(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】刃形プレート締結具
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20230725BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20230725BHJP
F16B 12/12 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
E04B1/58 508L
E04B1/26 G
F16B12/12 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501241
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2021040566
(87)【国際公開番号】W WO2022010933
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506244375
【氏名又は名称】シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン イー. プライヤー
【テーマコード(参考)】
2E125
3J024
【Fターム(参考)】
2E125AA03
2E125AA10
2E125AA13
2E125AA14
2E125AA35
2E125AA54
2E125AB12
2E125AC13
2E125AC23
2E125AC24
2E125AG03
2E125AG12
2E125AG23
2E125BB05
2E125BB22
2E125BB36
2E125BC02
2E125BC06
2E125BD01
2E125BE06
2E125BE07
2E125BE08
2E125BF04
2E125CA44
2E125CA79
3J024AA12
3J024AA47
3J024BB03
3J024CA14
(57)【要約】
本明細書において刃形プレートと称されるコネクタと、当該刃形プレートを使用して形成された構造的接続部。この刃形プレートは、鉛直の支柱といった第1の構造部材に取り付けるように構成された第1の部分を有し得る。この刃形プレートは、水平な梁といった第2の構造部材において形成されたスロット内に嵌合するように構成された第2の部分を有し得る。この第2の構造部材は、当該第2の構造部材及び当該刃形プレートを通過して嵌合する1または複数のダボを使用することによって、当該刃形プレートにピン接合されてもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設物において第1の構造部材を第2の構造部材に固定するためのシステムであって、
前記第1の構造部材に取り付けられるように構成された第1のセクションと、
前記第1のセクションに連続して形成されている第2のセクションであって、前記第2の構造部材におけるスロット内に挿入されるように、且つ、前記第2のセクション及び前記第2の構造部材における1又は複数の穴を通過する1又は複数のダボを受容するように構成された前記第2のセクションと、
を備えており、
前記第2のセクション及び前記1又は複数のダボは、前記第2の構造部材から前記第1の構造部材上にモーメント力を伝達することなく、前記第2の構造部材を前記第1の構造部材上に支持するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、互いに直角をなすように形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、互いに一体的に形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、互いに、溶接されているか、ボルト接合されているか、その他の態様で機械的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1又は複数の穴は、前記第2のセクション内に複数の穴を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の穴は、円形の穴を含み、
前記円形の穴は、ダボを受容するように構成されているとともに、前記第1の構造部材に対する前記第2の構造部材の回転軸となるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記円形の穴は、軸方向移動に抗って、かつ、重力に抗って前記第2の構造部材を支持している、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の穴は、さらに、前記1又は複数のダボのうちの1又は複数を受容するように構成された1又は複数の長円形の穴を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記1又は複数の長円形の穴は、それらの長さに沿って直線状である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1又は複数の長円形の穴は、それらの長さに沿って丸み付けされている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記1又は複数の長円形の穴は、前記第2の構造部材の長軸に対して平行であるとともに、重力に抗って前記第2の構造部材を支持するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記1又は複数の長円形の穴は、前記第2の構造部材の長軸に対して垂直であるとともに、軸方向移動に抗って前記第2の構造部材を支持するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
建設物におけるシステムであって、
第1の構造部材と、
スロット及び1又は複数の穴を備える第2の構造部材と、
前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を互いにピン接合するための刃形プレートであって、
前記第1の構造部材に締結されるように構成された第1のセクションと、
前記第2の構造部材内の前記スロットに嵌合するように構成されているとともに、少なくとも1つの穴を含んでいる第2のセクションと、
