(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】歯科用トレーニング装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20230725BHJP
A61C 19/00 20060101ALI20230725BHJP
G09B 19/24 20060101ALI20230725BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
A61C19/00 Z
G09B19/24 Z
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502893
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021041993
(87)【国際公開番号】W WO2022016061
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522398359
【氏名又は名称】パスキ・ウルトラソニックス・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】PASCHKE ULTRASONIX LLC
【住所又は居所原語表記】4580 Mark Court, Missoula, Montana 59803 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】パスキ・リチャード・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ドライヤー・マリアン
(72)【発明者】
【氏名】パスキ・ノエル・エス
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052LL07
(57)【要約】
トレーニングシステムは、制御モジュールに接続されたツールを含む。ツールは、先端と、センサ力測定データの決定を可能にするように構成された2つ以上の力感知変換器を有するグリップとを含む。制御モジュールは、センサ力測定データを受信する。制御モジュールは、ゼロ化された力データを記憶するように構成された記憶装置と、プロセッサ、及びプロセッサによって実行されると、プロセッサに、センサ力測定データ及びゼロ化された力データを取得し、センサ力測定データ及びゼロ化された力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力の大きさを判定し、負荷力が設定範囲内にあるか否かを判定し、負荷力が設定範囲内にある場合及び/又は負荷力が設定範囲外である場合に、対応する表示を提供させる命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定して、センサ力測定データの判定を可能とするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有するツールと、
前記ツールに接続され、前記センサ力測定データを受信するように構成された制御モジュールであって、ゼロ化された力データを記憶するように構成された記憶装置と、プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを含む制御モジュールとを備え、
前記センサ力測定データと前記ゼロ化された力データとを取得し、
前記センサ力測定データ及び前記ゼロ化された力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記負荷力が設定範囲内であるか否かを判定し、
前記負荷力が前記設定範囲内の場合、又は前記負荷力が前記設定範囲外の場合の少なくとも一方において、対応する表示を提供する、トレーニングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも2つの力感知変換器は、3つの力感知変換器A、B、及びCのアレイを含み、ここで、角度α1は、変換器A及びCの長手方向の中心線同士の間に規定され、角度α2は、変換器Aの前記長手方向の中心線と、前記ツールの前記先端部によって規定される平面との間に規定される、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
α1及びα2は、それぞれ120°である、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムにおいて、
α1は180°であり、α2は90°である、システム。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
マーキングが変換器A及びCの前記中心線上に配置されて、前記ツールに対する適切な把持配置を手助けする、システム。
【請求項6】
先行請求項のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記指示は、音声指示又は視覚指示の少なくとも一方である、システム。
【請求項7】
先行請求項のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記制御モジュールは、さらに、使用モードのユーザ選択を可能にするように構成された少なくとも1つの入力を含む、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記設定範囲は、選択された前記使用モードに基づいて判定される、システム。
【請求項9】
先行請求項のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記把持力に依存しない前記負荷力を判定することは、前記少なくとも2つの力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器の前記センサ力測定データから前記ゼロ化された力測定データを減算することを含む、システム。
【請求項10】
先行請求項のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記制御モジュールの前記プロセッサは、さらに、測定中に、前記ゼロ化された力測定データを取得するようにされる、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
さらに、前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールを備え、前記スケールは、前記ツールの前記先端部によって前記スケールに付与される力を測定することで、スケール力測定データの判定を可能なように構成され、前記スケール力測定データは、前記測定中に利用するための前記データ処理ユニットの前記記憶装置に記憶される、システム。
【請求項12】
先行請求項のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、以下のことを行わされ、
前記センサ力測定データに基づいて、前記ツールが適切に把持されているか、不適切に把持されているかを判定し、
前記ツールが適切に把持されていると判定された場合、又は前記ツールが不適切に把持されていると判定された場合の少なくとも一方の表示を提供する、システム。
【請求項13】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定して、センサ力測定データの判定を可能にするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有するツールと、
以下を含む制御モジュールとを備え、
前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールであって、前記ツールの前記先端部によって前記スケールに付与された力を測定して、スケール力測定データの判定を可能にするように構成されたスケールと、
使用モードのユーザ選択が可能なように構成された少なくとも1つの入力装置と、
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理装置とを含み、
前記スケール力測定データに基づいて、較正データを判定し、
前記較正データを記憶装置に記憶し、
