(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】飲料分配、保存システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
B67D1/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528969
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 SG2020050183
(87)【国際公開番号】W WO2021194414
(87)【国際公開日】2021-09-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522194887
【氏名又は名称】ヴィーノ フォンテーヌ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VINO FONTAINE PTE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラセットヤ,レオナルダス,アディ
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA05
3E082BB01
3E082DD11
3E082FF05
(57)【要約】
飲料の保存および分配のための小型のシステム、装置が開示される。システムおよび装置は、飲料容器に取り付けるための密閉部と、フィルタリングされた空気を提供し、飲料容器から飲料を抽出するために配置される、少なくとも第1の導管および第2の導管とを含み得る。飲料容器内で準大気圧または超大気圧を達成するために、飲料容器へのおよび/または飲料容器からの気流を調節するための第1の導管と第2の導管とに接続されるポンプアセンブリがある。
【選択図】
図5d
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、第1の導管および第2の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネルおよび第2のチャネルを有する、密閉部と、
前記第1の導管を通じて空気を向けるように構成された第1のポンプと、
前記第1の導管を通過して前記飲料容器へ入れられるべき前記空気と流体接触または流体連通するように配置された第1のフィルタモジュールであって、前記第1のフィルタモジュールは、前記第1の導管を通過して前記飲料容器へ入る前記空気がフィルタリングされるように、前記第1のポンプと前記密閉部との間に配設される、第1のフィルタモジュールと、
前記飲料容器内の飲料が超大気圧に曝された場合に、前記飲料を分配用の分配メカニズムへ促すように配置される第2の導管と
を備える、システム。
【請求項2】
前記システムは、第2のポンプと第3の導管とをさらに備え、前記密閉部は、前記第3の導管を受け入れるための第3のチャネルを含み、前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記第2のポンプは、前記飲料容器から空気を抽出し、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のフィルタモジュールと直列に配置された第2のフィルタモジュールをさらに備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のフィルタモジュールは、酸素吸収フィルタを含み、前記第2のフィルタモジュールは、活性炭フィルタを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
紫外線放射を前記第1のフィルタモジュール、前記第2のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ向けるように配置された紫外線殺菌モジュールをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のポンプまたは前記第2のポンプへの空気の逆流を防止するための少なくとも1つの逆止弁をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のポンプは、前記システムにおける唯一のポンプであり、前記システムは、第3の導管を備え、前記密閉部は、前記第3の導管を受け入れるための第3のチャネルを含み、前記第3の導管は、前記第1のポンプを介して前記飲料容器から空気を抽出するための逆止弁に接続され、前記第1のポンプは、前記抽出された空気を前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のフィルタモジュールおよび前記第2のフィルタモジュールのうちの少なくとも1つは、前記密閉部に一体化される、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
飲料の保存および分配のための装置であって、
第1のポンプ、第1のフィルタモジュールおよび分配メカニズムを収容するためのハウジングユニットであって、
前記第1のポンプは、第1の導管に空気を通過させるように構成され、前記第1のフィルタモジュールは、飲料容器を通過させるべき空気と流体接触して配置され、前記フィルタモジュールは、前記第1の導管を通過して前記飲料容器へ入る前記空気がフィルタリングされるように、前記第1のポンプと密閉部との間に配設され、第2の導管は、前記飲料容器が超大気圧にある場合に、飲料を前記分配メカニズムへ促すように配置される、
ハウジングユニットと、
飲料容器へ取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、前記第1の導管および前記第2の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネルおよび第2のチャネルを有する、密閉部と
を備える、装置。
【請求項10】
前記ハウジングユニットは、第2のフィルタモジュールをさらに収容し、前記第2のフィルタモジュールは、前記第1のフィルタモジュールと直列に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングユニットは、第2のポンプおよび第3の導管をさらに収容し、前記密閉部は、前記第3の導管を受け入れるための第3のチャネルを含み、前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記第2のエアポンプは、前記飲料容器から空気を抽出し、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングユニットは、前記第1のフィルタモジュール、前記第2のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ紫外線放射を向けるように配置される紫外線殺菌モジュールをさらに収容する、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部と、
保存状態に対応して、前記飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管と、
分配状態に対応して、前記飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管と、
前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリと
を備え、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、システム。
【請求項14】
前記飲料容器は、ボトルであり、前記密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ボトルキャップは、前記第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、前記第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ボトルキャップは、前記ボトルへの空気の通過を防止するために、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ボトルキャップは、酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントを含む、請求項14から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ボトルキャップは、シリコーンから形成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記飲料容器を受け入れるための温度調節されるチャンバをさらに備える、請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記温度調節されるチャンバは、少なくとも1つの引戸を有する真空二重壁を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記温度調節されるチャンバは、熱電冷却器アセンブリを含む、請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
前記熱電冷却器アセンブリは、複数のペルチェ冷却プレートを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の導管、前記第2の導管、前記ポンプアセンブリのうちの少なくとも1つから細菌を除去するための紫外線放射を発生させるために配置される紫外線生成器をさらに備える、請求項13から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記ポンプアセンブリは、シリンジに動作可能に接続されるモータを含む、請求項13から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記シリンジは、分配前の飲料の一時的な貯蔵部として分配メカニズムの一部を形成する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
