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特表2023-532984モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法
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  • 特表-モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法 図1
  • 特表-モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20230725BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20230725BHJP
【FI】
G01N21/27 A
G06T7/70 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500273
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2021068431
(87)【国際公開番号】W WO2022008396
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】20184181.4
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス アルペロビッツ
(72)【発明者】
【氏名】マックス ベルク
(72)【発明者】
【氏名】フレドリク ハイラー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント リムブルク
【テーマコード(参考)】
2G059
5L096
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB13
2G059DD03
2G059DD20
2G059EE02
2G059EE13
2G059FF04
2G059JJ01
2G059KK04
2G059LL01
2G059MM01
2G059MM05
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA69
5L096HA02
(57)【要約】
少なくとも1つの分析測定を実行する方法が開示される。本方法は、少なくとも1つのカメラ(116)を有するモバイル装置(112)を使用することを含む。本方法は、さらに、
i) カメラ(116)を使用することによって、少なくとも1つの医療物品(114)の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) 時系列画像から、モバイル装置(112)と医療物品(114)との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) モバイル装置(112)の少なくとも1つのセンサ装置(118)を使用することによって、モバイル装置(112)と医療物品(114)との相対位置に関する測定情報を取り込むことと、
iv) 測定情報から、モバイル装置(112)と医療物品(114)との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) 第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) 拡張時系列位置情報に基づいて、モバイル装置(112)をモバイル装置(112)および医療物品(114)の少なくとも1つの相対目標位置にユーザに持って行かせるために、モバイル装置(112)と医療物品(114)との相対位置を変更するためのガイダンスをユーザに提供することと、を含む。
さらに、モバイル装置(112)、少なくとも1つの分析測定を実行するためのキット(110)、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカメラ(116)を有するモバイル装置(112)を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法であって、
i) 前記カメラ(116)を使用することによって、少なくとも1つの医療物品(114)の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) 前記時系列画像から、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) 前記モバイル装置(112)の少なくとも1つのセンサ装置(118)を使用することによって、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する測定情報を取り込むことと、
iv) 前記測定情報から、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) 第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) 前記拡張時系列位置情報に基づいて、前記モバイル装置(112)を前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の少なくとも1つの相対目標位置に前記ユーザに持って行かせるために、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との前記相対位置を変更するためのガイダンスを前記ユーザに提供することと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップvi)が、前記拡張時系列位置情報から少なくとも1つの現在位置情報項目を導出することと、前記少なくとも1つの現在位置情報項目を前記少なくとも1つの相対目標位置と比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップvi)が、現在時点を決定することを含み、ステップvi)が、前記現在時点が、前記時系列画像の画像が取り込まれた取り込み時間に対応するかどうかを決定することをさらに含み、対応する場合、前記少なくとも1つの現在位置情報項目を導出するために前記第1の時系列位置情報を使用し、対応しない場合、前記第2の時系列位置情報を使用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の前記相対目標位置が、前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の非平行相対配向を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記分析測定が、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することを含み、前記医療物品(114)が、少なくとも1つの試薬試験フィールド(126)を有する少なくとも1つの光学試験ストリップ(124)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記医療物品(114)が、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド(130)と、複数の異なるグレー基準フィールド(128)とのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの色基準カード(122)をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の時系列が、前記画像の取り込み時間の関数としての画像導出位置情報を含み、前記第2の時系列が、時間の関数としての測定導出位置情報を含み、前記第2の時系列の前記測定導出位置情報が、前記画像の前記取り込み時間とは異なる時点について与えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップiv)が、前記第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目を使用することをさらに含み、ステップiv)が、前記第1の時系列位置情報からの前記少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、前記少なくとも1つの測定導出位置情報項目を推定することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記推定することが、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を内挿すること、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を外挿すること、前記第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との前記相対位置の少なくとも1つの予測される軌跡を決定すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザガイダンスが、前記目標位置を達成するために前記モバイル装置(112)が移動される方向、前記目標位置を達成するために前記モバイル装置(112)が向けられる配向、のうちの少なくとも1つを示す前記ユーザのための情報を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
モバイル装置(112)であって、前記モバイル装置(112)が、少なくとも1つのカメラ(116)を備え、位置情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置(118)をさらに備え、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、モバイル装置(112)。
【請求項12】
少なくとも1つの分析測定を実行するための、具体的には体液の少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するためのキット(110)であって、前記キット(110)が、モバイル装置(112)を参照する請求項11に記載のモバイル装置(112)を備え、少なくとも1つの医療物品(114)をさらに備え、前記医療物品(114)が、具体的には、少なくとも1つの試薬試験フィールド(126)を有する少なくとも1つの光学試験ストリップ(124)を備える、キット(110)。
【請求項13】
少なくとも1つの色基準カード(122)をさらに備え、前記色基準カード(122)が、前記試験フィールド(126)にローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールド(128)を備え、前記色基準カード(122)が、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド(130)と、前記色基準フィールド(130)にローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールド(128)とを備える、請求項12に記載のキット(110)。
【請求項14】
カメラ(116)を有するモバイル装置(112)によって、具体的には、モバイル装置(112)を参照する請求項11に記載のモバイル装置(112)によって実行されると、方法を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法を前記モバイル装置(112)に実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項15】
カメラ(116)を有するモバイル装置(112)によって、具体的には、モバイル装置(112)を参照する請求項11に記載のモバイル装置(112)によって実行されると、方法を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法を前記モバイル装置(112)に実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法に関する。本発明は、さらに、モバイル装置、少なくとも1つの分析測定を実行するためのキット、ならびにコンピュータプログラムおよびコンピュータ可読記憶媒体に関する。方法および装置は、具体的には、例えば、血液中および/または間質液中のグルコースを検出するためなど、体液のサンプル中の1つ以上の分析物を定量的および/または定性的に検出するために、医療診断において使用されることができる。しかしながら、本発明の他の応用分野も可能である。
【背景技術】
【0002】
医療診断の分野では、多くの場合、血液、間質液、尿、唾液、または他の種類の体液などの体液のサンプルから1つ以上の分析物を検出する必要がある。検出される分析物の例は、グルコース、トリグリセリド、ラクテート、コレステロール、またはこれらの体液に通常存在する他の種類の分析物である。分析物の濃度および/または存在に応じて、必要に応じて適切な処理が選択されることができる。範囲を狭めることなく、本発明は、血糖測定に関して具体的に説明されることができる。しかしながら、本発明は、他の種類の分析測定、具体的には1つ以上の試験要素を使用する分析測定にも使用されることができることに留意されたい。
【0003】
