(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】電気ボックス、電池及び電力消費機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20230725BHJP
H01M 50/583 20210101ALI20230725BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230725BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/583
H01M50/204 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501426
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2021112490
(87)【国際公開番号】W WO2022068422
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202022222865.6
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂娟霞
(72)【発明者】
【氏名】季進清
(72)【発明者】
【氏名】銭木
(72)【発明者】
【氏名】孫占宇
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD08
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA05
5H043CA05
5H043FA32
5H043FA33
5H043GA03
(57)【要約】
電気ボックス、電気ボックスを含む電池、及び電池を含む電力消費機器を提供する。電気ボックスは、電池セルを含む電池に用いられる。電気ボックスはボックス本体、電流遮断器、第1のコネクタ及びスイッチを含む。電流遮断器は、ボックス本体内に設置され、過電流時に遮断する。第1のコネクタは、電池の電気エネルギーを出力するためである。スイッチはボックス本体内に設置され、電池セルと第1のコネクタとの間のオンオフを制御するためである。第1のコネクタは、ボックス本体に固定され、第1のコネクタは、電池の電気エネルギーを出力するための第1の端子及び第2の端子を含み、第1の端子は電流遮断器に電気的に接続され、第2の端子はスイッチに電気的に接続される。第1のコネクタと電気ボックスのボックス本体を統合し、電気ボックスと第1のコネクタとの間の長い導電構造が不要となり、空間の占有を減少させ、空間の利用率を向上させられる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルを含む電池に用いられる電気ボックスであって、
ボックス本体と、
前記ボックス本体内に設置されており、電流が所定値に達する場合に遮断するように構成される電流遮断器と、
前記電池の電気エネルギーを出力するための第1のコネクタと、
前記ボックス本体内に設置されており、前記電池セルと前記第1のコネクタとの間のオンオフを制御するためのスイッチとを含み、
ここで、前記第1のコネクタは前記ボックス本体に固定され、前記第1のコネクタは前記電池の電気エネルギーを出力するための第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1の端子は前記電流遮断器に電気的に接続され、前記第2の端子は前記スイッチに電気的に接続される、電気ボックス。
【請求項2】
前記ボックス本体に第1の開口が設けられており、前記第1のコネクタは、前記スイッチ及び前記電流遮断器に電気的に接続されるために、前記第1の開口に入り込むように構成される、請求項1に記載の電気ボックス。
【請求項3】
前記第1のコネクタは基体を含み、前記基体は前記ボックス本体の外側から前記第1の開口を覆い、前記第1の端子及び前記第2の端子は前記基体に固定される、請求項2に記載の電気ボックス。
【請求項4】
一端が前記第1の端子に接続され、他端が前記電流遮断器に接続される第1の導電部材と、
一端が前記第2の端子に接続され、他端が前記スイッチに接続される第2の導電部材とをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気ボックス。
【請求項5】
前記第1の導電部材及び前記第2の導電部材はいずれも前記ボックス本体に固定され、前記第1のコネクタは前記第1の導電部材及び前記第2の導電部材により前記ボックス本体に固定される、請求項4に記載の電気ボックス。
【請求項6】
前記ボックス本体内に設置されており、かつ前記第1のコネクタと前記電池セルとの間の回路に設置されている電流センサをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気ボックス。
【請求項7】