モードデータとして、選択された前記使用モードを記憶し、
前記センサ力測定データを取得し、
前記較正データを取り出し、
前記センサ力測定データと前記較正データとに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記モードデータを取り出し、
取り出された前記モードデータに基づく判定基準を利用して、前記負荷力が許容されるか又は許容されないかを判定する、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも2つの力感知変換器は、3つの力感知変換器A、B、及びCのアレイを含み、ここで、角度α1は、変換器A及びCの長手方向の中心線同士の間に規定され、角度α2は、変換器Aの前記長手方向の中心線と、前記ツールの前記先端部によって規定される平面との間に規定される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、
α1及びα2は、それぞれ120°である、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムにおいて、
α1は180°であり、α2は90°である、システム。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
マーキングが変換器A及びCの前記中心線上に配置されて、前記ツールに対する適切な把持配置を手助けする、システム。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記負荷力が許容できると判定すること、又は前記負荷力が許容できないと判定することの少なくとも一方に応答して、音声表示又は視覚表示の少なくとも一方を提供するようにされる、システム。
【請求項19】
請求項13~18のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記判定基準は、許容範囲を含み、前記許容範囲は、前記モードデータに基づいて判定される、システム。
【請求項20】
請求項13~19のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記把持力に依存しない前記負荷力を判定することは、前記少なくとも2つの力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器の前記センサ力測定データから前記較正データを減算することを含む、システム。
【請求項21】
請求項13~20のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、以下のことを行わされ、
前記センサ力測定データに基づいて、前記ツールが適切に把持されているか、又は不適切に把持されているかを判定し、
前記ツールが適切に把持されていると判定された場合、又は前記ツールが不適切に把持されていると判定された場合の少なくとも一方の表示を提供する、システム。
【請求項22】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定し、前記測定された力に基づいて、第1の力データを出力するように構成された複数の力センサを有するツールと、
前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールであって、付与される力を測定し、前記測定された力に基づいて、第2の力データを出力するように構成されたスケールと、
使用モードのユーザ選択を可能とし、前記選択された使用モードに基づいて、モードデータを出力するように構成された少なくとも1つの入力装置と、
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを備え、
前記第1の力データ、前記第2の力データ、及び前記モードデータを受信し、
前記第1及び第2の力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記モードデータに基づく判定基準を利用して、前記負荷力が許容されるか、又は許容されないかを判定する、トレーニングシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のトレーニングシステムにおいて、
少なくとも前記データ処理ユニットは、シミュレーションシステムに組み込まれる、トレーニングシステム。
【請求項24】
請求項23又は24に記載のトレーニングシステムにおいて、
前記少なくとも1つの入力装置は、前記シミュレーションシステムに組み込まれる、トレーニングシステム。
【請求項25】
請求項22~24のいずれか1項に記載のトレーニングシステムにおいて、
前記ツール及び前記スケールは、前記シミュレーションシステムに接続可能である、トレーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2020年7月16日に出願された米国仮特許出願第63/052,539号の利益及び優先権を主張し、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、歯科用装置、システム、及び訓練及び較正の方法に関する。より具体的には、本開示は、制御モジュール、コンピュータ、及び/又は他の装置と通信するように構成された負荷装置を含む、例えば、器具先端の横方向及び先端方向の圧力に基づく、視覚的及び/又は聴覚的フィードバックを提供する歯科器具トレーニング装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前臨床器具使用技術のための学習環境は、対面でのライブ学習から遠隔でのバーチャル学習へと変化しつつある。しかしながら、教員や学生がこの移行を円滑に進めるための装置が、現在のところ不足している。例えば、過剰な圧力は、歯の構造、歯肉組織に損傷を与え、及び/又は手根管症候群を含む臨床医の手及び手首に損傷を引き起こす可能性がある。器具操作の習得が不十分であると、臨床医が「不器用」になり、患者に痛みを与えることになりかねない。
【0004】
教員は、主観的な尺度を使用して、学生が把持圧と歯に対する圧力を習得しているか否かを評価する。これらの2つの要素は、全ての臨床手順の本質である。現在、歯/組織に対する圧力、適応度又は角度との関係について、学生の把持を評価する客観的な測定方法が存在しない。さらに、習得や再教育のための経時的な変化を記録する客観的な方法も存在しない。例えば、「羽様」のような例えを用いて、圧力の大きさを言葉で表現する教員もいれば、圧力を示すのに学生に触る許可を得る教員もいる。これらの方法はいずれも欠点がある。
【0005】
さらに、歯科医師会認定基準(CODA)の基準3-6の一部である較正を実証する定量的な方法がないため、教員は、現在、圧力との関係及び客観的かつ測定可能な方法での把持に関する較正を行っていない。
【0006】
感覚フィードバックのための圧力変換器の使用は、Wangらによって、Gripping Sensory Feedback for a Myoelectrically Controlled Forearm Protheses, 0-7803-2559-1/95 (C) 1995 IEEEにおいて記載される。この論文では、変換器に付与される圧力を変化させることによって、電圧制御発振器(VCO)の周波数を変化させる方法について記載する。この用途では、把持力のおおよその大きさを区別することができた。
【0007】
米国特許出願公開第2019/0221136号は、指又はグリップの位置、強度又は張力を測定する技術を可能にする装置のグリップ部に圧力感知膜(変換器)を含めることを記載する。しかしながら、本出願は、変換器の測定値又は測定値の組み合わせを作成又は記録することを想定していない。また、本出願は、器具又はツールの先端に付与される力と、付与された力によって誘発される器具のグリップ又はハンドル上のセンサの出力応答との関係を考慮しない。むしろ、本出願は、装置のグリップ部に搭載されるセンサ又は一連のセンサに限定される。
【0008】
