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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】介入手術ロボットスレーブ装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20230726BHJP
   A61M 25/08 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
A61B34/35
A61M25/08 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555857
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2022102921
(87)【国際公開番号】W WO2023280049
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202110759048.0
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111009735.7
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110759062.0
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111009755.4
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】321004231
【氏名又は名称】深▲せん▼市愛博医療機器人有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】欧 永紅
(72)【発明者】
【氏名】任 文永
【テーマコード(参考)】
4C130
4C267
【Fターム(参考)】
4C130AA33
4C130AB02
4C130AC02
4C267AA05
4C267AA32
4C267CC08
4C267EE01
(57)【要約】
本出願は介入手術ロボットスレーブ装置を開示し、本体、及び本体に装着されたフロントグリッパ、第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構を含み、第1ガイドワイヤが第2導管を貫通し、第2導管が第1導管を貫通して、第3駆動機構、第2駆動機構及び第1駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿って所定位置まで運動した後、第1導管、第2導管、及び第1ガイドワイヤを第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構からそれぞれ取り外し、代わりとして、フロントグリッパ、第2駆動機構は、運動させないように第1導管、第2導管を挟持し、第3導管が第2導管を貫通し、第2ガイドワイヤが第3導管を貫通して、第2駆動機構、第3駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿って運動する。制御精度がより高くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、本体に順に装着された第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構、及び第1駆動機構に近接するフロントグリッパを含む介入手術ロボットスレーブ装置であって、
第1駆動機構は第1導管、第2導管を挟持して回動させ、第2駆動機構は第2導管、第3導管を挟持して回動させ、第3駆動機構は第1ガイドワイヤ、第2ガイドワイヤを挟持して回動させ、
第1ガイドワイヤが第2導管を貫通し、第2導管が第1導管を貫通して、第3駆動機構、第2駆動機構及び第1駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿ってフロントグリッパの方向へ所定位置まで運動した後、第1導管、第2導管、及び第1ガイドワイヤを第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構からそれぞれ取り外し、代わりとして、フロントグリッパ、第1駆動機構は第1導管、第2導管を挟持し、第3導管が第2導管を貫通し、第2ガイドワイヤが第3導管を貫通して、第2駆動機構、第3駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿ってフロントグリッパの方向へ運動する介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項2】
複数フロントグリッパをさらに含み、第1駆動機構により所定位置まで押された複数の第1導管が複数のフロントグリッパにそれぞれ挟持されることを特徴とする請求項1に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項3】
前記第2駆動機構は第1駆動機構と一緒に第1導管、第2導管を挟持して回動させることを特徴とする請求項1に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項4】
前記第2駆動機構は、第1導管、第2導管を挟持して回動させる第1ユニット、及び第2導管、第3導管を挟持して回動させる第2ユニットを含むことを特徴とする請求項3に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項5】
前記第2駆動機構の第1ユニットは、第1導管、第2導管に接続されたY弁を挟持することで、第1導管、第2導管を挟持して、Y弁ルアーコネクタを回動させ、これによって、第1導管、第2導管を回動させることを特徴とする請求項4に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項6】
前記第3駆動機構は第2駆動機構と一緒に、第2導管、第3導管を挟持して回動させることを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項7】
前記第3駆動機構は第2導管、第3導管を挟持して回動させる第1ユニット、及び第1ガイドワイヤ、第2ガイドワイヤを挟持して回動させる第2ユニットを含むことを特徴とする請求項6に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項8】
前記第3駆動機構の第1ユニットは第2導管、第3導管に接続されたY弁を挟持することで、第2導管、第3導管を挟持してY弁ルアーコネクタを回動させ、これによって、第2導管、第3導管を回動させることを特徴とする請求項7に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項9】
前記第2ユニットは介入手術ロボットスレーブガイドワイヤ導管捻り装置であることを特徴とする請求項7に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項10】
リアグリッパをさらに含み、前記第3駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第2ガイドワイヤを緩める時、前記リアグリッパは、運動させないように第2ガイドワイヤを挟持することを特徴とする請求項9に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項11】
前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは前記本体の前部及び後部にそれぞれ位置し、
前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは何れも前記本体に装着され、前記本体に対して移動可能であり、
又は、前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパのうちの一方は、前記本体に装着され、前記本体に対して移動可能であり、他方は前記本体と別体に装着され、
又は、前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは何れも前記本体と別体に装着されることを特徴とする請求項10に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項12】
本体に装着された第4駆動機構をさらに含み、前記第4駆動機構は前記第1駆動機構と一緒に、第1導管、第2導管を挟持して回動させることを特徴とする請求項1に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項13】
