(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ラインレーザーによる障害物回避方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230725BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20230725BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500363
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2021099648
(87)【国際公開番号】W WO2022007591
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010640093.X
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441349
【氏名又は名称】追▲べき▼創新科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dreame Innovation Technology (Suzhou) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Bldg. E3, Shangjinwan Headquarters Economic Park, 2288 Wuzhong Ave., Yuexi St., Wuzhong Dist., Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 徳重
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL06
5H301LL12
(57)【要約】
本出願はラインレーザーによる障害物回避方法及び装置を開示している。方法は、交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップと、ターゲット領域画像を採集するステップと、ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップと、輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップと、障害物が存在し、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると、掃除機は障害物を回避するステップと、障害物が存在しなく、又は、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと、掃除機はターゲット領域を通過するステップと、を含む。レーザーは反射された後、カメラに撮られ、カメラはレーザーピクチャを撮った後、ピクチャにおける輝点に対して座標分析を行って、電源ラインなどの障害物を認識し、絡み合い及び衝突を防止し、断崖及び高すぎた下り階段も認識でき、落下を防止し、さらに、障害物乗り越え能力内の上り階段も認識でき、掃除漏れを防止し、主動的な障害物回避を実現し、掃除機の動作効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインレーザーによる障害物回避方法であって、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップと、
ターゲット領域画像を採集するステップと、
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップと、
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップと、
前記障害物が存在し、前記障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると、掃除機は前記障害物を回避するステップと、
前記障害物が存在しないと、前記掃除機は前記ターゲット領域を通過するステップと、を含むことを特徴とする障害物回避方法。
【請求項2】
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップは、
2つのラインレーザー発射器を前記掃除機の側面に装着するステップと、
水平を基準とし、2つの前記ラインレーザー発射器の発射範囲を何れも上15°下20°にするステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項3】
ターゲット領域画像を採集するステップは、
カメラによって前記ターゲット領域画像を採集するステップと、
前記カメラを前記掃除機の側面に装着し、2つの前記ラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置させるステップと、
水平を基準とし、前記カメラの撮影範囲を上35°下35°にするステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の障害物回避方法。
【請求項4】
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップは、
光平面較正法によって前記ターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換するステップと、
地面を見つけ出すステップと、
前記地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の障害物回避方法。
【請求項5】
地面を見つけ出すステップは、
前記ターゲット領域画像における一部の領域の前記三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算するステップと、
