(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】自動車用の自動変速機及び自動車
(51)【国際特許分類】
F16H 61/00 20060101AFI20230726BHJP
F16H 61/22 20060101ALI20230726BHJP
F16H 63/34 20060101ALI20230726BHJP
F16H 61/30 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
F16H61/00
F16H61/22
F16H63/34
F16H61/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501049
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2021067575
(87)【国際公開番号】W WO2022012905
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020004244.9
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020004982.6
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・バラガ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ブランデンブルク
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・カルクジンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ニコ・クロニムス
【テーマコード(参考)】
3J067
3J552
【Fターム(参考)】
3J067AB11
3J067AC01
3J067DB13
3J067DB27
3J067FA05
3J067FA57
3J067FB83
3J067GA01
3J552MA01
3J552NA01
3J552NB01
3J552NB05
3J552QA13A
3J552QA30A
3J552QA42A
3J552QA45A
3J552SA60
(57)【要約】
本発明は、自動車用の自動変速機(10)であって、潤滑装置及び/又は冷却装置(12)と、第1のポンプ接続部(22)を有する油圧ポンプ(14)であって、油圧ポンプ(14)の順方向動作では、第1のポンプ接続部(22)を経由して、潤滑装置及び/又は冷却装置(12)には、油圧ポンプ(14)を使用して順方向動作にて搬送され第1のポンプ接続部(22)を貫流する作動油を供給可能である、油圧ポンプ(14)と、パーキングロック(26)であって、パーキングロック(26)は、係合状態と係合解除状態との間で調整可能であり、第1の動作領域(32)を有する油圧ポンプ(14)を使用して順方向動作にて搬送される作動油を第1の動作領域(32)導入可能であり、これにより、パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であることにより、一方の状態から他方の状態へのパーキングロック(26)の調整をもたらすことが可能である、パーキングロック(26)と、を備える、自動変速機(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の自動変速機(10)であって、潤滑装置及び/又は冷却装置(12)と、第1のポンプ接続部(22)を有する油圧ポンプ(14)であって、前記油圧ポンプ(14)の順方向動作では、前記第1のポンプ接続部(22)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送され前記第1のポンプ接続部(22)を貫流する作動油を供給可能である、前記油圧ポンプ(14)と、パーキングロック(26)であって、前記パーキングロック(26)は、係合状態と係合解除状態との間で調整可能であり、第1の動作領域(32)を有し、前記第1の動作領域(32)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される作動油を導入可能であり、これにより、前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であることにより、一方の状態から他方の状態への前記パーキングロック(26)の調整をもたらすことが可能である、前記パーキングロック(26)と、を備え、
前記油圧ポンプ(14)は、第2のポンプ接続部(24)を有し、
前記パーキングロック(26)は、第2の動作領域(34)を有し、前記油圧ポンプ(14)の逆方向動作では、前記第2のポンプ接続部(24)を経由して、前記第2の動作領域(34)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記逆方向動作にて搬送され前記第2のポンプ接続部(24)を貫流する作動油を導入可能であり、これにより、前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であることにより、前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)の調整をもたらすことが可能である、自動変速機(10)において、
前記パーキングロック(26)は、前記パーキングロック(26)の前記一方の状態から前記他方の状態への油圧調整のために形成されている第1の油圧シリンダ(36)を有し、前記第1の油圧シリンダ(36)は、前記第1の動作領域(32)を有し、前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)のばね作動式の調整のために形成されており、
前記パーキングロック(26)は、第2の油圧シリンダ(48)を有し、前記第2の油圧シリンダ(48)は、前記第2の動作領域(34)を有し、初期状態から解放状態へと油圧式に調整可能であり、これにより前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)の前記調整が解除可能であることを特徴とする、自動変速機(10)。
【請求項2】
前記第2のポンプ接続部(24)は、前記第2の動作領域(34)と直接流体接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動変速機(10)。
【請求項3】
前記第1の油圧シリンダ(36)は、
第1のハウジング(38)と、
第1のピストン(40)であって、前記第1のピストン(40)は、前記第1のハウジング(38)に並進移動可能に配置されており、前記作動油を前記第1の動作領域(32)に導入することによって第1の移動方向(42)に前記第1のハウジング(38)に対して並進移動可能であり、これにより前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であり、それにより前記一方の状態から前記他方の状態へと調整可能である、前記第1のピストン(40)と、
前記第1の動作領域(32)であって、前記第1の動作領域(32)は、部分的に前記第1のピストン(40)によって、かつ部分的に前記第1のハウジング(38)によって画定されている、前記第1の動作領域(32)と、
ばね要素(44)であって、前記ばね要素(44)には、前記第1の移動方向(42)に行われる前記第1のピストン(40)の移動によって張力をかけることができ、これにより前記ばね要素(44)を使用してばね力を提供可能であり、前記ばね力を使用して、前記第1のピストン(40)は、前記第1の移動方向(42)とは反対の第2の移動方向(46)に前記第1のハウジング(38)に対して並進移動可能であり、これにより前記パーキングロック(26)は、前記他方の状態から前記一方の状態へと調整可能である、前記ばね要素(44)と、
を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動変速機(10)。
【請求項4】
前記第2の油圧シリンダ(48)は、
第2のハウジング(50)と、
第2のピストン(52)と、
前記第2の動作領域(34)であって、前記第2の動作領域(34)は、部分的に前記第2のハウジング(50)によって、かつ部分的に前記第2のピストン(52)によって画定されており、前記第2のピストン(52)は、並進移動可能に前記第2のハウジング(50)に配置されており、前記作動油を前記第2の動作領域(34)に導入することによって、第3の移動方向(56)に前記第2のハウジング(50)に対して前記初期状態をもたらすロック位置から前記解放状態をもたらす解放位置へと並進移動可能である、前記第2の動作領域(34)と、
を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動変速機(10)。
【請求項5】
冷却バルブ(68)であって、前記冷却バルブ(68)には、前記第1のポンプ接続部(22)を経由して、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記冷却バルブ(68)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ(68)、
によって特徴づけられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動変速機(10)。
【請求項6】
少なくとも1つの切替要素(70)であって、前記少なくとも1つの切替要素(70)を使用して、前記自動変速機(10)の2つの変速機要素は、相対回転不能に互いに接続可能である、前記少なくとも1つの切替要素(70)と、
第3の油圧シリンダ(72)であって、前記第3の油圧シリンダ(72)には、前記冷却バルブ(68)を経由して前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記第3の油圧シリンダ(72)が動作可能であり、及び前記第3の油圧シリンダ(72)を経由して前記切替要素(70)が動作可能である、前記第3の油圧シリンダ(72)と、
によって特徴づけられ、
前記冷却バルブ(68)は、
冷却バルブ入口接続部(E4)であって、前記冷却バルブ入口接続部(E4)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記冷却バルブ(68)に前記作動油を供給するために、前記冷却バルブ(68)に前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ入口接続部(E4)と、
冷却バルブ出口接続部(A2)であって、前記冷却バルブ出口接続部(A2)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記冷却バルブ入口接続部(E4)を経由して前記冷却バルブ(68)に供給され前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ出口接続部(A2)と、
第2の冷却バルブ出口接続部(A3)であって、前記第2の冷却バルブ出口接続部(A3)を経由して、前記第3の油圧シリンダ(72)には、前記冷却バルブ入口接続部(E4)を経由して前記冷却バルブ(68)に供給され前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記第2の冷却バルブ出口接続部(A3)と、
を有する、請求項5に記載の自動変速機(10)。
【請求項7】
前記他方の状態は、前記係合解除状態であり、前記一方の状態は、前記係合状態であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動変速機(10)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の自動変速機(10)を備える、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の自動車用の、特に普通自動車用の、自動変速機に関する。更に、本発明は、そのような自動変速機を備える、自動車、特に普通自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポンプを備えた油圧装置が開示されており、そのポンプは、一方では、第1の消費部に油圧媒体を供給して第1の消費部を冷却及び/又は潤滑するために冷却媒体配管に接続されており、他方では、第2の消費部に同じ油圧媒体を供給して第2の消費部を作動させるために作動配管に接続されている。このポンプは、可逆ポンプとして形成されている。更に、油圧式パーキングロック操作部が切替バルブを介して適切に、少なくとも冷却媒体配管に接続可能であることが企図されている。
【0003】
同様に、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5から、パーキングロック装置用油圧作動装置一式を含む自動車変速機用油圧装置が公知である。
【0004】
上記分野の特許文献6では、油圧ポンプ付き油圧装置が示されており、その油圧ポンプは、一方では、冷却装置及び潤滑装置に作動油を供給し、他方では、パーキングロックを作動させるピストンシリンダユニットに作動油を供給する。この場合、油圧装置は、油圧ポンプの順方向動作時、ピストンシリンダユニットのピストンが一方の方向に移動し、油圧ポンプの逆方向動作時、ピストンが反対方向に移動するように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE 10 2018 112 665 A1
