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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】KCNT1阻害剤及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/381 20060101AFI20230725BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230725BHJP
   C07D 333/38 20060101ALI20230725BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20230725BHJP
   A61K 31/402 20060101ALI20230725BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
A61K31/381
A61P25/00
A61P43/00 111
A61P25/08
A61P9/04
A61P9/06
A61P9/10
A61P25/04
A61P29/00
A61P25/06
A61P21/02
A61P21/00
A61P17/04
A61P25/02
A61P25/24
A61P25/22
A61P25/18
A61P25/14
A61P25/28
C07D333/38 CSP
C07D409/12
A61K31/402
A61K31/4436
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500279
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021040486
(87)【国際公開番号】W WO2022010880
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/048,335
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522014219
【氏名又は名称】プラクシス プレシジョン メディシンズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン アンドリュー マーク
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス ボテージャ ガブリエル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC92
4C063DD03
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BB02
4C086BC07
4C086BC17
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA18
4C086ZA20
4C086ZA23
4C086ZA36
4C086ZA37
4C086ZA38
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB11
4C086ZC41
4C086ZC54
(57)【要約】
本発明は、部分的には、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性、及び/又は遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態を、防止及び/又は治療するのに有用な化合物及び組成物を対象とする。神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性及び/又はKCNT1などの遺伝子における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態を治療する方法もまた、本明細書に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Aの化合物、
【化1】
式中、
Aは、フェニル又はピリジルであり、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、
又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、を含む医薬組成物。
【請求項2】
式A-1、式A-2、又は式A-3の化合物、
【化2】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、
又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、を含む医薬組成物。
【請求項3】
が、C1-6アルキル又は-NHRである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
が、C1-6アルキルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
が、メチル、エチル、又はイソプロピルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
が、-NHRである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
が、C1-6アルキルである、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
が、メチルである、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
が、水素である、請求項1及び3~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
が、水素又はメチルである、請求項1及び3~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
が、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
が、クロロ、フルオロ、ブロモ、シアノ、-OH、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF2、-CF、-OCH、-OCHCH、-OCH(CH-2、-OCHCF3、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
tが、1又は2である、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
mが、0である、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
式IIの化合物、
【化3】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲン、シアノ、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
式II-bの化合物、
【化4】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
Raは、C1-6アルキルであり、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲン、シアノ、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
が、C1-6アルキル又は-NHRである、請求項15又は16に記載の化合物。
【請求項18】
が、C1-6アルキルである、請求項15~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
が、メチル、エチル、又はイソプロピルである、請求項15~18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
が、メチルである、請求項15~19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
が、-NHRである、請求項15~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
が、C1-6アルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、メチルである、請求項21又は22に記載の化合物。
【請求項24】
が、C3-8シクロアルキルである、請求項15又は16に記載の化合物。
【請求項25】
が、シクロプロピルである、請求項15、16、及び24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
が、水素である、請求項15~25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
が、水素又はメチルである、請求項15~26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
及びRが、水素である、請求項15~27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
が、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される、請求項15~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
が、クロロ、フルオロ、ブロモ、シアノ、-OH、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF2、-CF、-OCH、-OCHCH、-OCH(CH-2、-OCHCF3、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される請求項15~29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
が、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項15~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
が、クロロ、フルオロ、ブロモ、-OH、メチル、-CF、-OCH、及びシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項15~28及び31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
が、ハロゲン、シアノ、シアノで任意選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換されたC3-8シクロアルキルからなる群から選択される、請求項15~32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
が、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF2、-CF、-OCHCH3、-OCHCF3、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群から選択される請求項15~33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
が、4~8員のヘテロシクリルである、請求項15~32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
前記4~8員のヘテロシクリルが、一つの窒素を含む、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
tが、1又は2である、請求項15~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
tが、0である、請求項15~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
tが、1である、請求項15~37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
tが、2である、請求項15~37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
mが、0である、請求項15~40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
前記化合物が、
【化5】
からなる群から選択されるか、又はその薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の化合物。
【請求項43】
式IIIの化合物、
【化6】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
が、C1-6アルキルである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
が、メチルである、請求項43又は44に記載の化合物。
【請求項46】
が、水素である、請求項43~45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
が、水素である、請求項43~46のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
が、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される、請求項43~47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
が、-CFである、請求項43~48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
tが、1である、請求項43~49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
mが、0である、請求項43~50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
前記化合物が、
【化7】
からなる群から選択される請求項43に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項53】
【化8】
からなる群から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項54】
請求項15~53のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物。
【請求項55】
神経学的疾患又は障害を治療する方法であって、前記方法が、式Aの化合物、
【化9】
式中、
Aは、フェニル又はピリジルであり、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項56】
過度の神経興奮性に関連する疾患又は状態を治療する方法であって、前記方法が、式Aの化合物、
【化10】
式中、
Aは、フェニル又はピリジルであり、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項57】
遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患又は状態を治療する方法であって、前記方法が、式Aの化合物、
【化11】
式中、
Aは、フェニル又はピリジルであり、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項58】
神経学的疾患又は障害を治療する方法であって、前記方法が、請求項15~53のいずれか一項に記載の化合物又は請求項1~14及び54のいずれか一項に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項59】
過度の神経興奮性に関連する疾患又は状態を治療する方法であって、前記方法が、請求項15~53のいずれか一項に記載の化合物又は請求項1~14及び54のいずれか一項に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項60】
遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患又は状態を治療する方法であって、前記方法が、請求項15~53のいずれか一項に記載の化合物又は請求項1~14及び54のいずれか一項に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項61】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、てんかん、てんかん症候群、又は脳症である、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、遺伝性若しくは小児てんかん又は遺伝性若しくは小児てんかん症候群である、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、心機能不全である、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(MMFSI、EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、レノックス・ガストー症候群、発作(例えば、全般強直間代発作、非対称性強直発作)、白質ジストロフィー、白質脳症、知的障害、多焦点性てんかん、薬剤抵抗性てんかん、側頭葉てんかん、又は小脳性運動失調)からなる群から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、心不整脈、てんかんにおける予期せぬ突然死、ブルガダ症候群、及び心筋梗塞からなる群から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、疼痛及び関連する状態(例えば、神経障害性疼痛、急性/慢性疼痛、片頭痛)から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、筋肉障害(例えば、ミオトニー、ニューロミオトニー、筋肉けいれん、痙性)である、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、かゆみ及び掻痒症、運動失調、並びに小脳性運動失調から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、精神障害(例えば、大うつ病、不安、双極性障害、統合失調症)から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する前記疾患若しくは状態が、学習障害、脆弱X、神経可塑性、及び自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記神経学的疾患若しくは障害、前記過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は前記遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態が、SCN1A、SCN2A、SCN8A変異を有するてんかん性脳症、早期乳児てんかん性脳症、Dravet症候群、SCN1A変異を有するDravet症候群、発熱性発作を伴う全般てんかん、全般強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、点頭てんかん、良性家族性新生児-乳児発作、SCN2Aてんかん性脳症、SCN3A変異を有する焦点てんかん、SCN3A変異を有する潜因性小児部分てんかん、SCN8Aてんかん性脳症、てんかんにおける予期せぬ突然死、Rasmussen脳炎、乳児の悪性遊走性部分発作、常染色体優性夜間前頭葉てんかん、てんかんにおける予期される突然死(SUDEP)、KCNQ2てんかん性脳症、及びKCNT1てんかん性脳症からなる群から選択される、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月6日出願の米国仮特許出願第63/048,335号の優先権及び利益を主張し、その内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
KCNT1は、Slackとして知られているナトリウム活性化カリウムチャネル(カルシウム活性化Kチャネルのような配列)をコードする。これらのチャネルは、脳全体のニューロンに見出され、ナトリウム活性化カリウム電流IKNaを媒介することができる。この遅延外向き電流は、維持された刺激に応答して、神経興奮性及び適応率を調節することができる。異常なSlack活性は、早期発症性てんかん及び知的障害の発症に関連している。したがって、ナトリウム活性化カリウムチャネル、例えば、異常なKCNT1、異常なIKNaを選択的に調節する医薬化合物は、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくはKCNT1機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態を治療するのに有用である。
【発明の概要】
【0003】
疾患、障害、又は状態、例えば神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性及び/又は遺伝子、例えば、KCNT1における機能獲得変異に関連する疾患、障害、又は状態を防止及び/又は治療するのに有用な化合物及び組成物が本明細書に記載される。
【0004】
したがって、一態様では、本開示は、式(A)の化合物、
【化1】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物を特色とする。
【0005】
別の態様では、本開示は、式(A-1)、(A-2)、又は(A-3)の化合物、
【化2】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物を特色とする。
【0006】
別の態様では、本開示は、式(II)の化合物、
【化3】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩を特色とする。
【0007】
別の態様では、本開示は、式(II-a)の化合物、
【化4】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩を特色とする。
【0008】
別の態様では、本開示は、式(II-b)の化合物、
【化5】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩を特色とする。
【0009】
別の態様では、本開示は、式(III)の化合物、
【化6】
式中、変数は、本明細書に定義されたとおりである、又はその薬学的に許容される塩を特色とする。
【0010】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示は、神経学的疾患若しくは障害を治療する方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩などの)本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される賦形剤)を投与することを含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、過度の神経興奮性に関連する疾患又は状態を治療する方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩などの)本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される賦形剤)を投与することを含む。
【0013】
別の態様では、本開示は、遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患又は状態を治療する方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩などの)本明細書に開示される化合物を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される賦形剤)を投与することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、てんかん、てんかん症候群、又は脳症である。
【0015】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、遺伝性若しくは小児てんかん、又は遺伝性若しくは小児てんかん症候群である。
【0016】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、心機能不全である。
【0017】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(MMFSI、EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、レノックス・ガストー症候群、発作(例えば、全般強直間代発作、非対称性強直発作)、白質ジストロフィー、白質脳症、知的障害、多焦点性てんかん、薬剤抵抗性てんかん、側頭葉てんかん、小脳性運動失調)から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、心不整脈、てんかんにおける予期せぬ突然死、ブルガダ症候群、及び心筋梗塞からなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、疼痛及び関連する状態(例えば、神経障害性疼痛、急性/慢性疼痛、片頭痛など)から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、筋肉障害(例えば、ミオトニー、ニューロミオトニー、筋肉けいれん、痙性)である。
【0021】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、かゆみ及び掻痒症、運動失調、並びに小脳性運動失調から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、精神障害(例えば、大うつ病、不安、双極性障害、統合失調症)から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、学習障害、脆弱X、神経可塑性、及び自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、過度の神経興奮性に関連する疾患若しくは状態、又は遺伝子(例えば、KCNT1)の機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、SCN1A、SCN2A、SCN8A変異を有するてんかん性脳症、早期乳児てんかん性脳症、Dravet症候群、SCN1A変異を有するDravet症候群、発熱性発作を伴う全般てんかん、全般強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、点頭てんかん、良性家族性新生児-乳児発作、SCN2Aてんかん性脳症、SCN3A変異を有する焦点てんかん、SCN3A変異を有する潜因性小児部分てんかん、SCNA8てんかん性脳症、てんかんにおける予期せぬ突然死、Rasmussen脳炎、乳児の悪性遊走性部分発作、常染色体優性夜間前頭葉てんかん、てんかんにおける予期される突然死(SUDEP)、KCNQ2てんかん性脳症、及びKCNT1てんかん性脳症からなる群から選択される。
【0025】
他の目的及び利点は、続く発明を実施するための形態、実施例、及び特許請求の範囲を考慮することにより、当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書に概して記載されるように、本発明は、本明細書に記載の疾患、障害、又は状態、例えば、過度の神経興奮性に関連する疾患、障害、若しくは状態、及び/又はKCNT1における機能獲得変異に関連する疾患、障害、若しくは状態を防止及び/又は治療するのに有用な化合物及び組成物を提供する。例示的な疾患、障害、又は状態としては、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(MMFSI、EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、及びレノックス・ガストー症候群、発作、白質ジストロフィー、白質脳症、知的障害、多焦点性てんかん、全般強直間代発作、薬剤抵抗性てんかん、側頭葉てんかん、小脳性運動失調、非対称性強直発作)及び心機能不全(例えば、心不整脈、ブルガダ症候群、てんかんにおける予期せぬ突然死、心筋梗塞)、疼痛及び関連する状態(例えば、神経障害性疼痛、急性/慢性疼痛、片頭痛など)、筋肉障害(例えば、ミオトニー、ニューロミオトニー、筋肉けいれん、痙性)、かゆみ及び掻痒症、運動失調及び小脳性運動失調、精神障害(例えば、大うつ病、不安、双極性障害、統合失調症)、学習障害、脆弱X、神経可塑性、ならびに自閉症スペクトラム障害が挙げられる。
