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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/50 20200101AFI20230726BHJP
【FI】
D06F33/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580138
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2021007880
(87)【国際公開番号】W WO2021261908
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0077203
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0016700
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヒュクソ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ウォヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム,テウォン
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA05
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE07
3B167AE12
3B167BA43
3B167HA15
3B167HA16
3B167JA41
3B167KA02
3B167KA08
3B167KA12
3B167KA32
3B167KA36
3B167KA46
3B167KA63
3B167KA66
3B167LC05
3B167LC19
3B167LC20
3B167LD12
(57)【要約】
衣類処理装置に関し、本発明の一実施例による衣類処理装置は、キャビネット、ドラム及び圧縮機センサを含む流体循環部と、ファンを含む空気循環部と、第1駆動機及び第2駆動機を含む駆動部と、制御部とを含み、乾燥行程は、ドラム内の乾燥効率を上げるための増率過程、乾燥効率を維持するための恒率過程及び乾燥効率を減少させるための減率過程を含み、制御部は圧縮機センサの測定値により増率過程、恒率過程及び減率過程を区分して乾燥行程を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理装置であって、
キャビネット;
前記キャビネット内に回転可能に備えられ、衣類が収容されるドラム;
流体が循環する凝縮器、圧縮機及び蒸発器を備え、前記圧縮機から吐出される流体の温度を測定する圧縮機センサを備える流体循環部;
前記流体循環部を経て加熱された空気を前記ドラム内に流動させるファンを備える空気循環部;
前記ドラムを回転させる第1駆動機及び前記ファンを回転させる第2駆動機を備える駆動部;及び
前記圧縮機、前記第1駆動機、及び前記第2駆動機をそれぞれ制御して前記衣類の乾燥行程を行う制御部;を備えてなり、
前記乾燥行程は、
前記ドラム内の乾燥効率を上げるための増率過程、
前記乾燥効率を維持するための恒率過程及び前記乾燥効率を減少させるための減率過程、を含み、
前記制御部は、前記圧縮機センサの測定値によって前記増率過程、前記恒率過程、及び前記減率過程、を区分して前記乾燥行程を行う、衣類処理装置。
【請求項2】
前記乾燥効率は、前記ドラム内で予想される水分の最大蒸発量に対する実際蒸発量により導き出される、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記増率過程において、前記圧縮機センサの測定値が所定の恒率進入圧縮機センサ値に到達すると、前記増率過程を終了して前記恒率過程を行う、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記流体循環部は、前記蒸発器に流入又は流出される流体の温度を測定する蒸発器センサを更に備え、
前記制御部は、前記圧縮機センサの測定値が前記恒率進入圧縮機センサ値に到達した状態で、前記蒸発器センサの測定値が所定の恒率進入蒸発器センサ値に到達すると、前記恒率過程を行う、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記キャビネットの外部の大気温度を測定する外気センサ;を更に備え、
前記制御部は、前記外気センサの測定値が高いほど前記恒率進入圧縮機センサ値をより高い値に補正する、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記増率過程において、前記圧縮機の周波数を前記恒率過程より高い値に制御する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記増率区間は、第1増率過程及び前記第1増率過程の終了後に行われる第2増率過程を含み、
前記制御部は、前記第1増率過程において、前記乾燥効率の増加率が前記第2増率過程より大きいように前記駆動部及び前記圧縮機を制御し、
前記制御部は、前記第1増率過程を所定の第1増率過程実行時間だけで行った後、前記第2増率過程を行う、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記第1増率過程は、前記圧縮機センサの測定値増加率が前記第2増率過程よりも大きい、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1増率過程において前記ファンのRPMが前記第2増率過程よりも低いように前記第2駆動機を制御する、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記増率過程において前記圧縮機の周波数が一定であるように前記圧縮機を制御する、請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ドラムのRPMが前記第1増率過程及び前記第2増率過程において同一であるように前記第1駆動機を制御し、
前記第1増率過程において前記ファンのRPMが前記第2増率過程よりも低いように前記第2駆動機を制御する、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記第1増率過程は、前記制御部が前記第1駆動機を制御して前記ドラムを回転させて前記ドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、
前記制御部は、前記第1増率過程において前記洗濯物量判断過程の後、前記ドラムのRPMが一定であるように前記第1駆動機を制御する、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記ドラムのRPM及び前記ファンのRPMが前記第2増率過程及び前記恒率過程において同一であるように前記駆動部を制御する、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記恒率過程において、前記圧縮機センサの測定値が所定の減率進入圧縮機センサ値に到達すると、前記恒率過程を終了して前記減率過程を行う、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記流体循環部は、前記蒸発器に流入又は流出される流体の温度を測定する蒸発器センサを更に備え、
前記制御部は、前記恒率過程において、前記圧縮機センサの測定値が前記減率進入圧縮機センサ値に到達し、前記蒸発器センサの測定値変化率が所定の減率進入変化率に到達すると、前記恒率過程を終了して前記減率過程を行う、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記ドラムには衣類に接して水分量を測定するための電極センサが設けられ、
前記制御部は、前記恒率過程において前記圧縮機センサの測定値が前記減率進入圧縮機センサ値に到達し、前記電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると、前記恒率過程を終了して前記減率過程を行う、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
前記流体循環部は、前記蒸発器に流入又は流出される流体の温度を測定する蒸発器センサを更に備え、
前記ドラムには衣類に接して水分量を測定するための電極センサが設けられ、
前記制御部は、前記圧縮機センサの測定値が前記減率進入圧縮機センサ値に到達した状態で、前記蒸発器センサの測定値変化率が所定の減率進入変化率に到達するか、又は前記電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると、前記恒率過程を終了して前記減率過程を行う、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項18】
前記乾燥行程は、前記制御部が前記駆動部を制御して前記ドラムを回転させて前記ドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、
前記制御部は、前記衣類量が所定の少量基準値以上である場合、前記電極センサの測定値を用いて前記減率過程を判断する、請求項16に記載の衣類処理装置。
【請求項19】
前記減率過程は、第1減率過程及び前記第1減率過程の終了後に行われる第2減率過程を含み、
前記制御部は、前記第1減率過程において前記乾燥効率の減少率が前記第2減率過程よりも低いように前記駆動部及び前記圧縮機を制御する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記第1減率過程を行った後、所定の第2減率過程実行時間だけ前記第2減率過程を行う、請求項19に記載の衣類処理装置。
【請求項21】
前記ドラムには衣類に接して水分量を測定するための電極センサが設けられ、
前記制御部は、前記第1減率過程において前記電極センサの測定値が所定の観測時間の間に所定の第2減率進入電極センサ値に該当する場合、前記第1減率過程を終了して前記第2減率過程を行う、請求項19に記載の衣類処理装置。
【請求項22】
前記乾燥行程は、前記制御部が前記駆動部を制御して前記ドラムを回転させて前記ドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、
前記制御部は、前記衣類量が所定の少量基準値以上である場合、前記電極センサの測定値が前記第2減率進入電極センサ値に到達すると前記第2減率過程を行う、請求項21に記載の衣類処理装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記衣類量が前記少量基準値未満である場合、前記第1減率過程を所定の第1減率過程実行時間だけ行った後、前記第2減率過程を行う、請求項22に記載の衣類処理装置。
【請求項24】
前記制御部は、前記第1減率過程において前記駆動部のRPM及び前記圧縮機の周波数を前記恒率過程以下の値に制御し、前記第2減率過程において前記駆動部のRPM及び前記圧縮機の周波数を前記第1減率過程より低い値に制御する、請求項19に記載の衣類処理装置。
【請求項25】
前記乾燥行程は、前記制御部が前記駆動部を制御して前記ドラムを回転させて前記ドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、
前記制御部は前記衣類量が所定の大量基準値以上である場合、前記第1減率過程において前記駆動部のRPM及び前記圧縮機の周波数を前記恒率過程と同一に制御する、請求項24に記載の衣類処理装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記衣類量が前記大量基準値未満である場合、前記第1減率過程において前記圧縮機の周波数が前記恒率過程よりも低いように前記圧縮機を制御する、請求項25に記載の衣類処理装置。
【請求項27】
前記制御部は、前記衣類量が前記大量基準値未満である場合、前記第1減率過程において前記第1駆動機を制御して前記ドラムのRPMを前記恒率過程と同じ値に制御し、前記第2駆動機を制御して前記ファンのRPMを前記恒率過程より低い値に制御する、請求項25に記載の衣類処理装置。
【請求項28】
前記制御部は、前記第2減率過程において前記第1駆動機を制御して所定のクーリング時間の間に前記ドラムのRPMを前記恒率過程より低いクーリングRPMに制御し、前記クーリング時間が経過した後、前記ドラムのRPMを前記クーリングRPMより低い値に制御する、請求項24に記載の衣類処理装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記減率過程において前記ファンのRPMが一定であるように前記第2駆動機を制御する、請求項30に記載の衣類処理装置。
【請求項30】
衣類処理装置であって、
キャビネット;
前記キャビネット内に回転可能に備えられ、内部に収容される衣類の水分量を測定するための電極センサを備えるドラム;
流体が循環する凝縮器、圧縮機、及び蒸発器を備える流体循環部;
前記流体循環部を経て加熱された空気を前記ドラム内に流動させるファンを備える空気循環部;
前記ドラム及びファンを回転させる駆動部;及び
前記圧縮機及び駆動部を制御して前記衣類の乾燥行程を行う制御部;を備えてなり、
前記乾燥行程は、前記ドラム内の乾燥効率を維持するための恒率過程及び前記乾燥効率が減少する減率過程を含み、
前記制御部は、前記恒率過程において前記電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると前記恒率過程を終了して前記減率過程を行う、衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関し、ドラムに収容される衣類の乾燥行程を行う衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置はキャビネット内に投入された衣類を処理する装置であり、洗濯機、乾燥機、リフレッシャーなどがある。リフレッシャーは1回着た衣類についた埃、細菌などを除去する装置である。
【0003】
乾燥機は衣類の乾燥行程が行われる衣類処理装置の1つであり、キャビネット内のドラムに収容された衣類の水分を除去する。乾燥機は空気を加熱し、加熱された高温の空気が衣類を通過しながら衣類の水分が蒸発して除去される方式を使用する。
【0004】