前記第1駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第1導管、第2導管を緩める時、前記第4駆動機構は、運動させないように第1導管、第2導管を挟持することを特徴とする請求項12に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項14】
前記第4駆動機構は第1駆動機構と第2駆動機構との間に位置することを特徴とする請求項12に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項15】
本体に装着された第5駆動機構をさらに含み、前記第5駆動機構は前記第2駆動機構と一緒に、第2導管、第3導管を挟持して回動させることを特徴とする請求項12に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項16】
前記第2駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第2導管、第3導管を緩める時、前記第5駆動機構は、運動させないように第2導管、第3導管を挟持することを特徴とする請求項15に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項17】
前記第5駆動機構は第2駆動機構と第3駆動機構との間に位置することを特徴とする請求項15に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項18】
前記第4駆動機構、第5駆動機構、前記第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構は同一軸方向に沿って運動することを特徴とする請求項15に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項19】
迅速交換機構又は同軸交換機構である交換機構をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【請求項20】
前記交換機構は前記第3駆動機構に取り外しに固定され、又は前記第3駆動機構と一体として設計されることを特徴とする請求項19に記載の介入手術ロボットスレーブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日が2021年07月05日であり、出願番号が202110759048.0である中国特許出願、出願日が2021年07月05日であり、出願番号が202110759062.0である中国特許出願、出願日が2021年08月31日であり、出願番号が202111009735.7である中国特許出願、及び出願日が2021年08月31日であり、出願番号が202111009755.4である中国特許出願という4つの中国特許出願の優先権を主張し、以上の4つの中国特許出願の全ての内容は本出願に援用される。
【0002】
本発明は医療ロボットの分野に関して、マスター/スレーブ式血管介入手術ロボットに適用され、特に介入手術ロボットスレーブ装置に関している。
【背景技術】
【0003】
低侵襲血管介入手術は、医者がデジタルサブトラクション血管造影撮影法(DSA)システムのガイドで、人体の血管内で運動させるように、導管ガイドワイヤを操作して制御し、病巣を治療し、奇形血管塞栓、血栓溶解、狭窄血管拡張などの目的を達成する。現在、介入手術治療は腫瘍、末梢血管、大血管、消化管疾患、神経系、非血管などの何百もの病気の診断・治療において重要な作用を発揮し、介入手術治療の範囲には「頭から足先まで」の人体の全ての病気の治療が含まれると言えて、いくつかの病気の治療のための好適な解決策になった。介入手術は人体組織を切る必要がなく、その切欠き(穿刺点)はただ米1粒くらいの大きさであり、過去、治療できず、又は治癒効果が悪いいろんな病気を治療でき、手術がなく、外傷が少なく、回復が早く、治癒効果がよいなどの特徴点を具備し、国内外の医学界から大きな注目を集める。
【0004】
現在、低侵襲血管介入手術補助ロボットはハイエンド医療機器及びロボット技術に関しているため、迅速に発展している。我々も研究開発に投資している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解决しようとする技術問題は、介入手術を行うように、医者を補助する介入手術ロボットスレーブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解决するために、本発明は介入手術ロボットスレーブ装置を提供し、本体、本体に順に装着された第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構、及び第1駆動機構に近接するフロントグリッパを含み、
第1駆動機構は第1導管、第2導管を挟持して回動させ、第2駆動機構は第2導管、第3導管を挟持して回動させ、第3駆動機構は第1ガイドワイヤ、第2ガイドワイヤを挟持して回動させ、
第1ガイドワイヤが第2導管を貫通し、第2導管が第1導管を貫通して、第3駆動機構、第2駆動機構及び第1駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿ってフロントグリッパの方向へ所定位置まで運動した後、第1導管、第2導管、及び第1ガイドワイヤを第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構からそれぞれ取り外し、代わりとして、フロントグリッパ、第1駆動機構は第1導管、第2導管を挟持し、第3導管が第2導管を貫通し、第2ガイドワイヤが第3導管を貫通して、第2駆動機構、第3駆動機構にそれぞれ挟持されるとともに、前記本体で同一軸方向に沿ってフロントグリッパの方向へ運動する。
【0007】
さらに、前記介入手術ロボットスレーブ装置は複数のフロントグリッパをさらに含み、第1駆動機構により所定位置まで押された複数の第1導管が複数のフロントグリッパにそれぞれ挟持される。
【0008】
さらに、前記第2駆動機構は第1駆動機構と一緒に第1導管、第2導管を挟持して回動させる。
【0009】
さらに、前記第2駆動機構は第1導管、第2導管を挟持して回動させる第1ユニット、及び第2導管、第3導管を挟持して回動させる第2ユニットを含む。
【0010】
さらに、前記第2駆動機構の第1ユニットは、第1導管、第2導管に接続されたY弁を挟持することで、第1導管、第2導管を挟持して、Y弁ルアーコネクタを回動させ、これによって、第1導管、第2導管を回動させる。
【0011】
さらに、前記第3駆動機構は第2駆動機構と一緒に、第2導管、第3導管を挟持して回動させる。
【0012】
さらに、前記第3駆動機構は第2導管、第3導管を挟持して回動させる第1ユニット、及び第1ガイドワイヤ、第2ガイドワイヤを挟持して回動させる第2ユニットを含む。
【0013】
さらに、前記第3駆動機構の第1ユニットは第2導管、第3導管に接続されたY弁を挟持することで、第2導管、第3導管を挟持してY弁ルアーコネクタを回動させ、これによって、第2導管、第3導管を回動させる。
【0014】
さらに、前記第2ユニットは介入手術ロボットスレーブガイドワイヤ導管捻り装置である。
【0015】
さらに、前記介入手術ロボットスレーブ装置はリアグリッパをさらに含み、前記第3駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第2ガイドワイヤを緩める時、前記リアグリッパは、運動させないように第2ガイドワイヤを挟持する。
【0016】
さらに、前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは前記本体の前部及び後部にそれぞれ位置し、
前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは何れも前記本体に装着され、前記本体に対して移動可能であり、
又は、前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパのうちの一方は、前記本体に装着され、前記本体に対して移動可能であり、他方は前記本体と別体に装着され、
又は、前記フロントグリッパ及び前記リアグリッパは何れも前記本体と別体に装着される。
【0017】
さらに、前記介入手術ロボットスレーブ装置は本体に装着された第4駆動機構をさらに含み、前記第4駆動機構は前記第1駆動機構と一緒に、第1導管、第2導管を挟持して回動させる。
【0018】
さらに、前記第1駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第1導管、第2導管を緩める時、前記第4駆動機構は、運動させないように第1導管、第2導管を挟持する。
【0019】
さらに、前記第4駆動機構は第1駆動機構と第2駆動機構との間に位置する。
【0020】
さらに、前記介入手術ロボットスレーブ装置は本体に装着された第5駆動機構をさらに含み、前記第5駆動機構は前記第2駆動機構と一緒に、第2導管、第3導管を挟持して回動させる。