飲料の保存および分配のための装置であって、
内部に保存および分配アセンブリを収容する第1の部分と、
少なくとも1つの飲料容器を受け入れるような形状および寸法にされたチャンバと、
温度調節アセンブリを収容する第2の部分と
を備え、
前記保存および分配アセンブリは、前記少なくとも1つの飲料容器に取り付けられるような形状および寸法にされた密閉部を含み、前記保存および分配アセンブリは、保存状態および分配状態に対応して、前記飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、装置。
【請求項27】
前記第1の部分、前記チャンバ、および前記第2の部分は、小型の装置を形成するような形状および寸法にされる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの温度センサと、少なくとも1つの圧力センサとをさらに備える、請求項26または27に記載の装置。
【請求項29】
前記温度調節アセンブリは、熱電冷却器アセンブリを含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記熱電冷却器アセンブリは、2層のペルチェ冷却器を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する、請求項26から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記ボトルキャップは、前記第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、前記第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含む、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ボトルキャップは、前記ボトルへの空気の通過を防止するために、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ボトルキャップは、酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントを含む、請求項31から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記チャンバは、引戸メカニズムを含み、前記引戸メカニズムは、二重壁を含む、請求項26から29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
飲料を分配および保存するための方法であって、
a.保存状態に対応して、フィルタリングされた空気を飲料容器へ導入するために配置される第1の導管を提供するステップと、
b.分配状態に対応して、飲料を前記飲料容器から分配メカニズムへ促すために配置される第2の導管を提供するステップと、
c.前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップと
を含み、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に超大気圧を発生させるように構成される、方法。
【請求項37】
飲料を分配および保存するための方法であって、
a.保存状態に対応して、飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管を提供するステップと、
b.分配状態に対応して、前記飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管を提供するステップと、
c.前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップと
を含み、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分配および保存システム/装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景についての以下の議論は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。本議論は、言及されるいかなる資料も本発明の優先日の時点で任意の管轄において公開され、知られており、または当業者の共通の一般知識の一部であるという承認または自認でないことが、認識されるべきである。
【0003】
アルコールワインまたは酒などの飲料には、空気に曝された場合に、品質の劣化の影響を受けやすいものがある。そのような飲料は、典型的には、品質を保存するために密閉されており、部分的な消費のために開栓/開封された場合には、劣化を低減するためまたは最小限にするために、飲料ボトルは再密閉されなければならない。
【0004】
飲料の分配および保存のための装置およびシステムが検討されてきた。1つの解決策は、開栓されたアルコールボトルを再密閉し、アルコールなどの飲料に不活性ガスを導入して酸素と置換するためのシステムを含む。しかし、そのような装置は、典型的には、かさばり、高価である。また、アルコール飲料への不活性ガスの導入は、そのアルコール飲料の品質を劣化させることがある。
【0005】
別の解決策は、保存のために不活性ガスまたは準大気/真空環境を、分配のために正空気圧または超大気圧を使用することを検討してきた。しかし、そのような解決策は、大気圧よりもはるかに低い圧力と、大気圧よりも高い圧力とが生成されることを必要とする。これは付加的なフォームファクタを導入することがあり、エネルギー効率的ではないことがある。
【0006】
さらに他のシステムは、飲料の保存のために、酸素吸収剤などの吸収剤の使用を伴う。そのようなシステムも、酸素吸着/置換を達成するために多数の複雑なメカニズムを必要とする。
【0007】
したがって、前述の問題のうちの1つまたは複数を軽減する、改善されたデバイスに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、飲料の保存および分配のための比較的小型のシステムおよび装置を提供するために概念化された。本システムおよび装置は、ワインおよびスピリッツ等などのアルコール飲料の品質を、開封および/または部分的な消費後に保存するための、アルコール飲料の保存および分配のために特に適している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、飲料の保存および分配のためのシステムであって、飲料容器に取り付けるように構成された密閉部であって、密閉部は、第1の導管および第2の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネルおよび第2のチャネルを有する、密閉部と、第1の導管に空気を通過させるように構成された第1のポンプと、飲料容器に通過させられるべき空気と流体接触または流体連通するように配置された第1のフィルタモジュールであって、第1の導管を通過して飲料容器へ入る空気がフィルタリングされるように、第1のポンプと密閉部との間に配設される、第1のフィルタモジュールと、飲料容器内の飲料が超大気圧に曝された場合に、飲料を分配用の分配メカニズムへ促すように配置される第2の導管とを備える、システムである。
【0010】
本システムは、飲料の保存および分配のための装置の一部または全部を形成し得る。そのような装置は、飲料容器に取り付けるためのスタンドアロンユニットであってもよく、または、冷却器デバイスなどの温度調節器に一体化されていてもよい。
【0011】
本発明の別の態様によれば、飲料の保存および分配のためのシステムであって、飲料容器に取り付けるための密閉部と、保存状態に対応して、飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管と、分配状態に対応して、飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管と、第1の導管に接続されるポンプアセンブリとを備え、ポンプアセンブリは、保存状態と分配状態との両方に対して飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、システムである。
【0012】
いくつかの実施形態において、飲料容器は、ボトルであり、密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する。
【0013】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、ボトルへの空気の通過を防止するために、第1のチャネルおよび第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントを含む。酸素吸収剤は、炭素ベースの吸収剤または鉄ベースの吸収剤を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、シリコーンから形成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、本システムは、飲料容器を受け入れるための温度調節されるチャンバをさらに備える。
【0018】