【特許文献2】DE 10 2012 016 235 A1
【特許文献3】US 2018/0119 816 A1
【特許文献4】DE 10 2018 130 700 A1
【特許文献5】DE 10 2018 112 670 A1
【特許文献6】DE 10 2016 115 925 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、自動車用の自動変速機及びそのような自動変速機を備えた自動車を提供することによって、特に簡単な方法で自動変速機のパーキングロックの特に確実な作動を実現することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、請求項1の特徴を有する自動変速機及び請求項8の特徴を有する自動車によって解決される。本発明の目的に応じた発展形態を含む有利な実施形態は、その他の請求項に記載されている。
【0008】
本発明の第1の態様は、自動車用の、特に、例えば、乗用自動車として形成されている普通自動車用の、自動変速機に関する。これは、自動車が、その完成品状態で変速機とも称する自動変速機を有し、この場合、変速機を介して、例えば、内燃機関として又は電気機械として形成されている原動機によって、駆動可能であることを意味する。このことは、特に、少なくとも1つの単に車輪とも称する自動車の車両用車輪が、変速機を介して原動機によって駆動することができると理解されたい。特に、少なくとも2つの又は正確に2つの車両用車輪を変速機を介して原動機によって駆動することができ、これによって自動車が駆動される。自動変速機は、パーキングロックを含み、パーキングロックの機能は、一般的な先行技術から既に十分に公知であるため、したがって以下では、手短にのみ説明する。変速機は、例えば、少なくとも1つの単にハウジングとも称する変速機ハウジングと、例えば、変速機の従動シャフト又は出力シャフトであり得るシャフトと、を有する。このシャフトは、少なくとも部分的にハウジング内に配置されており、ハウジングに対して回転可能である。シャフトを介して、変速機は、自動車を駆動するための、すなわち、特に、車輪を駆動するための、少なくとも1つの従動トルク又は従動回転トルクとも称する回転トルクを提供することができる。以下でより詳細に説明するように、パーキングロックは、係合状態と係合解除状態との間で調整可能である。係合状態は、作動状態とも称し、係合解除状態は、非作動状態とも称する。これは、パーキングロックが係合状態では係合されている又は作動しており、パーキングロックが係合解除状態では係合解除されている又は非作動になっていることを意味する。上記の車輪又は上記の複数の車輪は、例えば、特に、回転トルクを常時伝達するように上記のシャフトに連結されているため、シャフトから各車輪への回転トルクフローに関して、シャフトと各車輪との間には、例えば、各車輪回転トルクを伝達するようにシャフトに連結している接続状態と、各車輪をシャフトから連結解除している分離状態との間で切替可能である分離装置は、配置されていない。更に、自動車は、例えば、その完成品状態で、特に自己支持型シャーシとして形成され得て、客室又は乗員室とも称する自動車の車室を画定する、車体を有する。この場合、例えば、自動車の運転者などの人員が、車室内に存在してもよい。係合解除状態では、パーキングロックが、変速機ハウジングに対してシャフト回転軸を中心として行われる回転のためにシャフトを解放することによって、係合解除状態では、シャフト及び各車輪もまた、変速機ハウジングに対して、かつ車体に対して回転することができる。したがって、例えば、変速機は、原動機によって提供される回転トルクが変速機に導入されることによって駆動され、これにより、パーキングロックの係合解除状態では、シャフトがシャフト回転軸を中心として変速機ハウジングに対して回転され、車輪がシャフトによって駆動されることにより車体に対して回転され、これにより、自動車が駆動される。しかし、係合状態では、シャフトは、パーキングロックを使用して、特に形状接続式に、シャフト回転軸を中心として変速機ハウジングに対して生じる回転に対抗して固定されるため、換言すれば、係合状態では、シャフトは、パーキングロックを使用して変速機ハウジングに、特に形状接続式に、相対回転不能に接続されている、又はパーキングロックを使用して、パーキングロックの中でシャフト回転軸を中心としてハウジングに対して生じる回転の可能性は、特に、シャフトが最大でも90°未満に、特に最大でも20°未満に、かつ十分には特に最大でも10°未満に、シャフト回転軸を中心としてハウジングに対して回転することができるように、大きく制限されている。これによって、車輪も車体に対して生じる回転に対抗して固定されるため、例えば、自動車の所望しない自然発車を防止することができる。これは、自動車が傾斜地に停められている場合、又は駐車されている場合、特に有利である。
【0009】
パーキングロックは、このために、例えば、相対回転不能にシャフトに接続された、かつ場合によりシャフトに配置されている、パーキングロックギヤを有し、このパーキングロックギヤは、パーキングロックギヤの円周方向に連続する複数の歯と、その間に配置されている歯溝と、を備える歯車を有してもよい。更に、パーキングロックは、例えば、単に歯止めとも称する、ハウジングに旋回可能に保持されているパーキング歯止めを含む。この歯止めは、例えば、変速機ハウジングに対してロック位置と解除位置との間で旋回することができる。ロック位置では、歯止めは、歯溝に係合し、それによって、歯止めは、パーキングロックギヤと形状接続式に協働する。これにより、シャフトは、シャフト回転軸を中心としてハウジングに対して生じる回転に対抗するように固定されている。解除位置では、歯止めは、歯溝に係合していない。換言すれば、歯止めは、解除位置ではパーキングロックギヤと協働しないため、シャフトは、シャフト回転軸を中心としてハウジングに対して回転することができる。したがって、例えば、ロック状態は、係合状態をもたらし、解除位置は、パーキングロックの係合解除状態をもたらす。
【0010】
更に、自動変速機は、潤滑システム及び/又は冷却システムとも称する潤滑装置及び/又は冷却装置を含む。潤滑装置及び/又は冷却装置を使用して、特に潤滑媒体及び/又は冷却媒体を使用して、自動変速機の少なくとも1つの部分領域を潤滑する、及び/又は冷却することができる。このために、潤滑装置及び/又は冷却装置は、例えば、潤滑媒体及び/又は冷却媒体によって貫流可能な回路を含むため、例えば、潤滑装置及び/又は冷却装置を介して潤滑流体及び/又は冷却流体を使用して、少なくとも上記の部分領域を潤滑する、及び/又は冷却することができる。例えば、潤滑媒体及び/又は冷却媒体は、油及び/又は流体、すなわち、液体である。
【0011】
更に、自動変速機は、油圧ポンプを含み、油圧ポンプは、好適には電動油圧ポンプである。このことは、特に、油圧ポンプが、好適には、電気的に、すなわち、電気エネルギー又は電流を使用して駆動可能であると理解されたい。例えば、油圧ポンプは、ポンプハウジングと、ポンプハウジング内に配置されている搬送要素と、を有し、搬送要素は、ポンプハウジングに対して可動である、特に回転可能である。この場合、油圧ポンプは、電動油圧ポンプとして形成されている場合には、例えば、電気エネルギー又は電流を使用して駆動可能である電動機を含む。電動機を動作させることによって、電動機を使用して搬送要素が駆動され、この場合、ポンプハウジングに対して移動し、特に回転する。以下でより詳細に説明するように、油圧ポンプを使用して作動油を搬送することができる。特に、搬送要素をポンプハウジングに対して移動することによって、油圧ポンプを使用して、特に搬送要素を使用して、作動油が搬送され、特にポンプハウジングを通過して、かつ油圧ポンプを通過して貫通搬送され得る。好適には、作動油は、流体、ひいては油圧流体であり、作動油は、正に好適には、油又は上記の油であり得る。特に、作動油は、上記の潤滑媒体及び/又は冷却媒体であるため、好適には、作動油は、上記の潤滑媒体及び/又は冷却媒体として使用されると考えられる。
【0012】
油圧ポンプは、第1のポンプ接続部を有し、第1のポンプ接続部は、例えば、特に少なくとも油圧ポンプの順方向動作では、第1のポンプ出口接続部であり得る。油圧ポンプの順方向動作では、第1のポンプ接続部を経由して、潤滑装置及び/又は冷却装置には、油圧ポンプを使用して、特に搬送要素を使用して、順方向動作にて搬送され第1のポンプ接続部を、特に、第1の流れの方向に貫流する作動油を供給可能である。したがって、例えば、油圧ポンプの順方向動作では、作動油は、油圧ポンプを使用して第1の流れの方向に搬送され、この場合、例えば、第1のポンプ接続部を通過して、及び/又はポンプハウジングの少なくとも一部を通過して貫通搬送される。
【0013】
パーキングロックは、好適には、パーキングロックバルブを有してもよく、パーキングロックバルブは、バルブ出口接続部及びバルブ入口接続部を有する。バルブ入口接続部には、第1のポンプ接続部を経由して、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。換言すれば、油圧ポンプは、順方向動作で動作されるため、油圧ポンプは、第1のポンプ接続部を貫通して、特に第1の流れの方向に作動油を搬送し、これにより、作動油は、第1のポンプ接続部を通過して、特に第1の流れの方向に貫流する。この場合、第1のポンプ接続部を貫流する作動油は、第1のポンプ接続部からパーキングロックバルブのバルブ入口接続部へ流れ、バルブ入口接続部を通過して貫流し、ひいては、例えば、バルブ入口接続部を経由してパーキングロックバルブ内に流入することができる。これにより、パーキングロックバルブには、バルブ入口接続部を経由して、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能であるため、パーキングロックバルブには、バルブ入口接続部を経由して、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である又は供給する。
【0014】
バルブ出口接続部には、バルブ入口接続部を経由してパーキングロックバルブに供給された作動油を供給可能であるため、バルブ出口接続部には、パーキングロックバルブに供給された作動油を供給可能である。このことは、特に、バルブ入口接続部に貫流し、これにより、例えば、バルブ入口接続部を経由してパーキングロックバルブ内に流入する作動油は、バルブ入口接続部からバルブ出口接続部へと流れることができ、これにより、バルブ出口接続部に作動油が供給されることであると理解することができる。バルブ入口接続部からバルブ出口接続部へと流れた作動油は、例えば、バルブ出口接続部を貫流し、この場合、例えば、パーキングロックバルブから流出することができる。
【0015】
この場合、パーキングロックは、第1の動作領域を有し、バルブ出口接続部を経由して、第1の動作領域には、バルブ出口接続部に供給され油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を導入可能である。これは、特に、バルブ入口接続部からバルブ出口接続部へと流れ、その後、例えば、バルブ出口接続部を貫流し、ひいては、例えば、バルブ出口接続部を経由してパーキングロックバルブから流出する作動油が、第1の動作領域内に流入することができる又は流入するため、バルブ出口接続部を貫流する作動油が、第1の動作領域内に導入可能である又は導入されることを意味する。作動油が第1の動作領域内に導入されることによって、パーキングロックは、油圧式に動作可能であり又は動作し、これにより一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの調整をもたらすることが可能である。このことは、例えば、作動油を第1の動作領域内に導入することで、一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの調整が、特に直接もたらされるため、例えば、パーキングロックが油圧式に、特に直接、一方の状態から他方の状態へと調整可能である又は調整されることであると理解することができる。更に、作動油が第1の動作領域内に導入されることによって、一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの調整が可能である又は可能となるため、その結果として、パーキングロックは、例えば、油圧式ではなく又は油圧式だけでなく、例えば、特にまた、機械式にも、またこの場合、例えば、ばね作動式にも、及び/又は空圧式にも、一方の状態から他方の状態へと調整されると考えられる。
【0016】
