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特表2023-532977外科用ロボット位置決めシステム並びに関連する装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】外科用ロボット位置決めシステム並びに関連する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/00 20160101AFI20230725BHJP
【FI】
A61B34/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500259
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2021040498
(87)【国際公開番号】W WO2022010887
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/048,620
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518408589
【氏名又は名称】バーチャル インシジョン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】VIRTUAL INCISION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファリター、シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー、レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】ダーラム、パーカー
(72)【発明者】
【氏名】カブリッチ、ルー
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ライヘンバッハ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】チチェルキア、ロバート エム.
(72)【発明者】
【氏名】ホーン、カーステン
(57)【要約】
本明細書に開示される様々な実施形態は、外科処置中の外科用装置の肉眼的位置決めを支援する、外科用ロボット位置決めシステム及び装置に関する。例えば、ロボット外科用装置とともに使用するための肉眼的位置決めシステムは、位置決め体と、ヨー回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、ピッチ回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、ピッチ機構に動作可能に結合されたプランジ機構であって、摺動して、ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されている、プランジ機構と、を含むことができる。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科用装置とともに使用するための肉眼的位置決めシステムであって、前記システムが、
(a)位置決め体と、
(b)第1の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、
(c)第2の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、
(d)プランジ機構であって、前記プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるように前記ピッチ機構に摺動可能に結合され、前記ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されている、プランジ機構と、を備える、肉眼的位置決めシステム。
【請求項2】
前記ヨー機構が、前記位置決め体を前記第1の回転関節の周りに回転させるように構成された出力シャフトと動作可能に係合されたモータを更に備える、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項3】
前記ヨー機構が、
(a)前記モータに結合された駆動歯車と、
(b)前記駆動歯車と動作可能に係合された被駆動歯車と、
(c)前記被駆動歯車に結合されたねじと、
(d)前記出力シャフトに結合されたホイールであって、前記ねじと動作可能に係合されている、ホイールと、を更に備える、請求項2に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項4】
前記ピッチ機構が、前記プランジ機構を前記第2の回転関節の周りに回転させるように構成された湾曲した出力レールと動作可能に係合されたモータを更に備える、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項5】
前記ピッチ機構が、
(a)前記モータに結合されたねじと、
(b)前記ねじと動作可能に係合されたホイールと、
(c)前記ホイールに動作可能に結合された回転可能な歯車であって、前記湾曲した出力レールと動作可能に係合されている、回転可能な歯車と、を更に備える、請求項4に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項6】
前記プランジ機構が、前記プランジ軸に沿って前記プランジ機構を並進移動させるように構成された細長い出力レールと動作可能に係合されたモータを更に備える、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項7】
前記プランジ機構が、前記ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されたクランプを更に備える、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項8】
前記第1の回転関節の第1の回転軸、前記第2の回転関節の第2の回転軸、及び前記プランジ軸が、単一の交点において交差する、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項9】
前記単一の交点において交差する光ビームを放射するように構成された2つ以上のレーザを更に備える、請求項8に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項10】
前記肉眼的位置決めシステム及び前記ロボット外科用装置に動作可能に結合されたコントローラを更に備え、前記肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置が、一緒に動作して、前記ロボット外科用装置を患者の体腔内に位置決めするように構成されている、請求項1に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項11】
ロボット外科用装置とともに使用するための肉眼的位置決めシステムであって、前記システムが、
(a)位置決め体と、
(b)第1の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、
(c)第2の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、
(d)プランジ機構であって、前記プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるように前記ピッチ機構に摺動可能に結合され、前記プランジ軸の前記長さに沿って前記ロボット外科用装置を並進移動させるように構成されている、プランジ機構と、を備え、
(e)前記ロボット外科用装置が、前記プランジ機構に動作可能に結合されており、前記ロボット外科用装置が、
(i)装置本体と、
(ii)前記装置本体に動作可能に結合されたアームであって、エンドエフェクタを備える、アームと、を備え、
前記ロボット外科用装置が、前記アーム及び前記装置本体の少なくとも一部分が患者の体腔内に位置決め可能であるように、前記患者の挿入点を通して位置決め可能である、肉眼的位置決めシステム。
【請求項12】
前記第1の回転関節の第1の回転軸、前記第2の回転関節の第2の回転軸、及び前記プランジ軸が、単一の交点で交差する、請求項11に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項13】
前記単一の交点が、前記ロボット外科用装置の一部分に沿ったある点に配設される、請求項12に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項14】
前記単一の交点が、患者の挿入点に配設され、前記アームが、前記単一の交点を通して部分的に配設される、請求項12に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項15】
前記挿入点が、切開部又は自然開口部を含む、請求項14に記載の肉眼的位置決めシステム。
【請求項16】
内部ロボット外科用装置とともに使用するための外部肉眼的位置決めシステムであって、前記システムが、
(a)支持アームと、
(b)前記支持アームに動作可能に結合された位置決め体と、
(c)第1の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、
(d)第2の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、
(e)プランジ機構であって、前記プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるように前記ピッチ機構に摺動可能に結合され、前記内部ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されている、プランジ機構と、
(f)前記第1の回転関節の回転軸、前記第2の回転関節の回転軸、及び前記プランジ軸の単一の交点と、を備える、外部肉眼的位置決めシステム。
【請求項17】
前記支持アームが、
(a)ベッドレールと結合するように構成されたクランプと、
(b)前記クランプに結合されたロッドと、
(c)第3の回転関節において前記ロッドに動作可能に結合された第1の細長いアームと、
(d)第4の回転関節において前記第1の細長いアームに動作可能に結合され、かつ第5の回転関節において前記位置決め体に動作可能に結合された第2の細長いアームと、を更に備える、請求項16に記載の外部肉眼的位置決めシステム。
【請求項18】
前記第3の回転関節、前記第4の回転関節、及び前記第5の回転関節が、それぞれ平行軸の周りに回転するように構成されている、請求項17に記載の外部肉眼的位置決めシステム。
【請求項19】
前記ロボット外科用装置が、少なくとも1つのアームを備え、前記外部肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置が、一緒に動作して、前記ロボット外科用装置を患者の体腔内に位置決めするように構成されている、請求項16に記載の外部肉眼的位置決めシステム。
【請求項20】
(a)前記外部肉眼的位置決めシステム及び前記ロボット外科用装置に動作可能に結合された中央処理ユニットであって、前記外部肉眼的位置決めシステム及び前記ロボット外科用装置に制御命令を送信するように構成されたソフトウェアを備える、中央処理ユニットと、
(b)前記中央処理ユニットに動作可能に結合されたコントローラと、を更に備える、請求項19に記載の外部肉眼的位置決めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月6日に出願された「Surgical Robot Positioning System and Related Devices and Methods」と題された米国仮出願第63/048,620号に対する、米国特許法§119(e)に基づく利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の様々な実施形態は、ロボット外科用システムに関するものであり、より具体的には、外科処置中の外科用装置の肉眼的位置決めを支援する、外科用ロボット位置決めシステム及び装置に関する。肉眼的位置決めシステムとインビボの外科用装置との組み合わせは、インビボの装置サイズを増加させることなく、該装置の自由度の増加をもたらす。
【背景技術】
【0003】
現在ロボット手術に使用されている既知の位置決めシステムは、大型で煩雑である。例えば、Da Vinci SP外科システム(商標)は、手術室のかなりの部分を占め、手術部位の上に混雑した空間を生じさせ、早稲田大学によって作成されたシステムは、必要以上に大きいプロファイルを作り出す嵩高いモータハウジングを有する。更なる例では、Raven(商標)は、(上記の他の2つのシステムで使用されるインビボのロボットシステムとは対照的に)単一のツールを挿入することによって、現在の腹腔鏡技術を模倣している。
【0004】
これらの既知のシステムのうちの特定のものは、患者の腹腔の範囲に到達するために使用することができる、既知の一般的な球状機構を含む。「球状機構」は、物理的機構又はソフトウェアアプリケーションであり、全てのエンドエフェクタ運動に単一の点を通過させ、それによって、外科システムが、単一の枢軸点としての役割を果たす、切開部を通して処置を行う長い剛性ツールを使用することを可能にする。一例として、COBRASurge及びRavenは、どちらも機械的球状機構を有するが、Da Vinciは、ソフトウェアベースの球状機構を有する。
【0005】
当技術分野では、改善された位置決めシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、インビボの外科用装置などのロボット外科用装置とともに使用するための様々な肉眼的位置決めシステムについて論じる。
【0007】
