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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501403
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 US2021040887
(87)【国際公開番号】W WO2022011137
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】17/136,356
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/049,466
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アイザック コーエン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730BB25
5H730BB26
5H730BB27
5H730BB57
5H730BB61
5H730DD04
5H730EE04
5H730EE57
5H730FD41
5H730FG07
(57)【要約】
回路(100)が、第1及び第2の変圧器入力と第1及び第2の変圧器出力とを有する変圧器(104)を含む。第1の変圧器出力は、コンデンサを介して出力段(106)の第1の入力に結合されるように適合され得る。第2の変圧器出力は、出力段(106)の第2の入力に結合されるように適合され得る。回路(100)はまた、第1及び第2の入力と、第1及び第2のスイッチング出力と、を有するスイッチングシステム(102)を含む。第1の入力は、スイッチング信号を受信するように構成され得る。第2の入力は、入力電圧を受け取るように構成され得る。第1及び第2のスイッチング出力はそれぞれ、第1及び第2の変圧器入力に結合され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
第1及び第2の変圧器入力と第1及び第2の変圧器出力とを有する変圧器であって、前記第1の変圧器出力が、コンデンサを介して出力段の第1の入力に結合されるよう適合され、前記第2の変圧器出力が、前記出力段の第2の入力に結合されるよう適合される、前記変圧器と、
第1及び第2の入力と第1及び第2のスイッチング出力とを有するスイッチングシステムであって、前記第1の入力がスイッチング信号を受信するように構成され、前記第2の入力が入力電圧を受け取るように構成され、前記第1及び第2のスイッチング出力が、前記第1及び第2の変圧器入力にそれぞれ結合される、前記スイッチングシステムと、
を含む、回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、前記スイッチング信号が、前記コンデンサ及び前記変圧器の二次巻線の共振周波数未満の周波数を有する、回路。
【請求項3】
請求項1に記載の回路であって、前記スイッチングシステムが、フルブリッジスイッチングシステム、ハーフブリッジスイッチングシステム、及びプッシュプルスイッチングシステムの一つとして配置される、回路。
【請求項4】
請求項1に記載の回路であって、前記スイッチングシステムが、或る周波数を有する前記スイッチング信号によって制御されるスイッチを含み、前記回路がさらに、前記変圧器の一次巻線を介する電流をサンプリングする第1の入力と、前記電流のピーク振幅に基づいて前記スイッチングシステムの前記第1の入力に前記スイッチング信号を提供する出力と、を有する負荷レギュレータを含む、回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路であって、前記負荷レギュレータが、
前記一次巻線を介する前記電流の前記振幅を監視する入力、及び出力を有する導関数検出器と、
前記導関数検出器の前記出力に結合されるサンプリングスイッチであって、前記電流の導関数のゼロクロスを検出することに応答して前記負荷レギュレータが前記電流の前記ピーク振幅をサンプリングするために閉じるように構成される前記サンプリングスイッチと、
を含む、回路。
【請求項6】
請求項4に記載の回路であって、前記スイッチングシステムが、前記第1の一次入力と前記第2の一次入力とを短絡するために閉じるように構成される少なくとも一つのスイッチを含み、前記負荷レギュレータが、前記少なくとも一つのスイッチに短絡信号を提供する第2の出力を含む、回路。
【請求項7】
請求項4に記載の回路であって、前記負荷レギュレータが、
入力と、前記負荷レギュレータの前記出力に対応する出力と、を有する電圧制御発振器(VCO)と、
前記電流の振幅に関連する制御信号を受信する入力と、前記VCOの前記入力に結合される出力と、を有する周波数調整構成要素と、
を含む、回路。
【請求項8】
請求項7に記載の回路であって、前記負荷レギュレータがさらに、基準電圧を受け取る第1の入力と、前記電流の前記ピーク振幅に比例する電圧を受け取る第2の入力と、を有する増幅器を含み、前記増幅器が、前記制御信号を提供する出力を有する、回路。
【請求項9】
スイッチング電源システムであって、
スイッチング入力及びスイッチング出力を有するスイッチングシステムであって、前記スイッチングシステムが、前記スイッチング入力におけるスイッチング信号に応答して閉じるように構成されるスイッチを含み、前記スイッチングシステムが、前記スイッチを閉じることに応答して前記スイッチング出力において第1の電圧を提供するように構成される、前記スイッチングシステムと、
一次巻線及び二次巻線を含む変圧器であって、前記一次巻線が、前記スイッチング出力に結合され、前記第1の電圧を受け取るように構成され、前記二次巻線が、前記第1の電圧に応答して第2の電圧を提供するように構成される、前記変圧器と、
前記二次巻線に結合されるコンデンサと、
前記コンデンサに結合される出力段であって、前記第2の電圧を整流することによって出力電圧を生成するように構成される前記出力段と、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項10】
請求項9に記載のスイッチング電源システムであって、前記スイッチング信号が、前記コンデンサ及び前記変圧器の前記二次巻線の共振周波数未満の周波数を有する、スイッチング電源システム。
【請求項11】
請求項9に記載のスイッチング電源システムであって、前記電流のピーク振幅に基づいて前記スイッチング信号の周波数を調整するため、前記一次巻線を介する電流の振幅をサンプリングするように構成される負荷レギュレータをさらに含む、スイッチング電源システム。
【請求項12】
請求項11に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータが、
前記一次巻線を介する前記電流の前記振幅を監視する入力と、出力とを有する導関数検出器と、
前記導関数検出器の前記出力に結合されるサンプリングスイッチであって、前記一次電流の導関数のゼロクロスを検出することに応答して、前記負荷レギュレータが前記電流の前記ピーク振幅をサンプリングするために閉じるように構成される前記サンプリングスイッチと、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項13】
請求項11に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータが、
前記電流の振幅に関連する制御電圧を生成するように構成される周波数調整構成要素と、
前記制御電圧に基づく周波数で前記スイッチング信号を生成するように構成される電圧制御発振器(VCO)と、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項14】
請求項13に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータがさらに、
前記電流の前記ピーク振幅に比例するサンプリング電圧をサンプリングするように構成されるサンプリングコンデンサと、
前記サンプリング電圧を基準電圧と比較し、前記比較に応じて制御信号を生成するように構成される増幅器と、
を含み、
前記周波数調整構成要素が、前記周波数調整構成要素に基づいて前記制御電圧を生成するように構成される、
スイッチング電源システム。
【請求項15】
スイッチング電源システムであって、
第1及び第2の入力と第1及び第2のスイッチング出力とを有するスイッチングシステムであって、前記第1の入力が、スイッチング周波数を有するスイッチング信号を受信するように構成され、前記第2の入力が、入力電圧を受け取るように構成される、前記スイッチングシステムと、