ここで、特に簡単で、この場合、特に安価、省スペースかつ軽量で、特に確実かつ規定どおりのパーキングロックの動作又は調整を実現することができるように、当初は、先行技術で公知のように、油圧ポンプが第2のポンプ接続部を有することが企図されている。例えば、第2のポンプ接続部は、少なくとも油圧ポンプの逆方向動作では第2のポンプ出口接続部である。特に、各ポンプ出口接続部とは、例えば、以下のように理解することができる。順方向動作では、油圧ポンプは、例えば、作動油を第1のポンプ接続部を通過して搬送するため、例えば、順方向動作では、作動油は、第1のポンプ接続部を経由して油圧ポンプから流出する、又は油圧ポンプは、順方向動作では第1のポンプ接続部を経由して作動油を提供するため、例えば、順方向動作では、第1のポンプ接続部は、油圧ポンプの圧力側にある。逆方向動作では、油圧ポンプは、例えば、作動油を第2のポンプ接続部を通過して搬送するため、例えば、逆方向動作では、作動油は、第2のポンプ接続部を経由して油圧ポンプから流出する、又は、油圧ポンプは、逆方向動作では作動油を第2のポンプ接続部を経由して提供する。したがって、例えば、逆方向動作では、第2のポンプ接続部は、油圧ポンプの圧力側にある。特に、順方向動作では、油圧ポンプから第2のポンプ接続部を経由した作動油の流出が行われないと考えられる。代替的又は追加的に、逆方向動作では、油圧ポンプから第1のポンプ接続部を経由した作動油の流出が行われないことを企図することができる。
【0017】
上記で明示したように、油圧ポンプは、例えば、順方向動作及び逆方向動作にて圧力側を有する。更に、油圧ポンプは、例えば、順方向動作及び逆方向動作にて吸入側を有する。順方向動作及び逆方向動作の間、油圧ポンプは、例えば、作動油を吸入側から圧力側に搬送するため、油圧ポンプは、例えば、作動油を吸入側を経由して油圧ポンプに搬送する又は油圧ポンプ内に吸引し、圧力側を経由して提供する又は油圧ポンプ外に搬送する。この場合、正に好適には、順方向動作では、第1のポンプ接続部が油圧ポンプの圧力側に配置され、かつ第2のポンプ接続部が油圧ポンプの吸入側に配置されていることが企図されている。代替的又は追加的に、逆方向動作では、第2のポンプ接続部が油圧ポンプの圧力側に配置され、かつ第1のポンプ接続部が油圧ポンプの吸入側に配置されていることが企図されている。したがって、順方向動作では、油圧ポンプは、作動油を第2のポンプ接続部を経由して吸引する又は油圧ポンプ内に搬入し、かつ第1のポンプ接続部を経由して提供する又は油圧ポンプ外に搬出する、特に油圧ポンプから搬出して取り除くことが企図され得る。代替的又は追加的に、逆方向動作では、油圧ポンプは、作動油を第1のポンプ接続部を経由して吸引する又は油圧ポンプ内に搬入し、かつ第2のポンプ接続部を経由して提供する又は油圧ポンプ外へ搬出し、この場合、特に油圧ポンプから搬出して取り除くことが企図され得る。したがって、油圧ポンプは、好適には、いわゆる可逆ポンプとして形成されており、可逆ポンプの搬送方向は、変更又は反転することができる。例えば、作動油は、順方向動作では第1の流れの方向に第1のポンプ接続部を貫通して流れ、この場合、特に油圧ポンプから流出する。逆方向動作では、例えば、作動油は、第1の流れの方向と反対の第2の流れの方向に第1のポンプ接続部を貫通して流れ、この場合、特に油圧ポンプに流入する。逆方向動作では、例えば、作動油は、第3の流れの方向に第1のポンプ接続部を貫通して流れ、この場合、例えば、油圧ポンプから流出する。順方向動作では、例えば、作動油は、第3の流れの方向と反対の第4の流れの方向に第2のポンプ接続部を貫通して流れ、この場合、特に油圧ポンプに流入する。順方向動作又は逆方向動作とは、特に以下のように理解することができる。順方向動作は、油圧ポンプの第1の動作モード又は第1の動作形式である。換言すれば、順方向動作は、油圧ポンプの第1の動作モード又は動作形式とも称される。逆方向動作は、油圧ポンプの第2の動作モード又は第2の作動形式である。換言すれば、逆方向動作は、油圧ポンプの第2の動作モード又は第2の作動形式とも称される。順方向動作では、又は順方向動作を実行するために、搬送要素は、特に電動機を使用して、第1の搬送方向にポンプハウジングに対して移動する、特に回転する。したがって、第1の搬送方向は、第1の回転方向であり得る。逆方向動作では、又は逆方向動作を実行するために、搬送要素は、第1の搬送方向と反対の第2の搬送方向に移動する、特に回転する。したがって、第2の搬送方向は、第1の回転方向と反対の第2の回転方向であり得る。
【0018】
更に、パーキングロックは、同様に先行技術で公知のとおり、第2の動作領域を有し、第2のポンプ接続部を経由して、油圧ポンプの逆方向動作にて油圧ポンプを使用して逆方向動作にて搬送することによって第2のポンプ接続部を貫流する作動油を、第2の動作領域に導入可能である。これは、逆方向動作にて油圧ポンプを使用して搬送することによって第2のポンプ接続部を、特に第3の流れの方向に貫流する作動油が、第2のポンプ接続部から第2の動作領域へ、かつ特に第2の動作領域内へと流入することができ、これにより、油圧ポンプを使用して逆方向動作にて搬送される作動油が第2の動作領域内に導入可能である又は導入されることを意味する。作動油を第2の動作領域内に導入することによって、パーキングロックは、油圧式に動作可能であり、これにより、他方の状態から一方の状態へのパーキングロックの調整をもたらすことが可能である。これにより実現可能なパーキングロックの油圧動作を特に顧慮した第1の動作領域に関する上記及び下記の構成と、他方の状態から一方の状態へのパーキングロックの調整に関する上記及び下記の構成とは、作動油の第2の動作領域への導入により生じ得るパーキングロックの油圧動作、並びに他方の状態から一方の状態へのパーキングロックの調整に容易に転用することができ、その逆もまた同様である。単にポンプとも称する油圧ポンプに少なくとも1つの二重機能が付随していることが明らかである。一方では、油圧ポンプは、パーキングロックを油圧式に動作させ、これにより、一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの調整をもたらすために利用される。他方では、油圧ポンプは、パーキングロックを油圧式に動作させ、これにより、他方の状態から一方の状態へのパーキングロックの調整をもたらすために利用される。これにより、例えば、油圧バルブ及び補助ポンプを回避することができる、又は油圧バルブ及びポンプの数を特に少なく抑えることができるため、自動変速機の費用、必要設置スペース、及び重量を特にわずかな範囲に抑えることができる。更に、少なくとも1つの前提条件は、パーキングロックの動作を考慮して少なくとも1つの冗長性又は複数の冗長性を実現するために適しており、その結果、特に確実な動作を実現することができる。換言すれば、高いシステム可用性を具体化することができ、このことは、特に、例えば、パーキングロックを動作させるための少なくとも1つの他の更なるシステムが故障した場合であっても、パーキングロックが動作することができると理解されたい。
本発明によれば、パーキングロックは、一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの油圧調整のために形成されている第1の油圧シリンダを有し、第1の油圧シリンダは、第1の動作領域を有し、他方の状態から一方の状態へのパーキングロックのばね作動式の調整のために形成されていることが企図されている。これにより、特に安価、省スペース、かつ軽量なパーキングロックの動作又は調整が具体化され得る。
【0019】
そのうえ更に、本発明によれば、パーキングロックが第2の油圧シリンダを有することが企図されている。第2の油圧シリンダは、第2の動作領域を有し、初期状態から解放状態へと油圧式に調整可能であり、これにより、他方の状態から一方の状態へのパーキングロックの調整が解除可能である、特にもたらすことが可能である。初期状態では、第2の油圧シリンダは、例えば、パーキングロックが他方の状態に留まることを可能にする。第2の油圧シリンダがその初期状態からその解放状態へと調整されると、第2の油圧シリンダは、特に他方の状態から一方の状態へのパーキングロックのばね作動式の調整を促す。
【0020】
自動変速機の、特に簡単な、ひいては、安価、省スペース、かつ軽量の構造を実現するために、本発明の実施形態では、第2のポンプ接続部が第2の動作領域に直接流体接続されていることが企図されている。このことは、特に、第2のポンプ接続部から動作領域に、かつ動作領域内へと流れる第2の動作領域の流れの方向には、バルブ要素が配置されていないと理解されたい。したがって、好適には、第2のポンプ接続部から連続して又は中断なく第2の動作領域まで延在するチャネル全体は、そのチャネル全体を使用して作動油が第2のポンプ接続部から第2の動作領域に、かつ第2の動作領域内へと誘導可能であり、チャネルを貫流し、ひいては第2のポンプ接続部から第2の動作領域に流れる作動油の流れに影響を与えるためのバルブとは関係ない。
【0021】
この場合、第1の油圧シリンダが、第1の油圧シリンダハウジングとも称する第1のハウジングと、第1の油圧シリンダピストンとも称する第1のピストンと、を有する場合、特に有利であることが示された。第1の油圧シリンダは、第1のピストンシリンダユニットとも称する。第1のピストンは、並進移動可能に第1のハウジングに配置されている。第1のハウジングは、例えば、シリンダである、又はシリンダを画定し、例えば、第1のピストンは、第1のシリンダ内に並進移動可能であるように配置されている。作動油を第1の動作領域内に導入することによって、第1のピストンは、第1の移動方向に第1のハウジングに対して並進移動可能である又は移動し、これにより、パーキングロックは、油圧式に動作可能になり、特に油圧式に、一方の状態から他方の状態へと調整可能になる又は調整される。更に、第1の油圧シリンダは、第1の動作領域を有し、第1の動作領域は、それぞれ部分的に第1のピストンによって、かつ第1のハウジングによって、特にそれぞれ直接、画定されている。したがって、作動油が第1の動作領域内に導入されると、これにより、第1のピストンに作動油が、特に直接、供給される。これにより、第1のピストンは、作動油を使用して、特に第1の移動方向にハウジングに対して並進移動する。
【0022】
更に、第1の油圧シリンダは、好適には、機械ばね又は機械ばね要素である、ばね要素を含む。したがって、ばね要素は、好適には、固体として形成されており、例えば、気体又は液体によって形成されていない。第1の移動方向にハウジングに対して行われる第1のピストンの移動によって、ばね要素に張力がかけられ、これにより、ばね要素を使用してばね力が提供可能である又はばね要素によってばね力が提供される。ばね力を使用して、第1のピストンは、第1の移動方向と反対の第2の移動方向に第1のハウジングに対して並進移動している又は並進移動する。したがって、好適には、圧縮ばねとして形成されているばね要素によって提供されるばね力は、好適には、例えば、第2の移動方向に作用する。第2の移動方向に第1のハウジングに対して行われる第1のピストンの並進移動によって、パーキングロックは、他方の状態から一方の状態へと調整可能である又は調整される。したがって、パーキングロックは、ばね作動式又はばね力作動式に、他方の状態から一方の状態へと調整可能である又は調整される。これにより、特に簡単な方法で、パーキングロックの特に確実な動作又は調整を具体化することができる。
【0023】
この場合、特に簡単な方法で、パーキングロックの特に確実かつ規定どおりの動作を実現するために、本発明の更なる形態では、第2の油圧シリンダが第2のハウジング及び第2のピストンを有することが企図されている。更に、第2の油圧シリンダは、第2の動作領域を含み、第2の動作領域は、それぞれ部分的に第2のハウジングによって、かつ第2のピストンによって、特に直接、画定されている。したがって、例えば、第2のピストンの第2の動作領域内に作動油を導入することによって、作動油が、特に直接、供給される。第2のピストンは、並進移動可能に第2のハウジングに配置されており、第2の動作領域内に作動油を導入することによって、第3の移動方向に第2のハウジングに対して、初期状態をもたらすロック位置又は初期位置から解放状態をもたらす解放位置へと並進移動可能である。
【0024】
自動変速機の、特に簡単な、ひいては、安価、省スペースかつ軽量の構造を実現することができるようにするために、本発明の更なる形態では、自動変速機が冷却バルブを有することが企図されており、この冷却バルブは、特に作動油の流れに関して、パーキングロックバルブと並列に配置されている又は接続されている。換言すれば、冷却バルブは、流体技術的にパーキングロックバルブと並列に配置されている又は接続されている。冷却バルブには、第1のポンプ接続部を経由して油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能であるため、例えば、順方向動作にて第1のポンプ接続部を貫流する作動油を冷却バルブに誘導可能である、特に冷却バルブ内に導入可能である又は導入される。冷却バルブに作動油を供給することによって、冷却バルブを経由して潤滑装置及び/又は冷却装置に、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。これにより、特に、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油が、冷却バルブを経由して潤滑装置及び/又は冷却装置に流れ、特に潤滑装置及び/又は冷却装置の上記の回路に流入することができることが理解され得る。これにより、安価かつ省スペースで潤滑システム及び/又は冷却システム、特に回路の規定どおりの供給を保証することができる。
【0025】