【0021】
さらに、前記第2駆動機構が極限位置まで運動し、復帰しようとすると、第2導管、第3導管を緩める時、前記第5駆動機構は、運動させないように第2導管、第3導管を挟持する。
【0022】
さらに、前記第5駆動機構は第2駆動機構と第3駆動機構との間に位置する。
【0023】
さらに、前記第4駆動機構、第5駆動機構、前記第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構は同一軸方向に沿って運動する。
【0024】
さらに、前記介入手術ロボットスレーブ装置は、迅速交換機構又は同軸交換機構である交換機構をさらに含む。
【0025】
さらに、前記交換機構は前記第3駆動機構に取り外しに固定され、又は前記第3駆動機構と一体として設計される。
【発明の効果】
【0026】
本発明において、医者は、前記本体で同一軸方向に沿って運動させるように第1駆動機構、第2駆動機構及び第3駆動機構をリモートに操作して制御することで、複数の導管、複数のガイドワイヤを共同で所定位置まで運動させた後、導管、ガイドワイヤを取り替える時、フロントグリッパが、運動させないように第1導管を挟持し、これによって、X線放射による健康に対する影響を避け、ロボットの、導管、ガイドワイヤの運動に対する制御精度がより高く、より複雑な手術を実施し、作業強度を軽減し、大きなミスを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の介入手術ロボットスレーブ装置の第1実施例の模式図である。
図2図1の別の模式図である。
図3】本発明の介入手術ロボットスレーブ装置の第2実施例の模式図である。
図4図3の別の模式図である。
図5図3において2つの駆動機構を追加した模式図である。
図6図3において、2つの駆動機構のみが残るように、撤去された模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明が解决する技術問題、技術的解決策及び有益な効果をより分かりやすくするために、以下、図及び実施例を結合して、本発明をさらに詳しく説明する。ここで、記載された具体的な実施例は本発明を限定しておらず、ただ解釈するためのものである。
【0029】
本発明において、特に明示的な指定及び限定がない限り、「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語に対して広義的に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続又は一体接続、さらに相対運動可能な接続であってもよく、機械接続、電気接続であってもよく、直接連結、中間媒体による間接連結、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の、本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0030】
本発明の記載において、「長さ」、「直径」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」などの用語が指示した方位又は位置関係は、図示による方位又は位置関係であり、指示された装置又は素子が特定の方位を具備し、特定の方位で構造されて操作されなければならないと指示し又は暗示しておらず、ただ本発明を便利に記載し及び記載を簡略化するためのものであるため、本発明に対する限定ではない。
【0031】
本発明が使用した方向「遠」は、患者に向かう方向を指し、方向「近」は、患者から離れた方向を指す。「上」及び「上部」という用語は、重力方向から離反した一般的な方向を指し、「底部」、「下」及び「下部」という用語は重力の一般的な方向を指す。「前進」という用語は、ガイドワイヤ又は導管が変位して、手術病人の体に入る方向を指す。「後退」という用語は、ガイドワイヤ又は導管が変位して、手術病人の体を脱退する方向を指す。「内向き」という用語は、特徴の内部部分を指す。「外向き」という用語は、特徴の外面部分を指す。「回動」という用語は「正回動」及び「逆回動」を含み、「正回動」は、ガイドワイヤ又は導管が回転するように手術病人の体に入る方向を指し、「逆回動」は、ガイドワイヤ又は導管が回転するように手術病人の体を脱退する方向を指す。
【0032】
また、「第1」、「第2」などの用語は、相対的な重要性を指示し又は暗示し、或いは指示された技術特徴の数を暗黙的に指定しておらず、ただ記載するためのものである。従って、「第1」、「第2」などが限定された特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示又は暗黙的に含んでもよい。本発明の記載において、「多」又は「複数」の意味は2つ又は2つ以上である。
【0033】
最後、衝突しなければ、本発明の実施例及び実施例における各特徴を互いに結合でき、何れも本発明の保護範囲内に該当する。また、上記方法における全て又は一部のステップは、例えば1組のコンピュータが実行可能な命令を含むコンピュータシステムで実行されてもよく、前記ステップは1、2、3…という順序に従って挙げられたが、ある場合、ここと異なる順序に従って、示され又は記載されたステップを実行してもよい。
【0034】
ここで、ガイドワイヤはガイドワイヤ、マイクロガイドワイヤ及びホルダなどのガイド、支持類介入医療機器を含むが、これらに限定されず、導管はガイド導管、マイクロ導管、造影導管、多機能管(中間導管とも呼ばれる)、血栓溶解導管、バルーン拡張導管及びバルーン拡張ホルダ導管などの治療類介入医療機器を含むが、これらに限定されていない。
【0035】
図1及び図2に示すように、本発明の介入手術ロボットスレーブ装置の第1実施例は本体10、本体10に運動可能に装着された駆動機構12、14、16及びフロントグリッパ18、リアグリッパ(図示せず)を含む。
【0036】
前記本体10は細長状であり、線形ガイドレール102が設けられる。これらの駆動機構12、14、16は前記ガイドレール102に順次に固定され、ガイドレール102に沿って摺動できる。
【0037】
各駆動機構は導管又はガイドワイヤを挟持し、押し(前進及び後退を含む)及び回動させてもよく(正回動及び逆回動を含む)、導管、ガイドワイヤを同時に挟持し、押し(前進及び後退を含む)及び回動させてもよく(正回動及び逆回動を含む)、これによって、複数の導管、複数のガイドワイヤの共同運動を実現する。駆動機構12、14、16の具体的な構成は同様に限定されず、異なってもよく、導管、ガイドワイヤに対する挟持、押し及び/又は回動を実現すればよい。本実施例において、駆動機構14、16の具体的な構成は同様であり、駆動機構12の具体的な構成は異なっている。駆動機構14は、駆動機構12と協働し、同一導管を挟持して回動させる第1ユニット、及び別の導管を挟持して回動させる第2ユニットを含む。駆動機構16は、駆動機構14の第2ユニットと協働し、当該別の導管を挟持して回動させる第1ユニット、及びガイドワイヤを挟持して回動させる第2ユニットを含む。前記駆動機構16は駆動機構16の第1ユニットと協働する迅速交換機構162を含む。
【0038】
本実施例において、駆動機構12、駆動機構14、16の第2ユニットは、中国特許出願202110674959.3に記載の介入手術ロボットスレーブガイドワイヤ導管捻り装置であり、その全ての内容は本発明に援用される。
【0039】
フロントグリッパ18は前記本体10の前部に位置し、駆動機構12、14に近接する。リアグリッパは前記本体10の後部に位置し、具体的に、以下、リアグリッパ70に対する記載を参照すればよい。本実施例において、フロントグリッパ18及びリアグリッパは前記本体10に固定され、必要な場合、前記本体10に対して移動してもよい。他の実施例において、フロントグリッパ18及びリアグリッパは前記本体10と別体に装着されてもよい。
【0040】
手術準備時、医者は導管室に到着して術前準備を行う。適切(例えば長さ、直径)な第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを選択して、第1導管、第2導管に対して生理食塩水による洗浄、及び空気排出を行う。手動で第2導管を第1導管に貫通させ、第1導管から一定距離だけ張り出させ、第1ガイドワイヤを第2導管に貫通させ、第2導管から一定距離だけ張り出させ、例えば、第1ガイドワイヤの頭部が第2導管を約10cmほど超える。駆動機構12、14、16を合理的な位置に配置し、第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを、手術病人を貫通した穿刺シース(例えば大腿動脈、橈骨動脈又は他を貫通する)内に一緒に配置し、駆動機構12が駆動機構14の第1ユニットと協働して第1導管を挟持し、駆動機構14の第2ユニットが駆動機構16の第1ユニットと協働して第2導管を挟持し、駆動機構16の第2ユニットが第1ガイドワイヤを挟持し、これによって、第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤの固定を実現する。