一次巻線及び二次巻線を有する変圧器であって、前記一次巻線が、第1及び第2の変圧器入力を有し、前記二次巻線が、第1及び第2の変圧器出力を有し、前記第1の変圧器入力が前記第1のスイッチング出力に結合され、前記第2の変圧器入力が前記第2のスイッチング出力に結合される、前記変圧器と、
第1及び第2の電圧入力と電圧出力とを有する出力段であって、前記第2の電圧入力が前記第2の変圧器出力に結合され、前記出力段が、前記第1及び第2の電圧入力に応答して前記電圧出力において出力電圧を提供するように構成される、前記出力段と、
前記第1の変圧器出力及び前記第1の電圧入力との間に結合されるコンデンサであって、前記コンデンサ及び前記二次巻線が前記スイッチング周波数よりも高い共振周波数を有する、前記コンデンサと、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項16】
請求項15に記載のスイッチング電源システムであって、前記スイッチングシステムが、或る周波数を有する前記スイッチング信号によって制御されるスイッチを含み、前記回路がさらに、前記変圧器の一次巻線を介する電流をサンプリングする第1の入力と、前記電流のピーク振幅に基づいて前記スイッチングシステムの前記第1の入力に前記スイッチング信号を提供する出力とを有する負荷レギュレータを含む、スイッチング電源。
【請求項17】
請求項16に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータが、
前記一次巻線を介する前記電流の前記振幅を監視する入力と、出力と、を有する導関数検出器と、
前記導関数検出器の前記出力に結合されるサンプリングスイッチであって、前記電流の導関数のゼロクロスを検出することに応答して前記負荷レギュレータが前記電流の前記ピーク振幅をサンプリングするために閉じるように構成される前記サンプリングスイッチと、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項18】
請求項16に記載のスイッチング電源システムであって、前記スイッチングシステムが、前記第1の一次入力と前記第2の一次入力とを短絡するために閉じるように構成される少なくとも一つのスイッチを含み、前記負荷レギュレータが、前記少なくとも一つのスイッチに短絡信号を提供する第2の出力を含む、スイッチング電源システム。
【請求項19】
請求項16に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータが、
入力と、前記負荷レギュレータの前記出力に対応する出力と、を有する電圧制御発振器(VCO)と、
前記電流の振幅に関連する制御信号を受信する入力と、前記VCOの前記入力に結合される出力と、を有する周波数調整構成要素と、
を含む、スイッチング電源システム。
【請求項20】
請求項19に記載のスイッチング電源システムであって、前記負荷レギュレータがさらに、基準電圧を受け取る第1の入力と、前記電流の前記ピーク振幅に比例する電圧を受け取る第2の入力とを有する増幅器を含み、前記増幅器が、前記制御信号を提供する出力を有する、スイッチング電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、概して電子回路に関し、より詳細には電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は、様々な異なる方式で実装され得る。電源回路の例には、同期整流パワーコンバータ、非同期整流パワーコンバータ、共振パワーコンバータ、及び任意の様々な他のタイプのスイッチングパワーコンバータが含まれる。そのため、典型的な電源回路は、一つ又は複数のスイッチを作動させて、入力電圧を出力電圧に変換し得る。典型的な電源回路は、こういったスイッチによって変圧器の一次巻線に印加される方形波入力電圧から、変圧器の二次巻線に出力電圧を送達するための別の変圧器を実装し得る。理想的な変圧器(例えば、漏れインダクタンスがゼロ、及び巻線抵抗がゼロ)の場合、二次電圧を整流すると、直流出力電圧は、入力電圧に変圧器の巻数比を乗じたものと等しくなる。しかし、高い絶縁要件のために変圧器の一次巻線と二次巻線の間に物理的な分離を導入すると、変圧器に大きな漏れインダクタンスが導入され得る。
【0003】
変圧器の出力電流が増加すると、漏れインダクタンスのインピーダンスに電圧降下が生じ、そのため出力電圧が低下する。したがって、出力電圧は出力電流に依存する。負荷電流変動の出力電圧への影響を排除するために、典型的な電源回路は、変圧器の一次巻線と直列に共振コンデンサを含んで、漏れインダクタンスと共振させる。コンバータのスイッチング周波数が漏れインダクタンス及び共振コンデンサの共振周波数と等しい場合、これらの構成要素のインピーダンスは等しく且つ逆で、相互に相殺される。したがって、負荷電流に伴う電圧降下はなく、コンバータの出力電圧は負荷電流に依存しない。
【0004】
しかし、実際には、コンデンサの共振周波数及び漏れインダクタンスの両方、並びにパワーコンバータのスイッチング周波数に大きな公差が存在する。その結果、共振周波数及びスイッチング周波数が大きく異なり得、この不一致
によりインピーダンスの相互に打ち消し合わなくなり、出力電圧の出力負荷依存性が許容されなくなる。コンバータのスイッチング周波数が共振周波数よりも低い場合、共振コンデンサと変圧器の磁化インダクタンスとの相互作用により、コンバータの出力電圧を大幅に上昇させる電圧が生じる。
【発明の概要】
【0005】
或る回路が、第1及び第2の変圧器入力と、第1及び第2の変圧器出力とを有する。第1の変圧器出力は、コンデンサを介して出力段の第1の入力に結合されるよう適合される。第2の変圧器出力は、出力段の第2の入力に結合されるよう適合される。この回路はまた、第1及び第2の入力と、第1及び第2のスイッチング出力とを有するスイッチングシステムを含む。第1の入力は、スイッチング信号を受信するように構成される。第2の入力は、入力電圧を受け取るように構成される。第1及び第2のスイッチング出力はそれぞれ、第1及び第2の変圧器入力に結合される。
【0006】
スイッチング電源システムが、スイッチング入力及びスイッチング出力を有するスイッチングシステムを含む。スイッチングシステムは、スイッチング入力におけるスイッチング信号に応答して閉じるように構成され得る。スイッチングシステムは、スイッチを閉じることに応答してスイッチング出力において第1の電圧を提供するように構成され得る。このシステムはまた、一次巻線及び二次巻線を含む変圧器を含む。一次巻線は、スイッチング出力に結合され得、第1の電圧を受け取るように構成され得る。二次巻線は、第1の電圧に応答して第2の電圧を提供するように構成され得る。このシステムはまた、二次巻線に結合されるコンデンサを含む。このシステムは更に、コンデンサに結合される出力段を含む。出力段は、第2の電圧を整流することによって出力電圧を生成するように構成され得る。
【0007】
スイッチング電源システムが、第1及び第2の入力と、第1及び第2のスイッチング出力とを有するスイッチングシステムを含む。第1の入力は、スイッチング周波数を有するスイッチング信号を受信するように構成され得る。第2の入力は、入力電圧を受け取るように構成され得る。またこのシステムは、一次巻線及び二次巻線を有する変圧器を含む。一次巻線は、第1及び第2の変圧器入力を有し得る。二次巻線は、第1及び第2の変圧器出力を有し得、第1の変圧器入力は、第1のスイッチング出力に結合され、第2の変圧器入力は、第2のスイッチング出力に結合される。またこのシステムは、第1及び第2の電圧入力と、電圧出力とを有する出力段を含む。第2の電圧入力は、第2の変圧器出力に結合され得る。出力段は、第1及び第2の電圧入力に応答して、電圧出力
において出力電圧を提供するように構成され得る。システムはさらに、第1の変圧器出力及び前記第1の電圧入力との間に結合されるコンデンサを含み、コンデンサ及び二次巻線は、スイッチング周波数より高い共振周波数を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電源システムの一例の概略図である。
【0009】
図2】周波数/利得グラフの図である。
【0010】
図3】電源回路の概略である。
【0011】
図4】電源回路の別の概略である。
【0012】
図5】電源回路の別の概略である。
【0013】
図6】電源システムの別の概略である。
【0014】
図7】電源回路の別の概略である。
【0015】