例えば、第1のポンプ接続部は、特に冷却バルブを経由して、潤滑装置及び/又は冷却装置に流体接続されている又は流体接続可能であるため、作動油は、第1のポンプ接続部を経由して、かつ場合により冷却バルブを経由して、潤滑システム及び/又は冷却システム(潤滑装置及び/又は冷却装置)に供給することができる。代替的又は追加的に、バルブ入口接続部が第1のポンプ接続部に、特に直接又は直に、流体接続されている又は流体接続可能であると考えられる。代替的又は追加的に、バルブ出口接続部が第1の動作領域に、特に直接又は直に、流体接続されている又は流体接続可能であることが企図され得る。
【0026】
自動変速機の必要設置スペース、費用、及び重量を、特に少なく抑え、かつこの場合、自動変速機の有利な走行可能性を実現し得るために、本発明の更なる形態では、自動変速機が少なくとも1つの切替要素を有することが企図されている。切替要素を使用して、自動変速機のわずか2つの変速機要素が相対回転不能に相互接続可能である。例えば、切替要素は、例えば、摩擦クラッチ又は多板クラッチなどの摩擦接続式切替要素である。しかし、好適には、切替要素は、形状接続式切替要素であるため、切替要素は、例えば、爪又はかみ合いクラッチであり得る。切替要素は、例えば、連結状態と連結解除状態との間で切替可能である又は調整可能である。特に、切替要素は、連結解除状態をもたらす連結解除位置と、連結状態をもたらす連結位置との間を、特に変速機ハウジングに対して移動する及び/又は並進移動することができる。連結状態では、変速機要素は、切替要素を使用して、特に形状接続式に、相対回転不能に相互接続されているため、変速機要素は、特に自動変速機が駆動される場合であっても、変速機要素回転軸を中心として互いに相対回転することができない。しかし、連結解除状態では、切替要素は、変速機要素を、互いに相対的に、かつ変速機要素回転軸を中心として生じる回転を可能にするため、例えば、変速機要素は、特に自動変速機に導入される場合、変速機要素回転軸を中心として互いに相対回転する又は回転することができる。変速機要素のうちの一方は、例えば、変速機ハウジングであるが、歯切部を有する又は歯車として形成され得る構成要素でもある。他方の変速機要素は、例えば、歯切部を有する、したがって、例えば、歯車として形成され得る構成要素である。特に、自動変速機は、少なくとも1つのプラネタリギヤセットを有することができ、プラネタリギヤセットは、少なくとも1つのサンギヤ、少なくとも1つのリングギヤ、及び少なくとも1つのプラネタリキャリアを有する。サンギヤ、リングギヤ、及びプラネタリキャリアは、プラネタリギヤセットのコンポーネントである。この場合、一方の変速機要素及び/又は他方の変速機要素は、プラネタリギヤセットのコンポーネントのうちの1つのであり得る。
【0027】
自動変速機は、更に、第3の油圧シリンダを有する。第2の油圧シリンダは、例えば、第2のピストンシリンダユニットとも称する。したがって、第3の油圧シリンダは、第3のピストンシリンダユニットと称してもよい。第3の油圧シリンダには、冷却バルブを経由して油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能であり、これにより、第3の油圧シリンダが動作可能であり、第3の油圧シリンダを経由して切替要素が動作可能である。換言すれば、第3の油圧シリンダに作動油が供給されることによって、第3の油圧シリンダは、特に油圧式に、動作可能である又は動作する。第3の油圧シリンダの動作によって、切替要素は、特に油圧式に、動作可能である又は動作する。切替要素の動作によって、切替要素は、調整可能である又は切替可能である。換言すれば、切替要素の動作によって、切替要素を連結状態から連結解除状態に、及び/又は連結解除状態から連結状態に切り替えることができる。
【0028】
冷却バルブは、冷却バルブ入口接続部を有し、冷却バルブ入口接続部は、好適には、第1のポンプ接続部に、特に直接、流体接続可能である又は流体接続されている。冷却バルブ入口接続部には、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油が供給可能である。換言すれば、順方向動作にて油圧ポンプを使用して搬送される作動油は、冷却バルブ入口接続部に供給することができ、この場合、例えば、冷却バルブ入口接続部を経由して冷却バルブに導入され、これにより、冷却バルブ入口接続部又は冷却バルブには、作動油が供給可能である又は供給される。冷却バルブに作動油を供給することによって、作動油が冷却バルブに供給される又は供給可能である。換言すれば、冷却バルブ入口接続部に作動油を供給することによって、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油は、冷却バルブに供給可能である又は供給され、これにより、冷却バルブに作動油が供給可能である又は供給される。冷却バルブ入口接続部が直接、油圧ポンプの第1のポンプ接続部に流体接続されているという好適に企図された特徴とは、特に、連続して又は中断なく第1のポンプ接続部から冷却バルブ入口接続部まで延在する第2のチャネル全体には、第2のチャネルを貫流する作動油の流れに影響を及ぼすためのバルブがなく、この場合、作動油は、第1のポンプ接続部から冷却バルブ入口接続部に第2のチャネルを使用して誘導することができることが理解され得る。本開示の範囲において、1つのバルブ又は上記のそれぞれのバルブとは、少なくとも1つのバルブ部材を有するバルブ装置と理解されたく、少なくとも1つのバルブ部材は、作動油が貫流可能なフロー断面積の少なくとも一部を流体的に閉鎖する閉位置と、一部が解放されている開位置との間で調整可能である又は移動可能である。更に、冷却バルブは、好適には、第3の油圧シリンダに流体接続されている又は流体接続可能である第1の冷却バルブ出口接続部を含む。冷却バルブ出口接続部を経由して、第3の油圧シリンダには、冷却バルブに冷却バルブ入口接続部を経由して供給され油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油が供給可能である。したがって、油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油は、油圧ポンプから、特に第1のポンプ接続部から冷却バルブに、かつ冷却バルブを経由して第3の油圧シリンダに流れることができ、これにより、第3の油圧シリンダに作動油が供給可能である又は供給される。
【0029】
更に、冷却バルブは、第2の冷却バルブ出口接続部を有し、第2の冷却バルブ出口接続部は、例えば、潤滑装置及び/又は冷却装置に流体接続されている又は流体接続可能である。第2の冷却バルブ出口接続部を経由して、潤滑装置及び/又は冷却装置、特にそれらの回路には、冷却バルブに冷却バルブ入口接続部を経由して供給され油圧ポンプを使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。換言すれば、順方向動作にて油圧ポンプを使用して搬送され、ひいては、例えば、第1のポンプ接続部を貫流する作動油は、第1のポンプ接続部から冷却バルブに、かつ冷却バルブを経由して潤滑装置及び/又は冷却装置に流れ、かつこの場合、特にそれらの回路に流入することができ、これにより、潤滑装置及び/又は冷却装置、特にそれらの回路に、油圧ポンプを使用して搬送される作動油が供給可能である又は供給される。
【0030】
最終的に、係合解除状態の他方の状態が係合状態の一方の状態である場合、特に有利であることが明らかとなった。これにより、特に簡単な方法で、自動変速機、特にパーキングロックの特に確実かつ堅牢な動作を保証することができる。
【0031】
本発明の第2の態様は、好適には、普通自動車として、特に乗用自動車として形成されている自動車に関し、この自動車は、本発明の第1の態様による自動変速機を含む。本発明の第1の態様の利点及び予測される形態は、本発明の第2の態様の利点及び有利な形態であるとみなすことができ、逆もまた同様である。
【0032】
本発明の他の利点、特徴、及び詳細は、好ましい実施例の以下の説明及び図面から明らかになる。先の説明において言及した特徴及び特徴の組み合わせ、並びに以下の図面の説明で挙げる、及び/又は単一の図に単独で示す特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ記載されている組み合わせのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独でも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】図面は、唯一の図において部分的に、本発明による自動車用の自動変速機の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
唯一の図は、概略図で部分的に、単に自動車の、変速機とも称する自動変速機10を示しており、自動車は、好適には普通自動車として、特に乗用自動車として形成されている。これは、自動車がその完成品状態で、自動変速機10を有することを意味する。例えば、自動車は、その完成品状態で、自動車を駆動することができるドライブトレインを含む。この場合、ドライブトレインは、例えば、原動機を含み、原動機は、内燃機関又は電気機械として形成され得る。したがって、自動車は、例えば、原動機を使用して、特に純粋に、電気で駆動され得るため、自動車は、好適には、電気自動車として、特にバッテリー電気自動車(BEV)として形成され得る。この場合、自動車は、自動変速機10を介して原動機を使用して駆動可能である。自動車は、例えば、少なくとも2つの、特に少なくとも4つの、又は正確に4つの、車両用車輪とも称する車輪を含む。車輪は、地面上で自動車を車両垂直方向で下向きに支持可能である、又は支持されている接地要素である。この場合、例えば、少なくとも4つの車輪、特に4つの車輪又は全部で4つの車輪は、原動機を使用して変速機を介して駆動可能である。更に、少なくとも2つの又は正確に2つの車輪が自動変速機10を介して原動機によって駆動することができると考えられる。車輪の駆動によって、自動車全体が駆動される。
【0035】
変速機は、第1のシャフト(図示せず)を入力シャフトの形態で有し、第1のシャフトを介して、原動機の従動シャフトを介して原動機が提供する回転トルクが導入される。原動機によって提供され、入力シャフトを介して変速機に導入される回転トルクは、駆動回転トルクとも称する。変速機は、更に、図では確認できない、変速機の出力シャフトである第2のシャフトを有する。各駆動回転トルクから、各回転トルクは、従動回転トルクの形態で生じることができ、従動回転トルクは、出力シャフトが提供する、言い換えると、変速機によって出力シャフトを介して提供される。例えば、変速機は、少なくとも1つのギヤ又は複数の、特に少なくとも2つの又は正確に2つのギヤを有し、ギヤとは、変速比又は変速段と理解されたく、変速比を使用して又は変速比に応じて、各駆動回転トルク及び各従動回転トルクが変換される。この場合、各ギヤは、1とは異なる変速比又は1の変速比を有してもよい。上記のギヤは、好適には、切替可能である。これは、各ギヤが係合され得る、かつ係合解除され得ることを意味する。例えば、第1のギヤが係合されている場合、変速機の第2のギヤ又は残りのギヤは、係合解除されている。例えば、第2のギヤが係合されている場合、変速機の第1のギヤ又は残りのギヤは、係合解除されている。例えば、ギヤは、そのそれぞれの変速比が異なり、変速比を使用して又は変速比に応じて、それぞれの駆動回転トルクは、それぞれの従動回転トルクに変換される。
【0036】
自動変速機10は、図では特に概略的に示される潤滑装置及び/又は冷却装置12を有し、潤滑装置及び/又は冷却装置12を使用して、自動変速機10の少なくとも1つの部分領域、ひいては、自動変速機10の少なくとも1つの構成要素が潤滑及び/又は冷却され得る。このために、潤滑システム及び/又は冷却システム又は単にシステムとも称する潤滑装置及び/又は冷却装置12は、潤滑媒体及び/又は冷却媒体が貫流可能な回路を有する。潤滑媒体及び/又は冷却媒体は、好適には、液体、特に油であり、以下では、単に流体とも称する。例えば、システムを介して流体を使用して、上記の部分領域が潤滑及び/又は冷却される。
【0037】
更に、自動変速機10は、第1の油圧ポンプ14を有し、第1の油圧ポンプ14は、電動ポンプとして形成され、ひいては、電気的に駆動可能である。油圧ポンプ14は、搬送要素16及び電動機18を有し、電動機18は、電動機18に電気エネルギー又は電流が供給することによって駆動可能である。更に、油圧ポンプ14は、第1のポンプハウジング(図示せず)を含み、第1のポンプハウジング内で、搬送要素16は、移動可能に、特に回転可能に配置されている。電動機18の駆動によって、電動機18は、搬送要素16を駆動し、ひいては、第1のポンプハウジングに対して移動させる、特に回転させることができる。搬送要素16の移動、特に第1のポンプハウジングに対する回転によって、搬送要素16を使用して作動油が搬送される。好適には、作動油は、液体であり、この場合、作動油は、上記の流体であり得、又はその逆も同様である。図では、両方向矢印20によって、電動機18が搬送要素16を第1の搬送方向に、かつ第1の搬送方向と反対の第2の搬送方向に、第1のポンプハウジングに対して移動させる、特に回転させることができることが具体的に示されている。したがって、油圧ポンプ14は、順方向動作及び逆方向動作を有する可逆ポンプである。換言すれば、油圧ポンプ14は、上記の順方向動作及び上記の逆方向動作にて駆動することができる。油圧ポンプ14を順方向動作にて駆動するためには、搬送要素16を電動機18を使用して第1の搬送方向に第1のポンプハウジングに対して移動させる。油圧ポンプ14を逆方向動作にて駆動するためには、搬送要素16を電動機18を使用して第2の搬送方向に第1のポンプハウジングに対して移動させる、特に回転させる。
