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特表2023-533086代替肉の生産のための監視機械知能制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】代替肉の生産のための監視機械知能制御装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 13/00 20160101AFI20230725BHJP
   A23J 3/00 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
A23L13/00 E
A23J3/00 502
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503192
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2021066987
(87)【国際公開番号】W WO2022012879
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】20186396.6
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(71)【出願人】
【識別番号】506110634
【氏名又は名称】イーティーエイチ・チューリッヒ
(71)【出願人】
【識別番号】523017486
【氏名又は名称】プランテド・フーズ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Planted Foods AG
【住所又は居所原語表記】Kemptpark 32,8310 Kemptthal,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー、チャウ-ホン
(72)【発明者】
【氏名】スプーディック、ベドラナ
(72)【発明者】
【氏名】リストマン、キム
(72)【発明者】
【氏名】シェーンボルン、サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ボレッリ、エルシ-マリ
(72)【発明者】
【氏名】ゾンマー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】メルカンゲス、メーメット
(72)【発明者】
【氏名】ビンドハブ、エリッヒ・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シュティルネマン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ベニ、ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】リュース、パトリック
【テーマコード(参考)】
4B042
【Fターム(参考)】
4B042AC05
4B042AC09
4B042AD36
4B042AK06
4B042AK10
4B042AP02
4B042AP06
4B042AP30
4B042AT04
(57)【要約】
システムは、タンパク粉末、油、及び水を含む複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイに搬送するように構成された湿式押出プロセス機械を含む。本システムは、押出ダイに押し込まれ、通過し、押出ダイから吐出される押出ダイ混合物を生産するのに有効な複数のプロセス設定を使用して湿式押出機械を制御するように構成された電子プロセス制御システム(EPCS)を含む。本システムは更に、押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成された直接繊維性質測定(DFM)サブシステムと、押出ダイ混合物に関連する1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された間接繊維性質測定(IFM)サブシステムとのうちの少なくとも1つと動作的に結合された監視機械知能制御システム(SMICS)を備える。SMICSは、押出ダイ混合物を修正するのに有効である、1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ及び1つ又は複数の押出プロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイに搬送するように構成された湿式押出プロセス機械と、前記複数の原料は、タンパク粉末、油、及び水を含み、
前記押出ダイに押し込まれ、通過し、前記押出ダイから吐出される押出ダイ混合物を生産するのに有効な複数のプロセス設定を使用して前記湿式押出プロセス機械を制御するように構成された電子プロセス制御システム(EPCS)と、
を備えるシステムにおいて、
前記システムが、前記押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成された直接繊維性質測定(DFM)サブシステムと、前記押出ダイ混合物に関連する1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された間接繊維性質測定(IFM)サブシステムとのうちの少なくとも1つと動作的に結合された監視機械知能制御システム(SMICS)を備え、
前記SMICSが、前記1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ及び前記1つ又は複数の押出プロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して、前記複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記DFMサブシステムは、光センサシステム、機械力センサシステム、及び音波センサシステムのうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記DFMサブシステムは、少なくとも前記光センサシステムを備え、前記光センサシステムは、前記押出ダイ混合物のデジタル画像を生成し、前記デジタル画像を前記SMICSに提供するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記DFMサブシステムは、少なくとも前記音波センサシステムを備え、前記音波センサシステムは、前記押出ダイ混合物のデジタル画像を生成し、前記デジタル画像を前記SMICSに提供するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記SMICSは、前記押出ダイ混合物の前記デジタル画像から前記物理的繊維性質パラメータを決定するために前記デジタル画像を更に処理するように構成されている、請求項3又は請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記物理的繊維性質パラメータは、前記押出ダイ混合物の前記デジタル画像を処理することから決定される、繊維サイズメトリック、繊維配向メトリック、繊維配列メトリック、繊維交絡メトリック、繊維間距離メトリック、捻れ力メトリック、及び密度のうちの1つ又は複数を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記SMICSは、前記デジタル画像を前記物理的繊維性質パラメータのうちの少なくとも1つとして利用するように構成されている、請求項3又は請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記DFMサブシステムは、少なくとも前記機械力センサシステムを備え、前記機械力センサシステムは、前記押出ダイ混合物の張力メトリック、圧縮力メトリック、捻れ力メトリック、及び密度メトリックのうちの1つ又は複数を測定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記DFMサブシステムは、前記光センサシステム、前記機械力センサシステム、及び前記音波センサシステムのうちの2つ以上を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記IFMサブシステムは、前記1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された1つ又は複数のセンサを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の押出プロセスパラメータは、前記押出ダイ混合物の流量、前記押出ダイ混合物の流圧、前記押出ダイ混合物の温度、及び前記押出ダイ混合物の含水率若しくは特性のうちの1つ又は複数を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記SMICSは、
オペレータから所望の製品データ入力を受信することと、
前記DFMサブシステム及び前記IFMサブシステムのうちの少なくとも1つからフィードバック入力を受信することと、
前記複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数と前記所望の製品データ入力との間の1つ又は複数の制御関係を特定するために機械学習アルゴリズムを実行することと、
前記複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するために前記1つ又は複数の制御関係を利用することと、
を含む、機械学習プロセスを行うように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、教師あり学習アルゴリズム、及び強化学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記湿式押出プロセス機械は、
