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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/02 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
F28D9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500405
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 KR2021008806
(87)【国際公開番号】W WO2022010313
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0085035
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088959
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ジ フン
(72)【発明者】
【氏名】シン, ソン ホン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA05
3L103BB37
3L103CC02
3L103CC18
3L103CC30
3L103DD55
(57)【要約】
【課題】互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成される、すなわち、結果的に、3種の流体が互いに熱交換することができるように形成される熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器100A、100Bは、複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、第1流体が流動する第1流動部V1を含む第1プレート110A、110Bと、長さ方向の一側および他側に隔壁125によって区画され、第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する第2流動部V2を含む第2プレート120A、120Bとを含み、第1プレート110A、110Bおよび第2プレート120A、120Bが交互に積層される。
隔壁125は、隣接した第1プレート110A、110Bと接合される面上に少なくとも一つの隔壁孔125Hが形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、
第1流体が流動する第1流動部を含む第1プレートと、
長さ方向の一側および他側に隔壁によって区画され、第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する第2流動部を含む第2プレートとを含み、
前記第1プレートおよび前記第2プレートが交互に積層されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記熱交換器は、
第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔および第1排出孔が形成され、
前記第1流入孔および前記第1排出孔は、互いに長さ方向に離隔して長さ方向の両端に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔の仮想の連結線上に前記第1流動部に向かって突出して第1流体の流動を分配する流体分配構造が形成されることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記流体分配構造は、
前記第1流入孔または前記第1排出孔に近いほど突出面積が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記流体分配構造は、
前記第2プレートに形成される前記隔壁と対応しない位置に形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記流体分配構造は、
突出した部分が三角形または円弧を含む形態に形成されることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が幅方向の中央に配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記熱交換器は、
第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔、
第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔および第3排出孔が形成され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、
前記第3流入孔および前記第3排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記流体分配構造は、
前記第1プレートの中央に形成され、
前記第1流入孔または前記第1排出孔の方が円弧であり、中央の方が直線部である半円形に形成され、且つ隣接した前記第2プレートに形成された前記隔壁に対応される位置を回避するように互いに離隔配置される一対の半円リブであることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器は、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの一側側壁から長さ方向に延びる第2案内壁が備えられ、
前記第2プレートの前記第3流入孔と前記第3排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの他側側壁から長さ方向に延びる第3案内壁が備えられることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記熱交換器は、
第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔、
第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔および第3排出孔が形成され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央で一側に偏って配置され、
前記第3流入孔および前記第3排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から他側に偏って配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記流体分配構造は、
前記第1流入孔または前記第1排出孔に隣接形成され、
前記第1流入孔または前記第1排出孔の方が頂点であり、中央の方が直線部である三角形に形成される一対の三角リブであることを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記熱交換器は、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記隔壁から長さ方向に延びる第2案内壁が備えられ、
前記第2プレートの前記第3流入孔と前記第3排出孔との間を区画するように、前記隔壁から長さ方向に延びる第3案内壁が備えられることを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記熱交換器は、
前記第1プレートおよび前記第2プレート上に複数個のビードが形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記熱交換器は、
前記第1プレートに形成されたビードの密度が前記第2プレートに形成されたビードの密度より低く形成されることを特徴とする請求項14に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記熱交換器は、
前記第1プレートに形成されたビードおよび前記第2プレートに形成されたビードの位置が互いにずれるように形成されることを特徴とする請求項14に記載の熱交換器。
【請求項17】
前記熱交換器は、
第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔および第1排出孔が形成され、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が前記隔壁によって区画された長さ方向の一側または他側から選択されるいずれか一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項18】
前記熱交換器は、
第1流体、第2流体、第3流体がいずれもUフローを形成しながら流動することを特徴とする請求項17に記載の熱交換器。
【請求項19】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、
前記第1プレートの前記第1流入孔と前記第1排出孔との間を区画するように、前記第1プレートの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる第1案内壁が備えられることを特徴とする請求項18に記載の熱交換器。
【請求項20】
前記熱交換器は、
第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔および第3排出孔が形成され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置され、前記第3流入孔および前記第3排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中間に配置され、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁が備えられ、
前記第2プレートの前記第3流入孔と前記第3排出孔との間を区画するように、前記隔壁から中間まで長さ方向に延びる第3案内壁が備えられることを特徴とする請求項18に記載の熱交換器。
【請求項21】
複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、
第1流体が流動する第1流動部を含む第1プレートと、
第2流体または第3流体から選択されるいずれか一つの流体が流動する第2流動部を含む第2プレートと、
前記第2流動部を含むが第2流体および第3流体の積層方向への流通を遮断する隔膜プレートとを含み、
前記第1プレートおよび前記第2プレートが交互に積層され、
積層された前記第2プレートのうち一つが前記隔膜プレートに代替され、前記隔膜プレートの位置を基準に、一側には第1、2流体が流通し、他側には第1、3流体が流通するように形成されることを特徴とする熱交換器。
【請求項22】
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、
第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔および第1排出孔、
