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特表2023-532906ディスプレイを形成する方法及びディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ディスプレイを形成する方法及びディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230725BHJP
   H01L 33/40 20100101ALI20230725BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230725BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20230725BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G09F9/00 338
H01L33/40
H01L33/00 K
G09F9/33
G09F9/00 348Z
G09F9/30 349D
G09F9/30 330
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580838
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 GB2021051573
(87)【国際公開番号】W WO2022003323
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2009890.1
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520445406
【氏名又は名称】プレッシー・セミコンダクターズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PLESSEY SEMICONDUCTORS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メゾウアリ,サミル
(72)【発明者】
【氏名】ピノス,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】タン,ウェイシン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F241
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA42
5C094BA26
5C094DA13
5C094DB01
5C094EA05
5C094EA07
5C094EA10
5C094ED11
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB14
5C094FB16
5C094GB10
5F241AA41
5F241AA46
5F241AA47
5F241CA85
5F241FF06
5G435BB04
5G435EE41
5G435HH12
5G435HH13
5G435HH14
5G435HH18
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
複数のバックプレーン電気接点を備えるバックプレーンを、対応する複数の電気接点を備えるモノリシック発光ダイオード構造に接合させることであって、接合させることは、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間に可逆的接合を形成することを含む、ことと;モノリシック発光ダイオード構造から材料を除去して、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイを提供し、それにより、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間の可逆的接合を逆に戻すことにより、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去及び/又は置換が可能になることと、を含む、ディスプレイを形成する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバックプレーン電気接点を備えるバックプレーンを、対応する複数の電気接点を備えるモノリシック発光ダイオード構造に接合させることであって、接合させることは、前記複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、前記モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間に可逆的接合を形成することを含む、ことと;
前記モノリシック発光ダイオード構造から材料を除去して、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイを提供し、それにより、前記複数のバックプレーン電気接点のうちの前記少なくとも1つと、前記モノリシック発光ダイオード構造の前記対応する電気接点との間の前記可逆的接合を逆に戻すことにより、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去及び/又は置換が可能になる、ことと、
を含む、ディスプレイを形成する方法。
【請求項2】
前記バックプレーン電気接点のうちの前記少なくとも1つは、金属-金属接合及び/又は共晶接合を使用して、前記モノリシック発光ダイオード構造の前記対応する電気接点に可逆的に接合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することと、