図8】電源回路の別の概略である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本記載は、概して電子回路に関し、より詳細には電源システムに関する。電源システムは、入力電圧に基づいて出力電圧を生成するために、一次巻線(又は巻線)から二次巻線に電圧を誘導的に伝達する変圧器を含むスイッチング電源システムとして実装され得る。電源システムは、変圧器の一次巻線に方形波入力電圧を提供するために作動されるスイッチのセットを含むスイッチング段を含む。したがって、変圧器の二次巻線には入力電圧に基づく二次電圧が生成される。例えば、スイッチング段は、ハーフブリッジスイッチング回路、フルブリッジスイッチング回路、プッシュスイッチング回路、又は任意の様々な他のタイプのスイッチング回路の一つとして構成され得る。電源システムはまた、二次電圧に基づいて出力電圧を提供するように構成される出力段を含む。例えば、出力電圧は、入力電圧に変圧器の巻数比を乗じたものにほぼ等しくし得る。例えば、出力段は、二次電圧の逆極性のそれぞれにおいて出力電圧の正の振幅が提供されるように、整流回路(例えば、全波整流器)として構成され得る。
【0017】
例えば、共振電源システムには、変圧器の一次巻線と直列に共振コンデンサを含んで、一次インダクタに反映される変圧器の漏れ電流と共振させるものがある。このような電源システムにおいて、一次巻線を介する双方向電圧パルスの周波数に対応するスイッチング周波数が、漏れインダクタンス及び共振コンデンサの共振周波数と等しければ、共振コンデンサ及び漏れインダクタンスの両端のそれぞれの電圧は、振幅が等しく位相が逆であり、相互に相殺される。しかし、このような電源システムにおいて、スイッチング周波数が漏れインダクタンス及び共振コンデンサの共振周波数と等しくない場合、この相殺は、相互に等しくなく、逆位相でないため、電圧相殺差が出力電圧の振幅から減算される。例えば、共振周波数より高いスイッチング周波数で動作すると、出力電圧は共振時よりも低くなる。別の例として、スイッチング周波数が共振周波数より低い場合、共振コンデンサにかかる電圧は一次巻線の両端の電圧を増加させ、その結果、出力電圧の振幅は、スイッチング周波数が共振周波数に等しい場合の出力電圧の振幅よりも大きくなる。
【0018】
出力電圧の振幅の望ましくない増加などの出力電圧の誤差を軽減するために、電源システムは、変圧器の二次巻線と直列に配置される共振コンデンサを含み得る。共振コンデンサは、二次巻線に反映される、変圧器の漏れインダクタンスと共振し得る。したがって、変圧器の漏れインダクタンス及び共振コンデンサは共振周波数を示し得る。本明細書に記載の電源システムは、変圧器の二次巻線と直列に共振コンデンサを含むので、共振コンデンサ及び変圧器の漏れインダクタンスの共振周波数よりも高いスイッチング周波数と低いスイッチング周波数の両方においてスイッチングシステムのソフトスイッチングを提供し得る。したがって、出力電圧の振幅に影響を与えずに、共振周波数よりも低いスイッチング周波数においてスイッチングシステムが動作され得る。したがって出力電圧の振幅の有害な増加が生じることなく、スイッチング周波数の周波数に影響を及ぼし得る製造公差に適応するために、スイッチング周波数は、共振周波数未満の周波数に設定され得る。
【0019】
図1は、スイッチング電源システム100の例を示す。電源システム100は、入力電圧VINに基づく出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源システム100は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動される少なくとも一つのスイッチを含むスイッチングシステム102を含む。例えば、スイッチング信号SWは、これ以降で「スイッチング周波数」と称し、本明細書においてより詳細に説明する、制御された周波数で提供されるクロック信号に対応し得る。したがって、本明細書において、「スイッチング周波数」及び「スイッチング信号SWの周波数」という用語は互換的に用いられる。例えば、スイッチングシステム102は、スイッチング信号SWの異なる位相によって作動され得るトランジスタ(例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))の配列を含み得る。例えば、スイッチングシステム102は、フルブリッジ、ハーフブリッジ、プッシュプル回路、又は任意の様々な他のスイッチング回路の任意のものとして配置され得る。
【0020】
電源システム100はまた、一次巻線LPRI及び二次巻線LSECを含む変圧器104を含む。例えば、スイッチングシステム102のスイッチは、一次巻線LPRIに一次電圧VPRIを提供するために、入力電圧VINを方形波として一次巻線LPRIに提供するように作動され得る。図1の例に示すように、一次電圧VPRIは、スイッチングシステム102のスイッチの各スイッチングサイクルにおいて極性を反転し得る。したがって、変圧器104は、一次電圧VPRIが一次巻線LPRIに提供されることに応答して、二次巻線LSECにおいて二次電圧VSECを誘起する。
【0021】
電源システム100はまた、二次電圧VSECに基づいて出力電圧VOUTを提供し得る出力段106を含む。例えば、出力電圧VOUTは、入力電圧VINに変圧器104の巻数比を乗じたものにほぼ等しい振幅を有し得る。上述したように、一次電圧VPRIは極性を反転し得るので、二次電圧VSECも同様にスイッチング周波数の各スイッチングサイクルにおいて極性を反転し得る。したがって、出力段106は、一次電圧VPRIのそれぞれの位相から誘導的に提供される、二次電圧VSECの各位相の間に出力電圧VOUTの正の振幅を提供するように構成される整流器(例えば、全波整流器)として構成され得る。例えば、出力段106の他の配置(例えば、電圧ダブラとして)も可能である。出力電圧VOUTは、例えば、出力コンデンサを経由して、負荷に提供され得る。本明細書においてより詳細に説明するように、スイッチング周波数は可変とし得、負荷に基づくものとし得る。
【0022】
電源システム100は、変圧器104の二次巻線LSECに結合される共振コンデンサCRESをさらに含む。したがって、共振コンデンサCRESと、二次巻線LSECに反映される変圧器の漏れインダクタンスとは、変圧器104の二次側に或る共振周波数を有する共振器(後述では「二次共振器」)を形成し得る。共振コンデンサCRESを二次巻線LSECに結合して二次共振器を形成することに基づいて、電源システム100は、出力電圧VOUTのほぼ一定の目標振幅を保ちつつ、二次共振器の共振周波数未満の、スイッチング信号SWの周波数で動作するように構成され得る。本明細書で説明するように、「ほぼ」という用語は、正確な値からの幾らかのずれ(例えば、±5%)を含み得る。
【0023】
例えば、一次電圧VPRIの極性はスイッチング周波数で変化し、一次巻線LPRIを介する一次電流の振幅は、スイッチング信号SWの各位相間でゼロにほぼ等しい。そのため、二次電圧VSECも同様にスイッチング周波数で極性を変化させ、二次巻線LSECを介する電流の振幅は、スイッチング信号SWの各位相間でゼロにほぼ等しい。二次電圧VSECが二次共振器の共振周波数未満のスイッチング周波数で極性を変化させるとき、共振コンデンサCRESは、スイッチング信号SWの各位相間に残留電圧(例えば、出力電圧VOUT未満)を有し得る。二次巻線LSECを介する電流がスイッチング信号SWの各位相間でほぼゼロの振幅を有するとき、出力段106は、共振コンデンサCRESを電源システム100の出力から(例えば、出力段106の整流器に基づいて)分離し得、そのため、出力段106は、共振コンデンサCRESと低電圧レールとの間で開路として振る舞い得る。したがって、共振コンデンサCRESから、二次巻線LSECに反映された漏れインダクタンスに電流が共振して戻ることはなく、そのため、二次巻線LSECを介する電流の振幅がほぼゼロであるとき共振コンデンサCRESにかかる電圧は変化しない。そのため、出力電圧VOUTも同様に、スイッチング信号SWの位相間で二次巻線LSECを介する電流の振幅がゼロにおいて、変化しない。
【0024】
その結果、幾つかの代替の共振電源システムとは異なり、二次共振器の共振周波数に等しいかそれより低いスイッチング信号SWの周波数で、出力電圧VOUTはほぼ一定の振幅に保たれ得る。したがって、スイッチング信号SWの周波数及び/又は二次共振器の共振周波数の製造公差及び誤差に起因し得る固有の変動にかかわらず、スイッチング信号SWは、出力電圧VOUTの一定の振幅を提供するために二次共振器の共振周波数未満の周波数に設定され得る。したがって、電源システム100において、出力電圧VOUTの振幅の誤差が軽減され得る。
