(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】インテリジェントな出品リスト作成及び自動価格設定ガイダンスのためのコンピュータ技術
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q30/0601 332
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578961
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021033052
(87)【国際公開番号】W WO2021262347
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521138109
【氏名又は名称】メルカリ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オ,ビョン モク
(72)【発明者】
【氏名】ヤマグチ,タクマ
(72)【発明者】
【氏名】シュリヴァスタヴァ,リシャブ クマール
(72)【発明者】
【氏名】クリバヤシ,ミキオ フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ラーゲリン,ジョン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】田中 みなみ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
5L049BB66
(57)【要約】
本明細書には、販売者によって提供される販売物(FSO)に関する出品リストを自動的にインテリジェントに生成するための実施形態が開示されている。いくつかの実施形態は、FSOを販売するための仕様と自動出品リスト作成オプションの選択とを含む、FSOに関する情報を受信すること;FSOのカテゴリを決定すること;少なくともカテゴリに基づいて最適提供価格を生成すること;並びに様々なタイトル、説明、画像、及び提供価格を含む、FSOに関する複数の出品リストを生成することによって機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売者によって提供される販売物(FSO)に関する出品リストを自動的にインテリジェントに生成する方法であって、
前記FSOを販売するための仕様と自動出品リスト作成オプションの選択とを含む、前記FSOに関する情報を受信すること、
前記FSOのカテゴリを決定すること、
少なくとも前記カテゴリに基づいて最適提供価格を生成すること、並びに
様々なタイトル、説明、画像、及び提供価格を含む、前記FSOに関する複数の出品リストを生成すること
を含む方法。
【請求項2】
前記情報が、前記FSOの画像を含み、前記カテゴリを決定することが、
前記画像を分析して、前記FSOの前記カテゴリを決定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仕様がチャリティーオプションの選択を含み、前記最適提供を生成することが、
前記最適提供価格を生成するためのニューラルネットワーク回帰モデルに前記仕様を渡すこと、
前記チャリティーオプションの前記選択に基づいて、前記ニューラルネットワーク回帰モデルの隠れ層ノードの値を下げること、及び
前記チャリティーオプションが選択されたとき、より低い最適提供価格を生成すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の出品リストを生成することが、
潜在的購入者のために前記出品リストの少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カスタマイズすることが、
前記潜在的購入者の検索及び過去の購入に基づいて、前記潜在的購入者を識別すること、
前記潜在的購入者の過去の購入を分析することによって、前記潜在的購入者の傾向及び嗜好を決定すること、並びに
前記決定された傾向及び嗜好に基づいて、前記出品リストの前記少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記それぞれの潜在的購入者に、前記カスタマイズされた出品リストを転送すること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって実行されるとき、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、販売者によって提供される販売物(FSO)に関する出品リストを自動的にインテリジェントに生成するための操作を実行させる命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読デバイスであって、前記操作が、
前記FSOを販売するための仕様と自動出品リスト作成オプションの選択とを含む、前記FSOに関する情報を受信すること、
前記FSOのカテゴリを決定すること、
少なくとも前記カテゴリに基づいて最適提供価格を生成すること、並びに
様々なタイトル、説明、画像、及び提供価格を含む、前記FSOに関する複数の出品リストを生成すること
を含む非一時的なコンピュータ可読デバイス。
【請求項8】
前記情報が、前記FSOの画像を含み、前記カテゴリを決定することが、
前記画像を分析して、前記FSOの前記カテゴリを決定すること
を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記仕様がチャリティーオプションの選択を含み、前記最適提供を生成することが、
前記最適提供価格を生成するためのニューラルネットワーク回帰モデルに前記仕様を渡すこと、
前記チャリティーオプションの前記選択に基づいて、前記ニューラルネットワーク回帰モデルの隠れ層ノードの値を下げること、及び
前記チャリティーオプションが選択されたとき、より低い最適提供を生成すること
を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記複数の出品リストを生成することが、
潜在的購入者のために前記出品リストの少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記カスタマイズすることが、
前記潜在的購入者の検索及び過去の購入に基づいて、前記潜在的購入者を識別すること、
前記潜在的購入者の過去の購入を分析することによって、前記潜在的購入者の傾向及び嗜好を決定すること、並びに
前記決定された傾向及び嗜好に基づいて、前記出品リストの前記少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記操作が、
前記それぞれの潜在的購入者に、前記カスタマイズされた出品リストを転送すること
をさらに含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
販売者によって提供される販売物(FSO)に関する出品リストを自動的にインテリジェントに生成するシステムであって、
メモリと、
前記メモリに結合され、操作を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、前記操作が、
前記FSOを販売するための仕様と自動出品リスト作成オプションの選択とを含む、前記FSOに関する情報を受信すること、
前記FSOのカテゴリを決定すること、
少なくとも前記カテゴリに基づいて最適提供価格を生成すること、並びに
様々なタイトル、説明、画像、及び提供価格を含む、前記FSOに関する複数の出品リストを生成すること
を含む、少なくとも1つのプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項14】
前記情報が、前記FSOの画像を含み、前記カテゴリを決定することが、
前記画像を分析して、前記FSOの前記カテゴリを決定すること
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記仕様がチャリティーオプションの選択を含み、前記最適提供を生成することが、
前記最適提供価格を生成するためのニューラルネットワーク回帰モデルに前記仕様を渡すこと、
前記チャリティーオプションの前記選択に基づいて、前記ニューラルネットワーク回帰モデルの隠れ層ノードの値を下げること、及び
前記チャリティーオプションが選択されたとき、より低い最適提供を生成すること
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の出品リストを生成することが、
潜在的購入者のために前記出品リストの少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記カスタマイズすることが、
前記潜在的購入者の検索及び過去の購入に基づいて、前記潜在的購入者を識別すること、
前記潜在的購入者の過去の購入を分析することによって、前記潜在的購入者の傾向及び嗜好を決定すること、並びに
前記決定された傾向及び嗜好に基づいて、前記出品リストの前記少なくとも一部をカスタマイズすること
を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記操作が、
前記それぞれの潜在的購入者に、前記カスタマイズされた出品リストを転送すること
をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年1月22日出願の「価格減衰曲線に基づく提供の時間的処置(Temporal Disposition Of Offers Based On Decay Curves)」という名称の米国特許出願第16/253,719号(代理人整理番号4223.0080000);2019年2月28日出願の「確率的商品マッチング及び検索(Probabilistic Item Matching And Searching)」という名称の米国特許出願第16/288,379号(代理人整理番号4223.0010001);2019年2月28日出願の「在庫摂取及び価格設定システム(Inventory Ingestion And Pricing System)」という名称の米国特許出願第16/288,203号(代理人整理番号4223.0110001);及び2019年9月16日出願の「拡張現実コンピュータ技術を使用した出品リストの作成の自動化(Automating The Creation Of Listings Using Augmented Reality Computer Technology)」という名称の米国仮特許出願第62/900,764号(代理人整理番号4223.0120000)に関連し、それら全ての全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] MERCARI、EBAY、AMAZON、POSHMARK、LETGO、CRAIGSLISTなど、ユーザが自分の不要品を販売することができる多くの電子商取引サイトがある。従来、これらのサイトで販売するためには、ユーザは、自分の商品を売りに出すために出品リストを手動で作成しなければならない。そのような出品リストの品質は大きく異なることがあり、出品リストを作成するユーザの経験、商品に関してユーザが有する情報(メーカー、モデル、ブランド、サイズ、色、機能など)、ユーザの画像撮影スキル、出品リストの作成時にユーザが急いでいるかどうか、ユーザがこのタイプの商品を販売しようとしたのは今回が初めてかどうかなど、いくつかの因子に依存することがある。よく構築された出品リストは、関連の商品が売れる可能性を高めるので、出品リストの品質を高めるためにコンピュータ技術を採用することができる場合には有利である。
【0003】
[0003] また、出品リストを作成するときの重要な要素は、提供価格(すなわち関連の商品が売りに出される価格)を確立することである。提供価格が低すぎる場合、ユーザは商品の完全な価値を受け取れないことがある。提供価格が高すぎる場合、商品が売れるまでに長い時間がかかることがある、又は商品が売れないことがある。ここでも、コンピュータ技術を採用して、ユーザが自分の商品を販売する価格を設定するのを支援できると有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
[0004] 本明細書では、販売者によって提供される販売物(FSO)に関する出品リストを自動的にインテリジェントに生成するための、システム、装置、製造物品、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品の実施形態、及び/又はそれらの組合せ及び部分的な組合せが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] いくつかの実施形態は、FSOを販売するための仕様と自動出品リスト作成オプションの選択とを含む、FSOに関する情報を受信すること;FSOのカテゴリを決定すること;少なくともカテゴリに基づいて最適提供価格を生成すること;並びに様々なタイトル、説明、画像、及び提供価格を含む、FSOに関する複数の出品リストを生成して、FSOの販売を並列化することによって機能する。情報は、FSOの画像を含むことがあり、カテゴリは、画像を分析することによって決定されることがある。
【0006】
[0006] 複数の出品リストは、検索及び過去の購入に基づいて、潜在的購入者を識別すること;検索及び過去の購入を分析することによって、潜在的購入者の傾向及び嗜好を決定すること、並びに決定された傾向及び嗜好に基づいて、出品リストの少なくとも一部をカスタマイズすることによって生成されることがある。次いで、カスタマイズされた出品リストが、それぞれの潜在的購入者に提供されることがある。
【0007】
[0007] また、本明細書では、FSOに関する提供価格を自動的にインテリジェントに生成するための、システム、装置、製造物品、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品の実施形態、及び/又はそれらの組合せ及び部分的な組合せが提供される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態は、元の提供価格とFSOを販売するための時間窓とを含むFSOを販売するための仕様を含む、FSOに関する情報を受信すること;FSOのカテゴリを決定すること;(a)FSOと同一又は同様のカテゴリを有する以前に売れたFSOの過去出品リスト;(b)時間窓を含む仕様;(c)カテゴリに適用可能なカテゴリ価格減衰曲線;及び(d)販売者の販売者柔軟性曲線の1つ又は複数に基づいて、FSOに関する最適提供価格を生成することによって機能することがある。最適提供価格は、FSOに対応する出品リストに関する提供価格として販売者に提案されることがある。
【0009】
[0009] 最適提供価格の生成は、FSOの同一又は同様のカテゴリを有する以前に売れたFSOの過去出品リストを識別すること;識別された過去出品リストから取引情報にアクセスすること;及び統計ベースの手法を使用して、又は機械学習などの人工知能技法によって、少なくとも取引情報に基づいて最適な価格を生成することを含むことがある。
【0010】
[0010] 最適価格は、最初は販売者の要求により、又は時間が経つにつれて、カテゴリに適用可能なカテゴリ価格減衰曲線及び/又は販売者の販売者柔軟性曲線に基づいて調整されることがある。追加又は代替として、最適価格は、販売者がチャリティーオプションを選択したという決定に基づいて調整されることもある。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態はまた、(a)カテゴリに適用可能なカテゴリ価格減衰曲線と、(b)販売者の販売者柔軟性曲線との少なくとも一方に基づいて合意可能範囲(ZOPA)を生成すること;定期的に、現在の出品リスト経過時間に対応するZOPAに基づいて出品リストに関する新たな提供価格を生成すること;及び新たな提供価格を販売者に提示することを含むこともある。
【0012】
[0012] 本明細書に開示される実施形態のさらなる特徴及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を、添付図面を参照して以下で詳細に述べる。本開示が、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。そのような実施形態は、例示の目的でのみ本明細書に提示される。本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には追加の実施形態が明らかであろう。
【0013】
図面の簡単な説明
[0013] 添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]いくつかの実施形態による、「販売物」(FSO)を販売するためのインターネットサイトを有するコンピューティング環境を示す図である。
【
図2】[0015]いくつかの実施形態による、例示的なカテゴリ価格減衰曲線を示す図である。
【
図3】[0016]いくつかの実施形態による、例示的な販売者価格減衰曲線(販売者柔軟性曲線とも呼ばれる)を示す図である。
【
図4】[0017]いくつかの実施形態による、例示的な出品リストを示す図である。
【
図5】[0018]いくつかの実施形態による、様々な例示的なZOPAS(合意可能範囲)を示す図である。
【
図6】[0019]いくつかの実施形態による、価格設定ガイダンスを提供し、FSOを販売するための出品リストをインテリジェントに作成及び処理するためにコンピュータ技術を使用するための方法のフローチャートを示す図である。
【
図7】[0020]いくつかの実施形態による、
図6の方法のさらなる詳細を提供する図である。
【
図8】[0020]いくつかの実施形態による、
図6の方法のさらなる詳細を提供する図である。
【
図9】[0020]いくつかの実施形態による、
図6の方法のさらなる詳細を提供する図である。
【
図10】[0021]いくつかの実施形態による、最適価格及び関連情報をユーザに中継し、ユーザから情報を収集するための例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の提供を示す図である。
【
図11】[0022]いくつかの実施形態による、販売者柔軟性曲線を構築するためにユーザからデータ点を収集するために使用される例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の提供を示す図である。
