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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】イオン電流ドループ補償
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230726BHJP
   H03H 7/075 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H03H7/075 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500991
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 US2021041180
(87)【国際公開番号】W WO2022011315
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/049,907
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/087,150
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520064676
【氏名又は名称】イーグル ハーバー テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】EAGLE HARBOR TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】リストン,コナー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ティモシー
【テーマコード(参考)】
2G084
5J024
【Fターム(参考)】
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC04
2G084CC08
2G084DD55
2G084EE05
2G084EE15
2G084EE17
2G084EE18
2G084EE21
2G084EE24
2G084EE25
5J024AA01
5J024BA04
5J024BA11
5J024DA01
5J024DA25
5J024EA01
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、二つの後続パルス間に電圧ドループの全くない複数の高電圧パルスを供給する高電圧電源が開示される。いくつかの実施形態では、1kVを超える電圧を有し、パルス間にほぼ平坦な部分を有する複数の高電圧パルスを有する、電圧波形対時間を提供する高電圧電源が開示される。いくつかの実施形態では、約7.5mΩ~1.25Ωの抵抗を有するスナバ抵抗器および約2μF~35μFの静電容量を有するスナバコンデンサを備えるスナバを含む高電圧電源が開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源システムであって、
RF周波数を有するRF信号を生成するRFドライバーと、
前記RF周波数よりも低いパルス繰返し周波数、パルス幅、および2kVを超えるピーク電圧を有する高電圧パルスを生成するナノ秒パルサーであって、前記ナノ秒パルサーが、
約7.5mΩ~1.25Ωの抵抗を有するスナバ抵抗器と、
約2μF~35μFの静電容量を有するスナバコンデンサと、を含むスナバ回路を備える、ナノ秒パルサーと、
前記RFドライバーと前記プラズマチャンバーとの間に配置されるフィルター回路と、を備える、電源システム。
【請求項2】
前記ナノ秒パルサーが矩形波を生成する、請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記フィルター回路が、約0~2.5μHのインダクタンスを有するフィルターインダクタを含む、請求項1に記載の電源。
【請求項4】
前記電源が、約800nH未満の浮遊インダクタンスを有する、請求項1に記載の電源。
【請求項5】
前記パルス幅が約100~250nsの持続時間を有する、請求項1に記載の電源。
【請求項6】
前記RF信号のない二つの連続パルス間の前記電圧が、1V/ns未満変化する、請求項1に記載の電源。
【請求項7】
二つの連続するパルス間の平均電圧が1V/ns未満変化する、請求項1に記載の電源。
【請求項8】
前記電源が、複数の高電圧パルスのそれぞれの間にRF信号を有する波形を出力する、請求項1に記載の電源。
【請求項9】
半導体処理システムであって、
プラズマチャンバーと、
前記プラズマチャンバーに接続し、前記RF信号および前記駆動パルスを前記プラズマチャンバー内に導入する、請求項1に記載の電源と、を備える、半導体処理システム。
【請求項10】
前記プラズマチャンバーが約20nH未満のインダクタンスを有する、請求項9に記載の電源。
【請求項11】
前記チャンバーが、約10nF未満の静電容量を有するチャックを含む、請求項9に記載の電源。
【請求項12】
パルス発生器であって、
2kVを超える電圧を供給する電源と、
トランスであって、
トランスコアと、
前記トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた一次巻線であって、前記一次巻線が第一のリード線および第二のリード線を有する、一次巻線と、
前記トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた二次巻線と、を備えるトランスと、
前記一次巻線の第一のリード線と電気的に接続するドループ補償回路と、
前記ドループ補償回路および前記電源と電気的に接続する第一のスイッチと、
前記一次巻線の前記第二のリード線および前記電源に電気的に接続する第二のスイッチであって、前記第一のスイッチと前記第二のスイッチが異なる時間間隔で開閉する、第二のスイッチと、
矩形波パルスを出力する前記トランスの前記二次巻線と電気的に接続するパルス出力と、を備える、パルス発生器。
【請求項13】
前記パルス出力は、約2kVを超える電圧を有し、および1kHzを超えるパルス周波数を有するパルスを出力する、請求項12に記載のパルス発生器。
【請求項14】
前記ドループ補償回路は、電流が前記第一のスイッチから前記トランスに向かって流れるようにバイアスされたドループダイオードを含む、請求項12に記載のパルス発生器。
【請求項15】
前記ドループ補償回路が、直列に配置され、前記ドループダイオードの両端に電気的に接続する第一のインダクタおよび第一の抵抗器を含む、請求項14に記載のパルス発生器。
【請求項16】
前記第一のインダクタが約50μH未満のインダクタンスを有する、請求項15に記載のパルス発生器。
【請求項17】
前記第一の抵抗器が約1Ω未満の抵抗を有する、請求項15に記載のパルス発生器。
【請求項18】
前記ドループ回路が、前記ドループダイオードおよび前記一次巻線の前記第一のリード線と電気的に接続する第二のインダクタをさらに備える、請求項15に記載のパルス発生器。
【請求項19】
第二のインダクタが約50nH未満のインダクタンスを有する、請求項18に記載のパルス発生器。
【請求項20】
前記第二のスイッチと前記一次巻線の前記第二のリード線との間に直列に配置された第三の抵抗器と第三のインダクタとをさらに備える、請求項18に記載のパルス発生器。
【請求項21】
第三のインダクタが約35nH未満のインダクタンスを有する、請求項20に記載のパルス発生器。
【請求項22】
前記第三の抵抗器が約1Ω未満の抵抗を有する、請求項20に記載のパルス発生器。
【請求項23】
パルス発生器であって、
2kVを超える電圧を供給するDC電源と、
トランスであって、
トランスコアと、
前記トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた一次巻線であって、前記一次巻線が第一のリード線および第二のリード線を有する、一次巻線と、
前記トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた二次巻線と、を備えるトランスと、
フルブリッジ構成で配置された複数のスイッチであって、前記複数のスイッチの第一の部分は、前記ドループ補償回路および前記電源に電気的に接続し、前記複数のスイッチの第二の部分は、前記一次巻線の前記第二のリード線および前記電源と電気的に接続し、前記複数のスイッチの前記第一の部分と前記複数のスイッチの前記第二の部分が、異なる時間間隔で開閉される、複数のスイッチと、
前記複数のスイッチの前記第一の部分および/または前記複数のスイッチの前記第二の部分と前記トランスとの間に電気的に配置される減衰回路であって、前記減衰回路が、
前記複数のスイッチの前記第一の部分から第一のリード線に向かってバイアスされたダイオードと、
前記ダイオードと前記第一のリード線との間に配置される第一の抵抗器と、
第一のインダクタと、
前記第一のインダクタと直列に配置され、前記ダイオードの両端に電気的に接続する第二の抵抗器と、を備える、減衰回路と、
約2kVを超える電圧を有し、および1kHzを超えるパルス周波数を有するパルスを出力する前記トランスの前記二次巻線と電気的に接続するパルス出力と、を備える、パルス発生器。
【請求項24】
第一のインダクタが約35nH未満のインダクタンスを有する、請求項23に記載のパルス発生器。
【請求項25】
前記第一の抵抗器が約1Ω未満の抵抗を有する、請求項23に記載のパルス発生器。
【請求項26】
前記第二の抵抗器が約1Ω未満の抵抗を有する、請求項23に記載のパルス発生器。
【請求項27】
