(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】包装機用に特化した転送装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20230726BHJP
B65B 35/38 20060101ALI20230726BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B35/38
B25J11/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569050
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2021055999
(87)【国際公開番号】W WO2022009064
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000016630
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592033493
【氏名又は名称】ジ・ディ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルボーニ,サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3C707
3E003
3E054
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707BS24
3C707DS01
3C707DS07
3C707HT12
3E003AA01
3E003AA07
3E003AB02
3E003BA04
3E003BB03
3E003BB05
3E003BC06
3E003BD04
3E003BE01
3E003CB02
3E003DA04
3E003DA05
3E003DA07
3E054AA05
3E054AA16
3E054CA04
3E054DC03
3E054DC12
3E054DD01
3E054EA01
3E054FA05
3E054FA07
3E054HA04
3E054HA07
3E054JA02
(57)【要約】
複数の物品(1)を分離領域から分離して、支持平面と、支持平面に対してほぼ垂直な載置方向(Z)とが画成されている排出領域に物品を載置することによって、物品を転送するように設けられた転送装置(200)に関する。転送装置の各々は、物品を保持するように設けられた複数の保持要素(203)が設けられた把持ヘッド(202)と、載置方向(Z)に対して平行な非ゼロ成分を有する千鳥配置方向(S)において、保持要素のうちの少なくとも1つを他の少なくとも1つの保持要素に対して移動するように設けられた移動機構(204)と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品(1)を分離領域から分離して、支持平面と前記支持平面に対してほぼ垂直な載置方向(Z)とが画成されている排出領域に物品を載置することによって、前記物品を転送するように設けられた転送装置(200)であって、
前記分離領域と前記排出領域との間を移動可能であって、各々が前記複数の物品のうちのそれぞれの物品を保持するように設けられた複数の保持要素(203)が設けられた把持ヘッド(202)と、
前記載置方向(Z)に対して平行な非ゼロ成分を有する千鳥配置方向(S)において、前記保持要素のうちの少なくとも1つを他の少なくとも1つの前記保持要素に対して移動するように設けられた移動機構(204)と、
を備える、転送装置(200)。
【請求項2】
前記保持要素(203)は、第1の保持要素(203a)と第2の保持要素(203b)とを備え、前記移動機構は、前記千鳥配置方向(S)において、前記第2の保持要素(203b)に対して前記第1の保持要素(203a)を同時に移動するように設けられる、請求項1に記載の転送装置。
【請求項3】
前記第1の保持要素(203a)は、前記第1の保持要素(203a)が前記第2の保持要素(203b)と同一平面にある第1の位置と、前記第1の保持要素(203a)と前記第2の保持要素(203b)が、互いに平行かつ離間しているそれぞれの基準平面(A、B)に位置している第2の位置との間で、前記千鳥配置方向(S)に移動する、請求項2に記載の転送装置。
【請求項4】
前記第2の保持要素(203b)は、前記把持ヘッド(202)に対して前記千鳥配置方向(S)に移動可能ではない、請求項2または3に記載の転送装置。
【請求項5】
前記移動機構(204)は、前記千鳥配置方向に前記第1の保持要素(203a)を移動するための作動部材(220)を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項6】
前記千鳥配置方向(S)は、前記載置方向(Z)に対してほぼ平行である、請求項1~5のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項7】
前記移動機構(204)は、前記載置方向(Z)に対してほぼ垂直な基準平面に位置する方向に、前記保持要素(203)のうちの少なくとも1つを移動するようにさらに設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項8】
前記保持要素(203)は、前記保持要素が互いに離間した第1の構成と、前記保持要素が互いに近接する第2の構成との間で、前記基準平面内を移動する、請求項7に記載の転送装置。
【請求項9】
前記移動機構(204)は、それぞれの回転軸(X)を中心として回転することによって、前記第1の構成と前記第2の構成との間で前記保持要素(203)を移動するように構成されている、請求項8に記載の転送装置。
【請求項10】
前記複数の物品(1)が載置される前記排出領域は、容器(30)に画成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項11】
少なくとも1つのスプレッダー要素が、前記保持要素に従って前記把持ヘッドから伸長し、かつ前記容器に当接して前記容器の開口部を広げるように設けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項12】
前記物品は、大きい方の基部(4)から小さい方の基部(2)まで先細の形態を有しており、かつ、前記第2の位置においては、前記載置方向(Z)に対して平行な平面において前記第1の保持要素(203a)によって保持される前記物品の直交方向突出部が、前記小さい方の基部(2)の近傍においてのみ前記第2の保持要素(203b)によって保持される前記物品の直交方向突出部に部分的に重畳する、請求項2~11のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項13】
前記保持要素(203)の各々は、他の前記保持要素から独立した係合状態で前記物品(1)の1つを保持または保持しないようにするために、選択的に起動および停止される、請求項1~12のいずれか1項に記載の転送装置。
【請求項14】
物品(1)のための包装機(100)であって、複数の前記物品を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられて、請求項1~13のいずれか1項に従って実現された、少なくとも1つの転送装置(200)を備える、包装機(100)。
【請求項15】
複数の物品(1)を、分離領域から、支持平面と前記支持平面に対してほぼ垂直な載置方向(Z)とが画成されている排出領域へ転送する方法であって、
複数の保持要素(203)が設けられた把持ヘッド(202)を備える転送装置(200)を設けることと、
前記複数の保持要素(203)によって前記分離領域から前記複数の物品(1)を分離することと、
前記載置方向(Z)に対して平行な非ゼロ成分を有する千鳥配置方向(S)において、前記保持要素(203a)のうちの少なくとも1つを他の少なくとも1つの前記保持要素に対して移動することと、
前記保持要素が互いに離間した第1の構成と、前記保持要素(203)が互いに近接する第2の構成との間で、前記載置方向(Z)に対してほぼ垂直な基準平面内に前記保持要素(203)を移動することと、
前記物品(1)を前記支持平面上に載置することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記分離領域が移動している間、前記複数の物品(1)は前記保持要素(203)によって分離される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記支持平面が移動している間、前記複数の物品(1)は前記保持要素(203)によって前記支持平面上に載置される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記保持要素(203)が前記第2の位置に移動するときに、前記物品(1)は前記支持平面に向けて移動し、次いで、前記支持平面上へのそれぞれの前記物品の載置を促すために、前記保持要素(203)は前記第1の位置に移動する、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複数の物品を容器に包装する方法であって、前記物品は、請求項15~18のいずれか1項に記載の転送方法に従って、分離領域から前記容器に画成された排出領域へ転送される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の包装機での使用に特化した転送装置に関する。