全長に沿って延在する押出通路に回転可能に配設された少なくとも1つのモータ駆動スクリューと、
前記押出通路に前記タンパク粉末を導入するように構成された粉末供給機と、
前記押出通路に前記水を添加するように構成された水供給機と、
前記押出通路に前記油を添加するように構成された油供給機と、
スクリュー押出機と結合され、かつ前記押出通路の前記全長に沿った1つ又は複数の位置を選択可能に加熱するように構成された加熱システムと、
を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のシステムを動作させることを備える方法であって、前記方法は、代替肉製品を生産することと、代替肉製品レシピを決定することと、代替肉製品の審美的及び物理的特性を制御することとのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、代替タンパク質ベースの代替肉を生産するための装置、方法、及びシステム、並びにそのような装置、方法、及びシステムのための監視機械知能制御装置(supervisory machine intelligence controls)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 人類の人口増加及び社会人口統計学的変化により、より多くの異なるタイプの食物を供給するために天然資源にかかる圧力が増大している。タンパク質は、人間の食事の重要な栄養素の1つである。肉からの動物ベースのタンパク質は、人間の食事のますます一般的かつ重要なタンパク源になっているが、動物の飼育及び肉生産の生態学的影響もまた、深刻かつ拡大しつつある問題である。代替タンパク質ベースの代替肉、例えば植物性タンパク質ベースの代替肉及び昆虫タンパク質ベースの代替肉は、肉の栄養面での恩恵を提供すること又はそれを超えることを図る代替の食料源を提供する。
【0003】
[0003] 代替タンパク質ベースの代替肉の重要な課題は、動物ベースの肉の審美的及び物理的特性を模した又はそれを超える所望の審美的及び物理的特性(例えば、審美的及び物理的特性の両方である、味、食感、硬さ、見た目、及び調理挙動)を提供することである。代替タンパク質ベースの代替肉の審美的特性を制御することは、原料特性(例えば、化学組成、物理的組成及び構造、純度、並びにプロセスに導入される原料及び添加剤の他の特性)と、プロセス設定(例えば、原料供給速度、プロセス流量、プロセス温度、及び他の制御パラメータ)とを含む複数の変数によって影響を受ける複雑な問題である。
【0004】
[0004] 図1は、代替タンパク質ベースの代替肉製品を生産するための先行技術のシステム100の特定の態様を示す概略図である。システム100において、1人又は複数人の人間のオペレータ102が、湿式押出プロセス機械112に供給されることになる原料106と、湿式押出プロセス機械112の動作を制御するように構成された機械コントローラ103に提供されるプロセス設定110とを含むレシピ104を生成する。湿式押出プロセス機械112は、1つ又は複数のそれぞれの原料106を押出機108に供給する1つ又は複数の供給機114を含み、押出機108は、加工経路の全長を画定する固定バレル又はチャンバ118内に配設された回転可能である1つ又は複数の回転スクリュー116を含む。
【0005】
[0005] 原料106は、例えば、1つ又は複数の代替タンパク粉末(例えば、植物ベースの粉及び/又は昆虫ベースの粉)、水、及び油を含んでよく、添加剤、充填剤、及び加工助剤なども含んでよい。1つ又は複数の供給機114は、加工経路の全長に沿った様々な位置で原料106を押出機108に導入する。押出機108は、原料106を混合し、加工経路の全長に沿って前進させ、加工経路の全長に沿った異なる位置における温度を制御し、加工された混合物をダイ120を通して押し出す。次いで、押し出された加工済み混合物は、1つ又は複数の後加工動作124を受けて、ダイ120から吐出された加工済み混合物が最終形態の代替肉製品126へと構成されてよい。
【0006】
[0006] プロセス設定110は、原料106の導入の量又は速度、1つ又は複数のスクリュー116の回転速度、加工経路の全長に沿った1つ又は複数の位置における温度、圧力、及び/又は湿度設定、並びに湿式押出プロセス機械112の他の動作設定を含んでよい。システム100は、原料106、加工設定110、及び後加工動作124を調整するのに1人又は複数人の人間のオペレータ102からの調整入力122に依存する。調整入力122は、代替肉製品126の所望の特性を達成するために、プロセスの1つ又は複数の箇所で加工中の製品(例えば、ダイ120の吐出口から又は後加工動作124の1つ又は複数の箇所で採取された製品サンプル)のオペレータ(複数人可)による検査及び評価に基づいており、そのため、オペレータ(複数人可)の専門知識及び経験に依存するものである。
【0007】
[0007] これまで、代替タンパク質ベースの代替肉の所望の審美的特性を達成するには、コストのかかる試行錯誤の繰り返しにより達成される人間の専門知識及び経験に頼る必要があった。これは、いくつかの欠点及び制限を課す。例えば、所望の審美的特性の達成は個々の人間の専門家の経験に依存するので、生産は、専門家を確保できないというリスクにさらされる。更に、いくつかの状況では機械知能制御技法が有用であることがわかっているが、それらは非常にプロセスに固有であり、プロセス制御への一般的適用のところまで開発されていない。更に、そのような技法は、複数の用途では非効率的又は有効でないことが証明されている。そのような技法の一般的形態を使用しても、最適化及びカスタマイズされた食品に向けてプロセスを適応させることは、時間のかかる命題であり、成功のための変更及び成功の程度が限られている、数週間及び数か月の試行錯誤に基づく実験が必要になる場合がある。重要なパラメータについての関連情報がないことが、人間の専門家の制御と機械知能制御アプローチの両方にとって別の支障となっている。更に混乱させる変数として、代替タンパク質ベースの代替肉製品の材料が見せる、非ニュートン流体の挙動及び非線形流体の挙動などの組成の複雑性の存在がある。原料投入量における未知の変動が、更に別の混乱させる障害である。本明細書に開示される独自の装置、方法、システム、及び技法の満たされていない重要な必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 当技術分野で直面している上記及び他の欠点及び問題に対処するために、本発明者らは、本明細書に開示される装置、方法、システム、プロセス、及び技法を含むいくつかの独自の技術的解決策を開発した。本発明の特定の態様を例示する目的で、本開示の添付図面に例示される例示的な実施形態を参照していく。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009] 代替タンパク質ベースの代替肉を生産するための先行技術のシステムを例示する概略図である。
図2】[0010] 代替タンパク質ベースの代替肉を生産するための例示的なシステムの特定の態様を例示する概略図である。
図3】[0011] 図2のシステムなどの代替タンパク質ベースの代替肉を生産するためのシステムの例示的な実装形態の特定の態様を例示する概略図である。
図4】[0012] 図2のシステムなどの代替タンパク質ベースの代替肉を生産するためのシステムの例示的な実装形態の特定の態様を例示する概略図である。
図5】[0013] 図2のシステムなどの代替タンパク質ベースの代替肉を生産するためのシステムの例示的な実装形態の特定の態様を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014] 図2を参照すると、代替タンパク質ベースの代替肉製品226を生産するためのシステム200が例示されている。システム200は、システム100の湿式押出プロセス機械112と同じ又は同様であってよい湿式押出プロセス機械212を含む。例えば、湿式押出プロセス機械212は、1つ又は複数のそれぞれの原料206を押出機208に供給する1つ又は複数の供給機214を含み、押出機208は、加工経路の全長を画定する固定バレル又はチャンバ218内に配設された回転可能である1つ又は複数の回転スクリュー216を含む。原料206は、例えば、1つ又は複数の代替タンパク粉末(例えば、植物ベースの粉及び/又は昆虫ベースの粉)、水、及び油を含んでよく、添加剤、充填剤、及び加工助剤なども含んでよい。
【0011】
[0015] 湿式押出プロセス機械212は、複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイ220に搬送するように構成された湿式押出プロセス機械の一例であり、複数の原料は、タンパク粉末、油、及び水(液相、気相、又は固相の水を含む)を含む。例えば、1つ又は複数の供給機214は、加工経路の全長に沿った様々な位置で原料206を押出機208に導入する。特定の実施形態では、1つ又は複数の供給機214は、押出通路にタンパク粉末を導入するように構成された1つ又は複数の粉末供給機と、押出通路に水を添加するように構成された1つ又は複数の水供給機と、押出通路に油を添加するように構成された1つ又は複数の油供給機とを含んでよい。
【0012】
[0016] 押出機208は、原料206を混合し、加工経路の全長に沿って前進させる。1つ又は複数の加熱システム及び/又は冷却システムが、スクリュー押出機と結合され、加工経路の全長に沿った異なる位置におけるプロセス温度を制御するのに有効な押出通路の全長に沿った1つ又は複数の位置を選択的に加熱又は冷却するように構成されてよく、加工された混合物を押出ダイ220を通して押し出す。湿式押出プロセス機械212は、複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイに搬送するように構成された湿式押出機械の一例にすぎないこと、及び本開示の利益を享受する当業者が想到するようないくつかの代替形態及び変形形態が企図されることを理解されたい。本開示に係る実施形態では、様々な湿式押出機械及び湿式押出プロセスを利用することができることを更に理解されたい。