前記少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを、異なる1つ以上の発光ダイオードダイに置換することと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することが、前記ディスプレイの温度を上昇させることにより、前記バックプレーン電気接点と、前記モノリシック発光ダイオード構造に関連する前記対応する電気接点との間の前記可逆的接合において、前記少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去を可能にすること、を含み、好ましくは、前記ディスプレイの温度を上昇させることは、前記可逆的接合における温度を上昇させて前記可逆的接合の共晶温度を超えさせることを含み、好ましくは、前記可逆的接合は、AuSn共晶接合、CuSn共晶接合及びInSn共晶接合のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することは、前記可逆的接合の静電力に打ち勝つことを含み、好ましくは、前記可逆的接合の前記静電力は、Au-Au金属接合及びCu-Cu金属接合のうちの少なくとも1つの静電力である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイのうちの少なくとも1つをテストすることと、
1つ以上の不良発光ダイオードダイを特定することと、
不良発光ダイオードダイを除去することと、
1つ以上の除去された前記不良発光ダイオードダイを置換することと、
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記物理的に隔離された発光ダイオードダイの少なくとも一部分上にコンフォーマル金属層を形成し、それにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイ間の光学的クロストークを減らすことと、
を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の隔離された発光ダイオードダイ上に透明な導電層を形成し、それにより、共通電極を提供すること、
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記物理的に隔離された発光ダイオードダイのうちの少なくとも1つに関連する1つ以上の磁性金属領域を形成することにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去を容易にすること、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記可逆的接合のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に誘電体層により横方向にて取り囲まれることにより、前記バックプレーンと前記モノリシック発光ダイオード構造とが分離され、好ましくは、前記誘電体層は、SiO、Si、Su-8、SrF、PDMS及びPMMAのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記モノリシック発光構造の前記複数の接点は、高反射率金属を含み、好ましくは、前記高反射率金属は、Ni及びAgのうちの1つである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記モノリシック発光ダイオード構造から材料を除去することは、前記モノリシック発光ダイオード構造の少なくとも1つの層に不連続を形成することを含み、好ましくは、前記モノリシック発光ダイオード構造の前記少なくとも1つの層はn型層であり、より好ましくは、前記n型層は、nドープ窒化ガリウム層である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数のバックプレーン電気接点を備えるバックプレーンを備えるディスプレイであって、前記複数のバックプレーン電気接点は、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイに接合され、前記発光ダイオードダイの各々が電気接点を有し、前記複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つは、可逆的接合を用いて、前記複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイの対応する電気接点に接合され、それにより、前記複数のバックプレーン電気接点のうちの前記少なくとも1つと、前記複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイの前記対応する電気接点との間の前記可逆的接合を逆に戻すことにより、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去及び/又は置換が可能になり、前記複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイは、モノリシック発光ダイオード構造から形成される、ディスプレイ。
【請求項14】
前記バックプレーン電気接点のうちの前記少なくとも1つは、金属-金属接合及び/又は共晶接合を使用して、前記モノリシック発光ダイオード構造の前記対応する電気接点に可逆的に接合され、好ましくは、前記可逆的接合は、AuSn共晶接合、CuSn共晶接合、InSn共晶接合、Au-Au金属接合及びCu-Cu金属接合のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記可逆的接合は温度依存性を有する、請求項12~14のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記物理的に隔離された発光ダイオードダイの少なくとも一部分上にコンフォーマル金属層を備えることにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイ間の光学的クロストークが低減される、