【0002】
また、本発明は、かかる転送装置を備える包装機と物品包装方法に関する。
【背景技術】
【0003】
以下に限定するのことなく好ましくではあるが、本発明は束ねられていない物品を箱入りのように包装する分野に適用される。束ねられていない物品とは、コーヒーなどの浸出式カプセル製品などである。かような製品の分野は、以下本明細書では一般性を損なうことなく参照され得る。
【0004】
特に、関連する技術分野において、包装対象の物品を分離領域から分離して排出領域に置くことにより転送するように好適に構成された転送装置を備える包装機が知られており、かかる転送装置は、物品を入れる対象とされた容器に設置することができる。
【0005】
既知の実施形態においては、かかる転送装置は、可動アームに載置され、1つまたは複数の保持要素が設けられた把持ヘッドを備えることができる。保持要素は、分離領域から排出領域へ転送される物品と係合するように保持することが可能である。
【0006】
また、分離された物品を載置する前に、対象である容器への物品の挿入を促進するように複数の物品を互いに近接させることが可能な転送装置も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
添付の特許請求の範囲および本明細書においては、いくつかの用語や表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
【0008】
「物品」という用語は、転送装置によって分離、移動および載置することが工業生産ライン内で可能な固体製品全般を意味する。
【0009】
特に、転送装置は、かかる製品(または複数のかかる製品)を供給ラインから分離して、かつ製品の転送または包装のために設けられた容器に製品を載置するように構成することができる。
【0010】
物品は互いに全く同一のものであってもよいし、構成、組成、色または向きなどの一部の特性が互いに異なるものであってもよい。
【0011】
例えば、物品は個別の容器や包装紙に包装済みの食品や菓子製品であってよく、これらの容器は、コーヒーカプセルや他の浸出式飲料、飲料のボトルやカートン、ヨーグルトポット、(個包装された、またはされていない)個別のチョコレート片、キャンディ、小箱、および固体、液体または半固体の食品などを内包するパウチを含む。また物品は、セラミック産業の製品、衛生用吸収製品、タバコ産業の製品、化粧産業の製品、製薬産業の製品、およびパーソナルケアとホームケア産業の製品であってよい。
【0012】
物品を形容する「束ねられていない」という用語は、互いに分かれていて結びついていない複数の単一の物品を意味しており、そのため、物品の各々を他の物品から独立して移動または処理することができる。
【0013】
複数の物品は、そのすべてが同一の時間間隔で、換言すれば同時に移動、分離、載置または処理される場合に、「グループで」移動、分離、載置または処理される。
【0014】
例えば物品は、そのすべてがほぼ同時に回転運動を開始および終了する場合に、「グループで」回転する。
【0015】
「容器」という用語は、物品を内包するのに好適な容器全般、特には、転送装置が分離した物品を載置している容器全般を意味する。好ましくは、容器は、物品のグループを包装するのに好適な容器である。さらに好ましくは、容器は例えば、箱、トレイ、パレットまたは引き出しであって、これらはいずれも物品のグループを有利に分別するように内包するよう意図されている。
【0016】
第1の方向は、80度~100度の間の角度でもって第1の方向と第2の方向が傾斜する場合に、第2の方向に対して「ほぼ」垂直である。
【0017】
同様に、2つの方向は、これら2つの方向が最大10度まで互いに傾斜する場合に、「ほぼ」平行である。
【0018】
第2の方向に対する第1の方向の「成分」という用語は、双方の方向が同一平面上に置かれたときの、第2の方向への第1の方向の直交方向の突出を意味する。
【0019】
特には、第2の方向への第1の方向の直交方向突出がゼロではない場合、換言すれば、第1の方向が第2の方向に対して垂直ではない場合に、第1の方向は第2の方向と平行であり、「非ゼロ」成分を有する。
【0020】
また、「第1の位置と第2の位置との間で物体を移動する」という表現は、第1の位置から第2の位置への移動と第2の位置から第1の位置への移動の両方を意味すると規定されている。
【0021】
この定義は、例えば、汎用の物体を2つの位置の間で、または2つの領域の間で、さらにまたは2つの異なる動作構成の間で転送または移動する動きを表現する同様の表現に等しくあてはまる。
【0022】
複数の物体が同一平面上にある構成にある場合には、それら複数の物体によって画成される平面に対する任意の方向が、「千鳥配置方向」と定義される。同一平面構成を定義するために、複数の物体は、少なくとも3つの物体を備える。
【0023】
本出願人は、いくつかの既知の転送装置においては、物品を排出領域に載置される前にグループ化配置にてコンパクトに詰めるように、保持要素を互いに近接させることができることに注目した。
【0024】
このようにして、物品は、可能な限り小さい容器に載置され、これにより、空間要件を最小限に抑え、結果として生産、在庫および物流のコストを最小限に抑えることができる。
【0025】
また、物品がグループ化配置に移動する場合には、それらの梱包のために意図された箱型の容器内に物品を容易に入れることができる。
【0026】
後者の場合においては、出願人は、特に、箱に物品を挿入するにあたっての最も繊細な工程が挿入の初期段階にあることを確認した。ここでは、物品が箱の壁部の上端に当接する可能性があり、それによって箱の詰まりや損傷のリスクを伴う。
【0027】
しかしながら、本出願人は、該物品が載置されるものと意図された支持平面に対してほぼ平行な平面内において、互いに近接する保持要素の移動が起こることに注目した。
【0028】
それゆえ、本出願人は、排出領域の支持平面に対して平行な方向以外の方向にも保持要素を移動させることによって、グループ化配置における物品のコンパクト化の程度をさらに向上させることができるという知見を得た。
【0029】
遂に、出願人は以下の事を見出した。すなわち、保持要素が、支持平面に対してほぼ垂直な方向に沿って、差別化された方法で把持ヘッド上を移動することができるように転送装置を配置することによって、物品のさらにコンパクトなグループ化配置を得ることができ、それにより、梱包容器のサイズを最小化したいという不変のニーズに効果的に対応でき、かつ、容器の内部に物品を挿入する工程をさらに促進できる事を見出した。
【0030】
それゆえ、本発明の第1の態様においては、本発明は、複数の物品を分離領域から分離して排出領域に載置することによって該物品を転送するように設けられた転送装置に関する。
【0031】
好ましくは、支持平面は排出領域に画成される。
【0032】
好ましくは、支持平面に対してほぼ垂直な載置方向が、排出領域に画成される。
【0033】
好ましくは、転送装置は、分離領域と排出領域との間を移動可能な把持ヘッドを備える。
【0034】
好ましくは、把持ヘッドには、複数の保持要素が設けられる。
【0035】
好ましくは、各保持要素は、複数の物品のうちのそれぞれの物品を保持するために設けられる。
【0036】
好ましくは、転送装置は、千鳥配置方向において、保持要素のうちの少なくとも1つを他の少なくとも1つの保持要素に対して移動するように設けられた移動機構を備える。
【0037】
好ましくは、千鳥配置方向は、載置方向に対して平行な非ゼロ成分を有する。
【0038】
これらの特徴によって、本発明による転送装置は、物品が排出領域に載置される際に、物品のよりコンパクトな構成を得ることが可能である。
【0039】
特には、本発明によって、例えば物品が先細な、より一般的には載置方向において断面が変化する形態を示す場合に、物品のいくつかの特定の形態を有利に役立てることができる。実際に、この載置方向において物品の間に物品を千鳥状の配置することによって、物品同士の近接をより可能にする相互位置を特定することが可能である。
【0040】
特には、物品が円錐台形かまたは円錐ピラミッド形を有する場合にこの利点は明確に認識可能であって、例えば、これらの物品が交互に正立と上下反転位置に隣り合わせで配置される場合にさらに明確に認識可能である。
【0041】
また、本発明の特徴的な物体は、断面が一定な物品の場合にも有利であり得る。ここで、例えば、載置方向においてそれ自体のサイズよりも大きい手段を介して1つまたは複数の物品を他の物品に対して移動させることで、すべての物品が部分的にでも箱に挿入されたときに、同一平面関係にある移動された物品を再度配置することによって他の物品の近接を許容する空間を創出することができる。