【0013】
[0017] 本開示に係るいくつかの実施形態は、様々なタイプのマクロスケール湿式押出機械及びプロセス、例えば、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、高次多軸スクリュー押出機、混練機、混練押出機、逆回転押出機、共回転押出機、及び他のタイプのマクロスケール押出機械及びプロセスを備える。追加的又は代替的に、湿式押出機械及びプロセスは、例えば、フィラメント積層、熱溶解積層(fused filament fabrication)、熱溶解積層(fused filament modeling)、若しくは他の3Dプリンティングによるマイクロスケール押出、又はマイクロスケール材料押出技法を備えてもよい。
【0014】
[0018] 本開示に係る湿式押出機械及びプロセスは、それぞれ、いくつかの動作を行い、備えてよい。そのような動作は、1つ又は複数の乾燥原料と1つ又は複数の液体原料をブレンド又は混合してブレンド又は混合物(生地と呼ぶときもある)を形成することと、生地を加工してタンパク質を変性させ、タンパク質繊維を配向させることと、繊維構造を固定又は定着させることとを含んでよい。生地を加工してタンパク質を変性させ、タンパク質繊維を配向させることは、例えば、撹拌、ビーティング、合流流動、摩擦適用、衝突、混練、加圧、振動、スピニング、乱流適用、波動適用、又はこれらの組合せによる機械力の生地への適用、及び/又は他の機械力の適用を備えてよい。生地を加工してタンパク質を変性させ、タンパク質繊維を配向させることは、追加的又は代替的に、化学試薬、放射エネルギー、電磁エネルギー、及び/又は熱エネルギーの適用によって行われてもよい。化学試薬は、pH調整剤、コスモトロピック剤、カオトロピック剤、石膏、塩、界面活性剤、乳化剤、脂肪酸、アミノ酸、酵素、又はこれら及び/又は他の化学成分の組合せを含んでよい。繊維構造を固定又は定着させることは、温度変化、圧力変化、脱水、酸化還元反応、化学的固定、及び/又は他の固定動作を適用することを備えてよい。
【0015】
[0019] システム200は更に、押出ダイに押し込まれ、通過し、そこから吐出される押出ダイ混合物を生成するのに有効な複数のプロセス設定を使用して湿式押出機械を制御するように構成された電子プロセス制御システム(EPCS)の一例であるEPCS203を含む。例えば、EPCS203は、押出ダイ220に押し込まれ、通過し、そこから吐出される押出ダイ混合物を生成するのに有効な複数のプロセス設定210を使用して、湿式押出機械212を制御するように構成される。プロセス設定110は、原料206の導入の量又は速度、1つ又は複数のスクリュー216の回転速度、加工経路の全長に沿った1つ又は複数の位置における温度設定、加工経路の全長に沿った1つ又は複数の位置における圧力設定、及び湿式押出プロセス機械212の他の動作設定を含んでよい。
【0016】
[0020] EPCSは更に、複数の後プロセス設定211を使用して自動後加工機器224を制御するように構成される。自動後加工機器224は、押出ダイ220から吐出されたダイ混合物を、例えば、切断、細断、引き裂き、切り裂き、圧延、又は他の後加工技法によって更に加工して、最終形態の代替肉製品226にするように構成される。
【0017】
[0021] EPCSは更に、フィードバックパラメータを感知して監視機械知能制御システム(SMICS)に提供する1つ又は複数の感知サブシステム225を含む。フィードバックパラメータは、湿式押出機械212及び/又は自動後加工機器224に関連付けられたセンサからのパラメータを含んでよい。センサは、湿式押出機械212及び/又は自動後加工機器224の動作及び/又はそれらによって加工中の材料に関連するフィードバックパラメータを感知及び提供するように構成されてよい。特定の形態では、感知サブシステム225は、図3に関連して以下で説明する感知サブシステム及び/又はセンサのうちの1つ又は複数、図3に関連して以下で説明する感知サブシステム及び/又はセンサのうちの2つ以上の組合せ、並びに追加的又は代替的に、他の形態及びタイプの感知サブシステム及び/又はセンサを含んでもよい。
【0018】
[0022] システム200は、代替肉製品226の所望の特性を達成するために、EPCS203によって利用される原料206、プロセス設定210、後プロセス設定211を決定し、提供し、そして調整又は修正するために、SMICS204の1つ又は複数の機械知能構成要素に依存する。SMICS204によってEPCS203に提供される原料設定206は、複数の原料、例えば、1つ又は複数の代替タンパク粉末(例えば、植物ベースの粉、微生物発酵に由来するタンパク質、及び/又は昆虫ベースの粉)、水、及び油の定量的及び定性的な原料仕様を含んでよく、添加剤、充填剤、及び加工助剤なども含んでよい。
【0019】
[0023] SMICS204によってEPCS203に提供されるプロセス設定210は、原料206の導入の量又は速度、1つ又は複数のスクリュー216の回転速度、加工経路の全長に沿った1つ又は複数の位置における温度、圧力、及び/又は湿度設定、並びに湿式押出プロセス機械212の他の動作設定を含んでよい。SMICS204によってEPCS203に提供される後プロセス設定211は、自動後加工機器224によって行われてよい切断、細断、引き裂き、切り裂き、圧延、又は他の後加工技法に関連する力、大きさ、頻度、及び他の制御パラメータを含んでよい。
【0020】
[0024] 人間のオペレータ202が、利用可能な原料及び所望の製品データなどの入力をSMICS204に提供することができるが、そのような入力を、自動化又は半自動化された様式で提供してよいことも企図される。所望の製品データ入力は、例えば、押出ダイ220に相当する押出ダイの投入口若しくはその近傍、押出ダイ220に相当する押出ダイの吐出口若しくはその近傍、又はそのような押出ダイに対する1つ又は複数の追加又は代替の位置における既知の混合物のデジタル画像を含む、所望の中間製品又は最終製品に関連するいくつかのパラメータを含んでよい。所望の製品データ入力は、追加的又は代替的に、そのような既知の混合物のデジタル画像を処理することによって決定されるいくつかの物理的繊維性質パラメータ(physical fibrosity parameters)を含んでもよく、例えば、繊維サイズメトリック、繊維配向メトリック、繊維配列メトリック、繊維交絡メトリック、繊維間距離メトリック、捻れ力メトリック、密度メトリック、繊維気泡メトリック(fiber bubble metric)、又はそれらの組合せなどの物理的繊維性質パラメータを含む。
【0021】
[0025] 前述の物理的繊維性質パラメータは、いくつかの様式で定義されてよいことを理解されたい。例えば、繊維サイズメトリックは、平均繊維直径、平均繊維長、繊維直径分布又は分散、繊維長分布又は分散、四分位、五分位、十分位、又は繊維直径及び/又は繊維長の他の範囲メトリック、又は本開示の利益を享受する当業者が想到するような他の様々なサイズメトリックのうちの1つ又は複数を含んでよい。繊維配向メトリックは、例えば、0(配向基準に対してランダム又は疑似ランダムな配向を有する繊維の群を示す)から1(配向基準に対して実質的又は完全に均一である配向を有する繊維の群を示す)までの範囲の配向均一性指数を含んでよい。繊維配列メトリックは、例えば、0(互いに対してランダム又は擬似ランダムな配列を有する繊維の群を示す)から1(互いに対して実質的又は完全に均一な配列を有する繊維の群を示す)までの範囲の配向均一性指数を含んでよい。繊維交絡メトリックは、例えば、デジタル画像の単位面積当たりの繊維交差の数を含んでよい。繊維間距離メトリックは、隣接する繊維間の平均距離を含んでよい。密度メトリックは、前述のメトリックのうちの1つ又は複数を使用して、例えば、繊維対繊維間距離の比、並びに繊維サイズメトリック、繊維配向メトリック、繊維配列メトリック、繊維交絡メトリック、及び/又は繊維気泡メトリックに対応する1つ又は複数の係数を使用して、計算又は導出されてよい。前述の平均とは、平均、中央値平均、モード平均、加重平均、又はそれらの変形形態を含んでよいことを更に理解されたい。繊維気泡メトリックは、繊維内又は繊維間マトリックス内の空気又は気体の気泡形成の存在、程度、及び特性、例えば、単位面積又は単位体積当たりの気泡数、及び平均気泡サイズ(例えば、直径、半径、体積等)、及び/又は気泡頻度を示してよい。いくつかの目的のために、繊維気泡メトリックは、繊維密度メトリックの形態と考えてもよいし、又は繊維密度メトリックと相関してもよいことを理解されたい。
【0022】
[0026] 一般に、SMICS204は、特定の動作を行うとともに、直接的又は間接的のいずれかで動作通信しているシステム200の任意の構成要素及び/又はセンサからの信号を受信及び解釈するように構造される。SMICS204は、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的メモリ、処理、及び通信ハードウェアを有する処理サブシステムの全体又は一部を形成する1つ又は複数のコンピューティングデバイスを含む、様々な形態及び構成で提供されてよいことを理解されたい。SMICS204は、単一デバイス又は分散デバイスであってよく、SMICS204の機能は、ハードウェア又はソフトウェアによって実施されてよい。SMICS204は、任意のアクチュエータ、センサ、データリンク、コンピューティングデバイス、ワイヤレス接続、又は任意の記載の動作を行うことができる他のデバイスと通信する。SMICS204は、本明細書で説明するシステム200の動作を制御するようにSMICS204によって読み取り可能かつ実行可能である命令をメモリに記憶するように構成された1つ又は複数の非一時的メモリデバイスを含んでよい。