を備える前記刃形プレートと、
前記第2の構造部材内の前記1又は複数の穴、及び、前記第2のセクション内の前記少なくとも1つの穴を通過して嵌合するように構成された1又は複数のダボと、
を備えており、
前記1又は複数のダボは、前記第2の構造部材を前記刃形プレート及び前記第1の構造部材にピン接合するように構成されている、
システム。
【請求項14】
前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材のうちの一方は、支柱、梁、ジョイスト、スタッド、桁、弦、トラス、剪断壁、又は、骨組みを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のセクション内の前記少なくとも1つの穴は、複数の穴を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の穴は、円形の穴を備え、
前記円形の穴は、前記1又は複数のダボのうちのダボを受容するように構成されているとともに、前記第1の構造部材に対する前記第2の構造部材の回転軸となるように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記円形の穴は、軸方向移動に抗って、かつ、少なくとも重力に抗って、前記第2の構造部材を支持している、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の穴は、さらに、前記1又は複数のダボのうちの1又は複数を受容するように構成された1又は複数の長円形の穴を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記1又は複数の長円形の穴は、それらの長さに沿って直線状である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1又は複数の長円形の穴は、それらの長さに沿って丸み付けされている、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記1又は複数の長円形の穴は、前記第2の構造部材の長軸に対して平行であるとともに、重力に抗って前記第2の構造部材を支持するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記1又は複数の長円形の穴は、前記第2の構造部材の長軸に対して垂直であるとともに、軸方向移動に抗って前記第2の構造部材を支持するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
建設物におけるシステムであって、
第1の構造部材と、
複数の穴を備える第2の構造部材と、
前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を互いにピン接合するための刃形プレートであって、
前記第1の構造部材に締結されるように構成された第1のセクションと、
円形の穴及び1又は複数の長円形の穴を有する複数の穴を備える第2のセクションと、
を備える刃形プレートと、
前記第2の構造部材内の前記複数の穴及び前記第2のセクション内の前記複数の穴を通過して嵌合するように構成された複数のダボと、
を備えており、
前記複数の穴及び前記複数の穴における前記複数のダボは、前記刃形プレート及び前記第1の構造部材に対する前記第2の構造部材の回転を可能にしながら、前記刃形プレート及び前記第1の構造部材に前記第2の構造部材を支持している、
システム
【請求項24】
前記第2のセクション内の前記複数の穴のうちの1つは、前記刃形プレートの上縁に向けて開放している、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材は、木材で形成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記木材は、天然木材、複合木材、及び、エンジニアード材木を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、互いに斜角をなすように形成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のセクション及び前記第2のセクションは、前記刃形プレートが平坦なプレートであるように互いに180°で形成されている、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明者)スティーブン E.プライアー(Steven E.Pryor)
【0002】
(優先権データ)この出願は、2020年7月8日に出願されているとともに、その全体が本明細書において参照により組み込まれている、「刃形プレート締結具(KNIFE PLATE FASTNER)」と題された米国特許出願第16/923,379号の優先権を主張している。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、改善された建設デバイスに関する。特に、構造部材を接合するための改善されたピン接合による接続部に関する。
【0004】
(関連技術の説明)
地震活動及び強風といった自然現象を理由とする剪断応力は、軽量骨組みの建設物の構造的完全性に対し、壊滅的な影響を及ぼすおそれがある。このような自然現象の間にわたって生じる横力は、壁の上部分を、当該壁の底部分を基準として横方向に移動させ得、この移動は、結果的に壁の損傷又は構造的破損を生じさせるおそれがあり、いくつかの事例では、建築物を崩壊させるおそれがある。
【0005】
住宅及び小さな建築物といった建設物においては、軽量骨組みの建設物の構造的完全性に対する剪断応力の、潜在的に壊滅的な影響を打ち消すために、横構システムが開発されてきた。様々な設計が知られているが、横構システムの1つのタイプは、互いから間隔をあけて配置された鉛直のスタッドと、これらのスタッドに取り付けられてこれらのスタッド間に延在する水平な梁と、を含んでいる。当該梁は、横荷重下における接続部の構造性能の増大を目的として、当該スタッドに取り付けられている。
【0006】
多くの従来の横構システムは、横荷重下において当初は良好に働くものの、重大な地震活動及び強風の間にわたり往々にして発生する繰り返し横荷重を受けると、降伏及び破損を生じる。横構システムに認識できるほどの降伏又は破損を生じると、このシステム全体を置換しなければならない。