【
図12】[0023]いくつかの実施形態による、予測される価格及び価格範囲を出力するために回帰モデルで使用されるデータへの、ユーザからの入力データの変換を示すフローダイアグラムである。
【
図13A】[0024]いくつかの実施形態による、価格を予測するために必要とされる様々なさらなる入力データを収集するために使用されることがある回帰モデルの一例を示す図である。
【
図13B】[0025]いくつかの実施形態による、価格及び価格範囲信頼区間を予測するために使用されることがあるニューラルネットワークモデルの一例を示す図である。
【
図14】[0026]いくつかの実施形態による、ランダムフォレスト回帰又はブースト木回帰モデルで使用されることがある決定木の一例を示す図である。
【
図15】[0027]様々な実施形態を実装するのに有用な例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0028] 図面中、同様の参照番号は、概して同一又は同様の要素を示す。さらに、概して、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図面/図を識別する。
【0016】
詳細な説明
[0029] 本明細書において、いくつかの実施形態によれば、コンピュータ技術を使用して価格設定ガイダンスを提供し、FSO(販売物)を販売するための出品リストをインテリジェントに作成及び処理するためのシステム、装置、デバイス、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品の実施形態、及び/又はそれらの組合せ及び部分的な組合せが提供される。
【0017】
[0030]
図1は、インターネットサイト110を有するコンピューティング環境102を示し、コンピューティング環境102は、
図10に示される(及び以下でさらに述べる)ような1つ又は複数のコンピュータシステム1000を使用して実装されることがある。いくつかの実施形態では、サイト110は、販売者104及び購入者108が、本明細書ではまとめて販売物(FSO)と呼ぶことがある製品及び/又はサービスをそれぞれ販売及び購入できるようにする。サイト110の例として、いくつかのみ例を挙げると、MERCARI、EBAY、AMAZON、POSHMARK、LETGO、CRAIGSLISTなどがある。販売者104及び購入者108は、例えばインターネットを介してサイト110にアクセスすることができる。
【0018】
[0031] 販売者104は、自分のFSO112を販売するために、サイト110上に出品リスト112を作成することができる。出品リスト112は、出品リストデータベース110に記憶されることがある。購入者108は、出品リスト112をブラウズして検索し、購入のために関心のあるFSO112を見つけることができる。任意の所与の時点で、所与のユーザは、サイト110を使用してFSO106を販売及び/又は購入することができる(すなわち、所与のユーザは、任意の所与の時点で、サイト110上で販売者104及び/又は購入者108であり得る)。
【0019】
[0032]
図4に示されるように、各出品リスト112は、売りに出されているFSO106のタイトル402、説明406、及び画像410を含むことがある。さらに、いくつかの実施形態では、出品リストは、FSO106のブランド/メーカー412及び状態414も含む。出品リスト112はまた、FSO106の現在の提供価格404(すなわち、サイト110上で出品リスト112によってFSO106が現在売りに出されている価格)を記憶することもある。いくつかの実施形態によれば、価格設定モジュール138は、(1)任意の所与のFSO106の初期提供価格404を設定するため、及びまた(2)サイト110でFSO106が売れるまで、時間と共に提供価格404を調整するためのガイダンスを販売者104にインテリジェントに提供することがある。これについては以下でさらに述べる。
【0020】
[0033] FSO106は、衣料品、家具、用具、電子機器、美術品、塗装サービス、会計サービスなどのカテゴリ152に編成されることがある。出品リスト112は、FSO106のカテゴリ408を記憶することがあり、カテゴリは、ユーザによって提供されることもある。カテゴリ408に関する情報は、クロスチェックされ、ユーザが誤ったカテゴリ408を示した場合には本明細書で述べるように適切に変更され、サイト110のカテゴリデータベース150に記憶されることがある。
【0021】
[0034] インターネットサイト110は、履歴データベース114を含むことがある。履歴データベース114は、過去に売れたFSO106の過去出品リスト116を記憶することがある。すなわち、FSO106が売れると、その関連出品リスト112は、履歴データベース114に記憶される過去出品リスト116になる。
【0022】
[0035] 各過去出品リスト116は、
図4に示される出品リスト112のフィールドを含むことがある。例えば、そのような過去出品リスト116は、出品リスト情報126を含む取引情報118を含むことがある。さらに、出品リスト情報126は、
図4のサンプル出品リスト112に提供されるいくつか又は全ての情報フィールド(例えば、タイトル402、提供価格404、説明406、カテゴリ408、画像410、ブランド412、及び状態414)を含むことがある。追加又は代替として、各過去出品リスト116の取引情報118は、元の価格120、販売価格122、及び価格履歴124を含むこともできる。この情報は、サイト110で売れたときまでの関連のFSO106の価格設定及び販売履歴に関する。
【0023】
[0036] 例えば、価格設定履歴124は、FSO102が最初にサイト110に出品されてから売れるまでにかかった時間、価格設定変更(通常は価格が下がるが、価格が上がることもあり得る)、及び/又はFSO102が最初にサイト110に出品された時点から測定された、それらの価格設定変更が行われた時点(「出品リストの経過時間」と呼ばれ、
図2、3、及び5で210として示されている)。
【0024】
カテゴリ価格減衰曲線及び販売者柔軟性曲線
[0037] インターネットサイト110は、他のデータベース126を含むこともある。他のデータベース126は、価格減衰曲線128、柔軟性曲線130、及び/又はZOPA132(合意可能範囲)に関する情報を記憶することがある。ここでは価格減衰曲線128及び柔軟性曲線130について述べる。ZOPA132については以下でさらに述べる。
【0025】
[0038] 価格減衰曲線128は、少なくとも一部の販売者104が、FSO106が出品されている期間(すなわち関連出品リスト112の経過時間210)及び/又は自分のFSO106のそれぞれのカテゴリ152によっては、より低い価格で自分のFSO106を販売することを厭わないという事実を反映している。例えば、所与のFSO106が出品されている期間が長ければ長いほど、販売者104はより低い価格を受け入れることを厭わなくなることがある。また、そのような価格減衰曲線128は、カテゴリに依存することがある。すなわち、販売者104は、FSO106のいくつかのカテゴリ152(中古衣料品及び中古家具など)については、他のカテゴリ152(ハイエンド電子機器及び美術品など)に比べて低い価格を受け入れることを厭わない可能性がある。
【0026】
[0039] また、販売者104が異なると、任意の所与のFSO106に関して受け入れることを厭わない価格が異なることがある。例えば、一部の販売者104は、他の販売者104よりも低い価格を自然と受け入れる傾向があり得る。
【0027】
[0040]
図2は、例示的な価格減衰曲線202を示す。いくつかの実施形態では、各価格減衰曲線202は、FSO106のカテゴリ152に対応する。価格減衰曲線202(カテゴリ価格減衰曲線202とも呼ばれる)は、(1)出品リスト112の経過時間210、及び(2)FSO106のカテゴリ152(出品リスト112の408に記憶されている)を考慮に入れる。
【0028】
[0041] 価格減衰曲線202は、価格設定モジュール138によって生成及び更新されることがある。具体的には、価格設定モジュール138は、各カテゴリ152に関するカテゴリ価格減衰曲線202を生成するために、販売者104に関する履歴データベース114内の過去出品リスト116を分析することがある。いくつかの実施形態では、カテゴリ価格減衰曲線202は、所与のカテゴリ152について、販売者104が自分のFSO106を販売することを厭わなかった価格を時間にわたって示す(ここで、時間は、FSO106が売れたときの出品リスト112の経過時間210に基づく)。
【0029】
[0042]
図2の例では、カテゴリ価格減衰曲線202は、所与のカテゴリ152での出品リスト112が作成された(すなわち出品リスト経過時間210が0に等しい)とき、販売者が元の出品リスト価格(出品価格)120の100%でのみ販売する気があったことを示す。しかし、出品リスト112が作成されてから5日以内に、少なくとも一部の販売者104は、自分のFSO106を価格120の93%で販売することを厭わなかった(これは208Aで示されている)。出品リスト112が作成されてから15日で、所与のカテゴリ152での一部の販売者104は、自分のFSO106を元の価格120の80%で販売することを厭わなかった(これは208Bで示されている)。同様に、出品リスト112が作成されてから30日で、一部の販売者104は、自分のFSO106を元の価格120の60%で販売することを厭わなかった(これは208Cで示されている)。
【0030】
[0043] これらの点208(本明細書では価格減衰点208と呼ぶことがある)はそれぞれ、特定の出品リスト経過時間210及び/又は元の価格120の特定のパーセンテージで価格設定モジュール138によって収集された販売データを平均化することによって生成されることがある。例えば、出品リスト経過時間210=15日で、(カテゴリ価格減衰曲線202に関連付けられたカテゴリ152で)元の価格120の100%、90%、80%、70%、及び60%のパーセンテージで5つの販売があったと仮定する。それにより、価格設定モジュール138は、これらのパーセンテージの平均が80%であると決定し、したがってカテゴリ価格減衰曲線202において80%の価格減衰点208Bを作成する。
【0031】
[0044] いくつかの実施形態では、価格減衰点208を生成するために、販売数は、所定の期間にわたって閾値よりも大きくなければならない。所定の期間は、1ヶ月、3ヶ月、又は任意の他の期間でよい。再び
図2の例を参照すると、所定の期間に関して、この閾値が10である場合、販売数(5)が閾値(10)未満であるので、価格設定モジュール138は価格減衰点208Bを作成しない。
【0032】
[0045] いま述べたように、いくつかの実施形態では、カテゴリ価格減衰曲線202はカテゴリ152に関連付けられる。他の実施形態では、価格設定モジュール138はまた、販売者104の過去の活動を追跡して、時間210にわたってより低い販売価格を受け入れる各販売者104の意思(すなわち柔軟性)を決定する。例えば、価格設定モジュール138は、所与の販売者104に関する過去出品リスト116での取引情報118を分析して、その販売者104に関する販売者価格減衰曲線(販売者柔軟性曲線とも呼ぶ)302を生成することがある(
図3での例を参照;
図1に130として示されている)。いくつかの実施形態では、販売者柔軟性曲線302は、所与の販売者104に関して、その販売者104が自分の出品リスト112での提供価格404を下げたパーセンテージ、及びそのような価格低下が行われた時点(出品リスト112の経過時間210に関する)を示すことができる。販売者柔軟性曲線302は、販売者104が購入者108からの申し出を受け入れた、元の価格120からのパーセンテージ、及びそのような受け入れが行われた時点も示すことがある。
【0033】
[0046] 例えば、
図3での例示的な販売者柔軟性曲線302は、関連する販売者104(曲線302が適用される)が、出品リスト112を作成してから11日後に元の価格120の80%で販売し(点304Aを参照)、23日後に60%で販売した(点304Bを参照)という履歴を有することを示す。
【0034】
[0047] これらの点304(本明細書では販売者価格低下点304と呼ぶことがある)はそれぞれ、特定の出品リスト経過時間210及び/又は元の価格120の特定のパーセンテージでの(販売者104に関連付けられた)過去出品リスト116での販売データを平均化することによって生成されることがある。例えば、出品リスト経過時間210=10日で、第1の出品リストにおいて販売者104が元の価格120の90%に価格404を下げ、出品リスト経過時間210=12日で、第2の出品リストにおいて販売者104が元の価格120の70%での提供価格を受け入れたと仮定する。この場合、価格設定モジュール138は、11日(すなわち10と12の平均)の出品リスト経過時間210で、80%(すなわち90%と70%の平均)の販売者価格低下点304Aを作成することがある。
【0035】
[0048] いくつかの実施形態では、価格設定モジュール138は、所定のサイズの窓301を使用してX軸を横切って移動することによって、いま述べたように販売者104の販売を分析することがある。窓301は、5日(
図3の例に示されるように)、10日、又は任意の他の期間の長さを有することがある。価格設定モジュール138は、販売者104の販売データを分析して、窓301が1日の増分(又は任意の他の増分)でX軸にわたってステップするときに、窓301内に販売者価格低下点304が作成されるべきかどうかを判断することがある。
【0036】
[0049] いくつかの実施形態では、窓301の現在の位置に販売者価格低下点304を生成するために、窓301内の販売数は、所定の期間にわたって閾値よりも大きくなければならない。所定の期間は、1ヶ月、3ヶ月、又は任意の他の期間でよい。再び
図3の例を参照して、窓301が現在、X軸の9日~13日にわたって位置されており、閾値が10であると仮定する。この場合、価格設定モジュール138は、X軸上に現在位置されている窓301内で販売数(2)が閾値(10)未満であるので、販売者価格低下点304Aを作成しない。しかし、閾値が2であった場合、上述したようにX値とY値の両方を平均化することによって点が作成され、
図3に示されるように、11日に80%の点が得られる。
【0037】
[0050]
図2及び3のいくつかの実施形態では、限定された数のデータ点のみが存在することがある。この場合、傾向線のタイプに基づいて、回帰を使用して、後述するように使用される曲線302のためのフィッティング式を生成することができる。
図2及び3に示されるように、データが線形パターンに従うので、線形傾向線が作成されることがある。しかし、他の場合には、データは、曲線202、曲線302、又はそれら両方に関して、指数又は対数パターンに従うことがある。この場合、傾向線のタイプに基づいて、線形、指数、又は対数回帰を、(上述した移動窓内の近接するデータ点を平均化することによって生成される)
図3でのデータ点と共に、又は(特定の出品リスト経過時間(X)での過去の販売に関する元の販売価格からのパーセンテージ(Y)を平均化することによって生成される)
図2でのデータ点と共に使用することができるそのように生成された曲線を用いて、元の販売価格からのパーセンテージ(Y)は、カテゴリ価格減衰(
図2)と販売者柔軟性(
図3)との両方に関して、出品リストの任意の所与の経過時間(X)で予測することができる。
【0038】
[0051] いくつかの実施形態では、正確な曲線を描くのに十分な販売者価格低下点(上述した点304など)を作成することができない場合、ユーザは、自分が望む柔軟性を自ら考えることもある。代替として、上述したように回帰によって以前に作成された曲線がGUIでユーザに提示されることがあり、ユーザは必要に応じて曲線を変更して、自分が望む実際の柔軟性を反映させることができる。どちらの実施形態においても、
図11に示されるようなGUIがユーザに提示されることがある。正確な曲線を描くのに十分な販売者価格低下点がない実施形態に関しては、画面は点なしで始まることがあり、又は既に存在する販売者価格低下点を表示することがある。次いで、一定の所定の間隔で(例えば、出品リストの経過時間210が
図11での日数を示す場合には10日ごと)、点がユーザに提示されることがあり(例えば、
図11での点1102及び1104)、ユーザは、Y軸で、元の価格から下げても自分が快適に感じられ得るパーセンテージレベルに点を置くことが可能であり得る。例えば、最初に点1102がユーザに提示されることがあり、ユーザは、10日の出品リスト経過時間で元の価格の80%で販売することに満足である場合、点1102をY軸に沿って80%の位置までドラッグすることができる。点1102が例えば70%での既存の販売者価格低下点であり、一方、ユーザが80%で満足である(そのユーザには70%が低すぎることを意味する)場合、同様に、ユーザは、点1102をY軸に沿って80%の位置までドラッグすることができる。
【0039】
[0052] このようにして、そのような実施形態では、ユーザは、必要に応じて、所定の間隔で独自の曲線を自由に生成する、又は既存の曲線を調整することができる。これは、傾向によって捉えられない可能性がある現在の緊急性を反映することができるので有益である。例えば、ユーザがもうすぐ結婚する、誰かの死によって破産する、近親者が死亡する、又は他の予期せぬ状況により特定の期日までに緊急にお金が必要になる場合、ユーザにとって快適な実際の曲線は、予測された曲線よりも急になり、負の変化率がより大きくなる傾向があり得る。逆に、家族や好意的な人からの贈与など予期せぬ状況によりユーザが突然収入を得た場合、ユーザは急いで売らなくてもよく、ユーザが快適と感じる曲線は、予測された曲線よりも緩い勾配になり、負の変化率はより低くなる。このようにして、ユーザは自分の個人的な状況を考慮に入れることができ、予測された曲線をガイダンスとして使用し、必要に応じて、適切と思えるようにその曲線を調整することができる。次いで、曲線のタイプに応じて線形回帰、指数回帰、対数回帰、又はそれら3つの組合せを使用して、ユーザによって選択される点間で曲線が補間されることがある(例えば、点が提示される間隔が上述したように10日ごとである場合、ユーザは、