第2流体または第3流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔が形成されることを特徴とする請求項21に記載の熱交換器。
【請求項23】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されることを特徴とする請求項22に記載の熱交換器。
【請求項24】
前記熱交換器は、
前記隔膜プレートの前記第2流入孔の位置と前記第2排出孔の位置との間を区画するように、前記隔膜プレートの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる隔膜案内壁が備えられることを特徴とする請求項23に記載の熱交換器。
【請求項25】
前記熱交換器は、
前記第1プレートの前記第1流入孔と前記第1排出孔との間を区画するように、前記第1プレートの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる第1案内壁が備えられることを特徴とする請求項23に記載の熱交換器。
【請求項26】
前記熱交換器は、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁が備えられることを特徴とする請求項23に記載の熱交換器。
【請求項27】
前記熱交換器は、
電気自動車またはハイブリッドカーに備えられ、
第1流体が冷媒であり、第2流体および第3流体のいずれか一つがバッテリ冷却用冷却水であり、残りの一つがモータ冷却用冷却水であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項28】
前記隔壁は、
隣接した前記第1プレートと接合される面上に少なくとも一つの隔壁孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関し、より詳しくは、互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成される、すなわち、結果的に3種の流体が互いに熱交換することができるように形成される熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両のエンジンルーム内には、エンジンなどの駆動のための部品だけでなく、エンジンなどの車内の各部品を冷却するか、または車両室内の空気の温度を調節するためのラジエータ、インタークーラ、蒸発器、凝縮器などの様々な熱交換器が備えられる。このような熱交換器は、一般的に、内部に熱交換媒体が流通し、熱交換器内部の熱交換媒体と熱交換器外部の空気が互いに熱交換することで、冷却または放熱が行われる。このように、1種の熱交換媒体が外部空気と熱交換する方式の熱交換器を空冷式熱交換器と称することがある。
【0003】
多くの場合、熱交換器には、1種の熱交換媒体が流通するが、必要に応じて2種の熱交換媒体が流通する熱交換器が一体に形成されることもある。例えば、自動車のラジエータおよびオイルクーラの場合、ラジエータには、エンジンを冷却するための冷却水が流通し、オイルクーラには、エンジンオイル、ミッションオイルなどのオイルが流通する。もちろん、これらがそれぞれ別の装置として形成されることもあるが、エンジンルームの空間活用性を高める目的や、冷却水を用いてオイルを冷却する水冷式オイルクーラ構造が導入されるなどのように、これらが一体型に形成されることも多い。2種の熱交換媒体が流通する場合、2種の熱交換媒体が外部空気と熱交換してそれぞれ冷却される方式もあり、このような場合も空冷式熱交換器に該当するが、2種の熱交換媒体が互いに熱交換する方式もあり、特に、2種の熱交換媒体のうち一つが冷却水である場合、水冷式熱交換器と称することがある。2種の熱交換媒体が互いに熱交換する方式の熱交換器は、単純にある1種の熱交換媒体が流れる空間内に他の1種の熱交換媒体が流れるパイプなどの構造物が挿入されている形態になることもあり、またはプレート式熱交換器の形態として各層ごとに互いに異なる種の熱交換媒体が流れるように形成されることで、各層の境界で熱交換が行われるようにする形態になることもあるなど、様々な実施形態が存在する。
【0004】
韓国登録特許第1545648号公報(「プレート式熱交換器」、2015年08月12日、以下「先行文献」)には、2種の熱交換媒体が流通しながら互いに熱交換する方式を有する熱交換器技術が開示されている。図1は、従来の2種流体熱交換器の分解斜視図である。図1に図示しているように、プレート式熱交換器は、2種のプレートが交互に積層された形態からなり、図1において、「冷媒」、「冷却水」と表示されているように、互いに異なる2種の流体がそれぞれ流出入するように4個の入出口を有する。図1の例示において、第1、2プレート500a、500bは、いずれも下側に陥没して流体流通空間を形成する。第1プレート500aは、冷媒入口および冷媒出口と連結される連通孔510、520の縁部が流体流通空間の反対側、すなわち、下側に突出し、冷却水入口および冷却水出口と連結される連通孔530、540の縁部が流体流通空間側、すなわち、上側に突出する。第2プレート500bの連通孔は、これとは反対の構造を有する。第2プレート500bおよび第1プレート500aが順に積層される場合、下側の第1プレート500aの冷却水側の連通孔530、540の縁部は上側に突出し、上側の第2プレート500bの冷却水側の連通孔530、540の縁部は下側に突出して互いに当接する。これにより、第2プレート500bおよび第1プレート500aが順に積層されて形成される空間、すなわち、図1において、濃い矢印に沿って流体が流通することに表示されている空間では、(冷却水側の連通孔の縁部が互いに当接して詰まるため)冷却水が流れ込むことができなくなり、当該空間には、冷媒のみが流通する。逆に、第1プレート500aおよび第2プレート500bが順に積層される場合、第1プレート500aおよび第2プレート500bが順に積層されて形成される空間、すなわち、図1において、薄い矢印に沿って流体が流通することに表示されている空間には、冷却水だけが流通する。上述のように、前記プレート式熱交換器は、第1、2プレート500a、500bが交互に積層された形態からなるため、結果的に、冷媒流通空間および冷却水流通空間が交互に積層される。したがって、プレート板面を介して冷却水および冷媒が互いに熱交換することができる。このように、冷却水および冷媒が互いに熱交換して冷媒を冷却するように形成される熱交換器を特にチラー(chiller)と称することがある。一般的なチラーは、図1の例示のように、1種の冷却水と1種の冷媒が互いに熱交換するようになる。
【0005】
一方、最近、環境汚染問題が次第に深刻になるにつれて、内燃機関車に対する規制が深化しており、特定の国の場合、今後数十年内に内燃機関車自体の生産が禁止される見込みがあるほどの状況である。そのため、ハイブリッドカーまたは電気自動車の需要が大きく増加しており、関連研究も非常に活発になされている。
【0006】
電気自動車は、基本的に、バッテリに貯蔵された電力を用いてモータを駆動して移動が行われる形態を有する。この際、バッテリやモータでは相当な熱が発生し、内燃機関車でエンジンを冷却水で冷却することと同様に、バッテリ、モータも冷却水で冷却するようにする構造が導入され使用されている。この際、バッテリとモータで発生する熱量が異なるため、バッテリを冷却して高温になった冷却水とモータを冷却して高温になった冷却水の温度が互いに異なることは当然である。上述のチラーは、このように高温になった冷却水を冷媒と熱交換させて冷却する熱交換器であり、上述のように、2種の冷却水(バッテリ冷却用冷却水、モータ冷却用冷却水)の間の温度領域の差がひどい場合、単純に冷却水を混合して一つのチラーで冷却する場合、冷却して出た冷却水が相対的に低温の部品の冷却水として再使用するに十分な程度の低温を形成できないなど、冷却効率を低下させることが多い。
【0007】
このような問題を解消するための解決策として、最も単純には、バッテリ用チラーおよびモータ用チラーを別に形成する方式があり得る。しかし、このようにする場合、チラーを2個備える必要があり、エンジンルーム内の空間活用性が大きく不良になり、車両の重量が増加することでシステム効率が低下し、冷媒を2個のチラーに分配して供給することによって発生する装置複雑性および漏出危険性が増加するなど、多数の問題が発生する。
【0008】
したがって、一つの熱交換器で3種の熱交換媒体を熱交換することができる熱交換器、特に、2種の流体(媒体自体は同様に冷却水であっても温度領域が異なる場合、2種とみなすことができ、上述の例において、バッテリ冷却用冷却水およびモータ冷却用冷却水に該当する)を他の1種の流体(上述の例において、冷媒に該当する)と熱交換することができる熱交換器構造の開発が緊急の課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第1545648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が目的とするところは、互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成される、すなわち、結果的に、3種の流体が互いに熱交換することができるように形成される熱交換器を提供することである。より具体的には、例えば、電気自動車において、バッテリ冷却用冷却水およびモータ冷却用冷却水のように、互いに温度領域が異なる2種の冷却水および1種の冷媒を一つの熱交換器で熱交換させることができるように形成される熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
熱交換器100A、100Bは、複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、第1流体が流動する第1流動部V1を含む第1プレート110A、110Bと、長さ方向の一側および他側に隔壁125によって区画され、第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する第2流動部V2を含む第2プレート120A、120Bとを含み、第1プレート110A、110Bおよび第2プレート120A、120Bが交互に積層されることができる。
【0012】
ここで、隔壁125は、隣接した第1プレート110A、110Bと接合される面上に少なくとも一つの隔壁孔125Hが形成されることができる。
【0013】
熱交換器100Aは、第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔H1および第1排出孔H2が形成され、第1流入孔H1および第1排出孔H2は、互いに長さ方向に離隔して長さ方向の両端に配置されることができる。
【0014】
また、熱交換器100Aは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の仮想の連結線上に第1流動部V1に向かって突出して第1流体の流動を分配する流体分配構造が形成されることができる。
【0015】
