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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】積層グレージング
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20230725BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20230725BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
C03C27/12 N
C03C27/12 R
C03C27/12 Z
B60J1/00 J
B32B17/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580912
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 GB2021051644
(87)【国際公開番号】W WO2022003340
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2009886.9
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591229107
【氏名又は名称】ピルキントン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【弁理士】
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー トーマス スタンリー
【テーマコード(参考)】
4F100
4G061
【Fターム(参考)】
4F100AG00
4F100AG00A
4F100AG00D
4F100AK23
4F100AK42E
4F100AK45D
4F100AN00
4F100AN00E
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB00B
4F100GB32
4F100JD01E
4F100JK10
4F100JK10C
4F100JK11
4F100JK20C
4F100JL11B
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
4G061AA03
4G061AA25
4G061BA02
4G061CB03
4G061CB19
4G061CD03
4G061CD18
4G061DA23
4G061DA28
4G061DA30
(57)【要約】
接着性中間層材料の少なくとも第1のシートによってグレージング材料の第2のシートに接合されたグレージング材料の第1のシートを備える車両フロントガラス用積層グレージングを記載する。接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口内において、グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に少なくとも第1の脆弱化装置が位置する。第1の脆弱化装置は、グレージング材料の第1のシートの主表面に衝撃が生じた場合に、グレージング材料の第1および第2のシートのうちの少なくとも1つを破損させるように配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着性中間層材料の少なくとも1つのシートによってグレージング材料の第2のシートに接合されたグレージング材料の第1のシートを備える、車両フロントガラス用の積層グレージングであって、各々の前記グレージング材料の第1および第2のシートならびに第1の中間層材料の第1のシートは、それぞれ第1の主表面および反対側の第2の主表面を有し、
前記グレージング材料の第1のシートの前記第2の主表面は、前記グレージング材料の第2のシートの前記第1の主表面に面し、前記接着性中間層材料の第1のシートは、前記グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間にあり、
さらに、少なくとも第1の脆弱化装置は、前記グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に位置し、前記第1の脆弱化装置は、前記グレージング材料の第1のシートの前記第1の主表面への衝撃の場合に、前記グレージング材料の第1のシートおよび第2のシートのうちの少なくとも1つを破損させるように配置され、
前記第1の脆弱化装置は、前記接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口内に位置する、車両フロントガラス用の積層グレージング。
【請求項2】
少なくとも第2の脆弱化装置は、前記接着性中間層材料の第1のシート内の前記第1の開口内に位置する、請求項1に記載の積層グレージング。
【請求項3】
前記グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に少なくとも1つの他の脆弱化装置をさらに備え、少なくとも1つの前記他の脆弱化装置は、前記接着性中間層材料の第1のシートのそれぞれの開口内に位置する、請求項1または2に記載の積層グレージング。
【請求項4】
