(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】環境にやさしい溶剤、それを含む洗濯用組成物及び洗濯装置
(51)【国際特許分類】
C11D 7/50 20060101AFI20230726BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20230726BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
C11D7/50
C11D7/26
C11D3/50
C11D3/43
C11D3/386
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576521
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2021005724
(87)【国際公開番号】W WO2022010082
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0084365
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0123128
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソン・キル・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ネ・ギュ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ミン・キム
(72)【発明者】
【氏名】クァン・ホ・オ
【テーマコード(参考)】
3B168
4H003
【Fターム(参考)】
3B168AC02
3B168AE05
3B168AE07
3B168BA09
3B168BA26
3B168BA42
3B168BA43
3B168BA45
3B168BA59
3B168FA01
3B168FA02
3B168FA12
3B168FA19
4H003AA01
4H003DA01
4H003DC03
4H003EB04
4H003EB05
4H003EC01
4H003ED02
4H003ED28
4H003ED30
4H003FA04
4H003FA16
4H003FA21
4H003FA26
(57)【要約】
本発明による洗濯用組成物は、ソルケタール及びその誘導体からなる群より選択される溶剤及び香りを含み、上記香りはlogP値が-1.0~4.5であることを特徴とし、洗濯装置は溶剤の供給を受けて収容された繊維を洗濯する洗濯部と、上記洗濯部から排出される気相を凝縮させて溶剤回収部に供給する蒸気回収部と、上記洗濯部から排出される液相を回収して溶剤供給部に供給する溶剤回収部と、を含み、上記溶剤回収部は、上記記蒸気回収部及び上記洗濯部のうち少なくとも1つから供給される溶剤から異物を除去するフィルタ部と、上記フィルタ部から供給される溶剤を貯蔵する溶剤貯蔵部と、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される溶剤及び香りを含み、
上記香りはlogP値が-1.0~4.5であることを特徴とする洗濯用組成物。
【化1】
式中において、
R
1及びR
2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R
3は水素または炭素数1~4個のアルキルである。
【請求項2】
上記R
1及びR
2はメチルであり、上記R
3は水素であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯用組成物。
【請求項3】
上記香りは、
バニリン、レソルシノール、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、ゲラニオール、ベンジルベンゾエート及び2-エチルヘキセンからなる群より選択される1つ以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯用組成物。
【請求項4】
上記香りは、
上記洗濯用組成物100重量%に対して0.0001~30重量%で含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗濯用組成物。
【請求項5】
上記洗濯用組成物は、
有機溶媒、界面活性剤、電解質、酵素、防腐剤及び粘度調整剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤をさらに含む液体組成物であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯用組成物。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の洗濯用組成物を利用することを特徴とする繊維を洗濯する方法。
【請求項7】
溶剤の供給を受けて収容された繊維を洗濯する洗濯部と、
上記洗濯部から排出される気相を凝縮させて溶剤回収部に供給する蒸気回収部と、
上記洗濯部から排出される液相を回収して溶剤供給部に供給する溶剤回収部と、を含み、
上記溶剤回収部は、
上記蒸気回収部及び上記洗濯部のうち少なくとも1つから供給される溶剤から異物を除去するフィルタ部と、
上記フィルタ部から供給される溶剤を貯蔵する溶剤貯蔵部と、を含むことを特徴とする洗濯装置。
【請求項8】
上記蒸気回収部は、
上記洗濯部内で発生する蒸気を回収する蒸気吸入部と、
上記蒸気吸入部から供給される蒸気と水を熱交換させる蒸気凝縮部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の洗濯装置。
【請求項9】
上記溶剤貯蔵部は、
溶剤を上記溶剤供給部に供給する溶剤貯蔵タンクと、
上記溶剤貯蔵タンクに含まれた水分の含量を測定するセンサ部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の洗濯装置。
【請求項10】
上記溶剤貯蔵タンクは、
上記溶剤貯蔵タンクの内部に着脱できるように配置される吸着カートリッジを含み、
上記吸着カートリッジは、
活性炭、炭、シリカゲル、アルミナゲル、硫酸、活性白土、ゼオライト及びベントナイトのうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項9に記載の洗濯装置。
【請求項11】
上記溶剤回収部は、
透過膜を備える水分除去部をさらに含み、
上記透過膜は、
透過蒸発膜、中空糸膜または逆浸透膜であり、
上記水分除去部は、
上記透過膜を経た溶剤を上記溶剤供給部または上記溶剤貯蔵部に供給することを特徴とする請求項7に記載の洗濯装置。
【請求項12】
上記水分除去部は、
上記水分除去部の内部に着脱できるように配置される吸着カートリッジを含み、
上記吸着カートリッジは、
上記透過膜を経た溶剤と接触するように配置されることを特徴とする請求項11に記載の洗濯装置。
【請求項13】
上記水分除去部は、
上記水分除去部内に含まれた水分の含量を測定する第2センサ部を含み、
上記洗濯装置は、
上記溶剤貯蔵タンクに貯蔵された溶剤を上記水分除去部に供給する溶剤リターンラインと、
上記溶剤リターンライン上に設けられて溶剤の供給流量を調整する溶剤リターンバルブと、
上記センサ部及び上記第2センサ部のうち少なくとも1つで測定された水分含量に応じて上記溶剤リターンバルブの開度を調整する制御部と、をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の洗濯装置。
【請求項14】
上記制御部は、
上記センサ部で測定された水分含量が予め設定された第1基準値より大きいか、上記第2センサ部で測定された水分含量が予め設定された第2基準値より小さいと、上記溶剤リターンバルブを開放するか、または開度を増加させることを特徴とする請求項13に記載の洗濯装置。
【請求項15】
上記溶剤は、
下記化学式1で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載の洗濯装置。
【化2】
式中において、
R
1及びR
2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R
3は水素または炭素数1~4個のアルキルである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境にやさしい溶剤、それを含む洗濯用組成物及びそれを用いる洗濯装置に関するものであり、より詳細にはソルケタールを含む溶剤に特定の香りをさらに含ませて繊維のしわ形成を低減させることができる洗濯用組成物と、上記溶剤の分解を防止して再使用することができる洗濯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、繊維や衣類の汚染を除去する洗濯は、水に界面活性剤を分散させて汚染を除去するか、溶剤に汚染を溶解させて除去するドライクリーニングに区分することができる。水と界面活性剤を用いた洗濯方法は水性汚染の除去には効果的であるが、油性汚染の除去には限界がある。ドライクリーニングは強い脱水過程を伴う洗濯過程に不適切な繊維や衣類の洗濯に適しており、有機溶剤を用いて油性汚染を除去するのに適している。
【0003】
従来、ドライクリーニングには石油系または塩素系溶剤が主に用いられてきた。石油系溶剤としては炭素数10個以上の炭化水素、より具体的には炭素数10~13個の炭化水素が用いられる。石油系溶剤は油性汚染に対する洗浄力に優れており、揮発性が高くて乾燥が容易であるという長所があるが、沸点が低く、蒸気圧が高いため、火災や爆発の危険性があり、外部への排出時にVOCによる環境汚染を引き起こせるという限界がある。塩素系溶剤としては二重結合された炭素2個の塩素4個が結合したパーク(PERC)のような化合物が用いられる。塩素系溶剤は油性汚染に対する洗浄力に優れており、揮発性が高く、且つ爆発の危険性が低いという長所があるが、人体に対してがんを誘発し得る有毒物質であることが判明した。石油系及び塩素系溶剤はその使用が次第に制限されているのは実情である。
【0004】
このような従来の溶剤の欠点を解決するために、グリコールエーテル系列の溶剤、臭素を含む溶剤、シリコーン油を含む溶剤などの様々な溶剤が開発されており、液化された二酸化炭素を使用するドライクリーニング方法と少量の水のみを利用して汚染を除去する湿式洗浄方法などの代案も提示された。
【0005】
しかし、グリコールエーテル系列の溶剤は石油系の炭化水素溶剤に比べて優れた洗浄力を有しており、注目を浴びたが、相対的に揮発性が低くて乾燥時間が長く、乾燥に必要なエネルギーが多く消費されるという欠点があった。臭素を含む溶剤は、N-プロピルブロマイドまたは1-ブロモプロパンなどを含んで不燃性という利点があるが、外部への排出時に環境汚染を誘発し、人体に対して接触刺激を誘発したり、長期間吸入すると重篤な疾病を誘発することが判明された。シリコーン油は、最近の動物実験の結果、がんを誘発することが推定されて使用に対する規制が始まっている。液化された二酸化炭素を使用するドライクリーニング方法は600psi以上の高圧を利用して二酸化炭素を液化させるため、高価の装備を必要とし、爆発の危険があり、湿式洗浄は水による繊維の収縮及び変形を伴うという限界があった。
【0006】