【0007】
構造物への荷重の印加とは無関係の別の考慮事項に、このような構造物を現場で要員が組み立て得る際の容易性及び有効性がある。建設に要する時間、複雑性、及び、コストを増す1つのタスクとして、現場における構成要素の溶接が挙げられる。
【発明の概要】
【0008】
本技術は、大まかに説明すると、本明細書において刃形プレートと称されるコネクタと、その刃形プレートを使用して形成された構造的接続部と、に関する。この刃形プレートは、鉛直の支柱といった第1の構造部材に取り付けるように構成された第1の部分を有してもよい。この刃形プレートは、水平な梁といった第2の構造部材において形成されたスロット内に嵌合するように構成された第2の部分を有してもよい。この第2の構造部材は、第2の構造部材及び刃形プレートを通過して嵌合する1または複数のダボ(dowel)を使用して、刃形プレートにピン接合されてもよい。
【0009】
本技術は、一列では、建設物において第1の構造部材を第2の構造部材に固定するためのシステムであって、前記第1の構造部材に取り付けられるように構成された第1のセクションと、前記第1のセクションに連続して形成されている第2のセクションであって、前記第2の構造部材におけるスロット内に挿入されるように、且つ、前記第2のセクション及び前記第2の構造部材における1又は複数の穴を通過する1又は複数のダボを受容するように構成された前記第2のセクションと、を備えており、前記第2のセクション及び前記1又は複数のダボは、前記第2の構造部材から前記第1の構造部材上にモーメント力を伝達することなく、前記第2の構造部材を前記第1の構造部材上に支持するように構成されている、システムに関する。
【0010】
別の例において、本技術は、建設物におけるシステムであって、第1の構造部材と、スロット及び1又は複数の穴を備える第2の構造部材と、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を互いにピン接合するための刃形プレートであって、前記第1の構造部材に締結されるように構成された第1のセクションと前記第2の構造部材内の前記スロット内に嵌合するように構成されているとともに、少なくとも1つの穴を含んでいる第2のセクションとを備えている刃形プレートと、前記第2の構造部材内の前記1又は複数の穴及び前記第2のセクション内の前記少なくとも1つの穴を通過して嵌合するように構成された1または複数のダボと、を備えており、前記1または複数のダボが、前記第2の構造部材を前記刃形プレート及び前記第1の構造部材にピン接合するように構成されているシステムに関する。
【0011】
さらなる一例において、本技術は、建設物におけるシステムであって、第1の構造部材と、複数の穴を備える第2の構造部材と、前記第1の構造部材及び前記第2の構造部材を互いにピン接合するための刃形プレートであって、前記第1の構造部材に締結されるように構成された第1のセクションと円形の穴及び1または複数の長円形の穴を含む複数の穴を備える第2のセクションとを備えている刃形プレートと、前記第2の構造部材内の前記複数の穴及び前記第2のセクション内の前記複数の穴を通過して嵌合するように構成された複数のダボと、を備えており、前記複数の穴及び前記複数の穴における前記複数のダボが、前記刃形プレート及び前記第1の構造部材に対する前記第2の構造部材の回転を可能にしながら、前記第2の構造部材を前記刃形プレート及び前記第1の構造部材上に支持しているシステムに関する。
【0012】
本発明の、これらの及び他の目的及び利点は、この発明の好ましい実施形態が図面と併せて明記されている以下の説明から、より明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
この発明を、その特定の実施形態に関して説明する。この発明の他の目的、特徴、及び、利点は、明細書及び図面を参照すると明らかになるであろう。
【0014】
【
図1】本技術の実施形態に従って、刃形プレートの透視図を描写している。
【
図2】本技術の実施形態に従って、第1の構造部材に取り付けられている刃形プレートの透視図を描写している。
【
図3】本技術の実施形態に従って、第2の構造部材に取り付けられている刃形プレートの透視図を描写している。
【
図4】本技術の実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の透視図を描写している。
【
図5】本技術の実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の正面図を描写している。
【
図6】本技術の実施形態に従って、刃形プレートによって第2の構造部材に取り付けられているとともに第2の構造部材に対して旋回する第1の構造部材の正面図を描写している。
【
図7】本技術の実施形態に従って、刃形プレートによって第2の構造部材に取り付けられているとともに第2の構造部材に対して旋回する第1の構造部材の正面図を描写している。
【
図8】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の正面図を描写している。
【
図8A】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の正面図を描写している。
【
図9】本技術の実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の上面図を描写している。
【
図10】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートによって互いに取り付けられた第1の構造部材及び第2の構造部材の上面図を描写している。
【
図11】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートに取り付けられている第2の構造部材の透視図を描写している。
【
図12】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートの後面透視図及び正面透視図を描写している。
【
図13】本技術の代替的実施形態に従って、刃形プレートの後面透視図及び正面透視図を描写している。
【
図14】
図12及び