請求項13~15のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイ上に透明な導電層を備えることにより、共通電極が提供される、
請求項13~16のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記物理的に隔離された発光ダイオードダイのうちの少なくとも1つに関連する1つ以上の磁性金属領域を備えることにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去を容易にする、
請求項13~17のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記複数の可逆的接合のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り囲む誘電体層を備えることにより、前記バックプレーンと前記モノリシック発光ダイオード構造とが分離され、好ましくは、前記誘電体層は、SiO、Si、Su-8、SrF、PDMS及びPMMAのうちの少なくとも1つを含む、請求項13~18のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記モノリシック発光構造の前記複数の接点は、高反射率金属を含み、好ましくは、前記高反射率金属は、Ni及びAgのうちの1つである、請求項13~19のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイの形成に関する。具体的には、しかし排他的にでなく、本発明は、モノリシックベースのマイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイと、ピクセルを置換する機能を有する、モノリシックベースのマイクロLEDディスプレイを形成する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)デバイスが、ディスプレイ用途のための非常に効果的で制御可能な光源を提供することが知られている。有利には、超微細ピッチの小さいピクセルを有するマイクロLEDアレイへのLEDデバイスの実装が高解像度ディスプレイの製造を可能にする。しかしながら、そのようなアレイにおいて不良LEDデバイスが存在すると問題になる可能性がある。典型的には、許容可能なディスプレイを提供するためには、欠陥ピクセル(例えば、マイクロLEDアレイにおける不良LEDデバイス)の数は、好ましくは、2百万ピクセル当たり2個未満の欠陥ピクセル(すなわち、99.9999%の良品歩留まり)である。
【0003】
そのような高歩留まりを、既知のプロセスを使用して実現することは困難であり得る。LEDデバイスにおける不良ピクセルの存在の影響を緩和すために、何らかのデバイスに故障が存在するピクセルに光を供給するために、LEDアレイにバックアップデバイスが提供される冗長性スキームを実装することが知られている。しかしながら、そのような冗長性スキームは追加の空間を使用し、それにより、密集した小型のLEDデバイス(ダイ)、したがってマイクロLEDディスプレイにおけるピクセルの提供に影響を及ぼす。
【0004】
デバイスアレイのモノリシック成長は、有益なことに、超微細ピッチを有するマイクロLEDアレイの提供を可能にするが、不良デバイスが、一体化された構造の一部を形成するので、いかなる不良LEDデバイスの修復も困難である。それに応じて、モノリシック形成された超微細マイクロLEDアレイを、ピクセルの十分に良好な歩留まりと共に実現することは挑戦的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した問題の少なくともいくつかの影響を緩和するために、複数のバックプレーン電気接点を備えるバックプレーンを、対応する複数の電気接点を備えるモノリシック発光ダイオード構造に接合させることであって、接合させることは、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間に可逆的接合を形成することを含む、ことと;モノリシック発光ダイオード構造から材料を除去して、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイを提供し、それにより、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間の可逆的接合を逆に戻すことにより、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去及び/又は置換が可能になることと、を含む、ディスプレイを形成する方法が提供される。
【0006】
電気接点を有する複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイに接合された複数のバックプレーン電気接点を備えるバックプレーンを備えるディスプレイも提供され、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つは、可逆的接合を用いて、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイの対応する電気接点に接合され、それにより、少なくとも1つのバックプレーン電気接点と、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイの対
応する電気接点との間の可逆的接合を逆に戻すことにより、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去及び/又は置換が可能になり、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイは、モノリシック発光ダイオード構造から形成される。
【0007】
