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特表2023-533265イオン移動度分光計のため空気浄化システム、その動作方法及びイオン移動度分光計
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  • 特表-イオン移動度分光計のため空気浄化システム、その動作方法及びイオン移動度分光計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】イオン移動度分光計のため空気浄化システム、その動作方法及びイオン移動度分光計
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/622 20210101AFI20230726BHJP
【FI】
G01N27/622
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500095
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 GB2021051636
(87)【国際公開番号】W WO2022003333
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2010253.9
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507235789
【氏名又は名称】スミスズ ディテクション-ワトフォード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ジョン リップスクーム
(72)【発明者】
【氏名】アレックス エドワード パーカー
(72)【発明者】
【氏名】アラスター クラーク
(72)【発明者】
【氏名】アラスター ビードル
【テーマコード(参考)】
2G041
【Fターム(参考)】
2G041AA07
2G041CA02
2G041GA21
2G041GA22
(57)【要約】
イオン移動度分光計の空気浄化システム(24’’)を動作させる方法であって、イオン移動度分光計のドリフトチャンバ(12)と空気浄化システムの第1のシーブ(70)を含む閉鎖的空気循環システムで空気の流れを循環させることを含む第1のサンプリングモードで前記イオン移動度分光計を動作させることと、第2の空気の流れを前記第1のシーブ(70)を通過させて排出口(76)へと送りながら、前記第1のシーブを加熱し、第1の空気の流れを前記空気浄化システムの第2のシーブ(72)と前記ドリフトチャンバ(12)を通過させ循環させること、を含む第1の再生モードでイオン移動度分光計を動作させることと、を含む方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン移動度分光計の空気浄化システムを動作させる方法であって、
イオン移動度分光計のドリフトチャンバと空気浄化システムの第1のシーブを含む閉鎖的空気循環システムで空気の流れを循環させることを含む第1のサンプリングモードで前記イオン移動度分光計を動作させることと、
第2の空気の流れを前記第1のシーブを通過させて排出口へと送りながら、前記第1のシーブを加熱し、第1の空気の流れを前記空気浄化システムの第2のシーブと前記ドリフトチャンバを通過させ循環させることを含む第1の再生モードでイオン移動度分光計を動作させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の再生モードにおいて、前記第2の空気の流れは、前記第2のシーブから供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の再生モードにおいて、周囲空気の流れがイオン移動度分光計から取り入れた空気と混合される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の再生モードにおいて、前記第2の空気の流れは、第1の空気の流れの一部によって供給される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1の空気の流れの一部が、例えば、フローオリフィスのような流れ制限器、ニードルバルブなどのマスフローコントローラ、ポンプ、比例バルブ、又はその他の流れ制御手段のような、フローコントローラを用いて前記第1の空気の流れから分流される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の空気の流れを分流することは、前記第2の空気の流れが排出口と向かうことを可能にするために排出弁を操作することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記イオン移動度分光計を、前記閉鎖的空気循環システムにおいて前記第1のシーブに代えて前記第2のシーブを使用する第2のサンプリングモードに切り替えることを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記イオン移動度分光計を、前記第1の再生モードと前記第2のサンプリングモードで同時動作させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記同時動作が、前記第1のシーブを再生するために前記第1のシーブを加熱している間に、サンプルを分析するためのイオン移動度分光計の動作に必要なドリフトガスを供給するために前記第1の空気の流れを使用することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イオン移動度分光計を、前記第2の空気の流れを前記第2のシーブを通過させて排出口へと送りながら、前記第2のシーブを加熱し、前記第1の空気の流れを前記空気浄化システムの前記第1のシーブと前記ドリフトチャンバを通過させ循環させることを含む第2の再生モードに切り替えることを含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