図13の代替的実施形態に従って、第1の構造部材に取り付けられた刃形プレートの透視図を描写している。
【
図15】
図12及び
図13の代替的実施形態に従って、刃形プレートにより互いに取り付けられた第1の構造部材、第2の構造部材、及び、第3の構造部材の透視図を描写している。
【
図16】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材におけるスロット内に嵌合している平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図17】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材におけるスロット内に嵌合している平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図18】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材の側方表面上に嵌合している平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図19】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材及び第2の構造部材の対向する側方表面上に嵌合している一対の平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図20】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材及び第2の構造部材の対向する側方表面上に嵌合している一対の平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図21】本技術のさらなる実施形態によって、第1の構造部材及び第2の構造部材の対向する側方表面上に嵌合している一対の平坦な刃形プレートの透視図を描写している。
【
図22】本技術の代替的実施形態によって、丸み付けされたスロットを含んでいる刃形プレートの正面図を描写している。
【
図23】本技術のさらなる実施形態によって、ダボを受容するための長円形の穴を有している第2の構造部材の透視図を描写している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
次に、コネクタと、当該コネクタを使用して形成された構造的接続部と、を包括的に示している図を参照して、本技術について説明する。コネクタは、本明細書において、刃形プレートと称されることがある。1つの実施形態において、この刃形プレートは、鉛直の支柱といった第1の構造部材に取り付けるように構成された第1の部分を有し得る。この刃形プレートは、水平な梁といった第2の構造部材において形成されたスロット内に嵌合するように構成された第2の部分を有し得る。この第2の構造部材は、当該第2の構造部材及び当該刃形プレートを通過して嵌合する1または複数のダボを使用して、当該刃形プレートにピン接合されることができる。
【0016】
1または複数のダボを使用して第2の構造部材を第1の構造部材にピン接合することによって、第2の構造部材は、第2の構造部材にかかる軸力及び重力に抗って、第1の構造部材に強固に固定される。また一方で、ピン接合による接続部は、第2の構造部材から第1の構造部材へのモーメント力の伝達を防止する。これにより、地震及び他の剪断力の事象の間にわたり、この接続部が、第1の構造部材と第2の構造部材との間で起こる回転によって損傷を受けない。
【0017】
実施形態において、刃形プレートは、例えば、第1の構造部材が木製の支柱であって且つ第2の構造部材が木製の梁である木材構造物において使用されてもよい。しかしながら、理解されることとして、第1の構造部材及び第2の構造部材は、軽量骨組みの建設物において互いに接続され得る多種多様な部材のいずれかであってよい。このような部材にはさらに、ジョイスト、スタッド、桁、弦、トラス、剪断壁、及び、骨組みが含まれる。また、第1の構造部材及び/又は第2の構造部材は、実施形態においては天然材木であるものの、さらなる実施形態においては、複合木材、エンジニアード材木、又は、金属であってもよい。
【0018】
本発明が多くの異なる形で具現化されてよく、本明細書に明記された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことは明らかである。これらの実施形態は、むしろ、この開示が充分であって完全なものになるように、且つ、当業者にこの発明を存分に伝えるように、提供されている。実際に、この発明は、これらの実施形態の代替例、変更例、及び、均等例を包含することが意図されており、これらの例は、添付の特許請求の範囲により規定されるように、この発明の範囲及び精神の内に含まれる。さらに、本発明の以下の詳細な説明においては、本発明の充分な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が明記されている。しかしながら、当業者には、このような具体的な詳細がなくても本発明が実施され得ることが明瞭であろう。
【0019】
本明細書において使用され得るような、「上」及び「底」、「上側の」及び「下側の」、並びに、「鉛直の」及び「水平な」という用語は、例としてのものであって例示的な目的に限られ、参照項目を位置及び配向において交換することが可能であるが故に、この発明の説明を限定することを意味しない。同じく本明細書において使用されているような、「実質的に」及び/又は「約」という用語は、指定された寸法又はパラメータが、所与の用途について、許容可能な製造公差内で変動し得ることを意味する。1つの実施形態において、許容可能な製造公差は±2.5%である。
【0020】