図11で4つの販売者価格低下点を選択して曲線を定義する)。次いで、この曲線は、以下に述べるように、需要曲線202と共に、最適価格若しくは初期提供価格を生成するため、又は初期提供価格を時間と共に調整するために使用される販売者柔軟性曲線302を生成することができる。
【0040】
[0053] いくつかの実施形態では、全てのカテゴリ152をカバーする所与の販売者104に関する単一の販売者柔軟性曲線302が生成されることがある。他の実施形態では、所与の販売者104に関して複数の販売者柔軟性曲線302が生成されることがあり、各販売者柔軟性曲線302がカテゴリ152の1つをカバーする。単一の販売者柔軟性曲線302は、特定の販売者について、販売のための特定のカテゴリ152に関して多くのデータが存在しないときに有用であり得る。さらに、単一の販売者柔軟性曲線302は、新製品に関する販売が通常の傾向に従うと予想されるときにも有用であり得る。独特の又は異常な販売パターン(季節性、高級ブランドなど)を有する製品については、特定のカテゴリ152の販売者柔軟性曲線302が有用であり得る。
【0041】
[0054] カテゴリ価格減衰曲線202及び販売者柔軟性(価格減衰)曲線302を生成及び使用するための例示的実施形態は、2019年1月22日出願の「価格減衰曲線に基づく提供の時間的処置(Temporal Disposition Of Offers Based On Decay Curves)」という名称の米国特許出願第16/253,719号(代理人整理番号4223.0080000)に提供されており、この特許文献の全体を参照により本明細書に援用し、それらの実施形態の任意のものを本明細書で使用することがある。
【0042】
出品リストの自動生成と価格設定生成
[0055] 上記のように、販売者104は、サイト110上に出品リスト112を作成して、自分のFSO112を販売することができる。そのような出品リスト112の品質は大きく異なることがあり、出品リストを作成するユーザの経験、商品に関してユーザが有する情報(メーカー、モデル、ブランド、状態、サイズ、色、機能など)、ユーザの画像撮影スキル、出品リストの作成時にユーザが急いでいるかどうか、ユーザがこのタイプの商品を販売しようとしたのは今回が初めてかどうかなど、いくつかの因子に依存することがある。また、出品リスト112の作成は、多くの販売者104にとって直感的な又は簡単な作業ではないことがある。これらの因子は、出品リスト112を作成することを多くの販売者104に思いとどまらせる可能性があり、そのような販売者104のFSO106は、インターネットサイト110で売りに出されなくなる。
【0043】
[0056] したがって、いくつかの実施形態では、インターネットサイト110は、出品リスト作成モジュール134を含む。販売者104からの命令に応答して、出品リスト作成モジュール134は、販売者104のFSO106を販売するための出品リスト112を自動的に作成する。出品リスト作成モジュール134は、販売者104の特定のFSO106、及び販売者104から受け取られた仕様154に合わせて出品リスト112をカスタマイズすることによって、出品リスト112をインテリジェントに作成する。
【0044】
[0057] 例えば、ある販売者104は、自分のFSO106が最終的に売れる販売価格122を最大にしたいことがあり、FSO106が売れるまでにかかる時間は気にしないことがある。そのような販売者104は、
図10のGUI1000などのGUIでそのような仕様154を示すことができる。例えば、GUI1000では、「利益最大化」と「時間最大化(より早く売る)」との間でユーザに提示されるスライダ1018があり、販売者104は、FSOが売れるまでにいくらかの時間待つことになる可能性があるという犠牲を払って、利益を最大化したいことを示すことができる。嗜好をスライダ1018として示すためのそのような視覚的形態は、販売者104が使用するのに直感的で使いやすい機能である。別の販売者104は、販売価格122が所与の最低価格よりも高いという条件で、自分のFSO106を迅速に売りたい、又は指定された時間枠内で自分のFSO106を売りたいと望むことがある。この場合、逆に、そのような販売者104は、スライダ1018が「時間最大化」端部に位置するように、GUI1000上でスライダ1018を位置させることができる。別の販売者104は、自分のFSO106が1つ又は複数の指定された慈善団体のために販売されていることを指定することがある。そのような慈善団体は、例えば、GUI1000に示されているように、「慈善団体A」及び「慈善団体B」がリストされているドロップダウンボックス1022から選択されることがある。ドロップダウンボックスの選択はさらにテキスト編集可能であり得て、ユーザは、自分が選択した慈善団体がまだ存在しない場合に追加のドロップダウンフィールドとして書き込むことができる。ユーザによって行われた選択は記憶され、ユーザアプリケーションから、仕様154の入力として出品リスト作成モジュール134に送信される。
【0045】
[0058] 出品リスト作成モジュール134(販売者104が慈善寄付のためのFSO106の販売を指定したときには、チャリティーモジュール136と連携して動作する)は、販売者104からこれらの仕様154を受け取り、販売者104のこれらの仕様に基づいてそれぞれのFSO106に関する出品リスト112を自動的に及びインテリジェントに作成する。
【0046】
[0059] この自動出品リスト112作成機能の一部として、出品リスト作成モジュール134は、関連する販売者104が販売したい特定のFSO106(本明細書では参照目的で提供されるFSO106と呼ぶ)に関する提供価格404を自動的に且つインテリジェントに生成するために、価格設定モジュール138と共に動作することがある。提供価格404を生成するために、価格設定モジュール138は、販売者104の仕様154、提供されるFSO106のカテゴリ152に関連付けられるカテゴリ価格減衰曲線202、販売者104の柔軟性曲線302、及び/又は全般的に、若しくは提供されるFSO106と同一又は同様のカテゴリ152を有するFSO106に関する過去出品リスト116を考慮に入れることができる。
【0047】
[0060] 例えば、そのような過去出品リスト116は、同一又は同様のFSO106が10ドルの平均価格で売れたことを示すことがある。一実施形態では、価格設定モジュール138は、それにより、10ドルの最適提供価格404を提案することがある。又は、代わりに、価格設定モジュール138は、提供されるFSO106のカテゴリ152に関連付けられたカテゴリ価格減衰曲線202、及び/又は販売者104の柔軟性曲線302を考慮に入れることもできる。
【0048】
[0061] 例えば、販売者104は、出品リストの経過時間の20日以内に売りたいと思っていることを(仕様154を介して)価格設定モジュール138に通知することができる。これは、例えば、
図10のGUI1000に存在する編集可能なテキストフィールド1016及びチェックボックス1014を介して行うことができる。例えば、販売者104は、テキストフィールド1016に「20日」と書き、ボックス1016をチェックして、そのような売切り条件が有効であり、仕様154の一部として組み込まれるべきであることを示すことがある。
図2に示される例示的なカテゴリ価格減衰曲線202が、提供されるFSO106のカテゴリ152に適用されることが仮定される。
図2の例では、80%の価格減衰点208Bが出品リスト経過時間210=20日に最も近い。したがって、価格設定モジュール138は、この価格減衰点208B(すなわち80%)を最適価格に事前に適用し、それによって8ドル(すなわち0.8×10ドル)の提供価格404を提案することがある。以下で説明されるように、追加又は代替として、販売者104に関連付けられる販売者柔軟性曲線304を、提供価格404を生成するために同様に適用することができる。
【0049】
[0062] さらに、一実施形態では、価格が販売者に提案されるとき、関連する需要曲線による予測も示すことができる。すなわち、
図11での販売者柔軟性曲線と同様に、いくつかの価格及び需要曲線が示されることがある。このようにして、販売者104に様々なオプションを与えるために、上記の例における最適価格10ドルに関する需要曲線だけでなく、他の価格も示すことができ、異なる需要曲線がこれらの異なる価格に対応する。そのような実施形態では、過去出品リスト116に基づく
図2の需要曲線202は、10ドルの最適価格に対応するものとして示されることがあり、点208Bは、需要曲線202での8ドルの提案された提供価格に対応するものとして示される。
【0050】
[0063] しかし、追加の需要曲線を示すこともでき、急な勾配の曲線は、最適価格よりも高い価格に対応し、緩い勾配の曲線は、最適価格よりも低い価格に対応する。例えば、上記の例で、FSO106の価格が8ドルではなく40ドルである場合、過去出品リスト116に基づいて、20日で製品を売るための変化率は、202での曲線の場合のような10ドルよりもはるかに急である必要がある。その結果、40ドルの初期価格のオプションと共により急な曲線が示され、20日までに製品を売るために、過去出品リスト116の価格低下の傾向に合致させるようにどれほど価格を下落させる必要があるかをユーザに示す。同様に、FSO106の価格が9ドルだった場合、20日で製品を販売するための変更率は、過去出品リスト116に基づいて、元の最適価格10ドルの場合よりもはるかに小さくなる。その結果、ユーザは、自分により適したオプションを決定することができる。さらに、一実施形態では、ユーザは、自分自身の提供価格を入力することができ(
図10でのGUI1000のフィールド1004)、最適提供価格の曲線202(上述したように、より急な勾配又はより緩い勾配である)に対する対応する需要曲線は、
図11のGUIと同様のGUIで示されることがある。このようにして、販売者104は、提案された提供価格を拒否し、代わりにより高い又はより低い初期提供価格を使用したい場合、価格減衰曲線202からどれだけ離れているかを自分で確認することができる。
【0051】
[0064] いくつかの実施形態では、出品リスト作成モジュール134は、サイト110でのFSO106の販売可能性を高めるために、FSO106に関する複数の出品リスト112を自動的に作成することがある。これは、FSO106の販売の並列化と呼ばれ、以下でさらに述べる。
【0052】
スマートナッジエンジン及びZOPA
[0065] 上述したように動作することによって、価格設定モジュール138は、販売者104によって提供された仕様154、及び提供されるFSO106の特性に基づいて最適価格である提供価格を自動的に生成することができる。しかし、販売者104は、価格設定モジュール138によって生成された最適価格よりも高い初期提供価格404を最終的に選択してもよい。この場合、いくつかの実施形態では、出品リスト作成モジュール134は、(価格設定モジュール138によって生成された最適価格ではなく)販売者104によって提供された初期提供価格404を使用して、サイト100に出品リスト110を掲載する。
【0053】
[0066] このシナリオは
図5の例に示され、ここで、販売者104の初期提供価格404(
図5では元の価格504として示されている)は、価格設定モジュール138によって自動的に生成された最適価格506よりも高い。多くの場合、この価格差のために、提供されるFSO106がすぐに売れない、若しくは全く売れない、又は販売者104によって提供された仕様154(指定された期間内に売るなど)の範囲内で売れない可能性がある(その可能性が高い)。したがって、サイトは、販売者104が、時間と共に、提供されるFSO106の提供価格404をインテリジェントに下げるのを助けるスマートナッジエンジン140を含む。言い換えると、スマートナッジエンジン140は、合意可能範囲(ZOPA)508内にある価格404を提供するために、時間と共に販売者104を「誘導(nudge)」するように動作する。
【0054】
[0067]
図5の例に示されるように、ZOPA508は、販売者104と購入者108が、提供されるFSO106の価格について合意することができる価格範囲である。スマートナッジエンジン140は、販売者104の柔軟性曲線302及び/又は適用可能なカテゴリ価格減衰曲線202に基づいて、所与の販売者104及びFSO106のカテゴリ152についてZOPA508を生成することができる。具体的には、上で論じたように、カテゴリ価格減衰曲線202は、所与のカテゴリ152に関して、販売者104と購入者108が様々な出品リスト経過時間210で合意に達することができた元の提供価格からの割引パーセンテージを示す。販売者柔軟性曲線302は、所与の販売者104について、その販売者104が様々な出品リスト経過時間210で厭わなかった元の提供価格からの割引パーセンテージを示す。スマートナッジエンジン140は、これらの曲線202、304を(個別に又は組み合わせて)使用して、様々な出品リスト経過時間210で、販売者104及び提供されるFSO106のカテゴリ152に関するZOPA508を生成することができる。
【0055】
[0068] 例えば、
図2の例示的なカテゴリ価格減衰曲線202は、提供されるFSO106のカテゴリ152について、販売者104と購入者108が、出品リスト経過時間210=15日で元の提供価格の80%で合意に達することができたことを示す。また、
図3の例示的な販売者柔軟性曲線302は、出品リスト経過時間210=15日で、提供されるFSO106に関連付けられる販売者104が、元の提供価格の約70%に提供価格を下落させることを厭わないことが多いことを示す。したがって、この例では、スマートナッジエンジン140は、最適価格506から販売者104の元の価格504の70%~80%の間のどこかまでの範囲内にある、出品リスト経過時間210=15でのZOPA508Bを生成することができる。一実施形態では、カテゴリ価格減衰曲線202及び販売者柔軟性曲線302上で同じ出品リスト経過時間に対応する平均割引パーセンテージが使用されることがある。この場合、平均は75%になる。
【0056】
[0069] 一実施形態では、ZOPAの上限範囲は、価格推定モデルの予測範囲に基づいて設定されることがあり、これについては3つの全体的なパラダイムに従って以下で述べる。これら3つのパラダイムのいずれか、又はこれらのパラダイムの任意の組合せを使用して、使用すべきZOPAの上限範囲を生成することができる。
【0057】
[0070] 代替として、ZOPAの上限範囲は、特定のカテゴリ152に関する出品リスト116の平均価格に基づいて設定されることもあり、出品リスト116のそのような平均価格は、上述した曲線202など平均価格下落曲線に従って時間と共に調整されることがある。さらなる実施形態では、ブランドとカテゴリの各対に関して、そのようなそれぞれのブランドとカテゴリにおいて十分なデータを提供する所定数を超える過去出品リスト116がある場合、そのような平均価格及び価格下落曲線が生成されることがある。例えば、特定のメーカーの製品(ブランドAのバッグ)の所定数を超える過去の販売があった場合、ブランドAのバッグの全ての出品リスト116の平均価格が、ZOPAに関する開始上限として使用されることがあり、この価格は、最適提供価格506に到達するために、平均価格下落曲線に従って調整されることがある。
【0058】
[0071] ZOPA508は、サイト110でのZOPAデータベース132に記憶されることがある(
図5でのZOPA508は、例示の目的でのみ提供されており、必ずしも一律の縮尺で描かれているわけではないことに留意されたい)。
【0059】
[0072] 上述した最初の例では、出品リスト経過時間210=15が近づくと、スマートナッジエンジン140は、この出品リスト経過時間210で適用可能なZOPA508B内に提供価格404を下げるように(例えば電子メール又はテキストを介して)販売者104に促すことがある。或いは、販売者104は、それぞれの出品リスト経過時間210に適用可能なZOPA508の範囲内になるように、提供価格404を自動的に調整するようにスマートナッジエンジン140に指示することができる。
【0060】
[0073] 上記のように、出品リスト作成モジュール134は、提供されるFSO106について複数の出品リスト112を自動的に作成することがある。いくつかの実施形態では、出品リスト作成モジュール134は、これらの出品リスト112に関して異なる提供価格404を有する。例えば、出品リスト112の1つに対する提供価格404は、販売者104の元の価格504でよく、別のものは最適価格506により近い(しかし、販売者104が仕様154の一部として提供した最低価格に少なくとも等しい)ことがある。スマートナッジエンジン140は、出品リスト112の出品リスト経過時間210が時間と共に進むにつれて、これらの提供価格404を適用可能なZOPA508内に(それらがまだZOPA508に入っていない限り)調整することができる。
【0061】
[0074] さらに、以下で説明されるように、一実施形態では、出品リストの経過時間が増加するにつれて最適価格506の監視が定期的に行われる。その結果、最適な価格506自体が、時間と共に変化することがある。例えば、
図5に示される一定の最適価格軸506ではなく、ZOPA508B及び508Cに関する最適価格はそれぞれ、ZOPA508Aでの最適価格とは異なることがある。最適価格の人工知能評価に関連付けられる因子は、時間と共に評価されてよく、又は代替として統計的手法が取られてもよく、最適価格506の値は、出品リスト210の経過時間が増加するにつれて時間と共にシフトすることがある。両方の手法を、
図6のフローチャートに関して以下に述べる。
【0062】
[0075] 最適価格506の値がシフトされる実施形態では、さらなる実施形態において、販売者が最適価格506に到達するのを助けるために積極的な手法が取られることがある。ZOPA508Bに関して一例を述べる。例えば、一実施形態では、ZOPA508Bにおいて出品リストの経過時間に関して15日に達したときの最適価格は、ZOPA508Aにおける5日での最適価格506よりも低いことがある。最適価格は、所定の日数(例えば5日)の期間で定期的に評価されることがある。この場合、ZOPA508Bの期間(出品リスト後15日)から最適価格506の次の評価(5日の期間の上記の例を使用すると、出品後20日)まで、スマートナッジエンジン140は、
