(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】皮膚保湿製剤の作製及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20230726BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230726BHJP
A61K 31/721 20060101ALI20230726BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q19/00
A61K31/721
A61P17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571131
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021037973
(87)【国際公開番号】W WO2021262536
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】591123001
【氏名又は名称】ユニオン カーバイド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オコナー、イン
(72)【発明者】
【氏名】パーテイン、エメット エム.
(72)【発明者】
【氏名】リール、リンゼイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】トッド、ジェニファー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】スオン、ソコマリ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント、アン-マリー
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C083AC071
4C083AC241
4C083AD131
4C083AD132
4C083BB51
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC17
4C083CC19
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD11
4C083DD12
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD31
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE12
4C083EE17
4C083EE18
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA20
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA28
4C086MA32
4C086MA43
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
皮膚保湿製剤を作製する方法であって、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することと、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することであって、選択される皮膚保湿剤が、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである、ことと、選択された皮膚保湿剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるビヒクル及び当該皮膚保湿剤を合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、を含み、当該皮膚保湿製剤が、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%の当該皮膚保湿剤を含有する、方法が提供される。皮膚を保湿する方法も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚保湿製剤を作製する方法であって、
皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することと、
水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することであって、前記選択される皮膚保湿剤が、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである、ことと、
前記選択された皮膚保湿剤を提供することと、
前記皮膚科学的に許容されるビヒクル及び前記皮膚保湿剤を合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、
を含み、前記皮膚保湿製剤が、前記皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%の前記皮膚保湿剤を含有する、方法。
【請求項2】
前記皮膚保湿製剤が、ローション、クリーム、セラム、ゲル、ゲルクリーム、ロールオン製剤、スティック、ムース、スプレー(エアロゾル又は非エアロゾル)、布地又はワイプ、トナー、マスク、日焼け止め、ファンデーション、カラー化粧品、パウダー、制汗剤、口紅、リップグロス、脱臭剤、乳児ケア製剤、手指消毒剤、ハンドソープ、ボディーウォッシュ、洗顔料、及び石鹸バーからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記皮膚保湿製剤が、カラー化粧品、ローション、日焼け止め、及びクリームからなる群から選択されるリーブオンスキンケア製剤である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記皮膚科学的に許容されるビヒクルが、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記皮膚科学的に許容されるビヒクルが、水性エマルジョンからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択された皮膚保湿剤が、1.0~4.0重量%の、灰分及び揮発性物質について補正されたケルダール窒素含有量、TKNを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記デキストランポリマーが、100,000~650,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記デキストランポリマーが、分岐鎖デキストランポリマーである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法に従って調製された、皮膚保湿製剤。
【請求項10】
皮膚を保湿する方法であって、
請求項1に記載の方法に従って調製された皮膚保湿製剤を提供することと、
前記皮膚保湿製剤を哺乳動物の前記皮膚に適用することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚保湿製剤の作製方法に関する。具体的には、本発明は、皮膚保湿製剤を作製する方法であって、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することと、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することであって、選択される皮膚保湿剤が、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである、ことと、選択された皮膚保湿剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるビヒクル及び当該皮膚保湿剤を合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、を含み、当該皮膚保湿製剤が、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%の当該皮膚保湿剤を含有する、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の消費者が多少は乾燥肌に悩まされているので、保湿成分は、多くのスキンケア製剤において重要な成分である。良好な保湿剤は、敏感肌及び乾燥肌を低減し、皮膚刺激を減少させ、老化プロセスを遅くすることができる。皮膚の乾燥に対抗するために使用される材料には2つの包括的なクラス、閉塞剤及び保水剤がある。ワセリン及びシリコーン油などの閉塞剤は、表皮と周囲環境との間にバリアを形成することによって、皮膚の天然水分の喪失を抑制する機能を有する。水分子と水素結合を形成する吸湿性物質である保水剤は、環境から皮膚に水分子を誘引することによって皮膚に水分を補給し、それにより、乾燥肌を保湿するのに役立つ。