また、前記流体分配構造は、第1流入孔H1または第1排出孔H2に近いほど突出面積が小さくなるように形成されることができる。より具体的には、前記流体分配構造は、突出した部分が三角形または円弧を含む形態に形成されることができる。
【0016】
また、前記流体分配構造は、第2プレート120Aに形成される隔壁125と対応しない位置に形成されることができる。
【0017】
また、熱交換器100Aは、第1流入孔H1および-第1排出孔H2が幅方向の中央に配置されることができる。
【0018】
熱交換器100Aは、第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されることができる。
【0019】
ここで、前記流体分配構造は、第1プレート110Aの中央に形成され、第1流入孔H1または第1排出孔H2の方が円弧であり、中央の方が直線部である半円形に形成され、且つ隣接した第2プレート120Aに形成された隔壁125に対応する位置を回避するように互いに離隔配置される一対の半円リブ112Aであることができる。
【0020】
また、熱交換器100Aは、第2プレート120Aの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Aの一側側壁から長さ方向に延びる第2案内壁121Aが備えられ、第2プレート120Aの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、第2プレート120Aの他側側壁から長さ方向に延びる第3案内壁122Aが備えられることができる。
【0021】
熱交換器100Aは、第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から一側に偏って配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から他側に偏って配置されることができる。
【0022】
ここで、前記流体分配構造は、第1流入孔H1または第1排出孔H2に隣接形成され、第1流入孔H1または第1排出孔H2の方が頂点であり、中央の方が直線部である三角形に形成される一対の三角リブ113Aであることができる。
【0023】
また、熱交換器100Aは、第2プレート120Aの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、隔壁125から長さ方向に延びる第2案内壁121Aが備えられ、第2プレート120Aの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、隔壁125から長さ方向に延びる第3案内壁122Aが備えられることができる。
【0024】
また、熱交換器100Aは、第1プレート110Aおよび第2プレート120A上に複数個のビードが形成されることができる。
【0025】
ここで、熱交換器100Aは、第1プレート110Aに形成されたビードの密度が第2プレート110Bに形成されたビードの密度より低く形成されることができる。
【0026】
また、熱交換器100Aは、第1プレート110Aに形成されたビードおよび第2プレート110Bに形成されたビードの位置が互いにずれるように形成されることができる。
【0027】
熱交換器100Bは、第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔H1および第1排出孔H2が形成され、第1流入孔H1および第1排出孔H2が隔壁125によって区画された長さ方向の一側または他側から選択されるいずれか一方に形成されることができる。
【0028】
また、熱交換器100Bは、第1流体、第2流体、第3流体がいずれもUフローを形成しながら流動することができる。
【0029】
また、熱交換器100Bは、第1流入孔H1および第1排出孔H2が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、第1プレート110Bの第1流入孔H1および第1排出孔H2の間を区画するように、第1プレート110Bの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる第1案内壁111Bが備えられることができる。
【0030】
また、熱交換器100Bは、第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中間に配置され、第2プレート120Bの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Bの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁121Bが備えられ、第2プレート120Bの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、隔壁125から中間まで長さ方向に延びる第3案内壁122Bが備えられることができる。
【0031】
熱交換器100Cは、複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、第1流体が流動する第1流動部V1を含む第1プレート110Cと、第2流体または第3流体から選択されるいずれか一つの流体が流動する第2流動部V2を含む第2プレート120Cと、第2流動部V2を含み、第2流体および第3流体の積層方向への流通を遮断する隔膜プレート130とを含み、第1プレート110Cおよび第2プレート120Cが交互に積層され、積層された第2プレート120Cのうち一つが隔膜プレート130に代替されて前記隔膜プレート130の位置を基準に、一側には第1、2流体が流通し、他側には第1、3流体が流通するように形成されることができる。
【0032】
ここで、第1プレート110Cおよび第2プレート120Cは、第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔H1および第1排出孔H2、第2流体または第3流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4が形成されることができる。
【0033】
また、熱交換器100Cは、第1流入孔H1および第1排出孔H2が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されることができる。
【0034】
また、熱交換器100Cは、第1プレート110Cの第1流入孔H1と第1排出孔H2との間を区画するように、第1プレート110Cの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる第1案内壁111Cが備えられることができる。
【0035】
また、熱交換器100Cは、第2プレート120Cの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Cの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁121Cが備えられることができる。
【0036】
また、熱交換器100Cは、隔膜プレート130の第2流入孔H3位置と第2排出孔H4位置との間を区画するように、隔膜プレート130の他側側壁から中間まで長さ方向に延びる隔膜案内壁131が備えられることができる。
【0037】
熱交換器100A、100B、100Cは、電気自動車またはハイブリッドカーに備えられ、第1流体が冷媒であり、第2流体および第3流体のいずれか一つがバッテリ冷却用冷却水であり、残りの一つがモータ冷却用冷却水であることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によると、互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成され、すなわち、結果的に、3種の流体が一つの熱交換器によって互いに熱交換することができるようにする効果がある。従来、このような3種の流体を冷却効率またはシステム効率の低減を防止しながら熱交換するために、2個の熱交換器、すなわち、2種の流体のうち一つとさらに他の1種の流体との間の熱交換する一つの熱交換器および2種の流体のうち他の一つとさらに他の1種の流体との間に熱交換する他の一つの熱交換器を別に備えられる必要があり、そのため、エンジンルーム内の空間活用性の低下、車両の重量増加によるシステム効率の低下、冷媒分配供給による装置複雑性および漏出危険性の増加などの様々な問題があった。しかし、本発明によると、3種の流体が一つの熱交換器によって互いに熱交換することができるようにすることで、このような問題を最初から排除する大きな効果を得ることができる。
【0039】
特に、本発明によると、このような構造を電気自動車のチラーとして活用することで、活用性を極大化することができる。電気自動車の場合、バッテリ冷却用冷却水およびモータ冷却用冷却水の温度領域が異なるように形成され、そのため、冷媒で冷却水を冷却するチラーで上述の2種の冷却水を同時に冷却することが難しいことがあった。一方、本発明の熱交換器は、互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成され、本発明の熱交換器をこのようなチラーに適用するのに非常に好適である。すなわち、本発明の熱交換器の適用時に、一つの熱交換器上でバッテリ冷却用冷却水およびモータ冷却用冷却水が互いに別の出入口で流通し、さらに他の別の出入口で流通する冷媒とはそれぞれ独立して熱交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来の2種流体熱交換器の分解斜視図である。
図2】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の組立斜視図である。
図3】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の分解斜視図である。
図4】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートである。
図5】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図6】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図7】本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図8】本発明の熱交換器の隔壁の様々な実施形態である。
図9】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の組立斜視図である。
図10】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の分解斜視図である。
図11】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートである。
図12】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図13】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図14】本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートの詳細図である。