有利には、バックプレーンをモノリシック発光ダイオード構造に接合させ、複数のバックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つと、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点との間において、材料を除去し可逆的接合を形成することによりディスプレイを形成することは、個々のLEDダイを特定し置換することができ、それにより、冗長性のために使用される空間を必要とすることなく、ディスプレイにおいて、機能デバイスの十分に高い歩留まりが確実に存在すること、を意味する。有益には、個々の発光ダイオードデバイスダイを必要に応じて置換する機能を有する発光ピクセルのアレイを、高解像度ディスプレイに提供できる。
【0008】
好ましくは、バックプレーン電気接点のうちの少なくとも1つは、金属-金属接合及び/又は共晶接合を使用して、モノリシック発光ダイオード構造の対応する電気接点に可逆的に接合される。有利には、そのような接合は、機能デバイスを形成するための電気伝導性を提供しながら、及び、個々のLEDデバイスからの光抽出を補助する反射面を提供しながら、LEDデバイスの除去及び置換を容易にする。
【0009】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することと、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを、異なる1つ以上の発光ダイオードダイに置換することと、を含む。有利には、ディスプレイは、個々の発光デバイスからの発光を、発光特性の好ましい構成を有するアレイにて提供するように適合されている。
【0010】
好ましくは、方法は、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することが、ディスプレイの温度を上昇させることにより、バックプレーン電気接点と、モノリシック発光ダイオード構造に関連する対応する電気接点との間の可逆的接合において、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去を可能にすること、を含み、好ましくは、ディスプレイの温度を上昇させることは、可逆的接合における温度を上昇させて可逆的接合の共晶温度を超えさせることを含み、好ましくは、可逆的接合は、AuSn共晶接合、CuSn共晶接合及びInSn共晶接合のうちの少なくとも1つを含む。有利には、電気伝導性、可逆的接合、及び光抽出の向上のための比較的高い反射率を同時に可能にする、制御可能な方法が提示される。
【0011】
好ましくは、少なくとも1つの物理的に隔離された発光ダイオードダイを除去することは、可逆的接合の静電力に打ち勝つことを含み、好ましくは、可逆的接合の静電力は、Au-Au金属接合及びCu-Cu金属接合のうちの少なくとも1つの静電力である。有利には、電気伝導性、可逆的接合、及び光抽出の向上のための比較的高い反射率を同時に可能にする、金属-金属接合を提供できる。
【0012】
好ましくは、方法は、複数の物理的に隔離された発光ダイオードダイのうちの少なくとも1つをテストすることと、1つ以上の不良発光ダイオードダイを特定することと、不良発光ダイオードダイを除去することと、1つ以上の除去された発光ダイオードダイを置換することと、を含む。有利には、モノリシック成長されたLEDデバイスに基づいて、作動デバイスの高い歩留まりを有するディスプレイが提供され、それにより、高解像度ディスプレイが提供される。
【0013】
好ましくは、方法は、物理的に隔離された発光ダイオードダイの少なくとも一部分上にコンフォーマル金属層を形成し、それにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイ間
の光学的クロストークが低減されることを含む。有利には、個々のLEDダイからの光抽出が向上し、LEDダイに関連するピクセル間のコントラストが改善する。
【0014】
好ましくは、方法は、複数の隔離された発光ダイオードダイ上に透明な導電層を形成し、それにより、共通電極を提供することを含む。有利には、アレイにおける複数のデバイスが同時に接触され、それにより、多数のデバイスが効率的に処理される。
【0015】
好ましくは、方法は、物理的に隔離された発光ダイオードダイのうちの少なくとも1つに関連する1つ以上の磁性金属領域を形成することにより、物理的に隔離された発光ダイオードダイの除去を容易にすることを含む。有利には、磁気材料の使用により、個々のダイの除去が向上し、それにより、いかなる残留力にも打ち勝って、個々のLEDデバイスの除去が補助される。
【0016】
好ましくは、可逆的接合のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に誘電体層により横方向にて取り囲まれることにより、バックプレーンとモノリシック発光ダイオード構造とが分離され、好ましくは、誘電体層は、SiO、Si、Su-8、SrF、PDMS及びPMMAのうちの少なくとも1つを含む。有利には、誘電体層は、個々のLEDダイの除去を妨げることなく均一な処理を可能にする。
【0017】
好ましくは、モノリシック発光構造の複数の接点は、高反射率金属を含み、好ましくは、高反射率金属は、ニッケル(Ni)及び銀(Ag)のうちの1つである。有利には、そのような金属は、光抽出を補助しながら、同時に電気伝導性を提供する。
【0018】
好ましくは、モノリシック発光ダイオード構造から材料を除去することは、モノリシック発光ダイオード構造の少なくとも1つの層に不連続を形成することを含み、好ましくは、モノリシック発光ダイオード構造の少なくとも1つの層はn型層であり、より好ましくは、n型層は、nドープ窒化ガリウム層である。有利には、不連続部を形成することにより、個々の物理的に隔離されたダイの除去及び置換が可能になる。
【0019】
本発明の更なる態様が、本明細書及び添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0020】