イオン移動度分光計のための空気浄化システムであって、
前記空気浄化システムを前記イオン移動度分光計のドリフトチャンバに接続して閉鎖的空気循環システムを形成するように構成される、入口及び出口と、
空気を排出するための排出口と、
第1のシーブと、
第2のシーブと、を備え、
前記空気浄化システムは、前記閉鎖的空気循環システムを空気が循環し、前記第1のシーブが前記閉鎖的空気循環システムの一部を形成するように接続される第1のサンプリングモードを提供するように構成され、
前記空気浄化システムは、第2の空気の流れが前記第1のシーブを通過して前記イオン移動度分光計から前記排出口へと排出されながら、前記第1のシーブが加熱され、第1の空気の流れが前記第2のシーブと前記ドリフトチャンバを通過して循環する第1の再生モードへ切り替えられるよう構成される、空気浄化システム。
【請求項12】
前記第1の再生モードにおいて、前記第2空気の流れは、前記第2のシーブから供給される、請求項11に記載の空気浄化システム。
【請求項13】
前記第1の再生モードにおいて、周囲空気の流れが、イオン移動度分光計から前記入口を通して取り込まれた空気と混合される、請求項11又は12に記載の空気浄化システム。
【請求項14】
前記第1の再生モードにおいて、前記第2の空気の流れは、前記第1の空気の流れの一部によって供給される、請求項11から13のいずれかに記載の空気浄化システム。
【請求項15】
前記第2の空気の流れを供給するために前記第1の空気の流れからその一部を分流するように構成されるフローオリフィスを含む、請求項14に記載の空気浄化システム。
【請求項16】
前記第2の空気の流れが前記排出口に向かうことを可能にするために開くことができ、前記排出口への前記第2の空気の流れを阻止するために閉じることができる排出弁を含む、請求項15に記載の空気浄化システム。
【請求項17】
前記空気浄化システムが、さらに、前記閉鎖的空気循環システムにおいて前記第1のシーブに代えて前記第2のシーブを使用する第2のサンプリングモードに切り替えられるように構成される、請求項11から16のいずれかに記載の空気浄化システム。
【請求項18】
前記空気浄化システムが、前記第2の空気の流れが前記第2のシーブを通過して前記イオン移動度分光計から前記排出口へと排出されながら、前記第2のシーブが加熱され、前記第1の空気の流れが前記第1のシーブと前記ドリフトチャンバを通過して循環するような第2の再生モードで動作可能である、請求項11から17のいずれかに記載の空気浄化システム。
【請求項19】
前記空気浄化システムは、前記第1のサンプリングモードと前記第2の再生モードで同時動作するように構成される、請求項18に記載の空気浄化システム。
【請求項20】
前記同時動作は、前記第2のシーブを再生するために前記第2のシーブが加熱しながら、サンプルを分析するためのイオン移動度分光計の動作に必要なドリフトガスを供給するために前記第1の空気の流れを使用することを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
イオン移動度分光計であって、
入口及び出口を含み、前記入口と前記出口は第1のシーブと第2のシーブに選択的に接続可能である空気浄化システムと、
前記空気浄化システムの前記出口と前記入口に接続されるドリフトチャンバであって、前記空気浄化システムの前記出口からの浄化し乾燥化された空気が前記ドリフトチャンバを通じて供給されるような、前記ドリフトチャンバと、
前記イオン移動度分光計から空気を排出するために、前記空気浄化システムに接続された排出口と、
ヒーターと、を備え、
前記空気浄化システムは、前記第1のシーブを加熱し、前記第2のシーブによって乾燥化された空気の流れを変えて、前記第1のシーブを通過させ前記排出口へと向かわせることで前記第1のシーブを再生するように構成される、イオン移動度分光計
【請求項22】
前記第1のシーブの再生中に、前記第2のシーブによって乾燥化された空気も、前記空気浄化システムの前記出口から前記ドリフトチャンバを通過して前記空気浄化システムの前記入口に向かうように循環される、請求項21に記載のイオン移動度分光計。
【請求項23】
前記第1のシーブの再生中に、前記空気浄化システムの前記出口から前記ドリフトチャンバを通過して循環された空気も、前記ドリフトチャンバでイオン移動度分光測定を行うためのドリフトガスとして使用するように構成される、請求項22に記載のイオン移動度分光計。
【請求項24】
前記空気浄化システムは、前記第2のシーブを加熱し、前記第1のシーブによって乾燥化された空気の流れを変え、前記第2のシーブを通過させ前記排出口へと向かわせることで前記第2のシーブを再生するように構成される、請求項21、22又は23に記載のイオン移動度分光計。