図15】本発明の熱交換器の第2実施形態の組立斜視図である。
図16】本発明の熱交換器の第2実施形態の分解斜視図である。
図17】本発明の熱交換器の第2実施形態の第1、2プレートである。
図18】本発明の熱交換器の第3実施形態の組立斜視図である。
図19】本発明の熱交換器の第3実施形態の第1、3流体側の分解斜視図である。
図20】本発明の熱交換器の第3実施形態の第2、3流体側の分解斜視図である。
図21】本発明の熱交換器の第3実施形態の隔膜側の分解斜視図である。
図22】本発明の熱交換器の第3実施形態の第1、2プレートおよび隔膜プレートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、上述のような構成を有する本発明による熱交換器について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
本発明の熱交換器
本発明の熱交換器は、基本的に、上記図1および先行文献で説明したような2種流体熱交換器と同様に、互いに熱交換しようとする流体が流通する空間が高さ方向に交互に積層配置されるようにしたプレート式熱交換器の形態である。より具体的に説明すると、従来の2種流体熱交換器は、第1流体が流通する空間および第2流体の流通する空間が高さ方向に交互に積層配置され、第1流体および第2流体が互いに熱交換するようにする。本発明の熱交換器は、一つの装置で第1流体および第2流体が互いに熱交換するとともに、第1流体および第3流体が互いに熱交換するようにする。このために、簡単に説明すると、本発明の熱交換器は、従来の2種流体熱交換器を長さ方向または高さ方向に区画し、区画した一部には、従来と同様に第2流体が流通するようにし、残りの一部には、第2流体の代わりに第3流体が流通するようにする。このようにすることで、区画した一部では第1流体と第2流体との間の熱交換が、残りの一部では第1流体と第3流体との間の熱交換が行われ、一つの熱交換器で3種の流体が同時に熱交換することができる。
【0043】
このような熱交換器は、温度領域が異なる冷却水が発生する電気自動車またはハイブリッドカーで非常に有効に活用することができる。すなわち、前記熱交換器において、第1流体が冷媒であり、第2流体が冷却水であり、第3流体が第2流体とは温度領域が異なる冷却水であることができる。より具体的には、前記熱交換器は、電気自動車またはハイブリッドカーに備えられるものであって、第2流体および第3流体のいずれか一つがバッテリ冷却用冷却水であり、残りの一つがモータ冷却用冷却水であることができる。上述のように、従来、温度領域が異なる冷却水を別に冷却するように別のチラーを備える必要があり、そのため、エンジンルーム内の空間活用性の低下、車両の重量増加によるシステム効率の低下、冷媒分配供給による装置複雑性および漏出危険性の増加などの様々な問題があった。 しかし、本発明によると、3種の流体が一つの熱交換器によって互いに熱交換することができるようにすることで、このような問題を最初から排除することができる。
【0044】
図1および先行文献で説明したような2種流体熱交換器と同様、本発明の熱交換器もプレート上に上側または下側に突出して流体の流動に乱流を形成する複数個のビードが形成されることができる。このようなビードによって乱流が形成されることで、熱交換性能が向上することは、周知の事実であり、ビードの形状、配置形態、配置密度などに様々な変更を実施することで、熱交換性能がより向上することができる。一方、以下の実施形態の説明のための図面では、図面の簡略化のためにビードを省略して図示しているが、これによって本発明が限定されるものではない。上述のように、ビード形成の趣旨および構造は、熱交換器技術分野において周知であり、様々な先行研究が行われているところ、本発明の熱交換器にもいくらでもビード形成構成を採用できることは言うまでもない。
【0045】
本発明の熱交換器は、第1、2実施形態では、第2、3流体の区画が長さ方向に行われ、第3実施形態では、第2、3流体の区画が高さ方向に行われる。以降、長さ方向に区画される第1、2実施形態および高さ方向に区画される第3実施形態それぞれについて説明する前に、第1、2、3実施形態において共通の事項、すなわち、厳密には、従来の2種流体熱交換器と類似の構造からなる部分について先ず説明する。
【0046】
図2図14は本発明の熱交換器の第1実施形態を説明するための図であり、図15図17は本発明の熱交換器の第2実施形態を説明するための図であり、図18図22は本発明の熱交換器の第3実施形態を説明するための図である。各実施形態の組立斜視図である図2図15図18から分かるように、前記熱交換器は、複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器形態からなる熱交換器として、第1、2、3実施形態が、共通して、第1流体入口141および第1流体出口142、第2流体入口143および第2流体出口144、第3流体入口145および第3流体出口146、また、高さ方向に積層される複数個のプレートを含む。
【0047】
本発明の熱交換器100A、100B、100Cに含まれるプレートは、一般的なプレート式熱交換器に使用されるプレートと同様、層別に異なる流体が交互に流動する。本発明のすべての実施形態において、第1流体が流動する第1流動部V1を含むプレートを第1プレート110A、110B、110Cと称し、第2流体および/または第3流体が流動する第2流動部V2を含むプレートを第2プレート120A、120B、120Cと称する。すなわち、本発明の熱交換器100A、100B、100Cは、すべての実施形態において、第1プレート110A、110B、110Cおよび第2プレート120A、120B、120Cが交互に積層される形態からなる。
【0048】
本発明の熱交換器100A、100B、100Cに含まれるプレートは、いずれもそれぞれの流体入口および流体出口と連通する流入孔および排出孔を有する。第1、2実施形態の場合、第2、3流体の区画が長さ方向に行われるため、すべてのプレートにすべての流体の流入孔および排出孔が形成される。すなわち、各プレートごとに6個の孔が形成される。一方、第3実施形態の場合、第2、3流体の区画が高さ方向に行われるため、一般的な2種流体プレート式熱交換器と同様に、各プレートごとに4個の孔だけ形成される。具体的には、第1、2実施形態の場合、第1プレート110A、110Bおよび第2プレート120A、120Bは、第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔H1および第1排出孔H2、第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成される。この際、第1流動部V1への第2流体および第3流体の流通を遮断するように、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に第2流動部V2方向に突出する第1接合部R1、R1’が形成され、第2流動部V2への第1流体の流通を遮断するように、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に第1流動部V1方向に突出する第2接合部R2、R2’が形成され、第3流入孔H5および第3排出孔H6の周縁に第1流動部V1方向に突出する第3接合部R3、R2’が形成されることは言うまでもない。一方、第3実施形態の場合、第1プレート110Cおよび第2プレート120Cは、第1流入/排出孔H1、H2、第2流入/排出孔H3、H4のみ形成される。流体が流動する空間である第1、2流動部V1、V2は、プレートの周縁が上側に突出することで、上側内部に形成される。第1、2、3実施形態は、共通して、前記プレートは、高さ方向に複数個が積層され、この際、隣り合う第1接合部R1、R1’が互いに接合し、隣り合う第2接合部R2、R2’が互いに接合し、隣り合う第3接合部R3、R3’が互いに接合するようになる。このように各接合部が接合されることで、それぞれ[第1流体]と[第2流体および/または第3流体]が交互に流動する第1流動部V1および第2流動部V2が形成される。
【0049】
複数の図面において、接合部R1~R3’は、上側プレートから下側に流動空間の高さの一部だけ突出し、下側プレートから上側に流動空間の高さの残りの一部だけ突出し、これらが接合されることで、互いに異なる流体が交互に異なる層に流れることができる流路を形成できるように図示している。しかし、これによって本発明が限定されるものではなく、例えば、接合部が各プレートから流動空間の高さだけ突出すると、接合部同士が接合されるものではなく、接合部およびプレートが接合されることで流路を形成するようにすることもできる。このような変更実施は、必要に応じて適宜適用されることができ、本発明の図面に限定されないことは言うまでもない。
【0050】
第1、2実施形態の場合、長さ方向に区画が行われるため、図2図14または図15図17に図示しているように、第3流体入口145および第3流体出口146が、第1、2流体入口141、143および第1、2流体出口142、144と同じ面に備えられることができる。第1実施形態の場合、第2流体入口/出口143、144対が幅方向に離隔して長さ方向の一側に配置され、第3流体入口/出口145、146対がまた幅方向に離隔して長さ方向の他側に配置され、且つ第1流体入口141は、第2流体入口/出口143、144対の間に配置され、第1流体出口142は、第3流体入口/出口145、146の間に配置されるように長さ方向に両端に離隔配置される。第2実施形態の場合、第1、2、3流体入口/出口141~146対がいずれも幅方向に離隔し、且つ第1、2流体入口/出口141~144対が長さ方向に両端に離隔配置され、第3流体入口/出口145、146対は、これらの間に、すなわち、長さ方向に中間に配置される。第1、2実施形態の場合には、すべての流体出入口141、142、143、144、145、146がいずれも同一方向に突出するように形成することができ、エンジンルーム内の空間活用性をより向上させることができるという利点がある。
【0051】
第3実施形態の場合、高さ方向に区画が行われるため、図18図21に図示しているように、第1、2流体入口/出口141~144対が長さ方向に両端に離隔配置され、且つ第3流体入口/出口145、146対は、第2流体入口/出口143、144対に対応する位置且つ反対側に形成される。第3実施形態の場合、従来の2種流体熱交換器とほぼ同じ構造からなるが、(以降、より詳細に説明するが)部品一つだけを追加することで、熱交換器に変えることができるという点で互換性が高いという利点がある。
【0052】
本発明のすべての実施形態において、複数個の前記第2流動部V2のうち一部が区画されて第3流体入口145および第3流体出口146と連通することで第3流体が流通するように形成され、第1流体と第2流体との間の熱交換および第1流体と第3流体との間の熱交換が同時に行われるように形成される。以下、各実施形態についてより詳細に説明する。
【0053】
本発明の熱交換器の第1実施形態