【0025】
例えば、代替の共振電源システムには、変圧器の一次巻線と直列に共振コンデンサを含んで、一次巻線に反映される変圧器の漏れインダクタンスと共振させるものがある。このような電源システムにおいて、一次巻線を介する双方向電流パルスの周波数に対応するスイッチング周波数が、漏れインダクタンス及び共振コンデンサの共振周波数に等しい場合、漏れインダクタンスの両端の電圧は、共振周波数で共振コンデンサの両端に、等しいが反対極性で送られる。しかし、このような電源システムにおいて、スイッチング周波数が一次巻線及び共振コンデンサの共振周波数と等しくない場合、出力電圧は誤差を示し得る。例えば、共振周波数より高いスイッチング周波数で動作すると、負荷レギュレーションが悪化し得る。別の例として、スイッチング周波数が共振周波数より低い場合、幾つかの代替コンバータのスイッチは、二次巻線の電流がゼロに降下した後も変圧器の磁化インダクタンスを介して共振コンデンサに電圧を印加し続け、それにより過充電となる。共振コンデンサの過充電により共振コンデンサの電圧が増加し、その結果、このようなコンバータの出力電圧は大きく増加する。
【0026】
そのため、幾つかの代替コンバータとは異なり、電源システム100は、一次巻線LPRIと直列にではなく、二次巻線LSECと直列に共振コンデンサCRESを含む。共振コンデンサCRESを(一次巻線LPRIと直列ではなく)二次巻線LSECと直列に設けることによって、二次巻線LSECの電流がゼロに降下した後は共振コンデンサCRESに電流が流れ得ず、それにより、共振周波数未満のスイッチング周波数で共振コンデンサCRESが過充電されず出力電圧VOUTが増加しない。
【0027】
スイッチング信号SWの周波数と共振周波数の関係を図2の例に示す。図2は、周波数/利得グラフの例示の図200を示す。図200は、代替の電源システムに対応し得る第1のグラフ202を示す。第1のグラフ204は、電源システムの利得を電源システムのためのスイッチング周波数の関数としてプロットしたものであり、共振コンデンサ及び変圧器の漏れインダクタンスによって形成される共振器の共振周波数(例えば、理想共振周波数又は構成要素定格共振周波数)である周波数fRESを示す。第1のグラフ202のスイッチング周波数は、共振コンデンサ及び変圧器の漏れインダクタンスによって形成される共振器の共振周波数である周波数fRESを含む。X軸に沿う大きい値は、電源システムのスイッチング周波数の値であり、したがって共振周波数fRESよりも高く、X軸に沿う小さい値は、電源システムのスイッチング周波数の値であり、したがって共振周波数fRESよりも低い。第1のグラフ202の利得は、出力電圧の所望の設計振幅に対応するユニティゲイン「1」を含む。Y軸に沿う大きい値は、電源システムの利得の値であり、1よりも大きく、したがって所望の出力電圧の振幅は大きく、Y軸に沿う小さい値は、電源システムの利得の値であり、1よりも小さく、したがって所望の出力電圧の振幅は小さい。
【0028】
上述したように、電源システムにおいて共振コンデンサ及び漏れインダクタンスによって形成される共振周波数fRESよりも高いスイッチング周波数で動作させると、負荷レギュレーションが悪化し得、スイッチング周波数のばらつき、並びに共振容量及び変圧器の漏れインダクタンスの値に出力電圧が依存し得る。したがって、第1のグラフ202は、共振周波数fRESよりも高い電源システムのスイッチング周波数で、電源システムの利得が低下することを示す。また、上述したように、スイッチング周波数が共振周波数fRESよりも低いことに応じて、連続する半スイッチングサイクル間で共振コンデンサに過電圧が生じる。この過電圧は、次のスイッチングサイクルにおける変圧器の一次巻線の電圧に付加され、それによって出力電圧が増加する。したがって、第1のグラフ202は、共振周波数fRES未満である電源システムのスイッチング周波数で、利得が著しく増加し、そのため、出力電圧が許容し得ないレベルまで昇圧されることを示す。したがって、電源システムのスイッチング周波数は、ほぼ共振周波数fRESに設定される。
【0029】
上述したように、スイッチング周波数及び/又は共振周波数は、製造公差及び誤差に起因し得る固有のばらつきの影響を受け得る。図2の例において、スイッチング周波数及び/又は共振周波数の固有の変動は、スイッチング周波数が設定される共振周波数fRESと等しいが反対のfsw+及びfsw-を境界とするウィンドウとして示される。したがって、電源システムのスイッチング周波数がfsw+及びfsw-を境界とするウィンドウによって定義される固有の変動内において共振周波数fRESから逸脱又はドリフトすると、電源システムの利得が大きく変動し得、その結果、所望の出力電圧VOUTに誤差が生じる。
【0030】
図200は、電源システム100の利得を電源システム100のスイッチング周波数の関数としてプロットした第2のグラフ204を含む。例えば、利得は出力電圧VOUTの利得に対応し得、スイッチング周波数は、スイッチング信号SWの周波数に対応し得る。第2のグラフ204のスイッチング周波数は、二次共振器の共振周波数(例えば、理想共振周波数又は構成要素定格共振周波数)である周波数fRESを含む。X軸に沿う大きい値は、スイッチング信号SWの周波数の値であり、したがって共振周波数fRESよりも高く、X軸に沿う小さい値は、スイッチング信号SWの周波数の値であり、したがって共振周波数fRESよりも低い。第2のグラフ204の利得は、出力電圧VOUTの所望の設計振幅に対応するユニティゲイン「1」を含む。Y軸に沿う大きい値は、電源システム100の利得の値であり、1より大きく、したがって所望の出力電圧VOUTの振幅は大きく、Y軸に沿う小さな値は、電源システム100の利得の値であり、1より小さく、したがって所望の出力電圧VOUTの振幅は小さい。
【0031】
第2のグラフ204は、共振周波数fRESよりも高いスイッチング信号SWの周波数で、電源システム100の利得が低下することを示す。しかし、共振コンデンサCRESを二次巻線LSECに結合して二次共振器を形成することに基づいて(第1のグラフ202に関連する代替変換器のように一次巻線に結合される共振コンデンサとは異なり)、第2のグラフ204は、電源システム100の利得が共振周波数fRES以下であるスイッチング信号SWの周波数で一定であることも示す。したがって、電源システム100は、電源システム100のユニティゲインを維持しつつ、共振周波数fRES未満のスイッチング信号SWの周波数で動作するように構成され得、そのため、出力電圧VOUTの所望の振幅が維持される。
【0032】
例えば、スイッチング信号SWの周波数及び/又は共振周波数の製造公差及び誤差に起因し得る固有の変動にかかわらず、スイッチング信号SWは、出力電圧VOUTの一定の振幅を提供するために共振周波数fRESよりも低い周波数に設定され得る。例えば、スイッチング信号SWの周波数は、共振周波数fRES未満の周波数fswに設定され得る。図2の例において、スイッチング信号SWの周波数及び/又は共振周波数の固有の変動は、スイッチング信号SWが設定される周波数に対応する周波数fswと等しいが反対のfsw+及びfsw-を境界とするウィンドウとして示される。その結果、スイッチング信号SWの周波数が、fsw+及びfsw-を境界とするウィンドウによって定義される固有の変動内でスイッチング周波数fswから逸脱又はドリフトした場合、電源システム100の利得はユニティのままであり得、そのため、所望の出力電圧VOUTの誤差が軽減され得る。したがって、第2のグラフ204は、スイッチング信号SWの最大可能周波数が最小可能共振周波数fRESよりも低くなるように電源回路300が設計されれば(例えば、全てのばらつきを考慮して)、出力電圧VOUTは、スイッチング信号SWの周波数のばらつき及び二次共振器の実際の共振周波数に(要するに)依存しなくなることを示す。
【0033】
図3は、スイッチング電源回路300の例を図示する。電源回路300は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源回路300は、図1の例における電源システム100に対応し得る。したがって、図3の例の下記の説明において、図1及び図2の例を参照する。
【0034】