前記高さの平均二乗誤差に基づいて、前記一部の領域の高さ平坦度を分析して前記一部の領域が地面であるかどうかを決定するステップ、
又は、前記一部の領域と前記掃除機との距離に基づいて、前記一部の領域が地面であるかどうかを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項6】
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
三次元世界座標系において、全ての前記輝点の、前記地面に対する高低差を計算するステップと、
前記高低差に基づいて、前記ラインレーザーが前記障害物に当たったかどうかを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項7】
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算した後、
前記輝点座標に基づいて、前記ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識するステップと、
前記ターゲット領域が断崖であれば、前記掃除機は前記ターゲット領域を回避するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の障害物回避方法。
【請求項8】
2つの前記ラインレーザー発射器が前記ターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の障害物回避方法。
【請求項9】
前記2本のラインレーザーが所在する平面は何れも地面に垂直することを特徴とする請求項8に記載の障害物回避方法。
【請求項10】
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
連続したN枚画像における前記輝点座標に基づいて、前記ターゲット領域における障害物の高さ、長さ及び幅を決定するステップと、
前記障害物の高さ、長さ及び幅に基づいて、前記障害物が所定の障害物乗り越え範囲にあるかどうかを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の障害物回避方法。
【請求項11】
ラインレーザーによる障害物回避装置であって、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射する2つのラインレーザー発射器と、
ターゲット領域画像を採集するカメラと、
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算する処理ユニットと、を含み、
前記処理ユニットはさらに、前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定し、前記障害物が存在し、前記処理ユニットは前記障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると計算すれば、制御ユニットは前記障害物を回避するように掃除機を制御し、
前記障害物が存在しなく、又は、前記処理ユニットは前記障害物の高さが前記所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと計算すれば、前記制御ユニットは前記ターゲット領域を通過するように前記掃除機を制御することを特徴とする障害物回避装置。
【請求項12】
2つの前記ラインレーザー発射器は前記掃除機の側面に装着され、
水平を基準とし、2つの前記ラインレーザー発射器の発射範囲は何れも上15°下20°であることを特徴とする請求項11に記載の障害物回避装置。
【請求項13】
前記カメラは前記掃除機の側面に装着され、2つの前記ラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置し、
水平を基準とし、前記カメラの撮影範囲は上35°下35°であることを特徴とする請求項12に記載の障害物回避装置。
【請求項14】
前記処理ユニットは、
光平面較正法によって前記ターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換し、
地面を見つけ出し、
前記地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するように配置されることを特徴とする請求項11~13の何れか1項に記載の障害物回避装置。
【請求項15】
前記処理ユニットは、
前記ターゲット領域画像における一部の領域の前記三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算し、
前記高さの平均二乗誤差に基づいて、前記一部の領域の高さ平坦度を分析して前記一部の領域が地面であるかどうかを決定し、
又は、前記一部の領域と前記掃除機との距離に基づいて、前記一部の領域が地面であるかどうかを判定するように配置されることを特徴とする請求項14に記載の障害物回避装置。
【請求項16】
前記処理ユニットは、
三次元世界座標系において、全ての前記輝点の、前記地面に対する高低差を計算し、
前記高低差に基づいて、前記ラインレーザーが前記障害物に当たったかどうかを判定するように配置されることを特徴とする請求項14に記載の障害物回避装置。
【請求項17】
前記処理ユニットは、
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識し、
前記ターゲット領域が断崖であれば、前記掃除機は前記ターゲット領域を回避するように配置されることを特徴とする請求項11~13の何れか1項に記載の障害物回避装置。
【請求項18】
2つの前記ラインレーザー発射器が前記ターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°であることを特徴とする請求項11~13の何れか1項に記載の障害物回避装置。
【請求項19】