乾燥機は空気の加熱方式や空気の流動経路によって排気式乾燥機又は循環式乾燥機に区分される。排気式乾燥機はヒーターで空気を加熱し、衣類を通過した空気が外部に排出される。循環式乾燥機は圧縮機、凝縮器及び蒸発器を備える流体循環部により空気が加熱され、衣類を通過した空気が乾燥機内で再循環する。
【0005】
乾燥行程が行われる衣類処理装置において乾燥行程は複数の過程に区分されるが、関連文献KR10-2006-0023715Aは複数の乾燥区間を含む乾燥行程が行われる衣類処理装置を開示している。
【0006】
関連文献KR10-2006-0023715Aの衣類処理装置は、ドラムから排出される空気の温度変化により含水量を判断して複数の乾燥区間を区分し、電気式ヒーターを使用する排気式乾燥方式を用いる構造を開示している。
【0007】
しかし、圧縮機などを備えるヒートポンプ式乾燥方式では、空気の温度変化を用いた乾燥区間の区分は乾燥効率やエネルギー効率の変化との関連がなく、衣類処理装置に備えられる様々な駆動装置の適切な制御戦略立てとの関連がない。
【0008】
即ち、ヒーターを熱源とする排気式衣類処理装置を中心としてドラム出口側の空気温度の変化により乾燥過程を分ける方式は、乾燥メカニズム特性が異なるヒートポンプ式衣類処理装置、即ち、凝縮式衣類処理装置では活用しにくい。
【0009】
一方、関連文献EP03143190B1には、衣類処理装置に備えられる様々な駆動装置の安定化過程を含む乾燥行程を行う衣類処理装置が開示されている。
【0010】
関連文献EP03143190B1の衣類処理装置では、乾燥行程が行われると、各駆動装置の安定化が行われる安定化区間を判断し、安定化区間はヒートポンプシステムの流体温度を測定して把握される。
【0011】
しかし、この安定化区間は衣類処理装置の各システムの安定化に直接関連するだけであり、効果的な乾燥のための乾燥効率及びエネルギー効率の変化には直接的な関連性が少なく、乾燥行程において安定化区間以外の過程は区分されない。
【0012】
なお、関連文献EP3124680B1には、乾燥行程を複数の過程に区分し、各過程ごとにドラムとファンの同時駆動の有無とファンの回転方向が設定される衣類処理装置が開示されている。
【0013】
関連文献EP3124680B1は衣類の少量負荷に限られる乾燥行程を開示しており、乾燥行程は衣類の分布度改善やヒートポンプの流体温度によって複数の過程に区分されるだけであって、乾燥効率及びエネルギー効率の変化には直接的な関連性がなく、ドラムとファンの同時駆動状況においてドラム及びファンが互いに異なるRPM変化を有することができないので、エネルギー効率及び乾燥効率においてより有利な制御戦略を立てることは難しい。
【0014】
従って、乾燥行程が行われる衣類処理装置において、乾燥行程を乾燥効率又はエネルギー効率などによって複数の過程に区分し、複数の過程を効果的な方式で把握して、複数の過程ごとに各駆動装置の制御戦略を効率的に立てて乾燥効率及びエネルギー効率を向上させることは、この技術分野において重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の実施例は、衣類の乾燥行程を乾燥効率によって複数の乾燥過程に区分して乾燥行程を効率的に行うことができる衣類処理装置を提供しようとする。
【0016】
また本発明の実施例は、衣類の乾燥行程を乾燥効率の挙動傾向によって複数の乾燥過程に区分することにより、乾燥効率の変化をリアルタイムで反映しなくても効果的に各駆動装置の制御戦略を立てることができる衣類処理装置を提供しようとする。
【0017】
また本発明の実施例は、衣類の乾燥行程をなす複数の乾燥過程のそれぞれに対する進入条件を効果的に設定して乾燥行程を効率的に行える衣類処理装置を提供しようとする。
【0018】
また本発明の実施例は、流体循環部及び空気循環部の運用に必要なセンサなどを活用して複数の乾燥過程の進入条件を効果的に判断することにより経済的に有利な衣類処理装置を提供しようとする。
【0019】
また本発明の実施例は、衣類の乾燥行程に含まれる複数の過程ごとに各駆動装置を効率的に作動してエネルギー効率を効果的に向上させる衣類処理装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一実施例は、衣類処理装置において衣類が乾燥される乾燥行程を一般的に適用されるセンサに基づいて複数の過程に分け、各乾燥過程において衣類の蒸発及び湿気の除湿特性によって主要駆動装置に該当する圧縮機、ファン、ドラムなどの運転条件を個々に設定することによりエネルギー効率を改善することができる。
【0021】
本発明の一実施例は、衣類の乾燥行程を乾燥効率によって区分して効果的な乾燥行程を行い、乾燥行程は乾燥効率を上げるための増率過程、増率過程で増加した乾燥効率を効果的に維持するための恒率過程、及び恒率過程後、乾燥効率を効果的に減少させて乾燥行程を完了するための減率過程を含む(備える;構成する;構築する;設定する;包接する;包含する;含有する)。
【0022】
本発明の一実施例は、空気が循環しながら水分の蒸発と空気の除湿が行われる凝縮式衣類処理装置において、簡単かつ安価のセンサ、例えば、電極センサや流体循環部の温度センサなどを活用して乾燥過程を効果的に分離することができる。
【0023】
また本発明の一実施例は、ドラムとファンに互いに異なる駆動機により回転力が提供されることにより、乾燥行程の各過程ごとにドラムのRPMとファンのRPMを異なる変化率に制御することができ、ドラム、ファン及び圧縮機の様々な運転条件により乾燥行程の乾燥効率とエネルギー効率を効果的に向上させることができる。
【0024】
本発明の一実施例は、ドラム及びファンを回転させる駆動部が第1駆動機及び第2駆動機を備え、第1駆動機はドラムを回転させ、第2駆動機はファンを回転させ、制御部は第1駆動機及び第2駆動機を互いに独立して制御することにより様々な駆動戦略を立てることができる。
【0025】
このような本発明の一実施例による衣類処理装置において、駆動部はドラムを回転させる第1駆動機及びファンを回転させる第2駆動機を備える。制御部は圧縮機、第1駆動機及び第2駆動機をそれぞれ制御して衣類の乾燥行程を行う。
【0026】
乾燥行程はドラム内の乾燥効率を上げるための増率過程、乾燥効率を維持するための恒率過程及び乾燥効率を減少させるための減率過程を含み、制御部は圧縮機センサの測定値によって増率過程、恒率過程及び減率過程を区分して乾燥行程を行う。
【0027】
乾燥効率はドラム内で予想される水分の最大蒸発量に対する実際蒸発量により導き出される。
【0028】
制御部は、増率過程において圧縮機センサの測定値が所定の恒率進入圧縮機センサ値に到達すると、増率過程を終了して恒率過程を行う。
【0029】
制御部は、圧縮機センサの測定値が恒率進入圧縮機センサ値に到達した状態で蒸発器センサの測定値が所定の恒率進入蒸発器センサ値に到達すると、恒率過程を行う。
【0030】
制御部は外気センサの測定値が高いほど恒率進入圧縮機センサ値をより高い値に補正する。
【0031】
制御部は増率過程において圧縮機の周波数を恒率過程より高い値に制御する。
【0032】
増率区間は第1増率過程及び第1増率過程の終了後に行われる第2増率過程を含み、制御部は第1増率過程において乾燥効率の増加率が第2増率過程より大きいように駆動部及び圧縮機を制御し、制御部は第1増率過程を所定の第1増率過程実行時間だけ行った後、第2増率過程を行う。
【0033】
第1増率過程は圧縮機センサの測定値増加率が第2増率過程より大きくても良い。制御部は第1増率過程においてファンのRPMが第2増率過程よりも低いように第2駆動機を制御する。
【0034】
制御部は増率過程において圧縮機の周波数が一定であるように圧縮機を制御する。
【0035】
制御部は、ドラムのRPMが第1増率過程及び第2増率過程において同一であるように第1駆動機を制御し、第1増率過程においてファンのRPMが第2増率過程よりも低いように第2駆動機を制御する。
【0036】
第1増率過程は制御部が第1駆動機を制御してドラムを回転させてドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、制御部は第1増率過程において洗濯物量判断過程の後、ドラムのRPMが一定であるように第1駆動機を制御する。
【0037】
制御部はドラムのRPM及びファンのRPMが第2増率過程及び恒率過程で同一であるように駆動部を制御する。
【0038】
制御部は恒率過程において圧縮機センサの測定値が所定の減率進入圧縮機センサ値に到達すると恒率過程を終了して減率過程を行う。
【0039】
制御部は恒率過程において圧縮機センサの測定値が減率進入圧縮機センサ値に到達し、蒸発器センサの測定値変化率が所定の減率進入変化率に到達すると、恒率過程を終了して減率過程を行う。
【0040】
ドラムには衣類に接して水分量を測定するための電極センサが設けられ、制御部は恒率過程において圧縮機センサの測定値が減率進入圧縮機センサ値に到達し、電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると、恒率過程を終了して減率過程を行う。
【0041】
制御部は、圧縮機センサの測定値が減率進入圧縮機センサ値に到達した状態で蒸発器センサの測定値変化率が所定の減率進入変化率に到達するか、又は電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると、恒率過程を終了して減率過程を行う。
【0042】
乾燥行程は制御部が駆動部を制御してドラムを回転させてドラム内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程を含み、制御部は衣類量が所定の少量基準値以上である場合、電極センサの測定値を用いて減率過程を判断する。
【0043】
減率過程は第1減率過程及び第1減率過程の終了後に行われる第2減率過程を含み、制御部は第1減率過程において乾燥効率の減少率が第2減率過程よりも低いように駆動部及び圧縮機を制御する。
【0044】
制御部は第1減率過程を行った後、所定の第2減率過程実行時間だけ第2減率過程を行う。
【0045】
制御部は、第1減率過程において電極センサの測定値が所定の観測時間の間に所定の第2減率進入電極センサ値に該当する場合、第1減率過程を終了して第2減率過程を行う。
【0046】
制御部は衣類量が所定の少量基準値以上である場合、電極センサの測定値が第2減率進入電極センサ値に到達すると第2減率過程を行う。
【0047】
制御部は衣類量が少量基準値未満である場合、第1減率過程を所定の第1減率過程実行時間だけ行った後、第2減率過程を行う。
【0048】
制御部は、第1減率過程において駆動部のRPM及び圧縮機の周波数を恒率過程以下の値に制御し、第2減率過程において駆動部のRPM及び圧縮機の周波数を第1減率過程より低い値に制御する。
【0049】
制御部は衣類量が所定の大量基準値以上である場合、第1減率過程において駆動部のRPM及び圧縮機の周波数を恒率過程と同一に制御する。
【0050】
制御部は衣類量が大量基準値未満である場合、第1減率過程において圧縮機の周波数が恒率過程よりも低いように圧縮機を制御する。
【0051】
制御部は衣類量が大量基準値未満である場合、第1減率過程において第1駆動機を制御してドラムのRPMを恒率過程と同じ値に制御し、第2駆動機を制御してファンのRPMを恒率過程より低い値に制御する。
【0052】
制御部は第2減率過程において第1駆動機を制御して所定のクーリング時間の間にドラムのRPMを恒率過程より低いクーリングRPMに制御し、クーリング時間が経過した後、ドラムのRPMをクーリングRPMより低い値に制御する。
【0053】
例えば、ドラムのRPMは恒率過程において恒率RPMに該当し、第1減率過程において第1減率RPMに該当する。減率過程での効果的な乾燥のために、第1減率RPMは恒率RPMと同一に設定される。
【0054】
ドラムのRPMが第2減率過程においてクーリングRPMに該当するように制御部により第1駆動機が制御され、クーリングRPMは第1減率RPMより低い値を有する。ドラムは第2減率過程においてクーリングRPMで低速回転して衣類の冷却を誘発する。一方、制御部は減率過程においてファンのRPMが一定であるように第2駆動機を制御する。
【0055】
本発明の一実施例による衣類処理装置において、乾燥行程はドラム内の乾燥効率を維持するための恒率過程及び乾燥効率が減少する減率過程を含み、制御部は恒率過程において電極センサの測定値が所定の減率進入電極センサ値に到達すると、恒率過程を終了して減率過程を行う。
【0056】
なお、本発明の一実施例による衣類処理装置の制御方法は、制御部が圧縮機、第1駆動機及び第2駆動機を制御してドラム内の乾燥効率を上げるための増率段階と、制御部が圧縮機センサの測定値が所定の恒率段階進入条件を満たすか否かを判断する恒率進入判断段階と、恒率進入判断段階において圧縮機センサの測定値が恒率段階進入条件を満たす場合、制御部が圧縮機及び駆動部を制御して乾燥効率を維持する恒率過程を行う恒率段階と、制御部が圧縮機センサの測定値が所定の減率段階進入条件を満たすか否かを判断する減率進入判断段階と、減率進入判断段階において圧縮機センサの測定値が減率段階進入条件を満たす場合、制御部が圧縮機及び駆動部を制御して乾燥効率を減少させる減率過程を行う減率段階とを含む。
【発明の効果】
【0057】
本発明の実施例は衣類の乾燥行程を乾燥効率によって複数の乾燥過程に区分して乾燥行程を効率的に行うことができる衣類処理装置を提供することができる。
【0058】
また本発明の実施例は衣類の乾燥行程を乾燥効率の挙動傾向によって複数の乾燥過程に区分することにより、乾燥効率の変化をリアルタイムで反映しなくても効果的に各駆動装置の制御戦略を立てることができる衣類処理装置を提供することができる。
【0059】
また本発明の実施例は衣類の乾燥行程をなす複数の乾燥過程のそれぞれに対する進入条件を効果的に設定して乾燥行程を効率的に行える衣類処理装置を提供することができる。
【0060】
また本発明の実施例は流体循環部及び空気循環部の運用に必要なセンサなどを活用して複数の乾燥過程の進入条件を効果的に判断することにより経済的に有利な衣類処理装置を提供することができる。
【0061】
また本発明の実施例は衣類の乾燥行程に含まれる複数の過程ごとに各駆動装置を効率的に作動させてエネルギー効率を効果的に向上させる衣類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明の一実施例による衣類処理装置を示す図である。
図2】本発明の一実施例による衣類処理装置の内部を示す図である。
図3】本発明の一実施例による衣類処理装置の流体循環部及び空気循環部を示す図である。
図4】本発明の一実施例による衣類処理装置において流体循環部と空気循環部の作動関係を示す図である。