H. Dongらは、Journal of Dental Educationの2005年4月号、The Effects of Finger Rest Positions on Hand Muscle Load and Pinch Force in Simulated Dental Hygiene Workにおいて、指当部の重要性を記載する。この研究は、膜センサを歯科用器具に搭載し、センサの出力値を読み取ることに限定され、出力値は、ニュートン単位で表示された。この研究の特徴の1つは、挟む力と指当てとの関係である。三脚把持は研究参加者に教示されたが、器具上の視覚的なマーキングは記載も実施もされていない。
【発明の概要】
【0009】
「変換器」(複数)又は「変換器」(単数)なる用語は、複数の変換器の構成、単一の変換器の構成、及び複数の変換器の構成を有する単一の基板を包含するものとする。同様に、「センサ」及び「変換器」なる用語は、以下において互換的に利用されるが、変換器に加えて、又は変換器の代替として、任意の他の適切な力及び/又は圧力センサも想定されることが理解される。例えば、限定されないが、圧電変換器、静電容量センサ、歪みゲージ等は、本開示に従った使用が全て想定される。
【0010】
把持圧に基づく横方向又は先端方向の圧力は、次の用途のために検出し得る。
-診断(2~20g)
○歯に対するプローブの小さい横方向の圧力を伴う主に先端方向の圧力を使用
-探索ストローク(2~20g)
○主に横方向の圧力を使用した探針による歯根表面の探索ストローク
○主に横方向の圧力を使用したバイオフィルム破壊のための超音波器具の作動ストローク
-手持ち器具作動ストローク(90~150g)
○主に横方向の圧力を使用した作動ストロークによる手持ち器具ストローク
-超音波器具作動ストローク(12~30g)
○主に横方向の圧力を使用した軽い汚れ及び歯石除去のための超音波器具起動ストローク
【0011】
本開示によれば、歯科用装置のグリップ部に恒久的に実装され、又は取り外し可能に実装されたセンサのアレイの出力は、処理されて、装置の適切な把持、荷重(load)に付与される定量化可能な力、及び/又は以下に詳述するような他のフィードバックに関連する視覚的及び/又は聴覚的なフィードバックを提供する。したがって、本開示は、教員及び学生の両方のレベルで使用するための、トレーニング及び較正用の歯科用装置、システム、及び方法を提供し、先行技術の上述した制限を克服する。
【0012】
本開示の上記及び他の態様によれば、ツール及び制御モジュールを含むトレーニングシステムが提供される。ツールは、付与される力を測定して、センサ力測定データの判定を可能とするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有する先端部及びグリップ部を含む。制御モジュールは、ツールに接続され、センサ力測定データを受信するように構成される。制御モジュールは、ゼロ化された(zeroed)力データを記憶するように構成された記憶装置と、プロセッサ、及びプロセッサに次のことを行わせるために、プロセッサによって実行される命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを含む。センサ力測定データ及びゼロ化された力データを取得し、センサ力測定データ及びゼロ化された力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、負荷力が設定範囲内にあるか否かを判定し、負荷力が設定範囲内及び/又は設定範囲外である場合、対応する表示を提供する。
【0013】
本開示の一態様では、少なくとも2つの力感知変換器は、3つの力感知変換器A、B、及びCのアレイを含む。角度α1は、変換器A及びCの長手方向の中心線同士の間に規定され、角度α2は、変換器Aの長手方向の中心線とツールの先端部によって規定される平面との間に規定される。
【0014】
本開示の他の態様では、α1及びα2は、それぞれ120°である。代替的に、α1は180°であり、α2は90°である。
【0015】
本開示のさらなる他の態様では、マーキングが変換器A及びCの中心線上に配置されて、ツールに対する適切な把持配置を手助けする。
【0016】
本開示のさらなる他の態様では、表示は、音声表示又は視覚表示の少なくとも一方である。
【0017】
本開示のさらなる他の態様では、制御モジュールは、さらに、使用モードのユーザ選択を可能にするように構成された少なくとも1つの入力を含む。かかる態様では、設定範囲は、選択された使用モードに基づいて判定されてもよい。
【0018】
本開示のさらなる他の態様では、把持力に依存しない負荷力を判定することは、複数の力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器のセンサ力測定データからゼロ化された力測定データを減算することを含む。
【0019】
本開示のさらなる他の態様では、制御モジュールのプロセッサは、さらに、測定中にゼロ化された力測定データを取得するようにされる。かかる態様では、スケールは、ツールの先端部を受容するように構成されて、ツールの先端部でスケールに付与される力を測定することによってスケール力測定データの判定を可能にしてもよい。スケール力測定データは、測定中に利用するために、データ処理ユニットの記憶装置に記憶される。
【0020】
本開示のさらなる他の態様では、プロセッサは、さらに、センサ力測定データに基づいて、ツールが適切に把持されているか、又は不適切に把持されているかを判定し、ツールが適切に把持されていると判定された場合又はツールが不適切に把持されていると判定された場合の少なくとも1つを示す表示を提供するようにされる。
【0021】
本開示の態様に従って提供される他のトレーニングシステムは、ツールと制御モジュールとを含む。ツールは、加えられる力を測定して、センサ力測定データの判定を可能とするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有する先端部及びグリップ部を備えるツールを含む。制御モジュールは、ツールの先端部を受容し、ツールの先端部によってスケールに付与される力を測定して、スケール力測定データの判定を可能とするように構成されたスケールと、使用モードのユーザ選択を可能とするように構成された少なくとも1つの入力装置と、プロセッサ及びメモリを備えるデータ処理ユニットとを含む。メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、スケール力測定データに基づいて、較正データを判定し、較正データを記憶装置に記憶し、モードデータとして、選択された使用モードを記憶し、センサ力測定データを取得し、較正データを取り出し、センサ力測定データ及び較正データに基づいて、把握力に依存しない負荷力を判定し、モードデータを取り出し、取り出されたモードデータに基づく判定基準を利用して、負荷力が許容されるか又は許容されないかを判定することを行わせる指示を記憶する。
【0022】
力感知変換器は、上記で詳述したように又は任意の他の適切な方法で同様に構成されてもよい。また、上記で詳述したような又は任意の他の適切なマーキングも、提供されてもよい。
【0023】
本開示の一態様では、プロセッサは、さらに、負荷力が許容可能であると判定すること、又は負荷力が許容可能ではないと判定することの少なくとも一方に応答して、音声表示又は視覚表示の少なくとも一方を提供するようにされる。
【0024】
本開示の他の態様では、基準は、モードデータに基づいて判定される許容範囲を含む。例えば、診断及び探索モードの場合、範囲は2~20g力であってもよく、手持ち器具の場合、範囲は90~150g力であってもよく、及び/又は超音波用器具の場合、範囲は12~30g力であってもよい。
【0025】
本開示のさらなる他の態様では、把持力に依存しない負荷力を判定することは、少なくとも2つの力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器のセンサ力測定データから較正データを減算することを含む。
【0026】
本開示のさらなる他の態様では、プロセッサは、さらに、センサ力測定データに基づいて、ツールが適切に把持されているか又は不適切に把持されているかを判定し、ツールが適切に把持されていると判定された場合又はツールが不適切に把持されていると決定された場合の少なくとも1つを示す表示を提供するようにされる。
【0027】