【0027】
定義
化学的定義
特定の官能基及び化学用語の定義が、以下でより詳細に説明される。化学元素は、the Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙に従って同定され、特定の官能基は、概して同書に記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原則、並びに特定の機能的部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0028】
本明細書に記載の化合物は、一つ以上の不斉中心を含み得るため、様々な異性体、例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの形態で存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは幾何異性体の形態であることも、ラセミ混合物及び一つ以上の立体異性体に富む混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることもできる。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、並びにキラル塩の形成及び結晶化を含む、当業者に既知の方法によって混合物から単離することができ、又は好ましい異性体を不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981)、Wilen et al.,テトラhedron 33:2725(1977)、Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962)、及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。本発明は、加えて、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての、あるいは様々な異性体の混合物としての、本明細書に記載の化合物を包含する。
【0029】
本明細書で使用される場合、純粋なエナンチオマー化合物は、化合物の他のエナンチオマー又は立体異性体を実質的に含まない(すなわち、エナンチオマー過剰で)。言い換えれば、化合物の「S」形態は、化合物の「R」形態を実質的に含まず、このため、「R」形態のエナンチオマー過剰である。用語「エナンチオマー的に純粋な」又は「純粋なエナンチオマー」は、化合物が、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、98.5重量%超、99重量%超、99.2重量%超、99.5重量%超、99.6重量%超、99.7重量%超、99.8重量%超、又は99.9重量%超のエナンチオマーを含むことを意味する。ある特定の実施形態では、重量は、化合物のすべてのエナンチオマー又は立体異性体の総重量に基づく。
【0030】
本明細書に提供される組成物では、エナンチオマー的に純粋な化合物は、他の活性又は不活性成分とともに存在し得る。例えば、エナンチオマー的に純粋なR化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤及び約10%のエナンチオマー的に純粋なR化合物を含み得る。ある特定の実施形態では、かかる組成物中のエナンチオマー的に純粋なR化合物は、例えば、化合物の総重量で、少なくとも約95重量%のR化合物、及び多くとも約5重量%のS化合物を含み得る。例えば、エナンチオマー的に純粋なS化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤及び約10%のエナンチオマー的に純粋なS化合物を含み得る。ある特定の実施形態では、かかる組成物中のエナンチオマー的に純粋なS化合物は、例えば、化合物の総重量で、少なくとも約95重量%のS化合物、及び多くとも約5重量%のR化合物を含み得る。ある特定の実施形態では、有効成分は、賦形剤又は担体をほとんど又は全く含まずに配合され得る。
【0031】
本明細書に記載の化合物はまた、一つ以上の同位体置換を含んでもよい。例えば、Hは、H、H(D又は重水素)、及びH(T又はトリチウム)を含む任意の同位体形態であってもよく、Cは、12C、13C、及び14Cを含む任意の同位体形態であってもよく、Oは、16O及び18Oを含む、任意の同位体形態であってもよく、Fは、18F及び19Fを含む、任意の同位体形態であってもよい、などである。
【0032】
以下の用語は、以下に提示される意味を有するように意図され、本発明の説明及び意図される範囲を理解するのに有用である。化合物及びその薬学的に許容される塩、かかる化合物を含有する医薬組成物、並びにかかる化合物及び組成物を使用する方法を含み得る発明を説明する場合、以下の用語は、存在する場合、別段示されない限り、以下の意味を有する。また、本明細書に記載の場合、以下に定義される部分のうちのいずれかが多様な置換基で置換され得ること、及びそれぞれの定義が以下に述べられるそれらの範囲内にかかる置換された部分を含むように意図されることが、理解されるべきである。別段明記されない限り、用語「置換された」は、以下に述べられるように定義されるものである。用語「基」及び「ラジカル」は、本明細書で使用される場合、互換的であるとみなされ得ることが、さらに理解されるべきである。冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法上の目的語のうちの一つ又は二つ以上(すなわち、少なくとも一つ)を指すために本明細書で使用されてもよい。例として、「類似体(an analogue)」は、一つの類似体又は二つ以上の類似体を意味する。
【0033】
値の範囲が列挙される場合、これは、範囲内の各値及び部分範囲を包含することが意図される。例えば、「C1-6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、及びC5-6アルキルを包含することが意図される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、例えば、1~20個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐飽和炭化水素基のラジカル(「C1-20アルキル」)を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~10個の炭素原子を有する(「C1-10アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1-9アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1-8アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1-7アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1-6アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1-5アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1-4アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1-3アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1-2アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(Cアルキル)。C1-6アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、2~20個の炭素原子、一つ以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1、2、3、又は4個の炭素-炭素二重結合)、及び任意選択的に一つ以上の炭素-炭素三重結合(例えば、1、2、3、又は4個の炭素-炭素三重結合)を有する直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C2-20アルケニル」)を指す。ある特定の実施形態では、アルケニルは、三重結合を含有しない。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2-10アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2-9アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2-8アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2-7アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2-6アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2-5アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2-4アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2-3アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。一つ以上の炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルにおけるものなど)であることも、末端(1-ブテニルにおけるものなど)であることもできる。C2-4アルケニル基の例としては、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C2-6アルケニル基の例としては、前述のC2-4アルケニル基、並びにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニルの追加の例としては、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが挙げられる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、2~20個の炭素原子、一つ以上の炭素-炭素三重結合(例えば、1、2、3、又は4個の炭素-炭素三重結合)、及び任意選択的に一つ以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1、2、3、又は4個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C2-20アルキニル」)を指す。ある特定の実施形態では、アルキニルは、二重結合を含有しない。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2-10アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2-9アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2-8アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2-7アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2-6アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2-5アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2-4アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2-3アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。一つ以上の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニルにおけるものなど)であることも、末端(1-ブチニルにおけるものなど)であることもできる。C2-4アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが挙げられる。C2-6アルケニル基の例としては、前述のC2-4アルキニル基、並びにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルの追加の例としては、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」は、それぞれ、アルキル、アルケニル、及びアルキニル基の二価ラジカルを指す。炭素の範囲又は数が、特定の「アルキレン」、「アルケニレン」、又は「アルキニレン」基に提供される場合、範囲又は数は、線状炭素二価鎖中の炭素の範囲又は数を指すことが理解される。「アルキレン」、「アルケニレン」、及び「アルキニレン」基は、本明細書に記載の一つ以上の置換基で置換されていても、非置換であってもよい。
【0038】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、芳香環系に提供された6~14個の環炭素原子及び0個のヘテロ原子を有する単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)の(例えば、環式配列で共有される6、10、又は14個のπ電子を有する)4n+2芳香環系のラジカル(「C6-14アリール」)を指す。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」、例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば、1-ナフチル及び2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えば、アントラシル)。「アリール」としてはまた、上に定義されたアリール環が、一つ以上のカルボシクリル又はヘテロシクリル基と縮合し、ラジカル又は結合点が、アリール環上にあり、かかる例では、炭素原子の数が、アリール環系における炭素原子の数を引き続き指定する、環系が挙げられる。典型的なアリール基としては、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、及びトリナフタレンに由来する基が挙げられる。特に、アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、芳香環系に提供された環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員単環式又は二環式4n+2芳香環系の(例えば、環式配列で共有される6又は10個の電子を有する)ラジカル(「5~10員ヘテロアリール」)を指す。一つ以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基では、結合点は、原子価が許す限り、炭素又は窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方又は両方の環に一つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」としては、上に定義されたヘテロアリール環が、一つ以上のカルボシクリル又はヘテロシクリル基と縮合し、結合点が、ヘテロアリール環上にあり、かかる例では、環員の数が、ヘテロアリール環系における環員の数を引き続き指定する、環系が挙げられる。「ヘテロアリール」としてはまた、上に定義されたヘテロアリール環が、一つ以上のアリール基と縮合し、結合点が、アリール又はヘテロアリール環上のいずれかにあり、かかる例では、環員の数が、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系における環員の数を指定する、環系が挙げられる。一つの環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)結合点は、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を担持する環(例えば、2-インドリル)又はヘテロ原子を含有しない環(例えば、5-インドリル)上のいずれかにあり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員芳香環系(「5~10員ヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員芳香環系(「5~8員ヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員芳香環系(「5~6員ヘテロアリール」)である。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0041】
一個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル、及びチオフェニルが挙げられる。二個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられる。三個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。四個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。二個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられる。三又は四個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれ、トリアジニル及びテトラジニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルが挙げられる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが挙げられる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられる。
【0042】
代表的なヘテロアリールの例としては、以下が挙げられる:
【化7】
式中、各Zは、カルボニル、N、NR65、O、及びSから選択され、R65は、独立して、水素、C-Cアルキル、C-C10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C-C10アリール、及び5~10員ヘテロアリールである。
【0043】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」又は「炭素環式」は、非芳香族環系に3~10個の環炭素原子(「C3-10カルボシクリル」)及びゼロ個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3-8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3-6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5-10カルボシクリル」)。例示的なC3-6カルボシクリル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。例示的なC3-8カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC3-6カルボシクリル基、並びにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが挙げられる。例示的なC3-10カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC3-8カルボシクリル基、並びにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。前述の例が例示するように、ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、又は二環式系(「二環式カルボシクリル」)などの縮合、架橋、若しくはスピロ環系を含有するかのいずれかであり、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。「カルボシクリル」としてはまた、上に定義されたカルボシクリル環が、一つ以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合し、結合点が、カルボシクリル環上にある環系も含み、かかる例では、炭素の数が、炭素環式環系における炭素の数を引き続き指定する。
【0044】
用語「シクロアルキル」は、3~12、3~8、4~8、又は4~6個の炭素の一価飽和環式、二環式、又は架橋環式(例えば、アダマンチル)炭化水素基を指し、本明細書では、例えば、シクロアルカンに由来する「C4-8シクロアルキル」と称される。例示的なシクロアルキル基としては、限定されないが、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン、及びシクロプロパンが挙げられる。別段指定されない限り、シクロアルキル基は、任意選択的に、一つ以上の環の位置で、例えば、アルカノイル、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミジノ、アミノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバミン酸、炭酸塩、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、イミノ、ケトン、ニトロ、リン酸塩、ホスホナト、ホスフィナト、硫酸塩、硫化物、スルホンアミド、スルホニル、又はチオカルボニルで置換される。シクロアルキル基は、他のシクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリル基に縮合され得る。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、置換されていない、すなわち、非置換である。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「複素環式」は、環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、3~10員非芳香環系のラジカル(「3~10員ヘテロシクリル」)を指す。一つ以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基では、結合点は、原子価が許す限り、炭素又は窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、又は二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)などの縮合、架橋、若しくはスピロ環系のいずれかであり得、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。ヘテロシクリル二環式環系は、一方又は両方の環に一つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」としてはまた、上に定義されたヘテロシクリル環が、一つ以上のカルボシクリル基と縮合し、結合点が、カルボシクリル又はヘテロシクリル環又は環系上のいずれかにあり、上に定義されたヘテロシクリル環が、一つ以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合し、結合点が、ヘテロシクリル環上にあり、かかる例では、環員の数が、ヘテロシクリル環系における環員の数を引き続き指定する、環系が挙げられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員非芳香環系(「5~10員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員非芳香環系(「5~8員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子、並びに各ヘテロ原子が窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員非芳香環系(「5~6員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0047】
一個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジリジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル、及びチエタニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、及びピロリル-2,5-ジオンが挙げられる。二個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン-2-オンが挙げられる。三個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられる。二個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。二個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル、及びチエパニルが挙げられる。一個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル、及びチオカニルが挙げられる。(本明細書では5,6-二環式複素環式環とも称される)Cアリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられる。(本明細書では6,6-二環式複素環式環とも称される)アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシレン(heterocylene)」は、複素環の二価ラジカルを指す。
【0049】
「ヘテロ」は、化合物又は化合物に存在する基を説明するために使用される場合、化合物又は基における一つ以上の炭素原子が、窒素、酸素、又は硫黄のヘテロ原子で置き換えられていることを意味する。ヘテロは、アルキル、例えばヘテロアルキル、カルボシクリル、例えばヘテロシクリル、アリール、例えば、ヘテロアリール、及び1~5、特に1~3個のヘテロ原子を有する類似のものなど、上述のヒドロカルビル基のいずれに適用されてもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「シアノ」は、-CNを指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、及びヨード(I)を指す。ある特定の実施形態では、ハロ基は、フルオロ又はクロロのいずれかである。
【0052】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、一つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ニトロ」は、-NOを指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「オキソ」は、-C=Oを指す。
【0055】
概して、用語「置換された」は、用語「任意選択的に」が先行するどうかにかかわらず、基(例えば、炭素又は窒素原子)上に存在する少なくとも一つの水素が、許容される置換基、例えば、置換時に、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離、又は他の反応などによって自発的に変換を受けない化合物を生じる置換基で置き換えられることを意味する。別段示されない限り、「置換された」基は、基の一つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造の二つ以上の位置が置換される場合、置換基は、各位置で同じか又は異なるかのいずれかである。
【0056】
