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特表2023-532843アップリンク伝送のデフォルトの空間関係
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】アップリンク伝送のデフォルトの空間関係
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20230725BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230725BHJP
   H04W 72/21 20230101ALI20230725BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W16/28
H04W72/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575312
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 US2021040917
(87)【国際公開番号】W WO2022011159
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/101015
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/101784
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/102993
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/102957
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】100135105
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 直満
(72)【発明者】
【氏名】ワン,グォトン
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィドフ,アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】マンダル,ビシュワルプ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067CC01
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
5K067KK03
(57)【要約】
単一のDCI及び複数のDCIでのマルチTRP動作を可能にするシステム、デバイス及び方法について説明する。TRPについて単一のDCI又は複数のDCIがPUCCH伝送、PUSCH伝送及びSRS伝送に使用される。CORESET受信とPUCCH/PUSCH伝送又はSRS反復との間に空間関係が提供される。関連付けは様々なレベルで定義され、デフォルトの空間関係はRRCシグナリングによって示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信ポイント(TRP)の装置であって、
前記TRPを含む複数のTRPについて、複数のダウンリンク制御情報(DCI)がユーザ機器(UE)とのマルチTRP動作に使用されると決定することと、
アップリンク(UL)伝送に使用される空間関係の数を前記UEに示すことであり、前記UL伝送は、前記UEからの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)及びサウンディング参照信号(SRS)を含むUL伝送のセットから選択されることと、
制御リソースセット(CORESET)の受信と前記UL伝送との間の空間関係を前記UEに示すことであり、前記空間関係は、使用されている空間関係の数に依存し、前記空間関係は、単一の空間関係又は複数の空間関係のどちらが使用されるかに依存する関連付けに基づき、前記関連付けは、デフォルトの関連付け、明示的な関連付け、及び各TRPとCORESET又は伝送構成指示(TCI)状態のうち少なくとも1つとの間の暗黙的な関連付けであることと、
前記空間関係に基づいて前記UEから前記UL伝送を受信することと
を行うように構成された処理回路と、
前記空間関係を記憶するように構成されたメモリと
を含む装置。
【請求項2】
前記処理回路は、デフォルトのビーム動作が前記UL伝送に有効であるという決定に応じて、
PUCCH又はSRSの前記UEへの前記空間関係の更新の伝送を回避し、
PUCCHリソースが利用不可能である場合、或いは、PUCCHリソースが構成されているが構成された空間関係を有さない場合であっても、DCIフォーマットを介してPUSCHをスケジューリングするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
SRS伝送について、各SRSリソースが異なる空間関係に関連付けられ、
どのCORESETプールがSRSリソース若しくはSRSリソースセットに関連するかを示す無線リソース制御(RRC)パラメータassociatedCORESETPool-SRS、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(MAC-CE)、又はスケジューリングPDCCHによる暗黙的な関連付けのうち少なくとも1つによって、それぞれの周期的、半永続的又は非周期的SRS伝送と異なるTRPとの関連付けが、SRSリソースレベル又はSRSリソースセットレベルで定義されること、又は
PUCCH伝送について、各PUCCHが異なる空間関係に関連付けられ、
どのCORESETプールがPUCCHリソースレベル、PUCCHリソースセットレベル若しくはPUCCHリソースグループレベルに関連するかを示すRRCパラメータassociatedCORESETPool-PUCCH、PUCCHリソースグループ識別子(ID)若しくはPUCCHリソースセットID、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(MAC-CE)、又はPUCCHリソースがDCIの1つによって示される場合にはスケジューリングPDCCHのCORESETプールによる暗黙的な関連付けのうち少なくとも1つによって、それぞれのPUCCHと異なるTRPとの関連付けが、PUCCHリソースレベル、PUCCHリソースセットレベル又はPUCCHリソースグループレベルで定義されること
のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
SRS伝送について
無線リソース制御(RRC)パラメータenableDefaultBeamPlForSRSが有効であり、前記空間関係がSRSに構成されていない場合、SRS伝送のデフォルトの空間関係が適用されることであり、
前記デフォルトの空間関係は、構成されたCORESETPoolindexがSRSに関連するCORESETプールと同じである1つ以上のCORESETが前記UEによって監視される最新のスロットにおいて、構成されたCORESETPoolindex及びSRSに関連するCORESETプールが同じであるCORESETの中で最低のインデックスのCORESETのTCI状態に従い、SRS伝送が存在しない場合、最新のスロットは対応するPUSCH伝送の前にあり、
SRSに関連するCORESETプールは、RRCパラメータassociatedCORESETPool-SRSで示されるか、或いは、SRSがDCIの1つによって示される場合にはスケジューリングCORESETと同じであり、DCIの1つによってトリガされる非周期的SRSについて、
前記デフォルトの空間関係は、スケジューリングCORESETのTCI状態に従い、SRSリソースに関連するCORESETプール内のアクティブな帯域幅部分(BWP)にCORESETが構成されていない場合、前記デフォルトの空間関係は、SRSリソースに関連するCORESETプール内の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の最低のTCI識別子(ID)を有するアクティブなTCI状態に従うこと、又は
PUCCH伝送について、
RRCパラメータenableDefaultBeamPlForPUCCHが有効であり、前記空間関係がPUCCHに構成されていない場合、PUCCH伝送のデフォルトの空間関係が適用されることであり、
前記デフォルトの空間関係は、構成されたCORESETPoolindexがPUCCHに関連するCORESETプールと同じである1つ以上のCORESETが前記UEによって監視される最新のスロットにおいて、構成されたCORESETPoolindex及びPUCCHに関連するCORESETプールが同じであるCORESETの中で最低のインデックスのCORESETのTCI状態に従い、
PUCCHに関連するCORESETプールは、RRCパラメータassociatedCORESETPool-PUCCHで示されるか、或いは、PUCCHがDCIの1つによって示される場合にはスケジューリングCORESETと同じであり、
前記デフォルトの空間関係は、スケジューリングCORESETのTCI状態に従い、SRSリソースに関連するCORESETプール内のアクティブな帯域幅部分(BWP)にCORESETが構成されていない場合、前記デフォルトの空間関係は、PUCCHに関連するCORESETプール内のPDSCHの最低のTCI IDを有するアクティベートされたTCI状態に従うこと
のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
無効に設定された無線リソース制御(RRC)パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0について、
前記処理回路は、PUCCHリソースが空間関係で構成されていないRRCパラメータCORESETPoolIndexによって示される前記TRPの1つからのDCIフォーマット0_0によって生じる前記UEのスケジューリングを回避するように構成され、前記TRPの前記1つに対して空間関係で構成された少なくとも1つのPUCCHリソースが存在する場合、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHの空間関係は、RRCパラメータCORESETPoolIndex及びassociatedCORESETPool-PUCCHによって示される前記TRPの前記1つに対して最低のリソース識別情報(ID)を有するPUCCHリソースの空間関係に従うこと、
PUCCHリソースがスケジューリングTRP上に構成されているか否かにかかわらず、且つ、スケジューリングTRP上に構成されたPUCCHリソースが特定の空間関係で構成されているか否かにかかわらず、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係は、最低のIDを有するCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、スケジューリングCORESETのCORESETプールと同じCORESETプール内の最低のIDを有するCORESETのTCI状態、又はスケジューリングCORESETのTCI状態のうち1つに従うこと
のうち1つであり、
有効に設定されたRRCパラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0について、
DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHの前記デフォルトの空間関係は、最低のIDを有するCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、スケジューリングCORESETのCORESETプールと同じCORESETプール内の最低のIDを有するCORESETのTCI状態に従うこと、
DCI 0_0によってスケジューリングされたPUSCHの前記デフォルトの空間関係は、スケジューリングCORESETのTCI状態に従うこと、又は
スケジューリングCORESETを伝送するスケジューリングTRPにPUCCHリソースが構成されていない場合、前記デフォルトの空間関係は、最低のIDを有するCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、スケジューリングCORESETのCORESETプールと同じCORESETプール内の最低のIDを有するCORESETのTCI状態に従い、PUCCHリソースが構成されているがスケジューリングTRPにおける空間関係がない場合、前記デフォルトの空間関係は、スケジューリングTRP上のPUCCHリソースの前記デフォルトの空間関係に従うこと
のうち1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
0_0以外のDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCHについて、PUSCHの前記空間関係は、1つのみのSRSリソースが構成されている場合、SRSリソースインジケータ(SRI)によって示されるSRSリソース又は無線リソース制御(RRC)パラメータによって構成されたSRSリソースの空間関係に従い、
RRCパラメータenableDefaultBeamPlForSRSが「有効」に設定されている場合、PUSCH伝送は対応するSRSリソースのデフォルトの空間関係に従い、SRS伝送が存在しない場合、SRSがPUSCH伝送の最初のスロットで伝送されると仮定して、デフォルトのSRS空間関係が導出される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
全てのDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCH伝送について、デフォルトのビーム動作は無線リソース制御(RRC)enableDefaultBeamPlForPUSCHによって示され、
RRC enableDefaultBeamPlForPUSCHが有効に設定されている場合、PUSCH伝送のデフォルトの空間関係は、
1つのみのSRSリソースが構成されている場合、SRSリソースインジケータ(SRI)によって示されるSRSリソース又はRRCパラメータによって構成されるSRSリソース、
スケジューリングCORESETと同じCORESETプールに関連する、最低のリソース識別情報(ID)を有するPUCCHリソースの空間関係、
最低のIDを有するCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、スケジューリングCORESETのCORESETプールと同じCORESETプール内の最低のIDを有するCORESETのTCI状態、又は
スケジューリングCORESETのTCI状態
のうち1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
DCI内のSRS要求フィールドのコードポイントによって示されるSRSトリガ状態は、
SRS要求フィールドのコードポイントが異なるTRP毎に異なるSRSリソースセットをトリガするように、TRP固有であること、又は
同じSRSリソースセットをトリガするが、異なるTRPについて異なるスロットオフセットを有すること
のうち1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
各SRSとTRP間の関連付けが、SRSリソースセットレベル若しくはSRSリソースレベル又は無線リソース制御(RRC)パラメータassociatedCORESETPool-SRSで定義されること、
複数のSRSリソースセットが同じ使用法について構成されており、同じ使用法がコードブックベースの伝送、非コードブックベースの伝送、アンテナスイッチング及びビーム管理を含むセットから選択されること、
同じ使用法を用いたSRSリソースセットが異なるTRPに関連すること、
コードブックベースの伝送について、PUSCH伝送をスケジューリングするとき、SRSリソースインジケータ(SRI)フィールドが、スケジューリングTRPに関連するSRSリソースセット内の特定のSRSリソースを示すか、或いは、DCIの1つがSRSリソースセットを示すこと、又は
非コードブックベースの伝送について、異なるTRPによる異なるチャネル状態情報リソース(CSI-RS)リソース伝送が、異なるSRSリソースセットに関連し、SRIフィールド又はDCIの1つのフィールドは、スケジューリングTRPに関連するSRSリソースセット内の1つ以上のSRSリソースを示すこと
である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
PUSCH伝送について、
前記処理回路が、スクランブリングシーケンスを適用し、PUSCH-Configメッセージ内の無線リソース制御(RRC)パラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHにおいてスクランブリングシーケンスを前記UEに示すように構成されること、
前記処理回路が、0に等しいCORESETPoolIndexを有するCORESETによってPUSCH伝送がスケジューリングされている場合、PUSCHスクランブリングにRRCパラメータdataScramblingIdentityPUSCHを適用するように構成されること、
前記処理回路が、1に等しいCORESETPoolIndexを有するCORESETによってPUSCH伝送がスケジューリングされている場合、PUSCHスクランブリングにRRCパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHを適用するように構成されること、
異なるTRPを対象とする時間領域変調PUSCH伝送反復が異なるシーケンスでスクランブリングされること、
各CORESETが異なるTRPに関連し、CORESETとTRPとの間の関連付けが無線リソース制御(RRC)パラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexによって示され、PUCCHスクランブリングがRRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexによって示されるPUSCH伝送によって対象となる前記TRPに依存すること、
PUSCH伝送の前記空間関係がSRSリソースインジケータ(SRI)によって示され、SRSとTRPとの間の関連付けがSRSリソース内のRRCパラメータassociatedTRP-SRS又はSRS空間関係情報によって示されるか、或いは、反復のあるPUSCH伝送について、特定のPUSCH反復がどのTRPを対象としており、特定のPUSCH反復にどのスクランブリングシーケンスが適用されるかが予め定義されるか或いは暗黙的であること、又は