【0003】
一般に使用される保水剤の中には、哺乳動物の結合、上皮、及び神経の組織にみられるバイオポリマーであるヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウムがある。ヒアルロン酸は、D-グルクロン酸及びn-アセチル-D-グルコサミンの繰り返し二糖単位で構成される、高分子量(1,000KDa~3,000KDa)のアニオン性多糖類である。他の保水剤と比較して、ヒアルロン酸は、環境による影響が少ない。吸湿性が高く(自重の1,000倍の水を吸収することができる)かつ感触が油っぽくないことから、ヒアルロン酸は、スキンケア製剤の最も一般的かつ非常に望ましい保水剤のうちの1つである。それにもかかわらず、高コストであるため、ヒアルロン酸の使用は高級なスキンケアリーブオン製品に限定される。
【0004】
皮膚保湿材料の1つの代替タイプは、米国特許出願公開第20120295983号においてAuらによって開示されている。Auらは、カチオン性アンモニウム化合物及び金属キレート剤を含む組成物であって、当該金属キレート剤が、当該組成物内の当該カチオン性アンモニウム化合物から窒素含有基が生成されるのを妨げるものである、組成物を教示している。
【0005】
それにもかかわらず、スキンケア製剤において有用な、有効でより低コストの保湿材料が継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、皮膚保湿製剤を作製する方法であって、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することと、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することであって、選択される皮膚保湿剤が、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである、ことと、選択された皮膚保湿剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるビヒクル及び当該皮膚保湿剤を合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、を含み、当該皮膚保湿製剤が、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%の当該皮膚保湿剤を含有する、方法を提供する。
【0007】
本発明は、本発明の方法に従って調製された皮膚保湿製剤を提供する。
【0008】
本発明は、皮膚を保湿する方法であって、本発明の方法に従って調製された皮膚保湿製剤を提供することと、当該皮膚保湿製剤を哺乳動物の皮膚に適用することと、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、皮膚保湿製剤を作製する有効な方法であって、生成される皮膚保湿製剤が、皮膚保湿剤を含み、当該皮膚保湿剤が、水分を吸収及び保持する能力に基づいて選択される、方法を見出した。
【0010】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0011】
本明細書で使用するとき、特に指定されない限り、「分子量」又はMwという語句は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及びデキストラン標準を用いて従来の手法で測定したときの重量平均分子量を指す。GPCの技法は、Modern Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979に、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳述されている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で、又は同等にg/molで報告される。
【0012】
本明細書及び添付で使用される「皮膚科学的に許容される」という用語は、皮膚への局所的適用に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒である材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0013】
好ましくは、本発明の方法によって調製される皮膚保湿製剤は、リーブオン製剤及びリンスオフ製剤からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の方法によって調製される皮膚保湿製剤は、ローション(例えば、保湿ローション)、クリーム(例えば、BB(blemish balm)クリーム、DD(dynamic do-all)クリーム、しわ防止クリーム)、セラム、ゲル、ゲルクリーム、ロールオン製剤、スティック、ムース、スプレー(エアロゾル又は非エアロゾル)、布地又はワイプ(例えば、不織布に適用された製剤、トナー、マスク、日焼け止め、カラー化粧品、ファンデーション、パウダー、制汗剤、口紅、リップグロス、消臭剤、乳児ケア製剤、手指消毒剤、ハンドソープ、ボディーウォッシュ、洗顔料、及び石鹸バーからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の方法によって調製される皮膚保湿製剤は、カラー化粧品、日焼け止め、ローション、及びクリームからなる群から選択されるリーブオン製剤である。
【0014】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することと、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することであって、選択される皮膚保湿剤が、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである、ことと、選択された皮膚保湿剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるビヒクル及び当該皮膚保湿剤を合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、を含み、当該皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%の当該皮膚保湿剤を含有する。好ましくは、水分を吸収し、保持する皮膚保湿剤の能力は、実施例において本明細書に記載する実験手順に基づいて判定される。
【0015】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することを含み、当該皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することを含み、当該皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、当該皮膚科学的に許容されるビヒクルは、エマルジョン、クリーム、水溶液、オイル、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、懸濁液、及びパウダーの形態である。最も好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することを含み、当該皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、当該皮膚科学的に許容されるビヒクルは、エマルジョン、クリーム、水溶液、オイル、軟膏、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、及び懸濁液の形態である。