【0042】
本発明の第2の態様においては、本発明は、少なくとも1つの転送装置を備える、物品のための包装機に関する。第1の態様に従って実現された少なくとも1つの転送装置は、複数の物品を分離領域から分離して排出領域に載置するように設けられる。
【0043】
それゆえ、本発明による包装機は、より小さい容器に物品を有利に梱包することができ、且つ/または物品をより大きな安全マージンをもって容器に有利に載置することができ、これにより、梱包の際の無駄の減少と生産能力の向上が可能になる。
【0044】
本発明の第3の態様においては、本発明は、複数の物品を分離領域から排出領域に転送する方法に関する。
【0045】
好ましくは、支持平面は排出領域に画成される。
【0046】
好ましくは、支持平面に対してほぼ垂直な載置方向が、排出領域に画成される。
【0047】
好ましくは、方法は、複数の保持要素が設けられた把持ヘッドを備える転送装置を設ける工程を想定する。
【0048】
好ましくは、方法は、複数の保持要素によって分離領域から複数の物品を分離する工程を想定する。
【0049】
好ましくは、方法は、載置方向に対して平行な非ゼロ成分を有する千鳥配置方向において、保持要素のうちの少なくとも1つを他の少なくとも1つの保持要素に対して移動する工程を想定する。
【0050】
好ましくは、方法は、保持要素が互いに離間した第1の構成と、保持要素が互いに近接している第2の構成との間で、載置方向に対してほぼ垂直な基準平面内に保持要素を移動する工程を想定する。
【0051】
好ましくは、方法は、物品を支持平面上に載置する工程を想定する。
【0052】
本発明の第4の態様においては、本発明は、複数の物品を容器に梱包する方法であって、物品は、第3の態様の転送方法に従って容器に転送される方法に関する。
【0053】
本発明の第5の態様においては、本発明は、複数の物品を分離領域から分離して排出領域に載置することによって、かつ分離領域と容器との間を移動可能な把持ヘッドを備えることによって該物品を転送するように設けられた転送装置に関する。
【0054】
好ましくは、把持ヘッドには、複数の物品を保持するように設けられた複数の保持要素が設けられる。
【0055】
好ましくは、転送装置は、保持要素に従って把持ヘッドから伸長し、かつ容器に当接するように設けられた少なくとも1つのスプレッダー要素を備える。
【0056】
好ましくは、スプレッダー要素は、容器の壁部のうちの1つ、または容器の閉塞パネルのうちの1つに当接するように設けられる。
【0057】
このようにして、容器の開口部を広げることができ、物品をその内部により容易に挿入することができる。
【0058】
特には、本出願人は、閉塞パネルにだけ適切に当接して、容器の開口部を広げることによって一時的に変形することが可能であることに注目した。
【0059】
実際に、本出願人は以下の事に着目した。すなわち、閉塞パネル上にスプレッダー要素によって作用した圧力に伴って、後者の閉塞パネルは曲がる傾向にあって、これにより、閉塞パネルを容器の壁部に接続して、かつ容器を開閉するために該壁部に対して折り目が正常に回転する軸を定義する折り目をも折り曲げる事に着目した。
【0060】
しかしながら、折り目が曲げられると、もはや回転軸を画成するには適切ではなく、実際に、壁部に対する閉塞パネルの回転が妨げられる。また、この状況においては、閉塞パネルと、閉塞パネルに接続された壁部はほとんど一体となる。これにより、閉塞パネルの曲率が、閉塞パネルが接続されている壁部に伝わって、容器の開口部が広げられる。
【0061】
適宜には、スプレッダー要素によって実施される上記の変形は、スプレッダー要素が閉塞パネルから分離されるときに閉塞パネルがその初期構成に戻って折り目を中心に正常に回転可能になるように、完全に元に戻せるように行われる。
【0062】
これにより、スプレッダー要素を把持要素からさらに離間したまま、特に物品の支持平面に対してより高い位置に留めておくことができるようになるので、この特徴は特に有利である。このようにより高い位置にスプレッダー要素を留めおくことは、把持ヘッドによって実施される分離と載置の操作に対していかなる干渉も生じさせないように行われる。
【0063】
本発明の第6の態様においては、本発明は、容器に複数の物品を載置する方法に関し、該方法は、
・ 複数の物品を分離領域から分離して容器に載置することによって、複数の物品を転送するための把持ヘッドであって、分離領域と容器との愛さを移動可能な把持ヘッドを備える転送装置を設けることと、
・ 複数の物品を分離領域から分離することと、
・ 把持ヘッドを容器に向けて移動することと、
・ 少なくとも1つのスプレッダー要素によって、容器の開口部を一時的に広げることと、
・ 上述した広げられた開口部を通じて、容器の内部に複数の物品を載置することと、
を含む。
【0064】
好ましくは、開口部は、容器の閉塞パネルのうちの1つにおいて容器に当接することによって広げられる。
【0065】
好ましくは、開口部は、容器の閉塞パネルと、閉塞パネルに接続された容器の壁部との間に設けられた折り目を折り曲げることによって広げられる。
【0066】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下に記載のさらに好ましい特徴のうちの少なくとも1つを有してよい。
【0067】
好ましくは、物品は束ねられておらず、したがって、把持ヘッドの保持要素によって、互いに独立して分離領域から分離され、転送されて、排出領域に載置される。
【0068】
好ましくは、物品は分離領域から排出領域へ複数のグループで転送され、再度グループで排出領域に載置される。
【0069】
一実施形態においては、物品は、さらにグループ単位で分離される。
【0070】
別の実施形態においては、物品は、連続工程において分離領域から分離することができる。
【0071】
換言すれば、物品は、単一のグループで同時にかまたは、連続工程の際には複数のサブグループであって、これらの行程の全終了時にのみ最終グループを形成して、分離領域から分離することができる。
【0072】
このようにして、物品は、分離領域の構成とは異なる構成において把持ヘッド上に配置することができ、それによって、包装機の運用の柔軟性向上が大いに可能になる。
【0073】
好ましくは、保持要素は、第1の保持要素と第2の保持要素とを備え、移動機構は、千鳥配置方向において、第2の保持要素に対して第1の保持要素を同時に移動するように設けられる。
【0074】
このようにして、保持要素の2つのグループが、他のグループの保持要素に対して1つのグループの保持要素を合同して移動する構成要素を最小にしながら形成される。また、この特徴によって、把持ヘッドの移動機構に過大な負担を課すことなく、様々な保持要素の移動と軌道を均一に管理することができる。
【0075】
好ましくは、千鳥配置方向での移動の際の第1の保持要素は、載置方向にほぼ垂直な基準平面に対して互いに同一平面上にある。
【0076】
このようにして、第1の保持要素は、第1の保持要素が載置されると意図された支持平面に対して平行であるという条件を維持しながら移動して、これにより、第1の保持要素の移動管理が簡略化される。
【0077】
好ましくは、第1の保持要素は、第1の保持要素が第2の保持要素と同一平面にある第1の位置と、第1の保持要素と第2の保持要素が、互いに平行かつ離間しているそれぞれの基準平面に位置している第2の位置との間で、千鳥配置方向に移動する。
【0078】
このようにして、第1の保持要素を第1の位置に移動することによって、物品が一般的には互いに同一平面上にある分離領域から、物品を効果的に分離することが可能である。第1の保持要素を第2の位置に移動した後では、可能な範囲で最大限にコンパクト化したグループ化配置において物品を互いに近接する処置を進めることが可能である。
【0079】
もちろん、千鳥配置方向における第1の保持要素の移動の程度は、物品の形態によって定められ、物品同士が最適に近接しあえるために適宜に選択される。
【0080】
好ましくは、第2の保持要素は、把持ヘッドに対して千鳥配置方向に移動可能ではない。
【0081】
このようにして、第1の保持要素と第2の保持要素との間の相対移動の動作は、第1の保持要素にのみ委ねられている。これにより、第2の保持要素の移動に必要な成分を有利に節約できるようになり、これは結果として、生産コストと把持ヘッドの軽量化の双方からみて利益となる。
【0082】
しかしながら、異なる実施形態においては、第1と第2の保持要素には、千鳥配置方向におけるそれらの独立した移動を可能にするそれらと同様な機構を設けることもできるであろう。
【0083】
好適な実施形態においては、移動機構は、千鳥配置方向に第1の保持要素を移動するための移動機構を備える。
【0084】
好ましくは、この作動部材は、複動型のものである。
【0085】
好ましくは、この作動部材は、空気圧型のものである。
【0086】