電源回路300は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動されるMOSFETスイッチのセットを含むスイッチングシステム302を含む。図3の例において、スイッチングシステム302は、第1のNチャネルFET(NFET)N及び第2のNFET Nを含む。第1のNFET Nは、入力電圧VINと第1のスイッチングノード304とを相互接続し、第2のNFET Nは、第1のスイッチングノード304と低電圧レール(例えば、接地)とを相互接続する。第2のNFET Nは、スイッチング信号SWによってゲートにおいて制御され、第1のNFET Nは、インバータ306を介してスイッチング信号SWが反転されたものによってゲートにおいて制御される。スイッチングシステム302はまた、第3のNFET N及び第4のNFET Nを含む。第3のNFET Nは、入力電圧VINと第2のスイッチングノード308とを相互接続し、第4のNFET Nは、第2のスイッチングノード308と低電圧レールとを相互接続する。第4のNFET Nは、遅延要素310を介して提供される、スイッチング信号SWが遅延されたものによってゲートにおいて制御され、第3のNFET Nは、インバータ312を介して、遅延されたスイッチング信号SWが反転されたものによってゲートにおいて制御される。
【0035】
したがって、NFET N~Nはフルブリッジとして配置される。例えば、スイッチング信号SWは、スイッチング周波数で提供されるクロック信号に対応し得る。遅延要素310は、スイッチング信号SWの状態遷移の静的な遅延(例えば、二次共振器の共振周波数の周期の約半分)を提供し得る。電源回路300はまた、一次巻線LPRI及び二次巻線LSECを含む変圧器314を含む。一次巻線LPRIは、第1のスイッチングノード304及び第2のスイッチングノード308に結合される。したがって、NFET N~Nは、一次巻線LPRIに入力電圧VINを方形波として結合し、一次巻線LPRIに対して一次電圧VPRIを提供するため、スイッチング信号SWによって順に作動され(例えば、オン及び閉にされ)得る。
【0036】
スイッチングシステム302のフルブリッジ配置に基づいて、及び遅延要素310によって提供される遅延に基づいて、NFET N~Nの作動シーケンスは、スイッチングシステム302の四つの状態をもたらし得る。第1の状態において、NFET N及びNFET Nはいずれも作動される。第2の状態において、NFET N及びNFET Nはいずれも作動される。第3の状態において、NFET N及びNFET Nはいずれも作動される。第4の状態において、NFET N及びNFET Nはいずれも作動される。したがって、第3及び第4の状態において、一次巻線LPRIは短絡されて一次電圧VPRIの振幅がゼロになる。本明細書においてより詳細に説明するように、スイッチングシステム302の第3及び第4の状態は、電源回路300の負荷レギュレーションを容易にし得る。
【0037】
上述したように、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム302におけるNFET N~Nの各スイッチングサイクルにおいて、一次電圧VPRIの極性が交互に反転される。したがって、変圧器314は、一次電圧VPRIが一次巻線LPRIに提供されることに応答して、二次巻線LSECにおいて二次電圧VSECを誘起する。二次電圧VSECは、同様に、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム302におけるNFET N~Nの第1の状態及び第2の状態のスイッチングサイクルの各々において極性を反転させる。
【0038】
電源回路300はまた、二次電圧VSECに基づいて、負荷抵抗器Rとして示す負荷の両端の出力電圧VOUTを提供し得る出力段316を含む。図3の例において、出力段316は、第1のノード318に結合されるアノードと負荷抵抗器Rに結合されるカソードとを有する第1のダイオードDを含み、(例えば、スイッチングシステム302における低電圧レールから絶縁される)低電圧レールに結合されるアノードと第1のノード318に結合されるカソードとを有する第2のダイオードDを含む。出力段316はまた、第2のノード320に結合されるアノードと負荷抵抗器Rに結合されるカソードとを有する第3のダイオードDを含み、低電圧レールに結合されるアノードと第2のノード320に結合されるカソードとを有する第4のダイオードDを含む。したがって、出力段316は、双方向一次電圧VPRIのそれぞれの位相から誘導的に提供される、双方向二次電圧VSECの各位相の間に出力電圧VOUTの正の振幅を提供する全波整流器として配置される。出力段316は、例として図3の例において示されており、二次電圧VSECに基づいて出力電圧VOUTを提供するための様々な異なる方式の任意のものにおいて(例えば、電圧ダブラとして)配置され得る。
【0039】
電源回路300はさらに、変圧器314の二次巻線LSECに結合される共振コンデンサCRESを含む。したがって、上述したように、共振コンデンサCRES及び二次巻線LSECは二次共振器を形成し得る。図1及び図2の例において上述したように、共振コンデンサCRESを二次巻線LSECに結合して二次共振器を形成することに基づいて、電源システム300は、出力電圧VOUTの目標振幅を保ちつつ、二次共振器の共振周波数未満のスイッチング信号SWの周波数において動作するように構成され得る。例えば、一次巻線LPRIに対する一次電圧VPRIの各位相間において、二次巻線LSECの電流はほぼゼロである。しかし、二次巻線LSECの電流がスイッチング信号SWの各位相間でほぼゼロの振幅を有するとき、出力段106は、(例えば、出力段316の整流器D~Dに基づいて)共振コンデンサCRESを電源回路300の出力から分離し得、そのため、出力段316は、共振コンデンサCRESと低圧レールの間で開路として振る舞い得、二次巻線LSECの電流の振幅ゼロにおいて共振コンデンサCRESの電圧の変化を防止する。そのため、代替の共振電源システムとは異なり、二次共振器の共振周波数に等しいかそれより低いスイッチング信号SWの周波数で出力電圧VOUTはほぼ一定の振幅に保たれ得る。したがって、スイッチング信号SWは、二次共振器の共振周波数(例えば、図2の例におけるfRES)未満の周波数(例えば、図2の例におけるfsw)に設定されて、出力電圧VOUTの一定の振幅が提供される。その結果、電源回路300において、出力電圧VOUTの振幅の誤差が軽減され得る。
【0040】
図4は、スイッチング電源回路400の例を図示する。電源回路400は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源回路400は、図1の例における電源システム100に対応し得る。したがって、図4の例の下記の説明において、図1及び図2の例を参照する。
【0041】
電源回路400は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動されるMOSFETスイッチのセットを含むスイッチングシステム402を含む。図4の例において、スイッチングシステム402は、第1のNFET N及び第2のNFET Nを含む。第1のNFET Nは、入力電圧VINと第1のスイッチングノード404とを相互接続し、第2のNFET Nは、第1のスイッチングノード404と低電圧レール(例えば、接地)とを相互接続する。第2のNFET Nは、スイッチング信号SWによってゲートにおいて制御され、第1のNFET Nは、インバータ406を介してスイッチング信号SWが反転されたものによってゲートにおいて制御される。スイッチングシステム402はまた、第1のコンデンサC及び第2のコンデンサCを含む。第1のコンデンサCは、入力電圧VINと第2のスイッチングノード408とを相互接続し、第2のコンデンサCは、第2のスイッチングノード408と低電圧レールとを相互接続する。
【0042】
したがって、NFET N及びN、コンデンサC及びCはハーフブリッジとして配置される。例えば、スイッチング信号SWは、スイッチング周波数において提供されるクロック信号に対応し得る。電源回路400はまた、一次巻線LPRI及び二次巻線LSECを含む変圧器410を含む。一次巻線LPRIは、第1のスイッチングノード404及び第2のスイッチングノード408に結合される。したがって、NFET N及びNは、一次巻線LPRIに入力電圧VINを方形波として結合し、一次巻線LPRIに対して一次電圧VPRIを提供するため、スイッチング信号SWによって順に作動され得る。スイッチングシステム402のハーフブリッジ配置に基づいて、NFET N及びNの作動シーケンスは、スイッチングシステム402の二つの状態をもたらし得る。第1の状態においてNFET Nが作動される。第2の状態においてNFET Nが作動される。
【0043】