【0023】
[0027] 本明細書で説明する特定の動作は、1つ又は複数の記載のパラメータを決定するための動作を含む。SMICS204は、いくつかの様式で、例えば、値を計算又は算出することによって、統計学的技法を使用することによって、ルックアップテーブルから又はルックアップ動作を使用して値を得ることによって、データリンク又はネットワーク通信から値を受信することによって、値を示す電子信号を受信することによって、値を示すパラメータを受信することによって、コンピュータ可読媒体上のメモリ位置から値を読み取ることによって、実行時パラメータとしての値を受信することによって、及び/又は解釈されたパラメータを計算することができる値を受信することによって、及び/又はパラメータ値であると解釈されるデフォルト値を参照することによって、決定するように構成されてよく、決定する動作を行ってよい。
【0024】
[0028] SMICS204は、1つ又は複数の感知サブシステム225からのフィードバック情報に応答してEPCS203によって利用される原料206、プロセス設定210、後プロセス設定211を自動的に調整又は修正するために、いくつかの機械知能技法を実施するように構成されてよい1つ又は複数の機械知能構成要素205を含む。例えば、機械知能構成要素205は、本明細書に記載の技法のうちの1つ又は複数などの機械学習技法を利用するように構成されてよい。
【0025】
[0029] SMICS204は、深層学習又は深層構造化学習技法を利用してよく、該技法では、1つ又は複数の機械知能構成要素205は、入力層と出力層との間に複数の層を有する人工ニューラルネットワーク(ANN)を利用する。例えば、ANNは、入力層から出力層への変換のニューラルネットワークチェーンを定義する多層クレジット割り当て経路(CAP:credit assignment path)で構成されてよい。
【0026】
[0030] SMICS204は、教師あり又は半教師あり学習技法を利用してよく、該技法では、1つ又は複数の機械知能構成要素205には、例となる入力及びそれらの所望の出力と、入力を出力にマッピングする1つ又は複数のルールを生成するという定義された目標とが提供される。例となる入力、所望の出力、及び定義された目標は、ユーザによって入力されてよく、及び/又はシステム200の動作中に1つ又は複数の機械知能構成要素205によって少なくとも部分的に取得されてよい。
【0027】
[0031] SMICS204は、強化学習技法を利用してよく、該技法では、1つ又は複数の機械知能構成要素205は、経時的に動的プロセス環境と対話し、定義された目標、例えば、SMICS204への所望の製品データ入力を生成又は複製することを実施しなければならない。そのような実施形態では、1つ又は複数の機械知能構成要素205が問題空間を繰り返しナビゲートすると、1つ又は複数の機械知能構成要素205が最大化しようとする報酬として利用される、感知サブシステム及び/又はオペレータ若しくはトレーナーからのフィードバックが提供される。
【0028】
[0032] 他の実施形態では、SMICS204は、追加的又は代替的に、1つ又は複数の機械知能構成要素205にラベルが与えられず、その入力内の構造を自力で見つけるようにしておく教師なし学習などの他の機械学習技法を利用してもよい。更なる実施形態では、トピックモデリング、次元削減、又はメタ学習などの他の機械学習技法を利用してよい。
【0029】
[0033] 本明細書で更に説明するように、SMICS204は、前述の機械学習技法を学習又は訓練モードで利用してよく、該モードでは、SMICS204は、本明細書に開示されるプロセスフィードバック入力のうちの1つ又は複数と本明細書に開示されるプロセス制御パラメータ若しくは設定のうちの1つ又は複数との間の相関を確立するために、1つ又は複数のモデルを生成、維持、及び/又は更新する。SMICS204は、追加的又は代替的に、生産された代替肉製品の審美的特性を制御するための制御又は監視モードで前述の機械学習技法を利用してもよい。SMICS204は、追加的又は代替的に、原料パラメータ及びプロセス設定パラメータを含む生産される代替肉製品についてのレシピを特定及び特徴付けるための製品開発モードで前述の機械学習技法を利用してもよい。
【0030】
[0034] 図3を参照すると、感知サブシステム225及びSMICS204の特定の態様を含むシステム200の例示的な実装形態300の特定の態様を示す概略図が例示されている。実装形態300は、SMICS204と動作的に結合された直接繊維性質測定(DFM)サブシステム312及び間接繊維性質測定(IFM)サブシステム314を含む。実装形態300において、SMICS204の機械知能構成要素205は、図2に関連して上述した機械学習技法のうちの1つ又は複数を利用するように構成されてよい機械学習プロセス(MLP)305を実装するように構成される。DFMサブシステム312及びIFMサブシステム314の各々は、1つ又は複数の入力をMLP305に提供するように構成される。いくつかの実施形態がDFMサブシステム312及びIFMサブシステム314のうちの1つのみを含んでよいことを理解されたい。更に、いくつかの実施形態は、MLP305に1つ又は複数の入力を提供するように構成されてよいDFMサブシステム及びIFMサブシステムのいずれか又は両方の複数の事例を含んでよい。
【0031】
[0035] DFMサブシステム312は、押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成される。このために、DFMサブシステムは、光又は他の電磁スペクトル範囲のセンサシステム(EM/光センサシステム320)、機械力センサシステム330、及び音波センサシステム340のうちの1つ又は複数を含んでよい。いくつかの実施形態は、前述のセンサシステムのうちの1つのみを含んでよいが、いくつかの実施形態は、前述のセンサシステムのうちの2つ以上を含んでよいことを理解されたい。更に、いくつかの実施形態は、前述のセンサシステムのうちの任意の1つ又は複数のセンサシステムの複数の事例を含んでよい。
【0032】
[0036] EM/光センサシステム320は、押出ダイ混合物のデジタル画像を提供するように構成された1つ又は複数の光又は他の電磁スペクトルセンサ(EM/光センサ)322を含む。EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、いくつかのセンサタイプを備えてよいことを理解されたい。いくつかの形態では、EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、可視光スペクトル、紫外光スペクトル、赤外光スペクトル、又はそれらの組合せに適応されたカメラ又は他の光センサを備えてよい。いくつかの形態では、EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、表面からの光の指向性拡散を感知するように適応された光拡散感知システム及びセンサを備えてよいし、又は利用してよい。EM/光センサ322のうちの1つ又は複数はまた、スペクトルフィルタ、偏向フィルタ、及び他のタイプのフィルタと組み合わせて使用されてもよい。インコヒーレント光センサ及びシステム並びにコヒーレントセンサ及びシステム(例えば、レーザセンサ及びシステム)のいずれか又は両方の使用が更に企図される。モノクロ画像化及びカラー画像化のいずれか又は両方の使用が企図され、例えば、バルク中の繊維構造(繊維配向、繊維長、並びにパターン、繊維気泡メトリック、及び本明細書に開示される他の繊維性質メトリックなどの他の繊維特徴)を推測するために、ダイの下流の箇所で押出機ダイを出る押出物に対してカラー画像化技法が利用されてよい。
【0033】
[0037] EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、空間走査システム及びセンサ、スペクトル走査システム及びセンサ、スナップショット撮像システム及びセンサ、空間スペクトル走査システム及びセンサ、並びに/又は、ハイパースペクトルキューブ若しくは他の多次元空間スペクトル構成体を感知することなどによって単位面積当たりの複数スペクトルをサンプリングするように適応された他のタイプのシステム及びセンサなどのマルチスペクトル若しくはハイパースペクトルセンサ又は撮像システムを備えてよいし、又は利用してよい。EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、追加的又は代替的に、電磁スペクトルの非光学範囲で動作するように適応されたシステム及びセンサを備えてもよい。いくつかの形態では、EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322は、電磁断層撮影システム及びセンサ、X線システム及びセンサ、核磁気共鳴システム及びセンサ、並びに/又は追加のタイプの非光スペクトルEM/光センサ及びシステムを備えてよい。
【0034】
[0038] EM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322によって提供される押出ダイ混合物のデジタル画像は、例えば、従来のデジタル画像行列若しくはアレイ、スペクトルデータ、及び他のデータ構造を含む、本明細書で企図されるEM/光センサシステム320及びその構成要素であるEM/光センサ322の異なる形態に対応するいくつかの形態を備えてよいことを更に理解されたい。
【0035】
