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▶ ゼノ ロイアルティー アンド マイルストーンズ リミテッド ライアビリティー カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】WEE1阻害剤の塩及び形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230725BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230725BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
C07D487/04 143
A61K31/519
A61P35/02
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501229
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 US2021070851
(87)【国際公開番号】W WO2022011391
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/049,996
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518346476
【氏名又は名称】リキュリウム アイピー ホールディングス リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,チャド ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ピーター キンファ
(72)【発明者】
【氏名】バンカー,ケビン デュアン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE04
4C050FF10
4C050GG04
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB06
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
化合物Aのアジピン酸塩形態Aなどの塩及び遊離塩基形態は、WEE1阻害剤である。そのような塩及び/又は形態及び遊離塩基形態、並びにその薬学的に許容される塩及び組成物は、乳がんなどの過剰な細胞増殖によって特徴付けられる病態を含む、疾病又は病態を治療するのに有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)-2-アリル-1-(7-エチル-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-2-イル)-6-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-オン(化合物A)であって、
【化1】

化合物Aが、結晶性遊離塩基形態又は薬学的に許容される塩形態である、
化合物A。
【請求項2】
前記化合物が、化合物Aの結晶性遊離塩基形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記結晶性遊離塩基形態が、化合物Aの遊離塩基形態A、化合物Aの遊離塩基形態B、化合物Aの遊離塩基形態C、化合物Aの遊離塩基形態D、化合物Aの遊離塩基形態E、化合物Aの遊離塩基形態F、化合物Aの遊離塩基形態G、化合物Aの遊離塩基形態H、化合物Aの遊離塩基形態I及び化合物Aの遊離塩基形態Jからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、化合物Aの薬学的に許容される塩形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物Aの薬学的に許容される塩形態が、アジピン酸塩形態A、HCl塩形態A、HCl塩形態B、硫酸塩形態A、硫酸塩形態B、メシル酸塩形態A、マレイン酸塩形態A、リン酸塩形態A、酒石酸塩形態A、トシル酸塩形態A、ムチン酸塩形態A及び馬尿酸塩形態Aからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物Aの薬学的に許容される塩形態が、アジピン酸塩形態Aである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記アジピン酸塩形態Aが、X線粉末回折パターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられ、前記1つ以上のピークが、15.40度2θ±0.2度2θ、16.58度2θ±0.2度2θ、22.12度2θ±0.2度2θ又は22.88度2θ±0.2度2θから選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記アジピン酸塩形態Aが、図1Bに示される代表的なX線粉末回折パターンに対応するX線粉末回折パターンスペクトルを有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
前記アジピン酸塩形態Aが、約75℃~約183℃の範囲の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
前記アジピン酸塩形態Aが、約179℃での吸熱を含むDSCサーモグラムによって特
徴付けられる、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
前記アジピン酸塩形態Aが、約29℃から約150℃に加熱したときの約2.3%の重量損失によって特徴付けられる、請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
前記アジピン酸塩形態Aが、図2に示される代表的なDSC及び/又は熱重量分析(TGA)サーモグラムに対応するDSC及び/又はTGAサーモグラムを有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項13】
前記結晶性遊離塩基形態が、化合物Aの結晶性遊離塩基形態Eである、請求項3に記載の化合物。
【請求項14】
前記遊離塩基形態Eが、X線粉末回折パターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられ、前記1つ以上のピークが、6.20度2θ±0.2度2θ、12.40度2θ±0.2度2θ、18.96度2θ±0.2度2θ又は22.62度2θ±0.2度2θから選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記遊離塩基形態Eが、図31に示される代表的なX線粉末回折パターンに対応するX線粉末回折パターンスペクトルを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記遊離塩基形態Eが、約105℃~約125℃の範囲の吸熱を含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
前記遊離塩基形態Eが、約115℃での吸熱を含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
前記遊離塩基形態Eが、約28から℃約150℃に加熱したときの約3.8%の重量損失によって特徴付けられる、請求項13に記載の化合物。
【請求項19】
前記遊離塩基形態Eが、図32に示される代表的なDSC及び/又はTGAサーモグラムに対応するDSC及び/又はTGAサーモグラムを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項20】
前記遊離塩基形態Eが、水和物である、請求項13に記載の化合物。
【請求項21】
前記結晶性遊離塩基形態が、化合物Aの結晶性遊離塩基形態Fである、請求項3に記載の化合物。
【請求項22】
前記遊離塩基形態Fが、X線粉末回折パターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられ、前記1つ以上のピークが、5.14度2θ±0.2度2θ、6.24度2θ±0.2度2θ、10.19度2θ±0.2度2θ又は12.40度2θ±0.2度2θから選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記遊離塩基形態Fが、図33に示される代表的なX線粉末回折パターンに対応するX線粉末回折パターンスペクトルを有する、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
前記遊離塩基形態Fが、約163℃~約171℃の範囲の吸熱を含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
前記遊離塩基形態Fが、約167℃での吸熱を含むDSCサーモグラムによって特徴付
けられる、請求項21に記載の化合物。
【請求項26】
前記遊離塩基形態Fが、約22℃から約150℃に加熱したときの約0.9%の重量損失によって特徴付けられる、請求項21に記載の化合物。
【請求項27】
前記遊離塩基形態Fが、図34に示される代表的なDSC及び/又はTGAサーモグラムに対応するDSC及び/又はTGAサーモグラムを有する、請求項21に記載の化合物。
【請求項28】
前記遊離塩基形態Fが、無水物である、請求項21に記載の化合物。
【請求項29】
前記結晶性遊離塩基形態が、化合物Aの結晶性遊離塩基形態Jである、請求項3に記載の化合物。
【請求項30】
前記遊離塩基形態Jが、X線粉末回折パターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられ、前記1つ以上のピークが、6.08度2θ±0.2度2θ、10.58度2θ±0.2度2θ、19.42度2θ±0.2度2θ、21.93度2θ±0.2度2θ又は23.23度2θ±0.2度2θから選択される、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
前記遊離塩基形態Jが、図40に示される代表的なX線粉末回折パターンに対応するX線粉末回折パターンスペクトルを有する、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
前記遊離塩基形態Jが、無水物である、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
有効量の請求項1~32のいずれか一項に記載の結晶性形態と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせと、を含む、医薬組成物。
【請求項34】
悪性増殖又は腫瘍を寛解又は治療するための医薬の製造における、有効量の請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、
前記悪性増殖又は腫瘍が、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、脳がん、脳頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、肺がん、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫から選択されるがんに起因する、
使用。
【請求項35】
前記がんが、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん又は外陰がんである、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
悪性増殖又は腫瘍の寛解又は治療に使用するための、請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物であって、
前記悪性増殖又は腫瘍が、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、脳がん、脳頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、肺がん、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性
リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫から選択されるがんに起因する、
化合物。
【請求項37】
前記がんが、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん又は外陰がんである、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
悪性増殖又は腫瘍を寛解又は治療するための方法であって、
それを必要とする対象に、有効量の請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含み、
前記悪性増殖又は腫瘍が、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、脳がん、脳頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、肺がん、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫から選択されるがんに起因する、
方法。
【請求項39】
悪性増殖又は腫瘍を寛解又は治療するための方法であって、
それを必要とする対象に対して、前記悪性増殖又は腫瘍を、有効量の請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含み、
前記悪性増殖又は腫瘍が、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、脳がん、脳頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、肺がん、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫から選択されるがんに起因する、
方法。
【請求項40】
前記がんが、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん又は外陰がんである、請求項38又は39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
任意の優先権出願を参照することによる組み込み
本出願と共に提出される出願データシートにおいて、外国又は国内優先権の主張が確認される任意かつ全ての出願が、米国特許法施行規則第1.57条に基づき、参照により本明細書に組み込まれ、これには、2020年7月9日に出願された米国特許仮出願第63/049996号が含まれる。
【0002】
本出願は、WEE1阻害剤である化合物、塩及び塩形態、並びにがんなどの過剰な細胞増殖によって特徴付けられる病態を治療するためにそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
WEE1キナーゼは、有糸分裂開始前のDNA修復のため、G2-M細胞周期チェックポイントでの停止において役割を果たしている。正常細胞は、G1停止中に損傷したDNAを修復する。がん細胞は、多くの場合、G1-Sチェックポイントを欠き、DNA修復のための機能的G2-Mチェックポイントに依存している。WEE1は、様々ながんの種類において過剰発現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/173082号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Remington’s Pharmaceutical Sciences,20thed.,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia Pa.,173(2000)
【非特許文献2】The United States Pharmacopeia,37thed.,503-509(2014)
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示されたいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、化合物Aのアジピン酸塩、化合物AのHCl塩、化合物Aの硫酸塩、化合物Aのメシル酸塩、化合物Aのマレイン酸塩、化合物Aのリン酸塩、化合物Aの酒石酸塩、化合物Aのトシル酸塩、化合物Aのムチン酸塩及び化合物Aの馬尿酸塩から選択される塩であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、化合物Aのアジピン酸塩形態A、化合物AのHCl塩形態A、化合物Aの硫酸塩形態A、化合物Aのメシル酸塩形態A、化合物Aのマレイン酸塩形態A、化合物Aのリン酸塩形態A、化合物Aの酒石酸塩形態A、化合物Aのトシル酸塩形態A、化合物Aのムチン酸塩形態A及び化合物Aの馬尿酸塩形態Aから選択される化合物Aの塩であり得る。他の実施形態では、薬学的に許容される塩は、化合物AのHCl塩形態B及び/又は化合物Aの硫酸塩形態Bであり得る。本明細書に開示される他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態A、化合物Aの遊離塩基形態B、化合物Aの遊離塩基形態C、化合物Aの遊離塩基形態D、化合物Aの遊離塩基形態E、化合物Aの遊離塩基形態F、化合物Aの遊離塩基形態G、化合物Aの遊離塩基形態H、化合物Aの遊離塩基形態I及び化合物Aの遊離塩基形態Jから選択される化合物Aの遊離塩基形態に関する。
【0007】
本明細書に開示される他の実施形態は、有効量の本明細書に記載されるものなどの化合物Aの薬学的に許容される塩及び/又は本明細書に記載されるものを含む化合物Aの遊離
塩基形態と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はこれらの組み合わせと、を含み得る、医薬組成物に関する。
【0008】
本明細書に開示される更なる他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍を寛解又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の本明細書に記載されるものなどの化合物Aの薬学的に許容される塩及び/若しくは本明細書に記載されるものなどの化合物Aの遊離塩基、又は有効量の化合物Aの薬学的に許容される塩(本明細書に記載されるものを含む)及び/若しくは本明細書に記載されるものなどの化合物Aの遊離塩基を含み得る医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、悪性増殖又は腫瘍の寛解又は治療に使用するための、化合物Aの薬学的に許容される塩(本明細書に記載されるものなど)及び/若しくは化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、又は有効量の化合物Aの薬学的に許容される塩(本明細書に記載されるものを含む)及び/若しくは化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)を含み得る医薬組成物の使用に関する。
【0009】
本明細書に開示される他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍を寛解又は治療するための医薬の製造において使用するための、化合物Aの薬学的塩(例えば、化合物Aのアジピン酸塩、化合物AのHCl塩、化合物Aの硫酸塩、化合物Aのメシル酸塩、化合物Aのマレイン酸塩、化合物Aのリン酸塩、化合物Aの酒石酸塩、化合物Aのトシル酸塩、化合物Aのムチン酸塩及び/若しくは化合物Aの馬尿酸塩)並びに/又は化合物Aの遊離塩基(例えば、化合物Aの遊離塩基形態A、化合物Aの遊離塩基形態B、化合物Aの遊離塩基形態C、化合物Aの遊離塩基形態D、化合物Aの遊離塩基形態E、化合物Aの遊離塩基形態F、化合物Aの遊離塩基形態G、化合物Aの遊離塩基形態H、化合物Aの遊離塩基形態I及び/若しくは化合物Aの遊離塩基形態J)、あるいは有効量の本明細書に記載の化合物Aの薬学的塩及び/又は本明細書に記載の化合物Aの遊離塩基を含み得る医薬組成物の使用に関する。
【0010】
いくつかの実施形態では、悪性増殖又は腫瘍は、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、脳がん、脳頸部がん(cervicocerebral cancer)、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、肺がん、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫から選択されるがんに起因し得る。
【0011】
これら及び他の実施形態は、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】アジピン酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図1B】アジピン酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図2】アジピン酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図3】HCl塩形態A及びHCl塩形態Bの代表的なXRPDパターンを提供する。
図4】HCl塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図5】HCl塩形態Bの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図6】硫酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図7】硫酸塩形態Bの代表的なXRPDパターンを提供する。
図8】硫酸塩形態Aの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図9】硫酸塩形態Bの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図10】メシル酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図11】メシル酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図12】マレイン酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図13】マレイン酸塩形態Aの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図14】リン酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図15】リン酸塩形態Aの代表的なDSCサーモグラムを提供する。