前記2本のラインレーザーが所在する平面は何れも地面に垂直することを特徴とする請求項18に記載の障害物回避装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はロボット掃除機の技術分野に関し、具体的にラインレーザーによる障害物回避方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の発展及び人々の、生活品質に対する要求の継続的な向上に連れて、スマートホーム製品はだんだん人々の日常生活に出現し、代表としてのロボット掃除機はますます人々から好まれて、ロボット掃除機は人の代わりとして、領域に対する掃除動作を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のロボット掃除機市場において、大部分のロボット掃除機は障害物認識且つ主動的な障害物回避の機能を具備していない。主に衝突によってトリガして障害物を形成する。主動的な障害物回避の機能を具備していないロボット掃除機のユーザーエクスペリエンスが悪く、家具及び壁面に対する損害が大きく、掃除不能な小さな障害物のため、掃除機の引っ掛かり、及び掃除機ロールブラシの絡み合いの発生確率も大きくなる。
【0004】
これに鑑みると、従来技術においてロボット掃除機が主動的な障害物回避の機能を具備していないため、ロボット掃除機のユーザーエクスペリエンスが悪く、家具及び壁面に対する損害が大きく、掃除不能な小さな障害物のため、掃除機の引っ掛かり、及び掃除機ロールブラシの絡み合いの発生確率も大きくなるという問題を解決するために、本出願はラインレーザーによる障害物回避方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願はラインレーザーによる障害物回避方法を提供し、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップと、
ターゲット領域画像を採集するステップと、
ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップと、
輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップと、
障害物が存在し、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると、掃除機は障害物を回避するステップと、
障害物が存在しなく、又は、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと、掃除機はターゲット領域を通過するステップと、を含む。
【0006】
好ましくは、2つのラインレーザー発射器は交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップは、
2つのラインレーザー発射器を掃除機の側面に装着するステップと、
水平を基準とし、2つのラインレーザー発射器の発射範囲を何れも上15°下20°にするステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、ターゲット領域画像を採集するステップは、
カメラによってターゲット領域画像を採集するステップと、
カメラを掃除機の側面に装着し、2つのラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置させるステップと、
水平を基準とし、カメラの撮影範囲を上35°下35°にするステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップは、
光平面較正法によってターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換するステップと、
地面を見つけ出すステップと、
地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、地面を見つけ出すステップは、
ターゲット領域画像における一部の領域の三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算するステップと、
高さの平均二乗誤差に基づいて一部の領域の高さ平坦度を分析して、一部の領域が地面であるかどうかを決定するステップ、
又は、一部の領域と掃除機との距離に基づいて、一部の領域が地面であるかどうかを判定するステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
三次元世界座標系において、全ての輝点の、地面に対する高低差を計算するステップと、
高低差に基づいて、ラインレーザーが障害物に当たったかどうかを判定するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算した後、
輝点座標に基づいて、ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識するステップと、
ターゲット領域が断崖であれば、掃除機はターゲット領域を回避するステップと、をさらに含む。
【0012】
好ましくは、2つのラインレーザー発射器がターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°である。
【0013】
好ましくは、輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
連続したN枚画像における輝点座標に基づいて、ターゲット領域における障害物の高さ、長さ及び幅を決定するステップと、
障害物の高さ、長さ及び幅に基づいて、障害物が所定の障害物乗り越え範囲にあるかどうかを判定するステップと、を含む。
【0014】
本出願はラインレーザーによる障害物回避装置をさらに提供し、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射する2つのラインレーザー発射器と、
ターゲット領域画像を採集するカメラと、
ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算する処理ユニットと、を含み、
処理ユニットはさらに、輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定し、障害物が存在し、処理ユニットは障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると計算すれば、制御ユニットは障害物を回避するように掃除機を制御し、
障害物が存在しなく、又は、処理ユニットは障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと計算すれば、制御ユニットはターゲット領域を通過するように掃除機を制御する。
【0015】
好ましくは、2つのラインレーザー発射器は掃除機の側面に装着され、
水平を基準とし、2つのラインレーザー発射器の発射範囲は何れも上15°下20°である。
【0016】
好ましくは、カメラは掃除機の側面に装着され、2つのラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置し、
水平を基準とし、カメラの撮影範囲は上35°下35°である。
【0017】
好ましくは、処理ユニットは、
光平面較正法によってターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換し、
地面を見つけ出し、
地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するように配置される。
【0018】
好ましくは、処理ユニットは、
ターゲット領域画像における一部の領域の三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算し、
高さの平均二乗誤差に基づいて一部の領域の高さ平坦度を分析して、一部の領域が地面であるかどうかを決定し、
又は、一部の領域と掃除機との距離に基づいて、一部の領域が地面であるかどうかを判定するように配置されることを特徴とする。
【0019】
好ましくは、処理ユニットは、
三次元世界座標系において、全ての輝点の、地面に対する高低差を計算し、
高低差に基づいて、ラインレーザーが障害物に当たったかどうかを判定するように配置される。
【0020】
好ましくは、処理ユニットは、
輝点座標に基づいて、ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識し、
ターゲット領域が断崖であれば、掃除機がターゲット領域を回避するように配置される。
【0021】
好ましくは、2つのラインレーザー発射器がターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°である。
【発明の効果】
【0022】
本出願が提供するラインレーザーによる障害物回避方法及び装置において、撮影領域にレーザーを照射し、レーザーは反射された後、カメラに撮られ、カメラはレーザーピクチャを撮った後、ピクチャにおける輝点に対して座標分析を行って、電源ラインなどの障害物を認識し、絡み合い及び衝突を防止し、断崖及び高すぎた下り階段も認識でき、落下を防止し、さらに、障害物乗り越え能力内の上り階段も認識でき、掃除漏れを防止し、主動的な障害物回避を実現し、掃除機の動作効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面を参照することで、本発明の特徴及び利点をより明らかに理解でき、図面は本発明に対する限定ではなく、模式的なものである。
【
図1】本出願のラインレーザーによる障害物回避方法のフローチャートを示す。
【
図2】本出願のラインレーザーによる障害物回避方法の4つの適用シナリオを示す。
【
図3】本出願の、ラインレーザーによる障害物回避方法を適用した掃除機の側面構造図を示す。
【
図4】本出願の、ラインレーザーによる障害物回避方法を適用したレーザー及び撮影範囲図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例の目的、技術的解決策及び利点をより明らかにするために、以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術的解決策を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本発明の保護範囲に属している。
【0025】
本出願はラインレーザーによる障害物回避方法を提供し、
図1に示すように、以下のステップを含み、
ステップS10:交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射する。
【0026】
本実施例において、2本のラインレーザーが所在する平面から形成された夾角は90度であり、2本のラインレーザーが所在する平面は何れも地面に垂直する。2本のラインレーザーの夾角は90度であると、少なくとも1本のラインレーザーと障害物との、ロボット掃除機カメラに対向する一面の夾角が90度ではないことを確保できる。
【0027】
ステップS20:ターゲット領域画像を採集する。
【0028】
本実施例において、レーザー発射器が発射したレーザーは反射された後、カメラに撮られ、カメラはレーザーピクチャを撮った後、画素行ごとに輝点を検索して見つける。
【0029】
ステップS30:ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算する。
【0030】
本実施例において、光平面方程式によってレーザー輝点の二次元画素座標を三次元座標に変換する。
【0031】
ステップS40:輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定する。
【0032】
本実施例において、輝点の三次元座標から分析することで高さ情報を取得し、高さ情報に基づいてレーザーが照射する物品は障害物であるかどうかを判定する。