本開示の態様に従って提供されるさらなる他のトレーニングシステムは、ツールと、スケールと、少なくとも1つの入力装置と、データ処理ユニットとを含む。ツールは、付与される力を測定し、測定された力に基づいて、第1の力データを出力するように構成された複数の力センサを有する先端部とグリップ部とを含む。スケールは、ツールの先端部を受容するように構成され、付与される力を測定して、測定された力に基づいて、第2の力データを出力するように構成される。少なくとも1つの入力装置は、使用モードのユーザ選択を可能とし、選択された使用モードに基づいて、モードデータを出力するように構成される。データ処理ユニットは、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、第1の力データ、第2の力データ、及びモードデータを受信し、第1及び第2の力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、モードデータに基づく判定基準を利用して、負荷力が許容可能か否かを判定させる命令を記憶するメモリとを含む。
【0028】
種々の態様では、トレーニングシステムは、本明細書において上記又はその他に詳述された他のトレーニングシステムの態様及び/又は特徴のいずれかを含むこと、及びその逆もあり得る。
【0029】
種々の態様では、スケール、少なくとも1つの入力装置、及び/又はデータ処理ユニットは、別個の部品であってもよく、2つ以上がシミュレーションシステム又はその他の適切なトレーニングシステム等に組み込まれてもよい。これらは、システムの単一の部品に統合されてもよく、システムの別個の部品であってもよく、システムに接続可能(そこから取り外せるように)であってもよい。種々の態様では、例えば、ツール及び/又はスケールは、シミュレーション又は他の適切なトレーニングステムに接続可能である。一例として、また限定するものではないが、本開示のツール、スケール、入力装置、データ処理ユニット、制御モジュール、その部分等の任意の組み合わせは、それと共に使用するために、シミュレーションシステムに統合されてもよく、それに接続可能であってもよい。この目的のために好適なシミュレーションシステムは、「Dental Simulation Machine」と題する特許出願公開番号US2019/0096285に記載されており、2017年3月9日に出願番号16/083,103として出願され、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0030】
本開示の1つ以上の部品が、そのようなシミュレーション又は他の適切なシステムに統合されるか又はそれに接続可能である場合、システムの1つ以上のプロセッサ、メモリ、記憶装置、入力/出力装置等が、本開示のデータ処理ユニットのタスクの一部又は全てを実行してもよいことが理解されよう。同様に、実行可能な場合、機械的部品及び特徴も共有されてもよい。すなわち、特定の目的に応じて、部分的に統合されたシステム、完全に統合されたシステム、又はモジュール式/接続可能なシステムが提供されてもよい。実際、本開示の部品は、任意の適切な方法で、互いに及び/又はシミュレーション又は他の適切なシステムの間に分散されて、相互間の通信及びそれとの使用を可能としてもよい。したがって、本開示の様々の部品は、一緒に又は別個に部品の特定の物理的配置に限定されず、任意の適切な方法で採用され得る。
【0031】
さらに、一貫して、本明細書に記載された態様のいずれかは、本明細書に記載された他の態様のいずれか又は全てと組み合わせて使用されてもよく、人工知能(AI)を用いたシステム、例えば、上記シミュレーションシステムを含む、他の装置及びシステムに機能を損なうことなく統合されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本開示に係るツールを把持するための配置マーカを含む、ツールのグリップ部に配置された圧力変換器(例えば、圧力センサ)を有する歯科用ツールを示す。
【0033】
【
図1B】センサの相対的な位置を示す
図1Aのツールの正面図である。
【0034】
【
図1C】シースの下に配置されたセンサを有する歯科用超音波ハンドピース及びツールを示す。
【0035】
【
図1D】本開示に係るセンサの相対的な位置を示す、
図1Cの歯科用超音波ハンドピース及びツールの正面図である。
【0036】
【
図2A】センサを有する歯科用ツールを取り付けた制御モジュールの斜視図である。
【0037】
【
図2B】モード選択及び測定のステータス情報を提供するための視覚インジケータを含む制御モジュール制御の詳細を示す、
図2Aの制御モジュールの正面図である。
【0038】
【
図3】本開示に係る測定システム用の起動ルーチンのフロー図表現である。
【0039】
【
図4】本開示に係る把持力、先端力、及び超音波線角力に対するベースライン測定及び記憶のための例示的なプログラミング手順を示すフロー図である。
【0040】
【
図5】本開示に係る診断モードのための制御された力の範囲における器具の適切な把持及び測定を示すルーチンのためのフロー図である。
【0041】
【
図6】本開示に係る測定中の把持圧の偏りに対処するための補正処理を施した付与された負荷力を表示するためのルーチンのフロー図である。
【0042】
【
図7】本開示に係る12ピンコネクタ用に構成された複数のセンサアレイを示す図である。
【0043】
【
図8A】本開示に係るセンサに付与される圧力に対する線形出力を生成するための増幅器の使用を示す概略図である。
【0044】
【
図8B】第1及び第2のセンサのための時間の関数としての圧力センサ読み取り値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示の態様及び特徴は、添付図面を参照して以下に説明される。以下の説明では、よく知られた機能又は構造は、要約して説明されるか又は完全に省略されて、不要に詳細で本開示を不明瞭にすることを避ける。さらに、本開示の態様及び特徴は、例として、ハンドスケーラー、探針、及び超音波器具を含む手持ち歯科用器具に関して、本明細書に記載されるが、本開示の態様及び特徴は、また、ツール、器具、アセンブリ等と呼ばれるか否かにかかわらず、他の手持ちツールにも同様に適用されることが理解される。
【0046】
図1は、先端部2及びグリップ部を有するツール1を含む本開示に係る例示的な歯科用手持ち器具を示す。ここで、この例では、グリップ部は、3つの離散的な変換器4、5、及び6を含む。1つ以上のマーカ3は、センサ4及び6の中心線上に(長手方向に沿った中心に)配置されて、使用中にユーザの指(親指を含む)、例えば人差し指の配置を助ける。曲面上のセンサ4、5、6の配置は、ツール1のいかなる把持にも依存しない信号出力を生成するであろう。この出力は、以下に詳述するように、システム予備テスト(
図3参照)中に補正されるであろう。親指及び人差し指の配置を用いた最初の把持は、センサ4及び6に有限の力の読み取りを生じさせ、センサ5にはゼロの読み取りを生じさせるであろう。荷重構造、例えば歯の先端方向又は横方向の表面に付与されるいかなる力又は圧力は、変換器の表面で検出され、
図2A及び2Bを参照して以下に詳述されるように、制御モジュールに伝達される。
【0047】
図1Bは、ツール1の正面図を示す。ここで、角度α1は、変換器4及び6の間の間隔を示す。角度α2は、先端2の平面に対するセンサ4の相対的な位置を示す。非限定的な例では、変換器4、5、及び6の相対的な幅は同一である。変換器のサイズ及び位置は、例えば歯根のような表面に対して負荷がかかったとき、ツール1によって付与される先端方向及び横方向の力を再現可能に判定することを可能にする。これらの相対的な力は、別個のセンサ4、5、6によって測定され、
図5及び6を参照して以下に詳述するような適切なアルゴリズムを使用して処理される。
【0048】
図1Cを参照すると、先端9を含む超音波挿入アセンブリ7上の、3つのセンサ10、11、12のアレイを覆うシース8が示される。力集中装置(図示せず)がセンサ10、11、12上に配置されて、シース8の材料の弾力特性を補償し、使用中にセンサ10、11、12に付与される力に対する応答を改善し得ることが予想される。曲面へのセンサ10、11、12の配置及びシース8の追加の圧力の両方が、