【0016】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるビヒクルを提供することを含み、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて1~99.95重量%(好ましくは、70~95重量%、より好ましくは、80~90重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含有する。
【0017】
提供される皮膚科学的に許容されるビヒクルが水を含む場合、形成される皮膚保湿製剤は、好ましくは、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて5~95重量%(好ましくは、20~70重量%、より好ましくは、35~60重量%)の水を含有する。
【0018】
好ましくは、提供される皮膚科学的に許容されるビヒクルは、皮膚軟化剤を含み、使用される皮膚軟化剤の材料は、シリコーン油、天然又は合成のエステル、及び炭化水素の形態であってよい。好ましくは、提供される皮膚科学的に許容されるビヒクルが皮膚軟化剤を含む場合、形成される皮膚保湿製剤は、好ましくは、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.1~95重量%(より好ましくは、1~50重量%)の皮膚軟化剤を含有する。
【0019】
シリコーン油は、揮発性シリコーン及び不揮発性シリコーンに分けられ得る。揮発性シリコーン油は、周囲温度で測定可能な蒸気圧を有するシリコーンである。そのような揮発性シリコーン油は、好ましくは、1分子当たり3~9個(好ましくは4~5個)のシリコーン原子を含有する環状(シクロメチコン)又は直鎖状のポリジメチルシロキサンから選択される。不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられる。そのような不揮発性シリコーン油としては、例えば、25℃で5×10-6~0.1m2/s(好ましくは、25℃で1×10-5~4×10-4m2/s)の粘度を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。別のクラスの不揮発性シリコーンは、乳化及び非乳化シリコーンエラストマー(例えば、Dow Siliconesから入手可能なジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー)である。更に別のクラスの不揮発性シリコーンは、ワックス(例えば、ジメチコンPEG-8ラウレート)である。
【0020】
エステル皮膚軟化剤としては、(i)10~24個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のアルキルエステル(例えば、ネオペンタン酸ベヘニル、イソノナン酸イソノニル(isononyl isonanonoate)、ミリスチン酸イソプロピル(isopropyl myristhite)、及びステアリン酸オクチル)、(ii)エトキシル化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル-エステル、(iii)多価アルコールエステル(例えば、エチレングリコールモノ及びジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、満足な多価アルコールエステルである)、(iv)ワックスエステル(例えば、蜜蝋、鯨蝋、及びトリベヘニンワックス)、(v)糖エステル又は脂肪酸(例えば、スクロースポリベヘネート及びスクロースポリコッテンシーデート(sucrose polycottenseedate))を挙げることができ、(vi)天然エステル皮膚軟化剤としては、モノ-、ジ-、及びトリ-グリセリドに基づくものが挙げられる(例えば、ヒマワリ種子油、ココヤシ油、綿実油、ボラージ油、ボラージ種子油、月見草油、ヒマシ及び水添ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、紅花油、シアバター、ホホバ油、及びそれらの組み合わせ)、並びに(vii)動物由来の皮膚軟化剤(例えば、ラノリン油及びラノリン誘導体)が挙げられる。
【0021】
炭化水素としては、例えば、ワセリン、鉱油、スクアラン、スクアレン、イソヘキサデカン、イソドデカン、C10~26アルカン、C11~13イソパラフィン、ポリブテン、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0022】
脂肪酸としては、1分子当たり10~36個の炭素原子を有するもの(例えば、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、及びベヘン酸)を挙げることができる。
【0023】
脂肪アルコールとしては、1分子当たり10~36個の炭素原子を有するもの(例えば、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びオレイルアルコール)を挙げることができる。
【0024】
増粘剤としては、塩(例えば、塩化ナトリウム)、アクリレート(例えば、アクリレートコポリマー及び架橋アクリレート)、ポリアクリルアミド、セルロース又はセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロース)、天然ゴム(例えば、グアー、キサンタン、スクレロチウム(sclerotium)、カラギーナン、ペクチン)、無機物(例えば、ベントナイト及びヘクトライトなどの粘土、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸カルシウム、並びにケイ酸マグネシウムアルミニウムなどのケイ酸塩)を挙げることができる。皮膚保湿製剤に含まれる増粘剤の量は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.0001~10重量%(好ましくは、0.001~1重量%、より好ましくは、0.01~0.5重量%)の範囲であってよい。
【0025】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーである。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、当該皮膚保湿剤は、0.5~4.0重量%(好ましくは、0.75~3.25重量%、より好ましくは、0.9~2.6重量%、最も好ましくは1.0~2.0重量%)の、灰分及び揮発性物質について補正されたケルダール窒素含有量TKN(Buchi KjelMaster K-375自動分析装置を使用して測定し、ASTM法D-2364に記載の通り測定した揮発性物質及び灰分について補正)を有する。
【0026】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、当該デキストランポリマーは、75,000~2,000,000ダルトン(好ましくは、100,000~1,000,000ダルトン、より好ましくは、125,000~750,000ダルトン、更により好ましくは、130,000~600,000ダルトン、最も好ましくは、145,000~525,000ダルトン)の重量平均分子量MWを有する。