一般に、当業者に知られている装置および方法は、1つ以上の試験化学物質を含む試験要素を利用し、これは、検出される分析物の存在下で、光学的に検出可能な検出反応などの1つ以上の検出可能な検出反応を実行することができる。試験要素に含まれる試験化学物質に関しては、例えば、J.Hoenes et al.:The Technology Behind Glucose Meters:Test Strips,Diabetes Technology&Therapeutics,Volume 10,Supplement 1,2008,S-10からS-26の参照がなされることができる。他の種類の試験化学物質が可能であり、本発明を実施するために使用されることができる。
【0004】
分析測定、特に発色反応に基づく分析測定では、1つの技術的課題は、検出反応に起因する色の変化の評価にある。ハンドヘルド血糖計などの専用の分析装置を使用することに加えて、スマートフォンおよびポータブルコンピュータまたは他のモバイル装置などの一般的に入手可能な電子機器の使用は、近年ますます普及している。例として、国際公開第2012/131386号パンフレットは、アッセイを実施するための試験装置であって、色またはパターンの変化を発現することによって塗布された試験サンプルに反応する試薬を含む容器と、例えばプロセッサおよび画像取込装置を備える携帯電話またはラップトップなどのポータブル装置であって、プロセッサが、画像取込装置によって撮像さされたデータを処理し、塗布された試験サンプルの試験結果を出力するように構成されたポータブル装置とを備える、試験装置を開示している。
【0005】
少なくとも1つのカメラを有するモバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する別の方法は、欧州特許第1 963 828号明細書に開示されている。国際公開第2019/238500号パンフレットは、モバイル装置のカメラを較正するための較正方法を開示している。
【0006】
専用の分析測定装置を使用することによって実行される実験室測定および測定とは対照的に、スマートフォンなどのモバイルコンピューティング装置を使用する場合、様々な影響を考慮する必要がある。具体的には、モバイル装置を使用することによる光学試験ストリップのカメラベースの評価は、定義された強度基準を有する画像の取り込みを必要とする場合がある。例えば、取り込まれた画像は、特に、試験フィールド、基準フィールド、および/または他の要素などの画像内の関連要素において、グレアおよび/または鏡面反射がない場合がある。
【0007】
モバイルコンピューティング装置が定義された強度基準にしたがった画像を取り込むことを可能にするために、モバイル装置および撮像される物体は、互いに所定の位置に位置合わせされてもよい。例えば、空間および/または角度方向は、既知の幾何学的形状を有する取り込まれた画像の要素から導出されてもよい。
【0008】
一般に、いくつかの技術分野において、デジタル画像から空間情報を導出する方法が知られている。例えば、米国特許第10,357,092号明細書は、シェービング処置中にユーザを誘導するためのシェービングガイダンスシステムであって、ユーザの身体の一部の画像を登録するように構成された画像センサと、画像内のデータに基づいて局所的な発毛方向を決定するように構成された画像データ分析器と、決定された局所的な発毛方向に応じて調髪装置が移動される方向に関する命令を生成するように構成されたコントローラと、命令をユーザに提供するように構成されたフィードバックシステムとを備える、システムを記載している。
【0009】
米国特許第9,906,712号明細書は、モバイル装置を使用して写真を取り込む方法および装置を開示している。例示的な方法は、モバイル装置内のセンサからセンサデータを受信することを含む。例示的な方法は、モバイル装置のディスプレイを介してユーザに視覚フィードバックを提示して、モバイル装置のカメラによって写真を取り込む際にユーザを誘導することをさらに含む。視覚フィードバックは、センサデータに基づく。
【0010】
米国特許第9,485,416号明細書は、画像取込装置を使用して目標物体の画像を取り込むようにユーザをガイダンスする方法を開示している。実施形態では、本方法は、取り込まれる画像の境界領域を決定することと、境界領域内にある画像を検出すると、画像の少なくとも1つのフレームを取り込むこととを含む。次いで、撮像された少なくとも1つのフレーム内の目標物体は、画像の残りの部分から目標物体を分離することによってセグメント化される。さらに、セグメント化された目標物体の対称性および自己類似性のうちの少なくとも1つが決定される。さらに、少なくとも1つの画像パラメータがセンサによって決定される。次いで、本方法は、決定された対称性、自己類似性、および少なくとも1つの画像パラメータのうちの少なくとも1つに基づいて、目標物体の最終画像を取り込むようにユーザをガイダンスするための入力を提供する。
【0011】
米国特許第10,353,049号明細書は、少なくとも1つの物体の配向を決定するための検出器装置を記載している。検出器装置は、少なくとも2つのビーコン装置であって、ビーコン装置が、物体に取り付けられ、物体によって保持され、物体に組み込まれるのうちの少なくとも1つであるように適合され、ビーコン装置が、光ビームを検出器に向けるようにそれぞれ適合され、ビーコン装置が、物体の座標系において所定の座標を有する、少なくとも2つのビーコン装置と、ビーコン装置から検出器に向かって移動する光ビームを検出するように適合された少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つの評価装置であって、評価装置が、検出器の座標系におけるビーコン装置のそれぞれの長手方向座標を決定するように適合され、評価装置が、ビーコン装置の長手方向座標を使用することによって検出器の座標系における物体の配向を決定するようにさらに適合されている、少なくとも1つの評価装置と、を備える。
【0012】
化学試験の技術分野を参照すると、米国特許第9,903,857号明細書は、アッセイを実行するための試験装置であって、試験装置が試薬を収容する容器であって、試薬が色またはパターンの変化を現像することによって適用された試験サンプルに対して反応する、容器と、プロセッサおよび画像取込装置を備える携帯装置、例えば携帯電話またはラップトップであって、プロセッサが、画像取込装置によって取り込まれたデータを処理し、適用された試験サンプルの試験結果を出力するように構成されている、携帯装置と、を備える、試験装置を記載している。
【0013】
これら公知の方法と装置とにより実現されるこれらの利点にもかかわらず、各種の技術的な課題が残っている。具体的には、画像処理によってモバイル装置の空間的および/または角度的な配向を導出することは、依然として困難である。具体的には、高いコンピューティングリソースを有するモバイル装置を使用する場合、毎秒少なくとも10画像フレームなど、毎秒複数の画像フレームを処理することが一般に可能であり得る。導出された情報は、ユーザを正しい画像記録位置に誘導するために使用されることができる。しかしながら、十分なユーザガイダンスを可能にするためには、一般に高速なフィードバックが必要である。コンピューティングリソースが低いモバイル装置が使用される場合、限られた数の画像、例えば毎秒1または2画像フレームのみが、一般にモバイル装置によって処理されることができる。しかしながら、この周波数は、モバイル装置のユーザのための正しいガイダンスを可能にするには遅すぎることがある。ユーザが正しい位置決めを検索するループに巻き込まれる可能性がある。
【0014】
解決すべき課題
したがって、上述した課題に少なくとも部分的に対処する少なくとも1つの分析測定を実行する装置および方法を提供することが望ましい。具体的には、モバイル装置を使用することによって分析測定を実行するための迅速で効率的で便利なユーザガイダンスを可能にする装置および方法を提供することが望ましい。より具体的には、計算能力が低いモバイル装置を使用することによって分析測定を実行するための手段および方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0015】
この課題は、独立請求項の特徴を有する、少なくとも1つの分析測定を実行する方法、モバイル装置、少なくとも1つの分析測定を実行するためのキット、ならびにコンピュータプログラムおよびコンピュータ可読記憶媒体によって対処される。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる有利な実施形態は、従属請求項ならびに明細書全体に記載されている。
【0016】
以下において使用される場合、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0017】
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回を超えて存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0018】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語により導入される特徴は、任意の特徴であり、特許請求の範囲を、いかなる方法によっても制約することを意図されていない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0019】
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの分析測定を実行する方法が開示される。本方法は、少なくとも1つのカメラを有するモバイル装置を使用することを含む。本方法は、例として、所与の順序で実行されてもよい以下のステップを含む。しかしながら、異なる順序も可能であることに留意されたい。さらに、1つ以上の方法ステップを1回または繰り返し実行することも可能である。さらに、2つ以上の方法ステップを同時にまたは適時に重複して実行することが可能である。本方法は、記載されていないさらなる方法ステップを含むことができる。
【0020】
本方法は、
i) カメラを使用することによって、少なくとも1つの医療物品の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) 時系列画像から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) モバイル装置の少なくとも1つのセンサ装置を使用することによって、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定情報を取り込むことと、
iv) 測定情報から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) 第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) 拡張時系列位置情報に基づいて、モバイル装置をモバイル装置および医療物品の少なくとも1つの相対目標位置にユーザに持って行かせるために、モバイル装置と医療物品との相対位置を変更するためのガイダンスをユーザに提供することと、を含む。
【0021】
「分析測定」とも呼ばれる、本明細書で使用される「分析測定を実行する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの医療パラメータの定量的および/または定性的決定、具体的には少なくとも1つの分析物の定量的および/または定性的決定を指すことができる。具体的には、分析測定は、任意のサンプルまたは体液のアリコート中の少なくとも1つの分析物の定量的および/または定性的決定を指すことができる。例えば、体液は、血液、間質液、尿、唾液または他の種類の体液のうちの1つ以上を含むことができる。決定の結果は、例として、分析物の濃度および/または決定対象の分析物の有無であってもよい。具体的には、例として、分析測定は、血糖測定とすることができ、したがって、分析測定の結果は、例えば、血糖濃度とすることができる。特に、分析測定結果値および/または分析物濃度値は、血糖濃度値などの分析測定によって決定されることができる。本明細書で使用される「分析測定結果値」とも呼ばれることが多い「分析物濃度値」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、サンプル中の分析物濃度の数値表示を指すことができる。例として、少なくとも1つの分析物は、1つ以上の特定の化学化合物および/または他のパラメータとすることができ、またはそれらを含むことができる。例として、血糖などの代謝に関与する1つ以上の分析物が決定されることができる。追加的または代替的に、例えばpH値など、他の種類の分析物またはパラメータが決定されることができる。
【0022】
上記概説した方法は、少なくとも1つのカメラを有するモバイル装置を使用することを含む。本明細書で使用される「モバイル装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、モバイル電子装置、より具体的には、携帯電話またはスマートフォンなどのモバイル通信装置を指すことができる。追加的または代替的に、以下にさらに詳細に概説されるように、モバイル装置はまた、タブレットコンピュータまたは少なくとも1つのカメラを有する別の種類のポータブルコンピュータを指すことができる。
【0023】