実施例1では、ロボット外科用装置とともに使用するための肉眼的位置決めシステムは、位置決め体と、第1の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、第2の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、プランジ機構であって、プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるようにピッチ機構に摺動可能に結合され、ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されている、プランジ機構と、を備える。
【0008】
実施例2は、ヨー機構が、位置決め体を第1の回転関節の周りに回転させるように構成された出力シャフトと動作可能に係合されたモータを更に備える、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0009】
実施例3は、ヨー機構が、モータに結合された駆動歯車と、駆動歯車と動作可能に係合された被駆動歯車と、被駆動歯車に結合されたねじと、出力シャフトに結合されたホイールであって、ねじと動作可能に係合されている、ホイールと、を更に備える、実施例2に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0010】
実施例4は、ピッチ機構が、プランジ機構を第2の回転関節の周りに回転させるように構成された湾曲した出力レールと動作可能に係合されたモータを更に備える、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0011】
実施例5は、ピッチ機構が、モータに結合されたねじと、ねじと動作可能に係合されたホイールと、ホイールに動作可能に結合された回転可能な歯車であって、湾曲した出力レールと動作可能に係合されている、回転可能な歯車と、を更に備える、実施例4に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0012】
実施例6は、プランジ機構が、プランジ軸に沿ってプランジ機構を並進移動させるように構成された細長い出力レールと動作可能に係合されたモータを更に備える、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0013】
実施例7は、プランジ機構が、ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されたクランプを更に備える、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0014】
実施例8は、第1の回転関節の第1の回転軸、第2の回転関節の第2の回転軸、及びプランジ軸が、単一の交点において交差する、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0015】
実施例9は、単一の交点において交差する光ビームを放射するように構成された2つ以上のレーザを更に備える、実施例8に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0016】
実施例10は、肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置に動作可能に結合されたコントローラを更に備え、肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置が、一緒に動作して、ロボット外科用装置を患者の体腔内に位置決めするように構成されている、実施例1に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0017】
実施例11では、ロボット外科用装置とともに使用するための肉眼的位置決めシステムは、位置決め体と、第1の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、第2の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、プランジ機構であって、プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるようにピッチ機構に摺動可能に結合され、ロボット外科用装置をプランジ軸の長さに沿って並進移動させるように構成されている、プランジ機構と、プランジ機構に動作可能に結合されたロボット外科用装置であって、ロボット外科用装置は、装置本体と、装置本体に動作可能に結合されたアームであって、エンドエフェクタを備える、アームと、を備える、ロボット外科用装置と、を備え、ロボット外科用装置は、アーム及び装置本体の少なくとも一部分が患者の体腔内に位置決め可能であるように、挿入点を通して患者内に位置決め可能である。
【0018】
実施例12は、第1の回転関節の第1の回転軸、第2の回転関節の第2の回転軸、及びプランジ軸が、単一の交点で交差する、実施例11に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0019】
実施例13は、単一の交点が、ロボット外科用装置の一部分に沿ったある点に配設される、実施例12に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0020】
実施例14は、単一の交点が、患者の挿入点に配設され、アームが、単一の交点を通して部分的に配設される、実施例12に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0021】
実施例15は、挿入点が、切開部又は自然開口部を含む、実施例14に記載の肉眼的位置決めシステムに関する。
【0022】
実施例16では、内部ロボット外科用装置とともに使用するための外部肉眼的位置決めシステムは、支持アームと、支持アームに動作可能に結合された位置決め体と、第1の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構と、第2の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構と、プランジ機構であって、プランジ機構がプランジ軸の長さに沿って移動することができるようにピッチ機構に摺動可能に結合され、内部ロボット外科用装置に結合可能であるように構成されている、プランジ機構と、第1の回転関節の回転軸、第2の回転関節の回転軸、及びプランジ軸の単一の交点と、を備える。
【0023】
実施例17は、支持アームが、ベッドレールと結合するように構成されたクランプと、クランプに結合されたロッドと、第3の回転関節においてロッドに動作可能に結合された第1の細長いアームと、第4の回転関節において第1の細長いアームに動作可能に結合され、かつ第5の回転関節において位置決め体に動作可能に結合された第2の細長いアームと、を更に備える、実施例16に記載の外部肉眼的位置決めシステムに関する。
【0024】
実施例18は、第3の回転関節、第4の回転関節、及び第5の回転関節が、それぞれ平行軸の周りに回転するように構成されている、実施例17に記載の外部肉眼的位置決めシステムに関する。
【0025】
実施例19は、ロボット外科用装置が、少なくとも1つのアームを備え、外部肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置が、一緒に動作して、ロボット外科用装置を患者の体腔内に位置決めするように構成されている、実施例16に記載の外部肉眼的位置決めシステムに関する。
【0026】
実施例20は、外部肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置に動作可能に結合された中央処理ユニットであって、外部肉眼的位置決めシステム及びロボット外科用装置に制御命令を送信するように構成されたソフトウェアを備える、中央処理ユニットと、中央処理ユニットに動作可能に結合されたコントローラと、を更に備えている、実施例19に記載の外部肉眼的位置決めシステムに関する。
【0027】
実施例21では、手術を行うための方法は、第1の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構を第1の回転関節において回転させることと、第2の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構を第2の回転関節において回転させることと、プランジ軸の長さに沿って、ピッチ機構に動作可能に結合されたプランジ機構を摺動させることと、を含み、ロボット外科用装置は、プランジ軸の長さに沿ってロボット外科用装置とともに摺動するように構成されている。
【0028】
実施例22では、手術を行うための方法は、位置決め体に動作可能に結合された支持アームの第1のアームを調整することと、第1の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたヨー機構を第1の回転関節において回転させることと、第2の回転関節において位置決め体に動作可能に結合されたピッチ機構を第2の回転関節において回転させることと、プランジ軸の長さに沿って、ピッチ機構に動作可能に結合されたプランジ機構を摺動させることであって、ロボット外科用装置が、プランジ軸の長さに沿ってロボット外科用装置とともに摺動するように構成されている、摺動させることと、ロボット外科用装置を第1の回転関節の回転軸、第2の回転関節の回転軸、及びプランジ軸の単一の交点で位置合わせすることと、を含む。
【0029】
複数の実施形態が開示されるが、更に他の実施形態は、例示的な実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、様々な実施形態は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な実装形態において修正することができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態による、ロボット外科用システムである。
図2A】一実施形態による、インビボのロボット装置に結合されたロボット外科用装置位置決めシステムの斜視図である。
図2B】一実施形態による、患者の腔内に配設されるインビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの詳細図である。
図3A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムの詳細斜視図である。
図3B】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムの別の詳細斜視図である。
図4A】一実施形態による、インビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの作業空間の詳細斜視図である。
図4B図4Aのインビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの作業空間の断面の詳細側面図である。
図5】一実施形態による、カメラを備えたインビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの詳細側面図である。
図6A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのヨー機構及び支持アームの斜視図である。
図6B図6Aの肉眼的位置決めシステムのヨー機構の分解断面図である。
図7A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのヨー機構の斜視図である。
図7B図7Aのヨー機構の構成要素の詳細図である。
図7C図7Aのヨー機構の側面断面図である。
図7D図7Aのヨー機構の正面断面図である。
図8A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのピッチ機構の斜視図である。
図8B図8Aのピッチ機構の構成要素の詳細図である。
図8C】プランジ機構に接続された図8Aのピッチ機構のレールの詳細図である。
図9A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのプランジ機構の斜視図である。
図9B図9Aのプランジ機構の構成要素の詳細図である。
図10】一実施形態による、ロボット外科用装置の位置決めシステムである。
図11A】一実施形態による、係止解除位置にある肉眼的位置決めシステムのクランプ機構の詳細図である。
図11B】係止位置にある図11Aのクランプ機構の詳細図である。
図11C】係止位置にある図11Aのクランプ機構、及び肉眼的位置決めシステムの支持アームの詳細図である。
図11D】係止位置にある図11Aのクランプ機構の断面図である。
図12】一実施形態による、レーザを備えたロボット外科用装置位置決めシステムである。
図13A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのピッチ機構の斜視図である。
図13B】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのプランジ機構の斜視図である。
図14A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムの斜視図である。
図14B図14Aの肉眼的位置決めシステムの別の斜視図である。
図15A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのプランジ機構のレールの詳細図である。
図15B図15Aのプランジ機構のレールの別の詳細図である。
図16】一実施形態による、インビボのロボット装置に結合されたロボット外科用装置位置決めシステムの斜視図である。
図17A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムの詳細斜視図である。
図17B】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムの別の詳細斜視図である。
図18A】一実施形態による、インビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの作業空間の詳細斜視図である。