また、スイッチングシステム402は、信号SHTによって各々制御されるNFET N及びNFET Nを含む。NFET Nは、第1のスイッチングノード404及びNFET Nに結合され、NFET Nは、第2のスイッチングノード408及びNFET Nに結合される。したがって、信号SHTは、NFET N及びNを同時に作動させて、一次巻線LPRIが短絡されるように提供される。例えば、信号SHTは、信号SHTを周期的に(例えば、スイッチング信号SWの各サイクル又は多くのサイクルで)アサートし得る論理又は状態機械から提供され得、そのため、一次電圧VPRIの振幅がゼロになるように一次巻線LPRIが短絡される。本明細書においてより詳細に説明するように、一次巻線LPRIの短絡により、電源回路400の負荷レギュレーションが容易になり得る。
【0044】
上述したように、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム402におけるNFET N及びNの各スイッチングサイクルにおいて、一次電圧VPRIの極性が交互に反転される。したがって、変圧器410は、一次電圧VPRIが一次巻線LPRIに提供されることに応答して、二次巻線LSECにおいて二次電圧VSECを誘起する。二次電圧VSECは、同様に、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム402におけるNFET N及びNの各スイッチングサイクルにおいて極性を反転させる。
【0045】
電源回路400はまた、二次電圧VSECに基づいて、負荷抵抗器Rとして示す負荷の両端に出力電圧VOUTを提供し得る出力段412を含む。図4の例において、出力段412は、第1のダイオードD、第2のダイオードD、第3のダイオードD、及び第4のダイオードDを含み、したがって、図3の例における出力段316と実質的に同じに配置される。
【0046】
電源回路400はさらに、変圧器410の二次巻線LSECに結合される共振コンデンサCRESを含む。したがって、共振コンデンサCRES及び二次巻線LSECの配置は、図3の例において上述したものと同じである。したがって、スイッチング信号SWは、出力電圧VOUTの一定の振幅を提供するように形成される二次共振器の共振周波数(例えば、図2の例におけるfRES)未満の周波数(例えば、図2の例におけるfsw)に設定され得る。その結果、電源回路400において、出力電圧VOUTの振幅の誤差が軽減され得る。
【0047】
図5は、スイッチング電源回路500の例を図示する。電源回路500は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源回路500は、図1の例における電源システム100に対応し得る。したがって、図5の例の下記の説明において、図1及び図2の例を参照する。
【0048】
電源回路500は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動されるMOSFETスイッチのセットを含むスイッチングシステム502を含む。図5の例において、スイッチングシステム502は、第1のNFET N及び第2のNFET Nを含む。第1のNFET Nは、第1のスイッチングノード504と低電圧レール(例えば、接地)とを相互接続し、第2のNFET Nは、第2のスイッチングノード506と低電圧レールとを相互接続する。第2のNFET Nは、スイッチング信号SWによってゲートにおいて制御され、第1のNFET Nは、インバータ508を介してスイッチング信号SWが反転されたものによってゲートにおいて制御される。
【0049】
したがって、NFET N及びNはプッシュプル回路として配置される。例えば、スイッチング信号SWは、スイッチング周波数において提供されるクロック信号に対応し得る。電源回路500はまた、一次巻線LPRI及び二次巻線LSECを含む変圧器510を含む。入力電圧INは、一次巻線LPRIの中央タップに提供され、一次巻線LPRIは、第1のスイッチングノード504及び第2のスイッチングノード506に結合される。したがって、NFET N1及びN2は、入力電圧VINから一次電圧VPRIが一次巻線LPRIに提供されるように、スイッチング信号SWによって順に作動され得る。スイッチングシステム502のプッシュプル配置に基づいて、NFET N及びNの作動シーケンスは、スイッチングシステム502の二つの状態をもたらし得る。第1の状態においてNFET Nが作動される。第2の状態においてNFET Nが作動される。
【0050】
また、スイッチングシステム502は、信号SHTによって各々制御されるNFET N及びNFET Nを含む。NFET Nは、第1のスイッチングノード504及びNFET Nに結合され、NFET Nは、第2のスイッチングノード506及びNFET Nに結合される。したがって、信号SHTは、NFET N及びNを同時に作動させて、一次巻線LPRIが短絡されるように提供される。例えば、信号SHTは、信号SHTを周期的に(例えば、スイッチング信号SWの各サイクル又は多くのサイクルで)アサートし得る論理又は状態機械から提供され得、そのため、一次電圧VPRIの振幅がゼロになるように一次巻線LPRIが短絡される。本明細書でより詳細に説明するように、一次巻線LPRIの短絡により、電源回路500の負荷レギュレーションが容易になり得る。
【0051】
上述したように、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム502のNFET N1及びN2の各スイッチングサイクルにおいて、一次電圧VPRIの極性が交互に反転される。したがって、変圧器510は、一次電圧VPRIが一次巻線LPRIに提供されることに応答して、二次巻線LSECにおいて二次電圧VSECを誘起する。二次電圧VSECは、同様に、スイッチング信号SWによって提供される、スイッチングシステム502のNFET N及びNの各スイッチングサイクルにおいて極性を反転させる。
【0052】
電源回路500はまた、二次電圧VSECに基づいて、負荷抵抗器Rとして示す負荷の両端に出力電圧VOUTを提供し得る出力段512を含む。図5の例において、出力段512は、第1のダイオードD、第2のダイオードD、第3のダイオードD、及び第4のダイオードDを含み、したがって、図3の例における出力段316と実質的に同じに配置される。
【0053】
電源回路500はさらに、変圧器510の二次巻線LSECに結合される共振コンデンサCRESを含む。したがって、共振コンデンサCRES及び二次巻線LSECの配置は、図3の例において上述したものと同じである。したがって、スイッチング信号SWは、二次共振器の共振周波数(例えば、図2の例におけるfRES)未満の周波数(例えば、図2の例におけるfsw)に設定され得、それにより、出力電圧VOUTの一定の振幅が提供される。その結果、電源回路500において、出力電圧VOUTの振幅の誤差が軽減され得る。
【0054】
図6は、スイッチング電源システム600の別の例を図示する。電源システム600は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源システム600は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動される少なくとも一つのスイッチを含むスイッチングシステム602を含む。例えば、スイッチングシステム602は、図3図5のそれぞれの例において上述したスイッチングシステム302、402、及び502の任意のものに対応し得る。
【0055】
電源システム600はまた、一次巻線LPRI及び二次巻線LSECを含む変圧器604、及び出力電圧VOUTを提供し得る出力段606を含む。電源システム600はさらに、変圧器604の二次巻線LSECに結合される共振コンデンサCRESを含む。したがって、電源システム600は、図1図5の例に関して上述した方法で出力電圧VOUTを提供するように構成される。特に、スイッチングシステム602は、二次共振器の共振周波数未満のスイッチング周波数においてスイッチを動作させ得、電源システム600のユニティゲインを維持し得る。
【0056】
図6の例において、電源システム600はまた、負荷レギュレータ608を含む。負荷レギュレータ608は、スイッチングシステム602から一次巻線LPRIを介する電流に対応する一次電流IPRIを受け取り、スイッチングシステム602にスイッチング信号SW及び信号SHTを提供するように示される。例えば、負荷レギュレータ608は、一次巻線IPRIが短絡される場合など(例えば、図3の例におけるフルブリッジスイッチングシステム302の第3又は第4の位相の間、又は図4及び5のそれぞれの例におけるスイッチングシステム402及び502における信号SHTの作動に応答して)、一次電流IPRIの振幅をサンプリングし得る。負荷レギュレータ608は、負荷(例えば、図3図5の例における負荷Rの抵抗)に基づいてスイッチング信号SWの周波数を改変するように構成され得る。