いくつかの実施形態において、温度調節されるチャンバは、少なくとも1つの引戸を有する真空二重壁を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、温度調節されるチャンバは、熱電冷却器アセンブリを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、熱電冷却器アセンブリは、複数のペルチェ冷却器を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、本システムは、飲料から細菌を除去するための紫外線放射を発生させるために配置された紫外線生成器を備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、少なくとも1つのモータ駆動部と、少なくとも1つのシリンジとを含む。シリンジは、第2の導管に接続され、消費用に分配する前の飲料のための一時的な貯蔵エリアの一部を形成し得る。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、複数のモータ駆動部および/または複数のシリンジを含んでもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、飲料の保存および分配のための装置であって、第1のポンプ、第1のフィルタモジュールおよび分配メカニズムを収容するためのハウジングユニットであって、第1のポンプは、第1の導管に空気を通過させるように構成され、第1のフィルタモジュールは、飲料容器に通過させるべき空気と流体接触して配置され、フィルタモジュールは、第1の導管を通過して飲料容器へ入る空気がフィルタリングされるように、第1のポンプと密閉部との間に配設され、第2の導管は、飲料容器が超大気圧にある場合に、飲料を分配メカニズムへ促すように配置される、ハウジングユニットと、飲料容器へ取り付けるための密閉部であって、密閉部は、第1の導管および第2の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネルおよび第2のチャネルを有する、密閉部とを備える、装置である。
【0024】
本発明の別の態様によれば、飲料の保存および分配のための装置であって、内部に保存および分配アセンブリを収容する第1の部分と、少なくとも1つの飲料容器を受け入れるような形状および寸法にされたチャンバと、温度調節アセンブリを収容する第2の部分とを備え、保存および分配アセンブリは、少なくとも1つの飲料容器に取り付けられるような形状および寸法にされた密閉部を含み、保存および分配アセンブリは、保存状態および分配状態に対応して、飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、装置である。
【0025】
いくつかの実施形態において、第1の部分、チャンバ、および第2の部分は、円筒形の装置を形成するような形状および寸法にされる。
【0026】
いくつかの実施形態において、本装置は、少なくとも1つの温度センサと、少なくとも1つの圧力センサとをさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、温度調節アセンブリは、熱電冷却器アセンブリを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、熱電冷却器アセンブリは、2層のペルチェ冷却器を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する。ボトルキャップは、第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、ボトルへの空気の通過を防止するために、第1のチャネルおよび第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップは、酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントを含む。酸素吸収剤は、炭素ベースの吸収剤または鉄ベースの吸収剤を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、チャンバは、引戸メカニズムを含み、引戸メカニズムは、二重壁を含む。
【0033】
本発明の別の態様によれば、飲料を分配および保存するための方法であって、a.保存状態に対応して、フィルタリングされた空気を飲料容器へ導入するために配置される第1の導管を提供するステップと、b.分配状態に対応して、飲料を飲料容器から分配メカニズムへ促すために配置される第2の導管を提供するステップと、c.第1の導管と第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップとを含み、ポンプアセンブリは、保存状態および分配状態において飲料容器内に超大気圧を発生させるように構成される、方法である。
【0034】
本発明の別の態様によれば、飲料を分配および保存するための方法であって、a.保存状態に対応して、飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管を提供するステップと、b.分配状態に対応して、飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管を提供するステップと、c.第1の導管と第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップとを含み、ポンプアセンブリは、保存状態および分配状態において飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される、方法である。
【0035】
本発明の他の態様および特徴は、添付の図面と共に、本発明の特定の実施形態の下記の説明を考察すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】いくつかの実施形態による、飲料の保存および分配のためのシステムを例示する図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、飲料の保存および分配のための装置の斜視図(
図2a)及び側面図(
図2b)である。
【
図3a】いくつかの実施形態による装置の様々な構成要素を示す図である。
【
図3b】いくつかの実施形態による装置の組み立て前の図である。
【
図3c】いくつかの実施形態による装置の分解図である。
【
図4a】ボトルキャップの形態の密閉部102のいくつかの実施形態を示す図である。
【
図4b】ボトルキャップの形態の密閉部502のいくつかの実施形態を示す図である。
【
図5a】飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置の他の実施形態を示す図である。
【
図5b】飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置の他の実施形態を示す図である。
【
図5c】飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置の他の実施形態を示す図である。
【
図5d】飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置の他の実施形態を示す図である。
【
図5e】飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置の他の実施形態を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、飲料を保存および分配するための方法を示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、飲料を保存および分配するための別の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施形態への技術的解決策を例示するために、実施形態の説明において言及された図面の紹介が、以下に提供される。以下に説明される図面は、本発明のいくつかの例または実施形態にすぎない。当業者は、さらなる創造的努力なしに、これらの図面に従って、他のシナリオに本発明を適用し得る。
【0038】
説明全体にわたって、「真空」という用語は、大気圧または準大気圧を大きく下回る圧力を指す。「真空」という用語は、0.5バール以下の圧力を含み得る。
【0039】
説明全体にわたって、「超大気圧」という用語は、1.0バールを超える圧力、好ましくは約1.5バールの圧力を指す。
【0040】
図1は、飲料の保存および分配のためのシステム100の一実施形態を示す。システム100は、飲料容器120に取り付けるための密閉部102と、保存状態に対応して、飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管104と、分配状態に対応して、飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管106と、第1の導管104に接続されるポンプアセンブリ108とを備え、ポンプアセンブリ108は、保存状態および分配状態に対して、飲料容器内に準大気圧を発生させるように構成される。
【0041】
飲料容器120は、開栓されたワインボトルであってもよく、密閉部102は、空気がワインボトルに入ったり、ワインボトルから出たりすることができないように、飲料容器120の開口を密閉するような形状および寸法にされる。ここにおいて、密閉部102は、ボトルカバーまたはキャップの一部または全部を形成し得る。密閉部102は、シリコーン、ゴムおよび/またはハーメチックシーリング機能を提供することができる他の材料などの弾性材料から/弾性材料で適切に形成され得る。
【0042】