前記複数のスイッチの前記第二の部分と前記第二のリード線との間に直列に配置される第二のインダクタおよび第三の抵抗器をさらに備える、請求項23に記載のパルス発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン電流ドループ補償に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのプラズマシステムは、少なくとも二つの電源を含む。一つは、プラズマチャンバー内でプラズマを発生させるために使用できる高周波波形を生成する。他方は、プラズマチャンバー内のウェーハに向かって荷電プラズマ粒子を加速させる高電圧パルスを生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態は、二つの後続するパルス間に電圧ドループの全くない複数の高電圧パルスを供給する電源を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、1kVを超える電圧を有し、パルス間にほぼ平坦な部分を有する複数の高電圧パルスを有する、電圧波形対時間を提供する電源を含む。
【0006】
いくつかの実施形態は、RF周波数を有するRF信号を生成するRFドライバーと、パルス繰返し周波数がRF周波数より低いパルス繰返し周波数、パルス幅、および2kVを超えるピーク電圧を有する高電圧パルスを生成するナノ秒パルサーであって、ナノ秒パルサーがスナバ回路を備える、ナノ秒パルサーと、RFドライバーとプラズマチャンバーとの間に配置されるフィルター回路と、を含む電源を含む。スナバ回路は、約7.5mΩ~1.25Ωの抵抗を有するスナバ抵抗器、および約2μF~35μFの静電容量を有するスナバコンデンサを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、フィルター回路は、約0~2.5μHのインダクタンスを有するフィルターインダクタを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、電源は、約800nH未満の浮遊インダクタンスを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、パルス幅は約100~250nsの持続時間を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、RF信号は100Vを超える電圧を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、500Vを超える電圧のDC電源を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、二つの連続するパルス間の電圧は1V/ns未満変化する。
【0013】
いくつかの実施形態では、RF信号のない二つの連続するパルス間の電圧は1V/ns未満変化する。
【0014】
いくつかの実施形態では、二つの連続するパルス間の平均電圧は1V/ns未満変化する。
【0015】
いくつかの実施形態では、電源は、複数の高電圧パルスのそれぞれの間にRF信号を有する波形を出力する。
【0016】
いくつかの実施形態は、プラズマチャンバーと、プラズマチャンバーに接続し、RF信号および駆動パルスをプラズマチャンバー内に導入する本開示に開示の電源と、を備える半導体処理システムを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、プラズマチャンバーは、約20nH未満のインダクタンスを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、チャンバーは、約10nF未満の静電容量を有するチャックを含む。
【0019】
いくつかの実施形態は、2kVを超える電圧を供給する電源と、トランスであって、トランスコアと、トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた一次巻線であって、一次巻線が第一のリード線および第二のリード線を有する、一次巻線と、トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた二次巻線と、を備えるトランスと、を備えるパルス発生器を含む。パルス発生器はまた、一次巻線の第一のリード線と電気的に接続するドループ補償回路と、ドループ補償回路および電源と電気的に接続する第一のスイッチと、一次巻線の第二のリード線および電源に電気的に接続する第二のスイッチと、矩形波パルスを出力するトランスの二次巻線と電気的に接続するパルス出力と、を備える。第一のスイッチと第二のスイッチは、例えば、異なる時間間隔で開閉することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、パルス出力は、約2kVを超える電圧を有し、1kHzを超えるパルス周波数を有するパルスを出力する。
【0021】
いくつかの実施形態では、ドループ補償回路は、電流が第一のスイッチからトランスに向かって流れるようにバイアスされたドループダイオードを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、ドループ補償回路は、直列に配置され、ドループダイオードの両端に電気的に接続する第一のインダクタおよび第一の抵抗器を含む。第一のインダクタは、例えば、約50μH未満のインダクタンスを有する。第一の抵抗器は、例えば、約1Ω未満の抵抗を有する。ドループ回路はまた、例えば、ドループダイオードおよび一次巻線の第一のリード線と電気的に接続する第二のインダクタを含む。第二のインダクタは、例えば、約50nH未満のインダクタンスを有する。
【0023】
パルス発生器はまた、第二のスイッチと一次巻線の第二のリード線との間に直列に配置された第三の抵抗器および第三のインダクタとをさらに備えることができる。第三のインダクタは、例えば、約35nH未満のインダクタンスを有することができる。第三の抵抗器は、例えば、約1Ω未満の抵抗を有することができる。
【0024】
いくつかの実施形態は、2kVを超える電圧を供給するDC電源と、トランスであって、トランスコアと、トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた一次巻線であって、一次巻線が第一のリード線および第二のリード線を有する、一次巻線と、トランスコアの少なくとも一部の周りに巻き付けられた二次巻線と、を備えるトランスと、を備えるパルス発生器を含む。パルス発生器は、フルブリッジ構成で配置された複数のスイッチであって、複数のスイッチの第一の部分は、ドループ補償回路および電源に電気的に接続し、複数のスイッチの第二の部分は、一次巻線の第二のリード線および電源と電気的に接続する、複数のスイッチを含むことができる。複数のスイッチの第一の部分と複数のスイッチの第二の部分は、例えば異なる時間間隔で開閉することができる。パルス発生器は、複数のスイッチの第一の部分および/または複数のスイッチの第二の部分とトランスとの間に電気的に配置される減衰回路を含むことができる。減衰回路は、複数のスイッチの第一の部分から第一のリード線に向かってバイアスされたダイオードと、ダイオードと第一のリード線との間に配置される第一の抵抗器と、第一のインダクタと、第一のインダクタと直列に配置され、ダイオードの両端に電気的に接続する第二の抵抗器と、を含むことができる。パルス発生器は、約2kVを超える電圧を有し、かつ1kHzを超えるパルス周波数を有するパルスを出力するトランスの二次巻線と電気的に接続するパルス出力であることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、第一のインダクタは約35nH未満のインダクタンスを有する。いくつかの実施形態では、第一の抵抗器は約1Ω未満の抵抗を有する。いくつかの実施形態では、第二の抵抗器は約1Ω未満の抵抗を有する、
【0026】
いくつかの実施形態では、パルス発生器は、複数のスイッチの第二の部分と第二のリード線との間に直列に配置される第二のインダクタおよび第三の抵抗器を含むことができる。
【0027】
発明の概要および本文書に記載の様々な実施形態は、本開示または特許請求の範囲を限定または定義するために提供されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、いくつかの実施形態による、負荷段を駆動する電力システムの回路図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、負荷段を駆動する抵抗出力段を有する電力システムの回路図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図5図5は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。
図9図9は、いくつかの実施形態による、システムなしにナノ秒パルサーによって生成されるドループ補償有無の波形を並べて表示した例である。
図10A図10Aおよび図10Bは、いくつかの実施形態による、ドループ補正有無のウェーハ電位のヒストグラムである。
図10B】同上。
図11図11は、いくつかの実施形態による、負荷回路を駆動するドループ補償回路を有する電力システムの回路図である。
図12図12は、いくつかの実施形態による、負荷段を駆動するドループ補償回路を有する電力システムの回路図である。
図13図13は、いくつかの実施形態による、パルサーおよびプラズマシステムの回路図である。
図14図14は、パルサーならびに、パルサーとプラズマシステムをエネルギー回収回路で組み合わせたプラズマシステムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかの実施形態は、プラズマチャンバー内でプラズマを駆動するパルス(例えば矩形波パルス)を生成するナノ秒パルサーを含む電力システムを含む。電力システムは、パルスが完了した後に発生するプラズマ内のイオン電流を打ち消す回路素子を含むスナバ回路を含むことができる。