好ましくは、保持要素の各々は、支持ロッドの一端に固定される。
【0087】
好ましくは、支持ロッドは載置方向に対してほぼ平行である。
【0088】
好ましくは、作動部材は、千鳥配置方向において第1の保持要素の支持ロッドを移動するように設けられる。
【0089】
好ましくは、作動部材は、シリンダーと、シリンダーに摺動して係合するピストンとを備え、そのうちの一方が支持ロッドに接続される。
【0090】
これらの特徴によって、載置方向における保持要素の移動は、単純でありながら精密で信頼性の高い機構によって実現される。
【0091】
好ましくは、千鳥配置方向は一直線である。
【0092】
他の実施形態においては、保持要素が移動する千鳥配置方向は曲線からなってよく、例えば、円周の円弧によって形成されてよい。
【0093】
好ましくは、千鳥配置方向は、載置方向に対してほぼ平行である。
【0094】
換言すれば、千鳥配置方向は支持平面に対して傾斜している限りにおいて、載置方向に対して傾斜してよい。
【0095】
好ましくは、千鳥配置方向と載置方向とは鉛直方向に対してほぼ平行である。
【0096】
好適な実施形態においては、移動機構は、載置方向に対してほぼ垂直な基準平面に位置する方向に、保持要素のうちの少なくとも1つを移動するようにさらに設けられている。
【0097】
好ましくは、保持要素は、保持要素が互いに離間した第1の構成と、保持要素が互いに近接しており複数の物品をグループ化配置に向けて移動する第2の構成との間で、基準平面内を移動する。
【0098】
好適な一実施形態においては、把持ヘッドは、保持要素が第1の構成にあるときに物品を分離領域から移動し、保持要素が第2の構成にあるときに物品を排出領域に載置する。
【0099】
このようにして、物品が相対的に互いに離間しているときに分離することができ、物品を箱に梱包するにあたってより密で有利なグループ化配置をされて載置することができる。
【0100】
別の実施形態においては、把持ヘッドは、保持要素が第2の構成にあるときに物品を分離領域から移動し、保持要素が第1の構成にあるときに物品を排出領域に載置する。
【0101】
この場合には、物品はグループ化配置をされて移動され、次に、載置される前に互いに離間される。
【0102】
好ましくは、複数の保持要素において、第1の構成と第2の構成の間を移動される保持要素によって形成される保持要素の第1のグループと、第1の構成と第2の構成の間を移動されない保持要素によって形成される保持要素の第2のグループと、が定義されている。
【0103】
好ましくは、保持要素の第1のグループのすべての保持要素が、それぞれの回転軸を中心として回転することによって、第1の構成と第2の構成との間を移動する。
【0104】
このようにして、単純化された移動機構によって保持要素は移動し、これによって、必要な部品点数を削減することが可能になり、把持ヘッドが軽量化され、結果としてその移動速度が上昇して、さらに、転送装置の全体的な生産能力が向上する。
【0105】
異なる実施形態においては、保持要素は、直動アクチュエーターによって、第1の構成と第2の構成との間を移動する。
【0106】
好ましくは、保持要素の第2のグループの保持要素が、把持ヘッドに対して固定される。
【0107】
これにより、更なる把持ヘッドの軽量化を伴いつつ、保持要素に対して移動部品を有利に省くことが可能になる。
【0108】
一実施形態においては、保持要素の第2のグループは、1つまたは複数の保持要素によって形成されてよい。
【0109】
この場合には、第1のグループの保持要素が第2の構成に移動するときに、第2のグループの要素に近接する。
【0110】
このようにして、保持要素は、様々に異なる梱包ニーズを満たすために、多くの異なる方法で把持ヘッド上に配置して構成することができる。特には、別々のグループの配置に従って、容器に物品を載置することが可能である。
【0111】
別の実施形態においては、保持要素の第2のグループは、保持要素を1つも備えない。
【0112】
この場合には、すべての保持要素が第1の構成と第2の構成との間を移動する。
【0113】
一実施形態においては、回転軸は互いにほぼ平行である。
【0114】
一実施形態においては、回転軸は互いにほぼ平行である。
【0115】
一実施形態においては、回転軸は連続列に整列されている。
【0116】
好ましくは、各列において、回転軸は等距離に配置されている。
【0117】
好ましくは、回転軸の列は相互間で等距離に配置されている。
【0118】
このようにして、回転軸は指示された行列配置を有し、保持要素の移動機構をより容易に実現できる。
【0119】
一実施形態においては、保持要素は、第2の構成に向かって回転する際に、すべてが中央グループ化軸に向かって移動する。
【0120】
このように設けることによって、物品の特に密なグループ化配置を得ることが可能になる。
【0121】
好適な実施形態においては、中央グループ化軸は、保持要素のうちの1つの軸に一致する。
【0122】
この場合には、中央グループ化軸に一致する軸を有するこの保持要素の位置が第1の構成と第2の構成との間で変化せず、保持要素は固定されたままであると想定される。この場合には、この保持要素は、保持要素の前述の第2のグループを形成する。
【0123】
好ましくは、それぞれの回転軸からの各保持要素の間隔は、回転軸の中央グループ化軸からの間隔の関数である。
【0124】
好ましくは、第1の構成と第2の構成との間の回転の際に、保持要素は約180度回転する。
【0125】
このようにして、回転運動をもって可能な最大の間隔が所定の半径を有する限り、保持要素が移動する。
【0126】
好ましくは、移動機構は、回転軸に対して垂直に伸長するアームを、回転する保持要素ごとに備える。
【0127】
好ましくは、アームは、回転軸からの保持要素の間隔を定義する。
【0128】
好ましくは、第1の構成と第2の構成とにおいて、アームは、中央グループ化軸を通過する方向に伸長する。
【0129】
好ましくは、移動機構は、回転軸に同軸状に載置されたピニオンを、回転する保持要素ごとに備える。
【0130】
好ましくは、ピニオンは、把持ヘッドのフレーム上に回転可能に載置されたシャフト上に同軸状に固定される。
【0131】
より好ましくは、シャフトは、アームによって保持要素に接続されている。
【0132】
さらに好ましくは、アームは、シャフトと、保持要素が載置された支持ロッドとの間を伸長する。
【0133】
好適な実施形態においては、移動機構は、ピニオンに噛合することにより係合されて、それぞれの回転軸を中心にしたピニオンの回転を制御する複数のラックを備える。
【0134】
好ましくは、ピニオンは連続列に整列されており、各列のピニオンはそれぞれのラックに係合されている。
【0135】
換言すれば、単一のラックは、単一の列におけるすべてのピニオンに噛合され、それにより、すべてのピニオンを移動するために求められるラックの数は、ピニオンの連続列の数と等しくなる。
【0136】
好ましくは、移動機構は、伝達軸によって複数のラックに接続されたモーター部材を備える。
【0137】
好ましくは、伝達軸の数は1つである。
【0138】
これらの特徴の各々によって、部品点数が削減されてさらに軽量化された、効果的で正確で、かつ同時に特に簡便な移動機構が実現される。
【0139】
好適な実施形態においては、複数の物品が載置される排出領域は、容器上に画成される。
【0140】
好ましくは、容器は箱であって、箱は、底部と、該箱の開口部に向かって底部から立ち上がる側壁とを備える。
【0141】
好ましくは、容器の底部は、排出領域の支持平面を画成する。
【0142】
支持平面は、容器に前もって載置された物品の層によっても形成することができる。
【0143】
一実施形態においては、転送装置は、保持要素に従って把持ヘッドから伸長し、かつ容器に当接してその開口部を広げるように設けられた少なくとも1つのスプレッダー要素を備える。
【0144】
このようにして、容器の開口部を広げることが可能になり、物品を容器の内部に容易に挿入することができる。
【0145】
第1の実施形態においては、スプレッダー要素は、容器に、その閉塞パネルのうちの1つにおいて当接するように設けられる。
【0146】
このようにして、特には、物品をその列のうちのいくつかに分離するのみの場合に第1のコンベヤベルトの平面に触れないようにすることによって、把持ヘッドの動作に干渉しないように、物品の支持平面よりも高い位置にスプレッダー要素を留めておくことが可能である。
【0147】
好ましくは、また、把持ヘッドの動作の際に物品に干渉する危険を冒さないように、2つの保持要素の間の中心にスプレッダー要素を位置決めする。
【0148】
第2の実施形態においては、少なくとも1つのスプレッダー要素は、容器に、その壁部のうちの1つにおいて当接するように設けられる。
【0149】
別の実施形態においては、容器の1対の対向壁部に当接するように設けられた1対のスプレッダー要素が想定される。
【0150】
