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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】包装機用に特化した転送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20230726BHJP
   B65B 35/38 20060101ALI20230726BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20230726BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B35/38
B25J11/00 D
B25J15/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569045
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 IB2021055998
(87)【国際公開番号】W WO2022009063
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000016648
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592033493
【氏名又は名称】ジ・ディ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】カルボーニ,サルヴァトーレ
【テーマコード(参考)】
3C707
3E003
3E054
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707BS24
3C707DS01
3C707DS07
3C707DS10
3C707FS01
3C707FT02
3C707HT12
3E003AA01
3E003AA07
3E003AB02
3E003BA04
3E003BB03
3E003BB05
3E003BC06
3E003BD04
3E003BE01
3E003CB02
3E003DA04
3E003DA05
3E003DA07
3E054AA05
3E054AA16
3E054CA04
3E054DC03
3E054DC12
3E054DD01
3E054EA01
3E054FA05
3E054FA07
3E054HA04
3E054HA07
3E054JA02
(57)【要約】
複数の物品(1)を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられた転送装置(200)に関する。転送装置は、複数の保持要素(203)が設けられた把持ヘッド(202)を備え、各保持要素(203)は、対応する物品(1)を保持するように設けられている。転送装置は、移動機構(204)をさらに備え、移動機構(204)は、前記保持要素(203)が互いに離間した第1の構成と、第1の構成と異なっており保持要素(203)が互いに近接する第2の構成との間で、把持ヘッド(202)上において少なくとも1つの保持要素(203)を移動させるように設けられている。移動機構(204)は、少なくとも1つの保持要素(203)がそれぞれの回転軸(X)を中心に回転することによって、少なくとも1つの保持要素が前記第1の構成と前記第2の構成との間を移動されるように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品(1)を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられた転送装置(200)であって、前記転送装置は、前記分離領域と前記排出領域との間を移動可能な把持ヘッド(202)を備え、前記把持ヘッド(202)には、前記複数の物品のうちの対応する物品(1)を保持するようにそれぞれ設けられた複数の保持要素(203)が設けられ、前記転送装置は、移動機構(204)を備え、前記移動機構(204)は、前記保持要素(203)が互いに離間した第1の構成と、前記第1の構成と異なっており前記保持要素(203)が互いに近接する第2の構成との間で、前記把持ヘッド(202)上において少なくとも1つの前記保持要素(203)を移動させるように設けられ、前記移動機構(204)は、前記少なくとも1つの保持要素(203)がそれぞれの回転軸(X)を中心に回転することによって、前記少なくとも1つの保持要素が前記第1の構成と前記第2の構成との間を移動されるように構成されている、転送装置。
【請求項2】
前記複数の保持要素(203)において、前記第1の構成と前記第2の構成の間を移動される前記保持要素によって形成される第1の保持要素グループと、前記第1の構成と前記第2の構成との間を移動されない保持要素によって形成される第2の保持要素グループと、が定義されている、請求項1に記載の転送装置。
【請求項3】
前記第1の保持要素グループの全ての前記保持要素(203)がそれぞれの前記回転軸(X)を中心に回転することによって、前記第1の構成と前記第2の構成との間を移動する、請求項2に記載の転送装置。
【請求項4】
前記排出領域において、前記複数の物品(1)が載置された支持平面が画成され、前記回転軸(X)は前記支持平面に対してほぼ垂直である、請求項1~3のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項5】
前記第1の保持要素グループの前記保持要素(203)は、前記第2の構成に向かって回転する際に、全てが中央グループ化軸(Y)に向かって移動する、請求項3または4に記載の転送装置。
【請求項6】
前記中央グループ化軸(Y)は、前記第2の保持要素グループのうちの1つの前記保持要素を通過する、請求項5に記載の転送装置。
【請求項7】
それぞれの前記回転軸(X)からの各前記保持要素(203)の間隔は、前記中央グループ化軸(Y)からの前記回転軸(X)の間隔の関数である、請求項5または6に記載の転送装置。
【請求項8】
前記第1の構成と前記第2の構成との間の回転の際に、前記保持要素(203)は約180度回転する、請求項1~7のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項9】
前記移動機構(204)は、回転する前記保持要素(203)ごとに、前記回転軸(X)に対して垂直に伸長するアーム(209)を備え、前記アーム(209)は、前記回転軸からの前記保持要素の間隔を定義する、請求項1~8のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項10】