図5に示されるように、ZOPA508B全体を4つの間隔(P1-P2、P2-P3、P3-P4、及びP4-P5)及び5つの値P1~P5に分割することができる。
【0063】
[0076] 第1の値P1は、需要曲線202と販売者柔軟性曲線302との間の既に計算された補間に対応することがあり、これは、ZOPA508Bに関する上記の例では約75%である。最後の値P5は、15日に関する調整された最適価格506であり、上述したように、5日での最適価格とは異なることがある。したがって、第2、第3、及び第4の値(P2~P4)は、最初の値と最後の値との間で、最初の値から最後の値までの間隔の1/4、1/2、及び3/4で計算される(間隔は、
図5では一律の縮尺で描かれていない)。
【0064】
[0077] したがって、出品リストの15日から5日間隔で、20日での次の最適価格の評価506まで、P2、P3、P4、及びP5のこれらの値は、それぞれ16、17、18、及び19日にユーザに提案されることがある。このようにして、提供価格を下げることをユーザが奨励される手法が取られることがあり、時間と利益の両方の観点からユーザにとって最も有益となる最適価格506も提案される。
【0065】
[0078] しかし、いくつかの実施形態では、ユーザに提案される間隔が変更されることがある。各最適価格506評価期間(例えば15日、20日、25日など)において、販売者の元の価格は、各それぞれの評価期間に対応する出品リストの経過時間で、販売者の柔軟性曲線のぶんだけ差し引かれることがある(例えば、販売者の元の価格から、ZOPA508Bでの評価期間に関して15日での販売者の柔軟性曲線の値が差し引かれ、販売者の元の価格から、次の評価期間に関して20日での販売者の柔軟性曲線の値が差し引かれる)。
【0066】
[0079] 各評価期間で、新たに評価された最適価格506を差し引いたこの数値が特定の閾値を超える場合、これは、販売者の期待が最適値からかけ離れていることを示すことがあり、したがって、価格の大幅な変更が提案された場合に販売者が拒否する可能性がある。したがって、そのような場合には、16日及び17日にP2が提案されることがあり、18日及び19日にP3が提案されることがある。このようにして、スマートナッジエンジン140は、販売者の個々の柔軟性を仮定して、販売者にとって好ましい変更のみを提案するように調整することができる。
【0067】
[0080]
図6は、いくつかの実施形態による、コンピュータ技術を使用して価格設定ガイダンスを提供し、FSO106を販売するための出品リスト112をインテリジェントに作成及び処理するための方法602に関するフローチャートである。方法602は、ハードウェア(例えば、回路構成、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、処理デバイスで実行される命令)、又はそれらの組合せを含むことができる処理論理によって実施することができる。本明細書で提供される本開示を実施するために全てのステップが必要とされるわけではないことを理解されたい。さらに、当業者には理解されるように、ステップのうちのいくつかは、同時に、又は
図6に示される順序とは異なる順序で実施されてもよい。方法602について
図1~5を参照して述べる。しかし、方法602は、それらの例示的実施形態に限定されない。
【0068】
[0081] 604で、販売者104は、FSO106(参照目的で提供されるFSO106と呼ぶ)に関する情報をサイト110に提供する。情報は、提供されるFSO106に関して、タイトル、製品のカテゴリ、ブランド、メーカー、モデル、状態、色、サイズ、画像、説明などを含むことがある。ステップ604で、販売者104はまた、初期提供価格(
図10のGUI1000でのフィールド1004に対応する)、最低販売価格、所望の販売窓(すなわち、販売者104がFSO106をそれまでに売りたい期日。GUI1000でのフィールド1016に対応する)など、販売に関する仕様154を提供することもできる。
【0069】
[0082] 606で、販売者104はまた、自動出品リスト作成オプションを選択して、提供されるFSO106に関する出品リスト112を自動的に作成するようサイト110に指示する。販売者104は、(例えば、
図10のGUI1000に示されるように、一実施形態ではドロップダウンボックス1022から慈善団体を選択することによって)FSO106がチャリティーのために販売されていることを示し、販売収益を受け取る1つ又は複数の慈善団体を識別することがある。慈善団体136モジュールでのウェブサイト110は、ドロップダウンボックス1022に示されるそれぞれの慈善団体の集金活動日をこのモジュールに記憶していることがある。したがって、例えば、ユーザが、所定の閾値日数以内(例えば50日以内)に間もなく来る集金活動日を有することがある慈善団体を選択した場合、価格設定モジュール138は、チェックすべき売切り窓を示すためのチェックボックス1014を自動的に事前選択することがある。
【0070】
[0083] さらに、価格設定モジュール138は、編集可能フィールド1016に、次の収集活動日までの日数(上記の例では50日)を、「(次のチャリティー集金活動までに)」という理由の説明と共に記入することができ、それにより、販売者104は、GUI1000を見たときに、チェックボックス1014が既にチェックされている理由を直感的に知ることができる。このようにして、自分のFSO106ができるだけ早く慈善団体に利益をもたらすことができるようにユーザが効率的に販売しようとするのを助けることができる。ドロップダウンリスト1022でのリストされた慈善団体の集金活動日などの情報は、例えば外部データベースから、インターネットから、若しくは自律的に得られることがあり、又は販売者104がGUI1000に手動で入力してもよい。
【0071】
[0084] 608で、出品リスト作成モジュール134は、提供されるFSO106の製品カテゴリ152(在庫保管ユニット、又はSKUなど)を決定する。出品リスト作成モジュール134は、604で販売者104がカテゴリを提供したとしても、これを行うことがある(販売者104が正しいカテゴリを提供しなかった可能性があるため)。製品カテゴリ152は、製品の販売が季節性又は腐敗性であり得るかどうかを判断するために、上で開示した価格履歴124の一部として製品が売れた時を含む過去出品リスト116に基づいて分析されることがある。
【0072】
[0085] 例えば、厚手のジャケットは、大半が冬季(シーズン中)に売れることがあり、夏季(オフシーズン)にはこれらのジャケットは少数しか売れないことがある。そのようなカテゴリ152の商品がシーズン中に売りに出される場合、利益を最大化するためには、シーズン期間が終わる前に売るべきである。したがって、例えば、特定のシーズン又は時期内にカテゴリ152の過去出品リスト116の閾値パーセンテージを超えて売れた場合、出品リスト112に関連付けられた季節性ブール変数は真としてマークされることがある。
【0073】
[0086] そのような場合、同じカテゴリ152での過去出品リスト116の日付に基づいて、そのようなシーズン又は時期の終わりが集計されることがある。次いで、この日付がGUI1000のフィールド1016に記入されることがあり、売切り条件を示すためにチェックボックス1014がチェックされることがある。例えば、厚手のジャケットの上記の例では、「(シーズンが終わる前に)」という説明と共に、春までの日数が編集可能なフィールド1016に書き込まれることがあり、それにより、なぜ売切り条件が事前に記入されているのかが販売者104に直感的に分かる。
【0074】
[0087] さらなる例は、食品や、保存可能期間の限られた商品などであり得る。これらの商品の場合、販売は季節性のものではなく、同じカテゴリ152での過去出品リスト116の価格履歴124を調べるときに、初期提供価格から販売日までの日数が分析されることがある。この計算における日数が、平均した他のカテゴリ152に関する日数よりも特定の閾値だけ小さい場合、腐敗性の又は保存可能期間の限られた商品であるという決定が成されることがある。さらに、そのような特性は、例えば出品リスト112に関連付けられる腐敗性ブール変数を真とマークすることによって事前入力されることもあり、そのようなブール変数は、カテゴリ152全体(非ベジタリアン食品など)に関して真であり得る。
【0075】
[0088] そのような場合、同じカテゴリ152内の過去出品リスト116について、初期提供価格から販売日までの日数が平均で計算されることがあり、そのような計算された数値を使用した売切り条件がGUI1000に事前に記入されることがある。例えば、編集可能なテキストフィールド1016は、この計算された数値を、「(製品の保存可能期間が切れる前に)」という説明と共に含むことがあり、ボックス1014がチェックされる。このようにして、商品の腐敗性を考慮に入れるために売切り条件についてボックスがチェックされていることが販売者104に直感的に分かる。
【0076】
[0089] 出品リスト作成モジュール134は、604で提供された情報を分析することによって、提供されるFSO106のカテゴリ152を決定することがある。例えば、出品リスト作成モジュール134は、画像認識技法、アルゴリズム、方法、モジュール、コンポーネント、ソフトウェア、及び/又は他の技術を使用して画像を分析し、提供されるFSO106のカテゴリ152を識別することができる。FSO106のカテゴリ152を自動的に識別するための例示的実施形態は、2019年2月28日出願の「確率的商品マッチング及び検索(Probabilistic Item Matching And Searching)」という名称の米国特許出願第16/288,379号(代理人整理番号4223.0010001)に提供されており、この特許文献の全体を参照により本明細書に援用し、それらの実施形態の任意のものを、FSO106のカテゴリ152を自動的に決定するために本明細書で使用することがある。
【0077】
[0090] 610で、価格設定モジュール138が、提供されるFSO106に関する最適提供価格506を生成する。上で論じたように、最適価格506を生成するために、価格設定モジュール138は、販売者104の仕様154、提供されるFSO106のカテゴリ152に関連付けられるカテゴリ価格減衰曲線202、販売者104の柔軟性曲線302、及び/又は提供されるFSO106と同一又は同様のカテゴリ152を有するFSO106に関する過去出品リスト116を考慮に入れることができる。価格設定モジュール138は、人工知能技法、アルゴリズム、方法、モジュール、コンポーネント、ソフトウェア、及び/又は他の技術を使用して、タイトル402、説明406、カテゴリ408、ブランド412、状態414、画像410などの任意のものを含むFSOの出品リスト情報を分析し、提供されるFSO106の最適提供価格506を識別することがある(出品リスト作成モジュール134は、以下で述べるステップ612で生成される出品リストの少なくとも1つに関する提供価格404とするために最適提供価格506を販売者104に提案することがある)。
【0078】
[0091] ステップ610に関するそのような処理の一例が、(例えば上述したGUI1000を介して)販売者によって指定された売切り条件に関して、
図7のフローチャート702に示されている。704で、価格設定モジュール138は、提供されるFSO106と同一又は同様のSKU、カテゴリ152、ブランド、状態、又は
図4での出品リスト情報パラメータの任意のもの、又は以下に述べるような集計されたパラメータの任意のものを有するFSO106の履歴データベース114から過去出品リスト116を識別する。
【0079】
[0092] 706で、それらの識別された過去出品リスト116からの取引情報118がアクセスされて取り出される。
【0080】
[0093] 708で、価格設定モジュール138は、(1)取り出された取引情報118、(2)提供されるFSO106のカテゴリ152に関連付けられるカテゴリ価格減衰曲線202、(3)販売者104に関連付けられる販売者柔軟性曲線302、及び/又は(4)人工知能技法を使用して、最適提供価格506及び関連する価格範囲を生成する。
【0081】
[0094] これらについて、本明細書では3つの例示的な包括的パラダイムに関して述べる。第1に、FSO106と同じSKUを有する過去出品リストが識別されることがある。相当数のそのような過去出品リスト116が存在する場合、これらは、カテゴリ内でさえ、焦点を絞ったデータセットの傾向を捉えることができる。例えば、厚手のジャケットのカテゴリでは、ベストは、通常の厚手のジャケットとは異なる販売特性を有することがある。そのようなベストは共通のSKUを有することがあるので、それらの取引情報118をまとめて分析して、任意のそのような傾向を捉えることができる。
【0082】
[0095] 同じSKUを有するこれらの過去出品リスト116に関して、ボックス1014がGUIでチェックされている場合、これらの出品リストはまず、任意選択で、GUI1000から入力されたフィールド1016に基づいて絞り込まれることがある。例えば、フィールド1016が0日の値を有する場合、これは、ユーザが製品をすぐに売りたいことを示すことがある。この場合、FSO106と同じSKUを有する過去出品リスト116は、初期提供価格の日付に近い(所定の日数以内、例えば5日以内の)販売日を有する出品リストを除いて除外されることがある。このようにして、データセットは、フィールド1016を介する販売者104の要求に高度に対応する所望の時間窓を有するサンプルに限定される。別の例では、フィールド1016が20日の値を有する場合、これは、ユーザが20日以内に製品を売りたいことを示す。したがって、FSO106と同じSKUを有する過去出品リスト116は、20日の前後の所定の日数(例えば3日)にある販売日を有する(すなわち、販売日が初期提供価格から17日~23日である)出品リストを除いて、除外されることがある。
【0083】
[0096] 代替として、フィールド1016による売切り条件が20日である例では、上で行われたように出品リストを除外する代わりに、FSO106と同じSKUを有する以前の出品リスト116が、初期最適価格を生成するとみなされることがある。次いで、この初期最適価格は、以前に生成された需要曲線202又は販売者柔軟性曲線302によって変更されることがあり、販売者104の売切り条件を考慮して、調整された最適提供価格を生成する。一実施形態では、生成された需要曲線202は、FSO106と同じSKUを有する同じカテゴリ152内の以前の出品リスト116のみを考慮するように変更されることがある。
【0084】
[0097] 同じSKUを有する過去の出品リスト116(上述した任意の除外を含む)が考慮に入れられると、そのようなデータ(例えば、そのような過去出品リスト116の販売価格)に対して中央値及び四分位範囲分析が実行されることがあり、販売価格に関して販売の中間50%を捉える。次いで、これらの値の中央価格値が、四分位範囲を価格範囲として、最適な価格として報告されることがある。代替として、特に歪んだ分布の場合、第1四分位~第3四分位での出品リストの平均販売価格(販売の中央50%)が平均化されることがあり、この平均値が、価格範囲としての四分位範囲と共に、最適提供価格として報告されることがある。例えば、上で説明したように、取り出された取引情報118は、同じSKUを有するFSO106が、第1四分位~第3四分位で平均価格10ドル(販売の中央50%)で売れたことを示すことがある。それにより、価格設定モジュール138は、それぞれの四分位範囲と共に、10ドルの提供価格404を提案することがある。この場合、四分位範囲は、有用な変動性尺度として働く。
【0085】
[0098] 販売者104の売切り条件を考慮して、生成された需要曲線202又は販売者柔軟性曲線302に従って初期最適提供価格が調整される上記の代替実施形態では、中央値/平均価格値を調整するさらなるステップが行われる。販売者104の売切り条件が20日である上記の例では、需要曲線202及び販売者柔軟性曲線302を使用して、元の価格からのパーセンテージが20日目に集計される。
【0086】
[0099] 販売者柔軟性曲線の価格パーセンテージ値が20日での需要曲線よりも低い場合、需要曲線の値を使用することができる(販売者は需要曲線ベースの価格よりも価格を下げる必要がないため)。例えば、需要曲線202が、カテゴリ152内の(及び場合により、上述した需要曲線202の実施形態によるものと同じSKUを有する)以前の出品リストの同様の販売が20日に70%で成立したことを示し、販売者柔軟性曲線が、販売者が60%まで下げることを承諾したことを示した場合、販売者は60%まで下げる必要がないため、需要曲線の値を使用することができる。
【0087】
[0100] この場合、(上記の中央値/平均値として計算される)初期最適価格の70%の値が、調整された最適提供価格として出力されることがあり、同じ四分位範囲が与えられるが、これも初期最適価格の30%だけシフトされる。すなわち、四分位範囲が当初(8ドル,12ドル)であり、初期最適価格が10ドルであり、初期最適価格が10ドル-3ドル=7ドルに調整された場合、同様に四分位範囲は(8ドル-3ドル,12ドル-3ドル)、すなわち(5ドル,9ドル)にシフトされる。
【0088】
[0101] しかし、売切り期日(例えば20日)に関して販売者柔軟性曲線が需要曲線よりも高い場合、これは、以前に分析された出品リスト116に関する、1016での入力としての売切り期日までに交渉成立させるために市場の需要が求めるほどには販売者が柔軟ではないことを意味する。したがって、そのような場合、販売者柔軟性曲線と需要曲線との値が平均化されることがある。
【0089】
[0102] これは、FSO106が望みどおりに特定の期日までに売れることを保証するために、元の価格に対してより低いパーセンテージで販売しなければならないという現実と販売者の柔軟性のなさを橋渡しする「中間打ち合わせ(meeting in the middle)」手法を生み出す。このようにすると、需要曲線が要求する価格まで価格をシフトするよりも、販売者がそのような変更に合意し得る可能性がより高い(例えば、上記の場合、20日での販売者曲線302が初期最適価格の80%に対応し、需要曲線202が70%に対応する場合、需要曲線に従った70%の要件よりも、平均の75%のほうが販売者が承諾しやすい)。
【0090】