【0027】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、分岐鎖デキストランポリマーである。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、分岐鎖デキストランポリマーを含み、分岐鎖デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含み、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、α-1,3結合によって接続される。最も好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、デキストランポリマーは、分岐鎖デキストランポリマーであり、分岐鎖デキストランポリマーは、複数のグルコース構造単位を含み、グルコース構造単位の90~98モル%(好ましくは、92.5~97.5モル%、より好ましくは、93~97モル%、最も好ましくは、94~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2~10モル%(好ましくは、2.5~7.5モル%、より好ましくは、3~7モル%、最も好ましくは4~6mol%)のグルコース構造単位は、α-1,3結合によって接続されており、式(i)に従い、
【0028】
【化1】
式中、Rは、水素、C
1~4アルキル基、及びヒドロキシC
1~4アルキル基から選択され、デキストランポリマー骨格からの平均分岐は、3無水グルコース単位以下である。
【0029】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、当該デキストランポリマーは、当該デキストランポリマーの重量に基づいて0.01重量%未満のアルテルナンを含有する。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、当該デキストランポリマーは、当該デキストランポリマーの重量に基づいて0.001重量%未満のアルテルナンを含有する。最も好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、当該デキストランポリマーは、検出可能限界未満のアルテルナンを含有する。
【0030】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、第四級アンモニウム部分は、以下のうちの少なくとも1つからなる群から選択される:(a)式(A)のデキストラン架橋基
【0031】
【化2】
及び
(b)式(B)の第四級アンモニウム基
【0032】
【0033】
【化4】
は、デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、各R
1は、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され(「置換」とは、対象の基が、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基のうちの少なくとも1つを含有することを意味する)(好ましくは、各R
1は、独立して、非置換C
1~6アルキル基から選択され、より好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びイソヘキシル基からなる群から選択され、なおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びsec-ブチル基からなる群から選択され、更により好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基からなる群から選択され、更になおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
1は、メチル基であり)、各R
2は、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され(好ましくは、各R
2は、独立して、C
1~4アルカンジイル基からなる群から選択され、より好ましくは、各R
2は、独立して、C
1~2アルカンジイル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
2は、-CH
2-基であり)、Yは、二価架橋基であり(好ましくは、Yは、C
1~6アルカンジイル基及び-R
3-O-R
4-基からなる群から選択される二価架橋基であり、より好ましくは、Yは、-R
3-O-R
4-であり)、R
3及びR
4は、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され(好ましくは、R
3及びR
4は、独立して、C
1~4アルカンジイル基からなる群から選択され、より好ましくは、R
3及びR
4は、独立して、C
1~3アルカンジイル基からなる群から選択され、最も好ましくは、R
3及びR
4は、両方とも-CH
2CH
2-基であり)(好ましくは、R
3及びR
4は、同じであり)、Xは、第四級アンモニウム部分をデキストランポリマー上のペンダント酸素に結合する二価連結基であり(好ましくは、Xは、二価炭化水素基から選択され、これは、任意選択で(例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エーテル基で)置換されていてもよく、より好ましくは、Xは、-CH
2CH(OR
6)CH
2-基(式中、R
6は、水素及びC
1~4アルキル基からなる群から選択される)であり、最も好ましくは、Xは、-CH
2CH(OH)CH
2-基であり)、各R
5は、独立して、C
1~22アルキル基からなる群から選択され(好ましくは、各R
5は、独立して、C
1~3アルキル基及びC
6~22アルキル基からなる群から選択され、より好ましくは、各R
5は、独立して、メチル基、エチル基、及びラウリル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
5は、メチル基である)。
【0034】
より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、第四級アンモニウム部分は、(a)式(A)のデキストラン架橋基及び(b)式(B)の第四級アンモニウム基のうちの少なくとも1つからなる群から選択され、当該式(A)のデキストラン架橋基は、式(C)のものであり
【0035】
【化5】
当該式(B)の第四級アンモニウム基は、式(D)のものであり
【0036】
【0037】
【化7】
は、デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、各R
1は、独立して、置換又は非置換C
1~6アルキル基から選択され(「置換」とは、対象の基が、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、又はカルボキシ基から選択される少なくとも1つの部分を含有することを意味する)(好ましくは、各R
1は、独立して、非置換C
1~6アルキル基から選択され、より好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びイソヘキシル基からなる群から選択され、なおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びsec-ブチル基からなる群から選択され、更により好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基からなる群から選択され、更になおより好ましくは、各R
1は、独立して、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、最も好ましくは、各R
1は、メチル基であり)、各R
2は、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され(好ましくは、各R
2は、C
1~4アルカンジイル基であり、より好ましくは、各R
2は、C
1~2アルカンジイル基であり、最も好ましくは、各R
2は、-CH
2-基であり)、R
3及びR
4は、独立して、C
1~6アルカンジイル基からなる群から選択され(好ましくは、R
3及びR
4は、独立して、C
1~4アルカンジイル基からなる群から選択され、より好ましくは、R
3及びR
4は、独立して、C
1-3アルカンジイル基からなる群から選択され、最も好ましくは、-CH
2CH
2-基であり)(好ましくは、R
3及びR
4は、同じであり)、各R
6は、水素及びC
1~4アルキル基からなる群から選択され(好ましくは、R
6は、水素であり)、各R