バリアは、前記第1の開口内の前記第1の脆弱化装置を取り囲み、積層中に前記第1の脆弱化手段に到達する前記中間層材料の流を制限し、好ましくは、前記バリアは、環状の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項5】
前記バリアは、圧縮可能な材料、好ましくはゴムを備えるか、または前記バリアは、PETもしくはポリカーボネートを備える、請求項4に記載の積層グレージング。
【請求項6】
前記第1の脆弱化装置は、前記グレージング材料の第1のシートの前記第2の主表面に接触するための底部分と前記第1のシートに接触するための少なくとも第1の接触部分とを有する少なくとも1つの衝撃装置を備え、積層グレージングが前記グレージング材料の第1のシートの前記第1の主表面に衝突する場合、前記衝撃装置の第1の接触部分は、前記グレージング材料の第2のシートの前記第1の主表面に接触して、前記グレージング材料の第2のシートの破損を引き起こす、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項7】
前記衝撃装置の底部分は、前記第1の接触部分に向かって先細になり、好ましくは、前記衝撃装置は、円錐形状または角錐形状である、請求項6に記載の積層グレージング。
【請求項8】
第1の隆起部分は、前記底部分から延在し、前記第1の隆起部分は、前記底部分に隣接する第1の端と前記第1の隆起部分の前記第1の端の反対側の第2の端とを有し、前記第1の隆起部分の前記第2の端は、第1の接触部分を備え、好ましくは、前記第1の隆起部分は、円錐形状または角錐形状またはスパイク状である、請求項6に記載の積層グレージング。
【請求項9】
前記第1の接触部分は、尖っている、請求項6から8のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項10】
前記第1の接触部分は、前記グレージング材料の第2のシートよりも硬い、請求項6から9のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項11】
前記第1の接触部分は、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステンおよびダイヤモンドのうちの少なくとも1つを備え、請求項6から10のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項12】
前記接着性中間層材料の第1のシートの前記第1の開口は、円形または楕円形または長方形または台形または三角形であり、請求項1から11のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項13】
前記第1の開口は、複数の開口のうちの1つであり、前記複数の開口の各開口は、同じ形状および/または同じ面積を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項14】
前記接着性中間層材料の第1のシートの別の開口内に位置する別の脆弱化装置をさらに備え、前記第1の開口は、前記別の開口から第1の間隔だけ離隔し、前記第1の間隔は、0.5cm~50cm、より好ましくは0.5cm~40cm、より好ましくは0.5cm~30cm、より好ましくは0.5cm~20cm、より好ましくは0.5cm~10cmである、請求項1から13のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項15】
前記第1の開口は、前記積層グレージングの周縁から離隔する、請求項1から14のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項16】
前記第1の開口は、前記積層グレージングの前記周縁から1cm~20cm、より好ましくは1cm~15cm、より好ましくは1cm~10cm、より好ましくは、1cm~9cm、または1cm~8cm、または1cm~7cm、または1cm~6cm、または1cm~5cm離隔する、請求項15に記載の積層グレージング。
【請求項17】
前記第1の開口は、車両に設置されたときに前記積層グレージングの下縁となるように構成された積層グレージングの周縁から離隔する、請求項15または16に記載の積層グレージング。
【請求項18】
前記グレージング材料の第1のシートは、1mm~5mmの厚さを有し、好ましくは1.3mm~3mmの厚さを有し、または前記グレージング材料の第1のシートは、化学強化され、好ましくは、1.2mm未満の厚さを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項19】
前記グレージング材料の第2のシートは、1mm~5mmの厚さを有し、好ましくは1.3mm~3mmの間の厚さを有するか、または前記グレージング材料の第2のシートは、化学強化され、好ましくは1.2mm未満の厚さを有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項20】
前記グレージング材料の第2のシートは、前記グレージング材料の第1のシートよりも薄く、および/または前記積層グレージングの厚さは、3mm~10mmである、請求項1から19のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項21】