図3を参照して以下に詳述するように、システム予備テスト30中に補償される出力を生じさせることになる。マーカ(図示せず)上への人差し指及び親指の配置を用いた同様の把持指示が適用される。荷重構造、例えば歯の先端方向又は横方向の表面に付与されるいかなる力又は圧力も、センサ10、11、12の表面で検出され、制御モジュールに伝達される(
図2A及び2B参照)。
【0049】
図1Dは、センサの円周方向の配置を示す、挿入アセンブリ7の正面図を示す。ここで、センサ10、11、及び12の間隔は、それぞれ角度α3、α3によって規定され、先端9の平面に対するセンサ10の相対的な位置は、角度α4によって規定される。変換器の表面積は、グリップが保持される領域によって、部分的に判定される。センサ10、11、12の間隔は、手持ち器具上の間隔、例えば、センサ角度α1及びα2とは異なることが予想される(
図1A参照)。これは、器具先端が歯の線角に沿って移動される際に、超音波器具を回転させるという要件に、部分的に起因する。
【0050】
図2Aを参照すると、超音波器具7は、制御ボックス又はモジュール17と通信するように構成されることが示される。制御錘13は、スケール15の較正をチェックする手段として含まれる(
図2B)。制御モジュール17は、データを処理する1つ以上のプロセッサ、プロセッサと通信する1つ以上のデータを記憶するメモリ、及びプロセッサ及び/又はメモリを他のモジュール、ユニット、及び/又は装置にインタフェースで接続する入力/出力ユニット(I/O)を含むデータ処理ユニットを含むか、及び/又は接続される。プロセッサは、例えば、中央処理ユニット(CPU)又はマイクロ制御ユニット(MCU)を含むことができる。メモリは、プロセッサ実行可能コードを含み、及び記憶することができる。これは、プロセッサによって実行されると、データ処理ユニットが、例えば、情報、命令、及び/又はデータを受信すること、情報及びデータを処理すること、並びに情報/データの他の装置に送信又は提供することのような種々の動作を行うように構成される。データ処理ユニットの種々の機能をサポートするために、メモリは、命令、ソフトウェア、値、画像、及びプロセッサによって処理又は参照される他のデータのような情報及びデータを記憶することができる。例えば、種々の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)装置、リードオンリーメモリ(ROM)装置、フラッシュメモリ装置、及び他の適切な記憶媒体を使用して、メモリの記憶機能を実装することができる。データ処理ユニットのI/Oは、典型的なデータ通信標準と互換性のある種々のタイプの有線又は無線インタフェースを介して、例えば、無線送受信機(Tx/Rx)を介して、データ処理ユニットを他の部品とインタフェースで接続することができる。無線送受信機(Tx/Rx)は、限定されないが、例えば、Bluetooth、Bluetooth low energy、Zigbee、IEEE 802.11、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)、WiMAX、IEEE 802.16(Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX))、3G/4G/LTEセルラー通信方式、NFC(Near Field Communication)及びパラレルインタフェース等を含む。また、データ処理ユニットのI/Oは、他の外部インタフェース、データ記憶源、及び/又は視覚もしくは音声表示装置等とインタフェースで接続して、プロセッサによって処理され、メモリに記憶され、及び/又は出力装置、例えば種々のタイプのスクリーン装置、スピーカ、又は印刷インタフェースに提示させるデータ及び情報を取り出して転送することができる。これらは、限定されないが、発光ダイオード(LED)、又は液晶ディスプレイ(LCD)モニター又はスクリーン、視覚ディスプレイとしての陰極線管(CRT)、オーディオディスプレイとしてのオーディオ信号変換器装置、及び/又はトナー、液体インクジェット、固体インク、昇華型、インクレス(例えば、熱又はUV)印刷装置等を含む。
【0051】
また、1つ以上の記憶装置は、例えば感知及び/又は判定されたデータを記憶するために、制御ボックス又はモジュール17内に含まれるか、又はそれに通信可能に接続されてもよい。かかる記憶装置は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等を含んでもよく、ルックアップテーブル、データフィールドの形態で、又は任意の他の適切な方法でそのようなデータを記憶してもよい。
【0052】
図2Bを参照すると、変換器通信に対する視覚応答用の部品19、20、26を含む制御ボックス又はモジュール17の一例が示される。部品19、20、26は、表示画面(例えば、LCDディスプレイ、コモンセグメントディスプレイ)又は他の適切なインジケータ(例えば、同色又は異なる色の1つ以上のLED)であってもよい。図示しない音声アラームが、音声警告/フィードバックを提供するために、モジュール17内に含まれる。電源投入は、制御18を押圧及び開放する(又は他の方法で操作する)ことによって提供される。電力がモジュール17に付与されると、制御18は、風袋機能も提供する。ここで、システムに電力が付与され、制御18が押圧及び解放される(又は他の方法で操作される)と、スケールの読みがゼロに設定される。システムは、制御18を3秒超の期間、押圧し続けることによってオフにすることができる。トレーニング期間中に器具の先端を受容するように構成されたグラムスケール15は、器具先端によって付与されるグラム力を示すために提供され、読み出し19を含む。領域27は、測定及びプログラミング中、ユーザに安定した支点を提供する(例えば、
図4参照)。較正制御16は、例えば変換器4、5、及び6(
図1A)上の初期把持力をゼロにするように機能する。ここで、制御16が押圧及び解放される(又は他の操作)と(
図3も参照)、較正ライト14が3回点滅した後、安定したオン点灯状態に戻る。他の視覚表示も想定される。較正制御16は、それが3秒超の間、押圧し続けられるときはいつでも(
図4参照)、プログラミング機能も提供し、較正ライト14は、3回点滅した後、安定した点灯状態に戻る(
図4参照)。
【0053】
図2Bをさらに参照すると、モード選択制御21、22、23、24、及び25は、例えば、決定論理(
図5及び6を参照)において使用される2進出力を提供する。制御21、22、23、24、又は25によってそれぞれモード、例えば診断、探査、手持ち器具、超音波器具、又はインプラントが選択されるたびに、制御に隣接するライト42が点灯する。インプラントモードを除いて、モード選択は、相互に排他的であり、一度に1つだけをアクティブにすることができる。モードの追加の機能は、力インジケータ26用の範囲を設定することである。これらの範囲は、モードによって予め規定されるが、インプラントモード25が選択されると、全てのモードの範囲が、インプラントの器具操作に推奨される予め設定されたレベルに従って修正される。PC又はプリンタとの通信用の複数のUSBポート(図示せず)も提供されるが、コンピュータ及び/又は周辺装置との通信を可能にする有線又は無線ポートを含む他の適切なポートも想定される。ユーザインタフェースは、一連のLED、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、又は他の適切なユーザインタフェースを含んでもよい。機能、アルゴリズム、及びユーザインタフェースの一部又は全部は、他のシステムに統合され得ることが予想される。ここで、全ての制御及び機能は、そのシステムによって制御され、又は制御及び機能は、ネットワークの一部として個別のシステム間で(及び/又はクラウドにおいて)統合される。
【0054】
図3は、開始28で始まるシステム起動用の簡略化された例を示すフロー図を表す。
図2Bをさらに参照すると、ステップ29において、電源ボタン18が押圧されると、システムは、ステップ30において、モジュールライト14、20、26及びモード起動ライト42の機能及び動作がテストされる予備テストを繰り返す。ステップ31において、LCDディスプレイ20の状況に関する判断が提示される。ステップ31における状況が000.0g(真)である場合、ユーザは、ステップ35において示されるように、提供された配置マーク、例えばマーカ3(