図18B図18Aのインビボのロボット装置に結合された肉眼的位置決めシステムの作業空間の断面の詳細側面図である。
図19A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのヨー機構及び支持アームの斜視図である。
図19B図19Aの肉眼的位置決めシステムのヨー機構の分解断面図である。
図20A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのヨー機構の斜視図である。
図20B図20Aのヨー機構の構成要素の詳細図である。
図20C図20Aのヨー機構の構成要素の側面詳細図である。
図20D図20Aのヨー機構の側面断面図である。
図21A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのピッチ機構の斜視図である。
図21B図21Aのピッチ機構の構成要素の詳細図である。
図21C】プランジ機構に接続されたピッチ機構のレールの詳細図である。
図22A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのプランジ機構の斜視図である。
図22B図22Aのプランジ機構の構成要素の詳細図である。
図23】一実施形態による、ロボット外科用装置の位置決めシステムである。
図24A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのクランプ機構の斜視図である。
図24B図24Aのクランプ機構の詳細図である。
図25】一実施形態による、レーザを有するロボット外科用装置位置決めシステムである。
図26A】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのピッチ機構の斜視図である。
図26B】一実施形態による、肉眼的位置決めシステムのプランジ機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書に開示又は想到される様々な実施形態は、受動支持アームと、肉眼的位置決めロボット装置と、を含む、外科用ロボット位置決めシステムに関する。本明細書に更に詳細に記載されるように、精巧なインビボの外科用ロボット装置は、位置決めシステムを使用して外科用ロボット装置を患者の腔内にグローバルに配向することができるように、肉眼的位置決めロボット装置に結合可能である。
【0032】
本明細書に開示又は想到される様々な肉眼的位置決めシステム実装形態は、外科用装置を患者の腔の内側に自動的に全体的に位置決めするために使用することができる。本明細書で使用される場合、「肉眼的位置決め」は、(アーム又はエンドエフェクタなどの、かかる装置の特定の構成要素の正確な移動及び配置とは対照的に)全体的に移動可能な外科用装置の大まかな位置決めを意味することを意図している。既知のロボット外科用システムでは、外科処置中にそうした装置を肉眼的に位置決めすることは、困難なタスクであり得る。更に、(ロボット又は非ロボットシステムを使用する)低侵襲外科処置は、外科技術者が腹腔鏡などの外科用器具を再位置決めすることを頻繁に必要とする。かかる肉眼的再位置決めは、時間及び追加的な労力を費やす。場合によっては、外科技術者は、腹腔鏡検査において完全に訓練されていない、下級の医学生である。その結果、外科医からの再位置決め指示は、しばしば、手術部位を遮る、及び/又はぼやかせる結果となり、外科医から追加的な認識資源を必要とする。例えば、Da Vinci(登録商標)システム並びに既知の単一切開外科用装置は、しばしば、複雑な処置を行っている間、患者、ロボットシステム、又は両方の手動による適時の再位置決めを必要とする。
【0033】
本明細書で想到される様々な肉眼的位置決めシステムは、外科用スタッフによる追加的な介入又は手動の再位置決めを伴うことなく、処置の全体を通じた外科用装置の肉眼的再位置決めを支援する。外科用装置は、例えば、切開部を通して位置決めされるように構成された装置本体、ロッド、又は管と、患者の腔内に全体的に位置決めされている装置本体又は管に結合又は位置決めされた少なくとも1つのロボットアームと、を有する、任意の外科用装置を含み得る。肉眼的位置決めシステムの実施形態は、ロボット腹腔鏡外科用ツールを含む腹腔鏡外科用ツールの挿入軸の周りの自由度、方位角、及び仰角、並びにロール及び並進を制御することができる。その結果、本明細書で開示及び想到される肉眼的位置決めシステムの実施形態は、高い操作可能性で、切開部、ポート、又はオリフィス(自然開口部を含む)を通して、外科用装置を腹腔などの患者の腔内に肉眼的に位置決めすることができ、外科スタッフにもたらされる手術の時間及びストレスを低減する。外部肉眼的位置決めシステムと内部外科用装置システムとの組み合わせによって、外科用ロボット/装置のサイズを増加させることなく、内部システムの自由度を効果的に増加させることを可能にする。
【0034】
一実装形態では、本明細書で説明及び想到される様々なシステム及び装置は、任意の単一部位の外科用装置とともに、又は突出体、ロッド、管、若しくは磁気ハンドルなどの利用可能な外部位置決め治具を備えたシステムとともに使用することができる。更に、本明細書に開示される位置決めシステムの様々な実施形態は、切開部、ポート、又はオリフィス(自然開口部を含む)を通して位置決めされる任意の他の既知の医療装置、システム、及び方法とともに使用することができることが理解される。例えば、本明細書に開示される様々な実施形態は、米国特許第8,968,332号(2015年3月3日に発行され、「Magnetically Coupleable Robotic Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第8,834,488号(2014年9月16日に発行され、「Magnetically Coupleable Surgical Robotic Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第10,307,199号(2019年6月4日に発行され、「Robotic Surgical Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第9,579,088号(2017年2月28日に発行され、「Methods,Systems,and Devices for Surgical Visualization and Device Manipulation」と題される)、米国特許出願第61/030,588号(2008年2月22日に出願)、米国特許第8,343,171号(2013年1月1日に発行され、「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」と題される)、米国特許第8,828,024号(2014年9月9日に発行され、「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」と題される)、米国特許第9,956,043号(2018年5月1日に発行され、「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」と題される)、米国特許出願第15/966,606号(2018年4月30日に出願され、「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Procedures」と題される)、米国特許出願第12/192,663号(2008年8月15日に出願され、「Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」と題される)、米国特許出願第15/018,530号(2016年2月8日に出願され、「Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第8,974,440号(2015年3月10日に発行され、「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第8,679,096号(2014年3月25日に発行され、「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」と題される)、米国特許第9,179,981号(2015年11月10日に発行され、「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」と題される)、米国特許第9,883,911号(2018年2月6日に発行され、「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」と題される)、米国特許出願第15/888,723号(2018年2月5日に出願され、「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」と題される)、米国特許第8,894,633号(2014年11月25日に発行され、「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第8,968,267号(2015年3月3日に発行され、「Methods and Systems for Handling or Delivering Materials for Natural Orifice Surgery」と題される)、米国特許第9,060,781号(2015年6月23日に発行され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」と題される)、米国特許第9,757,187号(2017年9月12日に発行され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」と題される)、米国特許第10,350,000号(2019年7月16日に発行され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」と題される)、米国特許出願第16/512,510号(2019年7月16日に出願され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」と題される)、米国特許第9,089,353号(2015年7月28日に発行され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許第10,111,711号(2018年10月30日に発行され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第16/123,619号(2018年9月6日に出願され、「Robotic Surgical Devices,Systems and Related Methods」と題される)、米国特許第9,770,305号(2017年9月26日に発行され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第15/661,147号(2017年7月27日に出願され、「Robotic Devices with On Board Control&Related Systems&Devices」と題される)、米国特許出願第13/833,605号(2013年3月15日に出願され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第13/738,706号(2013年1月10日に出願され、「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」と題される)、米国特許出願第14/661,465号(2015年3月18日に出願され、「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」と題される)、米国特許出願第15/890,860号(2018年2月7日に出願され、「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」と題される)、米国特許第9,498,292号(2016年11月22日に発行され、「Single Site Robotic Devices and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第10,219,870号(2019年3月5日に発行され、「Single Site Robotic Device and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第16/293,135号(2019年3月3日に出願され、「Single Site Robotic Device and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第9,010,214号(2015年4月21日に発行され、「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第10,470,828号(2019年11月12日に発行され、「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」と題される)、米国特許出願第16/596,034号(2019年10月8日に出願され、「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」と題される)、米国特許第9,743,987号(2017年8月29日に発行され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Robotic Surgical Devices,End Effectors,and Controllers」と題される)、米国特許出願第15/687,787号(2017年8月28日に出願され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Robotic Surgical Devices,End Effectors,and Controllers」と題される)、米国特許第9,888,966号(2018年2月13日に発行され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Force Control Surgical Systems」と題される)、米国特許出願第15/894,489号(2018年2月12日に出願され、「Methods,Systems,and Devices Relating to Force Control Surgical Systems」と題される)、米国特許出願第14/212,686号(2014年3月14日に出願され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第14/334,383号(2014年7月17日に出願され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第14/853,477号(2015年9月14日に出願され、「Quick-Release End Effectors and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第16/504,793号(2019年7月8日に出願され、「Quick-Release End Effectors and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第10,376,322号(2019年8月13日に発行され、「Robotic Device with Compact Joint Design and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第16/538,902号(2019年8月13日に出願され、「Robotic Device with Compact Joint Design and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第15/227,813号(2016年8月3日に出願され、「Robotic
Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第15/599,231号(2017年5月18日に出願され、「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」と題される)、米国特許出願第15/687,113号(2017年8月25日に出願され、「Quick-Release End Effector Tool Interface」と題される)、米国特許出願第15/691,087号(2017年8月30日に出願され、「Robotic Device with Compact Joint Design and an Additional Degree of Freedom and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第15/826,166号(2017年11月29日に出願され、「User controller with user presence detection and related systems and methods」と題される)、米国特許出願第15/842,230号(2017年12月14日に出願され、「Releasable Attachment Device for Coupling to Medical Devices and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第16/144,807号(2018年9月27日に出願され、「Robotic Surgical Devices with Tracking Camera Technology and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許出願第16/241,263号(2019年1月7日に出願され、「Single-Manipulator Robotic Device With Compact Joint Design and Related Systems and Methods」と題される)、米国特許第7,492,116号(2007年10月31日に出願され、「Robot for Surgical Applications」と題される)、米国特許第7,772,796号(2007年4月3日に出願され、「Robot for Surgical Applications」と題される)、及び米国特許第8,179,073号(2011年5月15日に発行され、「Robotic Devices with Agent Delivery Components and Related Methods」と題される)、に開示される医療装置及びシステムのいずれかとともに使用され得、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
上記の出願で開示された特定の装置及びシステムの実装形態は、患者の体腔内に位置決めすることができ、又は本明細書に開示又は想到される実施形態のうちのいずれかなどの位置決めシステムと組み合わせて、装置の一部分を体腔内に配置することができる。本明細書で使用される場合、「インビボ装置」は、患者の体腔内に位置決めされている間、ユーザによって少なくとも部分的に位置決め、操作、又は制御することができる任意の装置を意味し、体腔の開口部又はオリフィスを通して配設されるロッド、管、又は他のかかる構成要素などの支持構成要素に結合される任意の装置を含み、また、患者の体腔の壁に対して又は隣接して実質的に位置決めされた任意の装置を含み、更に、内部的に作動する(駆動力の外部供給源を有しない)任意のかかる装置を含み、追加的に、外科処置中に腹腔鏡的又は内視鏡的に使用され得る任意の装置を含む。本明細書で使用される場合、「ロボット」及び「ロボット装置」という用語は、自動的に又はコマンドに応答してタスクを実行することができる任意の装置を指すものとする。
【0036】
特定の実装形態では、本明細書に開示又は想到される様々な位置決めシステムの実施形態に結合可能である任意のロボット装置は、挿入ポートを通して位置決めすることができる。挿入ポートは、腹部切開部を封止及び保護するために経腹的に配置される、既知の市販の可撓性膜(本明細書では「ジェルポート」と称される)とすることができる。この市販の構成要素は、ハンドアシスト腹腔鏡下手術(HALS)に関して実質的に同じ方法で使用されるものと同じ装置又は実質的に同じ装置である。唯一の違いは、様々な本明細書の実施形態によるロボット装置のアームが、外科医の手ではなく挿入ポートを通して腹腔に挿入されることである。ロボット装置本体、ロッド、又は管は、挿入ポートを通して位置決めされるときに、挿入ポートを封止し、それによって、吹送圧を維持する。ポートは、単回使用で使い捨てである。代替的に、任意の既知のポートを使用することができる。更なる代替案では、本明細書の様々な位置決めシステムの実施形態と組み合わせて使用することができる様々な装置は、ポートのない切開部を通して、又は自然開口部を通して挿入することができる。
【0037】
図1は、以下で更に詳細に説明されるいくつかの構成要素を有するロボット外科用システム10の一実施形態を示す。本明細書に開示又は想到される様々な位置決めシステムの実装形態の構成要素は、外部制御コンソール16及びロボット外科用装置12を含む完全外科システム10とともに使用することができる。図1の実装形態によれば、ロボット外科用装置12は、以下で追加的に詳細に説明される一実施形態によるロボット位置決めシステム20を介して手術テーブル18(又はそのレール)に装着されて示されている。ロボット位置決めシステム20は、受動支持アーム22と、アーム22に結合されたロボット位置決め装置24と、を有する。支持アーム22は、手術テーブル18に結合され、ロボット装置12は、ロボット位置決め装置24に結合可能である。特定の実装形態では、システム10は、コンソール16の外科医14、及び手術テーブル18に位置決めされた1人の外科助手26によって操作することができる。すなわち、コンソール16の外科医14は、ロボット装置12及び肉眼的位置決めロボット装置24の両方を制御することができ、外科助手26は、システム10の残りの構成要素(例えば、受動支持アーム22)を制御することができる。代替的に、1人の外科医14がシステム10全体を操作することができる。更なる代替案では、3人以上の人がシステム10の操作に関与し得る。外科医(又はユーザ)14は、手術テーブル18に対して遠隔場所に位置し得、よって、外科医14は、手術テーブル18上の患者とは異なる都市若しくは国に、又は異なる大陸に存在し得ることが更に理解される。コンソール16は、上で参照により組み込まれた様々な特許及び/又は出願のいずれかに開示されている任意のコンソールとすることができる。代替的に、コンソール16は、ロボット外科用システム装置を操作するための任意の既知のコンソールとすることができる。
【0038】
この特定の実装形態では、ロボット装置12は、接続ケーブル30を介してインターフェースポッド及び電気外科用ユニット28に接続される。更に、肉眼的位置決めロボット装置24もまた、接続ケーブル30を介してインターフェースポッド及び電気外科用ユニット28に結合される。代替的に、任意の有線接続又は無線接続構成を使用することができる。更に、示されるように、インターフェースポッド及び電気外科用ユニット28は、コンソール16に結合される(代替的に、任意の既知の有線接続又は無線接続を介して結合することができる)。特定の実装形態では、システム10はまた、使用中に、補助モニタなどの他の装置と相互作用することもできる。
【0039】
様々な実施形態によれば、位置決めシステム20の肉眼的位置決めロボット装置24は、外科処置中に、外科用ロボット装置12とドッキング又は別様に結合して、外科用ロボット装置12を支持及び移動させることによって、装置12の作業空間の位置を制御することができる。これは、外科医14(助手26)が、対象の外科領域(患者の対象の腔)に対してロボット装置12を完全に制御することを可能にする。
【0040】
図2A及び図2Bには、ロボット外科用装置位置決めシステム40の一実施形態が示されている。システム40は、受動支持アーム42と、アーム42に回転可能に結合された肉眼的ロボット位置決め装置44と、を含む。更に、示されるように、この特定の例示的な実装形態では外科用装置46によって表される任意の既知のロボット装置46は、ロボット外科用装置46が開口部、オリフィス、切開部、又はポートを通して患者の対象の腔内に配設されるように、位置決め装置44に取り外し可能に結合することができる。この特定の実施形態では、図2Bに最良に示されるように、ロボット外科用装置46は、ポート48を通して配設される。特定の実施形態では、ポート48は、ジェルポート48である。
【0041】
この実装形態-及び本明細書に開示又は想到される様々な他の実施形態-の肉眼的位置決め装置44は、3自由度(「DOF」)のロボット遠隔運動中心(RCM)機構である。RCMは、回転関節がそれを中心として回転する点であること、更に、RCM機構は、全ての運動学的関節が同じRCM点を通って移動する装置であることが理解される。本明細書の様々な肉眼的位置決め装置(ロボット位置決め装置44を含む)の場合、ロボット外科用装置46のエンドエフェクタを依然として望ましく操作できる間、機構の残部に対して相対運動しない点が存在するように、RCM点は、ロボット位置決め装置44の作業空間内にある。より具体的には、多くの実装形態では、RCMは、外科使用中に、切開部、ポート、又はオリフィスの近くに位置する。例えば、図2Bに最良に示される特定の実施形態では、RCM点50は、ポート48に位置決めされる。このように、ロボット外科用装置46が、依然として対象の手術部位(患者の腔内)に完全にアクセスすることを可能にしながら、この患者と装置との境界面には、患者に傷害を生じさせ得る相対運動が存在しない。
【0042】
図2A図2B図3B、及び図9Bに最良に示されるように、外科用ロボット装置46は、接続クランプ52を介して、肉眼的位置決め装置44にドッキングすること、又は別様に取り外し可能に結合することができる。この特定の実施形態では、クランプ52は、クランプ52を陥凹領域54内に容易に配設することができるように、ロボット外科用装置44の外面の周りに陥凹領域54(例えば、クランプ溝)を有する装置44上の特定の場所において、ロボット位置決め装置44に結合可能である。例えば、図9Bに示されるように、同様のクランプ256の実施形態は、ラッチ機構257を有する。代替的に、任意の既知の結合特徴部又は機構を使用することができる。この実施形態では、外科用ロボット装置46は、肉眼的位置決め装置44とドッキングされると、クランプ52に対して移動又は回転しない。取り付け機構52は、ユーザが所望するときに容易かつ迅速に係合解除される。
【0043】
上で論じたように、図2Bに最良に示されるように、ポート48は、様々な形態であり得る。一実施形態は、ジェルポートであり、これは、ジェル状の物質を含み、吹送を維持しながらロボットが移動することを可能にするようにロボットの外周を封止する。別のポートは、空気流を使用して患者吹送を維持する。他の実施形態は、隔膜、ダックビル、Oリング若しくは他のタイプの封止、又はポートなどの、様々なタイプのメカニカルシールを使用し得る。流体封止を維持することができる任意の既知のポートを使用することができる。
【0044】
図3A及び図3Bに示される肉眼的位置決め装置60の別の実施形態によれば、位置決め装置60は、3つの関節、すなわち、ヨー(関節1)62と、ピッチ(関節2)64と、プランジ(関節3)66と、を有する。ヨー62及びピッチ64は、RCMを中心として回転し、プランジ66は、RCM68を通って移動する。この実施形態では、各関節は、完全に結合解除されて、独立して制御される。更に、特定の実施形態では、モータ及びモータコントローラ(図示せず)は、各関節62、64、66に共同配置される。加えて、各関節62、64、66は、逆駆動可能とすることができるが、必須ではない。
【0045】