本発明の実施形態の詳細な説明が、図面を参照して、あくまで一例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】エピタキシャル結晶構造を示す。
図1B】メサを形成するために処理された図1Aのエピタキシャル結晶構造を示す。
図1C】更に処理された図1Bの構造を示す。
図1D】更に処理された図1Cの構造を示す。
図1E】更に処理された図1Dの構造を示す。
図2】処理されたバックプレーンを示す。
図3A図2のバックプレーンに接合された図1Eの構造を示す。
図3B】更に処理された図3Aの構造を示す。
図3C】更に処理された図3Bの構造を示す。
図3D】LEDダイを除去するために更に処理された図3Cの構造を示す。
図4A】置換LEDダイを有する図3Dの構造を示す。
図4B】更に処理された図4Aの構造を示す。
図4C】更に処理された図4Bの構造を示す。
図4D】更に処理された図4Cの構造を示す。
図5】更に処理された図3Bの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述したように、モノリシック成長されたLEDデバイスが、有益にも、高解像度ディスプレイ用途のための超微細ピッチのマイクロLEDディスプレイの製造を可能にする一方で、ディスプレイアレイにおける不良LEDダイに関連する困難が存在する。図1図5を参照して説明される以下のプロセス及び構造は、例えば大量移送のピックアンドプレースに基づく方法による非常に多数のピクセルを移送する必要性を回避しながら、必要な歩留まり要件を実現する、モノリシックマイクロLEDディスプレイ用の修復及び置換プロセスを可能にする。この方法及び構造は、ピクセルのディスプレイアレイを提供することを可能にし、例えば、各ピクセルの発光表面積は、100μm以下、好ましくは16μm未満であり、ピクセルピッチは、10μm未満、好ましくは4μm未満、及びより好ましくは、3μm未満である。
【0023】
有利には、不良ダイを置換するために、本明細書で説明される方法及び構造が使用されるが、更なる実施例では、この方法及び構造は、異なる波長の光を放出するように構成された、アレイ内のLEDダイを、モノリシック成長されたLEDデバイスのアレイ内に形成されたダイに提供するために使用される。例えば、青色又は緑色である主ピーク波長を有する光を放出するように構成された窒化物材料に基づいて、高効率なLEDデバイスを提供することが知られているが、そのような材料を使用して赤色光を供給することはより挑戦的である。例えば、ガリウム砒素(GaAs)系材料は、赤色発光LEDダイに対する、より確立した技術である。したがって、一実施例では、本明細書で説明される方法を使用して、窒化物系LEDダイのモノリシック成長されたアレイにおけるLEDダイを置換して、異なる波長の光が提供される。有利には、モノリシック成長されたアレイに移送されるであろうダイの数は、アレイにおけるダイの総数よりも遥かに少なく、高解像度の多色マイクロLEDアレイを形成するための、より効率的で実用的な方法が提供される。
【0024】
図1Aは、エピタキシャル結晶構造100Aの断面図である。エピタキシャル結晶構造100Aは、発光構造体を提供するために逐次的に成長又は堆積された結晶層から形成される構造である。エピタキシャル結晶構造100Aは、金属有機化学蒸着(MOCVD)を使用して提供される。更なる実施例では、エピタキシャル結晶構造100Aを提供するために、成長及び/又は堆積の代替及び/又は追加の方法、例えば分子線エピタキシー(MBE)が使用される。有利には、エピタキシャル結晶構造100Aは、連続成長プロセスで提供され、高い結晶品質及び低い欠陥密度を有する。更なる実施例では、エピタキシャル構造100Aは、特定の特性、例えば、エピタキシャル結晶構造100Aの異なる領域からのキャリアの放射再結合による異なる波長の発光、の選択的提供を可能にする複数の成長ステップを使用して提供される。
【0025】
図1Aでは、成長基板102が示され、その上にn型領域104が成長されている。成長基板102は、シリコン基板である。代替として、更なる実施例では、成長基板102を提供するために異なる材料が使用される。n型領域104は、n型ドープ窒化ガリウム(GaN)から形成される。更なる実施例では、n型領域104は、追加及び/又は代替の層から形成される。例えば、更なるバッファ層が含まれる。n型領域104の上に、活性領域106が示される。活性領域106は、n型領域及びp型領域から注入されたキャリアの再結合に続いて光を放出する構成されている。活性領域106は、多重量子井戸(MQW)構造を含む。更なる実施例では、活性領域は、単一量子井戸(SQW)構造を含む。活性領域106は、制御された1次ピーク波長を有する光を放出するように構成されている。更なる実施例では、活性領域106の異なる部分は、異なる主ピーク波長を有する光を放出するように構成されている。
【0026】
活性領域106の上に、p型領域108が示される。p型領域108は、p型ドープGaNから形成される。更なる実施例では、p型領域108は、追加及び/又は代替の層から形成される。
【0027】
エピタキシャル結晶構造100Aは、III-V族材料(III族-窒化物材料、例えばGaN系材料、など)に基づく。この構造は窒化物系の構造であることが示されているが、更なる実施例では、異なる材料を使用して発光デバイスのモノリシックアレイが提供される。n型領域104、活性領域106、及びp型領域108が示されるが、更なる実施例では、エピタキシャル結晶構造100Aを提供するために、更なる層及び/又は代替の層が使用されることを、当業者は理解する。図1Aに示すように、エピタキシャル結晶構造100Aがいったん提供されると、複数のモノリシック成長されたLEDデバイスを形成するために、エピタキシャル結晶構造は処理される。これは、図1Bにて示される。図1Bは、図1Aのエピタキシャル結晶構造100Aに基づく、処理された構造100Bの断面図を示し、メサ110が形成されている。