図2および図9はそれぞれ本発明の熱交換器の第1実施形態の組立斜視図として、第1実施形態は、第2、3流体入口/出口の位置の変更によって第1-1実施形態および第1-2実施形態に分けられることができる。第1実施形態において、熱交換器100Aは、第2プレート120Aが長さ方向の一側および他側に隔壁125によって区画され、第2流動部V2内で第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する。これにより、一側および他側から選択される一方の第2流動部V2は、第2流体が流通する第2流体領域M1を形成し、残りの一方の第2流動部V2は、第3流体が流通する第3流体領域M2を形成する。図2および図9では、例示的に、一側が前記第2流体領域M1を、他側が第3流体領域M2を形成するようにしている。
【0054】
第1実施形態は、熱交換器100Aにおいて、第2、3流体の区画が長さ方向に行われ、第1流入孔H1および第1排出孔H2が隔壁125によって区画された長さ方向の一側および他側のそれぞれに形成される実施形態である。第1実施形態において、第2流入/排出孔H3、H4および第3流入/排出孔H5、H6は、隔壁125を基準に両方に形成され、長さ方向両側端部に配置されるかまたは長さ方向の中心付近に配置されるかによって、第1-1実施形態および第1-2実施形態が分けられる。
【0055】
第1-1実施形態および第1-2実施形態とも、すなわち、第1実施形態の全体で共通した部分について先ず説明すると、以下のとおりである。第1実施形態では、上述のように、隔壁125によって第2流動部V2で第2、3流体の区画が長さ方向に行われ、区画された両方にそれぞれ第1流入/排出孔H1、H2が形成される。ここで、第1実施形態の熱交換器100Aでは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の仮想の連結線上に第1流動部V1に向かって突出して第1流体の流動を分配する流体分配構造が形成されるようにする。
【0056】
第1流動部V1および第2流動部V2は、交互に積層されるように配置されるのに対し、第2流動部V2は、隔壁125によって長さ方向に区画されているため、第1流体は、長さ方向に直線に流れる一方、第2、3流体は長さ方向の両側でUフローを形成しながら流れる。ここで、第2、3流体がUターン(U-turn)する区間ではどうしても流動速度が遅くなり、長さ方向に流れる時に流動速度が速くなる。このような点を考慮すると、第1流体と第2流体/第1流体と第3流体が最大限によく熱交換することができるようにするためには、長さ方向に第1流体をより集中させることが好ましい。前記流体分配構造は、まさにこのために備えられるものであり、第2、3流体のUフローのうち長さ方向に流れる部分と接する第1流体の流量を増やすことで、結果的に、熱交換性能を向上させることができる。
【0057】
一方、上述のような熱交換性能の観点から見ると、第1流体が幅方向のいずれか一方に集中する場合、全体的な熱交換性能が当然低下する。このような問題を避けるために、第1流入孔H1および第1排出孔H2が互いに長さ方向に離隔して長さ方向の両端に配置され、且つ幅方向には中央に配置されるようにすることが好ましい。流体分配構造は、第1流入孔H1から第1排出孔H2までの延長線上に存在するため、結果的に、流体分配構造は、幅方向の中央に配置される。
【0058】
以下、第1-1実施形態および第1-2実施形態について説明しながら、前記流体分配構造のより具体的な構成について詳細に説明する。
【0059】
図2は本発明の熱交換器の第1-1実施形態の組立斜視図であり、図3は本発明の熱交換器の第1-1実施形態の分解斜視図である。また図4は本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートを斜視図形態として別に図示したものであり、図5図7は本発明の熱交換器の第1-1実施形態の第1、2プレートを上面図形態としてより詳細に図示したものである。
【0060】
図9は本発明の熱交換器の第1-2実施形態の組立斜視図であり、図10は本発明の熱交換器の第1-2実施形態の分解斜視図である。また図11は本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートを斜視図形態として別に図示したものであり、図12図14は本発明の熱交換器の第1-2実施形態の第1、2プレートを上面図形態としてより詳細に図示したものである。
【0061】
先ず、図5図7に示すとおり、第1-1実施形態の前記熱交換器100Aにおいて、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置される。すなわち、前記第2流入/排出孔H3、H4対および前記第3流入/排出孔H5、H6対が長さ方向の両端に配置される。ここで、第2プレート120Aには、それぞれの流入/排出孔を介して流通する第2、3流体が孔の近くでのみ流れず、最大限に多くの面積を通過しながら流れるように、Uフローの形成のための案内壁が備えられる。具体的には、第2プレート120Aの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Aの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁121Aが備えられて第2流体のUフローを形成し、第2プレート120Aの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、第2プレート120Aの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる第3案内壁122Aが備えられて第3流体のUフローを形成する。
【0062】
一方、図12図14に示すとおり、第1-2実施形態の熱交換器100Aにおいて、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から一側に偏って配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から他側に偏って配置される。すなわち、第2流入/排出孔H3、H4対および第3流入/排出孔H5、H6対が長さ方向の中央に近く配置される。ここで、第2プレート120Aには、第1-1実施形態と同様に案内壁が備えられ、この場合、孔の位置が第1-1実施形態とは反対であり、案内壁の位置も第1-1実施形態と反対になる。すなわち、第2プレート120Aの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、隔壁125から中間まで長さ方向に延びる第2案内壁121Aが備えられて第2流体のUフローを形成し、第2プレート120Aの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、隔壁125から中間まで長さ方向に延びる第3案内壁122Aが備えられて第3流体のUフローを形成する。
【0063】
図5図7図12図14に示すとおり、第1-1実施形態および第1-2実施形態のいずれにも、第1流体は、第1流入孔H1から第1排出孔H2まで直線に流れる。前記流体分配構造は、上述のように、第1流入孔H1から第1排出孔H2まで流れる第1流体の流動を適宜分配するためである。
【0064】
ここで、第1流体がよく分配されて流れるように、前記流体分配構造は、第1流入孔H1または第1排出孔H2に近いほど突出面積が小さくなるように形成されることが好ましい。このような形状の例示として、前記流体分配構造は、第1-1実施形態である図5図7に図示しているように、円弧を含む形態に形成されることもでき、第1-2実施形態である図12図14に図示しているように、三角形に形成されることもできる。
【0065】
一方、第1流体が流動する空間は、第1流動部V1、すなわち、第1プレート110A上に形成された空間であるため、隔壁125とは関係なく、第1流体は、第1流入孔H1から第1排出孔H2までよく流れることができる。しかし、隔壁125は、第2流動部V2の方に突出するように、第2プレート120A上に形成される構造物であり、第1流動部V1および第2流動部V2は、交互に積層されるように配置されるため、第1流動部V1の方から見る時に、隔壁125の位置は、上側に陥没した空間を形成する。このような陥没空間を介して隔壁125によって区画された流体が一側から他側に(または他側から一側に)移動する内部リーク(leak)を引き起こす恐れがある。このように、隔壁125の位置で内部リークが発生される問題を防止するために、前記流体分配構造は、第2プレート120Aに形成される隔壁125と対応しない位置に形成されることが好ましい。
【0066】
さらに、隔壁125についてより詳細に説明すると、以下のとおりである。図8は本発明の熱交換器の隔壁の様々な実施形態を図示したものである。図8の上側図は、図7の下側図面に図示している第1-1実施形態の第2プレート120Aの斜視図と同じ図である。隔壁125は、上述のように、第2流動部V2を区画して、いずれか一方には第2流体が、他の一方には第3流体が互いに隔離されて流動するようにするための構造物である。ここで、第2、3流体は、互いに作動温度の範囲が異なる流体であることができるが(例示的に、いずれか一つはバッテリ冷却用冷却水、他の一つはモータ冷却用冷却水)、ここで、隔壁125は、実質的に、一つの板材がプレスされて曲げられた形態に形成される構造物であるため、隔壁125に沿って第2、3流体の間に好ましくない熱伝逹が発生する恐れがある。このような問題を防止するために、隔壁125には、図8の下側図に図示しているような少なくとも一つの隔壁孔125Hが形成されることができる。具体的に説明すると、隔壁孔125Hは、隔壁125の隣接した第1プレート110A、110Bと接合される面上に形成される。隔壁孔125Hが形成されることで、上述のように、隔壁125に沿って発生する熱伝逹の熱伝逹面積を減少させることで、第2、3流体の間の好ましくない熱伝逹を低減する効果を得ることができる。同様に、隔壁125が隣接した第1プレート110A、110Bと完全に接合しない場合、隔壁孔125Hを介して内部リークが発生し得るため、隔壁孔125Hは、内部リークがあるか確認するためにも使用されることができる。
【0067】
上述のような条件をすべて考慮すると、第1-1実施形態および第1-2実施形態での前記流体分配構造は、最適化のためには、その位置や形状が互いに少し相違することができる。
【0068】
先ず、第1-1実施形態での前記流体分配構造は、図5図7に図示している半円リブ112Aの形態に形成されることが好ましい。より具体的には、半円リブ112Aは、第1プレート110Aの中央に形成され、第1流入孔H1または第1排出孔H2の方が円弧であり、中央の方が直線部である半円形に形成される。第1-1実施形態での前記流体分配構造が三角形に形成されてもよいが、第1-1実施形態の場合、第1流体の大きな流れを中央から分離しなければならないため、よりスムースで緩やかに流体の流れを分配するように形成されることが好ましく、したがって、三角形ではなく、半円状に形成することが有利である。
【0069】