前記第1の構成と前記第2の構成とにおいて、前記アーム(209)は、前記中央グループ化軸(Y)を通過する方向に伸長する、請求項9に記載の転送装置。
【請求項11】
前記保持要素(203)は、吸引によって前記物品(1)を保持するために、減圧回路(215)に接続されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項12】
物品のための包装機(100)であって、複数の前記物品(1)を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられた少なくとも1つの転送装置(200)を備え、前記転送装置は、請求項1~11のいずれか1項にしたがって実現される、包装機。
【請求項13】
前記分離領域は、前記物品が搬送される第1のコンベヤベルト(115)上に画成される、請求項12に記載の包装機。
【請求項14】
前記保持要素(203)は、前記第1の構成に移動されて前記分離領域から前記物品を分離する、請求項12または13に記載の包装機。
【請求項15】
前記複数の物品が載置される前記排出領域は、第2のコンベヤベルト(107)上に位置決めされる容器(30)上に画成される、請求項12~14のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項16】
前記保持要素(203)は、前記第2の構成に移動されて、前記容器(30)にグループ化配置で前記物品(1)を載置する、請求項15に記載の包装機。
【請求項17】
前記少なくとも1つの転送装置(200)は、前記第1のコンベヤベルト(115)と前記第2のコンベヤベルト(107)との間に位置決めされて、前記第1のコンベヤベルトの部分と前記第2のコンベヤベルトの部分とを備える領域において動作可能であり、少なくとも前記転送装置が動作可能な前記領域において、前記第1のコンベヤベルトと前記第2のコンベヤベルトとが、互いにほぼ平行であって反対方向であるそれぞれの進行方向(F1、F2)に移動する、請求項15または16に記載の包装機。
【請求項18】
複数の物品(1)を分離領域から排出領域に転送する方法であって、
複数の保持要素(203)が設けられた移動可能な把持ヘッド(202)を備える転送装置(200)を設けるステップと、
前記保持要素(203)によって前記分離領域から前記複数の物品(1)を分離するステップと、
前記保持要素(203)が互いに離間した第1の構成と、前記第1の構成と異なっており前記保持要素(203)が互いに近接する第2の構成との間で前記保持要素が移動するように、それぞれの回転軸(X)を中心に前記保持要素(203)を回転するステップと、
前記物品(1)を前記排出領域に載置するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記分離領域が移動している間、前記複数の物品(1)は前記保持要素(203)によって分離される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記排出領域が移動している間、前記複数の物品(1)は前記保持要素(203)によって前記排出領域に載置される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
複数の物品(1)を容器(30)に梱包する方法であって、前記物品は、請求項18~20のいずれか1項に記載の転送方法にしたがって、分離領域から容器(30)に画成された排出領域へ転送される、方法。
【請求項22】
移動可能な把持ヘッド(202)と、前記把持ヘッドに載置された複数の保持要素(203)とを備えた、物品(1)のための転送装置(200)の構成を修正する方法であって、前記保持要素(203)が互いに離間した第1の構成と、前記第1の構成と異なっており前記保持要素(203)が互いに近接する第2の構成との間で、前記把持ヘッド上において前記保持要素が移動するように、前記保持要素(203)がそれぞれの回転軸(X)を中心に回転する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の包装機での使用に特化した転送装置に関する。
【0002】
また、本発明は、かかる転送装置を備える包装機と物品包装方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、例えばコーヒーカプセルなどの浸出(infusion)式カプセル製品のような束ねられていない物品を箱に包装するための分野で好ましく適用されるが、これに限定されるものではない。この分野への参照は、以下本明細書では一般性を損なうことなくなされ得る。
【0004】
この分野においては、包装対象の物品を分離領域から分離して排出領域に置くことにより転送するように好適に構成された転送装置を備える包装機が知られており、かかる転送装置は、物品を入れる対象とされた容器に設置することができる。
【0005】
既知の実施形態においては、かかる転送装置は、可動アームに載置された把持ヘッドを備えることができる。把持ヘッドには、1つまたは複数の保持要素が設けられる。保持要素は、分離領域から排出領域へ転送すべき物品を係合して保持することが可能である。
【0006】
また、物品を排出する前であってかつ分離が完了した後に、物品を詰め込む対象とされた容器への物品の挿入を促進するように複数の物品を互いに近接させることが可能な転送装置も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
添付の特許請求の範囲および本明細書においては、いくつかの用語および表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
【0008】
用語「物品」は、転送装置によって分離、移動および載置することが工業生産ライン内で可能な固体製品全般を意味する。
【0009】
特に、転送装置は、これらの製品の1つまたは複数を供給ラインから分離して、かつ製品の転送または包装のために設けられた容器に製品を載置するように構成されてもよい。
【0010】
物品は互いに全く同一のものであってもよく、また例えば、構造、組成、色または向きなどの何らかの特性が互いに異なるものであってもよい。
【0011】
例えば、物品は個別の容器または包装紙に包装済みの食品および菓子製品であってよく、これらの容器は、コーヒーカプセルまたは他の浸出式飲料、飲料のボトルおよびカートン、ヨーグルトの容器、(個包装された、またはされていない)個別のチョコレート片、キャンディ、小箱、および固体、液体または半固体の食品を含む小袋であり得る。また物品は、セラミック産業の製品、吸収性衛生用品、タバコ産業の製品、化粧産業の製品、製薬産業の製品、およびパーソナルケアとホームケア産業の製品であってよい。