最近、繊維の洗濯のために下記化学式1の化合物を含む溶剤が提示されたが、上記溶剤は人体と環境に対して安全で、汚染に対する洗浄力に優れており、爆発の危険性が低く、且つ乾燥が早くて容易であるという長所があることが判明された。
【0007】
【0008】
式中において、
R1及びR2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R3は水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルである。
【0009】
式中において、
R1及びR2は互いに独立して炭素数2~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、互いに連結されてシクロアルキルを形成することができる。
【0010】
上記化学式1の化合物は石油系、塩素系溶剤やシリコーン油を含む溶剤とは異なり、水にも溶解する特性があり、ドライクリーニングだけでなく、水を利用した洗浄にも適することが判明した。
【0011】
しかし、上記化学式1の溶剤は石油系、塩素系溶剤に比べて相対的に少ないが、依然として洗濯後の繊維に特異臭を残す問題があった。また、上記化学式1の化合物は洗濯過程で水が使用されたり、繊維に含まれていた水と混合されて酸性条件にさらされると、グリセロールとアセトンに分解されるため、回収による再使用が難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】登録特許公報第10-1128856号(2012.03.14公開)
【特許文献2】公開特許公報第10-2014-0073597号(2014.06.17公開)
【特許文献3】公開特許公報第10-2017-0082444号(2017.07.14公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記化学式1の化合物を溶剤として含む洗濯用組成物の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は洗濯用組成物に特定のlogP値を有する香りをさらに添加して上記化学式1の化合物の特異臭を低減し、洗濯後の繊維におけるしわ形成を低減することができる洗濯用組成物を提供することである。
【0014】
本発明は上記化学式1の化合物を溶剤として使用して洗濯する場合の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の他の目的は使用した溶剤を回収して上記溶剤から水分を除去して上記化合物の分解を防止し、再使用することができる洗濯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施例1による洗濯用組成物は、下記化学式1で表される溶剤及び香りを含み、上記香りはlogP値が-1.0~4.5であることを特徴とする。
【0016】
【0017】
式中において、
R1及びR2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R3は水素または炭素数1~4個のアルキルである。
【0018】
具体的に、上記化学式1において、上記R1及びR2は互いに独立して炭素数2~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、互いに連結されてシクロアルキルを形成することができる。
【0019】
具体的に、上記化学式1において、上記R1及びR2はメチルであり、上記R3は水素であってもよい。
【0020】
具体的に、上記香りは、バニリン、レソルシノール、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、ゲラニオール、ベンジルベンゾエート及び2-エチルヘキセンからなる群より選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0021】
具体的に、上記香りは、上記洗濯用組成物100重量%に対して0.0001~30重量%で含まれてもよい。
【0022】
具体的に、上記洗濯用組成物は、有機溶媒、界面活性剤、電解質、酵素、防腐剤及び粘度調整剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤をさらに含む液体組成物であってもよい。
【0023】
また、本発明は実施例1による洗濯用組成物を利用することを特徴とする繊維を洗濯する方法を提供する。
【0024】
本発明の実施例2による洗濯装置は、溶剤の供給を受けて収容された繊維を洗濯する洗濯部と、上記洗濯部から排出される気相を凝縮させて溶剤回収部に供給する蒸気回収部と、上記洗濯部から排出される液相を回収して溶剤供給部に供給する溶剤回収部と、を含み、上記溶剤回収部は、上記蒸気回収部及び上記洗濯部のうち少なくとも1つから供給される溶剤から異物を除去するフィルタ部と、上記フィルタ部から供給される溶剤を貯蔵する溶剤貯蔵部と、を含むことを特徴とする。
【0025】
具体的に、上記蒸気回収部は、上記洗濯部内で発生する蒸気を回収する蒸気吸入部と、上記蒸気吸入部から供給される蒸気と水を熱交換させる蒸気凝縮部と、を含んでもよい。
【0026】
具体的に、上記溶剤貯蔵部は、溶剤を上記溶剤供給部に供給する溶剤貯蔵タンクと、上記溶剤貯蔵タンクに含まれた水分の含量を測定するセンサ部と、を含んでもよい。
【0027】
具体的に、上記溶剤貯蔵タンクは上記溶剤貯蔵タンクの内部に着脱できるように配置される吸着カートリッジを含み、上記吸着カートリッジは活性炭、炭、シリカゲル、アルミナゲル、硫酸、活性白土、ゼオライト及びベントナイトのうち少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0028】
具体的に、上記センサ部は、電気伝導度、pH濃度、色、粘度及び赤外線のうち少なくとも1つ以上を利用して上記溶剤貯蔵タンクの内部の水分含量を測定することができる。
【0029】
具体的に、上記溶剤回収部は透過膜を備える水分除去部をさらに含み、上記透過膜は透過蒸発膜、中空糸膜または逆浸透膜であり、上記水分除去部は上記透過膜を経た溶剤を上記溶剤供給部または上記溶剤貯蔵部に供給することができる。
【0030】
具体的に、上記水分除去部は上記水分除去部の内部に着脱できるように配置される吸着カートリッジを含み、上記吸着カートリッジは上記透過膜を経た溶剤と接触するように配置されてもよい。
【0031】
具体的に、上記水分除去部は上記水分除去部内に含まれた水分の含量を測定する第2センサ部を含んでもよい。
【0032】
具体的に、上記洗濯装置は、上記溶剤貯蔵タンクに貯蔵された溶剤を上記水分除去部に供給する溶剤リターンラインと、上記溶剤リターンライン上に設けられて溶剤の供給流量を調整する溶剤リターンバルブと、上記センサ部及び上記第2センサ部のうち少なくとも1つで測定された水分含量に応じて上記溶剤リターンバルブの開度を調整する制御部と、をさらに含んでもよい。
【0033】
具体的に、上記制御部は、上記センサ部で測定された水分含量が予め設定された第1基準値より大きいか、上記第2センサ部で測定された水分含量が予め設定された第2基準値より小さいと、上記溶剤リターンバルブを開放するか、または開度を増加させることができる。
【0034】
具体的に、上記溶剤は下記化学式1で表される化合物を含むことができる。
【0035】
【0036】
式中において、
R1及びR2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R3は水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルである。
【0037】
具体的に、上記化合物において、上記R1及びR2は互いに独立して炭素数2~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、互いに連結されてシクロアルキルを形成することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明による洗濯用組成物は、石油系、塩素系溶剤に比べて環境に優しく、人体に安全なソルケタール及びその誘導体を溶剤として利用し、上記溶剤とともに香りをさらに含んで上記溶剤の特異臭を低減させることができる。
【0039】
本発明は、ソルケタール及びその誘導体を溶剤とする洗濯用組成物に対して特定のlogP値を有する香りを使用して洗濯後の繊維のしわ形成を低減させることができる。
【0040】
本発明による洗濯装置は、溶剤を利用した繊維の洗濯を行った後に発生する気相と液相から溶剤を回収して再使用することができる。
【0041】
また、本発明による洗濯装置は、回収された溶剤から水分を除去して溶剤の分解を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】本発明の実施例2-1による洗濯装置の概念図である。
【
図3】本発明の実施例2-2による洗濯装置の概念図である。
【
図4】本発明の実施例2-3による洗濯装置の概念図である。
【
図5】本発明の実施例2-4による洗濯装置の概念図である。
【
図6】本発明の実施例2-5による洗濯装置の概念図である。
【
図7】本発明の一実施例による洗濯装置に含まれる水分除去部を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
【0044】
以下において、高温、低温、高圧、及び低圧などの表現は相対的なものであって絶対的な数値を示すものではない。
【0045】
以下において、繊維は本発明の一実施例による洗濯装置の洗濯対象である洗濯物を意味し、繊維を含む衣類、雑貨、寝具類及びその他の製品を包括して意味する。
【0046】
以下において、溶剤は下記化学式1で表される化合物を含む混合物を意味する。
【0047】
【0048】
式中において、
R1及びR2は互いに独立して水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、
R3は水素または炭素数1~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルである。
【0049】
上記式中において、上記R1及びR2は互いに独立して炭素数2~4個の直鎖または分岐鎖のアルキルであり、互いに連結されてシクロアルキルを形成することができる。
【0050】
上記式中において、上記R1及びR2は炭素数1個のアルキルであるか、それぞれ炭素数1個及び2個のアルキルであるか、それぞれ炭素数1個及び3個のアルキルであるか、それぞれ炭素数1個及び4個のアルキルであってもよく、上記炭素数4個のアルキルは分岐鎖アルキルを含むものであってもよい。
【0051】
例えば、上記式中において、上記R1及びR2はメチルであり、R3は水素であってもよい。または、上記式中において、上記R1はエチル、プロピルまたはイソブチルであり、R2はメチルであり、R3は水素であってもよい。好ましくは、上記式中において、上記R1及びR2はメチルであり、R3は水素であってもよい。
【0052】
以下において、溶剤は上記化学式1による化合物の他にも、界面活性剤、漂白剤、増白剤、移染防止剤、香り、防腐剤などをさらに含んでもよく、少量の水をさらに含んでもよい。蒸気はこのような溶剤が気化した気相や微粒子が混合されたものを包括して意味する。
【0053】
以下において、洗濯用組成物は繊維のドライクリーニング用組成物であってもよく、液体組成物であってもよい。