窒素原子は、原子価が許す限り、置換であることも非置換であることもでき、一級、二級、三級、及び四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基としては、限定されないが、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、及び5~14員のヘテロアリールが挙げられ、又は窒素原子に付加される二つのRcc基が結合して、3~14員のヘテロシクリル又は5~14員のヘテロアリール環を形成し、式中、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は独立して、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基で置換され、Raa、Rbb、Rcc、及びRddは、上に定義されたとおりである。
【0057】
これら及び他の例示的な置換基は、発明を実施するための形態、実施例、及び特許請求の範囲においてより詳細に記載される。本発明は、置換基の上の例示的な列挙によっていかなる様式でも限定されることを意図しない。
【0058】
他の定義
用語「薬学的に許容される塩」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比と釣り合う、塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Berge et al.は、J.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19で、Gouldは、Salt selection for basic drugs,International Journal of Pharmaceutics,33(1986)201-217で、薬学的に許容される塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸を用いて形成される、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸を用いて形成される、あるいはイオン交換などの当該技術分野において使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。 他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(C1-4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンが挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される場合、投与が企図される「対象」としては、限定されないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)、又は成人対象(例えば、若年成人、中年成人、又は高齢成人)の男性又は女性)、並びに/又は非ヒト動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコ、及び/若しくはイヌなどの哺乳動物が挙げられる。ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。ある特定の実施形態では、対象は、非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」、及び「対象」は、本明細書で互換的に使用される。
【0060】
疾患、障害、及び状態は、本明細書で互換的に使用される。
【0061】
本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、対象が指定された疾患、障害、又は状態に罹患している間に生じ、疾患、障害、もしくは状態の重篤度を低減するか、又は疾患、障害、もしくは状態の進行を遅延させるかもしくは遅らせる作用(「療法的治療」もまた)を企図する。
【0062】
概して、化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。当業者には理解されるであろうように、発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療される疾患、投与モード、並びに対象の年齢、体重、健康、及び状態などの因子に応じて変動し得る。
【0063】
本明細書で使用される場合、かつ別段指定されない限り、化合物の「治療有効量」は、疾患、障害、若しくは状態の治療に治療的利点を提供するか、又は疾患、障害、若しくは状態に関連する一つ以上の症状を遅延させる若しくは最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾患、障害、又は状態の治療に治療的利点を提供する、単独での、又は他の療法と組み合わせた治療薬の量を意味する。用語「治療有効量」は、全体的な療法を改善するか、疾患若しくは状態の症状若しくは原因を低減若しくは回避するか、又は別の治療薬の治療効果を増強する量を包含し得る。
【0064】
代替的な実施形態では、本発明は、対象が指定された疾患、障害、又は状態に罹患し始める前に、予防剤として、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はその薬学的に許容される組成物を投与することを企図する。本明細書で使用される場合、「予防的治療」は、対象が指定された疾患、障害、又は状態に罹患し始める前に生じる作用を企図する。本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾患、障害、若しくは状態、又は疾患、障害、若しくは状態に関連する一つ以上の症状を防止するか、又はその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、単独での、又は他の薬剤と組み合わせた治療剤の量を意味し、疾患、障害、又は状態の防止に予防的な利点を提供する。用語「予防的有効量」は、全体的な予防を改善するか、又は別の予防剤の予防的効力を増強する量を包含し得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「KCNT1における機能獲得変異に関連する疾患又は状態」は、機能獲得表現型を生じるKCNT1における変異、すなわち、全細胞電流の増加を生じる、KCNT1によってコードされるカリウムチャネルの活性の増加に関連するか、これによって部分的に若しくは完全に引き起こされるか、又はこれによって部分的に若しくは完全に引き起こされる一つ以上の症状を有する、疾患又は状態を指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「機能獲得変異」は、KCNT1によってコードされるカリウムチャネルの活性の増加を生じるKCNT1における変異である。活性は、例えば、イオンフラックスアッセイ又は電気生理学的方法(例えば、全細胞パッチクランプ技法を使用するもの)によって評価することができる。典型的には、機能獲得変異は、野生型KCNT1によってコードされるカリウムチャネルの活性と比較して、少なくとも又は約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%以上の増加を生じる。
【0067】
化合物及び組成物
一態様では、本開示は、式(A)の化合物、
【化8】
式中、
Aは、フェニル又はピリジルであり、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、C1-6アルキルは、任意選択的にC1-6アルコキシで置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
一態様では、本開示は、式(A-1)、(A-2)、又は(A-3)の化合物、
【化9】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0068】
一態様では、本開示は、式(I)の化合物、
【化10】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0069】
一態様では、本明細書では、式(I-a)又は式(I-b)の化合物、
【化11】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
は、水素であり、
は、C1-6アルキルであり、
は、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、3、又は4であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0070】
式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキル又は-NHRである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。
【0071】
式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-NHRである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C3-8シクロアルキルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、又は(A-3)の化合物のいくつかの実施形態では、R1-6アルコキシで置換されたC1-6アルキルである。式(A)、(A-1)、(A-2)、又は(A-3)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、-OCHで置換されたC1-6アルキルである。
【0072】
式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。式(A)、(I)、(I-a)、又は(I-b)のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。式(A)、(I)、(I-a)、又は(I-b)のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0073】
式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、フルオロ、ブロモ、シアノ、-OH、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF2、-CF、-OCH3、-OCHCH、-OCH(CH、-OCHCF、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0074】
式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1又は2である。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1である。式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、2である。
【0075】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R1-6アルキル又は-NHRである。式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は、C1-6アルキルである。式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0076】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R-NHRである。
【0077】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0078】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0079】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素又はメチルである。
【0080】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、フルオロ、ブロモ、-OH、メチル、-CF、-OCH、及びシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0081】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1又は2である。
【0082】
式(I)、(I-a)、又は(I-b)の化合物のいくつかの実施形態では、mは、0である。
【0083】
別の態様では、本明細書では、式IIの化合物、
【化12】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲン、シアノ、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群から選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0084】
別の態様では、本明細書では、式(II)の化合物、
【化13】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲンであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0085】
別の態様では、本明細書では、式(II-a)の化合物、
【化14】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲンであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0086】
別の態様では、本明細書では、式(II-b)の化合物、
【化15】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
Raは、C1-6アルキルであり、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
は、ハロゲン、シアノ、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0087】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R1-6アルキル又は-NHRである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R-NHRである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C3-8シクロアルキルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルコキシで置換されたC1-6アルキルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OCHで置換されたC1-6アルキルである。
【0088】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0089】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素又はメチルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、R及びRは、水素である。
【0090】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、フルオロ、ブロモ、シアノ、-OH、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF2、-CF、-OCH3、-OCHCH、-OCH(CH、-OCHCF、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0091】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、フルオロ、ブロモ、-OH、メチル、-CF、-OCH、及びシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0092】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、シアノ、-NR、シアノで任意選択的に置換されたC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換されたC3-8シクロアルキルからなる群から選択される。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、-CHCF、-CF、-OCHCH、-OCHCF、及び-CFで任意選択的に置換されたシクロプロピルからなる群から選択される。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、4~8員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、4~8員のヘテロシクリルは、一つの窒素を含む。
【0093】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1又は2である。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、0である。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1である。式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、2である。
【0094】
式(II)、(II-a)、又は(II-b)の化合物のいくつかの実施形態では、mは、0である。
【0095】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、R1-6アルキル又は-NHRである。式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、R-NHRである。
【0096】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0097】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0098】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素又はメチルである。
【0099】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、クロロ、フルオロ、ブロモ、-OH、メチル、-CF、-OCH、及びシクロプロピルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0100】
式(II)又は(II-a)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1又は2である。
【0101】
別の態様では、本明細書では、式(III)の化合物、
【化16】
式中、
は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び-NHRからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、C1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又はフェニルからなる群から選択され、前記C3-8シクロアルキル又はフェニルは、一つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
は、水素であり、
及びRは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群からそれぞれ独立して選択され、
は、ハロゲン、シアノ、-OH、-NR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び4~8員のヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は4~8員のヘテロシクリルは、一つ以上のハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシで任意選択的に置換され、
及びRは、それぞれ独立して水素又はC1-6アルキルであり、
は、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり、
tは、0、1、2、又は3であり、及び
mは、0、1、又は2である、又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0102】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、又はイソプロピルである。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0103】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0104】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0105】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、シアノ、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、及びC3-8シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、C1-6アルキル又はC3-8シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、又はC1-6ハロアルキルで任意選択的に置換される。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0106】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、1である。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、2である。式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、tは、0である。
【0107】
式(III)の化合物のいくつかの実施形態では、mは、0である。
【0108】
別の態様では、本開示では、式Aの化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0109】
別の態様では、本開示では、式(A-1)、式(A-2)、式(A-3)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0110】
別の態様では、本開示では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0111】
別の態様では、本開示では、式(I-a)又は式(I-b)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0112】
別の態様では、本開示では、式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0113】
別の態様では、本開示では、式(II-a)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0114】
別の態様では、本開示では、式(II-b)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0115】
別の態様では、本開示では、式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物及び薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0116】
典型的な実施形態では、本発明は、本明細書に開示の化合物、ならびにかかる化合物の薬学的に許容される塩、互変異性型、多形体、及びプロドラッグを包含することが意図される。いくつかの実施形態では、本発明は、例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物などの本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される付加塩、薬学的に許容されるエステル、付加塩の溶媒和物(例えば、水和物)、互変異性型、水和物及び溶媒和物の多形体を含むすべての多形体、エナンチオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、立体異性体又は立体異性体の混合物(純粋である又はラセミ体又は非ラセミ体混合物として)を含む。
【0117】
本明細書では、
【化17】
からなる群から選択される化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0118】
一般的な合成スキーム
本明細書に記載の化合物を調製するための例示的な方法を、以下の合成スキームに例示する。これらのスキームは、本発明を例示する目的で提供され、いかなる様式でも本発明の範囲又は趣旨を限定するものと見なされるべきではない。
【化18】
【0119】
スキーム1
スキーム1に例証される合成経路は、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物を調製するための例示的手順を示す。標準的なペプチドカップリング手順(例えば、DIPEAに続いて、DCM又はDMF中のHATU)を使用したカルボン酸aa及びアミンbbのカップリングは、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物をもたらす。
【0120】
治療方法
上記及び本明細書に記載の化合物及び組成物を使用して、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態を治療することができる。例示的な疾患、障害、又は状態としては、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(MMFSI、EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、発達性及びてんかん性脳症(DEE)、早期乳児てんかん性脳症(EIEE)、全般てんかん、焦点てんかん、多焦点性てんかん、側頭葉てんかん、大田原症候群、早期ミオクロニー脳症及びレノックス・ガストー症候群、薬剤抵抗性てんかん、発作(例えば、前頭葉発作、全般強直間代発作、非対称性強直発作、焦点発作、白質ジストロフィー、ミエリン形成白質ジストロフィー、白質脳症、及びてんかんにおける予期せぬ突然死、心機能不全(例えば、心不整脈、ブルガダ症候群、心筋梗塞)、肺血管障害/出血、疼痛及び関連する状態(例えば、神経障害性疼痛、急性/慢性疼痛、片頭痛など)、筋肉障害(例えば、ミオトニー、ニューロミオトニー、筋肉けいれん、痙性)、かゆみ及び掻痒症、運動障害(例えば、運動失調、及び小脳性運動失調)、精神障害(例えば、大うつ病、不安、双極性障害、統合失調症、注意欠陥多動性障害)神経発達障害、学習障害、知的障害、脆弱X、神経可塑性、並びに自閉症スペクトラム障害が挙げられる。
【0121】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、EIMFS、ADNFLE、及びウエスト症候群から選択される。いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、並びにレノックス・ガストー症候群から選択される。いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、発作である。いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、心不整脈、ブルガダ症候群、及び心筋梗塞から選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくは遺伝子(例えば、KCNT1)における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態は、学習障害、脆弱X、知的機能障害、神経可塑性、精神障害、及び自閉症スペクトラム障害からなる群から選択される。
【0123】