【0012】
物品を形容する用語「束ねられていない」は、互いに分かれていて結びついていない複数の物品を意味している。すなわち、物品の各々を他のものから独立して移動したり処理したりすることができる。
【0013】
複数の物品は、その全てが同一の時間間隔で、換言すれば同時に移動、分離、載置または処理される場合に、「1グループとして」移動、分離、載置または処理される。
【0014】
例えば物品は、その全てがほぼ同時に回転運動を開始したり終了したりする場合に、「グループごとに」回転される。
【0015】
用語「容器」は、物品を内包するのに好適な入れ物全般、特には、転送装置が分離した物品を載置している入れ物全般を意味する。好ましくは、容器は、物品のグループを包装するのに好適な入れ物である。さらに好ましくは、容器は例えば、箱、トレイ、木枠、または引き出しであって、これらはいずれも物品のグループをうまく分別するように内包するよう意図されている。
【0016】
なお、表現「第1の位置と第2の位置との間でオブジェクトを移動する」は、第1の位置から第2の位置への移動と第2の位置から第1の位置への移動の双方を意味する。
【0017】
この定義は、例えば、汎用オブジェクトを2つの位置の間で、または2つの領域の間で、さらにまたは2つの異なる動作構成の間で転送したり移動したりする動きを表現する複数の同様な表現に等しくあてはまる。
【0018】
例えば、点、または軸、または表面などの所定の位置に「向けて」オブジェクトを移動するという表現は、そのような移動が直線に沿って導かれることを必ずしも求めずに、または所定の位置とオブジェクトの初期位置とをつなぐ直線上にオブジェクトの最終位置が位置することを必ずしも求めずに、上述した所定の位置にオブジェクトを近づけることを意味する。
【0019】
生産ラインの能力と効率を向上したいという変わらぬ要求の潮流に沿って、本出願人は次の点についてまず注目した。すなわち、物品の梱包ラインにおいては、転送装置の動作周期内での移動速度、つまり転送装置が物品を分離するための区域と物品を排出するための区域との間を移動するときの移動速度は、該ライン自体の生産能力を制限する重要な要素を構成するであろうことに注目した。
【0020】
このような制限は、動作周期を実施するために転送装置が異なる軌道で様々に移動をしなければならない場合、より重大なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そのため本出願人は、転送装置に設けられて上述した軌道を移動するようになされた把持ヘッドの慣性重量を減少させることによって、転送装置の移動速度を上昇させることができるという知見を得た。
【0022】
この最初の洞察に照らして、本出願人は次の点に注目した。すなわち、既知の転送装置のいくつかにおいては、把持ヘッドが分離領域と排出領域との間を移動する際に、転送された物品が、把持ヘッド上に設けられた単一の保持要素をそれぞれ適宜移動することによって、互いに近接することに注目した。
【0023】
特には、本出願人は次の点に着目した。すなわち、一般的には、相互に垂直な方向によって定義されるそれぞれの直線軌道上での保持要素の移動を制御する特殊な単一直線アクチュエーターを設けることにより、その直線軌道において保持要素が把持ヘッド上を移動することに着目した。
【0024】
本出願人は、把持ヘッドの慣性重量は、保持要素の移動の種類を適宜修正することによって減少させることができるという知見をさらに得た。
【0025】
最終的に、本出願人は次の点を見出した。すなわち、複数の直線移動を組み合わせることよりはむしろ単一の回転運動によって保持要素が互いに近接するように把持ヘッドを構成することによって、より数が少なく全体的により軽量な部品を有する移動機構を使用することが可能であることを見出した。
【0026】
これらの特徴によって、把持ヘッドは簡素化された構造を有し、かつ転送装置に把持ヘッドをより高速に移動させるように相当な軽量化を実現しており、これにより梱包ラインの生産能力と効率を向上させる。
【0027】
そのため、本発明の第1の態様においては、本発明は、複数の物品を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられた転送装置に関する。
【0028】
好ましくは、転送装置は、把持ヘッドを備える。
【0029】
好ましくは、把持ヘッドは、分離領域と排出領域との間を移動可能である。
【0030】
好ましくは、把持ヘッドには、複数の保持要素が設けられる。
【0031】
好ましくは、各保持要素は、複数の物品のうちの対応する物品を保持するように設けられる。
【0032】
好ましくは、転送装置は、移動機構を備える。移動機構は、保持要素が互いに離間した第1の構成と、第1の構成と異なっており保持要素が互いに近接する第2の構成との間で把持ヘッド上において少なくとも1つの保持要素を移動させるように設けられる。
【0033】
好ましくは、移動機構は、少なくとも1つの保持要素がそれぞれの回転軸を中心に回転することによって、少なくとも1つの保持要素が第1の構成と第2の構成との間を移動されるように構成されている。
【0034】
これらの特徴によって、物品の転送装置はより軽量になり、かつ分離領域と排出領域との間をより高速度で有利に移動することができ、これによりその動作の潜在能力を、移動および生産に関するコストなどにほぼ影響を及ぼすことなく向上させる。このようにして、本発明の転送装置は、高い生産能力と高い効率が求められる産業ラインに効率的に使用することができる。
【0035】
また、本出願人は、上述した2つの構成の間の保持要素の同一の移動がより速くなることにも注目している。
【0036】
本発明の第2の態様においては、本発明は、物品のための包装機に関する。包装機は、第1の態様にしたがって実現された少なくとも1つの転送装置を備える。転送装置は、複数の物品を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられる。
【0037】
本発明による包装機は、全体の設置面積と寸法を小さくかつコストを低く維持しつつ、非常に高い生産能力を有利に有することができる。
【0038】
本発明の第3の態様においては、本発明は、複数の物品を分離領域から排出領域に転送する方法に関する。
【0039】
好ましくは、該方法は、複数の保持要素が設けられた移動可能な把持ヘッドを備える転送装置を設けるステップを含む。
【0040】
好ましくは、該方法は、保持要素によって分離領域から複数の物品を分離するステップを含む。