電池であって、
筐体と、
前記筐体の内部に設置されている複数の電池セルと、
前記筐体の内部に固定される請求項1~6のいずれか一項に記載の電気ボックスとを含む、電池。
【請求項8】
前記筐体に第2の開口が設けられており、前記第2の開口は前記第1のコネクタを通過させることによって、前記第1のコネクタにより前記電池の電気エネルギーを前記筐体の外部に出力するためのものである、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記第1のコネクタは基体を含み、前記基体は前記筐体の内側から前記第2の開口を覆い、前記第1の端子及び前記第2の端子は前記基体に固定される、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記基体と前記筐体の内面との間に設置されており、かつ前記第2の開口を取り囲み、前記第1のコネクタと前記筐体との間のシール接続を実現するためのシール部材をさらに含む、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記筐体を通過して前記第1のコネクタに接続されることによって、前記第1のコネクタを前記筐体に固定するように構成される固定部材をさらに含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
電力消費機器であって、請求項7~11のいずれか一項に記載の電池を含む、電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の分野に関し、具体的には、電気ボックス、電池及び電力消費機器に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年09月30日に提出された、名称が「電気ボックス、電池及び電力消費機器」である中国特許出願2020222228656の優先権を主張し、該出願の内容の全ては引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車は、一般的に、高電圧の電力で動作し、かつ電気ボックスが配置され、自動車の電池は電気ボックスに電気的に接続される。現在、電気ボックスと電池の電気エネルギーを出力するコネクタとの間は長い導電構造(例えば銅材)により接続する必要があり、空間に対する需要が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来の電池の電気エネルギー出力端と電気ボックスとの間の接続の空間に対する需要が大きいという問題を解決するための電気ボックス、電池及び電力消費機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本出願は、電池に用いられる電気ボックスを提供し、電池は電池セルを含み、電気ボックスはボックス本体、電流遮断器、第1のコネクタ及びスイッチを含む。電流遮断器は、ボックス本体内に設置されており、電流が所定値に達する場合に遮断するように構成される。第1のコネクタは、電池の電気エネルギーを出力するためのものである。スイッチはボックス本体内に設置されており、電池セルと第1のコネクタとの間のオンオフを制御するためのものである。ここで、第1のコネクタは、ボックス本体に固定され、第1のコネクタは、電池の電気エネルギーを出力するための第1の端子及び第2の端子を含み、第1の端子は電流遮断器に電気的に接続され、第2の端子はスイッチに電気的に接続される。
【0006】
上記技術案は、電池の電気エネルギーを出力できる第1のコネクタと電気ボックスを1つのモジュールとして統合し、電気ボックスと第1のコネクタとの間に長い導電構造を設置する必要がなく、空間の占有を減少させ、空間の利用率を向上させる。電流遮断器は電流が所定値に達する場合に第1のコネクタの電池の電気エネルギーに対する出力を遮断することによって、電気的な安全性を保証することができる。スイッチの設置により、必要に応じて電池セルと第1のコネクタとの間の電気的接続をオフ又はオンにし、電池の過充電、過放電を回避することができる。
【0007】
本出願のいくつかの実施例において、ボックス本体に第1の開口が設けられており、第1のコネクタは、スイッチ及び電流遮断器に電気的に接続されるために、第1の開口に入り込むように構成される。
【0008】
上記技術案において、第1のコネクタが第1の開口に入り込んでスイッチ及び電流遮断器に電気的に接続されることによって、第1のコネクタの少なくとも一部がボックス本体内に収容され、ボックス本体内の空間を合理的に利用することによって、電気ボックスの構造がよりコンパクトになる。
【0009】
本出願のいくつかの実施例において、第1のコネクタは基体を含み、基体はボックス本体の外側から第1の開口を覆い、第1の端子及び第2の端子は基体に固定される。
【0010】