7は、独立して、メチル基、エチル基、及びラウリル基からなる群から選択される(好ましくは、メチル基))。
【0038】
なおより好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、第四級アンモニウム部分は、(a)式(A)のデキストラン架橋基及び(b)式(B)の第四級アンモニウム基のうちの少なくとも1つからなる群から選択され、当該式(A)のデキストラン架橋基は、
【0039】
【化8】
及びそれらの混合物からなる群から選択され、当該式(B)の第四級アンモニウム基は、式(D)のものであり、式中、
【0040】
【化9】
は、デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、各R
6は、水素及びC
1~4アルキル基からなる群から選択され(好ましくは、R
6は、水素であり)、各R
7は、独立して、メチル基、エチル基、及びラウリル基からなる群から選択される(好ましくは、メチル基))。
【0041】
最も好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、第四級アンモニウム部分は、(b)式(D)の第四級アンモニウム基からなる群から選択され、式中、
【0042】
【化10】
は、デキストランポリマー上のペンダント酸素であり、各R
6は、水素及びC
1~4アルキル基からなる群から選択され(好ましくは、R
6は、水素であり)、各R
7は、独立して、メチル基、エチル基、及びラウリル基からなる群から選択される(好ましくは、メチル基))。
【0043】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.001meg/グラム(好ましくは、<0.0001meq/グラム、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のアルデヒド官能基を含む。
【0044】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.1%(好ましくは、<0.01%、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、付着助剤ポリマーにおける個々のグルコース単位間のβ-1,4結合を含む。
【0045】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.1%(好ましくは、<0.01%、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、付着助剤ポリマーにおける個々のグルコース単位間のβ-1,3結合を含む。
【0046】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.001meq/グラム(好ましくは、<0.0001meq/グラム、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の官能基を含むシリコーンを含む。
【0047】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.1モル%(好ましくは、0~<0.01モル%、より好ましくは0~0.001mol%未満、最も好ましくは0~検出限界未満)の反応性シロキサンの構造単位を含み、反応性シロキサンの構造単位は、Si-O部分を含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、提供される皮膚保湿剤は、<0.1モル%(好ましくは、0~<0.01モル%、より好ましくは0~0.001mol%未満、最も好ましくは0~検出限界未満)の反応性シロキサンの構造単位を含み、反応性シロキサンの構造単位は、Si-O部分を含み、反応性シロキサンは、アミノ、アミド、アルコキシ、ヒドロキシ、ポリエーテル、カルボキシ、ハイドライド、メルカプト、ホスフェートサルフェート、及び/又は四級アンモニウム部分からなる群から選択される1つ以上の官能性部分を含み得るポリマーであり、これらの部分は、二価アルキレン基を介してシロキサン骨格に直接結合し得る(すなわち、ペンダント)、又は骨格の一部であり得る。
【0048】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、水分を吸収及び保持する能力に基づいて皮膚保湿剤を選択することを含み、選択される皮膚保湿剤は、第四級アンモニウム基で官能化されたデキストランポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであり、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて0.05~10重量%(好ましくは、0.1~5重量%、より好ましくは、0.2~2.5重量%、最も好ましくは、0.35~1.5重量%)の提供される皮膚保湿剤を含む。
【0049】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、吸収剤、アンチエイジング剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、静電気防止剤、収斂活性物質、生理活性剤、漂白剤、皮膚科学的に許容されるパーソナルケア用クレンジング界面活性剤、キレート剤、着色剤、落屑促進剤、乳化剤、酵素、ハーブエキス、皮膜形成剤、発泡剤、起泡促進剤、香料、硬質粒子、無機粒子、油、皮膚軟化剤、保水剤、潤滑剤、天然成分、乳白剤、真珠光沢剤、化学的又は物理的角質除去剤、浸透剤、pH調整剤、増粘剤、顔料、色素、植物エキス、保存剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール)、噴射剤、タンパク質/アミノ酸、ペプチド、塩、感覚調節剤、シリコン感触調節剤、美白剤、ニキビ防止剤、抗炎症剤、皮膚鎮静剤、スリップ剤、石鹸、軟質粒子、サンケア剤、懸濁剤、ビタミン、蝋、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の成分を提供することと、当該追加の成分を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することと、を更に含む。
【0050】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、抗菌剤を提供することと、当該抗菌剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、抗菌剤を提供することと、当該抗菌剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該抗菌剤は、フェノキシエタノール、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、及びイソチアゾリノン(例えば、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン)からなる群から選択される。
【0051】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、酸化防止剤を提供することと、当該酸化防止剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.000001~10重量%の酸化防止剤を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚クレンジング製剤を作製する方法は、酸化防止剤を提供することと、当該酸化防止剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、リポ酸、ビタミン、ハーブエキス(例えば、緑茶)、レチノキシトリメチルシラン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.000001~10重量%の酸化防止剤を含有する)。