また、第1-1実施形態では、前記流体分配構造が第1プレート110Aの中央に形成されるため、また、第2プレート120Aの中央に形成される隔壁125とその位置が対応する恐れがあり、したがって、隣接した第2プレート120Aに形成された隔壁125に対応する位置を回避するようにした一対の半円リブ112Aが互いに適切な間隔で離隔配置されるようにすることが好ましい。
【0070】
一方、第1-2実施形態での前記流体分配構造は、図12図14に図示している三角リブ113Aの形態に形成されることが好ましい。より具体的には、三角リブ113Aは、第1流入孔H1または第1排出孔H2に隣接形成され、第1流入孔H1または第1排出孔H2の方が頂点であり、中央の方が直線部である三角形に形成されることが好ましい。第1-2実施形態での前記流体分配構造が半円形に形成されてもよいが、第1-2実施形態の場合、第1流体が第1流入孔H1に流入された直後または第1排出孔H2で排出される直前の小さな流れを分離しなければならないため、多少鋭く流体の流れを分配するように形成されることが好ましく、したがって、半円形ではなく、三角形に形成することが有利である。
【0071】
また、第1-2実施形態では、前記流体分配構造が第1流入孔H1または第1排出孔H2に隣接形成されるため、第2プレート120Aの中央に形成される隔壁125とはすでにその位置がかなり離れているため、隔壁125との干渉の恐れはない。ただし、第2プレート120Aには、隔壁125だけでなく、(第2流体のUフロー形成のための)第1、2案内壁121A122Aが形成されており、これらとの干渉も考慮しなければならないため、三角リブ113Aは、第1、2案内壁121A122Aと重ならない位置に形成されるようにすることが好ましい。
【0072】
第1実施形態の様々な図面のうち、図2図4図9図11では、全体的な構造をよりよく示すために、第1プレート110Aおよび第2プレート120A上にビードを図示していないが、上述のように、プレート式熱交換器に含まれるプレートには、一般的に、ビードを形成して、熱交換性能をより向上する技術が公知となっている。本発明においても、ビードの図示が省略されていても、プレート上にビードを形成することができることは言うまでもない。すなわち、熱交換器100Aにおいて、第1プレート110Aおよび第2プレート120A上に複数個のビードが形成されることができる。
【0073】
図5図7図12図14は、それぞれ、第1-1実施形態および第1-2実施形態での第1、2プレート110A、120Aの上面図として、これにはビードを具体的に図示している。第1-1実施形態の図5および第1-2実施形態の図12では、第1、2プレート110A、120Aに形成されたビードの密度が同一である例示を示す。ここで、「ビードの密度」とは、所定のプレート面積に形成されたビードの個数を意味する。ただし、第1、2プレート110A、120Aに形成されたビードが互いにいずれも同じ位置に形成される場合、干渉によって流体の流れ特性が不良になる恐れがあるため、図示しているように、第1プレート110Aに形成されたビードおよび第2プレート110Bに形成されたビードの位置が互いにずれるように形成されることが好ましい。
【0074】
一方、第1、2、3流体の作動温度の範囲や粘度などによってそれぞれのプレート上のビードの密度が同様に形成される構造が最適であり得る。しかし、上記で、具体的な例示として、第1流体は冷媒、第2、3流体はバッテリ用/モータ用冷却水であり得ると説明している。このような場合、冷媒と冷却水の粘度に差があるため、ビードの密度を同様にするより相違するようにすることが、熱交換性能をより向上させることができる。第1-1実施形態の図6および第1-2実施形態の図13では、第2プレート120Aにサブディンプルを追加することで、第1プレート110Aに形成されたビードの密度が第2プレート110Bに形成されたビードの密度より低く形成されるようにする例示を示す。サブディンプルが追加されると、熱交換面積が増加するため、熱交換性能が向上する傾向があるが、冷媒の場合、抵抗が大きくなることよって冷媒温度が高くなり、かえって熱交換性能に悪い影響を及ぼす恐れがある。したがって、第1流体が冷媒/第2、3流体が冷却水である場合、第2プレート120Aにのみサブディンプルが追加されるようにすることが好ましい。
【0075】
第1-1実施形態の図7および第1-2実施形態の図14では、第2プレート120Aにサブディンプルを追加するとともに、第1プレート110Aに形成されたビードの密度をより下げた例示を示す。冷媒の場合、抵抗が小さくなるほど冷媒温度が低くなり、冷却水との温度差をより大きくすることで熱交換性能を高めることができ、したがって、図7および図14のように、第1プレート110Aに形成されたビードの密度をより下げるようにすることもできる。ただし、ビードの密度が過剰に低くなると、耐圧性に問題が生じることがあり、このような事項および冷媒の粘度などを考慮して、ビードの密度が適切な水準に決定されることができる。
【0076】
本発明の熱交換器の第2実施形態
図15は本発明の熱交換器の第2実施形態の組立斜視図である。第2実施形態において、熱交換器100Bは、第1実施形態と同様、第2プレート120Aが長さ方向の一側および他側に隔壁125によって区画され、第2流動部V2内で第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する。これにより、一側および他側から選択される一方の第2流動部V2は、第2流体が流通する第2流体領域M1を形成し、残りの一方の第2流動部V2は、第3流体が流通する第3流体領域M2を形成する。図15では、例示的に、他側が第2流体領域M1を、一側が第3流体領域M2を形成するようにしている。
【0077】
第2実施形態は、熱交換器100Bにおいて、第2、3流体の区画が長さ方向に行われ、第1流入孔H1および第1排出孔H2が隔壁125によって区画された長さ方向の一側または他側から選択されるいずれか一方に形成される実施形態である。第1実施形態の場合、第1流入孔H1および第1排出孔H2が隔壁125の一側および他側のそれぞれに備えられるのに対し、第2実施形態の場合、一側または他側のいずれか一方に集中して形成されるという点で第1実施形態とは相違する。
【0078】
第2実施形態では、一般的な2種流体熱交換器と同様に、第1流動部V1では第1流体がUフローを形成しながら流れ、第2流動部V2は、隔壁125によって長さ方向の一側および他側に区画されて、それぞれ、第2、3流体がそれぞれUフローを形成しながら流れる。このような流れを実現するために、第2実施形態での熱交換器100Bは、第1流入孔H1および第1排出孔H2が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、前記第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置され、第3流入孔H5および第3排出孔H6が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中間に配置されるようにする。
【0079】
一方、図面上に図示していないが、上記第1実施形態での隔壁孔125Hが第2実施形態での隔壁125にも形成され得ることは言うまでもない。隔壁孔125Hにより、第2、3流体の間の好ましくない熱伝逹を遮断し、必要に応じて内部リークを確認することもできることは、第1実施形態と同様である。
【0080】
図16は本発明の熱交換器の第2実施形態の分解斜視図であり、図17は本発明の熱交換器の第2実施形態の第1、2プレートを別に図示したものである。これにより、本発明の熱交換器の第2実施形態、特に、前記プレートの具体的な構成について詳細に説明する。
【0081】
図16および図17に図示しているように、第2実施形態において、前記プレートは、第1プレート110Bおよび第2プレート120Bの2種で構成される。また、前記プレートは、第3流体入口145および第3流体出口146と連通するようにそれぞれ中空され、その周縁が第1接合部R1、R1’と反対方向に突出する第3接合部R3、R3’が形成される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成される。したがって、前記プレートが高さ方向に複数個が積層されると、隣り合う第3接合部R3、R3’が互いに接合される。以下、より詳細に説明するが、第3接合部R3、R3’の突出方向は、第2接合部R2、R2’と同様(すなわち、第1接合部R1、R1’とは反対に)に形成される。
【0082】
第1プレート110Bでは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に下側に突出する第1接合部R1’が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に上側に突出する第2接合部R2が形成され、第3流入孔H5および第3排出孔H6の周縁に上側に突出する第3接合部R3が形成される。これにより、第1プレート110Bの上側内部の流体流動空間で、第2接合部R2および隣り合うプレートから下側に突出する第2接合部R2’が互いに接合されて第2流体の流通を閉鎖し、第3接合部R3および隣り合うプレートから下側に突出する第3接合部R3’が互いに接合されて第3流体の流通を閉鎖し、これにより、前記流体流動空間が第1流体が流通する第1流動部V1を形成する。
【0083】
第2プレート120Bでは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に上側に突出する第1接合部R1が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に下側に突出する第2接合部R2’が形成され、第3流入孔H5および第3排出孔H6の周縁に下側に突出する第3接合部R3’が形成される。また、第2プレート120Bには、第2流入孔H3および第2排出孔H4と第3流入孔H5および第3排出孔H6との間を区画するように、幅方向の全体にわたり延びる隔壁125が形成される。隔壁125は、また、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、前記プレートが高さ方向に積層される場合、隔壁125の一側および他側空間は、隔壁125によって完全に隔離される。このような構造により、第2プレート120Bの上側内部の流体流動空間において、第1接合部R1および隣り合うプレートから下側に突出する第1接合部R1’が互いに接合されて第1流体の流通を閉鎖し、これにより、前記流体流動空間が前記隔壁125によって区画された一部に第2流体が流通し、残りの一部に第3流体が流通する第2流動部V2を形成する。
【0084】
このように、第2実施形態において、熱交換器100Bは、隔壁125によって第2流体領域M1および第3流体領域M2が長さ方向に区画されるように形成される。図15図17では、第3流体領域M2が第2流体領域M1よりも相当大きく形成される形態に図示しているが、これは、一つの例示であって、必要に応じて、隔壁125の位置を調節することで、第2、3流体の流量を希望通りに調節できることは言うまでもない。
【0085】