上記技術案において、基体はボックス本体の外側から第1の開口を覆い、第1の開口に対して一定のシール役割を果たすことができ、外部の異物がボックス本体内に入ることにより電気ボックスの安全性能に影響を与え、かつボックス本体内の部品を損傷することを回避する。
【0011】
本出願のいくつかの実施例において、電気ボックスは、第1の導電部材及び第2の導電部材をさらに含み、第1の導電部材は、一端が第1の端子に接続され、他端が電流遮断器に接続され、第2の導電部材は、一端が第2の端子に接続され、他端がスイッチに接続される。
【0012】
上記技術案において、第1の端子と電流遮断器との間は第1の導電部材により接続され、第2の端子とスイッチとの間は第2の導電部材により接続されることによって、スイッチと電流遮断器はボックス本体内に合理的な配置方式を有し、それによって、ボックス本体内の空間を合理的で、十分に利用することができる。
【0013】
本出願のいくつかの実施例において、第1の導電部材及び第2の導電部材は、いずれもボックス本体に固定され、第1のコネクタは第1の導電部材及び第2の導電部材によりボックス本体に固定される。
【0014】
本出願のいくつかの実施例において、電気ボックスは、ボックス本体内に設置されており、かつ第1のコネクタと電池セルとの間の回路に設置されている電流センサをさらに含む。
【0015】
上記技術案において、電流センサの設置により、電池管理システムが電池セルと第1のコネクタとの間の電気エネルギー伝送情報を取得しやすく、それによって、電池管理システムは、電池セルと第1のコネクタとの間の電気エネルギー伝送情報に基づいて関連するポリシーを採用することができ、例えば第1のコネクタと電池セルとの間の電気的接続をオフ又はオンにするようにスイッチを制御する。
【0016】
第2の態様によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、該電池は、筐体、複数の電池セル及び第1の態様の実施例による電気ボックスを含む。前記複数の電池セルは、筐体の内部に設置されている。電気ボックスは、筐体の内部に固定される。
【0017】
上記技術案において、電池の電気エネルギーを出力できる第1のコネクタと電気ボックスを1つのモジュールとして統合し、電気ボックスと第1のコネクタとの間に長い導電構造を設置する必要がなく、空間の占有を減少させ、空間の利用率を向上させる。電流遮断器は電流が所定値に達する場合に第1のコネクタの電池の電気エネルギーに対する出力を遮断することによって、電気的な安全性を保証することができる。スイッチの設置により、必要に応じて電池と第1のコネクタとの間の電気的接続をオフ又はオンにし、電池の過充電、過放電を回避することができる。
【0018】
本出願のいくつかの実施例において、筐体に第2の開口が設けられており、第2の開口は第1のコネクタを通過させることによって、第1のコネクタにより電池の電気エネルギーを筐体の外部に出力するためのものである。
【0019】
上記技術案において、第1のコネクタは筐体内から通過し、外部電力消費機器と電気的に接続されやすい。
【0020】
本出願のいくつかの実施例において、第1のコネクタは基体を含み、基体は筐体の内側から第2の開口を覆い、第1の端子及び第2の端子は基体に固定される。
【0021】
上記技術案において、第1のコネクタの基体は筐体の内側から第2の開口を覆うことができ、第2の開口に対して一定のシール役割を果たすことができ、外部の異物が筐体内に入ることにより電池の安全性能に影響を与えることを回避する。また、第1のコネクタが電力消費機器本体に電気的に接続された後、筐体の内側に接触する基体の表面は、第1のコネクタが第2の開口から筐体から出る方向へ移動することを阻止することができ、電力消費機器の振動等により第1のコネクタを引っ張ることによって、第1のコネクタと電池セルとの間の電気的接続が破壊されることを回避する。
【0022】
本出願のいくつかの実施例において、電池は、基体と筐体の内面との間に設置されており、かつ第2の開口を取り囲み、第1のコネクタと筐体との間のシール接続を実現するためのシール部材をさらに含む。
【0023】
上記技術案において、シール部材の設置により基体と筐体との間のシール効果がより高い。
【0024】
本出願のいくつかの実施例において、電池は、筐体を通過して第1のコネクタに接続されることによって、第1のコネクタを筐体に固定するように構成される固定部材をさらに含む。
【0025】
上記技術案において、固定部材の設置により、第1のコネクタを筐体に安定的に接続することができ、それによって、第1のコネクタと筐体との間の接続は強い耐衝撃、耐振動能力を有する。
【0026】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、電力消費機器を提供し、該電力消費機器は、第2の態様の実施例による電池を含む。
【0027】