密閉部102は、第1の導管104を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネル112と、第2の導管106を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネル114とを含み得る。第1のチャネル112および第2のチャネル114は、第1の導管104および第2の導管106を介して空気または飲料のみが飲料容器120から除去され得るように、適切に密閉される。
【0043】
第1の導管104および/または第2の導管106は、それぞれ第1のチャネル112および第2のチャネル114を通じて挿入される透明な可撓性チューブであり得る。第1の導管104は、ポンプアセンブリ108に接続される。弁v1は、第1の導管104とポンプアセンブリ108との間の空気の流れを制御するために、第1の導管104とポンプアセンブリ108との間の適切な位置に位置付けられる。第2の導管106は、分配メカニズム130に接続される。弁v3は、第2の導管106と分配メカニズム130との間の飲料の流れを制御するために、第2の導管106と分配メカニズム130との間の適切な位置に位置付けられる。
【0044】
分配メカニズム130は、開口132への飲料の流れを容易にするために漏斗のような形状であり得る。開口132から出る飲料の流れは、弁v4によって制御され得る。
【0045】
ポンプアセンブリ108は、第3の導管107を介して分配メカニズム130に接続され得る。弁v2は、ポンプアセンブリ108と分配メカニズム130との間の空気の流れを制御するために、ポンプアセンブリ108と分配メカニズム130との間の適切な位置に位置付けられる。
【0046】
システム100の様々な態様、特に、弁v1、弁v2、弁v3および弁v4の制御は、1つまたは複数のコントローラボード(図示せず)によって実現され得る。コントローラボードは、マイクロプロセッサや、圧力センサ、温度センサ、光センサを含む1つまたは複数のセンサ等を含み得る、電子ベースのコントローラボードであり得る。電子ボードは、ボタンなどのアクチュエータ、電源管理ユニット(例えばバッテリパック)、および照明ユニット(例えばLED照明)を含み得る。コントローラボードは、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)として実装されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、コントローラボードは、1つまたは複数の通信モジュールを含んでもよい。そのような通信モジュールは、1つまたは複数の有線通信プロトコルおよび/または無線通信プロトコルにおいて通信するように適合され得る。いくつかの無線通信プロトコルの例は、ブルートゥース(商標)、5G、Wi-Fi等を含み得るが、これらに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップ102は、飲料ボトル120内への空気の通過を防止するために、第1のチャネル112および第2のチャネル114のうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる、少なくとも1つの逆止弁を備える。
【0049】
いくつかの実施形態において、ボトルキャップ102は、酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントを含む。酸素吸収剤は、炭素ベースの吸収剤または鉄ベースの吸収剤のうちの少なくとも1つを含み得る。ボトルキャップ102のさらなる詳細は、
図4を参照して説明されることになる。
【0050】
飲料の保存および分配のためのシステム100は、次に、その動作の文脈において、特に、保存状態および分配状態を参照して説明されることになる。第2の導管106が分配用の飲料と接触した状態で、密閉部102がその上部に取り付けられたワインボトルなどの飲料容器120が検出されると、動作が始まり得る。
【0051】
保存状態において、ポンプアセンブリ108は、ボトル120から空気を除去するためのバキュームポンプとして機能する。弁v1は、ボトル120から空気が引き出されることを容易にするために開弁される。飲料容器120内の気圧は、約0.5バール以下に維持され得る。そのような構成は、ボトル120内の酸素の量を低減するのに有利であり、飲料の酸化率を最小限にする。また、密閉部102内に保持される酸素吸収剤は、酸素除去をさらに支援する。弁v1およびポンプアセンブリ108の動作は、圧力センサによって決定され得る。例えば、圧力センサによって検出されるような、飲料容器120内の圧力が、0.5バールまたは任意の他の所定の値を超える場合に、弁v1およびポンプアセンブリ108の動作が起動され得る。
【0052】
分配状態において、弁v1は閉弁されている。弁v2は、分配メカニズム130内の圧力を低下させるように開弁される(弁v3およびv4は、この時点においては閉弁されている)。分配メカニズム130内の圧力が、飲料容器120内の圧力よりも低い所望のレベルまたは所定のレベルに適切に低下させられると、弁v2が開弁されたままになる。次いで、弁v3が開弁され、飲料容器120と分配メカニズム130との間に生成される圧力差が理由で、飲料が、飲料容器120から分配メカニズム130へ流れることになる。
【0053】
所望の容積の飲料を分配すると、弁v3は、さらなる飲料が分配メカニズム130に入ることを防止するために、閉弁されることになる。その結果、任意の時に、ユーザは、ユーザによる消費のために、分配メカニズム130から飲料を放出するために弁v4を開弁し得る。
【0054】
システム100は、飲料の保存と分配との両方に対して負圧原理で作用する。これは、分配用の正圧を提供するために、および/または不活性ガスの貯蔵のために必要とされる、構成要素または動作ステップを低減するのに有利である。
【0055】
いくつかの実施形態において、システム100は、飲料から、ならびに/またはシステム100内のメカニズムのいずれか(例えば第1の導管104および第2の導管106)から細菌を低減/除去するための紫外線放射を発生させるために配置される紫外線生成器(図示せず)を備えてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、システム100は、飲料容器を受け入れるための温度調節されるチャンバをさらに備える。チャンバの実施形態は、
図2および
図3を参照して説明される。
【0057】
図2は、飲料の保存および分配のための装置200を示す。装置200は、保存および分配アセンブリをその中に収容するための第1の部分220(ハウジングユニットとも称される)と、少なくとも1つの飲料容器を受け入れるための形状および寸法にされたチャンバ240と、温度調節アセンブリを収容するための第2の部分260とを備える。保存および分配アセンブリは、システム100において説明されたような構成要素の全部または一部を含み、特に、少なくとも1つの飲料容器120に取り付けられるような形状および寸法にされた密閉部を備える。保存および分配アセンブリは、保存状態および分配状態に対応して、飲料容器120内の準大気圧を発生させるように構成される。
【0058】
装置200は、円筒形の構造の形態に小型化され得る。第1の部分220、チャンバ240、および第2の部分240は、小型の装置を形成するような形状および寸法にされ得る。小型の装置は、携帯可能であり、簡単に持ち運ばれ、輸送され得る。いくつかの実施形態において、小型の装置は、ユーザの手によって簡単に把持および保持されように適合された湾曲部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、小型の装置は、円筒形の装置であってもよい。
【0059】
チャンバ240は、
図1を参照して説明されたようなワインボトル120などの飲料容器を受け入れるような形状および寸法にされる。ワインボトル120には多種多様な形状およびサイズがあり得るので、チャンバ240は、市場における一般的な寸法を収容するのに十分な大きさであり得る。ワインボトル120に取り付けるための密閉部は、ワインボトル120の様々な開口を収容するために、第1のチャネル112と第2のチャネル114とを有する密閉部102として構成され得る。密閉部102は、説明されたような酸素吸収剤を受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメントも含んでもよい。密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成し得る。
【0060】
温度調節アセンブリは、熱電冷却器アセンブリを含み得る。熱電冷却器アセンブリは、2層のペルチェ冷却器を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、チャンバ240は、引戸メカニズムを備え、引戸メカニズムは、チャンバ240の内部を所望の温度または所定の温度に維持するための二重壁を備える。
【0062】
二重壁は、真空二重壁であり得る。引戸は、適切なゴムガスケットが絶縁を提供する状態で、2つの壁の間に挟まれる。閉じられた場合、真空が壁と壁との間で維持されて、ドアが適所に保たれる。ドアを開くには、空気は、ドアを引っぱって開くように、壁と壁との間で引き出され、または吸収され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、温度調節されるチャンバは、熱電冷却器アセンブリを含む。いくつかの実施形態において、熱電冷却器アセンブリは、複数のペルチェ冷却器を含む。いくつかの実施形態において、本装置は、飲料から細菌を除去するための紫外線放射を発生させるために配置される紫外線生成器を備え得る。これは、装置200のコントローラに埋め込まれた、1つまたは複数の紫外線発生発光ダイオード(LED)の形態で実装され得る。紫外線LEDは、UV放射を飲料容器120または内部メカニズムの一部に向けて、細菌/菌類の増殖および/または形成を軽減するように適切に位置付けられ得る。