【0041】
手術開始時、医者は導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台(例えば、中国特許出願202110654379.8に記載の介入手術ロボットマスター操作ハンドル及び202110649908.5に記載の介入手術ロボットマスター制御モジュールであり、その全ての内容は本発明に援用される)を使用して、運動させるように駆動機構12、14、16をリモートに操作する。具体的に、駆動機構12、14、16は協働して、ガイドレール102に沿って移動させるように第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを挟持することで、第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを前進させ、その同時又は非同時、駆動機構12、14、16は第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを回動させ、これによって、第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤを共同に前進させるように押す。この過程で、第2導管が第1導管から一定距離だけ張り出され、第1ガイドワイヤが第2導管から一定距離だけ張り出されるように、常に保持されなければならない。第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤが血管のある部位に到達した場合、マスター操作制御台を使用して、駆動機構12、14、16をリモートに操作して制御することで、第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤが前進、後退、正回動、逆回動を複数回行うように微調整する。
【0042】
本実施例において、駆動機構14、16の第1ユニットはY弁を使用して第1導管、第2導管をそれぞれ挟持する。即ち、第1導管、第2導管はY弁にそれぞれ接続され、Y弁は駆動機構14、16に固定され、駆動機構14、16の第1ユニットはY弁を挟持して、Y弁ルアーコネクタを回動させ、駆動機構12、駆動機構14の第2ユニットの協働によって、第1導管、第2導管を回動させる。
【0043】
第1導管が所定位置まで前進した後、医者は導管室に到着し、手動で第1導管を駆動機構12、駆動機構14の第1ユニットから取り外し、運動させないように、フロントグリッパ18によって挟持される。手動で第2導管を駆動機構14の第2ユニット、駆動機構16の第1ユニットから取り外し、駆動機構12、14をガイドレール102に沿って後退させるように、第2導管を挟持する。マスター操作制御台を使用して駆動機構16をリモートに操作して制御し、又は手動で第1ガイドワイヤを後退させ、穿刺シースまで後退させた場合、第1ガイドワイヤを駆動機構16の第2ユニットから取り出し、ヘパリン液に浸漬する。この過程で、第1導管の頭部が血管で移動することを避けるために、第1導管を押さない。
【0044】
駆動機構16を合理的な位置まで後退させる。より細い第3導管(例えば、マイクロ導管)及び第2ガイドワイヤ(0.014inのマイクロガイドワイヤ)を選択する。手動で第2ガイドワイヤを第3導管に貫通させるとともに、一緒に第2導管に貫通させ、第3導管、第2ガイドワイヤを駆動機構14の第2ユニット、駆動機構16の第1ユニット及び駆動機構16の第2ユニットにそれぞれ挟持することで、第3導管、第2ガイドワイヤの固定を実現する。本実施例において、第3導管はY弁に接続され、Y弁は駆動機構16に固定されるとともに、その第1ユニットによって挟持され、Y弁ルアーコネクタを回動させ、駆動機構14の第2ユニットの協働によって、第3導管を回動させる。第1導管を挟持するフロントグリッパ18も、Y弁ルアーコネクタを回動させることで、第1導管を回動させることができる。
【0045】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構12、14、16をリモートに操作して制御する。具体的な過程について、上記第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤの前進過程を参照すればよく、ここで、贅言していない。第2導管はさらに、より遠い血管箇所まで前進し、第3導管、第2ガイドワイヤをより遠い手術病人の病巣箇所まで押す(標的血管狭窄箇所とも呼ばれる)ように協力する。この過程で、フロントグリッパ18は第1導管を回動させるように駆動する必要があるかもしれない。造影して第2ガイドワイヤの位置を確認し、指定位置に到達すれば(一般的に、第2ガイドワイヤは手術病人の病巣を通過し、動脈瘤塞栓以外、治療できる)、フロントグリッパ18、及び駆動機構12、14、16は、運動させないように第1導管、第2導管、第3導管、第2ガイドワイヤをそれぞれ固定する。指定位置に到達しなければ、第2ガイドワイヤが指定位置に到達するまで、運動させるように駆動機構12、14、16をリモートに操作して制御するステップを繰り返す。
【0046】
第2ガイドワイヤが指定位置に到達した後、マスター操作制御台を使用して、駆動機構16をリモートに操作して制御し、第3導管を後退させるとともに、第2ガイドワイヤを運動させないように保持し、例えば、代わりとして、リアグリッパは、運動させないように第2ガイドワイヤを挟持する。第3導管の頭部が穿刺シースまで後退した場合、医者は導管室に到着し、手動で第3導管を駆動機構14、16から取り出し、ヘパリン液に浸漬する。この場合、代わりとして、駆動機構16が第2ガイドワイヤを挟持し、フロントグリッパ、駆動機構12、14、駆動機構16が、運動させないように第1導管、第2導管、第2ガイドワイヤをそれぞれ固定する。
【0047】
他の実施例において、フロントグリッパ18が、運動させないように第1導管を挟持する場合、マスター操作制御台を使用して、駆動機構12、14、16をリモートに操作して制御し、第2導管、第1ガイドワイヤを一緒に後退させる。第2導管、第1ガイドワイヤの頭部が穿刺シースまで後退した場合、医者は導管室に到着し、手動で第2導管、第1ガイドワイヤを駆動機構14、16から取り出し、ヘパリン液に浸漬する。そして、適切な2つの導管、1つのガイドワイヤを選択し、これらを繋ぎ合わせて第1導管に配置する。駆動機構12、14、16を合理的な位置に配置し、駆動機構12、14、16は協働して2つの導管、1つのガイドワイヤを挟持することで、2つの導管、1つのガイドワイヤの固定を実現する。後続の前進過程について、上記第1導管、第2導管及び第1ガイドワイヤの前進過程を参照すればよい。ここで、贅言していない。
【0048】
他の実施例において、前記本体10の前部には複数のフロントグリッパ18が設けられ、そうすれば、上記第1導管の押し過程は複数回行うことができる。導管が所定位置まで押された後、フロントグリッパ18によって当該導管を挟持する。
【0049】
医者は再び導管室に到着し、手動で第2ガイドワイヤの尾部を迅速交換バルーン拡張導管に貫通させ、迅速交換バルーン拡張導管は第2ガイドワイヤに沿って前進し、この場合、迅速交換機構162によって迅速交換バルーン拡張導管を挟持する。
【0050】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、迅速交換機構162をリモートに操作して制御することで、迅速交換バルーン拡張導管を手術病人の病巣箇所まで前進させる(第2ガイドワイヤの頭部を超えていない)。この過程で、第2ガイドワイヤの位置及び角度に常に注意し、必要な場合、すぐ正回動、逆回動、前進、後退によって微調整する。迅速交換バルーン拡張導管が手術病人の病巣箇所まで到達した場合、導管室内で迅速交換バルーン拡張導管に造影剤を充填して、事前拡張を行い、造影して血管拡張效果を確認する。血管拡張の效果に達した場合、迅速交換バルーン拡張導管内から造影剤を抽出する。医者は導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、穿刺シース箇所まで後退させるように、迅速交換機構162をリモートに操作して制御する。当該迅速交換バルーン拡張導管の後退過程で、第2ガイドワイヤの位置をそのまま保持する。ある手術に対して、複数回の血管拡張を必要とする可能性があるため、複数回の迅速交換バルーン拡張導管の前進及び後退過程がある。
【0051】
医者は再び導管室に到着し、手動で迅速交換バルーン拡張導管を迅速交換機構162から取り外してから、手動で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を第2ガイドワイヤに貫設して、迅速交換機構162に挟持し、具体的な過程について、上記迅速交換バルーン拡張導管を参照すればよく、贅言していない。