[0103] 上記の例と同様に、初期最適価格は、そのような平均化された量のパーセンテージによって調整されて、調整された最適提供価格として出力されることがあり(例えば75%)、四分位範囲も上述したのと同じ量だけ同様にシフトされる。
【0091】
[0104] 一実施形態では、中央値/平均(med_aとして示される)及び四分位範囲(min_a、max_aとして示され、第1及び第3四分位値に対応する)の計算に加えて、中央値又は平均及びそのような四分位範囲に関する信頼閾値(ct_aとして示される)が計算されることもある。そのような信頼閾値は、FSO106と同じSKUを有することが判明している過去出品リスト116の数、及び最小数の商品を取得するための時間窓に依存し得る。このようにして、より最近のデータを収集することに対してより重点を置くことができ、より最近のデータが収集されると、これは、作成すべき現在の出品リストでそのような数値が複製可能であり得る信頼性をより高める。直感的に、市場の変化により、昔の販売データが現在には当てはまらない可能性があるので、これは理にかなっている。
【0092】
[0105] 第2の包括的パラダイムは、第1の包括的パラダイムと同様であるが、同じSKUの過去出品リスト116のみを分析するのではなく、同じカテゴリ152、ブランド412、及び/又は状態414の同様の過去出品リスト116も分析される。売切り条件は、第1の包括的なパラダイムと同様に分析されることがある。したがって、第2の包括的なパラダイムの使用は、初期最適提供価格を決定する際に分析することができる過去出品リスト116の範囲を拡大する。同じSKUを有する過去出品リスト116はあまり多くないことがあるが、状態、ブランド、又はカテゴリ152に関して類似する出品リストがかなりある場合に、そのようなパラダイムは有用である。
【0093】
[0106] 第1の包括的パラダイムと同様に、以前の出品リスト116が識別されると、中央値及び四分位範囲分析が実行され、以前の出品リスト116が除外されるか否かに応じて、生成された需要曲線202及び販売者柔軟性曲線302を使用して、売切り条件(例えば上述した20日)に対応するように初期最適価格を調整することができる。
【0094】
[0107] このプロセスは、第1の包括的なパラダイムと同様に、中央値又は平均(又は調整された中央値/平均)(med_bとして示される)の提案された最適価格、及び四分位範囲(min_b、max_bとして示され、第1及び第3四分位に対応する)を生成する。最後に、第1の包括的パラダイムと同様に、見つかった同様の以前の出品リスト116の数、識別されたそれらの商品の類似性の度合い、及び最小数の同様の商品を得るための時間窓に依存することがある信頼閾値(ct_bとして示される)が生成されることがある。
【0095】
[0108] 本明細書において、最適提供価格を生成するための第3の包括的パラダイムを述べる。第3のパラダイムの順次動作は、
図12の例示的実施形態1200で示されている。まず、このシーケンスの動作を、ニューラルネットワークタイプの回帰モデルに関して述べるが、同様のステップがランダムフォレスト回帰モデル及びブースティング決定木回帰モデルのどちらにも適用されることを理解されたい。
【0096】
[0109] まず、フローダイアグラム1200に示されるように、出品リスト記述405、出品リストタイトル402、出品リストカテゴリ名408、及び出品リストブランド名412の任意の組合せを含むテキストデータ1202が販売者104からの入力として得られる。これらの入力は全てテキスト入力とみなされる。
【0097】
[0110] 1202でのテキスト入力からの入力を、ブロック1212に存在する回帰モデルのいずれかによって使用可能な形式に変換するために、1202でのテキスト入力をトークン化しなければならない。このようにテキスト入力をトークン化するために、ブロック1208に示されるように、用語頻度-逆文書頻度(Tf-idf)、Bag-of-words、及びword2vecなどのアルゴリズムが使用されることがあり、1202から1208への矢印は、テキスト入力がそのようなアルゴリズムへの入力として供給され、トークン化された出力をもたらすステップを示す。すなわち、そのようなアルゴリズムをテキスト入力データ1202に適用することによって、そのようなデータ入力は、回帰モデルに有用であり得る数値出力をもたらす。元のテキスト形式では、そのような入力は回帰モデルによって使用不可能である。
【0098】
[0111] 一実施形態では、
図13Aに示されるように隠れ層及び逆伝播を有するニューラルネットワークモデルをトークン化ステップで使用して、テキスト入力をトークン化された入力に変換することができる。この場合の入力は、説明405、出品リストタイトル402、出品リストカテゴリ名408、及び出品リストブランド名412の形式でのテキストキーワードであり、これらの入力はそれぞれ、独自の指定されたモデルを有することがある。そのような分類技法を使用することによって、重みを有するノードのシステムを作成することが可能であり得る。重み付きのノードのこのシステムを使用して、ユーザの入力に対する数値スコアの高信頼性の予測を与えることができる。
【0099】
[0112] 本明細書において、いくつかの実施形態に従って、
図5Bに示されるニューラルネットワークモデルの様々な構成要素について説明する。入力層1302aは、モデルへの入力を表すノード1~iを含む。これらの各ノードは、入力された文字列の様々な側面に対応する。特に、405、402などで入力された文字列値は、まず単語にトークン化され、トークン化された単語がステミングされる。
【0100】
[0113] 訓練データを使用することができ(以前の説明405や出品リストタイトル402などから)、文字列値の完全な文を変換することができる。そのような変換は、各単語のトークン化や語幹の作成などを行う。十分な訓練データが使用された後、語幹の集合ライブラリが存在することがあり、語幹のうちのいくつかは、ただ1つのタイプのブランド、特定のカテゴリの製品タイトル、特定のカテゴリの出品リストタイトル、又は特定のカテゴリの説明に関連付けられる。
【0101】
[0114] 例えば、説明が特定のデザイナーハンドバッグのブランドに関係付けられる場合、そのようなカテゴリにのみ存在する独特な語幹を含むことがある。したがって、多重度や、複数のカテゴリにわたる出現などに応じて、単語の重みは異なることがあり、402、405、408、又は412の入力文字列が解析されるとき、1つの入力ノードがそのような文字列の各単語に対応し得る。次に、これらのノードを、過去の説明405、出品リストタイトル402、出品リストカテゴリ名408、又は出品リストブランド名412に関連付けられた語幹のライブラリと比較することができる。
【0102】
[0115] 例えば、Ugg Bootsがオーストラリアを本拠とする企業である場合、語幹「Aus」が、靴又はブーツのカテゴリ408に関連付けられた語幹配列のライブラリ内にあり得る。したがって、ユーザが説明406での入力文字列として「Wearable contraption from Australia(オーストラリア発のウェアラブルな新工夫)」と入力すると、説明406を処理するためのニューラルネットワークモデルに関する入力層1302aのノード1は語幹「Wear」を表すことがあり、ノード2は「contraption」を表すことがあり、ノード3は「from」を表すことがあり、ノード4は語幹「Aus」を表すことがある。次いで、これらのノードが訓練ライブラリ(「bag of words」と呼ばれる)からの語幹と比較されることがあり、ここで、ノード1~3がbag of words内のどの語幹とも一致しない場合、それらのノードに値0が割り当てられることがあり、ノード4がbag of words内の語幹と一致する(この例では、Ugg Bootsの以前の出品リストに関する上記の「Aus」と一致する)場合、そのノードに値1を割り当てられることがある。
【0103】
[0116] 実際には、入力は解析され、一連の0及び1に相関され、1は、bag of words内にある単語に対応する。タイトル402、説明406、カテゴリ408、及びブランド412について、前の出品リスト112からの語幹を解析することによって、bag of wordsを組み立てることができる。一実施形態では、bag of wordsは、類似していると考えられるカテゴリ408内の以前の出品リストに関するものであり得る。上記の例では、bag of wordsは、bag of wordsを形成するために履物(靴、ブーツ、運動靴など)のカテゴリにおける以前の全ての出品リスト112を考慮に入れることがある。代替として、全てのカテゴリ408内の以前の出品リストについて、bag of wordsが作成されることもある。
【0104】
[0117] 訓練データで訓練されるニューラルネットワークのラウンドを繰り返すことにより、各語幹は、その語幹に関連付けられた異なる重みwijを有して次の層へ、最終的には出力層1306aへ進むことがある。これは、bag of words内のいくつかの単語が、提供される製品のタイプに基づいて特定の説明、タイトル、カテゴリ、又はブランドとより強い関連性を有することがあり、したがって他の単語よりも重要であり得るからである。この点に関しても、いくつかの測定基準によって重要性が測られることがある。bag of wordsに関するより強い関連性は、特定のタイプの製品に関する複数の過去のタイトル、説明、カテゴリ、又はブランドにわたる語幹の多重度及び出現に基づいて測られることがある。
【0105】
[0118] 他方、高頻度の単語が、文書内で優勢になり始め(例えばより大きなスコア)、しかし、より珍しいがドメイン固有の単語ほどモデルに対して多くの「情報コンテンツ」を含まないことがある状況において、tf-idfアルゴリズムを使用することができる。この場合、頻繁に出現することがある「the」や「from」などの単語はペナルティを科され、一方、「Aus」などの語幹は、Ugg Bootsなどの企業の本拠を知らせるので、より多くの情報コンテンツを提供することがある。
【0106】
[0119] 使用される測定基準は、1つの文書内での単語の頻度のスコアリングである用語頻度と、いくつかの文書にわたってその単語がどれほど珍しいかのスコアリングである逆文書頻度であり、スコアは重み付けである。例えば、「the」などの頻繁な用語の逆文書頻度は低くなる可能性が高く、まれな用語の逆文書頻度は高くなる。したがって、tf-idf重み付けアルゴリズムが使用される場合には、複数の説明406、タイトル402、カテゴリ408、又はブランド412にわたって低い逆文書頻度を有する用語について、ニューラルネットワークモデル1300aの次の層に進む語幹に関連付けられたwijがより高い重みを付けられることがある。他方、ブロック1208のword2vecアルゴリズムは、語幹をベクトルとして表し、本明細書ではさらに論じない。
【0107】
[0120] ニューラルネットワークモデル1300aの出力層1306aは、1~10の正規化されたスコアを含むただ1つのノード1を含むことがある。スコア10は、特定のタイプの製品との高い一致性を示し、したがって、より高度な検索可能性又は見つけやすさに対応することがある。
【0108】
[0121] 各ノードから他のノードへの入力及び重み(
図5Bに示されるようにw
ij)に基づいて、出力層の結果が集計され、正規化されたスコアが出力層1306aでの出力ノード1に出力される。この場合、tf-idfアルゴリズムを使用するとき、「Aus」はUgg Bootsと特定の関連性を有することがあるので(上述した仮想の例におけるように、Ugg Bootsがそこに本拠を有する場合)、上で論じたように、入力層ノード4から隠れ層1304aへの重みは、入力層ノード1~3から隠れ層1304aへの重みよりも大きい重みを有することがある。これは、入力層4が、出力層1306aでの正規化されたスコアにより大きく寄与し得ることを意味する。ノード4のようなノードが複数ある場合、これはより大きな正規化スコアに寄与することがあり、正規化プロセスは、以前の出品リスト116からの以前のタイトル402、説明406、カテゴリ408、又はブランド412と比較して行われる。上述したように、タイトル402、カテゴリ408、ブランド412、及び説明406に関して別個のスコアリングモデルを使用することができる。
【0109】
[0122] 入力層1302aから出力層1306aへの移行において、
図13Aに示されるように、いくつかの隠れ層1304aが存在することもある。隠れ層1304aの数は、予め1つに設定されても、複数の層でもよい。隠れ層1304aの数が(
図13Aに示されるように)1つである場合、隠れ層でのニューロンの数は、入力層及び出力層でのニューロンの数の平均として計算されることがある。
【0110】
[0123] これは、層にわたって重みを計算しやすくするための経験に基づく経験則から導出される。追加の経験則によれば、オーバーフィッティングを防止するための一実施形態では、入力層1302aでのニューロンの数はN
iであり、出力層でのニューロンの数はN
oであり、(タイトル402、説明406、カテゴリ408、又はブランド412のいずれかに関する)モデルに関連付けられる全ての語幹の訓練データセットでのサンプルの数はN
sである場合、1つの隠れ層でのニューロンの数N
hは、
【数1】
未満に保たれることがあり、ここで、αは、スケーリング係数(通常は2~10の範囲)である。このようにして、オーバーフィッティングを防ぐために、モデルでの自由パラメータの数を、訓練データでの自由度の小さな部分に制限することができる。
【0111】
[0124] 入力層から、入力層1302aの各ノードから
図13Aに示される隠れ層1304aへの重みに基づいて、入力層1302aから隠れ層1304aへ進む際にシグモイド伝達関数が存在し得る。最初は、重みw
i,jが、0~1の間のランダムな値に初期化されることがある。次いで、bag of words又はtf-idfアルゴリズムでの語幹に対応する入力ノードの語幹が、これらの重みに従って伝播されることがあり(順伝播)、隠れ層1304aは、入力層1302aのニューロンに関する第1の出力を生成する。例えば、上記の例での入力層1302aでニューロン1及び2として与えられた入力は、bag of wordsアルゴリズムでは、bag of words内の語幹に対応しないので、それぞれ0を乗算され、一方、ノード3及び4は、単語「from」及び「Aus」がbag of words内の語幹に対応するので、1を乗算されることがある。
【0112】
[0125] この場合、入力層1302aのノード3は、bag of words内の語幹に対応するので、重みw31、w32、・・・、w3jを乗算することができ、入力層1302aのノード4も同様に、重みw41、w42、・・・、w4jをそれぞれ乗算される。上で論じたように、bag of wordsアルゴリズムに関しては、以前の出品リスト116の説明406、タイトル402、ブランド412、又はカテゴリ408において、ノード3での単語「from」が単語「Aus」よりも頻繁に出現することがあるので、ノード3の重みがノード4の重みよりも高くなることがある。これは、bag of wordsアルゴリズムが多重度に基づいて重要性を測るからである。対照的に、tf-idfアルゴリズムに関しては、説明406、タイトル402、ブランド412、又はカテゴリ408にわたって、単語「Aus」の逆文書頻度(珍しさ)がノード3での単語「from」の逆文書頻度よりも高いことがあるので、入力層1302aのノード4の重みは、ノード3の重みよりも高いことがある。
【0113】
[0126] その後、入力層1302aでのこれらのノードが合計されて、隠れ層1304aへの出力を生成する(例えば、ノード4のみがbag of words内の語幹を有するので、上記の例での隠れ層でのノード1は、和w
11+w
21+w
31+w
41=w
41である)。次いで、隠れ層1304aでのノード1は、この正味の値を取得し、この値を同様にさらに出力層1306aに伝達することができる。各出力層(入力層1302aに対する隠れ層1304a、及び隠れ層1304aに対する出力層1306a)では、シグモイド活性化関数
【数2】
、双曲線正接関数
【数3】
、又はSmoothReLU(smooth rectified linear unit;平滑化近似正規化線形ユニット)関数f(x)=log(1+e
x)を含む伝達関数を使用して、出力を伝達することができる。
【0114】
[0127] 上記の例では、入力層1302aから隠れ層1304aのニューロン1に与えられる出力は活性化値として入力され、隠れ層1304aで、上述した伝達関数の1つに伝達され、出力は、隠れ層1304aのニューロン1の値を形成して、出力層1306aへの入力として与えられ、出力層のニューロン1へのそれぞれの重みを乗算される。このようにして、入力層1302a内の入力ノード1~Iの完全な順伝播を、出力層1306aまで実現することができる。
【0115】
[0128] 次いで、逆伝播を行うために、期待される出力と、ネットワークから順伝播される出力との誤差が計算される。ニューラルネットワークを訓練する際、特にデータセットが小さいとき、k分割交差検証が使用されることがある。例えば、k分割交差検証に関して、いずれもユーザによって入力された文の説明の集約されたセットが存在する可能性があり、これらは、各グループごとに異なる関連の語幹に関して特定の製品カテゴリに関連付けられることがわかっており、上述した成分全てを含む。文の説明のこのセットはシャッフルされ、k個のグループに分割されることがある(例えば、kが5の場合には5つのグループであり、それぞれが、特定数の結果(正規化された重要性スコア尺度)及び対応する関連の語幹を保持する)。次いで、(上記の例での5つのグループのうち)各独自のグループごとに、そのグループをテストデータセットとして保持することができ、集約された文の説明の残りのグループ及び対応する正規化された重要性スコア尺度を使用して分類器を訓練する。
【0116】
[0129] 誤差を伝達するために、ネットワークを介して逆伝播するための誤差信号は、誤差=(期待される正規化されたスコア-出力スコア)×transfer_derivative(出力スコア)によって与えられ、ここで、transfer_derivativeは、使用される伝達関数(シグモイド、双曲線、又はSmoothReLU)の導関数である。
【0117】