【0038】
油圧ポンプ14、特にその第1のポンプハウジングは、第1のポンプ接続部22及び第2のポンプ接続部24を有する。ポンプ接続部22は、少なくとも順方向動作では第1のポンプ出口接続部ではない。ポンプ接続部24は、少なくとも逆方向動作では第2のポンプ出口接続部である。順方向動作では、搬送要素16は、少なくとも第1のポンプハウジングの一部を通過して、この場合、ポンプ接続部22に、かつポンプ接続部22を貫通して作動油を搬送するため、順方向動作では、作動油は、第1の流れの方向にポンプ接続部22を貫流する。例えば、ポンプ接続部22は、逆方向動作では第1のポンプ入口接続部であるのは、例えば、逆方向動作では、搬送要素16は、作動油をポンプ接続部22を通過して第1の流れの方向と反対の第2の流れの方向に貫通搬送し、その結果、順方向動作では、作動油は、ポンプ接続部22を第1の流れの方向に貫流し、逆方向動作では、作動油は、ポンプ接続部22を第2の流れの方向に貫流するからである。
【0039】
逆方向動作では、搬送要素16は、作動油を少なくとも第1のポンプハウジングの一部及び/又は上記の部分を通過して、かつこの場合、ポンプ接続部24に搬送し、この場合、搬送要素16は、作動油を第3の流れの方向にポンプ接続部24を通過して貫通搬送する。順方向動作では、作動油は、ポンプ接続部22を経由して第1のポンプハウジングから、ひいては、油圧ポンプ14から流出し、逆方向動作では、作動油は、例えば、ポンプ接続部22を経由して第1のポンプハウジング内又は油圧ポンプ14内に流入する。順方向動作では、例えば、搬送要素16は、作動油を第3の流れの方向と反対の第4の流れの方向にポンプ接続部24を通過して貫通搬送するため、例えば、逆方向動作では、作動油は、ポンプ接続部24を経由して第1のポンプハウジングから、ひいては、油圧ポンプ14から流出する。順方向動作では、例えば、作動油は、ポンプ接続部24を経由して第1のポンプハウジング内に又は油圧ポンプ14内に流入する。したがって、例えば、順方向動作では、ポンプ接続部24は、第2のポンプ入口接続部である。ポンプ接続部22を経由して、システム(潤滑装置及び/又は冷却装置12)、ひいては、特にその回路には、油圧ポンプ14の順方向動作にて油圧ポンプを使用して搬送される作動油を供給することができるため、油圧ポンプ14は、その順方向動作によってシステムに、かつ特にその回路内に作動油を搬送することができる。
【0040】
更に、自動変速機10は、図では特に概略的に示されたパーキングロック26を有し、パーキングロック26は、係合状態と係合解除状態との間で調整可能である。係合状態では、パーキングロック26は、自動変速機の出力シャフトを変速機ハウジングに対して行われる完全回転に対抗して形状接続式に固定するため、例えば、自動車は、傾斜地に駐車されている場合には、所望しない自然発車が起きないように固定することができる。しかし、係合解除状態では、パーキングロック26は、特に自由な、回転のための出力シャフトを変速機ハウジングに対して解放しているため、係合解除状態のとき、出力シャフトは自由に、又は多くの場合完全に変速機ハウジングに対して回転することができる。変速機ハウジングは、図では特に概略的に図示され、28と示されている。
【0041】
パーキングロック26は、パーキングロックバルブ30を有し、パーキングロックバルブ30は、バルブ出口接続部A1及びバルブ入口接続部E1を有する。バルブ入口接続部E1には、第1のポンプ接続部22を経由して、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。図に示された実施例では、バルブ入口接続部E1は、特に図で点線で示された、かつ作動油が貫流可能な、チャネルK1を経由して、直接、ポンプ接続部22に流体接続されている。バルブ入口接続部E1に作動油を供給することによって、パーキングロックバルブ30には、バルブ入口接続部E1を経由して、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油が供給可能であるため、例えば、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油は、バルブ入口接続部E1を経由してパーキングロックバルブ30内に流入する。
【0042】
バルブ出口接続部A1には、バルブ入口接続部E1を経由して供給された作動油が供給可能である。換言すれば、作動油は、バルブ入口接続部E1からバルブ出口接続部A1に流れることができるため、バルブ出口接続部A1には、バルブ入口接続部E1を経由して作動油を供給可能である。この場合、パーキングロック26は、第1の動作領域32を有し、バルブ出口接続部A1を経由して、第1の動作領域32には、バルブ出口接続部A1に供給され油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を導入可能である。図に示された実施例では、バルブ出口接続部A1は、直接、動作領域32に流体接続されている。作動油を動作領域32内に導入することによって、パーキングロックは、油圧式に動作可能になり、これにより本明細書では、係合状態から係合解除状態へのパーキングロックの調整をもたらすことが可能である。図に示された実施例では、作動油を動作領域32内に導入することによって、パーキングロック26は、油圧式に動作し、それによって油圧式に係合解除される。
【0043】
例えば、パーキングロック26は、歯止め(図示せず)を含み、歯止めは、少なくとも間接的に、特に直に、変速機ハウジング28に取り付けられ、この場合、変速機ハウジング28に対してロック位置と解除位置との間で移動可能である、特に旋回可能である。ロック位置では、例えば、歯止めは、相対回転不能に出力シャフトに接続されているパーキングロックギヤに係合する。解除状態では、パーキングロックは、パーキングロックギヤと協働しない。したがって、パーキングロックは、ロック状態では、出力シャフトを完全な回転に対抗して変速機ハウジング28に対して形状接続式に固定する。解除状態では、歯止め、パーキングロックギヤ、ひいては、出力シャフトは、変速機ハウジング28に対して行われる回転が可能である。パーキングロック26は、例えば、円錐状又はコーンとして形成されている作動要素を含み、作動要素は、例えば、円錐形状又は円錐台形状に形成されており、かつ作動要素方向に沿って変速機ハウジング28に対して並進移動可能である。例えば、歯止めを解除位置からロック位置へと移動するために、作動要素は、作動要素に対して平行に延在するロック方向に変速機ハウジング28に対して並進移動し、これにより、歯止めは、解除位置からロック位置へと移動する。歯止めが解除位置からロック位置へと移動することによって、例えば、特に、機械ばね要素は、張力がかけられ、これにより、機械ばね要素は、ロック位置では、ばね力を提供する。ばね力は、例えば、少なくとも間接的に、特に直に、歯止めに作用する。この場合、例えば、歯止めは、ばね要素によって提供されるばね力に対抗して、作動要素を使用してロック位置に保持され、特に、作動要素が形状接続式に歯止めと協働するように、特に歯止めに係合する。ばね要素によって提供されるばね力が歯止めをロック位置から解除位置へと移動させる又は旋回させることを可能にするために、作動要素は、ロック方向と反対の、かつ作動要素方向と平行に延在する解除方向に、変速機ハウジング28に対して並進移動する。したがって、作動要素は、ロック方向及び解除方向に、変速機ハウジング28に対して前後に並進移動することによって、ロック位置と解除位置との間での歯止めの移動又は旋回をもたらすことができる。この場合、歯止めのロック位置は、パーキングロック26の係合状態をもたらし、歯止めの解除位置は、パーキングロック26の係合解除状態をもたらす。
【0044】
図では、自動変速機10の領域Bが拡大表示されている。この場合、パーキングロック26は、第2の動作領域34を有し、第2のポンプ接続部24を経由して油圧ポンプ14の逆方向動作にて、油圧ポンプ14を使用して逆方向動作にて搬送することによって第2のポンプ接続部24に貫流する作動油を第2の動作領域34内に導入可能であることが明らかである。図に示された実施例では、ポンプ接続部24は、直接、第2の動作領域34に流体接続されている。作動油を第2の動作領域34に導入することによって、他方の状態から、本明細書では係合解除状態から、一方の状態への、本明細書では、係合状態へのパーキングロック26の調整をもたらすことが可能である又はもたらされる。
【0045】
パーキングロック26は、一方の状態から他方の状態へのパーキングロックの油圧調整のために形成されている第1の油圧シリンダ36を有し、第1の油圧シリンダ36は、第1の動作領域32を有し、他方の状態から一方の状態へのパーキングロック26のばね作動式の調整のために形成されている。このために、第1の油圧シリンダ36は、第1のハウジング38と、ロックピストンとも称する第1のピストン40と、を含み、第1のピストン40は、少なくとも部分的に並進移動可能に第1のハウジング38内に配置されている。これは、ピストン40が少なくとも部分的に第1のハウジング38内に配置され、ハウジング38に対して並進移動可能であることを意味する。ポンプ接続部22からパーキングロックバルブ30を経由して動作領域32に流れる作動油を動作領域32内に導入することによって、ピストン40は、ハウジング38に対して、図では矢印42によって具体的に示された移動方向に並進移動する。これにより、パーキングロック26は、油圧式に動作し、それによって係合解除される。例えば、第1の移動方向へのピストン40の移動によって、上記の作動要素は、解除方向に移動し、解除方向は、例えば、第1の移動方向と一致する。図から、バルブ入口接続部E1が直接、ポンプ接続部22に流体接続されている間、バルブ出口接続部A1は、直接、第1の油圧シリンダ36の、特にハウジング38の、入口接続部E2に流体接続されていることが明らかである。第1の油圧シリンダ36は、動作領域32を含み、動作領域32は、部分的に第1のピストン40によって、かつ部分的に第1のハウジング38によって、それぞれ直に画定されている。したがって、作動油は、バルブ出口接続部A1から入口接続部E2に流れる、入口接続部E2を貫流し、ひいては入口接続部E2を経由して動作領域32内に流入することができ、これによって、作動油は、動作領域32内に導入される。これにより、ピストン40には、特に直に、動作領域32内に流入する作動油が衝突し、これにより、ピストン40は、第1の移動方向にハウジング38に対して並進移動する。それによって、作動要素は、解除方向に移動し、これにより、パーキングロック26は、係合解除される、又はこれにより、パーキングロック26の係合解除がもたらされる。
【0046】
更に、第1の油圧シリンダ36は、機械ばね要素44を含み、機械ばね要素44は、一方では、ピストン40に、他方では、少なくとも間接的にハウジング38及び/又は変速機ハウジング28に連結されている。第1の移動方向へのピストン40の移動によって、ばね要素44に張力がかけられる。図に示された実施例では、ばね要素44は、引張りばねとして形成されており、ピストン40が第1の移動方向に移動する場合、引張りばねは、引き伸ばされる、すなわち、第1の移動方向に沿って延在しているその長さ又は伸展が拡大される。それによって、ばね要素44は、ばね力を提供し、ばね力は、第1の移動方向と反対の、かつ図では矢印46によって具体的に示された第2の移動方向に作用する。
【0047】
ばね要素44によって提供されるばね力を使用して、ピストン40は、第1の移動方向と反対の第2の移動方向に第1のハウジング38に対して並進移動することができ、これにより、パーキングロックは、ばね作動式に又はばね力作動式に係合される。第2の移動方向へのピストン40の移動によって、例えば、上記の作動要素は、ロック方向に移動し、ロック方向は、例えば、第2の移動方向と一致する。ロック方向への作動要素の移動によって、歯止めは、解除位置からロック位置へと旋回し、これにより、パーキングロック26は、係合される。
【0048】
パーキングロック26は、第2の油圧シリンダ48を有し、第2の油圧シリンダ48は、第2の動作領域34を有し、油圧式に初期状態から解放状態へと調整可能である。初期状態では、第2の油圧シリンダ48は、パーキングロック26を係合解除に留めることができる。解放状態では、第2の油圧シリンダ48は、パーキングロック26をばね作動式に係合することができる。このために、第2の油圧シリンダ48は、第2のハウジング50と、少なくとも部分的に第2のハウジング50に配置されている第2のピストン52と、を含む。ピストン52は、ハウジング50に対して並進移動可能である。Pパスとも称し、図で一部点線で示され、一部実線で示されたチャネル54を経由して、動作領域34は、直接、油圧ポンプ14のポンプ接続部24に流体接続されていることが明らかである。このために、第2の油圧シリンダ48は、特にハウジング50、入口接続部E3を有し、入口接続部E3は、特にチャネル54を経由して、直接ポンプ接続部24に流体接続されている。
【0049】