【0052】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、収斂活性物質を提供することと、当該収斂活性物質を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.5~50重量%の収斂活性物質を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、収斂活性物質を提供することと、当該収斂活性物質を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.5~50重量%の収斂活性物質を含み)、当該収斂活性物質は、アルコール、クエン酸、サリチル酸、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸AHA酸、ウイッチヘーゼル、バラ水、アロエベラ、他のハーブエキス、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックス(aluminum chlorhydrex)、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレックスグリシン、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、ジルコニウム及びアルミニウムクロロヒドログリシネート、ジルコニウムヒドロキシクロリド、乳酸ジルコニウム及びアルミニウム、フェノールスルホン酸亜鉛、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~80重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を提供することと、当該皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~80重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤を含み)、当該皮膚科学的に許容されるパーソナルケアクレンジング界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(例えば、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、デシルグルコシド)、グリシネート(例えば、ココイルグリシン酸ナトリウム)、糖脂質(例えば、ソホロリピド、ラモリピド)、スルタイン、サーファクチン、ベタイン(例えば、セチルベタインなどのアルキルベタイン及びコカミドプロピルベタインなどのアミドベタイン)、タウレート(例えば、メチルメチルココイルタウリン酸ナトリウム)、グルタメート(例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム)、サルコシネート(例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、イセチオネート(例えば、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、スルホアセテート(例えば、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム)、アラニネート(例えば、ココイルアラニン酸ナトリウム)、アンホアセテート(例えば、ココアンホ酢酸ナトリウム)、サルフェート(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム)、スルホネート(例えば、C14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム)、スクシネート(例えば、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0054】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、着色剤を提供することと、当該着色剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.05~5重量%(好ましくは、0.1~3重量%)の着色剤を含む)。
【0055】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、落屑促進剤を提供することと、当該落屑促進剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~15重量%の落屑促進剤を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、落屑促進剤を提供することと、当該落屑促進剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~15重量%の落屑促進剤を含み)、当該落屑促進剤は、アルファ-ヒドロキシカルボン酸及びベータ-ヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの混合物(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、及びそれらの混合物)からなる群から選択される。これらの酸は、遊離酸として、又はその塩及びC1-30アルキル又はアリールエステル、並びに環状又は直鎖状のラクトン構造を形成するための水の除去から生成されたラクトンとして存在し得る。
【0056】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、酵素を提供することと、当該酵素を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、酵素を提供することと、当該酵素を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該酵素は、アミラーゼ、オキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、ハーブエキスを提供することと、当該ハーブエキスを皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、ハーブエキスを提供することと、当該ハーブエキスを皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該ハーブエキスは、緑茶、大豆、米、ヨウノコギリソウ、アーモンド、カモミール、リコリス、アロエベラ、グレープシード、温州ミカン、ヤナギ樹皮、セージ、タイム、ローズマリー、ザクロ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0058】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、香料を提供することと、当該香料を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.000001~10重量%(好ましくは、0.00001~5重量%、より好ましくは、0.0001~2重量%)の香料を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、香料を提供することと、当該香料を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.000001~10重量%(好ましくは、0.00001~5重量%、より好ましくは、0.0001~2重量%)の香料を含み)、当該香料は、テルペン及びテルペン誘導体(例えば、ミルセン、ジヒドロミルセノール、シトラール、タゲトン、シス-ゲラン酸、シトロネル酸、アルデヒド、アルコール、エステル、ケトン、天然香料(例えば、精油)、それらの誘導体、それらの混合物など)からなる群から選択される。