【請求項25】
前記第2のシーブの再生中に、前記第1のシーブによって乾燥化された空気も、前記空気浄化システムの前記出口から前記ドリフトチャンバを通過して前記空気浄化システムの前記入口に向かうように循環される、請求項24に記載のイオン移動度分光計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法および装置に関し、より詳細には、イオン移動度分光計のような微量検出装置に使用され得るような空気浄化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イオン移動度分光計やその他の蒸気をサンプリングするシステムでは、浄化され乾燥化された空気を供給することが有効な場合がある。この目的のために、典型的には、しばしば所謂シーブパックに入ったモレキュラーシーブが使用される。通常、モレキュラーシーブは、直径約2mmのゼオライト材料からなる多数の球体を、検出器を通るガス流路に接続された外部ハウジングに充填することで提供される。直径が異なる球体が使用されてもよく、ゼオライト以外の材料が用いられてもよい。検出器内を流れるガスはシーブを通過しながら循環され、その後、検出器内で再循環される。パックを通過している間、ガスは球体の外側を蛇行しながら流れ、その一部は球体内を通過する。これらのパック(タワーと呼ばれることもある)は、密着したハウジングに保持されたゼオライトの固形ブロックから構成されてもよい。このようなブロックはガスが通過できる多数の流路を有してもよい。このようなシーブには、様々な構成を使用することができる。
【0003】
時間の経過とともに、シーブの効果が低下することがある。例えば、水分が蓄積され、シーブを通過する空気から水分を取り込む能力が低下することがある。イオン移動度分光計のドリフトガスに含まれる過度の水分が問題となることが知られている。
【0004】
この問題を解決するために、シーブパックにガスを流しながら加熱することでシーブパックを再生することができる。このような方法の場合、典型的には、検出器からシーブを取り出して交換するか、検出器の使用を停止する必要がある。
【0005】
「全損失」の空気浄化システムでは、化学物質検出システムを流れる乾燥空気は、外部の周囲空気から継続的に送り込まれ、検出器で使用される前にモレキュラーシーブを使用して浄化され乾燥される。検出器から出た空気は大気中に送り出される(「損失」する)ため、この空気の流れは「全損失」となる。これは「クローズドループ」アプローチとは対照的である。「クローズドループ」アプローチでは、通常運転において、乾燥空気流は連続するループに送り出され、ループ内でモレキュラーシーブを使って空気を乾燥する。つまり、(意図的に)空気の出入りがない状態にしている。
【0006】
このようなシステムでは、一般的にシーブの再生のための追加的な構成が必要になる。これらの構成はかさばったり重くなったりすることがあるため、携帯型検出器では問題となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の態様及び実施例は、特許請求の範囲に記載されており、上述した技術的課題の少なくとも一部、及びその他の課題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、ドリフトチューブ及び検出器入口のベークアウトを同時に行う一方でモレキュラーシーブを再生することができる、イオン移動度分光計の空気浄化システムの動作方法を提供するものである。そのような方法の1つは、請求項1に記載されており、イオン移動度分光計をサンプリングモード又は再生モードのいずれかで選択的に動作させることを含むが、いくつかの実施形態では、サンプリングと再生が同時に実行されてもよい。
【0009】
請求項1で特定された方法の例は、イオン移動度分光計を第2の再生モードに切り替えることを含んでいてもよく、この第2の再生モードは、第2の空気の流れを第2のシーブを通過させて排出口へと送り、例えばイオン移動度分光計から排出させながら、第2のシーブを加熱し、第1の空気の流れを空気浄化システムの第1のシーブとドリフトチャンバを通過させ循環させることを含んでいる。そのような方法はまた、イオン移動度分光計を、閉鎖的空気循環システムにおいて第1のシーブに代えて第2のシーブを使用する第2のサンプリングモードに切り替えることを含んでもよい。モード間の切り替えは、あるモードでの動作を停止した後に他のモードでの動作を開始することを含んでもよい。
【0010】
ドリフトチューブ及び検出器入口のベークアウトを同時に行う一方でシーブを再生する、イオン移動度分光計の空気浄化システムの別の動作方法も開示されている。そのような方法の1つは、