図16】酒石酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図17】酒石酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図18】トシル酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図19】トシル酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図20】ムチン酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図21】ムチン酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図22】馬尿酸塩形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図23】馬尿酸塩形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図24】化合物Aの遊離塩基形態Aの代表的なXRPDパターンを提供する。
図25】化合物Aの遊離塩基形態Aの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図26】化合物Aの遊離塩基形態Bの代表的なXRPDパターンを提供する。
図27】化合物Aの遊離塩基形態Cの代表的なXRPDパターンを提供する。
図28】化合物Aの遊離塩基形態Cの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図29】化合物Aの遊離塩基形態Dの代表的なXRPDパターンを提供する。
図30】化合物Aの遊離塩基形態Dの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図31】化合物Aの遊離塩基形態Eの代表的なXRPDパターンを提供する。
図32】化合物Aの遊離塩基形態Eの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図33】化合物Aの遊離塩基形態Fの代表的なXRPDパターンを提供する。
図34】化合物Aの遊離塩基形態Fの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図35】化合物Aの遊離塩基形態Gの代表的なXRPDパターンを提供する。
図36】化合物Aの遊離塩基形態Gの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図37】化合物Aの遊離塩基形態Hの代表的なXRPDパターンを提供する。
図38】化合物Aの遊離塩基形態Hの代表的なDSC及びTGAサーモグラムを提供する。
図39】化合物Aの遊離塩基形態Iの代表的なXRPDパターンを提供する。
図40】化合物Aの遊離塩基形態Jの代表的なXRPDパターンを提供する。
図41】アジピン酸塩形態Aの代表的なDVSプロットを提供する。
図42】DVS前後のアジピン酸塩形態Aの代表的なXRPDオーバーレイを提供する。
図43】化合物Aの遊離塩基形態Eの代表的なDVSプロットを提供する。
図44】DVS前後の化合物Aの遊離塩基形態Eの代表的なXRPDオーバーレイを提供する。
図45】アジピン酸塩形態Aの溶解度試験からの残留固体の代表的なXRPDオーバーレイを提供する。
図46】化合物Aの遊離塩基形態Eの溶解度試験からの残留固体の代表的なXRPDオーバーレイを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
WEE1は、細胞DNA損傷に応答して有糸分裂の開始を阻止する、ATR媒介性G2細胞周期チェックポイント制御の重要な構成要素である、チロシンキナーゼである。ATRは、CHK1をリン酸化して活性化し、次にWEE1を活性化して、Tyr15でのサイクリン依存性キナーゼ1(cyclin-dependent kinase 1、CDK1)の選択的リン酸化をもたらし、それによって、CDK1-サイクリンB複合体を安定化させて、細胞周期の進行を停止させる。このプロセスは、有糸分裂開始前に、腫瘍細胞が損傷したDNAを修復する時間を与えることによって、生存上の利点を付与する。WEE1を阻害すると、G2チェックポイントを阻害し、DNA損傷を伴うがん細胞に予定外の有糸分裂を開始させ、分裂期細胞死による細胞死を起こす。したがって、WEE1の阻害は、シスプラチンなどのDNA損傷剤に対する腫瘍の感受性を高め、腫瘍の細胞死を誘導する可能性を有する。
【0014】
定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開済出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
【0015】
特に指定がない限り、本明細書で使用される「結晶性」という用語及び関連用語は、物質、構成要素、生成物、又は形態を記載するために使用される場合、物質、構成要素、生成物、又は形態が、例えば、X線回折によって決定されるように、実質的に結晶性であることを意味する(例えば、非特許文献1;非特許文献2を参照されたい)。
【0016】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「約」及び「およそ」という用語は、組成物又は剤形の成分の用量、量、又は重量パーセントに関連して使用される場合、指定した用量、量、又は重量パーセントから得られるものと同等の薬理学的効果を提供するものと、当業者によって認識される用量、量、又は重量パーセントを意味する。いくつかの実施形態では、この文脈で用いられる「約」及び「およそ」という用語は、指定した用量、量、又は重量パーセントの、30%以内、20%以内、15%以内、10%以内、又は5%以内の用量、量、又は重量パーセントを意図したものである。
【0017】
本明細書で使用される場合、特に指定がない限り、「約」及び「およそ」という用語は、特定の固体形態を特徴付けるために提供される数値又は値の範囲、例えば、特定の温度若しくは温度範囲(例えば、溶融、脱水、脱溶媒、又はガラス転移温度を記載するもの)、質量変化(例えば、温度又は湿度の関数としての質量変化)、溶媒若しくは水含有量(例えば、質量又はパーセンテージ)、又はピーク位置(例えば、IR又はラマン分光法又はXRPDによる分析において)に関連して使用されるときに、固体形状を依然として説明しながら、当業者にとって合理的と思われる範囲まで、値又は値の範囲を逸脱してもよいことを示す。結晶形態及び非晶形態を特徴付けるための技術としては、熱重量分析(thermal gravimetric analysis、TGA)、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)、X線粉末回折法(X-ray powder diffractometry、XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法(例えば、赤外分光法(infrared、IR)、ラマン分光法)、固体状態及び溶液核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(scanning electron microscopy、SEM)、電子結晶学及び定量分析、粒子径分析(particle size analysis、PSA)、表面積分析、溶解度研究、並びに溶解研究が挙げられるが、これらに限
定されない。いくつかの実施形態では、「約」及び「およそ」という用語は、この文脈で使用される場合、数値又は値の範囲が、列挙された値又は値の範囲の30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、又は0.25%以内で変動し得ることを示す。モル比の文脈では、「約」及び「およそ」は、数値又は値の範囲が、列挙された値又は値の範囲の20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、又は0.25%以内で変動し得ることを示す。X線粉末回折パターンのピークの数値は、機械ごとに、又は試料ごとで変動し得るので、引用された数値は、絶対的なものとして解釈されるべきではなく、±0.2度2シータ(°2θ)以上など許容される変動性があると理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、XRPDピーク位置の値は、特定のXRPDピークを依然として記載しながら、最大±0.2度2θだけ変動し得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「実質的に物理的に純粋」である固体形態は、他の固体形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、実質的に物理的に純粋である結晶形態は、重量基準で、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、又は0.01%未満の1つ以上の他の固体形態を含有する。他の固体形態の検出は、回折分析、熱分析、元素燃焼分析、及び/又は分光分析を含むがこれらに限定されない、当業者にとって明らかな任意の方法によって達成することができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「実質的に化学的に純粋」である固体形態は、他の化学化合物(すなわち、化学的不純物)を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、実質的に化学的に純粋である固体形態は、重量基準で、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、又は0.01%未満の1つ以上の他の化学化合物を含有する。他の化学化合物の検出は、例えば、質量分析、分光分析、熱分析、元素燃焼分析、及び/又はクロマトグラフ分析などの化学分析の方法を含むがこれらに限定されない、当業者にとって明らかな任意の方法によって達成することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、特に示唆しない限り、他の化学化合物、固体形態、又は組成物を「実質的に含まない」化学化合物、固体形態、又は組成物は、その化合物、固体形態、又は組成物が、いくつかの実施形態では、約50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満の他の化合物、固体形態、又は組成物を含有することを意味する。
【0021】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合物であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的富化した、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な化合物、ジアステレオマー的富化した化合物、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、これらの混合物であってもよいことが理解される。同様に、記載の任意の化合物において、全ての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。
【0022】
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、当該元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明確に開示され得るか、又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、全ての可能な同位体形態を包含する。
【0023】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
【0024】
本出願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「によって特徴付けられる」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法のステップを除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の徹底的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、並びに同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は重要でさえあるということを暗示するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同意語として解釈されるものとする。プロセスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、プロセスが少なくとも列挙されたステップを含むが、追加のステップを含んでもよいことを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。
【0025】
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0026】
化合物
本明細書で使用される場合、(R)-2-アリル-1-(7-エチル-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン-2-イル)-6-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-オンは、以下の構造を有する化合物Aである:
【0027】
【化1】
【0028】
化合物Aはまた、本明細書では「化合物Aの遊離塩基」とも記載される。化合物Aの名称と本明細書に提供される化合物Aの構造とが一致しない場合、本段落における化合物Aの構造が、化合物Aとして意図されたものである。
【0029】
化合物Aの様々な多形を得ることができる。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Aに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Bに関する。本明細書に開示される他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Cに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Dに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Eに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Fに関する。本明細書に開示される他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Gに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Hに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Iに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの遊離塩基形態Jに関する。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遊離塩基は、1つ以上の他の多形形態を更に含むことができる。例えば、遊離塩基形態Aは、遊離塩基形態F及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上(one of more of)を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Cは、遊離塩基形態F及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Dは、遊離塩基形態F及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Gは、遊離塩基形態F及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Hは、遊離塩基形態F及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Bは、遊離塩基形態E及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Eは、遊離塩基形態J及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Jは、遊離塩基形態E及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、遊離塩基形態Bは、遊離塩基形態J及び/又は他の遊離塩基形態のうちの1つ以上を更に含んでもよい。
【0031】
化合物Aの遊離塩基形態では、様々な量の化合物Aの遊離塩基形態が存在し得る。例えば、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、形態Eで存在し得る化合物Aの遊離塩基の
量は、98%以上であり得る。いくつかの実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、形態Jで存在し得る化合物Aの遊離塩基の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載の遊離塩基形態(形態E及び形態Jなど)の100%未満が化合物Aの遊離塩基である場合、(1)化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物及び(2)化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、遊離塩基形態(形態E及び形態Jなど)中に存在し得る。
【0032】
化合物Aの様々な塩を得た。追加的に、化合物Aの様々な塩形態が、本明細書に提供される。例えば、本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aのアジピン酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される他の実施形態は、化合物AのHCl塩形態Aに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの硫酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aのメシル酸塩形態Aに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aのマレイン酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される他の実施形態は、化合物Aのリン酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの酒石酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aのトシル酸塩形態Aに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aのムチン酸塩形態Aに関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、化合物Aの馬尿酸塩形態Aに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物AのHCl塩形態Bに関する。本明細書に開示される他の実施形態では、化合物Aの硫酸塩形態Bに関する。
【0033】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、アジピン酸塩であり得る。当業者は、化合物Aのアジピン酸塩が、1分子のアジペートに対して1分子の化合物Aを有することを理解する。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するアジピン酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0034】
化合物Aの様々なアジピン酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態は、アジピン酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアジピン酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、アジピン酸塩形態Aは、少量の化合物Aの遊離塩基を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアジピン酸塩形態は、少量の1つ以上の他のアジピン酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0035】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのアジピン酸塩形態が存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し
得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、アジピン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのアジピン酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aのアジピン酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物Aのアジピン酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのアジピン酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのアジピン酸塩形態(化合物Aのアジピン酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0036】
様々な方法を使用して、本明細書に記載の化合物Aの形態及び塩を特徴付けることができる。例えば、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、H NMR及び13C NMR。本明細書に提供される全てのXRPDピーク及びスペクトルは、度2シータスケール(2θ)で測定される。
【0037】
いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約12.2度~約12.5度の範囲のピーク、約14.9度~約15.2度の範囲のピーク、約15.3度~約15.6度の範囲のピーク、約16.4度~約16.7度の範囲のピーク、約22.0度~約22.3度の範囲のピーク、及び約22.7度~約23.0度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.0度~約5.3度の範囲のピーク、約9.0度~約9.3度の範囲のピーク、約11.2度~約11.5度の範囲のピーク、約12.2度~約12.5度の範囲のピーク、約14.9度~約15.2度の範囲のピーク、約15.3度~約15.6度の範囲のピーク、約16.4度~約16.7度の範囲のピーク、約18.4度~約18.7度の範囲のピーク、約19.0度~約19.3度の範囲のピーク、約22.0度~約22.3度の範囲のピーク、約22.7度~約23.0度の範囲のピーク、及び約24.8度~約25.1度の範囲のピークから選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約12.38度、約15.09度、約15.40度、約16.58度、約22.12度及び約22.88度から選択できる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約11.36度、約12.38度、約15.09度、約15.40度、約16.58度、約18.57度、約19.17度、約22.12度及び約22.88度から選択される。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.14度、約9.11度、約11.36度、約12.38度、約15.09度、約15.40度、約16.58度、約18.57度、約19.17度、約22.12度、約22.88度及び約24.92度から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、図1A及び1Bに示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0041】