第2の油圧シリンダ48の第2の動作領域34は、部分的に第2のハウジング50によって、かつ部分的に第2のピストン52によってそれぞれ直に画定されている。ここで、油圧ポンプ14がその逆方向動作にて駆動される場合、油圧ポンプ14を使用して、作動油は、ポンプ接続部24を通過して貫通搬送され、ポンプ接続部24からチャネル54を通して搬送され、ひいては、チャネル54を経由して入口接続部E3に搬送され、入口接続部E3を通過して貫通搬送されるため、作動油は、入口接続部E3を経由して動作領域23内に流入する又は導入される。これにより、ピストン52には、直に、動作領域34内に流入する作動油が、第2のピストン52が、図で矢印56によって具体的に示された第3の移動方向に第2のハウジング50に対して、第2の油圧シリンダ48の初期状態をもたらすロック位置又は初期位置から第2の油圧シリンダ48の解放状態をもたらす解放位置へと並進移動可能である又は並進移動するようになる。
【0050】
ピストン40は、第1の移動方向に沿って、又は第2の移動方向に沿って、互いに離間された2つの凹部を有する。パーキングロック26の係合状態では、ピストン40は、係合位置にあり、パーキングロック26の係合解除状態では、ピストン40は、係合解除位置にある。したがって、当初は係合解除されているパーキングロック26、したがって、係合解除状態にあるパーキングロック26を係合し、続いて、係合解除状態から係合状態へと調整する又は移行するためには、前に説明したとおり、ピストン40を第2の移動方向に、ばね要素44によって提供されるばね力を使用して移動し、それによって、係合解除位置から係合位置へと移動する。当初は係合されているパーキングロック26を係合解除し、続いて、係合状態から係合解除状態へと調整する又は切り替えるためには、前に説明したとおり、ピストン40を、入口接続部E2を経由して動作領域32内に導入される作動油を使用して、第1の移動方向にハウジング38に対して移動し、それによって係合状態から係合解除位置へと移動する。この場合、パーキングロック26は、更に、変速機ハウジング28に対して係止位置と係止解除位置との間で移動可能である係止要素58を含む。特に、係止要素58は、旋回軸60を中心として変速機ハウジング28に対して係止位置と係止解除位置との間で旋回可能である。ピストン40が係合位置にある一方で、係止要素58が係止位置にある場合、係止要素58は、ピストン40の凹部のうちの第1の凹部に係合し、これにより、係止要素58は、ピストン40と形状接続式に協働する。これにより、ピストン40は、係止要素58を使用して、係合位置から係合解除位置への移動に対抗して形状接続式に固定されている。ピストン40が、例えば、係合解除位置にある一方で、係止要素が係止位置にある場合、係止要素58は、ピストン40の第2の凹部に係合し、これにより、係止要素58は、ピストン40と形状接続式に協働する。これにより、ピストン40は、係止要素58を使用して、特にばね要素44によって提供されるばね力に対抗して係合解除位置に保持され、特に係合解除位置から係合位置への移動に対抗して形状接続式に固定されている。
【0051】
ピストン40を係合位置から係合解除位置へと、又はその逆に係合解除位置から係合位置へと移動することができるようにするために、係止要素58は、係止位置から係止解除位置へと移動する、特に旋回する。これにより、係止要素58のピストン40との形状接続式の協働を外して、ピストン40は、係合位置から係合解除位置へと、又は係合解除位置から係合位置へと移動することができる。係止位置から係止解除位置への係止要素58の移動、特に旋回によって、好適には、パーキングロック26の機械ばね要素62に張力がかけられる、特に圧縮されるため、少なくとも係止解除位置では、ばね要素62は、ばね力を提供する。ばね力を使用して、係止要素58は、特に、ピストン40が係合位置又は係合解除位置にある場合には、係止解除位置から係止位置へと移動し、それによって、第1の凹部又は第2の凹部との係合がもたらされる。
【0052】
ここで係止要素58を、特にばね要素62によって提供されるばね力に対抗して、係止位置から係止解除位置へと移動するために、パーキングロック26は、好適には、電気的に駆動可能なアクチュエータ64を含む。図に示された実施例では、アクチュエータ64は、ソレノイドとして形成されている。ソレノイドは、ハウジング及び回転子を有し、回転子は、ソレノイドに電気エネルギーを供給することによって、少なくとも部分的にソレノイドのハウジングから繰り出される。これにより、係止要素58は、回転子を使用して係止位置から係止解除位置へと移動する、特に旋回する。
【0053】
第2の油圧シリンダ48を使用して、ここで、係止要素58は、油圧式に係止位置から係止解除位置へと移動する。作動油を動作領域34に導入することによって、ピストン52は、第2の油圧シリンダ48の初期状態をもたらす初期位置から解放状態をもたらす解放位置へと移動し、この場合、ピストン52は、第3の移動方向にハウジング50に対して並進移動する。初期状態から解放位置へのピストン52の第3の移動方向に行われる移動によって、ピストン52と一緒に移動可能な第2の油圧シリンダ48のピストンロッド65は、少なくとも一部分、ハウジング50から繰り出され、これにより、ピストンロッド65を使用して、係止要素58は、係止位置から係止解除位置へと移動する、特に旋回する。したがって、第2の油圧シリンダ48の初期状態は、係止要素58をその係止位置に留める第2の油圧シリンダ48の初期状態である。それに対して、第2の油圧シリンダ48の解放状態は、係止要素58の係止位置から係止解除位置への移動、特に旋回をもたらす解放状態である。換言すれば、初期状態は、パーキングロック26が特に係合したままに留められた初期状態であり、第2の油圧シリンダ48の解放状態は、パーキングロック26の係合をもたらす第2の油圧シリンダ48の解放状態である。上記の第1の凹部と、ピストン40の係合位置において係止要素58が第1の凹部に係合するという特徴とは、有利であり得るが、任意選択であるとみなされ、無視し得るため、ピストン40は、例えば、少なくとも、固定凹部として機能する上記の第2の凹部を有し、係止要素58は、係止要素58が係止位置にあり、ピストン40が係合解除位置にある場合、固定凹部に係合する。
【0054】
バルブ入口接続部E2が、直接、ポンプ接続部22に流体接続され、バルブ出口接続部A1が、直接、入口接続部E2、ひいては、動作領域32に流体接続されている一方で、入口接続部E2又は動作領域32は、直接、ポンプ接続部22には接続されておらず、代わりに、入口接続部E2又は動作領域32は、パーキングロックバルブ30を経由して、ポンプ接続部22に接続されている。自動変速機10、特に、パーキングロック26は、図で一部点線で示され、一部実線で具体的に示された、チャネルK1が配置されている、nPパス66を有する。更に、nPパス66内には、更なるチャネルK2が配置されており、チャネルK2を経由して入口接続部E2が直接、バルブ出口接続部A1に流体接続されている。したがって、nPパス66は、例えば、ポンプ接続部22からパーキングロックバルブ30を経由して、又は特にパーキングロックバルブ30を貫通して、入口接続部E2に延在しており、ポンプ接続部22から動作領域32内に流れる作動油の流れの方向に、パーキングロックバルブ30は、ポンプ接続部22と入口接続部E2又は動作領域32との間に配置されている。この場合、パーキングロックバルブ30は、例えば、分離状態と接続状態との間で調整され得る又は切り替えられ得る。接続状態では、例えば、入口接続部E2又は動作領域32は、パーキングロックバルブ30を経由して、ポンプ接続部22に流体接続されているため、接続状態では、入口接続部E2、ひいては、動作領域32には、パーキングロックバルブ30を経由して、順方向動作にてポンプ接続部22を貫流する作動油を供給可能である。分離状態では、例えば、入口接続部E2又は動作領域32は、パーキングロックバルブ30を使用してポンプ接続部22から流体分離されているため、例えば、油圧ポンプ14の順方向動作では、順方向動作にてポンプ接続部22を貫流する作動油は、動作領域32に又は動作領域32内には流入しない。
【0055】
自動変速機10は、パーキングロックバルブ30に並列に配置されている冷却バルブ68を含み、冷却バルブ68には、第1のポンプ接続部22を経由して油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。このために、例えば、冷却バルブ68は、冷却バルブ入口接続部E4を有し、冷却バルブ入口接続部E4は、特に直接、ポンプ接続部22に流体接続されている。したがって、例えば、順方向動作にてポンプ接続部22を貫流する作動油は、冷却バルブ入口接続部E4に流れ、冷却バルブ入口接続部E4を貫流し、ひいては、例えば、冷却バルブ入口接続部E4を経由して冷却バルブ68内に流入することができる。例えば、冷却バルブ68は、電気的に切替可能である又は調整可能である。特に、冷却バルブ68は、電磁バルブであり得る。順方向動作にて冷却バルブ入口接続部E4、ひいては冷却バルブ68に作動油を供給することによって、冷却バルブ68を経由して潤滑装置及び/又は冷却装置12に、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。冷却バルブ68は、例えば、冷却バルブ出口接続部A2を有し、冷却バルブ出口接続部A2には、冷却バルブ68に冷却バルブ入口接続部E4を経由して供給される作動油を供給可能である。これは、油圧ポンプ14の順方向動作では、油圧ポンプ14を使用して搬送される作動油が、冷却バルブ入口接続部E4から冷却バルブ出口接続部A2に流れ、冷却バルブ出口接続部A2を貫流し、ひいては、例えば、冷却バルブ出口接続部A2を経由して冷却バルブ68から流出することができることを意味する。冷却バルブ出口接続部A2を貫流する作動油は、冷却バルブ出口接続部A2からシステムに、かつ特にシステムの回路内に流入し、これにより、システム及び特にシステムの回路に作動油を供給することができる。この場合、潤滑装置及び/又は冷却装置12、特にシステムの入口接続部E5は、特に直接、冷却バルブ68の冷却バルブ出口接続部A2に流体接続されている。したがって、作動油は、冷却バルブ出口接続部A2から入口接続部E5に流れ、その結果、システム、特にシステムの回路に流入し、これにより、回路に作動油を供給することができる。
【0056】
更に、自動変速機10は、図では特に概略的に示されている少なくとも1つの切替要素70を有する。切替要素70は、好適には、形状接続式の切替要素であり、この場合、爪又はかみ合いクラッチとして形成され得る。切替要素70を使用して、自動変速機10の少なくとも2つ又は正確に2つの変速機要素が相対回転不能に相互接続され得る。切替要素70は、第1の連結状態と第1の連結解除状態との間で切替可能である又は調整可能である。第1の連結状態では、変速機要素は、切替要素70を使用して相対回転不能に相互接続されているため、変速機要素は、互いに相対回転することができず、特に自動変速機10が駆動される場合にも、互いに相対回転することができない。第1の連結解除状態では、切替要素70は、変速機要素に特に変速機要素回転軸を中心として行われ、互いに生じる相対回転を可能にするため、特に、自動変速機10が駆動される場合、変速機要素は、互いに相対回転する又は回転することができる。この場合、自動変速機10は、切替要素70に割り当てられた第3の油圧シリンダ72を有し、第3の油圧シリンダ72は、第3のハウジング74及び第3のピストン76を有する。第3のピストン76は、少なくとも部分的に、ハウジング74内に配置されており、ハウジング74に対して並進移動可能である。更に、油圧シリンダ72は、ピストン76と共にハウジング74に対して並進移動可能であるピストンロッド78を含む。ハウジング74及びピストン76は、作動油を導入可能な作用チャンバ80を画定する。作動油を作用チャンバ80に導入することによって、ピストン76と、ピストン76と共にピストンロッド78とは、図で矢印82によって具体的に示された第1の切替要素方向にハウジング74に対して並進移動する。ピストン76と、ピストン76と共にピストンロッド78とはまた、例えば、第1の切替要素方向と反対の第2の切替要素方向にハウジング74に対して移動することができ、第2の切替要素方向は、矢印84によって具体的に示されている。この場合、例えば、ピストン76及びハウジング74は、それぞれ部分的に、かつそれぞれ直に、第2の作用チャンバ86を画定し、第2の作用チャンバ86は、第1の作用チャンバ80と、第1の切替要素方向に沿って又は第2の切替要素方向に沿って対向している。作動油を作用チャンバ86に導入する場合、これにより、ピストン76と、ピストン76と共にピストンロッド78とは、第2の切替要素方向にハウジング74に対して移動する。作動油を各作用チャンバ80又は86に導入することによって、ピストン76、ひいては、油圧シリンダ72は、油圧式に動作することが明らかである。第1の切替要素方向及び第2の切替要素方向へのピストン76の移動によって、切替要素70が動作する、すなわち、調整される又は切り替えられる。例えば、当初は第1の連結解除状態にある切替要素70は、ピストン76が第1の切替要素方向に移動することによって、第1の連結解除状態から第1の連結状態へと切り替えられる。例えば、当初は第1の連結状態にある切替要素70は、ピストン76が第2の切替要素方向に移動することによって、第1の連結状態から第1の連結解除状態に切り替えられる。以下でより詳細に説明するように、第3の油圧シリンダ72は、冷却バルブ68を経由して、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能であり、これにより、第3の油圧シリンダ72と、第3の油圧シリンダ72を経由して切替要素70とは、動作可能である。このために、冷却バルブ68は、冷却バルブ入口接続部E4を貫流する作動油を供給可能な第2の冷却バルブ出口接続部A3を有する。換言すれば、作動油は、冷却バルブ入口接続部E4から第2の冷却バルブ出口接続部A3に流れ、これにより、第2の冷却バルブ出口接続部A3に作動油が供給される。第2の冷却バルブ出口接続部A3を経由して、第3の油圧シリンダ72には、冷却バルブ入口接続部E4を経由して供給され油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油を供給可能である。