【0057】
例えば、一次電流IPRIは、半正弦波電流パルスとして一次巻線LPRIを介して各方向に提供され、そのため、二次電圧VSECは、半正弦波電流パルスとして負荷抵抗Rに提供される。正弦半波パルスの平均は、図6の例において出力電流IOUTとして示される、負荷抵抗Rに提供される直流電流に等しい。スイッチング信号SWの周波数が一定に保たれる場合、負荷抵抗Rの増加に応じて一次電流IPRIの振幅ひいては二次電圧VSECが増加する。したがって、負荷抵抗Rと直列の全等価抵抗に対する電圧降下が増加し得、その結果、出力電圧VOUTが減少する。
【0058】
その結果、負荷レギュレータ608は、負荷抵抗Rの全値に適応し、負荷抵抗Rの減少に応答してスイッチング信号SWの周波数を調整するため、一次電流IPRIをピーク値に維持するように一次電流IPRIをサンプリングするように構成され得る。一次電流IPRIのサンプリングは、一次電流がほぼピーク値であるときに生じ得る。上述のように、図3の例において、遅延要素310の遅延時間は、二次共振器の共振周波数の周期の約半分に設定され得る。したがって、一次巻線LPRIは、一次電流IPRIの交互の極性の間の交互の間隔において短絡され、一次電流IPRIは、一次電流IPRIのピーク振幅においてサンプリングされる。同様に、負荷調整器608は、一次電流IPRIのピーク振幅をサンプリングするために、適切な間隔で信号SHTをアサートし得る。例えば、負荷レギュレータは、一次電流IPRIのピーク振幅を基準値と比較して、半正弦電流パルスを全負荷抵抗Rのピーク振幅に維持して、負荷抵抗Rのすべての値について、負荷抵抗Rと直列の総等価抵抗にわたって電圧降下を実質的に等しくする。したがって、負荷レギュレータ608は、負荷抵抗Rの値の変化に適応するために、スイッチング信号SWの周波数を調整し得る。
【0059】
図7は、電源回路700の別の例を図示する。電源回路700は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源回路700は、図6の例における電源システム600に対応し得る。したがって、図7の例の下記の説明において、図6の例を参照する。
【0060】
電源回路700は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動されるMOSFETスイッチのセットを含むスイッチングシステム702を含む。図7の例において、スイッチングシステム702は、NFET N、第2のNFET N、第3のNFET N、及び第4のNFET Nを含む。スイッチングシステムはまた、スイッチングノード704、インバータ706、スイッチングノード708、第1の遅延要素710、及びインバータ712を含む。したがって、スイッチングシステム702は、図3の例において上述したように、フルブリッジとして配置される。電源回路700はまた、変圧器の一部である一次巻線IPRIを含む(図7の例では簡潔にするため省略)。例えば、一次巻線LPRIは、図3図6の例において上述したのと同様に、共振コンデンサCRESに二次電圧VSECを提供する二次巻線LSEC及び負荷抵抗Rに出力電圧VOUTを提供する出力段に結合され得る。
【0061】
図7の例において、電源回路700はまた、負荷レギュレータ714を含む。負荷レギュレータ714は、716において示す入力電圧VINを提供するループに結合されて、スイッチングシステム702からの一次電流IPRIをサンプリングする。図7の例において、入力電圧VINは、電圧源718によって生成される。負荷レギュレータ714は、接続716及びサンプリングコンデンサCSMPLに結合されるNFET Nを含む。NFET Nは、信号SMPLによってゲートにおいて制御され、そのため、NFET Nは、一次電流IPRIのピーク振幅をサンプリングコンデンサCSMPLに対するサンプリング電圧VSMPLとしてサンプリングするように、信号SMPLによって作動される。したがって、サンプリング電圧VSMPLは、一次巻線LPRIを介する一次電流IPRIのピーク振幅に比例する振幅を有し得る。したがって、サンプリング電圧VSMPLの振幅も同様に、図6の例において上述したように、負荷抵抗Rを介する直流電流IOUTの振幅に比例し得る。
【0062】
サンプリングコンデンサCSMPLは、サンプリング電圧VSMPLを基準電圧VREFと比較するように構成される誤差増幅器720に結合される。基準電圧VREFは、図7の例において、電圧源722によって生成され、抵抗器Rを介して提供されるように示される。例えば、基準電圧VREFは、負荷抵抗Rの全負荷に対して一次電流IPRIのピーク振幅を表すように整調され得る。誤差増幅器720は、コンデンサCFB及び抵抗器RFBのフィードバック接続を有するように示され、そのため、誤差増幅器720は、サンプリング電圧VSMPLと基準電圧VREFとの間の差に基づいて、制御電圧VCTRLを提供し得る。制御電圧VCTRLは、リミッタ回路724を介して電圧制御発振器(VCO)722に提供される。VCO722は、制御電圧VCTRLの振幅に基づく周波数でスイッチング信号SWを生成するように構成され、リミッタ回路724は、制御電圧VCTRLの上限及び下限を提供して、スイッチング信号SWの周波数のそれぞれの最大値及び最小値を提供する。したがって、上述したように、NFET N~Nを制御するためのスイッチング信号SWがスイッチングシステム702に提供される。
【0063】
図7の例において、負荷レギュレータ714はさらに導関数検出器726を含む。導関数検出器726は、入力において一次電流IPRIを受け取り、出力において信号SMPLを生成するように構成される。例えば、導関数検出器726は、一次電流IPRIの振幅の導関数を判定するためのアナログ又はデジタル能力を含み得る。したがって、導関数検出器726は、一次電流IPRIの振幅の導関数を監視し得る。したがって、一次電流IPRIの振幅の導関数のゼロクロスを判定することに応答して、導関数検出器726は、一次電流IPRIがピーク振幅を達成したことを判定し得る。これに応答して、導関数検出器726は、一次巻線LPRIを介する双方向一次電流IPRIの流れの各極性において一次電流IPRIのピーク振幅をサンプリングするためにNFET Nを作動させるように、信号SMPLをアサートし得る。
【0064】
このように、負荷レギュレータ730は、負荷抵抗Rの全値に適応し、負荷抵抗Rの減少に応答してVCO722に基づいてスイッチング信号SWの周波数を調整するため、一次電流IPRIをピーク値に維持するように一次電流IPRIをサンプリングするように構成され得る。例えば、負荷レギュレータ722は、一次電流IPRIのサンプリングされたピーク振幅に対応する電圧VSMPLを、全負荷抵抗Rに対応する基準電圧VREFの振幅程度にレギュレートして、動的負荷抵抗Rにかかわらず一次電流IPRIのピーク振幅を維持し得る。したがって、電源回路700の出力における直列要素に対する電圧損失が、負荷Rに依存しない値に維持され得、それにより、電源回路700の負荷レギュレーションが提供され得る。
【0065】
負荷レギュレータ714の配置が、例として提供される。しかしながら、負荷抵抗Rに基づいてスイッチング信号SWの周波数のレギュレーションを提供するために、負荷レギュレータ714の他の配置も実装され得る。図7の例において、負荷レギュレータ714は、例えば、スイッチングシステム702をフルブリッジ回路として配置した状態で動作するように設けられる。代わりに、図4及び図5のそれぞれの例において上述したスイッチング回路402及び502など、ハーフブリッジ及び/又はプッシュプルスイッチング回路を用いて動作するための負荷レギュレータ714の他の例も実装され得る。例えば、このような負荷レギュレータは、一次電流IPRIのサンプリングを容易にするために一次巻線LPRIの短絡をもたらすために信号SHTを作動させるように構成される、論理及び/又は状態マシンを含み得る。したがって、負荷レギュレータ714は、様々の様式で配置され得る。
【0066】
図8は、電源回路800の別の例を図示する。電源回路800は、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを効率的に提供するための様々な回路応用例の任意のものに実装され得る。電源回路800は、図6の例における電源システム600に対応し得る。したがって、図8の例の下記の説明において、図6の例を参照する。