【0059】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、保水剤を提供することと、当該保水剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、保水剤を提供することと、当該保水剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該保水剤は、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ハチミツ、モノグリセリド、レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、尿素、アラントイン、アルファヒドロキシ酸、PCAナトリウム、加水分解小麦/バオバブ/米タンパク質、アミノ酸、キトサン、海藻、糖脂質、脂肪アルコール、脂肪酸、多糖類、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)、ジオール(例えば、プロピレングリコール)、ジオール類似体、トリオール、トリオール類似体、ポリマーポリオール、カチオン性ポリマーポリオール、カチオン性ポリマー、デンプン、セルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、pH調整剤を提供することと、当該pH調整剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、pH調整剤を提供することと、当該pH調整剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該皮膚保湿製剤のpHは、4.5~9(好ましくは、5~8、最も好ましくは6~7)に調整される。最もより好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、pH調整剤を提供することと、当該pH調整剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該皮膚保湿製剤のpHは、4.5~9(好ましくは、5~8、最も好ましくは6~7)に調整され、当該pH調整剤は、クエン酸、乳酸、塩酸、アミノエチルプロパンジオール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ-2-メチル-1-プロパノールからなる群から選択される。
【0061】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、保存剤を提供することと、当該保存剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~2重量%の保存剤を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、保存剤を提供することと、当該保存剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.01~2重量%の保存剤を含み)、当該保存剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、フェノキシエタノール、ジメチロールジメチルヒダントイン、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピンブチルカルバメート、並びにベンジルアルコールからなる群から選択される。
【0062】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、美白剤を提供することと、当該美白剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.1~10重量%(好ましくは、0.5~2重量%)の美白剤を含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、美白剤を提供することと、当該美白剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.1~10重量%(好ましくは、0.5~2重量%)の美白剤を含み)、当該美白剤は、植物エキス(例えば、リコリスエキス、ベアベリーエキス)、アルファヒドロキシ酸、ナイアシンアミド、アルブチン、アゼライン酸、コウジ酸、フェルラ酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキノン、レチノール、レチノイド、レゾルシノール、及び4-置換レゾルシノールを含む誘導体、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0063】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、石鹸を提供することと、当該石鹸を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、石鹸を提供することと、当該石鹸を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み、当該石鹸は、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、タロー酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、タロー酸カリウム、パルミチン酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、サンケア剤を提供することと、当該サンケア剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.1~30重量%(好ましくは、2~20重量%、より好ましくは、4~10重量%)のサンケア剤を含む。よち好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、サンケア剤を提供することと、当該サンケア剤を皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.1~30重量%(好ましくは、2~20重量%、より好ましくは、4~10重量%)のサンケア剤を含み)、当該サンケア剤は、赤色ワセリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、1-(4-メトキシフェノール)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、メンチルアントラニレート、パラ-アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラジメチルアミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)パラ-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG-25)パラ-アミノベンゾエート、エチル4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ-メチオキシシンナメート、2-エトキシエチルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルパラ-メトキシシンナメート、オクチルパラメトキシシンナメート、イソアミルパラ-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-アクリレート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート、ホモメチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジグアロイルトリオレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、4-メチルベンジリジンカンファー、アボベンゾン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、スルホン化ベンゾイミダゾール)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0065】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、ビタミンを提供することと、当該ビタミンを皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含む(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.001~10重量%(好ましくは、0.01~1重量%、より好ましくは、0.1~0.5重量%)のビタミンを含む)。