【0064】
熱電冷却器アセンブリは、所望の温度調節(例えば冷却)を達成するための複数の構成要素を備え得る。構成要素は、ホットサイドヒートシンクおよびクールサイドヒートシンクなどの複数のヒートシンクと、ホットサイドサイレントファンおよびクールサイドファンなどの複数のファンとを含む。
【0065】
熱電冷却器アセンブリは、2段階冷却効果を達成するように配置される。これは、複数のペルチェ冷却プレートおよびヒートシンクアセンブリを有する積層構成を介して達成され得る。
【0066】
図3aは、組み立てられていない形態における装置200の重要な構成要素を示し、
図3bは、分解された形態における装置200の構成要素を示し、
図3cは、人間の片手による把持を容易にするために湾曲部を提供するための異なる形状の装置200の別の例を示す。組み立てられた場合、装置200は、
図2に示されるような装置200に類似する。
【0067】
図3bに示されるように、装置200は、装置200に電力を提供するための、装置の底部ケーシングに取り付けられる電気充電器などの機能部を含み得る。
【0068】
図3cに示されるように、装置200は、ポンプアセンブリをコンパクトに保持するように構成された保存/分配モジュールなどの機能部を含み得る。
図3cに示されるような装置200は、ケーシング内に飲料容器(ボトルなど)をぴったりと保持するような寸法にされたボトルプラットフォームも含む。ボトルプラットフォームは、様々な高さのボトルに適するように調整可能であり得る。
図3cに示される実施形態は、ユーザが、ドア正面部分および/またはドア後部部分の近くの湾曲面の近くで、装置200を簡単に把持することを可能にする。
【0069】
第1の部分220は、以下を含む。分配吐出口222(これは分配メカニズムの一部を形成し得る)、照明のためのLED照明のリング224、飲料の保存および/または分配を起動するためのアクチュエータボタン226、所望の準大気圧を発生させるために配置されるポンプ組立体228、プリント回路板(PCB)230の形態のコントローラアセンブリ、ケーシング232、およびケーシング蓋部234。第1の部分220は、UV放射または照明を提供するためのLED照明236をさらに含んでもよい。
【0070】
PCBは、とりわけ、保存および/または分配機能、LED、チャンバ240の開閉、第2の部分260における様々な構成要素の制御等の制御のために、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路チップ(ICチップ)を含み得る。
【0071】
ポンプアセンブリ228は、飲料容器からの空気(保存状態)または飲料(分配状態)の引き出しを容易にするための、モータとシリンジとの組み合わせであってもよい。そのような構成は、比較的小さいフォームファクタを達成するのに有利である。また、分配状態において、シリンジを通過する飲料の味および品質に悪影響を及ぼさないように、シリンジは適切に殺菌され、比較的小さい表面積および容積を有する。
【0072】
モータとシリンジとは別々の機械的部品であるので、これらは、掃除および洗浄を容易にするために適切に切り離され得る。
【0073】
チャンバ240は、以下を含む。支持ピラー242、中心ケーシング244、アクリルドアバッキング246、アクリルドア248(二重壁の引戸アセンブリの形態)、後部ケーシング250、内部コンポーネント252。支持ピラー242は、第1の部分220をチャンバ240に接続するために使用され得る。装置200の審美的な見た目を提供するために、およびユーザが飲料容器120を見ることを可能にするために、チャンバ240の少なくとも一部または全体を透明であり得ることが想定される。ケーシング244、アクリルドアバッキング246、アクリルドア248、後部ケーシング250の少なくとも一部は、透明な材料から形成されてもよい。
【0074】
第2の部分260は、以下を含む。ドリップトレー格子262、トレー264、および底部ケーシング266。底部ケーシング266は、電気幹線または電力供給源への接続のための電源回路を含み得る。
【0075】
熱電冷却器アセンブリの一実施形態が、
図2bに示される。熱電冷却器アセンブリ280は、チャンバ240内の温度を調節するために、チャンバ240の一部に取り付けられる。熱電冷却器アセンブリ280は、ペルチェプレート282およびペルチェプレート284に対応する、2段階冷却アセンブリを備える。2段階冷却は、より小さいフォームファクタにおける以外は、通常の冷却器と同じ冷却効果を達成することができると想定される。言いかえれば、2つの単段冷却器は、より小さく、空間の節約をもたらすことができる。
【0076】
図4aは、ワインボトルキャップとしての形状および寸法にされた密閉部102の平面図を示す。ワインボトルキャップは、システム100および/または装置200に従って、ワインの保存および/または分配を達成するために、開栓されたワインボトルの再密閉に適しており、これに限定されない。図から分かるように、ワインボトルキャップは、それぞれの導管を受け入れるための、第1のチャネル112および第2のチャネル114を含む。第1のチャネル112および第2のチャネル114は、入れ替えられてもよく、明確さおよび例示の目的のためにのみ表示を付けられていることが認識され得る。あるいは、第1のチャネル112および第2の114は、異なるサイズの第1の導管および第2の導管を受け入れるために、異なる直径を有してもよい。密閉部は、酸素吸収パックを受け入れるような形状および寸法にされたコンパートメント410も備える。非限定的な例として、コンパートメント410は、約15ミリリットル(ml)の酸素吸収パックを受け入れるのに適していてもよい。
【0077】
密閉部502の別の実施形態が、
図4bに示される。
図4bに示される密閉部502は、3つの導管を受け入れるための3つのチャネルを備える。密閉部502は、異なる寸法の開口を有する飲料容器を収容するだけでなく、密閉部502のハーメチックシール特性を強化するために、摩擦強化リッジを有する形状にされ得る。密閉部502は、3つの導管が3つのチャネルから除去された場合に密閉部502を閉じるような形状にされた、ダックビル弁などの逆止弁も含むことができる。
【0078】
第1のチャネル112および第2のチャネルは、2つのチャネル112、114上に逆止ボール弁420を含んで、空気または流体が飲料容器へ流れ込むのを防止し得る。密閉部は、気密性を促進するために、シリコーンまたは他の適切な材料から、部分的にまたは全体的に形成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、第1の部分220は、異なる高さの飲料容器を収容するように、装置200の長手方向軸に沿った様々な位置間で摺動するための摺動可能なメカニズム(図示せず)を含み得る。摺動可能なメカニズムは、飲料容器への取り付けを容易にするために、密閉部102を保持するための密閉部ホルダまたはアタッチメントを適切に含んでもよい。
【0080】
本発明は、飲料の保存および分配のためのシステムおよび装置を提供する。保存は、ワインボトルなどの飲料容器内の酸素の量を少なくとも低減するための、化学に基づいた方法と真空技術との組み合わせを含むことが予想される。飲料容器からの空気の除去は、ボトルの上部空間から最大50%以上の空気を除去することとなり、したがって、飲料容器の上部空間内から、20%から10%以下の酸素含有量を低減することが想定される。酸素吸収剤(例えば鉄粉)の使用は、飲料容器内の酸素吸収剤と酸素との間の化学反応によって、残存する酸素を10%以下まで吸収することを目標とする。酸素吸収剤に利用される化合物は、食品医薬品局(FDA:food and drug administration)などの規制当局によって試験済みであり、食物および飲料(F&B:food and beverage)保存において広く使用され得ることが認識可能である。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1の部分220は、1つまたは複数の流体プレートを含む。流体プレートは、所望の保存状態および/または分配状態を達成するために、弁の制御を容易にするような形状および寸法にされる。各マイクロ流体プレートは、様々な機能を達成するための、1つまたは複数のマイクロ流体チップを含み得る。
【0082】
本発明の別の態様によれば、飲料を分配および保存するための方法600であって、a.保存状態に対応して、飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管を提供するステップ(ステップs602)と、b.分配状態に対応して、飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管を提供するステップ(ステップs604)と、c.第1の導管と第2の導管とに接続されたポンプアセンブリを提供するステップ(ステップs606)とを含み、ポンプアセンブリは、保存状態および分配状態において飲料容器内の準大気圧を発生させるように構成される、方法である。
【0083】
前述の方法は、システム100および/または装置200により達成され得る。飲料の保存および分配のためのそのような方法は、負圧、好ましくは真空を利用する、飲料の保存および分配を提供する。
【0084】
本発明は、アルコール飲料などの飲料の文脈において説明されてきたが、システム100および装置200は、他のタイプの飲料、特に、環境への露出に起因して品質が劣化し得る飲料に適し得ることが認識されるべきである。
【0085】
説明されたようなシステム100は、装置200として全体的に組み込まれてもよく、またはその逆でもよいことが認識されるべきである。