図5】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程によるドラム内の蒸発量を示すグラフである。
図6】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程による衣類の水分量変化を示すグラフである。
図7】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程による乾燥効率の変化を示すグラフである。
図8】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程による圧縮機センサの測定値を示すグラフである。
図9】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程による電極センサの測定値を示すグラフである。
図10】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程による蒸発器センサの測定値を示すグラフである。
図11】本発明の一実施例による衣類処理装置において外気温度変化による恒率進入センサ値の変化を示すグラフである。
図12】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程によるドラム、ファン及び圧縮機作動の変化を一般負荷モードで示すグラフである。
図13】本発明の一実施例による衣類処理装置において衣類の乾燥行程によるドラム、ファン及び圧縮機作動の変化を多量負荷モードで示すグラフである。
図14】本発明の一実施例による衣類処理装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、添付図面を参考しながら、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。
【0064】
本発明は様々な形態で具現でき、ここで説明する実施例に限られない。そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体を通して類似する部分については類似する図面符号を用いる。
【0065】
本明細書において、同じ構成要素についての重複する説明は省略する。
【0066】
また明細書において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接連結されていたり又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできることで理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いたり、「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解すべきである。
【0067】
また本明細書において用いる用語はただ特定の実施例を説明するために用いられたもので、本発明を限定する意図はない。
【0068】
この明細書で使用する単数の表現は、文脈上明白に他の意味に解釈されない限り、複数の表現を含む。
【0069】
また本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除しないことに理解すべできある。
【0070】
また本明細書において‘及び/又は'という用語は、記載された複数の項目の組み合わせ又は記載された複数の項目のうちのいずれかを含む。本明細書において‘A又はB'は、‘A'、‘B'又は‘AとB'を含む。
【0071】
図1は本発明の一実施例による衣類処理装置1を示し、図2は本発明の一実施例による衣類処理装置1の内部を示す。
【0072】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による衣類処理装置1はキャビネット10とドラム20を備える。キャビネット10は衣類処理装置1の外観を形成し、その形状は様々である。
【0073】
キャビネット10には制御ユニット30が設けられる。制御ユニット30は少なくとも一部がキャビネット10の外部に露出しており、キャビネット10の前面の上端に位置している。
【0074】
制御ユニット30はユーザにより操作可能なディスプレイ部及び操作部を備える。ディスプレイ部は衣類処理装置1の運転状態などを可視的に表す。ディスプレイ部はさらに音を出す音出力部を備え、この音出力部によりユーザに衣類処理装置1の運転状態などを音で知らせることができる。
【0075】
操作部は複数のボタン、又はダイアル、タッチ式パッドなどを備え、ユーザが操作部により入力する命令は制御部400に伝達される。制御ユニット30の内部には衣類処理装置1を制御する制御部400が備えられる。制御部400は後述するように駆動部300と流体循環部100を制御する。
【0076】
なお、キャビネット10には衣類開口15が形成され、衣類開口15を開閉する衣類ドア40が設けられる。衣類開口15及び衣類ドア40はキャビネット10において様々な位置に様々な形状に形成される。
【0077】
図1には本発明の一実施例によってキャビネット10の前面に衣類開口15及び衣類ドア40が設けられたことが示されている。図1には衣類開口15及び衣類ドア40がキャビネット10の前面に設けられるフロントローダー形態の衣類処理装置1が開示されているが、衣類開口15及び衣類ドア40がキャビネット10の上面に設けられるトップローダー形態の衣類処理装置1であってもよい。
【0078】
キャビネット10の内部にはドラム20が設けられる。ドラム20は回転可能に設けられ、内部に衣類が収容される。ドラム20は衣類開口15に連通し、衣類開口15を介して投入された衣類がドラム20の内部に収容される。
【0079】
ドラム20は内部に空間が形成される円筒状であり、一面が開放している。開放した一面はキャビネット10の衣類開口15に対向し、これにより衣類開口15から投入された衣類はドラム20の開放した一面を介してドラム20内に収容される。
【0080】
またドラム20は衣類を上下方向に乗降して撹拌するリフターを備え、キャビネット10の衣類開口15とドラム20の開放した一面の間には衣類が落ちることを防止するためのガスケットが設けられる。
【0081】
一方、図2には本発明の一実施例によってキャビネット10の内部に設けられる空気循環部200が示されている。空気循環部200は空気が流動する流路を備え、空気を流動するためのファン210を備える。
【0082】
空気循環部200は内部で流動する空気がドラム20を経て循環するように設けられる。空気循環部200の空気は後述する流体循環部100を経て加熱される。即ち、本発明の一実施例は凝縮式衣類処理装置1に該当する。
【0083】
空気循環部200は経由部240を備える。経由部240は流体循環部100の少なくとも一部を経るように設けられ、内部の空気が流体循環部100を通過しながら除湿及び加熱される経路となる。
【0084】
空気循環部200はさらにドラム流入部220を備える。ドラム流入部220は経由部240とドラム20を連結する空気の流動経路に該当する。経由部240を通過した高温低湿の空気はドラム流入部220に沿って流動してドラム20に供給される。
【0085】
ドラム20に供給された高温低湿空気はドラム20の内部で衣類と接したり衣類を通過したりする。高温低湿の空気により衣類の水分が蒸発し、蒸発した水分を含んで湿度が高くなった空気はドラム20から排出される。
【0086】
空気循環部200はさらにドラム排出部230を備える。ドラム排出部230はドラム20と経由部240を連結する空気の流動経路に該当する。ドラム20から排出された空気はドラム排出部230に沿って流動して経由部240に到達し、経由部240を通過しながら除湿及び加熱されて再度ドラム流入部220を経てドラム20に供給されて衣類の乾燥が行われる。
【0087】
なお、本発明の一実施例において、駆動部300はドラム20及びファン210を回転させる。即ち、駆動部300はドラム20及びファン210に連結され、ドラム20及びファン210に回転力を提供する。
【0088】
本発明の一実施例において、駆動部300は単一のモータからなるか、又は複数のモーターからなる。図2にはドラム20に連結された第1駆動機310及びファン210に連結された第2駆動機320を備える駆動部300が示されている。第1駆動機310及び第2駆動機320は電力を消費して回転力を発生させるモータに該当する。
【0089】
駆動部300が第1駆動機310及び第2駆動機320を備える場合、第1駆動機310及び第2駆動機320は互いに異なる運転状態を有する。例えば、制御部400は第1駆動機310及び第2駆動機320に連結されて、第1駆動機310及び第2駆動機320の回転RPMを互いに異なるようにするか、第1駆動機310及び第2駆動機320のいずれか一方のみを作動させるか、又は第1駆動機310及び第2駆動機320の回転RPM変化率を互いに異なるようにする。
【0090】
一方、図3には本発明の一実施例による流体循環部100及び空気循環部200が示されており、図4には本発明の一実施例による流体循環部100及び空気循環部200の作動関係が示されている。
【0091】
流体循環部100及び空気循環部200の少なくとも一部は衣類処理装置1の下部に備えられたベース部に設けられ、流体循環部100では流体が吸熱過程及び発熱過程を繰り返しながら循環する。
【0092】
流体循環部100は流体が循環する凝縮器110、圧縮機120、膨張バルブ140及び蒸発器130を備える。流体の種類は様々であり、流体は圧縮機120を通過しながら圧縮され、凝縮器110を通過しながら熱を外部に放出し、膨張バルブ140を通過しながら圧力が減少し、そして蒸発器130を通過しながら外部から熱を吸収する。
【0093】
即ち、流体循環部100の流体は圧縮機120、凝縮器110、膨張バルブ140及び蒸発器130を順に通過しながら放熱過程及び吸熱過程が行われ、再び圧縮機120に供給される循環過程を繰り返す。
【0094】
流体循環部100の凝縮器110及び蒸発器130は空気循環部200の経由部240に配置される。即ち、空気循環部200において経由部240に沿って流動する空気は流体循環部100の蒸発器130と凝縮器110を通過する。
【0095】
空気循環部200の空気は低温を形成する蒸発器130により温度が減少し、空気中の水分が凝縮して蒸発器130の表面及び蒸発器130の下部に集まる。このように蒸発器130で発生した水は必要に応じて衣類処理装置1の内部洗浄に活用されるか、乾燥行程中に活用されるか、或いは外部に排出される。
【0096】
空気循環部200の空気は高温を形成する凝縮器110を通過しながら加熱され、凝縮器110を経て加熱された空気は再びドラム20内に供給される。即ち、空気循環部200の空気はドラム20の内部を通過しながら湿度が高くなり、蒸発器130を通過しながら除湿され、凝縮器110を通過しながら加熱されて、高温低湿状態で再びドラム20内に供給される。図4には流体が循環する流体循環部100と空気が循環する空気循環部200の間の関係が概念的に示されている。
【0097】
なお、本発明の一実施例において、流体循環部100は圧縮機120から吐出される流体の温度を測定する圧縮機センサ150を備える。図3には圧縮機120の吐出流路上に設けられる圧縮機センサ150が示されており、図4には流体循環部100における圧縮機センサ150の位置が概念的に示されている。
【0098】
圧縮機センサ150は圧縮機120から吐出される流体の温度を測定する。圧縮機センサ150は圧縮機120に設けられるか、又は圧縮機120から吐出される流体が流動する圧縮機120の吐出流路に設けられる。
【0099】
また本発明の一実施例において、制御部400は圧縮機120及び駆動部300を制御して衣類の乾燥行程を行う。
【0100】
制御部400は制御ユニット30内に設けられるか、又はキャビネット10内に設けられる。制御部400は制御ユニット30に連結されてユーザの命令が入力され、制御ユニット30のディスプレイ部を介してユーザに運転状態に関する情報を提供する。
【0101】
制御部400は流体循環部100及び駆動部300に連結されて流体循環部100及び駆動部300を制御する。例えば、制御部400は流体循環部100において圧縮機120が作動する周波数を制御するか、又は駆動部300の第1駆動機310及び第2駆動機320のそれぞれの回転RPMを制御する。
【0102】
なお、衣類の乾燥行程において、制御部400は流体循環部100と駆動部300を制御して衣類を乾燥させる乾燥行程を行う。乾燥行程は後述するように複数の乾燥過程に区分され、制御部400はそれぞれの乾燥過程によって流体循環部100と駆動部300の運転状態を制御する。
【0103】
本発明の一実施例において、衣類の乾燥行程はドラム20内の乾燥効率(G3)を上げるための増率過程(P10)、乾燥効率(G3)を維持するための恒率過程(P20)及び乾燥効率(G3)が減少する減率過程(P30)を含む。即ち、本発明の一実施例は衣類の乾燥行程を乾燥効率(G3)によって複数の乾燥過程に区分して乾燥行程を行う。
【0104】
乾燥効率(G3)とは、ドラム20内で発生し得る理論的な最大蒸発量に対する実際蒸発量に該当する。乾燥効率(G3)は現在のドラム20から排出される空気温度に対する最大絶対湿度とドラム20内に供給される空気の湿度量との差から理論的な最大蒸発量が算出され、ドラム20から排出される空気の実際の絶対湿度とドラム20内に供給される空気の湿度量との差から実際の蒸発量が算出される。
【0105】
乾燥効率(G3)が低い状態で乾燥行程を過度に長時間持続したり、乾燥効率(G3)が現在条件で到達できる最大値であるにもかかわらず駆動部300及び圧縮機120などの消費電力を不要に設定したり、乾燥行程が後半部に進入したにもかかわらず高い乾燥効率(G3)を維持するように駆動部300及び圧縮機120などの運転状態を制御したりすることは、エネルギー効率の側面で不利である。
【0106】
即ち、衣類の乾燥行程において、乾燥効率(G3)の変化を把握して複数の乾燥過程を効果的に区分し、各乾燥過程ごとに適切な乾燥効率(G3)が提供されるように駆動部300と圧縮機120などを効果的に作動させることは、衣類処理装置1のエネルギー効率の向上のために重要である。
【0107】
図5は本発明の一実施例において衣類の乾燥行程によるドラム20内の実際蒸発量(G1)を示すグラフである。図5の横軸は時間を示し、縦軸は実際蒸発量(G1)を示す。図5を参照すると、乾燥行程による実際蒸発量(G1)は乾燥行程の初期及び中期には持続して増加し、後期に減少する。
【0108】