[0130] 次いで、隠れ層1304aでのニューロンに関する誤差信号は、出力層から隠れ層1304a内のニューロンへの重みに従って、出力層1306aでの各ニューロンの加重誤差として計算される。同様に、次いで、隠れ層からの誤差信号は、入力層1302aに逆伝播される。上述した逆伝播法によってネットワークでの各ニューロンに関して誤差が計算されると、式new_weight=old_weight+learning_rate×error×inputに従って、重みを更新するために誤差が使用される。ここで、old_weight変数は、モデルでの以前に与えられた重みであり、learning_rate変数は、誤差を修正するために古い重みをどれだけ多く変えるか(したがって、モデルが、その重みを時間と共にどれだけ速く「学習」又は調整するか)を指定する0~1の値であり、誤差変数は、逆伝播手順によって計算される誤差であり、入力変数は、誤差を引き起こした入力の値である。
【0118】
[0131] 上述したようにテキストデータがトークン化及びスコアリングされた後又はその際に、カテゴリデータ1204も解析及び符号化されることがある。1204でのカテゴリデータは、ブランドID、カテゴリID、送料支払者(販売者104が支払うかどうか)、及び状態(例えば、普通、中古、新品同様、又は新品)の形で存在し得る。この情報は、
図6のプロセスでのステップ608で計算されることがある。すなわち、ブランド412又はカテゴリ408のユーザの入力に基づいて、実際のブランド又はカテゴリ、及びそれらのそれぞれのIDが決定されることがある。性質上、IDは数値でよく、1のIDはブランドA又はカテゴリAに対応し、2のIDはブランドB又はカテゴリBに対応し、以下同様である。これらのIDは、1212で使用される回帰モデルへの入力としてそのまま送信される場合、データを不適切に歪める可能性がある。例えば、ブランドCに3のIDが割り当てられ、ブランドBに2のIDが割り当てられ、ブランドAに1のIDが割り当てられた場合、ID自体が回帰モデルへの入力として送信されると、3>2>1であるので、回帰モデルは、ブランドCの価格値がブランドBよりも高いことがあり、ブランドBがブランドAよりも高いことがあると推定することがある。モデルによるそのような解釈を避けるために、ワンホットエンコーディングを使用してカテゴリの2値化を行うことができる。すなわち、情報は、以下に示されるようにバイナリベクトルに並べられることがある。
【0119】
【0120】
[0132] 表1に示されるように、ブランドA、B、及びCは、0と1の値のバイナリベクトルによって表すことができる。その結果、どのブランドの存在も他のブランドよりも大きい数値にならないので、回帰モデルの潜在的な歪みが回避される。そのようなワンホットエンコーディングは、ブランドIDとカテゴリIDとの両方に使用することができ、これらは、ブロック1212で回帰モデルに入力として送信される。
【0121】
[0133] 追加のカテゴリデータ1204も、そのような回帰モデルに送信されることがある。例えば、送料支払者の値及び条件が回帰モデルに送信されることがある。送料支払者値は、単純に、販売者104が送料を負担するかどうか(ブール値はTRUE又は1でよい)又は販売者104が送料を負担しないかどうか(ブール値はFALSE又は0でよい)を表す、ユーザから入力されるブール値でよい。
【0122】
[0134] 最後に、条件414は、例えば4つのカテゴリのうちの1つとしてユーザによって入力されることがある。これらのカテゴリは、「不良」、「普通」、「良好」、「新品同様」、及び「新品」など、FSO106の状態を示すことがある。一実施形態では、「新品」の代わりに「美品」が使用されることもある。これらの言語カテゴリのそれぞれが、状態の異なる値に対応し、「中古」が最小の値を有し、「美品」又は「新品」が最大の値を有するので、単純なラベル符号化が使用されることがあり、これらのラベルのそれぞれに数値が割り当てられることがある(例えば、「不良」は0.1でよく、「普通」は0.2でよく、「良好」は0.4でよく、「新品同様」は0.6でよく、「美品」又は「新品」は0.8でよい)。このようにして、FSO106の状態ラベルを符号化するために、所定数の任意のスケール(例えば0~1までの範囲)が使用されることがある。したがって、この情報が回帰モデルに渡されるとき、複数の見込み客が、「不良」状態よりも「新品同様」状態の製品に対して多く支払うことを厭わない可能性が高いことを考慮に入れることができる。代替として、条件414は、ラベル符号化が必要とされないように、以下に述べる数値データ1206の一部として、販売者104によって数値形式で事前入力されることもある。
【0123】
[0135] 数値データ1206は、使用されることがあるブロック1212での回帰モデルに送信されることもある。数値データ1206は、FSO106と同じカテゴリ408内又は全てのカテゴリ408内で、過去出品リスト116の出品リスト情報126及び価格履歴124の一部として存在するデータを含むことがある。そのような数値データは、以前の出品リスト116が最初に売りに出された年月日、及びそのような以前の出品リストが実際に売れた年月日を含むことがある。
【0124】
[0136] この数値データから、2つの重要な統計が計算されることがある。第1に、データが最近のものである度合いを、以前の出品リスト116が売れた年月日から確認することができる。以前の出品リストには、以前の出品リスト116が売れた年月日とFSO106の現在の出品リスト(
図5を参照して論じたように、最適価格506は、販売者104がFSO106を出品した後に評価されることがあるので、FSO106が出品された後も含む)との距離に比例して値0~1が割り当てられることがある。
【0125】
[0137] 例えば、以前の出品リスト116がごく最近に売れた場合、以前の出品リスト116が売れた年月日とFSO106の現在の出品リストとの距離は非常に小さく、値は1に近くなる。他方、以前の出品リスト116がかなり前に売れた場合、以前の出品リスト116が売れた年月日とFSO106の現在の出品リストとの距離は非常に大きく、値は0に近くなる。比例数値を計算するために、次式に従って、最も古い以前の出品リスト116が使用されることがある。
【数4】
【0126】
[0138] この式は、以前の出品リストの最近性の度合いに対応する値を与えるために使用されることがあり、この値は、ブロック1212で使用される回帰モデルに、以前の出品リスト116それぞれの他のデータと共に送信されることがある。第2に、1206での数値データから、以前の出品リスト116が売れた日付から以前の出品リスト116が最初に提供された日付を単に差し引くことによって、以前の出品リスト116が売れたときのその出品リスト116に関する出品リストの経過時間を計算することができる。このようにして、これらの2つの統計を、ブロック1212で使用される回帰モデルに送信することができる。
【0127】
[0139] ブロック1212での回帰モデルに送られることがある前述した商品と共に、FSOと同じカテゴリ408内で、又は全てのカテゴリ408内で他の以前の出品リスト116との比較に基づいて、以前の出品リスト116で測定基準を実行することによって、集計パラメータ1216と呼ばれるさらなる計算パラメータを収集することができる。例えば、数値データ1206を使用して、(例えば特定のカテゴリ408に対応する)以前の出品リスト116で販売された特定の商品の希少性が決定されることがある。以前の出品リスト116が売れた期間(所定の日数、例えば7日以内)に多くの商品が存在しなかった場合、その以前の出品リストの希少性値はそれに比例して高いことがある。逆に、以前の出品リスト116が売れた期間(所定の日数、例えば7日以内)に多くの商品が存在した場合、その以前の出品リストの希少性値はそれに比例して低いことがある。比較の基礎は、例えば一実施形態では、式
【数5】
に従って、全ての以前の出品リスト116の中で希少性の最も低い商品でよい。
【0128】
[0140] さらに、例えば見込み客108が出品リスト116にアクセスした可能性がある時間を含む出品リスト情報126を合計することによって、以前の出品リスト116の閲覧数のパラメータが記録されることもある。
【0129】
[0141] 次に、以前に送信された入力を用いてブロック1212で使用される回帰モデルについて論じる。これらの回帰モデルはそれぞれ、予測価格を出力することがある。そのような予測価格に基づいて、第1の包括的なパラダイム及び第2の包括的なパラダイムで行ったように価格範囲の分析が行われることがある。ここでも、値の四分位範囲は、製品の同じカテゴリ152内の以前の出品リスト116を使用して、又は全ての製品を使用して計算されることがある。一実施形態では、この計算された四分位範囲は、回帰モデルからの予測価格が範囲の中心に位置し得るようにシフトされることがあり、この範囲は、上述した変動性の尺度として働く。代替として、価格範囲は、後述するように、ニューラルネットワークモデル自体によって計算されることもある。
【0130】
[0142] まず、ニューラルネットワーク回帰モデルについて論じることができる。モデルは
図13Bに示されるようなものであり、入力層1302b、隠れ層1304b、及び出力層1306bを有する。このモデルは、
図13Aに関して上で開示されたものと基本的に同様に動作し、同じ伝達関数などを使用することがある。一実施形態では、隠れ層1304b内のノードの数を計算するための
図13Aに関して論じた経験則も使用されることがある。
【0131】
[0143] しかし、代替として、別の実施形態(本明細書において論じるもの)では、隠れ層に関して2つのノードが使用されることがある。図示されるように、隠れ層1304bのノード1への所定数のノード1~i(例えば
図13Bに示されるように1~3)それぞれに関して単一の重みx
iが存在し得る。同様に、隠れ層1304bのノード2への所定数のノードi+1~j(例えば
図13Bに示されるように4~6)それぞれに関して単一の重みy
jが存在し得る。最後に、1304bでの隠れ層ノードの両方が、それぞれ重みp及びqで出力層1306bで結合して、出力層1306bで出力スコアを生成することがある。
【0132】
[0144] 隠れ層1304bの第1のノードであるノード1は、出品リストの価格に影響を及ぼすことがある価格ドライバ、又は通常の因子を表す。隠れ層1304bの第2のノードであるノード2は、出品リストの価格に指数関数的な影響を及ぼすことがある乗率を表す。隠れ層ノードの重みp及びqは、出力層1306bへの隠れ層1304bのノード1の重みpが、出力層1306bへの隠れ層1304bのノード2の重みqよりも小さくなり得るように重み付けされることによって、この構成を反映することがある。パラメータが最初に査定されるとき、ニューラルネットワークモデル1300bはカテゴリIDに依存することがある。すなわち、製品の異なるカテゴリ152ごとに別個のニューラルネットワークモデルが存在することがある。この実施形態を本明細書において述べる。代替として、製品アイテムが、全ての製品に関する全般的な傾向をより大きく反映する価格設定を有する場合、全てのカテゴリ152内の全ての製品出品リスト116が考慮される実施形態が使用されることがある。
【0133】
[0145] 製品の異なるカテゴリ152ごとに個別のニューラルネットワークモデルを提供することは、機械学習モデルで使用される特徴に関連付けられる製品のいくつかのカテゴリの価格設定に、他のカテゴリには存在しない傾向が存在するときに特に有用である。
【0134】
[0146] 高級品など製品の他のカテゴリに関しては、以前の出品リスト116の適切なデータが分析されていることを保証するために、追加のステップが行われる必要がある。例えば、カテゴリ152内の以前の出品リスト116は、前述したカテゴリデータ1204の一部としてのカテゴリIDによって決定された高級品に関連付けられることがある。この場合、全ての以前の出品リスト116が認証されることがある。特定数の以前の出品リスト116が偽物であって本物ではないことが判明した場合、これらの出品リストは、回帰モデルの訓練から除外することができる。
【0135】
[0147] カテゴリ152固有のニューラルネットワーク回帰モデル内で、ノードが記述される。入力ノード1~iは、希少性、閲覧数、トークン化後の説明406、タイトル402、ブランド412、及びカテゴリ408に関するスコアなどの尺度のうちの少なくとも1つを含むことがあり、これらは、上述したように別のニューラルネットワークモデルによって生成されることがある。入力ノード1~iでの上記の尺度は、上述したラベル符号化によって変換された製品の状態414、製品のSKU、季節性又は腐敗性(-1又は1の値、例えば、腐敗性/季節性がない場合には1、腐敗性/季節性の場合には-1として)、GUI1000のスライダ1018からのスライダ入力(時間最大化の端部に位置された場合には-1、利益最大化の端部に位置された場合には1.5、中央では0の値として)、並びにGUI1000のフィールド1014及び1016からの売切り条件の存在(売切り条件がある場合、入力ノード値は、日数に応じた負の値でよく、日数が短いほど負の値が大きくなる)を含むこともある。上で論じたように、チャリティーオプションが選択されるとき、フィールド1016が自動的に記入されることがあり、フィールド1014がチェックされることがあり、これは、ニューラルネットワークモデルにおける売切り条件の存在がチャリティーオプションの選択も考慮に入れることもあることを意味する。
【0136】
[0148] 本明細書においては、季節性又は腐敗性、GUI1000のスライダ1018からのスライダ入力、及び売切り条件の有無に関する1~iでの存在する入力ノードに関する尺度の値を説明する。上で説明したように、ノード1~iは、通常の価格設定条件、すなわち製品の需要に影響を与える。製品が腐敗性であると考えられるとき、上で説明したように販売者104はそのような製品を腐敗する前又は季節外れになる前に売りたいと思うことがあるので、これは製品の価格設定又は需要に負の影響を及ぼす。
【0137】
[0149] その結果、そのような条件が存在する場合、全体的な需要を低く(したがって全体的な価格結果を低く)調整するために、入力ノードに負の値が入力される。入力層1302b内のノード1~iから隠れ層1304bへのより低い全体的な出力により、出力層1306bへの1304bのノード1の最終的な出力値が結果として低下される。これは事実上、初期提供価格を下げ、これは、製品が腐敗する又は季節外れになる前の製品が売れることを保証するために必要とされる。腐敗性/季節性が存在する場合、値は-1に制限されず、必要に応じて調整して、より大きい/より小さい価格減少を行うことができる。
【0138】
[0150] 同様に、GUI1000のスライダ1018からのスライダ入力は、-1から、1を超える範囲のノードとして存在する。利益の最大化の場合、事実上、販売者104は、製品が売れるまで通常よりも長く待つことを厭わないことを示している。そのような場合、需要は、ノード値を1よりも大きくすることによって、ある程度増加又は上昇されることがあり、これは、上で説明したように、出力層1306bのノード1によって出力される価格に影響を及ぼし、価格を増加する働きをする。時間の最大化の場合(GUI1000に示されているスライダ1018の他端)、上で説明した腐敗性/季節性ノードと同じ理由から、値は-1でよい。製品を通常よりも速い速度で売るために、需要を人工的に負の値で下げることができ、それにより、1306bのノード1での最適価格値が通常よりもわずかに低くなり、購入者はそのような製品をより速い速度で購入するように促される。
【0139】
[0151] 代替実施形態は、GUI1000のフィールド1016から特定の日数で売切り条件が与えられた場合に存在し得る。上で論じたように、以前の出品リスト116ごとに、出品リストが提供された時点から売られた時点までの日数を示す計算された測定基準がある。この場合、そのような測定基準に基づいて、バギング又はブートストラップの手法に従うことができる。すなわち、GUI1000のフィールド1016からの日数よりも大きいこの測定基準に関する値を有する以前の出品リストは、
図13Bでのニューラルネットワークモデルの訓練から除外されることがあり、重みx
i、y
j、p、及びqの調整のための逆伝播の実施の際にも除外されることがある。
【0140】
[0152] そうすることにより、ユーザが売切りを予定している日数の後に売れた以前の出品リスト116は、モデルの訓練から除外される。このようにして、モデルは、以前の出品リスト116のそのようなサブセットに関連付けられる傾向を捉えることができる(例えば、より速く売るためのより低い需要及びより低い価格)。この実施形態では、日数の窓が使用されることもある。
【0141】
[0153] 例えば、販売者104は、フィールド1016で0日で売り切りたいことを示すことがあり、これはすぐに売りたいことを意味する。この場合、5日の窓が使用されるブートストラップ手法は、0日からの出品リスト116だけではなく、直近の初期提供日からすぐに売れた全ての以前の出品リスト116を考慮に入れることができる。そのような窓の使用は、利用可能なデータ点又は以前の出品リスト116がほとんどない場合に、より大量のデータの考慮を可能にすることができる。
【0142】
[0154] このようにして、上述したように、
図13Bの人工ニューラルネットワークは、複数の層及び複数のニューロン(ノード)のディープラーニングを可能にして、これらの変数が出品リスト価格に及ぼすインタラクティブな影響について「学習」する。
図13Aでのニューラルネットワークモデルに関して上で論じたように、各層でのノードの重みは、出力層1306bのノード1によって出力された価格と、モデルを訓練するために使用されるサブセット内の以前の出品リスト116に関する指定された実際の最適価格値との比較によって調整することができる。このようにして、誤差を減らすために逆伝播によって各訓練反復で重みを調整することができる。
【0143】
[0155] 本明細書においては、入力層1302bのノードi+1~j(例えば、
図13Bの入力層1302bでのノード4~6)について述べる。上で説明したように、これらの入力ノードは、指数関数的であり得る価格に対する効果を有し、したがってスケーリング係数を考慮に入れる隠れ層1304bのノード2に出力される。まず、これらのノードi+1~jの1つとして、画像価値の尺度が使用されることがある。画像価値は、