【0030】
図1は、いくつかの実施形態による、パルスをプラズマチャンバー106内に駆動するパルサーおよびプラズマシステム100の回路図である。これらのパルスは、例えば矩形波パルスを含むことができる。パルサー段101は、プラズマチャンバー106内に導入されることができる複数のパルスを生成することができる。RF発生器108は、RF信号、例えば正弦波信号を生成することができる。フィルター回路103は、RF信号とパルスとが互いに干渉しないようにすることができる。スナバ回路内の構成要素、例えば、スナバ抵抗器R3、スナバインダクタL3、および/またはスナバコンデンサC5の値は、プラズマチャンバー106内に導入されるパルスのドループを低減するように選択されることができる。
【0031】
例えば、スナバ抵抗器R3は、約100mΩ未満、例えば、75、50、25、10、5、1、0.5mΩ等の抵抗を有してもよい。代替的にまたは追加的に、スナバ抵抗器R3は、約7.5mΩ~1.25Ωの抵抗を有してもよい。例えば、スナバコンデンサは、約50μF未満、例えば約2μF~35μFの静電容量を有すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、プラズマチャンバー106は、半導体処理チャンバー、例えば、プラズマ堆積システム、半導体製造システム、プラズマスパッタリングシステム等のための理想化されたまたは有効な回路を表すことができる。コンデンサ12は、例えば、半導体プロセスウェーハが載ることができる静電チャックの静電容量を表すことができる。チャックは、例えば、誘電体材料(例えば、酸化アルミニウム、または他のセラミック材料、および誘電体材料内に入れた導体)を含むことができる。例えば、コンデンサ11は、小さい静電容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有することができる。
【0033】
コンデンサ13は、例えば、プラズマとウェーハとの間のシース静電容量を表すことができる。抵抗器56は、例えば、プラズマとウェーハとの間のシース抵抗を表すことができる。インダクタ40は、例えば、プラズマとウェーハとの間のシースインダクタンスを表すことができる。電流源I2は、例えば、シースを通るイオン電流を表すことができる。例えば、コンデンサ11またはコンデンサ13は、小さい静電容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有することができる。
【0034】
コンデンサ18は、例えば、チャンバーの壁に対するプラズマシース静電容量を表すことができる。抵抗器57は、例えば、プラズマとチャンバー壁との間の抵抗を表すことができる。電流源I1は、例えば、プラズマ中のイオン電流を表すことができる。例えば、コンデンサ11またはコンデンサ18は、小さい静電容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、プラズマ電圧は、グランドから回路点123まで測定された電圧であってもよく、ウェーハ電圧は、グランドから回路点122まで測定された電圧であり、およびウェーハの表面における電圧を表してもよく、チャッキング電圧は、グランドから回路点121まで測定された電圧であり、電極電圧は、グランドから124と表示された(例えば、電極上の)回路点までの電圧測定値であり、ならびに入力電圧は、グランドから回路点125まで測定された電圧である。
【0036】
いくつかの実施形態では、パルサーおよびプラズマシステム100は、図11に示すようにDCバイアス回路104を含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、バイアスコンデンサ20は、DCバイアス電圧を他の回路素子から分離する(または切り離す)ことができる。バイアスコンデンサ20は、例えば、回路のある部分から別の部分への電位シフトを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、この潜在的なシフトにより、チャック上のウェーハを定位置に保持する静電力が電圧閾値未満に保たれることを確実にすることができる。抵抗器R2は、DCバイアス電源をパルサー段101からの高電圧パルス出力から分離することができる。
【0038】
バイアスコンデンサ20は、例えば、約100pF、10pF、1pF、100μF、10μF、1μF未満などの静電容量を有することができる。抵抗器R2は、高抵抗、例えば、約1kΩ、10kΩ、100kΩ、1MΩ、10MΩ、100MΩ等の抵抗を有してもよい。
【0039】
回路105は、回路からプラズマチャンバー106への伝送路を表すことができる。抵抗器63は、例えば、高電圧電力システムの出力から電極(例えば、プラズマチャンバー106)に接続するリード線または伝送路の抵抗を表すことができる。コンデンサ11は、例えば、リード線または伝送路の浮遊容量を表すことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、パルサー段101は、高パルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等を超える電圧)、高周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等を超える周波数)、高速立ち上がり時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1,000ns等未満の立ち上がり時間)、高速立ち下がり時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1,000ns等未満の立ち下がり時間)および/または短いパルス幅(例えば、約1,000ns、500ns、250ns、100ns、20ns等未満のパルス幅)を有するパルスを発生させることができる。
【0041】
例えば、パルサー段101は、「High Voltage Nanosecond Pulser」と題する米国特許出願第14/542,487号に記載されている任意のデバイスの全てまたは任意の一部を含むことができ、これはあらゆる目的のために本開示に組み込まれ、また、「Galvanically Isolated Output Variable Pulse Generator Disclosure」と題する米国特許出願第14/635,991号に記載されている任意のデバイスの全てまたは任意の一部を含むことができ、これはあらゆる目的のために本開示に組み込まれ、また、「High Voltage Nanosecond Pulser With Variable Pulse Width and Pulse Repetition Frequency」と題する米国特許出願第14/798,154号に記載されている任意のデバイスの全てまたは任意の一部を含むことができ、これはあらゆる目的のために本開示に組み込まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、パルサー段101は、あらゆる方法で接続する一つまたは複数のナノ秒パルサーを含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、パルサー段101は、スイッチS6によって切り替えられ、切り替えられた電力をトランスT1に供給する一定のDC電圧を供給するDC電源を含むことができる。DC電源は、電圧源V5およびエネルギー蓄積コンデンサC7を含むことができる。トランスT1の巻数比が1:10の場合、トランスは負荷で10kVを発生させることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、負荷静電容量(例えば、コンデンサ13およびコンデンサ18)がエネルギー蓄積コンデンサC7の静電容量と比較して小さい場合、トランス入力で倍電圧が発生する(または発生しない)場合がある。例えば、エネルギー蓄積コンデンサC7が500Vを供給する場合、トランスT1の入力で1kVが測定されることができる。
【0045】
スイッチS6は、例えば、一つまたは複数の固体スイッチ、例えばIGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等を含むことができる。スイッチS6は、Sig6+およびSig6-と表示されるコントローラからの信号に基づいて切り替えられることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、スイッチS6は、切り替えられた電圧が全電圧(例えば、エネルギー蓄積コンデンサC7および/または電圧源V5の電圧)に決してならないほど高速に、切り替わることができる。いくつかの実施形態では、スイッチS6に接続されたゲート抵抗器は、短いターンオンパルスで設定されることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、パルサー段101は、フリーホイーリングダイオードD2を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フリーホイーリングダイオードD2を誘導負荷と組み合わせて使用することができ、スイッチS6が開いた後、電流がインダクタを通って同じ方向に流れ続けることを可能にすることにより、誘導負荷に蓄積されたエネルギーを確実に消散させ、回路の抵抗要素でエネルギーを確実に消費させることができる。フリーホイーリングダイオードD2が含まれていない場合、例えば、スイッチS6に逆電圧が発生する可能性がある。
【0048】