いくつかの実施形態においては、少なくとも1つのスプレッダー要素は、スプレッダー要素が容器に当接するように設けられている操作位置と把持要素から遠ざけられている非操作位置との間で、把持ヘッドに対して移動可能である。
【0151】
また別の実施形態においては、少なくとも1つのスプレッダー要素は、壁部かまたは容器を閉塞するためのパネルに作用することによって容器を輸送するコンベヤに動作的に関連付けられてもよい。
【0152】
1つの実施形態においては、物品は、載置方向において可変断面を有する。
【0153】
このようにして、載置方向において保持要素間の正しい千鳥配置を特定することが常に可能となり、これによって、載置方向に対して垂直な平面内で移動することによって物品が互いに近接する場合に、コンパクト化の程度を向上させることができる。
【0154】
好ましくは、物品は、面積が大きい方の基部から面積が小さい方の基部にかけて、先細の形態を有する。
【0155】
好ましくは、物品は、ほぼ円錐コーンの形態を有する。
【0156】
好ましくは、物品は、より小さな断面の底部とより大きな断面の頭部とを有する。
【0157】
好適な実施形態においては、物品は、例えばコーヒーなどの浸出により作製される製品のカプセルである。
【0158】
好ましくは、第1の保持要素は、第1の面を有し、第2の保持要素は、第1の面よりも小さい第2の面を有する。
【0159】
好ましくは、第1の保持要素は、頭部において物品を保持するように構成され、第2の保持要素は、底部において物品を保持するように構成されている。
【0160】
好ましくは、第2の保持要素の各々は、第2の保持要素の1つと互い違いにされ、第2の保持要素の各々は、第1の保持要素の1つと互い違いにされる。
【0161】
好ましくは、第1の保持要素は5つ目型パターンに配置され、第2の保持要素は、第1の保持要素に相補的な方法で5つ目型パターンに配置される。
【0162】
これにより、物品は頭部から底部へおよび底部から頭部への互い違いの向きで移動することが可能になり、これによって、物品がグループ化配置で移動されるときに、物品を効果的に密集させることが可能になる。
【0163】
好適な実施形態においては、第2の位置において、載置方向に対して平行な平面において第1の保持要素によって保持される物品の直交方向突出部が、小さい方の基部の近傍においてのみ第2の保持要素によって保持される物品の直交方向突出部に部分的に重畳する。
【0164】
好ましくは、第2の位置においては、第1と第2の保持要素によってそれぞれ保持される物品の載置方向に対して平行な平面における直交方向突出部同士は、0から10ミリメートル、より好ましくは0から5ミリメートルの間の測定値の分だけ重畳されている。
【0165】
このようにして、第1の位置から第2の位置への通過は、ほぼ同一平面の構成と、物品同士の間の干渉が最小程度に維持されている千鳥構成との間で物品を移動することを伴っている。結果的に、物品同士が載置方向に対して垂直な平面において互いに近接する場合に、物品は面積が小さい方の基部に近い狭い領域において接触しあってもよく、これによって、隣接する物品の重畳が回避されて、同一平面構成において物品が後に位置決めし直されることをとにかく防止することができることになろう。
【0166】
好適な実施形態においては、転送装置は、その端部に把持ヘッドが固定された複数の多関節アームを含むデルタ型三角形ロボットを備える。
【0167】
好ましくは、把持ヘッドは、3つの直線移動軸により定められる軌道において多関節アームによって移動される。
【0168】
好適な実施形態においては、保持要素の各々は、他の保持要素から独立した係合状態で物品の1つを保持または保持しないようにするために、選択的に起動および停止することができる。
【0169】
このようにして、例えば、物品が転送装置に供給される列の数よりも多い数の行が設けられる構成などの、把持ヘッド上の物品の様々に異なる構成を構成することが可能であり、または不完全または部分的な構成を構成することが可能である。
【0170】
好ましくは、保持要素は減圧回路に接続されている。
【0171】
好ましくは、各保持要素は、それぞれの導管によって減圧回路に接続され、それぞれの遮断弁の開口部によって減圧回路に連通して選択的に据えられることができる。
【0172】
このようにして、物品は、吸入されて保持要素によって保持される。
【0173】
好ましくは、導管は、支持ロッドの内部に形成される。
【0174】
このようにして、更なる導管はスペアとして取り置かれ、その一方で、同時に支持ロッド、すなわち全体としては把持ヘッドが軽量化される。
【0175】
好適な実施形態においては、分離領域が、物品が置かれる第1のコンベヤベルト上に画成される。
【0176】
他の実施形態においては、分離領域は、載置棚か、一時蓄積要素(バッファ)か、または容器上に画成することができる。
【0177】
好ましくは、保持要素は、第1の構成に移動されて分離領域から物品を分離する。
【0178】
このようにして、物品は、互いに相対的に離間するように第1のコンベヤベルト上に配置され、これによって、転送装置による物品の移動と分離が容易になる。
【0179】
好ましくは、支持平面は、容器に画成される。
【0180】
好ましくは、容器は、第2のコンベヤベルト上に位置決めされる。
【0181】
他の実施形態においては、支持平面は、載置棚か、一時蓄積要素(バッファ)か、またはコンベヤベルト上に画成することができる。
【0182】
好ましくは、少なくとも1つの転送装置は、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの間で位置決めされる。
【0183】
好ましくは、少なくとも1つの転送装置は、第1のコンベヤベルトの部分と第2のコンベヤベルトの部分とを備えるエリアにおいて動作可能である。
【0184】
このコンベヤベルトと転送装置との配置により、特に密なレイアウトの包装機を得ることが可能になる。
【0185】
好ましくは、少なくとも転送装置が動作可能な領域において、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとが、互いにほぼ平行であるそれぞれの進行方向に移動する。
【0186】
好ましくは、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの進行方向は、互いに反対方向である。
【0187】
好適な実施形態においては、複数の転送装置は、第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとの間に設けられる。
【0188】
好ましくは、転送装置は、すべて進行方向に並列に整列されている。
【0189】
これにより、結果として密な機械レイアウトが得られ、転送装置の動作が最適化される。
【0190】
好適な実施形態においては、分離領域が移動している間、複数の物品は保持要素によって分離される。
【0191】
好適な実施形態においては、支持平面が移動している間、複数の物品は、保持要素によって支持平面上に分離される。
【0192】
これにより、ほぼ連続して動作する包装機を作成することが可能になり、特に物品が載置されて続いて梱包される容器に排出領域が画成されるときに、求められる転送装置の数または中間バッファの必要性を減じることと、包装機そのものの生産能力を向上することとの双方にとって最適な条件が創出される。
【0193】
好適な実施形態においては、第1の保持要素が第2の位置に移動する場合に、物品は、容器の支持平面に近接する。
【0194】
このようにして、第2の保持要素によって保持された物品は支持平面上に載置され、その一方で、第1の保持要素によって保持された物品は、支持平面に対して高く設定された位置に留まる。
【0195】
第1の実施形態においては、物品は次に保持要素から解放される。
【0196】
このようにして、第1の保持要素によって前もって保持された物品は、第2の保持要素によって前もって保持されて、支持平面上に置かれて容器の内部で最適な位置をとり、容器の横壁部によって横向きに保持された物品の中に、重力によって下降する。
【0197】
一実施形態においては、第1の保持要素は、引き続いて第1の位置に移動して、それぞれの物品の支持平面上への載置を容易にする。
【0198】
このようにして、第1の保持要素によって前もって保持された物品は、第2の保持要素によって前もって保持された物品の中に押し込まれる。
【0199】
好ましくは、それぞれの物品が解放された後で、第1の保持要素は第1の位置に移動する。
【0200】
前述の特性によって、第1の保持要素によって輸送された物品は、第2の保持要素によって輸送された物品と同一平面上に好適に戻されて、これにより、容器の内部での物品の適切な配置を得ることと、場合によっては、同一の容器への梱包が意図された物品の後続の層のための効果的な支持平面を形成することとが可能になる。
【0201】
この操作は、物品を支持平面上に載置する直前におこなわれることになっている。
【図面の簡単な説明】
【0202】
本発明の特性および利点は、以下の添付図面を参照して非限定的な例として示される一実施形態に関する詳細な記載からより明らかとなろう。