前記第1の開口は、前記グレージング材料の第1または第2のシートの少なくとも一部に不明瞭化バンドを有する前記積層グレージングの領域内にある、請求項1から20のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項22】
前記グレージング材料の第1および/または第2のシートは、前記積層グレージングとの衝突の際に前記積層グレージングを脆弱化するように配置された1つ以上の脆弱点または線を備え、好ましくは、前記脆弱点または線は、前記グレージング材料の第1および/または第2のシートの主表面上にある、請求項1から21のいずれか一項に記載の積層グレージング。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の積層グレージングを備える車両フロントガラス。
【請求項24】
請求項23に記載の車両フロントガラスを備える車両。
【請求項25】
車両との衝突に巻き込まれた人への傷害の可能性を低減するための車両のフロントガラスとしての、請求項1から22のいずれか一項に記載の積層グレージングの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に使用するための、特に自動車などの車両のフロントガラスとして使用するための、積層グレージングに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラス用の従来の積層グレージングは、ポリビニルブチラール(PVB)のシートで接合されたソーダ石灰ケイ酸ガラスの2つのプライを備える。通常、各ガラスシートは、厚さ2.1mmであり、PVBシートは、通常、厚さ0.76mmである。
【0003】
既知の車両用フロントガラスの例は、英国特許出願公開第1225941号明細書に記載されている。
【0004】
当技術分野で知られているように、自動車用積層フロントガラスは、改善された安全上の利点を車両の運転者に提供する。しかしながら、自動車メーカーは、歩行者との前方衝突が発生した場合の自動車の安全性にも取り組んでいる。
【0005】
歩行者と衝突した場合、歩行者が車両のフロントガラスに衝突し、それによって歩行者のさらなる負傷が生じ得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、車両が歩行者と衝突した場合に歩行者が重傷を負うリスクを低減するように配置された車両フロントガラスを提供することを目的とする。
【0007】
従って、本発明の第1の態様から、本発明は、接着性中間層材料の少なくとも1つのシートによってグレージング材料の第2のシートに接合されたグレージング材料の第1のシートを備える、車両フロントガラス用の積層グレージングであって、グレージング材料の第1および第2のシートの各々ならびに第1の中間層材料の第1のシートは、それぞれ第1の主表面および反対側の第2の主表面を有し、グレージング材料の第1のシートの第2の主表面は、グレージング材料の第2のシートの第1の主表面に面し、接着性中間層材料の第1のシートは、グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間にあり、さらに、少なくとも第1の脆弱化装置は、グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に位置し、第1の脆弱化装置は、グレージング材料の第1のシートの第1の主表面への衝撃の場合に、グレージング材料の第1のシートおよび第2のシートのうちの少なくとも1つを破損させるように配置され、第1の脆弱化装置は、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口内に位置する、車両フロントガラス用の積層グレージングを提供する。
【0008】
脆弱化装置を接着性中間層材料の第1のシートの開口内に設けることによって、脆弱化装置は積層グレージングの一部となり、本発明を車両への実装を容易にする。
【0009】
好ましくは、少なくとも第2の脆弱化装置は、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口内に位置する。そのような実施形態では、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口内に少なくとも2つの脆弱化装置が存在する。
【0010】
好ましくは、少なくとも第2の脆弱化装置は、接着性中間層材料の第1のシートの第2の開口内に位置する。そのような実施形態では、接着性中間層材料の第1のシートは、その中に少なくとも2つの開口を有する。
【0011】
好ましくは、積層グレージングは、グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に少なくとも1つの他の脆弱化装置をさらに備え、少なくとも1つの他の脆弱化装置は、接着性中間層材料の第1のシートのそれぞれの開口内に位置する。
【0012】
いくつかの実施形態では、バリアが第1の開口内の第1の脆弱化装置を取り囲み、バリアは、積層中に第1の脆弱化手段に到達する中間層材料の流を制限する。
【0013】
好ましくは、バリアは、使用される積層プロセス中において寸法的に安定している。
【0014】
好ましくは、バリアは、環状の形態である。
【0015】
好ましくは、バリアは、圧縮可能な材料、好ましくはゴムを備える。
【0016】
好ましくは、バリアは、PETまたはポリカーボネートを備える。
【0017】