【0067】
電源回路800は、スイッチング信号SWに応答して周期的に作動されるMOSFETスイッチのセットを含むスイッチングシステム802を含む。図8の例において、スイッチングシステム802は、NFET N、第2のNFET N、第3のNFET N、及び第4のNFET Nを含む。スイッチングシステムはまた、スイッチングノード804、インバータ806、スイッチングノード808、第1の遅延要素810、及びインバータ812を含む。したがって、スイッチングシステム802は、図3の例において上述したように、フルブリッジとして配置される。電源回路800はまた、変圧器の一部である一次巻線IPRIを含む(図8の例では簡潔にするため省略)。例えば、一次巻線LPRIは、図3図6の例において上述したものと同様に、共振コンデンサCRESに二次電圧VSECを提供する二次巻線LSECと、負荷抵抗Rに出力電圧VOUTを提供する出力段とに結合され得る。
【0068】
図8の例において、電源回路800はまた負荷レギュレータ814を含む。負荷レギュレータ814は、816において示す入力電圧VINを提供するループに結合されて、スイッチングシステム802からの一次電流IPRIをサンプリングする。図8の例において、入力電圧VINは電圧源818によって生成される。負荷レギュレータ814は、接続816及びサンプリングコンデンサCSMPLに結合されるNFET Nを含む。NFET Nは、信号SMPLによってゲートにおいて制御され、そのため、NFET Nは、一次電流IPRIのピーク振幅をサンプリングコンデンサCSMPLに対するサンプリング電圧VSMPLとしてサンプリングするように、信号SMPLによって作動される。したがって、サンプリング電圧VSMPLは、一次巻線LPRIを介する一次電流IPRIのピーク振幅に比例する振幅を有し得る。それゆえ、サンプリング電圧VSMPLの振幅も同様に、図6の例において上述したように、負荷抵抗Rを介する直流電流IOUTの振幅に比例し得る。
【0069】
サンプリングコンデンサCSMPLは、サンプリング電圧VSMPLを基準電圧VREFと比較するように構成される誤差増幅器820に結合される。基準電圧VREFは、図8の例において、電圧源822によって生成され、抵抗Rを介して提供されるように示されている。例えば、基準電圧VREFは、負荷抵抗Rの全負荷に対して一次電流IPRIのピーク振幅を表すように整調され得る。誤差増幅器820は、コンデンサCFB及び抵抗器RFBのフィードバック接続を有するように示され、そのため、誤差増幅器820は、サンプリング電圧VSMPLと基準電圧VREFとの間の差に基づいて制御電圧VCTRLを提供し得る。制御電圧VCTRLは、リミッタ回路824を介して電圧制御発振器(VCO)822に提供される。VCO822は、制御電圧VCTRLの振幅に基づく周波数でスイッチング信号SWを生成するように構成され、リミッタ回路824は、制御電圧VCTRLの上限及び下限を提供して、スイッチング信号SWの周波数のそれぞれの最大値及び最小値を提供する。したがって、上述したように、NFET N~Nを制御するためのスイッチング信号SWがスイッチングシステム802に提供される。
【0070】
スイッチング信号SWはまた、第2の遅延要素826、及びインバータ830を介して第3の遅延要素828に提供される。例えば、第2の遅延要素826及び第3の遅延要素828は、二次共振器の共振周波数の周期の1/4にほぼ等しい遅延に設定され得る。第2の遅延要素826は、スイッチング信号SWを遅延させたものである信号DLY1を提供し、第3の遅延要素828は、スイッチング信号SWを反転及び遅延させたものである信号DLY2を提供する。信号DLY1及びDLY2は、論理和ゲート832に提供される。論理和ゲート832は、信号DLY1及びDLY2に基づいて、信号SMPLを生成するように構成される。第1の遅延要素810によって提供される遅延に対する、遅延要素826及び828によって提供される遅延に基づいて、論理和ゲート832は、一次巻線LPRIを介する双方向一次電流IPRIの流れの各極性において一次電流IPRIのピーク振幅をサンプリングするように、NFET Nを作動させ得る。
【0071】
このように、負荷レギュレータ830は、負荷抵抗Rの全値に適応し、負荷抵抗Rの減少に応答してVCO822に基づいてスイッチング信号SWの周波数を調整するため、一次電流IPRIをピーク値に維持するように一次電流IPRIをサンプリングするように構成され得る。例えば、負荷レギュレータ822は、一次電流IPRIのサンプリングされたピーク振幅に対応する電圧VSMPLを、全負荷抵抗Rに対応する基準電圧VREFの振幅程度にレギュレートして、動的負荷抵抗Rにかかわらず一次電流IPRIのピーク振幅を維持し得る。したがって、電源回路800の出力における直列要素に対する電圧損失は、負荷Rに依存しない値に維持され得、それにより、電源回路800の負荷レギュレーションが提供され得る。
【0072】
負荷レギュレータ814の配置が、例として提供される。しかしながら、負荷抵抗Rに基づいてスイッチング信号SWの周波数のレギュレーションを提供するために、負荷レギュレータ814の他の配置も実装され得る。図8の例において、負荷レギュレータ814は、例えば、スイッチングシステム802をフルブリッジ回路として配置した状態で動作するように設けられる。代わりに、図4及び図5のそれぞれの例において上述したスイッチング回路402及び502など、ハーフブリッジ及び/又はプッシュプルスイッチング回路を用いて動作するための負荷レギュレータ814の他の例が実装され得る。例えば、このような負荷レギュレータは、一次電流IPRIのサンプリングを容易にするために一次巻線LPRIの短絡をもたらすために信号SHTを作動させるように構成される、論理及び/又は状態マシンを含み得る。したがって、負荷レギュレータ814は、様々の様式で配置され得る。
【0073】
本記載において、「結合する」という用語は、この記載と矛盾しない機能的関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を包含し得る。例えば、デバイスAが、或る動作を実施するためにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、(a)第1の例において、デバイスAはデバイスBに直接結合され、或いは、(b)第2の例において、デバイスAは、介在する構成要素Cを介してデバイスBに間接的に結合され、第2の例は、介在する構成要素Cが、デバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更させず、そのため、デバイスBが、デバイスAによって生成される制御信号を介してデバイスAによって制御される場合である。
【0074】
本記載において、或るタスク又は機能を実施するように「構成される」デバイスは、その機能を実施するように製造時に製造業者によって構成(例えば、プログラム及び/又は配線)され得、及び/又は、その機能及び/又は他の付加的な又は代替の機能を実施するように製造後にユーザによって構成可能(又は再構成可能)とされ得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介して、ハードウェア構成要素の構築及び/又はレイアウト、並びにデバイスの相互接続を介して、或いはこれらの組み合わせを介してなされ得る。また、或る構成要素を含むと本明細書に記載される回路又はデバイスは、代わりに、記載された回路要素又はデバイスを形成するためにこれらの構成要素に結合するように構成され得る。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、一つ又は複数の受動要素(抵抗器、コンデンサ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は一つ又は複数の供給源(電圧及び/又は電流源など)を含むと本明細書に記載される構造は、代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内の半導体要素のみを含み得、製造時又は製造後のいずれかにおいて、例えば、エンドユーザ及び/又は第三者によって、記載された構造を形成するために受動要素及び/又は供給源の少なくとも幾つかに結合するように構成し得る。
【0075】
特許請求の範囲内で、説明した実施例における改変が可能であり、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】