第2の空気の流れを第1のシーブを通過させて排出口へと送り、例えばイオン移動度分光計から排出させながら、第1のシーブを加熱し、第1の空気の流れを空気浄化システムの第2のシーブとドリフトチャンバを通過させ循環させることを含む第1の再生モードでイオン移動度分光計を動作させることと、イオン移動度分光計を第2の再生モードに切り替えることとを含み、前記第2の再生モードは、第2の空気の流れを第2のシーブを通過させて排出口へと送り、例えばイオン移動度分光計から排出させながら、第2のシーブを加熱し、第1の空気の流れを空気浄化システムの第1のシーブとドリフトチャンバを通過させ循環させることを含む。この方法はまた、2つの可能なサンプリングモードのうちの1つで空気浄化システムを動作させることを含んでもよく、2つのサンプリングモードの間で選択的に切り替えることを含んでもよい。第1のサンプリングモードは、イオン移動度分光計のドリフトチャンバ及び空気浄化システムの第1のシーブを含む閉鎖的空気循環システムで空気の流れを循環させることを含んでいてもよい。第2のサンプリングモードでは、第2のシーブをドリフトチャンバと接続するように切り替えて、第2のシーブが閉鎖的空気循環システムにおいて第1のシーブの代わりに使用されるようにしてもよい。第1サンプリングモードは、第2の再生モードと同時に動作させることができ、第2サンプリングモードが、第1の再生モードと同時に動作させることも可能である。
【0011】
このような同時動作に加えて、本開示の文脈では、この本開示の態様と他の態様は、以下の動作を提供するように動作され得ることが理解されるであろう。
(1)第1のサンプリングモード又は第2のサンプリングモードでの動作に続く、第1の再生モード及び第2の再生モードのうちの対応する1つでの動作。
(2)第1のサンプリングモードでの動作に続く、第2の再生モードでの動作、及び、第2のサンプリングモードでの動作に続く、第1の再生モードでの動作。
【0012】
本明細書に記載の方法は、サンプリングに使用されるシーブが先行する動作モードで加熱されたシーブであるサイクルのようなシーケンスでモードを切り換えることを含んでもよい。例えば、このサイクルは、第1のサンプリングモード、第2の再生モード、第2のサンプリングモード、第1の再生モード、第1のサンプリングモード、といった順序でモードを切り替えることを含んでもよい。
【0013】
第1の再生モードでは、第2の空気の流れは、第2のシーブから供給されてもよい。第1の再生モードでは、周囲空気の流れは、イオン移動度分光計から取り出された空気と混合されてもよい。第1の再生モードでは、第2の空気の流れは、第1の空気の流れの一部によって供給されてもよい。第1の空気の流れの一部は、フローオリフィスを使用して第1の空気の流れから分流されてもよい。第1の空気の流れを分流することは、第2の空気の流れが排出口に向かうことを可能にするために排出弁を操作することを含んでもよい。
【0014】
1つの態様は、イオン移動度分光計のための空気浄化システムを提供し、このシステムは、前記空気浄化システムを前記イオン移動度分光計のドリフトチャンバに接続して閉鎖的空気循環システムを形成するように構成される入口及び出口と、前記システムから、例えば前記イオン移動度分光計から、空気を排出するための排出口と、第1のシーブと、第2のシーブと、を備え、前記空気浄化システムは、前記閉鎖的空気循環システムを空気が循環し、前記第1のシーブが前記閉鎖的空気循環システムの一部を形成するように接続される第1のサンプリングモードを提供するように構成される。
前記空気浄化システムは、前記サンプリングモードから、以下のいずれかに切り替えられるように構成されていてもよい。
(a)第2の空気の流れが第1のシーブを通過してイオン移動度分光計から排出口へと排出されながら、第1のシーブが加熱され、第1の空気の流れが第2のシーブとドリフトチャンバを通過して循環する第1の再生モード
(b)第2の空気の流れが第2のシーブを通過してイオン移動度分光計から排出口へと排出されながら、第2のシーブが加熱され、第1の空気の流れが第1のシーブとドリフトチャンバを通過して循環する第2の再生モード
【0015】
第1の再生モードでは、第2の空気の流れは、第2のシーブから供給されてもよい。第1の再生モードでは、周囲空気の流れは、イオン移動度分光計からの前記入口を介して取り込まれた空気と混合されてもよい。第1の再生モードでは、第2の空気の流れは、第1の空気の流れの一部によって供給されてもよい。
【0016】
空気浄化システムは、さらに、閉鎖的空気循環システムにおいて、第1のシーブに代えて第2のシーブを使用する第2のサンプリングモードを提供するように構成されてもよい。第2のサンプリングモードと第1の再生モードは、同時に動作してもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、シーブの再生のために必要とされるシステムのダウンタイムを低減することができる。
【0017】
第2のサンプリングモードと第1の再生モードは、同時に動作させてもよい。これら2つのモードの同時動作は、第1のシーブを再生するために第1のシーブを加熱しながら、サンプルを分析するためのイオン移動度分光計の動作に必要なドリフトガスを供給するために、第1の空気の流れを使用することから構成されてもよい。このように、第2のシーブは、第1のシーブが再生されている間、IMSのサンプリング動作に使用することができる。
【0018】
フローオリフィスのようなフローコントローラは、第2の流れを供給するために第1の流れからその一部を分流するように構成されてもよい。このシステムは、第2の空気の流れが排出口に向かうことを可能にするために開くことができ、排出口への前記空気の流れを阻止するために閉じることができる排出弁を含んでいてもよい。
【0019】
空気浄化システムは、さらに、第2の空気の流れが第2のシーブを通過してイオン移動度分光計から排出口へと排出される間に、第2のシーブが加熱され、第1の空気の流れが第1のシーブとドリフトチャンバを通過して循環する第2の再生モードに切り替えられる構成であってもよい。