【0041】
好ましくは、該方法は、保持要素が互いに離間した第1の構成と、保持要素が互いに近接する第2の構成との間で保持要素が移動するように、それぞれの回転軸を中心に保持要素を回転するステップを含む。
【0042】
好ましくは、該方法は、物品を排出領域に載置するステップを含む。
【0043】
本発明の第4の態様においては、本発明は、複数の物品を容器に梱包する方法に関する。ここで、物品は、第3の態様の転送方法にしたがって容器に転送される。
【0044】
本発明の第5の態様においては、本発明は、移動可能な把持ヘッドと、把持ヘッドに載置された複数の保持要素とを備えた、物品のための転送装置の構成を修正する方法に関する。ここで、保持要素が互いに離間した第1の構成と、第1の構成と異なっており保持要素が互いに近接する第2の構成との間で保持要素が移動するように、保持要素がそれぞれの回転軸を中心に回転する。
【0045】
このようにして、移動する把持ヘッド上での保持要素の移動をより高速かつ効率的に管理することを可能にする方法が提供される。
【0046】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下に記載のさらに好ましい特徴のうちの少なくとも1つを有してよい。
【0047】
好適な実施形態においては、把持ヘッドは、保持要素が第1の構成にあるときに物品を分離領域から移動し、保持要素が第2の構成にあるときに物品を排出領域に載置する。
【0048】
このようにして、物品が相対的に互いに離間しているときに分離することができ、物品を箱に梱包するにあたってより密で有利なグループ化配置をされて載置することができる。
【0049】
別の実施形態においては、把持ヘッドは、保持要素が第2の構成にあるときに物品を分離領域から移動し、保持要素が第1の構成にあるときに物品を排出領域に載置する。
【0050】
この場合には、物品はグループ化配置をされて移動され、次に、載置される前に互いに離間される。
【0051】
好ましくは、複数の保持要素において、第1の構成と第2の構成との間を移動される保持要素によって形成される第1の保持要素グループと、第1の構成と第2の構成との間を移動されない保持要素によって形成される第2の保持要素グループと、が定義されている。
【0052】
好ましくは、第1の保持要素グループの全ての保持要素がそれぞれの回転軸を中心に回転することによって、第1の構成と第2の構成との間を移動する。
【0053】
このようにして、移動機構の部品の簡略化が、第1の保持要素グループの全ての保持要素に対して及ぼされる。
【0054】
好ましくは、第2の保持要素グループの保持要素が、把持ヘッドに対して固定される。
【0055】
これにより、更なる把持ヘッドの軽量化を伴いつつ、保持要素に対して移動部品を有利に省くことが可能になる。
【0056】
一実施形態においては、第2の保持要素グループは、1つまたは複数の保持要素によって形成されてよい。
【0057】
この場合には、第1のグループの保持要素が第2の構成に移動するときに、第2の保持要素グループの要素に近接する。
【0058】
このようにして、保持要素は、様々に異なる梱包ニーズを満たすために、多くの異なる方法で把持ヘッド上に配置して構成することができる。特には、別々のグループの配置にしたがって、容器に物品を載置することが可能である。
【0059】
別の実施形態においては、第2の保持要素グループは、保持要素を1つも備えない。
【0060】
この場合には、全ての保持要素が第1の構成と第2の構成との間を移動する。
【0061】
好ましくは、物品は束ねられておらず、したがって、把持ヘッドの保持要素によって、互いに独立して分離領域から分離され、転送または移動されて、排出領域に載置される。
【0062】
好ましくは、物品は分離領域から排出領域へ複数のグループで移動され、また、排出領域にグループで載置される。
【0063】
一実施形態においては、物品は、さらに複数のグループに分離される。
【0064】
別の実施形態においては、物品は、連続するステップにおいて分離領域から分離することができる。
【0065】
このようにして、物品は、分離領域の構成とは異なる構成において把持ヘッド上に配置することができ、それによって、包装機の運用の柔軟性が大いに向上することができる。
【0066】
好ましくは、移動機構は、保持要素を第1の構成と第2の構成との間で同時に移動するように構成されている。
【0067】
一実施形態においては、回転軸は互いにほぼ平行である。
【0068】
好ましくは、排出領域において、複数の物品が載置された支持平面が画成され、回転軸は支持平面に対してほぼ垂直である。
【0069】
このようにして、第2の構成における保持要素の回転の結果として物品がグループ化配置に移動すると、物品が載置される支持面によって画成される領域に対して物品の載置面積が減少する。換言すれば、支持平面上での物品の直交方向の突出は、保持要素が第1の構成にあるときよりも第2の構成にあるときの方がより小さい。
【0070】
この特性によって、物品はより密になるように支持平面上に載置される。これは、一方では、(製造、保管および市場での流通のコストからみて明らかな利点を伴う)より小さな容器の使用を可能にし、また他方では、容器の好適な形態である開放された箱の内部への物品の挿入を含む載置作業自体を容易にする。
【0071】
一実施形態においては、回転軸は連続する列に整列されている。
【0072】
好ましくは、各列において、回転軸は等距離に配置されている。
【0073】
好ましくは、回転軸の列は相互間で等距離に配置されている。
【0074】
このようにして、回転軸は正しく並べられた行列配置を有し、保持要素の移動機構をより容易に実現することができる。
【0075】
一実施形態においては、第1の保持要素グループは、第2の構成に向かって回転する際に、全てが中央グループ化軸に向かって移動する。
【0076】
このように設けることによって、物品の特に密なグループ化配置を得ることが可能になる。
【0077】
好ましくは、中央グループ化軸は固有のものであって、把持ヘッドに対して固定される。
【0078】
好ましくは、保持要素が第1の構成と第2の構成とにそれぞれ移動するときに、各保持要素の位置を結合する直線が中央グループ化軸を通過する。
【0079】
好適な実施形態においては、中央グループ化軸は、第2の保持要素グループのうちの1つの保持要素を通過する。
【0080】
この場合には、この保持要素の位置が第1の構成と第2の構成との間で変化せず、保持要素は固定されたままであると推測される。この場合には、この保持要素は、上述した第2の保持要素グループを形成する。