どのスクランブリングシーケンスがPUSCH伝送に適用されるかが、スケジューリングCORESETによって識別され、0に等しいsingleDCI-CORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、既存のdataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用されるべきであり、1に等しいsingleDCI-CORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用されるべきであること
のうち少なくとも1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
送受信ポイント(TRP)の装置であって、
前記TRPを含む複数のTRPについて、単一のダウンリンク制御情報(DCI)がユーザ機器(UE)とのマルチTRP動作に使用されると決定することと、
反復のない物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)伝送について前記UEに指示することを行うように構成された処理回路であり、
無効に設定された無線リソース制御(RRC)パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0について、
PUCCHリソースが空間関係で構成されていない前記TRPの1つからDCIフォーマット0_0によるスケジューリングを想定せず、
前記TRPの前記1つに対して空間関係で構成された少なくとも1つのPUCCHリソースが存在する場合、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCH伝送の空間関係は、前記TRPの前記1つに対して最低のリソース識別情報(ID)を有するPUCCHリソースの空間関係に従い、
RRCパラメータenableDefaultBeamForPUSCHは、デフォルトのビーム動作がDCI 0_0以外のDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCH伝送に有効になっているか否かを示すこと、或いは、
有効に設定された無線リソース制御(RRC)パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0又はRRCパラメータenableDefaultBeamForPUSCHが有効に設定され、制御リソースセット(CORESET)が1つのみのアクティブな伝送構成指示(TCI)状態で構成されていることについて、PUSCH伝送のデフォルトの空間関係は、スケジューリングCORESETの1つのスケジューリングTCI状態、又は最低のIDのCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で最低のIDを有する最低のIDのCORESETの他のTCI状態に従うことと、
前記空間関係に基づいて前記UEからアップリンク(UL)伝送を受信することと
を行うように構成された処理回路と、
前記デフォルトの空間関係を記憶するように設定されたメモリと
を含む装置。
【請求項12】
1つのTRPに関連し、RRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexによって複数のアクティブなTCI状態で構成されたCORESETについて、TCIのアクティブなTCI状態は、前記1つのTRPに関連し、RRCパラメータassociatedTRP-TCIで構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
RRCパラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0又はenableDefaultBeamForPUSCHが有効に設定されている場合、UEが従うべき前記デフォルトの空間関係は、
スケジューリングCORESETと同じTRPに関連するスケジューリングTCI状態、
CORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、それぞれが複数のアクティブなTCI状態を有するCORESETの中で、最低のIDのCORESETの他のTCI状態であり、スケジューリングCORESETと同じTRPに関連する他のTCI状態、又は
CORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、それぞれが単一のアクティブなTCI状態を有するCORESETの中で、最低のIDのCORESETの他のTCI状態であり、スケジューリングCORESETと同じTRPに関連する他のTCI状態
である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
反復によって構成されたPUSCH伝送について、前記処理回路は、複数のデフォルトのビームがRRCパラメータenableMultipleDefaultBeamsForPUSCHを介して有効にされているか否かを示すように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
1つのTRPに関連し、RRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexによって1つのアクティブなTCI状態で構成されたCORESETについて、単一のアクティブなTCI状態は前記1つのTRPに関連し、RRCパラメータassociatedTRP-TCIで構成され、
反復のあるPUSCH伝送について、RRCパラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0又はenableMultipleDefaultBeamsForPUSCHが有効に設定されている場合、前記UEの前記デフォルトの空間関係は、
singleDCI-CORESETPoolIndexが0に設定されているCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態を使用して第1のデフォルトの空間関係に従い、singleDCI-CORESETPoolIndexが1に設定されているCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態を使用して第2のデフォルトの空間関係に従うこと、又は
PDSCH伝送のためにアクティベーションされる2つの異なるTCI状態を含むTCIコードポイントの中で、最低のコードポイントに対応するTCI状態に順順次従うこと
である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
1つのTRPに関連し、RRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexによって複数のアクティブなTCI状態で構成されたCORESETについて、アクティブなTCI状態は、前記1つのTRPに関連し、RRCパラメータassociatedTRP-TCIで構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
反復のあるPUSCH伝送について、RRCパラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0又はenableMultipleDefaultBeamsForPUSCHが有効に設定されている場合、前記UEの前記デフォルトの空間関係は、
最低のIDを有するCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内で、複数のアクティブなTCI状態を有するCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態、又は
PDSCH伝送のためにアクティベーションされる2つの異なるTCI状態を含むTCIコードポイントの中で、最低のコードポイントに対応するTCI状態、又は
スケジューリングCORESETが複数のアクティブなTCI状態で構成されている場合、スケジューリングCORESETのTCI状態
に順に従う、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
送受信ポイント(TRP)の1つ以上のプロセッサによって実行される命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令が実行されたとき、
前記TRPを含む複数のTRPについて、複数のダウンリンク制御情報(DCI)がユーザ機器(UE)とのマルチTRP動作に使用されると決定することと、
アップリンク(UL)伝送に使用される空間関係の数を前記UEに示すことであり、前記UL伝送は、前記UEからの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)及びサウンディング参照信号(SRS)を含むUL伝送のセットから選択されることと、
制御リソースセット(CORESET)の受信と前記UL伝送との間の空間関係を前記UEに示すことであり、前記空間関係は、使用されている空間関係の数に依存し、前記空間関係は、単一の空間関係又は複数の空間関係のどちらが使用されるかに依存する関連付けに基づき、前記関連付けは、デフォルトの関連付け、明示的な関連付け、及び各TRPとCORESET又は伝送構成指示(TCI)状態のうち少なくとも1つとの間の暗黙的な関連付けであることと、
前記空間関係に基づいて前記UEから前記UL伝送を受信することと
を行うように前記TRPを構成する、コンピュータプログラム。
【請求項19】
デフォルトのビーム動作が前記UL伝送に有効であるという決定に応じて、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令が実行されたとき、
PUCCH又はSRSの前記UEへの前記空間関係の更新の伝送を回避し、
PUCCHリソースが利用不可能である場合、或いは、PUCCHリソースが構成されているが構成された空間関係を有さない場合であっても、DCIフォーマットを介してPUSCHをスケジューリングすることを行うように前記TRPを更に構成する、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
0_0以外のDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCHについて、PUSCHの前記空間関係は、1つのみのSRSリソースが構成されている場合、SRSリソースインジケータ(SRI)によって示されるSRSリソース又は無線リソース制御(RRC)パラメータによって構成されたSRSリソースの空間関係に従い、
RRCパラメータenableDefaultBeamPlForSRSが「有効」に設定されている場合、PUSCH伝送は対応するSRSリソースのデフォルトの空間関係に従い、SRS伝送が存在しない場合、SRSがPUSCH伝送の最初のスロットで伝送されると仮定して、デフォルトのSRS空間関係が導出される、請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項18乃至20のうちいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本出願は、2020年7月9日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2020/101015号、2020年7月14日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2020/101784号、2020年7月20日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2020/102957号及び2020年7月20日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2020/102993号に対する優先権の利益を主張するものであり、それぞれの全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
実施形態は、第5世代(5G, 5th generation)/新無線(NR, new radio)システムにおける無線通信に関する。いくつかの実施例は、5Gシステムにおけるマルチ送受信ポイント(TRP, Transmission/Reception Point)動作に関する。
【背景技術】
【0003】
3GPP LTEシステム(LTE及びLTE-Advancedシステムを含む)の使用及び複雑さは、ネットワークリソースを使用するユーザ機器(UE)のデバイスのタイプの増加と、これらのUEで動作するビデオストリーミングのような様々なアプリケーションによって使用されるデータ量及び帯域幅の増加との双方により増加している。通信デバイスの数及び多様性の大幅な増加に伴い、特に5Gシステムの登場により、ルータ、スイッチ、ブリッジ、ゲートウェイ、ファイアウォール及びロードバランサを含む、対応するネットワーク環境がますます複雑化している。予想される通り、新たな技術の出現に伴い、多くの問題が山積している。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面において、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、異なる図面において同様の符号は同様のコンポーネントを記述することがある。異なる接尾文字を有する同様の符号は、同様のコンポーネントの異なるインスタンスを表すことがある。これらの図面は、本文書で議論されている様々な実施形態を、限定ではなく例として一般的に示す。
図1A】いくつかの態様によるネットワークのアーキテクチャを示す。
図1B】いくつかの態様による非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。
図1C】いくつかの態様による非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。
図2】いくつかの実施形態による通信デバイスのブロック図である。
図3A】いくつかの実施形態によるシングルダウンリンク制御情報(DCI, Downlink Control Information)TRP動作を示す。
図3B】いくつかの実施形態によるマルチDCI TRP動作を示す。
図4】いくつかの実施形態による媒体アクセス制御(MAC, medium access control)制御要素(MAC-CE, MAC control element)を示す。
図5】いくつかの実施形態による、半永続的サウンディング参照信号(SRS, sounding reference signal)の空間関係を更新するためのMAC-CEを示す。
図6】いくつかの実施形態に従って非周期的SRSの空間関係を更新するためのMAC-CEを示す。
図7】いくつかの実施形態によるSRSのデフォルトの空間関係の決定を示す。
図8】いくつかの実施形態による物理アップリンク制御チャネル(PUCCH, physical uplink control channel)のデフォルトの空間関係の決定を示す。
図9】いくつかの実施形態による物理アップリンク共有チャネル(PUSCH, physical uplink shared channel)のデフォルトの空間関係の決定を示す。
図10】いくつかの実施形態によるTRP固有のSRSトリガを示す。
図11】いくつかの実施形態による、異なるスロットオフセットを用いたTRP固有のSRSトリガを示す。
図12】いくつかの実施形態による、同じ使用法を用いたTRP固有のSRSトリガを示す。
図13】いくつかの実施形態による、マルチTRPにおける独立延期(independently-postponed)SRS伝送を示す。
図14】いくつかの実施形態による、複数のTRPによってトリガされるSRSの衝突処理を示す。
図15】いくつかの実施形態による、キャリアアグリゲーションにおいて同じ使用法を用いた複数のSRSリソースセットを示す。
図16】いくつかの実施形態による独立延期SRS伝送を示す。
図17】いくつかの実施形態によるSRS衝突処理を示す。
図18】いくつかの実施形態によるPUSCHスクランブリングを示す。
図19】いくつかの実施形態による他のPUSCHスクランブリングを示す。
図20】いくつかの実施形態による、反復のないPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。
図21】いくつかの実施形態による、反復のないPUSCHの他のデフォルトの空間関係を示す。
図22】いくつかの実施形態による、反復のあるPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。
図23】いくつかの実施形態による、反復のあるPUSCHの他のデフォルトの空間関係を示す。
図24】いくつかの実施形態による、反復のあるPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。
図25】いくつかの実施形態による、反復のあるPUSCHの他のデフォルトの空間関係
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明及び図面は、当業者が特定の実施形態を実施できるように特定の実施形態を十分に示す。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス的及び他の変更を組み込んでもよい。いくつかの実施形態の部分及び特徴は、他の実施形態の部分及び特徴に含まれてもよく或いは置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の実施形態は、特許請求の範囲の全ての利用可能な均等物を含む。
【0006】
図1Aは、いくつかの態様によるネットワークのアーキテクチャを示す。ネットワーク140Aは、3GPP LTE/4G及びNGネットワーク機能を含む。ネットワーク機能は、専用ハードウェア上の個別のネットワークエレメント、専用ハードウェア上で実行するソフトウェアインスタンス、及び/又は適切なプラットフォーム、例えば専用ハードウェア又はクラウドインフラストラクチャにインスタンス化された仮想化機能として実装できる。
【0007】
ネットワーク140Aは、ユーザ機器(UE, user equipment)101及びUE102を含むように示されている。UE101及び102は、スマートフォン(例えば、1つ以上のセルラネットワークに接続可能なハンドヘルド型タッチスクリーンモバイルコンピューティングデバイス)として示されているが、ポータブル(ラップトップ)若しくはデスクトップコンピュータ、無線ハンドセット、ドローン、又は有線及び/又は無線通信インタフェースを含む他のコンピューティングデバイスのような、いずれかのモバイル又は非モバイルコンピューティングデバイスも含んでもよい。UE101及び102は、ここでは併せてUE101と呼ばれることができ、UE101は、ここに開示の技術のうち1つ以上を実行するために使用できる。