本明細書で使用される「カメラ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、空間的に分解された1次元、2次元、または3次元の光学データまたは情報を記録または撮像するように構成された少なくとも1つの撮像素子を有する装置を指すことができる。例として、カメラは、画像を記録するように構成された少なくとも1つのCCDチップおよび/または少なくとも1つのCMOSチップなどの少なくとも1つのカメラチップを含むことができる。本明細書で使用される場合、限定されないが、「画像」という用語は、具体的には、カメラチップの画素などの撮像素子からの複数の電子読み取りなど、カメラを使用することによって記録されたデータに関連することができる。
【0024】
カメラは、少なくとも1つのカメラチップまたは撮像チップに加えて、1つ以上の光学素子、例えば、1つ以上のレンズなどのさらなる素子を含むことができる。例として、カメラは、カメラに対して固定的に調整される少なくとも1つのレンズを有する固定焦点カメラとすることができる。しかしながら、代替的に、カメラはまた、自動または手動で調整されることができる1つ以上の可変レンズを含むことができる。本発明は、特に、ノートブックコンピュータ、タブレット、または具体的にはスマートフォンなどの携帯電話などのモバイルアプリケーションで通常使用されるカメラに適用可能でなければならない。したがって、具体的には、カメラは、少なくとも1つのカメラに加えて、1つ以上のデータプロセッサなどの1つ以上のデータ処理装置を含むモバイル装置の一部とすることができる。しかしながら、他のカメラも使用可能である。
【0025】
カメラは、具体的にはカラーカメラとすることができる。したがって、各画素などについて、3色R、G、Bの色値などの色情報が提供または生成されることができる。画素ごとに4つの色値、例えばR、G、G、Bなど、より多くの色値も実現可能である。カラーカメラは、当業者に一般に知られている。したがって、例として、カメラチップは、それぞれ3つ以上の異なるカラーセンサ、例えば、赤(R)用の1画素、緑(G)用の1画素、および青(B)用の1画素のようなカラー記録画素から構成されることができる。R、G、Bなどの各画素について、それぞれの色の強度に応じて、値は、0から255の範囲のデジタル値などの画素によって記録されることができる。例として、R、G、Bなどのカラートリプルを使用する代わりに、R、G、G、Bなどの4部が使用されてもよい。画素の色感度は、カラーフィルタによって、またはカメラ画素において使用されるセンサ素子の適切な固有感度によって生成されることができる。これらの技術は、当業者に一般に知られている。
【0026】
上記で概説したように、ステップi)は、カメラを使用することによって、時系列画像を取り込むことを含む。本明細書で使用される「時系列画像」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、各画像が異なる取り込み時間を有する一連の画像を指すことができる。具体的には、時系列画像は、少なくとも1つの第1の画像および少なくとも1つの第2の画像を含むことができ、第1の画像は、第2の画像の前に取り込まれることができ、したがって、第1の画像は、第2の画像よりも早い取り込み時間を有することができる。さらに、時系列は、それぞれが異なる取り込み時間を有する複数の画像、具体的には3つ以上の画像、より具体的には5つ以上の画像を含むことができる。例えば、時系列画像の取り込みは、ビデオもしくは映画などの一連の画像、または複数の単一の取り込まれた画像を連続的に記録することを含むことができる。時系列画像の異なる取り込み時間は、等距離の時点であってもよく、または不均一な距離の時点であってもよい。さらに、時系列画像を取り込むことは、具体的には、モバイル装置のカメラを使用することによって少なくとも1つの画像を取り込むことを含むことができる。時系列画像は、規則的または不規則な時間間隔で新たな画像が取り込まれ、時系列に追加されるように、連続的に取り込まれてもよい。より古い時系列画像は、維持または破棄されてもよい。時系列画像は、例えばモバイル装置または外部のデータ記憶装置に記憶されることができる。
【0027】
本明細書で使用される「少なくとも1つの画像を取り込むこと」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、イメージング、画像記録、画像取得、画像撮像のうちの1つ以上を指すことができる。「少なくとも1つの画像を取り込む」という用語は、単一の画像および/または複数の画像を取り込むことを含むことができる。少なくとも1つの画像を取り込むことは、ユーザアクションによって開始されることができるか、または例えば、カメラの視野内および/または視野の所定のセクタ内の少なくとも1つの物体の存在が自動的に検出されると、自動的に開始されることができる。これらの自動画像取得技術は、例えば、自動バーコード読み取りアプリなどの自動バーコードリーダの分野で知られている。画像の取り込みは、例として、カメラによって画像のストリームまたは「ライフストリーム」を取得することによって行うことができ、画像の1つ以上は、自動的に、またはボタンを押すなどのユーザ相互作用によって、少なくとも1つの第1の画像または少なくとも1つの第2の画像としてそれぞれ記憶されて使用される。画像取得は、モバイル装置のプロセッサによってサポートされてもよく、画像の記憶は、モバイル装置のデータ記憶装置内で行われてもよい。
【0028】
上記でさらに概説したように、ステップi)は、少なくとも1つの医療物品の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことを含む。本明細書で使用される「医療物品」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、医療技術の分野、特に医療分析または医療診断の分野で使用するために構成されている任意の要素または物品を指すことができる。医療物品は、医療技術、具体的には医療診断の分野において少なくとも1つの機能を実行するように構成されることができる。具体的には、医療物品は、1つ以上の要素を備えることができ、複数の要素は、互いに相互作用することができ、または各要素は、医療物品の機能を可能にするための特定の機能を有することができる。例えば、医療物品は、少なくとも1つの試験要素、具体的には試験ストリップ、より具体的には光学試験ストリップとすることができるか、またはそれを含むことができる。医療物品はまた、特に光学試験ストリップを使用した分析測定のための色基準および/またはグレーレベルまたは強度基準を提供するための少なくとも1つの色基準カードを備えることができる。医療物品はまた、少なくとも1つの光学試験ストリップおよび少なくとも1つの色基準カードを備えてもよく、光学試験ストリップおよび色基準カードは、医療物品の2つの別個の要素であってもよく、または光学試験ストリップは、色基準カードによって構成されてもよく、またはその逆であってもよい。
【0029】
本明細書で使用される「光学試験ストリップ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、検出されるべき少なくとも1つの特定の分析物の存在下で色変化検出反応を行うように構成された任意の要素または装置を指すことができる。光学試験ストリップはまた、試験ストリップまたは試験要素とも呼ばれることができ、3つの用語は、全て同じ要素を指すことができる。光学試験ストリップは、特に、少なくとも1つの分析物を検出するための少なくとも1つの試験化学物質を含む試薬試験フィールド(単に「試験フィールド」とも呼ばれる)を有することができる。例として、光学試験ストリップは、少なくとも1つの試薬試験フィールドが適用されるかまたはその中に組み込まれた少なくとも1つの担体などの少なくとも1つの基材を備えてもよい。特に、光学試験ストリップは、具体的には試験フィールドに近接して、例えば試験フィールドを囲むかまたは囲む、白色フィールドなどの少なくとも1つの白色領域をさらに含むことができる。白色領域は、基材または担体上に独立して配置された別個のフィールドとすることができる。しかしながら、追加的または代替的に、基材または担体自体は、白色領域とすることができ、または白色領域を含むことができる。例として、少なくとも1つの担体は、ストリップ状とすることができ、それにより、試験要素を試験ストリップにする。これらの試験ストリップは、一般に広く使用されており、入手可能である。1つの試験ストリップは、単一の試薬試験フィールド、またはその中に含まれる同一または異なる試験薬剤を有する複数の試薬試験フィールドを担持することができる。
【0030】
本明細書で使用される場合、単に「試験フィールド」とも呼ばれる「試薬試験フィールド」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試験化学物質が含まれる試薬試験フィールドの少なくとも1つの層を有する材料の1つ以上の層を有する円形、多角形または矩形形状のフィールドなどの凝集した量の試験化学物質を指すことができる。
【0031】
本明細書で使用される「色基準カード」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの表面上などに、既知の色特性または光学特性を有する少なくとも1つの色基準フィールドを有し、その中に配置されるか、またはその上に配置され、例えば、既知の基準色値を有する1つ以上の着色フィールドを有し、さらに既知のグレーレベルを有する少なくとも1つのグレー基準フィールドを有する任意の項目を指すことができる。例として、色基準カードは、少なくとも1つの表面上に、および/またはその中に配置された、既知の色座標を有する少なくとも1つの色基準フィールドと、既知のグレーレベルを有する少なくとも1つのグレー基準フィールドとを有する少なくとも1つの基材を備えるフラットカードとすることができる。基材は、具体的には、色基準フィールドおよびその上に配置されたグレー基準フィールドを有する平坦な表面を有することができる。例として、基材は、紙基材、厚紙基材、プラスチック基材、セラミック基材または金属基材の1つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよい。ラミネート基材も可能である。基材は、例として、シート状または可撓性であってもよい。しかしながら、基材は、箱の壁、バイアル、容器、試験ストリップなどの医療用消耗品などの使用物品に実装されてもよいことに留意されたい。したがって、色基準カードはまた、光学試験ストリップに完全にまたは部分的に一体化されてもよい。したがって、医療物品の少なくとも一部の時系列画像の少なくとも1つの画像は、少なくとも1つの部分色基準カードおよび/または少なくとも1つの試薬試験フィールドを有する光学試験ストリップの画像を完全にまたは部分的に含むことができる。
【0032】
上記で概説したように、ステップii)は、時系列画像から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することを含む。本明細書で使用される「位置情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの物体の位置および/または配向のうちの少なくとも1つを記述する少なくとも1つの情報項目を指すことができる。具体的には、位置情報は、1つ以上の絶対座標および/または相対座標などで、物体の位置および/または配向を定性的および/または定量的に記述することができる。例えば、位置情報は、物体の位置および/または配向を記述する情報の数値項目であってもよく、またはそれを含んでもよい。情報の数値項目は、空間の自由度などのために、1つ以上の座標を使用することによって与えられてもよい。例として、空間位置情報は、絶対座標系または相対座標系における物体の位置を示す1次元、2次元、または3次元ベクトルを使用することによって与えられてもよい。例えば、座標系は、デカルト座標系、球面座標系、および/または円柱座標系であってもよい。他の座標系も実現可能である。座標系は、身体固定座標系および/または「実験室」固定座標系であってもよい。位置情報は、絶対値および/または相対値に関して物体の位置および/または配向を記述することができる。物体の位置は、物体の重心または物体の別の基準点を示す位置ベクトルによって、および/または物体の複数の基準点、例えば物体の輪郭を示す複数の位置ベクトルによって記述されることができる。追加的または代替的に、同じ座標系または異なる座標系に対する1つ、2つまたは3つの角度値を使用することなどによって、角度方向が与えられることができる。例として、オイラー角が使用されてもよく、および/または刻み、ロールおよびギア角が使用されてもよい。物体の配向は、座標系に対する、および/または別の物体に対する物体の回転を示す1つ以上の角度によって、具体的には、プロパーオイラー角および/またはTait-Bryan角などのオイラー角によって記述されることができる。他の選択肢も実現可能である。
【0033】