いくつかの実施形態では、パルサー段101は、浮遊インダクタンスL1および/または浮遊抵抗R1を含むことができる。浮遊インダクタンスL1は、例えば、約10nH、100nH、1,000nH、10,000nH等未満であってもよい。浮遊抵抗R1は、例えば、約1Ω、100mΩ、10mΩ等未満であってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、トランスの二次側および/またはエネルギー蓄積コンデンサC7と電気的に接続することができる。エネルギー回収回路110は、例えば、トランスT1の二次側に跨がるクローバーダイオード130を含むことができる。エネルギー回収回路110は、例えば、(直列に配置される)エネルギー回収ダイオード120およびエネルギー回収インダクタ115を含んでもよく、これにより、トランスT1の二次側から電流が流れ、エネルギー蓄積コンデンサC7を充電することができる。エネルギー回収ダイオード120およびエネルギー回収インダクタ115は、トランスT1の二次側およびエネルギー蓄積コンデンサC7と電気的に接続することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、トランスT1の二次側に電気的に接続するクローバーダイオード130および/またはインダクタ140を含むことができる。インダクタ140は、浮遊インダクタンスを表すことができ、および/またはトランスT1の浮遊インダクタンスを含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、任意のタイプのインダクタ、例えば、フェライトコアインダクタまたは空芯インダクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、任意のタイプの形状、例えば、ソレノイド巻線、トロイダル巻線等を有することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約10μH、50μH、100μH、500μH等より大きいインダクタンスを有することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約1μH~約100mHのインダクタンスを有することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115およびエネルギー回収ダイオード120の順序は入れ替えることができる。例えば、エネルギー回収ダイオード120がエネルギー回収インダクタ115に続いてもよいし、エネルギー回収インダクタ115がエネルギー回収ダイオード120に続いてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、ナノ秒パルサーがオンになると、電流がプラズマチャンバー106を充電する(例えば、コンデンサ13、コンデンサ12、またはコンデンサ18を充電する)ことができる。例えば、トランスT1の二次側の電圧がエネルギー蓄積コンデンサC7の充電電圧を超えて上昇すると、一部の電流がエネルギー回収インダクタ115を通って流れる可能性がある。ナノ秒パルサーがオフになると、エネルギー回収インダクタ115を通ってプラズマチャンバー内のコンデンサ(例えば、コンデンサ11)から電流が流れて、エネルギー回収インダクタ115の両端の電圧がゼロになるまでエネルギー蓄積コンデンサC7を充電することができる。クローバーダイオード130は、プラズマチャンバー106内のコンデンサがプラズマチャンバー106またはDCバイアス回路104内のインダクタンスでリンギングするのを防止することができる。
【0053】
エネルギー回収ダイオード120は、例えば、電荷がエネルギー蓄積コンデンサC7からプラズマチャンバー106内のコンデンサに流れるのを防止することができる。
【0054】
エネルギー回収インダクタ115の値を選択して、電流の立ち下がり時間を制御することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、1μH~600μHのインダクタンス値を有することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、50μHより大きいインダクタンス値を有することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約50μH、100μH、150μH、200μH、250μH、300μH、350μH、350μH、400μH、400μH、500μH等未満のインダクタンスを有することができる。
【0055】
例えば、エネルギー蓄積コンデンサC7が500Vを供給する場合、(例えば、上記のように、倍電圧により)トランスT1の入力で1kVが測定されることができる。トランスT1における1kVは、スイッチS6が開いている場合、エネルギー回収回路110の構成要素間で分割されることができる。値が適切に選択される(例えば、スナバインダクタL3は、エネルギー回収インダクタ115のインダクタンスよりも小さいインダクタンスを有する)場合、エネルギー回収ダイオード120およびエネルギー回収インダクタ115の両端の電圧は、500Vより大きくなることができる。そして、電流は、エネルギー回収ダイオード120を通って流れ、および/またはエネルギー蓄積コンデンサC7を充電することができる。電流はまた、ダイオードD3およびインダクタL8を通って流れる場合がある。エネルギー蓄積コンデンサC7が充電されると、電流は、ダイオードD3およびエネルギー回収インダクタ115を通って流れることができない。
【0056】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、例えば、高速時間スケール(例えば、1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1,000ns等の時間スケール)で、プラズマチャンバー106からエネルギーを伝達する(または電荷を伝達する)ことができる。プラズマチャンバー106を横切るパルスが速い立ち下がり時間tfを有することを確実にするために、エネルギー回収回路の浮遊抵抗は低くてもよい。エネルギー回収回路110の浮遊抵抗は、例えば、約1Ω、100mΩ、10mΩ等未満の抵抗を有することができる。いくつかの実施形態では、プラズマチャンバー106からのエネルギー伝達効率は、高く、例えば、約60%、70%、80%、または90%等を超える場合がある。
【0057】
図1に示す任意の数の構成要素、例えば、ダイオード135もしくはクローバーダイオード130、またはインダクタ140は、必要とされてもよく、または必要とされなくてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、電圧源V1とエネルギー回収回路110が電圧源V1および/またはエネルギー蓄積コンデンサC7と接続する点との間に、ダイオードを配置することができる。このダイオードは、例えば、電流が電圧源V1からエネルギー蓄積コンデンサC7に流れることを可能にするように配置されることができるが、電流がエネルギー回収回路からエネルギー蓄積コンデンサC7に流れることを可能にしない。
【0059】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は除去されてもよい。いくつかの実施形態では、抵抗出力段またはバイアス補償回路を含むことができる。様々な他の回路または回路素子を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、パルサーおよびプラズマシステム100は、フィルター回路103を含むことができる。この実施例では、フィルター回路は、フィルターコンデンサ185および/またはフィルターインダクタ180を含む。フィルターコンデンサ185は、例えば、パルサー段101からの低周波数信号をフィルタリングすることができる。これらの低周波信号は、例えば、約100kHzおよび約10MHz、例えば約10MHzの周波数(例えば、スペクトル成分の大部分)を有することができる。フィルターコンデンサ185は、例えば、約1pF~1nFの、例えば約100pF未満の値を有することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、例えば、RF発生器108からの高周波信号をフィルタリングすることができる。これらの高周波信号は、例えば、約1MHz~200MHzの、例えば約1MHzまたは10MHzを超える周波数を有することができる。フィルターインダクタ180は、例えば、約10nH~10μHの、例えば約1μHを超える値を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、その間で低いカップリング容量を有することができる。いくつかの実施形態では、カップリング容量は、1nF未満であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、フィルターコンデンサ185およびフィルターインダクタ180のいずれかまたは両方が、RF発生器108によって生成されるパルスを、パルサー段101によって生成されるパルスから分離すること(またはその逆)ができる。例えば、フィルターコンデンサ185は、パルサー段101によって生成されたパルスを、RF発生器108によって生成されたパルスから分離することができる。フィルターインダクタ180は、RF発生器108によって生成されたパルスを、パルサー段101によって生成されたパルスから分離することができる。
【0063】
図2は、いくつかの実施形態による、負荷段を駆動する抵抗出力段220を有する電力システム200の回路図である。この実施例では、エネルギー回収回路110は、パルサーおよびプラズマシステム100から取り除かれ、抵抗出力段220に置き換えられる。
【0064】