【0081】
好ましくは、それぞれの回転軸からの各保持要素の間隔は、中央グループ化軸からの回転軸の間隔の関数である。
【0082】
好ましくは、第1の構成と第2の構成との間の回転の際に、保持要素は約180度回転する。
【0083】
このようにして、回転運動をもって可能な最大の間隔が所定の半径を有する限り、保持要素が移動する。
【0084】
好適な実施形態においては、保持要素の各々は支持ロッドの端部に載置される。
【0085】
好ましくは、支持ロッドは、回転軸と平行である。
【0086】
好ましくは、移動機構は、回転する保持要素ごとに、回転軸に対して垂直に伸長するアームを備える。
【0087】
好ましくは、アームは、回転軸からの保持要素の間隔を定義する。
【0088】
好ましくは、第1の構成と第2の構成とにおいて、アームは、中央グループ化軸を通過する方向に伸長する。
【0089】
好ましくは、移動機構は、回転する保持要素ごとに、回転軸に同軸状に載置されたピニオンを備える。
【0090】
好ましくは、ピニオンは、把持ヘッドのフレーム上に回転可能に載置されたシャフト上に同軸状に固定される。
【0091】
より好ましくは、シャフトは、アームによって保持要素に接続されている。
【0092】
さらに好ましくは、アームは、シャフトと、保持要素が載置された支持ロッドとの間を伸長する。
【0093】
好適な実施形態においては、移動機構は、それぞれの回転軸を中心としたピニオンの回転を制御するように、ピニオンに噛合することで係合される複数のラックを備える。
【0094】
好ましくは、ピニオンは連続する列に整列されており、各列のピニオンはそれぞれのラックに係合されている。
【0095】
換言すれば、単一のラックは、単一の列における全てのピニオンに噛合され、それにより、全てのピニオンを移動するために求められるラックの数は、ピニオンの連続する列の数と等しくなる。
【0096】
好ましくは、移動機構は、伝達軸によって複数のラックに接続されたモーター部材を備える。
【0097】
好ましくは、伝達軸は固有のものである。
【0098】
これらの特徴の各々によって、部品点数が削減されてさらに軽量化された、効果的で正確で、かつ同時に特に簡便な移動機構が実現される。
【0099】
好適な実施形態においては、転送装置は、その端部に把持ヘッドが固定された複数の多関節アームを含むデルタ型ロボットを備える。
【0100】
好適な実施形態においては、把持ヘッドは、3つの直線移動軸により画成される軌道において多関節アームによって移動される。
【0101】
好適な実施形態においては、保持要素の各々は、他の保持要素から独立した係合状態で物品の各々を保持または保持解除するために、選択的に作動および停止することができる。
【0102】
このようにして、物品が転送装置に供給される列の数よりも多い数の列が設けられる構成などの、把持ヘッド上の物品の様々に異なる構成を構成したり、または不完全なまたは部分的な構成を構成したりすることが可能である。
【0103】
好ましくは、保持要素は減圧回路に接続されている。
【0104】
好ましくは、各保持要素は、それぞれの導管によって減圧回路に接続されており、それぞれの遮断弁の開口部によって減圧回路に選択的に連通することができる。
【0105】
このようにして、物品は、吸引されて保持要素によって保持される。
【0106】
好ましくは、物品は、ほぼ切り詰められた円錐形の形態を有する。
【0107】
好ましくは、物品は、より小さな断面の底部とより大きな断面の頭部とを有する。
【0108】
好適な実施形態においては、物品は、例えばコーヒーカプセルなどの浸出式カプセル製品である。
【0109】
好ましくは、保持要素は、第1の面を有する第1の保持要素と、第1の面よりも大きい第2の面を有する第2の保持要素とを備える。
【0110】
好ましくは、第1の保持要素は、底部において物品を保持するように構成され、第2の保持要素は、頭部において物品を保持するように構成されている。
【0111】
好ましくは、第1の保持要素の各々は、第2の保持要素の1つと互い違いにされ、第2の保持要素の各々は、第1の保持要素の1つと互い違いにされる。
【0112】
好ましくは、第1の保持要素は5つ目型パターンに配置され、第2の保持要素は、第1の保持要素に相補的な方法で5つ目型パターンに配置される。
【0113】
これにより、物品は頭部から底部へおよび底部から頭部への互い違いの向きで移動することが可能になり、これによって、物品がグループ化配置で移動されるときに、物品を効果的に密集させることが可能になる。
【0114】
好適な実施形態においては、分離領域は、物品が搬送される第1のコンベヤベルト上に画成される。
【0115】
他の実施形態においては、分離領域は、載置棚上、一時蓄積要素(バッファ)上、または容器上に画成することができる。
【0116】
好ましくは、保持要素は、第1の構成に移動されて分離領域から物品を分離する。
【0117】
このようにして、物品は、互いに相対的に離間するように第1のコンベヤベルト上に配置され、これによって、転送装置による物品の移動と分離が容易になる。
【0118】
好ましくは、複数の物品が載置される排出領域は、容器上に画成される。
【0119】
好ましくは、容器は、第2のコンベヤベルト上に位置決めされる。
【0120】
他の実施形態においては、排出領域は、載置棚上、一時蓄積要素(バッファ)上、またはコンベヤベルト上に画成することができる。
【0121】
好ましくは、保持要素は、第2の構成に移動されて容器にグループ化配置で物品を載置する。
【0122】
好ましくは、少なくとも1つの転送装置は、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの間で位置決めされる。
【0123】
好ましくは、少なくとも1つの転送装置は、第1のコンベヤベルトの部分と第2のコンベヤベルトの部分とを備える領域において動作可能である。
【0124】
このコンベヤベルトと転送装置との配置により、特に密なレイアウトの包装機を得ることが可能になる。
【0125】
好ましくは、少なくとも転送装置が動作可能な領域において、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとが、互いにほぼ平行であるそれぞれの進行方向に移動する。
【0126】
好ましくは、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの進行方向は、互いに反対方向である。
【0127】
好適な実施形態においては、複数の転送装置は、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの間に設けられる。