【0020】
空気浄化システムは、サンプリングに使用されるシーブが先行する動作モードで加熱されたシーブであるようなサイクルを有するシーケンスでモードを切り換えるように構成されてもよい。例えば、このサイクルは、第1のサンプリングモード、第2の再生モード、第2のサンプリングモード、第1の再生モード、第1のサンプリングモード、といった順序でモードを切り替えることを含んでもよい。
【0021】
1つの態様はまた、本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載されている全ての構成を例とするような空気浄化システムを含むイオン移動度分光計を提供する。そのようなイオン移動度分光計の1つは、入口及び出口を含み、前記入口と前記出口は第1のシーブと第2のシーブに選択的に接続可能である空気浄化システムと、前記空気浄化システムの前記出口と前記入口に接続されるドリフトチャンバであって、前記空気浄化システムの前記出口からの浄化し乾燥化された空気が前記ドリフトチャンバを通じて供給できるような、前記ドリフトチャンバと、前記イオン移動度分光計から空気を排出するために、前記空気浄化システムに接続された排出口と、ヒーターと、を備え、前記空気浄化システムは、前記第1のシーブを加熱し、前記第1のシーブを通過して前記排出口へと向かう前記第2のシーブによって乾燥化された空気の流れを変えることで前記第1のシーブを再生するように構成される。
【0022】
選択可能な態様として、第1のシーブの再生中に、第2のシーブによって乾燥化された空気も、空気浄化システムの出口からドリフトチャンバを通って空気浄化システムの入口に循環される。また、空気浄化システムは、第2のシーブを加熱し、第1のシーブによって乾燥化された空気の流れを変えて第2のシーブを通過させ排出口へと向かわせることで第2のシーブを再生するように構成されてもよい。
【0023】
第2のシーブの再生中に、第1のシーブによって乾燥化された空気も、空気浄化システムの出口からドリフトチャンバを通って空気浄化システムの入口まで循環される。
【0024】
本開示の一実施形態では、例えば、半透過性材料(Nafionなど)を不要にできるともに、追加のポンプ及び他のハードウェアも不要にできるため、重量および嵩を低減することができる。これらの利点は、安価な一方向「逆止」弁と、おそらくいくつかの追加的で安価なフィルタとを用いて達成することができる。
【0025】
1つの実施形態において、サンプリングの間、ガスの流れは、2つのシーブのいずれか1つだけを通り、一方で「他方のタワー」は使用されない(又は再生中の場合もあり得る)。1つの実施形態において、再生モードでは、一方のシーブから出る流れの一部は、他方のシーブを通って流れるように(例えば、逆向きに)方向づけされ、他方のシーブは加熱され、したがって、再生される。再生タワーから出た湿った空気は、ユニットから周囲大気に排出される。
【0026】
再生タワーからの空気の損失を補うために、シーブの上流で、空気吸気口(例えば、固定インピーダンス)を開けて空気を取り入れるようにしてもよい(図2の場合、ポンプの流入部に吸気口がある。)。
【0027】
図2を参照して説明される実施形態のようないくつかの実施形態では、再生中、検出器のために利用可能な浄化された乾燥空気の流れが依然として存在する。この乾燥した空気の流れは、シーブの再生と同時に検出器(例えば、サンプリングチャネル及び/又は入口及び/又はドリフトチューブ12)をベークアウトするために使用されてもよい。また、再生中に検出器によるサンプリングを可能にすることもできるだろう。
【0028】
本開示の文脈で当業者に理解されるように、他の実施形態も想定される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
次に、本開示の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1】空気浄化システムを有するイオン移動度分光計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、検出器入口10と、ドリフトチューブ12を含むイオン移動度分光計システムを示す。検出器入口10は、バルクフローの制限を提供するサンプリング手段(例えば、膜やピンホール)や、チューブのような直接接続を提供するサンプリング手段のような、サンプリング手段によってドリフトチューブに接続されている。サンプルを運んで検出器入口に導入する空気の流れ、例えば、サンプルを脱着器からサンプリング手段に運び、そこでドリフトチューブ12に導入することができるような流れが可能となる流路が設けられている。
【0031】
ドリフトチューブ12は反応領域12-1を含んでもよい。この反応領域は、流路によって検出器入口に接続され、ゲート12-2によってドリフト領域12-3と分けられている。ゲート12-2から離れたところに位置するドリフト領域12-3の端部には、検出器入口10を介してイオン移動度分光計に導入されるサンプル中の目的物質を同定するイオン移動度分光測定を行うために、ファラデーカップ等の検出器12-4が設けられてもよい。
【0032】