抵抗出力段220は、当該技術分野で公知の任意の抵抗出力段を含んでもよい。例えば、抵抗出力段220は、「HIGH VOLTAGE RESISTIVE OUTPUT STAGE CIRCUIT」と題する米国特許出願第16/178,538号に記載の任意の抵抗出力段を含むことができ、これは、あらゆる目的のためにその全体が本開示に組み込まれる。
【0065】
例えば、抵抗出力段220は、インダクタL11、抵抗器R10、抵抗器R11、およびコンデンサC11を含むことができる。いくつかの実施形態では、インダクタL11は、約5μH~約25μHのインダクタンスを含むことができる。いくつかの実施形態では、抵抗器R11は、約50Ω~約250Ωの抵抗を含むことができる。いくつかの実施形態では、抵抗器R10は、抵抗出力段220に浮遊抵抗を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、抵抗器R11は、直列および/または並列に配置される複数の抵抗器を含むことができる。コンデンサC11は、直列および/または並列配置の抵抗器の静電容量を含む抵抗器R11の浮遊容量を表すことができる。浮遊容量C11の静電容量は、例えば、500pF、250pF、100pF、50pF、10pF、1pF等未満であってもよい。例えば、浮遊容量C11の静電容量は、負荷容量、例えば、12、13、および/または18の静電容量より小さくてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、抵抗器R11は、負荷(例えば、プラズマシース静電容量)を放電することができる。いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、各パルスサイクル中に約1キロワットを超える平均電力を放電するように、および/または各パルスサイクルにおいて1ジュール以下のエネルギーを放電するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、抵抗出力段220の抵抗器R11の抵抗値は、200Ω未満であることができる。いくつかの実施形態では、抵抗器R11は、約200pF未満の合成容量を有する、直列または並列に配置された複数の抵抗器を備えることができる(例えば、111)。
【0068】
いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、負荷の電圧波形の形状を制御するために使用できる回路素子の集合を含むことができる。いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、受動素子(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ等)のみを含むことができる。いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、受動回路素子だけでなく、能動回路素子(例えば、スイッチ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、抵抗出力段220を使用して、例えば、電圧波形の立ち上がり時間および/または電圧波形の立ち下がり時間を制御することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、容量性負荷(例えば、ウェーハおよび/またはプラズマ)を放電することができる。例えば、これらの容量性負荷は、小さい静電容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、高いパルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等を超える電圧)、および/または高周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等を超える周波数)、および/または約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等の周波数を有するパルスを有する回路で使用されることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、高平均電力、高ピーク電力、高速立ち上がり時間および/または高速立ち下がり時間を処理するように選択されてもよい。例えば、平均電力定格は約0.5kW、1.0kW、10kW、25kW等を超える可能性があり、および/またはピーク電力定格は約1kW、10kW、100kW、1MW等を超える可能性がある。
【0072】
いくつかの実施形態では、抵抗出力段220は、直列または並列の受動素子のネットワークを含むことができる。例えば、抵抗出力段220は、直列の抵抗器、コンデンサ、およびインダクタを含むことができる。別の実施例として、抵抗出力段220は、インダクタと並列のコンデンサ、および抵抗器と直列のコンデンサ-インダクタの組み合わせを含むことができる。例えば、L11は、整流器から電圧が出ている場合に大きなエネルギーが抵抗出力段220に注入されないように十分な大きさが選択されることができる。L/R時間で、負荷内の好適なコンデンサがRF周波数よりも速く放電できるように、R10およびR11の値は選択されることができる
【0073】
いくつかの実施形態では、パルサーおよびプラズマシステム100または電力システム200のいずれかのパルサー段101は、スナバ回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、スナバ回路は、スナバコンデンサC5を含むことができる。いくつかの実施形態では、スナバ回路は、スナバコンデンサC5およびスナバ抵抗器R3を含むことができる。いくつかの実施形態では、スナバ回路は、スナバコンデンサC5、スナバインダクタL3、およびスナバ抵抗器R3を含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、スナバ回路は、スナバ抵抗器R3を含んでもよく、および/またはスナバインダクタL3は、スナバダイオードD4との並列回路に配置されてもよい。スナバインダクタL3およびスナバ抵抗器R3とスナバダイオードD4との配置は、スナバコンデンサC5と直列に配置されることができる。いくつかの実施形態では、スナバ抵抗器R3および/またはスナバダイオードD4は、スイッチS6のコレクタとトランスT1の一次巻線との間に配置されることができる。スナバダイオードD4を使用して、スイッチング時の過電圧を緩和することができる。大型および/または高速スナバコンデンサC5は、スイッチS6のエミッタ側またはコレクタ側のいずれかに接続してもよい。フリーホイールダイオードD2はまた、スイッチS1のエミッタ側に接続してもよい。図に示されていない様々な他の素子が含まれてもよい。一つもしくは複数のスイッチおよびまたは回路を並列または直列に配置することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、チャンバー内のイオン電流を抑制するために、パルスが終了した後、パルサー段101から正の電流を流すことができる。これは、例えば、スナバインダクタL3のインダクタンスを調整することによって達成されることができ(これは、例えば除去されることができる)、スナバ抵抗器R3の抵抗値および/もしくはスナバコンデンサC5の静電容量は、スナバコンデンサC5がパルス中に放電することができ、ならびに/または次のパルスの前に完全には充電されない可能性があるような値である。これは、例えば、パルス中に電流が流れるのと同じ方向に減衰電流がエネルギー蓄積コンデンサC7および/または電圧源V1から流出することを可能にすることができる。これにより、ドループを含まない波形形状がウェーハ上に生成される可能性がある。
【0076】
ドループは、パルサー段101によって生成されるパルス間の電圧上昇として現れる場合もある。ドループは、0.2V/ns(例えば、静電容量が約5nFでイオン電流が1Ampのチャックの場合)または1V/ns(例えば、静電容量が約5nFでイオン電流が5Ampのチャックの場合)の電圧上昇で構成される。
【0077】
RF発生器108は、プラズマチャンバー106と電気的に接続してもよい。RF発生器108は、例えば,高周波RF信号をプラズマチャンバー内に導入することができ、これによりチャンバー内の構成要素からプラズマを生成することができる。
【0078】
RF発生器108は、カソードに印加されるRF電力を発生させる任意のタイプの装置を含むことができる。RF発生器108は、例えば、ナノ秒パルサー、ハーフブリッジまたはフルブリッジ回路によって駆動される共振システム、RF増幅器、非線形伝送路、RFプラズマ発生器等を含むことができる。いくつかの実施形態では、RF発生器108は、インピーダンスマッチングネットワークを含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、RF発生器108は、複数の異なるRF周波数、例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz、60MHz、および80MHzを有するRF電力信号を発生させることができる一つまたは複数のRFドライバーを含むことができる。典型的なRF周波数は、例えば、200kHz~800MHzの周波数を含むことができる。いくつかの実施形態では、RF発生器108は、プラズマチャンバー内でプラズマを発生および維持することができる。RF発生器108は、例えば、カソード(および/またはアンテナ)にRF信号を供給し、チャンバー内の様々なガスおよび/またはイオンを励起してプラズマを発生させる。
【0080】