図1A)において器具を把持し得る。状況が偽の場合、ユーザは、ステップ32において示されるように、電源/風袋ボタン18を押圧してもよい。この場合、LCDディスプレイ19は、リセットされて、000.0gを示し、プロセスは、ステップ35に続く。ここで、ユーザは、提供された配置マーク上で器具を把持し得る。LCDが000.0gへのリセットに失敗した場合、方法はステップ34に移る。ここで、エラーが返され、ユーザは、トラブルシューティングガイドを参照するよう指示される。
【0055】
ステップ35において、ユーザが器具を把持すると、方法はステップ36に進む。ここで、ユーザは、使用中、例えば処置中に器具が把持されるように、器具を軽く把持するように指示される。この時点で較正ボタン14を押した後、方法はステップ37に続く。ここで、システムは、全てのセンサ、例えばセンサ4、5、及び6(
図1A)の値をそれに関連する記憶装置に記憶する。このデータは、ステップ38において示されるように、ゼロ把持力データとして記憶されてもよい。ステップ37及び38における較正及び記憶は、モジュールライト14によって確認及び示される。ここで、ライトは3回点滅し、ステップ39及び41において示されるように、システムが使用可能であることを示す安定した点灯状態(真)に戻る。較正及び/又は記憶が失敗した場合、ステップ41において使用準備完了を示すのではなく、方法はステップ40に進む。ここで、エラーが返され、ユーザは、トラブルシューティングガイドを参照するように指示される。
【0056】
図4は、本開示に係る方法を示す。ここで、器具に埋め込まれ、実装され、又は取り外し可能に実装されたセンサの出力は、較正済みの装置、例えばグラムスケールに対して、力を付与する制御プロセス、及び負荷下のデータのシークンスの記憶によって生成される。ここで、データは、例えば測定中にユーザによって器具に付与される把持力に依存せず、器具の先端に又は先端によって付与される較正済み負荷力を示すセンサ出力を提供するように処理され得る。提示された例は、スケーラ、探針、プローブ、及び超音波器具を含む手持ち歯科用器具を示すが、このプロセスは、センサが取り付けられた任意の器具に等しく適用されることが理解される。また、追加又は代替のセンサ構成も想定される。
【0057】
図4を引き続き参照し、さらに
図2Bを参照すると、種々のモード21、22、23、24、25をプログラミングするための非限定的な例が示される。ここで、不要な複雑化を避けるために、3つのプログラミングシーケンス:全てのユーザモードに共通である把持力、先端方向の負荷力モード21、及び超音波線角力モード23が記載される。この方法は、使用準備完了又は開始ステップ41で始まる。ステップ43においてシステムの電源が入った後、ステップ44においてシステムの予備テストが開始される。ここで、ステップ45においてゼロLCDディスプレイ19を確認するテストが実行される。真の状態であれば、方法は、ステップ46においてプログラミング機能の起動に進む。これは、較正ボタン16を3秒間押圧し続けることによって開始され、較正ボタン16は、3回点滅する。ステップ45においてテストの結果が偽である場合、ユーザは、上記で詳述したのと同様に、LCDディスプレイ19をゼロ化するステップ66及び67に進むように指示され、ゼロ化が完了しない場合、同じく上記で詳述したステップ68においてトラブルシューティングガイドを参照するように指示される。
【0058】
ステップ46においてゼロ化されたLCDディスプレイが確認され、起動が行われると、この方法は、ステップ47においてプログラミングモードに移行する。ここで、ステップ48においてその移行の有効性がテストされる。黄色いランプの点灯は、真の結果を意味し、ステップ49に進む。ここで、音声警告は、プログラミングモードへの移行が成功したことを意味する。ステップ48におけるテストの結果が偽の場合、ユーザは、ステップ69、70、及び43においてそれぞれ示されるように、システムの電源を切り、電源を落とし、再起動/再始動するように指示される。
【0059】
図4を引き続き参照すると、システムがプログラミングモードに移行すると、モードランプは点灯せず、システムがステップ50において器具把持機能のプログラミングを開始することを示す。ユーザは、ステップ51において、好ましい把持位置を示す位置マーク(
図1Aのマーカ3参照)上に人差し指と親指とを置くように指示される。把持力は、
図3に記載されたプロセス中にゼロ化され、記憶されていることが理解される。把持力プログラミングは、ステップ52の指示で開始する。ここで、ステップ53において、後の検索及び処理のために把持データが記憶される。
【0060】
診断モード(他のモードも想定されるが)において主となる先端方向の負荷力選択のためのプログラミングは、モード選択ボタン21に隣接するライト42の照明によって示される。全てのモードプログラミング工程は、モード選択と、器具、例えばツール1(
図1A)を軽く把持するという共通のステップを有している。したがって、ステップ54において開始された先端方向の負荷プログラミングの場合、ステップ55においてモードが選択され、ステップ56において把持が指示される。次に、ステップ57において、この方法は、ステップ58において示されるように、センサデータが後の検索及び処理のために記憶されたことを示す音声警告が鳴るまで、ユーザがスケール15に上昇した先端方向の力をゆっくりと付与することで進行する。
【0061】
図4を更に参照すると、ステップ59、60、61、62、及び63は、超音波線角負荷力選択のためのプログラミングを記載し、先端方向の負荷力プログラミングに関して上記で詳述したステップ54、55、56、57、及び58と同様である。超音波線角負荷力プログラミング及び/又は先端方向の負荷力プログラミングの終了時に、この方法は、ステップ64に進む。ここで、較正ボタンが押圧された後、ステップ65に進み、システムがプログラムされたことを示す表示が提供される。
【0062】
図5を参照して、把持位置がセンサA、B、及びC、例えばセンサ4、5、及び6(
図1A)上の相対的な力との組み合わせで、人差し指の位置に基づいて、評価される方法について記載する。センサ4、5、及び6(
図1A)は、より具体的には、それぞれセンサA、B、及びCに対応し、以下、交換可能に利用されるが、センサA、B、及びCは、他の構成において異なるセンサであってもよいことが理解される。
【0063】
使用準備完了又は開始ステップ41の後、ステップ71、72、73においてセンサからの力測定値が読み込まれる。初期の把持力は、ステップ74、75、76において、
図3に記載された工程によって効果的に除去される。把持の進行は、ステップ82で判定される。ここで、センサ5(
図1A)に付与される相対的な力が、最大力、例えば20gと比較される。ステップ82において、力が最大値より大きい場合、ステップ83において視覚及び/又は聴覚表示が行われ、不適切な把持を示す。そうでなければ、ステップ86において適切な把持が示される。
【0064】
引き続き
図5を参照すると、
図2Bと関連して、ステップ82からの把持表示が許容可能である場合、工程は、診断モードの選択を示すステップ77において、種々の論理状態を調査する。より具体的には、ステップ77において、どのモードが真(1)であり、よって、どのモードが偽(0)であるかが判定される。ここで、「D」は診断モード、「E」は探索モード、「H」は手持ち器具モード、「U」は超音波器具モード、「I」はインプラントモード(それぞれ対応する制御21、22、23、24、25も参照)である。ステップ78では、センサAに対する圧力がセンサCに対する圧力より大きいか否かが判定される。診断モード21の場合、ステップ77において「D」=1、ステップ78における判断が偽の場合、この方法は、ステップ79に進む。ここで、より特定の負荷力範囲が考慮されるステップ84、87及び89に進む前に、負荷力が広い範囲内にあるか否かが判定される。
図5に示される例では、ステップ87は「真」の結果を返すことが示され、したがって、ステップ88において提供される視覚出力は、ステップ77におけるモード選択によって確立される所望の範囲内の負荷力を示す緑色光である。ステップ84の結果が、ステップ85で提供されるように、力が低過ぎることを示す「真」である場合、表示は提供されない。ステップ89の結果が真であれば、ステップ90において示されるように、力が高過ぎることを示す赤色光が点灯する。