【表1】
【0042】
アジピン酸塩形態Aはまた、DSC及び/又は熱重量分析サーモグラム(TGA)によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、図2のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、約29℃から約150℃に加熱したときの約2.3%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、約175℃~約183℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、約177℃~約182℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、約178.7℃での吸熱によって特徴付けられることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、溶液結晶化によって得ることができ、約179.9℃での吸熱によって特徴付けられることができる。このような化合物の純度は、約98.9%である。いくつかの実施形態では、アジピン酸塩形態Aは、無水物であり得る。
【0044】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、HCl塩であり得る。化合物Aの様々なHCl塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態は、HCl塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、HCl塩形態は、HCl塩形態Bであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のHCl塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、HCl塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるHCl塩形態は、少量の1つ以上の他のHCl塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。例えば、HCl塩形態Aは、少量のHCl塩形態Bを更に含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、約1当量の化合物Aと約1当量のHClとのスラリーを介して得ることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、約1当量の化合物Aと約2当量のHClとのスラリーを介して得ることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するHClのモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するHClのモル比は、約1.2~約2.8、約1.6~約2.4、約1.8~約2.2又は約2であり得る。
【0046】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物AのHCl塩形態が存在し得る。例えば、H
Cl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、HCl塩形態Aで存在し得る化合物AのHCl塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物AのHCl塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物AのHCl塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物AのHCl塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物AのHCl塩形態(化合物AのHCl塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.4度~約3.8度の範囲のピーク、約6.1度~約6.5度の範囲のピーク、約8.5度~約8.9度の範囲のピーク、約10.5度~約10.9度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、及び約17.6度~約18度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.4度~約3.8度の範囲のピーク、約6.1度~約6.5度の範囲のピーク、約8.5度~約8.9度の範囲のピーク、約9度~約9.4度の範囲のピーク、約9.8度~約10.2度の範囲のピーク、約10.5度~約10.9度の範囲のピーク、約11.1度~約11.5度の範囲のピーク、約11.7度~約12.1度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約12.2度~約12.6度の範囲のピーク、約13度~約13.4度の範囲のピーク、約14.2度~約14.6度の範囲のピーク、約15.5度~約15.9度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約17.6度~約18度の範囲のピーク、約18.9度~約19.3度の範囲のピーク、約19.3度~約19.7度の範囲のピーク、約20.2度~約20.6度の範囲のピーク、約21.6度~約22度の範囲のピーク、約22.6度~約23度の範囲のピーク、約23.4度~約23.8度の範囲のピーク、約24.1度~約24.5度の範囲のピーク、約24.8度~約25.2度の範囲のピーク、約25.8度~約26.2度の範囲のピーク、及び約26.3度~約26.7度の範囲のピークから選択される。
【0048】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.61度、約6.25度、約8.69度、約10.65度、約12.16度及び約17.81度から選択できる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.61度、約6.25度、約8.69度、約9.23度、約9.98度、約10.65度、約11.30度、約11.87度、約12.16度、約12.41度、約13.21度、約14.35度、約15.68度、約16.05度、約17.08度、約17.81度、約19.06度、約19.49度、約20.37度、約21.77度、約22.82度、約23.59度、約24.30度、約24.99度、約25.97度、及び約26.47度から選択される。
【0049】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターン
における1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0050】
【表2】
【0051】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.1度~約3.5度の範囲のピーク、約5.7度~約6.1度の範囲のピーク、約6.9度~約7.3度の範囲のピーク、約8.0度~約8.4度の範囲のピーク、約10.6度~約11.0度の範囲のピーク、約14.1度~約14.5度の範囲のピーク、約18.8度~約19.2度の範囲のピーク、約25.5度~約25.9度の範囲のピーク、及び約26.5度~約26.9度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.1度~約3.5度の範囲のピーク、約5.7度~約6.1度の範囲のピーク、約6.9度~約7.3度の範囲のピーク、約8.0度~約8.4度の範囲のピーク、約10.6度~約11.0度の範囲のピーク、約13.6度~約14.0度の範囲のピーク、約14.1度~約14.5度の範囲のピーク、約16.0度~約16.4度の範囲のピーク、約17.1度~約17.5度の範囲のピーク、約18.8度~約19.2度の範囲のピーク、約25.5度~約25.9度の範囲のピーク、及び約26.5度~約26.9度の範囲のピークから選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.30度、約5.87度、約7.14度、約8.19度、約10.80度、約14.33度、約18.99度、約25.66度及び約26.69度から選択できる。いくつかの実施形態は、HCl塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.30度、約5.87度、約7.14度、約8.19度、約10.80度、約13.78度、約14.33度、約16.16度、約17.25度、約18.99度、約25.66度及び約26.69度から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0054】
【表3】
【0055】
いくつかの実施形態では、HCl塩形態A及びHCl塩形態Bは、図3に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0056】
HCl塩形態Aは、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、図4のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、約29℃から約150℃に加熱したときの約9.0%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、約114℃~約122℃の範囲の第1の吸熱及び約156℃~約164℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、約115℃~約121℃の範囲の第1の吸熱及び約157℃~約163℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Aは、約117.7℃での第1の吸熱及び約159.5℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0057】
HCl塩形態Bはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、図5のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、約29℃から約150℃に加熱したときの約12.0%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、約73℃~約81℃の範囲の第1の吸熱及び約204℃~約212℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、約74℃~約80℃の範
囲の第1の吸熱及び約205℃~約211℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、HCl塩形態Bは、約77.0℃での第1の吸熱及び約207.9℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0058】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、硫酸塩であり得る。化合物Aの様々な硫酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態は、硫酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態は、硫酸塩形態Bであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の硫酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、硫酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される硫酸塩形態は、少量の1つ以上の他の硫酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。例えば、硫酸塩形態Aは、少量の硫酸塩形態Bを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、化合物Aに対する硫酸塩のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0059】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aの硫酸塩形態が存在し得る。例えば、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、硫酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの硫酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aの硫酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物Aの硫酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aの硫酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aの硫酸塩形態(化合物Aの硫酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.1度~約16.5度の範囲のピーク、約17.7度~約18.1度の範囲のピーク、及び約23.7度~約24.1度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約8.6度~約9度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.1度~約16.5度の範囲のピーク、約17.7度~約18.1度の範囲のピーク、約19.9度~約20.3度の範囲のピーク、約23.7度~約24.1度の範囲のピーク、約24度~約24.4度の範囲のピーク、及び約24.9度~約25.3度の範囲のピークから選択される。
【0061】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約8.07度、約11.37度、約16.11度、約16.33度、約17.92度及び約23.87度から選択できる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、8.07度、約8.84度、約11.37度、約16.11度、約16.33度、約17.92度、約20.0
8度、約23.87度、約24.24度及び約25.13度から選択される。
【0062】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、図6に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0064】
【表4】
【0065】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.3度~約4.7度の範囲のピーク、約7.7度~約8.1度の範囲のピーク、約8.8度~約9.2度の範囲のピーク、約11.3度~約11.7度の範囲のピーク、約11.8度~約12.2度の範囲のピーク、約13.3度~約13.7度の範囲のピーク、約15.5度~約15.9度の範囲のピーク、約16度~約16.4度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約18.1度~約18.5度の範囲のピーク、約20.7度~約21.1度の範囲のピーク、約23.7度~約24.1度の範囲のピーク、及び約24.1度~約24.5度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.3度~約4.7度の範囲のピーク、約7.7度~約8.1度の範囲のピーク、約8.2度~約8.6度の範囲のピーク、約8.8度~約9.2度の範囲のピーク、約11.3度~約11.7度の範囲のピーク、約11.8度~約12.2度の範囲のピーク、約13.3度~約13.7度の範囲のピーク、約15.5度~約15.9度の範囲のピーク、約16度~約16.4度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約18.1度~約18.5度の範囲のピーク、約20.7度~約21.1度の範囲のピーク、約22.2度~約22.6度の範囲のピーク、約23.7度~約
24.1度の範囲のピーク、約24.1度~約24.5度の範囲のピーク、約26.2度~約26.6度の範囲のピーク、及び約27.2度~約27.6度の範囲のピークから選択される。
【0066】
いくつかの実施形態は、硫酸塩形態Bは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.51度、約7.93度、約8.98度、約11.45度、約12.00度、約13.52度、約15.66度、約16.22度、約16.46度、約18.25度、約20.88度、約23.92度及び約24.29度から選択できる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.51度、約7.93度、約8.43度、約8.98度、約11.45度、約12.00度、約13.52度、約15.66度、約16.22度、約16.46度、約18.25度、約20.88度、約22.37度、約23.92度、約24.29度、約26.39度及び約27.42度から選択される。
【0067】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、図7に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0069】
【表5】
【0070】
硫酸塩形態Aはまた、DSCによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、図8のDSCサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、約54℃~約62℃の範囲の第1の吸熱、約83℃~約91℃の範囲の第2の吸熱、及び約179℃~約187℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、約56℃~約60℃の範囲の第1の吸熱、約85℃~約89℃の範囲の第2の吸熱、及び約181℃~約185℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、約58.2℃での第1の吸熱、約87.3℃での
第2の吸熱、及び約182.9℃での第3の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0071】
硫酸塩形態Bはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、図9のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、約29℃から約150℃に加熱したときの約4.2%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、約98℃~約106℃の範囲の第1の吸熱及び約178℃~約186℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Bは、約100℃~約104℃の範囲の第1の吸熱及び約180℃~約184℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、硫酸塩形態Aは、約101.8℃での第1の吸熱及び約182.2℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0072】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、メシル酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態は、メシル酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するメシル酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0073】
化合物Aの様々なメシル酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のメシル酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。例えば、メシル酸塩形態Aは、少量の化合物Aの遊離塩基を更に含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるメシル酸塩形態は、少量の1つ以上の他のメシル酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0074】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのメシル酸塩形態が存在し得る。例えば、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、メシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのメシル酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aからのメシル酸塩である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)、(2)化合物Aのメシル酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのメシル酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのメシル酸塩形態(化合物Aのメシル酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.5度~約4.9度の範囲のピーク、約9.2度~約9.6度の範囲のピーク、約18.6度~約19度の範囲のピーク、約18.9度~約19.3度の範囲のピーク、約19.7度~約20.1度の範囲のピーク、約21度~約21.4度の範囲のピーク、及び約23.1度~約23.5度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.5度~約4.9度の範囲のピーク、約9.2度~約9.6度の範囲