図1は、刃形プレートコネクタ100の実施形態の透視図である。刃形プレート100は、第2のセクション104と或る角度で形成された第1のセクション102を含み得る。実施形態では、第1のセクションと第2のセクションとの間の角度が90°であり得るが、さらなる実施形態では他の角度であってもよい。第1のセクションは、10インチの長さ、及び、2インチの幅を有してもよい。第2のセクションは、10インチの長さ、及び、4.6インチの幅であってもよい。これらの寸法の各々は、さらなる実施形態において、互いに比例的に、又は非比例的に、のいずれかにおいて変動してもよい。実施形態では、刃形プレートが、0.25インチ厚さの鋼であってもよいが、さらなる実施形態では、他の厚さ及び材料であってもよい。刃形プレート100は、単一片体であってもよく、この単一片体は、第1のセクション102及び第2のセクション104へと屈曲されている。さらなる実施形態において、第1のセクション及び第2のセクションは、別個の片体であってもよく、これらの片体は、共に溶接されるか又はボルト接合されて、刃形プレートを形成している。第1のセクション102及び第2のセクション104は、さらなる実施形態において、例えば、米国ミシガン州(Michigan)のBTM CompanyによるTog-L-Loc(登録商標)システムを含む、他の機械的接続部により接続されていてもよい。
【0021】
第1のセクション102は、穴106を含んでもよく、第2のセクションは、以下に解説するように、第1の構造部材及び第2の構造部材を、刃形プレートに及び互いに締結するための穴108を含んでもよい。
【0022】
次に、
図1及び
図2の透視図を参照すると、第1のセクション102は、締結具110を受容して刃形ブレード100を第1の構造部材114に取り付けるための、穴106のパターンを有して形成されてもよい。実施形態において、第1の構造部材114は、鉛直であってもよく、建築物基礎又は床支持体に設置されてもよい。数個の締結具110のみが示されているが、各穴106内に1つの締結具110が配置されていてよい。締結具は、例えば、カリフォルニア州プレザントン(Pleasanton)のSimpson Strong-Tieによる、1/4インチ径高強度Strong-Drive SDSコネクタねじのようなねじであってもよい。他のタイプの締結具が使用されてもよい。穴106の全ては同じサイズであってもよいが、穴106は、さらなる実施形態において、異なるタイプ及びサイズの締結具110を受容して刃形プレート100を第1の構造部材114に締結するために、異なるサイズであってもよい。
【0023】
刃形プレート100は、建設現場において、又は、第1の構造部材が建設現場に到着する前に、第1の構造部材に取り付けられることができる。一例では、20平方インチの第1のセクションは、当該第1のセクション上に3列の千鳥配列で配列された18個の締結具106を有してもよい。しかしながら、さらなる実施形態において、穴106の個数及びパターンは変動してもよい。
【0024】
刃形プレート100が第1の構造部材114に取り付けられると、
図3の分解透視図に示されるように、第2の構造部材118が、刃形プレート100及び第1の構造部材114に取り付けられることができる。実施形態では、第2の構造部材118の端面118aに、スロット120が形成されている。スロット120は、構造部材118の、端面118aに加えて、上表面から底表面まで鉛直に形成されるために、部材118の全高さに沿って延在することができる。スロット120は、さらなる実施形態において、部材118の上表面及び/又は底表面まで延在しなくてもよい。
【0025】
スロット120は、刃形プレート100の第2のセクション104を受容するのにちょうど十分なだけの幅であってもよい。スロット120は、第2のセクション104全体を受容するのに十分な深さ(端面118aに対して垂直な寸法における)で形成され得る。よって、当該第2の構造部材118を端面118aが第1の構造部材114に隣接するまで第2のセクション104にかぶせて挿入することによって、第2の構造部材118が、第1の構造部材114に接合されることができる。実施形態において、端面118aは、後述のように締結された後に、第1の構造部材114から0.25インチから1インチ、間隔をあけて配置されてもよい。同じく後述するように、間隔をあけることよって、第2の構造部材は、第1の構造部材に対して旋回することができる。さらなる実施形態において、間隔は、それよりも大きいこと又は小さいことがあってもよい。
【0026】
次に、
図3の透視図を参照すると、第2のセクション104がスロット120内に一旦位置決めされると、第2の部材118は、刃形プレート100における穴108と、端面118aに隣接するとともに第2の構造部材118を通過して形成された穴128と、を通過して嵌合するダボ124によって、刃形プレート100及び第1の部材114に締結されことができる。特に、穴128は、第2の部材118の側方表面118bに対して垂直な軸を有しており、第2の構造部材118を通過して形成されてもよい。穴128は、第2のセクション104において形成された穴108に、個数及び位置が合致することができるが、後述するように、長円形ではなくて丸い。本明細書において、要素124を指すために使用されるような「ダボ」という用語は、ダボ、ロッド、ピン、ペグ、シャフト、及び、管といったものであるがこれらに限定されない、円柱形状の物体を含むと広く解釈されてよい。実施形態においては、ダボ124は頭部を含んでいないが、さらなる実施形態においては、ダボ124は頭部を含んでいてもよく、ねじ、釘、及び、ボルトを含む。
【0027】
図4の透視図及び
図5の正面図は、それぞれ、刃形プレート及び第2の構造部材118における穴108及び穴128を通過して挿入されることによって、刃形プレート100を使用した第1の構造部材114及び第2の構造部材118の接続部を完成させるダボ124を示す。ダボ124は、0.8インチ鋼で形成され得るが、さらなる実施形態では、他の直径及び材料で形成されてよい。これらのダボの長さは、第2の構造部材118の幅(側面118bに対して垂直)よりも僅かに小さいか、当該幅に等しいか、又は、当該幅よりも大きくてもよい。しかしながら、さらなる実施形態において、ダボは、それよりも長いか又は短くてもよい。ダボ124は、穴128内にぴったりと嵌合する、しまりばめダボであってもよい。しかしながら、さらなる実施形態では、穴128内におけるダボの軸方向移動を防止するために、少なくとも側面118bにおける穴128の上方に、プレート又は他のカバーが設けられてもよい。
【0028】
上述したように、第2の部材118における穴128は、第2のセクション104において形成された穴108に個数及び位置が合致してもよいが、穴118は、穴108のうちのいくつかにおけるように長円形ではなく、円形であってよい。このため、第2のセクション104がスロット120内に挿入されると、穴108は、穴128と一列に並ぶ。1つの実施形態において、第2のセクション104における穴108は、単一の円形の穴108a(