【0008】
ここに記載の無線リンク(例えば、ネットワーク140A又は他の図示のネットワークで使用される)のいずれかは、いずれかの例示的な無線通信技術及び/又は標準に従って動作してもよい。いずれかのスペクトル管理方式は、例えば、専用のライセンススペクトル、アンライセンススペクトル、(ライセンス)共有スペクトル(2.3~2.4GHz、3.4~3.6GHz、3.6~3.8GHz及び他の周波数におけるライセンス共有アクセス(LSA, Licensed Shared Access)、並びに3.55~3.7GHz及び他の周波数におけるスペクトルアクセスシステム(SAS, Spectrum Access System)等)を含む。異なるシングルキャリア又は直交周波数領域多重(OFDM, Orthogonal Frequency Domain Multiplexing)モード(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタバンクベースのマルチキャリア(FBMC, filter bank-based multicarrier)、OFDMA等)、特に3GPP NRは、OFDMキャリアデータビットベクトルを対応するシンボルリソースに割り当てることによって使用されてもよい。
【0009】
いくつかの態様では、UE101及び102のいずれかは、モノのインターネット(IoT, Internet-of-Things)UE又はセルラIoT(CIoT, Cellular IoT)UEを含むことができ、これは、短期のUE接続を利用する低電力IoTアプリケーション用に設計されたネットワークアクセスレイヤを含むことができる。いくつかの態様では、UE101及び102のいずれかは、ナローバンド(NB, narrowband)IoT UE(例えば、eNB-IoT(Enhanced NB-IoT)UE及びFeNB-IoT(Further Enhanced)UE等)を含むことができる。IoT UEは、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN, public land mobile network)、近接型サービス(ProSe, Proximity-Based Service)若しくはデバイス対デバイス(D2D, device-to-device)通信、センサネットワーク又はIoTネットワークを介してMTCサーバ又はデバイスとデータを交換するために、マシン対マシン(M2M, machine-to-machine)又はマシンタイプ通信(MTC, machine-type communications)のような技術を利用できる。M2M又はMTCのデータ交換は、マシンによって開始されるデータ交換でもよい。IoTネットワークは、短期の接続で、(インターネットインフラストラクチャ内の)一意に識別可能な組み込みコンピューティングデバイスを含んでもよいIoT UEを相互接続することを含む。IoT UEは、IoTネットワークの接続を容易にするために、バックグラウンドアプリケーション(例えば、キープアライブメッセージ、状態更新等)を実行してもよい。いくつかの態様では、UE101及び102のいずれかは、eMTC(enhanced MTC)UE又はFeMTC(further enhanced MTC)UEを含むことができる。
【0010】
UE101及び102は、例えば無線アクセスネットワーク(RAN, radio access network)110と接続するように、例えば通信可能に結合するように構成されてもよい。RAN110は、例えば、E-UTRAN(Evolved Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) Terrestrial Radio Access Network)、NG RAN(NextGen RAN)又はいくつかの他のタイプのRANでもよい。
【0011】
UE101及び102は、それぞれ接続103及び104を利用し、接続103及び104のそれぞれは物理通信インタフェース又はレイヤを含む(以下に更に詳細に説明する)。この例では、接続103及び104は、通信結合を可能にするためのエアインタフェースとして示されており、GSM(Global System for Mobile Communications)プロトコル、CDMA(code-division multiple access)ネットワークプロトコル、PTT(Push-to-Talk)プロトコル、POC(PTT over Cellular)プロトコル、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)プロトコル、3GPP LTE(Long Term Evolution)プロトコル、第5世代(5G, fifth-generation)プロトコル、NR(New Radio)プロトコル等のようなセルラ通信プロトコルと整合性を取ることができる。
【0012】
一態様では、UE101及び102は、ProSeインタフェース105を介して通信データを更に直接交換してもよい。ProSeインタフェース105は、代替として、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH, Physical Sidelink Control Channel)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH, Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH, Physical Sidelink Discovery Channel)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH, Physical Sidelink Broadcast Channel)及び物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH, Physical Sidelink Feedback Channel)を含むがこれらに限定されない、1つ以上の論理チャネルを含むサイドリンク(SL, sidelink)インタフェースと呼ばれてもよい。
【0013】
UE102は、接続107を介してアクセスポイント(AP, access point)106にアクセスするように構成されることが示されている。接続107は、例えばいずれかのIEEE802.11プロトコルに準拠した接続のようなローカル無線接続を含むことができ、それに従ってAP106はワイヤレスフィデリティ(WiFi, wireless fidelity)(登録商標)ルータを含むことができる。この例では、AP106は、無線システムのコアネットワークに接続せずにインターネットに接続されることが示されている(以下に更に詳細に説明する)。
【0014】
RAN110は、接続103及び104を可能にする1つ以上のアクセスノードを含むことができる。これらのアクセスノード(AN, access node)は、基地局(BS, base station)、NodeB、進化型NodeB(eNB, evolved NodeB)、次世代NodeB(gNB, Next Generation NodeB)、RANノード等と呼ばれることができ、地理的領域(例えば、セル)内でカバレッジを提供する地上局(例えば、地上アクセスポイント)又は衛星局を含むことができる。いくつかの態様では、通信ノード111及び112は送受信ポイント(TRP, transmission/reception point)とすることができる。通信ノード111及び112がNodeB(例えば、eNB又はgNB)である例では、1つ以上のTRPがNodeBの通信セル内で機能することができる。RAN110は、マクロセルを提供するための1つ以上のRANノード、例えばマクロRANノード111と、フェムトセル又はピコセル(例えば、マクロセルと比較して小さいカバレッジ領域、小さいユーザ容量又は高い帯域幅を有するセル)を提供するための1つ以上のRANノード、例えば低電力(LP, low power)RANノード112とを含んでもよい。
【0015】
RANノード111及び112のいずれかは、エアインタフェースプロトコルを終端でき、UE101及び102の最初の接点とすることができる。いくつかの態様では、RANノード111及び112のいずれかは、無線ベアラ管理、アップリンク及びダウンリンク動的無線リソース管理及びデータパケットスケジューリング並びにモビリティ管理のような無線ネットワークコントローラ(RNC, radio network controller)機能を含むが、これらに限定されないRAN110の様々な論理機能を実現できる。一例では、ノード111及び/又は112のいずれかは、gNB、eNB又は他のタイプのRANノードとすることができる。
【0016】
RAN110は、S1インタフェース113を介してコアネットワーク(CN, core network)120に通信可能に結合されるように示されている。態様では、CN120は、進化型パケットコア(EPC, evolved packet core)ネットワーク、次世代パケットコア(NPC, NextGen Packet Core)ネットワーク又は他のタイプのCN(例えば、図1B~1Cを参照して示す)でもよい。この態様では、S1インタフェース113は、RANノード111及び112とサービングゲートウェイ(S-GW, serving gateway)122との間でトラフィックデータを搬送するS1-Uインタフェース114と、RANノード111及び112とMME121との間のシグナリングインタフェースであるS1モビリティ管理エンティティ(MME, mobility management entity)インタフェース115との2つの部分に分割される。
【0017】
この態様では、CN120は、MME121、S-GW122、パケットデータネットワーク(PDN, Packet Data Network)ゲートウェイ(P-GW, PDN Gateway)123及びホーム加入者サーバ(HSS, Home Subscriber Server)124を含む。MME121は、従来のサービング汎用パケット無線サービス(GPRS, General Packet Radio Service)サポートノード(SGSN, Serving GPRS Support Node)の制御プレーンと同様の機能でもよい。MME121は、ゲートウェイ選択及びトラッキングエリアリスト管理のように、アクセスにおけるモビリティ側面を管理してもよい。HSS124は、通信セッションのネットワークエンティティの処理をサポートするための加入関連情報を含む、ネットワークユーザのためのデータベースを含んでもよい。CN120は、モバイル加入者の数、機器の容量、ネットワークの構成等に依存して、1つ又は複数のHSS124を含んでもよい。例えば、HSS124は、ルーティング/ローミング、認証、認可、名前/アドレス解決、位置の依存関係等のサポートを提供できる。
【0018】
S-GW122は、RAN110へのS1インタフェース113を終端してもよく、RAN110とCN120との間でデータパケットをルーティングする。さらに、S-GW122は、RANノード間ハンドオーバのためのローカルモビリティアンカーポイントでもよく、また、3GPP間モビリティのためのアンカーを提供してもよい。S-GW122の他の役目は、合法的傍受、課金及びいくつかのポリシー実施を含んでもよい。
【0019】
P-GW123はPDNへのSGiインタフェースを終端してもよい。P-GW123は、インターネットプロトコル(IP, Internet Protocol)インタフェース125を介して、EPCネットワーク120と、アプリケーションサーバ184(或いはアプリケーション機能(AF, application function)と呼ばれる)を含むネットワークのような外部ネットワークとの間でデータパケットをルーティングしてもよい。P-GW123はまた、インターネット、IPマルチメディアサブシステム(IPS, IP multimedia subsystem)ネットワーク及び他のネットワークを含むことができる他の外部ネットワーク131Aに対してデータを通信できる。一般的に、アプリケーションサーバ184は、コアネットワーク(例えば、UMTSパケットサービス(PS, packet service)ドメイン、LTE PSデータサービス等)とIPベアラリソースを使用するアプリケーションを提供する要素でもよい。この態様では、P-GW123は、IPインタフェース125を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合されるように示されている。アプリケーションサーバ184はまた、CN120を介してUE101及び102のための1つ以上の通信サービス(例えば、VoIP(Voice-over-Internet Protocol)セッション、PTTセッション、グループ通信セッション、ソーシャルネットワーキングサービス等)をサポートするように構成できる。
【0020】
P-GW123はさらに、ポリシー実施及び課金データ収集のためのノードでもよい。ポリシー及び課金ルール機能(PCRF, Policy and Charging Rules Function)126は、CN120のポリシー及び課金制御要素である。いくつかの態様では、非ローミングシナリオにおいて、UEのインターネットプロトコル接続アクセスネットワーク(IP-CAN, Internet Protocol Connectivity Access Network)セッションに関連するホーム公衆陸上モバイルネットワーク(HPLMN, Home Public Land Mobile Network)に単一のPCRFが存在してもよい。トラフィックのローカルブレークアウトを有するローミングシナリオにおいて、HPLMN内のホームPCRF(H-PCRF, Home PCRF)と、訪問先公衆陸上モバイルネットワーク(VPLMN, Visited Public Land Mobile Network)内の訪問先PCRF(V-PCRF, Visited PCRF)との、UEのIP-CANセッションに関連する2つのPCRFが存在してもよい。PCRF126は、P-GW123を介してアプリケーションサーバ184に通信可能に結合されてもよい。
【0021】
いくつかの態様では、通信ネットワーク140Aは、ライセンス(5G NR)スペクトル及びアンライセンス(5G NR-U)スペクトルにおける通信を使用する5G新無線ネットワークを含む、IoTネットワーク又は5Gネットワークとすることができる。現在IoTを可能にしているものの1つは、ナローバンドIoT(NB-IoT, narrowband-IoT)である。アンライセンススペクトルでの動作は、デュアルコネクティビティ(DC, dual connectivity)動作と、アンライセンススペクトルでのスタンドアロンLTEシステムとを含んでもよい。これによれば、LTEベースの技術は、MulteFireと呼ばれるライセンススペクトルでの「アンカー」を使用せずに、アンライセンススペクトルでのみ動作する。ライセンススペクトル及びアンライセンススペクトルにおけるLTEシステムの更なる拡張動作は、将来のリリース及び5Gシステムにおいて期待されている。このような拡張動作は、NRサイドリンクV2X通信のためのサイドリンクリソース割り当て及びUE処理動作の技術を含むことができる。
【0022】
NGシステムアーキテクチャは、RAN110と5Gネットワークコア(5GC, 5G network core)120とを含むことができる。NG-RAN110は、gNB及びNG-eNBのような複数のノードを含むことができる。コアネットワーク120(例えば、5Gコアネットワーク又は5GC)は、アクセス及びモビリティ機能(AMF, access and mobility function)及び/又はユーザプレーン機能(UPF, user plane function)を含むことができる。AMF及びUPFは、NGインタフェースを介してgNB及びNG-eNBに通信可能に結合できる。より具体的には、いくつかの態様では、gNB及びNG-eNBは、NG-CインタフェースによってAMFに、NG-UインタフェースによってUPFに接続できる。gNB及びNG-eNBは、Xnインタフェースを介して相互に結合できる。
【0023】
いくつかの態様では、NGシステムアーキテクチャは、3GPP TS(Technical Specification)23.501(例えば、V15.4.0, 2018-12)によって提供される様々なノードの間の参照点を使用できる。いくつかの態様では、gNB及びNG-eNBのそれぞれは、基地局、モバイルエッジサーバ、スモールセル、ホームeNB等として実装できる。いくつかの態様では、5Gアーキテクチャにおいて、gNBはマスターノード(MN, master node)とすることができ、NG-eNBはセカンダリノード(SN, secondary node)とすることができる。
【0024】
図1Bは、いくつかの態様による非ローミング5Gシステムアーキテクチャを示す。特に、図1Bは参照点表現において5Gシステムアーキテクチャ140Bを示している。より具体的には、UE102はRAN110及び1つ以上の他の5GCネットワークエンティティと通信できる。5Gシステムアーキテクチャ140Bは、AMF132、セッション管理機能(SMF, session management function)136、ポリシー制御機能(PCF, policy control function)148、アプリケーション機能(AF, application function)150、UPF134、ネットワークスライス選択機能(NSSF, network slice selection function)142、認証サーバ機能(AUSF, authentication server function)144及び統合データ管理(UDM, unified data management)/ホーム加入者サーバ(HSS, home subscriber server)146のような、複数のネットワーク機能(NF, network function)を含む。
【0025】
UPF134は、データネットワーク(DN, data network)152への接続を提供でき、これは、例えば、オペレータサービス、インターネットアクセス又はサードパーティサービスを含むことができる。AMF132は、アクセス制御及びモビリティを管理するために使用でき、また、ネットワークスライス選択機能を含むことができる。AMF132は、UEベースの認証、許可、モビリティ管理等を提供してもよく、アクセス技術から独立してもよい。SMF136は、ネットワークポリシーに従って様々なセッションを設定及び管理するように構成できる。したがって、SMF136はセッション管理及びUEへのIPアドレスの割り当てを担ってもよい。SMF136はまた、データ転送のためにUPF134を選択して制御してもよい。SMF136は、UE101の単一のセッション又はUE101の複数のセッションと関連してもよい。これは、UE101が複数の5Gセッションを有してもよいことを意味する。異なるSMFが各セッションに割り当てられてもよい。異なるSMFの使用は、各セッションが個別に管理されることを可能にしてもよい。その結果、各セッションの機能は互いに独立してもよい。