【0057】
自動変速機10は、切替バルブ88を含み、切替バルブ88は、冷却バルブ68から、特に第2の冷却バルブ出口接続部A3から油圧シリンダ72に、かつこの場合、それぞれの作用チャンバ80又は86内に流れる作動油の流れの方向に、冷却バルブ68、特に第2の冷却バルブ出口接続部A3と、油圧シリンダ72、特にそれぞれの作用チャンバ80又は86と、の間に配置されている。切替バルブ88は、特に直接、第2の冷却バルブ出口接続部A3に流体接続されている入口接続部E6を有する。
【0058】
冷却バルブ68は、バルブ部材90を有し、バルブ部材90は、冷却位置と動作位置との間で、特に冷却バルブ68のバルブハウジングに対して移動可能である、及び/又は並進移動可能である。冷却位置は、冷却バルブ68の冷却状態をもたらし、動作位置は、冷却バルブ68の動作状態をもたらす。冷却状態では、冷却バルブ出口接続部A2は、冷却バルブ入口接続部E4に流体接続されており、好適には、第2の冷却バルブ出口接続部A3は、バルブ部材90を使用して冷却バルブ入口接続部E4から流体分離されているため、冷却バルブ入口接続部E4を貫流する作動油は、冷却バルブ入口接続部E4から冷却バルブ出口接続部A2に、かつ冷却バルブ出口接続部A2からシステムに又はシステム内に流れる一方で、特に、作動油は、第2の冷却バルブ出口接続部A3から切替バルブ88に、かつ切替バルブ88を経由して油圧シリンダ72に、特に油圧シリンダ72内には流れない。再度換言すれば、例えば、冷温状態とも称する冷却状態では、油圧シリンダ72及び/又は切替バルブ88への作動油の供給が行われない。
【0059】
しかし、動作状態では、第2の冷却バルブ出口接続部A3は、冷却バルブ入口接続部E4に流体接続されている一方で、好適には、冷却バルブ出口接続部A2は、バルブ部材90を使用して冷却バルブ入口接続部E4から流体分離されている。その場合、冷却バルブ入口接続部E4を貫流する作動油は、冷却バルブ入口接続部E4から第2の冷却バルブ出口接続部A3に流れ、かつ第2の冷却バルブ出口接続部A3から入口接続部E6に流れる一方で、好適には、作動油は、冷却バルブ入口接続部E4からシステム(潤滑装置及び/又は冷却装置12)に流れない。したがって、動作状態では、切替バルブ88に冷却バルブ入口接続部E4を貫流する作動油が供給される一方で、好適には、システムに冷却バルブ入口接続部E4を貫流する作動油が供給されない。動作状態では、第2の冷却バルブ出口接続部A3から入口接続部E6に流れる作動油は、例えば、入口接続部E6を経由して切替バルブ88に流入することができる。例えば、入口接続部E6は、特に直接、第2の冷却バルブ出口接続部A3に流体接続されている。
【0060】
切替バルブ88は、このとき、例えば、第1の切替状態と第2の切替状態との間で切替可能である又は調整可能である。更に、切替バルブ88は、出口接続部A4及びA5を有する。更に、油圧シリンダ72、特にハウジング74は、1つの入口接続部E7及び少なくとも1つの入口接続部E8を有する。図に示された実施例では、油圧シリンダ72は、少なくとも2つ又は正確に2つの入口接続部E8を有する。入口接続部E7は、特に直接、出口接続部A4に流体接続されており、入口接続部E8は、特に直接、出口接続部A5に流体接続されている。第1の切替状態では、例えば、出口接続部A4は、入口接続部E6に流体接続されている一方で、好適には、出口接続部A5は、入口接続部E6から流体分離されている。したがって、例えば、順方向動作にて油圧ポンプ14を使用して搬送され、前に説明したとおり、入口接続部E6から出口接続部A4に流れ、出口接続部A4を貫流する作動油は、出口接続部A4から入口接続部E7に流れ、入口接続部E7を貫流し、ひいては、入口接続部E7を経由して作用チャンバ80内に流入することができるため、作動油は、作用チャンバ80に導入される。その結果、ピストン76及びピストンロッド78は、第1の切替要素方向に移動する。好適には、第1の切替状態では、作動油は、入口接続部E8を経由して作用チャンバ86に流入しない。
【0061】
第2の切替状態では、出口接続部A5が入口接続部E6に流体接続されている一方で、好適には、出口接続部A4は、入口接続部E6から流体分離されている。したがって、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油は、入口接続部E6から出口接続部A5に、かつ出口接続部A5を貫通して出口接続部A5から入口接続部E8に流れる。作動油は、入口接続部E8を貫流し、その結果、入口接続部E8を経由して作用チャンバ86に流入することができ、これにより、ピストン76と、ピストン76と共にピストンロッド78とは、第2の切替要素方向にハウジング74に対して並進移動する。第2の切替状態では、好適には、作動油は、入口接続部E7を経由して作用チャンバ80に流入しない。
【0062】
好適には、バルブ部材90は、電気的に、すなわち、電気エネルギー又は電流を使用して、冷却状態をもたらす冷却位置から動作状態をもたらす動作位置へと調整可能である、特に移動可能である、かつ正に好適には、並進移動可能である。この場合、冷却バルブ68は、特に直接、第2の冷却バルブ出口接続部A3に流体接続されている制御接続部S1を有する。制御接続部S1を経由して、バルブ部材90には、特に直に、第2の冷却バルブ出口接続部A3に作用する作動油の圧力を印加可能であり、それによって動作位置から冷却位置へと調整可能である、特に移動可能である。この場合、油圧ポンプ14は、その順方向動作では、冷却バルブ68を経由して、かつ切替バルブ88を経由して作動油を、この場合、ピストン76が第1の切替要素方向又は第2の切替要素方向に移動する間、かつ好適には、その間だけ、それぞれの作用チャンバ80又は86内に搬送することができることが背景にある。第1の切替要素方向へのストン76及びピストンロッド78の移動によって、ピストンロッド78は、少なくとも一部、ハウジング74から繰り出され、第2の切替要素方向へのピストン76及びピストンロッド78の移動によって、ピストンロッド78は、少なくとも一部、ハウジング74に格納される。
【0063】
ピストン76は、ピストン76がストッパに達する間、又は切替要素70が完全に切り替わるまで、ひいては、例えば、完全に第1の連結状態又は第1の連結解除状態に移動する間、かつ好適には、その間だけ、それぞれの切替要素方向に移動することができる。その後、作動油の各作用チャンバ80又は86内への更なる搬送は、油圧ポンプ14を使用して同様にもはや可能ではないため、油圧ポンプ14は、停止するおそれがある。油圧ポンプ14のそのような過剰に長い停止を防止するために、バルブ部材90は、動作位置から冷却位置へと移動するため、油圧ポンプ14は、順方向動作では作動油を、冷却バルブ68を経由して、もはや油圧シリンダ72にではなく、代わりにシステム(潤滑装置及び/又は冷却装置12)に搬送することができる又は搬送する。ここで、油圧ポンプ14のそのような停止を防止するため、又は油圧ポンプ14の過剰に長い停止を防止する、ひいてはバルブ部材90を、特に切替要素70の完全な動作後又は接続後に素早く又は特に短時間で、動作位置から冷却位置へと移動するために、制御接続部S1は、特に直接、第2の冷却バルブ出口接続部A3に流体接続されている。したがって、第2の冷却バルブ出口接続部A3にて有する圧力がかかった作動油は、制御接続部S1を経由して、特に直に、バルブ部材90に作用し、ひいては又はこれにより、バルブ部材90を動作位置から冷却位置へと移動する又は切り替えることができる。
【0064】
冷温状態では、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油全部が、潤滑装置及び/又は冷却装置12の冷却バルブ68を使用して供給されることが明らかである。しかし、動作状態では、油圧ポンプ14を使用して順方向動作にて搬送される作動油全部は、冷却バルブ68を使用して切替バルブ88に、かつ切替バルブ88を経由して第3の油圧シリンダ72に供給され、その場合、特に選択的に、作用チャンバ80又は作用チャンバ86に導入される。図からもまた、自動変速機10が、作動油が収容可能である又は収容されている油溜め92を有することは明らかである。順方向動作では、油圧ポンプ14は、作動油を油溜め92から搬送し、順方向動作では、油圧ポンプ14は、作動油を特に油溜め92から吸引する。油溜め92から油圧ポンプ14へ、かつ油圧ポンプ14内へ向かう作動油の経路上で、作動油は、フィルタ94を通過して流れ、フィルタ94を使用して、作動油は、油溜め92から油圧ポンプ14への作動油経路上でろ過される。これは、フィルタ94が、油溜め92から油圧ポンプ14に流れる作動油の流れの方向に、油溜め92と油圧ポンプ14との間で、すなわち、油溜め92の下流側かつ油圧ポンプ14の上流側に配置されていることを意味する。更に、油溜め92から油圧ポンプ14に流れる作動油の流れの方向に、油溜め92の下流側かつ油圧ポンプ14の上流側にチェックバルブ96が配置されており、チェックバルブ96は、油圧ポンプ14の方向に開き、反対の方向に、したがって、油溜め92の方向又はフィルタ94の方向に閉じる。この場合、チェックバルブ96は、油溜め92から油圧ポンプ14に流れる作動油の流れの方向に、フィルタ94の下流側かつ油圧ポンプ14の上流側に配置されている。チェックバルブ96は、配管要素98内に配置されており、配管要素98を使用して、作動油を油溜め92から油圧ポンプ14に誘導することができることが明らかである。この場合、チェックバルブ96は、配管要素98を、油圧ポンプ14の順方向動作では、配管要素98を貫通して油圧ポンプ14へと行われる作動油の流れに対して解放するため、油圧ポンプ14は、その順方向動作では作動油を、油溜め92から、特にチェックバルブ96を経由して、かつ、例えば、フィルタ94を経由して吸引する、又は自身に向かって搬送することができる。しかし、油圧ポンプ14から、特にポンプ接続部24から、油溜め92にチェックバルブ96を経由して行われる作動油の流れに対して、チェックバルブ96は、配管要素98を閉鎖するため、作動油は、油圧ポンプ14から、特にポンプ接続部24から、チェックバルブ96を経由して油溜め92内に還流できない。したがって、チェックバルブ96は、特に逆方向動作では、油圧ポンプ14から、特にポンプ接続部24から、チェックバルブ96を経由して油溜め92へ及び油溜め92内への作動油の流れを阻止するため、逆方向動作では、逆方向動作にて油圧ポンプ14を使用して搬送される作動油が、ポンプ接続部24からチャネル54(Pパス)内へ、かつチャネル54(Pパス)を通過して流れ、Pパスを経由して動作領域34内に流入する。その結果、パーキングロック26の係合がもたらされる又は可能になる。
【0065】
更に、自動変速機10は、切替要素70に追加して設けられた第2の切替要素100を含む。図では特に概略的に示されている切替要素100は、例えば、摩擦接続式の切替要素である。この場合、切替要素100は、特に摩擦クラッチ又は多板クラッチとして形成され得る。切替要素100を使用して、例えば、自動変速機10の少なくとも2つの又は正確に2つの要素は、相対回転不能に相互接続され得る。第1の要素は、変速機ハウジング28であり得、第2の要素は、例えば、歯切部付き要素である又は歯車として形成されている。更に、第2の要素は、例えば、シャフトであり得る。切替要素100は、第2の連結状態と第2の連結解除状態との間で調整可能である又は切替可能である。第2の連結状態では、各要素は、切替要素100を使用して相対回転不能に相互接続されているため、各要素は、特に自動変速機10が駆動されている場合にも互いに相対回転する又は回転することができない。しかし、第2の連結解除状態では、切替要素100が各要素を、互いに対して生じる回転、及び、例えば、要素回転軸を介して生じる回転に対して解放するため、各要素は、特に自動変速機10が駆動される場合、互いに対して要素回転軸を中心として回転する又は回転することができる。この場合、自動変速機10は、特に油圧式に動作可能である第4の油圧シリンダ102を含む。油圧シリンダ102の動作によって、切替要素100は、特に油圧式に動作可能である又は動作する。切替要素100の動作によって、切替要素100は、第2の連結状態から第2の連結解除状態へと、及び/又は第2の連結解除状態から第2の連結状態へと切替可能である又は調整可能である。図から、油圧シリンダ102は、第4のハウジング104と、第4のピストン106と、を有し、第4のピストン106は、少なくとも部分的にハウジング104内に配置されており、ハウジング104に対して並進移動可能であることが明らかである。この場合、ハウジング104及びピストン106は、油圧シリンダ102の第3の作用チャンバ108をそれぞれ部分的に、かつそれぞれ直に画定する。作動油を作用チャンバ108に導入することによって、ピストン106と、ピストン106と共にピストン106と一緒に移動可能な油圧シリンダ102のピストンロッド110は、図で矢印112によって具体的に示された第3の切替要素方向にハウジング104に対して並進移動する。