【0054】
本発明の実施例1による洗濯用組成物は、上記化学式1で表される溶剤及び香りを含み、上記香りはlogP値が-1.0~4.5であってもよい。
【0055】
以下において、香りは本発明の溶剤とともに使用されて洗濯用組成物及び上記洗濯用組成物を利用して洗濯した繊維から発香する1つ以上の化合物を意味することができる。
【0056】
具体的には、本発明では、香りのlogP値が-0.1~4.5のものを使用して繊維に香りを残留させることにより洗濯した繊維における溶剤の特異臭を低減させることができ、洗濯した繊維における香気の持続力を向上させることができる。
【0057】
また、上記のようなlogP値を有する香りは洗濯された繊維に残存し、繊維のしわ形成を防ぐことができる。繊維の洗濯過程では洗濯用組成物との接触だけでなく、機械的な力を利用した汚染物質の除去過程が伴われることがあり、当該過程で繊維の一時的な変形が誘発されることがある。繊維はそれを構成する物質の種類によって相違するが、表面の少なくとも一部に親水性官能基を含有する分子から構成されてもよく、親水性官能基は隣接する親水性官能基または洗濯過程で接触する水または親水性分子との間で水素結合を始めとする分子間引力を誘発することができる。このような分子間引力は繊維の変形時に相対的に強く作用して繊維のしわつきによるしわを形成することができるようになる。本発明による香りは、上記のようなlogP値を有するものを利用して繊維に残存しながら繊維の表面を相対的に親油性に保持し、繊維を構成する分子間の力を低減させて繊維のしわ形成を防止することができる。
【0058】
以下において、Pは分別係数であり、2つの溶媒に対する化合物の溶解度を示すものであってもよいが、具体的にはオクタノール-水分別係数であってもよい。例えば、Pはオクタノールに対する化合物の溶解度と水に対する化合物の溶解度の比率であってもよい。化合物が親油性である場合、P値は非常に大きくなることができるため、logP値で表すことができる。
【0059】
香りは固有の香気を有する有機化合物であってもよいが、芳香族に限定されず、logP値が-0.1~4.5のものを使用することができる。香りのlogP値が-1.0より低いと、洗濯用組成物または洗濯用組成物で洗濯された繊維の表面から急激に揮散し、繊維の表面における香気が激減する問題が生じる。香りのlogP値が4.5より高いと、本発明の溶剤に対する相溶性が急激に低くなって洗濯用組成物の中で香りと溶剤が分離する現象が発生する。即ち、本発明で使用される香りは、水よりもオクタノールに対して約0.8~30,000倍の比率で溶解され得る1つ以上の化合物であってもよい。
【0060】
好ましくは、香りはlogP値が0.5~4.5のものを使用することができ、より好ましくはlogP値が0.7~4.5のものを使用することができる。さらに好ましくは、香りはlogP値が1.0~4.4のものを使用することができ、最も好ましくは、香りはlogP値が2.0~4.4のものを使用することができる。本発明による溶剤は、約1.07のlogP値を有することができ、香りはそのlogP値が溶剤と類似するか、溶剤に比べて相対的に高く、且つ上記溶剤と相溶性を保持できる水準のものが使用されることにより、洗濯後の繊維に対する優れた残存性と組成物自体の優れた相溶性を同時に提供することができる。
【0061】
香りは、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート((2-tert-butylcyclohexyl)acetate)、(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)酢酸((3-oxo-2-pentylcyclopentyl)acetic acid)、(E)-4-デカナール((E)-4-decanal)、1-(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)エタノン(1-(1,2,3,4,5,6,7,8-Octahydro-2,3,8,8-tetramethyl-2-naphthalenyl)ethanone)、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキ-3-セニル)2-ブテン-1-オン((1-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohex-3-enyl)but-2-en1-one)、1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)ペンテン-3-オン(1-(2,6,6-trimethyl-2-cyclohexen-1-yl)penten-3-one)、1,2-ジクロロエタン(1,2-Dichloroethane)1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2,2,2]オクタン(1,3,3)-trimethyl-2-oxabicyclo[2,2,2]octane)、1,4-ジオキサン(1,4-Dioxane)、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(1,6 Hexanediol diglycidyl ether)、1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]2-ヘプチルアセテート(1,7,7-Trimethylbicyclo[2.2.1]hept-2-yl acetate)、10-ウンデセナール(10-undecenal)、17a-ヒドロキシプロゲステロン(17a-Hydroxyprogesterone)、1-ブロモエタン(1-bromoethane)、1-ブロモペンタン(1-bromopentane)、1-ブタノール(1-butanol)、1-ブテン(1-butene)、1-クロロヘキサン(1-chlorohexane)、1-フルオロオクタン(1-fluorooctane)、1-ヘプタノール(1-heptanol)、1-ヘプテン(1-heptene)、1-ヘキサノール(1-hexanol)、1-ヘキセン(1-hexene)、1-ヨードブタン(1-iodobutane)、1-メトキシ-2-プロパノール(1-Methoxypropan-2-ol)、1-ナフトール(1-Naphthol)、1-ノナノール(1-nonanol)、1-オクタノール(1-octanol)、1-オクチン(1-octyne)、1-ペンタノール(1-pentanol)(1.56)、1-ペンテン(1-pentene)(2.80)、1-プロパノール(1-propanol)(0.25)、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール(2-(2-Butoxyethoxy)ethanol)(0.65)、2-(ジメチルアミノ)-5,6-ジメチルピリミジン-4-オール(2-(dimethylamino)-5,6-dimethylpyrimidin-4-ol)(1.63)、2-(エトキシカルボニル)安息香酸(2-(ethoxycarbonyl)benzoic acid)(1.80)、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエタノール(2,2,2-trichloro-1-phenylethanol)、2,3-ブタンジオール(2,3-Butanediol)、2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-Trichlorophenol)、2,4-ジクロロフェノール(2,4-Dichlorophenol)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-Dichlorophenoxyacetic acid)、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(2,4-dihydroxy-3,6-dimethylbenzoic acid)、2,4-ジメチルシクロヘキ-3-セン-1-カルバルデヒド(2,4-dimethylcyclohex-3-ene-1-carbaldehyde)、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール(2,6-dimethyl-2-heptanol)、2-ブタノール(2-butanol)、2-ブタノン(2-butanone)、2-ブトキシエタノール(2-Butoxyethanol)、2-ブチン(2-butyne)、2-クロロフェノール(2-Chlorophenol)、2-クレゾール(2-Cresol)、2-デカノン(2-decanone)、2-エトキシエタノール(2-Ethoxy ethanol)、2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)、2-エチルヘキセン(2-ethylhexene)、2-ヘプタノン(2-heptanone)、2-ヘキサノール(2-hexanol)、2-ヘキサノン(2-hexanone)、2-ヘキセン-1-オール(2-hexen-1-ol)、2-ヒドロキシ安息香酸(2-Hydroxybenzoic acid)、2-ヨードブタン(2-iodobutane)、2-イソプロポキシエタノール(2-Isopropoxyethanol)、2-イソプロポキシフェノール(2-isopropoxyphenol)、2-MeTHF、2-メトキシ-4-(2-プロフェニル)-フェノール(2-methoxy-4-(2-propenyl)-phenol)、2-メトキシ-4-プロピルフェノール(2-Methoxy-4-propylphenol)、2-メトキシ-4-ビニルフェノール(2-Methoxy-4-vinylphenol)、2-メトキシエタノール(2-Methoxyethanol)、2-メトキシエチルアセテート(2-Methoxyethyl acetate)、2-メチル-1-ブタノール(2-methyl-1-butanol)、2-メチル-1-プロパナール(2-methyl-1-propanal)、2-メチル-2-ブタノール(2-methyl-2-butanol)、2-メチル-2-ペンタノール(2-methyl-2-pentanol)、2-メチル-2-プロパノール(2-methyl-2-propanol)、2-メチルブチルアセテート(2-methylbutyl acetate)、2-メチル酪酸(2-methylbutyric acid)、2-メチルプロパン(2-methylpropane)、2-メチルプロピオン酸(2-methylpropionic acid)、2-ナフトール(2-Naphthol)、2-ナフチルアミン(2-Naphthylamine)、2-ニトロ-4-フェニレンジアミン(2-Nitro-4-Phenylenediamine)、2-ノナノン(2-nonanone)、2-オクタノン(2-octanone)、2-オクチン(2-octyne)、2-ペンタノン(2-pentanone)、2-フェノキシエタノール(2-Phenoxyethanol)、2-フェニル-1-エタノール(2-phenyl-1-ethanol)、2-フェニルフェノール(2-phenylphenol)、2-プロパノール(2-propanol)、2-ウンデカノン(2-undecanone)、3(4)-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド(3 