【0026】
UPF134は、所望のサービスタイプに従って1つ以上の構成で配備でき、データネットワークと接続されてもよい。PCF148は、ネットワークスライシング、モビリティ管理及びローミングを使用してポリシーフレームワークを提供するように構成できる(4G通信システムにけるPCRFと同様)。UDMは、加入者プロファイル及びデータを記憶するように構成できる(4G通信システムにおけるHSSと同様)。
【0027】
AF150は、所望のQoSをサポートするために、ポリシー制御を担うPCF148にパケットフローに関する情報を提供してもよい。PCF148は、UE101のモビリティ及びセッション管理ポリシーを設定してもよい。このため、PCF148はパケットフロー情報を使用して、AMF132及びSMF136の適切な動作のための適切なポリシーを決定してもよい。AUSF144は、UE認証のためのデータを記憶してもよい。
【0028】
いくつかの態様では、5Gシステムアーキテクチャ140Bは、IPマルチメディアサブシステム(IMS, IP multimedia subsystem)168B及びコールセッション制御機能(CSCF, call session control function)のような複数のIPマルチメディアコアネットワークサブシステムエンティティを含む。より具体的には、IMS168BはCSCFを含み、CSCFはプロキシCSCF(P-CSCF, proxy CSCF)162BE、サービングCSCF(S-CSCF, serving CSCF)164B、緊急CSCF(E-CSCF, emergency CSCF)(図1Bに図示せず)又は問い合わせCSCF(I-CSCF, interrogating CSCF)166Bとして機能できる。P-CSCF102Bは、IMサブシステム(IMS, IM subsystem)168B内のUEの最初の接点となるように構成できる。S-CSCF164Bは、ネットワーク内のセッション状態を処理するように構成でき、E-CSCFは、緊急要求を正しい緊急センタ又はPSAPにルーティングするように、緊急セッションの特定の側面を処理するように構成できる。I-CSCF166Bは、そのネットワークオペレータの加入者、又はそのネットワークオペレータのサービスエリア内に現在位置するローミング加入者宛ての全てのIMS接続について、オペレータのネットワーク内の接点として機能するように構成できる。いくつかの態様では、I-CSCF166Bは他のIPマルチメディアネットワーク170E、例えば他のネットワークオペレータによって運用されるIMSに接続できる。
【0029】
いくつかの態様では、UDM/HSS146は、電話アプリケーションサーバ(TAS, telephony application server)又は他のアプリケーションサーバ(AS, application server)を含むことができるアプリケーションサーバ160Eに結合できる。AS160Bは、S-CSCF164B又はI-CSCF166Bを介してIMS168Bに結合できる。
【0030】
参照点表現は、対応するNFサービスの間に相互作用が存在できることを示している。例えば、図1Bは、N1(UE102とAMF132との間)、N2(RAN110とAMF132との間)、N3(RAN110とUPF134との間)、N4(SMF136とUPF134との間)、N5(PCF148とAF150との間、図示せず)、N6(UPF134とDN152との間)、N7(SMF136とPCF148との間、図示せず)、N8(UDM146とAMF132との間、図示せず)、N9(2つのUPF134の間、図示せず)、N10(UDMとSMF136との間、図示せず)、N11(AMF132とSMF136との間、図示せず)、N12(AUSF144とAMF132との間、図示せず)、N13(AUSF144とUDM146との間、図示せず)、N14(2つのAMF132の間、図示せず)、N15(非ローミングシナリオの場合のPCF148とAMF132との間、又はローミングシナリオの場合のPCF148と訪問先ネットワークとAMF132との間、図示せず)、N16(2つのSMFの間、図示せず)及びN22(AMF132とNSSF142との間、図示せず)の参照点を示している。図1Bに図示しない他の参照点表現も使用できる。
【0031】
図1Cは、5Gシステムアーキテクチャ140Cとサービスベースの表現とを示している。図1Bに示すネットワークエンティティに加えて、システムアーキテクチャ140Cはまた、ネットワーク公開機能(NEF, network exposure function)154及びネットワークリポジトリ機能(NRF, network repository function)156を含むことができる。いくつかの態様では、5Gシステムアーキテクチャはサービスベースとすることができ、ネットワーク機能の間の相互作用は、対応するポイントツーポイント参照点Ni又はサービスベースのインタフェースとして表されることができる。
【0032】
図1Cに示すように、いくつかの態様では、サービスベースの表現が、他の許可されたネットワーク機能がこれらのサービスにアクセスすることを可能にする制御プレーン内のネットワーク機能を表すために使用できる。これに関して、5Gシステムアーキテクチャ140Cは、Namf158H(AMF132によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nsmf158I(SMF136によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nnef158B(NEF154によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Npcf158D(PCF148によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nudm158E(UDM146によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Naf158F(AF150によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nnrf158C(NRF156によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nnssf158A(NSSF142によって公開されるサービスベースのインタフェース)、Nausf158G(AUSF144によって公開されるサービスベースのインタフェース)のサービスベースのインタフェースを含むことができる。図1Cに図示しない他のサービスベースのインタフェース(例えば、Nudr、N5g-eir及びNudsf)も使用できる。
【0033】
NR-V2Xアーキテクチャは、ランダムなパケット到着時間及びサイズでの周期的及び非周期的な通信を含む、様々なトラフィックパターンを有する高信頼性低遅延サイドリンク通信をサポートしてもよい。ここに開示の技術は、サイドリンクNR V2X通信システムを含む動的なトポロジを有する分散通信システムにおいて高信頼性をサポートするために使用できる。
【0034】
図2は、いくつかの実施形態による通信デバイスのブロック図である。通信デバイス200は、専用コンピュータ、パーソナル若しくはラップトップコンピュータ(PC)、タブレットPC又はスマートフォンのようなUE、eNBのような専用ネットワーク機器、サーバがネットワークデバイスとして動作するように構成するためのソフトウェアを実行するサーバ、仮想デバイス、又はマシンによって実行されるアクションを指定する命令(シーケンシャル又は他のもの)を実行可能ないずれかのマシンでもよい。例えば、通信デバイス200は、図1A~1Cに示すデバイスのうち1つ以上として実装されてもよい。ここに記載の通信は、受信エンティティ(例えば、gNB、UE)による受信のために、送信エンティティ(例えば、UE、gNB)による送信の前に符号化され、受信エンティティによる受信の後に復号されてもよい点に留意する。
【0035】
ここに記載の例は、ロジック若しくは複数のコンポーネント、モジュール又はメカニズムを含んでもよく、或いは、これらの上で動作してもよい。モジュール及びコンポーネントは、指定の動作を実行可能な有形のエンティティ(例えばハードウェア)であり、特定の方式で構成又は配置されてもよい。一例では、回路は指定の方式でモジュールとして(例えば、内部に或いは他の回路のような外部エンティティに関して)配置されてもよい。一例では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)又は1つ以上のハードウェアプロセッサの全体又は一部は、ファームウェア又はソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分又はアプリケーション)によって、指定の動作を実行するように動作するモジュールとして構成されてもよい。一例では、ソフトウェアは機械読み取り可能媒体上に存在してもよい。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基礎となるハードウェアによって実行されると、ハードウェアに指定の動作を実行させる。
【0036】
したがって、「モジュール」(及び「コンポーネント」)という用語は、指定の方式で動作するように或いはここに記載のいずれかの動作の一部又は全部を実行するように物理的に構築されたエンティティ、具体的に構成されたエンティティ(例えば、配線)、又は一時的に(例えば、過渡的に)構成された(例えば、プログラムされた)エンティティである有形のエンティティを含むものと理解される。モジュールが一時的に構成されている例を考慮すると、モジュールのそれぞれはいずれか1つの時点でインスタンス化される必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサを含む場合、汎用ハードウェアプロセッサは異なる時間にそれぞれ異なるモジュールとして構成されてもよい。ソフトウェアはそれに従って、例えば或る時点で特定のモジュールを構成し、異なる時点で異なるモジュールを構成するように、ハードウェアプロセッサを構成してもよい。
【0037】
通信デバイス200は、ハードウェアプロセッサ(又は同等の処理回路)202(例えば、中央処理装置(CPU, central processing unit)、GPU、ハードウェアプロセッサコア又はこれらのいずれかの組み合わせ)、メインメモリ204及びスタティックメモリ206を含み、これらの一部又は全部はインターリンク(例えば、バス)208を介して相互に通信してもよい。メインメモリ204は、取り外し可能ストレージ及び取り外し不可能ストレージ、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれか又は全てを含んでもよい。通信デバイス200は、ビデオディスプレイのようなディスプレイユニット210、英数字入力デバイス212(例えば、キーボード)及びユーザインタフェース(UI, user interface)ナビゲーションデバイス214(例えば、マウス)を更に含んでもよい。一例では、ディスプレイユニット210、入力デバイス212及びUIナビゲーションデバイス214は、タッチスクリーンディスプレイでもよい。通信デバイス200は、記憶デバイス(例えば、ドライブユニット)216、信号生成デバイス218(例えば、スピーカ)、ネットワークインタフェースデバイス220、及び全地球測位システム(GPS, global positioning system)センサ、コンパス、加速度計又は他のセンサのような1つ以上のセンサを更に含んでもよい。通信デバイス200は、1つ以上の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダ等)を通信又は制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB, universal serial bus))、パラレル又は他の有線若しくは無線(例えば、赤外線(IR, infrared)、近距離無線通信(NFC, near field communication)等)接続のような出力コントローラを更に含んでもよい。
【0038】
記憶デバイス216は、ここに記載の技術又は機能のいずれか1つ以上によって具体化又は利用されるデータ構造又は命令224(例えばソフトウェア)の1つ以上のセットを記憶した非一時的な機械読み取り可能媒体222(以下、単に機械読み取り可能媒体と呼ぶ)を含んでもよい。命令224はまた、通信デバイス200による実行中に、完全に或いは少なくとも部分的に、メインメモリ204内、スタティックメモリ206内及び/又はハードウェアプロセッサ202内に存在してもよい。機械読み取り可能媒体222は単一の媒体として示されているが、「機械読み取り可能媒体」という用語は、1つ以上の命令224を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含んでもよい。
【0039】
「機械読み取り可能媒体」という用語は、通信デバイス200による実行のための命令を記憶、符号化又は搬送可能であり、通信デバイス200に本開示の技術のいずれか1つ以上を実行させるいずれかの媒体、又はこのような命令によって使用されるか或いはこのような命令に関連するデータ構造を記憶、符号化又は搬送可能ないずれかの媒体を含んでもよい。非限定的な機械読み取り可能媒体の例は、ソリッドステートメモリ、光媒体及び磁気媒体を含んでもよい。機械読み取り可能媒体の具体例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM, Electrically Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM, Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory))及びフラッシュメモリデバイスのような不揮発性メモリと、内蔵ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスクと、光磁気ディスクと、無線アクセスメモリ(RAM, Radio access Memory)と、CD-ROM及びDVD-ROMディスクとを含んでもよい。
【0040】
命令224は、複数の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN, wireless local area network)転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP, internet protocol)、伝送制御プロトコル(TCP, transmission control protocol)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP, user datagram protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP, hypertext transfer protocol)等)のいずれか1つを利用するネットワークインタフェースデバイス220を介して、伝送媒体226を使用して通信ネットワーク上で更に送信又は受信されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN, local area network)、広域ネットワーク(WAN, wide area network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラネットワーク)、基本電話(POTS, Plain Old Telephone)ネットワーク及び無線データネットワークを含んでもよい。ネットワーク上の通信は、とりわけWi-Fiとして知られるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ファミリの標準、WiMaxとして知られるIEEE802.16ファミリの標準、IEEE802.15.4ファミリの標準、LTE(Long Term Evolution)ファミリの標準、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ファミリの標準、ピアツーピア(P2P, peer-to-peer)ネットワーク、次世代(NG, next generation)/第5世代(5G, 5th generation)標準のような、1つ以上の異なるプロトコルを含んでもよい。一例では、ネットワークインタフェースデバイス220は、伝送媒体226に接続するための1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサネット、同軸又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナを含んでもよい。
【0041】
ここで使用される「回路」という用語は、電子回路、論理回路、プロセッサ(共有、専用又はグループ)及び/又はメモリ(共有、専用又はグループ)、特定用途向け集積回路(ASIC, Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルデバイス(FPD, field-programmable device)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA, field-programmable gate array)、プログラマブルロジックデバイス(PLD, programmable logic device)、複合PLD(CPLD, complex PLD)、大容量PLD(HCPLD, high-capacity PLD)、構造化ASIC、又はプログラマブルSoC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP, digital signal processor)等のように、記載の機能を提供するように構成されたハードウェアコンポーネントを示すか、これらの一部であるか、或いはこれらを含む点に留意する。いくつかの実施形態では、回路は、記載の機能の少なくとも一部を提供するために、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行してもよい。「回路」という用語はまた、1つ以上のハードウェア要素(又は電気又は電子システムで使用される回路の組み合わせ)と、そのプログラムコードの機能を実行するために使用されるプログラムコードの組み合わせを示してもよい。これらの実施形態では、ハードウェア要素とプログラムコードの組み合わせは特定のタイプの回路と呼ばれてもよい。