上記技術案において、電力消費機器が採用する電池は、第1のコネクタと電気ボックスを一体に統合し、電気ボックスと第1のコネクタとの間に長い導電構造を設置する必要がなく、空間の占有を減少させ、空間の利用率を向上させる。電流遮断器は電流が所定値に達する場合に第1のコネクタの電池の電気エネルギーに対する出力を遮断することによって、電気的な安全性を保証することができる。スイッチの設置により、必要に応じて電池と第1のコネクタとの間の電気的接続をオフ又はオンにし、電池の過充電、過放電を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例を示すことに過ぎず、範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【
図1】従来技術における第1のコネクタと電気ボックスとの接続関係の概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電力消費機器の概略図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池の概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による第1のコネクタが第2の開口を通過する概略図である。
【
図6】本出願の一実施例による第1のコネクタの第1の視角の概略図である。
【
図7】本出願の一実施例による電気ボックスの概略図である。
【
図8】本出願の一実施例による電気ボックスの分解図である。
【
図9】本出願の一実施例による第1のコネクタの第2の視角の概略図である。
【
図10】本出願の一実施例による電気ボックスの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。一般的には、ここでの図面において記述と図示される本出願の実施例のアセンブリは様々な異なる構成で配置と設計されることができる。
【0030】
従って、以下、図面による本出願の実施例の詳細な記述は、本出願の特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本出願の選択された実施例を示すことを意図するものである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0031】
説明すべきこととして、衝突しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0032】
注意すべきこととして、似ている参照番号及びアルファベットは以下の図面において類似している項目を示すため、一旦ある項目が1つの図面に定義されると、これに続く図面においてそれに対してそれ以上の定義および説明は必要ない。
【0033】
本出願の実施例の記述において、説明すべきこととして、示される方位若しくは位置関係は図面に示す方位若しくは位置関係、又は該出願製品が使用される際に慣習的に置かれている方位若しくは位置関係、又は当業者が慣習的に理解する方位若しくは位置関係、又は該出願製品が使用される際に慣習的に置かれている方位若しくは位置関係に基づくものであり、ただ本出願を容易に記述し、かつその記述を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造と操作されなければならないことを指示又は示唆するものではないため、本出願を制限するものとして理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に区別して記述するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解されるべきではない。
【0034】
関連技術において、
図1に示すように、電気ボックス15’は電池の筐体内に固定されるが、長い導電構造40により電池の電気エネルギーを出力する第1のコネクタ153’に接続する必要があり、これによって、第1のコネクタ153’と電気ボックス15’との間の接続は空間に対する需要が大きいと共に、電池の筐体のサイズも増大し、コストが高く、かつ占有空間が大きい。
【0035】
本出願の実施例は、電池10を電源として使用する電力消費機器1を提供する。該電力消費機器1は、車両、船舶又は航空機などであってもよいが、それらに限らない。
【0036】
本出願の一実施例において、電力消費機器1は車両である。
図2に示すように、本出願の一実施例による車両の構造概略図が示されている。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両の内部には、モータ20と、コントローラ30と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ30は、電池10がモータ20に給電するように制御するためのものである。例えば、車両の底部又は前部又は後部に電池10を設置してもよい。電池10は、車両への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両の操作電源とすることができ、車両の電気回路システムに用いられ、例えば、車両の始動、ナビゲーション及び走行時の操作電気エネルギー需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両の操作電源として用いることができるだけでなく、車両の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両に駆動動力を提供することもできる。