のピーク、約9.7度~約10.1度の範囲のピーク、約13.1度~約13.5度の範囲のピーク、約14.3度~約14.7度の範囲のピーク、約15.1度~約15.5度の範囲のピーク、約15.6度~約16度の範囲のピーク、約17.1度~約17.5度の範囲のピーク、約17.8度~約18.2度の範囲のピーク、約18.6度~約19度の範囲のピーク、約18.9度~約19.3度の範囲のピーク、約19.7度~約20.1度の範囲のピーク、約21度~約21.4度の範囲のピーク、約21.5度~約21.9度の範囲のピーク、約23.1度~約23.5度の範囲のピーク、約23.4度~約23.8度の範囲のピーク、約24.6度~約25度の範囲のピーク、約26度~約26.4度の範囲のピーク、約26.4度~約26.8度の範囲のピーク、約28.7度~約29.1度の範囲のピーク、及び約33度~約33.4度の範囲のピークから選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.66度、約9.36度、約18.8度、約19.12度、約19.9度、約21.17度及び約23.34度から選択できる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.66度、約9.36度、約9.89度、約13.29度、約14.45度、約15.26度、約15.82度、約17.32度、約17.98度、約18.8度、約19.12度、約19.9度、約21.17度、約21.72度、約23.34度、約23.55度、約24.83度、約26.18度、約26.55度、約28.92度及び約33.2度から選択される。
【0077】
いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、図10に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0079】
【表6】
【0080】
メシル酸塩形態Aはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、図11のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、約22℃から約150℃に加熱したときの約5.2%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、約126℃~約134℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、約128℃~約132℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、メシル酸塩形態Aは、約130.1℃での吸熱によって特徴付けられることができる。
【0081】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、マレイン酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態は、マレイン酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するマレイン酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0082】
化合物Aの様々なマレイン酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマレイン酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものな
ど)を更に含み得る。例えば、マレイン酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるマレイン酸塩形態は、少量の1つ以上の他のマレイン酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0083】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのマレイン酸塩形態が存在し得る。例えば、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、マレイン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのマレイン酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aからのマレイン酸塩である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)、(2)化合物Aのマレイン酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのマレイン酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのマレイン酸塩形態(化合物Aのマレイン酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3度~約3.4度の範囲のピーク、約4.8度~約5.2度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約10.1度~約10.5度の範囲のピーク、約15.2度~約15.6度の範囲のピーク、約15.8度~約16.2度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、及び約21.8度~約22.2度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3度~約3.4度の範囲のピーク、約4.8度~約5.2度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約8.9度~約9.3度の範囲のピーク、約10.1度~約10.5度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、約13.8度~約14.2度の範囲のピーク、約14.9度~約15.3度の範囲のピーク、約15.2度~約15.6度の範囲のピーク、約15.8度~約16.2度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約16.7度~約17.1度の範囲のピーク、約17.8度~約18.2度の範囲のピーク、約18.8度~約19.2度の範囲のピーク、約20.4度~約20.8度の範囲のピーク、約21.8度~約22.2度の範囲のピーク、約22.9度~約23.3度の範囲のピーク、及び約23.4度~約23.8度の範囲のピークから選択される。
【0085】
いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.16度、約4.99度、約5.17度、約10.27度、約15.41度、約16.03度、約16.46度及び約22.02度から選択できる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.16度、約4.99度、約5.17度、約9.05度、約10.27度、約11.43度、約13.97度、約15.1度、約15.41度、約16.03度、約16.46度、約16.87度、約17.95度、約18.99度、約20.56度、約22.02度、約23.09度及び約23.55度から選択される。
【0086】
いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、図12に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0088】
【表7】
【0089】
マレイン酸塩形態Aはまた、DSCによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、図13のDSCサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、約62℃~約70℃の範囲の第1の吸熱、約135℃~約143℃の範囲の第2の吸熱、及び約154℃~約162℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、約64℃~約68℃の範囲の第1の吸熱、約137℃~約141℃の範囲の第2の吸熱、及び約156℃~約160℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、マレイン酸塩形態Aは、約65.6℃での第1の吸熱、約138.9℃での第2の吸熱、及び約157.9℃での第3の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0090】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、リン酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態は、リン酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するリン酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0091】
化合物Aの様々なリン酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細
書に記載のリン酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。例えば、リン酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるリン酸塩形態は、少量の1つ以上の他のリン酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0092】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのリン酸塩形態が存在し得る。例えば、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、リン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのリン酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aのリン酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物Aのリン酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのリン酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのリン酸塩形態(化合物Aのリン酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約9.3度~約9.7度の範囲のピーク、約10.9度~約11.3度の範囲のピーク、約17.4度~約17.8度の範囲のピーク、約18.8度~約19.2度の範囲のピーク、約21.7度~約22.1度の範囲のピーク、及び約23.4度~約23.8度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.6度~約5度の範囲のピーク、約9.3度~約9.7度の範囲のピーク、約9.7度~約10.1度の範囲のピーク、約10.9度~約11.3度の範囲のピーク、約13.2度~約13.6度の範囲のピーク、約14.1度~約14.5度の範囲のピーク、約15.6度~約16度の範囲のピーク、約17.4度~約17.8度の範囲のピーク、約18.8度~約19.2度の範囲のピーク、約19.9度~約20.3度の範囲のピーク、約21.7度~約22.1度の範囲のピーク、約23.4度~約23.8度の範囲のピーク、約25.5度~約25.9度の範囲のピーク、及び約27.4度~約27.8度の範囲のピークから選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約9.49度、約11.1度、約17.57度、約19.03度、約21.89度及び約23.62度から選択できる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.77度、約9.49度、約9.94度、約11.1度、約13.43度、約14.3度、約15.77度、約17.57度、約19.03度、約20.12度、約21.89度、約23.62度、約25.72度、及び約27.59度から選択される。
【0095】
いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、図14に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0097】
【表8】
【0098】
リン酸塩形態Aはまた、DSCによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、図15のDSCサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、約57℃~約65℃の範囲の第1の吸熱、約140℃~約148℃の範囲の第2の吸熱、及び約217℃~約225℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、約59℃~約63℃の範囲の第1の吸熱、約142℃~約146℃の範囲の第2の吸熱、及び約219℃~約223℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、リン酸塩形態Aは、約60.9℃での第1の吸熱、約144.2℃での第2の吸熱、及び約221.1℃での第3の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0099】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、化合物Aの薬学的に許容される塩に関し、薬学的に許容される塩は、酒石酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態は、酒石酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対する酒石酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0100】
化合物Aの様々な酒石酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の酒石酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)を更に含み得る。例えば、酒石酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される酒石酸塩形態は、少量の1つ以上の他の酒石酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0101】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aの酒石酸塩形態が存在し得る。例えば、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の
量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、酒石酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの酒石酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aの酒石酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物Aの酒石酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aの酒石酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aの酒石酸塩形態(化合物Aの酒石酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.1度~約4.5度の範囲のピーク、約8.3度~約8.7度の範囲のピーク、約9度~約9.4度の範囲のピーク、約11.9度~約12.3度の範囲のピーク、約12.5度~約12.9度の範囲のピーク、約15.3度~約15.7度の範囲のピーク、約15.5度~約15.9度の範囲のピーク、約17.8度~約18.2度の範囲のピーク、約18.3度~約18.7度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、約21.9度~約22.3度の範囲のピーク、約23.2度~約23.6度の範囲のピーク、約24.2度~約24.6度の範囲のピーク、約25.3度~約25.7度の範囲のピーク、及び約26.9度~約27.3度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.1度~約4.5度の範囲のピーク、約8.3度~約8.7度の範囲のピーク、約9度~約9.4度の範囲のピーク、約11.9度~約12.3度の範囲のピーク、約12.5度~約12.9度の範囲のピーク、約14.1度~約14.5度の範囲のピーク、約14.5度~約14.9度の範囲のピーク、約15.3度~約15.7度の範囲のピーク、約15.5度~約15.9度の範囲のピーク、約17.8度~約18.2度の範囲のピーク、約18.3度~約18.7度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、約21.9度~約22.3度の範囲のピーク、約22.7度~約23.1度の範囲のピーク、約23.2度~約23.6度の範囲のピーク、約24.2度~約24.6度の範囲のピーク、約24.9度~約25.3度の範囲のピーク、約25.3度~約25.7度の範囲のピーク、約26.2度~約26.6度の範囲のピーク、約26.9度~約27.3度の範囲のピーク、及び約29.9度~約30.3度の範囲のピークから選択される。
【0103】
いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.27度、約8.48度、約9.21度、約12.05度、約12.71度、約15.54度、約15.74度、約17.98度、約18.46度、約19.72度、約21.25度、約22.11度、約23.37度、約24.37度、約25.54度及び約27.12度から選択できる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.27度、約8.48度、約9.21度、約12.05度、約12.71度、約14.25度、約14.74度、約15.54度、約15.74度、約17.98度、約18.46度、約19.72度、約21.25度、約22.11度、約22.86度、約23.37度、約24.37度、約25.09度、約25.54度、約26.4度、約27.12度及び約30.1
2度から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、図16に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0106】
【表9】
【0107】
酒石酸塩形態Aはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、図17のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、約26℃から約150℃に加熱したときの約8.2%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、約100℃~約108
℃の範囲の第1の吸熱、約115℃~約123℃の範囲の第2の吸熱、約153℃~約161℃の範囲の第3の吸熱、及び約177℃~約185℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、約102℃~約106℃の範囲の第1の吸熱、約117℃~約121℃の範囲の第2の吸熱、約155℃~約159℃の範囲の第3の吸熱、及び約179℃~約183℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、酒石酸塩形態Aは、約104.1℃での第1の吸熱、約118.8℃での第2の吸熱、約156.8℃での第3の吸熱、及び約180.7℃での第4の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0108】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、薬学的に許容される塩がトシル酸塩であり得る、化合物Aの薬学的に許容される塩に関する。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態は、トシル酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するトシル酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0109】
化合物Aの様々なトシル酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のトシル酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、トシル酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるトシル酸塩形態は、少量の1つ以上の他のトシル酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0110】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのトシル酸塩形態が存在し得る。例えば、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、トシル酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのトシル酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aからのトシル酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)、(2)化合物Aのトシル酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのトシル酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのトシル酸塩形態(化合物Aのトシル酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約10.7度~約11.1度の範囲のピーク、約14.5度~約14.9度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約18度~約18.4度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約20度~約20.4度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、約22.5度~約22.9度の範囲のピーク、約24.8度~約25.2度の範囲のピーク、及び約27.7度~約28.1度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約10.7度~約11.1度の範囲のピーク、約12.6度~約13度の範囲のピーク、約14.5度~約14.9度の範囲のピーク、約15.9度