【0042】
したがって、ここで使用される「プロセッサ回路」又は「プロセッサ」という用語は、一連の算術演算又は論理演算を連続的且つ自動的に実行可能であるか、或いはデジタルデータを記録、記憶及び/又は転送可能である回路を示すか、この一部であるか、或いはこれを含む。「プロセッサ回路」又は「プロセッサ」という用語は、1つ以上のアプリケーションプロセッサ、1つ以上のベースバンドプロセッサ、物理中央処理装置(CPU, central processing unit)、シングルコア又はマルチコアプロセッサ、及び/又はプログラムコード、ソフトウェアモジュール及び/又は機能プロセスのようなコンピュータ実行可能命令を実行又は別法で操作可能ないずれかの他のデバイスを示してもよい。
【0043】
5G NR Rel-16において、マルチTRP動作が導入された。5G NR Rel-16では、マルチTRP動作は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH, physical downlink shared channel)に使用されている。異なるバックホールの想定(理想的なバックホール及び非理想的なバックホール)に依存して、マルチTRP動作はシングルDCI動作及びマルチDCI動作を含む。図3Aは、いくつかの実施形態によるシングルダウンリンク制御情報(DCI, Downlink Control Information)TRP動作を示す。図3Bは、いくつかの実施形態によるマルチDCI TRP動作を示す。便宜上、一部の要素のみが示されており、他のものが存在してもよい点に留意する。図3A及び図3Bに示すように、システム300はUE304と通信する複数のTRP(TRP#A302a、TRP#B302b)を含む。TRP#A302a及びTRP#B302bはそれぞれ、異なるビームを使用してPDSCHを送信してもよい。それぞれのTRP#A302a及びTRP#B302bからのPDSCHの1つがUE304によって受信されてもよい。
【0044】
図3Aに示すようなシングルDCI動作は、理想的なバックホールを想定して使用できる。シングルDCI動作では、単一の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH, physical downlink control channel)伝送が複数のTRPからのPDSCH伝送をスケジューリングしてもよい。これは、図3Aにおいて、TRP#A302aからのPDCCHに続くTRP#A302aからのPDSCH#1のスケジューリングとして示されている。図3Bに示すようなマルチDCI動作は、非理想的なバックホールを想定して使用できる。マルチDCI動作では、各TRPは1つのPDCCHを使用して、対応するPDSCH伝送をスケジューリングしてもよい。これは、図3Bにおいて、TRP#A302aからのPDCCH#1に続くTRP#A302aからのPDSCH#1のスケジューリング、及びTRP#B302bからのPDCCH#2に続くTRP#B302bからのPDSCH#2のスケジューリングとして示されている。
【0045】
マルチDCIマルチTRP動作では、複数の制御リソースセット(CORESET, control resource set)プールが存在してもよい。各CORESETは、物理リソースのセットと、PDCCH/DCIを搬送するために使用されるパラメータのセットである。1つのCORESETはパラメータCORESETPoolIndexで構成されてもよく、これはTRPを区別できる。例えば、CORESETPoolIndexの0の値はTRP#Aに対応し、1の値はTRP#Bに対応する。
【0046】
シングルDCIマルチTRP動作では、DCI内の伝送構成指示(TCI, Transmission Configuration Indication)フィールドのコードポイントは1つ又は2つのTCI状態に関連付けられることができる。図4は、いくつかの実施形態によるMAC-CEを示す。MAC-CEは、複数のTCI状態を有するTCIコードポイントを構成するために使用されてもよい。MAC-CEのフィールドは以下のように定義される。
【0047】
Serving Cell ID:このフィールドは、MAC CEが適用されるサービングセルの識別を示す。フィールドの長さは5ビットである。
【0048】
Bandwidth Part Indicator(BWP)ID:TS38.212で指定されるDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとしてMAC CEが適用されるDL BWPを示す。BWP IDフィールドの長さは2ビットである。
【0049】
Ci:このフィールドは、TCI状態IDi,2を含むオクテットが存在するか否かを示す。このフィールドが「1」に設定されている場合、TCI状態IDi,2を含むオクテットが存在する。このフィールドが「0」に設定されている場合、TCI状態IDi,2を含むオクテットは存在しない。
【0050】
TCI state IDi,j:TS38.331で指定されるTCI-StateIdによって識別されるTCI状態を示し、iはTS38.212で指定されたDCI伝送構成指示フィールドのコードポイントのインデックスであり、TCI state IDi,jはDCI伝送構成指示フィールドの第iのコードポイントについて示される第jのTCI状態を示す。TCI状態がマッピングされるTCIコードポイントは、TCI state IDi,jフィールドのセットを有する全てのTCIコードポイントの中のその順序位置によって決定される。すなわち、TCI state ID0,1及びTCI state ID0,2を有する最初のTCIコードポイントはコードポイント値0にマッピングされ、TCI state ID1,1及びTCI state ID1,2を有する2番目のTCIコードポイントはコードポイント値1にマッピングされ、以下同様である。TCI state IDi,2は、Ciフィールドの指示に基づいて任意選択である。アクティベーションされたTCIコードポイントの最大数は8であり、TCIコードポイントにマッピングされるTCI状態の最大数は2である。
【0051】
R:「0」に設定された予約ビットである。
【0052】
NR Rel-15では、MAC-CEが半永続的SRSの空間関係を更新するように定義されている。Rel-16では、他のMAC-CEが非周期的SRSの空間関係を更新するように定義されている。図5は、いくつかの実施形態による半永続的SRSの空間関係を更新するためのMAC-CEを示す。図5におけるMAC-CEは、半永続的(SP, semi-persistent)SRSアクティベーション/非アクティベーションのためのものである。図5におけるMAC-CEのフィールドは以下のように定義される。
【0053】
A/D:このフィールドは、指示されたSP SRSリソースセットをアクティベーションするか非アクティベーションするかを示す。このフィールドはアクティベーションを示すために1に設定され、それ以外の場合は非アクティベーションを示す。
【0054】
SRS Resource Set’s Cell ID:このフィールドは、アクティベーション/非アクティベーションされたSP SRSリソースセットを含むサービングセルの識別情報を示す。Cフィールドが0に設定されている場合、このフィールドはまた、Resource IDiフィールドによって示される全てのリソースを含むサービングセルの識別情報を示す。フィールドの長さは5ビットである。
【0055】
SRS Resource Set’s BWP ID:このフィールドは、TS38.212で指定されているDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとしてのUL BWPを示す。これは、アクティベーション/非アクティベーションされたSP SRSリソースセットを含む。Cフィールドが0に設定されている場合、このフィールドはまた、Resource IDiフィールドによって示される全てのリソースを含むBWPの識別情報を示す。フィールドの長さは2ビットである。
【0056】
C:このフィールドは、Resource Serving Cell IDフィールド及びResource BWP IDフィールドを含むオクテットが存在するか否かを示す。このフィールドが1に設定されている場合、Resource Serving Cell IDフィールド及びResource BWP IDフィールドを含むオクテットが存在し、それ以外の場合は存在しない。
【0057】
Supplementary Uplink(SUL):このフィールドは、MAC CEが通常アップリンク(NUL, normal uplink)キャリア構成に適用されるかSULキャリア構成に適用されるかを示す。このフィールドは、SULキャリア構成に適用されることを示すために1に設定され、NULキャリア構成に適用されることを示すために0に設定される。
【0058】
SP SRS Resource Set ID:このフィールドは、アクティベーション又は非アクティベーションされるべき、TS38.331で指定されているSRS-ResourceSetIdによって識別されるSP SRS Resource Set IDを示す。フィールドの長さは4ビットである。
【0059】
Fi:このフィールドは、SP SRS Resource Set IDフィールドで示されるSPリソースセット内のSRSリソースの空間関係として使用されるリソースのタイプを示す。F0はリソースセット内の最初のSRSリソースを示し、F1は2番目のものを示し、以下同様である。フィールドは、非ゼロ電力(NZP, non-zero power)チャネル状態情報(CSI, Channel Status Information)-RSリソースインデックスが使用されることを示すために1に設定され、同期信号ブロック(SSB, synchronization signal block)インデックス又はSRSリソースインデックスが使用されることを示すために0に設定される。フィールドの長さは1ビットである。このフィールドは、アクティベーションにMAC CEが使用される場合、すなわち、A/Dフィールドが1に設定されている場合にのみ存在する。
【0060】
Resource IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用するリソースの識別子を含む。Resource ID0はリソースセット内の最初のSRSリソースを示し、Resource ID1は2番目のものを示し、以下同様である。Fiが0に設定され、このフィールドの最初のビットが1に設定されている場合、このフィールドの残りの部分はTS38.331で指定されているSSB-Indexを含む。Fiが0に設定され、このフィールドの最初のビットが0に設定されている場合、このフィールドの残りの部分はTS38.331で指定されているSRS-ResourceIdを含む。フィールドの長さは7ビットである。このフィールドは、MAC CEがアクティベーションに使用されている場合、すなわち、A/Dフィールドが1に設定されている場合にのみ存在する。
【0061】
Resource Serving Cell IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用されるリソースが位置するサービングセルの識別情報を示す。フィールドの長さは5ビットである。
【0062】
Resource BWP IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用されるリソースが位置する、TS38.212で規定されているDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとしてのUL BWPを示す。フィールドの長さは2ビットである。
【0063】
R:0に設定された予約ビットである。
【0064】
図6は、いくつかの実施形態による非周期的SRSの空間関係を更新するためのMAC-CEを示す。MAC-CEのフィールドは以下のように定義される。
【0065】
SRS Resource Set’s Cell ID:このフィールドは、指示されたアクセスポイント(AP, access point) SRSリソースセットを含むサービングセルの識別情報を示す。Cフィールドが0に設定されている場合、このフィールドはまた、Resource IDiフィールドによって示される全てのリソースを含むサービングセルの識別情報を示す。フィールドの長さは5ビットである。
【0066】
SRS Resource Set’s BWP ID:このフィールドは、TS38.212で指定されているDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとしてのUL BWPを示す。これは、指示されたAP SRSリソースセットを含む。Cフィールドが0に設定されている場合、このフィールドはまた、Resource IDiフィールドによって示される全てのリソースを含むBWPの識別情報を示す。フィールドの長さは2ビットである。
【0067】
C:このフィールドは、Resource Serving Cell IDフィールド及びResource BWP IDフィールドを含むオクテットが存在するか否かを示す。このフィールドが1に設定されている場合、Resource Serving Cell IDフィールド及びResource BWP IDフィールドを含むオクテットが存在し、それ以外の場合は存在しない。
【0068】
SUL:このフィールドは、MAC CEがNULキャリア構成に適用されるかSULキャリア構成に適用されるかを示す。このフィールドは、SULキャリア構成に適用されることを示すために1に設定され、NULキャリア構成に適用されることを示すために0に設定される。
【0069】
AP SRS Resource Set ID:このフィールドは、TS38.331で指定されているSRS-ResourceSetIdによって識別されるAP SRS Resource Set IDを示す。フィールドの長さは4ビットである。
【0070】
Fi:このフィールドは、AP SRS Resource Set IDフィールドで示されるAPリソースセット内のSRSリソースの空間関係として使用されるリソースのタイプを示す。F0はリソースセット内の最初のSRSリソースを示し、F1は2番目のものを示し、以下同様である。フィールドは、NZP CSI-RSリソースインデックスが使用されることを示すために1に設定され、SSBインデックス又はSRSリソースインデックスが使用されることを示すために0に設定される。フィールドの長さは1ビットである。このフィールドは、アクティベーションにMAC CEが使用される場合、すなわち、A/Dフィールドが1に設定されている場合にのみ存在する。
【0071】
Resource IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用するリソースの識別子を含む。Resource ID0はリソースセット内の最初のSRSリソースを示し、Resource ID1は2番目のものを示し、以下同様である。Fiが0に設定され、このフィールドの最初のビットが1に設定されている場合、このフィールドの残りの部分はTS38.331で指定されているSSB-Indexを含む。Fiが0に設定され、このフィールドの最初のビットが0に設定されている場合、このフィールドの残りの部分はTS38.331で指定されているSRS-ResourceIdを含む。フィールドの長さは7ビットである。
【0072】
Resource Serving Cell IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用されるリソースが位置するサービングセルの識別情報を示す。フィールドの長さは5ビットである。
【0073】
Resource BWP IDi:SRSリソースiの空間関係の導出に使用されるリソースが位置する、TS38.212で規定されているDCI帯域幅部分インジケータフィールドのコードポイントとしてのUL BWPを示す。フィールドの長さは2ビットである。
【0074】
R:0に設定された予約ビットである。
【0075】
NR Rel-16では、PUCCHの空間関係を更新するために他のMAC-CEが定義されている。詳細はTS38.321にある。
【0076】
NR Rel-15では、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHについて、デフォルトの空間関係が適用されてもよい。このデフォルトの空間関係は、コンポーネントキャリア(CC, component carrier)上で最低のリソースIDを有するPUCCHリソースの空間関係でもよい。PUCCHリソースがCCに構成されていない場合、或いは、PUCCHリソースが構成されているが空間関係がない場合、UEはDCI 0_0によってスケジューリングされないことが想定される。
【0077】
NR Rel-16では、オーバーヘッドを低減するために、DCI 0_0によってスケジューリングされたSRS、PUCCH及びPUSCHについて、デフォルトのビーム動作が定義されている。SRS/PUCCHについてデフォルトのビームが有効である場合、MAC-CEのオーバーヘッドが低減されるように、SRS/PUCCHは空間関係情報なしに構成されてもよく、SRS/PUCCHの空間関係を更新するためのMAC-CEが伝送されなくてもよい。PUSCHについてデフォルトのビームが有効である場合、PUCCHリソースがCCに構成されていない場合、或いはPUCCHリソースが構成されているが空間関係がない場合であっても、PUSCHはDCIフォーマット0_0によってスケジューリングされてもよい。
【0078】
パラメータenableDefaultBeamPlForSRSが「有効」に設定されている場合、SRSのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、CORESETがCCに構成されている場合には最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定であり、或いは、CORESETがCCに構成されていない場合にはPDSCHの最低のIDを有するアクティベーションされたTCI状態である。
【0079】
パラメータenableDefaultBeamPlForPUCCHが「有効」に設定されている場合、PUCCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、CORESETがCCに構成されている場合には最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定である。
【0080】
パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されている場合、DCI 0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下の通りになる。PUCCHリソースがCC内のアクティブBWPに構成されていない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定である。或いは、PUCCHリソースが構成されているが空間関係がない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、これらのPUCCHリソースのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号に従う。
【0081】
しかし、SRS/PUCCH/PUSCHの既存のデフォルト空間関係設計は、シングルTRPの場合に適用される。マルチTRP動作をサポートするために、デフォルトの空間関係設計が更に拡張される。
【0082】
マルチDCIを用いたマルチTRPにおけるデフォルトのアップリンク空間関係
1.SRS
実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおいて、1つのSRSリソースが1つの空間関係に関連する。オーバーヘッドを低減するために、デフォルトのビーム/空間関係がSRS伝送に適用されてもよい。既存のパラメータ、例えばenableDefaultBeamPlForSRSは、SRS伝送のデフォルトの空間関係/ビームが有効であるか否かを示すために再利用できる。このパラメータが有効である場合、空間関係及びパスロス参照信号はSRSのために構成されない。したがって、SRS伝送の空間関係を更新するための更なるMAC-CEが回避されてもよく、オーバーヘッドが低減され得る。
【0083】
マルチDCIマルチTRPにおいて、SRSは1つのTRPに関連してもよい。関連付けは、新たなRRCパラメータassociatedCORESETPool-SRSによってSRSリソースレベル又はSRSリソースセットレベルで定義されてもよい。パラメータassociatedCORESETPool-SRSは、どのCORESETプールがSRSリソース/SRSリソースセットに関連するかを示す。associatedCORESETPool-SRSの値は、CORESETプールのCORESETPoolIndexと同じでもよい。例えば、SRSがCORESETPoolIndex=1のCORESETプールに関連する場合、associatedCORESETPool-SRSの値は「1」に設定されてもよい。associatedCORESETPool-SRSによって定義される関連付けは、周期的、半永続的及び非周期的SRSに適用されてもよい(他の例では、SRSとCORESETプールとの間の関連付けは新たなMAC-CEによって更新されてもよい)。代替として、非周期的SRSについて、関連付けはスケジューリングPDCCHによって暗黙的に示されてもよい。例えば、非周期的SRSがCORESETPoolIndex#Aで構成されたCORESETによってトリガされた場合、トリガされたSRSはCORESETPoolIndex#Aに関連する。SRSのデフォルトの空間関係/デフォルトのパスロス参照信号は、関連するTRPに従って決定されてもよい。
【0084】
本実施形態におけるSRSとTRPとの間の関連付けの適用は、SRSのデフォルトのビーム動作に限定されない点に留意する。他の実施形態では、コードブックベースの伝送、非コードブックベースの伝送等が使用されてもよい。
【0085】
関連するCORESETプールによるSRSの無線リソース制御(RRC, Radio Resource Control)構成の例は以下の通りである。
【0086】
【表1】
注:デフォルトのビーム動作は、ビーム管理のためにSRS伝送に適用されない。マルチDCIマルチTRPにおける単一の空間関係を有するSRSについて、enableDefaultBeamPlForSRSが有効であり、空間関係もパスロス参照信号もSRSに構成されていない場合、SRSのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号が適用され、以下のように決定される。
【0087】
選択肢1:
SRSのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、構成されたCORESETPoolindexがSRSに関連するCORESETプールと同じである1つ以上のCORESETがUEによって監視される最新のスロットにおいて、構成されたCORESETPoolindexがSRSに関連するCORESETプールと同じであるCORESETの中で最低のインデックスのCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。「最新のスロット」はSRS伝送の前にある。SRS伝送が全く存在しない場合、すなわちPUSCHの空間関係の導出のためだけである場合、「最新のスロット」は対応するPUSCH伝送の前にある。
【0088】
SRSによる関連するCORESETプールは、associatedCORESETPool-SRSによって示される。代替として、SRSがDCIによって示される場合、すなわち非周期的SRSである場合、関連するCORESETプールはスケジューリングCORESETと同じである。DCIによってトリガされる非周期的SRSについて、代替として、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従ってもよい。
【0089】
CORESETがSRSリソースに関連するCORESETプール内のアクティブなBWPに構成されていない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、同じCORESETプール内のPDSCHの最低のIDを有するアクティベーションされたTCI状態に従う。
【0090】
図7は、いくつかの実施形態によるSRSのデフォルトの空間関係の決定を示す。上記のように、SRSのデフォルトの空間関係の決定は、マルチDCIマルチTRPのためのものである。
【0091】
PUCCH
実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおいて、1つのPUCCHリソースが1つの空間関係のみに関連する。オーバーヘッドを低減するために、デフォルトのビーム/空間関係がPUCCH伝送に適用されてもよい。既存のパラメータ、例えばenableDefaultBeamPlForPUCCHは、PUCCH伝送のデフォルトの空間関係/ビームが有効であるか否かを示すために再利用できる。このパラメータが有効である場合、空間関係及びパスロス参照信号はPUCCHのために構成されない。したがって、PUCCH伝送の空間関係を更新するための更なるMAC-CE伝送が回避されてもよく、オーバーヘッドが低減され得る。
【0092】
マルチDCIマルチTRPにおいて、PUCCHは1つのTRPに関連してもよい。関連付けは、新たなRRCパラメータassociatedCORESETPool-PUCCHによってPUCCHリソースセットレベル/PUCCHリソースグループレベル/PUCCHリソースレベルで定義されてもよい。他の例では、PUCCHによる関連するTRPは、PUCCHリソースグループID又はPUCCHリソースセットIDによって暗黙的に表されてもよい。パラメータassociatedCORESETPool-PUCCHは、どのCORESETプールがPUCCHリソース/PUCCHリソースセット/PUCCHリソースグループに関連するかを示す。他の例では、PUCCHとCORESETプールとの間の関連付けは、新たなMAC-CEによって更新されてもよい。associatedCORESETPool-PUCCHの値は、CORESETプールのCORESETPoolIndexと同じであるべきである。例えば、PUCCHがCORESETPoolIndex=1のCORESETプールに関連する場合、associatedCORESETPool-PUCCHの値は「1」に設定されるべきである。代替として、PUCCHリソースがDCIによって示される場合、PUCCHリソースはスケジューリングCORESETのCORESETプールに暗黙的に関連してもよい。PUCCHのデフォルトの空間関係/デフォルトのパスロス参照信号は、関連するTRPに従って決定されてもよい。
【0093】
本実施形態におけるPUCCHとTRPとの間の関連付けの適用は、PUCCHのデフォルトのビーム動作に限定されない点に留意する。関連するCORESETプールによるPUCCHのRRC構成の例は以下の通りである。
【0094】
【表2】
マルチDCIマルチTRPにおける単一の空間関係を有するPUCCHについて、enableDefaultBeamPlForPUCCHが有効であり、空間関係もパスロス参照信号もPUCCHに構成されていない場合、PUCCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号が適用され、以下のように決定される。
【0095】
選択肢1:
PUCCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、構成されたCORESETPoolindexがPUCCHに関連するCORESETプールと同じである1つ以上のCORESETがUEによって監視される最新のスロットにおいて、構成されたCORESETPoolindexがPUCCHに関連するCORESETプールと同じであるCORESETの中で最低のインデックスのCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。「最新のスロット」はPUCCH伝送の前にある。PUCCHによる関連するCORESETプールは、associatedCORESETPool-PUCCHによって示される。代替として、PUCCHがDCIによって示される場合、関連するCORESETプールはスケジューリングCORESETと同じである。
【0096】
DCIによって示されるPUCCHについて、代替として、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従ってもよい。
【0097】
CORESETがPUCCHリソースに関連するCORESETプール内のアクティブなBWPに構成されていない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、同じCORESETプール内のPDSCHの最低のIDを有するアクティベーションされたTCI状態に従う。
【0098】
図8は、いくつかの実施形態によるPUCCHのデフォルトの空間関係の決定を示す。上記のように、PUCCHのデフォルトの空間関係の決定は、マルチDCIマルチTRPのためのものである。
【0099】
PUSCH
実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおいて、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「無効」に設定されている場合、UEは、空間関係で構成されたPUCCHリソースが存在しない1つのTRP(CORESETPoolIndexによって示される)からDCIフォーマット0_0によってスケジューリングされることは想定されない。TRP上の空間関係で構成された少なくとも1つのPUCCHリソースが存在する場合、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHの空間関係/パスロス参照信号は、TRP上で最低のリソースIDを有するPUCCHリソース(CORESETPoolIndex及びassociatedCORESETPool-PUCCHで示される)の空間関係に従うべきである。
【0100】
代替として、マルチDCIマルチTRPにおいて、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「無効」に設定されている場合、スケジューリングTRP上に構成されたPUCCHリソースが存在するか否かにかかわらず、また、PUCCHリソースが空間関係あり又はなしで構成されているかにかかわらず、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下のように決定されるべきである。
【0101】
選択肢1:DCI0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新のスロット内のスケジューリングCORESETのCORESETプールと同じであるCORESETプール内で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従うべきである。
【0102】
選択肢2:DCI 0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従うべきである。
【0103】
選択肢3:PUCCHリソースがスケジューリングCORESETを送信するTRPに構成されていない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内のスケジューリングCORESETのCORESETプールと同じであるCORESETプール内で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従うべきである。PUCCHリソースが構成されているが、スケジューリングCORESETを送信するTRPに空間関係がない場合、デフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETを送信するTRP上のこれらのPUCCHリソースのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号に従う。
【0104】
図9は、いくつかの実施形態によるPUSCHのデフォルトの空間関係の決定を示す。上記のように、DCI 0_0によってスケジューリングされたPUSCHのデフォルトの空間関係の決定は、マルチDCIマルチTRPのためのものである。
【0105】
他の実施形態では、0_0以外のDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCHについて、PUSCHの空間関係は、1つのみのSRSリソースが構成されている場合、SRSリソースインデックス(SRI, SRS resource index)によって示されるSRSリソース又はRRCによって構成されたSRSリソースの空間関係に従うべきである。パラメータenableDefaultBeamPlForSRSが「有効」に設定されている場合、PUSCH伝送は対応するSRSリソースのデフォルトの空間関係に従うべきである。SRS伝送が存在しない場合、SRSがPUSCH伝送の最初のスロットで伝送されると仮定して、デフォルトのSRS空間関係が導出されるべきである。
【0106】
他の実施形態では、全てのDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCHについて、デフォルトのビーム動作が有効にされてもよい。新たなパラメータenableDefaultBeamPlForPUSCHが導入されてもよい。「有効」に設定された場合、PUSCH伝送のデフォルトの空間関係は以下のように決定される。
【0107】
選択肢1:PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、1つのみのSRSリソースが構成されている場合、SRIによって示されるSRSリソース又はRRCによって設定されたSRSリソースの空間関係に従うべきである。
【0108】
選択肢2:PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETと同じCORESETプールに関連する最低のIDを有するPUCCHリソースの空間関係に従うべきである。
【0109】
選択肢3:PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内のスケジューリングCORESETのCORESETプールと同じであるCORESETプール内で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従うべきである。
【0110】
選択肢4:PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従うべきである。
【0111】
上記のように、Rel-15仕様では、異なるタイプのSRSリソースセットがサポートされている。SRSリソースセットは「usage」のパラメータで構成され、これは「beamManagement」、「codebook」、「nonCodebook」又は「antennaSwitching」に設定できる。「beamManagement」に構成されたSRSリソースセットは、SRSを使用したビーム取得及びアップリンクビーム指示に使用される。「codebook」及び「nonCodebook」に構成されたSRSリソースセットは、伝送プリコーディング行列インジケータ(TPMI, Transmission Precoding Matrix Indicator)による明示的な指示又はSRIによる暗黙的な指示でULプリコーディングを決定するために使用される。最後に、「antennaSwitching」に構成されたSRSリソースセットは、TDDシステムにおけるチャネルの相互作用を活用することで、UEにおけるSRS測定を使用してDLチャネル状態情報を取得するために使用される。SRS伝送について、時間領域の動作は周期的、半永続的又は非周期的でもよい。SRSリソースセットのRRC構成は以下の通りである。
【0112】
【表3】
SRSリソースのSRSリソースセットのRRC構成は以下の通りである。
【0113】
【表4】
SRSリソースセットが「非周期的」として構成される場合、SRSリソースセットはまた、スロットオフセット(slotOffset)及びトリガ状態(aperiodicSRS-ResourceTrigger、aperiodicSRS-ResourceTriggerList)を含む。slotOffsetのパラメータは、SRS伝送が開始されるべきPDCCHに対するスロットオフセットを定義する。トリガ状態は、どのDCIコードポイントが対応するSRSリソースセット伝送をトリガするかを定義する。
【0114】
スロットオフセットはSRSリソースセットレベルで定義される。すなわち、スロットオフセットはSRSリソースセット内の全てのSRSリソースに共通である。非周期的SRSがトリガされた場合、UEはRRCによって定義されたslotOffsetに従ってDCIを受信した後に、非周期的SRSを送信すべきである。
【0115】