乾燥行程の後期に実際発量(G1)が減少する理由は、衣類の水分が一定量以下になって同じ条件で蒸発可能な水分自体が減少したためと、衣類の水分が一定量以下になって駆動部300及び圧縮機120が出力を下げて流体の温度及び空気の温度をだんだん下げたためである。
【0109】
一方、図6は衣類の乾燥行程による衣類の水分量(G2)を示すグラフである。図6の横縦は時間を示し、縦軸は水分量(G2)を示す。図6のグラフはドラム20内の全体負荷に対する衣類の水分量(G2)を比率として算出した結果である。
【0110】
図6を参照すると、衣類の水分量(G2)は乾燥行程の全般にわたって減少している。但し、衣類の水分量(G2)減少率は乾燥行程の初期よりも中期に増加しており、後期に再び減少することが確認できる。
【0111】
即ち、衣類の乾燥行程のうち、初期に衣類の水分量(G2)の減少率を速く増加させることは、乾燥効率(G3)の増加と共にエネルギー効率の改善に有利であり、乾燥行程のうち、後期に衣類の水分量(G2)の減少率を柔軟に減少させることは、駆動部300及び圧縮機120の消費電力を効果的に減少させながら乾燥を進行することができるので、エネルギー効率の改善に有利である。
【0112】
図7は本発明の一実施例による衣類の乾燥行程においてドラム20内で発生し得る理論的な最大蒸発量に対する実際蒸発量により算出される乾燥効率(G3)を示すグラフである。図7において横軸は時間を示し、縦軸は乾燥効率(G3)を示す。
【0113】
本発明の一実施例において、乾燥行程は増率過程(P10)、恒率過程(P20)及び減率過程(P30)に区分される。増率過程(P10)は乾燥効率(G3)を上げるための乾燥過程に該当する。
【0114】
本発明の一実施例では、増率過程(P10)により乾燥効率(G3)の変化率を上げて最大乾燥効率までの到達時間を短軸することにより、乾燥行程の全体所要時間を短軸してエネルギー効率を向上させることができる。
【0115】
恒率過程(P20)は増率過程(P10)により急増した乾燥効率(G3)を維持しながら衣類の乾燥が進行される乾燥過程である。実際恒率過程(P20)では外気の変化、洗濯物の質及び量などの変化によって乾燥効率(G3)の一定範囲内の変動を許容しながら進行されてもよい。
【0116】
衣類の乾燥行程では、駆動部300や圧縮機120の制御により流体循環部100の流体温度又は空気循環部200の空気温度を上げても、該当条件での乾燥効率(G3)がそれ以上増加しないか又は増加量が無意味な最大領域に到達することもある。
【0117】
本発明の一実施例において、恒率過程(P20)は乾燥効率(G3)が最大領域を維持する過程であり、恒率過程(P20)での乾燥効率(G3)は特定値ではなく所定の範囲値に該当し、該当条件での最大値又は最大値を代替するための所定の任意値であってもよい。
【0118】
本発明の一実施例においては、増率過程(P10)により乾燥効率(G3)を速く上昇させて乾燥効率(G3)が最大値に到達する遅延時間を短軸し、恒率過程(P20)により不要な消費電力の浪費なしに駆動部300及び圧縮機120などを制御して、最大乾燥効率(G3)を維持しながら衣類の乾燥が行われる。
【0119】
減率過程(P30)では恒率過程(P20)の後、衣類の水分量が一定水準以下になって同条件でも乾燥効率(G3)がだんだん減少する。本発明の一実施例においては、減率過程(P30)において駆動部300及び圧縮機120の出力を適切に下げ、減率過程(P30)により流体及び空気のクーリングと共に衣類の乾燥が終了するようにする。
【0120】
減率過程(P30)では衣類の水分量自体の減少により乾燥効率(G3)が減少するが、減少する乾燥効率(G3)を上げるための不要な駆動部300及び圧縮機120の電力消費を最小化しながら、乾燥行程を終了するための乾燥過程である。
【0121】
本発明の一実施例では乾燥効率(G3)の変動特性によって衣類の乾燥行程を増率過程(P10)、恒率過程(P20)及び減率過程(P30)に区分する。なお、各乾燥過程に合わせて不要なエネルギー消費を最小化し、乾燥効率(G3)を効率的に調節することにより、エネルギー効率を効果的に向上させることができる。
【0122】
一方、図8は本発明の一実施例による衣類の乾燥行程において圧縮機センサ150の測定値(G4)を示すグラフである。図8において横軸は時間を示し、縦軸は圧縮機センサ150の測定値(G4)であって圧縮機120から導き出される流体の温度を示す。
【0123】
本発明の一実施例において、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)によって増率過程(P10)、恒率過程(P20)及び減率過程(P30)に区分して乾燥行程を行う。
【0124】
即ち、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)を用いて増率過程(P10)の終了及び恒率過程(P20)の進入時点、恒率過程(P20)の終了及び減率過程(P30)の進入時点を把握する。
【0125】
上述したように、乾燥効率(G3)を導き出すためには、ドラム20の入口側の湿度量、ドラム20の出口側の湿度量及び温度の測定が要求されるが、湿度量の測定に使用される湿度センサは比較的高価の構成であり、衣類処理装置1の製造費用が高くなる。また各湿度量及び温度を用いた乾燥効率(G3)の算出は制御部400の演算負荷を増加させる。
【0126】
従って、本発明の一実施例では、湿度センサなどの高価の構成がなくても乾燥効率(G3)の特定の状態を表す他の測定値を用いて衣類の乾燥行程を区分することにより、製造費用を節減し、制御部400の演算負荷を効果的に減少させながら衣類の乾燥行程を効果的に区分することができる。
【0127】
具体的には、衣類の乾燥行程において圧縮機センサ150の測定値(G4)は乾燥効率(G3)の変化と共に特定の挙動を示す。これにより、複数の乾燥過程が乾燥効率(G3)の変化によって区分されても、各乾燥過程の進入時点に対応する圧縮機センサ150の測定値(G4)も特定の挙動を示し、これにより本発明の一実施例では各乾燥過程の進入時点に対応する圧縮機センサ150測定値(G4)の特徴によって乾燥過程の転換が行われる。
【0128】
制御部400において圧縮機センサ150の測定値(G4)を用いる方式は様々である。即ち、複数の乾燥過程の進入時点を表す圧縮機センサ150の測定値(G4)の特性は様々である。
【0129】
例えば、後述するように、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の特定値に該当する場合、増率過程(P10)、恒率過程(P20)及び減率過程(P30)の終了や進入を行い、圧縮機センサ150の測定値(G4)変化率により各乾燥過程の終了と進入時点を把握でき、また圧縮機センサ150の測定値(G4)を変数としてさらなる指標を導き出すことにより各乾燥過程を区分することもできる。
【0130】
このように本発明の一実施例は、エネルギー効率の向上を考慮して衣類の乾燥行程を乾燥効率(G3)による複数の乾燥過程に区分し、各乾燥過程の転換時点に有意味な値を有する圧縮機センサ150の測定値(G4)を用いることにより、別の構成を追加しなくても通常のセンサのみで効率的に乾燥過程を区分することができる。
【0131】
また制御部400は各乾燥過程における所望の乾燥効率(G3)の挙動に基づいて、圧縮機120、第1駆動機310及び第2駆動機320を効率的に制御し、複数の乾燥過程を効率的に実行することができる。
【0132】
一方、本発明の一実施例では増率過程(P10)の終了及び恒率過程(P20)の進入時点を圧縮機センサ150の測定値(G4)から把握することができる。
【0133】
即ち、本発明の一実施例において、制御部400は増率過程(P10)において圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の恒率進入圧縮機センサ値(V1)に到達すると、増率過程(P10)を終了して恒率過程(P20)を行う。
【0134】
例えば、本発明の一実施例は、恒率過程(P20)に進入するための乾燥効率(G3)を恒率進入乾燥効率と特定し、乾燥効率(G3)が恒率進入乾燥効率に到達した状態で圧縮機センサ150の測定値(G4)を恒率進入圧縮機センサ値(V1)として特定する。
【0135】
即ち、本発明の一実施例では、乾燥効率(G3)の直接的な把握を省略しても、圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の恒率進入圧縮機センサ値(V1)に到達した場合、制御部400が増率過程(P10)を終了しながら恒率過程(P20)に進入して、駆動部300及び圧縮機120を適切に制御する。
【0136】
図8を参照すると、圧縮機センサ150測定値(G4)は乾燥行程の過程において比較的に線形的な変化を有するが、これにより、乾燥効率(G3)を表して恒率過程(P20)に進入する時点を把握するための測定値の特定に有利である。図8には本発明の一実施例による恒率進入圧縮機センサ値(V1)が示されている。
【0137】
また増率過程(P10)は、後述するように、圧縮機120が高周波数で作動して流体循環部100の流体温度及び空気循環部200の空気温度を上昇させるので、増率過程(P10)における圧縮機120の吐出温度は流体循環部100及び空気循環部200の温度変化を優先して代表する指標となる。
【0138】
従って、増率過程(P10)の終了及び恒率過程(P20)の進入時点に対して乾燥効率(G3)を代替して圧縮機センサ150の測定値(G4)を活用することは正確性の側面で有利である。
【0139】
結局、本発明の一実施例は湿度センサなどの高価の構成なしに、流体循環部100を制御するための圧縮機センサ150の測定値(G4)を活用して増率過程(P10)の終了と恒率過程(P20)の進入条件を高い信頼性で把握することができる。
【0140】
一方、図4には本発明の一実施例による衣類処理装置1における蒸発器センサ160の一が概略的に示されており、図10には衣類の乾燥行程において蒸発器センサ160の測定値(G5)を示すグラフが示されている。図10において横軸は時間を示し、縦軸は蒸発器センサ160の測定値(G5)であって蒸発器130から吐出される流体の温度を示す。
【0141】
本発明の一実施例において、流体循環部100はさらに蒸発器130に流入又は流出される流体の温度を測定する蒸発器センサ160を備え、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が恒率進入圧縮機センサ値(V1)に到達した状態で蒸発器センサ160の測定値(G5)が所定の恒率進入蒸発器センサ値(V2)に到達すると恒率過程(P20)を行う。
【0142】
蒸発器センサ160は蒸発器130の流入側又は流出側に配置されて蒸発器130を通過する流体の温度を測定する。蒸発器センサ160は蒸発器130に備えられるか又は蒸発器130の流入流路又は流出流路に配置される。
【0143】
蒸発器センサ160は蒸発器130の流入流路と流出流路のいずれに備えられるか、又は蒸発器130の流入流路及び流出流路のそれぞれに設けられる。図10のグラフは本発明の一実施例によって蒸発器130の流出流路に設けられた蒸発器センサ160の測定値(G5)を示している。
【0144】
本発明の一実施例において、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が恒率進入圧縮機センサ値(V1)に到達した状態で蒸発器センサ160の測定値(G5)が恒率進入蒸発器センサ値(V2)に到達すると、増率過程(P10)を終了して恒率過程(P20)を行う。恒率進入蒸発器センサ値(V2)は乾燥効率(G3)が恒率進入乾燥効率に該当するとき、蒸発器センサ160の測定値(G5)に該当する。
【0145】
本発明の一実施例は、恒率過程(P20)に進入するための恒率過程(P20)進入条件として恒率進入圧縮機センサ値(V1)と共に恒率進入蒸発器センサ値(V2)を設定することにより、恒率過程(P20)の進入有無を多重に把握して正確度をより向上させることができる。
【0146】
さらに圧縮機センサ150の測定値(G4)が非正常的な挙動を示すか、或いは圧縮機センサ150の故障が把握された場合は、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)を判断する代わりに、蒸発器センサ160の測定値(G5)を活用して恒率過程(P20)進入有無を把握することができるので、乾燥行程の実行安定性が向上する。
【0147】
一方、図2には本発明の一実施例による衣類処理装置1に設けられる外気センサ50が概略的に示されており、図11には本発明の一実施例において外気温度の変化によって補正される圧縮機センサ150測定値(G4)及び蒸発器センサ160測定値(G5)を示すグラフが示されている。
【0148】
図11において横軸は外気センサ50の測定値(G6)であって外気の温度を示し、縦軸は圧縮機センサ150の測定値(G4)及び蒸発器センサ160の測定値(G5)に対する補正値に該当する。
【0149】
図2及び図11を参照するとき、本発明の一実施例はキャビネット10の外部の大気温度を測定する外気センサ50をさらに備え、制御部400は外気センサ50の測定値(G6)が高いほど恒率進入圧縮機センサ値(V1)及び恒率進入蒸発器センサ値(V2)をより高い値に補正する。
【0150】
外気センサ50はキャビネット10の外部の大気温度を測定する。外気センサ50は少なくとも一部がキャビネット10の外部に露出されるか又はキャビネット10の内部に設けられる。
【0151】
外気の変化は流体密度や流体循環部100の運転条件、乾燥効率(G3)の変数となる理論的最大蒸発量などに影響を及ぼす。従って、外気の条件に基づいて上述した恒率進入圧縮機センサ値(V1)及び恒率進入蒸発器センサ値(V2)を補正すると、より正確な恒率過程(P20)の進入時点を判断することができる。
【0152】
一方、図11において横軸は外気センサ50測定値(G6)に該当し、縦軸は温度値に該当する。図11に示す圧縮機センサ150の測定値(G4)は上述した恒率進入圧縮機センサ値(V1)に該当し、蒸発器センサ160の測定値(G5)は上述した恒率進入蒸発器センサ値(V2)に該当する。
【0153】
図11を参照すると、本発明の一実施例は外気の温度が上がるほど恒率進入圧縮機センサ値(V1)及び恒率進入蒸発器センサ値(V2)をより高い値に補正することができる。
【0154】
外気温度の増加は上述したドラム20内の理論的な最大蒸発量を増加させ、これにより乾燥効率(G3)が低くなる。これにより、乾燥効率(G3)が所定の恒率進入乾燥効率に到達するためには、恒率進入圧縮機センサ値(V1)及び恒率進入蒸発器センサ値(V2)がより高い値に補正される必要がある。