したがって、化合物及びその組成物は、神経学的疾患若しくは障害、又は過度の神経興奮性及び/若しくはKCNT1などの遺伝子における機能獲得変異に関連する疾患若しくは状態(例えば、EIMFS、ADNFLE、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、並びにレノックス・ガストー症候群、発作、心不整脈、ブルガダ症候群、並びに心筋梗塞)を有する対象に投与することができる。
【0124】
EIMFSは、ほぼ連続的な不均一な焦点発作の早期発症(生後6か月未満)を特徴とする、希少かつ衰弱性の遺伝的状態であり、発作は、ある脳領域及び半球から別の脳領域及び半球に遊走するように見える。EIMFSを有する患者は、概して、知的障害、発話障害、及び歩行障害を有する。これまでに、いくつかの遺伝子が関係付けられているが、EIMFSに最も一般的に関連する遺伝子は、KCNT1である。EIMFSの患者において、KCNT1にいくつかの新たな変異が特定されており、これには、V271F、G288S、R428Q、R474Q、R474H、R474C、I760M、A934T、P924L、G243S、H257D、A259D、R262Q、Q270E、L274I、F346L、C377S、R398Q、P409S、A477T、F502V、M516V、Q550del、K629E、K629N、I760F、E893K、M896K、R933G、R950Q、K1154Qが含まれる(Barcia et al.(2012)Nat Genet.44:1255-1260、Ishii et al.(2013)Gene 531:467-471、McTague et al.(2013)Brain.136:1578-1591、Epi4K Consortium & Epilepsy Phenome/Genome Project.(2013)Nature 501:217-221、Lim et al.(2016)Neurogenetics、Ohba et al.(2015)Epilepsia 56:el21-el28、Zhou et al.(2018)Genes Brain Behav.e12456、Moller et al.(2015)Epilepsia.e114-20、Numis et al.(2018)Epilepsia.1889-1898、Madaan et al.Brain Dev.40(3):229-232、McTague et al.(2018)Neurology.90(1):e55-e66、Kawasaki et al.(2017)J Pediatr.191:270-274、Kim et al.(2014)Cell Rep.9(5):1661-1672、Ohba et al.(2015)Epilepsia.56(9):e121-8、Rizzo et al.(2016)Mol Cell Neurosci.72:54-63、Zhang et al.(2017)Clin Genet.91(5):717-724、Mikati et al.(2015)Ann Neurol.78(6):995-9、Baumer et al.(2017)Neurology.89(21):2212、Dilena et al.(2018)Neurotherapeutics.15(4):1112-1126)。これらの変異は、優性(すなわち、一つのアレルのみに存在する)の機能獲得性のミスセンス変異であり、アフリカツメガエルの卵母細胞又は哺乳動物発現系で試験すると、コードされるカリウムチャネルの機能に変化が生じ、全細胞電流の顕著な上昇が引き起される(例えば、Milligan et al.(2015)Ann Neurol.75(4):581-590、Barcia et al.(2012)Nat Genet.44(11):1255-1259、及びMikati et al.(2015)Ann Neurol.78(6):995-999を参照されたい)。
【0125】
ADNFLEは、EIMFSよりも発症が遅く、概して小児中期に発症し、概して重篤ではない状態である。これは、夜間前頭葉発作を特徴とし、状態を有する患者に精神的、行動的、及び認知的障害を生じ得る。ADNFLEは、いくつかの神経ニコチンアセチルコリン受容体サブユニットをコードする遺伝子に関連するが、KCNT1遺伝子における変異は、疾患のより重篤な症例に関与している(Heron et al.(2012)Nat Genet.44:1188-1190)。ADNFLEに関連する変異KCNT1遺伝子の機能性研究により、基礎となる変異(M896I、R398Q、Y796H、及びR928C)が優性の機能獲得変異であることが示された(Milligan et al.(2015)Ann Neurol.75(4):581-590、Mikati et al.(2015)Ann Neurol.78(6):995-999)。
【0126】
ウエスト症候群は、点頭てんかん、ヒプスアリスミアと称される発作間欠期脳波(EEG)パターン、及び精神発達遅延の三つの特徴で構成される重篤な形態のてんかんであるが、これらの要素のうちの一つが欠落していても診断され得る。G652V及びR474Hを含むKCNT1における変異は、ウエスト症候群に関連付けられている(Fukuoka et al.(2017)Brain Dev 39:80-83及びOhba et al.(2015)Epilepsia 56:el21-el28)。KCNT1チャネルを標的とする治療は、これらの変異が機能獲得変異であることを示唆している(Fukuoka et al.(2017)Brain Dev 39:80-83)。
【0127】
一態様では、本発明は、過度の神経興奮性及び/又は例えばKCNT1などの遺伝子における機能獲得変異に関連する疾患又は状態(例えば、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(MMFSI、EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症(DEE)、及びレノックス・ガストー症候群、発作、白質ジストロフィー、白質脳症、知的障害、多焦点性てんかん、全般強直間代発作、薬剤抵抗性てんかん、側頭葉てんかん、小脳性運動失調、非対称性強直発作)、及び心機能不全(例えば、心不整脈、ブルガダ症候群、てんかんにおける予期せぬ突然死、心筋梗塞)、疼痛及び関連する状態(例えば、神経障害性疼痛、急性/慢性疼痛、片頭痛など)、筋肉障害(例えば、ミオトニー、ニューロミオトニー、筋肉けいれん、痙性)、かゆみ及び掻痒症、運動失調及び小脳性運動失調、精神障害(例えば、大うつ病、不安、双極性障害、統合失調症)、学習障害、脆弱X、神経可塑性、及び自閉症スペクトラム障害)を治療する方法を特徴とし、本方法は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物)を投与することを含む。
【0128】
いくつかの実施例では、KCNT1における機能獲得変異に関連し得る疾患又は状態を提示する対象は、化合物及びその組成物の投与前に、KCNT1における既知の機能獲得変異の存在を確認するように遺伝子型決定される。例えば、全エクソーム配列決定を、対象に実施してもよい。EIMFSに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、V271F、G288S、R428Q、R474Q、R474H、R474C、I760M、A934T、P924L、G243S、H257D、A259D、R262Q、Q270E、L274I、F346L、C377S、R398Q、P409S、A477T、F502V、M516V、Q550del、K629E、K629N、I760F、E893K、M896K、R933G、R950Q、及びK1154Qを挙げることができる。ADNFLEに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、M896I、R398Q、Y796H、R928C、及びG288Sを挙げることができる。ウエスト症候群に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、G652V及びR474Hを挙げることができる。側頭葉てんかんに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R133H及びR565Hを挙げることができる。レノックス・ガストーに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R209Cを挙げることができる。発作に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、A259D、G288S、R474C、R474Hを挙げることができる。白質ジストロフィーに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、G288S及びQ906Hを挙げることができる。多焦点性てんかんに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、V340Mを挙げることができる。EOEに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、F346L及びA934Tを挙げることができる。早期発症型てんかん性脳症(EOEE)に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R428Qを挙げることができる。発達性及びてんかん性脳症に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、F346L、R474H、及びA934Tを挙げることができる。てんかん性脳症に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、L437F、Y796H、P924L、R961Hを挙げることができる。早期乳児てんかん性脳症(EIEE)に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、M896Kを挙げることができる。薬剤抵抗性てんかん及び全般強直間代発作に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、F346Lを挙げることができる。乳児の遊走性部分発作に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R428Qを挙げることができる。白質脳症に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、F932Iを挙げることができる。NFLEに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、A934T及びR950Qを挙げることができる。大田原症候群に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、A966Tを挙げることができる。点頭てんかんに関連する機能獲得変異としては、限定されないが、P924Lを挙げることができる。ブルガダ症候群に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R1106Qを挙げることができる。ブルガダ症候群に関連する機能獲得変異としては、限定されないが、R474Hを挙げることができる。
【0129】
他の実施例では、まず対象を遺伝子型決定して、KCNT1における変異の存在を同定し、次いで、例えば、Milligan et al.(2015)Ann Neurol.75(4):581-590に記載されるアッセイなどの標準的なインビトロアッセイを使用して、この変異が、機能獲得性の変異であることを確認する。典型的には、全細胞電気生理学的方法(例えば、Milligan et al.(2015)Ann Neurol.75(4):581-590、Barcia et al.(2012)Nat Genet.44(11):1255-1259、Mikati et al.(2015)Ann Neurol.78(6):995-999、又はRizzo et al.Mol Cell Neurosci.(2016)72:54-63に記載される方法)を使用して評価する場合、変異型KCNT1アレルの発現が、野生型KCNT1の発現から生じる全細胞電流と比較して全細胞電流の上昇を生じさせる場合に、機能獲得変異の存在が確認される。全細胞電流のこの増加は、例えば、少なくとも又は約50%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%以上の増加であり得る。こうして、対象がKCNT1における機能獲得変異に関連する疾患又は状態を有すると確認することができる。
【0130】
特定の実施例では、対象は、機能獲得変異を含有するKCNT1アレル(例えば、V271F、G288S、R398Q、R428Q、R474Q、R474H、R474C、G652V、I760M、Y796H、M896I、P924L、R928C、又はA934T)を有すると確認される。
【0131】
本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)、(II-j)、(II-k)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物)は、過度の神経興奮性に関連した状態に対し、治療的に使用されてもよく、この過度の神経興奮性は、必ずしもKCNT1における機能獲得変異の結果ではない。疾患がKCNT1発現及び/又は活性の増加の結果ではない場合であっても、KCNT1発現及び/又は活性の阻害は、神経興奮性の低減を生じ、それによって療法的効果を提供することができる。このため、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に開示される医薬組成物(例えば、本明細書に開示される化合物(例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物)は、疾患又は障害がKCNT1における機能獲得変異に関連しているか否かに関わらず、例えば、てんかん及び他の脳症(例えば、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(EIMFS)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ANDFLE)、ウエスト症候群、点頭てんかん、てんかん性脳症、焦点てんかん、大田原症候群、発達性及びてんかん性脳症、及びレノックス・ガストー症候群、発作)、又は心機能不全(例えば、心不整脈、ブルガダ症候群、心筋梗塞)などの過度の神経興奮性に関連する状態を有する対象を治療するために使用することができる。
【0132】
医薬組成物及び投与経路
本発明に従って提供される化合物、例えば、式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、通常医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明は、有効成分として、記載の化合物のうちの一つ以上、又はその薬学的に許容される塩又はエステルと、一つ以上の薬学的に許容される賦形剤、不活性固体希釈剤及び充填剤を含む担体、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む希釈剤、浸透増強剤、可溶化剤、及びアジュバントを含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、単独で投与しても、他の治療薬と組み合わせて投与してもよい。かかる組成物は、当該医薬技術分野で周知の様式で調製される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,Pa.17th Ed.(1985)、及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker & C.T.Rhodes,Eds.を参照されたい)。
【0133】
医薬組成物は、例えば、直腸、口腔、鼻腔内、及び経皮経路を含む、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所によって、吸入剤として、又は例えば、ステント、又は動脈挿入円筒形ポリマーなどの含浸若しくはコーティングされたデバイスを介して、参照により組み込まれるそれらの特許及び特許出願に記載のものと同様の有用性を有する、薬剤の許容される投与モードのうちのいずれかによって、単回又は複数回用量のいずれで投与してもよい。
【0134】
一投与様式は、特に注射による非経口である。本発明の新規組成物が注射による投与のために組み込まれ得る形態は、水性若しくは油性懸濁液、又はゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくはピーナッツ油を含むエマルション、並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、又は滅菌水溶液、及び同様の薬学的ビヒクルを含む。生理食塩水中の水溶液も従来注射に使用されているが、本発明との関連ではあまり好ましくない。また、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(及びそれらの好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体、及び植物油を用いてもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗菌剤及び抗真菌剤によってもたらすことができる。
【0135】
滅菌注射用溶液は、必要に応じて、上に列挙される様々な他の成分を含む適切な溶媒中に、必要な量の本発明による化合物を組み込み、その後濾過滅菌することによって調製される。概して、分散液は、基本的な分散媒及び上に列挙されるものからの必要とされる他の成分とを含有する滅菌ビヒクル中に、様々な滅菌された有効成分を組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め滅菌濾過したその滅菌溶液から有効成分及び任意の追加の所望の成分の粉末を得る真空乾燥及び凍結乾燥技術である。
【0136】
経口投与は、本発明による化合物の投与のための別の経路である。投与は、カプセル又は腸溶性コーティング錠剤などを介してもよい。本明細書に記載の少なくとも一つの化合物を含む医薬組成物の作製では、有効成分は、通常、賦形剤によって希釈され、かつ/又はカプセル、小袋、紙、若しくは他の容器の形態であり得る担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、有効成分のためのビヒクル、担体、又は媒体として作用する(上述のような)固体、半固体、又は液体材料の形態であり得る。このため、組成物は、錠剤、丸剤、粉末、舐剤、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として又は液体媒体中)、例えば、最大10重量%の活性化合物を含有する軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射用溶液、並びに滅菌包装粉末の形態であり得る。
【0137】
好適な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。製剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油などの滑剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、メチル及びプロピルヒドロキシ-安息香酸塩などの保存剤、甘味剤、並びに香味剤をさらに含むことができる。
【0138】
本発明の組成物は、当該技術分野において既知の手順を用いることによって患者に投与した後に、有効成分の迅速な、持続的、又は遅延放出を提供するように製剤化され得る。経口投与のための制御放出薬物送達システムとしては、ポリマーコーティングされたリザーバ又は薬物ポリマーマトリックス製剤を含有する、浸透圧ポンプシステム及び溶解システムが挙げられる。制御放出システムの例は、米国特許第3,845,770号、同第4,326,525号、同第4,902,514号、及び同第5,616,345号に記載されている。本発明の方法での使用のための別の製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。かかる経皮パッチは、制御された量で本発明の化合物の連続的又は不連続的な注入を提供するために使用され得る。医薬品を送達するための経皮パッチの構成及び使用は、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許第5,023,252号、第4,992,445号、及び第5,001,139号を参照されたい。かかるパッチは、医薬品の継続的、パルス的、又はオンデマンド送達のために構築され得る。
【0139】
組成物は、好ましくは、単位剤形で製剤化される。用語「単位剤形」は、ヒト対象及び他の哺乳動物用の単位投薬量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤(例えば、錠剤、カプセル、アンプル)に関連して、所望の療法的効果を生じるように計算された既定量の活性物質を含有する。化合物は、概して、薬学的有効量で投与される。好ましくは、経口投与では、各投薬量単位は、1mg~2gの本明細書に記載の化合物を含有し、非経口投与では、好ましくは0.1~700mgの本明細書に記載の化合物化合物を含有する。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物及びその相対的活性、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重篤度などを含む関連状況を鑑みて、医師によって決定されるであろうことが理解されるであろう。
【0140】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要有効成分を薬学的賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均質であると言及する場合、有効成分は、組成物全体に均一に分散され、それによって組成物が、錠剤、丸剤、及びカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分されてもよいことを意味する。
【0141】
本発明の錠剤又は丸剤は、長期作用の利点を生じる剤形を提供するか、又は胃の酸性状態から保護するために、コーティング又は他の方法で配合されてもよい。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投薬量構成成分及び外側投薬量構成成分を含むことができ、後者は前者を覆う外被の形態である。二つの構成成分は、胃での崩壊に耐え、かつ内側構成成分が無傷で十二指腸を通るか、又は遅延放出されることを可能にするように機能する、腸溶層によって分離され得る。かかる腸溶層又はコーティングには、多様な材料を使用することができ、かかる材料としては、ある数のポリマー酸、並びにポリマー酸とセラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースなどの材料との混合物が挙げられる。
【0142】
吸入又は吹送用の組成物は、薬学的に許容される水性溶媒若しくは有機溶媒、又はそれらの混合物中の溶液及び懸濁液、並びに粉末を含む。液体又は固体組成物は、上記のような好適な薬学的に許容される賦形剤を含有してもよい。好ましくは、組成物は、局所又は全身的効果のために経口又は経鼻呼吸経路によって投与される。好ましくは薬学的に許容される溶媒中にある組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧されてもよい。噴霧される溶液は、噴霧デバイスから直接吸入されてもよく、又は噴霧デバイスは、フェイスマスクテント若しくは間欠的陽圧呼吸器に装着されてもよい。溶液、懸濁液、又は粉末組成物は、適切な様式で製剤を送達するデバイスから、好ましくは経口又は経鼻で投与されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【実施例
【0144】
本明細書に記載の発明をより完全に理解することができるように、以下の実施例を記載する。本出願に記載の合成及び生物学的実施例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、及び方法を例示するために提供され、それらの範囲をいかようにも制限するものとして解釈されるものではない。
【0145】
本明細書に提供される化合物は、以下の一般的方法及び手順を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的な又は好適なプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他のプロセス条件も、別段明記されない限り使用され得ることが理解されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒で変動し得るが、かかる条件は、日常的な最適化によって、当業者によって決定され得る。
【0146】
加えて、当業者には明らかであろうように、ある特定の官能基が望ましくない反応を受けることを防止するためには、従来の保護基が必要な場合がある。特定の官能基に好適な保護基の選択、並びに保護及び脱保護に好適な条件は、当該技術分野において周知である。例えば、多数の保護基、並びにそれらの導入及び除去は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991、及び同書に引用される参考文献に記載されている。
【0147】
本明細書に提供される化合物は、既知の標準的な手順によって単離及び精製され得る。かかる手順としては、再結晶化、濾過、フラッシュクロマトグラフィー、研和、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、又は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)が挙げられる。フラッシュクロマトグラフィーは、手動で、又は自動システムを介してのいずれかで実施され得ることに留意されたい。本明細書に提供される化合物は、核磁気共鳴分光法(NMR)又は液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)などの既知の標準的な手順によって特徴付けられ得る。NMR化学シフトは、百万分率(ppm)で報告され、当業者に周知の方法を使用して生成される。
【0148】
略語一覧
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
ACN アセトニトリル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DCM ジクロロメタン
TFA トリフルオロ酢酸
HATU ヘキサフルオロリン酸アザベンゾトリアゾールテトラメチルウラン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
RT 室温
EtOAc 酢酸エチル
m-CPBA メタ-クロロペルオキシ安息香酸
DAST ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド
LAH 水素化アルミニウムリチウム
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
【0149】
実施例1.5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボン酸(a3)の合成
【化19】
メチル5-(クロロスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸塩(a1)の合成
化合物a1は、米国特許出願公開第20160200719号に開示される手順に従って合成された。
【0150】
メチル5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボン酸塩(a2)の合成
THF(150mL)中のa1の攪拌溶液(15g、62.32mmol)に、TEA(26.1mL、186.97mmol)及びメタンアミン(THF中1M、5.81g、186.97mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、RTで16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗化合物を、100~200シリカ及びDCMを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、a2(10g、39.3mmol、収率63%)を液体として得た。