さらに、第1、2プレート110B、120Bは、内部で流体がよりスムーズに流通するようにするために、それぞれ、第1、2、3案内壁111B、121B、122Bを含む。それぞれの案内壁は、ほぼ類似の役割をするが、明確にするために、それぞれについて具体的に詳細に説明すると、以下のとおりである。
【0086】
第1案内壁111Bは、第1プレート110Bの第1流入孔H1と第1排出孔H2との間を区画するように、第1プレート110Bの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる。また、第1案内壁111Bは、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、第1流動部V1では、第1流入孔H1を介して一側から流入された第1流体が、第1案内壁111Bによって他側に案内されて流通し、他側から第1案内壁111Bによって一側に案内され、第1排出孔H2を介して排出される流体経路が形成される。
【0087】
第2案内壁121Bは、第2プレート120Bの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Bの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる。また、第2案内壁121Bは、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、第2流動部V2の他側区画空間では、第2流入孔H3を介して他側から流入された第2流体および第3流体のいずれか一つ(図16では第2流体)が、第2案内壁121Bによって一側に案内されて流通し、一側から第2案内壁121Bによって他側に案内され、第2排出孔H4を介して排出される流体経路が形成される。
【0088】
第3案内壁122Bは、第2プレート120Bの第3流入孔H5と第3排出孔H6との間を区画するように、隔壁125から中間まで長さ方向に延びる。また、第3案内壁122Bは、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、第2流動部V2の一側区画空間では、第3流入孔H5を介して他側から流入された第2流体および第3流体のうち残りの一つが、第3案内壁122Bによって一側に案内されて流通し、一側から第3案内壁122Bによって他側に案内され、第3排出孔H6を介して排出される流体経路が形成される。
【0089】
本発明の熱交換器の第3実施形態
図18は本発明の熱交換器の第3実施形態の組立斜視図である。第3実施形態において、熱交換器100Cは、第2プレート120Cで(第1、2実施形態において、2種の流体が流動することとは異なり)第1プレート110Cと類似の単一流体のみが流動する。すなわち、第2プレート120Cに形成される第2流動部V2には、第2流体または第3流体から選択されるいずれか一つの流体が流動する。一方、第3実施形態において、熱交換器100Cは、高さ方向に積層された複数個の第2流動部V2が高さ方向に区画される。このために、熱交換器100Cは、第2流動部V2を含むが第2流体および第3流体の積層方向への流通を遮断する隔膜プレート130を含む。具体的に説明すると、熱交換器100Cは、積層された第2プレート120Cのうち一つが隔膜プレート130に代替されて、隔膜プレート130の位置を基準に、一側(図18の例示では上側)には第1、2流体が流通し、他側(図18の例示では下側)には第1、3流体が流通するように形成される。これにより、上側または下側一部の第2流動部V2は、第2流体が流通する第2流体領域M1を形成し、残りの一部の第2流動部V2は、第3流体が流通する第3流体領域M2を形成する。図18では、例示的に上側が第2流体領域M1を、下側が第3流体領域M2を形成するようにしているが、これによって本発明が限定されないことは言うまでもない。
【0090】
第3実施形態は、熱交換器100Cにおいて、第2、3流体の区画が高さ方向で行われる実施形態である。すなわち、上述のように、流入/排出孔H1~H4の個数および位置は、従来の2種流体プレート式熱交換器と同様であり、ただし、高さ方向の区画のための隔膜プレートがさらに構成される。
【0091】
第3実施形態では、一般的な2種流体熱交換器と同様、第1流動部V1では第1流体がUフローを形成しながら流れ、第2流動部V2では第2流体または第3流体から選択されるいずれか一つがUフローを形成しながら流れる。このような流れを実現するために、第3実施形態での熱交換器100Cは、一般的な2種流体熱交換器と同様、第1流入孔H1および第1排出孔H2が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、第2流入孔H3および第2排出孔H4が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されるようにする。
【0092】
図19は本発明の熱交換器の第3実施形態の第1、3流体側の分解斜視図であり、図20は本発明の熱交換器の第3実施形態の第2、3流体側の分解斜視図であり、図21は本発明の熱交換器の第3実施形態の隔膜側の分解斜視図である。図22は本発明の熱交換器の第3実施形態の第1、2プレートおよび隔膜プレートのみを別に図示したものである。これにより、本発明の熱交換器の第3実施形態、特に、前記プレートの具体的な構成について詳細に説明する。
【0093】
図19図22に図示しているように、第3実施形態で前記プレートは、第1プレート110C、第2プレート120Cおよび隔膜プレート130の3種で構成される。
【0094】
第1プレート110Cでは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に下側に突出する第1接合部R1’が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に上側に突出する第2接合部R2が形成される。これにより、第1プレート110Cの上側内部の流体流動空間で、第2接合部R2および隣り合うプレートから下側に突出する第2接合部R2’が互いに接合されて第2流体または第3流体の流通を閉鎖し、これにより、前記流体流動空間が第1流体が流通する第1流動部V1を形成する。
【0095】
第2プレート120Cでは、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に上側に突出する第1接合部R1が形成され、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に下側に突出する第2接合部R2’が形成される。これにより、第2プレート120Cの上側内部の流体流動空間で、第1接合部R1および隣り合うプレートで下側に突出する第1接合部R1’が互いに接合されて第1流体の流通を閉鎖し、これにより、前記流体流動空間が第2流体または第3流体が流通する第2流動部V2を形成する。
【0096】
第3実施形態において、熱交換器100Cは、第1プレート110Cおよび第2プレート110Bが高さ方向に交互に積層されて形成される。ここで、熱交換器100Cは、第2流体領域M1と第3流体領域M2との間で第2プレート120Cの代わりに配置される隔膜プレート130をさらに含む。隔膜プレート130は、第2プレート120Cの代わりに配置されるだけ、基本的には、第2プレート120Cの構造とほぼ同じ構造を有する。ただし、図22によく図示しているように、隔膜プレート130は、第2プレート120Cの構造において第2流入孔H3および第2排出孔H4が隔膜によって閉鎖された構造に形成される。これにより、隔膜プレート130の上側と下側との間には、図21に明示的に図示しているように、第2、3流体の流通が行われなくなる。すなわち、第3実施形態において、熱交換器100Cは、隔膜プレート130によって第2流体領域M1および第3流体領域M2が高さ方向に区画されるように形成される。
【0097】
また、第1、2、隔膜プレート110C、120C、130は、(上述の第1実施形態の案内壁と同様に)内部で流体がよりスムーズに流通するようにするために、それぞれ、第1、2、隔膜案内壁111C、121C、131を含む。それぞれの案内壁は、ほぼ類似の役割をするが、明確にするために、それぞれについて具体的に詳細に説明すると、以下のとおりである。
【0098】
第1案内壁111Cは、第1プレート110Cの第1流入孔H1と第1排出孔H2との間を区画するように、第1プレート110Cの一側側壁から中間まで長さ方向に延びる。また、第1案内壁111Cは、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、第1流動部V1では、第1流入孔H1を介して一側から流入された第1流体が、第1案内壁111Cによって他側に案内されて流通し、他側から前記第1案内壁111Cによって一側に案内され、第1排出孔H2を介して排出される流体経路が形成される。
【0099】
第2案内壁121Cは、第2プレート120Cの第2流入孔H3と第2排出孔H4との間を区画するように、第2プレート120Cの他側側壁から中間まで長さ方向に延びる。また、第2案内壁121Cは、上側に突出して、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。これにより、第2流動部V2では、第2流入孔H3を介して他側から流入された第2流体または第3流体が第2案内壁121Cによって一側に案内されて流通し、一側から第2案内壁121Cによって他側に案内され、第2排出孔H4を介して排出される流体経路が形成される。
【0100】
隔膜案内壁131は、実質的に、第2案内壁121Cと同じ構造からなるが、明確にするために再度説明すると、以下のとおりである。隔膜案内壁131は、隔膜プレート130の第2流入孔H3の位置と第2排出孔H4の位置との間を区画するように、隔膜プレート130の他側側壁から中間まで長さ方向に延びる。また、隔膜案内壁131は、上側に突出し、その上面が隣り合う上側プレートの底面と接するように形成される。
【0101】
隔膜プレート130上には、第2流入孔H3および第2排出孔H4が形成されていないが、隣り合うプレートには形成されているため、隣り合うプレートの第2流入孔H3および第2排出孔H4を介して第2流体または第3流体の一つ(図21の例示では第2流体)が隔膜プレート130の流体流動空間内に流れ込むことができる。すなわち、結果的に、隔膜プレート130の流体流動空間は、(隔膜によって第2流入孔H3および第2排出孔H4が塞がっているにもかかわらず)第2流動部V2を形成することができる。このように、隔膜プレート130に形成された第2流動部V2では、隣り合うプレートの第2流入孔H3を介して他側から流入された第2流体または第3流体が第2案内壁121Cによって一側に案内されて流通し、一側から第2案内壁121Cによって他側に案内され、隣り合うプレートの第2排出孔H4を介して排出される流体経路が形成される。