【
図1】
図1は、本発明に従って作成された転送装置を備えた、束ねられていない物品用の包装機を上から見た概略平面図である。
【
図2】
図2は、
図1における包装機の部分の拡大図であって、横方向に透視した概略図である。
【
図3】
図3は、第1の動作構成における保持要素とともに、
図1の包装機の転送装置の把持ヘッドをさらに拡大した、横方向に透視した概略図である。
【
図4】
図4は、第2の方向動作構成における保持要素とともに、
図3の把持ヘッドと同様な把持ヘッドを横方向に透視した概略図である。
【
図7】
図7は、第1の動作構成における
図5の把持ヘッドの概略横断面図である。
【
図8-9】
図8と
図9は、2つの動作構成における
図3の把持ヘッドのさらに簡略化した上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0203】
同封図面を参照すると、参照符号100は、本発明に従って達成された転送装置200を複数含む包装機の全体を示す。
【0204】
包装機100は、最終的な梱包とそれに続く出荷に備えて完成した梱包を用意するように、本実施形態の例では箱30によって構成される容器内に複数の束ねられていない物品1を梱包するべく設けられる。
【0205】
本実施形態の例では、物品1は浸出式飲料を作製するためのカプセルであって、飲料は特にはコーヒーである。
【0206】
各々の物品1は、以下の部分により画成される、円錐コーン形であってカップのような形状の、おおむね硬質なケーシングにより形成される。これらの部分とは、面積が小さい方の基部における底部2、および面積が大きい方の基部において、底部2に対向する頭部4に向けてわずかに広がりながら伸長する側壁3である。ケーシングは、例えば、その端部に除去可能に固定されたアルミホイルなどの蓋によって閉塞された口を有する。
【0207】
最も一般的な構成として、包装機100は、箱30の形成ライン101と、物品1の選別ライン110と、梱包ライン150を備えており、選別ライン110からの物品1は、形成ライン101からの箱30に載置される。
【0208】
選別ライン110には、第1のコンベヤ111によって物品1が供給される。第1のコンベヤ111は、正立姿勢で、すなわち底部2を下にして頭部4を上向きにした物品1を2列で輸送する。
【0209】
第1のコンベヤ111は、例えば1対のスクリューコンベヤ112aを備える第1の仕分け場112に接続されており、スクリューコンベヤ112aにおいては、2列の物品1が互いに正確に離間しており、かつ2列のうちの1列の物品は上下反転姿勢に反転、すなわち頭部4を下にして底部2を上向きにした姿勢になるように反転されている。
【0210】
第1の仕分け場112を出た物品1は、次に中間コンベヤ113に供給される。中間コンベヤ113上には、物品1の平行かつ隣接した2つの列が載置されており、その1列には物品1が正立姿勢で載置され、もう1列には物品1が上下反転姿勢で載置されている。
【0211】
物品1の選別ライン110は、中間コンベヤ113からの物品の分離および予め定義された分離配置(パターン)での第1のコンベヤベルト115への物品1の載置を担う第2の仕分け場114をさらに備える。
【0212】
本例においては、第1のコンベヤベルト115においても物品1は2列に配列されており、かつ予め定義された分離パターンは格子型である。かような分離パターンにおいては、正立姿勢の各々の物品1は、上下反転姿勢の物品1に3つの側方で隣接しており、またその一方で、同一の列の物品1の間では一定の間隔を維持する。
【0213】
かかる分離パターンを形成するために、第2の仕分け場114は、第1のコンベヤ113と第1のコンベヤベルト115の間で直線状に配置された1対の仕分けロボット116を備える。
【0214】
各々の仕分けロボット116は、単一の列の中間コンベヤ113上にあって、それゆえすべてが正立姿勢かまたはすべてが上下反転姿勢の複数の物品1を、それぞれの保持要素によって分離して第1のコンベヤベルト115上に転送するように設けられた把持ハンドを備える。
【0215】
第1のコンベヤベルト115に向けての転送の際には、初期には単一の列の中間コンベヤ113から物品1を分離するように整列されていた保持要素は、連続的に交互な位置で第1のコンベヤベルト115の1列と他の列とに物品1を載置するように、交互に千鳥状に配置されている。
【0216】
これら2つの仕分けロボット116は、こうして第1のコンベヤベルト115上に物品1の列を2列形成する。各列においては、物品1は交互に正立姿勢と上下反転姿勢となり、1列において正立姿勢の各物品は、他の列において上下反転姿勢の物品と隣接しており、これにより所望の格子パターンを全体として形成している。
【0217】
物品1が載置された箱30は、対応する半加工品31から形成ライン101において形成される。各半加工品31は、例えば段ボールなどの折りたたみ可能で半硬質な材料からなる平坦な半完成品からなる。このような段ボールなどは適切にカットされ、折れ線部分が設けられる。
【0218】
形成ライン101は、供給場103を備える。供給場103においては、導入口102において供給される半加工品の束から、それぞれ単一の半加工品31が引き出される。形成ライン101は、供給場103の下流側に位置する折りたたみ場104をさらに備える。折りたたみ場104においては、半加工品31は、半加工品コンベヤ105上に転送さえる前に、その折りしろのうちの数か所が予備的に折りたたまれる。
【0219】
半加工品コンベヤ105は接着場106を横断する。接着場106においては、複数の熱接着剤投与ガンまたはノズルが、半加工品31上に適切な接着箇所を布設する。
【0220】
形成ライン101は、複数の形成装置121が設けられた半加工品コンベヤ105により供給される回転式形成コンベヤ120をさらに備える。回転式形成コンベヤ120の曲路の部分を進行している間、接着剤が付された部分同士が密着されて、かつ開放姿勢で各々の上部閉塞パネルを有する箱30をそれぞれ形成されるように、半加工品31が形成装置121内において適切に折りたたまれる。
【0221】
回転式形成コンベヤ120の曲路の終点においては、箱30は、開口部を上向きにした状態で、第2のコンベヤベルト107上に供給される。第2のコンベヤベルト107の始まりの部分では、物品1で箱30を正しく詰め込むことを促すために、箱30の閉塞パネルを開放姿勢になるよう折る役を担うステーション108が設けられる。換言すれば、閉塞パネルの開放姿勢は、後段で物品1を箱30に詰めることを阻まないようになっていなければならない。
【0222】
上述のように、梱包ライン150においては、選別ライン102、特には第1のコンベヤベルト115からの物品1が、形成ライン101、特には第2のコンベヤベルト107からの箱30に載置される。
【0223】
有利には、梱包ライン150において、第1のコンベヤベルト115と第2のコンベヤベルト107は隣接して、かつ、直線的にであってほぼ平行にではあるが、
図1において参照符号F1とF2によりそれぞれ示されるように互いに反対の進行方向に移動する。
【0224】
第1のコンベヤベルト115と第2のコンベヤベルト107との間には、複数の転送装置200が介在しており、転送装置200はすべて、の進行方向に対して平行に整列されている。
【0225】
転送装置200の数は、それぞれ単一の箱に載置しようとする物品の数と、コンベヤベルト107と115の速度との関数である。
【0226】
各転送装置200は、複数の物品1を、それぞれの分離領域から分離してそれぞれの排出領域に載置するように設けられる。
【0227】
特に、各転送装置200は、それぞれの分離領域を横断して、さらにそれぞれの排出領域を横断するにつれて第2のコンベヤベルト107上に輸送される箱30に複数の物品1を載置するときに、第1のコンベヤベルト115から物品1を分離する。
【0228】
各転送装置200は、添付図面に図示されていない支持フレームに上から固定されるデルタ型三角形ロボットを備える。デルタ型三角形ロボットは、デルタ型三角形ロボットにとって典型的な構成の通りに、複数の多関節アーム201と、多関節アーム201の端部に固定された把持ヘッド202を備える。
【0229】
把持ヘッド202は、その一方では(例えば、回転運動なく)その方位を固定空間に維持しつつ、3つの直線移動軸により定められる軌道において多関節アーム201によって移動される。
【0230】
把持ヘッド202は、各々がそれぞれの物品1を保持するように設けられた複数の保持要素203と、把持ヘッド202上において以下に詳しく説明する方向に保持要素203を移動するように設けられており、全体が参照符号204で特定された移動機構とを備える。
【0231】
特には、把持ヘッド202は、保持要素203が互いに離間しておりかつ第1のコンベヤベルト115の支持平面と同一平面にあるときに、第1のコンベヤベルト115から物品1を分離することができ、排出領域の支持平面が画成された箱30に、グループ化されてよりコンパクトな配置で物品1を載置することができる。この配置は保持要素203を移動することにより得られる。