サンプルの分析に使用する場合、ドリフトガスは、概ね、検出器12-4からゲートに向かってドリフト領域12-3に沿って流れることが理解されるであろう。そのため、ドリフトガス入口18はドリフト領域12-3の検出器と同じ端に設けられ、ドリフトガス出口20は、ゲート12-2の近傍、例えばサンプル入口近傍にあるドリフト領域12-3の端に設けられ、例えばサンプル入口とゲートの間に配置される。
【0033】
また、校正用物質やドーパントなどの物質をドリフトチューブ12に一定量供給するために、ドリフトチューブ12に蒸気ドージングシステム22が接続されていてもよい。
【0034】
図1に示されるイオン移動度分光計は、イオン移動度分光計内を循環する、例えばドリフトガスなどの空気を浄化し乾燥させるための空気浄化システム24’’を備える。空気浄化システム24’’は、浄化及び乾燥化される空気を受け入れるための入口26と、イオン移動度分光計で使用される浄化及び乾燥化された空気を供給するための出口28とを有する。
【0035】
蒸気ドージングシステム22からドリフトチューブ12に蒸気を一定量供給するために用いることができる空気の流れを供給するために、空気浄化システム24の出口28は、ドリフトガス入口18及び蒸気ドージングシステム22に接続される。
【0036】
図1に示す装置は、ヒーターを備える。複数のヒーター、例えば、各シーブに1つのヒーターを、検出システムの他の構成要素に他のヒーターを設けてもよい。分かりやすくするために、ヒーターは図面には示されていないが、シーブ及び/又は検出器の残りの部分を少なくとも摂氏200度などの高温に加熱するように動作可能であってもよい。ヒーターは、2つのシーブの一方を他方よりも加熱できるように、例えば、一方のシーブを少なくとも摂氏200度に加熱し、他方のシーブを通常の動作温度に維持できるように構成してもよい。
【0037】
図1に示すイオン移動度分光計は、複数の三方弁34、36、38、40を含む。これらの弁の各々は、第一ポート、第二ポート及び第三ポートを有する。第一ポートは、第二ポートと第三ポートのいずれかに選択的に接続可能である。三方弁は、第一ポートが第二ポートに接続されているときに第三ポートを閉鎖されることで(例えば、一次ポートから離されていることで)、流体が第三ポートに流れ込んだり、第三ポートから流れ出したりしないように構成される。同様に、第一ポートが第三ポートに接続されているときは第二ポートも同様に閉鎖される。これらの三方弁がオフ状態にあるとき、第一ポートは第二ポートに接続され、第三ポートは閉鎖される。本開示の文脈において、ここに記載されたこれらの弁が持つ流路変更機能を提供するために、これら以外のフロー制御手段が使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0038】
ドリフトチューブ12のドリフトガス出口20は、空気浄化システム24’’の入口26につながる流路によって接続される。
【0039】
空気浄化システム24’’の入口26は、第1のポンプ50’の吸気口に接続されている。また、このポンプ50’の吸気口は、第5の三方弁80(以下、「吸気弁80」と呼ぶ。)の第一ポートにも接続される。吸気弁80の第三ポートは、周囲空気導入口48に接続され、第二ポートは閉塞される。したがって、この弁80のオフ状態では、第1のポンプの吸気口は空気浄化システム24’’の入口26にのみ接続され、一方、周囲空気からの周囲空気導入口48は閉塞される。
【0040】
第1のポンプ50’の排気口は、安全弁54に接続され、第6の三方弁82(以下、「第1シーブ弁82」と呼ぶ。)の第二ポート、及び、第7の三方弁84(以下、「第2シーブ弁84」と呼ぶ。)の第三ポートにも接続される。第1シーブ弁82の第三ポート、及び、第2シーブ弁84の第二ポートは、いずれも、第10の三方弁86(以下、「空気排出弁86」と呼ぶ。)の第一ポートに接続される。空気排出弁86の第三ポートは、ドライヤーリザーバ60によってエバポレータ61に接続され、エバポレータ61によって周囲の大気に空気を放出するための空気浄化システム24’’の空気排出口76に接続される。空気排出弁86の第二ポートは閉鎖されているため、空気排出弁86がオフのときは、空気浄化システム24’’の排出口は閉じた状態になっている。
【0041】
第1シーブ弁82の第一ポートは、第1のモレキュラーシーブ70の第一ポートに接続される。第2シーブ弁の第一ポートは、第2のモレキュラーシーブ72の第一ポートに接続される。第1のモレキュラーシーブ70は第二ポートを有し、このポートは、第1の一方向弁90の流入部と、第2の一方向弁92の流入部と、第2のモレキュラーシーブ72の第二ポートとに接続される。したがって、第2のモレキュラーシーブ72の第二ポートも、当然、第1のモレキュラーシーブ70の第二ポートと、2つの一方向弁90、92の流入部とに接続される。第1のモレキュラーシーブ70の第二ポートと第2のモレキュラーシーブ72の第二ポートとの間の接続部には、フローインピーダンスオリフィス94が設けられている(したがって、このオリフィス94によっても、2つの一方向弁の流入部が分けられている。)。この2つの一方向弁90、92の流出部はいずれも、空気浄化システム24’’の流出部に接続される。
【0042】
【表1】
【0043】
図1に示したシステムは2つの動作モードを有し、それぞれのモードは2つの状態を有する。

・サンプリング-状態1
・サンプリング-状態2
・ベークアウト+再生 状態1
・ベークアウト+再生 状態2
【0044】