好ましくは、バリアは、接着性中間層材料の第1のシートに対して化学的に不活性である。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の脆弱化装置は、グレージング材料の第1のシートの第2の主表面と接触するための底部分と、グレージング材料の第2のシートの第1の主表面と接触するための少なくとも第1の接触部分とを有する少なくとも1つの衝撃装置を備える。
【0019】
グレージング材料の第1のシートの第1の主表面で積層グレージングとの衝突が起こった場合、衝撃装置の第1の接触部分がグレージング材料の第2のシートの第1の主表面に接触して、グレージング材料の第2のシートを破損させる。
【0020】
好ましくは、第1の接触部分は、尖っている。
【0021】
好ましくは、衝撃装置の底部分は、第1の接触部分に向かって先細になっている。
【0022】
好ましくは、衝撃装置は、円錐形状または角錐形状である。
【0023】
好ましくは、第1の接触部分は、グレージング材料の第2のシートよりも硬い。
【0024】
好ましくは、第1の接触部分は、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステンおよびダイヤモンドのうちの少なくとも1つを備える。
【0025】
好ましくは、少なくとも第1の隆起部分は、底部分から延在し、第1の隆起部分は、底部分に隣接する第1の端と第1の隆起部分の第1の端の反対側の第2の端とを有し、第1の隆起部分の第2の端は、第1の接触部分を備える。
【0026】
好ましくは、第1の隆起部分は、底部分と一体的に形成されるが、いくつかの実施形態では、第1の接触部分は、底部分とは異なる材料から作製される。
【0027】
好ましくは、第1の隆起部分は、円錐形状または角錐形状またはスパイク状である。
【0028】
いくつかの実施形態では、積層グレージングは、接着性中間層材料の第1のシートの別の開口内に位置する別の脆弱化装置をさらに備え、第1の開口は、第1の間隔の分、別の開口から離隔する。
【0029】
好ましくは、第1の間隔は、0.5cm~50cm、より好ましくは0.5cm~40cm、より好ましくは0.5cm~30cm、より好ましくは0.5cm~20cm、より好ましくは0.5cm~10cmである。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の開口は、積層グレージングの周縁から離隔する。
【0031】
好ましくは、第1の開口は、積層グレージングの周縁から1cm~20cm、より好ましくは1cm~15cm、より好ましくは1cm~10cm、より好ましくは、1cm~9cm、または1cm~8cm、または1cm~7cm、または1cm~6cm、または1cm~5cm離隔する。
【0032】
好ましくは、第1の開口は、車両に設置されたときに積層グレージングの下縁となるように構成された積層グレージングの周縁から離隔する。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の開口は、その上に不明瞭化バンドを有する積層グレージングの領域にある。
【0034】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、積層グレージングとの衝突時に積層グレージングを脆弱化するように配置された1つ以上の脆弱点または線を備える。
【0035】
好ましくは、脆弱点または線は、グレージング材料の第1および/または第2のシートの主表面上にある。
【0036】
いくつかの実施形態では、積層グレージングは、車両に設置するための車両フロントガラスの一部である。
【0037】
いくつかの実施形態では、接着性中間層材料の第1のシート内に複数の開口が存在する。
【0038】
好ましくは、複数の開口は、車両に設置されたときに積層グレージングの下縁となるように構成された積層グレージングの周縁から離隔する。
【0039】
好ましくは、複数の開口は、一列に配置される。好ましくは、線は、積層グレージングの周縁に平行であり、より好ましくは、車両に設置されたときに積層グレージングの下縁となるように構成された周縁である。
【0040】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第1のシートは、1mm~5mm、好ましくは1.3mm~3mmの厚さを有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第2のシートは、1mm~5mm、好ましくは1.3mm~3mmの厚さを有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第2のシートは、グレージング材料の第1のシートよりも薄い。
【0043】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第1のシートの第1の主表面は、凸面であり、グレージング材料の第2のシートの第2の主表面は、凸面である。
【0044】
いくつかの実施形態では、グレージング材料の第1のシートと第2のシートとの間に接着性中間層材料のシートが1枚のみ存在する。
【0045】
いくつかの実施形態では、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口は、円形である。
【0046】