【0232】
特には、排出領域の支持平面は、箱30の底部によって、または、箱30内に既にある物品1の層によって画成することができる。
【0233】
なお実際には、箱30には、各梱包の容量を増加させるように、単層ばかりではなく、2またはそれ以上の重畳された層を設けることができる。
【0234】
支持平面は、支持平面に対してほぼ垂直な載置方向Zも定義しており、この載置方向Zは、物品1が箱30に載置される方向を一般的に示している。
【0235】
各保持要素203は吸引カップのように形成され、それぞれの支持ロッド206の自由端206aに固定される。支持ロッド206は、その縦方向に反対の端部206bにおいて移動機構204に接続されている。
【0236】
特には、保持要素203は、第1の保持要素203aと第2の保持要素203bとに分けられる。第1の保持要素203aは、それぞれの頭部4に物品1を保持(して、それにより上から正立姿勢で物品1を保持する)ように構成されている。第2の保持要素203bは、それぞれの底部2に物品1を保持(して、それにより上から上下反転姿勢で物品1を保持する)ように構成されている。
【0237】
特には、第1の保持要素203aは、第1の面を有する吸引カップ形態を有し、その一方で、第2の保持要素203bは、第1の面よりも小さな第2の面を有する吸引カップ形態を有する。
【0238】
添付図面に明示されているように、第1と第2の保持要素203aと203bは、両者の間で交互に把持ヘッド202上に配置されている。
【0239】
図1~
図3および
図8~
図9は、
図3、
図8および
図9において参照符号202’で示される把持ヘッドの第1の例を示しており、該把持ヘッドにおいては、各列あたり3つの保持要素203を有する4列に保持要素が配置されている。その一方で、
図4~
図7は、これらの図面において参照符号202”で示される把持ヘッドの第2の例を示しており、該把持ヘッドにおいては、各列あたり2個の保持要素203を有する3列に保持要素が配置されている。
【0240】
保持要素203の数と配置を除けば、把持ヘッド202’と202”は、特に保持要素203に対して想定される移動運動のタイプにおいてはほぼ類似しており、以下においては参照符号202でもって全体として参照される。
【0241】
移動機構204は、2つの明瞭で独立した運動に従って保持要素203のうちの少なくともいくつかを移動するように設けられる。第1の運動は、排出領域において画成される支持平面とほぼ平行な運動からなり、その一方で、第2の運動は、支持平面に対して傾斜した千鳥配置方向Sでの運動からなる。
【0242】
特には、ここに記載する好適な例においては、千鳥配置方向Sにおける運動は直線的であって、かつ支持平面に対してほぼ垂直であり、これによって上記で定義した載置方向Zに一致する。
【0243】
ここに記載する好適な例においては、さらには、排出領域において画成される支持平面はほぼ水平であり、したがって、保持要素203がその範囲内を移動する基準平面はほぼ水平である。その一方で、保持要素203が移動する載置方向Zと千鳥配置方向Sは、鉛直方向とほぼ一致する。
【0244】
上述の第1の運動に関しては、移動機構204は、保持要素203が互いに離間した第1の構成(
図3と
図8においてより明示されている)と、保持要素203が互いに近接する第2の構成(
図9を参照)との間で、把持ヘッド202上において保持要素203を移動させるように設けられている。
【0245】
特には、好ましくは、移動機構204は、それぞれの回転軸Xを中心とした回転運動によって、各保持要素203を第1と第2の構成の間を同時に移動するように設けられている。
【0246】
特には、各保持要素203の回転軸Xは、それぞれのシャフト207の縦軸によって定義される。シャフト207は把持ヘッド202のフレーム208に回転可能に支持され、かつ支持ロッド206に対して平行に伸長している。
【0247】
シャフト207は、把持ヘッド202上に、互いに等距離にある連続列に整列して配置されており、各列を構成するシャフト207も互いに等距離にある。
【0248】
もちろん、列の数と各列に設けられるシャフトの数は、具体的な梱包ニーズに従って変わり得る。特には、好ましくは、把持ヘッド202上に形成されたシャフト207(従って保持要素203)の列への整列配置は、特定の箱30内で単一の層を形成するように意図された物品1の配置に対応する。
【0249】
シャフト207、およびシャフト207によって定義される回転軸Xはすべて互いに平行であって、特には、載置方向Zに対してほぼ平行である。従って、シャフト207は、物品1が載置されるべき支持平面に対して垂直である。同様に、シャフト207は、物品1の分離領域において第1のコンベヤベルト115上に画成された支持平面に対してもほぼ垂直である。
【0250】
各保持要素203がそのそれぞれの回転軸Xを中心にして回転する回転運動は、シャフト207と支持ロッド206の間に位置ずれをもたらすことによって実現される。
【0251】
シャフト207と支持ロッド206とは、把持ヘッド202’においてより明示されているように、シャフト207と支持ロッド206の端部206bとの間で回転軸Xに対して垂直に伸長するアーム209によって接続でき、または、把持ヘッド202’においてよりよく見えるように、偏心位置において支持ロッド206をシャフト207に固定することによって接続できる。
【0252】
ここに記載の好適な実施形態においては、第1の構成から第2の構成への回転の際に、保持要素203は、回転軸Xに対して平行な中央グループ化軸Yに向けてすべて移動すると推測される。
【0253】
把持ヘッド202’においてアーム209の範囲によって表される、シャフト207の軸と支持ロッド206の軸との間の間隔は、中央グループ化軸Yからのそれぞれの回転軸Xの間隔の関数である。特には、中央グループ化軸Yからのそれぞれの回転軸Xの間隔が大きいほど、シャフト207の軸と支持ロッド206の軸との間の間隔は大きくなる。
【0254】
好ましくは、中央グループ化軸Yは、
図9において参照符号207′として示されるシャフト207のうちの1本の縦軸に一致している。それゆえ、このシャフトは、そのアーム209を必要とすることなく、それぞれの支持ロッド206に同軸状に接続される。
【0255】
移動機構204は、例えば空気圧で制御されるモーター部材210を備える。モーター部材210は、把持ヘッド202のフレーム208上で回転する能力を与えられて支持された伝達軸211を回転するように設けられる。
【0256】
伝達軸211は、それぞれのラック213に噛合することにより係合される冠歯車が設けられている。ラック213は、シャフト207の各列に対して平行に伸長しており、またその一方で、回転されるシャフト207上に同軸状に固定されたそれぞれのピニオン214に噛合することにより係合される。
【0257】
好ましくは、ラック213とピニオン214は、第1の構成から第2の構成への移動によって約180度ピニオン214が回転するように寸法が決められている。加えて、各アーム209は、第1の構成と第2の構成の両方において中央グループ化軸Yを通過する方向に伸長する(
図8において点線で示された状況)。
【0258】
移動機構204は、さらに、すべての第1の保持要素203aを第2の保持要素203bに対して千鳥配置方向Sに同時に移動するように設けられる。
【0259】
特には、把持ヘッド202”を表す
図4~7により明示されているように、第1の保持要素203は、第1の保持要素203aが結果として第2の保持要素203bとほぼ同一平面上に置かれる第1の位置(
図7)と、第1の保持要素203aと第2の保持要素203bが互いに平行でかつ離間しているそれぞれの基準平面に位置する第2の位置(
図5と6)との間を同時に移動する。
【0260】
上述した移動を実施するために、移動機構204は、第1の保持要素203aの支持ロッド206ごとに、千鳥配置方向Sに支持ロッド206を移動するために設けられた作動部材220を備える。
【0261】
特には、ここに例示した実施形態においては、作動部材220は、シリンダー221と該シリンダー221に摺動しながら係合するピストン222を備える複動空気圧アクチュエーターによって形成される。
【0262】
シリンダー221とピストン222の一方はシャフト207と一体になっており、シリンダー221とピストン222の他方は支持ロッド206と一体になっている。
【0263】
作動部材220は、例えば、ラックアンドピニオンギアなどの機械式や電磁または油圧式などの異なるタイプの制御機構によって形成できるとも推測される。
【0264】
把持ヘッド202に対して固定されたままの第2の保持要素203bに対する第1の保持要素203aの千鳥配置方向Sにおける移動の範囲は、転送装置200によって転送される物品1の具体的な形状に従って選択される。特には、上記の範囲は、互いに近接した位置において保持要素203が続いて第2の構成に移動する場合に、物品1のコンパクト化を可能な範囲で最大限にできるように選択される。
【0265】