【0065】
上記の例は、診断モード用の概要を提供するが、同様の方法ステップは、力が所望の範囲内にある場合の表示(例えば、緑色光)、力が高過ぎる場合の表示(例えば、赤色光)、力が低過ぎる場合の非表示となる他のモードについても提供し得る。例えば、超音波及び手持ち器具モード用の広い範囲のステップは、それぞれステップ80及び81に示される。もちろん、特定の範囲及び/又は値は、モード同士の間で異なっていてもよい。
【0066】
図6は、把持力に依存しない負荷力値の判定、表示、及び記憶を実証する探索モード21(
図2B)の選択に基づくフロー図である。
図6は、システム準備完了又は開始ステップ41から始まる。ここで、初期の把持力データは、
図3を参照して上記で詳述したように、既に記憶されており、呼び出す準備ができている。ユーザは、ステップ92において、ツール先端を荷重(load)、例えば歯の構造に対して配置するように指示される。ここで、センサA、B及びCは、それぞれステップ93、94及び95において読み取られる値を提供する。
図3を参照して上記で詳述したように判定及び記憶されたゼロデータは、ステップ96において読み込まれ、ステップ97においてセンサ値から減算され(又は、他の方法で補正に利用され)て、ステップ98、99、及び100において示されるように補正済みセンサデータ値を得る。
【0067】
ステップ101において、補正済みセンサAデータが評価され、(補正済みA)>0か否かを判定する。測定工程の開始時において、A=0であることが知られているが、ステップ101におけるシステムは、ゼロ化工程の後に、ユーザが把持力を上昇させた可能性を考慮する。探索モード(ステップ106におけるモード判定に基づいてステップ107で得られる)では、主な力はセンサCに垂直であり、センサAに対する力は把持力の上昇以外には無視できる程度である。把持力は、センサ同士の間の圧縮を表すため、把持力の上昇は、センサA及びCによって等しく感知されるであろう。この情報は、ステップ103及び105において読み込まれたセンサ出力対力データに含まれる(センサBのセンサ出力対力データもステップ104において読み込まれる)。この力同士の関係から、ステップ103及び105において読み込まれたセンサ出力データ、センサAの力より大きい任意の値103が使用されて、ステップ102においてセンサCの負荷力の誤差を相殺することができる。したがって、実際の負荷力は、A=0の場合、ステップ107、101、108及び109の動的ループ、A>0の場合、ステップ101、102、107、109の動的ループに基づいて、ステップ110において(継続的に)判定され、ステップ111において(継続的に)表示される。
【0068】
図7は、対応する端子114を有するセンサ変換器又は他の適切なセンサ素子113のアレイの図である。全ての素子113は、共通のリード線115を有する。この構成は、感度を下げるように、別個のセンサ又は並列センサの組合せの出力を処理することができるという利点を提供する。
【0069】
図8Aは、オペアンプ回路116を示す。ここで、センサの読み値の傾きは、部分的に、センサ4、6の抵抗値を基準抵抗120で割った比によって決定される。センサ117の典型的な応答は、力の増加に伴う抵抗の低下である。ここで、駆動電圧118を上昇させ、抵抗120を増加させると、より低い力の測定が容易になる。電圧VREF119、は、最大値5V、デューティサイクル50%の矩形波で構成されてもよい。
【0070】
図8Bは、センサ、例えばセンサ4及び6(
図1A)又はA及びC(
図5及び6)が、例えばツール1(
図1A)を含む器具に取り付けられ、力がセンサに付与される応答グラフ121を示す。応答曲線122は、先端方向及び横方向の力の両方の条件下でのセンサCの出力を表す。ここで、大きさ目盛り124は、
図6を参照して、上記で詳述したように較正済の応答を表す。時間目盛り126上の時間125の右側又は前の応答曲線122は、先端2、ツール1(
図1A)に横方向の力が付加されたことを示す。時間目盛り126上の時間125の左側又は後の応答曲線122は、先端2、ツール1(
図1A)に先端方向の力が付与されたことを示す。同様に、応答曲線123は、横方向及び先端方向の力の両方の条件下でのセンサAの出力を表す。ここで、大きさ目盛り124は、
図6を参照して詳述したように較正済の応答を表す。時間目盛り126上の時間125の左側又は前の応答曲線123は、先端2、ツール1(
図1A)に先端方向の力が付与されたことを示す。一方、時間目盛り126上の時間125の右側又は後の応答曲線123は、先端2、ツール1(
図1A)に横方向の力が付与されたことを表す。
【0071】
上記の詳細な方法は、制御ボックス又はモジュール17(
図2A及び
図2B)のデータ処理ユニットによって、及び/又はリモートサーバ、クラウド等を含む他の接続デバイスにわたって実装されてもよい。さらに、上記の詳細な方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶され、ハードウェア系の処理装置によって実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は、命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するのに使用され、コンピュータによってアクセスし得る任意の他の媒体)のような有形媒体に相当する非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0072】
記憶された命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又は他の同等の集積又は離散論理回路のような1つ以上のプロセッサによって実行されてもよい。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」なる用語は、前述の構造のいずれか、又は記載された方法の実装に適した他の任意の物理的構造を指し得る。また、本技術は、1つ以上の回路又は論理素子において完全に実装され得る。さらに、データ処理は、予め記憶されたデータ処理アルゴリズム、人工知能(AI)プログラム、それらの組み合わせ、及び/又は任意の他の好適な方法で実行されてもよい。
【0073】
本開示のいくつかの態様が図面に示され、及び/又は本明細書に記載されるが、本開示は、当該技術が許容する限り広い範囲であり、本明細書も同様に読まれることが意図されるように、本開示がそれに限定されることは意図されていない。したがって、上記の説明は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特定の態様の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付された特許請求の範囲内で他の変更を想定するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定して、センサ力測定データの判定を可能とするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有するツールと、
前記ツールに接続され、前記センサ力測定データを受信するように構成された制御モジュールであって、ゼロ化された力データを記憶するように構成された記憶装置と、プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを含む制御モジュールとを備え、
前記センサ力測定データと前記ゼロ化された力データとを取得し、
前記少なくとも2つの力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器の前記センサ力測定データから前記ゼロ化された力データを減算することにより、前記センサ力測定データ及び前記ゼロ化された力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記負荷力が設定範囲内であるか否かを判定し、