~約16.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約18度~約18.4度の範囲のピーク、約19度~約19.4度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約20度~約20.4度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、約22.5度~約22.9度の範囲のピーク、約23.3度~約23.7度の範囲のピーク、約24.3度~約24.7度の範囲のピーク、約24.8度~約25.2度の範囲のピーク、約25.6度~約26度の範囲のピーク、約27度~約27.4度の範囲のピーク、約27.7度~約28.1度の範囲のピーク、約28.3度~約28.7度の範囲のピーク、及び約30.5度~約30.9度の範囲のピークから選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約8.06度、約10.87度、約14.67度、約16.13度、約17.11度、約18.22度、約19.66度、約20.17度、約21.29度、約22.71度、約25.04度及び約27.94度から選択できる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約8.06度、約10.87度、約12.79度、約14.67度、約16.13度、約17.11度、約18.22度、約19.2度、約19.66度、約20.17度、約21.29度、約22.71度、約23.46度、約24.5度、約25.04度、約25.82度、約27.19度、約27.94度、約28.5度及び約30.73度から選択される。
【0113】
いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、図18に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0115】
【表10】
【0116】
トシル酸塩形態Aはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、図19のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、約27℃から約150℃に加熱したときの約6.6%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、約50℃~約58℃の範囲の第1の吸熱、約109℃~約117℃の範囲の第2の吸熱、及び約189℃~約197℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、約52℃~約56℃の範囲の第1の吸熱、約111℃~約115℃の範囲の第2の吸熱、及び約191℃~約195℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、トシル酸塩形態Aは、約53.6℃での第1の吸熱、約113.1℃での第2の吸熱、及び約193.4℃での第3の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0117】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、薬学的に許容される塩がムチン酸塩であり得る、化合物Aの薬学的に許容される塩に関する。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態は、ムチン酸塩形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対するムチン酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0118】
化合物Aの様々なムチン酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のムチン酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、ムチン酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるムチン酸塩形態は、少量の1つ以上の他のムチン酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0119】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aのムチン酸塩形態が存在し得る。例えば、
ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、ムチン酸塩形態Aで存在し得る化合物Aのムチン酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aのムチン酸塩形態である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものなど)、(2)化合物Aのムチン酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aのムチン塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aのムチン酸塩形態(化合物Aのムチン酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約8.3度~約8.7度の範囲のピーク、約9.4度~約9.8度の範囲のピーク、約12.6度~約13度の範囲のピーク、約13.9度~約14.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約19.1度~約19.5度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約21.2度~約21.6度の範囲のピーク、及び約25.5度~約25.9度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.1度~約4.5度の範囲のピーク、約6.8度~約7.2度の範囲のピーク、約8.3度~約8.7度の範囲のピーク、約9.4度~約9.8度の範囲のピーク、約9.9度~約10.3度の範囲のピーク、約10.3度~約10.7度の範囲のピーク、約11.1度~約11.5度の範囲のピーク、約12.6度~約13度の範囲のピーク、約13.9度~約14.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約17.4度~約17.8度の範囲のピーク、約18.6度~約19度の範囲のピーク、約19.1度~約19.5度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約20.6度~約21度の範囲のピーク、約21.2度~約21.6度の範囲のピーク、約22.5度~約22.9度の範囲のピーク、約25.5度~約25.9度の範囲のピーク、約26.7度~約27.1度の範囲のピーク、及び約30.6度~約31度の範囲のピークから選択される。
【0121】
いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約8.52度、約9.62度、約12.78度、約14.06度、約17.06度、約19.3度、約19.67度、約21.36度及び約25.69度から選択できる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.28度、約7.04度、約8.52度、約9.62度、約10.1度、約10.53度、約11.28度、約12.78度、約14.06度、約17.06度、約17.57度、約18.78度、約19.3度度、約19.67度、約20.75度、約21.36度、約22.73度、約25.69度、約26.87度及び約30.79度から選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、図20に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0124】
【表11】
【0125】
ムチン酸塩形態Aはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、図21のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、約26℃から約150℃に加熱したときの約7.5%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、約72℃~約80℃の範囲の第1の吸熱、約148℃~約156℃の範囲の第2の吸熱、約160℃~約168℃の範囲の第3の吸熱、及び約167℃~約175℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、約74℃~約78℃の範囲の第1の吸熱、約150℃~約154℃の範囲の第2の吸熱、約162℃~約166℃の範囲の第3の吸熱、及び約169℃~約173℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、ムチン酸塩形態Aは、
約76.2℃での第1の吸熱、約152.0℃での第2の吸熱、約163.6℃での第3の吸熱、及び約170.8℃での第4の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0126】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、薬学的に許容される塩が馬尿酸塩であり得る、化合物Aの薬学的に許容される塩に関する。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態は、ヒプラート(hippurate)形態Aであり得る。いくつかの実施形態では、化合物Aに対する馬尿酸のモル比は、約0.6~約1.4、約0.8~約1.2、約0.9~約1.1又は約1であってもよい。
【0127】
化合物Aの様々な馬尿酸塩形態を得ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の馬尿酸塩形態は、化合物Aの遊離塩基形態を更に含み得る。例えば、馬尿酸塩形態Aは、少量の遊離塩基形態Aを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される馬尿酸塩形態は、少量の1つ以上の他の馬尿酸塩形態(本明細書に記載されるものなど)を更に含み得る。
【0128】
化合物Aの塩形態では、様々な量の化合物Aの馬尿酸塩形態が存在し得る。例えば、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、約90%~約100%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、約95%~約100%の範囲内であり得る。他の実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、約98%~約100%の範囲内であり得る。更なる他の実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、約95%~約98%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、90%以上であり得る。他の実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、95%以上であり得る。更なる他の実施形態では、馬尿酸塩形態Aで存在し得る化合物Aの馬尿酸塩の量は、98%以上であり得る。本明細書に記載される塩形態の100%未満が化合物Aからの馬尿酸塩である場合、(1)化合物Aの遊離塩基(本明細書に記載されるものを含む)、(2)化合物Aの馬尿酸塩形態の分解及び/又は化合物Aの遊離塩基の分解の結果である化合物、並びに(3)化合物Aの馬尿酸塩形態の合成及び/又は化合物Aの遊離塩基の合成からの不純物から選択される成分のうちの1つ以上が、化合物Aの馬尿酸塩形態(化合物Aの馬尿酸塩形態Aなど)中に存在し得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.5度~約5.9度の範囲のピーク、約6.7度~約7.1度の範囲のピーク、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約9.5度~約9.9度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約18.3度~約18.7度の範囲のピーク、及び約22.4度~約22.8度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.5度~約5.9度の範囲のピーク、約6.7度~約7.1度の範囲のピーク、約7.9度~約8.3度の範囲のピーク、約9.5度~約9.9度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、約14.6度~約15度の範囲のピーク、約15.9度~約16.3度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約18.3度~約18.7度の範囲のピーク、約20.4度~約20.8度の範囲のピーク、約21.2度~約21.6度の範囲のピーク、約21.7度~約22.1度の範囲のピーク、約22.4度~約22.8度の範囲のピーク、約22.7度~約23.1度の範囲のピーク、約23度~約23.4度の範囲のピーク、約23.2度~約23.6度の範囲のピーク、約23.6度~約24度の範囲のピーク、及び約24.1度~約24.5度の範囲のピークから選択される。
【0130】
いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.69度、約6.85度、約8.05度、約9.69度、約16.12度、約17.1度、約18.53度及び約22.6度から選択できる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.69度、約6.85度、約8.05度、約9.69度、約11.38度、約14.83度、約16.12度、約17.1度、約18.53度、約20.64度、約21.35度、約21.87度、約22.6度、約22.85度、約23.22度、約23.39度、約23.81度及び約24.27度から選択される。
【0131】
いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、図22に示すようなXRPDパターンを示すことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0133】
【表12】
【0134】
馬尿酸塩形態Aはまた、DSC及び/又はTGAによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、図23のDSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、約29℃から約150℃に加熱したときの約7.7%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、約99℃~約107℃
の範囲の第1の吸熱及び約127℃~約135℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、約101℃~約105℃の範囲の第1の吸熱及び約129℃~約161℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、馬尿酸塩形態Aは、約103.0℃での第1の吸熱及び約130.9℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0135】
化合物Aの遊離塩基形態Aはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.7度~約5.1度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、及び約5.3度~約5.7度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.7度~約5.1度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約5.3度~約5.7度の範囲のピーク、及び約10.3度~約10.7度の範囲のピークから選択できる。
【0136】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.92度、約5.24度及び約5.51度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.92度、約5.24度、約5.51度及び約10.45度から選択できる。
【0137】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、図24に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0138】
【表13】
【0139】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、約30℃から約150℃に加熱したときの約2.4%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、約116℃~約124℃の範囲の第1の吸熱及び約162℃~約170℃の範囲の第2
の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、約118℃~約122℃の範囲の第1の吸熱及び約164℃~約168℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、約120.0℃での第1の吸熱及び約165.9℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Aは、図25のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0140】
化合物Aの遊離塩基形態Bはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.2度~約5.6度の範囲のピーク、約9.3度~約9.7度の範囲のピーク、約11.5度~約11.9度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約14度~約14.4度の範囲のピーク、約16.2度~約16.6度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約17.9度~約18.3度の範囲のピーク、約19.8度~約20.2度の範囲のピーク、約20.9度~約21.3度の範囲のピーク、約24.2度~約24.6度の範囲のピーク、及び約24.7度~約25.1度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.2度~約5.6度の範囲のピーク、約9.3度~約9.7度の範囲のピーク、約10.5度~約10.9度の範囲のピーク、約11.1度~約11.5度の範囲のピーク、約11.5度~約11.9度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約13.5度~約13.9度の範囲のピーク、約14度~約14.4度の範囲のピーク、約14.8度~約15.2度の範囲のピーク、約16.2度~約16.6度の範囲のピーク、約16.9度~約17.3度の範囲のピーク、約17.9度~約18.3度の範囲のピーク、約18.5度~約18.9度の範囲のピーク、約18.9度~約19.3度の範囲のピーク、約19.3度~約19.7度の範囲のピーク、約19.8度~約20.2度の範囲のピーク、約20.9度~約21.3度の範囲のピーク、約21.8度~約22.2度の範囲のピーク、約23.6度~約24度の範囲のピーク、約24.2度~約24.6度の範囲のピーク、約24.7度~約25.1度の範囲のピーク、及び約26.5度~約26.9度の範囲のピークから選択できる。
【0141】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.44度、約9.52度、約11.72度、約12.23度、約14.17度、約16.42度、約17.1度、約18.14度、約20.02度、約21.09度、約24.39度及び約24.86度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.44度、約9.52度、約10.73度、約11.28度、約11.72度、約12.23度、約13.65度、約14.17度、約15度、約16.42度、約17.1度、約18.14度、約18.66度、約19.14度、約19.52度、約20.02度、約21.09度、約21.97度、約23.84度、約24.39度、約24.86度及び約26.65度から選択できる。
【0142】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、図26に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Bは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0143】
【表14】
【0144】
化合物Aの遊離塩基形態Cはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.8度~約5.2度の範囲のピーク、約10.1度~約10.5度の範囲のピーク、約11.1度~約11.5度の範囲のピーク、約11.6度~約12度の範囲のピーク、約12.3度~約12.7度の範囲のピーク、約13.5度~約13.9度の範囲のピーク、約14.4度~約14.8度の範囲のピーク、約14.7度~約15.1度の範囲のピーク、約15.7度~約16.1度の範囲のピーク、約16.2度~約16.6度の範囲のピーク、約17.9度~約18.3度の範囲のピーク、約18.7度~約19.1度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、及び約21.5度~約21.9度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.8度~約5.2度の範囲のピーク、約6.1度~約6.5度の範囲のピーク、約7.7度~約8.1度の範囲のピーク、約8.6度~約9度の範囲のピーク、約10.1度~約10.5度の範囲のピーク、約11.1度~約11.5度の範囲のピーク、約11.6度~約12度の範囲のピーク、約11.9度~約12.3度の範囲のピーク、約12.3度~約12.7度の範囲のピーク、約12.6度~約13度の範囲のピーク、約13.5度~約13.9度の範囲のピーク、約14.4度~約14.8度の範囲のピーク、約14.7度~約15.1度の範囲のピーク、約15.7度~約16.1度の範囲のピーク、約16.2度~約16.6度の範囲のピーク、約17.5度~約17.9度の範囲のピーク、約17.9度~約18.3度の範囲のピ
ーク、約18.7度~約19.1度の範囲のピーク、約19.5度~約19.9度の範囲のピーク、約19.7度~約20.1度の範囲のピーク、約20.6度~約21度の範囲のピーク、約21.1度~約21.5度の範囲のピーク、約21.5度~約21.9度の範囲のピーク、約24.3度~約24.7度の範囲のピーク、約25.4度~約25.8度の範囲のピーク、及び約26.9度~約27.3度の範囲のピークから選択できる。