ヨー関節62は、肉眼的ロボット位置決め装置60の本体70、及びより具体的には、ヨー機構構造体72を起点とする。より具体的には、回転可能なヨー出力シャフト74は、ヨー機構構造体72から延在して、ヨー関節62を構成する。このように、出力シャフト74の回転は、ヨー関節62を中心としたヨー運動を生じさせる。ヨーアクチュエータ88は作動されて、例えば、ロボット位置決め装置60のヨー配向を調整して、ヨー機構構造体72及び本体70を矢印Aによって示されるように左又は右に調整し得る。すなわち、ヨーアクチュエータ88は、所望に応じて、出力シャフト74を回転させ、それによって、構造体72及び本体70をいずれかの方向に回転させるように作動することができる。追加的に、本体70の回転はまた、ピッチ機構76及びプランジ機構82も回転させる。
【0046】
ピッチ関節64も同様に、装置60の本体70、より具体的には、ピッチ機構構造体76を起点とする。より具体的には、出力レール78は、(以下で詳細に説明するように)ピッチ機構構造体76に対する出力レール78の運動がピッチ関節64を生じさせるように、回転可能なベアリング80(例えば、溝付きの回転可能なベアリング)を介してピッチ機構構造体76に動作可能に結合される。いくつかの実施例では、回転可能なベアリング80は、出力レール78の縁部の対応するジオメトリと係合する。このように、ベアリング80に沿ってある方向又は他の方向へ移動する出力レール78の作動は、ピッチ関節64にピッチを生じさせる。図3Bに最良に示されるように、ピッチアクチュエータ90は、プランジ機構構造体82のピッチ配向を調整するように作動し得る。すなわち、ピッチアクチュエータ90は、所望に応じて、出力レール78を所望の方向に移動させて、構造体82を移動させるように作動することができる。
【0047】
プランジ関節66は、出力レール78に動作可能に結合されるプランジ機構構造体82を起点とする。より具体的には、拡張可能なレール84は、(以下で図3B及び図9A図9Bの一実施例に従って最良に示されるように)回転可能なベアリング86を介してプランジ機構構造体82に動作可能に結合される。いくつかの実施例では、回転可能なベアリング86は、拡張可能なレール84の縁部の対応するジオメトリと係合する。このように、拡張可能なレール84の遠位方向の延在は、プランジ関節66においてプランジを生じさせる。プランジアクチュエータ92は、拡張可能なレール84の位置をプランジ関節に沿って調整するように作動され得る。すなわち、プランジアクチュエータ92は、所望に応じて、拡張可能なレール84を所望の方向に移動させて、そこに取り付けられた任意の装置を移動させるように作動することができる。したがって、ドッキングした場合、拡張可能なレール84の運動はまた、クランプ52及び装置46も移動させる。
【0048】
図4A及び図4Bに最良に示されるように、装置位置決めシステム100の別の実装形態は、湾曲レール118によって少なくとも部分的に画定された環状ピッチ円弧の中心に位置するRCM102を有する。代替的に、RCM102は、肉眼的位置決め装置106に対して任意の既知の位置に配設することができる。ロボット外科用装置-装置104など-が、肉眼的ロボット位置決め装置106にドッキングされた(又は別様に結合された)ときに、RCM102は、示されるように、ロボット外科用装置104の細長い本体(又は管)108内に配設され、運動学的原点110とほぼ同一直線上である。図4Aはまた、ロボット外科用装置104に関連するロボット位置決め装置106の作業空間112も示す。肉眼的位置決め装置106は、エンドエフェクタ116が作業空間112内の任意の場所(例えば、トロイダル作業空間)内を移動することができるように、運動学的原点110を、したがってロボット外科用装置104を移動させるために使用することができる。図4Bに最良に示されるように、ピッチ及びプランジによって管理される作業空間112の断面は、環形セクタ114である。
【0049】
図4Aに戻ると、ヨー関節(図3Aに関して上で詳細に論じた出力シャフト74の関節62など)は、回転関節であり、少なくとも165度のスイープ角にわたって関節動作することができる。図4Aの実施形態では、作業空間112は、360度の移動角を有する出力シャフト74(ヨー)の周りの回転を示し、肉眼的位置決め装置106が、特定の実施形態によれば、(配線の調整が許容する)いずれかの方向に回転し続けることができることを意味する。ピッチ関節(図3Aに関して上で詳細に論じたレール78によって生じる関節64など)は、出力ピッチレール118に沿った運動によってRCM102を中心とした回転を可能にする。ピッチの場合、特定の実装形態によれば、垂直から約20~70度のピッチ角度で50度の円弧を横断することができる。いくつかの代替の実施形態では、垂直から約20~60度のピッチ角度で40度の円弧を横断することができる。加えて、プランジ関節(図3Aに関して上で詳細に論じたレール84によって生じる関節66など)は、並進関節であり、様々な実施形態によれば、少なくとも100cmの全長を並進することができる。
【0050】
図5に示されるロボット肉眼的位置決め装置120の実施形態では、各関節122(ヨー)、124(ピッチ)、及び126(プランジ)は、独立して移動することができ、又は任意の組み合わせかつ任意の速度で一緒に移動することができる。しばしば、ロボット外科用装置128は、装置128上のカメラ132の視野130のフレームに対して再位置決めされる。この実装形態では、カメラ132がロボット的に関節動作するので、その視野130は、必ずしもRCM134と同軸になり得ない。したがって、あるときには、関節122、124、及び126の組み合わせは、示される実施例のように、所望に応じて、ロボット外科用装置128をカメラフレーム130内で移動させるように関節動作しなければならない。
【0051】
ピッチ124及びプランジ126関節は、特定の実施形態では、正確な絶対位置決め制御を有することができ、大部分の外科状況における肉眼的ロボット位置決め装置120の構成によって許容される全作業空間を関節動作することができる。絶対位置感知は、ピッチ124及びプランジ126段を駆動するために使用されるモータ(図示せず)上のエンコーダ(図示せず)によって達成できることが理解される。代替的に、駆動レール上のマーキングを読み取る視覚ベースのシステムを絶対位置感知に使用することができる。更なる代替案では、ピッチの絶対位置の感知は、一対の慣性測定ユニット(IMU)を使用して達成することができ、1つのIMUが、ヨー機構構造体136内のヨー関節122に対して垂直に装着され、第2のIMUが、プランジ機構構造体140内のプランジ関節126の並進軸に対して垂直に装着される。各IMUは、センサの法線ベクトルに対する重力加速度ベクトルの方向を測定するように構成することができる。次いで、2つのIMUの指示値の差を計算することによって、(例えば、リアルタイムで、又は遅延して)絶対ピッチ角が決定され得る。プランジ関節126の並進軸に沿った絶対位置感知のために、ストリップ142(例えば、線形磁気スケールノギスストリップ)が、プランジレール144上に位置し得るか、又は埋設され得る。場合によっては、このストリップの位置は、ストリップ142に近接してプランジ機構構造体140の内側に装着された一対の異方性磁気抵抗センサの使用を通じて決定することができる。代替的に、絶対位置制御を達成するために、任意の既知のセンサ又は機構を使用することができる。
【0052】
図6A及び図6Bは、支持アーム152の接続シャフト154に結合された(上記の出力シャフト74と同様の)出力シャフト160を含む、ヨー機構150の例示的な一実施形態を示す。図6Aは、接続シャフト154に結合された出力シャフト160の斜視図を示し、一方で、図6Bは、接続シャフト154に結合された出力シャフト160の断面図を示す。この特定の実装形態では、出力シャフト160及び接続シャフト154の結合及び結合解除は、一実施形態による、出力シャフト160において肉眼的位置決め装置168を支持アーム152に/から取り付ける/取り外すための、比較的迅速かつ簡単な方法である。
【0053】
図6Bに示されるように、出力シャフト160は、雄型ダブテール特徴部162を有し、これは、ばね付勢のボール戻り止め158が出力シャフト160の中央穿設孔164と係合するまで、接続シャフト154の雌型ダブテール特徴部156内に摺動する。このボール戻り止め158は、雄型ダブテール特徴部162及び雌型ダブテール特徴部156の接続に予荷重を付与して、出力シャフト160を接続シャフト154と同軸に位置合わせし得る。接続を完了するために、スリーブ166は、出力シャフト160及び接続シャフト154の接続部上を摺動して下り、接続を固定して、予想外の結合解除を防止する。接続部は、装置の重量を支持して、出力シャフト160と接続シャフト154との間の回転運動を防止し、一方で、スリーブ166は、相対並進を防止する。代替的に、清掃及び殺菌などのために、肉眼的位置決め装置168とロボット支持アーム152とを容易にドッキング及びドッキング解除するために、任意の他の既知の迅速な接続機構(例えば、図19A及び図19Bに示される機構など)を使用することができる。
【0054】
図7A図7Dは、一実施形態による、(上で論じた関節62と同様の)ヨー関節180を示す。より具体的には、図7Aは、ヨー関節180が出力シャフト184を起点とするように構造体182から回転可能に延在する出力シャフト184を有する、ヨー機構構造体182を示す。一実施形態では、構造体182は、モータハウジング(又はセクション)216と、駆動列ハウジング(又はセクション)208と、を有することができる。代替的に、構造体182は、1つのセクション又はハウジングのみを有する。出力シャフト184は、ヨー機構構造体182によって回転されて、肉眼的位置決めロボット(図示せず)をロボット支持アーム(図示せず)に対して回転させることができる。
【0055】
一実施形態では、図7B図7Dに最良に示されるように、構造体182は、モータ184を有し、モータ184は、シャフト184を回転させることができるように、一連の歯車を介して出力シャフト184に回転可能に結合される。構造体182のハウジングが示されない図7Bに最良に示されるように、この例示的な実装形態の歯車は、モータ186に回転可能に拘束され、かつ被駆動歯車190に回転可能に結合された駆動歯車188を含む。被駆動歯車190は、被駆動歯車190の回転が、ウォームねじ192の回転を、したがって、ウォームホイール194の回転を生じさせるように、ウォームねじ192に回転可能に拘束され、それがウォームホイール194にねじ込み可能に結合される。ウォームホイール194は、出力シャフト184に回転可能に拘束される。このように、モータ186の作動は、駆動歯車188の回転を生じさせ、それが被駆動歯車190を回転させ、それがウォームねじ192を回転させ、それがウォームホイール194を回転させ、それが出力シャフト184の回転を生じさせる。一実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、全減速を提供することができる。代替的に、出力シャフト184の回転を生じさせるために、他の既知の歯車又は回転要素が使用され得る。
【0056】
モータ及び駆動トレイン構成要素は、様々な既知の機構及び特徴部を介して構造体182内で支持及び位置決めすることができる。したがって、以下で論じる特定のベアリング、ワッシャ、スペーサ、及び他の構成要素は、例示的で、非限定的なものである。例えば、この実施形態では、出力シャフト184は、システムの重量を支持するためにフランジ付き又はキャップ付きとすることができる2つのベアリング196A、196B(例えば、対向する角度接触ベアリング)によって支持することができる。加えて、シャフトをベアリング196A、196Bに対して軸方向に拘束する保持リング(図示せず)を提供することができる。トルクは、例えば、キー及びキー溝(図示せず)によって、ウォームホイール192からホイール194、出力シャフト184に伝達することができる。駆動歯車188/被駆動歯車190段は、モータ186を軸方向負荷から保護することができ、一方で、中間平行シャフト200は、角度接触ベアリング198A、198Bによるウォームへの軸方向スラストに対して支持される。予荷重は、示されるように、円板ばね206によって達成することができるが、他の方法は、軸方向波状部又はばね座金(図示せず)の使用を含む。精密スペーサ202は、全てのベアリング及び歯車をシャフト上に位置付けるために使用することができる。
【0057】
一実施形態では、歯車トレインは、駆動トレインハウジング208内に配設される。ウォームねじベアリングキャップ210は、ウォームねじ192、角度接触ベアリング198、スペーサ202、及び円板ばね206をハウジング208内に保持する。図7C及び図7Dに最良に示されるように、本体182は、ベースプレート212を有することができ、一方で、駆動トレインハウジング208は、トッププレート214を有することができる。更に、モータ186、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)は、一緒にモータハウジング216内に収容することができる。更に、ヨー機構構造体(又は「ハウジング」)182は、より良好にトルクを伝達して装置全体を移動させるために、一対の位置決めピン(図示せず)及び低プロファイルの段付きねじ(図示せず)などを使用して、ピッチ機構構造体(図示せず)に確実に締結することができる。
【0058】
特定のヨー機構構造体182は、所望のヨー運動を生じさせるために使用することができる適切な内部構成要素を有する適切な構造体の単なる一例である。同じ運動を達成するために、任意の他の既知の構造体及び既知の内部機構を本明細書に組み込むことができる。
【0059】
図8A図8Cは、一実施形態による、(上で論じた関節64と同様の)ピッチ機構220を示す。機構220は、本体221と、本体221に対する出力レール222の運動からピッチが生じるように本体221に摺動可能に結合された、湾曲した出力レール222と、を有する。出力レール222は、一実施形態によれば、円弧のセグメントを構成する細長い湾曲した構造体222である。更に、出力レール222は、レール222の運動がRCM(図示せず)を中心とするプランジハウジング(及び任意の取り付けられたロボット外科用装置)の回転を生じさせるように、以下で説明するようにピッチ機構本体221に摺動可能に結合され、更に、(本明細書の他の場所で論じられるように)レール222の一方の端部においてプランジハウジングに固定的に結合される。レール222は、バー又は任意の他の細長い湾曲した構造体とすることができる。