【0155】
本発明の一実施例においては、乾燥効率(G3)の特定値又は特定範囲を表す圧縮機センサ150の測定値(G4)又は蒸発器センサ160の測定値(G5)を用いることにより、センサを追加しなくても効果的に各乾燥過程の進入時点を判断することができ、さらに外気センサ50を用いることにより、外気の変化にも高信頼度の恒率過程(P20)進入時点又は減率過程(P30)進入時点を判断することができる。
【0156】
再び図7を参照すると、本発明の一実施例において、衣類の乾燥行程は第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)を含む。即ち、増率区間は第1増率過程(P12)及び第1増率過程(P12)の終了後に行われる第2増率過程(P14)を含む。
【0157】
制御部400は第1増率過程(P12)において乾燥効率(G3)の増加率が第2増率過程(P14)よりも大きいように駆動部300及び圧縮機120を制御する。
【0158】
具体的には、本発明の一実施例では増率過程(P10)を第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)に区分し、第1増率過程(P12)において流体循環部100の流体温度を速く上昇させ、第2増率過程(P14)においては流体循環部100及び空気循環部200の作動状態を安定化させて乾燥効率(G3)が安定して恒率進入乾燥効率に到達する。
【0159】
図7を参照すると、第1増率過程(P12)での乾燥効率(G3)上昇率が第2増率過程(P14)よりも高い。また第2増率過程(P14)での乾燥効率(G3)は比較的に低い上昇率を示し、漸進的に恒率進入乾燥効率に到達することが確認される。
【0160】
増率過程(P10)は恒率過程(P20)進入時点までの遅延時間を短縮し、さらに乾燥行程全般の所要時間を短縮するように乾燥効率(G3)を速く上昇させるが、第2増率過程(P14)を省略し、恒率過程(P20)進入前まで乾燥効率(G3)を急に上昇させると、恒率過程(P20)に進入した後、駆動部300及び圧縮機120の作動状態の急変化によって流体循環部100及び空気循環部200の循環サイクルの不安定を招く可能性がある。
【0161】
これにより、恒率過程(P20)への進入時、乾燥効率(G3)の不安定した変動が発生して、恒率過程(P20)の全般において衣類乾燥効果を悪化させる可能性がある。
【0162】
従って、本発明の一実施例では、制御部400が乾燥効率(G3)の速い増加のための第1増率過程(P12)を行った後、第1増率過程(P12)に比べて乾燥効率(G3)の緩慢な上昇により流体循環部100及び空気循環部200の安定化が行われる第2増率過程(P14)を行うことにより、衣類の乾燥行程全般の安定性を効果的に確保することができる。
【0163】
制御部400は駆動部300及び圧縮機120を様々な方式で制御することにより第2増率過程(P14)の乾燥効率(G3)増加率を第1増率過程(P12)の乾燥効率(G3)の増加率より低くして乾燥行程を行う。
【0164】
例えば、後述するように、制御部400は圧縮機120の周波数(G9)は維持しながらファン210のRPM(G8)が第1増率過程(P12)より第2増率過程(P14)で高いように駆動部300を制御する。
【0165】
恒率過程(P20)においてファン210のRPM(G8)は増率過程(P10)においてファン210のRPM(G8)より高く、よって第1増率過程(P12)より高い値を有する第2増率過程(P14)でのファン210のRPM(G8)は流体循環部100の流体温度増加率を減少させて、結果として乾燥効率(G3)の上昇率を減少させるとともに、第2増率過程(P14)においてファン210のRPM(G8)は恒率過程(P20)で行われるファン210のRPM(G8)と比較的に近い値を有して、乾燥行程の安定化に寄与する。
【0166】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は第1増率過程(P12)を所定の第1増率過程実行時間(T1)だけ行った後、第2増率過程(P14)を行う。
【0167】
即ち、制御部400には第1増率過程実行時間(T1)が予め設定され、制御部400は衣類の乾燥行程が進行されると、第1増率過程(P12)を第1増率過程実行時間(T1)だけ行った後、第2増率過程(P14)に進入する。
【0168】
第1増率過程(P12)では作動中止状態の流体循環部100及び空気循環部200が乾燥効率(G3)を急増させるように作動することにより、圧縮機センサ150又は蒸発器センサ160の偶発的変更が発生する可能性があり、よって本発明の一実施例では第1増率過程(P12)を一定時間の間に行って衣類処理装置1の全般の作動安定化を図り、第1増率過程(P12)を効果的に行うことができる。
【0169】
但し、必要に応じて、第2増率過程(P14)への進入のための第2増率過程(P14)乾燥効率(G3)を決定し、第2増率過程(P14)乾燥効率(G3)に対応する圧縮機センサ150の測定値(G4)や蒸発器センサ160の測定値(G5)を用いることもできる。
【0170】
一方、本発明の一実施例において、第1増率過程(P12)は圧縮機センサ150の測定値(G4)増加率が第2増率過程(P14)よりも大きい。即ち、制御部400は第1増率過程(P12)での圧縮機センサ150測定値(G4)増加率が第2増率過程(P14)の圧縮機センサ150測定値(G4)増加率よりも大きいように駆動部300及び圧縮機120を制御する。
【0171】
図8には第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)の圧縮機センサ150測定値(G4)が示されている。測定値の増加率とは、該当時点での増加率であるか、或いは各乾燥過程の平均増加率に該当する。平均増加率は、各乾燥過程の実行時間に対する進入時の測定値と終了時の測定値との差により導き出される。
【0172】
即ち、本発明の一実施例では、第1増率過程(P12)による圧縮機センサ150の測定値(G4)の全体増加量が第2増率過程(P14)による圧縮機センサ150の測定値(G4)の全体増加量よりも大きい。
【0173】
制御部400は駆動部300及び圧縮機120を制御して第1増率過程(P12)での圧縮機センサ150の測定値(G4)増加率を第2増率過程(P14)よりも大きくすることができる。但し、必ず第1増率過程(P12)の圧縮機120周波数(G9)が第2増率過程(P14)より大きいことを意味することではない。
【0174】
例えば、本発明の一実施例では、圧縮機120の周波数(G9)は一定に維持しながらファン210のRPM(G8)を変更して、第1増率過程(P12)の圧縮機センサ150の測定値(G4)の増加率を第2増率過程(P14)よりも大きくしてもよい。
【0175】
一方、本発明の一実施例においては、乾燥行程はさらに恒率過程(P20)の後に行われる減率過程(P30)を含み、制御部400は減率過程(P30)での乾燥効率(G3)が恒率過程(P20)よりも減少するように駆動部300及び圧縮機120を制御する。
【0176】
例えば、制御部400は減率過程(P30)の少なくとも一部において駆動部300のRPMや圧縮機120の周波数(G9)のいずれかを減少させて、減率過程(P30)の乾燥効率(G3)が恒率過程(P20)よりも減少するようにすることができる。
【0177】
なお、本発明の一実施例において、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の減率進入圧縮機センサ値(V4)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。図8は減率進入圧縮機センサ値(V4)を示すグラフである。
【0178】
流体循環部100は流体が蒸発器130及び圧縮機120を経て循環するので、圧縮機センサ150の測定値(G4)は蒸発器センサ160の測定値(G5)と類似する挙動を示す。例えば、図8に示すように、圧縮機センサ150の測定値(G4)は減率過程(P30)への進入時に減少することが分かる。
【0179】
従って、圧縮機センサ150の測定値(G4)は減率過程(P30)の進入時点に特定値を有し、本発明の一実施例では減率過程(P30)進入時点での圧縮機センサ150測定値(G4)を減率進入圧縮機センサ値(V4)として設定する。
【0180】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が所定の減率進入変化率(V3)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。図10は減率進入変化率(V3)を示すグラフである。
【0181】
恒率過程(P20)が行われる過程において衣類の水分量が一定量以下になると、ドラム20から排出される空気の湿度量が減少し始め、よって蒸発器130で凝縮される水の量も減少し、水の凝縮過程により熱を吸収する蒸発器130内の流体は湿度量の減少によって吸熱量が減少して温度が下がる。
【0182】
即ち、蒸発器センサ160で測定される蒸発器130の吐出流体の温度変化率が負の値を有する時点又は該当時点での蒸発器センサ160の測定値(G5)は、衣類の乾燥が一定水準以上進行されて乾燥効率(G3)が減少する減率区間の進入時点を表す。
【0183】
蒸発器130を経由する流体の温度は様々な要因により変動するが、減率過程(P30)での蒸発器130の流体温度の加減は湿度量の変化を比較的に忠実に反映するので、本発明の一実施例は、蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が所定の減率進入変化率(V3)に到達する場合、制御部400による減率過程(P30)が行われる。
【0184】
但し、減率進入変化率(V3)は必ず負の値に限定されず、蒸発器センサ160の測定値(G5)グラフの勾配が0又は0に近い正の値であっても、必要に応じて減率進入変化率(V3)として決定される。
【0185】
また図10を参照すると、蒸発器センサ160の測定値(G5)は様々な原因により瞬間変化率が発生する。これにより蒸発器センサ160の測定値(G5)グラフは微視的にノイズを含み、本発明の一実施例では様々な方式でノイズを除去して、蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率を把握することができる。
【0186】
例えば、本発明の一実施例において、制御部400は蒸発器センサ160の測定値(G5)に対して任意の単位区間ごとに平均値を導き出し、平均値の変化率が減率進入変化率(V3)に該当するか否かを判断する。
【0187】
このような平均方式は、蒸発器センサ160の測定値(G5)で測定される無意味な変動を除去して、実質的に有意味な測定値及び変化率を導き出すために有利である。
【0188】
一方、減率過程(P30)において流体循環部100の温度減少は蒸発器130から進行されるので、本発明の一実施例では乾燥効率(G3)を代替して減率過程(P30)で温度変化を代表する蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率を利用することにより、高い信頼度で減率過程(P30)を判断することができる。
【0189】
一方、本発明の一実施例において、ドラム20には衣類と接して水分量を測定するための電極センサ25が設けられ、制御部400は電極センサ25の測定値(G10)が所定の減率進入電極センサ値(V5)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。
【0190】
即ち、本発明の一実施例は、キャビネット10内に回転可能に備えられ、内部に収容される衣類の水分量を測定するための電極センサ25を備えるドラム20と、流体が循環する凝縮器110、圧縮機120及び蒸発器130を備える流体循環部100とを備え、乾燥行程はドラム20内の乾燥効率(G3)を維持するための恒率過程(P20)及び乾燥効率(G3)が減少する減率過程(P30)を含み、制御部400は恒率過程(P20)において電極センサ25の測定値(G10)が所定の減率進入電極センサ値(V5)に到達すると恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。
【0191】
具体的には、図2及び図3に示すように、電極センサ25はドラム20に設けられてドラム20内に収容される衣類の水分量を測定する。例えば、電極センサ25は一対の電極を備え、衣類との接触時、一対の電極で発生する通電特性を分析して衣類の水分量を測定する。
【0192】
図9は本発明の一実施例において衣類の乾燥行程による電極センサ25の測定値(G10)を示すグラフである。図9において横軸は時間を示し、縦軸は電極センサ25の測定値(G10)であって衣類の水分量に関連する。電極センサ25の測定値(G10)は水分が存在することにより電流が流れる状態で測定される抵抗値に対応する。
【0193】
例えば、図9においは電極センサ25の測定値(G10)が低いほど衣類の水分量が多く、電極センサ25の測定値(G10)が高いほど衣類の水分量が少ないことを意味する。
【0194】
電極センサ25の測定値(G10)は衣類の水分量が一定量以上であると僅かな変動があり、衣類の水分量が一定量未満になると増加する挙動を示す。
【0195】
本発明の一実施例において、電極センサ25の測定値(G10)が増加する時点は蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が減率進入変化率(V3)に該当する時点と類似し、よって本発明の一実施例では、電極センサ25の測定値(G10)が増加して減率進入乾燥効率(G3)又は減率進入変化率(V3)を表す減率進入電極センサ値(V5)に到達すると、減率過程(P30)に進入したと判断する。
【0196】
本発明の一実施例では、衣類処理装置1の運転のために通常的に活用される電極センサ25及び温度センサを活用して減率過程(P30)を判断し、駆動部300及び圧縮機120などを制御することによりエネルギー効率を効果的に改善することができる。
【0197】
一方、本発明の一実施例では、互いに異なるセンサの測定値を共に活用して減率過程(P30)進入時点をより高い信頼度で把握することもできる。
【0198】