いくつかの実施形態では、RF発生器108は、インピーダンスマッチング回路に接続してもよい、またはインピーダンスマッチング回路を含んでもよく、この回路は、RF発生器108の非標準出力インピーダンスを、50Ωの同軸ケーブルまたは任意のケーブルの業界標準特性インピーダンスに整合させることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、RF発生器108は、パルサー段101によって生成されるパルスのパルス繰返し周波数よりも高いRF周波数でバーストを生成することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、パルサーおよびプラズマシステム100は、フィルターコンデンサ185および/またはフィルターインダクタ180を含むことができる。フィルターコンデンサ185は、例えば、パルサー段101からの低周波数信号をフィルタリングすることができる。これらの低周波信号は、例えば、約100kHzおよび約10MHz、例えば約10MHzの周波数(例えば、スペクトル成分の大部分)を有することができる。フィルターコンデンサ185は、例えば、約1pF~1nFの、例えば約100pF未満の値を有することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、例えば、RF発生器108からの高周波信号をフィルタリングすることができる。これらの高周波信号は、例えば、約1MHz~200MHzの、例えば約1MHzまたは10MHzを超える周波数を有することができる。フィルターインダクタ180は、例えば、約10nH~10μHの、例えば約1μHを超える値を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、その間で低いカップリング容量を有することができる。いくつかの実施形態では、カップリング容量は、1nF未満であってもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、フィルターコンデンサ185およびフィルターインダクタ180のいずれかまたは両方が、RF発生器108によって生成されるパルスを、パルサー段101によって生成されるパルスから分離すること(またはその逆)ができる。例えば、フィルターコンデンサ185は、パルサー段101によって生成されたパルスを、RF発生器108によって生成されたパルスから分離することができる。フィルターインダクタ180は、RF発生器108によって生成されたパルスを、パルサー段101によって生成されたパルスから分離することができる。
【0085】
図3は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで(例えば、RF発生器108からのRF信号なしで)電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形305はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形310はウェーハ上で測定される電圧(例えば、回路点122)である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は75mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は12μFであり、パルス幅は100nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは、例えば約100nHであることができる。電圧源V1によって供給されるDC電圧は500Vである。図に示すように、ウェーハ波形310はパルス間でほぼ平坦である。例えば、パルス間で、ウェーハ波形810は、1V/ns、0.5V/ns、0.2V/ns、0.1V/ns等よりも小さい傾きを有する。
【0086】
図4は、いくつかの実施形態による、(例えば、RF発生器108からのRF信号を有する)RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形405はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形410はウェーハ上(例えば、回路点122)で測定された電圧である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は75mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は12μFであり、パルス幅は100nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは約100nHである。電圧源V1によって供給されるDC電圧は500Vである。図に示すように、ウェーハ波形410はパルス間でほぼ平坦である。ウェーハ波形410は、例えば、連続するパルス間の変化が1V/ns未満であるより小さい連続パルス変化によって変化する可能性がある。
【0087】
図5は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで(例えば、RF発生器108からのRF信号なしで)電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形505はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形510はウェーハ上(例えば、回路点122)で測定された電圧である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は10mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は35μFであり、パルス幅は150nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは約0nHである。電圧源V1によって供給されるDC電圧は750Vである。図に示すように、ウェーハ波形510はパルス間でほぼ平坦である。例えば、パルス間で、ウェーハ波形510は、1V/ns、0.5V/ns、0.2V/ns、0.1V/ns等よりも小さい傾きを有する。
【0088】
図6は、いくつかの実施形態による、(例えば、RF発生器108からのRF信号を有する)RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形605はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形610はウェーハ上(例えば、回路点122)で測定された電圧である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は10mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は35μFであり、パルス幅は150nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは約0nHである。電圧源V1によって供給されるDC電圧は750Vである。図に示すように、ウェーハ波形610はパルス間でほぼ平坦である。例えば、パルス間で、ウェーハ波形610は、1V/ns、0.5V/ns、0.2V/ns、0.1V/ns等よりも小さい傾きを有する。
【0089】
図7は、いくつかの実施形態による、RF電力なしで(例えば、RF発生器108からのRF信号なしで)電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形705はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形710はウェーハ上(例えば、回路点122)で測定された電圧である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は10mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は35μFであり、パルス幅は250nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは約0nHである。電圧源V1によって供給されるDC電圧は700Vである。図に示すように、ウェーハ波形710はパルス間でほぼ平坦である。例えば、パルス間で、ウェーハ波形710は、1V/ns、0.5V/ns、0.2V/ns、0.1V/ns等よりも小さい傾きを有する。
【0090】
図8は、いくつかの実施形態による、(例えば、RF発生器108からのRF信号を有する)RF電力を有する電力システムによって生成される二つの波形の例である。この実施例では、チャック波形805はチャック電圧(例えば、回路点121)であり、ウェーハ波形810はウェーハ上(例えば、回路点122)で測定された電圧である。この実施例では、スナバ抵抗器R3の抵抗は10mΩであり、スナバコンデンサC5の静電容量は35μFであり、パルス幅は250nsであり、フィルターインダクタ180のインダクタンスは約0nHである。電圧源V1によって供給されるDC電圧は800Vである。図に示すように、ウェーハ波形810はパルス間でほぼ平坦である。例えば、パルス間で、ウェーハ波形810は、1V/ns、0.5V/ns、0.2V/ns、0.1V/ns等よりも小さい傾きを有する。
【0091】
図9は、いくつかの実施形態による、システムなしにナノ秒パルサーによって生成されるドループ補償有無の波形を並べて表示した例である。この実施例では、チャック波形905はドループ補償なしのチャッキング電圧であり、チャッキング波形915はドループ補償ありのチャッキング電圧である。この実施例では、ウェーハ波形910はドループ補償なしのチャッキング電圧であり、ウェーハ波形920はドループ補償ありのチャッキング電圧である。この実施例では、ドループ補償なしの場合、スナバ抵抗器R3の抵抗値は1.25Ω、スナバコンデンサC5の静電容量は2μFであり、ドループ補償ありの場合、スナバ抵抗器R3は75Ωに低下し、スナバコンデンサC5の静電容量は12μFである。