and 4-(4-Hydroxy-4-methylpentyl)-3-cyclohexene-1-carboxaldehyde)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール(3-(4-tert-butylphenyl)-2-methylpropanal(Lilial))、3,4-キシレノール(3,4-Xylenol)、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(3,7-Dimethyloct-6-en-1-ol)、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(3,7-dimethylocta-2,6-dienal)、3,7-ジメチル-3-オクタノール(3,7-dimethyloctan-3-ol)、3-クレゾール(3-Cresol)、3-ヘキサノール(3-hexanol)、3-ヘキサノン(3-hexanone)、3-メチル-1-ブタノール(3-methyl-1-butanol)、3-メチル-3-ペンタノール(3-methyl-3-pentanol)、3-メチルブチルアセテート(3-methylbutyl acetate)、3-メチル酪酸(3-methylbutyric acid)、3-ニトロフェノール(3-Nitrophenol)、3-フェニルブタナール(3-phenyl butanal)、3-フェニル-1-プロパノール(3-Phenyl-1-propanol)、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(4-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexene-1-yl)-3-butene-2-one)、4-(メチルチオ)-3,5-キシレノール(4-(methylthio)-3,5-xylenol)、4-アセトアミドフェノール(4-Acetamidophenol)、4-アミノ-2-ニトロフェノール(4-Amino-2-nitrophenol)、4-アミノ安息香酸(4-Aminobenzoic acid)、4-アミノフェノール(4-Aminophenol)、4-ブロモフェノール(4-Bromophenol)、4-クロロ-3-キシレノール(4-Chloro-3-xylenol)、4-クロロクレゾール(4-Chlorocresol)、4-クロロフェノール(4-Chlorophenol)、4-クレゾール(4-Cresol)、4-シアノフェノール(4-Cyanophenol)、4-エトキシ-4-オキソ酪酸(4-ethoxy-4-oxobut-2-enoic acid)、4-エチルフェノール(4-Ethyl phenol)、4-ヘプチルオキシフェノール(4-Heptyloxyphenol)、4-ヨードフェノール(4-Iodophenol)、4-メトキシアセトフェノン(4-Methoxy acetophenone)、4-メトキシベンジルアルコール(4-Methoxybenzyl alcohol)、4-メチルペンタン酸(4-methylpentanoic acid)、4-ニトロアニリン(4-Nitroaniline)、4-ニトロフェノール(4-Nitrophenol)、4-ペンチルオキシフェノール(4-Pentyloxyphenol)、5-フルオロウラシル(5-Fluorouracil)、5-ヘキシルオキソラン-2-オン(5-Hexyloxolan-2-one)、アセトアルデヒド(acetaldehyde)、酢酸(Acetic acid)、アセトン(Acetone)、アセトニトリル(Acetonitrile)、アセトフェノン(acetophenone)、アセチルセドレン(Acetyl cedrene)、アセチルシステイン(Acetylcysteine)、アセチルサリチリ酸(Acetylsalicylic acid)、アリルアルコール(allyl alcohol)、アリルヘプタノエート(allylheptanoate)、アルファテルピネオール(alpha terpineol)、アモバルビタール(Amobarbital)、アミルアルコール(Amyl alcohol)、サリチル酸アミル(Amyl salicylate)、アンドロステネジオン(Androstenedione)、アネトールUSP(anethole USP)、アニリン(Aniline)、アルファ-テルピノール(α-terpineol)、アトラジン(Atrazine)、アトロピン(Atropine)、アゾドリン(Azodrin)、バルビタール(Barbital)、ベンズアルデヒド(benzaldehyde)、ベンゼン(Benzene)、ベンゾカイン(Benzocai
ne)、安息香酸(Benzoic acid)、 2-アミノ,二塩酸塩( 2-amino-、dihydrochloride)、ベンゾフェノン(Benzophenone)、ベンジルアセテート(Benzyl acetate)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ベンジルベンゾエート(Benzyl benzoate)、ベンジルニコチネート(Benzyl nicotinate)、サリチル酸ベンジル(Benzyl salicylate)、ベータ-テルピノール(beta terpineol)、ベータ-エストラジオール(Beta-estradiol)、硼酸(Boric Acid)、ブタクロール(Butachlor)、ブトバルビタール(Butobarbital)、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート(Butyl 4-hydroxybenzoate)、ブチルアセテート(butyl acetate)、ブチルアルコール(Butyl alcohol)、ブチルニコチネート(Butyl nicotinate)、ブチルアルデヒド(butyraldehyde)、酪酸(Butyric acid)、カフェイン(Caffeine)、カルバミン酸(Carbamic acid),ジメチル-,エチルエステル(Dimethyl-,ethylester)、カルバリル(Carbaryl)、カルボン(Carvone)、カテコール(Catechol)、クロラムフェニコール(Chloramphenicol)、クロロクレゾール(Chlorocresol)、クロロホルム(Chloroform)、クロロキシレノール(Chloroxylenol)、クロルフェニラミン(Chlorpheniramine)、ケイ皮酸(Cinnamic acid)、シンナムアルデヒド(Cinnamic aldehyde)、シンナムアルコール(Cinnamic alcohol)、シンナミルアルコール(Cinnamyl alcohol)、シンナミルアントラニレート(Cinnamyl anthranilate)、シス-1,3-ジクロロプロペン(cis-1,3-Dichloropropene)、シス-3-ヘキセニルアセテート(cis-3-Hexenyl acetate)、シス-6-ノネナール(cis-6-nonenal)、シス-ジャスモン(cis-jasmone)、コデイン(Codeine)、コルテキソン(Cortexone)、クマリン(Coumarin)、クメン(Cumene)、シクロドデカノン(cyclododecanone)、シクロヘキサン(cyclohexane)、シクロヘキサノン(cyclohexanone)、シクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロウンデカノン(cycloundecanone)、デカナール(decanal)、デカン酸(decanoic acid)、デオキシコルチコステロン(Deoxycorticosterone)、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジアジノン(Diazinon)、ジクロロメタン(Dichloromethane)、ジクロフェナク(Diclofenac)、ジエチルエーテル(Diethyl ether)、ジエチルマリエート(Diethyl maleate)、ジエチルマロネート(Diethyl malonate)、ジエチルフタレート(Diethyl phthalate)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(Diethylene glycol monobutyl ether)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(Diethylene glycol monobutyl ether acetate)、ジエチルエーテル(Diethylether)、ジヒドロリナロール(dihydro linalool)、ジヒドロミルセノール(Dihydromyrcenol)、ジヒドロ-α-テルピノール(Dihydro-α-terpineol)、ジメトエート(Dimethoate)、ジメチルベンジルカルビニルアセテート(Dimethyl benzyl carbinyl acetate)、ジメチルカーボネート(Dimethyl carbonate)、ジメチルシクロヘキサノール(dimethylcyclohexanol)、ジメチルエチルアミン(Dimethylethylamine)、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)、ジメチルニトロサミン(Dimethylnitrosamine)、ジニトロクロロベンゼン(Dinitrochlorobenzene)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(Dipropylene glycol methyl ether)、dl-シトロネロール(dl-Citronellol)、d-リモネン(d-Limonene)、ジメチルフタレート(DMP)、E-2-ブテナール(E-2-butenal)、E-2-ヘキセナール(E-2-hexenal)、E-2-オクテン(E-2-octene)、エチレングリコール(Ethylene glycol)、エフェドリン(Ephedrine)、エストラジオール(Estradiol)、エストラゴール(Estragole)、エストリオール(Estriol)、エストロン(Estrone)、エタン(ethane)、エタノール(Ethanol)、酢酸エチル(Ethyl acetate)、エチルベンゼン(Ethyl benzene)、エチルエーテル(Ethyl ether)、マロン酸水素エチル(Ethyl hydrogen malonate)、エチルニコチネート(Ethyl nicotinate)、エチルバニリン(ethyl Vanillin)、エチルベンゼン(ethylbenzene)、エチレングリコールメチルエーテル(Ethylene glycol methyl ether)、エチニルベンゼン(ethynylbenzene)、ユーカリプトール(Eucalyptol)、オイゲノール(Eugenol)、オイゲニルメチルエーテル(Eugenyl methyl