【0151】
5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボン酸(a3)の合成
THF中のa2(1g、4.25mmol)の撹拌溶液に、LiOHの水溶液(267.51mg、6.38mmol)を0℃で添加し、反応混合物をRTで4時間撹拌した。揮発性溶媒を減圧下で除去した。 残渣を水で希釈し、ジエチルエーテル(3×5mL)で抽出した。水層を分離し、0℃に冷却し、2N HClで酸性化した。沈殿した固体を濾過して収集し、減圧下で乾燥させて、a3(700mg、3.12mmol、収率74%)を得た。
【0152】
実施例2.アミド化の全般的手順:
【化20】
酸a3(1当量)及び対応するアミンbb(1.1当量)のDMF/DCMの攪拌溶液に、DIPEA(2当量)、次いでHATU(1.5当量)を0℃で加え、得られた反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー/分取HPLCにより精製し、所望の化合物(式(A)、(A-1)、(A-2)、(A-3)、(I)、(I-a)、(I-b)、(II)、(II-a)、(II-b)、又は(III)の化合物)を得た。
【0153】
実施例3.(R)-N-(1-(2,4-ジクロロフェニル)エチル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物1)の合成
【化21】
化合物1を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:58mg、0.145mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 8.52分、98.1%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:393.10(M+H)、Rt 1.93分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.24(d,1H),7.94(d,1H),7.86-7.80(m,1H),7.64-7.58(m,2H),7.54-7.48(m,1H),7.48-7.42(m,1H),5.36-5.30(m,1H),1.44(d,3H),3H溶媒ピークとマージ。キラルHPLC:Rt 5.36分,100%;方法84076,SFCカラム:DIACEL CHIRALPAK-IG(150×4.6mm、5um)、-移動相:A)CO B)MeOH+0.1% NH、勾配:5分間で20~40%B、9分まで40%Bを維持、10分で40~20%B、12分まで20%Bを維持。波長:271nm、流:3mL/分。
【0154】
実施例4.(S)-N-(1-(2,4-ジクロロフェニル)エチル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物2)の合成
【化22】
化合物2を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:53mg、0.135mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 8.52分、99.9%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:393.10(M+H)、Rt 1.95分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.25(d,1H),7.94(d,1H),7.84-7.80(m,1H),7.64-7.58(m,2H),7.54-7.48(m,1H),7.48-7.42(m,1H),5.36-5.30(m,1H),1.45(d,3H),3H溶媒ピークとマージ。キラルHPLC:Rt 6.62分,99.67%;方法:84076,SFCカラム:DIACEL CHIRALPAK-IG(150×4.6mm、5um)、-移動相:A)CO B)MeOH+0.1% NH、勾配:5分間で20~40%B、9分まで40%Bを維持、10分で40~20%B、12分まで20%Bを維持。波長:271nm、流:3mL/分。
【0155】
実施例5.N-(2,4-ジクロロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物3)の合成
【化23】
化合物3を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:25mg、0.065mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 8.46分、98.7%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:379.00(M+H)、Rt 1.87分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.38-9.32(m,1H),7.86-7.80(m,2H),7.64-7.60(m,1H),7.59(d,1H),7.44-7.36(m,2H),4.49(d,2H),2.51(s,3H)。
【0156】
実施例6.(R)-N-(1-(4-クロロフェニル)エチル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物4)の合成
【化24】
化合物4を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:80mg、0.208mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 8.22分,93.5%カラム:X-Select CSH C18(4.6*150)mm 5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:359.05(M+H)、Rt 1.82分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.12(d,1H),7.90(d,1H),7.85-7.78(m,1H),7.58(d,1H),7.42-7.38(m,4H),5.12-5.08(m,1H),1.47(d,3H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0157】
実施例7.(S)-N-(1-(4-クロロフェニル)エチル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物5)の合成
【化25】
化合物5を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:92.8mg、0.257mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 8.04分、99.7%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCM:358.95(M+H),Rt 1.83分,カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.13(d,1H),7.90(d,1H),7.80-7.72(m,1H),7.59(d,1H),7.42-7.36(m,4H),5.12-5.06(m,1H),2.51(s,3H),1.47(d,3H)。
【0158】
実施例8.N-(2,4-ジクロロベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物6)の合成
【化26】
5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸(a4)を、WO2000/058277に記載されるプロトコルに従って合成した。実施例2の全般的手順に従って、化合物6を固体(57.5mg、0.157mmol(a4の60mgのから))として得た。HPLC:Rt 8.48分、99.6%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:364.00(M+H)、Rt 1.97分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.42(t,1H),7.90(d,1H),7.84(d,1H),7.64(s,1H),7.46-7.38(m,2H),4.52(d,2H),3.39(s,3H)。
【0159】
実施例9.N-(4-クロロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物7)の合成
【化27】
化合物7を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:97.1mg、0.275mmol(a3の200mgから)。HPLC:Rt 7.99分、98.0%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:344.95(M+H),Rt 1.95分 Column:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.37(t,1H),7.84-7.80(m,2H),7.59(d,1H),7.40(d,2H),7.33(d,2H),4.45(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0160】
実施例10.N-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物8)の合成
【化28】
化合物8を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:60mg、0.143mmol、固体として32%の収率(a3の100mgから)。HPLC:Rt 8.66分、98.1%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:413.05(M+H)、Rt 2.02分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.48-9.40(m,1H),7.90-7.80(m,3H),7.76(d,1H),7.62(d,1H),7.56(d,1H),4.61(d,2H),2.53(s,3H)。
【0161】
実施例11.N-(4-クロロ-2-メチルベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物9)の合成
【化29】
化合物9を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:40.0mg、0.110mmol(a3の100mgのから)。HPLC:Rt 8.33分、98.5%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:358.90(M+H)、Rt 1.91分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.23(t,1H),7.86-7.82(m,2H),7.59(d,1H),7.28-7.20(m,3H),4.40-4.30(m,2H),2.45(s,3H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0162】
実施例12.N-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物10)の合成
【化30】
化合物10を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:35mg、0.095mmol(a3の100mgのから)。HPLC:Rt 7.94分、98.4%、
カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:362.85(M+H)、Rt 1.89分
カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.35(t,1H),7.85-7.80(m,2H),7.60-7.58(m,1H),7.46-7.36(m,2H),7.28(d,1H),4.47(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0163】
実施例13.N-(2-ブロモ-4-クロロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物11)の合成
【化31】
化合物11を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:35mg、0.082mmol(a3の100mgから)。HPLC:Rt 7.08分、97.4%、カラム:X-Bridge C18(4.6x150)mm、5μm;移動相:A:0.1% NHの水溶液、B:ACN、流量:1.2mL/分。LCMS:424.95(M+3),Rt 1.97分;カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.38(d,1H),7.86(d,1H),7.84-7.76(m,2H),7.61(d,1H),7.50-7.45(m,1H),7.37(d,1H),4.47(d,2H),2.52-2.46(m,3H)。
【0164】
実施例14.N-(4-クロロ-2-シクロプロピルベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物12)の合成
【化32】
化合物12を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:45mg、0.111mmol(a3の100mgから)。HPLC:Rt 8.54分、95.0%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:384.7(M+H)、Rt 1.90分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 9.26(t,1H),7.85(d,1H),7.82-7.78(m,1H),7.59(d,1H),7.28-7.20(m,2H),7.04-7.00(m,1H),4.61(d,2H),2.52(s,3H),2.06-2.00(m,1H),0.98-0.90(m,2H),0.72-0.067(m,2H)。
【0165】
実施例15.N-(4-クロロ-2-メトキシベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物13)の合成
【化33】
化合物13を、実施例2に記載される手順に従って合成した。収率:55mg、0.144mmol(a3の100mgから)。HPLC:Rt 8.10分、98.8%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:375.10(M+H)、Rt 1.83分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.19(t,1H),7.86-7.80(m,2H),7.59(d,1H),7.19(d,1H),7.08(s,1H),6.98(d,1H),4.38(d,2H),3.85(s,3H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0166】
実施例16.N-(4-クロロ-2-ヒドロキシベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物14)の合成
【化34】
DCM中の化合物13(100mg、0.2700mmol)の撹拌溶液にBBr(DCM中1M、0.8mL、0.8mmol)を添加した。反応混合物を、0℃で30分間攪拌した。反応物をメタノール(2mL)でクエンチして、またルガニック(rganic)層を減圧下で濃縮した。粗化合物を、100~200シリカ及び溶出剤として30~80%のEtOAc/ヘキサンを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、14(40mg、0.108mmol、収率41%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.79分、97%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:360.95(M+H)、Rt 1.95分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.13(s,1H),9.25-9.15(m,1H),7.86-7.80(m,2H),7.59-7.56(m,1H),7.14(d,1H),6.86-6.80(m,2H),4.37(d,2H),3H溶媒ピークとマージ。
【0167】
実施例17.5-(シクロプロピルスルホニル)-N-(2,4-ジクロロベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物15)の合成:
【化35】
メチル5-(シクロプロピルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸塩(a6)の合成:
DMSO(20mL)中のa5(1.5g、6.79mmol)及びシクロプロパンスルフィン酸ナトリウム(1.3g、10.18mmol)の撹拌溶液に、ヨウ化銅(0.13g、0.68mmol)、L-プロリン(0.16g、1.36mmol)、及び水酸化ナトリウム(0.054g、1.35mmol)をRTで添加した。反応混合物を、95℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物を、20~40%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、a6(0.4g、1.54mmol、収率23%)を固体として得た。
【0168】
5-(シクロプロピルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸(a7)の合成:
THF:水(10mL:3mL)中のa6(0.4g、1.62mmol)の撹拌溶液に、LiOH.H2O(0.102g、2.44mmol)をRTで添加した。反応混合物を、RTで2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を分離し、水層を1N HClで酸性化した。沈殿した固体を濾過して収集し、減圧下で乾燥させて、a7(0.23mg、0.95mmol、収率58%)を固体として得た。
【0169】
5-(シクロプロピルスルホニル)-N-(2,4-ジクロロベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物15)の合成:
DCM(10mL)中のa7(105.45mg、0.45mmol)及びa8(0.06mg、0.45mmol)の攪拌溶液に、HATU(207.14mg、0.54mmol)及びDIPEA(0.16mL、0.91mmol)を0℃で加え、得られた反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物を、30~80%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、15(30mg、0.077mmol、収率17%)を得た。HPLC:Rt 8.64分、99.81%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:391.8(M+2)、Rt 1.967分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.42(t,1H),7.91(d,1H),7.81(d,1H),7.67-7.61(m,1H),7.48-7.37(m,2H),4.52(d,2H),3.05-2.98(m,1H),1.23-1.08(m,4H)。
【0170】
実施例18.N-(2,4-ジクロロベンジル)-5-(エチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物16)の合成:
【化36】
メチル5-(エチルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸塩(a10)の合成:
DMSO(10mL)中のa5(1g、4.52mmol)の撹拌溶液に、a9(630.26mg、5.43mmol)、ヨウ化銅(85.95mg、0.45mmol)、水酸化ナトリウム(36.19mg、0.90mmol)、及びL-プロリン(104.16mg、0.90mmol)をRTで添加し、95℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(5×25mL)で抽出した。こうして得られた合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて、粗化合物を得た。粗化合物を、100~200のシリカ及び8~10%のEtOAc/ヘキサン溶出剤のカラムクロマトグラフィーによって精製して、a10(300mg、1.21mmol、収率26%)を固体として得た。
【0171】
5-(エチルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸(a11)の合成:
THF(5mL)中のa10(300mg、1.28mmol)の撹拌溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム(46mg、1.92mmol)を0℃で添加し、RTで2時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗生成物を得た。こうして得られた粗生成物を、冷水(10mL)で希釈し、2NのHCl水溶液で約pH4まで酸化し、DCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を分離し、NaSOで乾燥させて、a11(220mg、0.60mmol、収率46%、純度60%)を固体として得た。
【0172】
N-(2,4-ジクロロベンジル)-5-(エチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物16)の合成:
DCM(10mL)中のa11(100mg、0.45mmol)及びa8(0.06mL、0.45mmol)の撹拌溶液に、HATU(207.14mg、0.54mmol)及びDIPEA(0.16mL、0.91mmol)をRTで添加した。反応混合物を、RTで2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗反応物を、30~80%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、16(30mg、0.0791mmol、収率17%)を固体として得た。HPLC:Rt 8.48分、99.70%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:379.7(M+2)、Rt 1.936分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.42(t,1H),7.93(d,1H),7.81(d,1H),7.67-7.61(m,1H),7.48-7.37(m,2H),4.52(d,2H),3.44(q,2H),1.18(t,3H)。
【0173】
実施例19.N-(4-シアノベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物17)及びN-(3-クロロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物18)の合成:
【化37】
化合物17及び18は、実施例2に記載される合成方法に従って作製された。化合物17:収率:20mg、0.0586mmol、13%、HPLC:Rt 7.33分、98.28%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm、移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:335.90(M+H)、Rt 1.909分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.44(t,1H),7.84-7.79(m,4H),7.60(d,1H),7.51(d,2H),4.55(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。キラル法:Rt:9.329分、99.47%、カラム:YMC CHIRAL ART CELLULOSE-SC(250x4.6mm、5u)、移動相:A)n-ヘキサン+0.1% TFA、B)DCM:MeOH(50:50)、アイソクラティック:35%B、波長:267nm、流量:1.0mL/分。化合物18:収率:25mg、0.072mmol、16%%、HPLC:Rt8.075分、98.91%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。 LCMS:344.85(M+H)、Rt 2.088分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.40-9.35(m,1H),7.84-7.80(m,2H),7.57(d,1H),7.38-7.26(m,4H),4.46(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。キラル法:Rt 6.757分,99.69%;カラム:YMC CHIRAL ART CELLULOSE-SC(250x4.6mm、5u)、移動相:A)n-ヘキサン+0.1% TFA、B)DCM:MeOH(50:50)、アイソクラティック:35%B、波長:268nm,流量:1.0mL/分。
【0174】
実施例20.N-(4-イソプロピルベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物19)の合成:
【化38】
DCM(4mL)中の(4-イソプロピルフェニル)メタンアミン(80.94mg、0.54mmol)及びa3(100mg、0.45mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.24mL、1.36mmol)及びHATU(257.78mg、0.68mmol)を加えた。反応混合物をRTで3時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、分取HPLCにより精製して、固形物として、10(15mg、0.04mmol、収率9%)を得た。HPLC:Rt 8.321分、95.32%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:352.9(M+H)、Rt 1.985分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.32-9.25(m,1H),7.85-7.75(m,2H),7.58-7.56(m,1H),7.30-7.15(m,4H),4.46(d,2H),2.88-2.83(m,1H),1.18(d,6H),3H溶媒ピークとマージ。
【0175】
実施例21.N-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物20)の合成:
【化39】
DCM(5mL)中のa3(100mg、0.45mmol)及び対応するアミン(86.56mg、0.54mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.16mL、0.90mmol)に続いてHATU(206.23mg、0.54mmol)を0℃で加え、得られた反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物を、30~80%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、20(48mg、0.13mmol、収率29%)を固体として得た。HPLC:Rt 8.065分、98.75%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:362.8(M+H)、Rt 1.923分、カラム:X-select CSH C18(4.6×150)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)9.42-9.35(m,1H),7.824-7.80(m,2H),7.62-7.51(m,2H),7.35(d,1H),7.19(d,1H),4.47(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0176】