【0145】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.01度、約10.32度、約11.25度、約11.83度、約12.46度、約13.73度、約14.57度、約14.92度、約15.87度、約16.37度、約18.06度、約18.87度、約21.25度及び約21.65度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.01度、約6.28度、約7.92度、約8.81度、約10.32度、約11.25度、約11.83度、約12.09度、約12.46度、約12.75度、約13.73度、約14.57度、約14.92度、約15.87度、約16.37度、約17.67度、約18.06度、約18.87度、約19.68度、約19.91度、約20.82度、約21.25度、約21.65度、約24.5度、約25.62度及び約27.11度から選択できる。
【0146】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、図27に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0147】
【表15】
【0148】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約28℃から約150℃に加熱したときの約3.7%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約149℃~約157℃の範囲の第1の吸熱及び約162℃~約170℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約151℃~約155℃の範囲の第1の吸熱及び約164℃~約168℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約153.1℃での第1の吸熱及び約165.9℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0149】
他の実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約147℃~約155℃の範囲の第1の吸熱及び約161℃~約169℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約149℃~約153℃の範囲の第1の吸熱及び約163℃~約166℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、約150.9℃での第1の吸熱及び約164.6℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Cは、図28のDSC及び/
又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0150】
化合物Aの遊離塩基形態Dはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.2度~約4.6度の範囲のピーク、約4.4度~約4.8度の範囲のピーク、約4.7度~約5.1度の範囲のピーク、約8.5度~約8.9度の範囲のピーク、約9度~約9.4度の範囲のピーク、約9.7度~約10.1度の範囲のピーク、約10.2度~約10.6度の範囲のピーク、約11.5度~約11.9度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約14.8度~約15.2度の範囲のピーク、約15.6度~約16度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約17.3度~約17.7度の範囲のピーク、約17.6度~約18度の範囲のピーク、約18.4度~約18.8度の範囲のピーク、及び約20度~約20.4度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.8度~約4.2度の範囲のピーク、約4.2度~約4.6度の範囲のピーク、約4.4度~約4.8度の範囲のピーク、約4.7度~約5.1度の範囲のピーク、約5.5度~約5.9度の範囲のピーク、約6.5度~約6.9度の範囲のピーク、約8.5度~約8.9度の範囲のピーク、約9度~約9.4度の範囲のピーク、約9.7度~約10.1度の範囲のピーク、約10.2度~約10.6度の範囲のピーク、約11.5度~約11.9度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約13.2度~約13.6度の範囲のピーク、約14.3度~約14,7度の範囲のピーク、約14.8度~約15.2度の範囲のピーク、約15.6度~約16度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約17.3度~約17.7度の範囲のピーク、約17.6度~約18度の範囲のピーク、約18.4度~約18.8度の範囲のピーク、及び約20度~約20.4度の範囲のピークから選択できる。
【0151】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.37度、約4.57度、約4.93度、約8.65度、約9.21度、約9.94度、約10.35度、約11.71度、約12.2度、約14.96度、約15.75度、約16.45度、約17.46度、約17.8度、約18.62度及び約20.21度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.02度、約4.37度、約4.57度、約4.93度、約5.74度、約6.67度、約8.65度、約9.21度、約9.94度、約10.35度、約11.71度、約12.2度、約13.4度、約14.5度、約14.96度、約15.75度、約16.45度、約17.46度、約17.8度、約18.62度及び約20.21度から選択できる。
【0152】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、図29に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0153】
【表16】
【0154】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、約28℃から約150℃に加熱したときの約5.8%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、約118℃~約126℃の範囲の第1の吸熱及び約161℃~約169℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、約120℃~約124℃の範囲の第1の吸熱及び約163℃~約167℃の範囲の第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、約121.6℃での第1の吸熱及び約165.1℃での第2の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Dは、図30のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0155】
化合物Aの遊離塩基形態Eはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.0度~約6.3度の範囲のピーク、約10.5度~約10.8度の範囲のピーク、約12.0度~約12.3度の範囲のピーク、約12.2度~約12.5度の範囲のピーク、約15.1度~約15.4度の範囲のピーク、約18.8度~約19.1度の範囲のピーク、約21.5度~約21.8度の範囲のピーク、約22.5度~約22.8度の範囲のピーク、及び約27.3度~約27.6度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、XRPDパターンにお
ける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.0度~約6.3度の範囲のピーク、約9.8度~約10.1度の範囲のピーク、約10.5度~約10.8度の範囲のピーク、約11.1度~約11.4度の範囲のピーク、約12.0度~約12.3度の範囲のピーク、約12.2度~約12.5度の範囲のピーク、約13.8度~約14.1度の範囲のピーク、約15.1度~約15.4度の範囲のピーク、約16.3度~約16.6度の範囲のピーク、約17.0度~約17.3度の範囲のピーク、約18.0度~約18.3度の範囲のピーク、約18.3度~約18.6度の範囲のピーク、約18.8度~約19.1度の範囲のピーク、約19.2度~約19.5度の範囲のピーク、約19.6度~約19.9度の範囲のピーク、約20.2度~約20.5度の範囲のピーク、約21.5度~約21.8度の範囲のピーク、21.9度~約22.2度の範囲のピーク、約22.5度~約22.8度の範囲のピーク、約23.6度~約23.9度の範囲のピーク、約24.5度~約24.8度の範囲のピーク、約25.1度~約25.4度の範囲のピーク、約25.5度~約25.8度の範囲のピーク、約27.3度~約27.6度の範囲のピーク、約29.1度~約29.4度の範囲のピーク、約29.7度~約30.0度の範囲のピーク、約30.0度~約30.3度の範囲のピーク、約30.5度~約30.8度の範囲のピーク、及び約31.4度~約31.7度の範囲のピークから選択できる。
【0156】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.20度、約10.63度、約12.17度、約12.40度、約15.22度、約18.96度、約21.63度、約22.62度及び約27.43度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.20度、約9.94度、約10.63度、約11.26度、約12.17度、約12.40度、約13.92度、約15.22度、約16.41度、約17.19度、約18.19度、約18.39、約18.96度、約19.32度、約19.76度、約20.38度、約21.63度、約22.09度、約22.62度、約23.75度、約24.66度、約25.30度、約25.59度、約27.43度、約29.22度、約29.89度、約30.17度、約30.69度及び約31.53度から選択できる。
【0157】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、図31に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0158】
【表17】
【0159】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、約28から℃約150℃に加熱したときの約3.8%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、約105℃~約125℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、約110℃~約118℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、約115.2℃での吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、図32のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、溶液結晶化によって得ることができ、約114.3℃での吸熱によって特徴付けられることができる。このような化合物の純度は、約99.6%である。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Eは、水和物であり得る。
【0161】
化合物Aの遊離塩基形態Fはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によっ
て特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.9度~約5.3度の範囲のピーク、約6度~約6.4度の範囲のピーク、約10度~約10.4度の範囲のピーク、約12.2度~約12.6度の範囲のピーク、及び約19度~約19.4度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.9度~約5.3度の範囲のピーク、約6度~約6.4度の範囲のピーク、約10度~約10.4度の範囲のピーク、約12.2度~約12.6度の範囲のピーク、約12.9度~約13.3度の範囲のピーク、約16.4度~約16.8度の範囲のピーク、及び約19度~約19.4度の範囲のピークから選択できる。
【0162】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.14度、約6.24度、約10.19度、約12.4度及び約19.15度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.14度、約6.24度、約10.19度、約12.4度、約13.11度、約16.58度及び約19.15度から選択できる。
【0163】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、図33に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0164】
【表18】
【0165】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、約22℃から約150℃に加熱したときの約0.9%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、約163℃~約171℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、約165℃~約169℃の範囲の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、約166.5℃での吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Fは、図34のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0166】
化合物Aの遊離塩基形態Gはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.1度~約3.5度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、及び約16.3度~約16.7度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.1度~約3.5度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約9.3度~約9.7度の範囲のピーク、約11.2度~約11.6度の範囲のピーク、約12度~約12.4度の範囲のピーク、約14.6度~約15度の範囲のピーク、約14.9度~約15.3度の範囲のピーク、約15.2度~約15.6度の範囲のピーク、約16.3度~約16.7度の範囲のピーク、約18.7度~約19.1度の範囲のピーク、及び約22.2度~約22.6度の範囲のピークから選択できる。
【0167】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.32度、約5.17度、約11.35度及び約16.46度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約3.32度、約5.17度、約9.46度、約11.35度、約12.22度、約14.83度、約15.09度、約15.36度、約16.46度、約18.88度及び約22.43度から選択できる。
【0168】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、図35に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0169】
【表19】
【0170】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約29℃から約150℃に加熱したときの約6.7%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約64℃~約72℃の範囲の第1の吸熱、約87℃~約95℃の範囲の第2の吸熱、約101℃~約109℃の範囲の第3の吸熱、及び約164℃~約171℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約66℃~約70℃の範囲の第1の吸熱、約89℃~約93℃の範囲の第2の吸熱、約103℃~約107℃の範囲の第3の吸熱、及び約166℃~約169℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約67.7℃での第1の吸熱、約91.0℃での第2の吸熱、約104.6℃における第3の吸熱、及び約167.6℃における第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、図36のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0171】
他の実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約59℃~約67℃の範囲の第1の吸熱、約104℃~約112℃の範囲の第2の吸熱、約117℃~約125℃の範囲の第3の吸熱、及び約164℃~約171℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約61℃~約65℃の範囲の第1の吸熱、約106℃~約110℃の範囲の第2の吸熱、約119℃~約123℃の範囲の第3の吸熱、及び約166℃~約169℃の範囲の第4の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Gは、約63.2℃での第1の吸熱、約108.0℃での第2の吸熱、約120.7℃における第3の吸熱、及び約167.6℃における第4の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0172】
化合物Aの遊離塩基形態Hはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ
以上のピークは、約4.6度~約5度の範囲のピーク、約5度~約5.4度の範囲のピーク、約10.2度~約10.6度の範囲のピーク、約10.7度~約11.1度の範囲のピーク、及び約17.5度~約17.9度の範囲のピークから選択できる。
【0173】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.84度、約5.24度、約10.4度、約10.87度及び約17.73度から選択できる。
【0174】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、図37に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0175】
【表20】
【0176】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、DSC及び/又はTGAサーモグラムによって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約29℃から約150℃に加熱したときの約0.9%の重量損失によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約134℃~約142℃の範囲の第1の吸熱、約157℃~約165℃の範囲の第2の吸熱、及び約164℃~約172℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約136℃~約140℃の範囲の第1の吸熱、約159℃~約163℃の範囲の第2の吸熱、及び約166℃~約170℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約137.5℃での第1の吸熱、約161.4℃での第2の吸熱、及び約167.5℃における第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、図38のDSC及び/又はTGAサーモグラムを有し得る。
【0177】
他の実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約133℃~約141℃の範囲の第1の吸熱、約155℃~約163℃の範囲の第2の吸熱、及び約162℃~約170℃の範囲の第3の吸熱によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約135℃~約139℃の範囲の第1の吸熱、約157℃~約161℃の範囲の第2の吸熱、及び約164℃~約168℃の範囲の第3の吸熱によって
特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Hは、約137.2℃での第1の吸熱、約158.9℃での第2の吸熱、及び約166.2℃における第3の吸熱によって特徴付けられることができる。
【0178】
化合物Aの遊離塩基形態Iはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.5度~約6.9度の範囲のピーク、約10.4度~約10.8度の範囲のピーク、約10.7度~約11.1度の範囲のピーク、約13.3度~約13.7度の範囲のピーク、約13.8度~約14.2度の範囲のピーク、約14.6度~約15度の範囲のピーク、約15.2度~約15.6度の範囲のピーク、約15.4度~約15.8度の範囲のピーク、約16.8度~約17.2度の範囲のピーク、約19.1度~約19.5度の範囲のピーク、約20度~約20.4度の範囲のピーク、約21.3度~約21.7度の範囲のピーク、約21.6度~約22度の範囲のピーク、約24.9度~約25.3度の範囲のピーク、及び約28度~約28.4度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.8度~約5.2度の範囲のピーク、約6.5度~約6.9度の範囲のピーク、約9.6度~約10度の範囲のピーク、約10.4度~約10.8度の範囲のピーク、約10.7度~約11.1度の範囲のピーク、約13.3度~約13.7度の範囲のピーク、約13.8度~約14.2度の範囲のピーク、約14.6度~約15度の範囲のピーク、約15.2度~約15.6度の範囲のピーク、約15.4度~約15.8度の範囲のピーク、約16.8度~17.2度の範囲のピーク、約19.1度~19.5度の範囲のピーク、約19.6度~20度の範囲のピーク、約20度~20.4度の範囲のピーク、約20.7度~約21.1度の範囲のピーク、約21.3度~約21.7度の範囲のピーク、約21.6度~約22度の範囲のピーク、約23.5度~約23.9度の範囲のピーク、約24.5度~約24.9度の範囲のピーク、約24.9度~約25.3度の範囲のピーク、約25.4度~約25.8度の範囲のピーク、約25.8度~約26.2度の範囲のピーク、約27.4度~約27.8度の範囲のピーク、約28度~約28.4度の範囲のピーク、約28.5度~約28.9度の範囲のピーク、約29.6度~約30度の範囲のピーク、約30.8度~約31.2度の範囲のピーク、及び約33.2度~約33.6度の範囲のピークから選択できる。