【0086】
図5a、
図5b、
図5c、
図5dおよび
図5eは、飲料の保存および分配のための別のシステム500の様々な実施形態を示す。システム500は、飲料容器520に取り付けるための密閉部502を備える。図内の矢印は気流を表す。
【0087】
図5aは、「受動保存」モードに基づいた実施形態を示す。「受動保存」モードにおいては、飲料容器520内の圧力を超大気圧へと増加させるために、ポンプアセンブリ508を介して飲料容器520に空気を導入するために配置される第1の導管504が備えられる。比較的より高い圧力下では、飲料容器520内の飲料は、第2の導管506を介して、分配用の分配メカニズムへ促される。第2の導管506は、典型的には、飲料中に浸され、または部分的に浸されて、飲料が第2の導管506内へ促されることを可能にする。第1のエアポンプ508aを備える、
図5aのポンプアセンブリ508は、酸素吸収剤フィルタ510と共に配置される。酸素吸収剤フィルタ510は、飲料容器520内の飲料が分配されるように促すために、第1のエアポンプ508aが飲料容器520内に正圧を提供する間に、酸素を吸収するように動作可能である。
【0088】
分配モードにおいて、第1のエアポンプ508aが起動され、周囲環境からの第1の導管504へ空気を圧送する。空気は、逆止弁を通って飲料容器520内へ入り得る。酸素吸収剤を有する酸素フィルタ510は、酸素フィルタ510を通り抜ける圧送された空気をフィルタリングする。
【0089】
フィルタリングされた(酸素が最小限にされた)空気は、飲料容器520へ圧送され、したがって、飲料容器520内の圧力を増加させる。飲料(例えばワイン)は、第2の導管を上るように促され、例えば、吐出メカニズムを介して分配される。
【0090】
飲料が分配されるごとに、ボトル内の酸素の割合が低減され得る。飲料が分配されるにつれて、フィルタリングされた空気(より少ない酸素の割合を有する)は、分配された飲料の容積に置き換わり、そのため、飲料容器520内の実際の酸素量は比較的一定のままであるが、飲料容器520の上部空間内の酸素の合計割合は減少するのに有利である。言いかえれば、飲料容器520へのフィルタリングされた空気の導入に起因して、上部空間内の酸素の全体的な割合が低減される。
【0091】
図5bは、システム500の別の実施形態を示す。受動保存状態に対応して、飲料容器520へ空気を圧送するために配置される第1の導管504と、分配状態に対応して、飲料容器からの飲料の抽出を容易にするために配置される第2の導管506とに加えて、システム500は、飲料容器520からの空気の除去を容易にするための第3の導管507をさらに備える。第1のポンプ508aに加えて、ポンプアセンブリ508は、第3の導管507に接続された第2のポンプ508bを備える。第2のエアポンプ508bは、飲料容器520から空気(特に、上部空間内の空気)を除去し、除去された空気を酸素吸収剤フィルタ510へリダイレクトするように構成される。リダイレクトされた空気は、次いで、飲料容器520の上部空間へ圧送されて、分配のために飲料容器520内の圧力を増加させる。第2のエアポンプ508bが循環ポンプとして機能することが、認識可能である。
【0092】
図5bに示されるシステム500は、能動保存と受動保存との両方を提供するのに有利である。上部空間内の空気からの酸素の提供によって容易となる能動保存は、飲料の香りおよび風味の保持を提供する。これは、ワインなどの一定のタイプの飲料について重要な検討事項となり得る。
【0093】
図5cは、第1のポンプ508aを介して第1の導管504に入る空気から他の微粒子を除去するために、活性炭フィルタプレート530などの付加的なフィルタを有するシステム500の別の実施形態を示す。活性炭フィルタプレートは、所定のサイズ/所定の範囲のサイズの粒子を除去するための微粒子フィルタとして作用する。これにより、システムにおいて望まれない、空気中の汚染物質、胞子、および微生物を除去することができる。
【0094】
フィルタに加えて、紫外線発光ダイオード(LED)ランプなどの紫外線源532が、システム500内の微生物を低減するために設置されてもよい(
図5bおよび
図5c参照)。紫外線源532は、導管およびポンプに対して並列構成で配置され得る。
【0095】
図5cに示される飲料の分配は、
図5aおよび
図5bにおいて説明されるような同様のメカニズムを介して達成される。分配状態においては、正圧が、第1のエアポンプ508aを介して、フィルタリングされた空気によって提供されて、飲料を吐出口などの出口の外へと促す。
【0096】
図5bおよび
図5cの実施形態は、循環を介してさらなる保存を提供するのに有利である。すなわち、ボトルが最初にシステムに配置されるときにボトル内にある初期酸素量は、酸素が低減された空気により急速に除去され、置き換えられ、したがって、システム500が起動されるとすぐに、ワインとの反応の可能性を除去する。
図5bと
図5cとの両方の保存モードにおいて、空気は、保存モード下で比較的一定の圧力に維持されること、すなわち、第1の導管504を介して飲料容器に入る空気の量と、第3の導管507を介して飲料容器から出る空気の量とは、比較的一定になるように調節され得ることが想定される。
【0097】
図5aから
図5cに示されるように、任意選択の逆止弁V5、V6は、それぞれ第1のエアポンプ508aと密閉部502との間、および第3の導管507と吐出口との間に位置付けられ得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、システム500における酸素の存在を検出するために、1つまたは複数の酸素センサが、システム500内に位置付けられてもよい。酸素吸収剤フィルタ510を通過するフィルタリングされた空気が、所定のレベルよりも高い酸素を有することをセンサが検出した場合、ポンプアセンブリ508は、酸素レベルが許容可能になるまで、フィルタ510を通じて空気を圧送または循環させるように構成され得る。検出されたレベルよりも高い酸素は、フィルタの1つまたは複数の構成要素が置換される必要があることを示し得る。さらに、または代替案として、フィルタが保全または交換されることを必要とする前に、フィルタの残りの寿命を推定するために、フィルタが最後に交換されてからの日数を数えるためのカウンタが、制御回路に組み込まれてもよい。
【0099】
図5dは、保存状態と分配状態との両方に関連して、ボトル520への気流を制御するための単一のエアポンプ508を有するシステム500の別の実施形態を示す。
図5dの実施形態は、単一のポンプ508のみを使用して、能動保存モードおよび分配モードを提供するのに有利である。電磁弁540などの弁は、飲料容器520への気流を制御または調節するために配置される。第1のフィルタモジュール、すなわち、酸素フィルタ510は、単一のエアポンプ508とボトルキャップ/密閉部502との間に配置され、または位置付けられる。炭素フィルタなどの、ただし、これに限定されない、第2のフィルタモジュール530は、空気が電磁弁540およびエアポンプ508を通過する前に、システム500に入る環境空気をフィルタリングするために配置され、または位置付けられ得る。他の実施形態と同様に、紫外線発光ダイオード(LED)ランプなどの紫外線源532が、システム500内の微生物を低減するために設置されてもよく、導管504、507および単一のポンプ508に対して並列構成で配置されてもよい。
【0100】
保存モード下では、空気は、エアポンプ508を介してシステム500へ引き込まれ、導入されることになる。システム500へ導入された空気は、炭素フィルタ530、電磁弁540を通過し、次いで、酸素吸収剤フィルタ510へ向けられることになる。フィルタリングされた空気は、第1の導管504を介して飲料容器520へ向けられ、第3の導管507を介してエアポンプ508へ再循環され、第1の導管504を介して飲料容器520へ再度導入されることになる。そのような構成は、飲料容器520内の酸素の量を経時的に低減し、したがって、所望の保存を達成することが予想される。
【0101】
図5a、
図5b、
図5c、および
図5dの実施形態に関連付けられる分配モードにおいて、起動ボタン560は、エアポンプ508および酸素吸収剤フィルタ510を通じて、周囲環境から空気を引き込むために、エアポンプ508および/または電磁弁540を起動するために使用されることになり、それによって、吐出口などの分配メカニズムを通じて第2の導管506を介してワインを外へ促すために、ボトル520において超大気圧を作り出すことが想定される。
【0102】
いくつかの実施形態において、マイクロコントローラが、保存および分配のために、エアポンプ508および電磁弁540を制御するために存在する。
【0103】
図5eは、酸素吸収剤フィルタ510がボトルキャップ502内に配設される、別の可能なバリエーションを示す。そのような実施形態において、酸素吸収剤フィルタ510は、第1の導管504から出る空気が密閉部502内の酸素吸収フィルタを通過するように向けられるように、配置され得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、システム500は、密閉部502と共に、ワインボトルとの接続のための携帯可能ユニットを形成し得る。システム全体が、冷蔵庫などの温度調節される環境内に、まとめて置かれることが可能である。
【0105】
システム500は、
図2ならびに
図3a、
図3bおよび
図3cに描かれる装置200などの、飲料の保存および分配のための装置の一部を形成し得る。本装置は、ワインの保存および分配に適し得る。
【0106】
別の態様/実施形態によれば、および
