の前記第1の部分及び前記第2の部分にそれぞれ存在する油脂及び蒸気を濾過するように、それぞれの前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)の上流側の前記ハウジング(61)に配置された、第1のフィルタ群(8a)及び第2のフィルタ群(8b)を備える、請求項に記載の調理コンロ(1)。
【請求項8】
前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)が、それぞれ、金属グリッド及び活性炭フィルタを備えるグリースフィルタを備える、請求項7に記載の調理コンロ(1)。
【請求項9】
前記吸引手段(5)は、前記吸込口(4)と流体連通する吸引室(54)を備え、前記吸引室(54)は、それぞれ前記第1の吸引ダクト(52)及び前記第2の吸引ダクト(53)と流体連通する、第1の吹出口(541)及び第2の吹出口(542)を有し、前記第1のフィルタ群(8a)及び前記第2のフィルタ群(8b)は、それぞれ前記第1の吹出口(541)及び前記第2の吹出口(542)に配置されている、請求項7及び8に記載の調理コンロ(1)。
【請求項10】
前記カバーケーシング(6)は、拘束されたときに前記モータファン(51)と流体連通する排気出口(62)を形成し、前記吸引手段(5)は、前記排気出口(62)を通して前記調理煙を排出するように構成されている、請求項に記載の調理コンロ(1)。
【国際調査報告】