本明細書で使用される「画像導出」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの画像から他の手段によって検索、取得、計算、または導出することのうちの1つ以上によって生成される、少なくとも1つの項目、具体的には少なくとも1つの情報項目の特性を指すことができる。具体的には、「画像導出位置情報」という用語は、したがって、少なくとも1つの画像の画像データを評価することによって生成される位置情報を指すことができる。具体的には、画像分析、ホモグラフィ、および/または画像処理によって、画像導出位置情報が取得されることができる。したがって、画像導出位置情報は、コンピュータビジョンアルゴリズムなど、画像を分析および/または処理するように構成されたアルゴリズムによって取得されることができる。例えば、画像導出位置情報は、ステップi)において取り込まれた時系列画像のうちの1つ以上の画像から導出されてもよい。画像内で完全にまたは部分的に見える少なくとも1つの物体の位置情報を導出する手段は、一般に当業者に知られている。したがって、例として、画像内の物体のサイズ、画像内の物体の配向、画像内の物体の2つ以上の辺のアスペクト比などのうちの少なくとも1つなど、物体の画像から導出された1つ以上のパラメータが使用されることができる。追加的または代替的に、特にモバイル装置が2つ以上のカメラを備える場合、三角測量法などの他の光学画像分析技術が使用されることができる。
【0034】
本明細書で使用される「相対位置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、他の物体によって定義された少なくとも1つの座標系などにおける、少なくとも1つの他の物体に対する少なくとも1つの物体の位置および/または配向を示す少なくとも1つの位置情報項目を指すことができる。したがって、相対位置は、物体間の少なくとも1つの距離および/または少なくとも1つの他の物体に対する少なくとも1つの物体の少なくとも1つの配向などの少なくとも1つの空間位置であってもよく、またはそれを含んでもよい。具体的には、相対位置は、医療物品に対するモバイル装置の相対空間位置および/または配向、またはその逆を表すことができる。相対位置は、物体の位置情報を互いに比較することによって、具体的には、モバイル装置の位置情報を医療物品の位置情報と比較することによって取得されることができる。位置情報は、異なる座標系において取得されてもよく、したがって、相対位置を取得することは、位置情報をある座標系から別の座標系に変換すること、具体的には位置情報を共通の座標系に変換することを含んでもよい。座標系の様々なオプションについては、上記の説明を参照することができる。相対位置は、上述した技術のうちの1つ以上を使用することによって、および/または他の画像評価技術によって、各画像などの時系列画像の画像から導出されることができる。この用途では、カメラの位置は、モバイル装置の位置に対応すると仮定されることができる。少なくとも1つのカメラの相対位置は、医療物品の少なくとも1つの部分の画像から導出されることができるため、モバイル装置の相対位置が把握されることができる。具体的には、カメラおよびモバイル装置は、同じ平面上にあってもよい。モバイル装置のカメラは、医療物品に対するモバイル装置の空間位置を画定することができる。
【0035】
上記で概説したように、ステップii)を実行することにより、第1の時系列位置情報が生成される。本明細書で使用される「第1の時系列位置情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、時系列画像の各画像から導出された少なくとも1つの位置情報項目など、異なる時点において導出されている一連の位置情報を指すことができる。第1の時系列位置情報は、具体的には、画像データから位置情報を導出することによって得られる一連の位置情報を指すことができる。したがって、第1の時系列位置情報の時点は、ステップi)において取り込まれた時系列画像の取り込み時間に対応することができる。第1の時系列位置情報は、各取り込み時間に対する少なくとも1つの画像導出位置情報項目を含むことができる。さらに本明細書で使用される場合、「第1」という用語は、命名法を意味し、ランキングまたは順序を指すことを意図しない。
【0036】
上記で概説したように、ステップiii)は、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置を使用することを含む。本明細書で使用される「センサ装置」という用語は、広広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの測定情報を定性的または定量的に決定し、さらに測定情報を示す少なくとも1つの電子信号を生成するように構成された任意の装置を指すことができる。具体的には、センサ装置は、モバイル装置に含まれ、したがって、特に医療物品に対して、モバイル装置の少なくとも1つの測定情報を定性的または定量的に決定するように構成されることができる。センサ装置は、具体的には、空間位置情報、空間速度情報、空間加速度情報、角度位置情報、角速度情報、角加速度情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報項目などの少なくとも1つの位置情報項目を検知するように構成された少なくとも1つの位置センサ装置であってもよく、またはそれを備えてもよい。例えば、センサ装置は、加速度計、姿勢センサ、ジャイロセンサ、具体的には6軸ジャイロセンサ、モーションセンサのうちの1つ以上を備えてもよい。したがって、センサ装置は、具体的には8Hzを超える、具体的には9Hzを超える、より具体的には10Hzを超える測定周波数によって、モバイル装置の動き、速度、または加速度のうちの1つ以上を決定するように構成されることができる。
【0037】
上記でさらに概説したように、少なくとも1つのセンサ装置は、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定情報を取り込むために使用される。本明細書で使用される「測定情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのセンサ装置によって決定される少なくとも1つの情報項目、具体的には、上記で概説したような少なくとも1つの位置情報項目を指すことができる。具体的には、上記で概説したように、測定情報は、モバイル装置の空間位置情報、モバイル装置の空間速度情報、モバイル装置の空間加速度情報、モバイル装置の角度位置情報、モバイル装置の角速度情報、モバイル装置の角加速度情報のうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの情報項目を備えることができる。
【0038】
上記で概説したように、ステップiv)は、測定情報から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定導出位置情報を導出し、それによって第2の時系列位置情報を生成することを含む。本明細書で使用される「測定導出」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、測定情報、具体的には少なくとも1つのセンサ装置によって取り込まれた測定情報を評価することによって導出される物体の特性または少なくとも1つの情報項目を指すことができる。したがって、少なくとも1つの測定導出位置情報項目は、測定値情報から位置情報を検索、取得、推定、および/または計算することのうちの1つ以上によって導出されてもよい。したがって、時系列画像の画像から導出される画像導出位置情報とは対照的に、測定導出位置情報は、少なくとも部分的に、センサ装置の測定情報を使用することによって導出される。具体的には、測定導出位置情報は、センサ装置によって生成された少なくとも1つの電子信号を評価および/または分析することによって取得されることができ、電子信号は、少なくとも1つの測定情報を示すことができる。例えば、測定導出位置情報は、モバイル装置の加速度計、方位センサ、ジャイロセンサ、および/またはモーションセンサのうちの1つ以上など、モバイル装置に含まれる1つ以上のセンサ装置から生成された信号を評価することによって得られた位置情報であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0039】
本明細書で使用される「第2の時系列位置情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、特にセンサ装置の測定情報を利用することによって、異なる時点で生成される一連の位置情報を指すことができる。第2の時系列位置情報は、具体的には、単独で、またはステップi)において取り込まれた画像から導出された情報などのさらなる情報と組み合わせて、ステップiii)において取り込まれたセンサ装置の測定情報から位置情報を導出することによって取得される一連の位置情報を指すことができる。したがって、第2の時系列位置情報の時点は、ステップiii)において取り込まれた測定情報の時点に対応することができる。第2の時系列位置情報は、例えば、ステップiii)において取り込まれた測定情報の各時点について、少なくとも1つの測定導出位置情報項目を含むことができる。ここでも、「第2の時系列位置情報」という用語の文脈では、「第2の」という用語は、ランキングなしで、または順序を示すことなく、命名法として与えられる。
【0040】
上記で概説したように、ステップv)は、拡張時系列位置情報を生成することを含む。本明細書で使用される「拡張時系列位置情報」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、位置情報の混合時系列を指すことができる。具体的には、拡張時系列位置情報は、少なくとも2つの異なる時系列位置情報を含むことができる。例えば、拡張時系列位置情報は、第1の時系列位置情報および第2の時系列位置情報を含む。さらなる時系列位置情報が追加されることも可能である。したがって、拡張時系列位置情報は、異なる時点における位置情報を含むことができ、時点は、第1および第2の時系列位置情報の時点に対応することができる。同じ時点で第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報の双方から位置情報が利用可能である場合、拡張時系列位置情報は、ただ1つの時系列位置情報、好ましくは第1の時系列位置情報からの位置情報を含むことができる。
【0041】
上記でさらに概説したように、ステップvi)は、ユーザにモバイル装置を少なくとも1つの相対目標位置に持って行かせるために、ユーザにガイダンスを提供することを含む。本明細書で使用される「ガイダンス」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、視覚的、聴覚的、および/または触覚的手段のうちの1つ以上によってモバイル装置によってユーザに提供される命令を指すことができる。具体的には、ガイダンスは、口頭の指示および/または絵文字の指示、例えばモバイル装置が移動および/または回転される方向を示す矢印などの指示をモバイル装置のディスプレイ上に促すことによってユーザに提供されることができる。追加的または代替的に、ガイダンスはまた、音声を再生することによって、および/または発話命令を再生することによって、特にモバイル装置のスピーカを介してユーザに提供されてもよい。別の例は、モバイル装置の触覚フィードバックを介してユーザを誘導することを含むことができる。さらに、ユーザガイダンスは、リアルタイムのユーザガイダンスを含むことができる。本明細書で使用される場合、限定されないが、「リアルタイム」という用語は、具体的には、ユーザの典型的な反応時間と比較して小さい所定の期間内に処理結果が利用可能であり得るように、モバイル装置がデータを処理するように構成されることができる状況を指すことができる。具体的には、ユーザのリアルタイムガイダンスは、ガイダンスが基づくことができるモバイル装置の移動後に、10ms未満の時間遅延、より具体的には1ms未満の時間遅延でユーザの注意を引く命令を含むことができ、時間遅延は、例として、実世界で特定のイベントが発生した時点から、例えばモバイル装置が特定の位置にある時点から計算されることができる。時間遅延は、センサ装置の測定周波数および/またはカメラの測定速度によって制限されることができる。ユーザガイダンスの遅延された提供による時間遅延は、通常、最小限に抑えられる必要がある。時間遅延は、ユーザの典型的な反応時間よりも小さい可能性があるため、10ms未満の時間遅延は、リアルタイムでユーザを誘導するのに十分であり得る。
【0042】
本明細書で使用される「相対目標位置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つの物体の他の物体に対する少なくとも1つの所定の相対位置を指すことができる。具体的には、相対目標位置は、医療物品に対するモバイル装置の相対位置に関する、またはその逆の所定の位置情報を含むことができる。相対目標位置は、具体的には、医療物品に対するモバイル装置の少なくとも1つの所定の距離および/または所定の角度方向を含むことができる。本明細書では、1つ以上の目標範囲のオプションを含む、1つ以上の目標位置が提供されることができる。相対目標位置は、少なくとも1つの経験的測定および/または理論的分析によって予め決定されるなど、医療物品に対するモバイル装置の好ましい相対位置であってもよい。具体的には、相対目標位置は、取り込まれた画像が分析測定に使用されるのに十分な品質であり得るように、特に画像の強度に関して、医療物品の少なくとも1つの画像を取り込むことを可能にすることができる。さらに、相対目標位置は、医療物品に対するモバイル装置の非平行配向であってもよく、またはそれを含んでもよい。例えば、医療物品とモバイル装置との間の所定の距離は、50mmから1mの範囲、例えば70mmから200mmの範囲、より具体的には80mmから150mmの範囲であってもよい。さらに、所定の角度方向は、医療物品とモバイル装置との間の角度を含むことができる。例として、角度は、医療物品の法線軸、例えば光学試験ストリップおよび/または色基準カードの表面に垂直な法線軸と、カメラの光軸との間の少なくとも1つの角度によって定義されてもよく、0°の角度は平行な配向として定義されてもよい。目標位置は、0°から90°の範囲、例えば15°から45°の範囲、例えば20°から40°の範囲の角度を含むことができる。例えば、測定条件に応じて、他の目標位置が可能であり得る。