いくつかの実施形態では、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口は、卵形または正方形または長方形または台形または三角形である。
【0047】
いくつかの実施形態では、接着性中間層材料の第1のシートの第1の開口は、少なくとも第1の対称軸、好ましくは第1および第2の対称軸を有する。
【0048】
第1の開口が複数の開口のうちの1つである実施形態では、複数の開口の各開口が同じ形状および/または同じ面積を有することが好ましい。
【0049】
積層グレージングは、他にも好ましい特徴を有する。
【0050】
好ましくは、積層グレージングは、少なくとも一方向に湾曲する。好ましくは、少なくとも一方向の曲率半径は、500mm~20000mmであり、より好ましくは、1000mm~8000mmである。
【0051】
好ましくは、接着性中間層材料の第1のシートは、ポリビニルブチラール(PVB)、吸音性改質PVB、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのエチレンのコポリマー、エチレンおよびメタクリル酸(EMA)のコポリマーまたはUvekol(液体硬化性樹脂)を備える。
【0052】
好ましくは、接着性中間層材料の少なくとも1つのシートは、0.3mm~2.3mm、より好ましくは0.3mm~1.6mm、最も好ましくは0.3mm~0.8mmの厚さを有する。
【0053】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、1mm~3mmの間の厚さを有する。
【0054】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、1.4mm~2.8mmの厚さを有し、より好ましくは1.6mm~2.3mmの厚さを有する。
【0055】
好ましくは、積層グレージングの厚さは、3mm~10mmである。
【0056】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラスのシート、特にフロートガラスのシートである。
【0057】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスのシートである。
【0058】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、少なくとも約6wt%(重量パーセント)の酸化アルミニウム(Al)を備える。
【0059】
好ましくは、グレージング材料の第1および/または第2のシートは、化学強化されたもの、すなわち化学強化ガラスである。グレージング材料の第1および/または第2のシートが化学強化されるとき、好ましくは、グレージング材料の化学強化されたシートは、1.2mm未満、より好ましくは0.3mm~1mm、さらにより好ましくは0.4mm~0.9mmの厚さを有する。
【0060】
本発明はまた、第2の態様から、本発明の第1の態様による積層グレージングの車両のフロントガラスとしての使用を提供し、車両との衝突に巻き込まれた人への傷害の可能性を低減する。
【0061】
ここで、下記の図(原寸通りではない)を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明による積層グレージングの平面図である。
図2図1に示される積層グレージングの線M-M’に沿った概略断面図である。
図3図1に示される積層グレージングの概略分解等角図である。
図4図1に示される積層グレージングの線M-M’に沿った概略分解断面図である。
図5図1~4に示される積層グレージングに使用される衝撃装置の等角図である。
図6図1~4に示される積層グレージングに使用される別の衝撃装置の等角図である。
図7図1に示されるものに類似する別の積層グレージングの概略分解等角図である。
図8図7に示される積層グレージングに使用される衝撃装置の平面図である。
図9図8に示される積層グレージングの線N-N’に沿った断面図である。
図10】本発明によるフロントガラスが設置された車両の内部からの視野である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、本発明による積層グレージングの平面図を示す。この例では、積層グレージング1は、車両用フロントガラスである。
【0064】
平面図では、フロントガラス1は、実質的に台形であり、下角aおよびbならびに上角cおよびdを有する。下縁a-bは、フロントガラス1が車両に設置されたとき、車両のボンネットに最も近い位置にある。
【0065】
積層グレージング1は、その周縁の周りに延在する不明瞭化バンド6を有する。
【0066】
図1、2、3および4を参照すると、積層グレージング1は、ポリビニルブチラール(PVB)のシート7によって第2のガラスシート5に接合された第1のガラスシート3を備える。
【0067】
第1のガラスシート3は、第1の主表面3aおよび反対側の第2の主表面3bを有する。第2のガラスシート5は、第1の主表面5aと反対側の第2の主表面5bとを有する。PVBのシート7は、第1の主表面7aと反対側の第2の主表面7bとを有する。
【0068】
第2の主表面3bは、第1の主表面5aに面し、PVBのシート7は、第1のガラスシート3と第2のシート5との間にある。
【0069】
この例では、第1のガラスシート3は、ガラスの外側シートであり、第2のガラスシートは、ガラスの内側シートである。
【0070】