図7を参照すると、飲料を分配および保存するための方法700であって、a.保存状態に対応して、飲料容器へフィルタリングされた空気を導入するために配置される第1の導管を提供するステップ(ステップS720)と、b.分配状態に対応して、飲料容器から分配メカニズムへ飲料を促すために配置される第2の導管を提供するステップ(ステップS740)と、c.第1の導管および第2の導管に接続されるポンプアセンブリを提供するステップ(ステップS760)とを含み、ポンプアセンブリは、保存状態および分配状態において飲料容器内に超大気圧を発生させるように構成される、方法である。
【0107】
システム100およびシステム500の様々な特徴は、本発明の意図された範囲内に収まる、さらなる実施形態を形成するために、組み合わされ得ることが想定される。
【0108】
新規の、改善された分配および保存システムおよび装置が、当業者によって理解されるように、十分な詳細事項と共に本明細書において説明されてきたことは、ここで明らかであろう。さらに、様々な変形、バリエーション、代替物および均等物が、本発明の範囲から物質的に逸脱しない装置およびシステムの特徴について存在することが、当業者には明らかであろう。
【0109】
代替案または代替品ではなく、上述した特徴のバリエーションおよび組み合わせは、本発明の意図された範囲内に収まる、さらなる実施形態を形成するために組み合わされ得ることが、当業者によってさらに認識されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、第1の導管
、第2の導管
および第3の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネル
、第2のチャネル
および第3のチャネルを有する、密閉部と、
前記第1の導管を通じて空気を向けるように構成され
たポンプ
アセンブリと、
保存状態において前記第1の導管を通過して前記飲料容器へ入れられるべき前記空気と流体接触または流体連通するように配置された第1のフィルタモジュール
と、
前記飲料容器内の飲料が
圧力を受けた場合に、前記飲料を分配用の分配メカニズムへ促すように配置される第2の導管とを備え、
前記第3の導管は前記ポンプアセンブリを介して前記飲料容器から空気抽出のための弁に連結されており、前記ポンプアセンブリは前記第1の導管に前記抽出空気をリダイレクトするように構成される、システム。
【請求項2】
前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記ポンプ
アセンブリは、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のフィルタモジュールは、酸素吸収フィルタを含む、請求項
1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
紫外線放射を前記第1のフィルタモジュール、前記第2のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ向けるように配置された紫外線殺菌モジュールをさらに備える、請求項
2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプアセンブリへの空気の逆流を防止するため
の逆止弁をさらに備える、請求項
2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のフィルタモジュールおよび前記第2のフィルタモジュールのうちの少なくとも1つは、前記密閉部に一体化される、請求項
3に記載のシステム。
【請求項7】
前記システム中に酸素の存在を検出するための1以上の酸素センサをさらに備える請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
飲料の保存および分配のための装置であって、
ポンプアセンブリ、第1のフィルタモジュールおよび分配メカニズムを収容するためのハウジングユニットであって、
前記
ポンプアセンブリは、第1の導管に空気を通過させるように構成され、前記第1のフィルタモジュールは、
保存状態において飲料容器を通過させるべき空気と流体接触して配置さ
れ、第2の導管は、前記飲料容器が
圧力を受けた場合に、飲料を前記分配メカニズムへ促すように配置さ
れ、
飲料容器へ取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、前記第1の導
管、前記第2の導管
および第3のチャネルをそれぞれ受け入れるための第1のチャネル、第2のチャネル
および第3の導管を有する、密閉部とを備え、
前記第3の導管は前記ポンプアセンブリを介して前記飲料容器から空気抽出のための弁に連結されており、前記ポンプアセンブリは前記第1の導管に前記抽出空気をリダイレクトするように構成される、装置。
【請求項9】
前記ハウジングユニットは、第2のフィルタモジュールをさらに収容し、前記第2のフィルタモジュールは、前記第1のフィルタモジュールと直列に配置される、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記
ポンプアセンブリは、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項
8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングユニットは、前記第1のフィルタモジュール、前記第2のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ紫外線放射を向けるように配置される紫外線殺菌モジュールをさらに収容する、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部と、
保存状態に対応して、前記飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管と、
分配状態に対応して、前記飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管と、
前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリとを備え、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に
圧力を発生させるように構成される、システム。
【請求項13】
前記飲料容器は、ボトルであり、前記密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ボトルキャップは、前記第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、前記第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含む、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ボトルキャップは、前記ボトルへの空気の通過を防止するために、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む、請求項
13に記載のシステム。
【請求項16】
飲料を分配および保存するための方法であって、
a.保存状態に対応して、フィルタリングされた空気を飲料容器へ導入するために配置される第1の導管を提供するステップと、
b.分配状態に対応して、飲料を前記飲料容器から分配メカニズムへ促すために配置される第2の導管を提供するステップと、
c.前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップと、
d.前記ポンプアセンブリにより前記飲料容器から空気を抽出するように配置された第3の導管を提供するステップであって、前記ポンプアセンブリは第1のフィルタモジュールを介して第1の導管へ抽出された空気をリダイレクトするように構成されるステップと、を含み、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に
圧力を発生させるように構成される、方法。
【請求項17】
前記第1のフィルタモジュールは、酸素吸収フィルタを含む請求項16記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
第1の導管104および/または第2の導管106は、それぞれ第1のチャネル112および第2のチャネル114を通じて挿入される透明な可撓性チューブであり得る。第1の導管104は、ポンプアセンブリ108に接続される。弁V1は、第1の導管104とポンプアセンブリ108との間の空気の流れを制御するために、第1の導管104とポンプアセンブリ108との間の適切な位置に位置付けられる。第2の導管106は、分配メカニズム130に接続される。弁V3は、第2の導管106と分配メカニズム130との間の飲料の流れを制御するために、第2の導管106と分配メカニズム130との間の適切な位置に位置付けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
分配メカニズム130は、開口132への飲料の流れを容易にするために漏斗のような形状であり得る。開口132から出る飲料の流れは、弁V4によって制御され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
ポンプアセンブリ108は、第3の導管107を介して分配メカニズム130に接続され得る。弁V2は、ポンプアセンブリ108と分配メカニズム130との間の空気の流れを制御するために、ポンプアセンブリ108と分配メカニズム130との間の適切な位置に位置付けられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