ether)、フロールセテート(flor acetate)、フルタミド(Flutamide)、ゲラニオール(geraniol)、ゲラニルニトリル(Geranyl nitrile)、グリセロールホルマール(Glycerol formal)、ヘジオン(Hedione)、ヘプタナール(heptanal)、ヘプタン(Heptane)、ヘプタン酸(Heptanoic acid)、ヘプタノール(Heptanol)、ヘキサナール(hexanal)、ヘキサン酸(Hexanoic acid)、ヘキサノール(Hexanol)、馬尿酸(Hippur acid)、塩酸(Hydrochloric acid)、ヒドロキシシトロネラール(hydroxycitronellal)、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドール(Indole)、ヨードメタン(iodomethane)、イソオイゲノール(iso eugenol)、イソブチルイソブチレート(isobutyl isobutyrate)、サリチル酸イソブチル(isobutyl salicylate)、イソオイゲノール(Isoeugenol)、イソペンチルイソバレレート(isopentyl isovalerate)、イソキノリン(Isoquinoline)、コアボン(koavone)、乳酸(Lactic acid)、リファローム(LIFFAROME)、リナロール(Linalool)、リンダン(Lindane)、マラチオン(Malathion)、マレイン酸(Maleic acid)、マロン酸(Malonic acid)、4,4’-メチレンbis(2-クロロアニリン)(MbOCA)、m-クレゾール(m-Cresol)、MDA、メペリジン(Meperidine)、メシチレン(mesitylene)、メタノール(Methanol)、メチオカルブ(Methiocarb)、メチル2-(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート(methyl 2-(3-oxo-2-pentylcyclopentyl)acetate)、メチル2-ノニノエート(Methyl 2-nonynoate)、メチルアセテート(methyl acetate)、メチルアントラニレート(methyl anthranilate)、メチルアトラレート(Methyl atrarate)、メチルベンゾエート(methyl benzoate)、メチルベータナフチルケトン(methyl beta naphthyl ketone)、メチルジヒドロジャスモネート(Methyl dihydrojasmonate)、メチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl ketone)、メチルNメチルアントラニレート(Methyl N methylanthranilate)、メチルニコチネート(Methyl nicotinate)、メチルプロピオネート(methyl propionate)、サリチル酸メチル(Methyl salicylate)、メチルtert-ブチルエーテル(Methyl tert-butyl ether)、メチル-4-ヒドロキシベンゾエート(Methyl-4-hydroxy benzoate)、メチル-4-OHベンゾエート(Methyl-4-OH benzoate)、メチル-パラチオン(Methyl-Parathion)、サリチル酸メチル(Methylsalicylate)、モルヒネ(Morphine)、ムスクケトン(Musk ketone)、m-キシレン(m-xylene)、N,N-ジエチル-m-トルアミド(N,N-Diethyl-m-toluamide)、ナプロキセン(Naproxen)、n-ブタン(n-butane)、n-ブタノール(n-Butanol)、n-デカノール(n-Decanol)、ネロール(Nerol)、n-ヘプタン(n-heptane)、n-ヘプタノール(n-Heptanol)、n-ヘキサン(n-Hexane)、n-ヘキサノール(n-Hexanol)、N-ヘキシルニコチネート(N-Hexyl nicotinate)、ニコチンアミド(Nicotinamide)、ニコチン(Nicotine)、ニコチン酸(Nicotinic acid)、ニトロベンゼン(Nitrobenzene)、ニトログリセリン(Nitroglycerine)、N-メチルピロリドン(N-Methyl pyrrolidone)、N-メチルカルバメート(N-methylcarbamate)、n-ノナノール(n-Nonanol)、n-オクタノール(n-Octanol)、ノナラクトン(nonalactone)、ノナン酸(nonanoic acid)、n-ペンタン(n-pentane)、n-ペンタノール(n-Pentanol)、N-フェニル-2-ナフチルアミン(N-Phenyl-2-naphthylamine)、n-プロパノール(n-Propanol)、n-プロポキシエタノール(n-Propoxyethanol)、o-クロロトルエン(o-chlorotoluene)、o-クレゾール(o-Cresol)、o-クレシルグリシジルエーテル(o-cresyl glycidyl ether)、オクタナール(octanal)、オクタン酸(Octanoic acid)、オクタノール(Octanol)、オレンジフラワーエーテルフェニルエチルアセテート(orange flower ether phenyl ethyl acetate)、o-トルイジン(o-toluidine)、o-キシレン(o-xylene)、パラオキソン(Paraoxon)、パラチオン(Parathion)、p-クレゾール(p-Cresol)、ペンタン酸(Pentanoic acid)、ペンタノール(Pentanol)、フェネチルアルコール(Phenethyl alcoho
l)、フェノバルビタール(Phenobarbital)、フェノール(Phenol)、フェノキサノール(Phenoxanol)、フェノキシエチルイソブチレート(phenoxy ethyl isobutyrate)、フェニルエチルアルコール(phenyl ethyl alcohol)、フェニルプロピルアルコール(phenyl propyl alcohol)、フェニルエチルアルコール(Phenylethyl alcohol)、 ホスメット (Phosmet)、ホキシム(Phoxim)、フタル酸(phthalic acid)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、プレグネノロン(Pregnenolone)、プロゲステロン(Progesterone)、2-プロフェニルヘプタノエート(prop-2-enyl heptanoate)、プロパン(propane)、プロペナール(propenal)、プロペン(propene)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、プロピオン酸(propionic acid)、プロポキスル(Propoxur)、プロプラノロール(Propranolol)、プロピルアセテート(propyl acetate)、プロピルブチレート(propyl butyrate)、プロピルホルマート(propyl formate)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、プロピレングリコール(Propylene glycol)、p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナムアルデヒド(p-t-Butyl-α-methylhydrocinnamic aldehyde)、p-キシレン(p-Xylene)、ピリジン(Pyridine)、レソルシノール(Resorcinol)、サフロール(Safrole)、サリチル酸(Salicylic acid)、スコポラミン(Scopolamine)、スチレン(Styrene)、テルピネン-4-オール(terpinen-4-ol)、tert-ブタノール(tert-Butanol)、テストステロン(Testosterone)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)、テトラヒドロリナロール(Tetrahydrolinalool)、テオフィリン(Theophylline)、チモール(Thymol)、トルエン(Toluene)、トリアセチン(Triacetin)、トリクロロメタン(Trichloromethane)、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート(Trichloromethyl phenyl carbinyl acetate)、トリクロピル(Triclopyr)、トリシクロドデセニルアセテート(Tricyclododecenyl Acetate)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)、トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、ウンデカン酸(undecanoic acid)、吉草酸(valeric acid)、バニリン(vanillin)、及びα-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-プロピオンアルデヒド(α-Methyl-1,3-benzodioxole-5-propionaldehyde)からなる群より選択される1つ以上の化合物であってよく、好ましくは、バニリン、レソルシノール、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、ゲラニオール、ベンジルベンゾエート及び2-エチルヘキセンからなる群より選択される1つ以上の化合物であってもよい。
【0062】
本実施例による洗濯用組成物は、洗濯用組成物100重量%に対して0.0001~30重量%で香りを含んでもよい。香りの含量が0.0001重量%より低いと、溶剤に対する特異臭の低減効果が急激に低くなるという問題が生じる。香りの含量が30重量%より高いと、繊維に対する溶剤の汚染除去効果が急激に低くなるという問題が生じる。
【0063】
本実施例による洗濯用組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、さらに有機溶媒、界面活性剤、電解質、洗剤助剤、安定化剤、酵素、防腐剤、染料、粘度調節剤、金属イオン封鎖剤、脂肪酸、増粘剤及びpH調整剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。
【0064】
有機溶媒としてはモノオール、ポリオールなどを使用することができる。例えば、有機溶媒は炭素数1~4の炭素数を有するアルコールであってもよく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びグリセリンからなる群より選択される1つ以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0065】