【0052】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、迅速交換機構162をリモートに操作して制御することで、第2ガイドワイヤに沿って、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を手術病人の病巣箇所(拡げられた血管狭窄箇所)まで押す。この過程で、第2ガイドワイヤの位置及び角度に常に注意し、必要な場合、すぐ正回動、逆回動、前進、後退によって微調整する。迅速交換バルーン拡張ホルダ導管が手術病人の病巣箇所(拡げられた血管箇所)に到達した場合、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管の位置を微調整し、決定した後、導管室内で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管に造影剤を充填し、ホルダを成形させる。造影して、バルーン拡張ホルダが正しく配置されたと確認した場合、造影剤を抽出し、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を穿刺シース箇所まで後退させるように、迅速交換機構162を操作して制御し、バルーン拡張ホルダは手術病人の病巣箇所に留まる。医者は導管室に到着し、手動で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を迅速交換機構162から取り出し、ヘパリン液に入れる。
【0053】
医者は再び導管室外部の作業台に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構12、14、16をリモートに操作して制御し、第2導管、第2ガイドワイヤを穿刺シース箇所まで後退させる。最後、医者は導管室に戻って、手動で第1導管を穿刺シース箇所まで引き出し、第1導管、第2導管、第2ガイドワイヤをフロントグリッパ18、駆動機構12、14、16から取り出し、ヘパリン液に入れて、そして、穿刺シースの引き抜き及び手術後処理を行い、手術を完成する。
【0054】
以上、迅速交換導管を使用するため、迅速交換機構162によって挟持、押し及び回動を行う。同軸交換導管であれば、第2ガイドワイヤの尾部を同軸交換導管に貫通させた後、同軸交換機構によって、同軸交換導管の挟持、押し及び回動を行い、同軸交換導管を第2ガイドワイヤに沿って適切な位置まで前進させ、又は穿刺シース箇所まで後退させる。迅速交換機構162でも、同軸交換機構でも、何れもローラ駆動方式で迅速交換導管及び同軸交換導管の挟持、押し及び回動を実現できる。
【0055】
マスター操作制御台が如何に、運動させるように駆動機構12、14、16及び迅速交換機構162をリモートに操作して制御するかということについて、中国特許出願202110649908.5に記載の介入手術ロボットマスター制御モジュールを参照すればよく、2つの操作レバーを含み、一方の操作レバーは駆動機構12、14及び迅速交換機構162を操作して制御し、当該操作レバーは切替装置によって、駆動機構12、14及び迅速交換機構162をタイムシェアリングで操作して制御し、他方の操作レバーは駆動機構16を操作して制御する。前記マスター操作制御台は、駆動機構12、14、16及び迅速交換機構162をそれぞれリモートに操作して制御するための2つ以上、例えば4つの操作レバーを含んでもよい。
【0056】
以上は、「バルーン拡張ホルダ成形手術」を例として、本発明の運動及び制御過程を説明する。実際、本発明は造影、塞栓、血栓除去などのいろんな手術にも適用されてもよい。手術の実際ニーズに応じて、医者が駆動機構12、14、16、フロントグリッパ18を自由に調整配置してもよく、つまり、駆動機構12、14、16、フロントグリッパ18は何れも容易に着脱される。より複雑な手術を実施する場合、より多くの駆動機構、フロントグリッパを追加配置してもよく、より多くの駆動機構、フロントグリッパを追加配置した後、複数の導管が1つのガイドワイヤに対応し、又は複数の導管が複数のガイドワイヤに対応する共同運動を実現でき、導管を常に挟持するそれぞれの駆動機構に対応して、何れも迅速交換機構が設けられ、駆動機構に取り外し可能に装着され、又は駆動機構と一体として構成される。簡単な検査手術を実施する場合、これらの駆動機構のうちの2つ、例えば駆動機構12、16(駆動機構12、14であってもよく、必要に応じて、駆動機構14には迅速交換機構が設けられる)、及びフロントグリッパ162のみを使用すれば、他の駆動機構を本体10から撤去する。
【0057】
以下、本発明において、駆動機構12、16及びフロントグリッパ162だけが2つの導管、1つのガイドワイヤを共同に押す制御過程を記載する。
手術準備時、血管病巣の位置に応じて、適切な直径及び長さを有する2つの導管(太いもの、細いもの)、2つのガイドワイヤ(太いもの、細いもの)を選択し、2つの導管に対して、生理食塩水による洗浄、及び空気排出を行う。介入手術ロボットを起動させ、初期化を完成する。手術病人に対して穿刺シースを配置する。手動で太いガイドワイヤを太い導管に貫通させ、太い導管から一定距離だけ張り出させ、それらを一緒に穿刺シース内に入れる。駆動機構12及び駆動機構16の第1ユニットが協働して太い導管(Y弁に接続される)を挟持し、駆動機構16の第2ユニットが太いガイドワイヤを挟持することで、太い導管、太いガイドワイヤの固定を実現する。
【0058】
手術開始時、医者は導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構12、16をリモートに操作する。太い導管、太いガイドワイヤをそれぞれ共同に血管狭窄箇所まで前進させる。過程について、上記「バルーン拡張ホルダ成形手術」を参照すればよい。太い導管、太いガイドワイヤの頭部を映像視線範囲内に保持する。この場合、医者は手動で太い導管を駆動機構12及び駆動機構16の第1ユニットから取り出し、運動させないように、フロントグリッパ18によって挟持される。この過程で、太い導管の頭部が血管で移動することを避けるために、太い導管を押さない。マスター操作制御台を使用して駆動機構16をリモートに操作して制御し、又は手動で太いガイドワイヤを穿刺シースまで後退した場合、太いガイドワイヤを駆動機構16の第2ユニットから取り出し、ヘパリン液に浸漬する。
【0059】
駆動機構12、16を合理的な位置まで後退させる。手動で細いガイドワイヤを細い導管に貫通させるとともに、一緒に太い導管に貫通させ、細い導管、細いガイドワイヤを駆動機構12、16に協働するように挟持することで、細い導管、細いガイドワイヤの固定を実現する。本実施例において、細い導管はY弁に接続され、Y弁は駆動機構16に固定されるとともに、その第1ユニットによって挟持され、駆動機構14の協働によって、Y弁ルアーコネクタを回動させることで、細い導管を回動させる。
【0060】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構12、16をリモートに操作して制御する。具体的な過程について、上記太い導管及び太いガイドワイヤの前進過程を参照すればよく、ここで、贅言していない。細い導管、細いガイドワイヤをより遠い手術病人の病巣箇所(標的血管狭窄箇所とも呼ばれる)まで押す。造影して細い導管、細いガイドワイヤの位置を確認し、指定位置に到達すれば(一般的に、塞栓を除いて、細いガイドワイヤは手術病人の病巣箇所を通過する)、駆動機構12、16は、運動させないように細い導管、細いガイドワイヤをそれぞれ固定する。
【0061】
医者は再び導管室に到着し、手動で細いガイドワイヤ尾部を迅速交換バルーン拡張ホルダ導管に貫通させ、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管は細いガイドワイヤに沿って前進して、細い導管内、具体的に細い導管に接続されたY弁内を貫通し、迅速交換機構162によって迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を挟持する。