実施例22.N-(4-ブロモベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物21)の合成:
【化40】
DCM(5mL)中のa3(100mg、0.45mmol)及び対応するアミン(100.91mg、0.54mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.16mL、0.90mmol)に続いてHATU(206.23mg、0.54mmol)を0℃で加え、得られた反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物を、30~80%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、21(20mg、0.05mmol、収率11%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.822分、96.13%、カラム:X-Select CSH C18(4.6×150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:388.8(M+H)、Rt 2.079分、カラム:X-select CSH C18(4.6x150)mm、2.5μm。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.38-9.35(m,1H),7.82-7.78(m,2H),7.61-7.58(m,1H),7.53(d,2H),7.28(d,2H),4.43(d,2H)、3H溶媒ピークとマージ。
【0177】
実施例23.N-(4-メチルベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物22)の合成:
【化41】
DCM(5mL)中のa3(100mg、0.45mmol)及び対応するアミン(65.7mg、0.54mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.16mL、0.90mmol)に続いてHATU(206.2mg、0.54mmol)を0℃で加え、得られた反応混合物をRTで16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。一つにまとめた有機層を分離させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物を、30~80%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、22(30mg、0.09mmol、収率20%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.588分、99.01%、カラム:X-Select CSH C18(4.6x150)mm、3.5μm;移動相:A:0.1%ギ酸の水溶液:ACN(95:05),B:ACN;流量:1.0mL/分。LCMS:324.9(M+H)、Rt 1.877分、カラム:X-select CSH C18(4.6x150)mm、2.5μm。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ9.33-9.25(m,1H),7.81(d,2H),7.57(d,1H),7.23-7.11(m,4H),4.41(d,2H),2.28(s,3H),3H溶媒ピークとマージ。
【0178】
実施例24.5-(メチルスルホニル)-N-(4-(ピロリジン-1-イル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物23)の合成:
【化42】
DCM(20mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(200mg、0.9697mmol)及びa12(205.11mg、1.1637mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(553.09g、1.4546mmol)、続いてDIPEA(376.02mg、2.9092mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間にわたってさらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粘性液体として粗残渣(220mg)を得た。粗材料を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%ヘキサン中EtOAcを溶出しながら、23(75.4mg、0.2012mmol、収率20%)を固体として得た。LCMS:365.1(M+H),R=2.206分,カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2,0.2/2,2/98,3/98,3.2/2,4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。HPLC:R=6.138分,97.26%;カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.05% TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05% TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR NMR(400MHz,DMSO-d):δ9.23(t,1H),7.84(d,1H),7.79(d,1H),7.11(d,2H),6.49(d,2H),4.33(d,2H),3.37(s,3H),3.18(t,4H),1.98-1.89(m,4H)。
【0179】
実施例25.N-(4-イソプロピルベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物24)の合成:
【化43】
DCM(25mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(200mg、0.9697mmol)及びa13(217.07mg、1.4546mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(553.09g、1.4546mmol)、続いてDIPEA(376.02mg、2.9092mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間にわたってさらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粘性液体として粗残渣(220mg)を得た。得られた粗生成物を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、24(183.1mg、0.54mmol、収率55%)を固体として得た。LCMS:338.1(M+H),R=2.335 分, カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2,0.2/2,2/98,3/98,3.2/2,4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。HPLC:R=10.841分、99.22%。;カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.05% TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05% TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.34(t,1H),7.86(d,1H),7.81(d,1H),7.27-7.18(m,4H),4.43(d,2H),3.38(s,3H),2.92-2.80(m,1H),1.18(d,6H)。
【0180】
実施例26.N-(4-イソプロポキシベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物25)の合成:
【化44】
DCM(5.00mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(200mg、0.9697mmol)及びa14(240.35mg、1.4546mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(553.09g、1.4546mmol)、続いてDIPEA(376.02mg、2.9092mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間にわたってさらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粘性液体として粗残渣(220mg)を得た。得られた粗生成物を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)によって精製して、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、25(161.19mg、0.4537mmol、収率46%)を固体として得た。LCMS:354.1(M+H),R=2.184分,カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0×50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2,0.2/2,2/98,3/98,3.2/2,4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。HPLC:R=10.56分、99.48%、カラム;X SELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5u);移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B %;;0.01/20、5/80、12/90、16/90、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ9.31(t,1H),7.85(d,1H),7.80(d,1H),7.21(d,2H),6.87(d,2H),4.61-4.52(m,1H),4.39(d,2H),3.37(s,3H),1.24(d,6H)。
【0181】
実施例27.N-(4-シクロプロピルベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物26)の合成:
【化45】
DMF(10mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(323mg、2.499mmol)、HATU(443mg、1.1651mmol)、続いて対応するアミン(244mg、1.6574mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、26(52.2mg、0.1453mmol、収率16%)を得た。LCMS:349.15(M-H),R=2.059分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=9.09分、97.55%、移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分;希釈剤::水:ACN。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.27(t,1H),7.87-7.74(m,2H),7.62-7.53(m,1H),7.25-7.12(m,2H),7.10-6.97(m,2H),4.45-4.31(m,2H),1.96-1.81(m,1H),0.97-0.81(m,2H),0.67-0.55(m,2H),3H溶媒ピークとマージ
【0182】
実施例28.N-(4-イソプロポキシベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物27)の合成:
【化46】
DMF(15mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(323mg、2.499mmol)、HATU(443mg、1.1651mmol)、続いて対応するアミン(234mg、1.4162mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、27(41mg、0.1112mmol、収率12%)を得た。LCMS:366.8(M-H)、R=3.214分、カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm)、移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウム、B:ACN、勾配T/B%:0.01/10、3/90、5/90、5.5/10、6/10、流量:0.8ml/分。HPLC:R =9.17分、99.95%。移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分;希釈剤::水:ACN。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.25(t,1H),7.87-7.72(m,2H),7.61-7.51(m,1H),7.21(d,2H),6.87(d,2H),4.63-4.49(m,1H),4.38(d,2H),1.24(d,6H),3H 溶媒ピークとマージ。
【0183】
実施例29.N-(4-(tert-ブチル)ベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物28)の合成:
【化47】
DMF(10mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、HATU(443mg、1.1651mmol)及びDIPEA(323mg、2.499mmol)、続いて対応するアミン(244mg、1.4945mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、28(50.3mg、0.13mmol、収率15%)を得た。LCMS:365.25(M-H)、Rt=2.066分、カラム:X-select CSH C18(3*50)mm,2.5μm.移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=10.160分、97.04%、カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.05% TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05% TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90;流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.28(t,1H),7.87-7.74(m,2H),7.62-7.53(m,1H),7.36(d,2H),7.24(d,2H),4.46-4.34(m,2H),1.26(s,9H),3H溶媒ピークとマージ。
【0184】
実施例30.5-(N-メチルスルファモイル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物29)の合成:
【化48】
DMF(15mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、HATU(443mg、1.1651mmol)及びDIPEA(323mg、2.499mmol)、続いて対応するアミン(274mg、1.5644mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物29(31mg、0.0802mmol、9%)を得た。LCMS:379.0(M+H)、R=2.066分、カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm)、移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2,0.2/2,2/98,3/98,3.2/2,4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。HPLC:R=8.200分、97.94%。カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.05% TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05% TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90;流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.43(t,1H),7.82(s,2H),7.71(d,2H),7.60(s,1H),7.54(d,2H),4.60-4.47(m,2H),3H溶媒ピークとマージ。
【0185】
実施例31.5-(N-メチルスルファモイル)-N-(4-(ピロリジン-1-イル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物30)の合成:
【化49】
DMF(10mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、HATU(443mg、1.1651mmol)及びDIPEA(323mg、2.499mmol)、続いて対応するアミン(244mg、1.3843mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、30(27.6mg、0.0802mmol、収率9%)を得た。LCMS:380.2(M+H),R=3.389分,カラムn:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm);移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウム、B:ACN、(勾配)T/B%:0.01/10,3/90,5/90,5.5/10,6/10、流量:0.8ml/分。HPLC:R =9.58分、97.12%。移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分;希釈剤::水:ACN。H NMR(400MHz、DMSO-d)9.16(t,1H),7.79(d,2H),7.56(d,1H),7.11(d,2H),6.49(d,2H),4.32(d,2H),3.14(t,4H),1.93(t,4H),3H 溶媒ピークとマージ。
【0186】
実施例32.N-(4-シクロプロピルベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物31)の合成:
【化50】
DCM(20mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(200mg、0.9697mmol)及びa15(214.15mg、1.4546mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(553.09mg、1.4546mmol)、続いてDIPEA(376.02mL、2.9092mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間さらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、無色の粘性液体として粗残渣(220mg)を得た。得られた粗材料を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、31(102.3mg、0.3033mmol、収率31%)を固体として得た。LCMS:336.1(M+H),R=2.192分,カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0×50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2,0.2/2,2/98,3/98,3.2/2,4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。HPLC:R=10.164分,99.46%;移動相-A:0.05%TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05%TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.33(t,1H),7.85(d,1H),7.81(d,1H),7.18(d,2H),7.04(d,2H),4.41(d,2H),3.38(s,3H),1.93-1.83(m,1H),0.96-0.88(m,2H),0.66-0.59(m,2H)。
【0187】
実施例33.N-(4-(tert-ブチル)ベンジル)-5-(N-メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物32)の合成:
【化51】
DCM(5.00mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(0.15g、0.7300mmol)及びa16(0.18g、1.12mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(0.41g、1.09mmol)、続いてDIPEA(0.25mL、1.45mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間さらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、無色の粘性液体として粗残渣(220mg)を得た。得られた粗生成物を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、32(114mg、0.32mmol、収率43%)を固体として得た。LCMS:350.20(M-H),R=2.004分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=10.56分、98.42%、Me移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分;希釈剤:水:ACN。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.34(t、1H)、7.86(d、1H)、7.81(d、1H)、7.35(s、1H)、7.24(m、2H)、4.43(d、2H)、3.37(s、3H)、1.26(s9H)。
【0188】
実施例34.5-(N-メチルスルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物33)の合成:
【化52】
DCM(5mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(0.15g、0.7273mmol)及びa17(0.18g、1.04mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(0.41g、1.09mmol)、続いてDIPEA(0.1880mg、1.45mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間さらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、無色の粘性液体として粗残渣(250mg)を得た。得られた粗生成物を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、33(121mg、0.33mmol、収率45%)を固体として得た。LCMS:362.10(M-H),R=2.206分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=10.211分、98.63%。カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.05%TFA:アセトニトリル(95:05);移動相-B:アセトニトリル:0.05%TFA(95:05);プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.50(t,1H),7.88(d,1H),7.83(d,1H),7.71(d,2H),7.54(d,2H),4.57(d,2H),3.39(s,3H)。
【0189】
実施例35.5-(メチルスルホニル)-N-(4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物34)の合成:
【化53】
DCM(20mL)中の5-メチルスルホニルチオフェン-2-カルボン酸(0.15g、0.7273mmol)及びa18(0.1829g、0.8914mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(0.41g、1.09mmol)、続いてDIPEA(0.1880mg、1.45mmol)を0℃で加え、次いで攪拌を0℃で1時間さらに続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(10.0mL)を加えることにより希釈し、次いで反応混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた抽出物を、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粘性液体として粗残渣(270mg)を得た。得られた粗生成物を、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、34(211mg、0.52mmol、収率72%)を固体として得た。LCMS:392.15(M-H),R=1.891分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=8.084分、97.87%。カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5i);移動相A;0.1%ギ酸の水溶液;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/5、1.0/5、8.0/100、12.0/100、14.0/5、18.0/5、流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.35(t,1H),7.85(d,1H),7.81(d,1H),7.28(d,2H),7.06-7.00(m,2H),4.73(q,H),4.42(d,2H),3.38(s,3H)。
【0190】
実施例36.5-(N-メチルスルファモイル)-N-(4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物35)の合成:
【化54】
DMF(10mL)中のa3(200mg、0.9040mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(323mg、2.499mmol)、HATU(443mg、1.1651mmol)、続いて対応するアミン(244mg、1.1892mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水、ブライン洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0%~35%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物35(95mg、0.23mmol、収率25%)を得た。LCMS:409.00(M+H),R=2.066分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。HPLC:R=9.51分、97.73%、カラム:X SELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5u);移動相A;5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B %;;0.01/2、2/2、12/90、16/90;流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.30(t,1H),7.80(d,2H),7.57(d,1H),7.28(d,2H),7.03(d,2H),4.79-4.67(m,2H),4.41(d,2H),3H溶媒ピークとマージ。