【0028】
メサ110の各々が、p型領域108及び活性領域106の部分を含む。メサ110は、n型領域104上に形成されていることが示される。メサ110は、既知の技術を使用して、エピタキシャル結晶構造100Aを選択的にパターニング及びエッチングすることにより形成される。代わりに及び/又は加えて、メサ110が異なる及び/又は追加の層から形成されることを、当業者は理解する。
【0029】
メサ110が図1Bに示すようにいったん形成されると、プロセスは図1Cに移動し、そこでメサ110上にコンフォーマル層112が堆積される。図1Cは、図1Bの構造100Bの処理されたバージョンである、処理された構造100Cの断面図を示す。メサ110上に形成されたコンフォーマル層112が示される。コンフォーマル層112は、既知の堆積技術を使用して堆積され、後のステージにおいて他の層との不可逆的接合が回避されるように形成されている。コンフォーマル層112は、二酸化ケイ素(SiO)から形成される誘電体層である。代わりに及び/又は加えて、更なる実施例では、コンフォーマル層は、異なる材料、例えば、窒化ケイ素(Si)、Su-8などのフォトレジスト、フッ化ストロンチウム(SrF)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、又はポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、から形成される誘電体層である。更なる実施例では、最終的な構造が接合される、バックプレーンに接触するコンフォーマル層112の部分が接合することなく、接点における可逆的接合を可能にする好適な材料又は任意の他の好適な材料。
【0030】
p型領域108に接点を提供するために、コンフォーマル層112は更に処理される。これは、図1Dにて示される。図1Dは、図1Cに関して説明した構造100Cの処理されたバージョンである、処理されたエピタキシャル構造100Dの断面図を示す。コンフォーマル層112を通してウィンドウを選択的にパターニング及びエッチングするために、図1Cの構造100Cが処理され、それにより、p型領域108に対するp型接点が形成されることになる、メサ110の各々の少なくとも一部分が露出される。ウィンドウがいったん設けられると、メサ110のウィンドウ内にp型接点114が形成される。
【0031】
電気p型接点114は、金属から形成される。一実施例では、金属は、比較的高い反射性を有する。有利には、比較的高い反射性を有する電気p型接点114の使用は、モノリシック成長された構造100のメサ110に基づいて形成される個々のLEDダイからの光抽出を補助する。電気p型接点114は、バックプレーンに対する金属接合(例えば、金-金(Au-Au)接合、又は銅-銅(Cu-Cu)接合)、及び共晶接合(金-スズ(Au-Sn)、銅-スズ(Cu-Sn)、インジウム-スズ(InSn))を可能にするために形成される。代わりに及び/又は加えて、更なる実施例では、電気p型接点11
4は、可逆的接合を形成するために使用できる任意の好適な反射性且つ導電性の材料から形成される。一実施例では、電気p型接点114は、ニッケル及び/又は銀から形成される。電気p型接点114は、更なるバックプレーンデバイスとの可逆的接合を形成するために使用され、したがって、そのような可逆的接合を促進する材料から形成される。これは、以下で更に詳細に説明される。
【0032】
電気p型接点114が、図1Dに示すようにメサ110上にいったん形成されると、プロセスは、図1Eで示すプロセスに移動する。図1Eにおいて、図1Dのエピタキシャル構造100Dの構造を平坦化するために更に処理された構造100Eの断面図が示される。
【0033】
それに応じて、図1Eでは、メサ110間に形成される間隙内に堆積された材料116が示され、その材料の表面は平坦化されている。そのような平坦化は、更なるデバイスへの接合に好適な平坦面を形成するための、材料116の堆積及び化学的機械的研磨により実現される。更なる実施例では、成長基板102の反対側の表面を平坦化するために、代替及び/又は追加の方法が使用される。材料116は、金属である。更なる実施例、誘電体材料などの代替及び/又は追加の材料116が使用される。構造100Eがいったん提供されると、図2及び図3を参照して後述するように、構造100Eはバックプレーン構造に接合される。
【0034】
図2は、図1に関して上述したようなモノリシック成長されたLEDアレイに可逆的に接合させるために処理された、処理されたバックプレーン200を示す。
【0035】
図2は、誘電体層204が上に堆積されたCMOSバックプレーン202を示す。誘電体層204は、ウィンドウをパターニングし選択的にエッチングするために処理され、既知の技術を使用してウィンドウ内に材料が堆積されて電気バックプレーン接点206が形成される。ウィンドウの形成によりCMOSバックプレーン202の一部分が露出され、LEDデバイスのアレイにおける個々のLEDデバイスからの光放出を制御するために、この一部分にp型接点を接続させることができる。バックプレーン202はCMOSバックプレーン202であるが、更なる実施例では、追加及び/又は代替のバックプレーンを使用して、LEDベースの構造に接合させて、機能ディスプレイが形成される。
【0036】
バックプレーン接点206は、図1Eに示される構造100Eの電気p型接点114との可逆的接合を形成するように設計されている。それに応じて、バックプレーン接点206は、金属接合(例えば、金-金(Au-Au)接合、又は銅-銅(Cu-Cu)接合)、及び共晶接合(金-スズ(Au-Sn)、銅-スズ(Cu-Sn)、インジウム-スズ(InSn))を可能にするために形成される。それに応じて、図1Eに示される構造100Eのp型接点114を形成するために使用される材料と、電気バックプレーン接点206との組合せは、可逆的接合を提供する材料の組合せを提供するように選択される。