【0043】
本方法は、ステップi)を繰り返し、特に連続的に繰り返し実行するステップをさらに含むことができる。具体的には、ステップi)は、一定のフレームレートで実行されてもよい。本明細書で使用される場合、限定されないが、「フレーム」という用語は、具体的には、時系列画像からの単一の画像を指すことができる。したがって、フレームレートは、時系列画像の単一画像を取り込む周波数を指すことができる。例えば、ステップi)は、10フレーム/秒未満のフレームレート、具体的には5フレーム/秒未満のフレームレート、より具体的には1から2フレーム/秒の範囲のフレームレートで繰り返し実行されてもよい。
【0044】
本方法は、ステップiii)を繰り返し、具体的には連続的に繰り返すステップをさらに含むことができる。さらに、ステップiii)は、一定の測定速度で実行されてもよい。例えば、ステップiii)は、8Hzを超える、具体的には9Hzを超える、より具体的には10Hzを超える一定の測定速度で行われてもよい。
【0045】
さらに、ステップvi)は、拡張時系列位置情報から少なくとも1つの現在位置情報項目を導出することと、少なくとも1つの現在位置情報項目を少なくとも1つの相対目標位置と比較することと、を含むことができる。ステップvi)はまた、例えばモバイル装置の内部クロックおよび/または例えば外部装置からの送信を介してモバイル装置によって取得された時間情報を使用することによって現在時点を決定することを含むことができ、ステップvi)は、現在時点が時系列画像の画像が取り込まれた取り込み時間に対応するかどうかを決定することをさらに含むことができ、対応する場合、少なくとも1つの現在位置情報項目を導出するために第1の時系列位置情報を使用し、対応しない場合、第2の時系列位置情報を使用することができる。したがって、画像が取り込まれるときはいつでも、この画像から導出された画像導出位置情報が使用されることができ、一方、画像が取り込まれない時点では、この特定の時点について導出された測定導出位置情報、例えば外挿された位置情報が使用されることができる。したがって、ステップvi)は、少なくとも1つの現在位置情報項目と少なくとも1つの相対目標位置との間の差が減少するようにユーザガイダンスを提供することを含むことができる。上記で概説したように、ステップvi)は、具体的には10ms未満の時間遅延、より具体的には1ms未満の時間遅延で、リアルタイムのユーザガイダンスを提供することを含んでもよい。
【0046】
上記でさらに概説したように、モバイル装置と医療物品との相対位置は、モバイル装置と医療物品との間の距離、モバイル装置と医療物品との間の角度方向、のうちの少なくとも1つを含むことができる。モバイル装置および医療物品の相対目標位置は、モバイル装置と医療物品との間の所定の距離、モバイル装置と医療物品との間の所定の角度方向、モバイル装置と医療物品との間の所定の距離範囲、モバイル装置と医療物品との間の角度方向の所定の角度範囲、のうちの少なくとも1つを含むことができる。具体的には、モバイル装置および医療物品の相対目標位置は、モバイル装置および医療物品の非平行相対配向を含むことができる。
【0047】
さらに、分析測定は、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することを含むことができる。したがって、医療物品は、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有する少なくとも1つの光学試験ストリップを備えることができる。本方法は、体液のサンプルとの反応後に少なくとも1つの試薬試験フィールドの少なくとも1つの発色を自動的に評価することによって、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することをさらに含むことができる。
【0048】
医療物品は、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド、複数の異なるグレー基準フィールドのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの色基準カードをさらに備えることができる。色基準カードは、少なくとも1つの位置マーカ、具体的には少なくとも1つのArUcoコードラベルをさらに備えてもよい。
【0049】
上述したように、モバイル装置は、少なくとも1つのセンサ装置を備える。モバイル装置のセンサ装置は、加速度計、姿勢センサ、ジャイロセンサ、具体的には6軸ジャイロセンサ、モーションセンサからなる群から選択される少なくとも1つのセンサ装置を備えることができる。
【0050】
さらに、第1の時系列は、画像の取り込み時間の関数としての画像導出位置情報を含むことができる。第2の時系列は、時間の関数としての測定導出位置情報を含むことができる。第2の時系列の測定導出位置情報は、画像の取り込み時間とは異なる時点について与えられてもよい。拡張時系列はまた、時間の関数としての位置情報を含むことができる。拡張時系列位置情報は、画像の取り込み時間および/または第2の時系列の時点と同一の時点について与えられてもよい。
【0051】
本方法は、ステップiv)において、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目を使用することをさらに含むことができる。具体的には、ステップiv)は、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、少なくとも1つの測定導出位置情報項目を推定することを含むことができる。推定することは、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を内挿すること、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を外挿すること、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、モバイル装置と医療物品との相対位置の少なくとも1つの予測される軌跡を決定すること、のうちの少なくとも1つを含むことができる。したがって、例として、特定の時点、例えば特定の取り込み時間において、モバイル装置と医療物品との間の相対位置は、それぞれの画像から導出されることができる。次に、現在位置が後の時点で決定されるものとする場合、最後の画像の特定の時点からさらなる画像が取り込まれていない場合、モバイル装置と医療物品との相対位置は、最後に知られた画像導出位置情報を考慮し、さらに少なくとも1つのセンサ装置の測定情報、例えばモバイル装置の速度、加速度、または傾斜に関する情報を考慮して、外挿によって決定されることができる。これにより、画像の取り込みに低フレームレートが使用されることができる場合であっても、外挿による拡張が現在位置情報の生成に使用されることができる。
【0052】
さらに、推定することは、少なくとも1つの時点について、その時点に隣接する画像の少なくとも1つの取り込み時間についてのステップii)において導出された少なくとも1つの画像導出位置情報に基づいて実行されることができる。推定することは、ステップi)において取り込まれた画像の取り込み時間とは異なる複数の時間にわたって行われてもよい。
【0053】
さらに、上述したように、ステップii)において時系列画像から画像導出位置情報を導出するために、様々なアルゴリズムが使用されることができる。したがって、ステップii)において、画像導出位置情報は、それぞれの画像内の医療物品の少なくとも1つの目標特徴を使用することによって、および以下のうちの少なくとも1つを使用することによって、画像の時系列から導出されることができる:
- 目標特徴のサイズ、
- 目標特徴の位置、
- 目標特徴の配向。
【0054】
目標特徴は、以下のうちの少なくとも1つを含むことができる:それぞれの画像に見える医療物品のエッジ、それぞれの画像に見える医療物品の領域、具体的には、試薬試験フィールド、色基準領域、グレー基準領域のうちの少なくとも1つ、医療物品の位置マーカ、具体的にはArUcoコード。
【0055】
上記で概説したように、本方法は、ステップvi)においてユーザにガイダンスを提供することを含む。ユーザガイダンスは、具体的にはモバイル装置のディスプレイに表示を表示することによる視覚ユーザガイダンス、具体的にはモバイル装置の少なくとも1つのスピーカを介して可聴ユーザ指示を与えることによる可聴ユーザガイダンス、具体的には相対目標位置を示すモバイル装置の触覚フィードバックによる触覚ユーザガイダンスのうちの少なくとも1つを特に含むことができる。
【0056】
さらに、ユーザガイダンスは、目標位置を達成するためにモバイル装置が移動されるべき方向、目標位置を達成するためにモバイル装置が向けられる配向のうちの少なくとも1つを示すユーザのための情報を含むことができる。
【0057】
本方法は、分析測定手順に関する指示をユーザに提供することをさらに含むことができる。具体的には、本方法は、少なくとも1つの医療物品をカメラの視野に入れるようにユーザに促すことを含むことができる。追加的または代替的に、本方法は、分析測定を実行するための命令、具体的には、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有し、それに塗布された体液のサンプルを有しない少なくとも1つの光学試験ストリップをカメラの視野に入れることと、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有し、それに塗布された体液のサンプルを有する少なくとも1つの光学試験ストリップをカメラの視野に入れることと、少なくとも1つの色基準カードをカメラの視野に入れることと、からなる群から選択される少なくとも1つの命令をユーザに提供することをさらに含んでもよい。
【0058】
本発明のさらなる態様では、モバイル装置であって、モバイル装置が、少なくとも1つのカメラを備え、モバイル装置が、位置情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置をさらに備え、モバイル装置が、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、本発明にかかる方法を実行するように構成されている、モバイル装置が開示される。
【0059】
モバイル装置は、少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、コンピュータまたはシステムの基本的な動作を実行するように構成された任意の論理回路、および/または一般に、計算または論理動作を実行するように構成された装置を指すことができる。特に、プロセッサは、コンピュータまたはシステムを駆動する基本的な命令を処理するように構成されることができる。例として、プロセッサは、少なくとも1つの算術論理演算装置(ALU)、数値演算コプロセッサまたは数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(FPU)、複数のレジスタ、具体的にはALUにオペランドを供給し、演算結果を記憶するように構成されるレジスタ、L1およびL2キャッシュメモリなどのメモリを含むことができる。特に、プロセッサは、マルチコアプロセッサとすることができる。具体的には、プロセッサは、中央処理装置(CPU)とすることができるか、またはそれを含むことができる。追加的または代替的に、プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるか、またはマイクロプロセッサを含むことができ、したがって、具体的には、プロセッサの要素は、1つの単一集積回路(IC)チップに含まれることができる。追加的または代替的に、プロセッサは、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などとすることができるか、またはそれらを含むことができる。
【0060】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの分析測定を実行するための、具体的には体液の少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するためのキットが開示される。キットは、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、本発明にかかるモバイル装置を備え、キットは、少なくとも1つの医療物品をさらに備える。
【0061】
医療物品は、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有する少なくとも1つの光学試験ストリップを備えることができる。さらに、キットは、少なくとも1つの色基準カードを備えることができ、色基準カードは、試験フィールドにローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールドを備えることができ、色基準カードは、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールドと、色基準フィールドにローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールドとを備えることができる。