【0037】
図3に示すように、電池10は筐体11、電池セル13及び電気ボックス15を含む。電気ボックス15は、筐体11の内部に固定される。電池セル13は、筐体11の内部に設置する。
【0038】
いくつかの実施例において、電池セル13は複数であり、前記複数の電池セル13は、2つ及び2つ以上の電池セル13を指し、各電池セル13の間は直列接続及び/又は並列接続され、前記複数の電池セル13は直列接続及び/又は並列接続されて1つの給電モジュールを構成し、該給電モジュールは第1の出力電極及び第2の出力電極を有し、第1の出力電極及び第2の出力電極の極性は逆である。
【0039】
いくつかの実施例において、電池セル13は1つであってもよく、この時に給電モジュールは1つの電池セル13で構成され、第1の出力電極と第2の出力電極はそれぞれ該電池セル13の極性が逆である2つの電極である。
【0040】
電池セル13は第1のコネクタ153により電力消費機器本体(例えばモータ20)に電気的に接続されることによって、電池10の電気エネルギーを第1のコネクタ153により電力消費機器1に伝達する。
【0041】
図4、
図5、
図6に示すように、筐体11に第2の開口1111が設けられており、第2の開口1111は第1のコネクタ153を通過させることによって、第1のコネクタ153により電池セル13の電気エネルギーを筐体11の外部に出力するためのものである。
【0042】
いくつかの実施例において、筐体11は上カバー111及び下ケース112を含み、第2の開口1111は上カバー111に設けられており、第1のコネクタ153の第1の端子1531及び第2の端子1532が筐体11の内部から筐体11の外部まで延びることによって、第1の端子1531及び第2の端子1532は電力消費機器本体と連結することができ、それによって、第1のコネクタ153により電池セル13の電気エネルギーを電力消費機器本体に出力する。ここで、第1のコネクタ153は筐体11内から通過することによって、電池セル13の電気エネルギーを筐体11の外部の電力消費機器本体に伝達し、このように第1のコネクタ153は少なくとも一部が筐体11内に収容され、筐体11内の空間をできるだけ最大限に利用し、第1のコネクタ153の外部空間への占有を減少させることができ、電力消費機器本体と電池10との間の構造をよりコンパクトにする。
【0043】
いくつかの実施例において、第1の端子1531及び第2の端子1532は筐体11の内部から通過して筐体11の外部まで延びることができ、第1の端子1531及び第2の端子1532が第2の開口1111から筐体11を通過した後、基体1533の第2の表面1535は筐体11の内側から第2の開口1111を覆い、第2の開口1111に対して一定のシール役割を果たすことができ、外部の異物が筐体11内に入ることにより電池10の安全性能に影響を与えることを回避する。また、第1のコネクタ153が電力消費機器本体に電気的に接続されると、筐体11の内側に接触する基体1533の表面は、第1のコネクタ153が第2の開口1111から筐体11を出ることを阻止することができ、電力消費機器1の振動等により第1のコネクタ153を引っ張ることによって、第1のコネクタ153と電池セル13との間の電気的接続が破壊されることを回避する。
【0044】
筐体11と基体1533との間のシール性能をさらに向上させるために、電池10はシール部材1537をさらに含み、シール部材1537は基体1533と筐体11の内面との間に設置されており、第2の開口1111を取り囲み、第1のコネクタ153と筐体11との間のシール接続を実現するためのものである。
【0045】
いくつかの実施例において、基体1533の第2の表面1535にシール溝1536が設けられており、シール溝1536は第2の開口1111を取り囲んで設置され、シール溝1536の輪郭は基体1533の輪郭に一致し、シール部材1537はシール溝1536内に設けられている。第1のコネクタ153が第2の開口1111を通過する時、シール部材1537は上カバー111の下表面に下から上へ当接して、第1のコネクタ153と筐体11との間のシールを実現する。シール部材1537は筐体11内に設けられており、外部の摩耗、腐食等の原因によるシール故障を回避することができる。また、シール部材1537は筐体11内に設置されており、シール部材1537が筐体11の外部空間を占有することを回避し、シール部材1537は第2の開口1111を取り囲んで設置されるため、そのシール性能がより高い。