【0062】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、迅速交換機構162をリモートに操作して制御することで、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を手術病人の病巣箇所まで前進させる(細いガイドワイヤの頭部を超えていない)。この過程で、細い導管、細いガイドワイヤの位置及び角度に常に注意し、必要な場合、すぐ正回動、逆回動、前進、後退によって微調整する。迅速交換バルーン拡張ホルダ導管が手術病人の病巣箇所に到達した場合、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管の位置を微調整し、決定した後、導管室内で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管に造影剤を充填し、ホルダを成形させる。造影して、バルーン拡張ホルダが正しく配置されたと確認した場合、造影剤を抽出し、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を穿刺シース箇所まで後退させるように、迅速交換機構162を操作して制御し、バルーン拡張ホルダは手術病人の病巣箇所に留まる。迅速交換バルーン拡張ホルダ導管の後退過程で、太い導管、細い導管、細いガイドワイヤの位置をそのまま保持する。医者は導管室に到着し、手動で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を迅速交換機構162から取り出し、ヘパリン液に入れる。
【0063】
医者は再び導管室外部の作業台に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構12、16をリモートに操作して制御し、細い導管、細いガイドワイヤを穿刺シース箇所まで後退させる。最後、医者は導管室に戻って、手動で太い導管を穿刺シース箇所まで引き出し、太い導管、細い導管、細いガイドワイヤをフロントグリッパ18、駆動機構12、16から取り出し、ヘパリン液に入れて、そして、穿刺シースの引き抜き及び手術後処理を行い、手術を完成する。
【0064】
上記過程で、同軸交換導管を使用すれば、細いガイドワイヤの尾部を同軸交換導管に貫通した後、同軸交換機構によって、同軸交換導管の挟持、押し及び回動を行い、同軸交換導管を細いガイドワイヤに沿って適切な位置まで前進させ、又は穿刺シース箇所まで後退させる。
【0065】
図3及び図4に示すように、本発明の介入手術ロボットスレーブ装置の第2実施例は本体19、本体19に運動可能に装着された駆動機構20、30、40、50、60、リアグリッパ70、迅速交換機構80及びフロントグリッパ82を含む。
【0066】
前記本体19は細長状であり、直線状通路192が設けられる。これらの駆動機構20、30、40、50、60は順次に通路192内に配置され、通路に沿って移動できる。本実施例において、これらの駆動機構20、30、40、50、60は直接的に本体19で摺動でき、例えば、本体19には線形ガイドレールが固定され、これらの駆動機構20、30、40、50、60は何れもガイドレールに沿って摺動できる。
【0067】
各駆動機構は導管又はガイドワイヤを挟持し、押し(前進及び後退を含む)及び回動させてもよく(正回動及び逆回動を含む)、導管、ガイドワイヤを同時に挟持し、押し(前進及び後退を含む)及び回動させてもよく(正回動及び逆回動を含む)、複数の導管、1つのガイドワイヤの共同運動を実現する。各駆動機構は、導管又はガイドワイヤを挟持するための挟持ユニット、及び導管又はガイドワイヤを回動させる回動ユニットを含み、前記回動ユニットはアクティブ駆動型であってもよいし、受動追従型であってもよく、又は全部がアクティブ駆動型であってもよく、或いは一部がアクティブ駆動型であり、他の一部が受動追従型であってもよく、駆動機構20、40の、導管に対する挟持は、その回動に影響していない。
【0068】
駆動機構20、30、40、50、60の挟持ユニット及び回動ユニットは中国特許出願202110674959.3に記載の介入手術ロボットスレーブガイドワイヤ導管捻り装置であってもよく、その全ての内容は本発明に援用される。
【0069】
他の実施例において、駆動機構20、30、40、50、60の具体的な構成は同様に限定されず、異なってもよく、導管、ガイドワイヤの挟持、押し及び/又は回動を実現すればよい。挟持ユニットのみが同様であり、回動ユニットが異なってもよく、又は挟持ユニットが異なって、回動ユニットが同様であってもよく、或いは複数の挟持ユニット、回動ユニットが同様であり、別の挟持ユニット、回動ユニットが異なってもよい。
【0070】
本実施例において、駆動機構20、30の前後は一定距離の間隔を空いて、湾曲しないように、協働して同一ガイド導管90(即ち、第1導管)を挟持し、押し及び回動させる。実際、好ましくは、駆動機構20、30はガイド導管90を同期に押すことで、湾曲しないように引っ張る。同じように、駆動機構40、50の前後は一定距離の間隔を空いて、協働して同一多機能管91(即ち第2導管であり、中間導管とも呼ばれる)を挟持し、押し及び回動させる。駆動機構60はガイドワイヤ92を挟持し、押し及び回動させる。リアグリッパ70はガイドワイヤ92を挟持して押す。迅速交換機構80と駆動機構50とは取り外し可能に固定され、迅速交換導管を挟持して押す。
【0071】
リアグリッパ70は前記本体19の後部に位置する。フロントグリッパ82は前記本体19の前部に位置し、駆動機構20、30に近接する。本実施例において、フロントグリッパ82及びリアグリッパ70は前記本体10に固定され、必要な場合、前記本体10に対して移動してもよい。他の実施例において、フロントグリッパ82及びリアグリッパ70は前記本体10と別体に装着されてもよい。
【0072】
手術準備時、医者は導管室に到着して術前準備を行う。例えば適切(例えば長さ、直径)なガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92を選択し、ガイド導管90、多機能管91に対して、生理食塩水による洗浄、及び空気排出を行う。手動で多機能管91をガイド導管90に貫通させ、ガイド導管90から一定距離だけ張り出させ、ガイドワイヤ92を多機能管91に貫通させ、多機能管91から一定距離だけ張り出させ、例えば、ガイドワイヤ92の頭部が多機能管91を約10cmほど超える。駆動機構20、30、40、50、60を合理的な位置に配置し、ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92を、手術病人を貫通した穿刺シース(例えば大腿動脈、橈骨動脈又は他を貫通する)内に一緒に配置し、駆動機構20、30の挟持ユニットがガイド導管90を挟持し、駆動機構40、50の挟持ユニットが多機能管91を挟持し、駆動機構60の挟持ユニット及びリアグリッパ70がガイドワイヤ92を挟持することで、ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92の固定を実現する。
【0073】
手術開始時、医者は導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台(例えば、中国特許出願202110654379.8に記載の介入手術ロボットマスター操作ハンドル、及び202110649908.5に記載の介入手術ロボットマスター制御モジュールであり、その全ての内容は本発明に援用される)を使用して、運動させるように駆動機構20、30、40、50、60、リアグリッパ70及び迅速交換機構80をリモートに操作する。具体的に、駆動機構20、30は一緒に、通路192に沿って移動させるようにガイド導管90を挟持することで、ガイド導管90を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構20、30の回動ユニットはガイド導管90を回動させ、駆動機構20が極限位置まで移動し(例えば、駆動機構20が通路192の遠端まで運動する)、復帰しようとすると、ガイド導管90を緩める時、駆動機構30は、運動させないようにガイド導管90を挟持する。駆動機構20がより駆動機構30に近接する位置に復帰した場合、駆動機構20の挟持ユニットは再びガイド導管90を挟持し、駆動機構20、30は一緒にガイド導管90を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構20、30の回動ユニットはガイド導管90を回動させ、所定位置に前進するまで、このように繰り返す。
【0074】
この過程で、その同時又は非同時、駆動機構40、50は一緒に、通路192に沿って移動させるように多機能管91を挟持することで、多機能管91を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構40、50の回動ユニットは多機能管91を回動させ、駆動機構40が極限位置まで移動し(例えば、駆動機構30との距離が閾値に近い)、復帰しようとすると、多機能管91を緩める時、駆動機構50は、運動させないように多機能管91を挟持する。駆動機構40がより駆動機構50に近接する位置に復帰した場合、駆動機構40の挟持ユニットは再び多機能管91を挟持し、駆動機構40、50は一緒に多機能管91を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構40、50の回動ユニットは多機能管91を回動させ、所定位置に前進するまで、このように繰り返す。
【0075】