【0062】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラムが開示される。コンピュータプログラムは、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、カメラを有するモバイル装置によって、具体的には本発明にかかるモバイル装置によって実行されると、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、本発明にかかる方法をモバイル装置に実行させる命令を含む。
【0063】
本発明のさらなる態様では、コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ可読記憶媒体が、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、カメラを有するモバイル装置によって、具体的には本発明にかかるモバイル装置によって実行されると、上記で開示された実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のいずれか1つにかかるなど、本発明にかかる方法をモバイル装置に実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体が開示される。
【0064】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、コンピュータ実行可能命令を記憶したハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指すことができる。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0065】
コンピュータプログラムはまた、コンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指すことができる。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で配信されてもよい。
【0066】
本発明にかかる方法および装置は、当該技術分野において公知の同様の方法および装置に勝る多くの利点を提供する。具体的には、本発明にかかる方法および装置は、モバイル装置に含まれるセンサ装置の追加の使用がモバイル装置のコンピューティングリソースを節約することができるため、分析測定を実行するための迅速且つ効率的な方法を可能にすることができる。したがって、画像を取り込んだ後および/または時系列画像の2つの後続の画像の取り込みの間にユーザの動きを追跡するためにモバイル装置のセンサ装置を使用することは、より多様なモバイル装置の使用を可能にすることができる。さらに、本方法は、医療物品の画像を取り込むときに、はるかに便利で効率的なユーザ操作を提供することができる。
【0067】
さらに、本方法は、画像記録および/または処理後にユーザの動きを追跡するために、加速度計、例えば6軸ジャイロスコープなどのモバイル装置のセンサ装置を使用することを含むことができる。測定情報から得られた測定から導出された位置情報は、はるかに高い周波数、例えば10Hzを超える周波数で、コンピューティングリソースが低いモバイル装置でも利用可能であり得る。したがって、外挿された空間および/または角度位置情報に基づいて、ユーザのガイダンスが継続されて、少なくとも1つの分析測定を実行するのに十分な品質の1つ以上の画像を取り込むことができる。
【0068】
要約すると、さらなる実施形態の可能性を排除することなく、以下の実施形態が想定されることができる:
実施形態1:少なくとも1つのカメラを有するモバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法であって、
i) カメラを使用することによって、少なくとも1つの医療物品の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) 時系列画像から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) モバイル装置の少なくとも1つのセンサ装置を使用することによって、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定情報を取り込むことと、
iv) 測定情報から、モバイル装置と医療物品との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) 第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) 拡張時系列位置情報に基づいて、モバイル装置をモバイル装置および医療物品の少なくとも1つの相対目標位置にユーザに持って行かせるために、モバイル装置と医療物品との相対位置を変更するためのガイダンスをユーザに提供することと、を含む。
【0069】
実施形態2:ステップi)が繰り返し、具体的には連続的に繰り返し実行される、先行する実施形態に記載の方法。
【0070】
実施形態3:ステップi)が一定のフレームレートで実行される、先行する実施形態に記載の方法。
【0071】
実施形態4:ステップi)が、毎秒10フレーム未満、具体的には毎秒5フレーム未満のフレームレートで繰り返し実行される、2つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
実施形態5:ステップiii)が繰り返し、具体的には連続的に繰り返し実行される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
実施形態6:ステップvi)が、拡張時系列位置情報から少なくとも1つの現在位置情報項目を導出することと、少なくとも1つの現在位置情報項目を少なくとも1つの相対目標位置と比較することと、を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
実施形態7:ステップvi)が、現在時点を決定することを含み、ステップvi)が、現在時点が、時系列画像の画像が取り込まれた取り込み時間に対応するかどうかを決定することをさらに含み、対応する場合、少なくとも1つの現在位置情報項目を導出するために第1の時系列位置情報を使用し、対応しない場合、第2の時系列位置情報を使用する、先行する実施形態に記載の方法。
【0075】
実施形態8:ステップvi)が、少なくとも1つの現在位置情報項目と少なくとも1つの相対目標位置との間の差が減少するようにユーザガイダンスを提供することを含む、2つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
実施形態9:ステップvi)が、具体的には10ms未満の時間遅延、より具体的には1ms未満の時間遅延で、リアルタイムのユーザガイダンスを提供することを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
実施形態10:モバイル装置と医療物品との相対位置が、モバイル装置と医療物品との間の距離、モバイル装置と医療物品との間の角度方向、のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
実施形態11:モバイル装置および医療物品の相対目標位置が、モバイル装置と医療物品との間の所定の距離、モバイル装置と医療物品との間の所定の角度方向、モバイル装置と医療物品との間の所定の距離範囲、モバイル装置と医療物品との間の角度方向の所定の角度範囲、のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
実施形態12:モバイル装置および医療物品の相対目標位置が、モバイル装置および医療物品の非平行相対配向を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
実施形態13:分析測定が、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
実施形態14:医療物品が、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有する少なくとも1つの光学試験ストリップを備える、先行する実施形態に記載の方法。
【0082】
実施形態15:方法が、体液のサンプルとの反応後に少なくとも1つの試薬試験フィールドの少なくとも1つの着色発色を自動的に評価することによって、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することをさらに含む、先行する実施形態に記載の方法。
【0083】
実施形態16:医療物品が、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールドと、複数の異なるグレー基準フィールドとのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの色基準カードをさらに備える、3つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
実施形態17:色基準カードが、少なくとも1つの位置マーカ、具体的には少なくとも1つのArUcoコードラベルをさらに備える、先行する実施形態に記載の方法。
【0085】
実施形態18:モバイル装置のセンサ装置が、加速度計、姿勢センサ、ジャイロセンサ、具体的には6軸ジャイロセンサ、モーションセンサからなる群から選択される少なくとも1つのセンサ装置を備える、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
実施形態19:第1の時系列が、画像の取り込み時間の関数としての画像導出位置情報を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
実施形態20:第2の時系列が、時間の関数としての測定導出位置情報を含む、先行する実施形態に記載の方法。
【0088】
実施形態21:第2の時系列の測定導出位置情報が、画像の取り込み時間とは異なる時点について与えられる、先行する実施形態に記載の方法。
【0089】
実施形態22:ステップiv)が、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目を使用することをさらに含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
実施形態23:ステップiv)が、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、少なくとも1つの測定導出位置情報項目を推定することを含む、先行する実施形態に記載の方法。
【0091】
実施形態24:推定することが、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を内挿すること、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を外挿すること、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、モバイル装置と医療物品との相対位置の少なくとも1つの予測される軌跡を決定すること、のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施形態に記載の方法。
【0092】
実施形態25:推定することが、少なくとも1つの時点について、その時点に隣接する画像の少なくとも1つの取り込み時間についてのステップii)において導出された少なくとも1つの画像導出位置情報に基づいて実行される、先行する実施形態に記載の方法。
【0093】
実施形態26:推定することが、ステップi)において取り込まれた画像の取り込み時間とは異なる複数の時間にわたって実行される、3つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
実施形態27:ステップii)において、画像導出位置情報が、それぞれの画像内の医療物品の少なくとも1つの目標特徴を使用することによって、および以下のうちの少なくとも1つを使用することによって、画像の時系列から導出される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
- 目標特徴のサイズ、
- 目標特徴の位置、
- 目標特徴の配向。
【0095】
実施形態28:目標特徴が、それぞれの画像に見える医療物品のエッジ、それぞれの画像に見える医療物品の領域、具体的には、試薬試験フィールド、色基準領域、グレー基準領域のうちの少なくとも1つ、医療物品の位置マーカ、具体的にはArUcoコード、のうちの少なくとも1つを含む、先行する実施形態に記載の方法。
【0096】
実施形態29:ユーザガイダンスが、具体的にはモバイル装置のディスプレイに表示を表示することによる視覚ユーザガイダンス、具体的にはモバイル装置の少なくとも1つのスピーカを介して可聴ユーザ指示を与えることによる可聴ユーザガイダンス、具体的には相対目標位置を示すモバイル装置の触覚フィードバックによる触覚ユーザガイダンスのうちの少なくとも1つを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
実施形態30:ユーザガイダンスが、目標位置を達成するためにモバイル装置が移動される方向、目標位置を達成するためにモバイル装置が向けられる配向、のうちの少なくとも1つを示すユーザのための情報を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