サンプリング動作モードでは、空気の流れはサンプリングチャネルを通ってドリフトチューブ12の入口に送られる。サンプリング状態1では、2つのシーブ弁はともにオフであり、排出弁もオフである。したがって、空気浄化システムにおいては、空気浄化システム24’’の入口に流入する空気は、第1のモレキュラーシーブと第1の一方向弁を通って、浄化システムの出口へと導かれる。逆に、サンプリング状態2においては、2つのシーブ弁は両方ともオンであるので、空気浄化システムの入口に流入する空気は、第2のモレキュラーシーブと第2の一方向弁を通って、浄化システムの出口へと導かれる。
【0045】
このシステムは、セルフクリーニングの一種でもある「ベークアウト」モードに加え、セルフクリーニングモードを提供してもよい。セルフクリーニングモードでは、ポンプ50が動作している間に、ドリフトチューブ12とサンプルチャネルはともに加熱される。選択可能な態様として、空気浄化システム24’’も加熱されてもよい。空気の流れは、前のサンプリングに起因する汚染物が発生し得るいくつかの領域で反転される(例えば、脱着器を通過する。)。これによって、検出器入口10からの汚染物の除去を支援することができる。このような2つのセルフクリーニング状態が設けられる(状態1及び状態2)。状態1では、空気浄化システムにおける流れは第1のシーブを通り、状態2では、第2のシーブを通る。これら2つのセルフクリーニング状態の両方において、ドリフトチャンバ12、反応領域、検出器入口(或いはIMSの1つ又は複数の構成要素)などのIMSのクリーニング対象部位は加熱されてもよい。反応領域から「逆流」した空気は、サンプリング入口に流入する(例えば、サンプリング中の空気の流れとは逆方向に流れる。)。この目的のために、空気清浄システムを使用して乾燥化された空気が使用され、この空気は空気清浄システムの入口に逆流され浄化される。
【0046】
図2に示された空気浄化システム24’’は、2つのシーブの一方又は他方を再生しながらベークアウトを実行することが可能である。ベークアウトと再生の状態2において、システムは加熱される(例えば、ドリフトチャンバ12、反応領域、及び検出器入口など、浄化されるIMSの1つ又は複数の構成要素)。この加熱が行われている間、空気浄化システムの外側のIMSの空気の流れは、上述のセルフクリーニングモードのように制御される。しかしながら、この場合、空気取り入れ口を介して周囲空気がシステム内に引き込まれるように吸気弁80がオンに切り替えられる。
【0047】
ベークアウト+再生の状態2において、シーブ弁82、84はともにオフに切り替えられる一方、排出弁86はオンに切り替えられる。その結果、第1のシーブ70によって第1の一方向弁90の流入側に供給される、浄化され乾燥化された空気の一部は、フローインピーダンスオリフィスを通って第2のシーブ72の第二ポートに送られる。その後、この空気はこのシーブを通って「逆流」し、排出弁に至る。排出弁はオンになっていて、この流れがエバポレータを介して空気浄化システムの外に排出されるようになっている。このように、システム全体が「ベークアウト」している間、第1のシーブによってふるい分けられた空気によって第2のシーブを再生することができる。逆に、ベークアウトと再生の状態1では、2つのシーブ弁は両方ともオンになっているので、空気浄化システムの入口からの流れは、第2のシーブを通ってから、一部は第2の一方向弁によって空気浄化システムの出口に、一部はフローインピーダンスオリフィスによって第1のシーブに送られる。その後、この空気は第1のシーブを通って「逆流」し、排出弁とエバポレータへと至る。このように、システムが全体として「ベークアウト」する間に、2つのシーブのうち一方が他方のシーブを使って再生され得ることが理解されるだろう。このとき、「ベークオフ」された汚染物を含んだ空気は、再生していないシーブに流れ込み、上述したセルフクリーニングモードと同様に、浄化される。この方式では、ポンプを追加する必要がなく、また、一部を選択的に透過する膜などの乾燥システムを追加する必要もないという利点も得られうる。
【0048】
他の実施形態も想定される。例えば、このシステムは2つのモレキュラーシーブを有するものとして説明されてきたが、それよりも多くの数のシーブが使用されてもよい。
【0049】
本開示の実施形態は、検出器システムにおいて空気を乾燥及び浄化された状態に維持するために使用される空気流システムの変形例を提供する。これらは、イオン移動度分光法に基づく検出器で使用され得るが、浄化及び乾燥化された空気の供給が必要とされる他の微量化学物質検出器でも使用され得る。
【0050】
本明細書に記載されるモレキュラーシーブは、IMSや他の検出装置において検出装置に供給されるガスから不要な化学物質を除去するために使用されるようなものだけでなく、その他の適切なタイプのものであってよい。例えば、モレキュラーシーブは、ゼオライトのような吸収剤及び/又は吸収性材料の断片をパックしてハウジングに一緒に詰め込んで構成されてもよい。例えば、この断片は、例えば、直径約2mmの球体であってもよい。ハウジングはガス流路に接続され、パックを通って流れるガスが、材料の断片の外側を回る蛇行した経路をたどるとともに、その一部が材料を通って流れるようにしてもよい。他のタイプのモレキュラーシーブを使用してもよく、例えば、シーブが、複数のガス流路を内部に備えたモレキュラーシーブ材料の固体ブロックで形成されているものを使用してもよい。このようなシーブにおいて、シーブを通るガスの流れを主にブロックの内部を通過する流れに限定してもよい。ブロックは、ゼオライトを含んでもよい。