上記過程で、その同時又は非同時、駆動機構60及びリアグリッパ70は一緒に、通路192に沿って移動させるようにガイドワイヤ92を挟持することで、ガイドワイヤ92を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構60の回動ユニットはガイドワイヤ92を回動させる。駆動機構60が極限位置まで移動し(例えば、駆動機構50との距離が閾値に近い)、復帰しようとすると、ガイドワイヤ92を緩める時、リアグリッパ70は、運動させないようにガイドワイヤ92を挟持する。駆動機構60が復帰した後、駆動機構60の挟持ユニットは再びガイドワイヤ92を挟持し、駆動機構60及びリアグリッパ70は一緒にガイドワイヤ92を前進させ、その同時又は非同時、駆動機構60の回動ユニットはガイドワイヤ92を回動させ、所定位置に前進するまで、このように繰り返す。他の実施例において、最初、駆動機構60だけがガイドワイヤ92を挟持し、リアグリッパ70が挟持していない。駆動機構60が復帰しようとすると、代わりとして、リアグリッパ70はガイドワイヤ92を挟持する。駆動機構60が復帰した後、再びガイドワイヤ92を挟持する時、リアグリッパ70はガイドワイヤ92を緩めて、このように繰り返して、駆動機構60及びリアグリッパ70はガイドワイヤ92を交互に挟持する。
【0076】
マスター操作制御台が如何に、運動させるように駆動機構20、30、40、50、60、リアグリッパ70及び迅速交換機構80をリモートに操作して制御するかということについて、中国特許出願202110649908.5に記載の介入手術ロボットマスター制御モジュールを参照すればよく、2つの操作レバーを含み、一方の操作レバーは駆動機構20、30、40、50及び迅速交換機構80を操作して制御し、当該操作レバーは切替装置によって、駆動機構20、30、駆動機構40、50及び迅速交換機構80をタイムシェアリングで操作して制御し、他方の操作レバーは駆動機構60及びリアグリッパ70を操作して制御する。前記マスター操作制御台は、駆動機構20、30、駆動機構40、50、駆動機構60及びリアグリッパ70、迅速交換機構80をそれぞれリモートに操作して制御するための2つ以上、例えば4つの操作レバーを含んでもよい。
【0077】
他の実施例において、駆動機構30、50はY弁によってガイド導管90、多機能管91をそれぞれ挟持する。即ち、ガイド導管90、多機能管91はY弁にそれぞれ接続され、Y弁は駆動機構30、50に固定され、駆動機構30、50の挟持ユニットはY弁を挟持し、回動ユニットはY弁ルアーコネクタを回動させることで、ガイド導管90、多機能管91を回動させる。
【0078】
上記ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92を共同に押す過程で、多機能管91をガイド導管90から一定距離だけ張り出させ、ガイドワイヤ92を多機能管91から一定距離だけ張り出させるように常に保持する必要がある。ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92は血管のある部位に達した場合、ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92が前進、後退、正回動、逆回動の入れ替えを複数回行うように、マスター操作制御台を使用して、駆動機構20、30、40、50、60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御する必要があるかもしれない。
【0079】
ガイド導管90が所定位置まで前進した後、運動させないようにガイド導管90を固定する。マスター操作制御台を使用して、駆動機構60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御することで、ガイドワイヤ92を後退させ、後退過程は基本的に上記前進過程に類似する。ガイドワイヤ92の頭部が穿刺シースまで後退した場合、医者は導管室に到着し、手動でガイドワイヤ92を駆動機構60の挟持ユニット及びリアグリッパ70から取り出し、ヘパリン液に浸漬する。
【0080】
医者は手動でガイド導管90を駆動機構20、30の挟持ユニットから取り出し、運動させないようにフロントグリッパ82によって挟持される。この過程で、ガイド導管90の頭部が血管で移動することを避けるために、ガイド導管90を押さない。手動で多機能管91を駆動機構40、50の挟持ユニットから取り出し、代わりとして、駆動機構20、30の挟持ユニットによって挟持される。
【0081】
他の実施例において、フロントグリッパ82は伸縮式であってもよく、導管を挟持しようとすると、隠蔽空間から張り出す。ガイド導管90を挟持するフロントグリッパ82も、ガイド導管90のY弁ルアーコネクタを回動させることで、ガイド導管90を回動させることができる。また、前記本体19の前部には複数のフロントグリッパ82が設けられると、上記導管の押し過程を複数回行ってもよい。各導管が所定位置まで押された後、フロントグリッパ82は当該導管を挟持する。
【0082】
駆動機構40、50、60及びリアグリッパ70を合理的な位置に調整する。より細いマイクロ導管94及びマイクロガイドワイヤ96(例えば、0.014in)を選択する。手動でマイクロガイドワイヤ96をマイクロ導管94に貫通させるとともに、一緒に多機能管91に貫通させ、マイクロ導管94、マイクロガイドワイヤ96を駆動機構40、50の挟持ユニット、駆動機構60の挟持ユニット及びリアグリッパ70にそれぞれ挟持することで、マイクロ導管94、マイクロガイドワイヤ96の固定を実現する。他の実施例において、マイクロ導管94はY弁に接続され、Y弁は駆動機構50に固定され、その挟持ユニットによって挟持され、回動ユニットはY弁ルアーコネクタを回動させることで、マイクロ導管94を回動させる。
【0083】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構20、30、40、50、60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御する。具体的な過程について、上記ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92の前進過程を参照すればよく、ここで、贅言していない。多機能管91をより遠い血管箇所までさらに前進させ、マイクロ導管94、マイクロガイドワイヤ96が多機能管91の頭部まで前進した場合、マイクロ導管94、マイクロガイドワイヤ96を手術病人の病巣箇所(標的血管狭窄箇所とも呼ばれる)までさらに押す。造影してマイクロガイドワイヤ96の位置を確認し、指定位置に到達すれば(一般的に、マイクロガイドワイヤ96は手術病人の病巣箇所を通過し、動脈瘤塞栓以外、治療できる)、駆動機構20、30、駆動機構40、50、駆動機構60及びリアグリッパ70は、運動させないように多機能管91、マイクロ導管94、マイクロガイドワイヤ96をそれぞれ固定する。指定位置に到達しなければ、マイクロガイドワイヤ96が指定位置に到達するまで、運動させるように駆動機構20、30、40、50、60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御するステップを繰り返す。
【0084】
他の実施例において、マスター操作制御台を使用して、駆動機構40、50、60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御することで、多機能管91、ガイドワイヤ92を一緒に後退させる。多機能管91、ガイドワイヤ92の頭部が穿刺シースまで後退した場合、医者は導管室に到着し、手動で多機能管91及びガイドワイヤ92を駆動機構40、50、60の挟持ユニット及びリアグリッパ70から取り出し、ヘパリン液に浸漬する。そして、手動でガイド導管90を駆動機構20、30の挟持ユニットから取り出し、運動させないようにフロントグリッパ82によって挟持される。この過程で、ガイド導管90の頭部が血管で移動することを避けるために、ガイド導管90を押さない。そして、適切な2つの導管、1つのガイドワイヤを選択し、これらを繋ぎ合わせて、ガイド導管90に配置する。駆動機構20、30、40、50、60を合理的な位置に配置し、駆動機構20、30の挟持ユニットがそのうちの一方の導管を挟持し、駆動機構40、50の挟持ユニットが他方の導管を挟持し、駆動機構60の挟持ユニット及びリアグリッパ70がガイドワイヤを挟持することで、2つの導管、1つのガイドワイヤの固定を実現する。後続の前進過程について、上記ガイド導管90、多機能管91及びガイドワイヤ92の前進過程を参照すればよい。ここで、贅言していない。
【0085】