具体的には、本発明の一実施例において、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が減率進入圧縮機センサ値(V4)に到達した状態で蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が所定の減率進入変化率(V3)に到達するか、又は電極センサ25の測定値(G10)が減率進入電極センサ値(V5)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。
【0199】
又は、電極センサ25の測定値(G10)が減率進入電極センサ値(V5)に到達した状態で、蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が所定の減率進入変化率(V3)に到達するか、又は圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の減率進入圧縮機センサ値(V4)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。
【0200】
このように本発明の一実施例では、複数のセンサで測定された測定値を多重活用して減率過程(P30)進入時点を判断することにより、正確性を向上させて安定して減率過程(P30)を判断することができる。
【0201】
一方、本発明の一実施例では、乾燥行程において制御部400が駆動部300を制御してドラム20を回転させてドラム20内の衣類量を判断する洗濯物量判断過程(P11)を含む。
【0202】
洗濯物量判断過程(P11)はドラム20内に収容された衣類量を判断する過程であり、制御部400は駆動部300を制御してドラム20を所定のパターンで回転させながらドラム20内の衣類量を判断する。
【0203】
例えば、駆動部300は一方向及び他方向にドラム20を所定のRPMに回転させ、制御部400はドラム20の回転及び停止過程で発生する駆動部300の逆起電力などを把握して衣類量を判断する。
【0204】
洗濯物量判断過程(P11)で把握された衣類量は様々な方式に活用される。具体的には、制御部400は衣類量が所定の少量基準値以上である場合、電極センサ25の測定値(G10)が減率進入電極センサ値(V5)に到達すると減率過程(P30)を行う。
【0205】
電極センサ25はドラム20に設けられて衣類との接触により衣類の水分量を測定し、ドラム20の内面の一部領域に位置する。例えば、電極センサ25はドラム20の前方、即ち、ドラム20の開放した一面に隣接して配置される。
【0206】
乾燥行程においてドラム20が回転すると、衣類はドラム20の一側に傾いて分布して移動する傾向がある。一般的にドラム20の回転時、衣類はドラム20の前方、即ち、ドラム20の開放した一側に移動する傾向がある。
【0207】
かかる衣類の移動傾向に基づいて電極センサ25はドラム20の開放した一面に隣接して配置されて衣類との接触が誘導される。但し、衣類量が一定水準以下であると、衣類の移動傾向にもかかわらず接触センサと衣類の接触が行われないか又は接触が不安定する。
【0208】
これにより、本発明の一実施例では、電極センサ25と衣類の不良な接触関係により電極センサ25の測定値(G10)の信頼度が落ちる衣類量を予め少量基準値として設定している。図9に示した電極センサ25の測定値(G10)は少量基準値以上で測定された値である。
【0209】
少量基準値は衣類量による電極センサ25の測定値(G10)の挙動変化を把握して設定される。例えば、ドラム20内に収容される衣類量の最大値が設計的に16Kgと決定された場合、3Kg以下の衣類量で電極センサ25の測定値(G10)が衣類の水分量変化と対応しないと、3Kg負荷が少量基準値として設定される。但し、衣類量の最大値や少量基準値の具体的な値は様々である。
【0210】
本発明の一実施例では、制御部400が衣類量を少量基準値以上であると把握した状態で電極センサ25の測定値(G10)を用いて減率過程(P30)進入時点を判断することにより、電極センサ25を用いる減率過程(P30)進入条件判断の信頼性を効果的に向上させることができる。
【0211】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は衣類量が少量基準値未満である場合、蒸発器センサ160の測定値(G5)変化率が所定の減率進入変化率(V3)に到達するか、又は圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の減率進入圧縮機センサ値(V4)に到達すると、恒率過程(P20)を終了して減率過程(P30)を行う。
【0212】
上述したように、衣類量が少量基準値未満である場合、電極センサ25の測定値(G10)を用いて減率過程(P30)進入時点を判断することは信頼性及び効率性が低い。よって本発明の一実施例では、衣類量が少量基準値未満である場合は、蒸発器センサ160の測定値(G5)又は圧縮機センサ150の測定値(G4)を用いて減率過程(P30)進入時点を判断する。
【0213】
一方、本発明の一実施例において、減率過程(P30)は第1減率過程(P32)及び第1減率過程(P32)の終了後に行われる第2減率過程(P34)を含み、制御部400は第1減率過程(P32)において乾燥効率(G3)の減少率が第2減率過程(P34)よりも低いように駆動部300及び圧縮機120を制御する。
【0214】
図7には第1減率過程(P32)及び第2減率過程(P34)が示されており、第1減率過程(P32)の乾燥効率(G3)減少率が第2減率過程(P34)の乾燥効率(G3)減少率より低いことが示されている。
【0215】
恒率過程(P20)とは異なって、減率過程(P30)は衣類の水分量が一定水準以下になって乾燥効率(G3)が自然に減少する乾燥過程であり、よって減率過程(P30)は衣類の乾燥過程の後期に該当して衣類の乾燥が一定水準以上進行されたことを意味する。
【0216】
但し、図6を参照すると、減率過程(P30)に進入しても衣類の水分量は相変わらず存在して乾燥行程を持続する必要があり、よって乾燥効率(G3)の減少があっても乾燥を続けて衣類の水分を持続して除去する必要がある。
【0217】
本発明の一実施例において、減率過程(P30)は、乾燥効率(G3)が緩慢に減少して衣類の乾燥が一定水準以上進行される第1減率過程(P32)、及び第1減率過程(P32)の後に流体循環部及び空気循環部200などの作動終了を準備してクーリング過程を行う第2減率過程(P34)を含む。
【0218】
本発明の一実施例においては、減率過程(P30)でも衣類の乾燥行程が完全に行われるように衣類の乾燥が進行される第1減率過程(P32)を行い、第1減率過程(P32)の後、空気及び流体のクーリング過程と各駆動装置の作動終了のための準備過程が進行される第2減率過程(P34)を行うことにより、乾燥効率(G3)の変化によって効率的な乾燥行程を行うことができる。
【0219】
制御部400は駆動部300及び圧縮機120などを制御して第1減率過程(P32)及び第2減率過程(P34)を行う。第1減率過程(P32)及び第2減率過程(P34)において駆動部300及び圧縮機120などを制御する戦略は様々である。
【0220】
例えば、制御部400は第1減率過程(P32)において駆動部300及び圧縮機120の出力を恒率過程(P20)よりも低くし、第2減率過程(P34)において駆動部300及び圧縮機120の出力を第1減率過程(P32)よりも低くしたり終了させたりする。これにより、制御部400は第2減率過程(P34)の乾燥効率(G3)減少率が第1減率過程(P32)の乾燥効率(G3)減少率より低くなるように駆動部300及び圧縮機120などを制御することができる。
【0221】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は第1減率過程(P32)において電極センサ25の測定値(G10)が所定の観測時間(T4)の間に所定の第2減率進入電極センサ値(V6)に該当する場合、第1減率過程(P32)を終了して第2減率過程(P34)を行う。図9には第2減率進入電極センサ値(V6)及び観測時間(T4)が示された電極センサ25測定値(G10)のグラフが示されている。
【0222】
本発明の一実施例において、第2減率過程(P34)への進入は電極センサ25を用いることができる。電極センサ25は衣類に残存する水分量を測定するので、衣類の乾燥が実質的に完了される第1減率過程(P32)終了時点の判断に有利である。
【0223】
例えば、衣類の水分量が乾燥を終了するほど十分に除去された状態での乾燥効率(G3)を第2減率進入乾燥効率として設定し、電極センサ25測定値(G10)のグラフを判断して現在の乾燥効率(G3)が第2減率進入乾燥効率に到達した時点を把握することができる。
【0224】
一方、図9に示すように、電極センサ25は衣類の水分量が多すぎる状態では抵抗値の変動を測定することが難しいので、測定値(G10)が実質的に一定であり、衣類の水分量が少なすぎる状態でも抵抗値の変動を測定することが難しいので、電極センサ25の測定値(G10)が実質的に一定である。
【0225】
このような電極センサ25の特性を考慮して、減率過程(P30)において乾燥効率(G3)が一定水準以下に減少すると、電極センサ25の測定値(G10)が第2減率過程(P34)を区分できるほどの変動が見られないので、本発明の一実施例では観測時間(T4)を反映して電極センサ25の測定値(G10)から第2減率過程(P34)進入時点を判断することができる。
【0226】
例えば、第1減率過程(P32)を終了するほど衣類の水分量が十分に除去された状態での乾燥効率(G3)を第2減率進入乾燥効率として設定した場合、現在の乾燥効率(G3)が第2減率進入乾燥効率に到達する前に電極センサ25の測定値(G10)が既に最大値又は所定の特定値に到達しても、特定値に到達した後、乾燥効率(G3)が第2減率進入乾燥効率に到達するまで経過する時間を特定でき、本発明の一実施例では、この経過時間を観測時間(T4)として予め決定して電極センサ25の測定値(G10)に反映することにより第2減率過程(P34)進入時点を判断することができる。
【0227】
即ち、本発明の一実施例では、電極センサ25で測定可能な最大値又はそれを表す特定値を第2減率進入電極センサ値(V6)として設定し、電極センサ25の測定値(G10)が第2減率進入電極センサ値(V6)に到達した後、観測時間(T4)だけ経過した後の時点を第2減率過程(P34)進入時点として判断することができる。
【0228】
電極センサ25の測定値(G10)が第2減率進入電極センサ値(V6)に到達した後、観測時間(T4)が経過すると、乾燥効率(G3)は第2減率進入乾燥効率に到達した状態である。
【0229】
このように本発明の一実施例では、衣類の水分量を直接提示する電極センサ25の測定値(G10)により第2減率過程(P34)進入時点を判断できるので、信頼性が向上し、さらに電極センサ25の測定可能範囲から外れた状況でも観測時間(T4)を導入することにより効果的に第2減率過程(P34)進入時点を把握することができる。
【0230】
一方、本発明の一実施例では、上述したように、洗濯物量判断過程(P11)で把握した衣類量が所定の少量基準値以上である場合は、電極センサ25を活用することにより各乾燥過程の進入時点判断の信頼性を確保することができる。
【0231】
即ち、本発明の一実施例において、制御部400は、衣類量が所定の少量基準値以上である場合、電極センサ25の測定値(G10)が第2減率進入電極センサ値(V6)に到達すると第2減率過程(P34)を行う。
【0232】
なお、本発明の一実施例において、制御部400は、衣類量が少量基準値未満である場合は、第1減率過程(P32)を所定の第1減率過程実行時間(T2)だけ行った後、第2減率過程(P34)を行う。
【0233】
例えば、ドラム20内の衣類量が少量基準値未満に該当して電極センサ25の測定値(G10)の信頼度が低い場合、本発明の一実施例では、上述したように、蒸発器センサ160又は圧縮機センサ150の測定値(G4)を活用して減率過程(P30)の進入時点を把握する。
【0234】
また乾燥効率(G3)の変化を基準として、減率過程(P30)の進入時点後から第2減率過程(P34)の進入時点までの経過時間を予め第1減率過程実行時間(T2)として設定することにより、電極センサ25の活用が困難であっても第2減率過程(P34)の進入時点を効果的に決定することができる。
【0235】
従って、本発明の一実施例では、高価のセンサなどを別に備えなくても、乾燥効率(G3)に基づいて区分される第1減率過程(P32)及び第2減率過程(P34)を効果的に行うことができる。
【0236】
なお、制御部400は第1減率過程(P32)を行った後、所定の第2減率過程実行時間(T3)だけ第2減率過程(P34)を行うことができる。
【0237】
第2減率過程(P34)は衣類処理装置1の各構成の作動サイクルを終了してクーリング過程を行うための乾燥過程であるので、乾燥効率(G3)の変化に基づくより、所定の第2減率過程実行時間(T3)だけ行った後に終了される。
【0238】
第2減率過程実行時間(T3)は流体循環部100の流体又は空気循環部200の空気が一定水準以下にクーリングが完了し、各駆動装置の駆動が安定して終了する期間であって、様々に決定される。
【0239】
一方、図12及び図13は本発明の一実施例による乾燥行程の各乾燥過程においてドラム20のRPM(G7)、ファン210のRPM(G8)及び圧縮機120の周波数(G9)の変化を示すグラフである。
【0240】
図12及び図13において横軸は時間に該当し、縦軸はドラム20及びファン210のRPM(G7,G8)と圧縮機の周波数(Hz)(G9)に該当する。
【0241】
図12はドラム20内の衣類量が所定の大量基準値未満である場合に該当し、図13はドラム20内の衣類量が大量基準値以上である場合に該当する。
【0242】
即ち、図12は衣類量を基準とする一般負荷モードに該当し、図13は大量負荷モードに該当する。一般負荷モード及び大量負荷モードの詳しい内容については後述する。
【0243】
図12及び図13を参照すると、本発明の一実施例では、制御部400は増率過程(P10)において圧縮機120の周波数(G9)を恒率過程(P20)よりも高い値に制御することができる。
【0244】
増率過程(P10)は乾燥効率(G3)の速い上昇が要求される乾燥過程であり、よって流体循環部100の流体温度が迅速に増加する必要がある。これにより、制御部400は増率過程(P10)において圧縮機120の周波数(G9)が恒率過程(P20)よりも高いように圧縮機120を制御する。
【0245】
一方、制御部400は第1増率過程(P12)においてファン210のRPM(G8)が第2増率過程(P14)よりも低いように駆動部300を制御する。
【0246】