【0092】
図10Aは、いくつかの実施形態による、ドループ補償なしのウェーハ電位のヒストグラムである。図10Bは、いくつかの実施形態による、ドループ補償ありのウェーハ電位のヒストグラムである。
【0093】
図11は、いくつかの実施形態による、プラズマチャンバー106を駆動するドループ補償回路165を有する電力システム1100の回路図である。いくつかの実施形態では、ドループ補償回路165は、クローバーダイオード130およびドループコンデンサ170を含むことができる。ドループコンデンサ170は、約1nF~約100nFのコンデンサを有することができる。この実施例では、ドループコンデンサ170の追加により、クローバーダイオード130およびエネルギー回収回路110を通って流れる電流は、ドループコンデンサ170の両端間の電圧変化を誘導し、降下を打ち消すことができる。ドループコンデンサ170は、ドループコンデンサ170が充電されて低下がなくなるまで、電流の流れを制限することができる。スイッチ171は、パルス中にドループコンデンサ170から接地に電荷を放電するために使用されることができる。スイッチ171は、例えば、同じ信号を使用して、スイッチ171と同じスイッチング周波数および/または周期で切り替えられることができる。例えば、スイッチ171が閉じている場合、パルサー段101がパルスを発し、スイッチ171が閉じてドループコンデンサ170を放電する。
【0094】
いくつかの実施形態では、電源174は、必要に応じて、DCオフセットまたはバイアスを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ドループコンデンサ170から電荷が放電される場合、電源174も充電されることができる
【0095】
いくつかの実施形態では、インダクタ172は電流制限インダクタであってもよい。インダクタ172は、例えば、約10nH~約500nHのインダクタンスを有してもよい。ダイオード173および/またはダイオード175は、クローバーダイオードであってもよい。ダイオード175は、例えば、スイッチ171が開いている場合、電流が流れることを可能にすることができ、電圧スパイクが接地に流れることを可能にすることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、インダクタ172、ダイオード173および/またはダイオード175を、抵抗器に置き換えてもよい。
【0097】
スイッチ171は、高周波で高電圧を切り替えることができる任意のタイプのスイッチを含むことができる。いくつかの実施形態では、スイッチ171は、「HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING」と題する米国特許出願第62/717,637号、および/または「HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING」と題する米国特許出願第16/178,565号に記載されている高電圧スイッチを含み、これはあらゆる目的のためにその全体が本開示に組み込まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、取り除かれるか、または一次シンク回路および/もしくは抵抗出力段と置き換えられることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、エネルギー回収インダクタ115の後に接地に接続してもよい。
【0099】
この実施例では、DCバイアス回路104は、バイアス補償を全く含まない。DCバイアス回路104は、例えば出力電圧を正または負のどちらかにバイアスすることができるオフセット供給電圧V5を含む。いくつかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、ウェーハ電圧とチャック電圧との間の電位を変化させるために調整されることができる。いくつかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、約±5kV、±4kV、±3kV、±2kV、±1kV等のkVの電圧を有することができる。DCバイアス回路104は、電力システム1100に含まれても含まれなくてもよい。
【0100】
電力システム1100は、RF発生器108およびフィルターインダクタ180を含むことができる。フィルターインダクタ180は、例えば、RF発生器108からの高周波信号をフィルタリングすることができる。これらの高周波信号は、例えば、約1MHz~200MHzの、例えば約1MHzまたは10MHzを超える周波数を有することができる。フィルターインダクタ180は、例えば、約10nH~10μHの、例えば約1μHを超える値を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、その間で低いカップリング容量を有することができる。いくつかの実施形態では、カップリング容量は、1nF未満であってもよい。
【0101】
図12は、いくつかの実施形態による、プラズマチャンバー106を駆動するドループ補償回路190を有するパルサーおよびプラズマシステム1200の回路図である。ドループ補償回路190は、負のDC電源182、スイッチ181、および限流抵抗器183または限流インダクタ184を含むことができる。限流抵抗器183は、例えば、約0.1Ω~約50Ω、または約10mΩ~約500Ωの抵抗を有することができる。限流インダクタ184は、例えば、約1nH~約100nHのインダクタンスを有することができる。スイッチ181が閉じている場合、負のDC電源182は、電圧を引き下げてドループを除去および制限することができる。
【0102】
スイッチ181は、高周波で高電圧を切り替えることができる任意のタイプのスイッチを含むことができる。いくつかの実施形態では、スイッチ181は、「HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING」と題する米国特許出願第62/717,637号、および/または「HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING」と題する米国特許出願第16/178,565号に記載されている高電圧スイッチを含み、これはあらゆる目的のためにその全体が本開示に組み込まれる。
【0103】
いくつかの実施形態では、パルサーおよびプラズマシステム1200は、抵抗出力段220ではなく、エネルギー回収回路(例えば、エネルギー回収回路110)を含むことができる。
【0104】
パルサーおよびプラズマシステム1200は、RF発生器108およびフィルターインダクタ180を含むことができる。フィルターインダクタ180は、例えば、RF発生器108からの高周波信号をフィルタリングすることができる。これらの高周波信号は、例えば、約1MHz~200MHzの、例えば約1MHzまたは10MHzを超える周波数を有することができる。フィルターインダクタ180は、例えば、約10nH~10μHの、例えば約1μHを超える値を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、その間で低いカップリング容量を有することができる。いくつかの実施形態では、カップリング容量は、1nF未満であってもよい。
【0105】
図13は、いくつかの実施形態による、パルサーおよびプラズマシステム1300の回路図である。パルサーおよびプラズマシステム1300は、例えば、フルブリッジ構成で示されているが、ハーフブリッジ構成であってもよいパルスドライバー1305、ドループ補償回路1310、トランス1345、および電圧源V1を含むことができる。ドループ補償回路1310は、例えば、電圧ドループを軽減または減少させることができる。
【0106】
この実施例では、パルサーおよびプラズマシステム1300は、パルスドライバー1305を含むことができる。パルスドライバー1305は、例えば、ハーフブリッジドライバーまたはフルブリッジドライバーであってもよい。パルスドライバー1305は、DC電圧源(例えば、容量性源、AC-DCコンバータ等)であってもよい電圧源V1を含むことができる。いくつかの実施形態では、パルスドライバー1305は、四つのブリッジスイッチ661、662、664、664を含んでもよい。いくつかの実施形態では、パルスドライバー1305は、直列または並列の複数のスイッチ661、662、664、および664を含むことができる。これらのスイッチ661、662、664、および664は、例えば、任意のタイプの固体スイッチ、例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等を含むことができる。これらのスイッチ661、662、664、および664は、高周波数で切り替えることができ、ならびに/または高電圧パルスを生成することができる。これらの周波数は、例えば、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等の周波数を含むことができる。
【0107】
スイッチ661、662、664、および664の各スイッチは、それぞれのブリッジダイオードと並列に接続することができ、浮遊インダクタンスを含むことができる。いくつかの実施形態では、ブリッジスイッチの浮遊インダクタンスは等しくてもよい。いくつかの実施形態では、ブリッジスイッチの浮遊インダクタンスは、約50nH、100nH、150nH、500nH、1,000nH等よりも小さくてもよい。スイッチ(661、662、664、または664)とそれぞれのブリッジダイオードとの組み合わせは、それぞれのブリッジインダクタと直列に接続することができる。例えば、スイッチ663および664に関連付けられたブリッジインダクタは、接地に接続することができる。例えば、スイッチ661に関連付けられたブリッジインダクタは、ブリッジスイッチ664と、ならびにドループ補償回路1310の抵抗器1315および/またはインダクタ1316とに電気的に接続することができる。また、スイッチ662に関連付けられたブリッジインダクタは、例えば、ブリッジスイッチ663およびドループ補償回路1310のダイオード1313と電気的に接続することができる。