[0039] 光スペクトルに適応された1つ又は複数のセンサを含む形態では、そのようなセンサは、電荷結合素子(CCD)アレイ、相補型金属酸化物半導体CMOSアレイ、並びに/又は他のタイプの光センサアレイ、デバイス、及び素子を備えてよい。1つ又は複数のEM/光センサ322は、巨視的画像、微視的画像、両方の事例、又は両方の組合せを捕捉するように構成された1つ又は複数のレンズシステムを有するように構成されてよい。上述のように、1つ又は複数のEM/光センサ322は、可視スペクトル、赤外線スペクトル、及び/又は紫外線スペクトルの光を検出するように構成された形態で提供されてよい。光センサシステム320はまた、1つ又は複数のEM/光センサ322からの生データを処理して、SMICS204のMLP305に提供されるデジタル画像の形態にするように構成される、画像処理電子回路324を含む。
【0036】
[0040] 1つ又は複数のEM/光センサ322は、押出ダイ位置範囲326において押出ダイ混合物の画像を捕捉するように位置付けられ、構成されてよい。押出ダイ位置範囲326は、押出ダイ220の入口又はその近傍の位置から押出ダイ220の出口又はその近傍の位置まで延在する範囲内に位置してよい。追加的又は代替的に、1つ又は複数のEM/光センサ322は、自動後加工機器224の任意のアクセス可能な箇所又は位置であってよい後加工位置範囲328において押出ダイ混合物の画像を捕捉するように位置付けられ、構成されてもよい。そのような事例では、下流位置における測定値を、測定された材料が押出ダイ220を通過した時間における条件と相関させることを可能にする、測定位置と押出ダイ位置との時間調整された相関を提供するために、本明細書に開示されるものなどのタイムスタンピング及び時間調整技法が利用されてよい。
【0037】
[0041] 1つ又は複数のEM/光センサ322の測定若しくは読み取りのプロセス位置(単数又は複数)に依存して、1つ又は複数のEM/光センサ322の測定値若しくは読取り値を、他のセンサ測定値若しくは読取り値又は他のプロセスパラメータと時間的に相関させるために、タイムスタンピング及び/又は時間適応技法を利用してよい。例えば、1つ又は複数の測定値若しくは読取り値が、自動後加工機器224の箇所又は位置などの後加工位置においてEM/光センサ322によって得られる場合、センサ測定又は読み取りを受ける材料がこれより前の生産プロセス箇所又は位置にあった時点を決定するために、タイムスタンピング及び/又は時間適応技法が利用されてよい。上述したように、そのような技法は、例えば、EM/光センサ322によって得られる1つ又は複数の測定値若しくは読取り値を、押出ダイ220の出口又はその近傍などの異なるプロセス位置における温度又は湿度などの他のプロセス測定値と相関させるために利用されてよい。そのようなタイムスタンピング及び/又は時間適応技法は、経時的なプロセス速度の変動を考慮してよい。例えば、1つ又は複数の機械力センサ332を含む機械力センサシステム330及び/又は1つ又は複数の音波センサ342を含む音波センサシステム340を含む、本明細書に開示される他のセンサシステム及びセンサに関連して、同じ又は実質的に同様のタイムスタンピング及び時間整列技法が追加的又は代替的に利用されてもよい。
【0038】
[0042] いくつかの形態は、1つ又は複数の物理的EM/光センサ322に加えて、コンピュータベースの推定器、観測器、ソフトセンサの使用を企図する。そのようなコンピュータベースの推定器、観測器、ソフトセンサは、追加的又は代替的に、例えば、1つ又は複数の機械力センサ332を含む機械力センサシステム330及び/又は1つ又は複数の音波センサ342を含む音波センサシステム340を含む、本明細書に開示される他のセンサシステム及びセンサと関連して利用されてもよい。
【0039】
[0043] 機械力センサシステム330は、ひずみゲージ、力トランスデューサ、圧電センサ、圧電抵抗センサ、容量センサ、弾性抵抗センサ、エラストグラフィセンサ、及び/又は機械力を感知するように構成された他のタイプのセンサ素子を含んでよい、1つ又は複数の機械力センサ332を含む。1つ又は複数の機械力センサ332は、1つ又は複数の引張メトリック(例えば、引張強さ、動的引張抵抗挙動、引張り力、又は別の張力メトリック)、圧縮メトリック(例えば、センサ配置を模した歯によるシミュレートされた咬合力、センサ配置を模した軟組織によるシミュレートされた触知力、1つ又は複数の変位若しくは変形基準に対する圧縮力、故障に対する圧縮力、又は別の圧縮力メトリック)、及び/又は押出ダイ混合物の機械力と相関するメトリック(例えば、密度メトリック)を測定するように構成されてよい。1つ又は複数の機械力センサ332は、評価中の材料を能動的に機械的に励起し、感知された応答を動的に評価するように構成された1つ又は複数のエラストグラフィセンサシステム又はセンサを備えてよい。
【0040】
[0044] 機械力センサ332のうちの1つ又は複数は、押出ダイ位置範囲336において押出ダイ混合物に選択可能に接触するように位置付けられ、構成されてよい。押出ダイ位置範囲336は、押出ダイ220の入口又はその近傍の位置から押出ダイ220の出口又はその近傍の位置まで延在する範囲内に位置してよい。追加的又は代替的に、機械力センサ332の1つ又は複数のセンサ素子は、自動後加工機器224の任意のアクセス可能な箇所又は位置であってよい後加工位置範囲338において押出ダイ混合物と選択可能に接触するように位置付けられ、構成されてもよい。所与の実施形態で使用される押出機械及び押出ダイの詳細に依存して、近傍位置は、10cm以下の範囲内の位置、5cm以下の範囲内の位置、又は1cm以下の範囲内の位置とみなしてよいことを理解されたい。
【0041】
[0045] 音波センサシステム340は、超音波撮像システムで使用されるものなどの、超音波送信機及び受信機又はトランシーバ構成要素を備えてよい1つ又は複数の音波センサ342を含む。1つ又は複数の音波センサ342は、音波を測定ターゲットに向け、測定ターゲットによって反射された音波を収集するための1つ又は複数の音響導波路構造を有するように構成されてよい。音波センサシステム340はまた、1つ又は複数の音波センサ342から受信された生データを処理して、SMICS204のMLP305に提供されるデジタル画像の形態にする音波画像処理電子回路344を含む。
【0042】
[0046] 1つ又は複数の音波センサ342は、押出ダイ位置範囲346において押出ダイ混合物に音を向け、押出ダイ混合物からの反射音を検出するように位置付けられ、構成されてよい。押出ダイ位置範囲346は、押出ダイ220の入口又はその近傍の位置から押出ダイ220の出口又はその近傍の位置まで延在する範囲内に位置してよい。追加的又は代替的に、1つ又は複数の音波センサ342は、自動後加工機器224の任意のアクセス可能な箇所又は位置であってよい後加工位置範囲348において押出ダイ混合物に音を向け、押出ダイ混合物からの反射音を検出するように位置付けられ、構成されてもよい。
【0043】
[0047] IFMサブシステム314は、1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された1つ又は複数のセンサ(例えば、センサS1、S2、...Sn)を含む。押出プロセスパラメータは、好ましくは、押出ダイ混合物の流量、押出ダイ混合物の流圧、押出ダイ混合物の温度、及び押出ダイ混合物の含水率又は特性のうちの1つ又は複数を含んでよい。押出プロセスパラメータは、追加的又は代替的に、そのような押出プロセスパラメータの高次インジケータを含んでもよい。1つ又は複数のモータ動作パラメータ(例えば、モータトルク、消費電力、モータ電流、及びモータ電圧)が、前述の押出プロセスパラメータ、例えば、押出ダイ混合物の流量又は流圧のうちの1つ又は複数と相関されてよい。押出機の1つ又は複数の位置における圧力及び温度、1つ又は複数の温度制御ループの熱出力負荷、冷却ダイの温度、冷却ダイ熱交換器内の冷却流体の流量及び/又は温度変化が、前述の押出プロセスパラメータのうちの1つ又は複数、例えば、押出ダイ混合物の温度と相関されてよい。水及び油の流量並びに乾燥供給原料の供給速度を含む押出機供給からの測定値が、前述の押出プロセスパラメータのうちの1つ又は複数、例えば、押出ダイ混合物の流量又は押出ダイ混合物の含水率若しくは特性と相関されてよい。乾燥供給原料の含水率の測定値及び/又は加工ラインに沿った混合物の水分測定値が、前述の押出プロセスパラメータのうちの1つ又は複数、例えば、押出ダイ混合物の含水率又は特性と相関されてよい。タンパク質変性及び架橋の程度を示す分析又は粘弾性挙動の分析などの製品特徴に関連するオンライン又はオフラインで得られる更なる測定値も、前述の押出プロセスパラメータのうちの1つ又は複数と相関されてよい。
【0044】
[0048] 1つ又は複数のセンサは、押出ダイ位置範囲356において1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように位置付けられ、構成されてよい。押出ダイ位置範囲356は、押出ダイ220の入口又はその近傍の位置から押出ダイ220の出口又はその近傍の位置まで延在する範囲内に位置してよい。追加的又は代替的に、1つ又は複数のセンサは、自動後加工機器224の任意のアクセス可能な箇所又は位置からのセンサ読取り値を提供するように位置付けられ、構成されてもよい。IFMサブシステム314はまた、1つ又は複数のセンサから受信された生データをSMICS204のMLP305への入力として使用するのに好適な形態へと調節及び処理する、入力/出力(I/O)及び信号処理ユニット350を含む。
【0045】
[0049] SMICS204は、押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成された直接繊維性質測定(DFM)サブシステム、及び押出ダイ混合物に関連する1つ又は複数のプロセスパラメータを測定するように構成された間接繊維性質測定(IFM)サブシステムのうちの少なくとも1つと動作的に結合され、かつ、押出ダイ混合物及びそれから生産される結果として得られる肉代替製品226を修正するのに有効である、1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ及び1つ又は複数のプロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するように構成された監視機械知能制御システムの一例であることを理解されたい。