界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などを使用することができ、特定汚染に対する洗濯用組成物の洗浄力及び安定性を向上させることができる。例えば、カチオン性界面活性剤はエステルクォート、アルキルジメチルベンゼンアンモニウムクロリド、ジステアリルメチルアンモニウムクロリド(TEACI)、イミダゾリニウム誘導体などからなる群より選択される1つ以上であってもよく、アニオン性界面活性剤は石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェートなどからなる群より選択される1つ以上であってもよく、両性界面活性剤はアルキルベテイン、アルキルスルホベテインなどからなる群より選択される1つ以上であってもよく、非イオン性界面活性剤はアルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルアミンオキシド、メチルグルカミド、アルキルポリグルコシドなどからなる群より選択される1つ以上であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0066】
電解質の種類は特に限定されず、当業界で使用される電解質を制限なく使用することができる。電解質は界面活性剤を含む他の添加剤の洗濯用組成物における可溶化安定性を向上させることで洗濯用組成物の洗浄力を向上させることができる。例えば、電解質は有機または無機酸の塩を使用することができ、上記塩は塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、トリリン酸塩、テトラリン酸塩、ケイ酸塩、メタケイ酸塩、ポリケイ酸塩、炭酸塩、水酸化物、アルカリ金属塩などからなる群より選択される1つ以上であってもよい。
【0067】
酵素は特定汚染に対する洗浄力を向上させることができる。例えば、特定汚染はタンパク質を含むことができ、酵素はプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼなどからなる群より選択される1つ以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0068】
防腐剤は洗濯用組成物の変質を防止し、例えば、エタノール、フェノキシエタノール、ベンズイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ペンチンジオール類、パラベン類、安息香酸ナトリウムなどからなる群より選択される1つ以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0069】
粘度調整剤は増粘剤であってもよく、当業界で使用される無機塩、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、脂肪酸アルカノールアミドなどからなる群より選択される1つ以上であってもよい。
【0070】
さらに、漂白剤、染料、pH調整剤、気泡調整剤などの成分が本発明の目的を阻害しない範囲内で単独または混合されて使用されてもよいが、これに限定されない。
【0071】
本発明は実施例1による組成物の用途を提供する。具体的には、本発明は上記化学式1で表される溶剤及び香りを含む組成物の洗濯用組成物としての用途を提供する。
【0072】
また、本発明は上記化学式1で表される溶剤及び香りを含む洗濯用組成物を利用して繊維またはそれを含む製品を処理する方法を提供する。具体的には、本発明は上記化学式1で表される溶剤及び香りを含む洗濯用組成物を繊維またはそれを含む製品に接触させて洗濯する方法、ドライクリーニングする方法、汚染を除去する方法または異物を除去する方法を提供する。
【0073】
以下、本発明の洗濯用組成物に関するより具体的な実施例について説明する。
【0074】
実施例1.溶剤及び香りを含む洗濯用組成物
【0075】
上述した化学式1による化合物であって、上記R1及びR2はメチルであり、上記R3は水素であるソルケタール(solketal)を溶剤として使用しており、下記表1による香りを含む洗濯用組成物を用意した。
【0076】
実施例ではlogP値が約0.7~4.3のものを使用しており、比較例1-1では香りの添加なしに溶剤のみを利用し、比較例1-2ではlogP値が-1.0より低いものを、比較例1-3では4.5より高いものをそれぞれ使用した。溶剤のみを利用した比較例1-1を除き、下記実施例及び比較例では洗濯用組成物全体100重量%に対して溶剤を95重量%、香りを5重量%で含ませて、溶剤と香りの効果が確認できるように用意した。
【0077】
【0078】
実験例1-1.洗濯後の繊維のソルケタール特異臭及び香りの香気評価
【0079】
本発明による実施例と比較例による洗濯用組成物を用いて繊維を洗濯し、繊維を乾燥した後、繊維における溶剤のソルケタールの特異臭と、香りによる香気をそれぞれ官能評価してその結果を下記表2に示した。
【0080】
ソルケタール特異臭及び香りによる香気評価は残香の強度で評価し、香気評価要員15人を対象に評価して平均を算出した(5点:非常に強い、4点:強い、3点:普通、2点:弱い、1点:非常に弱い)。
【0081】
【0082】
実施例による洗濯用組成物の使用時に含まれた香りのlogP値が増加するほど、洗濯後の繊維におけるソルケタール特異臭が低減することが確認されたが、logP値が-1.0より低い比較例1-2と4.5を超える比較例3では特異臭低減程度が激減し、別途の香りを使用しない比較例1-1と類似する水準となることが確認された。
【0083】
同様に、実施例による洗濯用組成物の使用時に含まれた香りのlogP値が増加するほど、洗濯後の繊維の香りの香気が強くなったが、比較例1-2及び1-3による香りの使用時には香気が非常に弱い水準と確認された。
【0084】
このような結果は、洗濯用組成物に使用される香りのlogP値が相対的に大きい親油性であるほど、洗濯過程で洗い流されず繊維に残存してソルケタールの特異臭を低減させるか、または自らの香気を発香するためと思われる。比較例1-3では、香りのlogP値が大きくなりすぎて洗濯用組成物の中で溶剤と香りが分離されて適用されることにより、繊維の表面に相対的に多い量のソルケタールが残留するようになるためであると思われる。
【0085】
実験例1-2.洗濯後の繊維のしわ形成度合の評価
【0086】
本発明による実施例と比較例による洗濯用組成物を用いて繊維を洗濯し、繊維を乾燥した後にシワが形成される度合を官能的に評価し、その結果を下記表3に示した。
【0087】
洗濯後の繊維のしわ形成度合を視覚及び触覚に基づいた複合的な満足度で評価し、繊維評価モニタリング要員15人を対象に評価して平均を算出した(5点:非常に満足、4点:満足、3点:通常、2点:不満、1点:非常に不満)。
【0088】
【0089】
実施例による洗濯用組成物の使用時に含まれた香りのlogP値が増加するほど、洗濯後の繊維に形成されるしわの量が少なくなって満足度が高くなることが確認された。しかし、logP値が-1.0より低い比較例1-2と4.5を超える比較例1-3では、むしろしわの量が多くなることが確認された。
【0090】
このような結果は、洗濯用組成物に使用される香りのlogP値が相対的に大きい親油性であるほど、繊維の表面に残留しながら繊維の表面の分子間引力を低下させるためであると思われる。比較例1-3では、香りのlogP値が大きくなりすぎて洗濯用組成物の中で溶剤と香りが分離されて香りの残存自体が困難となり、これにより繊維の表面の親水性官能基の間に分子間引力が作用してしわが容易に形成されるものと思われる。
【0091】
以下では、本発明の図面を参照して従来の洗濯装置と本発明の実施例2による洗濯装置について説明する。
【0092】
図1は従来の洗濯装置を示す概念図である。
図1を参照すると、従来の洗濯装置は洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30などを含む。
【0093】
洗濯部10はその内部に繊維を収容することができる空間を提供し、上記空間に溶剤を供給して収容された繊維を洗濯することができる。洗濯部10は溶剤の供給を受けて繊維に噴射したり、繊維と混合して繊維中の汚染を除去することができる。例えば、洗濯部10は溶剤を繊維にまず噴射してから少量の水を供給して繊維とともに回転運動させることによって繊維中の汚染を除去してもよい。洗濯部10で洗濯された繊維は洗濯部10から除去され、蒸気を噴射して追加の汚染を除去し乾燥されてもよい。
【0094】
洗濯部10に供給される溶剤は殆ど液相を保持するが、繊維の汚染はより高温の溶剤と接触したときに容易に除去されることができる。このため、溶剤は30~60℃に加熱された状態で洗濯部10に供給されるか、洗濯部10によって所定の温度に加熱されて繊維を洗濯することができる。また、洗濯部10が回転運動などを伴うことにより、溶剤は少なくとも一部が気化されるか微粒子の形態で飛散することができ、溶剤に混合された水も一部が気化されるか飛散して混合されることによって蒸気を形成することができる。洗濯部10は使用された溶剤を気相及び液相に排出することができ、気相は後述する蒸気回収部20に、液相は後述する溶剤回収部30に伝達されることができる。
【0095】
具体的には、洗濯部10には蒸気吸入ライン11と溶剤回収ライン12が連結されてそれぞれ気相と液相が排出されてもよい。蒸気吸入ライン11は洗濯の後、洗濯部10内の気相の溶剤を強制的に吸入して蒸気回収部20に供給することができる。溶剤回収ライン12は洗濯の後、洗濯部10内の液相の溶剤を回収して溶剤回収部30に供給することができる。
【0096】
蒸気回収部20は洗濯部10内で発生する気相の溶剤を吸入するための蒸気吸入部21と蒸気凝縮部22を含んでもよい。蒸気吸入部21は蒸気吸入ライン11に連結されて負圧を発生させることにより、洗濯部10内で発生する気相の溶剤を強制吸入する方式で回収することができる。蒸気凝縮部22は蒸気吸入部21で回収した蒸気を凝縮させて液相に転換して溶剤回収部30に伝達することができる。具体的には、蒸気凝縮部22は高温状態の蒸気を水と熱交換させることで蒸気を冷却して液相に凝縮させることができる。蒸気凝縮部22で凝縮された溶剤は蒸気回収ライン23を介して溶剤回収部30に供給されることができる。
【0097】
溶剤回収部30は溶剤に含まれた異物を除去するためのフィルタ部31、フィルタ部31から供給される溶剤を貯蔵する溶剤貯蔵部32などを含んでもよい。
【0098】
フィルタ部31は溶剤回収ライン12を介して洗濯部10から排出される液相の溶剤の供給を受けることができる。フィルタ部31はメッシュ構造の網や珪藻土などを含むパッキング材を含んでもよく、溶剤を通過させることで溶剤中に混入した異物を一次的に除去することができる。フィルタ部31を経た溶剤は溶剤貯蔵部32に伝達されて貯蔵されることができる。
【0099】
溶剤貯蔵部は洗濯部10から排出される溶剤を貯蔵するための空間を提供する溶剤貯蔵タンク32であってもよい。溶剤貯蔵タンク32はフィルタ部31を経た溶剤と蒸気回収部20から供給される凝縮された溶剤を貯蔵することができる。溶剤貯蔵タンク32に貯蔵された溶剤は依然として水及び繊維から由来する汚染物質を含んでいるため、溶剤を回収して貯蔵する過程で溶剤の少なくとも一部が加水分解されることができる。従って、溶剤貯蔵タンク32に貯蔵された溶剤を洗濯部10に供給して再使用する場合は洗濯効率が低下することがあるため、溶剤貯蔵タンク32は溶剤の交換及び補充ができるように洗濯装置から着脱できるように設けられることができる。溶剤貯蔵タンク32は溶剤回収ライン33を介して溶剤供給部34に連結されてもよい。