【0033】
具体的な実施例において、輝点とロボット掃除機との間の距離によって地面情報を迅速に判定する。
【0034】
ステップS51:障害物が存在し、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると、掃除機は障害物を回避する。
【0035】
本実施例において、
図2に示すように、状況A、Bの上り・下り階段状況について、障害物乗り越え範囲内の高さであれば何れも通過でき、障害物乗り越え範囲外であれば、何れも回避できる。状況Cの、本体より低い障害物であれば、何れも認識でき、そして、周囲の障害物状況に基づいて、掃除可能な障害物であるか、それとも回避対象となる障害物であるかを判定する。状況Dの断崖状況について、地面状況を認識することで、断崖であるかどうかを判定して、正確に回避できる。
【0036】
ステップS52:障害物が存在しなく、又は、障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと、掃除機はターゲット領域を通過する。
【0037】
本実施例において、
図2に示すように、状況A、B、Cにおける障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲内にあり、即ち、障害物の高さが2センチメートル以下であれば、掃除機は障害物を乗り越えることができる。
【0038】
本実施例が提供するラインレーザーによる障害物回避方法において、撮影領域にレーザーを照射し、レーザーは反射された後、カメラに撮られ、カメラはレーザーピクチャを撮った後、ピクチャにおける輝点に対して座標分析を行って、電源ラインなどの障害物を認識し、絡み合い及び衝突を防止し、断崖及び高すぎた下り階段も認識でき、落下を防止し、さらに、障害物乗り越え能力内の上り階段も認識でき、掃除漏れを防止し、主動的な障害物回避を実現し、掃除機の動作効率を向上させる。
【0039】
好適な実施形態として、ステップS10は、2つのラインレーザー発射器31を掃除機の側面に装着するステップと、水平を基準とし、2つのラインレーザー発射器31の発射範囲を何れも上15°下20°にするステップと、を含む。
【0040】
図3に示すように、レーザー発射器から発射したレーザーは掃除機付近の領域に照射する。
【0041】
好適な実施形態として、ステップS20は、
カメラ32によってターゲット領域画像を採集するステップと、
カメラ32を掃除機の側面に装着し、2つのラインレーザー発射器31の中央よりも上部に位置させるステップと、
水平を基準とし、カメラ32の撮影範囲を何れも上35°下35°にするステップと、を含む。
【0042】
本実施例において、
図3に示すように、カメラの、地面に対する撮影範囲は、レーザー発射器の照射範囲より広い。
【0043】
好適な実施形態として、ステップS30は、
光平面較正法によってターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換するステップと、
地面を見つけ出すステップと、
地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するステップと、を含む。
【0044】
本実施例において、三次元座標を取得した後、分析して地面領域の三次元座標におけるz軸の高さを見つけてから、他の平面と地面との間の高低差を計算する。地面情報の高さを基準とし、他の非地面の高さと地面の高さとの高低差を計算し、障害物乗り越えの高さ範囲外であれば、障害物である。
【0045】
好適な実施形態として、地面を見つけ出すステップは、
ターゲット領域画像における一部の領域の三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算するステップと、
高さの平均二乗誤差に基づいて一部の領域の高さ平坦度を分析して、一部の領域が地面であるかどうかを決定するステップ、
又は、一部の領域と掃除機との距離に基づいて、一部の領域が地面であるかどうかを判定するステップと、を含む。
【0046】
本実施例において、測定誤差の原因で、実際の測定は―2mm又は―5mmである可能性があり、安定度解析によって、地面が所在する高さを確認する。又は、画像における、掃除機に近い領域に基づいて、地面情報を決定する。
【0047】
好適な実施形態として、ステップS40は、
三次元世界座標系において、全ての輝点の、地面に対する高低差を計算するステップと、
高低差に基づいて、ラインレーザーが障害物に当たったかどうかを判定するステップと、を含む。
【0048】
本実施例において、三次元座標は障害物の位置(x、y)及び高さ情報(z)を含み、高さ情報(z)と、ステップS30で見つけ出された地面の高さとの間の高低差に基づいて、レーザー照射領域には障害物が存在するかどうかを判定する。
【0049】
好適な実施形態として、ステップS30の後、
輝点座標に基づいて、ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識するステップと、
ターゲット領域が断崖であれば、掃除機はターゲット領域を回避するステップと、をさらに含む。
【0050】
本実施例において、
図2の状況Dに示すように、画像の輝点は断崖の縁で切断され、これによって、撮られた画像が断崖、例えば、階段であると判定すれば、掃除機は当該領域を回避する。
【0051】
好適な実施形態として、2つのラインレーザー発射器31がターゲット領域に発射した2本のラインレーザー3101及び3102から形成された夾角は90°である。
【0052】
本実施例において、
図4に示すように、カメラ32は2つのラインレーザー発射器31の中間に位置し、カメラ32及び2つのラインレーザー発射器31は何れも掃除機30の側面に装着される。
【0053】
2つのラインレーザー発射器31がターゲット領域に発射した2本のラインレーザー3101と3102との交差点は、2つのカメラ32の撮影範囲3201内に位置する。