【0046】
[0050] 例示的な実装形態300において、MLP305は、DFMサブシステム312から受信された1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ、及びIFMサブシステム314から受信された1つ又は複数の押出プロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して、1つ又は複数のプロセス設定調整若しくは修正(PSA)310及び/又は1つ又は複数の原料調整若しくは修正(IA)306を決定するように構成される。PSA310及び/又はIA306は、EPCS203に提供され、制御動作を行う際に利用され、押出ダイ混合物及びそれから生産される結果として得られる代替肉製品226の物理的及び審美的特性を修正するのに有効である。例えば、PSA310及び/又はIA306は、原料206、プロセス設定210、及び/又は後プロセス設定211を調整又は修正するために、EPCSによって使用されてよい。
【0047】
[0051] MLP305は、オペレータから所望の製品データ入力を受信し、DFMサブシステム及びIFMサブシステムのうちの少なくとも1つからフィードバック入力を受信し、複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数と所望の製品データ入力との間の1つ又は複数の制御関係を特定するために機械学習アルゴリズム若しくはプロセスを実行し、1つ又は複数の制御関係を利用して複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するために、SMICS構成要素によって実装されるプロセスの一例である。
【0048】
[0052] 上述したように、MLP305は、DFMサブシステム312及びIFMサブシステム314の両方のうちの一方からフィードバック入力を受信する。DFMサブシステム312から受信されたフィードバック入力は、押出ダイ混合物のデジタル画像を含んでよい。MLP305は、デジタル画像自体を物理的繊維性質パラメータのうちの少なくとも1つとして利用し、扱ってよい。追加的又は代替的に、MLP305又はSMICSの別の処理構成要素は、押出ダイ混合物の画像から物理的繊維性質パラメータのうちの1つ又は複数を決定するためにデジタル画像を更に処理するように構成されてもよい。物理的繊維性質パラメータを決定するために押出ダイ混合物の画像をそのように更に処理することは、繊維サイズメトリック、繊維配向メトリック、繊維配列メトリック、繊維交絡メトリック、繊維間距離メトリック、捻れ力メトリック、(前述のメトリックのうちの1つ又は複数から計算又は導出されてよい)密度メトリック、並びに繊維内又は繊維間マトリックス内の空気又は気体の気泡形成の存在、程度、及び特性、例えば、単位面積又は単位体積当たりの気泡数、及び平均気泡サイズ(例えば、直径、半径、体積等)、及び/又は気泡頻度を示すメトリックのうちの1つ又は複数を決定するための処理を含んでよい。そのようなメトリックは、例えば、図2に関連して説明した例にしたがって定義されてよい。
【0049】
[0053] MLP305はまた、他のプロセスセンサ(OPS)399からもフィードバック入力を受信してよく、OPS399は、例えば、原料水分又は湿度センサ、原料供給速度センサ、プロセス流量センサ、プロセス流圧センサ、プロセス温度センサ、プロセス湿度又は水分センサ、及びシステム200によって行われるプロセスの他の態様を測定するために設けられた他のタイプのセンサであってよい。MLP305は、その機械学習プロセスにおいて、DFMサブシステム312及び/又はIFMサブシステム314からの入力並びにOPS399からの入力を利用してよい。特定の実施形態では、DFMサブシステム312及び/又はIFMサブシステム314からの入力は、好ましくは、MLP305によって行われる機械学習プロセスをガイドする又は強いるために、他の入力よりも優先されるか又は重み付けされる。特定の好ましい実施形態では、これは、MLP305によって行われる機械学習プロセスの有効性を有利なことに加速し、改善すると考えられる。
【0050】
[0054] MLP305は、DFMサブシステム312及び/又はIFMサブシステム314からの入力並びにOPS399からの様々な入力の組合せを利用してよい。OPS399からの入力は、モータ動作パラメータ(例えば、モータトルク、消費電力、モータ電流、及びモータ電圧)、押出機の異なる位置からの圧力及び温度測定値、温度制御ループの熱出力負荷、冷却ダイからの温度測定値、冷却ダイ熱交換器における冷却流体の流量及び温度変化、水及び油の流量や乾燥供給原料の供給速度を含む押出機供給からの測定値並びに利用可能なときは乾燥供給原料の含水率のインジケーション、加工ラインに沿った混合物の水分測定値、タンパク質変性及び架橋の程度を示す分析又は粘弾性挙動の分析などの製品特徴に関連するオンライン又はオフラインで得られる測定値、及び/又はOPS399からの他の入力を含んでよい。
【0051】
[0055] MLP305は、いくつかの目的のために制御モデル又は他の制御構成要素を生成、維持、及び更新するために利用されてよい。特定の実施形態では、MLP305に関連付けられた制御モデル又は他の制御構成要素は、正常動作状態からのプロセスの動作状態の偏移及び異常を検出し、検出された偏移及び異常の根本原因を確立し、プロセスを正常動作状態に戻すための制御アクションを提供し(直接実行又はオペレータへの提案のいずれか)、より高い生産速度、改善された製品品質、改善された動作安定性を含むがこれらに限定されない基準に基づいて、現在の動作状態よりも望ましい新しい動作状態を決定し、例えば、遷移のための最小時間又は仕様外製品の最小量を含む条件を満たしながら動作状態をある状態から別の状態に遷移させるための制御アクションを提供してよい。
【0052】
[0056] 特定の実施形態では、MLP305に関連付けられた制御モデル又は他の制御構成要素は、タンパク質変性及び調理/架橋の程度を加工された混合物の滞留時間及び押出機への熱エネルギー入力並びに押出機内の推定温度レベルに関連させる数学モデルを利用し、供給速度によって補償されるモータトルク及びモータ消費電力を加工された混合物の粘度に関連させる数学モデルを利用してよい。特定の実施形態では、MLP305に関連付けられた制御モデル又は他の制御構成要素は、繊維配向の程度、繊維長、又は気泡若しくは溶融領域の存在などの製品バルク特性を、プロセス混合物流量によって補償されるダイ入口におけるプロセス混合物温度と冷却速度とに基づいて決定されるダイ内の推定温度プロファイル及びタンパク質変性の速度に関連させる数学モデルを利用してよい。特定の実施形態では、MLP305に関連付けられた制御モデル又は他の制御構成要素は、前述の数学モデルのうちの1つ又は複数及び1つ又は複数の追加モデルを含む、組み合わせた数学モデルを利用してよい。
【0053】
[0057] 図4を参照すると、システム200の複数のプロセス動作に対する感知サブシステム225の例示的な実装形態400の特定の態様を示す概略図が例示されている。システム200の例示されたプロセス動作は、押出プロセス機械(例えば、押出プロセス機械212)を用いて行われるプロセス動作の例であるプロセス動作P~Pを含む。プロセス動作Pは、原料添加I(例えば、原料206のうちの1つ又は複数の添加)を含み、1つ又は複数のプロセス設定(例えば、プロセス設定210のうちの1つ又は複数)を使用して決定される1つ又は複数のプロセス制御入力Cによって制御される。プロセス動作Pは、他のプロセス入力(例えば、OPS入力399)を提供するように構成されたプロセスセンサの例である1つ又は複数のセンサS1a...S1nによってモニタリングされる。1つ又は複数のセンサS1a...S1nは、連続的なセンサ出力又は離散的なセンサ出力を提供するように構成されてよい。同様に、プロセス制御入力Cは、連続的な制御入力又は離散的な制御入力として決定され、提供されてよい。
【0054】
[0058] プロセス動作Pnは、原料添加I(例えば、原料206のうちの1つ又は複数の添加)を含み、1つ又は複数のプロセス設定(例えば、プロセス設定210のうちの1つ又は複数の追加)を使用して決定されてよい1つ又は複数のプロセス制御入力Cによって制御される。プロセス動作Pは、他のプロセス入力(例えば、OPS入力399)を提供するように構成されたプロセスセンサの例である1つ又は複数のセンサSna...Snnによってモニタリングされる。表記「n」によって示されているとき、実装形態400は、図4に例示されていない複数の追加のプロセス動作を更に含む場合がある。1つ又は複数のセンサSna...Snnは、連続的なセンサ出力又は離散的なセンサ出力を提供するように構成されてよい。同様に、プロセス制御入力Cは、連続的な制御入力又は離散的な制御入力として決定され、提供されてよい。
【0055】
[0059] システム200の例示されたプロセス動作は、自動後加工機器(例えば、自動後加工機器224)を用いて行われるプロセス動作の例である後加工動作Pppを含む。後加工動作Pppは、1つ又は複数の後プロセス設定(例えば、後プロセス設定211のうちの1つ又は複数)を使用して決定される1つ又は複数の後加工制御入力Cppによって制御される。後プロセス動作Pppは、他のプロセス入力(例えば、OPS入力399)を提供するように構成されたプロセスセンサの例である1つ又は複数のセンサSppa...Sppnによってモニタリングされる。1つ又は複数のセンサSppa...Sppnは、連続的なセンサ出力又は離散的なセンサ出力を提供するように構成されてよい。同様に、1つ又は複数の後加工制御入力Cppは、連続的な制御入力又は離散的な制御入力として決定され、提供されてよい。