【0100】
溶剤供給部34は溶剤貯蔵タンク32に貯蔵された溶剤を引き出し、洗濯部10に供給することができる。具体的には、溶剤供給部34はポンプを用いて液相の溶剤を引き出すことができ、洗濯部10での噴射に適した圧力に加圧して供給することができる。または、加熱手段をさらに備えて溶剤を洗濯部10が求める温度に加熱してから供給することができる。
【0101】
このような従来の洗濯装置は洗濯部で使用された溶剤を回収して単に液相に貯蔵してから、再び洗濯部に再供給するためのものであり、溶剤貯蔵部で水と溶剤が混合することによる溶剤の分解によって再使用時の効率が低下する問題があった。
【0102】
図2~
図6を参照して本発明の実施例2による洗濯装置1について説明する。
【0103】
図2を参照すると、本発明の実施例2-1による洗濯装置1は、洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30などを含み、溶剤回収部30は溶剤貯蔵タンク32a、吸着カートリッジ32b、及びセンサ部35を含む。
【0104】
以下では、本実施例2-1が
図1に示した従来の洗濯装置と比べて異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0105】
洗濯部10は溶剤または上述した実施例の洗濯用組成物の供給を受けて内部に収容された繊維を洗濯することができる。洗濯後に洗濯部10から排出される気相は蒸気回収部20を介して溶剤回収部30に供給され、洗濯部10から排出された液相は溶剤回収部30に供給されることができる。
【0106】
溶剤回収部30は、フィルタ部31、溶剤貯蔵部32、溶剤回収ライン33、及び溶剤供給部34を含んでもよい。
【0107】
フィルタ部31は、溶剤回収ライン12を介して洗濯部10から排出される液相の溶剤と、蒸気回収ライン23を介して蒸気回収部20から供給される凝縮された溶剤のうち少なくとも1つ以上の供給を受けることができる。蒸気吸入部21を介して強制吸入される溶剤の中には、気相の溶剤だけでなく、微粒子の形態の溶剤及び水分が含まれることがあり、上記微粒子の中には繊維から由来する汚染源が含まれ得る。フィルタ部31は凝縮された溶剤に含まれている異物も除去することができる。蒸気回収部20から供給される凝縮された溶剤は、フィルタ部31と溶剤貯蔵部32のうち少なくとも1つ以上に供給されることができる。
【0108】
溶剤貯蔵部32は溶剤貯蔵タンク32a、吸着カートリッジ32b、及びセンサ部35を含んでもよく、フィルタ部31を経た溶剤と蒸気回収部20から供給される凝縮された溶剤を貯蔵することができる。
【0109】
溶剤貯蔵タンク32aは洗濯装置1から着脱できるように設けられてもよい。溶剤貯蔵タンク32aの内部に貯蔵される溶剤は少なくとも一部が自然蒸発することができるため、溶剤貯蔵タンク32aはその内部に液相及び気相の溶剤を収容することができる。溶剤貯蔵タンク32aは液相の溶剤を後述する溶剤供給部34に供給することができる。溶剤貯蔵タンク32aは吸着カートリッジ32bとセンサ部35を含んでもよい。
【0110】
吸着カートリッジ32bは溶剤貯蔵タンク32aの内部に貯蔵される溶剤に混合された水を吸着する方式で分離することができる。吸着カートリッジ32bは溶剤貯蔵タンク32bの内部に除去できるように配置されることができる。例えば、吸着カートリッジ32bは溶剤貯蔵タンク32aの内部の一面に着脱できるように設けられてもよい。図示されていないが、溶剤貯蔵タンク32aは少なくとも一部の壁面、例えば、上部面の一部が開放できるように設けられ、一部の壁面の開放時に吸着カートリッジ32bを配置または交換することができる。
【0111】
吸着カートリッジ32bは物理的な吸着及び化学的な吸着のうち少なくとも1つ以上の方法で水を分離することができる。例えば、吸着カートリッジ32bはメッシュ構造のケースと、ケースの内部に充填されるパッキング材と、を含んでもよい。パッキング材は活性炭(active carbon)、炭、シリカゲル、アルミナゲル、活性白土(activated clay)、ゼオライト、ベントナイトのような物理的な吸着方式を利用する吸着材や、硫酸、水と水に溶解されたイオンを分離して水を分離するイオン交換樹脂のような化学的な吸着方式を利用する吸着材であってもよい。吸着カートリッジ32bは少なくとも一部が溶剤貯蔵タンク32bの内部に貯蔵された溶剤と接触することができる。例えば、吸着カートリッジ32bは溶剤貯蔵タンク32aの内部の壁面に設けられて、一部のみが溶剤中に浸漬されるように配置されてもよい。
【0112】
センサ部35は溶剤貯蔵タンク32aに含まれた水分含量を測定することができる。具体的には、センサ部35は溶剤貯蔵タンク32aの内部に貯蔵される液相及び気相の溶剤中に含まれた水分含量を測定することができる。
【0113】
センサ部35は、電気伝導度、pH濃度、色、粘度及び赤外線のうち少なくとも1つ以上を利用して溶剤貯蔵タンク32aの内部に貯蔵される溶剤中に含まれた水分含量を測定することができる。センサ部35は溶剤に微量の電気を印加して電気伝導度を測定し、予め用意した純粋な溶剤に対する電気伝導度値と比較して溶剤に含まれた水分含量に対する情報を出力することができる。センサ部35は溶剤のpH濃度を測定し、予め用意した純粋な溶剤に対するpH濃度値と比較して溶剤に含まれた水分含量に対する情報を出力することができる。センサ部35はCCD(charge coupled device)センサであってもよく、溶剤の色に対する情報を出力することができる。センサ部35は圧電振動子を利用して溶剤中に振動を起こして周波数を測定し、予め用意した純粋な溶剤に対する周波数値と比較して溶剤に含まれた水分含量に対する情報を出力することができる。センサ部35は溶剤に赤外線を入射した後、反射波長から水分子の吸収波長の有無を確認して水分含量に対する情報を出力することができる。
【0114】
洗濯装置1はセンサ部35から受信する情報に基づいて、溶剤貯蔵タンク32aの内部の水分含量に対する情報をユーザに出力することができる。
【0115】
溶剤供給部34は溶剤貯蔵部32に回収された溶剤を洗濯装置1に再供給することができる。溶剤供給部34はポンプを備えて溶剤貯蔵タンク32aに貯蔵された液相の溶剤を引き出すことができ、洗濯部10が求める圧力に加圧して供給することができる。
【0116】
以上のように本実施例2-1は、溶剤貯蔵部32の溶剤貯蔵タンク32aの内部に吸着カートリッジ32bを備え、洗濯部10から回収される溶剤から水を分離して溶剤の分解を防止することができる。溶剤貯蔵タンク32aはセンサ部35を備えて内部の水分含量をリアルタイムでモニタリングできるようにして、吸着カートリッジ32bや溶剤貯蔵タンク32aの交換時点を確認し、溶剤の再使用による洗濯効率の低下を防止することができる。
【0117】
図3を参照すると、本発明の実施例2-2による洗濯装置1は洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30、制御部40などを含み、溶剤回収部30は水分除去部38、溶剤貯蔵部32及びセンサ部35を含む。
【0118】
以下では、本実施例2-2が上述の実施例2-1と比較して異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0119】
洗濯部10は溶剤の供給を受けて内部に収容された繊維を洗濯することができる。洗濯後、洗濯部10から排出される気相は蒸気回収部20を介して溶剤回収部30に供給され、洗濯部10から排出される液相は溶剤回収部30に供給されることができる。
【0120】
溶剤回収部30は、フィルタ部31、溶剤貯蔵部32、水分除去部38、及び溶剤供給部34を含んでもよい。洗濯部10から排出される液相の溶剤はフィルタ部31を経て溶剤貯蔵部32に貯蔵されることができる。溶剤貯蔵部32にはセンサ部35が設けられて溶剤貯蔵部32の内部の水分含量を測定することができる。
【0121】
水分除去部38は溶剤貯蔵部32から供給される液相の溶剤から水分を除去することができる。具体的には、水分除去部38は溶剤と水を分離する透過膜を備えることができる。
【0122】
図7は水分除去部38の内部構造を示す概念図である。
図7を参照すると、水分除去部38は溶剤回収部30から流入ストリームAの供給を受けて流出ストリームBを排出するハウジング38aを含んでもよい。水分除去部38はその内部に溶剤と水を分離することができる透過膜38cを備える。
【0123】
透過膜38cは溶剤分子Sと水分子Wとが混合されたストリームから、水分子Wのみを透過させて外部OUTに排出させることができる。透過膜38cは透過蒸発膜、中空糸膜または逆浸透膜であってもよい。透過膜38cが逆浸透膜である場合、水分除去部38を溶剤貯蔵部32の下端に設けて流入ストリームAそのものの圧力を利用して水を分離するか、または流入ストリームAを加圧するポンプをさらに備えてもよい。透過膜38cを通過することができない溶剤分子Sと少量の水分子Wは水分除去部38から流出Bされることができる。
【0124】
水分除去部38は透過膜38cを経た溶剤を溶剤供給部34に供給することができる。流出ストリームBは溶剤回収ライン33を介して溶剤供給部34に伝達されることができる。
【0125】
水分除去部38は水分除去部38内に含まれた水分の含量を測定する第2センサ部35’をさらに含んでもよい。第2センサ部35’は上述したセンサ部35と同じ方式で水分除去部38内の水分含量、好ましくは水分除去部38から排出される流出ストリームBの水分含量を測定することができる。
【0126】
制御部40はセンサ部35及び第2センサ部35’のうち少なくとも1つから水分含量に関する情報を受信することができる。制御部40は、受信した情報に基づいて溶剤貯蔵部32と水分除去部38の内部の状況をリアルタイムでモニタリングすることができ、これをディスプレイやスピーカに出力することができる。
【0127】
以上のように、本実施例2-2は、洗濯部10から回収される溶剤を、フィルタ部31を経て溶剤貯蔵部32に貯蔵してから、水分除去部38に供給して透過膜を介して水を分離した状態で洗濯部10に供給することができる。溶剤貯蔵部32と水分除去部38はセンサ部35、35’を備えて内部の水分含量をリアルタイムでモニタリングできるようにし、溶剤の再使用による洗濯効率の低下を防止することができる。
【0128】
図4を参照すると、本発明の実施例2-3による洗濯装置1は洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30、制御部40などを含み、溶剤回収部30は水分除去部38、溶剤貯蔵部32及びセンサ部35を含む。
【0129】
以下では、本実施例2-3が上述の実施例2-2と比べて異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0130】
洗濯部10は溶剤の供給を受けて内部に収容された繊維を洗濯することができる。洗濯後、洗濯部10から排出される気相は蒸気回収部20を介して溶剤回収部30に供給され、洗濯部10から排出される液相は溶剤回収部30に供給されることができる。
【0131】