実施形態31:方法が、少なくとも1つの医療物品をカメラの視野に入れるようにユーザに促すことをさらに含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
実施形態32:方法が、分析測定を実行するための命令、具体的には、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有し、それに塗布された体液のサンプルを有しない少なくとも1つの光学試験ストリップをカメラの視野に入れることと、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有し、それに塗布された体液のサンプルを有する少なくとも1つの光学試験ストリップをカメラの視野に入れることと、少なくとも1つの色基準カードをカメラの視野に入れることと、からなる群から選択される少なくとも1つの命令をユーザに提供することをさらに含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
実施形態33:モバイル装置であって、少なくとも1つのカメラを備え、モバイル装置が、位置情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置をさらに備え、モバイル装置が、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、モバイル装置。
【0101】
実施形態34:モバイル装置が少なくとも1つのプロセッサを備える、先行する実施形態に記載のモバイル装置。
【0102】
実施形態35:少なくとも1つの分析測定を実行するための、具体的には体液の少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するためのキットであって、モバイル装置を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載のモバイル装置を備え、キットが、少なくとも1つの医療物品をさらに備える、キット。
【0103】
実施形態36:医療物品が、少なくとも1つの試薬試験フィールドを有する少なくとも1つの光学試験ストリップを備える、先行する実施形態に記載のキット。
【0104】
実施形態37:少なくとも1つの色基準カードをさらに備え、色基準カードが、試験フィールドにローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールドを備え、色基準カードが、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールドと、色基準フィールドにローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールドとを備える、先行する実施形態に記載のキット。
【0105】
実施形態38:カメラを有するモバイル装置によって、具体的には、モバイル装置を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載のモバイル装置によって実行されると、方法を参照する先行する実施形態に記載の方法をモバイル装置に実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【0106】
実施形態39:カメラを有するモバイル装置によって、具体的には、モバイル装置を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載のモバイル装置によって実行されると、方法を参照する先行する実施形態に記載の方法をモバイル装置に実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【0107】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方式で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって限定されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
図では以下のとおりである:
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1】少なくとも1つの分析測定を実行するためのキットおよびモバイル装置の実施形態を示している。
図2】モバイル装置を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法の実施形態のフローチャートを示している。
図3】モバイル装置の少なくとも1つの分析測定を実行する方法の別の実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0109】
図1には、少なくとも1つの分析測定を実行するためのキット110の例示的な実施形態が斜視図で示されている。キット110は、モバイル装置112および少なくとも1つの医療物品114を備える。具体的には、キット110は、体液の少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するように構成されることができる。
【0110】
モバイル装置112は、少なくとも1つのカメラ116と、位置情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置118とを備える。したがって、モバイル装置112は、少なくとも1つの分析測定を実行する方法を実行するように構成されている。本方法は、図2に示されており、以下にさらに詳細に説明される。したがって、図2の説明を参照することができる。
【0111】
モバイル装置112は、さらに、少なくとも1つのプロセッサ120を備える。具体的には、プロセッサ120は、ソフトウェアプログラミングなどによって、本方法の方法ステップi)からvi)のうちの1つ以上を実行および/またはサポートするように構成されることができる。したがって、本方法は、具体的には、コンピュータ実装またはコンピュータ制御されることができる。
【0112】
さらに、医療物品114は、少なくとも1つの試薬試験フィールド126を有する少なくとも1つの色基準カード122および/または少なくとも1つの光学試験ストリップ124を備えることができる。図1に見られるように、医療物品114はまた、一体部品として、および/または互いの上に積み重ねられた、または互いに対して所定の方法で配置された2つの物品のオーバーレイとして、色基準カード122および光学試験ストリップ124の双方を備えてもよい。
【0113】
色基準カード122は、複数の異なるグレー基準フィールド128および/または既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド130を備えることができる。異なるグレー基準フィールド128は、試薬試験フィールド126および/または色基準フィールド130にローカルに割り当てられてもよい。色基準カード122は、少なくとも1つの位置マーカ132をさらに備えることができる。位置マーカ132は、少なくとも1つのArUcoコードラベル134であってもよく、またはそれを含んでもよい。しかしながら、他の位置マーカも実現可能である。
【0114】
さらに、色基準カード122は、少なくとも1つの位置決め要素136を備えてもよい。位置決め要素136は、窓要素138であってもよく、窓要素を含んでもよい。位置決め要素136は、色基準カード122に対して光学試験ストリップ124および/または試薬試験フィールド126を位置決めし、光学試験ストリップ124および/または試薬試験フィールド126を固定位置に保つように構成されることができる。例えば、光学試験ストリップ124および/または試薬試験フィールド126が色基準カード122の後ろに配置されると、光学試験ストリップ124および/または試薬試験フィールド126は、窓要素138を通して視認可能とすることができる。
【0115】
図2には、少なくとも1つの分析測定を実行する方法の例示的な実施形態のフローチャートが示されている。本方法は、少なくとも1つのカメラ116を有するモバイル装置112を使用することを含む。さらに、本方法は、具体的には所与の順序で実行されることができる以下のステップを含む。さらに、異なる順序も可能とすることができる。2つ以上の方法ステップを完全にまたは部分的に同時に実行することができてもよい。さらに、1つ、2つ以上、または全ての方法ステップを1回または繰り返し実行することができてもよい。本方法は、記載されていない追加の方法ステップを含むことができる。
【0116】
本方法は、
i) (参照符号140によって示される)カメラ116を使用することによって、少なくとも1つの医療物品114の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) (参照符号142によって示される)時系列画像から、モバイル装置112と医療物品114との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) (参照符号144によって示される)モバイル装置112の少なくとも1つのセンサ装置118を使用することによって、モバイル装置112および医療物品114の相対位置に関する測定情報を取り込むことと、
iv) (参照符号146によって示される)測定情報から、モバイル装置112と医療物品114との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) (参照符号148によって示される)第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) (参照符号150によって示される)拡張時系列位置情報に基づいて、モバイル装置112をモバイル装置112および医療物品114の少なくとも1つの相対目標位置にユーザに持って行かせるために、モバイル装置112および医療物品114の相対位置を変更するためのガイダンスをユーザに提供することと、を含む。
【0117】
本方法は、具体的には、ステップi)を繰り返し、より具体的には連続的に繰り返し実行することを含むことができる。さらに、ステップii)において、画像導出位置情報は、それぞれの画像内の医療物品114の少なくとも1つの目標特徴を使用することによって、時系列画像から導出されることができる。例えば、目標特徴のサイズ、位置、および/または配向のうちの1つ以上が使用されて、画像導出位置情報を導出することができる。さらに、目標特徴は、医療物品114のエッジ、試薬試験フィールド126などの医療物品114のフィールド、色基準フィールド130もしくはグレー基準フィールド128、または医療物品114の位置マーカ132のうちの1つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0118】
代替的または追加的に、ステップiii)は、繰り返し、特に連続的に繰り返し実行されてもよい。方法ステップが連続的に繰り返されることができる方法の別の例示的な実施形態を図3に示し、以下にさらに詳細に説明する。したがって、図3の説明を参照することができる。
【0119】
さらに、ステップiv)は、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目を使用することを含むことができる。具体的には、ステップiv)は、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、測定導出位置情報を推定することを含むことができる。例えば、測定導出位置情報は、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を内挿することによって推定されてもよい。さらに、測定導出位置情報はまた、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を外挿することによって推定されてもよい。測定導出位置情報の推定は、第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目およびステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目に基づいて、モバイル装置112および医療物品114の相対位置の少なくとも1つの予測される軌跡を決定することをさらに含むことができる。
【0120】
したがって、第1の時系列位置情報および第2の時系列位置情報は、時間の関数としての位置情報を含むことができる。上述したように、ステップv)において生成された拡張時系列は、第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせることによって生成される。したがって、拡張時系列位置情報はまた、時間の関数としての位置情報を含むことができる。拡張時系列位置情報は、具体的には、第1の時系列位置情報からの画像導出位置情報が利用できない時点について、第1の時系列位置情報の位置情報と、追加的に第2の時系列位置情報の位置情報とを含むことができる。
【0121】