【0102】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、適用範囲が様々であることは言うまでもなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能なことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によると、互いに異なる2種の流体およびさらに他の1種の流体が互いに熱交換することができるように形成され、すなわち、結果的に、3種の流体が一つの熱交換器によって互いに熱交換することができるようにし、特に、このような構造を電気自動車のチラーとして活用することで、活用性を極大化することができる。
【符号の説明】
【0104】
100A 熱交換器(第1実施形態)
110A 第1プレート
111A 第1案内壁
112A 半円リブ
113A 三角リブ
120A 第2プレート
125 隔壁
121A 第2案内壁
122A 第3案内壁
125H 隔壁孔
100B 熱交換器(第2実施形態)
110B 第1プレート
111B 第1案内壁
120B 第2プレート
125 隔壁
121B 第2案内壁
122B 第3案内壁
141 第1流体入口
142 第1流体出口
143 第2流体入口
144 第2流体出口
145 第3流体入口
146 第3流体出口
100C 熱交換器(第3実施形態)
110C 第1プレート
111C 第1案内壁
120C 第2プレート
121C 第2案内壁
130 隔膜プレート
131 隔膜案内壁
141 第1流体入口
142 第1流体出口
143 第2流体入口
144 第2流体出口
145 第3流体入口
146 第3流体出口
H1 第1流入孔
H2 第1排出孔
H3 第2流入孔
H4 第2排出孔
H5 第3流入孔
H6 第3排出孔
R1、R1’ 第1接合部
R2、R2’ 第2接合部
R3、R3’ 第3接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器であって、
第1流体が流動する第1流動部を含む第1プレートと、
長さ方向の一側および他側に隔壁によって区画され、第2流体および第3流体が互いに隔離されて流動する第2流動部を含む第2プレートとを含み、
前記第1プレートおよび前記第2プレートが交互に積層されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記熱交換器は、
第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔および第1排出孔が形成され、
前記第1流入孔および前記第1排出孔は、互いに長さ方向に離隔して長さ方向の両端に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔の仮想の連結線上に前記第1流動部に向かって突出して第1流体の流動を分配する流体分配構造が形成されることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記流体分配構造は、
前記第1流入孔または前記第1排出孔に近いほど突出面積が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記流体分配構造は、
前記第2プレートに形成される前記隔壁と対応しない位置に形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記流体分配構造は、
突出した部分が三角形または円弧を含む形態に形成されることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記熱交換器は、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が幅方向の中央に配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記熱交換器は、
第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔、
第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔および第3排出孔が形成され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の一側端部に配置され、
前記第3流入孔および前記第3排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の他側端部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記流体分配構造は、
前記第1プレートの中央に形成され、
前記第1流入孔または前記第1排出孔の方が円弧であり、中央の方が直線部である半円形に形成され、且つ隣接した前記第2プレートに形成された前記隔壁に対応される位置を回避するように互いに離隔配置される一対の半円リブであることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器は、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの一側側壁から長さ方向に延びる第2案内壁が備えられ、
前記第2プレートの前記第3流入孔と前記第3排出孔との間を区画するように、前記第2プレートの他側側壁から長さ方向に延びる第3案内壁が備えられることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記熱交換器は、
第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔および第2排出孔、
第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔および第3排出孔が形成され、
前記第2流入孔および前記第2排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央で一側に偏って配置され、
前記第3流入孔および前記第3排出孔が互いに幅方向に離隔して長さ方向の中央から他側に偏って配置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記流体分配構造は、
前記第1流入孔または前記第1排出孔に隣接形成され、
前記第1流入孔または前記第1排出孔の方が頂点であり、中央の方が直線部である三角形に形成される一対の三角リブであることを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記熱交換器は、
前記第2プレートの前記第2流入孔と前記第2排出孔との間を区画するように、前記隔壁から長さ方向に延びる第2案内壁が備えられ、
前記第2プレートの前記第3流入孔と前記第3排出孔との間を区画するように、前記隔壁から長さ方向に延びる第3案内壁が備えられることを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記熱交換器は、
前記第1プレートおよび前記第2プレート上に複数個のビードが形成されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記熱交換器は、
前記第1プレートに形成されたビードの密度が前記第2プレートに形成されたビードの密度より低く形成されることを特徴とする請求項14に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記熱交換器は、
前記第1プレートに形成されたビードおよび前記第2プレートに形成されたビードの位置が互いにずれるように形成されることを特徴とする請求項14に記載の熱交換器。
【請求項17】
前記熱交換器は、
第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔および第1排出孔が形成され、
前記第1流入孔および前記第1排出孔が前記隔壁によって区画された長さ方向の一側または他側から選択されるいずれか一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項18】
前記隔壁は、
隣接した前記第1プレートと接合される面上に少なくとも一つの隔壁孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図2図14は本発明の熱交換器の第実施形態を説明するための図であり、図15図17は本発明の熱交換器の第2実施形態を説明するための図であり、図18図22は本発明の熱交換器の第3実施形態を説明するための図である。各実施形態の組立斜視図である図2図15図18から分かるように、前記熱交換器は、複数個のプレートが積層されて形成されるプレート式熱交換器形態からなる熱交換器として、第1、2、3実施形態が、共通して、第1流体入口141および第1流体出口142、第2流体入口143および第2流体出口144、第3流体入口145および第3流体出口146、また、高さ方向に積層される複数個のプレートを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
本発明の熱交換器100A、100B、100Cに含まれるプレートは、いずれもそれぞれの流体入口および流体出口と連通する流入孔および排出孔を有する。第1、2実施形態の場合、第2、3流体の区画が長さ方向に行われるため、すべてのプレートにすべての流体の流入孔および排出孔が形成される。すなわち、各プレートごとに6個の孔が形成される。一方、第3実施形態の場合、第2、3流体の区画が高さ方向に行われるため、一般的な2種流体プレート式熱交換器と同様に、各プレートごとに4個の孔だけ形成される。具体的には、第1、2実施形態の場合、第1プレート110A、110Bおよび第2プレート120A、120Bは、第1流体がそれぞれ流入および排出される第1流入孔H1および第1排出孔H2、第2流体がそれぞれ流入および排出される第2流入孔H3および第2排出孔H4、第3流体がそれぞれ流入および排出される第3流入孔H5および第3排出孔H6が形成される。この際、第1流動部V1への第2流体および第3流体の流通を遮断するように、第1流入孔H1および第1排出孔H2の周縁に第2流動部V2方向に突出する第1接合部R1、R1’が形成され、第2流動部V2への第1流体の流通を遮断するように、第2流入孔H3および第2排出孔H4の周縁に第1流動部V1方向に突出する第2接合部R2、R2’が形成され、第3流入孔H5および第3排出孔H6の周縁に第1流動部V1方向に突出する第3接合部R3、R’が形成されることは言うまでもない。一方、第3実施形態の場合、第1プレート110Cおよび第2プレート120Cは、第1流入/排出孔H1、H2、第2流入/排出孔H3、H4のみ形成される。流体が流動する空間である第1、2流動部V1、V2は、プレートの周縁が上側に突出することで、上側内部に形成される。第1、2、3実施形態は、共通して、前記プレートは、高さ方向に複数個が積層され、この際、隣り合う第1接合部R1、R1’が互いに接合し、隣り合う第2接合部R2、R2’が互いに接合し、隣り合う第3接合部R3、R3’が互いに接合するようになる。このように各接合部が接合されることで、それぞれ[第1流体]と[第2流体および/または第3流体]が交互に流動する第1流動部V1および第2流動部V2が形成される。
【国際調査報告】