【0128】
好ましくは、転送装置は、全て進行方向と平行に整列されている。
【0129】
これにより、結果として密な機械レイアウトが得られ、転送装置の動作が最適化される。
【0130】
好適な実施形態においては、分離領域が移動している間、複数の物品は保持要素によって分離される。
【0131】
好適な実施形態においては、支持平面が移動している間、複数の物品は保持要素によって排出領域に載置される。
【0132】
これにより、ほぼ連続して動作する包装機を作成することが可能になり、特に物品が載置されて続いて梱包される容器に排出領域が画成されるときに、求められる転送装置の数または中間バッファの必要性を減じることと、包装機そのものの生産能力を向上することとの双方にとって最適な条件が創出される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示された実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
図1】本発明にしたがって作成された転送装置を備えた、束ねられていない物品用の包装機を上から見た概略平面図である。
図2図1における包装機の部分を拡大して示す、横方向に透視した概略図である。
図3】第1の動作構成において表される、図1の包装機の転送装置の把持ヘッドをさらに拡大して示す、上から見た横方向に透視した概略図である。
図4】外装ケーシングおよび分離した物品の無い、図3の把持ヘッドを下から見た横方向に透視した概略図である。
図5図3の把持ヘッドを上から見た、さらに単純化した平面図である。
図6】第2の動作構成において示される把持ヘッドの、図5と同様の図である。
図7】第2の動作構成おける把持ヘッドの、図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0134】
添付の図面を参照すると、参照符号100は、本発明にしたがって作成された転送装置200を複数含む包装機の全体を示す。
【0135】
包装機100は、最終的な梱包とそれに続く出荷に備えて完成した梱包を用意するように、本実施例では箱30によって構成される容器内に束ねられていない複数の物品1を梱包するために設けられる。
【0136】
好適な本実施例では、物品1は、特にはコーヒーなどの浸出式飲料を製造するためのカプセルである。
【0137】
各物品1は、カップ状のおおむね硬質なケーシングにより形成される。ケーシングは、切り詰められた円錐形の形態を有し、ここで、面積が小さい方の基部における底部2と、面積が大きい方の基部において、底部2の反対側の頭部4に向けてわずかに広がりながら伸長する側壁3とが画成される。ケーシングは、例えば、その縁部に除去可能に固定されたアルミホイルなどの蓋によって閉塞された口を有する。
【0138】
最も一般的な構成として、包装機100は、箱30の成形ライン101と、物品1の選別ライン110と、梱包ライン150とを備えており、選別ライン110からの物品1は、成形ライン101からの箱30に載置される。
【0139】
選別ライン110には、第1のコンベヤ111によって物品1が供給される。第1のコンベヤ111は、正立姿勢で、すなわち底部2を下にして頭部4を上向きにした物品1を2列で搬送する。
【0140】
第1のコンベヤ111は、例えば1対のスクリューコンベヤ112aを備える第1の仕分け場112に接続されており、スクリューコンベヤ112aにおいては、2列の物品1が互いに正確に離間しており、かつ2列のうちの1列の物品1は上下反転姿勢に反転、すなわち頭部4を下にして底部2を上向きにした姿勢になるように反転されている。
【0141】
第1の仕分け場112を出た物品1は、次に中間コンベヤ113に供給される。中間コンベヤ113上には、物品1の平行かつ隣接した2つの列が載置されており、その1列には物品1が正立姿勢で載置され、もう1列には物品1が上下反転姿勢で載置されている。
【0142】
物品1の選別ライン110は、中間コンベヤ113からの物品1の分離および所定の分離パターンでの第1のコンベヤベルト115への物品1の載置を担う第2の仕分け場114をさらに備える。
【0143】
本実施例においては、第1のコンベヤベルト115においても物品1は2列に配列されており、かつ所定の分離パターンは格子型である。このような分離パターンにおいては、正立姿勢の各物品1は、上下反転姿勢の物品1に3つの側方で隣接しており(その逆も同様である)、同一の列の物品1の間では一定の間隔を維持する。
【0144】
かかる分離パターンを形成するために、第2の仕分け場114は、第1のコンベヤ113と第1のコンベヤベルト115との間で直線状に配置された1対の仕分けロボット116を備える。
【0145】
各仕分けロボット116は、把持ハンドを備える。把持ハンドは、それぞれの保持要素によって、中間コンベヤ113の単一の列上において全てが正立姿勢かまたは全てが上下反転姿勢にある複数の物品1を分離して、第1のコンベヤベルト115上に転送するように設けられる。
【0146】
第1のコンベヤベルト115に向けて転送されている間には、初期状態で中間コンベヤ113の単一の列から物品1を分離するように整列されていた保持要素は、連続的に交互な位置で第1のコンベヤベルト115の一方の列と他方の列とに物品1を載置するように、交互に互い違いに配置されている。
【0147】
2つの仕分けロボット116は、このようにして第1のコンベヤベルト115上に物品1の列を2列形成する。各列においては、物品1は交互に正立姿勢と上下反転姿勢となり、一方の列において正立姿勢の各物品は、他方の列において上下反転姿勢の物品と隣接しており、これにより所望の格子パターンを全体として形成している。
【0148】
物品1が載置された箱30は、対応する半加工品31から成形ライン101において形成される。各半加工品31は、例えば段ボールなどの折りたたみ可能で半硬質な材料から形成された平坦な半完成品からなる。このような段ボールなどは適切にカットされ、折れ線部分が設けられる。
【0149】
成形ライン101は、供給場103を備える。供給場103においては、導入口102において供給される半加工品の束から、それぞれ単一の半加工品31が引き出される。成形ライン101は、供給場103の下流側に位置する折りたたみ場104をさらに備える。折りたたみ場104においては、半加工品31は、半加工品コンベヤ105上に転送される前に、その折りしろのうちの数か所が予備的に折りたたまれる。
【0150】
半加工品コンベヤ105は接着場106を横断する。接着場106においては、複数の熱接着剤投与ガンまたはノズルが、半加工品31上に適切な接着箇所を布設する。