【0191】
実施例37.5-(N-メチルスルファモイル)-N-(4-(1-トリフルオロメチル)シクロプロピル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物36)の合成:
【化55】
4-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)ベンゾニトリル(a20)の合成:
DMF(15mL)中のa19(3g、11.32mmol)の攪拌溶液に、アルゴン雰囲気下でシアン化亜鉛(0.9256g、7.9111mmol)及びPd(PPh(0.78g、0.6800mmol)を加えた。次いで、反応混合物を80℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、続いてZnCN(0.93g、7.91mmol)及びPd(PPh(0.78g、0.6800mmol)を添加した。反応混合物を、120℃で5時間攪拌した。反応混合物を、室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをDMFで洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、酢酸エチルを加え、2Mの水性アンモニア溶液で2回洗浄し、次いで飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、a20(1g、4.69mmol、収率41%)を得た。
【0192】
(4-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)フェニル)メタンアミン(a21)の合成:
MeOH(16mL)中のa20(800mg、3.79mmol)の攪拌溶液に、Raney Nickel(659mg、11.36mmol)を加え、室温で3時間水素化した(100psi)。反応混合物をセライトのパッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗化合物を分取HPLCによって精製して、a21(244mg、1.13mmol、収率29%)を得た。
【0193】
5-(N-メチルスルファモイル)-N-(4-(1-トリフルオロメチル)シクロプロピル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物36)の合成:
DCM(15mL)中のa3(160mg、0.72mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.44mL、2.5mmol)、HATU(443mg、1.17mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いてa21(244mg、1.13mmol)を同温度で添加した。反応混合物を室温に加温し、1時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、36(67.4mg、0.1567mmol、収率22%)を得た。HPLC:Rt 10.491分,97.29%;移動相A:5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分、希釈剤:ACN:水。 LCMS:417.15(M-H),Rt 2.088分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ9.33(t,1H),7.85-7.78(m,2H),7.58(d,1H),7.43(d,2H),7.33(d,2H),4.46(d,2H),2.58-2.52(m,3H),1.38-1.27(m,2H),1.09(br s,2H)。
【0194】
実施例38.5-(メチルスルホニル)-N-(4-(1-トリフルオロメチル)シクロプロピル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物37)の合成:
【化56】
DCM(5mL)中のa4(50mg、0.2400mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.08mL、0.48mmol)、HATU(118mg、0.31mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いて同温度でa21(52mg、0.24mmol)を添加した。反応混合物を室温に加温し、1時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0%~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、37(27.31mg、0.0647mmol、収率28%)を得た。HPLC:Rt 10.143分,95.60 %;移動相A:5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90。流:1.0mL/分、希釈剤:ACN:水.LCMS:402.30(M-H),Rt 2.106 分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度 50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ9.41(t,1H),7.88-7.80(m,2H),7.43(d,2H),7.27(d,2H),4.46(d,2H),3.38(s,3H),1.36-1.28(m,2H),1.08(br s,2H)。
【0195】
実施例39.N-(4-(2-シアノプロパン-2-イル)ベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキ-サミド(化合物38)の合成:
【化57】
2-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)イソインドリン-1,3-ジオン(a24)の合成:
MeCN(80mL)中のa22(1g、6.39mmol)の攪拌溶液に、a23(1.32g、8.94mmol)及び18-クラウン-6(0.24g、0.89mmol)を加えた。反応混合物を、50℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(50mL)で洗浄し、次いで濾液有機層を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、20~30%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、a24(1g、3.704mmol、収率58%)を固体として得た。
【0196】
2-(4-(ブロモメチル)ベンジル)イソインドリン-1,3-ジオン(a25)の合成:
DCM(20mL)中のa24(1g、3.74mmol)の攪拌溶液に、PPh(1.963g、7.48mmol)及びCBr(1.58mL、7.48mmol)を0℃で添加し、次いで反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)を使ってクエンチし、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、20~30%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、a25(600mg、1.7627mmol、収率47%)を固体として得た。
【0197】
2-(4-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)フェニル)アセトニトリル(a26)の合成:
MeCN(10mL)中のa25(500mg、1.51mmol)の攪拌溶液に、室温でTMSCN(0.21mL、1.67mmol)及びCsCO(986.8mg、3.03mmol)を加え、次いで攪拌を80℃で3時間続けた。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料を、20~30%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、a26(350mg、1.2034mmol、収率79%)を固体として得た。
【0198】
2-(4-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)フェニル)-2-メチルプロパンニトリル(a27)の合成:
DMF(2mL)中のa26(200mg、0.72mmol)の攪拌溶液に、0℃でNaH(34.75mg、1.45mmol)を加え、10分間攪拌し、続いてヨードメタン(0.09mL、1.45mmol)を加えた。次いで、反応混合物を、室温で18時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2x20 mL)で抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30~40%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、a25(70mg、0.1656mmol、収率23%)を固体として得た。
【0199】
2-(4-(アミノメチル)フェニル)-2-メチルプロパンニトリル(a28)の合成:
エタノール(0.2mL)/DCM(1mL)中のa27(70mg、0.23mmol)の攪拌溶液に、N.HO(12.65mg、0.25mmol)を加え、次いで、室温で一晩攪拌を継続した。反応混合物を、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、水性NaOH(2mL)で希釈し、ジエチルエーテル(5mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、液体としてa28(20mg、0.07mmol、収率30%)を得た。
【0200】
N-(4-(2-シアノプロパン-2-イル)ベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物38)の合成:
DCM(2mL)中のa3(190.47mg、0.86mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.2mL、1.15mmol)、HATU(327mg、0.86mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いて同温度でa28(100mg、0.57mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30~50%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として3使用するフラッシュクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、38(70mg、0.183mmol、収率32%)を得た。HPLC:Rt 7.693分、98.70%、カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.1%FAの水溶液;移動相-B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流:1.2mL/分。LCMS:378.90(M+H),Rt 1.874分,カラム:X-SELECT C18(50*3)mm,2.5μ。移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度45℃;勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ7.53(d,1H),7.50-7.45(m,2H),7.41(d,1H),7.40-7.36(m,2H),6.31(br s,1H),4.63(d,2H),4.50-4.43(m,1H),2.78(d,3H),1.72(s,6H)。
【0201】
実施例40.N-(4-(2-シアノプロパン-2-イル)ベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物39)の合成:
【化58】
DCM(2mL)中のa4(190.47mg、0.92mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.2mL、1.15mmol)、HATU(327mg、0.86mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いて同温度でa28(100mg、0.5700mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30~50%のヘキサン中酢酸エチルを溶出剤として使用するフラッシュクロマトグラフィー(100~200シリカ)によって精製して、続いて分取-HPLCにより、39(60mg、0.1654mmol、収率29%)を得た。HPLC:Rt 7.660 分,99.94%;カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.1%FAの水溶液;移動相-B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流:1.2mL/分。LCMS:363.1(M+H),Rt 1.928分,カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0×50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2、0.2/2、2.2/98、3/98、3.2/2、4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。H NMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δ7.65(d,1H),7.52-7.42(m,3H),7.41-7.34(m,2H),6.35(br s,1H),4.63(d,2H),3.20(s,3H),1.72(s,6H)。
【0202】
実施例41.N-(4-イソプロピルアミノ)ベンジル)-5-(N-メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物40)の合成:
【化59】
DCM(15mL)中のa3(160mg、0.7200mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.44mL、2.5mmol)、HATU(443mg、1.17mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いて同温度で対応するアミン(244mg、1.49mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)でクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~90%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、続いて分取-HPLCにより、40(35mg、0.093mmol、収率13%)を得た。HPLC:Rt 8.43分,97.47 %;カラム:X SELECT CSH C18(150x4.6mm、3.5μ);移動相A:5mM 重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/10、12/90、16/90、;流:1.0mL/分;希釈剤:::水:ACN:DMSO。LCMS:368.1(M+H)、Rt1.505 分、カラムX-Bridge BEH C-18(3.0X50mm、2.5μm);移動相:A:0.025% FA 水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2、0.2/2、2.2/98、3/98、3.2/2、4/2;流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。 H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.13(br t,1H),7.82-7.76(m,2H),7.56(d,1H),7.02(d,2H),6.51(d,2H),5.26(d,1H),4.28(d,2H),3.56-3.45(m,1H),2.52(br s,3H),1.10(d,6H)。
【0203】
実施例42.N-(4-イソプロピルアミノ)ベンジル)-5-(N-メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物41)の合成:
【化60】
DCM(15mL)中のa4(160mg、0.7800mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.44mL、2.5mmol)、HATU(443mg、1.17mmol)を0℃で添加し、10分間攪拌し、続いて同温度で対応するアミン(244mg、1.49mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0%~90%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、続いて分取HPLCにより41(60mg、0.16mmol、収率21%)を得た。HPLC:Rt 8.451分,96.42 %;カラム:X SELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相A:5mM重炭酸アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90;流量:1mL/分、希釈剤:水:ACN。LCMS:353.0(M+H),Rt1.747分,カラム:X-SELECT CSH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度 45℃;勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.20(br t,1H),7.85(d,1H),7.79(d,1H),7.02(d,2H),6.51(d,2H),5.27(d,1H),4.29(d,2H),3.56-3.45(m,1H),3.37(s,3H),1.10(d, 6H)。
【0204】
実施例43.N-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物42)の合成:
【化61】
DCM(10mL)中のa4(300mg、1.45mmol)及びa29(337.13mg、1.75mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.38mL、2.18mmol)及びHATU(829.63mg、2.18mmol)を0℃で加え、反応物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、得られた残留物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄し、続いて飽和ブライン溶液(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、低圧化で濃縮した。次いで、粗生成物を、60%のEtOAc/ヘプタンで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、42(208mg、0.54mmol、収率37%)を得た。HPLC:Rt 8.270 分,99.99%;カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.1%FAの水溶液;移動相-B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流:1.2mL/分。 H NMR(400MHz,DMSO-6)δ9.47(t,1H),7.89(d,1H),7.83(d,1H),7.69(d,1H),7.64-7.55(m,2H),4.58(d,2H),3.38(s,3H)。
【0205】
実施例44.N-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-5-(メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物43)の合成:
【化62】
DCM(10mL)中のa3(300mg、1.36mmol)及びa29(314.26mg、1.63mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.35mL、2.03mmol)及びHATU(773.35mg、2.03mmol)を0℃で加え、反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、得られた残留物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄し、続いて飽和ブライン溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、低圧化で濃縮した。次いで、粗生成物を、60%のEtOAc/ヘプタンで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、43(139.34mg、0.3503mmol、収率25.8%)を得た。HPLC:Rt 8.266 分,99.67%;カラム:XSELECT CSH C18(150×4.6mm,3.5μ);移動相-A:0.1%FAの水溶液;移動相-B:アセトニトリル;プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流:1.2mL/分。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.41(t,1H),7.86-7.79(m,2H),7.68(d,1H),7.64-7.56(m,3H),4.57(d,2H),2.52(br d,3H)。
【0206】
実施例45.N-(2-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物44)の合成:
【化63】
DCM(5mL)中のa4(245.29mg、1.19mmol)及びa30(150mg、0.79mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.41mL、2.38mmol)及びHATU(452.22mg、1.19mmol)を加え、反応物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30%~50%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、44(130mg、0.33mmol、収率41%)を得た。HPLC:Rt 7.799分,95.115 %;カラム:X Select CSH C18(150×4.6)mm,3.5μ;移動相A:0.1% FAの水溶液:ACN(95:05);移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流量:1.2ml/分。LCMS:378.0(M+H)、Rt 1.806 分、カラム:X-Select CSH(3.0*50)mm 2.5u;移動相:A:0.05%ギ酸の水溶液:ACN(95:5);B:0.05%ギ酸のACN溶液;注入体積:2.0μL、流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度:50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.37(t,1H),7.86-7.79(m,2H),7.59-7.41(m,3H),4.57(d,2H),3.38(s,3H),2.40(s,3H)。
【0207】
実施例46.N-(2-メチル-4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-5-(メチルスルファモイル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物45)の合成:
【化64】
DMF(5mL)中のa30(150mg、0.7900mmol)及びa3(263.14mg、1.19mmol)の攪拌溶液に、HATU(452.22mg、1.19mmol)、次いでDIPEA(0.41mL、2.38mmol)を室温で加えた。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、50%~90%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、45(90mg、0.22mmol、収率28%)を得た。HPLC:Rt 7.804 分,96.260%;カラム:X Select CSH C18(150×4.6)mm,3.5μ;移動相A:0.1% FAの水溶液:ACN(95:05);移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流量:1.2mL/分。LCMS:393.1(M+H),Rt 2.559 分,カラム:X-Bridge BEH C-18(3.0X50mm,2.5μm);移動相:A:0.025%FAの水溶液,B:ACN;T/B%:0.01/2、0.2/2、2.2/98、3/98、3.2/2、4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。H NMR(400MHz、METHANOL-d)δ7.72(d,1H),7.56(d,1H),7.51-7.43(m,3H),4.62(s,2H),2.64(s,3H),2.45(s,3H)。
【0208】
実施例47.5-(メチルスルホニル)-N-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物46)の合成:
【化65】
DCM(10mL)中のa4(300mg、1.45mmol)及びa31(307.46mg、1.75mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.51mL、2.91mmol)及びHATU(829.63mg、2.18mmol)を0℃で加え、次いで同温度で1時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのcombi-flashクロマトグラフィーによって精製して、46(253mg、0.69mmol、収率47%)を固体として得た。HPLC:Rt 6.612 分,99.62%;カラム:X Select CSH C18(150×4.6)mm,3.5μ;移動相A:0.1% FAの水溶液:ACN(95:05);移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流量:1.2ml/分、LCMS:365.0(M+H)、Rt1.694分、移動相:A:0.025%FAの水溶液、B:ACN;T/B%:0.01/2、0.2/2、2.2/98、3/98、3.2/2、4/2、流量:1.2ml/分(勾配);カラムオーブン温度:50℃。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ9.52(t,1H),8.75(d,1H),8.01(dd,1H),7.92-7.81(m,3H),4.61(d,2H),3.38(s,3H)。
【0209】
実施例48.5-(シクロプロピルスルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物47)の合成:
【化66】