【0054】
具体的な実施例において、レーザーの照射範囲及びカメラの撮影範囲は、何れも掃除機での装着高さに基づいて調節されてもよい。
【0055】
好適な実施形態として、ステップS40は、
連続したN枚画像における輝点座標に基づいて、ターゲット領域における障害物の高さ、長さ及び幅を決定するステップと、
障害物の高さ、長さ及び幅に基づいて、障害物が所定の障害物乗り越え範囲にあるかどうかを判定するステップと、を含む。
【0056】
本実施例において、
図2の状況Cについて、画像の輝点は3段であり、そのうちの2段は連続し、他の1段は前の2段と切断され、連続した2段の輝点には折曲が存在し、このような状況であれば、障害物が存在すると決定する。具体的な実施例において、撮られた障害物の第1番目の画像~最後の画像を、連続したN枚の画像の選択標準とする。
【0057】
障害物の高さは、全ての輝点の、地面に対する高低差に基づいて計算して取得される。障害物の長さ及び幅は、輝点のx軸・y軸座標に基づいて計算して取得される。
【0058】
具体的な実施形態において、
図2の状況A及び状況Bについて、輝点座標情報から分かるように、画像におけるものは階段であり、階段の高さが2センチメートル以下であれば、ロボット掃除機は通過でき、階段高さが2センチメートル以上であれば、ロボット掃除機は回避する。
図2の状況Cについて、障害物は電線であれば、連続した複数の画像によって電線の分布状況を判定でき、また、電線の高さは2センチメートル以下であっても、ロボット掃除機もこの場所の障害物を回避し、
図2の状況Dについて、輝点はある領域で切断され、階段の高さを測定できないと、当該領域が断崖であると判定し、ロボット掃除機は回避する。
【0059】
本出願はラインレーザーによる障害物回避装置をさらに提供し、交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射する2つのラインレーザー発射器と、ターゲット領域画像を採集するカメラと、ターゲット領域画像における、ラインレーザーから形成された輝点座標を計算する処理ユニットと、を含み、処理ユニットはさらに、輝点座標に基づいて、ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定し、障害物が存在し、処理ユニットは障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると計算すれば、制御ユニットは障害物を回避するように掃除機を制御し、障害物が存在しなく、又は、処理ユニットは障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと計算すれば、制御ユニットはターゲット領域を通過するように掃除機を制御する。
【0060】
好適な実施形態として、2つのラインレーザー発射器は掃除機の側面に装着され、水平を基準とし、2つのラインレーザー発射器の発射範囲は何れも上15°下20°である。
【0061】
好適な実施形態として、カメラは掃除機の側面に装着され、2つのラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置し、水平を基準とし、カメラの撮影範囲は上35°下35°である。
【0062】
好適な実施形態として、処理ユニットは、光平面較正法によってターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換し、地面を見つけ出し、地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するように配置される。
【0063】
好適な実施形態として、処理ユニットは、ターゲット領域画像における一部の領域の三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算し、高さの平均二乗誤差に基づいて一部の領域の高さ平坦度を分析して、一部の領域が地面であるかどうかを決定し、又は、一部の領域と掃除機との距離に基づいて、一部の領域が地面であるかどうかを判定するように配置されることを特徴とする。
【0064】
好適な実施形態として、処理ユニットは、三次元世界座標系において、全ての輝点の、地面に対する高低差を計算し、高低差に基づいて、ラインレーザーが障害物に当たったかどうかを判定するように配置される。
【0065】
好適な実施形態として、処理ユニットは、輝点座標に基づいて、ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識し、ターゲット領域が断崖であれば、掃除機はターゲット領域を回避するように配置される。
【0066】
好適な実施形態として、2つのラインレーザー発射器がターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°である。
【0067】
上記ラインレーザーによる障害物回避装置の具体的な細部について、
図1~
図4の実施例の対応する関連記載及び効果を参照して理解すればよく、ここで、贅言していない。
【0068】
当業者であれば理解できるように、コンピュータプログラムによって関連ハードウェアに命令することで、上記実施例方法における全て又は一部のフローを実現し、上記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムは実行される場合、上記各方法の実施例のフローを含んでもよい。前記記憶媒体は磁気ディスク、光学ディスク、読み出し専用メモリ(Read―Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク(Hard Disk Drive、略語:HDD)又はソリッドステートドライブ(Solid―State Drive、SSD)などであってもよく、前記記憶媒体は上記種類のメモリの組み合わせを含んでもよい。
【0069】