【0056】
[0060] 実装形態400は、直接繊維性質測定(DFM)サブシステム及び間接繊維性質測定(IFM)サブシステム(例えば、DFM312及び/又はIFM314)の一方又は両方を含み、これらの各々又は両方は、押出ダイ220に関連付けられた1つ又は複数のプロセス動作又は後加工動作Pppを測定するように構成されてよい。DFM及び/又はIFMサブシステムは、属性及び特徴を含み、それぞれDFM312及び/又はIFM314にしたがって構成され、実装されてよい。したがって、実装形態400は、DFM及び/又はIFMからの入力並びに他のプロセスセンサからの入力を、監視機械知能制御システムの機械学習構成要素(例えば、SMICS204のMLP305)に提供するように構成された実装形態の一例であることを理解されたい。
【0057】
[0061] システム200、実装形態300、及び/又は実装形態400は、本開示に係るいくつかの方法を実施する際に利用されてよいことを理解されたい。1つの例示的な方法は、代替肉製品(例えば、代替肉製品226)を生産するように(実装形態300、実装形態400、及び/又は他の実装形態に係る)システム200を動作させることを備える。1つの例示的な方法は、代替肉製品のレシピを決定するように(実装形態300、実装形態400、及び/又は他の実装形態に係る)システム200を動作させることを備える。1つの例示的な方法は、代替肉製品の審美的及び物理的特性を制御又は最適化するように(実装形態300、実装形態400、及び/又は他の実装形態に係る)システム200を動作させることを備える。
【0058】
[0062] 図5を参照すると、図2のシステム又は代替タンパク質ベースの代替肉を生産するための別の例示的なシステムに関連して実装又は利用されてよい制御システム500の例示的な実装形態の特定の態様を示す概略図が例示されている。制御システム500は、オンライン制御装置510及び被制御システム530を含む。オンライン制御装置510は、製品特徴コントローラ512及びメルトコントローラ(melt controller)514を含む。オンライン制御装置510は、EPCS203又は別の電子プロセス制御システムの構成要素の一部又は全部を備えてよく、追加的又は代替的に、SMICS204又は他の監視機械知能制御システムの構成要素の一部又は全部を備えてもよい。被制御システム530は、湿式押出プロセス機械212又は別の湿式プロセス押出機械の制御可能構成要素の一部又は全部を備えてよい、材料前加工、押出機、及び押出ダイ冷却構成要素532(構成要素532と呼ぶときもある)と、自動後加工機器224又は他の後加工機器の構成要素の一部又は全部を備えてよい、後加工構成要素534とを含む。
【0059】
[0063] 制御システム500は、メルトコントローラ514及び構成要素532を含む内側フィードバックループと、製品特徴コントローラ512及び後加工構成要素534を含む外側フィードバックループとを備える階層的多層閉ループ形態で構成される。内側フィードバックループにおいて、メルトコントローラ514は、プロセス制御出力523を構成要素532に提供し、プロセス測定フィードバック522が、構成要素532からメルトコントローラ514に提供される。外側フィードバックループにおいて、製品特徴コントローラ512は、メルト特徴基準513をメルトコントローラ514に提供し、後加工基準515を後加工構成要素534に提供する。製品特徴コントローラ512はまた、DPFI302又は他の製品特徴基準を備えてよい製品特徴基準502を受信する。製品特徴コントローラ512はまた、構成要素532を通過する押出物533の測定値又は感知された特性(そのような測定値又は感知された特性は、押出物が押出ダイに入る前から押出物が押出ダイを出る後まで延在する範囲にわたってありうる)、後加工構成要素534内の1つ又は複数の箇所又は位置における後加工済み製品、及び/又は最終的な代替肉製品226に関する製品特徴測定値を受信する。
【0060】
[0064] メルトコントローラ514は、好ましくは、粘度及び弾性ひずみなど、押出プロセスメルトの流動学的特徴を調節するように構成され、そのように動作可能である。そのようなメルト特徴の制御は、押出機の妨害されない動作並びに最終製品の品質及び特徴を提供するのに有用であってよい。そのようなメルト特徴は、自然由来の製品における避けられない多くの場合未知の変動、又は材料準備及び貯蔵の異なる環境条件から生じる、投入されたタンパク粉末の変動する特性などの、システムにおけるいくつかの起こりうる外乱及び変動に敏感であり、それらによって影響を受ける場合がある。そのため、メルトコントローラ514は、押出機の目詰まり、押出物の不十分な物理的一貫性、又は不十分な繊維生成などの状況を回避するように構成される。
【0061】
[0065] メルトコントローラ514は、感知サブシステム225又は他の感知システム若しくは構成要素のうちの1つ又は複数によって提供される測定値などのシステム測定値から得られるメルト特徴の推定値を利用してよい。いくつかの形態では、そのような測定値は、ダイ後の押出物ではなくむしろ、1つ又は複数の前加工ステップで、押出機で、及び押出ダイの初めで排他的に又は主に収集されてよい。この技法は、押出ダイが、著しい輸送遅延を導入する場合がある、大部分が受動的な要素(全体的な冷却速度のみが制御可能であり又は調節される)を備える実施形態において好ましい場合がある。プロセス制御出力523は、押出機スクリュー速度、投入流量、及び押出ゾーンの温度設定点などの、押出システムアクチュエータのためのコマンド、変数、又は他の制御パラメータを備えてよい。いくつかの形態では、押出ダイ開口部の動的開口制御も企図される。
【0062】
[0066] 更に、機械学習構成要素又はモデルによって特定されてよい動的システムモデルと、機械学習構成要素又はモデルによって特定されてよいプロセス測定値とメルト特徴との間の関数関係とに基づいて、多変数制御問題及び解法が決定されてよいことが企図される。このような多変数制御問題及び解法は、いくつかの形態をとってよい。例えば、システムが弱く結合されている場合、適切な補償機構を有する古典的な単一入力単一出力制御を利用することができる。システム変数が強く結合されている場合、線形二次レギュレータ又はモデル予測制御などの方法を利用することができる。
【0063】
[0067] 次に、いくつかの例示的な実施形態について更に説明する。第1の例示的な実施形態は、システムであり、本システムは、タンパク粉末、油、及び水を含む複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイに搬送するように構成された湿式押出プロセス機械と、押出ダイに押し込まれ、通過し、押出ダイから吐出される押出ダイ混合物を生産するのに有効な複数のプロセス設定を使用して湿式押出機械を制御するように構成された電子プロセス制御システム(EPCS)とを備える。本システムは、押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成された直接繊維性質測定(DFM)サブシステムと、押出ダイ混合物に関連する1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された間接繊維性質測定(IFM)サブシステムとのうちの少なくとも1つと動作的に結合された監視機械知能制御システム(SMICS)を備える。SMICSは、1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ及び1つ又は複数の押出プロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して、複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するように構成されている。
【0064】
[0068] 第2の例示的な実施形態は、第1の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、DFMサブシステムは、光センサシステム、機械力センサシステム、及び音波センサシステムのうちの1つ又は複数を備える。
【0065】
[0069] 第3の例示的な実施形態は、第2の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、DFMサブシステムは、少なくとも光センサシステムを備え、光センサシステムは、押出ダイ混合物のデジタル画像を生成し、デジタル画像をSMICSに提供するように構成されている。
【0066】
[0070] 第4の例示的な実施形態は、第2の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、DFMサブシステムは、少なくとも音波センサシステムを備え、音波センサシステムは、押出ダイ混合物のデジタル画像を生成し、デジタル画像をSMICSに提供するように構成されている。
【0067】
[0071] 第5の例示的な実施形態は、第3の例示的な実施形態又は第4の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、SMICSは、押出ダイ混合物の画像から物理的繊維性質パラメータを決定するためにデジタル画像を更に処理するように構成されている。
【0068】
[0072] 第6の例示的な実施形態は、第5の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、物理的繊維性質パラメータは、押出ダイ混合物の画像を処理することから決定される、繊維サイズメトリック、繊維配向メトリック、繊維配列メトリック、繊維交絡メトリック、繊維間距離メトリック、捻れ力メトリック、及び密度のうちの1つ又は複数を備える。
【0069】