DCM(10mL)中のa7(250mg、1.08mmol)及びa32(226.21mg、1.29mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(818.47mg、2.15mmol)、続いてDIPEA(0.56mL、3.23mmol)を0℃で加え、次いで同じ温度でさらに2時間攪拌を継続した。反応混合物を水でクエンチし、水層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~60%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(100-200メッシュ)によって精製して、47(348mg、0.8803mmol、収率81%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.264分,98.52 %;カラム:X-Select CSH C18(4.6*150)mm,3.5μm。移動相:A-0.1%ギ酸の水溶液:アセトニトリル(95:05);B-アセトニトリル;流量:1.0.mL/分;勾配プログラム:時間(分)/B濃度:0.01/10、6.0/90、10.0/100、12.0/100、14/10、18.0/10。LCMS:388.05(M-H)、Rt 1.873分、カラム:X-Bridge BEH C18(50*3)mm 2.5u、移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ9.53(t,1H),7.90(d,1H),7.82(d,1H),7.72(d,2H),7.55(br d,2H),4.57(br d,2H),3.07-2.99(m,1H),1.22-1.09(m,4H)。
【0210】
実施例49.5-(メチルスルホニル)-N-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)メチル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物48)の合成:
【化67】
DCM(10mL)中のa4(250mg、1.21mmol)及びa33(255mg、1.45mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(921.81mg、2.42mmol)、続いてDIPEA(0.63mL、3.64mmol)を0℃で加え、次いで同温度でさらに2時間攪拌を継続した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、水層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~80%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(100-200メッシュ)によって精製して、48(437mg、1.19mmol、収率97%)を固体として得た。HPLC:Rt 6.106分,98.81 %;カラム:X-Select CSH C18(4.6*150)mm,3.5μm。移動相:A-0.1%ギ酸の水溶液:アセトニトリル(95:05);B-アセトニトリル;流量:1.0.mL/分;勾配プログラム:時間(分)/B濃度:0.01/10、6.0/90、10.0/100、12.0/100、14/10、18.0/10。LCMS:364.90(M+H)、Rt 1.713分、カラム:X-Bridge BEH C18(50*3)mm 2.5u、移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度 50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d6)H NMR1H(400MHz、DMSO-d)δ=9.62(br t,1H),8.93(s,1H),8.20(dd,,1H),7.92(d,1H),7.85(d,1H),7.59(d, 1H),4.67(br d,2H),3.40(s,3H)。
【0211】
実施例50.5-(エチルスルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物49)の合成:
【化68】
DCM(3mL)中のa11(180mg、0.8200mmol)の撹拌溶液に、a34(143.13mg、0.82mmol)及びHATU(310.72mg、0.82mmol)、続いてDIPEA(0.28mL、1.63mmol)を0℃で添加し、0℃でさらに1時間撹拌を継続した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、DCM(2x25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのCombi-Flashクロマトグラフィーによって精製して、49(70mg、0.18mmol、収率22%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.879分、98.28%、カラム:X-Select CSH C18(4.6*150)mm 5u;移動相:A-0.1%TFAの水溶液;B-アセトニトリル;注入体積;5.0μL、流量:1.2.mL/分;勾配プログラム:時間(分)/B濃度:0.01/5、1.0/5、8.0/100、12.0/100、14.0/5、18.0/5。LCMS:376.2(M-H)、Rt 2.037分、カラム:X-Bridge BEH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度 50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.50(t,1H),7.90(d,1H),7.81(d,1H),7.71(d,2H),7.54(d,2H),4.56(d,2H),3.44(q,2H),1.18(t,3H)。
【0212】
実施例51.5-(イソプロピルスルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物50)の合成:
【化69】
メチルメチル5-(イソプロピルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸塩(a36)の合成:
DMSO(30mL)中のa5(1g、4.52mmol)の攪拌溶液に、a35(1g、7.8mmol)、L-プロリン(208.31mg、1.81mmol)、ヨウ化銅(343.78mg、1.81mmol)、続いてCsCO(294.77mg、0.9000mmol)を室温で加え、次いで95℃でさらに16時間攪拌を継続した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(30mL)及びEtOAC(30mL)で希釈し、得られた粗生成物をセライトパッドを通して濾過した。濾液を分離し、水層をEtOAc(30mL)で洗浄し、合わせた有機層を、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗残渣を得た。得られた粗生成物を、20%のヘキサン中EtOAcを溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、a36(100mg、0.40mmol、収率9%)を固体として得た。
【0213】
5-(イソプロピルスルホニル)チオフェン-2-カルボン酸(a37)の合成:
THF(4mL)及び水(1 mL)中のa36(100mg、0.40mmol)の攪拌溶液に、室温でLiOH(48mg、1.2mmol)を加え、次いで同温度で攪拌を2時間続けた。反応混合物を2M HClで酸性化し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、a37(75mg、0.32mmol、収率79%)を得て、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0214】
5-(イソプロピルスルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物50)の合成:
DCM(5mL)中のa37(70mg、0.3mmol)及びa34(62.8mg、0.36mmol)の攪拌反応混合物に、HATU(227.2mg、0.6mmol)、続いてDIPEA(0.16mL、0.90mmol)を0℃で添加し、次いで同じ温度でさらに2時間攪拌を継続した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、水層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~60%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(100~200メッシュ)によって精製して、50(38mg、0.095mmol、収率31%)を固体として得た。HPLC:Rt 10.47分、98.21%、カラム:X SELECT ;プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90;流:1.0mL/分;希釈剤:ACN:水(80:20)。 LCMS:391.90(M-H),Rt 2.055 分,カラム:X-Select CSH C18(3.0*50)mm 2.5u;移動相:A:0.05%ギ酸の水溶液:ACN(95:05);B:ACN、注入体積:2.0μL、流量:1.2.mL/分;カラムオーブン温度:50℃ 勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.51(t,1H),7.92(d, 1H),7.79(d,1H),7.71(d,2H),7.55(d, 2H),4.56(d,2H),3.53(quin,1H),1.23(d,6H)。
【0215】
実施例52.N-(4-ジフルオロメチル)ベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物51)の合成:
【化70】
DCM(5mL)中のa4(200mg、0.97mmol)及びa38(167.65mg、1.07mmol)の攪拌溶液に、HATU(553.09mg、1.45mmol)、続いてDIPEA(0.51mL、2.91mmol)を0℃で加え、次いで同温度でさらに1時間攪拌を継続した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30~40%のヘプタン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、51(180mg、0.52mmol、収率53%)を固体として得た。HPLC:Rt 7.047分,99.416%;カラム:X Select CSH C18(150×4.6)mm,3.5μ;移動相A:0.1% FAの水溶液:ACN(95:05);移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流量:1.2ml/分 LCMS:345.80(M+H)、Rt 1.692分、カラム:X-Select CSH(3.0*50)mm 2.5u;移動相:A:0.05%ギ酸の水溶液:ACN(95:5);B:ACN、注入体積:2.0μL、流量:1.2.mL/分;カラムオーブン温度:50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ9.47(t,1H),7.89(d,1H),7.84(d,1H),7.56(d,2H),7.47(d,2H),7.03(t,1H),4.55(d,2H),3.40(s,3H)。
【0216】
実施例53.5-((2-メトキシエチル)スルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物52)の合成:
【化71】
5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸(a39)の合成
THF(45mL)及び水(20mL)中のa5(5g、22.62mmol)の撹拌溶液に、LiOH.HO(1.9g、45.23mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(20mL)で希釈した。水層をDCM(20mL)で洗浄し、2N HCl(20mL)を使用して酸性化した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、固体としてa39(4.9g、20.826mmol、収率92%)を固体として得た。
【0217】
5-ブロモ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(a41)の合成
DCM(50mL)中のa39(1.5g、7.24mmol)及びa40(1.52g、8.69mmol)の攪拌溶液に、HATU(4.13g、10.87mmol)、続いてDIPEA(2.52mL、14.49mmol)を0℃で添加し、次いで攪拌を0℃で1時間さらに続けた。反応混合物を、水(20mL)でクエンチし、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出しながら、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)で精製し、a41(2.32g、6.37mmol、収率87%)を固体として得た。
【0218】
5-((2-メトキシエチル)チオ)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(a43)の合成
1,4-ジオキサン(10mL)中のa41(600mg、1.65mmol)の攪拌溶液に、a42(303.67mg、3.3mmol)及びDIPEA(0.86mL、4.94mmol)を加えた。反応混合物を、N雰囲気下で20分間脱気し、その後、トリス(ジベンジリデン-アセトン)ジパラジウム(0)(150.87mg、0.16mmol)及び1,1’-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン(182.67mg、0.33mmol)を添加した。反応混合物に、110℃で1時間、マイクロ波を放射したした。反応混合物を、水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。次いで、得られた粗生成物を、10~20%のEtOAc/ヘキサンを溶出剤として使用したcombi-flashにより精製し、固体としてa43(510mg、1.3584mmol、収率82%)を得た。
【0219】
5-((2-メトキシエチル)スルホニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物52)の合成:
DCM(10mL)中のa43(400mg、1.07mmol)の攪拌溶液に、m-CPBA(551.59mg、3.2mmol)部分を0℃で添加し、次いで室温で2時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、水層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出することによる、Combi-Flashカラムクロマトグラフィー(100~200シリカゲル)によって精製して、52(303.33mg、0.7428mmol、収率69%)を固体として得た。 HPLC:Rt 9.378分,99.77%;カラム:X-Select CSH C18(150x4.6mm、3.5μm;移動相A:5mM NHHCO3、 移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/20、12/90、16/90、流量:1mL/分 希釈剤:ACN:水(20:80)。LCMS:406.20(M-H)、Rt 2.242 分、カラム:X-Bridge BEH C18(50*3)mm 2.5u;移動相:A:2.5mM重炭酸アンモニウムの水溶液;B:アセトニトリル;注入体積:2μL,流量:1.2mL/分;カラムオーブン温度45℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.49(t,1H),7.87(d,1H),7.80(d,1H),7.71(d,2H),7.54(d,2H),4.56(d,2H),3.78-3.71(m,2H),3.70-3.64(m,2H),3.15(s,3H)。
【0220】
実施例54.N-(4-(ジフルオロメチル)-2-メチルベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物53)の合成:
【化72】
4-(ジフルオロメチル)-2-メチルベンゾニトリル(a45)の合成:
DCM(4mL)中のa44(400mg、2.76mmol)の撹拌溶液に、DAST(1.84mL,13.78mmol)を0℃で添加し、室温で16時間撹拌を継続した。反応混合物を氷冷水に注ぎ、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO溶液ブラインン溶液(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。次いで、得られた粗生成物を、8%のイソヘキサン中EtOAcで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、液体としてa45(410mg、1.96mmol、収率71%)を得た。
【0221】
(4-(ジフルオロメチル)-2-メチルフェニル)メタンアミン(a46)の合成:
THF(5mL)中のa45(380mg、1.82mmol)の撹拌溶液に、LAH(2.73mL、5.46mmol)液滴で0℃で加えた。得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、15%NaOH溶液(5mL)でクエンチし、セライトを通して濾過した。濾液をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、a46(310mg、0.52mmol、収率29%)を固体として得た。
【0222】
N-(4-(ジフルオロメチル)-2-メチルベンジル)-5-(メチルスルホニル)チオフェン-2-カルボキサミド(化合物53)の合成:
DCM(3mL)中のa46(300mg、0.510mmol)及びa4(83mg、0.41mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.27mL、1.52mmol)及びHATU(232mg、0.61mmol)を0℃で添加し、次いで攪拌を同温度で1時間続けた。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、30%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのcombi-flashクロマトグラフィーによって精製して、53(75mg、0.20mmol、収率40%)を固体として得た。HPLC:Rt 6.672分,97.783 %;方法ファイル:HPLC-FORMIC ACID-XSELECT-10-90-100.lcm;カラム:X-Select CSH C18(4.6*150)mm,3.5u;移動相:A-0.1%ギ酸の水溶液:アセトニトリル(95:05);B-アセトニトリル;流量:1.0.mL/分;勾配プログラム:時間(分)/B濃度:0.01/10、6.0/90、10.0/100、12.0/100、14/10、18.0/10。LCMS:359.90(M+H),Rt 1.716 分,カラム:X-Select CSH(3.0*50)mm 2.5u;移動相:A:0.05%ギ酸の水溶液:ACN(95:5);B:ACN、注入体積:2.0μL、流量:1.2.mL/分;カラムオーブン温度:50℃、勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、B濃度は3.2分から4.0分まで0%。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ9.33(t,1H),7.91(d,1H),7.83(d,1H),7.40-7.37(m,3H),7.13-6.83(m,1H),4.50(d,2H),3.39(s,3H),2.38(s,3H)。
【0223】
実施例55.N((4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5-(メチルスルホニル)チオフェ-ネ-2-カルボキサミド(化合物54)の合成:
【化73】
DCM(3mL)中のa4(117.13mg、0.57mmol)及びa47(90mg、0.47mmol)の攪拌溶液に、DIPEA(0.25mL、1.42mmol)及びHATU(269.92mg、0.71mmol)を0℃で添加し、次いで攪拌を同温度で1時間続けた。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を、次に0~40%のヘキサン中EtOAcを溶出剤として使用するシリカゲルでのcombi-flashクロマトグラフィーによって精製して、54(80mg、0.2067mmol、収率43%)を固体として得た。HPLC:Rt 6.959分,97.8 %;カラム:X Select CSH C18(150×4.6)mm,3.5μ;移動相A:0.1% FAの水溶液:ACN(95:05);移動相B:アセトニトリル;勾配プログラム:T/B%:0.01/5、1/5、8/100、12/100、14/5、18/5、流量:1.2 ml/分。LCMS:378.75(M+H),Rt 1.668 分;カラム:X-Select CSH(3.0*50)mm 2.5u;移動相:A:0.05%ギ酸の水溶液:ACN(95:5);B:ACN、注入体積:2.0μL、流量:1.2.mL/分;カラムオーブン温度:50℃ 勾配プログラム:2.0分で0%B~98%B、3.0分まで保持、3.2分でB濃度0%上昇。H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.35(br t,1H),8.60(s,1H),7.86(d,1H),7.82(d,1H),7.78(s,1H),4.58(br d,2H),3.38(s,3H),2.46(s,3H)。
【0224】
実施例55.KCNT1の阻害における例示的な化合物の効力
KCNT1-パッチクランプアッセイ
KCNT1(KNa1.1、Slack)の阻害を、テトラサイクリン誘導性細胞株(HEK-TREX)を使用して評価した。SyncroPatch384PE自動パッチクランプシステムを使用して、電流を記録した。パルス生成及びデータ収集は、PatchController384 V1.3.0及びDataController384 V1.2.1(Nanion Technologies)で実施した。アクセス抵抗及び見かけの膜電気容量を、内蔵プロトコルを使用して推定した。電流は、細胞の集団から穿孔パッチモード(10μMのエスシン)で記録した。細胞をリフトし、研和し、800,000細胞/mLで再懸濁した。実験の前に細胞を細胞ホテル(cell hotel)で回復させた。電流を室温で記録した。外部溶液は、以下を含有した(単位mM):NaCl 105、NMDG 40、KCl 4、MgCl 1、CaCl 5、及びHEPES 10(pH=7.4、オスモル濃度約300mOsm)。洗浄溶液、参照溶液、及び化合物送達溶液として細胞外溶液を使用した。内部溶液は、以下を含有した(単位mM):NaCl 70、KF 70、KCl 10、EGTA 5、HEPES 5、及びEscin 0.01(pH=7.2、オスモル濃度約295mOsm)。エスシンは、5mMの水溶液ストックで作製し、分注して、-20℃で保管する。化合物プレートを細胞外溶液中で2倍濃縮して作製した。記録ウェルに添加する場合、化合物を1:2に希釈した。細胞外溶液中のDMSOの量を、最高試験濃度に対して使用されるレベルで一定に保持した。100msステップで-80mV~0mVの保持電位を使用した。0mVまでのステップ中に平均電流を測定した。100μMのBepridilを使用して、KCNT1電流を完全に阻害して、非KCNT1電流のオフライン減算を可能にした。3回の掃引からの平均の平均電流を計算し、各化合物の阻害%を計算した。化合物濃度の関数としての阻害%を、ヒル方程式と適合させて、IC50、傾斜、最小及び最大パラメータを導出した。KCNT1阻害が最高試験濃度で50%未満であった場合、又はIC50を計算することができなかった場合、IC50の代わりに阻害パーセントを報告した。
【0225】
このアッセイからの結果を、以下の表1に要約する。この表において、「A」は、1μM以下のIC50を示し、「B」は、1μM~20μMの阻害を示し、及び「C」は、20μM以上の阻害を示す。
【表1】
【0226】
等価物及び範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、別段その反対が示されるか、又は文脈から明白でない限り、一つ又は二つ以上を意味し得る。群の一つ以上の要素間に「又は」を含む請求項又は記載は、別段その反対が示されない限り、又は文脈から明白でない限り、群の要素のうちの一つ、二つ以上、又はすべてが所与の生成物又はプロセスに存在するか、それに用いられるか、又は関連する場合、満たされるとみなされる。本発明は、群の正確な一つの要素が、所与の生成物又はプロセスに存在するか、用いられるか、又は関連する実施形態を含む。本発明は、二つ以上、又はすべての群の要素が所与の生成物又はプロセスに存在するか、用いられるか、又は関連する実施形態を含む。
【0227】
さらに、本発明は、すべての変形、組み合わせ、及び順列を包含し、列挙されている請求項のうちの一つ以上からの一つ以上の制限、要素、節、及び記載される用語が別の請求項に導入される。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項に見出される一つ以上の制限を含むように修正され得る。要素が、一覧として、例えば、Markush群形式で提示される場合、要素の各サブグループも開示され、いずれの要素もこの群から除去され得る。概して、本発明、又は発明の態様が特定の要素及び/又は特色を含むとみなされる場合、本発明のある特定の実施形態又は発明の態様が、かかる要素及び/又は特色からなるか、又は本質的にそれらからなることが理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの実施形態は、本明細書で具体的に逐語的には記載されていない。用語「含むこと」及び「含有すること」は、開放的であるように意図され、追加の要素又はステップの包含を許容することも、また留意されたい。範囲が与えられている場合、端点が含まれる。さらに、別段示されない限り、又は文脈及び当業者の理解から明白でない限り、範囲として表される値は、別段文脈が明確に示さない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態の記載された範囲内の任意の特定の値又は部分範囲であると見なされ得る。
【0228】
本出願は、様々な発行された特許、公開された特許出願、学術記事、及び他の刊行物を参照し、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれている参考文献のうちのいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合は、本明細書を優先するものとする。加えて、先行技術範囲内の本発明の任意の特定の実施形態は、請求項のうちのいずれか一つ以上から明らかに除外され得る。かかる実施形態は、当業者に既知であるとみなされるので、除外が明らかに本明細書に記載されていない場合でさえも除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連するかどうかに関わらず、あらゆる理由により、いずれの請求項からも除外され得る。
【0229】
当業者は、ただの通常の実験を使用して、本明細書に記載の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、又は確認することが可能であろう。本明細書に記載の本実施形態の範囲は、上の発明を実施するための形態に限定されることを意図せず、むしろ添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。以下の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、この記載への様々な変更及び修正を行うことができることを、当業者は理解するであろう。
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【国際調査報告】