【0046】
いくつかの実施例において、シール溝1536は上カバー111の内面に設けられ、シール部材1537は上カバー111のシール溝1536内に設けられ、第1のコネクタ153が第2の開口1111を通過する時、第1のコネクタ153は下から上へシール部材1537に当接して、第1のコネクタ153と筐体11との間のシールを実現するようにしてもよい。シール部材1537の材料は、ニトリルゴム、シリカゲル、ナイロンなどを選択することができる。
【0047】
いくつかの実施例において、第1のコネクタ153と筐体11は他の方式でシール接続を実現してもよい。
【0048】
第1のコネクタ153と筐体11との間に安定して確実な接続関係を有することを保証するために、いくつかの実施例において、電池10は固定部材17をさらに含み、固定部材17は筐体11に設けられている第1の貫通孔1112を通過して第1のコネクタ153に接続されるように構成され、それによって、第1のコネクタ153を筐体11に固定する。固定部材17は、ボルト、ネジ等であってもよい。固定部材17により第1のコネクタ153を筐体11に固定することによって、第1のコネクタ153が筐体11に対して移動せず、それによって第1のコネクタ153と電池セル13、第1のコネクタ153と電力消費機器本体との間に安定した接続関係を保持することができ、それによって、第1のコネクタ153と筐体11との間の接続が強い耐衝撃、耐振動能力を有する。
【0049】
図7及び
図8に示すように、本出願の実施例は電気ボックス15を提供し、該電気ボックス15はボックス本体151、電流遮断器152、第1のコネクタ153及びスイッチ154を含む。電流遮断器152は、ボックス本体151内に設置されており、電流が所定値に達する場合に遮断するように構成される。第1のコネクタ153は、電池セル13の電気エネルギーを出力するためのものである。スイッチ154はボックス本体151内に設置されており、電池セル13と第1のコネクタ153との間のオンオフを制御するためのものである。ここで、第1のコネクタ153はボックス本体151に固定され、第1のコネクタ153は電池セル13の電気エネルギーを出力するための第1の端子1531及び第2の端子1532を含み、第1の端子1531は電流遮断器152に電気的に接続され、第2の端子1532はスイッチ154に電気的に接続される。電池セル13の電気エネルギーを出力できる第1のコネクタ153を電気ボックス15のボックス本体151に統合することによって、電気ボックス15と第1のコネクタ153との間に長い導電構造40を設置する必要がなく、コストを低減し、空間の占有を減少させ、空間の利用率を向上させる。
【0050】
いくつかの実施例において、電流遮断器152は電流が所定値に達する場合に第1のコネクタ153の電池セル13の電気エネルギーに対する出力を遮断することによって、電気的な安全性を保証することができる。
【0051】
スイッチ154の設置により、必要に応じて電池セル13と第1のコネクタ153との間の電気的接続をオフ又はオンにし、電池セル13の過充電、過放電を回避することができる。いくつかの実施例において、スイッチ154はリレーである。
【0052】
図9及び
図10に示すように、いくつかの実施例において、第1のコネクタ153は第1の端子1531、第2の端子1532及び基体1533を含み、第1の端子1531及び第2の端子1532は基体1533に固定され、ボックス本体151に第1の開口1511が設けられており、第1のコネクタ153は、スイッチ154及び電流遮断器152に電気的に接続されるために、第1の開口1511に入り込むように構成される。
【0053】
基体1533は対向する第1の表面1534及び第2の表面1535を有し、ここで、第1の表面1534及び第2の表面1535は基体1533に対向して配置された2つの表面である。
【0054】
ボックス本体151は上ボックス本体1512及び下ボックス本体1513を含み、上ボックス本体1512は、下ボックス本体1513に接続されてボックス本体151を形成する。第1の開口1511は上ボックス本体1512に設置されており、第1の端子1531及び第2の端子1532が上ボックス本体1512の外側から第1の開口1511に入り込むことによって、第1のコネクタ153は少なくとも一部がボックス本体151内に収容され、ボックス本体151内の空間を合理的に利用し、電気ボックス15の構造をよりコンパクトにすると共に、第1のコネクタ153のボックス本体151の外部空間への占有を減少させる。
【0055】