【0179】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.73度、約10.59度、約10.85度、約13.46度、約13.98度、約14.77度、約15.44度、約15.56度、約17.01度、約19.26度、約20.22度、約21.47度、約21.76度、約25.11度及び約28.16度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約4.95度、約6.73度、約9.84度、約10.59度、約10.85度、約13.46度、約13.98度、約14.77度、約15.44度、約15.56度、約17.01度、約19.26度、約19.8度、約20.22度、約20.92度、約21.47度、約21.76度、約23.7度、約24.73度、約25.11度、約25.62度、約25.95度、約27.6度、約28.16度、約28.71度、約29.77度、約30.99度及び約33.37度から選択できる。
【0180】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、図39に示すようなXRPDパターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Iは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられ
ることができる。
【0181】
【表21】
【0182】
化合物Aの遊離塩基形態Jはまた、本明細書に記載されるものなどの様々な方法によって特徴付けられることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.9度~約6.2度の範囲のピーク、約10.4度~約10.7度の範囲のピーク、約11.5度~約11.8度の範囲のピーク、約15.1度~約15.4度の範囲のピーク、約19.3度~約19.6度の範囲のピーク、約21.8度~約22.1度の範囲のピーク、約23.1度~約23.4度の範囲のピーク、及び約25.3度~約25.6度の範囲のピークから選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約5.9度~約6.2度の範囲のピーク、約9.5度~約9.8度の範囲のピーク、約10.4度~約10.7度の範囲のピーク、約11.0度~約11.3度の範囲のピーク、約11.5度~約11.8度の範囲のピーク、約12.1度~約12.4度の範囲のピーク、約12.5度~約12.8度の範囲のピーク、約
15.1度~約15.4度の範囲のピーク、約17.0度~約17.3度の範囲のピーク、約17.8度~約18.1度の範囲のピーク、約18.1度~約18.4度の範囲のピーク、約18.7度~約19.0度の範囲のピーク、約19.3度~約19.6度の範囲のピーク、約20.3度~約20.6度の範囲のピーク、約21.8度~約22.1度の範囲のピーク、約22.2度~約22.5度の範囲のピーク、約23.1度~約23.4度の範囲のピーク、約24.5度~約24.8度の範囲のピーク、約25.3度~約25.6度の範囲のピーク、約25.9度~約26.2度の範囲のピーク、約27.8度~約28.1度の範囲のピーク、約29.8度~約30.1度の範囲のピーク、及び約30.8度~約31.1度の範囲のピークから選択できる。
【0183】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.08度、約10.58度、約11.64度、約15.27度、約19.42度、約21.93度、約23.23度、約25.49度から選択できる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、XPRDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができ、1つ以上のピークは、約6.08度、約9.63度、約10.58度、約11.19度、約11.64度、約12.23度、約12.62度、約15.27度、約17.13度、約17.96度、約18.28度、約18.82度、約19.42度、約20.48度、約21.93度、約22.33度、約23.23度、約24.63度、約25.49度、約26.08度、約27.95度、約29.97度及び約30.98度から選択できる。
【0184】
いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、図40に示すようなXRPDパターンを示してもよい。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態Jは、以下から選択される、XRPDパターンにおける1つ以上のピークによって特徴付けられることができる。
【0185】
【表22】
【0186】
医薬組成物
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、有効量の、本明細書に記載される化合物Aの塩及び/又は塩形態(例えば、化合物Aのアジピン酸塩形態A)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はこれらの組み合わせと、を含み得る、医薬組成物に関する。
【0187】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、有効量の化合物Aの遊離塩基形態(例えば、遊離塩基形態E若しくは遊離塩基形態J)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はこれらの組み合わせと、を含み得る、医薬組成物に関する。
【0188】
「医薬組成物」という用語は、本明細書に記載の化合物、塩及び/又は塩形態などの本明細書に開示される1つ以上の化合物と、希釈剤又は担体などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、本明細書に記載の化合物、塩及び/又は塩形態などの化合物の生物への投与を容易にする。医薬組成物はまた、化合物を、無機又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得られ得る。医薬組成物は、一般に、意図される具体的な投与経路に合わせて調整されるであろう。
【0189】
「生理学的に許容される」という用語は、本明細書に記載の化合物、塩及び/又は塩形態などの化合物の生物活性及び特性を無効にすることも、組成物の送達が意図される動物に相当な損傷又は負傷を引き起こすこともしない、担体、希釈剤、又は賦形剤を定義する。
【0190】
本明細書で使用される場合、「担体」は、本明細書に記載の化合物、塩及び/又は塩形態などの化合物の細胞又は組織への組み込みを促進する化合物を指す。例えば、限定することなく、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)は、対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
【0191】
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、明らかな薬理活性はないが、薬学的に必要又は望ましくあり得る、医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/又は投与には質量が小さ過ぎる、効力のある薬物のかさ増しのために使用されてもよい。それはまた、注射、摂取、又は吸入によって投与される薬物を溶解させるための液体であってもよい。当該技術分野において一般的な希釈剤の形態は、限定するものではないが、ヒト血液のpH及び等張性を模したリン酸緩衝生理食塩水などの、緩衝水溶液である。
【0192】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定するものではないが、かさ、稠度、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために、医薬組成物に添加される、本質的に不活性の物質を指す。例えば、酸化防止剤及び金属キレート剤などの安定剤は、賦形剤である。一実施形態では、医薬組成物は、酸化防止剤及び/又は金属キレート剤を含む。「希釈剤」は、ある種の賦形剤である。
【0193】
本明細書に記載の医薬組成物は、ヒト患者にそれ自体で、あるいはそれらが、併用療法におけるような他の活性成分、又は担体、希釈剤、賦形剤、若しくはそれらの組み合わせと混合される医薬組成物において、投与することができる。適切な製剤設計は、選択される投与経路による。本明細書に記載の化合物、塩、塩形態、及び/又は組成物などの製剤設計及び投与のための技術は、当業者に既知である。
【0194】
本明細書に開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、ドラジェ作製、水簸、乳化、封入、捕捉、又は錠剤化プロセスによって、それ自体が既知である様式で製造され得る。追加的に、活性成分が、その意図した目的を達成するために有効な量で含有される。
【0195】
筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下、直接心室内、腹腔内、鼻腔内、及び眼内注射を含む、経口、直腸、肺内、局所、エアロゾル、注射、注入、及び非経口送達が挙げられるが、これらに限定されない、化合物(遊離塩基形態を含む)、塩、塩形態、及び/又は組成物を投与する複数の技術が当該技術分野において存在する。
【0196】
また、全身的な方法ではなく局所的な方法で、例えば、多くの場合、デポー製剤又は持続放出製剤として化合物、塩、塩形態、及び/又は組成物を患部に直接注射又は埋め込むことによって、化合物、塩、塩形態、及び/又は組成物を投与してもよい。更に、標的化した薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームで化合物、塩、塩形態、及び/又は組成物を投与することができる。リポソームは、臓器に対して標的化され、かつ臓器により選択的に取り込まれるであろう。例えば、呼吸器の疾病又は病態を標的とするための鼻腔内又は肺内送達が望ましい場合がある。
【0197】
組成物は、所望される場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る、パック又はディスペンサデバイス中に提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスタパックなどの金属又はプラスチック箔を含んでもよい。パック又はディスペンサデバイスには、投与に関する指示書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサはまた、薬剤の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって規定された形式の、容器に関連付けられた注意書きが添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト又は動物投与のための薬物の形態の機関による承認を反映する。そのような注意書きは、例えば、処方薬に関し米国食
品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品添付文書であってもよい。適合する薬学的担体により製剤設計される、本明細書に記載の化合物、塩、及び/又は塩形態を含むことができる組成物はまた、示された病態の治療のために調製され、適切な容器内に配置され、かつラベリングされてもよい。
【0198】
使用及び治療方法
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、本明細書に記載のがんを寛解及び/又は治療するための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、本明細書に記載のがんを有する対象に投与することを含み得る、方法に関する。本明細書に記載される他の実施形態は、本明細書に記載のがんを寛解及び/又は治療するための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用に関する。本明細書に記載される更なる他の実施形態は、本明細書に記載のがんを寛解及び/又は治療するための、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。
【0199】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、悪性増殖又は腫瘍の複製を阻害するための方法であって、悪性増殖又は腫瘍を、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得、悪性増殖又は腫瘍が、本明細書に記載のがんに起因する、方法に関する。本明細書に記載される他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍の複製を阻害するための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用であって、悪性増殖又は腫瘍が、本明細書に記載のがんに起因する、使用に関する。本明細書に記載される更なる他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍が本明細書に記載のがんに起因する、悪性増殖又は腫瘍の複製を阻害するための、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。
【0200】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、本明細書に記載のがんを寛解又は治療するための方法であって、本明細書に記載のがんを有する対象に対して、悪性増殖又は腫瘍を、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る、方法に関する。本明細書に記載される他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍と接触させることを含み得る、がんを寛解又は治療するための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用であって、悪性増殖又は腫瘍が、本明細書に記載のがんに起因する、使
用に関する。本明細書に記載される更なる他の実施形態は、悪性増殖又は腫瘍が本明細書に記載のがんに起因する、悪性増殖又は腫瘍と接触させることを含み得る、がんを寛解又は治療するための、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。
【0201】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)ための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、本明細書に記載のがん由来のがん細胞に提供することを含み得る、方法に関する。本明細書に記載される他の実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現の低下させる)ための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用に関する。本明細書に記載される更なる他の実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現の低下させる)ための、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)ための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、本明細書に記載のがん由来のがん細胞に提供することを含み得る、方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)ための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と、本明細書に記載のがん由来のがん細胞を接触させることによって、WEE1の活性を阻害することを含み得る、方法に関する。
【0202】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、本発明に記載のがんを寛解又は治療するための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を用いて、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞にお
けるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)ことを含み得る、方法に関する。本明細書に記載される他の実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)ことによって、本発明に記載のがんを寛解又は治療するための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用に関する。本明細書に記載される更なる他の実施形態は、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)することによって、本発明に記載のがんを寛解又は治療するための、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、本発明に記載のがんを寛解又は治療するための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、がん細胞と接触させることを含み得、化合物が、WEE1の活性を阻害する(例えば、TP53変異型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、TP53野生型細胞におけるWEE1の活性を阻害する、WEE1 p53欠損細胞における活性を阻害する、及び/又は細胞中のWEE1の過剰発現を低下させる)、方法に関する。
【0203】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、WEE1の活性を阻害するための方法であって、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、本明細書に記載のがん、又は本明細書に記載のがん由来のがん細胞を有する対象に提供することを含み得る、方法に関する。本明細書に開示される他の実施形態は、WEE1の活性を阻害するための医薬の製造における、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物の使用に関する。本明細書に開示される更なる他の実施形態は、WEE1の活性を阻害するための、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物に関する。
【0204】
好適ながんの例としては、脳がん、脳頸部がん、食道がん、甲状腺がん、小細胞がん、非小細胞がん、乳がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん及び小細胞肺がん)、胃がん、胆嚢/胆管がん、肝がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、絨毛がん、子宮体がん、子宮頸部がん、腎盂/尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、胎児がん、ウィルムスがん、皮膚がん、悪性黒色腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍、軟部肉腫、急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、真性多血症、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0205】
本明細書に記載されるように、がんは、1種以上の抗がん剤に対して耐性を持つようになり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)、又は有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を使用して、1種以上の抗がん剤(例えば、1種以上のWEE1阻害剤)に対して耐性を持つようになったがんを治療及び/又は寛解することができる。対象が耐性を持つようになり得る抗がん剤の例として、WEE1阻害剤(例えば、AZD1775又はアダボセルチブ)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1種以上の抗がん剤に対して耐性を持つようになったがんは、本明細書に記載されるがんであってもよい。
【0206】
いくつかの既知のWEE1阻害剤は、治療されている対象における1つ以上の望ましくない副作用を引き起こす可能性がある。望ましくない副作用の例としては、血小板減少症、好中球減少症、貧血症、下痢、嘔吐、悪心、腹痛、及び便秘が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩)は、既知のWEE1阻害剤に関連する1つ以上の副作用の数及び/又は重症度を低下させることができる。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩は、既知のWEE1阻害剤(例えば、AZD1775、正式にはMK1775として知られている(CAS番号:955365-80-7、2-アリル-1-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)-6-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)-1,2-ジヒドロピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-オン))を投与されている対象が経験する同じ副作用の重症度と比較して、25%未満である副作用(本明細書に記載されるもののうち1つなど)の重症度をもたらし得る。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩は、既知のWEE1阻害剤(例えば、AZD1775)を投与されている対象が経験する副作用の数と比較して、25%未満の副作用の数をもたらし得る。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩は、公知のWEE1阻害剤(例えば、AZD1775)を投与されている対象が経験する同じ副作用の重症度と比較して、約10%~約30%の範囲内でより低い副作用(例えば、本明細書に記載されているもののうちの1つ)の重症度をもたらす。いくつかの実施形態では、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩は、既知のWEE1阻害剤(例えば、AZD1775)を投与されている対象が経験する副作用の数と比較して、約10%~約30%少ない範囲の副作用の数をもたらす。
【0207】