従来の命名法を使用すると、第1のガラスシート3の第1の主表面3aは、積層グレージング1の「表面1」(またはS1)である。第1のガラスシート3の第2の主表面3bは、積層グレージング1の「表面2」(またはS2)である。第1の主表面5aは、積層グレージング1の「表面1」(またはS1)である。第2のガラスシート5の第2の主表面5bは、積層グレージング1の「表面4」(またはS4)である。
【0071】
この例では、第1および第2のガラスシート3、5の各々は、4mm未満の厚さを有する。この例では、第1のガラスシート3は、2.1mmの厚さを有し、第2のガラスシート5は、1.8mmの厚さを有する。PVBのシート7は、0.76mmの厚さであるが、0.3mm~1.6mmの厚さであり得る。
【0072】
第2のガラスシート5の第2の主表面5bの一部には、不明瞭化バンド6がある。不明瞭化バンドは、光学的に不透明な領域6aと複数の光学的に不透明なドットを備えるフェードアウト領域6bとを有する。
【0073】
不明瞭化バンドは、個別でまたはそれらの任意の組み合わせでのいずれかにおいて、任意の主表面3a、3b、5a、5b上にあり得る。
【0074】
第1および/または第2のガラスシートは、ソーダ石灰ケイ酸塩の組成を有し得る。通常のソーダ石灰ケイ酸塩ガラスの組成(重量)は、SiO 69~74%、Al 0~3%、NaO 10~16%、KO 0~5%、MgO 0~6%、CaO 5~14%、SO 0~2%、Fe 0.005~2%である。ガラス組成物はまた、他の添加剤、例えば、通常最大2%の量で存在し得る精製助剤を含有し得る。ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス組成物は、Co、NiOおよびSeなどの他の着色剤を含有して、透過光を通して見たときに所望の色をガラスに与え得る。ガラスの透過色は、BS EN410などの認識されている規格に基づいて測定され得る。
【0075】
アルカリアルミノケイ酸ガラスなどの、他のガラス組成もまた使用され得、第1および/または第2のガラスシートは、化学強化され得る。化学強化ガラスシートを使用するとき、そのようなガラスシートの厚さは、1mm未満、好ましくは、0.4mmから0.9mmの範囲である。
【0076】
PVBのシート7は、その中に複数の円形開口9を有する(図1においてそのうちの1つだけが符号付けされる)。図示の例では、積層グレージング1の下縁a-bに実質的に平行な、一列に配置された(9aと符号付けされた)9つの円形開口9が存在する。すなわち、各開口9の中心は、積層グレージング1の下縁a-bに実質的に平行な線上にある。各開口9は、同じ直径である。他の実施形態では、開口9は、異なる形状および/または面積を有し得る。
【0077】
各開口9は、一端で第1の主表面7aと連通し、他端で第2の主表面7bと連通する。
【0078】
円形開口9には、ゴムまたは他の同様の圧縮可能な材料(すなわち、他の弾性ポリマーまたはエラストマー)のリング11が配置される。リング11は、Oリングであり得る。
【0079】
リング11内には、一体成形粒子の形態の衝撃装置13が位置する。このような粒子の例としては、3M(商標)からCubitron(商標)の商標で提供されるタイプの精密成形粒子が挙げられる。
【0080】
衝撃装置13は、第1のガラスシート3の第2の主表面3bに接触するための底部分15と第2のガラスシート5の第1の主表面5aに接触するための尖った部分17とを有する。
【0081】
開口9aの列の各開口9は、それぞれのリング11aおよびその中に位置する衝撃装置13aを有する。
【0082】
底部分15は、円形であり、リング11の内側に適合する。底部分15の直径は、リング11の内径よりわずかに小さい場合があり得る。
【0083】
図2に示す実施形態では、底部分15は、第1のガラスシート3の第2の主表面3bと接触し、尖った部分17は、第2のガラスシート5の第1の主表面5aと接触する。他の実施形態では、衝撃装置13は、底部分15および/または尖った部分17が積層グレージング1内のそれぞれのガラス表面と永続的には接触しないように、ガラスシート3、5の間の空間内で移動可能なサイズであり得る。
【0084】
矢印19の方向(積層グレージング1の第1の主表面3a上で)に衝撃が生じると、衝撃装置13は、尖った部分17が第2のガラスシート5の第1の主表面5aに対して押し付けられるようになるにつれて、第2のガラスシート5を破損させる。衝撃装置13は、第2のガラスシート5よりも高い硬度を有し、第2のガラスシート5にクラックを伝播させる。
【0085】
破損すると、破損した第2のガラスシート5の破片は、接着性中間層材料(この例ではPVB)のシート7に接合されたままであり得る。
【0086】
第2のガラスシート5は、例えば、米国特許出願公開第2005/0175844号明細書および/または米国特許出願公開第2006/0138798号明細書に記載されているように形成されて、第2のガラスシート5がより容易に破損することを可能にするために、尖った部分と接触する付近に予め生成されたマイクロクラックを有し得る。
【0087】
図5は、衝撃装置13およびリング11をより詳細に示す。リング11は、円形環状であり、外径11aおよび内径11bを有する。
【0088】
衝撃装置13は、尖った部分17に向かって先細になっている円形底部分15を有する。衝撃装置13は、円錐形状粒子であり、中実または中空であり得る。
【0089】