図13Aに示されるものなどニューラルネットワークの使用の出力の結果であり得る。出品リスト112に関して使用される各画像は、入力層1302aの入力ノードで使用される入力データを有することがある。
【0144】
[0156] 例えば、画像の輝度レベルが特定の閾値を超えているかどうかを示すノード1が存在し得る(これは、1又は0のブール値であり、「はい」の場合は1、「いいえ」の場合は0である)。同様に、カメラから被写体までの特定量の閾値距離が存在するかどうかを示すノード2も存在し得る(これも、上記の明るさと同様にブール値でよい)。
【0145】
[0157] 影の効果が顕著かどうかを示すノード3も存在し得る(これは、1又は0のブール値であり、「はい」の場合は0、「いいえ」の場合は1である)。入力層1302aには任意の数の追加の入力が存在することがあり、そのようなニューラルネットワークは、
図13Aに関して上で論じた経験則に従うことがある。
図13Aに示されるタイプのそのようなニューラルネットワークの出力は、出力層1306での単一のノード1でよく、これは画像の値のスコアを示す。スコアがより高い場合、その画像は、出品リスト112への注目を引き、最終的に価格を上昇させるのにより価値があり得ることを意味する。
【0146】
[0158] したがって、上述したように、出品リスト112(訓練データとして使用される以前の出品リスト116と、テストデータとして使用されるFSO106に関する現在の出品リスト112との両方)に関して使用される各画像は、画像価値スコアを決定するために使用される入力層1302aのノード1~iでの入力データ値を有することがある。一実施形態では、最大スコアを有する画像は、デフォルトの出品リスト画像1002としてGUI1000上に自動的に表示されることがある。次に、全ての画像に関するスコアが平均化され、画像の価値を示す1~10のスケールで正規化されることがある。任意の他のスケール(0~1など)を使用することもできる。次いで、この正規化された画像価値統計が、(
図13Bでのノード4~6に対応する)入力ノードi+1~jのうちの1つの入力ノードで使用されることがある。
【0147】
[0159] 画像価値と同様に、
図13Aと同様の別のニューラルネットワークの出力が、FSO106の社会的好感度又はトレンド性質値を決定するために使用されることがある。社会的好感度は、ノード1~iのうちの1つで、通常の価格設定に影響を与える入力ノードとして使用されることがあり、トレンド性質値は、入力ノードi+1~jのうちの1つでスケーリング係数として使用されることがある。
【0148】
[0160] これらの尺度の両方について、
図13Aのニューラルネットワークに似た別個のモデルが使用されることがある。始めに、両方のモデル(社会的好感度及びトレンド性質値)に関して、まずbag of wordsを作成することができる。そのようなbag of wordsは、FSO106の出品リスト112と、説明406、カテゴリ408、ブランド412、及びタイトル402を含む同じカテゴリの以前の出品リスト116との元のテキスト文字列データを取得し、FACEBOOK、TWITTER、SINA WEIBO、AMEBA、INSTAGRAMなどのソーシャルメディアコンテンツサービスからこのテキストに好適に合致すると思われる関連の投稿を見つけることによって作成されることがある。これらの関連の投稿から、
図13Aに関して上述したような最もよく見られる語幹を含むbag of wordsを作成することができる。次いで、
図12のブロック1208に関して上で論じたように、bag of words手法又はtf-idf手法を使用してモデルが訓練されることがあり、そのようなモデルの出力層1306aでの単一の出力ノード1で社会的好感度のスコアを出力する。
【0149】
[0161] トレンド性質値に関して、社会的好感度モデルがバギング手法で使用されることがある。例えば、社会的好感度モデルは、所定の年数のみの窓内にある(上で論じた数値データ1206からの)販売日を有する以前の出品リストを使用して訓練されることがあり、この窓は、時間と共に移動されることがあり(例えば、2000年~2003年、2003年~2006年、2006年~2009年、2009年~2012年などの3年間の窓で116からの以前の出品リストを使用した社会的好感度モデルの訓練)、異なる窓ごとに新たなニューラルネットワークモデルが使用される。
【0150】
[0162] 最近の傾向をより詳しく捉えるために、より小さい窓(例えば1ヶ月)が使用されることがあるが、処理時間の増加にもつながり、したがって、販売者104にとって最適なバランスが決定されて使用されることがある。次いで、FSO106に対応する出品リスト112からの入力テストデータが、それぞれの異なる窓ごとに、作成された各モデルに関して使用されることがあり、社会的好感度スコアを出力することがある。FSO106のテキストデータは、各モデルに適用される同じ入力データであるので、モデル間で社会的好感度スコアに急増がある場合、これは、製品カテゴリ152内の製品の社会的好感度の経時的な変化率の急増であるとみなされ、したがって、bag of wordsに関連付けられる言葉の使用は、指数関数的により大きい(又は、製造業者の過失などによりマイナスの傾向がある場合にはより小さい)需要を引き寄せ、価格を上昇させることがある。一実施形態では、例えばFSO106の現在の出品時間に至るまでの1ヶ月の窓(又は、既に出品されている場合には出品リストの経過時間)でそのような複数の社会的好感度モデルが作成されてもよく、社会的好感度スコアの直近の平均変化率(例えば過去3ヶ月にわたる)は、-1~1(又は任意の他の数値スケール)のスコアに正規化されて、
図13Bでの入力ノードi+1~jのうちの1つの入力ノードにおいてトレンド性質値として使用されることがある。
【0151】
[0163] 最後に、スケーリング係数とみなされる別のノードは、以前の出品リスト116の訓練データが最近のものである度合いである。
図13Bのモデルを訓練する際、最近のデータは、一実施形態ではより価値があるものとして強調されることがある。なぜなら、売買環境の違いにより、最近のデータは、古いデータよりも、現時点での最適提供価格に対して大きな関係性を有し得るからである。このより大きな強調を作成するために、最近性の度合いの測定基準が、スケーリング係数として、
図13Bでの入力ノードi+1~jのうちの1つの入力ノードとして使用されることがある。代替として、入力ノード1~jの全てに最近性の度合いの測定基準を乗算することができ、より最近の以前の出品リストが、出力層1306bのノード1によって出力される最適価格により大きい影響を与えることができるようにする。
【0152】
[0164] このようにして、
図13Bのニューラルネットワークは、FSO106と同じカテゴリ152(又は上述した代替実施形態では全てのカテゴリ152)の以前の出品リスト116を含む訓練データによって訓練され、次いで、それに従って重みx
i、y
j、p、及びqを調整するために逆伝播されることがある。次いで、訓練されたモデルは、FSO106の出品リスト112に関連付けられたノード1~jに関する入力値と共に使用することができる。最終的に、これらのテスト入力値と共に使用されるとき、1306aのノード1によって最適価格が出力される。
【0153】
[0165] 次いで、この計算された最適価格は、
図10に示されるように、GUI1000に返されてフィールド1004で出力される。そのような価格の価格範囲は、上述した第1又は第2のパラダイムの手法を使用して計算されることがあり、又は
図13Bのニューラルネットワークモデルを使用して計算されることがある。
図13Bのニューラルネットワークモデルを使用して価格範囲を計算するために、間引き(leaving-out)技法が使用される。間引き技法では、ニューラルネットワークモデルの接続のランダムに選択された部分が、モデルからオフにされる、又は枝切りされる。
【0154】
[0166]
図13Aを参照して一例が示されており、ここで、ドロップアウトが0.25の場合、入力層1302aノードから隠れ層1304aのノードへの8つの接続があると仮定すると、これらのうちの2つ(太線)がランダムに枝切りされることがある。同様に、隠れ層1304aから出力層1306aへのノードからの2つの接続(太線)も枝切りされることがある。このプロセスを所定の反復回数だけ繰り返し、これらの「間引き」されたニューラルネットワークモデルのそれぞれを訓練し、これらのモデルそれぞれの出力層1306bからの出力スコアを観察することによって、価格範囲を構築することができる。
【0155】
[0167] 例えば、ドロップアウトを0.25として100個のそのようなモデルが作成された場合、FSO106に関する出品リスト112に関連付けられた入力値を使用して、100個の異なる予測が作成されることがある。出力スコアのこれらの異なる予測を使用して、これらのうちの50個が特定の範囲内にある場合、これは使用される50%価格範囲であり得る。ここでも、これは変動性の尺度であり、予測された最適価格がそのような価格範囲の中心になるようにシフトされることがある。使用されるドロップアウトのパーセンテージは、以前の出品リスト116に関して存在する既知の価格範囲と比較されることがあり、価格範囲に関する適切な予測を提供することができるようにする。
【0156】
[0168] したがって、最適価格及び価格範囲(一実施形態では最適価格が価格範囲の中心にある)がGUI1000に出力されることがある。価格範囲(スコア値の中央50%をカバーする)は、色で強調表示され、水平軸1010に沿って表示されることがあり、この範囲を下回る及び上回る値は、それぞれ異なる色で強調表示されることがある。
図10に示されるように、この横軸の中心にスライダが設定されることもあり、最適価格に対応し、付随するメッセージがメッセージバブル1006によって示されることがあり、利益を最大化し、製品が売れるまでの時間を最小化しながらFSO106を販売するのにこの範囲が適していることを示す。
【0157】
[0169] 同じカテゴリの以前の出品リスト116に関して上で論じたようにブロック1216からの閲覧数の履歴データに基づいて計算されることがある閲覧曲線1008は、軸1010の価格範囲に重ね合わされることがあり、最大閲覧数から垂直の破線が表示される。このようにして、ユーザは、価格範囲内のどの価格で最も多く閲覧してもらえる可能性が高いかを知ることができ、それと同時に、利益を最大化し、商品が売れるまでに必要とされる時間を最小化する。
【0158】
[0170] 図示されているように、FSO106に関する計算された価格範囲内の販売価格を有するFSO106に関するカテゴリ152内の類似製品がフィールド1012に表示されることがある。最後に、GUI1000のフィールド1020に関して、自動調整チェックボックス1020を示すことができる。チェックボックスの存在は、チェックされたときに、スライダ1018で示されるように利益を最大化する、又は売れるまでの時間を最小化する(「時間最大化」)ための直感的な方法をユーザに提供することができる。すなわち、ユーザがスライダをスライダ1018の利益最大化端部までドラッグするとき、軸1010のスライダが自動的に調整されて、最適価格範囲の右端(中央50%であるが、他の実施形態では任意の他の所定の範囲でよい)、すなわち
図10では400ドルに進むことがある。逆に、ユーザがスライダをスライダ1018の時間最大化端部までドラッグするとき、軸1010のスライダは、軸1010の最適価格範囲の左端、すなわち
図10では300ドルに自動的に調整されることがある。
【0159】
[0171]
図12のブロック1212に示されるように、ニューラルネットワーク回帰モデルの代わりに、ランダムフォレスト回帰モデル又はブースティング決定木回帰モデルを使用することもできる。そのようなモデルについて
図14を参照して述べる。これらのモデルは、条件付き評価に基づいている。まず、過去出品リスト116を含む訓練データについて、入力データは判断分岐1402で評価される。図示される木1400では、分岐は、出品リスト112の条件1402に基づく。
【0160】
[0172] したがって、製品が「新品同様」状態である場合、木の右のパスをたどって下ることがあり、製品が「古い」状態である場合、木の左のパスをたどって下ることがある。製品が「古い」場合、そのメーカー1404が検査されることがあり、製品がメーカーBの製品である場合、訓練スコアはボックス1410に入る。訓練プロセスの最後に、ボックス1408、1410、1412、及び1414が平均化され、各パスの最後にただ1つの出力値が残る。次いで、テスト入力データが決定木1400で使用されるとき、出力値は最適価格506である。決定木では、ニューラルネットワーク回帰モデルでのノード1~jの最高パフォーマンスの特徴を分岐ノード(分散を最小化する特徴)とみなすことができ、これは、カテゴリ142に関する1本の木をもたらす。
【0161】
[0173] しかし、ランダムフォレスト回帰では、これらの特徴がランダムに選択され、複数の木が作成される。ニューラルネットワークモデルでのノード1~jを構成する特徴を考慮に入れることができ、特徴(例えば5つの特徴)のランダム化された閾値が、決定木を作成するために使用される。複数のそのような木が作成されることもあり、それらのスコアが平均化され、最適スコア506として出力されることがある。第1又は第2のパラダイムが使用される場合、上述したように、販売者104は、販売者104が出品リストの経過時間の所定数(例えば20日)以内に売りたいと思っていることを(仕様154を介して)価格設定モジュール138に知らせることができる。
図2に示される例示的なカテゴリ価格減衰曲線202が、提供されるFSO106のカテゴリ152に適用されると仮定する。
図2の例では、80%の価格減衰点208Bが、出品リスト経過時間210=20日に最も近い。したがって、価格設定モジュール138は、この価格減衰点208B(すなわち80%)を適用し、それにより8ドル(すなわち0.8×10ドル)の提供価格404を提案することができる。追加又は代替として、販売者104に関連付けられる販売者柔軟性曲線304が、提供価格404を生成するために同様に適用されることがある。
【0162】
[0174] 第1及び第2のパラダイムと同様に、価格範囲の生成後の第3のパラダイムも、最適価格及び価格範囲に関する関連の信頼閾値(ct_cとして示される)を有することがある。そのような信頼閾値は、ニューラルネットワーク回帰モデルを訓練するために使用される過去出品リスト116の数、及び価格範囲の生成に使用される過去出品リスト116の数に依存し得る。
【0163】
[0175] 信頼閾値に応じて、第1、第2、又は第3のパラダイムを使用するための決定を行うことができる。例えば、決定のための閾値が設定されることがある(例えば、0.6)。第3のパラダイムが、決定閾値よりも大きい信頼閾値統計値を有し(例えば、ct_cが0.8である)、且つct_b、ct_aが決定閾値未満である場合、第3のパラダイムを使用することができる。複数のパラダイムが決定閾値を超える信頼閾値を有する場合、最高の信頼閾値尺度を有するパラダイムを使用することができる。最後に、いずれのパラダイムも決定閾値を超える信頼閾値を有さない場合、3つのパラダイムによって生成された3つの最適価格及び価格範囲全ての加重平均が使用されることがある。例えば、最適価格は、次式に従って計算されることがある。
【数6】
【0164】
[0176] 第1~第3のパラダイムに関する価格範囲の下限と上限は、上記の式の最適価格a~cの値を下限a~c及び上限a~cに置き換えて、同様に重み付けすることができる。これらの式では、「a」は第1のパラダイムに対応し、「b」は第2のパラダイムに対応し、「c」は第3のパラダイムに対応する。
【0165】
[0177] FSO106に関する提供価格を生成するための他の実施形態は、2019年2月28日出願の「在庫摂取及び価格設定システム(Inventory Ingestion And Pricing System)」という名称の米国特許出願第16/288,203号(代理人整理番号4223.0110001)に記載されており、その特許文書全体を参照により本明細書に援用し、それらの実施形態の任意のものを本明細書で使用することがある。
【0166】
[0178] 再び
図6を参照すると、612で、出品リスト作成モジュール134は、提供されるFSO106に関して1つ又は複数の出品リスト112を生成する。異なる出品リスト112は、異なるタイトル、説明、画像、及び提供価格404を有することがある。上で論じたように、出品リスト112での提供価格404は、604で提供された販売者の元の価格504、610で価格設定モジュール138によって生成された最適価格506、及び例えば608で決定された提供されるFSO106の販売者104及び/又はカテゴリ152に関連付けられるZOPA508に基づく中間の価格であり得る。
【0167】
[0179] 例えば、ZOPA508Bに関して論じた上記の例を参照すると、購入者の合意を早める狙いで、提供価格P2~P5を同時にカバーする複数の出品リストが生成されることがある。別の例では、上記の人工知能の側面に関して論じたように、ニューラルネットワーク分析ごとに、一部の画像が他の画像よりも価値があるとみなされることがある。この場合、値の特定の閾値を超えない画像は、追加の生成される出品リストから除外されることがある。
【0168】
[0180] 例えば、画像に関する元の出力画像価値の値が許容閾値未満である場合、追加として生成される出品リストから除外されることがある。さらに、ソーシャルメディアニューラルネットワークを使用して、同じ製品カテゴリ152内の同様のデータ点を査定し、任意の特定の記述言語をアプリケーショントレンドに関連付けることができるかどうかを判断することができる。例えば、出品リスト情報126は、ソーシャルメディア需要ニューラルネットワークからの高いソーシャルメディア出力値に対応する入力として提示される説明又はタイトルの言葉について検索されることがある。例えば、ソーシャルメディアニューラルネットワークで、非常に話題になっているハンドバッグに単語「新しいレザー」、「新品」、又は「美品」が関連付けられることがある場合、これらの単語も、追加の生成される出品リスト112内で使用することができる(出品リスト112の元の説明406でまだ使用されていない場合)。カテゴリ内の非常にトレンドの製品に関連付けられている様々な単語がある場合、複数の出品リスト112が生成されることがあり、1つの出品リストが、これらの単語入力のそれぞれに対応する。