マイクロガイドワイヤ96が指定位置に到達した後、マスター操作制御台を使用して、駆動機構40、50をリモートに操作して制御することで、マイクロ導管94を後退させるとともに、マイクロガイドワイヤ96が運動しないように保持され、例えば、駆動機構60が連れて後退している場合、代わりとして、リアグリッパ70は、運動させないようにマイクロガイドワイヤ96を挟持する。マイクロ導管94の頭部が穿刺シースまで後退した場合、医者は導管室に到着し、手動でマイクロ導管94を駆動機構40、50から取り出し、ヘパリン液に浸漬する。この場合、代わりとして、駆動機構60はマイクロガイドワイヤ96を挟持し、フロントグリッパ82、駆動機構20、30及び駆動機構60は、運動させないようにガイド導管90、多機能管91、マイクロガイドワイヤ96をそれぞれ固定する。
【0086】
医者は再び導管室に到着し、手動でマイクロガイドワイヤ96の尾部を迅速交換バルーン拡張導管98に貫通させ、迅速交換バルーン拡張導管98がマイクロガイドワイヤ96に沿って前進し、この場合、迅速交換機構80によって迅速交換バルーン拡張導管98を挟持する。
【0087】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、迅速交換機構80をリモートに操作して制御することで、迅速交換バルーン拡張導管98を手術病人の病巣箇所(マイクロガイドワイヤ96の頭部を超えていない)まで前進させる。この過程で、マイクロガイドワイヤ96の位置及び角度に常に注意し、必要な場合、すぐ正回動、逆回動、前進、後退によって微調整する。迅速交換バルーン拡張導管98が手術病人の病巣箇所に到達した場合、導管室内で迅速交換バルーン拡張導管98に造影剤を充填し、事前拡張を行い、造影して血管拡張效果を確認する。血管拡張の效果に達した場合、迅速交換バルーン拡張導管98内から造影剤を抽出する。医者は導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、穿刺シース箇所まで後退させるように、迅速交換機構80をリモートに操作して制御する。迅速交換バルーン拡張導管98の後退過程で、マイクロガイドワイヤ96の位置をそのまま保持する。ある手術に対して、複数回の血管拡張を必要とする可能性があるため、複数回の迅速交換バルーン拡張導管の前進及び後退過程がある。
【0088】
医者は再び導管室に到着し、手動で迅速交換バルーン拡張導管98を迅速交換機構80から取り外してから、手動で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管をマイクロガイドワイヤ96に貫設して、迅速交換機構80に挟持し、具体的な過程について、上記迅速交換バルーン拡張導管98を参照すればよく、贅言していない。
【0089】
医者は再び導管室外の作業台の前に到着し、マスター操作制御台を使用して、迅速交換機構80をリモートに操作して制御することで、マイクロガイドワイヤ96に沿って迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を手術病人の病巣箇所(拡げられた血管狭窄箇所)まで押す。この過程で、マイクロガイドワイヤ96の位置及び角度に常に注意し、必要な場合、すぐ正回動、逆回動、前進、後退によって微調整する。迅速交換バルーン拡張ホルダ導管が手術病人の病巣箇所(拡げられた血管箇所)に到達した場合、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管の位置を微調整し、決定した後、導管室内で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管に造影剤を充填し、ホルダを成形させる。造影して、バルーン拡張ホルダが正しく配置されたと確認した場合、造影剤を抽出し、迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を穿刺シース箇所まで後退させるように、迅速交換機構80を操作して制御し、バルーン拡張ホルダは手術病人の病巣箇所に留まる。医者は導管室に到着し、手動で迅速交換バルーン拡張ホルダ導管を迅速交換機構80から取り出し、ヘパリン液に入れる。
【0090】
医者は再び導管室外部の作業台に到着し、マスター操作制御台を使用して、運動させるように駆動機構20、30、40、50、60及びリアグリッパ70をリモートに操作して制御することで、多機能管91、マイクロガイドワイヤ96を穿刺シース箇所まで後退させる。最後、医者は導管室に戻って、手動で多機能管91、マイクロガイドワイヤ96を駆動機構20、30、60の挟持ユニット及びリアグリッパ70から取り出し、ガイド導管90をフロントグリッパ82から取り外し、穿刺シース箇所まで脱退させて引き出させ、ヘパリン液に入れて、そして、穿刺シースの引き抜き及び手術後処理を行い、手術を完成する。
【0091】
以上、迅速交換導管を使用するため、迅速交換機構80を使用して挟持、押し及び回動を行う。同軸交換導管であれば、マイクロガイドワイヤ96の尾部を同軸交換導管に貫通させた後、同軸交換機構によって、同軸交換導管の挟持、押し及び回動を行い、同軸交換導管をマイクロガイドワイヤ96に沿って適切な位置まで前進させ、又は穿刺シース箇所まで後退させる。迅速交換機構80でも、同軸交換機構でも、何れもローラ駆動方式で迅速交換導管及び同軸交換導管の挟持、押し及び回動を実現できる。
【0092】
以上は、「バルーン拡張ホルダ成形手術」を例として、本発明の運動及び制御過程を説明する。実際、本発明は造影、塞栓、血栓除去などのいろんな手術にも適用されてもよい。手術の実際ニーズに応じて、医者が駆動機構20、30、40、50、60、リアグリッパ70及び迅速交換機構80を自由に調整配置でき、つまり、駆動機構20、30、40、50、60、リアグリッパ70及び迅速交換機構80は何れも容易に着脱される。より複雑な手術を実施する場合、より多くの駆動機構、リアグリッパ及び迅速交換機構を追加配置してもよく、より多くの駆動機構、リアグリッパを追加配置した後、複数の導管が1つのガイドワイヤに対応し、又は複数の導管が複数のガイドワイヤに対応する共同運動を実現でき、例えば、図5において2つ駆動機構を追加することで、より多くの導管を挟持して回動させ、具体的に上記「バルーン拡張ホルダ成形手術」を参照すればよく、導管を常に挟持するそれぞれの駆動機構に対応して、何れも迅速交換機構が設けられ、駆動機構に取り外し可能に装着され、又は駆動機構と一体として構成される。簡単な検査手術、例えば血管造影手術を実施する時、図6を参照して、駆動機構20、30、40、50、60のうちの2つ、例えば駆動機構30、60のみを使用すれば、他の駆動機構、リアグリッパ70及び迅速交換機構80を本体19から撤去する。
【0093】
以上の記載において、マスター操作制御台及びマスター操作制御台を収容した作業台は導管室外部に位置する。実際、導管室内の独立した空間に配置されてもよく、X線放射を隔離し、医者をX線放射から保護すればよい。
【0094】
以上は、いくつかの場合の導管、ガイドワイヤの置換方式のみを記載する。実際、導管、ガイドワイヤの置換は、医者が手術の実際ニーズ及び自分の操作習慣に応じて決定されることができる。以上の導管、ガイドワイヤの置換方式に限定されていない。
【0095】
このように、本発明において、医者は、前記本体で同一軸方向に沿って運動させるように、第1駆動機構及び第2駆動機構をリモートに操作して制御することで、複数の導管、複数のガイドワイヤを共同で所定位置まで運動させ、導管、ガイドワイヤを取り替える時、フロントグリッパが、運動させないように第1導管を挟持し、これによって、X線放射による健康に対する影響を避け、ロボットの、導管、ガイドワイヤの運動に対する制御精度がより高く、作業強度を軽減し、大きなミスを回避できる。
【0096】
当業者であれば理解できるように、上記方法における全て又は一部のステップは、プログラムにより、関連するハードウェアに命令することで完成され、前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、例えば読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光学ディスクなどに記憶されてもよい。好ましくは、上記実施例の全て又は一部のステップは、1つ又は複数の集積回路により実現されてもよい。相応的に、上記実施例における各モジュール/ユニットに対してハードウェアの形態で実現してもよいし、ソフトウエア機能モジュールの形態で実現してもよい。本発明は、何れかの特定形態のハードウェアとソフトウエアとの結合に限定されていない。
【0097】
無論、本発明は他の多種の実施例を有してもよく、本発明の精神及びその実質から逸脱しない場合、当業者は本発明に応じて各種の相応的な変更及び変形を行ってもよいが、これらの相対的な変更及び変形は何れも本発明の請求項の保護範囲に属する。
【0098】
以上は本発明を限定しておらず、本発明の好適な実施例のみであり、本発明の精神及び原則内でなされた何れかの補正、等価置換及び改良などは、何れも本発明の保護範囲内に該当すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】