[0073] 第7の例示的な実施形態は、第3の例示的な実施形態又は第4の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、SMICSは、デジタル画像を物理的繊維性質パラメータのうちの少なくとも1つとして利用するように構成されている。
【0070】
[0074] 第8の例示的な実施形態は、第2の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、DFMサブシステムは、少なくとも機械力センサシステムを備え、機械力センサシステムは、押出ダイ混合物の張力メトリック、圧縮力メトリック、捻れ力メトリック、及び密度メトリックのうちの1つ又は複数を測定するように構成されている。
【0071】
[0075] 第9の例示的な実施形態は、第2の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、DFMサブシステムは、光センサシステム、機械力センサシステム、及び音波センサシステムのうちの2つ以上を備える。
【0072】
[0076] 第10の例示的な実施形態は、第1~第9の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、IFMサブシステムは、1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された1つ又は複数のセンサを含む。
【0073】
[0077] 第11の例示的な実施形態は、第10の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、1つ又は複数の押出プロセスパラメータは、押出ダイ混合物の流量、押出ダイ混合物の流圧、押出ダイ混合物の温度、及び押出ダイ混合物の含水率若しくは特性のうちの1つ又は複数を備える。
【0074】
[0078] 第12の例示的な実施形態は、第1~第11の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、SMICSは、オペレータから所望の製品データ入力を受信することと、DFMサブシステム及びIFMサブシステムのうちの少なくとも1つからフィードバック入力を受信することと、複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数と所望の製品データ入力との間の1つ又は複数の制御関係を特定するために機械学習アルゴリズムを実行することと、複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するために1つ又は複数の制御関係を利用することと、を含む、機械学習プロセスなどの機械知能プロセスを行うように構成されている。第12の例示的な実施形態の特定の形態では、他の機械意思決定、計算エンジン、又は他の機械知能構成要素、例えば、古典的制御、モデル予測制御、PID制御、多変数制御、最適化ベースの制御のうちの1つ又は複数などが、機械学習アルゴリズムに加えて又はその代替として使用されてよい。
【0075】
[0079] 第13の例示的な実施形態は、第12の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、教師あり学習アルゴリズム、及び強化学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを備える。
【0076】
[0080] 第14の例示的な実施形態は、第1~第13の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、湿式押出機械は、全長に沿って延在する押出通路に回転可能に配設された少なくとも1つのモータ駆動スクリューと、押出通路にタンパク粉末を導入するように構成された粉末供給機と、押出通路に水を添加するように構成された水供給機と、押出通路に油を添加するように構成された油供給機と、スクリュー押出機に結合され、かつ押出通路の全長に沿った1つ又は複数の位置を選択可能に加熱するように構成された加熱システムと、を備える。
【0077】
[0081] 第15の例示的な実施形態は、第1~第14の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、EPCS及びSMICSのうちの少なくとも1つの1つ又は複数の構成要素は、階層的多層閉ループ制御システムの構成要素を備える。
【0078】
[0082] 第16の例示的な実施形態は、第15の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、階層的多層閉ループ制御システムは、メルトコントローラを含む内側フィードバックループと、製品特徴コントローラを含む外側フィードバックループとを含む。
【0079】
[0083] 第17の例示的な実施形態は、第16の例示的な実施形態の特徴を備えるシステムであり、内側フィードバックループにおいて、メルトコントローラは、1つ又は複数の押出システム構成要素にプロセス制御出力を提供し、押出システムに関連付けられた1つ又は複数の感知システムからプロセス測定フィードバックを受信する。
【0080】
[0084] 第18の例示的な実施形態は、第1~第17の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、外側フィードバックループにおいて、製品特徴コントローラは、メルトコントローラにメルト特徴基準を提供し、1つ又は複数の後加工システム構成要素に後加工基準を提供する。
【0081】
[0085] 第19の例示的な実施形態は、第1~第18の例示的な実施形態のいずれかの特徴を備えるシステムであり、SMICSは、DFMサブシステム及びIFMサブシステムの両方から入力を受信し、これらの入力を、特定の形態では深層学習アルゴリズム、教師あり学習アルゴリズム、及び強化学習アルゴリズムのうちの1つ又は複数を備えてよい、機械学習プロセスにおいて利用する。
【0082】
[0086] 第20の例示的な実施形態は、代替肉製品を生産することと、代替肉製品レシピを決定することと、代替肉製品の審美的及び物理的特性を制御することとのうちの少なくとも1つを行うように、第1~第19の例示的な実施形態のいずれかのシステムを動作させることを備える方法である。
【0083】
[0087] 第21の例示的な実施形態は、押出ダイ混合物の1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータを直接測定するように構成された直接繊維性質測定(DFM)サブシステムと、押出ダイ混合物に関連する1つ又は複数の押出プロセスパラメータを測定するように構成された間接繊維性質測定(IFM)サブシステムとのうちの少なくとも1つと動作的に結合された監視機械知能制御システム(SMICS)を備える装置である。SMICSは、1つ又は複数の物理的繊維性質パラメータ及び1つ又は複数の押出プロセスパラメータのうちの少なくとも1つに応答して、複数のプロセス設定のうちの1つ又は複数を修正するように構成されている。
【0084】
[0088] 第22の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含む装置であり、SMICSは、湿式押出プロセス機械と組み合わせて提供される。
【0085】
[0089] 第23の例示的な実施形態は、第22の例示的な実施形態の特徴を含む装置であり、湿式押出プロセス機械は、タンパク粉末、油、及び水を含む複数の原料を受け取り、混合し、押出ダイに搬送するように構成されている。
【0086】
[0090] 第24の例示的な実施形態は、第21~第22の例示的な実施形態のいずれかの特徴を含む装置であり、SMICSは、電子プロセス制御システム(EPCS)と組み合わせて提供される。
【0087】
[0091] 第25の例示的な実施形態は、第24の例示的な実施形態の特徴を含む装置であり、EPCSは、押出ダイに押し込まれ、通過し、押出ダイから吐出される押出ダイ混合物を生産するのに有効な複数のプロセス設定を使用して湿式押出機械を制御するように構成されている。
【0088】
[0092] 第26の例示的な実施形態は、代替肉製品を生産することと、代替肉製品レシピを決定することと、代替肉製品の審美的及び物理的特性を制御することとのうちの少なくとも1つを行うように、第21~第25の例示的な実施形態のいずれかの装置を動作させることを備える方法である。
【0089】
[0093] 本開示の例示的な実施形態について、図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明してきたが、これらは例示的なものであって特徴を限定するものではないと考えられるべきであり、特定の例示的な実施形態のみについて図示及び説明したこと、並びに請求項に記載の発明の要旨の範囲内に入るすべての変更及び修正が保護されることが望ましいことが理解される。上記の説明で利用された「好ましい」、「好ましくは」、「好まれる」、又は「より好ましい」などの語の使用は、そのように記載された特徴がより望ましい場合があることを示しているが、それにもかかわらずそれが必要でない場合があり、それを欠く実施形態が、以下に続く特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲内にあるものとして企図することができることを理解されたい。特許請求の範囲を読む際に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの」、又は「少なくとも一部分」などの語を使用しているとき、請求項中にそうでないことが明記されていない限り、請求項を1つの項目のみに限定する意図はないことが意図される。「少なくとも一部分」及び/又は「一部分」という文言を使用するとき、その項目は、そうでないことが明記されていない限り、その項目の一部分及び/又は全体を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】