【0060】
一実施形態では、出力レール222は、回転可能なベアリング224及び駆動ローラ226を介してピッチ機構本体221に結合される。示される特定の実装形態では、レール222が各ベアリング224及びローラ226の各々と接触し、また、駆動ローラ226によってベアリング224に対して並進移動するように付勢することができるように、レール222の両側に位置決めされる3つのベアリング224(例えば、溝付きの回転可能なベアリング)及び駆動ローラ226(例えば、溝付き摩擦駆動ローラ)が存在する。更に、以下で追加的に詳細に説明されるように、ベアリング224A、224Bの2つは、互いに対向してピッチレール222の上側及び下側に位置決めされる。追加的に、第3のベアリング224Cは、第3のベアリング224Cが駆動ローラ226に対向するレール222の上側に位置決めされるように、本体221に張力付与可能に結合された板ばね234の端部に装着される。板ばね234は、レール222が設置されたときに偏向し得、これにより、板ばね234の結果として、垂直な予荷重力が、レール222を通してローラ226に印加され得る。この予荷重力によるローラ226とピッチレール222との間の摩擦は、滑ることなくローラ226をピッチレール222(例えば、レール226の縁部)と係合させる。代替的に、レール226又は駆動ローラ226に十分な力を印加して、いかなる滑りも伴わずにローラ226がレール222に係合することを確実にするために、任意の張力付与可能な構成要素又は他の機構を使用することができる。更に、ベアリング224A~224C及び駆動ローラ226の特定の構成の代わりに、所望のピッチ運動を達成するために、本体221に対するレール222の運動を可能にすることができる、任意の1つ以上の既知の構成要素を本明細書に組み込むことができる。
【0061】
図8Bに最良に示されるように(本体221のハウジングは示さず)、駆動ローラ226は、一連の回転要素を介して駆動ローラ226に、したがって、出力レール222に回転可能に結合されるモータ228によって作動される。この特定の実施形態に関して説明される特定の回転要素は、例示的なものであり、任意の既知の回転要素又は他の機構、及びその構成を使用できることが理解される。この例示的な実装形態の回転要素は、モータ228に回転可能に拘束され、かつウォームホイール232にねじ込み可能/回転可能に結合されるウォームねじ230である、駆動歯車230を含む。代替的に、駆動歯車230は、任意のタイプのホイール232又は同様の構成要素に結合された任意のタイプの歯車又は構成要素とすることができる。上で説明したように、ウォームホイール232は、ローラ226に回転可能に拘束され、それがピッチレール222に回転可能に結合される。したがって、モータ228の作動は、駆動歯車230の回転を生じさせ、それがウォームホイール232の回転を生じさせ、それがローラ226の回転を、したがって、レール222の並進を生じさせる。一実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、全減速を提供することができる。
【0062】
一実施形態では、ウォームホイール232及び回転可能なローラ226を含むシャフトは、ウォームホイール232の両側にあるシャフトの対向端部上の2つのベアリング236によって支持することができる。代替的に、支持構成要素は、駆動トレイン内で一組の歯車を支持するための任意の既知の構成要素又は機構とすることができる。シャフトは、本体221内に配設され得る。更に、一実施形態では、モータ228、歯車トレイン、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)もまた、一緒に本体221に収容される。更に、以下で詳細に論じるように、図8Cに最良に示されるように、出力レール222は、位置合わせピン238及びねじ240によってプランジハウジングに締結される。代替的に、出力レール222は、任意の既知の結合機構又は特徴部を介してプランジハウジングに結合することができる。
【0063】
図9A図9Bは、一実施形態による、(上で論じた関節66と同様の)プランジ装置又は機構250を示す。より具体的には、図9Aは、プランジ機構構造体(又は「本体」、又は「ハウジング」)252を示し、構造体252は、構造体252がレール254を作動させて移動させる結果として、構造体252に対する出力レール254の並進運動からプランジが生じるように、移動可能に結合された出力レール254を有する。出力レール254は、レール254の運動がクランプ256内に配設された任意のロボット装置(図示せず)の運動を生じさせ、それによって、手術部位においてロボット装置をポート(又は切開部、又は開口部)の内外へ並進させるように、実質的に直線状の細長い構造体254であり、これは、以下で説明するように、プランジ機構ハウジング252に移動可能に結合され、更に、レール254の一方の端部においてロボット取り付けクランプ256に固定的に結合される。レール254は、バー又は任意の他の細長い構造体とすることができる。
【0064】
図9Bに最良に示される一実施形態(ハウジング本体252は示さず)では、出力レール254は、回転可能なベアリング258A、258B、258C(例えば、3つの溝付きベアリング)及び駆動ローラ260(例えば、溝付き摩擦駆動ローラ)を介して、プランジ機構構造体252に結合される。示される特定の実装形態では、ベアリング258A~Cは、レール254が、各ベアリング258A~Cと接触し、また、ベアリング258A~Cに対して並進移動することができるように、レール254の両側に位置決めされる。ベアリング258A、258Bの2つは、プランジ機構構造体252の一方の端部においてレール254の両側に互いに対向して位置決めされる。第3のベアリング258Cは、プランジ機構構造体252の第2の端部においてローラ260に対向して本体221に張力付与可能に結合された板ばね268に結合される。場合によっては、プランジレール254が設置されたときに板ばね268の偏向が生じ得、これは、板ばね268の結果として、レール254を通してローラ260に対して垂直に予荷重力を印加し得る。予荷重力及び駆動ローラ260とプランジレール254との間に生じる摩擦は、駆動ローラ260が、滑ることなくプランジレール254(例えば、レール254の縁部)と係合することを可能にすることができる。代替的に、レール254又は駆動ローラ260に十分な力を印加して、いかなる滑りも伴わずにローラ260がレール254に係合することを確実にするために、任意の張力付与可能な構成要素又は他の機構を使用することができる。更に、ベアリング258A~258C及び駆動ローラ260の特定の構成の代わりに、所望のプランジ運動を達成するために、本体252に対するレール254の運動を可能にすることができる、任意の1つ以上の既知の構成要素を本明細書に組み込むことができる。
【0065】
図9Bに最良に示されるように、一実装形態によれば、駆動ローラ260は、一連の回転要素を介して駆動ローラ260に、したがって、出力レール254に回転可能に結合されるモータ262によって作動される。この特定の実施形態に関して説明される特定の回転要素は、例示的なものであり、任意の既知の回転要素又は他の機構、及びその構成を使用できることが理解される。この例示的な実装形態の回転要素は、(例えば、モータ262の出力シャフトにおいて)モータ262に回転可能に拘束され、かつウォームホイール266にねじ込み可能/回転可能に結合されるウォームねじ264である、駆動歯車264を含む。ウォームホイール266は、回転可能にローラ260に拘束され、それが摩擦によってプランジレール254の縁部に結合される。したがって、モータ262の作動は、駆動歯車264の回転を生じさせ、それがウォームホイール266の回転を生じさせ、それがローラ260の回転を、したがって、レール254の並進を生じさせる。代替的に、レール254の作動もまた、平歯車を使用して、プランジレール254に取り付けられたラックと係合することで達成することができる。特定の実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、全減速を提供することができる。
【0066】
一実施形態によれば、ウォームホイール266及びローラ260を含むシャフトは、ウォームホイール266の両側にあるシャフトの対向端部上の2つのベアリング270によって支持することができる。代替的に、支持構成要素は、駆動トレイン内で一組の歯車を支持するための任意の既知の構成要素又は機構とすることができる。シャフトは、プランジハウジング252内に配設され得る。更に、一実施形態では、モータ262、歯車トレイン、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)もまた、一緒にプランジハウジング252に収容される。
【0067】
これらの3つのヨー関節、ピッチ関節、及びプランジ関節の代替の変形例は、摩擦駆動ローラ以外の任意の既知の機構を使用できることが理解される。例えば、関節の各々は、歯車を使用すること、又はモータによって直接駆動することができる。更なる代替案では、レールに沿った運動は、歯車を使用しない場合があり、代わりに、単に支持ローラのうちの1つを駆動して、レールに沿った運動を生じさせ得る。加えて、所望の出力運動を生じさせるために、他の既知の設計では、油圧駆動、空気圧駆動、又はケーブル駆動を使用することができる。
【0068】
図10は、ロボット支持アーム280の一実施形態を示す。この実装形態では、支持アーム280は、垂直(又は「ベースカラム」)ロッド282と、第1の回転可能な関節288においてロッド282に回転可能に結合された第1の細長いアーム284と、第2の回転可能な関節290において第1のアーム284に回転可能に結合された第2の細長いアーム286と、を有する。2つの回転軸288A、290Aが垂直方向に平行であるように、第1の関節288が第1の回転軸288Aを有し、第2の関節290が第2の回転軸290Aを有する。これは、患者に対して肉眼的位置決めロボット装置292を平面(X/Y方向)位置決めすることを可能にする。加えて、(上で論じたヨー軸62と同様の)肉眼的位置決めロボット装置292のヨー軸294もまた、他の2つの回転軸288A、290Aに垂直方向に平行である。
【0069】
支持アーム280の垂直位置決め(Z方向)は、クランプ296を使用して、ベッドレール(図示せず)において調整することができる。垂直ロッド282は、クランプがベッドレールに取り付けられる前に、又はその後に、クランプ296と結合することができる。ロッド282の垂直配置が選択されると、肉眼的位置決めロボット装置292を支持アーム280にドッキングすること、又は別様に取り付けることができる。次いで、ロボット外科用装置(図示せず)の挿入プロセス全体を含む、必要に応じてアーム280を水平に位置決めすることができる。ロボット外科用装置(図示せず)の最終位置が選択されると、肉眼的位置決めロボット装置292は、ロボット外科用装置(図示せず)とドッキングされる。典型的には、これは、ほぼポート/切開部/開口部にRCMを位置決めすることによって達成される。この時点で、支持アーム280は、関節ロック298、300を使用して、所定の位置に係止することができる。
【0070】
一実施形態では、(例えば、クランプ296と同様の)ベッドレールクランプ310が図11A図11Dに示されている。ベッドに装着された、片持ちビームとして作用する支持アームを使用する場合、緩い又は柔軟なベッドレールは、大きい偏向を生じさせる可能性がある。これを防止するために、(アーム280などの)ロボット支持アームを、ベッドレールクランプ310を使用して、標準外科用ベッドレールに締結することができる。クランプ310は、クランプ本体312を有し、2つのクランプシャフトカラー320がそれに結合され、本体312の各端部に1つのカラー320を有し、よって、以下で詳細に説明するように、クランプ体312は、(アーム280と同様の)支持アームのロッド332を受容することができ、カラー320は、そこにロッド332を固定することができる。更に、図11Dに最良に示されるように、クランプ310は、クランプ310に取り付けられた2つの取り付け機構315、317を介して、ベッドレール336に固定可能に取り付けることができる。第1の又は外側取り付け機構315は、第1のハンドル316によって作動され、かつ第1のくさび314及び第2のくさび326に動作可能に結合される、作動可能なボルト324を有する。第1の取り付け機構315は、レール336とベッド334との間に配設することができる。第2の又は内側取り付け機構317は、第2のハンドル318によって作動され、かつクランプジョー330に動作可能に結合される、作動可能なボルト319を有する。第2の取り付け機構317は、レール336に隣接して、(第1の取り付け機構315の反対側の)レールの外面に配設される。
【0071】
使用時に、ベッドレールクランプ310をベッドレール336に固定するには、第1の取り付け機構315がレール336とベッド334との間に位置決めされ、一方で、第2の取り付け機構317がレール336の外面に隣接して位置決めされるように、ベッドレールクランプ310がレール336に対して位置決めされる。所望の場所に着座させた時点で、ハンドル316(例えば、拡大クランプカムハンドル)を(図11B及び図11Dに最良に示される)下方の係止位置へ付勢して、作動可能なボルト324を上方へ付勢し、それによって、底部くさび326を上方へ付勢させることができ、よって、底部くさび326の角度付き面が頂部くさび314の角度付き面と係合し、よって、くさび326、314の両方が横方向に付勢される。このように、底部くさび326は、ベッド334に対して付勢され、一方で、頂部くさび314は、レール336の内面に対して付勢され、それによって、レール336及びベッド334にクランプ310を張力付与可能に固定する。ハンドル316が係止位置になった後、ハンドル318(例えば、レールクランプカムハンドル)を(図11B及び図11Dに最良に示される)下方の係止位置へ付勢して、作動可能なボルト319を上方へ付勢し、それによって、クランプジョー330を上方へ移動させてレール336の底面と接触させ、それによって、クランプ310を垂直ロッド332に印加される力によって生じるずれから固定する。