底部分15は、直径15aを有し、いくつかの実施形態では、リング11にぴったりとはまる大きさである。他の実施形態では、直径15aは、内径11bより小さい。
【0090】
衝撃装置13は、高さ16を有し、高さは、底部分15と尖った部分17の端との間の距離である。高さ16は、PVBのシート7の厚さと同じであることが好ましいが、その高さは、PVBのシート7の厚さよりわずかに小さい場合があり得る(したがって、第1のガラスシート3と第2のガラスシート5との間の間隔よりも小さい)。
【0091】
図6は、本発明で使用するための別の衝撃装置23を示す。この例では、衝撃装置は、正四角錐であり得る、四角錐の形態の単一粒子である。
【0092】
衝撃装置は、正方形の底部分25および尖った部分27を有する。
【0093】
衝撃装置23は、PVBのシート7の任意の形状の開口、例えば円形の開口9に組み込まれ得る。好ましくは、粒子23の底が適合する材料のリングが使用される。材料のリングは、四角いリングであり得、材料は、圧縮性、すなわちゴムであり得る。
【0094】
衝撃装置13、23は、第1および/または第2のガラスシート3、5と比較して適切に硬い。衝撃装置13、23(特に尖った部分17、27)に適した材料には、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステンおよびダイヤモンドが含まれる。
【0095】
一体形成される代わりに、衝撃装置13、23は、特に尖った部分で、多部品構造を有し得る。例えば、尖った部分は、ダイヤモンドチップであり得る。
【0096】
図7は、本発明による別の積層グレージング31の分解概略斜視図を示す。この例では、積層グレージング31は、図1に示されるフロントガラス1と平面図で同じ構成を有する車両フロントガラスである。
【0097】
積層グレージング31は、PVBのシート37によって第2のガラスシート35に接合された第1のガラスシート33を有する。
【0098】
第1および第2のガラスシート33、35の各々は、ソーダ石灰ケイ酸塩組成を有する。第1および第2のガラスシート33、35のいずれかまたは両方は、化学強化され得る。
【0099】
PVBのシート37は、積層グレージング31の下縁a-bに向かって配置された4つの細長い開口を内部に有する。細長い開口は、細長い開口39を含む第1の下方の列と開口39’、39’’および39’’’を含む第2の列(第1の列の上方)との2つの列に配置される。各列は、積層グレージング31の下縁a-bと平行になるように配置される。
【0100】
細長い開口39内には、エラストマー材料41の適切なサイズのリングが位置する。
【0101】
各細長い開口39’、39’’、および39’’’内には、それぞれの適切なサイズのエラストマー材料のリング41’、41’’、41’’’が位置する。
【0102】
リング41内には、衝撃装置43が位置する。リング41’内には、衝撃装置43’が位置する。リング41’’内には、衝撃装置43’’が位置する。リング41’’’には、衝撃装置43’’’が位置する。
【0103】
衝撃装置43、43’、43’’および43’’’は、各々同様に構成され、同じ幅を有するが、衝撃装置43は、衝撃装置43’、43’’および43’’’よりも長い。
【0104】
衝撃装置43、43’、43’’および43’’’は、各々、底部分と底部分から延在する複数の隆起部分とを備える。隆起部分は、第2のガラスシート35の方を向いている。
【0105】
衝撃装置43、43’、43’’および43’’’は、図2~4に示される衝撃装置13と実質的に同じように機能する。矢印19の方向の衝撃の場合、衝撃装置43、43’、43’’および43’’’のうちの少なくとも1つの隆起部分のうちの少なくとも1つが接触し、第1のガラスシート33に面している第2のガラスシート35の主表面に押し付けられ、第2のガラスシート35を破損させる。
【0106】
図8は、リング41’に位置する衝撃装置43’の詳細をさらに示す。図9は、図8の線N-N’に沿った断面図である。
【0107】
図8および9を参照すると、衝撃装置43’は、底部分45’とそこから上方に延在する16個の隆起部分53(そのうちの1つだけが符号付けされている)を有する。
【0108】
隆起部分53は各々、それぞれの底部分55および尖った部分57を有する四角錐形態を有する。各隆起部分は、同じ高さを有し、隆起部分53の尖った部分は、第2のガラスシート35の内面と平行な平面内にある。
【0109】
隆起部分53は、底部分45’と一体的に形成され得る。隆起部分53に適した材料には、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステンを含む、第2のガラスシート35に対して適切な硬質材料が含まれる。
【0110】
他の2つの衝撃装置43’’および43’’は、衝撃装置43’と同じように構成される。衝撃装置43は、その底部分がより長く、そこから上向きに延在するより多くの隆起部分があることを除いて、衝撃装置43’と同様である。
【0111】
別の実施形態では、PVBシート37の細長い開口39、39’、39’’および39’’’の1つ以上は、2つの脆弱化装置を含み、例えば、図8に示されるタイプの2つの衝撃装置、または図8に示される1つのタイプの衝撃装置および図5または6に示される1つのタイプの衝撃装置を含む。
【0112】
図10は、そこに設置された本発明によるフロントガラス101を有する車両の内側からの概略図である。