WEE1の活性の阻害が有益である、がんの増殖を治療、寛解、及び/又は阻害するのに使用され得る、化合物Aの1つ以上の遊離塩基形態若しくは1つ以上の塩形態、又はその薬学的に許容される塩は、「化合物」という見出しで、段落[0069]~[0076]に記載される実施形態のいずれかに提供される。
【0208】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、治療、観察、又は実験の対象である動物を指す。「動物」には、冷血及び温血の脊椎動物及び無脊椎動物、例えば、魚、甲殻類、爬虫類、及び特に、哺乳動物が含まれる。「哺乳動物」には、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー、及び類人猿、並びに特に、ヒトが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトであり得る。いくつかの実施形態では、対象は、小児及び/又は乳児、例えば、発熱した小児又は乳児であり得る。他の実施形態では、対象は、成人であり得る。
【0209】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」、「治療的」、及び「療法」という用語は、必ずしも疾病又は病態の完全な治癒又は消滅を意味するとは限らない。疾病又は病態の任意の望ましくない兆候又は症状の任意の程度の任意の緩和が、治療及び/又は療法とみなされ得る。更に、治療は、対象の健康又は外観についての総合的な感覚を悪化させ得る行為を含み得る。
【0210】
「治療有効量」及び「有効量」という用語は、記載の生物学的又は医学的応答を導く、活性化合物又は薬学的剤の量を示すために使用される。例えば、化合物、塩又は組成物の治療有効量は、疾病又は病態の症状を予防、緩和、若しくは寛解するか、又は治療される対象の生存を延長するために必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物、又はヒトにおいて生じ得、治療されている疾病又は病態の兆候又は症状の緩和を含む。有効量の決定は、本明細書に提供される本開示を考慮して、十分当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書に開示の化合物の治療有効量は、投与経路、ヒトなどの治療されている動物の種類、及び考慮中の特定の動物の身体特性に依存するであろう。用量は、所望の効果を達成するように調整され得るが、体重、食生活、併用投薬、及び医療分野の当業者が認識するであろう他の要因などの要因に依存するであろう。
【0211】
例えば、化合物又は放射線の有効量は、(a)がんによって引き起こされる1つ以上の症状の軽減、緩和、若しくは消失、(b)腫瘍サイズの低減、(c)腫瘍の除去、及び/又は(d)腫瘍の長期疾患安定化(増殖停止)、をもたらす量である。肺がん(非小細胞肺がんなど)の治療において、治療有効量は、咳、息切れ、及び/又は疼痛を緩和又は除去する量である。別の例として、WEE1阻害剤の有効量、つまり治療有効量は、WEE1活性及び/又はリン酸化(例えば、CDC2のリン酸化)の低減をもたらす量である。WEE1の活性の低下は当業者に既知であり、WEE1内因性キナーゼ活性及び下流の基質のリン酸化の分析によって決定することができる。
【0212】
治療で使用するために必要とされる化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩の量は、選択された特定の化合物又は塩だけはなく、投与経路、治療されている疾病又は病態の性質及び/又は症状、並びに患者の年齢及び状態によっても変動し、最終的に、主治医又は臨床医の判断によるであろう。薬学的に許容される塩の投与の場合、投与量は、遊離塩基として計算され得る。当業者によって理解されるように、ある特定の状況において、特に進行性の疾病又は病態を効果的かつ積極的に治療するために、本明細書に記載の投与量範囲を超えるか、又ははるかに超えさえする量で、本明細書に開示の化合物を投与することが必要であり得る。
【0213】
しかしながら、概して、好適な用量は多くの場合、約0.05mg/kg~約10mg/kgの範囲内であるであろう。例えば、好適な用量は、体重1kg当たり1日約0.10mg~約7.5mg、例えば、レシピエントの体重1kg当たり1日約0.15mg~約5.0mg、レシピエントの体重1kg当たり1日約0.2mg~4.0mgの範囲内、又はこの間の任意の量であってもよい。化合物は、単位剤形で投与されてもよく、単位剤形は、例えば、単位剤形当たり1~500mg、10~100mg、5~50mg、又はこの間の任意の量の活性成分を含有する。
【0214】
所望の用量は、単回用量で、又は例えば、1日当たり2回、3回、4回、若しくはそれ以上の部分用量として、適切な間隔で投与される分割用量として、便利に提供されてもよい。部分用量自体は、例えば、いくつかの別個の大まかに間隔がおかれた投与に更に分割されてもよい。
【0215】
当業者には容易に明らかになるように、投与される有用なインビボ投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重、苦痛の重症度、治療される哺乳動物種、用いられる特定の化合物
、及びこれらの化合物が用いられる特定の用途に応じて変動するであろう。有効な投与量レベル、つまり所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの決定は、日常的な方法、例えば、ヒト臨床試験、インビボ研究、及びインビトロ研究を使用して、当業者によって達成され得る。有効な投与量レベル、つまり所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの決定は、日常的な方法、例えば、ヒト臨床試験、インビボ研究、及びインビトロ研究を使用して、当業者によって達成され得る。例えば、化合物Aの遊離塩基形態若しくは塩形態、又はその薬学的に許容される塩の有用な投与量は、動物モデルにおけるそれらのインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって判定され得る。そのような比較は、シスプラチン及び/又はゲムシタビン)などの確立された薬物との比較によって行われ得る。
【0216】
投与量及び間隔は、活性部分が調節作用又は最小有効濃度(minimal effective concentration、MEC)を維持するのに十分である血漿濃度を提供するように、個々に調節されてもよい。MECは、化合物ごとに異なるが、インビボ及び/又はインビトロデータから推定され得る。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性及び投与経路に依存するであろう。しかしながら、血漿濃度を測定するためにはHPLCアッセイ又はバイオアッセイが使用され得る。投与量間隔もまたMEC値を使用して決定され得る。組成物は、10~90%の期間、好ましくは30~90%、最も好ましくは50~90%にわたって、MECを超える血漿濃度を維持するレジメンを使用して投与されるべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関係しない場合がある。
【0217】
毒性又は臓器機能不全により、投与の終了、中断、又は調節の方法及び時期については、主治医が承知しているであろうことに留意されたい。反対に、主治医は、臨床応答が適切ではない(毒性を除外する)場合、治療をより高いレベルに調節することも承知しているであろう。対象となる疾患の管理において投与される用量の大きさは、治療しようとする疾病又は病態の重症度並びに投与経路によって変動するであろう。疾病又は病態の重症度は、例えば、ある程度は、標準的な予後評価方法によって評価されてもよい。更に、用量及び恐らく投薬回数はまた、個々の患者の年齢、体重、及び応答によっても変動するであろう。上記で考察されるものに相当するプログラムが、獣医学で使用されてもよい。
【0218】
本明細書に開示の化合物、塩、及び組成物は、既知の方法を使用して有効性及び毒性に関して評価され得る。例えば、ある特定の化学部分を共有する特定の化合物又は化合物のサブセットについての毒性学は、哺乳動物の細胞株、好ましくはヒトの細胞株などの細胞株に対するインビトロ毒性を評価することによって確立され得る。そのような研究の結果は、多くの場合、哺乳動物、又は特にヒトなどの動物における毒性を予測する。代替的に、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、又はサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を使用して判定され得る。特定の化合物の有効性は、インビトロ方法、動物モデル、又はヒト臨床試験などのいくつかの認められている方法を使用して確立され得る。有効性を判定するためのモデルを選択する場合、当業者は、適切なモデル、用量、投与経路、及び/又はレジメンを選択するにあたり最先端の技術を指針とすることができる。
【実施例
【0219】
特許請求の範囲を決して限定するものではない、更なる実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示される。
【0220】
化合物Aの遊離塩基は、特許文献1に記載されるように調製することができ、当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許文献1に記載されているように、化合物Aの遊離塩基は、WEE1阻害剤である。
【0221】
アジピン酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びアジピン酸をメチルtert-ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether、MTBE)中、1000rpmで室温(room temperature、rt)にて4日間スラリー化することによって、アジピン酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0222】
溶液結晶化:20mLのビア(via)に化合物Aの遊離塩基(約1g)を添加し、続いて酢酸エチル(EtOAc、10mL)を添加して、固体を溶解させた。100mLの反応器に、1.05等モルのアジピン酸(約291mg)を添加し、続いてEtOAc(40mL)を添加して、固体を溶解させた。アジペート形態Aシード(約20mg)を、酸溶液に添加した(シードは溶解しなかった)。遊離塩基溶液を、25℃で300rpmで撹拌しながら4時間かけて酸溶液に添加し、続いて25℃で300rpmで16時間撹拌した。溶液を真空濾過し、固体を、EtOAc(2×10mL)で洗浄し、室温で17時間真空乾燥した。
【0223】
HCl塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びHCl酸を、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、HCl塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0224】
HCl塩形態Bの調製
1等量の遊離塩基形態Bを2等量のHCl酸と、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v/v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、HCl塩形態Bを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0225】
硫酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及び硫酸を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、硫酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0226】
メシル酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びメタンスルホン酸を、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、メシル酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0227】
マレイン酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びマレイン酸を、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、マレイン酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0228】
リン酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びリン酸を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、リン酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0229】
酒石酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びL-酒石酸を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、酒石酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0230】
トシル酸塩形態Aの調製。
等モル量の遊離塩基形態A及びp-トルエンスルホン酸を、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、トシル酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0231】
ムチン酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及びムチン酸を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、ムチン酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0232】
馬尿酸塩形態Aの調製
等モル量の遊離塩基形態A及び馬尿酸を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、馬尿酸塩形態Aを得た。得られた懸濁液を10,000rpmで2分間遠心分離して、固体を回収した。
【0233】
化合物Aの遊離塩基形態Aの調製
室温で4日間、MTBE中で化合物Aの非晶質遊離塩基をスラリー化することによって、化合物Aの遊離塩基形態Aを得た。
【0234】
化合物Aの遊離塩基形態Bの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、化合物Aの遊離塩基形態Bを得た。
【0235】
化合物Aの遊離塩基形態Cの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基を、EtOAc:n-ヘプタン(1:1、v:v)中で、1000rpmで室温にて4日間スラリー化することによって、化合物Aの遊離塩基形態Cを得た。
【0236】
化合物Aの遊離塩基形態Dの調製
室温で4日間、IPAc中で化合物Aの非晶質遊離塩基をスラリー化することによって、化合物Aの遊離塩基形態Dを得た。
【0237】
化合物Aの遊離塩基形態Eの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基を、アセトン:HO(1:3、v:v)中で、50mgスケールで室温にて4日間スラリー化することによって、化合物Aの遊離塩基形態Eを得た。
【0238】
溶液結晶化:20mLのビアに化合物Aの遊離塩基(約1g)を添加し、続いてアセトン(5mL)を添加して、固体を溶解させた。貧溶媒(anti-solvent)HO(5mL)を、室温で1000rpmで撹拌しながら溶液に添加した(沈殿は観察されなかった)。遊離塩基形態Eシード(約20mg)を、溶液に添加した(シードは溶解しなかった)。HO(10mL)を試料に添加し(5mLのHの添加後にゲルが観察された)、これを15分間のスラリー後に懸濁液に変換し)、1000rpmで室温して2
2.5時間スラリー化した。溶液を真空濾過し、固体を、HO(2×10mL)で洗浄し、室温で17時間真空乾燥した。
【0239】
化合物Aの遊離塩基形態Fの調製
化合物Aの遊離塩基形態A、C、D又はGのいずれかを加熱することによって、化合物Aの遊離塩基形態Fを得た。また、化合物Aの遊離塩基形態Hを160℃に加熱し、続いて室温に冷却することによっても、化合物Aの遊離塩基形態Fを得た。
【0240】
化合物Aの遊離塩基形態Gの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基15mgを約0.4~1.0mLのIPAに溶解させた後、沈殿剤が出現するか、又は貧溶媒の総量が15.0mLに達するまで、n-ヘプタンを添加する貧溶媒添加によって、化合物Aの遊離塩基形態Gを得た。
【0241】
化合物Aの遊離塩基形態Hの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基15mgを約0.4~1.0mLのCHClに溶解させた後、沈殿剤が出現するか、又は貧溶媒の総量が15.0mLに達するまで、n-ヘプタンを添加する貧溶媒添加によって、化合物Aの遊離塩基形態Hを得た。
【0242】
化合物Aの遊離塩基形態Iの調製
化合物Aの非晶質遊離塩基15mgを約0.4~1.0mLのDMSOに溶解させ、続いて15.0mLのHOを添加する貧溶媒添加によって、化合物Aの遊離塩基形態Hを得た。次いで、試料を5℃で4日間スラリーに移した。
【0243】
化合物Aの遊離塩基形態Jの調製
化合物Aの遊離塩基形態Jは、化合物Aの遊離塩基形態EのXRPD特性評価の間に得られた。化合物Aの遊離塩基形態Jは、化合物Aの遊離塩基形態EをNパージ下で60℃に加熱することによってのみ得られたので、それを無水物であると仮定した。
【0244】
遊離塩基多形相互変換
化合物Aの遊離塩基形態A、C、D、E、F、G及びH間の多形変換関係を得た。約20mgの非晶質遊離塩基出発物質を別の高速液体クロマトグラフィー(high-performance liquid chromatography、HPLC)バイアルに加え、続いて1.0mLの対応する溶媒を加えた。試料を室温、1000rpmで約2~5時間スラリー化した。次いで、試料を0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)を通して濾過して、約5mgの各形態を含む別々のHPLCバイアルに入れた。XRPD特性評価のために、試料を室温にて1000rpmでスラリー化した。結果を表1に示す。MTBE中を除き、全ての溶媒系中で遊離塩基形態Eが得られた。遊離塩基形態Fは、形態Eよりも高い温度でDSC吸熱を有する無水物であり、形態Fは加熱によってのみ得られた。形態Eは、競合スラリー実験の全ての溶媒系中で得ることができる。
【0245】
【表23】
【0246】
アジピン酸塩形態Aは、25℃/60%相対湿度(relative humidity、RH)及び40℃/75%RHで4週間、60℃で2週間、並びに80℃で3日間、その固体状態で安定であった。それは、2週間後に60℃で、3日後に80℃でわずかに分解しただけであった。表2に示されるように、60℃で4週間後及び80℃で7日後、アジピン酸塩形態Aは、それぞれ0.9%及び0.6%分解した。全ての試験条件下で、形態変化はなかった。
【0247】
【表24】
【0248】
遊離塩基形態Eは、表3に示されるように、25℃/60%RH、40℃/75%RH及び60℃で4週間、並びに80℃で7日間、その固体状態で安定であった。全ての試験条件下で、形態変化はなかった。
【0249】
【表25】
【0250】
溶液結晶化から得られた化合物Aのアジピン酸塩形態A及び遊離塩基形態Eの試料を約5分間粉砕した後、50℃で15時間又は58.5時間真空乾燥した。試料を乾燥後に特徴付け、結果を表4に要約する。
【0251】
【表26】
【0252】
吸湿性
化合物Aのアジピン酸塩形態A及び遊離塩基形態Eの吸湿性を、25℃で0%RH~95%RHのDVS等温線プロットを収集することによって評価した。XRPD特性評価を、DVS試験後に化合物Aのアジピン酸塩形態A及び遊離塩基形態Eについて実行した。図41は、アジピン酸塩形態AのDVSプロットを示し、図42は、DVS前後のアジピン酸塩形態AのXRPDオーバーレイを示す。結果に基づいて、アジピン酸塩形態Aは、25℃/80%RHで2.2%の水取り込みを示した。図43は、化合物Aの遊離塩基形態EのDVSプロットを示し、図44は、DVS前後の化合物Aの遊離塩基形態EのXRPDオーバーレイを示す。結果に基づいて、化合物Aの遊離塩基形態Eは、25℃/80%RHで0.6%の水取り込みを示した。両方の形態について、DVS試験後に形態変化は観察されなかった。
【0253】
平衡溶解度
化合物Aのアジピン酸塩形態A及び遊離塩基形態Eの平衡溶解度を、SGF、HO、FaSSIF及びFeSSIF中で評価した。約10~50mgの各試料を、37℃で24時間、1.0mLの各培地、続いてスラリーに秤量した。試料を遠心分離し、0.45μmのPTFEフィルターを用いて濾過した。固体をXRPDによって試験し、上清をHPLC及びpHによって試験した。結果を表5に要約する。図45は、アジピン酸塩形態Aの溶解度試験からの残留固体のXRPDオーバーレイを示す。図46は、化合物Aの遊
離塩基形態Eの溶解度試験からの残留固体のXRPDオーバーレイを示す。結果に基づいて、アジピン酸塩形態Aは、化合物Aの遊離塩基形態Eよりも高い溶解度を示した。
【0254】
【表27】
【0255】
化合物Aの非晶質遊離塩基のTGA曲線は、30℃で始まり、150℃まで続き、合計で約17%の損失である、実質的かつ漸進的な重量損失を示した。比較すると、化合物Aのアジピン酸塩形態A及び遊離塩基形態Eは、150℃に加熱した場合、顕著に少ない重量損失を示した。化合物Aのアジピン酸塩形態A並びに遊離塩基形態E及び遊離塩基形態Jは、非晶質遊離塩基よりも熱力学的に安定であり、より良好な加工性も有する。
【0256】
特性評価方法
XRPD
XRPD分析では、PANalytical Empyrean及びX’Pert3 X線粉末回折計を使用した。
【0257】
【表28】
【0258】
TGA及びDSC
TGAデータは、TA Instruments製のTA Q5000/Discovery 5500 TGAを使用して収集した。DSCを、TA Instruments製のTA Q2000/Discovery 2500 DSCを使用して実行した。
【0259】
【表29】
【0260】
DVS
DVSデータは、SMS(Surface Measurement Systems)DVS Intrinsicによって測定した。25℃での相対湿度を、LiCl、Mg(NO及びKClの潮解点に対して較正した。
【0261】
【表30】
【0262】
その上、上文は、明確さと理解のために、図及び実施例としてある程度詳細に記述されているが、本開示の趣旨を逸脱することなく数多くの様々な修正がなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていないが、それどころか本発明の真の範囲及び趣旨に沿った全ての修正及び代替形態を包含することも明確に理解するべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
【国際調査報告】