【0037】
誘電体層204は、二酸化ケイ素から形成される。代わりに及び/又は加えて、誘電体層204は、窒化ケイ素、Su-8、SrF、PDMS、PMMA、又は任意の他の好適な材料から形成される。誘電体層204は、コンフォーマル層112に接触するように形成され、それに応じて、目的は、誘電体層204がコンフォーマル層112との不可逆的接合を形成しないように、接合中に酸化物-酸化物の組合せを防止することである。それに応じて、コンフォーマル層112及び誘電体層204を形成するために使用される材料の組合せは、可逆的接合を、電気接点においては提供するが、処理されたバックプレーン200とモノリシック成長されたエピタキシャル構造100Eとの間の境界面の他の部分においては提供しない、材料の組合せを提供するように選択される。
【0038】
処理されたバックプレーン200及び構造100Eがいったん提供されると、これらは一緒に接合される。これは、図3Aにて示される。
【0039】
図3Aの構造300Aは、図2の処理された構造200に接合される図1Eの構造100Eの断面図を示す。構造100E及び処理された構造200は、熱圧縮接合技術を使用して接合される。更なる実施例では、構造100E、200を接合させるために、追加の及び/又は代替の技術が使用される。それに応じて、電気p型接点114は、処理されたバックプレーン200のバックプレーン接点206と整列している。組み合わされた構造300Aは断面で示されるが、このプロセスは、成長基板102上にモノリシック成長され、処理されたバックプレーン200の平坦面に接合される、LEDデバイスの二次元アレイのために使用されることを、当業者は理解する。モノリシック成長されたLEDアレイの電気p型接点114は、バックプレーン200のバックプレーン接点206に一致するように配置され、それにより、モノリシック成長されたLEDアレイのp型接点114と、バックプレーン200のバックプレーン接点206との間に、可逆的接合が形成される。
【0040】
図3Aの構造300Aを提供するために、バックプレーン200が構造100Eにいったん接合されると、エピタキシャル結晶構造100Aの成長基板102は除去される。これは、図3Bにて示される。図3Bは、成長基板102を除去するために処理された図3Aの構造300Aである構造300Bを示す。成長基板102がいったん除去されると、n型領域104は露出され、既知の技術を使用して選択的にパターニング及びエッチングすることができる。これは、図3Cにて示される。
【0041】
図3Cは、n型領域104、コンフォーマル層112、及び平坦化材料116を通して選択的にエッチングし、エッチングされたチャネル302を通して、バックプレーン200に関連する誘電体層204の少なくとも一部分を露出させるために更に処理された図3Bの構造300Bである、構造300Cの断面図を示す。有益には、そのようなエッチングは、図1Bに関連して上述したように形成される個々のメサ110に関連付けられるLEDダイ(したがって、関連するピクセル)を物理的に隔離する。LEDダイのこのような物理的な隔離の結果、エッチングされたチャネル302が個々のLEDダイを取り囲んでLEDダイを物理的に隔離するので、不連続なn型領域104がもたらされる。有利には、LEDデバイスのモノリシック成長されたアレイが形成され、高解像度ピクセルアレイの提供が可能になる一方で、LEDダイの個々の隔離が更に可能になる。
【0042】
各々がピクセルに関連する個々のLEDダイの物理的な隔離は、個々のピクセル(又はLEDダイ)が、バックプレーンのバックプレーン接点206とLEDダイの電気p型接点114との間の接合を介してバックプレーン202に接合されることを意味する。誘電体層204とコンフォーマル層112との間、又は平坦化材料116と誘電体層204との間には、有意な接合は存在しない。バックプレーン200のバックプレーン接点206とLEDダイの電気p型接点114との間の接合は可逆的接合である。すなわち、その接合は、ダイを除去するために破壊でき、同じ場所に置換ダイを接合させるために再形成できる。そのような可逆的接合は、熱圧縮接合により形成される金属-金属接合、又は共晶接合である。更なる実施例では、バックプレーン200とLEDダイとの間に可逆的な導電性の接合を提供するために、他の好適な材料を使用して代替及び/又は追加の可逆的接合が形成される。
【0043】
個々のダイがいったん隔離されると、それらは、いかなる不良ダイをも特定するためにテストされ得る。不良ダイがいったん特定されると、バックプレーンの特定のバックプレーン接点206と、関連する不良ダイ/ピクセルの関連するp型接点114との間の可逆的接合を破壊することにより、不良ダイを除去できる。そのようなダイは、いったん特定
されると除去できる。これは、図3Dにて示される。
【0044】
図3Dでは、構造300Dを提供するために更に処理された図3Cの構造300Cの断面図が示され、図3Cの中央のLEDが除去されている(304)。そのような除去は、バックプレーン200のバックプレーン接点206と電気p型接点114とに関連する領域を、温度閾値を超えるまで加熱して、バックプレーン200からのLEDダイの分離を可能にすることにより容易になる。バックプレーン200からのLEDダイの分離を可能にするこのような温度閾値は、共晶接合の共晶温度である。更なる実施例では、温度閾値は、金属の融点又は他の好適な温度などの、異なる測定値に基づく。バックプレーン200のバックプレーン接点206とLEDデバイスの電気p型接点114とを接合する力が十分に小さい場合、不良ダイは吸引プロセスにより除去される。更なる実施例では、選択されたLEDダイを除去するために、追加及び/又は代替の技術が使用される。加えて、更なる実施例では、除去処理にて表面上に残されたいかなる残留材料も除去するために、プラズマ処理が使用される。不良ダイがいったん除去されると、置換ダイを堆積できる。これは、図4Aにて示される。