増率過程(P10)において、第1増率過程(P12)は流体循環部100の流体温度を急増させる過程に該当し、第2増率過程(P14)は流体温度の比較的に緩慢な上昇と共に流体循環部100及び空気循環部200の作動サイクルを安定化させるように行われる。
【0247】
これにより、本発明の一実施例においては、第1増率過程(P12)では流体循環部100の流体から空気循環部200の空気に伝達される熱量を減少するためにファン210のRPM(G8)を減少させ、第2増率過程(P14)ではファン210のRPM(G8)が恒率過程(P20)と同一であるように第2増率過程(P14)より高いRPMにファン210を運転する。
【0248】
このように本発明の一実施例は、第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)の特性によって駆動部300を制御することにより、増率過程(P10)をより効果的に行うことができ、エネルギー効率を効果的に改善することができる。
【0249】
なお、制御部400は増率過程(P10)において圧縮機120の周波数(G9)が一定であるように圧縮機120を制御する。即ち、圧縮機120周波数(G9)は第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)において同一に維持される。
【0250】
流体循環部100は圧縮機120の周波数(G9)の変動による安定化時間が重要であり、よって本発明の一実施例では、第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)の変化にもかかわらず、圧縮機120の周波数(G9)は維持したままファン210のRPM(G8)を変化させて乾燥効率(G3)の変化率を調節することにより増率過程(P10)を効果的に行うことができる。
【0251】
一方、本発明の一実施例において、駆動部300はドラム20を回転させる第1駆動機310及びファン210を回転させる第2駆動機320を備える。図2ないし図4にはドラム20を回転させる第1駆動機310及びファン210を回転させる第2駆動機320を備える駆動部300が示されている。
【0252】
第1駆動機310及び第2駆動機320は制御部400により作動が制御され、個々に独立して制御可能である。例えば、制御部400は第1駆動機310及び第2駆動機320のいずれか一つのみを作動させるか、第1駆動機310及び第2駆動機320のRPMを異なるように制御するか、或いは第1駆動機310及び第2駆動機320のRPM変化率を異なるように制御することができる。
【0253】
これにより、本発明の一実施例では、各々の乾燥過程に要求されるドラム20のRPM(G7)とファン210のRPM(G8)を個々に制御して、各乾燥過程に適するドラム20及びファン210の駆動が具体的に行われ、エネルギー効率を効果的に向上させることができる。
【0254】
一方、図12及び図13に示すように、本発明の一実施例において、制御部400はドラム20のRPM(G7)が第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)において同一であるように第1駆動機310を制御し、第1増率過程(P12)においてファン210のRPM(G8)が第2増率過程(P14)よりも低いように第2駆動機320を制御する。
【0255】
増率過程(P10)において、乾燥効率(G3)の増加のためにドラム20のRPM(G7)を変化させることは実益が少なく、却ってドラム20のRPM(G7)変動による安定化遅延を誘発する可能性があるので、本発明の一実施例では、第1増率過程(P12)及び第2増率過程(P14)においてドラム20の目標RPMを同一に維持する。さらに乾燥行程の安定化のために、増率過程(P10)でのドラム20のRPM(G7)は恒率過程(P20)と同じ値に制御される。
【0256】
なお、上述したように、ファン210のRPM(G8)は空気の流量及び流速に関連し、空気の流量及び流速は結局流体循環部100の流体から損失される熱量に関連するので、流体循環部100の流体の効率的な温度増加のために、第1増率過程(P12)においてファン210のRPM(G8)は第2増率過程(P14)よりも低く設定されて乾燥効率(G3)の速い増加に寄与する。
【0257】
上記のように本発明の一実施例においては、第1増率過程(P12)では乾燥効率(G3)及び流体循環部100の流体温度の速い上昇という過程の特性に合うようにファン210のRPM(G8)を調節するが、ファン210のRPM(G8)とは独立してドラム20のRPM(G7)を調節することにより、各乾燥過程の特性を効果的に具現しながらエネルギー効率を効果的に改善することができる。
【0258】
一方、本発明の一実施例では、制御部400は第1増率過程(P12)において洗濯物量判断過程(P11)後にドラム20のRPM(G7)が一定であるように駆動部300を制御する。
【0259】
即ち、本発明の一実施例は、第1増率過程(P12)を行うとともに、上述した洗濯物量判断過程(P11)を行う。例えば、衣類の乾燥行程が行われると、洗濯物量判断過程(P11)が先に行われ、第1増率過程(P12)は洗濯物量判断過程(P11)を含めて洗濯物量判断過程(P11)を行った後にドラム20のRPM(G7)を一定に維持することができる。
【0260】
図12及び図13には本発明の一実施例によって制御部400が駆動部300を制御して行われる洗濯物量判断過程(P11)がドラム20のRPM(G7)で表現されている。
【0261】
本発明の一実施例では、上述したように、洗濯物量判断過程(P11)のためにドラム20のRPM(G7)を変化しても、駆動部300が第1駆動機310及び第2駆動機320を備える方式などでドラム20とファン210のRPM(G8)を個々に独立して制御するので、不要なファン210のRPM(G8)変動なしに洗濯物量判断過程(P11)を行うことができる。
【0262】
一方、本発明の一実施例において、制御部400はドラム20のRPM(G7)及びファン210のRPM(G8)が第2増率過程(P14)及び恒率過程(P20)において同一であるように駆動部300を制御する。
【0263】
第2増率過程(P14)は第1増率過程(P12)の後に行われて恒率過程(P20)に進入するために各駆動装置及びサイクルの安定化が進行される乾燥過程であるので、制御部400は第2増率過程(P14)においてドラム20とファン210のRPM(G7,G8)が既に恒率過程(P20)でのドラム20とファン210のRPM(G7,G8)と同一であるように駆動部300を制御する。
【0264】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は第1減率過程(P32)において駆動部300のRPM及び圧縮機120の周波数(G9)を恒率過程(P20)以下の値に制御し、第2減率過程(P34)において駆動部300のRPM及び圧縮機120の周波数(G9)を第1減率過程(P32)よりも低い値に制御する。
【0265】
図12及び図13を参照すると、第1減率過程(P32)において駆動部300のRPM、即ち、ドラム20及びファン210のRPM(G7,G8)が恒率過程(P20)以下の値に調節される。例えば、第1減率過程(P32)においてドラム20及びファン210のRPM(G7,G8)は恒率過程(P20)と同一であるか又は低い。
【0266】
即ち、本発明の一実施例において、制御部400は乾燥効率(G3)の増加のための更なるエネルギー消費がないように、第1減率過程(P32)においてドラム20及びファン210のRPM(G7,G8)が恒率過程(P20)以下になるように駆動部300を制御する。
【0267】
一方、本発明の一実施例において、第2減率過程(P34)では駆動部300のRPMと圧縮機120の周波数(G9)を第1減率過程(P32)より低い値に制御することができる。即ち、制御部400は第2減率過程(P34)において駆動部300及び圧縮機120を停止させるか又は第1減率過程(P32)より低い出力に制御することができる。
【0268】
第2減率過程(P34)は乾燥行程の完全な終了の代わりに、乾燥行程の終了のために衣類処理装置1の作動状態を比較的に緩慢に中止させる過程であるので、第2減率過程(P34)の少なくとも一部で駆動部300及び圧縮機120を相変わらず作動することができる。
【0269】
図12及び図13を参照すると、第2減率過程(P34)においては制御部400が駆動部300、即ちファン210及び圧縮機120の作動を停止し、ドラム20を第1減率過程(P32)より低いRPM(G7)で回転させることを確認することができる。
【0270】
第2減率過程(P34)では流体及び空気のクーリング過程が行われる。図12及び図13にはクーリング過程が示されており、クーリング過程においてドラム20は第1減率過程より低いRPM(G7)で回転する。
【0271】
衣類の乾燥行程が終了すると、本発明の一実施例による衣類処理装置1のユーザはドラム20から衣類を回収するが、このとき、衣類の乾燥行程で加熱された衣類の温度のため、衣類回収が不便である。
【0272】
よって本発明の一実施例では、第2減率過程(P34)において流体及び空気の温度減少はもちろん、衣類のクーリングが行われるようにドラム20を所定のRPMで相変わらず回転させる。ドラム20の回転により衣類が均一に放熱されて衣類の温度低下に有利である。
【0273】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は衣類量が所定の大量基準値以上である場合、第1減率過程(P32)において駆動部300のRPM及び圧縮機120の周波数(G9)を恒率過程(P20)と同一に制御する。
【0274】
具体的には、本発明の一実施例において、洗濯物量判断過程(P11)により把握される衣類量が所定の大量基準値以上である場合、制御部400は大量負荷モードによる乾燥行程を進行する。
【0275】
大量基準値とは恒率過程(P20)が行われた後にも衣類に残っている水分量が一定水準以上である衣類量を意味し、大量基準値は繰り返し実験の結果及び理論的な結果に基づいて様々に決定される。
【0276】
図13は大量負荷モードによる駆動部300及び圧縮機120の制御戦略を示すグラフである。大量負荷モードでは、制御部400は第1減率過程(P32)において駆動部300のRPM及び圧縮機120の周波数(G9)を恒率過程(P20)と同一に維持する。
【0277】
大量負荷モードは恒率過程(P20)により衣類の水分量が減少して乾燥効率(G3)が減少する減率過程(P30)に進入しても衣類の水分量が相変わらず多い状況であり、よってユーザが乾燥行程の結果物に十分に満足できるように衣類の乾燥効果を十分に維持することができる。
【0278】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は衣類量が大量基準値未満である場合、第1減率過程(P32)において圧縮機120の周波数(G9)が恒率過程(P20)よりも低いように圧縮機120を制御する。
【0279】
即ち、衣類量が大量基準値未満である場合、制御部400は一般負荷モードで圧縮機120及び駆動部300の制御を進行し、かかる一般負荷モードによる駆動部300及び圧縮機120の制御戦略は図12のグラフに示されている。
【0280】
一般負荷モードは、大量負荷モードと比較するとき、衣類の乾燥効果の上昇よりはエネルギー効率を優先するモードである。一般負荷モードは、恒率過程(P20)の後に一般的な第1減率過程(P32)に進行しても衣類の水分量が十分に除去されるモードであると理解できる。
【0281】
図12及び図13を参照しながら大量負荷モードと一般負荷モードを比較すると、大量負荷モードでは、第1減率過程(P32)において衣類の乾燥効果、即ち、衣類からの水分蒸発量が向上されるように恒率過程(P20)と同一に駆動部300のRPM及び圧縮機120の周波数(G9)を制御することができる。
【0282】
第1減率過程(P32)において駆動部300及び圧縮機120を恒率過程(P20)と同一に制御しても衣類の水分量減少により乾燥効率(G3)が緩慢に減少する。
【0283】
一方、一般負荷モードでは、第1減率過程(P32)において駆動部300及び圧縮機120のエネルギー消費によるエネルギー効率が改善されるように駆動部300及び圧縮機120の出力を恒率過程(P20)以下に制御する。
【0284】
例えば、本発明の一実施例において、制御部400は衣類量が大量基準値未満である場合、第1減率過程(P32)において第1駆動機310を制御してドラム20のRPM(G7)を恒率過程(P20)と同じ値に制御し、第2駆動機320を制御してファン210のRPM(G8)を恒率過程(P20)よりも低い値に制御する。
【0285】
図12を参照すると、衣類量が大量基準値未満に該当する一般負荷モードにおいては、制御部400はドラム20のRPM(G7)は恒率過程(P20)と同一に維持し、ファン210のRPM(G8)は恒率過程(P20)よりも低いように第1駆動機310及び第2駆動機320を制御する。
【0286】
ドラム20の回転は衣類の乾燥効果及び衣類温度の低下に関与するので、第1減率過程でも恒率過程(P20)と同一のRPMを維持することが有利である。一方、ファン210のRPM(G8)は恒率過程(P20)よりも低く制御されてエネルギー消費量を減少することができる。
【0287】
このように本発明の一実施例では、第1駆動機310及び第2駆動機320の個別制御によりドラム20のRPM(G7)及びファン210のRPM(G8)を独立的かつ効率的に調節することにより、エネルギー効率の改善と共に、乾燥行程の乾燥効率(G3)を効果的に改善することができる。
【0288】
一方、本発明の一実施例において、制御部400は第2減率過程(P34)において駆動部300を制御して所定のクーリング時間の間にドラム20のRPM(G7)を恒率過程(P20)よりも低いクーリングRPMに制御し、クーリング時間が経過した後、ドラム20のRPM(G7)をクーリングRPMよりも低い値に制御する。クーリング時間は必要に応じて様々に設定され、クーリング時間の後、ドラム20のRPM(G7)は0に該当するように駆動部300が制御される。
【0289】
本発明の一実施例は、クーリング時間の設定により第2減率過程(P34)でもドラム20がクーリング時間の間に回転しながら衣類のクーリングが行われ、クーリング過程を行った後、ドラム20の回転が終了しながら乾燥行程の完了が進行される。
【0290】
なお、制御部400は第2減率過程(P34)においてクーリング時間の間にドラム20のRPM(G7)がクーリングRPMに該当するように第1駆動機310を制御し、ファン210のRPM(G8)が第2減率過程(P34)において一定であるように第2駆動機320を制御する。