前記負荷力が前記設定範囲内の場合、又は前記負荷力が前記設定範囲外の場合の少なくとも一方において、対応する表示を提供する、トレーニングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも2つの力感知変換器は、3つの力感知変換器A、B、及びCのアレイを含み、ここで、角度α1は、変換器A及びCの長手方向の中心線同士の間に規定され、角度α2は、変換器Aの前記長手方向の中心線と、前記ツールの前記先端部によって規定される平面との間に規定される、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
α1及びα2は、それぞれ120°である、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムにおいて、
α1は180°であり、α2は90°である、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムにおいて、
マーキングが変換器A及びCの前記中心線上に配置されて、前記ツールに対する適切な把持配置を手助けする、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記指示は、音声指示又は視覚指示の少なくとも一方である、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記制御モジュールは、さらに、使用モードのユーザ選択を可能にするように構成された少なくとも1つの入力を含む、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記設定範囲は、選択された前記使用モードに基づいて判定される、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記制御モジュールの前記プロセッサは、さらに、測定中に、前記ゼロ化され
た力データを取得するようにされる、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
さらに、前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールを備え、前記スケールは、前記ツールの前記先端部によって前記スケールに付与される力を測定することで、スケール力測定データの判定を可能なように構成され、前記スケール力測定データは、前記測定中に利用するための前記データ処理ユニットの前記記憶装置に記憶される、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、以下のことを行わされ、
前記センサ力測定データに基づいて、前記ツールが適切に把持されているか、不適切に把持されているかを判定し、
前記ツールが適切に把持されていると判定された場合、又は前記ツールが不適切に把持されていると判定された場合の少なくとも一方の表示を提供する、システム。
【請求項12】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定して、センサ力測定データの判定を可能にするように構成された少なくとも2つの力感知変換器を有するツールと、
以下を含む制御モジュールとを備え、
前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールであって、前記ツールの前記先端部によって前記スケールに付与された力を測定して、スケール力測定データの判定を可能にするように構成されたスケールと、
使用モードのユーザ選択が可能なように構成された少なくとも1つの入力装置と、
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理装置とを含み、
前記スケール力測定データに基づいて、較正データを判定し、
前記較正データを記憶装置に記憶し、
モードデータとして、選択された前記使用モードを記憶し、
前記センサ力測定データを取得し、
前記較正データを取り出し、
前記センサ力測定データと前記較正データとに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記モードデータを取り出し、
取り出された前記モードデータに基づく判定基準を利用して、前記負荷力が許容されるか又は許容されないかを判定
し、ここで、前記判定基準は、取り出された前記モードデータに基づいて判定される許容範囲を含む、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも2つの力感知変換器は、3つの力感知変換器A、B、及びCのアレイを含み、ここで、角度α1は、変換器A及びCの長手方向の中心線同士の間に規定され、角度α2は、変換器Aの前記長手方向の中心線と、前記ツールの前記先端部によって規定される平面との間に規定される、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
α1及びα2は、それぞれ120°である、システム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムにおいて、
α1は180°であり、α2は90°である、システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムにおいて、
マーキングが変換器A及びCの前記中心線上に配置されて、前記ツールに対する適切な把持配置を手助けする、システム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記負荷力が許容できると判定すること、又は前記負荷力が許容できないと判定することの少なくとも一方に応答して、音声表示又は視覚表示の少なくとも一方を提供するようにされる、システム。
【請求項18】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記把持力に依存しない前記負荷力を判定することは、前記少なくとも2つの力感知変換器のうちの少なくとも1つの力感知変換器の前記センサ力測定データから前記較正データを減算することを含む、システム。
【請求項19】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、以下のことを行わされ、
前記センサ力測定データに基づいて、前記ツールが適切に把持されているか、又は不適切に把持されているかを判定し、
前記ツールが適切に把持されていると判定された場合、又は前記ツールが不適切に把持されていると判定された場合の少なくとも一方の表示を提供する、システム。
【請求項20】
トレーニングシステムであって、
先端部とグリップ部とを含むツールであって、前記グリップ部は、付与される力を測定し、前記測定された力に基づいて、第1の力データを出力するように構成された複数の力センサを有するツールと、
前記ツールの前記先端部を受容するように構成されたスケールであって、付与される力を測定し、前記測定された力に基づいて、第2の力データを出力するように構成されたスケールと、
使用モードのユーザ選択を可能とし、前記選択された使用モードに基づいて、モードデータを出力するように構成された少なくとも1つの入力装置と、
プロセッサ、及び前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに以下のことを行わせる命令を記憶するメモリを含むデータ処理ユニットとを備え、
前記第1の力データ、前記第2の力データ、及び前記モードデータを受信し、
前記第1及び第2の力データに基づいて、把持力に依存しない負荷力を判定し、
前記モードデータに基づく判定基準を利用して、前記負荷力が許容されるか、又は許容されないかを判定する、トレーニングシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のトレーニングシステムにおいて、
少なくとも前記データ処理ユニットは、シミュレーションシステムに組み込まれる、トレーニングシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のトレーニングシステムにおいて、
前記少なくとも1つの入力装置は、前記シミュレーションシステムに組み込まれる、トレーニングシステム。
【請求項23】
請求項20に記載のトレーニングシステムにおいて、
前記ツール及び前記スケールは、前記シミュレーションシステムに接続可能である、トレーニングシステム。
【国際調査報告】