第1の端子1531及び第2の端子1532が第1の開口1511に延びた後、基体1533の第1の表面1534は、ボックス本体151の外側から第1の開口1511を覆い、かつ上ボックス本体1512の上表面に当接し、第1の開口1511に対して一定のシール役割を果たすことができ、外部の異物がボックス本体151内に入ることにより電気ボックス15の安全性能に影響を与え、かつボックス本体151内の部品を損傷することを回避する。また、第1のコネクタ153が電力消費機器本体の第2のコネクタと連結される時、第2のコネクタは第1のコネクタ153に対して反力を有し、基体1533の第1の表面1534がボックス本体151の上ボックス本体1512に当接するため、上ボックス本体1512は、第1のコネクタ153に支持着力点を提供することができ、それによって、第1のコネクタ153は第2のコネクタとの連結を完了することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、電気ボックス15は第1の導電部材155及び第2の導電部材156をさらに含み、第1の導電部材155は、一端が第1の端子1531に接続され、他端が電流遮断器152に接続され、第2の導電部材156は、一端が第2の端子1532に接続され、他端はスイッチ154に接続される。第1の導電部材155及び第2の導電部材156はいずれもボックス本体151に固定され、第1のコネクタ153は第1の導電部材155及び第2の導電部材156によりボックス本体151に固定される。
【0057】
電気ボックス15は電流センサ157をさらに含み、電流センサ157はボックス本体151内に設置されており、かつ電流センサ157は第1のコネクタ153と電池セル13との間の回路に設置されている。電流センサ157の設置により、電池セル13及び第1のコネクタ153が位置する分岐回路の電流情報を収集しやすい。
【0058】
いくつかの実施例において、
図10に示すように、電気ボックス15は加熱リレー158をさらに含み、加熱リレー158は加熱分岐回路に設けられており、加熱分岐回路に加熱素子159が設けられており、加熱素子159はそれぞれ前記複数の電池セル13の第1の出力電極と第2の出力電極に接続され、加熱リレー158は、加熱素子159と電池セル13との間のオンオフを制御するためのものである。加熱分岐回路は、スイッチ154及び電流遮断器152が位置する分岐回路に並列接続され、加熱分岐回路は、加熱素子159が他の部品を加熱するように制御するためのものであり、例えば、外部環境温度が低くて電池10の正常な動作に影響を与える場合、加熱分岐回路は、加熱素子159が電池10の内部を加熱するように制御することによって、電池10の内部の温度を電池10の正常な動作を満たすことができる範囲内に保持する。当然のことながら、加熱分岐回路は、他の用途として用いることができる。
【0059】
電流センサ157は、第1のコネクタ153及びスイッチ154が位置する分岐回路の任意の位置に取り付けられてもよい。いくつかの実施例において、給電モジュール14の第1の出力電極は正極であり、給電モジュール14の第2の出力電極は負極であり、第1のコネクタ153の第1の端子1531は正極接続端子であり、第1のコネクタ153の第2の端子1532は負極接続端子であり、第1の端子1531と電流遮断器152との間は第1の導電部材155により接続され、第2の端子1532とスイッチ154との間は第2の導電部材156により接続される。電流遮断器152と第1の出力電極は第3の導電部材160により接続される。スイッチ154と電流センサ157との間は第4の導電部材161により接続され、電流センサ157と第2の出力電極との間は第5の導電部材162により接続される。
【0060】
第1の導電部材155、第2の導電部材156、第3の導電部材160、第4の導電部材161及び第5の導電部材162はいずれも銅材である。
【0061】
いくつかの実施例において、電流センサ157は、第1の出力電極と電流遮断器152との間に取り付けられてもよいし、電流遮断器152と第1のコネクタ153との間に取り付けられてもよいし、第1のコネクタ153とスイッチ154との間に取り付けられてもよい。
【0062】
以上は本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0063】
1-電力消費機器;10-電池;11-筐体;111-上カバー;1111-第2の開口;1112-第1の貫通孔;112-下ケース;13-電池セル;14-給電モジュール;15’、15-電気ボックス;151-ボックス本体;1511-第1の開口;1512-上ボックス本体;1513-下ボックス本体;152-電流遮断器;153’、153-第1のコネクタ;1531-第1の端子;1532-第2の端子;1533-基体;1534-第1の表面;1535-第2の表面;1536-シール溝;1537-シール部材;154-スイッチ;155-第1の導電部材;156-第2の導電部材;157-電流センサ;158-加熱リレー;159-加熱素子;160-第3の導電部材;161-第4の導電部材;162-第5の導電部材;17-固定部材;20-モータ;30-コントローラ;40-導電構造
【国際調査報告】