図1)と、或る数の長円形の又は円弧状の穴108bと、を含む。示された実施形態では、4つの長円形の穴108が存在しており、円形の穴108aが、刃形プレート100の上から2番目の穴として位置決めされている。しかしながら、より多くの又はより少ない長円形の穴108bが存在していてよく、円形の穴108aは、穴108の列に沿って他の位置に位置決めされていてよい。中央の丸い穴の上及び下にあるスロット108bは、地震荷重及び他の荷重の間にわたり発生することが予期される回転の間にわたって、実際の「ピン接合された」挙動を提供する。これらのスロットが単なる丸い穴に置換された場合であっても、依然として、これは、第1の部材に対する第2の部材の接続部における、重力を理由とする小さな回転のための、ピン接合による接続部であると考えられる。
【0029】
図5の正面図に示されるように、単一の円形の穴108aは、重力に抗って第2の部材118の端を支持するとともに、刃形プレート100及び第1の部材114に対する第2の部材118の軸方向の移動を防止する。
図6及び
図7の正面図に示されるように、単一の円形の穴108aは、地震モーメント又は他のモーメントにより誘起された荷重を受けると、第1の構造部材に対する第2の構造部材118の回転軸を画定する。長円形の穴108は、当該回転軸を中心とするこのような回転を可能にしながら、重力に抗って第2の部材118の端を支持する。
【0030】
実施形態において、円形の穴108aは、0.813インチの直径を有してもよく、長円形の穴はそれぞれ、1.563インチ及び0.813インチの長さ及び幅を有してもよい。これらの寸法は、単なる例示であり、さらなる実施形態において変動してもよい。最も上側の穴108bは、
図1及び
図5におけるz軸に沿って、刃形プレート100の上部から3インチ間隔をあけて配置され得る。円形の穴108aに隣接している一対の長円形の穴108bは、円形の穴108aから中心間において2.5インチ間隔をあけてz軸に沿って配置されてもよい。残りの長円形の穴は、互いから中心間において2.5インチ間隔をあけてz軸に沿って配置されてもよい。穴108aの中心は、第2のセクション104の縁から1.5インチ間隔をあけてx軸に沿って配置されてもよく、長円形の穴108bの各々は、z軸に沿って、円形の穴108aを基準として中心決めされてもよい。これらの寸法の各々は、改めて単なる例示であり、さらなる実施形態において変動してもよい。
【0031】
注記したように、円形の穴108aは、長円形の穴108bの幅と同じ直径を有し得る。そのため、ダボ124の各々は、同じ直径を有し得る。さらなる実施形態において、円形の穴108aが長円形の穴が受けるよりも大きな荷重を受ける場合、円形の穴108aは、穴108bの幅よりも大きな直径を有してもよい。このような実施形態において、円形の穴108a内で使用されるダボ124は、長円形の穴内で使用されるダボ124よりも大きな直径を有してもよい。
【0032】
さらなる実施形態では、1または複数の長円形のスロットが、鉛直に配向されてもよく、1または複数の長円形のスロットが、円形の穴108aの一方側又は両側に位置決めされてもよく、1または複数の長円形のスロットが、円形の穴108aにx軸に沿って中心決めされてもよい。
図5には、鉛直に配向された1つのこのようなスロット108cが、仮想線で示される。鉛直に配向されたこのようなスロット108cは、円形の穴108aを中心とした第2の部材118を回転させながら、第2の部材118の軸方向移動に抵抗することができる。さらなる実施形態においては、単一の円形の穴108aを選択して、全ての長円形のスロット108b、108cを省略することが想定できる。このような単一の円形の穴108aは、より大きな直径のダボを支持するために、上記よりも大きな直径を有してもよい。
【0033】
上述したように、並びに、
図6及び
図7の正面図に示されるように、穴108は、重力及び軸方向荷重に抗って第2の部材を支持し、一方でそれと同時に、第1の構造部材に対する第2の構造部材118の回転を可能にする、真のピン接合による接続部をもたらす。このような、ピン接合による接続部は、地震荷重及び他の剪断荷重下における、第2の構造部材118から第1の構造部材114へのモーメント力の伝播を防止する。これにより、地震荷重及び他の剪断荷重下における、刃形プレート100、並びに、第1の構造部材114及び/又は第2の構造部材118に対する損傷を防止又は最小化することができる。
【0034】
上述したように、刃形プレート100における穴108では、第2の構造部材が第1の構造部材に引っ掛かることなく回転することができるように、第1の構造部材114と第2の構造部材118との間に空間が提供されてもよい。さらなる実施形態において、端面118aの上部分及び/又は底部分には、引っ掛かりをさらに防止するために、角度が付けられていてもよいし、又は、切り込まれていてもよい。
【0035】
図5は、刃形プレート100により互いに取付けられた第1の構造部材114及び第2の構造部材118の正面図である。示されるように、第2の構造部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面から直接状に(表面から90°で)外方に向けて延在してもよい。
【0036】
さらなる実施形態では、
図8及び
図8Aに示される2つの例のように、第2の構造部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面から、他の角度である斜角で、延在してもよい。本例示は、非限定的なものであり、第2の部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面を基準として、正面図において多様な他の角度で形成されてもよい。
図8において、ダボ124は、部材118の端面118aに対して平行な線上に並び、長円形の穴108は、端面118aに対して垂直な長さを有する。
図8Aにおいて、ダボ124は、部材118の長軸に対して垂直な線上に並び、長円形の穴108は、部材118の長軸に対して平行な長さを有する。
【0037】