図面を結合して本発明の実施例を記載したが、当業者は本発明の精神及び範囲から逸脱しない場合、さまざまな補正及び変更を行ってもよく、このような補正及び変更は何れも添付の請求項に限定された範囲内に該当する。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインレーザーによる障害物回避方法であって、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップと、
ターゲット領域画像を採集するステップと、
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップと、
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップと、
前記障害物が存在し、前記障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると、掃除機は前記障害物を回避するステップと、
前記障害物が存在しないと、前記掃除機は前記ターゲット領域を通過するステップと、を含むことを特徴とする障害物回避方法。
【請求項2】
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射するステップは、
2つのラインレーザー発射器を前記掃除機の側面に装着するステップと、
水平を基準とし、2つの前記ラインレーザー発射器の発射範囲を何れも上15°下20°にするステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の障害物回避方法。
【請求項3】
ターゲット領域画像を採集するステップは、
カメラによって前記ターゲット領域画像を採集するステップと、
前記カメラを前記掃除機の側面に装着し、2つの前記ラインレーザー発射器の中央よりも上部に位置させるステップと、
水平を基準とし、前記カメラの撮影範囲を上35°下35°にするステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の障害物回避方法。
【請求項4】
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算するステップは、
光平面較正法によって前記ターゲット領域画像における二次元画素座標を三次元世界座標に変換するステップと、
地面を見つけ出すステップと、
前記地面の高さを基準とし、非地面の高さを計算するステップと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の障害物回避方法。
【請求項5】
地面を見つけ出すステップは、
前記ターゲット領域画像における一部の領域の前記三次元世界座標の高さの平均二乗誤差を計算するステップと、
前記高さの平均二乗誤差に基づいて、前記一部の領域の高さ平坦度を分析して前記一部の領域が地面であるかどうかを決定するステップ、
又は、前記一部の領域と前記掃除機との距離に基づいて、前記一部の領域が地面であるかどうかを判定するステップと、を含
み、又は、
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
三次元世界座標系において、全ての前記輝点の、前記地面に対する高低差を計算するステップと、
前記高低差に基づいて、前記ラインレーザーが前記障害物に当たったかどうかを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の障害物回避方法。
【請求項6】
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算した後、
前記輝点座標に基づいて、前記ターゲット領域が断崖であるかどうかを認識するステップと、
前記ターゲット領域が断崖であれば、前記掃除機は前記ターゲット領域を回避するステップと、をさらに含
み、又は、
前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定するステップは、
連続したN枚画像における前記輝点座標に基づいて、前記ターゲット領域における障害物の高さ、長さ及び幅を決定するステップと、
前記障害物の高さ、長さ及び幅に基づいて、前記障害物が所定の障害物乗り越え範囲にあるかどうかを判定するステップと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の障害物回避方法。
【請求項7】
2つの前記ラインレーザー発射器が前記ターゲット領域に発射した2本のラインレーザーから形成された夾角は90°であることを特徴とする請求項
1に記載の障害物回避方法。
【請求項8】
前記2本のラインレーザーが所在する平面は何れも地面に垂直することを特徴とする請求項
7に記載の障害物回避方法。
【請求項9】
交差した前記2本の前記ラインレーザーが所在する平面は何れも地面に垂直し、
前記連続したN枚の画像の選択標準は、撮られた前記障害物の第1番目の画像~最後の画像とすることを特徴とする請求項6に記載の障害物回避方法。
【請求項10】
ラインレーザーによる障害物回避装置であって、
交差した2本のラインレーザーをターゲット領域に発射する2つのラインレーザー発射器と、
ターゲット領域画像を採集するカメラと、
前記ターゲット領域画像における、前記ラインレーザーから形成された輝点座標を計算する処理ユニットと、を含み、
前記処理ユニットはさらに、前記輝点座標に基づいて前記ターゲット領域には障害物が存在するかどうかを判定し、前記障害物が存在し、前記処理ユニットは前記障害物の高さが所定の障害物乗り越え範囲を超えると計算すれば、制御ユニットは前記障害物を回避するように掃除機を制御し、
前記障害物が存在しなく、又は、前記処理ユニットは前記障害物の高さが前記所定の障害物乗り越え範囲を超えていないと計算すれば、前記制御ユニットは前記ターゲット領域を通過するように前記掃除機を制御することを特徴とする障害物回避装置。
【国際調査報告】