【0151】
成形ライン101は、複数の成形装置121が設けられた半加工品コンベヤ105により供給される回転式成形コンベヤ120をさらに備える。回転式成形コンベヤ120の曲路の部分を進行している間、半加工品31が成形装置121内において適切に折りたたまれて、接着剤が付された部分同士が密着し、開放姿勢で上部閉塞パネルをそれぞれ有する箱30が形成される。
【0152】
回転式成形コンベヤ120の曲路の終点においては、箱30は、開口部を上向きにした状態で、第2のコンベヤベルト107上に供給される。第2のコンベヤベルト107の始まりの部分には、物品1で箱30を正しく詰め込むことを促すために、開放姿勢になるように箱30の閉塞パネルを折る役を担う折りたたみ場108が設けられる。換言すれば、閉塞パネルの開放姿勢は、後段で物品1を箱30に詰めることを阻まないようになっていなければならない。
【0153】
上述したように、梱包ライン150においては、選別ライン110、特には第1のコンベヤベルト115からの物品1が、成形ライン101、特には第2のコンベヤベルト107からの箱30に載置される。
【0154】
有利には、梱包ライン150において、第1のコンベヤベルト115と第2のコンベヤベルト107は隣接しており、直線的かつほぼ平行に、また、図1において参照符号F1とF2によりそれぞれ示されるように、互いに反対の進行方向に移動する。
【0155】
第1のコンベヤベルト115と第2のコンベヤベルト107との間には、複数の転送装置200が介在しており、転送装置200は全て、上述した進行方向と平行に整列されている。
【0156】
転送装置200の数は、単一の箱30に載置される物品1の数と、コンベヤベルト107および115の速度との関数である。
【0157】
各転送装置200は、複数の物品1を、それぞれの分離領域から分離してそれぞれの排出領域に載置するように設けられる。
【0158】
特に、各転送装置200は、それぞれの分離領域を横断したときに第1のコンベヤベルト115から複数の物品1を分離し、それぞれの排出領域を横断しながら、第2のコンベヤベルト107上に搬送される箱30に複数の物品1を載置する。
【0159】
各転送装置200は、支持フレーム(図示せず)に上から固定されるデルタ型ロボットを備える。デルタ型ロボットは、デルタ型ロボットにとって典型的な構成の通りに、複数の多関節アーム201と、多関節アーム201の端部に固定された把持ヘッド202とを備える。
【0160】
把持ヘッド202は、(例えば、回転運動なく)その向きを固定空間に維持しながら、3つの直線移動軸により画成される軌道において多関節アーム201によって移動される。
【0161】
把持ヘッド202は、物品1をそれぞれ保持するように設けられた複数の保持要素203と、全体が参照符号204により示されている移動機構とを備える。移動機構204は、保持要素203が互いに離間した第1の構成(図3図5を参照)と、保持要素203が互いに近接する第2の構成(図6図7を参照)との間で把持ヘッド202上において保持要素203を移動させるように設けられる。
【0162】
このようにして、把持ヘッド202は、保持要素203が第1の構成にあるときに第1のコンベヤベルト115から物品1を分離することができ、保持要素203を第2の構成へ移動することにより得られるグループ化されたより密な配置にして箱30に物品1を載置することができる。
【0163】
各保持要素203は吸引カップのように形成され、それぞれの支持ロッド206の自由端206aに固定される。支持ロッド206は、その縦方向に反対の端部206bにおいて移動機構204に接続されている。
【0164】
特には、保持要素203は、第1の保持要素203aと第2の保持要素203bとに分けられる。第1の保持要素203aは、それぞれの底部2に物品1を保持するように(それにより上下反転姿勢で上から物品1を保持するように)構成されている。第2の保持要素203bは、それぞれの頭部4に物品1を保持するように(それにより正立姿勢で上から物品1を保持するように)構成されている。
【0165】
特には、第1の保持要素203aは、第1の面を有する吸引カップ形態を有し、第2の保持要素203bは、第1の面よりも小さな第2の面を有する吸引カップ形態を有する。
【0166】
図4に明示されているように、第1の保持要素203aと第2の保持要素203bは、把持ヘッド202上に互い違いに配置されている。
【0167】
以下により詳細に説明するように、移動機構204は、それぞれの回転軸Xを中心とした回転運動によって、各保持要素203を第1の構成と第2の構成との間を同時に移動するように構成されている。
【0168】
特には、各保持要素203の回転軸Xは、それぞれのシャフト207の縦軸によって定義される。シャフト207は把持ヘッド202のフレーム208に回転可能に支持され、かつ支持ロッド206と平行に伸長している。
【0169】
把持ヘッド202上において、シャフト207は互いに等距離の連続する列に整列配置されている。さらには、各列を形成するシャフト207も、添付の図面に示される構造を形成するように等距離に配置されている。図において、各列4本の支持シャフトを有する3つの列にシャフト207が配置されている特定の場合が示されている。言うまでもなく、列の数と各列に設けられるシャフトの数は、具体的な梱包ニーズにしたがって変わり得る。特には、好ましくは、把持ヘッド202上に形成されたシャフト207(したがって保持要素203)の列への整列配置は、特定の箱30内で単一の層を形成するように意図された物品1の配置に対応する。
【0170】
言うまでもなく、各梱包の容量を増加するように、2つまたはそれ以上の層を箱30に設けることも、さらには積層することもできる。この場合、物品1の単一の層をそれぞれ連続作業することで箱30が満たされる。
【0171】
シャフト207、したがって定義される回転軸Xは、互いに平行であって、特には、排出領域において画成される支持平面に対してほぼ垂直である。さらには、支持平面は、物品1が載置される第2のコンベヤベルト107によって搬送される箱30の底部にほぼ一致する。同様に、シャフト207は、物品1の分離領域において第1のコンベヤベルト115上に画成された支持平面に対してもほぼ垂直である。
【0172】
回転軸Xを中心とした各保持要素203の回転運動は、アーム209を設けることによって実現される。アーム209は、シャフト207と支持ロッド206の端部206bとの間で回転軸Xに対して垂直に伸長している。
【0173】
本明細書に記載の好適な実施形態においては、第1の構成から第2の構成への回転の際に、保持要素203は、回転軸Xと平行な中央グループ化軸Yに向けて全て移動するようになっている。