ここに記載の場合においては、すなわち、物品1が底部2により形成される小さい方の底部と頭部4により形成される大きい方の底部とを有し、かつ上記した「格子型」の分離パターンで第1のコンベヤベルト115によって分離される場合には、以下の事が推測される。すなわち、第1の保持要素203は、それぞれの底部2の近傍においてのみ第2の保持要素によって保持される物品の直交方向突出部に、保管方向Zに対して平行な平面に第1の保持要素203aによって保持された物品1の直交方向突出部が部分的に重畳されるまで、第1の保持要素203aが千鳥配置方向Sに移動すると推測される。
【0266】
特には、
図6に参照符号Dにより示される、上述した直交方向突出部同士の重畳は、数ミリメートルのみでよく、例えば、約5ミリメートルでよい。
【0267】
このようにして、千鳥配置方向Sにおける第1の保持要素203aの移動の第2の位置が定められる。
【0268】
転送装置200は、保持要素203の支持ロッド206に従って把持ヘッド202から伸長してその外側の位置に伸長する、スプレッダー要素217をさらに備える(
図5を参照)。
【0269】
スプレッダー要素217は、箱30の閉塞パネルに当接するように設けられており、第1のコンベヤベルト115に対向する箱30の側部に適宜に位置する。
【0270】
この場合、スプレッダー要素217は、第2のコンベヤベルト107に対向する側において把持ヘッド202に外部から固定され、物品1の支持平面に干渉しないように支持平面の水準よりも高い高さまで伸長するロッドを備える。さらに、好ましくは、スプレッダー要素217は、保持要素203の分離工程や移動工程の際に物品1と干渉するのを避けるように2本の支持ロッド206の中心に置かれる。
【0271】
分離領域から排出領域への転送の際に物品1を保持するために、各保持要素203は、把持ヘッド202に連合した減圧回路215に、それぞれの遮断弁216によって選択的に接続されている。
【0272】
特には、遮断弁216は、それぞれの保持要素203に連通して、それぞれの支持ロッド206、シャフト207、および存在するならばアーム209および作動部材220の内部に形成された導管によって、据えることが可能である。
【0273】
ひとたび保持要素203が転送される物品1の底部2または頭部4に据えられると、次に物品1は、減圧回路215により実施される吸入動作によって、それぞれの保持要素203上に保持される。
【0274】
各遮断弁216は、他の遮断弁から独立して動作可能である。したがって、各保持要素203は、他の保持要素203から独立した係合状態で物品1を保持または保持しないようにするために、選択的に起動および停止することができる。
【0275】
包装機1の各転送装置200は、以下に記載のように動作する。
【0276】
把持ヘッド202は、分離される物品1が格子パターンで配置される第1のコンベヤベルト115の上部において、アーム201によって分離領域で動かされる。
【0277】
この位置において、保持要素203は、第1の位置に移される。したがって、保持要素203は、そのすべてが第1のコンベヤベルト115の支持平面とほぼ同一平面上にあり、第1の構成においては、したがって保持要素203間の間隔は、第1のコンベヤベルト115上に配置された物品1間の間隔に対応する。
【0278】
把持ヘッド202は、次に、その移動を一定に維持する第1のコンベヤベルト115の速度を均一にしながら、分離される物品1の保持要素203に当接するまで、物品1上に下降する。第1と第2の保持要素203aおよび203bは、物品1の格子配置を反映して、交互に千鳥状にされている。したがって、各第1の保持要素203aは、正立姿勢で物品1上に下降し、各第2の保持要素203bは、上下反転姿勢で物品1上に下降する。
【0279】
起動する保持要素203のすべての遮断弁216は、減圧回路215に連通して保持要素203を据えて、かつ分離する物品1において吸引するように、このようにして開放される。
【0280】
必要に応じて、把持ヘッド202は、まだ使用されていない保持要素203によってまた別の物品1を移動して、箱30に載置する物品1の層の構成を完成するように、第1のコンベヤベルト115によって分離領域内に持ち込まれた物品1の他のグループ上に移動してよい。もちろん、把持ヘッド202上の物品1の層を完成する操作には、層を完成する機能として(それにより、より一般的には、満たされる箱30のサイズの作用として)、1つまたは複数の分離工程があってよい。
【0281】
例として、把持ヘッド202’が設けられた転送装置200は、2つの連続した分離工程によって、物品1の完全な層を形成することができるであろうし、それに対して、把持ヘッド202”が設けられた転送装置20は、1つのみの分離工程によって、物品1の完全な層を形成することができるであろう。
【0282】
載置する物品1の分離がひとたび終了すれば、第2のコンベヤベルト107上に持ち込まれた箱30において、把持ヘッド202が排出領域に向けて移動する。
【0283】
把持ヘッド202が排出領域に向けて移動する際には、第1の保持要素203aは、第1の位置(
図7)から第2の位置(
図4~
図6)へ千鳥配置方向Sに同時に移動し、その後に、すべての保持要素203は物品1を互いに近接させて(
図9に明示されているように)グループ化配置にして密接するように、同時に第2の構成に向けて回転される。グループ化配置は、物品1を箱30に迅速に挿入することができ好適である。保持要素203のこれら2つの移動は、順次にでも、または多少時間間隔に重畳があっても実施できる。
【0284】
第1の位置から第2の位置への移動は、作動部材220の動作により得られる。作動部材220は、シリンダー221内のピストン222を動かすことによって、それぞれの第1の保持要素203aを対応するシャフト207に向けて上昇させる。
【0285】
保持要素203のそれぞれの回転軸Xを中心とした回転は、モーター部材210の回転を制御することにより得られる。モーター部材210は、伝達軸211によってラック213を直線的に移動させ、かつ、ピニオン214との係合により、シャフト207を回転させ、それにより保持要素203を回転させる。
【0286】
第2の構成に移動された保持要素203によって排出領域に到達すると、把持ヘッド202は、第2のコンベヤベルト107の速度を均一にしつつ、箱30に向けて移動する。
【0287】
各箱30は、そのそれぞれの閉塞パネルを開放しつつ、第1のコンベヤベルトと平行でかつ対向側に位置決めされた第2のコンベヤベルト107上に鉛直位置にて位置決めされる。
【0288】
この点において、スプレッダー要素217は、箱30の閉塞パネルを鉛直平面に対してわずかに曲げて、それによって閉塞パネルをその下の壁部に接続する折り目の曲がりをも得るように、閉塞パネルに当接する。折り目の曲がりは、閉塞パネルの変形が、閉塞パネルが接続される壁部にも伝わるように閉塞パネルが外側に折れることを防ぐ。これにより、この壁部が一時的に膨出し、結果として、箱30の開口部が一時的に広がる。
【0289】
把持ヘッド202は、次に箱30上に下降し、物品1をグループ化して、把持ヘッド202内に画成された支持平面上に載置する。
【0290】
第1の保持要素203aが第2の保持要素203bに対して高くされているため、第2の保持要素203bによって輸送された物品1は、まず該支持平面に到達する。
【0291】
物品1は、遮断弁216を閉じることにより保持要素203を停止することによって解放される。
【0292】
この点において、第1の保持要素203aは、第2の保持要素203bによって既に載置されている物品1と同一平面上にあるという条件のもとで、第1の保持要素203aによって支持平面に向けて輸送される物品1の移動を容易にするように、第1の位置において載置方向Zに移動する。
【0293】
把持ヘッドは次に、物品をまた新たに分離するために第1のコンベヤベルト115に向けて移動するにつれて上昇し、保持要素203は、第1の構成において回転されることによって互いに離間する。
【0294】
その一方で、容器の閉塞パネルはスプレッダー要素217から係脱され、それゆえ、その開始構成に戻ることができる。開始構成はほぼ平坦であって、それにより、閉塞パネルをその下の壁部に接続する折り目を中心にして回転することができ、例えば、最終梱包に送られる前に再び箱30を閉じることができる。
【0295】
また別の動作モードにおいては、本発明による転送装置200は、箱30、特には未完成な箱または損傷を受けた箱から物品1を分離し、これら物品1を例えば補助棚に載置するために用いられてよい。補助棚からは、例えば物品1が続いて分離されて次の箱30の内部に挿入されてよい。この場合には、分離領域が箱30に画成されて、排出領域が補助棚に画成される。補助棚の代わりに、別の容器内やコンベヤベルト上に物品は載置されてよいと理解されている。
【0296】
言うまでもないが、具体的かつ偶発的な適用要件を満たすために、当業者は、下記の請求項によって定義される保護の範囲内において、上記発明の更なる変更や変形をおこなってよい。
【国際調査報告】