図9は、刃形プレート100により互いに取付けられた第1の構造部材114及び第2の構造部材118の上面図である。示されるように、第2の構造部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面から直接状に(表面から90°で)外方に向けて延在してもよい。このような実施形態において、刃形プレート100の第1のセクション102及び第2のセクション104は、互いに対して垂直であってもよい。
【0038】
さらなる実施形態では、
図10に示されているように、2の構造部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面から、他の角度である斜角で、延在してもよい。このようなさらなる実施形態において、刃形プレート100の第1のセクション102及び第2のセクション104は、互いに斜角を形成してもよい。本例示は、非限定的なものであり、第2の部材118は、当該第2の構造部材が据え付けられている第1の構造部材114の表面を基準として、上面図において多様な他の角度で形成されてよい。
【0039】
上記の実施形態において、第1の部材114と第2の部材118との間の接続は、刃形プレート100を第1の構造部材に取り付けることと、刃形プレート100がスロット120内に入った状態で、第1の構造部材114に隣接して第2の構造部材118を支持することと、その後、ダボ124を挿入することと、によって確立されることができる。
【0040】
さらなる実施形態では、
図11の透視図に示されるように、刃形プレート100は、開放上側端130を含んでもよく、これにより、最も上側の穴108が開放される。このような実施形態では、第1の部材114と第2の部材118との間の接続は、刃形プレート100を第1の構造部材に取り付けることと、その後、第2の構造部材を、ダボ124が最も上側の穴128内に既に挿入されている状態で、部材114に隣接して定位置に降ろすことと、により確立され得る。
【0041】
第2の構造部材が降ろされるのに伴い、挿入されたダボ124が開放端130に入るとともに最も上側の穴108内に載置されるまで、刃形プレート100がスロット120内に受容される。その時点で、第2の部材118は、重力に抗って刃形プレート100及び第1の部材114上に支持されており、第2の部材における穴128内に、刃形プレート100における穴108を経由して、残りのダボが挿入され得る。第2の部材118が第1の部材114に隣接して定位置に降ろされるのに伴い、第2の部材118のアライメントを支援するために、開放端130の両側は、様々な程度まで傾斜していてよい。
【0042】
上記の実施形態では、刃形プレート100が、第1の構造部材114の1つの側面から一つの第2の構造部材118を支持するように構成されている。しかしながら、さらなる実施形態において、刃形プレートは、第1の構造部材上において複数の第2の構造部材を支持するように構成されてもよい。次いで、
図12~
図15の透視図に関して、1つのこのような実施形態について説明する。
図12~
図15において、
図1~
図11において説明した機能と同じ機能を有する要素は、同じであるものの100だけインクリメントさせた参照番号を有し得る。
【0043】
図12及び
図13は、第1の構造部材214上において複数の構造部材218(即ち、第2及び第3の構造部材218)を支持するように構成された刃形プレート200の後面図及び正面図を示している。示されるように、刃形プレート200は、刃形プレート200を
図14に示されるように第1の構造部材218に取り付けるために(
図2の締結具110といった)締結具を受容するための穴206を含んでいる第1のセクション202a、202bを含んでもよい。
【0044】
刃形プレート200は、
図15に示されるように、それぞれ第2の構造部材及び第3の構造部材のスロット220内に受容されるための第2のセクション204a、204bを含んでもよい。上で記載したように、第2のセクション204a、204bの各々は、穴208を含んでいる。第2及び第3の部材214の各々は、それぞれの第2のセクション204a、204bにおける穴208のパターンに合致する穴228のパターンも有してもよいダボ(例えば
図3のダボ124)は、スロット220内に一旦位置決めされると、第2及び第3の部材における穴228内に、それぞれの第2のセクション204a、204bの穴208を通過して挿入されて、第2及び第3の部材218を、刃形プレート200及び第1の構造部材214上に固定することができる。
【0045】
上述のように、刃形プレート及びダボは、刃形プレート及び第1の部材214に対して第2及び第3の部材218を回転させるピン接合による接続部によって、第1の部材214上において当該第2及び第3の部材を支持する。このような、ピン接合による接続部は、地震荷重及び他の剪断荷重下において、第2/第3の構造部材218から第1の構造部材214へのモーメント力の伝播を防止する。これにより、地震荷重及び他の剪断荷重下において、刃形プレート200、並びに、第1の構造部材214、第2の構造部材218、及び/又は、第3の構造部材218、に対する損傷を防止又は最小化することができる。
【0046】
図15に示されるように、第2の構造部材218は、第1の構造部材214に隣接して(
図3の端面118aといった)端面を有し、一方で、第3の構造部材218は、第1の構造部材214に隣接して(
図3の側方表面118bといった)側方表面を有する。理解されることとして、
図1~
図11の刃形プレート100は、第1の構造部材114に隣接して第2の構造部材118の側方表面118bを支持するように構成されることができる。
【0047】
刃形プレート100、200の他の構成が考えらえる。例えば、刃形プレート200は、第1の構造部材214の3つの表面に巻き付くように変更され得るとともに、第1の構造部材214の反対側の表面から外方に向けて延在する第2のセクション204a、204bを有してもよい。このような実施形態において、刃形プレート200は、第2及び第3の構造部材218を、各々の端面が第1の構造部材214の反対側の表面に隣接して位置決めされた状態で支持してもよい。さらなる一例において、刃形プレート200は、第1の構造部材214の2つの隣接表面に巻き付き得るとともに、第1の構造部材214の2つの隣接表面から外方に向けて延在する第2のセクション204a、204bを有してもよい。このような実施形態において、刃形プレート200は、第1の構造部材214から互いに直角に延在する第2及び第3の構造部材218を、各々の端面が第1の構造部材214の隣接表面において位置決めされた状態で支持してもよい。