より好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法は、ビタミンを提供することと、当該ビタミンを皮膚科学的に許容されるビヒクル及び皮膚保湿剤と合わせて、皮膚保湿製剤を形成することを更に含み(好ましくは、形成される皮膚保湿製剤は、当該皮膚保湿製剤の重量に基づいて、0.001~10重量%(好ましくは、0.01~1重量%、より好ましくは、0.1~0.5重量%)のビタミンを含み)、当該ビタミンは、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB(ナイアシンアミド)、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビオチン、それらの誘導体(例えば、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグリコシド、酢酸トコフェリル、パルミチン酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、DL-パンテノール)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0066】
好ましくは、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法に従って調製される皮膚保湿製剤は、<0.0001重量%(より好ましくは、<0.00001重量%、より好ましくは、検出可能限界未満)の、(i)アミノ基及び少なくとも5個のカルボキシレート基を含む金属キレート剤、(ii)アミノ基及び少なくとも4つのホスホネート基を含む金属キレート剤、並びに(iii)(i)と(ii)との混合物からなる群から選択される金属キレート剤を含む。
【0067】
好ましくは、本発明の皮膚を保湿する(好ましくは、小じわ及びしわの可視性を低減する)方法は、本発明の皮膚保湿製剤を作製する方法に従って調製された皮膚保湿製剤を提供することと、当該皮膚保湿製剤を哺乳動物の皮膚に適用すること(好ましくは、皮膚は、乾燥肌であり、好ましくは、哺乳動物の皮膚は、ヒトの皮膚である)と、を含む。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0069】
実施例S1:カチオン性デキストランポリマーの合成
ゴムセラムキャップ、窒素注入口、等圧滴下漏斗、撹拌パドル及びモータ、J-KEMコントローラに接続された表面下熱電対、並びに鉱油バブラーに接続されたフリードリッヒ冷却器を取り付けた500mLの四つ口丸底フラスコに、21.4%デキストラン水溶液(132.6g、Dextran Products Limited)及び脱イオン水(10.0g)を仕込んだ。滴下漏斗に、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの70%水溶液(27.23g;SKW QUAB Chemicalsから入手可能なQUAB(登録商標)151)を仕込んだ。フラスコの内容物を撹拌させた。内容物を撹拌しながら、装置を窒素でパージして、系内に取り込まれたあらゆる酸素を排出した。窒素流量は、1秒当たり約1気泡であった。混合物を、1時間撹拌しながら窒素でパージした。プラスチックシリンジを使用して、25%水酸化ナトリウム水溶液(4.77g)を、窒素下で撹拌しながらフラスコの内容物に数分間にわたって添加した。フラスコの内容物を、次いで、窒素下で30分間撹拌させた。次いで、滴下漏斗の内容物を、撹拌を継続しながら窒素下で5分間にわたってフラスコの内容物に滴下して仕込んだ。滴下漏斗の内容物をフラスコの内容物に移した後、混合物を5分間撹拌させた。次いで、55℃に設定したJ-KEMコントローラを使用して制御される加熱マントルで、フラスコの内容物に熱を加えた。フラスコの内容物を55℃に加熱し、105分間維持した。次いで、フラスコ内を正の窒素圧に維持しながら、フラスコの内容物を室温まで冷却した。フラスコの内容物が室温に達したとき、氷酢酸(3.00g)を、シリンジを介してフラスコの内容物に滴下し、混合物を10分間撹拌した。ポリマーを、メタノールによるこの水溶液の非溶媒沈殿によって回収した。ワーリングブレンダーにメタノール(700mL)を仕込み、ポリマー溶液(20mL)をゆっくりと添加し、中程度の混合速度で連続的に添加した。メタノール非溶媒の不透明化の開始時に、沈殿したポリマーを、入れ子式#40及び#80のUS標準ふるいスクリーンのセットを通して濾過することによって回収した。ワーリングブレンダーに新鮮なメタノールを仕込み、残りの水性ポリマー溶液の非溶媒沈殿を続けた。回収されたポリマーを短時間風乾させ、真空中50℃で一晩乾燥させた。生成物であるカチオン性デキストランポリマーは、白色の固形物(35.0g)であり、揮発性物質の含有量は4.45%、灰分の含有量は1.85%(塩化ナトリウムとして)であった。揮発性物質及び灰分を、ASTM方法D-2364に記載されているように測定した。ケルダール窒素含有量を、Buchi KjelMaster K-375自動分析装置を使用して測定したところ、1.827%(揮発性物質及び灰分について補正)であることが見出され、これは、0.263のトリメチルアンモニウム置換度に対応する。
【0070】
インビトロ保湿性
以下の手順を使用して、材料のインビトロ保湿性を評価した。
1. ブランクのアルミニウム皿を計量し、重量をW0として記録する。
2. アルミニウム皿に試験用の材料2.0gを計り入れ、材料とアルミニウム皿との合計重量をW1として記録する。
3. 試験用の材料の載ったアルミニウム皿を、105℃で予熱したオーブンに3時間入れる。
4. 3時間後、試験される材料の載ったアルミニウム皿をオーブンから取り出し、直ちにW2として計量する。
5. 試験される材料の載ったアルミニウム皿を、45℃及び相対湿度90%の一定温度及び湿度の第1の試験チャンバに40時間入れる。
6. 40時間後、試験される材料の載ったアルミニウム皿を第1の試験チャンバから取り出し、直ちにW3として計量する。
7. 試験される材料の載ったアルミニウム皿を22℃及び相対湿度55%の一定温度及び湿度の第2の試験チャンバに入れ、試験される材料の載ったアルミニウム皿の重量を7時間又は8時間にわたって1時間毎に、それぞれ、W4、W5、W6、W7、W8、W9、W10、及びW11として記録する。
【0071】
測定値からの計算は、以下を含む:
材料の新鮮サンプルの重量=W1-W0
乾燥サンプルの重量=W2-W0
水で飽和したサンプルの重量=W3-W0
0時間後の吸収された水の最大値(%)=100×[(W3-W0)/(W2-W0)]
1時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W4-W0)/(W2-W0)]
2時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W5-W0)/(W2-W0)]
3時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W6-W0)/(W2-W0)]
4時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W7-W0)/(W2-W0)]
5時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W8-W0)/(W2-W0)]
6時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W9-W0)/(W2-W0)]
7時間後の残りの吸収された水(%)=100×[(W10-W0)/(W2-W0)]
【0072】
重量%又は吸水率が高く、大気への水の放出が遅いほど、試験した材料の保湿性能力が良好である。実施例S1に従って生成されたポリマーのインビトロ保湿性試験の結果を、表1及び表2における2つのベンチマーク材料について得られた結果と比較する。
【0073】
【0074】
【国際調査報告】