【0169】
[0181] 追加の出品リストを生成するそのような操作のさらなる例が、
図8のフローチャート802に示されている。804で、出品リスト作成モジュール134は、提供されるFSO106の潜在的購入者108を識別する。例えば、FSO106が特定のデザイナードレスである場合、潜在的購入者108は、そのデザイナーによるドレスを検索又は購入した人であり得る。別の例として、FSO106がIPHONEアクセサリである場合、潜在的購入者108は、IPHONEを最近購入した人、又はIPHONEアクセサリを最近検索した人であり得る。
【0170】
[0182] 806で、出品リスト作成モジュール134は、提供されるFSO106に関する出品リスト112の少なくとも一部を生成し、804で識別された潜在的購入者108のためにカスタマイズする。出品リスト作成モジュール134は、潜在的購入者108によって購入されたFSO106の過去出品リスト116を検索することによってこれを実装することができる。次いで、出品リスト作成モジュール134は、上述したニューラルネットワークモデルを使用することができ、モデルは、過去出品リスト116のこのサブセット、及び関連の取引情報118で訓練されることがある。このようにして、ニューラルネットワークは、過去出品リスト116を分析して、ニューラルネットワークモデルの特徴に関して潜在的購入者108の傾向及び嗜好を識別することができる。特定の説明、語句、画像タイプ、又は他の出品リスト情報126は、潜在的購入者108からのより高い需要に関連付けられることがあり、したがって、より高い収益性を販売者にもたらすことができる。例えば、一部の購入者108は、提供価格404が特定の範囲内にある場合、又はスケールが示されている画像を出品リスト112が含む場合、又は出品リスト112があまり繁雑でない場合(例えばより短い説明を含む場合)に、より購入する可能性が高くなり得る。
【0171】
[0183] 808では、サイト110に出品リスト112を掲載することに加えて、出品リスト作成モジュール134は、カスタマイズされた出品リスト112にそれぞれの潜在的購入者108の注意を引き寄せることができる(電子メール又はテキストを介して、又はサイト110での購入者108のホームページに掲載する)。
【0172】
[0184] 出品リスト112を自動的に生成するための他の実施形態は、2019年2月28日出願の「在庫摂取及び価格設定システム(Inventory Ingestion And Pricing System)」という名称の米国特許出願第16/288,203号(代理人整理番号4223.0110001)、及び2019年9月16日出願の「拡張現実コンピュータ技術を使用した出品リストの作成の自動化(Automating The Creation Of Listings Using Augmented Reality Computer Technology)」という名称の米国仮特許出願第62/900,764号(代理人整理番号4223.0120000)に記載されており、それらの特許文献の全体を参照により本明細書に援用し、それらの実施形態の任意のものを本明細書で使用することがある。
【0173】
[0185] 再び
図6を参照すると、614で、出品リスト112がサイト110に掲載された後(及び提供されるFSO106が売れる前)、スマートナッジエンジン140は、現在の出品リスト経過時間210に関連付けられるZOPA508を定期的に使用して、より低い提供価格404を販売者104に提案し、(提供価格404がまだZOPA508にない限りにおいて)提供価格404を適用可能なZOPA508に「誘導」する。
【0174】
[0186] 上でも論じたように、販売者104が最初にFSO106を売りに出した後、異なる出品リスト経過時間でZOPAを決定する際、最適価格506が定期的に再評価されることがある。最適価格506が後で再評価されるとき、ニューラルネットワークの入力1~jは、最適価格を決定するために上述したニューラルネットワーク回帰モデルに再入力されることがある。このようにして、このモデルは、市場の状況により、変化する需要を把握することが可能であり得る。
【0175】
[0187] 例えば、新製品が出た場合、製品が腐敗する又は季節外れになる場合、又は販売者が現在財政難であり、GUI1000でのスライダ1018をドラッグして、販売者がすぐに製品を売りたいことを示す場合、これらの入力のそれぞれをモデルで考慮に入れて、モデルを調整して新たな最適価格506を提案することができる。さらに、FSO106が最初に売りに出されたときには存在しなかった可能性があるソーシャルメディアトレンドの出現も、スマートナッジエンジン140による最適価格506の再評価によって捉えられることがある。
【0176】
[0188] 追加の実施形態では、売切り条件が存在する場合、
図13Bのニューラルネットワークモデルに関して上述したようにバギング又はブートストラップ手法を実施することができ、
図10のGUI1000でのフィールド1016の値(日数)を超える販売日を有する全ての以前の出品リストがモデルの訓練から除外されることがある。最適な価格が再評価される場合、ニューラルネットワークモデルは、さらなる実施形態では、バギング/ブートストラップ手法を採用することもあり、その場合、現在の出品時間よりも前の販売日を有する全ての以前の出品リスト116が除外されることもある。例えば、ZOPA508Bに関する出品時間は15日である。
図10での1016の売切り条件が56日である場合、この手法に従って、15日で
図13Bのニューラルネットワークモデルによって最適価格が再評価されるとき、初期提供日から15日よりも前又は56日よりも後に売られた全ての以前の出品リスト116がモデルの訓練から除外されることがある。次いで、モデルは、初期提供日から15日~56日の間に売れた以前の出品リストによって再訓練されることがあり、次いで、出品リストに関連付けられたテストデータ(
図10のGUI1000での任意の更新されたフィールドを含む)が、モデルのノード1~jに関するテストデータとして入力されることがあり、更新された最適価格506が出力されることがある。
【0177】
[0189] この更新されたブートストラップ/バギング手法を採用することによって、出品リストの経過時間210に特有の傾向を捉えることが可能であり得る。さらなる実施形態では、バギング/ブートストラップは、1つのモデルでは0日から売切り条件(例えばフィールド1016では56日)の間、別のモデルでは15日~56日の間で行われることがあり、両方のモデルの出力が平均化されることもある。
【0178】
[0190] そのような動作の一例が、
図9のフローチャート902に示されている。904で、スマートナッジエンジン140は、現在の出品リスト経過時間210に適用可能なZOPA508にアクセスする。
【0179】
[0191] 906で、スマートナッジエンジン140は、現在の提供価格404が適用可能なZOPA508の外にある出品リスト112について新たな提供価格404を決定する。新たな提供価格404は、これらの出品リスト112ごとに異なることがある。
【0180】
[0192] また、いくつかの実施形態では、FSO106がチャリティー目的で売られていることを販売者104が示した場合、より短期間でFSO106を売れるように、スマートナッジエンジン140は、より積極的な提供価格404(すなわち最適価格506により近い)を生成することがある。同様に、価格設定モジュール138は、販売者104が販売がチャリティー目的であることを示したとき、610において(初期提供価格404として)より積極的な(すなわちより低い)最適価格506を生成することがある。販売者104が、FSO106を比較的短い期間内に売りたいと望んでいることを仕様154を介して示した場合にも、同じことが当てはまる。
【0181】
[0193] また、906で、スマートナッジエンジン140は、これらの新たな提供価格404を販売者104に提案し、ここで、新たな提供価格404は、現在の出品リスト経過時間210に関する適用可能なZOPA508の範囲内である。販売者104が合意する場合、908で、スマートナッジエンジン140は、出品リスト112での提供価格404を変更する。他の実施形態では、(604で)販売者104によってそのように指示された場合、スマートナッジエンジン140は、販売者104の承認を求めることなく、上で論じたように提供価格404を自動的に調整する。
【0182】
[0194] 再び
図6を参照すると、ステップ614は、提供されるFSO106が売れるまで繰り返される。
【0183】
[0195] 616で、提供されるFSO106が売れた後、購入者108からの支払いが処理される(606で販売者104がチャリティーオプションを選択した場合、指定された慈善団体に提供される)。612で生成されたFSO106に関連付けられた出品リスト112は全て、他の購入者108によるさらなる購入を防止するためにロック又は削除される。
【0184】
例示的なコンピュータシステム
[0196] 様々な実施形態及び/又はその構成要素は、例えば、
図10に示されているコンピュータシステム1500など1つ又は複数のコンピュータシステムを使用して実装することができる。コンピュータシステム1500は、本明細書で述べる機能を実行することが可能な任意のコンピュータ又はコンピューティングデバイスでよい。例えば、1つ又は複数のコンピュータシステム1500又はその一部を使用して、
図1~14の任意の実施形態、及び/又はそれらの任意の組合せ若しくは部分的な組合せを実装することができる。
【0185】
[0197] コンピュータシステム1500は、プロセッサ1504など1つ又は複数のプロセッサ(中央処理装置又はCPUとも呼ばれる)を含む。プロセッサ1504は、通信インフラストラクチャ又はバス1506に接続される。
【0186】
[0198] 1つ又は複数のプロセッサ1504は、それぞれグラフィックス処理ユニット(GPU)でよい。いくつかの実施形態では、GPUは、数学的計算量の多いアプリケーションを処理するように設計された特別な電子回路であるプロセッサである。GPUは、コンピュータグラフィックスアプリケーション、画像、ビデオなどでよくある数学的計算量の多いデータなど、データの大きなブロックの並列処理に効率的な並列構造を有することができる。
【0187】
[0199] コンピュータシステム1500は、ユーザ入力/出力インターフェース1502を介して通信インフラストラクチャ1506と通信するユーザ入力/出力デバイス1503、例えばモニタ、キーボード、ポインティングデバイスなども含む。
【0188】
[0200] コンピュータシステム1000は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメイン又は一次メモリ1008も含む。メインメモリ1508は、1つ又は複数のレベルのキャッシュを含むことができる。メインメモリ1508は、制御論理(すなわちコンピュータソフトウェア)及び/又はデータを記憶している。
【0189】
[0201] コンピュータシステム1500は、1つ又は複数の二次記憶デバイス又はメモリ1510を含むこともできる。二次メモリ1510は、例えばハードディスクドライブ1512及び/又はリムーバブルストレージデバイス若しくはドライブ1514を含むことができる。リムーバブルストレージドライブ1514は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光ストレージデバイス、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他のストレージデバイス/ドライブでよい。
【0190】
[0202] リムーバブルストレージドライブ1514は、リムーバブルストレージユニット1518と対話することができる。リムーバブルストレージユニット1518は、コンピュータソフトウェア(制御論理)及び/又はデータを記憶しているコンピュータ使用可能又は可読記憶デバイスを含む。リムーバブルストレージユニット1518は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光記憶ディスク、及び/又は任意の他のコンピュータデータ記憶デバイスでよい。リムーバブルストレージドライブ1514は、よく知られている様式でリムーバブルストレージユニット1518から読み書きする。
【0191】
[0203] 例示的実施形態によれば、二次メモリ1510は、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータがコンピュータシステム1500によってアクセスされることを可能にするための他の手段、方策、又は他の手法を含むことができる。そのような手段、方策、又は他の手法は、例えばリムーバブルストレージユニット1522及びインターフェース1520を含むことができる。リムーバブルストレージユニット1522及びインターフェース1520の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスで見られるものなど)、リムーバブルメモリチップ(EPROM又はPROMなど)、及び関連のソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連のメモリカードスロット、及び/又は任意の他のリムーバブルストレージユニット及び関連のインターフェースを含むことができる。
【0192】
[0204] コンピュータシステム1500は、通信又はネットワークインターフェース1524をさらに含むことができる。通信インターフェース1524は、コンピュータシステム1500が、(参照番号1528によって個別に及びまとめて参照される)リモートデバイス、リモートネットワーク、リモートエンティティなどの任意の組合せと通信及び対話することを可能にする。例えば、通信インターフェース1524は、コンピュータシステム1500が、通信経路1526を介してリモートデバイス1528と通信することを可能にすることができ、通信経路1526は、有線及び/又は無線でよく、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組合せを含むことができる。制御論理及び/又はデータは、通信経路1526を介してコンピュータシステム1500との間で伝送することができる。
【0193】
[0205] いくつかの実施形態では、制御論理(ソフトウェア)が記憶されている有形のコンピュータ使用可能又は可読媒体を含む非一時的であり有形の装置又は製造物品は、本明細書では、コンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスとも呼ばれる。これは、限定はしないが、コンピュータシステム1500、メインメモリ1508、二次メモリ1510、及びリムーバブルストレージユニット1518、1522、並びに前述の任意の組合せを具現化する有形の製造物品を含むが、これらに限定されない。そのような制御論理は、1つ又は複数のデータ処理デバイス(コンピュータシステム1500など)によって実行されるとき、そのようなデータ処理デバイスを、本明細書で述べたように動作させる。
【0194】
[0206] 本開示に含まれる教示に基づいて、
図15に示されている以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム、及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して本開示の実施形態を作成及び使用する方法が当業者には明らかであろう。特に、いくつかの実施形態は、本明細書で述べたもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステム実装で動作することができる。
【0195】
結論
[0207] 本開示は、例示的な分野及び用途に関する例示的実施形態を述べているが、本開示がそれらに限定されないことを理解されたい。他の実施形態及び修正形態が可能であり、本開示の範囲及び精神内にある。例えば、この段落の一般性を制限することなく、いくつかの実施形態は、図に示される及び/又は本明細書で述べられるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はエンティティに限定されない。さらに、(本明細書で明示的に述べているかどうかにかかわらず)いくつかの実施形態は、本明細書で述べた例を超えた分野及び用途に対して大きな有用性を有する。
【0196】
[0208] 本明細書では、いくつかの実施形態を、指定された機能及びそれらの関係の実装を示す機能ビルディングブロックにより述べてきた。これらの機能ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に定義されている。指定された機能及び関係(又はそれと同等のもの)が適切に実施される限り、代替の境界を定義することもできる。また、代替実施形態は、本明細書で述べた順序とは異なる順序を使用して、機能ブロック、ステップ、操作、方法などを実施することができる。
【0197】
[0209] 本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」、又は同様の語句への言及は、記載される実施形態が特定の機能、構造、又は特徴を含むことができるが、あらゆる実施形態が特定の機能、構造、又は特徴を必ずしも含む必要はないことを示す。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の機能、構造、又は特徴が実施形態に関連して述べられているとき、本明細書で明示的に言及又は記載されているかどうかにかかわらず、そのような機能、構造、又は特徴を他の実施形態に組み込むことは、当業者の知識の範囲内であろう。さらに、「結合され」及び「接続され」という表現をそれらの派生語と共に使用していくつかの実施形態を述べることがある。これらの用語は、必ずしも互いに同義として意図されてはいない。例えば、いくつかの実施形態は、「接続され」及び/又は「結合され」という用語を使用して、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すことができる。しかし、「結合され」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協働又は相互作用することを意味することもできる。
【国際調査報告】