【0072】
ベッドレールクランプ310がベッド334に確実に装着された時点で、ベッドレール装着本体312に取り付けられたクランプシャフトカラー320を通して、ロッド332を挿入することができる。図11Cに示されるように、カラムクランプカムハンドル322は、係止位置に係合されて、ロッド332の周りにカラー320を締め付けることによって支持カラムを所望の高さに固定する。これらのカラムクランプカムハンドル322は、係合解除及び再係合して、ユーザが、所望に応じて支持アームカラム332を手動で上昇及び下降させることを可能にすることができる。親ねじ機構を介してカラムの高さを調整するためのハンドクランク又はモータの使用などの、支持アームカラムを上昇及び下降させるための代替の方法を使用できることが理解される。
【0073】
代替の一実施形態によれば、本明細書の肉眼的位置決めロボット装置の実施形態のいずれかは、追加的な特徴部-レーザ支援位置決め-を有することができる。より具体的には、図12に示されるように、1つの肉眼的位置決めロボット装置340の実施形態は、3つのラインレーザ342、344、352を有し、1つのレーザ342がプランジハウジング346に配設され、1つのレーザ344がピッチハウジング348に配設され、1つのレーザ352がヨーハウジング354に配設される。レーザ352は、ヨー軸356と同軸に装着され得る。レーザ342、344、352は、各レーザ342、344、352からのレーザ光をRCM350において交差させるように位置決め及び照準される。したがって、一実施形態では、レーザ342、344、352は、肉眼的位置決めロボット装置340を簡単にドッキング及び位置決めするのを補助することができ、レーザによって示されるRCM350は、ユーザによって患者の切開部/ポート/開口部に容易に位置付けることができる。代替の数のレーザ(例えば、図25に示される2つのレーザなど)が使用され得ることが理解される。本明細書に開示又は想到される様々なレーザの実施形態は、本明細書に開示される任意の肉眼的位置決め装置の実施形態に組み込むことができる。
【0074】
図13A及び図13Bに示されるように、また、図8A及び図9Bに関して上で論じたように、本明細書の肉眼的位置決め装置の実施形態の様々な実装形態はまた、ベアリングとレールとの接触を確実にするためにピッチハウジング及び/又はプランジハウジングのうちの少なくとも1つのベアリングに印加される張力付与力を提供する、張力付与機構も含むことができる。より具体的には、図13Aに示されるように、ピッチハウジング360の例示的な一実施形態は、ベアリング364がレール366と接触するように付勢する力をベアリング364に印加する、板ばね362を有する。
【0075】
板ばね362は、手動で張力付与解除して、又は別様にレール366から離れるように付勢して、ベアリング364とレール366との接触を除去することができる。これは、レール366をピッチハウジング360から係合解除することを可能にする。追加的又は代替的に、ピッチレール376は、ハードストップ又は「突起」368を含む。ピッチレール366の端部に位置するトグル可能な突起368は、係合解除して、レール366をピッチハウジング360から係合解除することを可能にすることができる。次いで、清掃及び殺菌の必要性に応じて、各副構成要素を容易に分解する。
【0076】
同様に、図13Bに示されるように、プランジハウジング370の例示的な一実施形態は、ベアリング374がレール376と接触するように付勢する力をベアリング374に印加する、板ばね372を有する。板ばね372は、手動で張力付与解除して、又は別様にレール376から離れるように付勢して、ベアリング374とレール376との接触を除去することができる。これは、レール376をピッチハウジング370から係合解除することを可能にする。追加的又は代替的に、プランジレール376は、ハードストップ又は「突起」378を含む。トグル可能な突起378は、係合解除して、プランジレール376をピッチハウジング370から係合解除することを可能にすることができる。次いで、清掃及び殺菌の必要性に応じて、各副構成要素を容易に分解する。板ばね362、372の代わりに任意の既知の張力付与機構を使用できること、及び突起368、378の代わりに任意の既知のトグル可能な機構を使用できることが理解される。
【0077】
更なる代替の実施形態では、本明細書に開示又は想到される任意の肉眼的位置決めロボット装置は、ボタン(例えば、アクチュエータ88、90、92)、ジョイスティック(図示せず)、タブレット、又は任意の他の既知のインターフェースなどの、各関節を独立して駆動するためのローカルインターフェースを使用して、ベッド横で制御することができる。ユーザは、各関節を個々に、又はインターフェースによって同時にジョグすることができる。肉眼的位置決めロボット装置は、ロボット外科用装置が挿入されている間、脇によけておき、次いで、必要なときにこの機能とドッキングするために容易に導入することができる。インターフェースは、駆動方向に対応するボタン又はジョイスティックの関節動作方向を有する、直観的なものとすることができる。これを達成するために、ユーザインターフェースは、各関節に局在化させることができ、又は中央に位置付けることができる。ロボットを摘出する場合、ロボット外科用装置をドッキング解除することができ、肉眼的位置決めロボット装置を邪魔にならない所へジョグすることができる。
【0078】
図14A及び図14Bは、本明細書に開示又は想到される任意の肉眼的位置決めロボット装置の別の代替の特徴部、すなわち、巻き取られたケーブル380、を示す。この実施形態では、ケーブル380は、示されるように、ピッチハウジング382をプランジハウジング384に結合する。ケーブル380は、ピッチ関節がピッチされたときに自然に収縮及び伸長することによって、ケーブルが絡み合うことなくあらゆるピッチ角を可能にするために、コイル状である。代替の設計では、スリップリング又は関節カプセルを任意の又は全ての関節に使用することができる。これらの設計は、連続した、又は非常に広い範囲の運動を有することができる。
【0079】
図15A及び図15Bは、本明細書に開示又は想到される任意の肉眼的位置決めロボット装置上の任意のレールの別の代替の特徴部、すなわち、トグル可能なハードストップ又は「突起」402を示す。示されるように、ハードストップ400は、ピッチ出力レール404上に位置決めされる。トグル可能なハードストップ402は、ピッチレール404の端部に位置し、また、係合解除して、レール404をピッチハウジングから係合解除することを可能にすることができる。図15Aは、レール404をピッチハウジングから係合解除することができないように係合位置にあるハードストップ402を示す。図15Bは、図15Aからトグルされたハードストップ402を示し、ハードストップ402は、レール404をピッチハウジングから係合解除することができるように係合解除位置にある。ハードストップはまた、図13Aにおいて上で示されるように、プランジ出力レール上に位置決めできることが理解される。
【0080】
図16には、ロボット外科用装置位置決めシステム540の別の実施形態が示されている。図16図23に開示される様々な実施形態は、図2A図15Bにおいて上で開示又は想到した装置の実装形態と実質的に同様であり、本明細書で明示的に述べられる場合を除いて、実質的に同様の構成要素、特徴部、及び機能を有することが理解される。
【0081】
図16のシステム540は、受動支持アーム542と、アーム542に回転可能に結合された肉眼的位置決めロボット装置544と、を含む。更に、この特定の例示的な実装形態では、示されるように、装置546によって表される任意の既知のロボット装置546は、装置546が開口部、オリフィス、切開部、又はポートを通して患者の対象の腔に配設されるように、装置544に取り外し可能に結合することができる。
【0082】
図17A及び図17Bに示される肉眼的位置決めロボット装置560の別の実施形態によれば、装置560は、3つの関節、すなわち、ヨー(関節1)562と、ピッチ(関節2)564と、プランジ(関節3)566と、を有する。ヨー562及びピッチ564は、RCMを中心として回転し、プランジ566は、RCM568を通って移動する。この実施形態では、各関節は、完全に結合解除されて、独立して制御される。更に、特定の実施形態では、モータ及びモータコントローラ(図示せず)は、各関節562、564、566に共同配置される。加えて、各関節562、564、566は、逆駆動可能とすることができるが、必須ではない。
【0083】
ヨー関節562は、肉眼的ロボット位置決め装置560の本体570、より具体的には、ヨー機構構造体572を起点とする。より具体的には、回転可能なヨー出力シャフト574は、ヨー機構構造体572から延在して、ヨー関節562を構成する。このように、出力シャフト574の回転は、ヨー関節562においてヨーを生じさせる。
【0084】
ピッチ関節564も同様に、装置560の本体570、より具体的には、ピッチ機構構造体576を起点とする。より具体的には、出力レール578は、(以下で詳細に説明するように)ピッチ機構構造体576に対する出力レール578の運動がピッチ関節564を生じさせるように、回転可能なベアリング580を介してピッチ機構構造体576に動作可能に結合される。このように、出力レール578の作動は、ピッチ関節564にピッチを生じさせる。
【0085】
プランジ関節566は、出力レール578に動作可能に結合されるプランジ機構構造体582を起点とする。より具体的には、拡張可能なレール584は、(図22A及び図22Bの一実施例に従って最良に示されるように)回転可能なベアリング586を介してプランジ機構構造体582に動作可能に結合される。このように、拡張可能なレール584の延在は、プランジ関節566においてプランジを生じさせる。
【0086】
図18A及び図18Bに最良に示されるように、装置位置決めシステム600の別の実装形態は、円弧状レール614の中心に位置するRCM602を有する。代替的に、RCM602は、肉眼的位置決め装置に対して任意の既知の位置に配設することができる。ロボット外科用装置-装置604など-が、肉眼的ロボット位置決め装置606にドッキングされた(又は別様に結合された)ときに、RCM602は、ロボット外科用装置604の細長い本体(又は管)608内に配設され、その運動学的原点610とほぼ同一直線上である。図18Aはまた、ロボット外科用装置604に関連する肉眼的位置決め装置606の作業空間612も示す。ロボット装置604の運動学的原点610が示されている。肉眼的位置決め装置606は、運動学的原点610をトロイダル作業空間612内の任意の場所へ移動させるために使用することができる。図18Bに最良に示されるように、ピッチ及びプランジによって管理される作業空間612の断面は、環形セクタ616である。
【0087】
図18Aに戻ると、ヨー関節(図17Aに関して上で詳細に論じた関節562など)は、回転関節であり、少なくとも165度のスイープ角にわたって関節動作することができる。図18Aの実施形態では、作業空間612は、360度の移動角を有するヨーを示し、(配線の調整が許容する)いずれかの方向に回転し続けることができることを意味する。ピッチ関節(図17Aに関して上で詳細に論じた関節564など)は、出力レール614に沿った運動によってRCM602を中心とした回転を可能にする。ピッチの場合、特定の実装形態によれば、垂直から約20~60度のピッチ角度で40度の円弧を横断することができる。加えて、プランジ関節(図17Aに関して上で詳細に論じた関節566など)は、並進関節であり、様々な実施形態によれば、少なくとも100cmの全長を並進することができる。
【0088】
図19A及び図19Bは、ヨー関節の出力シャフト640の例示的な一実施形態を示す。図19Aは、シャフト640の斜視図を示し、一方で、図19Bは、分解断面図を示す。図19Aに最良に示されるように、出力シャフト640は、ロボット支持アーム642と結合される。この特定の実装形態では、出力シャフト640は、ねじ山付きDシャフト640である。シャフト640の上部セクション644は、ねじ山648が画定された雌型接続開口部646を有し、ねじ山648は、ねじ山654が画定された下部セクション652の雄型接続突起650と結合可能である。結合されたねじ山648、654は、装置の重量を支持する。シャフト結合具656は、シャフト640の周りに配設され、また、係止止めねじ658A、658Bを有し、これらは、シャフト644の2つのセクション644、652のねじを緩めることなくトルクを伝達することを可能にする。代替的に、清掃及び殺菌などのために、肉眼的位置決めロボット装置660とロボット支持アーム642とを容易にドッキング及びドッキング解除するために、他の既知の迅速な接続機構を使用することができる。
【0089】
図20A図20Dは、一実施形態による、(上で論じた関節562などの)ヨー関節670の内部機構を示す。より具体的には、図20Aは、ヨー関節670が出力シャフト674を起点とするように構造体672から回転可能に延在する出力シャフト674を有する、ヨー機構構造体672を示す。出力シャフト674は、肉眼的位置決めロボット(図示せず)をロボット支持アーム(図示せず)に対して回転させるように回転する。
【0090】