溶剤回収部30は水分除去部38、フィルタ部31、溶剤貯蔵部32、溶剤供給部34を含んでもよい。洗濯部10から排出される液相の溶剤は水分除去部38にまず供給され、一次的に溶剤に混合された水が分離されてからフィルタ部31に供給されることができる。フィルタ部31を経た溶剤は溶剤貯蔵部32に貯蔵されることができる。溶剤貯蔵部32と水分除去部38にはセンサ部35及び第2センサ部35’がそれぞれ設けられて内部の水分含量を測定することができる。
【0132】
本実施例による洗濯装置1は溶剤貯蔵部32と水分除去部38を連結する溶剤リターンライン36をさらに備えてもよい。溶剤リターンライン36は溶剤貯蔵部32に貯蔵された溶剤を水分除去部38に供給することができる。具体的には、溶剤リターンライン26は溶剤貯蔵部32に貯蔵された液相の溶剤を水分除去部38の前端を伝達することができる。例えば、溶剤リターンライン26は、一端が溶剤貯蔵タンクの下部に連結され、他端が溶剤回収ライン12または水分除去部38に連結されてもよい。溶剤リターンライン36上には開閉及び開度調整が可能な溶剤リターンバルブ37が設けられて水分除去部38に供給される溶剤の流量を調整することができる。
【0133】
制御部40はセンサ部35及び第2センサ部35’のうち少なくとも1つから水分含量に関する情報を受信することができる。制御部40はセンサ部35及び第2センサ部35’の少なくとも1つで測定された水分含量に応じて溶剤リターンバルブ37の開度を調整することで水分除去部38に供給される溶剤の流量を調整することができる。
【0134】
例えば、制御部40は溶剤供給部34に供給して再使用するのに適した溶剤の組成に対する情報を保存することができる。制御部40は、溶剤貯蔵部32と水分除去部38の内部の水分含量に対する予め設定された所定の基準値を有することができる。制御部40は、溶剤貯蔵部32のセンサ部35で測定された水分含量が予め設定された第1基準値より大きいと、溶剤リターンバルブ37を開放するか、または開度を増加させることができる。第1基準値は溶剤が含有し得る水分の最大値であってもよく、溶剤貯蔵部32に貯蔵された水分の含量がそれを超える場合、溶剤の少なくとも一部を水分除去部38に供給して水分を除去することができる。制御部40は、水分除去部38の第2センサ部35’で測定された水分含量が予め設定された第2基準値より小さいと、溶剤リターンバルブ37を開放するか、または開度を増加させることができる。第2基準値は、水分除去部38が単位流量または単位時間当たり処理できる水分の最大値であってもよく、水分除去部38で処理される水分の量がそれより小さいと、溶剤貯蔵部32に貯蔵された溶剤の一部をさらに処理することができる。
【0135】
以上のように、本実施例2-3は洗濯部10から回収される溶剤を水分除去部38及びフィルタ部31を経て溶剤貯蔵部32に貯蔵してから、洗濯部10に供給することができる。溶剤貯蔵部32と水分除去部38はセンサ部35、35’を備えて内部の水分含量をリアルタイムでモニタリングできるようにし、制御部40は溶剤貯蔵部32と水分除去部38のセンサ部35、35’の少なくとも1つから受信する水分含量に対する情報に応じて溶剤貯蔵部32の溶剤を再び水分除去部38に供給して水分をさらに除去することができる。
【0136】
図5を参照すると、本発明の実施例2-4による洗濯装置1は洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30、制御部40などを含み、溶剤回収部30は水分除去部38、溶剤貯蔵部32及びセンサ部35を含む。
【0137】
以下では、本実施例2-4が上述の実施例2-3と比べて異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0138】
洗濯部10は溶剤の供給を受けて内部に収容された繊維を洗濯することができる。洗濯後、洗濯部10から排出される気相は蒸気回収部20を介して溶剤回収部30に供給され、洗濯部10から排出される液相は溶剤回収部30に供給されることができる。
【0139】
溶剤回収部30はフィルタ部31、水分除去部38、溶剤貯蔵部32、溶剤供給部34を含んでもよい。洗濯部10から排出される液相の溶剤はフィルタ部31を経て水分除去部38に供給されてから、溶剤貯蔵部32に貯蔵されることができる。溶剤貯蔵部32と水分除去部38にはセンサ部35及び第2センサ部35’がそれぞれ設けられて内部の水分含量を測定することができる。
【0140】
図7を参照すると、水分除去部38はハウジング38aの内部に除湿カートリッジ38bをさらに含んでもよい。除湿カートリッジ38bはハウジング38aの内部を流動する溶剤の水を吸着する方式で分離することができる。除湿カートリッジ38bは水分除去部38のハウジング38aの内部に着脱できるように配置されてもよい。例えば、除湿カートリッジ38bはハウジング38aの少なくとも一部の壁面に配置されることができる。図示していないが、ハウジング38aは少なくとも一部の壁面、例えば、上部面の一部が開放できるように設けられ、一部の壁面の開放時に除湿カートリッジ38bや透過膜38cを配置または交換することができる。例えば、除湿カートリッジ38bは、透過膜38cを基準として外部OUTに排出される水分排出ライン39と透過膜38cに隣接して配置されてもよい。除湿カートリッジ38bは透過膜38cを通じて水分子の透過を促進させることができる。
【0141】
除湿カートリッジ38bは物理的な吸着及び化学的な吸着のうち少なくとも1つ以上の方法で水を吸着させることができ、上述の吸着カートリッジ32bと同じパッキング材を使用することができる。
【0142】
本実施例による洗濯装置1は溶剤貯蔵部32と水分除去部38を連結する溶剤リターンライン36をさらに備えてもよく、制御部40はセンサ部35及び第2センサ部35’の少なくとも1つで測定された水分含量に応じて溶剤リターンバルブ37の開度を調整することで水分除去部38に供給される溶剤の流量を調整することができる。
【0143】
以上のように、本実施例2-4は、洗濯部10から回収される溶剤をフィルタ部31及び水分除去部38を経て溶剤貯蔵部32に貯蔵してから洗濯部10に供給することができる。水分除去部38は透過膜38cと除湿カートリッジ38bの両方を含むように設けられ、透過膜38cにおける分離効率を向上させることができる。制御部40は、溶剤貯蔵部32と水分除去部38のセンサ部35、35’の少なくとも1つから受信する水分含量に対する情報に応じて溶剤貯蔵部32の溶剤を再び水分除去部38に供給して水分をさらに除去することができる。
【0144】
図6を参照すると、本発明の実施例2-5による洗濯装置1は洗濯部10、蒸気回収部20、溶剤回収部30、制御部40などを含み、溶剤回収部30は水分除去部38、溶剤貯蔵部32及びセンサ部35を含む。
【0145】
以下では、本実施例2-5が上述の実施例2-4と比べて異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述の内容に代える。
【0146】
洗濯部10は溶剤の供給を受けて内部に収容された繊維を洗濯することができる。洗濯後、洗濯部10から排出される気相は蒸気回収部20を介して溶剤回収部30に供給され、洗濯部10から排出される液相は溶剤回収部30に供給されることができる。
【0147】
溶剤回収部30はフィルタ部31、水分除去部38、溶剤貯蔵部32、溶剤供給部34を含んでもよい。洗濯部10から排出される液相の溶剤はフィルタ部31を経て水分除去部38に供給されてから、溶剤貯蔵部32に貯蔵されることができる。溶剤貯蔵部32と水分除去部38にはセンサ部35及び第2センサ部35’がそれぞれ設けられて内部の水分含量を測定することができる。
【0148】
本実施例による洗濯装置1の水分除去部38はその内部に除湿カートリッジ38bをさらに含んで水分分離効率を向上させることができ、溶剤貯蔵部32は溶剤貯蔵タンク32a及び吸着カートリッジ32bを含んでもよい。
【0149】
制御部40は、センサ部35及び第2センサ部35’の少なくとも1つで測定された水分含量に応じて溶剤リターンバルブ37の開度を調整することで水分除去部38に供給される溶剤の流量を調整することができる。
【0150】
以上のように、本実施例2-5は、洗濯部10から回収される溶剤をフィルタ部31及び水分除去部38を経て溶剤貯蔵部32に貯蔵してから洗濯部10に供給することができる。水分除去部38は透過膜38cと除湿カートリッジ38bの両方を含むように設けられ、透過膜38cにおける分離効率を向上させることができ、溶剤貯蔵部32は溶剤貯蔵タンク32aの内部に吸着カートリッジ32bを含むように設けられて溶剤の保管による分解を防止することができる。制御部40は、溶剤貯蔵部32と水分除去部38のセンサ部35、35’の少なくとも1つから受信する水分含量に対する情報に応じて溶剤貯蔵部32の溶剤を再び水分除去部38に供給して水分をさらに除去することができる。
【0151】
実験例2.洗濯後の溶剤の組成確認
【0152】
本発明による実施例と比較例による洗濯装置を用意し、同じ条件で洗濯を行った。それぞれの洗濯装置に同じ種類の繊維を入れ、洗濯溶剤としては上記化学式1による化合物(式中、R1及びR2は炭素数1個のアルキルであり、R3は水素である。)を含む組成物を使用した。洗濯溶剤の組成は下記表1に示す通りである。
【0153】
最初の洗濯時に溶剤を供給して15分間洗濯し、乾燥過程を経ながら溶剤を回収した後、洗濯装置に別の繊維を入れて回収した溶剤を再供給し、その後、洗濯を行った。同じ方法で計30回洗濯を行っており、洗濯過程では溶剤貯蔵タンクやカートリッジを交換しなかった。最終洗濯の後、溶剤貯蔵タンクに回収された溶剤の組成を確認して下記表4に示した。
【0154】
【0155】
表4に示すように、従来の洗濯装置に関する比較例2-1では、約30重量%に達する化学式1による化合物がアセトン及びグリセロールに分解されることが確認された。
【0156】
一方、本発明の実施例による洗濯装置では、30回洗濯後も10重量%未満の化学式1による化合物だけが分解されることが確認された。このように、本発明の実施例による洗濯装置では、繰り返す洗濯の後にも高い化学式1による化合物濃度を保持して洗濯効率を保持し、溶剤の再使用による費用節減が可能であると判断される。
【0157】
本発明は上記で説明した実施例に限定されず、上記実施例の組み合わせまたは上記実施例のうち少なくとも何れか1つと公知技術との組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0158】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的な思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0159】
本発明の単純な変形ないし変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0160】
1 洗濯装置
10 洗濯部
11 蒸気吸入ライン
12 溶剤回収ライン
20 蒸気回収部
21 蒸気吸入部
22 蒸気凝縮部
23 蒸気回収ライン
30 溶剤回収部
31 フィルタ部
32 溶剤貯蔵部
32a 溶剤貯蔵タンク
32b 吸着カートリッジ
33 溶剤回収ライン
34 溶剤供給部
35 センサ部
35’ 第2センサ部
36 溶剤リターンライン
37 溶剤リターンバルブ
38 水分除去部
38a ハウジング
38b 除湿カートリッジ
38c 透過膜
39 水分排出ライン
40 制御部
【国際調査報告】