システム100の様々な態様、特に、弁V1、弁V2、弁V3および弁V4の制御は、1つまたは複数のコントローラボード(図示せず)によって実現され得る。コントローラボードは、マイクロプロセッサや、圧力センサ、温度センサ、光センサを含む1つまたは複数のセンサ等を含み得る、電子ベースのコントローラボードであり得る。電子ボードは、ボタンなどのアクチュエータ、電源管理ユニット(例えばバッテリパック)、および照明ユニット(例えばLED照明)を含み得る。コントローラボードは、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)として実装されてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
保存状態において、ポンプアセンブリ108は、ボトル120から空気を除去するためのバキュームポンプとして機能する。弁V1は、ボトル120から空気が引き出されることを容易にするために開弁される。飲料容器120内の気圧は、約0.5バール以下に維持され得る。そのような構成は、ボトル120内の酸素の量を低減するのに有利であり、飲料の酸化率を最小限にする。また、密閉部102内に保持される酸素吸収剤は、酸素除去をさらに支援する。弁V1およびポンプアセンブリ108の動作は、圧力センサによって決定され得る。例えば、圧力センサによって検出されるような、飲料容器120内の圧力が、0.5バールまたは任意の他の所定の値を超える場合に、弁V1およびポンプアセンブリ108の動作が起動され得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
分配状態において、弁V1は閉弁されている。弁V2は、分配メカニズム130内の圧力を低下させるように開弁される(弁V3およびV4は、この時点においては閉弁されている)。分配メカニズム130内の圧力が、飲料容器120内の圧力よりも低い所望のレベルまたは所定のレベルに適切に低下させられると、弁V2が開弁されたままになる。次いで、弁V3が開弁され、飲料容器120と分配メカニズム130との間に生成される圧力差が理由で、飲料が、飲料容器120から分配メカニズム130へ流れることになる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
所望の容積の飲料を分配すると、弁V3は、さらなる飲料が分配メカニズム130に入ることを防止するために、閉弁されることになる。その結果、任意の時に、ユーザは、ユーザによる消費のために、分配メカニズム130から飲料を放出するために弁V4を開弁し得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
装置200は、円筒形の構造の形態に小型化され得る。第1の部分220、チャンバ240、および第2の部分260は、小型の装置を形成するような形状および寸法にされ得る。小型の装置は、携帯可能であり、簡単に持ち運ばれ、輸送され得る。いくつかの実施形態において、小型の装置は、ユーザの手によって簡単に把持および保持されように適合された湾曲部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、小型の装置は、円筒形の装置であってもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、第1の導管、第2の導管および第3の導管をそれぞれ受け入れるための第1のチャネル、第2のチャネルおよび第3のチャネルを有する、密閉部と、
前記第1の導管を通じて空気を向けるように構成されたポンプアセンブリと、
保存状態において前記第1の導管を通過して前記飲料容器へ入れられるべき前記空気と流体接触または流体連通するように配置された第1のフィルタモジュールと、
前記飲料容器内の飲料が圧力を受けた場合に、前記飲料を分配用の分配メカニズムへ促すように配置される第2の導管とを備え、
前記第3の導管は前記ポンプアセンブリを介して前記飲料容器から空気抽出のための弁に連結されており、前記ポンプアセンブリは前記第1の導管に前記抽出空気をリダイレクトするように構成される、システム。
【請求項2】
前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記ポンプアセンブリは、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のフィルタモジュールは、酸素吸収フィルタを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
紫外線
照射を前記第1のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ向けるように配置された紫外線殺菌モジュールをさらに備える、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプアセンブリへの空気の逆流を防止するための逆止弁をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のフィルタモジュー
ルは、前記密閉部に一体化される、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記システム中に酸素の存在を検出するための1以上の酸素センサをさらに備える請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
飲料の保存および分配のための装置であって、
ポンプアセンブリ、第1のフィルタモジュールおよび分配メカニズムを収容するためのハウジングユニットであって、
前記ポンプアセンブリは、第1の導管に空気を通過させるように構成され、前記第1のフィルタモジュールは、保存状態において飲料容器を通過させるべき空気と流体接触して配置され、第2の導管は、前記飲料容器が圧力を受けた場合に、飲料を前記分配メカニズムへ促すように配置され、
飲料容器へ取り付けるための密閉部であって、前記密閉部は、前記第1の導管、前記第2の導管および第3のチャネルをそれぞれ受け入れるための第1のチャネル、第2のチャネルおよび第3の導管を有する、密閉部とを備え、
前記第3の導管は前記ポンプアセンブリを介して前記飲料容器から空気抽出のための弁に連結されており、前記ポンプアセンブリは前記第1の導管に前記抽出空気をリダイレクトするように構成される、装置。
【請求項9】
前記ハウジングユニットは、第2のフィルタモジュールをさらに収容し、前記第2のフィルタモジュールは、前記第1のフィルタモジュールと直列に配置される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第3の導管は、前記第1のフィルタモジュールと流体連通して配置され、前記ポンプアセンブリは、前記抽出された空気を前記第1のフィルタモジュールを介して前記第1の導管へリダイレクトするように構成される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングユニットは、前記第1のフィルタモジュール、前記第2のフィルタモジュール、および前記第1の導管へ紫外線放射を向けるように配置される紫外線殺菌モジュールをさらに収容する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
飲料の保存および分配のためのシステムであって、
飲料容器に取り付けるための密閉部と、
保存状態に対応して、前記飲料容器から空気を除去するために配置される第1の導管と、
分配状態に対応して、前記飲料容器から飲料を抽出するために配置される第2の導管と、
前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリとを備え、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に圧力を発生させるように構成される、システム。
【請求項13】
前記飲料容器は、ボトルであり、前記密閉部は、ボトルキャップの少なくとも一部を形成する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ボトルキャップは、前記第1の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第1のチャネルと、前記第2の導管を受け入れるような形状および寸法にされた第2のチャネルとを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ボトルキャップは、前記ボトルへの空気の通過を防止するために、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルのうちの少なくとも1つの近くに位置付けられる少なくとも1つの逆止弁を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
飲料を分配および保存するための方法であって、
a.保存状態に対応して、フィルタリングされた空気を飲料容器へ導入するために配置される第1の導管を提供するステップと、
b.分配状態に対応して、飲料を前記飲料容器から分配メカニズムへ促すために配置される第2の導管を提供するステップと、
c.前記第1の導管と前記第2の導管とに接続されるポンプアセンブリを提供するステップと、
d.前記ポンプアセンブリにより前記飲料容器から空気を抽出するように配置された第3の導管を提供するステップであって、前記ポンプアセンブリは第1のフィルタモジュールを介して第1の導管へ抽出された空気をリダイレクトするように構成されるステップと、を含み、
前記ポンプアセンブリは、前記保存状態および前記分配状態において前記飲料容器内に圧力を発生させるように構成される、方法。
【請求項17】
前記第1のフィルタモジュールは、酸素吸収フィルタを含む請求項16記載の方法。
【国際調査報告】