【0108】
パルスドライバー1305内のスイッチが共振周波数fresonantで切り替えられる場合、トランス1345の出力電圧が増幅される。いくつかの実施形態では、共振周波数は、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等である。
【0109】
いくつかの実施形態では、トランス1345(またはトランスT1)は、「High Voltage Transformer」と題する米国特許出願第15/365,094号に開示されているようなトランスを含むことができ、これはあらゆる目的のためにその全体が本開示に組み込まれる。
【0110】
例えば、ブリッジスイッチ661を開閉する信号Sig1のデューティサイクルを変更すること、ブリッジスイッチ662を開閉する信号Sig2のデューティサイクルを変更すること、ブリッジスイッチ664を開閉する信号Sig3のデューティサイクルを変更すること、およびブリッジスイッチ663を開閉する信号Sig4のデューティサイクルを変更することによって、スイッチのデューティサイクルを調節することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、パルスドライバー1305内の各ブリッジスイッチ661、662、664、または664は、独立して、または一つもしくは複数の他のスイッチと連動して切り替えられることができる。例えば、信号Sig1は、信号Sig3と同じ信号であってもよい。別の例として、信号Sig2は、信号Sig4と同じ信号であってもよい。別の例として、各信号は独立していてもよく、各ブリッジスイッチ661、662、664、または664を独立してまたは別々に制御してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、ドループ補償回路1310の出力は、トランス1345の二次側またはトランス1345の一次側に配置されることができるブロッキングダイオードを含むことができる半波整流器に接続することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ドループ補償回路1310の出力は、抵抗出力段、例えば、図12に示される抵抗出力段220に接続することができる。抵抗出力段は、当該技術分野で公知の任意の抵抗出力段を含んでもよい。例えば、抵抗出力段は、「HIGH VOLTAGE RESISTIVE OUTPUT STAGE CIRCUIT」と題する米国特許出願第16/178,538号に記載の任意の抵抗出力段を含むことができ、これは、あらゆる目的のためにその全体が本開示に組み込まれる。
【0114】
パルサーおよびプラズマシステム1300は、従来のマッチングネットワーク、例えば、50Ωマッチングネットワークも、外部マッチングネットワークもスタンドアロンマッチングネットワークも含まない。実際、本文書内で説明されている実施形態は、ウェーハチャンバーに印加されるスイッチング電力を調整するために、50Ωのマッチングネットワークを必要としない。さらに、本文書内で説明される実施形態は、従来のマッチングネットワークなしで可変出力インピーダンスRF発生器を提供する。これにより、プラズマチャンバーによって引き出される電力を急速に変化させることができる。通常、このマッチングネットワークの調整には、少なくとも100μs~200μsかかる。いくつかの実施形態では、電力変化は、一つまたは二つのRFサイクル、例えば、400kHzで2.5μs~5.0μs内で発生する可能性がある。
【0115】
いくつかの実施形態では、パルスドライバー1305は、示すようにフルブリッジトポロジー、または二つのスイッチを有するハーフブリッジトポロジーに配置されたスイッチを備えることができる。スイッチ661、662、663、664は、エネルギー蓄積コンデンサC7内に蓄積されたDC電荷を切り替えることができる。DC電圧源(例えば、容量性電源、AC-DCコンバータ等)であることができる電圧源V1は、エネルギー蓄積コンデンサC7を充電することができる。パルスドライバー1305は、例えば、ドループ補償回路1310の共振周波数と実質的に等しいか、または実施的に等しくないパルス周波数でドループ補償回路1310を駆動してもしなくてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、パルスドライバー1305を、二つのスイッチを備えるハーフブリッジトポロジーに置き換えることができる。
【0117】
ドループ補償回路1310は、ダイオード1313、インダクタ1312、インダクタ1314、インダクタ1316、抵抗器1315、および/または抵抗器1311を含むことができる。ダイオード1313は、パルスドライバー1305とトランス1345との間で順バイアスされることができる。抵抗器1315は、例えば、非常に小さくてもよい。例えば、抵抗器1315は、約1Ω未満、例えば、約50、25、10、5mΩ等の抵抗を有することができる。別の例として、抵抗器1315は、0Ωまで低くすることができる。例えば、抵抗器1311は非常に小さくてもよい。例えば、抵抗器1311は、約5Ω未満、例えば、約10、5、2、1、0.75、0.5、0.25Ω等の抵抗を有することができる。インダクタ1316および/またはインダクタ1314は、例えば、約100nH未満、例えば、約75、50、25、10、5nH等のインダクタンスを有することができる。
【0118】
インダクタ1312は、約50H未満、例えば、約25、10、5、2.5、1H等のインダクタンスを有することができる。
【0119】
パルサーおよびプラズマシステム1300は、RF発生器108およびフィルターインダクタ180を含むことができる。フィルターインダクタ180は、例えば、RF発生器108からの高周波信号をフィルタリングすることができる。これらの高周波信号は、例えば、約1MHz~200MHzの、例えば約1MHzまたは10MHzを超える周波数を有することができる。フィルターインダクタ180は、例えば、約10nH~10μHの、例えば約1μHを超える値を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターインダクタ180は、その間で低いカップリング容量を有することができる。いくつかの実施形態では、カップリング容量は、1nF未満であってもよい。
【0120】
図14は、パルサーならびに、パルサーとプラズマシステム1300をエネルギー回収回路110で組み合わせたプラズマシステム1400の回路図である。別の例として、エネルギー回収回路110をパルサーおよびプラズマシステム1300と組み合わせる代わりに、ドループ補償回路190をパルサーおよびプラズマシステム1300と組み合わせてもよい。
【0121】
他に断りがない限り、用語「実質的に」は、言及された値の5%または10%以内、または製造公差内であることを意味する。他に断りがない限り、用語「約」は、言及された値の5%または10%以内、または製造公差内であることを意味する。
【0122】
接続詞「または」は包括的である。
【0123】
用語「第一」、「第二」、「第三」等は、それぞれの要素を区別するために使用され、他に断りがない限り、または順序が明示的に説明または要求されない限り、これらの要素の特定の順序を示すためには使用されない。
【0124】
特許請求の範囲に記載された主題を完全に理解するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、当業者は、特許請求の範囲に記載された主題がこれらの具体的な詳細なしで実施されることができることを理解するであろう。他の例では、特許請求の範囲に記載された主題を不明瞭にしないように、当業者に公知であろう方法、装置、またはシステムは詳細には説明されていない。
【0125】
開示された方法の実施形態は、このようなコンピューティングデバイスの操作で実行されてもよい。上記の例に示されているブロックの順序を変更する、例えば、ブロックを並べ替える、組み合わせる、および/またはサブブロックに分割することができる。いくつかのブロックまたはプロセスは、並列に実施されることができる。
【0126】
「適応される」または「構成される」の使用は、追加のタスクまたは工程を実行するように適応または構成されたデバイスを排除しない、オープンで包括的な言語を意味する。さらに、「に基づく」の使用は、一つまたは複数の列挙された条件または値に「基づく」プロセス、工程、計算、またはその他の処理が、実際には、列挙されたものを超える追加の条件または値に基づく場合があるという点で、オープンで包括的であることを意味する。含まれている見出し、リスト、および番号は、説明を簡単にするためのみのものであり、限定することを意図したものではない。
【0127】
本主題は、その特定の実施形態に関して詳細に説明されてきたが、当業者は、前述の理解に達すると、このような実施形態の変更、変形、および等価物を容易に作製できることが理解されるであろう。したがって、本開示は、限定ではなく例として提示されたものであり、当業者には容易に明らかであるように、本主題へのこのような変更、変形および/または追加を含めることを排除しないことは言うまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】