【0291】
上述したように、ドラム20ではクーリング過程の間に第1減率過程(P32)のRPMより低い低RPMで回転しながら衣類の冷却が行われる。但し、ファン210は衣類処理装置1内の各システムが安定して終了するように予め回転が終了する。
【0292】
本発明の一実施例は、上記のように第2減率過程(P34)においてドラム20の回転と共にファン210の回転が終了するように第1駆動機310及び第2駆動機320が独立して作動して衣類の乾燥行程においてエネルギー効率を改善することができる。
【0293】
一方、図14は本発明の一実施例による衣類処理装置1の制御方法を示すフローチャートである。
【0294】
図14を参照すると、本発明の一実施例による衣類処理装置1の制御方法において、衣類処理装置1は、キャビネット10と、キャビネット10内に回転可能に備えられ、衣類が収容されるドラム20と、流体が循環する凝縮器110、圧縮機120及び蒸発器130を備え、圧縮機120から吐出される流体の温度を測定する圧縮機センサ150を備える流体循環部100と、流体循環部100を通過して加熱された空気をドラム20内に流動させるファン210を備える空気循環部200と、ドラム20及びファン210を回転させる駆動部300と、圧縮機120及び駆動部300を制御して衣類の乾燥行程を行う制御部400とを備える。
【0295】
また本発明の一実施例による衣類処理装置1の制御方法は、増率段階(S100)、恒率進入判断段階(S200)、恒率段階(S300)、減率進入判断段階(S400)及び減率段階(S500)を含む。
【0296】
増率段階(S100)では制御部400が圧縮機120及び駆動部300、即ち、第1駆動機310及び第2駆動機320を制御してドラム20内の乾燥効率(G3)を上げる。
【0297】
恒率進入判断段階(S200)では制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が所定の恒率段階(S300)進入条件を満たすか否かを判断する。
【0298】
例えば、恒率段階(S300)進入条件は恒率進入乾燥効率、恒率進入圧縮機センサ値(V1)などを含む。制御部は圧縮機センサ150の測定値(G4)が恒率進入圧縮機センサ値(V1)に該当するか否かを判断する。
【0299】
恒率段階(S300)は恒率進入判断段階(S200)において圧縮機センサ150の測定値(G4)が恒率進入圧縮機センサ値(V1)に該当する場合、制御部400が圧縮機120及び駆動部300を制御して乾燥効率(G3)を維持する。
【0300】
以下、図14を参照しながら、本発明の一実施例による衣類処理装置1の制御方法について具体的に説明する。但し、本発明の一実施例による衣類処理装置1に関連して重複する内容はできる限り省略する。
【0301】
本発明の一実施例による制御方法は、増率段階(S100)、恒率進入判断段階(S200)、恒率段階(S300)、減率進入判断段階(S400)及び減率段階(S500)を含み、増率段階(S100)は第1増率段階(S110)、第2増率進入判断段階(S130)及び第2増率段階(S140)を含む。減率段階(S500)は第1減率段階(S510)、第2減率進入判断段階(S520)及び第2減率段階(S530)を含む。
【0302】
ユーザがキャビネット10の制御ユニット30などにより衣類の乾燥行程を命令すると、制御部400は増率段階(S100)を行う。制御部400は増率段階(S100)を行うとき、第1増率段階(S110)を行い、第1増率段階(S110)の開始と共に洗濯物量判断段階(S120)を行うことができる。
【0303】
洗濯物量判断段階(S120)では制御部400が駆動部300を制御してドラム20を所定のパターンに回転させながらドラム20内の洗濯物量を判断する洗濯物量判断過程(P11)が行われる。洗濯物量判断段階(S120)で判断される衣類量は、衣類の乾燥行程における電極センサ25の活用有無や一般負荷モード及び大量負荷モードの区別に活用される。
【0304】
洗濯物量判断段階(S120)の後、制御部400は第1増率段階(S110)に基づいて乾燥効率(G3)を急速に上昇させるために、流体循環部100の流体温度を急速に上昇させる。そのために制御部400は圧縮機120を制御して圧縮機120の周波数(G9)を恒率段階(S300)より高く制御し、ドラム20を制御してドラム20のRPM(G7)を恒率過程(P20)と一定に維持し、ファン210を制御してファン210のRPM(G8)を恒率過程(P20)より低く調節する。
【0305】
増率段階(S100)において制御部400は第2増率進入判断段階(S130)を行う。第2増率進入判断段階(S130)において制御部400は第2増率過程(P14)の進入条件を満たすか否かを判断する。
【0306】
第2増率過程(P14)進入条件は第1増率過程実行時間(T1)、第2増率進入乾燥効率及び第2増率進入湿度センサ値である。制御部400は第1増率過程(P12)が行われる第1増率段階(S110)の実行時間が所定の第1増率過程実行時間(T1)を経過する場合、第1増率段階(S110)を終了して第2増率段階(S140)を行う。
【0307】
また制御部400は現在の乾燥効率(G3)が所定の第2増率進入乾燥効率に該当する場合は、第1増率段階(S110)を終了して第2増率段階(S140)を行うこともできる。
【0308】
また制御部400は現在の湿度センサ値が所定の第2増率進入湿度センサ値に該当する場合は、第1増率段階(S110)を終了して第2増率段階(S140)を行うこともできる。
【0309】
一方、本発明の一実施例では、第2増率段階(S140)において制御部400が駆動部300及び圧縮機120を制御して流体循環部100及び空気循環部200を安定化させ、乾燥効率(G3)を恒率値に到達させることができる。第2増率段階(S140)で行われる第2増率過程(P14)では乾燥効率(G3)の増加率が第1増率過程(P12)より低くても良い。
【0310】
制御部400は第1増率段階(S110)及び第2増率段階(S140)において圧縮機120の周波数(G9)が同一に維持されるように圧縮機120を制御する。制御部400は増率段階(S100)の圧縮機120の周波数(G9)が恒率段階(S300)の圧縮機120の周波数(G9)よりも高いように圧縮機120を制御する。
【0311】
制御部400は第2増率段階(S140)においてファン210のRPM(G8)が第1増率段階(S110)よりも高いように駆動部300を制御する。制御部400は第2増率段階(S140)においてファン210のRPM(G8)が恒率段階(S300)と同一であるように駆動部300を制御する。
【0312】
制御部400は第2増率段階(S140)においてドラム20のRPM(G7)が第1増率段階(S110)と同一であるように駆動部300を制御する。制御部400は第2増率段階(S140)においてドラム20のRPM(G7)が恒率段階(S300)と同一であるように駆動部300を制御する。即ち、制御部400は増率段階(S100)及び恒率段階(S300)のドラム20のRPM(G7)が一定であるように駆動部300を制御する。
【0313】
恒率進入判断段階(S200)において制御部400は恒率段階(S300)進入条件を満たすか否かを判断する。恒率段階(S300)進入条件は恒率進入圧縮機センサ値(V1)、恒率進入蒸発器センサ値(V2)、恒率進入湿度センサ値及び恒率進入乾燥効率を含む。
【0314】
制御部400は恒率段階(S300)進入条件のいずれかが満たされると、増率段階(S100)を終了して恒率段階(S300)を行う。
【0315】
例えば、制御部400は圧縮機センサ150の測定値(G4)が恒率進入圧縮機センサ値(V1)に到達するか、蒸発器センサ160の測定値(G5)が恒率進入蒸発器センサ値(V2)に到達するか、湿度センサ値が恒率進入湿度センサ値に到達するか、又は乾燥効率(G3)が恒率進入乾燥効率に到達すると、増率段階(S100)を終了して恒率段階(S300)を行う。
【0316】
一方、恒率段階(S300)において制御部400は恒率過程(P20)を行う。恒率過程(P20)において制御部400は乾燥効率(G3)が恒率値を維持するように圧縮機120及び駆動部300を制御する。
【0317】
制御部400はドラム20のRPM(G7)が増率過程(P10)及び恒率過程(P20)において一定であるように駆動部300を制御し、ファン210のRPM(G8)が第2増率過程(P14)及び恒率過程(P20)において一定であるように駆動部300を制御し、また圧縮機120の周波数(G9)が恒率過程(P20)において増率過程(P10)よりも低いように圧縮機120を制御する。
【0318】
減率進入判断段階(S400)において制御部400は減率段階(S500)進入条件を満たすか否かを判断する。減率段階(S500)の進入条件は減率進入変化率(V3)、減率進入圧縮機センサ値(V4)、減率進入電極センサ値(V5)、減率進入湿度変化率及び減率進入乾燥効率を含む。
【0319】
制御部400は減率段階(S500)の進入条件のいずれかが満たされると、恒率段階(S300)を終了して減率段階(S500)を行う。
【0320】
例えば、制御部400は蒸発器センサ160の測定値(G5)の変化率が減率進入変化率(V3)に到達するか、圧縮機センサ150の測定値(G4)が減率進入圧縮機センサ値(V4)に到達するか、電極センサ25の測定値(G10)が減率進入電極センサ値(V5)に到達するか、湿度センサの測定値変化率が減率進入湿度変化率に到達するか、又は乾燥効率(G3)が減率進入乾燥効率に到達すると、恒率段階(S300)を終了して減率段階(S500)を行う。
【0321】
一方、減率段階(S500)において制御部400は減率過程(P30)を行う。減率過程(P30)において制御部400は乾燥効率(G3)が減少するように圧縮機120及び駆動部300を制御する。
【0322】
制御部400は減率段階(S500)においてドラム20のRPM(G7)が恒率段階(S300)以下になるように駆動部300を制御し、ファン210のRPM(G8)が恒率段階(S300)以下になるように駆動部300を制御し、また圧縮機120の周波数(G9)を恒率過程(P20)より低く圧縮機120を制御する。
【0323】
減率段階(S500)において制御部400は第1減率段階(S510)を行う。第1減率段階(S510)において制御部400は第1減率過程(P32)を行い、第1減率過程(P32)において制御部400は第2減率過程(P34)と比較するとき、乾燥効率(G3)が緩慢に減少するように圧縮機120及び駆動部300を制御する。
【0324】
ドラム20の衣類量が大量基準値未満である一般負荷モードにおいて、制御部400は第1減率過程(P32)においてドラム20のRPM(G7)が恒率過程(P20)と同一であり、第2減率過程(P34)よりも高いように駆動部300を制御し、ファン210のRPM(G8)が恒率過程(P20)よりも低く第2減率過程(P34)よりも高いように駆動部300を制御し、圧縮機120の周波数(G9)が恒率過程(P20)よりも低く第2減率過程(P34)よりも高いように圧縮機120を制御する。
【0325】
ドラム20の衣類量が大量基準値以上である大量負荷モードにおいては、制御部400は第1減率過程(P32)においてドラム20のRPM(G7)が恒率過程(P20)と同一であり、第2減率過程(P34)よりも高いように駆動部300を制御し、ファン210のRPM(G8)が恒率過程(P20)と同一であり、第2減率過程(P34)よりも高いように駆動部300を制御し、圧縮機120の周波数(G9)が恒率過程(P20)と同一であり、第2減率過程(P34)よりも高いように圧縮機120を制御する。
【0326】
一方、第2減率進入判断段階(S520)において制御部400は第2減率段階(S530)進入条件を満たすか否かを判断する。第2減率段階(S530)の進入条件は第2減率進入電極センサ値(V6)と観測時間(T4)、第2減率進入湿度センサ値及び第2減率進入乾燥効率を含む。
【0327】
制御部400は第2減率段階(S530)の進入条件のいずれかが満たされると、第1減率段階(S510)を終了して第2減率段階(S530)を行う。
【0328】
例えば、制御部400は電極センサ25の測定値(G10)が第2減率進入電極センサ値(V6)に該当し、観測時間(T4)が経過したか、湿度センサの測定値が第2減率進入湿度センサ値に到達するか、又は乾燥効率(G3)が第2減率進入乾燥効率に到達した場合、第1減率段階(S510)を終了して第2減率段階(S530)を行う。
【0329】
第2減率段階(S530)において第2減率過程(P34)を行う。第2減率過程(P34)において制御部400は第1減率過程(P32)と比較して乾燥効率(G3)が急に減少し、衣類処理装置1の各駆動装置が安定して終了され、衣類のクーリング過程が行われるように圧縮機120及び駆動部300を制御する。
【0330】
第2減率過程(P34)において、制御部400はドラム20のRPM(G7)がクーリング過程の間に第1減率過程(P32)よりも低く運転され、クーリング過程の後にドラム20の回転が終了するように駆動部300を制御し、ファン210の回転が終了するように駆動部300を制御し、圧縮機120の作動が終了するように圧縮機120を制御する。
【0331】
本発明では特定の実施例について説明しているが、以下の特許請求の範囲により提供される本発明の技術的思想の範囲内で本発明を様々に改良及び変化できることは当業者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0332】
1:衣類処理装置 10:キャビネット
15:衣類開口 20:ドラム
25:電極センサ 30:制御ユニット
40:衣類ドア 50:外気センサ
100:流体循環部 110:凝縮器
120:圧縮機 130:蒸発器
140:膨張バルブ 150:圧縮機センサ
160:蒸発器センサ 200:空気循環部
210:ファン 220:ドラム流入部
230:ドラム排出部 240:経由部
300:駆動部 310:第1駆動機
320:第2駆動機 400:制御部
P10:増率過程 P11:洗濯物量判断過程
P12:第1増率過程 P14:第2増率過程
P20:恒率過程 P30:減率過程
P32:第1減率過程 P34:第2減率過程
V1:恒率進入圧縮機センサ値 V2:恒率進入蒸発器センサ値
V3:減率進入変化率 V4:減率進入圧縮機センサ値
V5:減率進入電極センサ値 V6:第2減率進入電極センサ値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】