一実施形態では、図20B図20Dに最良に示されるように、出力シャフト674は、一連の回転要素を介して出力シャフト674に回転可能に結合されるモータ676によって作動される。歯車は、モータ676に回転可能に拘束され、かつ被駆動歯車680に回転可能に結合された駆動歯車678を含む。被駆動歯車680は、被駆動歯車680の回転が、ウォームねじ682の回転を、したがって、ウォームホイール684の回転を生じさせるように、ウォームねじ682に回転可能に拘束され、それがウォームホイール684にねじ込み可能に結合される。一実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、5000:1の全減速を提供する。出力シャフト674は、システムの重量を支持するためにフランジ付き又はキャップ付きとすることができる2つのベアリング686、688によって支持される。加えて、シャフトをベアリング686、688に対して軸方向に拘束する保持リング690を提供することができる。トルクは、キー及びキー溝692によって、ウォームホイール682、684から出力シャフト674に伝達される。駆動歯車678/被駆動歯車680段は、モータ出力シャフト694を軸方向負荷から保護し、一方で、中間平行シャフト696は、予荷重を付与した角度接触ベアリング698、700によるウォームへの軸方向スラストに対して支持される。予荷重は、示されるように、軸方向波形ばね702によって達成することができるが、他の方法は、ばね座金又は円板ばね(図示せず)の使用を含む。スペーサ(図示せず)は、全てのベアリング及び歯車シャフト上に位置付けるために使用することができる。一実施形態では、歯車トレインは、モータブロック704内に配設される。組み立てられたモータブロック704、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)は、一緒に収容することができる。更に、ヨー機構構造体(又は「ハウジング」)672は、より良好にトルクを伝達して装置全体を移動させるために、段付きボルトなどを使用して、ピッチ機構構造体(図示せず)に確実に締結することができる。
【0091】
図21A図21Cは、一実施形態による、(上で論じた関節564などの)ピッチ関節の内部機構を示す。より具体的には、図21Aは、ピッチ機構構造体(又は「ハウジング」)720を示し、構造体720は、構造体720に対する出力レール722の運動からピッチが生じるように、構造体720に摺動可能に結合された出力レール722を有する。出力レール722は、一実施形態によれば、円弧のセグメントを構成する細長い湾曲した構造体722である。更に、出力レール722は、レール722の運動がRCM(図示せず)を中心とするプランジハウジング(及び任意の取り付けられたロボット外科用装置)の回転を生じさせるように、以下で説明するようにピッチ機構ハウジング720に摺動可能に結合され、更に、レール722の一方の端部においてプランジハウジング(図示せず)に固定的に結合される。
【0092】
一実施形態では、出力レール722は、回転可能なベアリング724を介してピッチ機構構造体720に結合される。示される特定の実装形態では、レール722が各ベアリング724と接触し、また、ベアリング724に対して並進移動することができるように、レール722の両側に位置決めされる二対のベアリング724が存在する。更に、以下で追加的に詳細に説明されるように、レール722は、回転可能な歯車726にねじ込み可能に結合される。
【0093】
図21Bに最良に示されるように、出力レール722は、一連の歯車又は他の回転要素を介して出力レール722に回転可能に結合されるモータ728によって作動される。歯車は、モータ728に回転可能に拘束され、かつウォームホイール732にねじ込み可能に/回転可能に結合されるウォームねじ730である、駆動歯車730を含む。ウォームホイール732は、ウォームホイール732の回転が、回転可能な歯車726の回転を、したがって、歯734(したがって、レール722)の並進を生じさせるように、回転可能な歯車726に回転可能に拘束され、それがレール722の歯734にねじ込み可能に結合される。一実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、12900:1の全減速を提供する。ウォームホイール732及び回転可能な歯車726を含むシャフトは、シャフトの対向端部上の2つのベアリング736によって支持される。一実施形態では、モータ728、歯車トレイン、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)は、一緒にピッチハウジング720に収容される。更に、図21Cに最良に示されるように、出力レール722は、位置合わせピン738及びねじ740を有するプランジハウジング(以下で論じる)に締結される。
【0094】
図22A図22Bは、一実施形態による、(上で論じた関節566などの)プランジ関節750を示す。より具体的には、図22Aは、プランジ機構構造体(又は「ハウジング」)752を示し、構造体752は、構造体752に対する出力レール754の並進運動からプランジ又は摺動運動が生じるように、摺動可能に結合された出力レール754を有する。出力レール754は、レール754の運動が、クランプ756内に配設された任意のロボット装置(図示せず)の運動を生じさせ、それによって、手術部位においてロボット装置をポート(又は切開部、又は開口部)の内外へ並進させるように、実質的に直線状の細長い構造体754であり、これは、以下で説明するように、プランジ機構ハウジング752に摺動可能に結合され、更に、レール754の一方の端部においてロボット取り付けクランプ756に固定的に結合される。
【0095】
一実施形態では、出力レール754は、回転可能なベアリング758を介してプランジ機構構造体752に結合される。示される特定の実装形態では、レール754が各ベアリング758と接触し、また、ベアリング758に対して並進移動することができるように、レール754の両側に位置決めされる二対のベアリング758が存在する。更に、以下で追加的に詳細に説明されるように、レール754は、回転可能な歯車760にねじ込み可能に結合される。
【0096】
図22Bに最良に示されるように、出力レール754は、一連の歯車又は他の回転要素を介して出力レール754に回転可能に結合されるモータ762によって作動される。歯車は、モータ762に回転可能に拘束され、かつウォームホイール766にねじ込み可能に/回転可能に結合される駆動歯車764、例えば、ウォームねじ764又は他の回転要素を含む。ウォームホイール766は、ウォームホイール766の回転が、回転可能な歯車760の回転を、したがって、歯768(したがって、レール754)の並進を生じさせるように、回転可能な歯車760に回転可能に拘束され、それがレール754の歯768にねじ込み可能に結合される。一実装形態では、歯車は、高速モータ出力を、必要とされる低速高トルクに変換する、840:1の全減速を提供する。ウォームホイール766及び回転可能な歯車760を含むシャフトは、シャフトの対向端部上の2つのベアリング770によって支持される。一実施形態では、モータ762、歯車トレイン、モータコントローラ(図示せず)、及びケーブル(図示せず)は、一緒にプランジハウジング752に収容される。
【0097】
これらの3つの関節の代替の変形例は、歯車以外の任意の既知の機構を使用できることが理解される。例えば、関節の各々は、モータによって直接駆動することができる。更なる代替案では、レールに沿った運動は、歯車を使用しない場合があり、代わりに、単に支持ローラのうちの1つを駆動して、レールに沿った運動を生じさせ得る。加えて、所望の出力運動を生じさせるために、他の既知の設計では、油圧駆動、空気圧駆動、又はケーブル駆動を使用することができる。
【0098】
図23は、ロボット支持アーム780の一実施形態を示す。この実装形態では、支持アーム780は、垂直(又は「ベース」)ロッド782と、第1の回転可能な関節788においてロッド782に回転可能に結合された第1の細長いアーム784と、第2の回転可能な関節790において第1のアーム784に回転可能に結合された第2の細長いアーム786と、を有する。2つの回転軸788A、790Aが垂直方向に平行であるように、第1の関節788が第1の回転軸788Aを有し、第2の関節790が第2の回転軸790Aを有する。これは、患者に対して肉眼的位置決めロボット装置792を平面(X/Y方向)位置決めすることを可能にする。加えて、肉眼的位置決めロボット装置792のヨー軸794もまた、他の2つの回転軸788A、790Aに垂直方向に平行である。
【0099】
支持アーム780の垂直位置決め(Z方向)は、クランプ796を使用して、ベッドレール(図示せず)において調整することができる。垂直配置が選択されると、肉眼的位置決めロボット装置792を支持アーム780にドッキングすること、又は別様に取り付けることができる。次いで、ロボット外科用装置(図示せず)の挿入プロセス全体を含む、必要に応じてアーム780を水平に位置決めすることができる。ロボット外科用装置(図示せず)の最終位置が選択されると、肉眼的位置決めロボット装置792は、ロボット外科用装置(図示せず)とドッキングされる。典型的には、これは、ほぼポート/切開部/開口部にRCMを位置決めすることによって達成される。この時点で、支持アーム780は、関節ロック798、800を使用して、所定の位置に係止することができる。関節ロック802は、上述したように、肉眼的位置決めロボット装置792の出力シャフトを支持するために使用される。
【0100】
一実施形態では、(クランプ796と同様の)ベッドレールクランプ810が図24A図24Bに示されている。ベッドに装着された、片持ちビームとして作用する支持アームを使用する場合、緩い又は柔軟なベッドレールは、大きい偏向を生じさせる可能性がある。これを防止するために、(アーム780などの)ロボット支持アームを、ベッドレールクランプ810を使用して、標準外科用ベッドレールに締結することができる。クランプ810は、バックプレート814を支持し、かつリニアベアリングのように作用する、2つの位置合わせピン812を有する。4つの止めねじ818を使用して、バックプレート814がベッド横に押し付けられ、フロントプレート816がベッドレールに押し付けられる。これは、ベッドレール取り付けボルト820を張力付与状態にし、任意の潜在的偏向を制限する。外側ハウジングは、ベッドレールに載置され、(アーム780などの)支持アームの高さ調整を可能にする。
【0101】
代替の一実施形態によれば、本明細書の肉眼的位置決めロボット装置の実施形態のいずれかは、追加的な特徴部-レーザ支援位置決め-を有することができる。より具体的には、図25に示されるように、肉眼的位置決めロボット装置840の実施形態は、2つのラインレーザ842、844を有し、1つのレーザ842がプランジハウジング846に配設され、1つのレーザ844がピッチハウジング848に配設される。レーザ842、844は、各レーザ842、844からのレーザ光をRCM850において交差させるように位置決め及び照準される。したがって、レーザ842、844は、肉眼的位置決めロボット装置840を簡単にドッキング及び位置決めするのを補助することができ、レーザによって示されるRCM850は、ユーザによって患者の切開部/ポート/開口部に容易に位置付けることができる。
【0102】
図26A及び図26Bに示されるように、本明細書の肉眼的位置決め装置の実施形態の様々な実装形態はまた、ベアリングとレールとの接触を確実にするためにピッチハウジング及び/又はプランジハウジングのうちの少なくとも1つのベアリングに印加される張力付与力を提供する、張力付与機構も含むことができる。より具体的には、図26Aに示されるように、ピッチハウジング860の例示的な一実施形態は、ベアリング864がレール866と接触するように付勢する力をベアリング864に印加する、板ばね862を有する。板ばね862は、手動で張力付与解除して、ベアリング864とレール866との接触を除去することができる。これは、レール866をピッチハウジング860から係合解除することを可能にする。次いで、清掃及び殺菌の必要性に応じて、各副構成要素を容易に分解する。同様に、図26Bに示されるように、プランジハウジング870の一実施形態は、ベアリング874がレール876と接触するように付勢する力をベアリング874に印加する、板ばね872を有する。板ばね872は、手動で張力付与解除して、ベアリング874とレール876との接触を除去することができる。これは、レール876をピッチハウジング870から係合解除することを可能にする。次いで、清掃及び殺菌の必要性に応じて、各副構成要素を容易に分解する。板ばねの代わりに任意の既知の張力付与機構を使用できることが理解される。
【0103】
更なる代替の実施形態では、本明細書に開示又は想到される任意の肉眼的位置決めロボット装置は、ボタン又はジョイスティック(図示せず)などの、各関節を独立して駆動するためのローカルインターフェースを使用して、ベッド横で制御することができる。ユーザは、各関節を個々に、又はインターフェースによって同時にジョグすることができる。肉眼的位置決めロボット装置は、ロボット外科用装置が挿入されている間、脇によけておき、次いで、必要なときにこの機能とドッキングするために容易に導入することができる。インターフェースは、駆動方向に対応するボタン又はジョイスティックの関節動作方向を有する、直観的なものとすることができる。これを達成するために、ユーザインターフェースは、各関節に局在化させること、又は中央に位置付けることができる。ロボットを摘出する場合、ロボット外科用装置をドッキング解除することができ、肉眼的位置決めロボット装置を邪魔にならない所へジョグすることができる。
【0104】
複数の実施形態が開示されるが、更に他の実施形態は、例示的実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、様々な実施形態は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な実装形態において修正することができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものではない。
【0105】
好適な実装形態を参照しながら様々な実施形態を説明してきたが、当業者は、その趣旨及び範囲を逸脱することなく、形態及び詳細において変更が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A-19B】
図20A
図20B
図20C
図20D
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図25
図26A
図26B
【国際調査報告】