【0174】
各アーム209の動作範囲は、中央グループ化軸Yからのそれぞれの回転軸Xの間隔の関数であって、特に、中央グループ化軸Yからの間隔が大きいほど、アーム209の動作範囲が大きい。
【0175】
中央グループ化軸Yは、図5において参照符号207’として示されるシャフト207のうちの1本の縦軸に一致している。そのため、このシャフトは、それ自体のアーム209を必要とすることなく、それぞれの支持ロッド206に同軸状に接続されている。
【0176】
移動機構204は、例えば空気圧で制御されるモーター部材210を備える。モーター部材210は、把持ヘッド202のフレーム208上で回転する能力によって支持された伝達軸211を回転するように設けられる。
【0177】
伝達軸211には、それぞれのラック213に噛合することにより係合される冠歯車212が設けられる。ラック213は、シャフト207の各列と平行に伸長しており、また、回転されるシャフト207上に同軸状に固定されたそれぞれのピニオン214に噛合することにより係合される。
【0178】
好ましくは、ラック213とピニオン214は、第1の構成から第2の構成への移動によってピニオン214が約180度回転するように寸法が決められている。加えて、各アーム209は、第1の構成と第2の構成の両方において中央グループ化軸Yを通過する方向に伸長する(図5において点線で示された状況)。
【0179】
分離領域から排出領域への転送の際に物品1を保持するために、各保持要素203は、それぞれの遮断弁216によって、把持ヘッド202に関連する減圧回路215に選択的に接続されている。
【0180】
特には、遮断弁216は、それぞれの支持ロッド206、アーム209、およびシャフト207に対して内部に形成された導管によって、減圧回路とそれぞれの支持ロッド206とを連通させることが可能である。
【0181】
転送される物品1の底部2または頭部4に保持要素203が配置されると、減圧回路により実施される吸引動作によって、それぞれの保持要素203上に物品1が保持される。
【0182】
各遮断弁216は、互いに独立して動作可能である。したがって、各保持要素203は、他の保持要素203から独立した係合状態で物品1を保持または保持解除するために、選択的に作動および停止することができる。
【0183】
包装機1の各転送装置200は、以下に記載のように動作する。
【0184】
把持ヘッド202は、分離される物品1が格子パターンで配置される第1のコンベヤベルト115の上部において、アーム201によって分離領域で動かされる。
【0185】
この位置において、保持要素203は、第1の位置に移動される。したがって、保持要素203間の間隔は、第1のコンベヤベルト115上に配置された物品間の間隔に対応する。把持ヘッド202は、次に、その移動を一定に維持する第1のコンベヤベルト115の速度を均一にしながら、分離される物品1の保持要素203に当接するまで、物品1上に下降する。第1の保持要素203aおよび第2の保持要素203bは、物品1の格子配置を反映して、交互に互い違いにされている。したがって、各第1の保持要素203aは、上下反転姿勢で物品1上に下降し、各第2の保持要素203bは、正立姿勢で物品1上に下降する。
【0186】
作動する保持要素203の全ての遮断弁216は開放されて、減圧回路215と連通し、分離する物品1が吸引される。
【0187】
必要に応じて、把持ヘッド202は、まだ使用されていない保持要素203によって別の物品1を分離して、箱30に載置する物品1の層の構成を完成させるように、第1のコンベヤベルト115によって分離領域内に持ち込まれた物品1の他のグループ上に移動されてよい。言うまでもなく、把持ヘッド202上の物品1の層を完成させる操作は、層を完成させる関数として(したがって、より一般的には、満たされる箱30のサイズの関数として)、1つまたは複数の分離ステップを必要とする場合がある。
【0188】
載置する物品1の分離が終了すると、第2のコンベヤベルト107上に持ち込まれた箱30において、把持ヘッド202が排出領域に向けて移動する。
【0189】
把持ヘッド202が排出領域に向けて移動する際には、第1の保持要素203は、物品1を互いに近接させて(図7に明示したように)グループ化配置にして密接するように、同時に第2の構成に向けて回転される。グループ化配置は、物品1を箱30に迅速に挿入するのに好適である。
【0190】
それぞれの回転軸Xを中心とした保持要素203の回転は、モーター部材210の回転を制御することにより得られる。モーター部材210は、伝達軸211によってラック213を直線的に移動させ、かつ、ピニオン214との係合により、シャフト207を回転させ、それにより保持要素203を回転させる。
【0191】
第2の構成に移動された保持要素203によって排出領域に到達すると、把持ヘッド202は箱30に向けて移動し、かつ第2のコンベヤベルト107の速度を均一にすることにより、箱内部に物品1をグループとして載置し、遮断弁216を閉塞することにより保持要素203を停止させる。
【0192】
物品1は、箱30の底部に載置されるか、または既に以前から箱30に載置されていた物品1の層の上に載置される。
【0193】
好ましくは、2層以上が箱30に載置されている場合には、1つの層の物品1は、これらの物品1が載置されている層よりも下方の層の物品1に対して上下反転配置で配置される。このようにして、上層の正立姿勢の各物品は、下層の上下反転姿勢の物品上に載置され、かつ上層の上下反転姿勢の物品は、下層の正立姿勢の物品上に載置される。
【0194】
物品1が載置されると、把持ヘッドが上昇して物品を新たに分離するために第1のコンベヤベルト115に向けて移動し、保持要素203は、互いに離間するために、第1の構成に回転する。
【0195】
別の動作モードにおいては、本発明による転送装置200は、箱30、特には未完成または損傷を受けた箱から物品1を分離し、これら物品1を例えば補助棚に載置するために用いられてよい。補助棚からは、例えば物品1が続いて分離されて次の箱30の内部に挿入されてよい。この場合には、分離領域が箱30に画成されて、排出領域が補助棚に画成される。補助棚の代わりに、別の入れ物内やコンベヤベルト上に物品は載置されてよいと理解されている。
【0196】
言うまでもなく、具体的かつ偶発的な適用要件を満たすために、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内において、上述した発明の更なる変更や変形を実施してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】