【0048】
例えば、刃形プレート200の側方に隣接した部分には、刃形プレート200の強度を増大させるために、補剛材240が設けられてもよい。さらなる実施形態においては、追加的な補剛材240が追加されてもよい。代替的に、さらなる実施形態においては、補剛材240が省略されてもよい。
【0049】
上記の実施形態において、刃形プレート100は、角度を付けた金属の片体で形成されることができる。これに代えて、さらなる実施形態では、刃形プレート100は、平坦なプレートであってもよく、即ち、刃形プレート300の連続する第1のセクションと第2のセクションとの間が180°であってもよい。さらに、
図16及び
図17の透視図を参照すると、刃形プレート300が示されており、当該刃形プレート300は、刃形プレート100と同じ材料で製作されてもよい。刃形プレート300は、上記の穴108と、位置、形状、及び、機能が同一とすることができる穴308を含んでもよい。この実施形態において、刃形プレート300は平坦なプレートであってもよく、上記の締結穴106は省略されてもよい。刃形プレート300は、第2のセットの穴318を含んでもよく、それらの各々は、円形であってもよい。
【0050】
図17に示されるように、穴318を含む刃形プレート300の部分は、第1の構造部材114において形成されたスロット320内に嵌合するように構成されることができる。この実施形態では、第1の構造部材114は、さらに、ダボ324を受容するための穴328を含んでもよい。ダボ324は、第1の部材114における穴328を通過するとともに、刃形プレート300における穴318を通過して、嵌合して、刃形プレート300を第1の構造部材114に取り付ける。その後、穴308を含むとともに第1の構造部材から突出している刃形プレート300の部分が、上述したように、第2の構造部材118を刃形プレート300及び第1の構造部材118に取り付けるために使用されることができる。
【0051】
さらなる実施形態では、
図18の透視図において示されるように、平坦な刃形プレート300が、第1の構造部材114におけるスロット320内に取り付けられるのではなく、第1の部材114の表面114aに取り付けられてよい。このような実施形態では、
図17の穴328及びダボ324は省略されてもよく、刃形プレート300は、
図2に示される上記の締結具110といった締結具を使用して、表面114aに取り付けられてもよい。
【0052】
図19~
図22は、第1の構造部材114及び第2の構造部材118の反対側の表面上に一対の平坦な刃形プレート300を備えている、本技術のさらなる実施形態を示している。
図19の透視図に示されるように、刃形プレート300は、締結具110によって、第1の構造部材114の表面114a及び114bに取り付けられてもよい。
【0053】
その後、
図20及び
図21の透視図に示されるように、第2の構造部材114が、1または複数のダボ124によって、刃形プレート300及び第1の構造部材114に取り付けられることができる。この実施形態では、第2の部材118が一旦位置決めされると、1または複数のダボ124が、第1の刃形プレート300を通過するとともに、第2の構造部材118における穴128を通過して、さらにその後、第2の刃形プレート300を通過して、嵌合することができる。この実施形態では、1または複数のダボ124がボルトであってもよく、当該ボルトは、ナット326(
図20ではそのうちの1つのみを示す)を受容する。上述したように、刃形プレート300における穴308のうちの1つは円形(各刃形プレート300において同じとなるとともに対応する穴)であってもよく、一方で、残りの穴は長円形であってもよい。よって、この実施形態による刃形プレート300は、上述したように、第2の構造部材118から第1の構造部材114にモーメント力を伝達することなく、第1の構造部材上において第2の構造部材118を支持している。
【0054】
上記の実施形態において、刃形プレート100における、円形の穴108aの周りの穴108bは、それらの長さに沿って直接状な長円形の形状を有してもよい。さらなる実施形態では、円形の穴108aの周りのスロットは、それらの長さに沿って丸み付けされてもよい。
図22の刃形プレート400において、このような実施形態を示す。示されるように、刃形プレート400は、上記の穴108aにおけるような円形の穴408aと、或る数の丸み付けされたスロット408bと、を含むことができる。スロット408bは、z軸に沿って整列させてもよいが、破線で示されるような、丸み付けされたスロット408cにおけるように、x軸に沿って整列させてもよい。各スロット408b、408cの曲率半径は、円形の穴408aから丸み付けされたスロットまでの、中心間における距離に等しくてもよい。スロット408bの湾曲長さ(破線408dにより示す)に沿った任意の点に対して垂直な半直線420は、円形の穴408aの中心を通ってもよい。
【0055】
上記の実施形態において、ダボ124の外周をしまりばめするために、第2の構造部材118において形成された穴128は円形であってもよい。
図23に示されるさらなる実施形態では、第2の構造部材118における、円形の穴の周りの穴(
図23における穴528)は、長円形であってもよい。穴528の長円形の形状は、刃形プレート100、400において形成されたスロット108、408の個数、位置、及び、形状に合致してもよい。
【0056】
この発明の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。この詳細な説明は、網羅的であること、又は、この発明を開示された厳密な形に限定すること、を意図しない。上記の教示内容に鑑みて、多くの変更例及び変形例が可能である。説明された実施形態は、この発明の原理及びその実用的用途を最も良好に解説して、それにより、特定の企図された使途に適うような、様々な実施形態において、且つ、様々な変更例を用いて、当業者がこの発明を最も良好に利用することができるために、選ばれている。この発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲により規定されることが意図される。
【国際調査報告】