【0113】
車両フロントガラス101は、図1~4に示される車両フロントガラス1と同様であり、この例ではPVBである、接着性中間層のシートによって内側ガラスに接合された外側ガラス板を含む。
【0114】
PVBのシートは、その下方領域に9つの開口を含む。下方領域の左側の開口のうち3つは円形であり(グループ103)、図1~4のPVBのシート7内の開口9と同様であり、下方中央領域の開口のうちの3つは、細長く(グループ105)、図7のPVBのシート37内の細長開口39’、39’’および39’’’と同様であり、また、下方領域の右側の開口のうちの3つもまた、円形であり(グループ107)、図1~4のPVBのシート7の開口9と同様である。
【0115】
グループ103およびグループ107の各開口内には、材料のリングおよび図2~4に示す衝撃装置13などの衝撃装置が位置する。材料のリングは、積層中にPVBが開口内の衝撃装置に流れることを防いだ(さもなくば衝撃装置の有効性が低下する)。
【0116】
グループ105の開口の各々には、材料の細長いリングと図7および8に示される衝撃装置43’などの衝撃装置とが位置する。材料の細長いリング(図7および8のゴムのリング41’など)は、PVBが積層中に開口内の衝撃装置に流れることを防いだ(さもなくば衝撃装置の有効性が低下する)。
【0117】
フロントガラス101はまた、その上に(線106の下に)不明瞭化バンドを有する。不明瞭化バンドは、開口103、105、107および関連する材料のリング/衝撃装置が車両の内側から見えないようにする。
【0118】
開口の配置は、車両によって異なる場合があり得る。また、フロントガラス101の左側および/または右側、またはその他の領域に延在する開口に関連するリングおよび衝撃装置が存在し得る。
【0119】
前の例では、ガラスシートの1つ以上は、米国特許出願公開第2005/0175844号明細書および米国特許出願公開第2006/0138798号明細書に記載されているタイプの脆弱部を設け得る。
【0120】
さらに、前の例では、材料のリングは、接着性中間層材料のシートによって第1および第2のガラスシートを接合するための適切な積層プロセス中に中間層材料が接着性中間層材料のシートの開口に流れ込むのを防止するために使用された。このような積層プロセスでは、適切な高温および高圧が使用される。中間層材料が開口に流入して衝撃装置に接触すると、ガラスシートを破損する際の性能が低下し得る。
【0121】
接着性中間層材料が衝撃装置に流れないように積層プロセスを制御することは可能であり得るが、積層中に接着性中間層がどのように流れるかを制御することは困難であるため、これは好ましくない。したがって、接着性中間層材料のそのような流れを防止するために、開口内にバリアを使用することが好ましい。
【0122】
図1~4に示す積層グレージング1は、下記のように製造され得る。
【0123】
第1のガラスシート3は、水平面を有するテーブルなどの適切な支持体上に配置される。次に、PVBのシートが準備され、PVBのシート内に開口9が例えば打ち抜きまたは切断によって作製され、その中に開口を有するPVBのシート7が得られる。次に、開口9を有するPVBのシート7は、第1のガラスシート3上に位置する。
【0124】
次に、ゴム製Oリング11は、各開口9内に位置する。次に、衝撃装置13は、各開口9内の各ゴム製Oリングの内側に位置し、それぞれのゴム製Oリングがそれぞれの衝撃装置13を取り囲む。
【0125】
次に、第2のガラスシート5は、PVBのシート7の上に位置する。
【0126】
次いで、構成要素の積層されていないスタックを適切な高温および圧力で積層して、第1のガラスシート3を第2のガラスシート5にPVBシート7によって接合する。各Oリング11は、第1および第2のガラスシート3、5の内面(第1のガラスシート3の表面3bおよび第2のガラスシート5の表面5a)とシールを形成するため、積層中に、PVBは、Oリング11を通過することができなかった。その結果、各衝撃装置13は、PVBの開口内に留まり、PVBのシート7と直接接触しない。
【0127】
第1のガラスシートを第2のガラスシートに接合する前に、接着性中間層材料のシートの代わりに液体樹脂を使用する場合、上記の方法は変更される。
【0128】
第1のガラスシート3は、その周囲にバリアが設けられる。次に、Oリング11は、第1のガラスシート3上の所望の場所に位置し、衝撃装置13は、各Oリング11の内側に位置する。次に、液体樹脂は、第1のガラスシート3上に注がれ、Oリング11が各衝撃装置を取り囲むため、衝撃装置13との接触が防止される。Oリング11は、PVBのシートを使用し、積層プロセスに適切な高温および高圧を使用する場合、上記と同じ方法で液体樹脂に対するバリアとして機能する。
【0129】
次に、第2のガラスシート5は、未硬化の樹脂上に位置し、未硬化の樹脂は、部分的に硬化され得る。樹脂は、完全に硬化されることが可能となり、それによって第1のガラスシート3は、第2のガラスシート5に接合する。
【0130】
本発明は、自動車、貨物自動車、トラックまたはバスなどの車両のフロントガラスとしての特定の用途を見出す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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【国際調査報告】