さらに、ステップvi)は、拡張時系列位置情報から少なくとも1つの現在位置情報項目を導出することを含むことができる。したがって、少なくとも1つの現在位置情報項目を相対目標位置と比較することが可能であり得る。現在位置情報が決定されるべき現在時点が、時系列画像の画像が取り込まれた取り込み時間に対応する場合、現在位置情報項目は、第1の時系列位置情報から導出されることができる。現在時点が時系列画像の取り込み時間に対応しない場合、現在位置情報は、第2の時系列位置情報から導出されることができる。したがって、少なくとも1つの現在位置情報項目と少なくとも1つの相対目標位置との差が減少するようにユーザガイダンスが提供されることができる。
【0122】
図3は、少なくとも1つの分析測定を実行する方法の別の例示的な実施形態のフローチャートを示している。図3の実施形態は、図2に示す実施形態のより詳細な変形形態を形成することができるため、ほとんどの用語およびオプションについては、図2を参照することができる。図3には、本方法のフローチャートとともにタイムライン152が示されている。タイムライン152の右側には、例えば図2の例示的な実施形態などにかかる、本発明にかかる方法の例示的な実施形態が示されている。これに対して、比較のために、タイムライン152の左側には、測定導出位置情報を使用せずに分析方法を実行する方法のみが示されている。したがって、タイムライン152の右側の部分は、本発明を参照する実施形態を構成するが、タイムライン152の左側のステップは、比較の目的で与えられている。右側の方法の方法ステップは、図2の方法ステップに対応することができる。したがって、図2の説明を参照することができる。
【0123】
時点t1において、モバイル装置112は、(参照符号154によって示される)医療物品114から遠すぎる相対位置にあり得る。したがって、本方法のステップi)およびii)を最初に実行するとき、ユーザは、画像導出位置情報に基づいて、モバイル装置112と医療物品114との間の距離(参照符号160によって示される)を減少させるように誘導されることができる。ユーザの動きと並行して、具体的には、ステップiii)およびiv)が実行されることができ、モバイル装置112のセンサ装置118の測定情報が使用されてユーザの動きを追跡することができる。モバイル装置112の現在位置は、ステップiii)において取り込まれた画像導出位置情報および測定情報に基づいてモバイル装置112の動きを外挿することによって取得されることができる。したがって、ステップv)およびvi)が実行されることができ、ユーザガイダンスは、具体的には、リアルタイムのユーザガイダンスを含むことができる。
【0124】
図3に見られるように、方法ステップiii)、iv)、v)およびvi)は、繰り返し実行されることができる。具体的には、方法ステップiii)およびiv)は、8Hzを超える一定の測定速度で実行されることができる。しかしながら、方法ステップi)およびii)は、一定のフレームレートで、具体的には10フレーム/秒未満、より具体的には5フレーム/秒未満のフレームレートで実行されてもよい。したがって、時点t2においてモバイル装置112が医療物品114に対して相対目標位置にあり得るとき、ユーザは、モバイル装置112を現在位置(参照符号162によって示される)に保持するように誘導されることができる。
【0125】
時点t3において、モバイル装置112が相対目標位置156にあるように登録されることができるとき、分析測定が実行されることができる医療物品114の少なくとも一部のさらなる画像が取り込まれることができる。分析測定が実行された後、ユーザには、取り込みおよび/または分析測定が完了したことが通知されることができる(参照符号164によって示される)。
【0126】
反対に、センサ装置118がモバイル装置112の動きを追跡するために使用されない場合、時点t2における位置情報は、モバイル装置112がt1とt3との間の期間内に画像を処理することができない可能性があるため、利用できない可能性がある。したがって、モバイル装置112は、時点t3において医療物品114に近い位置にあり得る(参照符号158によって示される)。この場合、ユーザは、医療物品114までのモバイル装置112の距離を増加させるように誘導されることができる(参照符号166によって示される)。したがって、ユーザは、正しい相対目標位置を検索するループに巻き込まれる可能性がある。
【符号の説明】
【0127】
110 キット
112 モバイル装置
114 医療物品
116 カメラ
118 センサ装置
120 プロセッサ
122 色基準カード
124 光学試験ストリップ
126 試薬試験フィールド
128 グレー基準フィールド
130 色基準フィールド
132 位置マーカ
134 ArUcoコードラベル
136 位置決め要素
138 窓要素
140 時系列を取り込む
142 画像ベース位置情報を導出する
144 測定情報を取り込む
146 測定ベース位置情報を導出する
148 拡張時系列位置情報を生成する
150 ユーザにガイダンスを提供する
152 タイムライン
154 モバイル装置が遠すぎる
156 モバイル装置および医療物品が相対目標位置にある
158 モバイル装置が近すぎる
160 ユーザガイダンス:距離を減少させる
162 ユーザガイダンス:動かない
164 ユーザガイダンス:分析測定完了
166 ユーザガイダンス:距離を増加させる
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカメラ(116)を有するモバイル装置(112)を使用することによって少なくとも1つの分析測定を実行する方法であって、
i) 前記カメラ(116)を使用することによって、少なくとも1つの医療物品(114)の少なくとも一部の時系列画像を取り込むことと、
ii) 前記時系列画像から、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する画像導出位置情報を導出することによって、第1の時系列位置情報を生成することと、
iii) 前記モバイル装置(112)の少なくとも1つのセンサ装置(118)を使用することによって、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する測定情報を取り込むことであって、前記測定情報が、前記モバイル装置(112)の空間位置情報、前記モバイル装置(112)の空間速度情報、前記モバイル装置(112)の空間加速度情報、前記モバイル装置(112)の角度位置情報、前記モバイル装置(112)の角速度情報、前記20モバイル装置(112)の角加速度情報、のうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの情報項目を含む、測定情報を取り込むことと、
iv) 前記測定情報から、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との相対位置に関する測定導出位置情報を導出することによって、第2の時系列位置情報を生成することであって、ステップiv)が、前記第1の時系列位置情報からの少なくとも1つの位置情報項目を使用することをさらに含み、ステップiv)が、前記第1の時系列位置情報からの前記少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、少なくとも1つの測定導出位置情報項目を推定することを含む、第2の時系列位置情報を生成することと、
v) 第1の時系列位置情報と第2の時系列位置情報とを組み合わせて拡張時系列位置情報を生成することと、
vi) 前記拡張時系列位置情報に基づいて、前記モバイル装置(112)を前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の少なくとも1つの相対目標位置に前記ユーザに持って行かせるために、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との前記相対位置を変更するためのガイダンスを前記ユーザに提供することと、を含む、方法。
【請求項2】
ステップvi)が、前記拡張時系列位置情報から少なくとも1つの現在位置情報項目を導出することと、前記少なくとも1つの現在位置情報項目を前記少なくとも1つの相対目標位置と比較することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップvi)が、現在時点を決定することを含み、ステップvi)が、前記現在時点が、前記時系列画像の画像が取り込まれた取り込み時間に対応するかどうかを決定することをさらに含み、対応する場合、前記少なくとも1つの現在位置情報項目を導出するために前記第1の時系列位置情報を使用し、対応しない場合、前記第2の時系列位置情報を使用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の前記相対目標位置が、前記モバイル装置(112)および前記医療物品(114)の非平行相対配向を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記分析測定が、体液のサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定することを含み、前記医療物品(114)が、少なくとも1つの試薬試験フィールド(126)を有する少なくとも1つの光学試験ストリップ(124)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記医療物品(114)が、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド(130)と、複数の異なるグレー基準フィールド(128)とのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの色基準カード(122)をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の時系列が、前記画像の取り込み時間の関数としての画像導出位置情報を含み、前記第2の時系列が、時間の関数としての測定導出位置情報を含み、前記第2の時系列の前記測定導出位置情報が、前記画像の前記取り込み時間とは異なる時点について与えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記推定することが、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を内挿すること、ステップii)において導出された画像導出位置情報と、ステップiii)において取り込まれた測定情報とに基づいて、位置情報を外挿すること、前記第1の時系列位置情報からの前記少なくとも1つの位置情報項目と、ステップiii)において取り込まれた少なくとも1つの測定情報項目とに基づいて、前記モバイル装置(112)と前記医療物品(114)との前記相対位置の少なくとも1つの予測される軌跡を決定すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザガイダンスが、前記目標位置を達成するために前記モバイル装置(112)が移動される方向、前記目標位置を達成するために前記モバイル装置(112)が向けられる配向、のうちの少なくとも1つを示す前記ユーザのための情報を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
モバイル装置(112)であって、前記モバイル装置(112)が、少なくとも1つのカメラ(116)を備え、位置情報を取り込むための少なくとも1つのセンサ装置(118)をさらに備え、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、モバイル装置(112)。
【請求項11】
少なくとも1つの分析測定を実行するための、具体的には体液の少なくとも1つのサンプル中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するためのキット(110)であって、前記キット(110)が、モバイル装置(112)を参照する請求項11に記載のモバイル装置(112)を備え、少なくとも1つの医療物品(114)をさらに備え、前記医療物品(114)が、具体的には、少なくとも1つの試薬試験フィールド(126)を有する少なくとも1つの光学試験ストリップ(124)を備える、キット(110)。
【請求項12】
少なくとも1つの色基準カード(122)をさらに備え、前記色基準カード(122)が、前記試験フィールド(126)にローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールド(128)を備え、前記色基準カード(122)が、既知の基準色値を有する複数の異なる色基準フィールド(130)と、前記色基準フィールド(130)にローカルに割り当てられた複数の異なるグレー基準フィールド(128)とを備える、請求項11に記載のキット(110)。
【請求項13】
バイル装置(112)を参照する請求項10に記載のモバイル装置(112)によって実行されると、方法を参照する請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を前記モバイル装置(112)に実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項14】
バイル装置(112)を参照する請求項10に記載のモバイル装置(112)によって実行されると、方法を参照する請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を前記モバイル装置(112)に実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】