【0045】
図4Aは、置換LEDダイ402を提供するために更に処理された図3Dの構造300Dである構造400Aの断面図を示す。(n型領域、p型領域、活性領域、及びp型接点414を含む)置換LEDダイ402は、バックプレーン接点206とp型接点414との間に共晶接合を形成する、バックプレーン200のバックプレーン接点206と置換ダイLED 402のp型接点414とを介して、バックプレーン202に接触する。LEDダイ402は、図1図3に関連して説明されるモノリシック成長された構造のコンフォーマル層112と類似の方法で形成されたコンフォーマル層404を、その上に有する。接合は共晶接合であるのに対して、更なる実施例では、構造400AのLEDダイ402を固定するために代替及び/又は追加の接合方法が使用される。
【0046】
一方で、図3D及び図4Aに関連して示されるプロセスは不良ダイの置換を示す。加えて及び/又は代わりに、更なる実施例では、LEDダイは、そのダイを異なるデバイスに置換するために除去されてもよい。例えば、赤色発光デバイス(例えば、AlInGaPベースの赤色発光LEDデバイス)を、高品質の青色及び/又は緑色発光LEDデバイスを有する発光デバイスのそのようなモノリシック成長されたアレイに挿入するためであり、この場合、高効率赤色発光LEDを形成する方法は、高効率青色及び/又は緑色発光LEDデバイスを形成するために使用される方法とは異なる。有利には、多色発光アレイを提供するために挿入される置換LEDデバイスの数は、ピックアンドプレース技術による多色発光LEDデバイスのアレイを形成する場合よりも大幅に少ない。
【0047】
不良/不必要なダイの置換が図4Aに示すようにいったん置換されると、プロセスは図4Bに移動する。図4Bにおいて、図4Bの構造400Bを提供するために処理された図4Aの構造400Aの断面図が示される。構造400Bは、構造400A上に堆積された金属性コンフォーマル層406を含む。このコンフォーマル層406は、ディスプレイアレイにおける発光デバイスダイに関連するピクセル間の光学的クロストークを減らすように機能する。図4Bにおいて金属性コンフォーマル層406がいったん堆積されると、プロセスは図4Cに移動する。
【0048】
図4Cにおいて、金属性コンフォーマル層406を異方性エッチングするために更に処理された図4Bの構造400Dである構造400Cの断面図が示される。そのような異方性エッチングの結果、発光ダイの側壁上に金属が残る。この異方性エッチングがいったん実施されると、LEDデバイス間の間隙内にフィラー材料408が形成される。そのようなフィラー材料408は、既知の技術を使用して堆積され、化学的機械的研磨技術を使用して平坦化される。更なる実施例では、構造400Cのデバイスのn型側を平坦化するた
めに、代替及び/又は追加の方法が使用される。構造400Cがいったん平坦化されると、プロセスは移動して、図4Dにて示される構造が提供される。
【0049】
図4Dは、透明な導電性材料層410を堆積させるために順番に処理された図4Cの400Cに対する構造である構造400Dの断面図を示す。このような層は、酸化インジウムスズ(ITO)から形成される。代わりに及び/又は加えて、異なる導電性透明材料が使用される更なる実施例。透明な導電性材料層410は、現在は隔離されている複数のダイのn型領域104に対するn形接点の形成を可能にする。更なる実施例では、代替及び/又は追加の層が使用され、例えば、電流広がりを支援するために金属トラックが使用される。
【0050】
それに応じて、モノリシック成長されたダイのアレイにおいて修復及び/又は置換ダイを提供するための方法が記載され、そのアレイでは複数のダイが、CMOSバックプレーン202により駆動されるピクセルに関連する発光表面において光源を提供する。
【0051】
有利な機能を提供するために、異なる及び/又は追加の層が全体的に実装されてもよいことを、当業者は理解する。例えば、図5は、選択されたダイのリフトオフがどのように強化されるかを示す。図5は、個々のダイに関連して形成される追加の磁気材料502を有する図3Bの構造である構造500を示す。そのような磁気材料502(例えば鉄、ニッケル、コバルト)が、ピクセルに関連する個々のLEDデバイスの一部の上に堆積される。更なる実施例では、個々のダイに関連する磁気機能を提供するために、代替及び/又は追加の構成が使用される。ピクセルの隔離の後、リフトオフを容易にするために磁気材料502が使用される。不良の及び/又は不必要なダイの修復及び/又は置換がいったん実施されると、磁気材料502がエッチングで除去されて、図4Dに関連して説明したように透明な導電性材料410の更なる堆積が可能になる。
【0052】
有利には、本明細書で説明される方法は、モノリシックマイクロディスプレイの修復を可能にし、必要な歩留まりの要件の達成が可能になる。更に、本方法は、異なる色の発光LEDデバイスをモノリシックディスプレイ上に堆積すること、例えば青色/緑色モノリシックディスプレイへの赤色LEDダイの堆積を可能にする。
【0053】
上述したプロセスは特定の順序で示されているが、更なる実施例では、モノリシック成長されたLEDデバイスのアレイにおけるLEDダイの除去及び置換を可能にするために、代替及び/又は追加のステップが提供される。
【0054】
本明細書で説明されるエピタキシャル構造は、成長基板上へのn型成長が活性領域及びp型領域の形成の前に行われ、続いて、バックプレーンとの接続のためにp型接点がメサ上に形成されることを参照して説明されているが、更なる実施例では、この技術は、異なる形態で形成された構造、例えば、逆にした成長シーケンスに基づく構造、及び/又は追加層若しくは代替層を有する構造、及び/又はメサ上にn型接点が形成されてバックプレーンの対応する接点にて可逆的接合が形成される構造、に適用できることを当業者は理解する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【国際調査報告】