しかし、マルチDCIマルチTRP動作のシナリオでは、SRS構成及び伝送に何らかの問題が存在する可能性がある。例えば、双方のTRPが同じSRSリソースセット/同じスロットで伝送される異なるSRSリソースセットをトリガした場合、衝突が発生する可能性がある。したがって、衝突を低減すること、又は衝突が発生した場合にそれを処理するように定義されたルールが望まれる。
【0116】
シナリオA:マルチDCIマルチTRPにおけるSRS伝送
SRSトリガ及び構成
実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおけるSRSトリガについて、DCI内のSRS Requestフィールドのコードポイントによって示されるSRSトリガ状態はTRP固有でもよい。SRS Requestフィールドの同じコードポイントは、異なるTRPによって異なるSRSリソースセットをトリガするために使用されてもよい。図10は、いくつかの実施形態によるTRP固有のSRSトリガを示す。
【0117】
他の実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおけるSRSトリガについて、異なるTRPからのDCI内のSRS Requestフィールドの同じコードポイントは、同じSRSリソースセットを異なるスロットオフセットでトリガしてもよい。図10は、いくつかの実施形態によるTRP固有のSRSトリガを示す。
【0118】
他の実施形態では、マルチDCIマルチTRPについて、複数のSRSリソースセットは同じ使用法(コードブックベースの伝送、非コードブックベースの伝送、アンテナスイッチング及びビーム管理)で構成されてもよい。同じ使用法を用いた複数のSRSリソースセットは、同じ/異なるトリガ状態及び同じ/異なるスロットオフセットで構成されてもよい。
【0119】
SRSは、異なるTRP、例えば、異なるCORESETPoolIndexに関連してもよい。SRSとTRPとの間の関連付けは、新たなRRCパラメータ、例えばassociatedCORESETPool-SRSによって、SRSリソースセットレベル/SRSリソースレベル、又はSRS空間関係情報で定義されてもよい。同じ使用法の設定を有するSRSリソースセットは異なるTRPに関連すべきである。例えば、2つのTRPを使用するマルチTRP動作では、2つのSRSリソースセットがコードブックベースの伝送に定義されてもよく、各SRSリソースセットは1つのTRPに関連する。1つのTRPからDCI内のSRS要求を送信する場合、TRPに関連するSRSリソースセットのみがトリガされてもよい。図12は、いくつかの実施形態による同じ使用法を用いたTRP固有のSRSトリガを示す。
【0120】
コードブックベースの伝送について、PUSCH伝送をスケジューリングするとき、SRIフィールドは、スケジューリングTRPに関連するSRSリソースセット内の1つのSRSリソースを示す。代替として、SRSリソースセットを示すために新たなフィールドがDCIに導入されてもよい。
【0121】
非コードブックベースの伝送について、複数のSRSリソースセットによって、異なるTRPによる異なるCSI-RSリソース送信が異なるSRSリソースセットに関連してもよい。UEは、CSI-RSでの測定に基づいて、異なるTRPへのSRS伝送のための異なるプリコーダを計算できる。PUSCH伝送をスケジューリングする場合、SRIフィールドは、スケジューリングTRPに関連するSRSリソースセット内の1つ以上のSRSリソースを示す。代替として、SRSリソースセットを示すために新たなフィールドがDCIに導入されてもよい。
【0122】
SRS伝送の延期及び重複処理
実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおいて、延期SRS伝送が適用されてもよく、例えば、SRS伝送のために利用可能なアップリンクリソース/スロットが存在しない場合、トリガされたSRSは次の利用可能なアップリンクスロットまで延期されるべきである。延期SRS伝送はTRPの間で独立して実行されるべきである。TRPの間で何らかの調整が存在するべきである。
【0123】
図13は、いくつかの実施形態によるマルチTRPにおける独立延期SRS伝送を示す。図13では、TRP#Aはスロット#N内で2のスロットオフセットでSRSリソースセット#Aをトリガし、SRSリソースセット#Aの伝送はスロット#N+6に延期される。スロット#Nとスロット#N+6との間で、TRP#Bは他のSRSリソースセットであるSRSリソースセット#Bをトリガする。この場合、SRSリソースセット#Bはスロット#N+6で伝送されず、次に利用可能なアップリンクスロットであるスロット#N+10に更に延期される。
【0124】
他の例では、SRS伝送のために利用可能なアップリンクスロットがスロットMであると仮定すると、延期された伝送のためにウィンドウ、例えばX個のスロットが定義されてもよい。スロットM-XからスロットMまでの期間中に、最初にトリガされたSRSがTRP#Aからのものである場合、スロットMは、TRP#AによってトリガされたSRSを伝送するために使用されるべきである。スロットM-XからスロットMまでの期間中に他のTRPであるTRP#BによってトリガされたSRSは、スロットMの後に更に延期されてもよい。さらに、スロットM-XからスロットMまでの間にTRP#Aによって複数のSRSがトリガされた場合、スロットM-XからスロットMまでの間にTRP#Aによってトリガされた最新のSRSがスロットMで伝送されてもよい。
【0125】
他の実施形態では、マルチDCIマルチTRPにおいて、複数のTRPが同じスロットで伝送されるべき同じSRSリソースセットをトリガする例、複数のTRPが同じスロットで伝送されるべき異なるSRSリソースセットをトリガする例、及び異なるTRPによってトリガされたSRSリソースセットが同じスロットに延期される例で、異なるTRPによってトリガされたSRSについて衝突が発生し得る。
【0126】
この場合、重複を処理するためにドロップルールが提供されてもよい。一例では、衝突が発生した場合、どのSRSが送信されるべきかを決定するために、以下の選択肢の1つが適用されてもよい。最低又は最高のTRP ID(CORESETPoolIndex)を有するTRPによってトリガされたSRSが伝送され、他がドロップされる。最低又は最高のSRS Resource Set IDを有するSRSが伝送されるべきであり、他がドロップされるべきである。特定の使用法を用いたSRSが伝送されるべきである。この場合、SRSの使用法に優先度が存在し、例えば、コードブック/非コードブックベースの伝送が優先されてもよい。最新のトリガされたSRSが送信されてもよく、他がドロップされてもよい。或いは、SRS伝送のために利用可能なアップリンクスロットがスロットMであると仮定すると、ウィンドウ、例えばX個のスロットが定義されてもよい。最後の場合、スロットM-XからスロットMまでの期間中に、最初にトリガされたSRSがTRP#Aからのものである場合、スロットMはTRP#AによってトリガされたSRSを伝送するために使用されてもよい。さらに、スロットM-XからスロットMまでの間にTRP#Aによって複数のSRSがトリガされた場合、スロットM-XからスロットMまでの間にTRP#Aによってトリガされた最新のSRSがスロットMで伝送されてもよい。スロットM-XからスロットMの間にトリガされた他のSRSはドロップされてもよい。
【0127】
他の例では、衝突が発生した場合、CORESETPoolIndexが(slotNumber mod 2)に等しいTRPによってトリガされたSRSが伝送されてもよい。図14は、いくつかの実施形態による、複数のTRPによってトリガされたSRSの衝突処理を示す。図14に示すように、最低のTRP IDを有するTRPによってトリガされたSRSが伝送されてもよい。
【0128】
シナリオB:キャリアアグリゲーションにおけるSRS伝送
SRSトリガ及び設定
実施形態では、キャリアアグリゲーションについて、複数のSRSリソースセットは同じ使用法(コードブックベースの伝送、非コードブックベースの伝送、アンテナスイッチング及びビーム管理)で構成されてもよい。同じ使用法を用いた複数のSRSリソースセットは、同じ/異なるトリガ状態及び同じ/異なるスロットオフセットで構成されてもよい。
【0129】
SRSは、異なるCCに関連してもよい。SRSとCCとの間の関連付けは、新たなRRCパラメータ、例えばassociatedCC-SRSによって、SRSリソースセットレベル/SRSリソースレベル、又はSRS空間関係情報で定義されてもよい。同じ使用法の設定を有するSRSリソースセットは異なるCCに関連してもよい。1つのCCからDCI内のSRS要求を送信する場合、CCに関連するSRSリソースセットのみがトリガされてもよい。図15は、いくつかの実施形態によるキャリアアグリゲーションにおける同じ使用法を用いた複数のSRSリソースセットを示す。
【0130】
コードブックベースの伝送について、PUSCH伝送をスケジューリングするとき、SRIフィールドは、スケジューリングCCに関連するSRSリソースセット内の1つのSRSリソースを示す。代替として、SRSリソースセットを示すために新たなフィールドがDCIに導入されてもよい。
【0131】
非コードブックベースの伝送について、複数のSRSリソースセットによって、異なるCCによる異なるCSI-RSリソース伝送が異なるSRSリソースセットに関連してもよい。UEは、CSI-RSでの測定に基づいて、SRS伝送のための異なるプリコーダを計算できる。PUSCH伝送をスケジューリングする場合、SRIフィールドは、スケジューリングCCに関連するSRSリソースセット内の1つ以上のSRSリソースを示す。代替として、SRSリソースセットを示すために新たなフィールドがDCIに導入されてもよい。
【0132】
SRS伝送の延期及び重複処理
実施形態では、キャリアアグリゲーションにおいて、延期SRS伝送が適用されてもよく、例えば、SRS伝送のために利用可能なアップリンクリソース/スロットが存在しない場合、トリガされたSRSは次の利用可能なアップリンクスロットまで延期されてもよい。延期SRS伝送はTRPの間で独立して実行されてもよい。図16は、いくつかの実施形態による独立延期SRS伝送を示す。特に、独立延期SRS伝送は異なるCCの間で発生する。図示のように、CCE1はスロット#N内で2のスロットオフセットでSRSリソースセット#Aをトリガし、SRSリソースセット#Aの伝送はスロット#N+6に延期される。スロット#Nとスロット#N+6との間で、CC#2は他のSRSリソースセットであるSRSリソースセット#Bをトリガする。この場合、SRSリソースセット#Bはスロット#N+6で伝送されず、次に利用可能なアップリンクスロットであるスロット#N+10に更に延期される。他の例では、SRS伝送のために利用可能なアップリンクスロットがスロットMであると仮定すると、延期された伝送のためにウィンドウ、例えばX個のスロットが定義されてもよい。スロットM-XからスロットMまでの期間中に、最初にトリガされたSRSがCC#Aからのものである場合、スロットMは、CC#AによってトリガされたSRSを伝送するために使用される。スロットM-XからスロットMまでの期間中に他のCCであるCC#BによってトリガされたSRSは、スロットMの後に更に延期されてもよい。さらに、スロットM-XからスロットMまでの間にCC#Aによって複数のSRSがトリガされた場合、スロットM-XからスロットMまでの間にCC#Aによってトリガされた最新のSRSがスロットMで伝送されてもよい。
【0133】
他の実施形態では、キャリアアグリゲーションにおいて、複数のCCが同じスロットで伝送されるべき同じSRSリソースセットをトリガする例、複数のCCが同じスロットで伝送されるべき異なるSRSリソースセットをトリガする例、及び異なるによってトリガされたSRSリソースセットが同じスロットに延期される例で、異なるCCによってトリガされたSRSについて衝突が発生し得る。
【0134】
この場合、重複を処理するためにドロップルールが策定されてもよい。一例では、衝突が発生した場合、どのSRSが送信されるべきかを決定するために、以下の選択肢の1つが適用されてもよい。最低又は最高のCC IDを有するCCによってトリガされたSRSが伝送され、他がドロップされる。最低又は最高のSRS Resource Set IDを有するSRSが伝送され、他がドロップされる。所定の使用法を用いたSRSが伝送される(SRSの使用法は異なる優先度を有し、例えば、コードブック/非コードブックベースの伝送が優先される)。最新のトリガされたSRSが送信され、他がドロップされる。或いは、SRS伝送のために利用可能なアップリンクスロットがスロットMであると仮定すると、ウィンドウ、例えばX個のスロットが定義されてもよい。最後の場合、スロットM-XからスロットMまでの期間中に、最初にトリガされたSRSがCC#Aからのものである場合、スロットMはCC#AによってトリガされたSRSを伝送するために使用される。さらに、スロットM-XからスロットMまでの間にCC#Aによって複数のSRSがトリガされた場合、スロットM-XからスロットMまでの間にCC#Aによってトリガされた最新のSRSがスロットMで伝送される。スロットM-XからスロットMの間にトリガされた他のSRSはドロップされる。
【0135】
他の例では、衝突が発生した場合、IDが(slotNumber mod 2)に等しいCCによってトリガされたSRSが伝送される。図17は、いくつかの実施形態によるSRS衝突処理を示す。特に、図17に示すSRSは複数のCCによってトリガされる。図示のように、最低のTRP IDを有するCCによってトリガされたSRSが伝送される。
【0136】
PUSCH伝送について、以下に示すように、情報ビットは変調の前にスクランブリングされる。
【0137】
6.3.1 物理アップリンク共有チャネル
6.3.1.1 スクランブリング
単一のコードワードqについて、ビットのブロックb(q)(0),…b(q)(Mbit (q)-1)(Mbit (q)は物理チャネルで伝送されるコードワードqで伝送されるビット数である)は、変調の前にスクランブリングされるものとし、その結果、以下の擬似コードに従ってスクランブリングされたビットのブロック
【0138】
【数1】
が生成される。
【0139】
【表5】
ここで、x及びyは3GPP TS38.212で定義されたタグであり、スクランブリングシーケンスc(q)(i)は5.2.1節で与えられる。
【0140】
スクランブリングシーケンス生成器は、
【0141】
【数2】
で初期化されるものとする。ここで、nID∈{0,1,...,1023}は、構成されており、RNTIがC-RNTI、MCS-C-RNTI、SP-CSI-RNTI又はCS-RNTIに等しく、共通検索空間でDCIフォーマット0_0を使用して伝送がスケジューリングされない場合、上位レイヤパラメータdataScramblingIdentityPUSCHに等しい。
【0142】
nID∈{0,1,...,1023}は、構成されており、[TS38.213]の8.1A節に記載のように、PUSCH伝送がタイプ2ランダムアクセス手順によってトリガされる場合、上位レイヤパラメータmsgA-dataScramblingIdentityPUSCHに等しい。
【0143】
そうでない場合、nID=NID cellである。
【0144】
nRAPIDは、[TS38.321]の5.1.3A節に記載のように、msgAについて伝送されるランダムアクセスプリアンブルのインデックスである。
【0145】
スクランブリングコードはdataScramblingIdentityPUSCHによって提供される。しかし、マルチTRP動作において、PUSCH伝送は異なるTRPを対象としてもよく、したがって、マルチTRP動作のシナリオでは、複数のスクランブリングコードがUEに構成される。現在のPUSCHスクランブリング動作は、マルチTRP動作を考慮していない。したがって、とりわけ、実施形態は、マルチTRP動作のシナリオにおけるPUSCHスクランブリングを対象とする。
【0146】
マルチDCIマルチTRPにおけるPUSCHスクランブリングシーケンス構成
実施形態では、PUSCH伝送について、マルチDCIマルチTRP(同じ物理セルID又は異なる物理セルIDでのマルチTRP動作を含む)において更なるスクランブリングシーケンスが適用できる。以下に示すように、PUSCH-Configに新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHが追加されてもよい。
【0147】
【表6】
0に等しいCORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、既存のdataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。1に等しいCORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。
【0148】
シングルDCIマルチTRPにおけるPUSCHスクランブリングシーケンス構成
実施形態では、PUSCH伝送について、シングルDCIマルチTRP(同じ物理セルID又は異なる物理セルIDでのマルチTRP動作を含む)において更なるスクランブリングシーケンスが適用できる。PUSCH-Configに上記の新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHが追加されてもよい。
【0149】
シングルDCIマルチTRPにおいてTDM反復によってPUSCHが伝送される場合、異なるTRPを対象とするPUSCH反復が異なるシーケンスでスクランブリングされる。図18は、いくつかの実施形態によるPUSCHスクランブリングを示す。図19は、いくつかの実施形態による他のPUSCHスクランブリングを示す。図18及び図19のそれぞれにおいて、スクランブリングはシングルDCIマルチTRPにおいて反復のあるPUSCHのためのものである。
【0150】
シングルDCIマルチTRPにおいて、CORESETはまた、1つのTRPに関連してもよい。CORESETプールはまた、シングルDCIマルチTRPのために定義されてもよい。CORESETとTRPとの間の関連付けは、RRCパラメータ、例えばsingleDCI-CORESETPoolIndexによって定義されてもよい。RRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexが0に設定されている場合、CORESETがTRP#Aから送信される。RRCパラメータsingleDCI-CORESETPoolIndexが1に設定されている場合、CORESETがTRP#Bから送信される。
【0151】