【0051】
一方向弁90、92は任意であって、能動的な流れ制御弁のような任意の適切な流れ制御手段に置き換えられ得るし、上述したような三方弁を用いてもよい。本明細書に記載された安全弁54は任意であって、これらのないシステムとして提供されてもよい。また、図2に示す三方弁80、86の機能は、単純なオン/オフ弁などの任意の適切な弁によって提供されてもよいことが、本開示の文脈で理解されよう。これまで記載されてきたフローインピーダンスオリフィスは空気の流れをある部分と別の部分に分ける方法を提供しているが、別の例として、例えば、システムの異なる部分における圧力損失のバランスを使用することによって分流を実現してもよい。しかし、例えば、(フローオリフィスだけではなく)その他の流れ制御器、ニードルバルブなどのマスフローコントローラ、ポンプ、比例バルブ、又はその他の任意の流れ制御手段を、任意の適切なフローコントローラとして使用してもよい。
【0052】
本明細書に記載されるベークアウトモードは、セルフクリーニングの時間がベークアウトの時間よりも短くてもよく、例えば約30秒から数分であってもよいという点で、「セルフクリーニングモード」と異なってもよい。対照的に、ベークアウトがより長くてもよく、例えば夜間や機械が異常に汚染されて標準的な「セルフクリーン」では装置を清掃できそうにない場合に、定期的に行われるようにスケジュールされてもよい。セルフクリーンモードでは,ベークアウトの場合よりも少ない数の構成要素が加熱されてもよい。例えば、ベークアウトモードでは、冷却にかかる時間がより長い構成要素を加熱し、セルフクリーンモードではそれらを加熱しないようにしてもよい。
【0053】
本明細書に開示された全ての実施例のいずれかに見られるいかなる特徴も、本明細書に記載された他の実施例のいずれかから選択されたあらゆる特徴に組み合わせることができる。例えば、方法の特徴は、適切に構成されたハードウェアに実装されてもよく、本明細書に記載された特定のハードウェアの構成は、他のハードウェアを使用して実装された方法に採用されてもよい。
【0054】
図に示された実施形態は単なる例示であり、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されるように、一般化、削除又は置換され得る特徴を含むことが、上記の議論から理解されるであろう。図面を一般的に参照すると、本明細書に記載されるシステム及び装置の機能性を示すために、概略的な機能ブロック図が使用されていることが理解されよう。しかしながら、当該機能はここで説明されたように分けられる必要はなく、また当該機能は、本明細書に記載され以下の特許請求の範囲で規定されるハードウェアの構造以外の特定の構造を何ら示唆するものではないと解釈されるべきであると理解されよう。図面に示された1つ又は複数の要素の機能は、さらに細分化され、及び/又は本開示の装置全体に分散されてもよい。いくつかの実施形態では、図面に示された1つ又は複数の要素の機能は、単一の機能ユニットに統合されてもよい。
【0055】
いくつかの例では、上述した機能は、プログラマブルプロセッサ又は他のそのような制御ロジックによって提供され得るようなコンピュータ制御下で動作されてもよい。これは、汎用プロセッサを使用して達成されてもよく、それが本明細書に記載されたもののいずれか1つによる方法を実行するように構成されてもよい。いくつかの例では、そのようなコントローラは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA、特定用途向け集積回路、ASIC、デジタル信号プロセッサ、DSPなどのデジタルロジック、又は、他の任意の適切なハードウェアによって構成されてもよい。いくつかの例では、1つ又は複数のメモリ要素が、本明細書に記載される動作を実施するために使用されるデータ及び/又はプログラム命令を格納することができる。本開示の実施形態は、本明細書に記載及び/又は請求される方法のいずれか1つ又は複数を実行するためにプロセッサをプログラムするように動作可能な、及び/又は本明細書に記載及び請求されるデータ処理装置を提供するように動作可能な、プログラム命令を含む有形、非一時的記憶媒体を提供する。コントローラは、この制御機能の少なくとも一部を提供するアナログ制御回路を含んでいてもよい。1つの実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの任意の1つ又は複数を実行するように構成されたアナログ制御回路を提供する。
【0056】
上記の実施形態は、説明のための例示として理解されるべきである。さらなる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して説明された任意の特徴は、単独で、又は説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、他の実施形態の1つ又は複数の任意の特徴、或いは、他の実施形態を任意に組み合わせた形態の1つ又は複数の任意の特徴、と組み合わせて使用されてもよいことが理解されよう。さらに、上述されなかった等価な形態や変更形態も、添付の特許請求の範囲で特定される本発明の範囲から逸脱することなく採用することができる。
図1
【国際調査報告】