例えば、PUSCH伝送がTRP#Aを対象とする場合、既存のパラメータdataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。PUSCH伝送がTRP#Bを対象とする場合、新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。さらに、PUSCH伝送がどのTRPを対象にしているかは、PUSCH伝送の空間関係とTRP(singleDCI-CORESETPoolIndex)との間の関連付けによって識別されてもよい。一例では、PUSCH伝送の空間関係がSRIによって示される場合、SRSとTRPとの間の関連付けが定義されてもよい。例えば、パラメータassociatedTRP-SRSが導入されてもよく、SRSリソース(SRS-Resource)又はSRS空間関係情報(SRS-SpatialRelationInfo)で定義されてもよい。他の例では、反復のあるPUSCHについて、図18及び図19に示すように、PUSCHの反復がどのTRPを対象とし、PUSCHの反復にどのスクランブリングシーケンスが適用されるかは、予め定義されてもよく或いは暗黙的に決定されてもよい。例えば、最初の反復はTRP#Aに送信され、2番目の反復はTRP#Bに送信され、以下同様である。
【0152】
他の実施形態では、どのスクランブリングシーケンスがPUSCH伝送に適用されるかは、スケジューリングCORESETによって識別される。0に等しいsingleDCI-CORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、既存のdataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。1に等しいsingleDCI-CORESETPoolIndexを有するCORESETによってスケジューリングされたPUSCHについて、新たなパラメータadditionaldataScramblingIdentityPUSCHがPUSCHスクランブリングに適用される。
【0153】
SRS/PUCCH/PUSCHのための現在のデフォルトのビーム動作は、マルチTRP動作を考慮していない。とりわけ、実施形態はまた、マルチTRP動作のシナリオにおけるPUSCH伝送のためのデフォルトのビーム動作を提供する。
【0154】
シングルDCIを用いたマルチTRPにおけるデフォルトのPUSCH空間関係
1.反復のないPUSCH
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、PUSCHは反復によって構成されなくてもよい。パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「無効」に設定されている場合、UEは空間関係で構成されたPUCCHリソースが存在しない1つのTRPからDCIフォーマット0_0によってスケジューリングされることは想定されない。TRPに関連する空間関係で構成された少なくとも1つのPUCCHリソースが存在する場合、DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHの空間関係/パスロス参照信号は、TRPに関連する最低のリソースIDを有するPUCCHリソースの空間関係に従う。
【0155】
パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されている場合、PUSCHのデフォルトの空間関係は以下に記載するように決定されてもよい。
【0156】
DCI 0_0以外のDCIフォーマットによってスケジューリングされたPUSCHについて、デフォルトのビーム動作が有効か否かを示す他のパラメータ、すなわちenableDefaultBeamForPUSCHが導入されてもよい。enableDefaultBeamForPUSCHが「無効」に設定されている場合、非DCIフォーマット0_0によってスケジューリングされたPUSCHは、指示されたSRSリソースの(デフォルトの)空間関係に従う。enableDefaultBeamForPUSCHが「有効」に設定されている場合、PUSCH空間関係は次のセクションに記載のように決定されてもよい。他の例では、enableDefaultBeamForPUSCHが有効に設定されている場合、PUSCHの空間関係は、SRSリソースが1つの(デフォルトの)空間関係に関連するSRSの(デフォルトの)空間関係に従ってもよく、或いは、PUSCH空間関係は、PUCCHリソースが複数の(デフォルトの)空間関係に関連する1つの特定のPUCCHリソースの(デフォルトの)空間関係に従ってもよい。
【0157】
1.1 CORESET当たり単一のTCT状態
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、CORESETが1つのアクティブなTCI状態のみで構成される場合、且つ、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されているか、或いは、パラメータ「enableDefaultBeamForPUSCH」が「有効」に設定されている場合、PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下のように決定される。
【0158】
選択肢1:スケジューリングCORESETに従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。
【0159】
選択肢2:1つの特定のCORESETに従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。
【0160】
図20は、いくつかの実施形態による反復のないPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。特に、図20は選択肢1の例を示しており、CORESET当たり単一のTCIが提供される。
【0161】
1.2 CORESET当たり複数のTCI状態
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、CORESETは複数のアクティブなTCI状態で構成されてもよい。この場合、CORESETは1つのTRPに関連し、例えば、CORESETはsingleDCI-CORESETPoolIndexで構成されてもよい。TCI状態はまた、1つのTRPに関連し、例えば、TCI状態はassociatedTRP-TCIで構成されてもよい。
【0162】
パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されているか、或いは、パラメータ「enableDefaultBeamForPUSCH」が「有効」に設定されている場合、PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下のように決定される。
【0163】
選択肢1:スケジューリングCORESETの1つのTCI状態に従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態/QCL仮定に従い、TCI状態はスケジューリングCORESETと同じTRPに関連する。
【0164】
選択肢2:複数のTCI状態を有する1つの特定のCORESETの1つのTCI状態に従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内で、複数のアクティブなTCI状態を有するCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。
【0165】
選択肢3:1つのTCI状態のみを有する1つの特定のCORESETのTCI状態に従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内で、1つのアクティブなTCI状態のみを有するCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。
【0166】
図21は、いくつかの実施形態による反復のないPUSCHの他のデフォルトの空間関係を示す。特に、図21は選択肢1の例を示しており、CORESET当たり複数のTCIが提供される。
【0167】
2.反復のあるPUSCH
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、PUSCHは反復によって構成されてもよい。反復のあるPUSCHについて複数のデフォルトのビームが有効であるか否かを示す他のパラメータ、すなわち、enableMultipleDefaultBeamsForPUSCHが導入されてもよい。この場合、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されているか、或いは、パラメータenableMultipleDefaultBeamsForPUSCHが「有効」に設定されている場合、PUSCHのデフォルトの空間関係は、以下のセクションに記載のように決定されてもよい。他の例では、enableMultipleDefaultBeamsForPUSCHが有効に設定されている場合、PUSCH空間関係は、SRSリソースが複数の(デフォルトの)空間関係に関連するSRSの(デフォルトの)空間関係に従ってもよく、或いは、PUCCHリソースが複数の(デフォルトの)空間関係に関連する1つの特定のPUCCHリソースの(デフォルトの)空間関係に従ってもよい。
【0168】
2.1 CORESET当たり単一のTCT状態
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、CORESETが1つのアクティブなTCI状態のみで構成されている場合、CORESETは1つのTRPに関連し、例えば、CORESETはsingleDCI-CORESETPoolIndexで構成されてもよい。反復のあるPUSCH伝送について、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されているか、或いは、パラメータ「enableMultipleDefaultBeamsForPUSCH」が「有効」に設定されている場合、複数のデフォルトの空間関係/パスロス参照信号が適用される。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下のように決定される。
【0169】
選択肢1:PUSCHの複数の空間関係は、動的且つ独立して1つのCORESETに従う。PUSCHの最初のデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、singleDCI-CORESETPoolIndexが0に設定されているCORESETの中で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。PUSCHの2番目のデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、singleDCI-CORESETPoolIndexが1に設定されているCORESETの中で、最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に従う。
【0170】
選択肢2:PUSCHの複数の空間関係は、1つのTCI状態コードポイントによって示される複数のTCI状態に半静的に従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、PDSCHについてアクティベーションされる2つの異なるTCI状態を含むTCIコードポイントの中で、最低のコードポイントに対応するTCI状態に順次従う。
【0171】
図22は、いくつかの実施形態による反復のあるPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。図22は選択肢1の例を示しており、CORESET当たり単一のTCIが提供される。
【0172】
図23は、いくつかの実施形態による反復のあるPUSCHの他のデフォルトの空間関係を示す。特に、図23は選択肢2の例を示しており、CORESET当たり単一のTCIが提供される。
【0173】
2.2 CORESET当たり複数のTCI状態
実施形態では、シングルDCIマルチTRPにおいて、CORESETは複数のアクティブなTCI状態で構成されてもよい。この場合、CORESETは1つのTRPに関連し、例えば、CORESETはsingleDCI-CORESETPoolIndexで構成されてもよい。TCI状態はまた、1つのTRPに関連し、例えば、TCI状態はassociatedTRP-TCIで構成されてもよい。
【0174】
反復のあるPUSCH伝送について、パラメータenableDefaultBeamPlForPUSCH0_0が「有効」に設定されているか、或いは、パラメータ「enableMultipleDefaultBeamsForPUSCH」が「有効」に設定されている場合、複数のデフォルトの空間関係/パスロス参照信号が適用される。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は以下のように決定される。
【0175】
選択肢1:PUSCHの複数の空間関係は動的に1つのCORESETに従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、このようなCORESETが監視されるPUSCH伝送の前の最新スロット内で、複数のアクティブなTCI状態を有するCORESETの中で最低のIDを有するCORESETのTCI状態/QCL仮定に順次従う。
【0176】
選択肢2:PUSCHの複数の空間関係は、1つのTCI状態コードポイントによって示される複数のTCI状態に半静的に従う。PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、PDSCHについてアクティベーションされる2つの異なるTCI状態を含むTCIコードポイントの中で、最低のコードポイントに対応するTCI状態に順次従う。
【0177】
選択肢3:PUSCHの複数の空間関係はスケジューリングCORESETに従う。スケジューリングCORESETが複数のアクティブなTCI状態で構成されている場合、PUSCHのデフォルトの空間関係/パスロス参照信号は、スケジューリングCORESETのTCI状態に順次従う。
【0178】
図24は、いくつかの実施形態による反復のあるPUSCHのデフォルトの空間関係を示す。図24は選択肢1の例を示しており、CORESET当たり複数のTCIが提供される。
【0179】
図25は、いくつかの実施形態による反復のあるPUSCHの他のデフォルトの空間関係を示す。特に、図25は選択肢2の例を示しており、CORESET当たり複数のTCIが提供される。
【0180】
具体例の実施形態を参照して実施形態を説明したが、本開示のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更及び変形が加えられてもよいことは明らかである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきである。本明細書の一部を形成する添付の図面は、例示として、その主題が実施され得る特定の実施形態を、限定されることなく示している。例示の実施形態は、当業者がここに開示の教示を実施することを可能にするように十分に詳細に記載されている。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更が行われ得るように、他の実施形態が利用されてもよく、導出されてもよい。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で取られるものではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ、このような特許請求の範囲が権利を有する全ての範囲の均等物と共に定義される。
【0181】
主題は、単に便宜のために、また、実際に1つよりも多くの発明概念が開示されている場合には、本出願の範囲をいずれかの単一の発明概念に限定することを意図することなく、ここでは個別に或いは集合的に「実施形態」という用語で言及されることがある。したがって、ここでは特定の実施形態について例示して説明しているが、同じ目的を達成するように計算されたいかなる構成も、示された特定の実施形態に置換されてもよいことが認識されるべきである。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応又は変形をカバーすることを意図している。上記の実施形態と、ここに特に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、上記の説明を検討して当業者に明らかになる。
【0182】
この文書では、単数は、特許文書で一般的なように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」のいずれかの他の例又は使用法とは無関係に、1つ以上を含むように使用されている。この文書では、「又は」という用語は、特に明記されていない限り、「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」を含むように非排他的論理和を示すために使用される。この文書では、「含む(including)」及び「ここで(in which)」という用語は、それぞれ「含む(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の平易な英語の等価なものとして使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、請求項における当該用語の後に記載されている要素に加えて要素を含むシステム、UE、物品、構成、定式化又はプロセスは、依然としてその請求項の範囲内に入るとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単なるラベルとして使用されており、その対象に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0183】
開示の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にする要約を要求する37C.F.R.§1.72(b)に準拠するために提供されている。これは、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという理解で提出される。さらに、上記の詳細な説明において、開示の合理化を目的として、様々な特徴が1つの実施形態にまとめられていることがわかる。この開示の方法は、請求項の実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲は詳細説明に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態として独立する。
図1A
図1B
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図3B
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【国際調査報告】