【0066】
第3の切替要素方向へのピストン106及びピストンロッド110の移動によって、ピストンロッド110は、少なくとも一部分がハウジング104から繰り出される。第3の切替要素方向へのピストン106の移動によって、例えば、切替要素100は、第2の連結解除状態から第2の連結状態へと切り替えられる。この場合、油圧シリンダ102は、特に機械式の、ばね要素114を有し、ばね要素114は、例えば、一方では、少なくとも間接的に、特に直に、第3の切替要素方向に沿ってピストン106で、かつ他方では、少なくとも間接的に、特に直に、第3の切替要素方向に沿ってハウジング104で支持されている又は支持可能である。これにより、ピストン106が第3の切替要素方向に移動する場合、ばね要素114に張力がかけられる、特に圧縮されるため、ばね要素114は、例えば、第3の切替要素方向と反対の、図で矢印116によって具体的に示された第4の切替要素方向に作用するばね力を提供する。ばね要素114によって提供されるばね力を使用して、ピストン106と、ピストン106と共にピストンロッド110とを、第4の切替要素方向にハウジング104に対して移動する。第4の切替要素方向へのピストン106の移動によって、例えば、切替要素100は、第2の連結状態から第2の連結解除状態へと切り替えられる。その逆も、もちろん考えられる。油圧シリンダ102、特に、ハウジング104は、入口接続部E9を有し、入口接続部E9を経由して、作動油は、作用チャンバ108に導入可能である。作用チャンバ108は、作動油を供給することができる、更に別の動作領域である。
【0067】
更に、自動変速機10は、第2の切替バルブ118と、本明細書では同様に電気的に駆動可能な油圧ポンプとして形成されている第2の油圧ポンプ120と、を含む。油圧ポンプ14に関する上記及び下記の構成は、容易に油圧ポンプ120にも転用され得、その逆もまた同様である。したがって、油圧ポンプ120もまた、搬送要素122及び電動機124を有する。更に、油圧ポンプ120は、例えば、第2のポンプハウジングを含み、第2のポンプハウジング内には、搬送要素122が配置されている。搬送要素122は、第2のポンプハウジングに対して移動可能である、特に回転可能である。電動機124に電気エネルギー又は電流を供給することによって、電動機124は、駆動可能である。電動機124の駆動によって、電動機124は、搬送要素122を駆動し、それによって、第2のポンプハウジングに対して移動する、特に回転させることができる。この場合、好適には、油圧ポンプ120もまた、可逆ポンプとして形成されている。したがって、好適には、搬送要素122は、第3の搬送方向に第2のポンプハウジングに対して移動する、特に回転することができ、搬送要素122は、第3の搬送方向とは反対の第4の搬送方向に第2のポンプハウジングに対して移動する、特に回転することができる。この場合、好適には、電動機124は、搬送要素122を第3の搬送方向に移動するために形成されているだけでなく、搬送要素122を第3の搬送方向とは反対の第4の搬送方向に移動するためにも形成されている、搬送要素122をそれぞれの搬送方向に、例えば、回転することができるので、例えば、第3の搬送方向は、第3の回転方向であるため、第4の搬送方向は、第3の回転方向とは反対の第4の回転方向であり得る。したがって、油圧ポンプ120は、同様に順方向動作及び逆方向動作にて駆動可能である。順方向動作を実現するために、搬送要素122は、第3の搬送方向に移動し、逆方向動作を実現するために、搬送要素122は、第4の搬送方向に移動する。この場合、図で両方向矢印123は、油圧ポンプ120も、その順方向動作及びその逆方向動作にて駆動可能である、すなわち、搬送要素122も前後に、すなわち、第3の搬送方向及び第3の搬送方向と反対の第4の搬送方向に移動可能である、特に回転可能であることを具体的に示す。
【0068】
油溜め92は、油圧ポンプ14及び120に共通の油溜めであり、油溜め92により、油圧ポンプ14及び120が流体接続されている又は流体接続可能であることが明らかである。この場合、ポンプ接続部24は、特に順方向動作では、チェックバルブ96を経由して油溜め92に流体接続可能である又は流体接続されている。油圧ポンプ120は、油溜め92に流体接続されている又は流体接続可能である第3のポンプ接続部126を有する。したがって、油圧ポンプ120は、その順方向動作ではポンプ接続部126を経由して、作動油を油溜め92から吸引する、又はそれ自身若しくはその第2のポンプハウジング内に搬送することができる、この場合、作動油は、油溜め92からポンプ接続部126に向かって、ひいては油圧ポンプ120に向かってフィルタ94を貫流する、したがって、フィルタ94を使用してろ過される。その順方向動作では、油圧ポンプ120は、油圧ポンプ120がその順方向動作にて油溜め92から搬送する作動油を、油圧ポンプ120のポンプ接続部126から第4のポンプ接続部128に搬送する。更に、油圧ポンプ120は、その順方向動作では、ポンプ接続部126からポンプ接続部128に流れる作動油を、ポンプ接続部128を貫通して搬送する。油圧ポンプ120は、自動変速機10の配管要素130内に配置されており、油圧ポンプ120の順方向動作では、油圧ポンプ120を使用してその順方向動作にて搬送される作動油は、配管要素130を第1の流体の流れの方向に貫流し、配管要素130を使用して油溜め92から油圧ポンプ120を経由して切替バルブ118に誘導されることが明らかである。逆方向動作では、例えば、油圧ポンプ120は、作動油をポンプ接続部128からポンプ接続部126に搬送するため、例えば、逆方向動作では、油圧ポンプ120を使用してその逆方向動作にて搬送される作動油は、配管要素130の少なくとも一部を第1の流体の流れの方向と反対の第2のFSに貫流する。
【0069】
切替バルブ118は、少なくとも1つの入口接続部E10を有する。特に、切替バルブ118は、少なくとも2つ又は正確に2つの入口接続部E10を有する。入口接続部E10は、特に直接、ポンプ接続部128に流体接続されている。したがって、油圧ポンプ120を使用してポンプ接続部128を貫通して搬送される作動油は、ポンプ接続部128から入口接続部E10に流れ、入口接続部E10を貫流し、ひいては、例えば、入口接続部E10を経由して切替バルブ118に流入する。
【0070】
更に、切替バルブ118は、出口接続部A6を有し、出口接続部A6には、例えば、入口接続部E10を経由して切替バルブ118に流入する作動油を供給可能である。入口接続部E9は、特に直接、出口接続部A6に流体接続されているため、出口接続部A6に供給され、その結果、出口接続部A6を貫流し、ひいては、例えば、出口接続部A6を経由して切替バルブ118から流出する作動油は、出口接続部A6から入口接続部E9に流れ、その結果、入口接続部E9を貫流し、ひいては入口接続部E9を経由して作用チャンバ108に流入することができる。
【0071】
切替バルブ118は、例えば、特に直接、出口接続部A6に流体接続されている、第2の制御接続部S2を有する。更に、切替バルブ118は、例えば、第2のバルブ部材132を含む。バルブ部材132は、例えば、少なくとも1つの第1のバルブ部材位置と少なくとも1つの第2のバルブ部材位置との間で、特に並進移動可能である。第1のバルブ部材位置では、例えば、出口接続部A6は、入口接続部E10に流体接続されているため、入口接続部E9は、切替バルブ118を経由して入口接続部E10に流体接続されている。これにより、第1のバルブ部材位置では、油圧ポンプ120を使用してその順方向動作にて搬送される作動油を、作用チャンバ108に導入することができる。第2のバルブ部材位置では、例えば、入口接続部E9は、入口接続部E10から流体分離されている。例えば、第2のバルブ部材位置のとき、入口接続部E9は、切替バルブ118を経由して、特に出口接続部A6を経由して、タンク134に流体接続されているため、次いで当初は作用チャンバ108に収容された作動油を、入口接続部E9及び切替バルブ118を経由して作用チャンバ108から排出し、タンク134内に誘導することができる。これにより、例えば、ピストン106の第4の切替要素方向への移動が可能になる、又はピストン106が第4の切替要素方向に移動するとき、ピストン106は、当初は作用チャンバ108に収容された作動油を、作用チャンバ108から入口接続部E9を経由して搬出し、特に入口接続部E9を経由して、かつ切替バルブ118を経由してタンク内に搬送することができる。
【0072】
制御接続部S2を経由して、例えば、制御接続部S1と同様に、バルブ部材132には、特に直に、出口接続部A6部にて支配的な作動油の圧力を印加することが可能であり、それによって、第1のバルブ部材位置から第2のバルブ部材位置に、特に並進移動することが可能である。更に、バルブ部材132は、第3のバルブ部材位置に移動可能であると考えられる。第3のバルブ部材位置では、例えば、入口接続部E9は、タンク134から、かつ入口接続部E10から流体分離されているため、特に第3のバルブ部材位置では、作動油が作用チャンバ108から流出することが切替バルブ118を使用して防止される。第3のバルブ部材位置では、例えば、入口接続部E10は、タンク134に流体接続されており、好適には、出口接続部A6は、バルブ部材132を使用して入口接続部E8から、かつタンク134から分離されているため、例えば、油圧ポンプ120は、その順方向動作では作動油を搬送する一方で、バルブ部材132がその第3のバルブ部材位置にあるとき、作動油は、油圧ポンプ120を使用してその順方向動作では、油圧ポンプ120から切替バルブ118を経由してタンク134に搬送される。この場合、代替的又は追加的に、制御接続部S2が、特に直接、出口接続部A6に流体接続されていることによって、特に、第1のバルブ部材位置にあるバルブ部材132には、特に直に、出口接続部A6にて支配的な作動油の圧力を印加可能であり、それによって、第1のバルブ部材位置から第3のバルブ部材位置へと調整可能である又は移動可能であると考えられる。これにより、例えば、切替要素100が完全に切り替えられた又は調整されたため、油圧ポンプ120を使用して、もはや作動油を作用チャンバ108内に搬送することができない場合、油圧ポンプ120の停止又は油圧ポンプ120の過剰に長い停止が防止されるのは、切替要素100の完全な接続後又は動作後又は切替え後、直接又は特に短時間、バルブ部材132は、出口接続部A6部に接触する又は支配的な、かつ制御接続部S2を経由して、特に直接、バルブ部材132に作用する圧力を使用して、第1のバルブ部材位置から第3のバルブ部材位置へと移動するからである。これにより、油圧ポンプ120は、その順方向動作にて作動油を、入口接続部E10、ひいては、切替バルブ118を経由して、タンク134に、かつタンク134内に搬送し、タンク134は、例えば、油溜め92である。
【0073】
全体として、ポンプ接続部22は、特に直接、nPパス66に流体接続されている一方で、ポンプ接続部24は、特に直接、Pパス(チャネル54)に流体接続されていることが明らかである。パーキングロックバルブ30は、好適には、切替スライドとして形成されている。パーキングロックバルブ30は、任意選択で設けられており、したがって、取り付けなくてもよいため、その場合、例えば、ポンプ接続部22は、特にnPパス66を経由して、直接、入口接続部E2又は動作領域32に流体接続されている。パーキングロックバルブ30は、特に、動作領域32の急速排出を実現するために使用されている。したがって、例えば、パーキングロックバルブ30を使用して急速排出を実現することができ、その際、例えば、当初は動作領域32に収容された作動油をパーキングロックバルブ30を経由して、動作領域32から排出し、例えば、別のタンク又はタンク134内に誘導可能である。
【0074】
以下では、当初は係合されているパーキングロック26の係合解除を再度要約して説明する。例えば、ソレノイドとして形成されているアクチュエータ64は、パーキングロックピストンとも称するピストン40を、アクチュエータ64が係止要素58をその係止位置から係止解除位置へと移動することによって、係合解除する。例えば、切替電磁バルブとして形成されている冷却バルブ68は、その動作状態に留まる、又は動作状態に切り替えられる。任意選択で設けられている、かつ好適には、切替スライドとして形成されているパーキングロックバルブ30は、その現在の状態に留まる、又は、入口接続部E1、ひいては、nPパス66若しくはチャネルK1、及び特にポンプ接続部22を動作領域32と流体接続するように切り替わる。油圧ポンプ14は、その順方向動作にて駆動され、したがって、作動油を、特に油溜め92の外へ、ポンプ接続部24からポンプ接続部22に、かつポンプ接続部22からパーキングロックバルブ30を経由して動作領域32に搬送し、これにより、当初はその係合位置にあるピストン40は、係合位置から係合解除位置に移動する、特に変位する。これにより、特に作動要素によってもたらされる、歯止め又はパーキングロック26の機械的係止が解除される。冷却バルブ68が動作状態に留まる、又は動作状態に切り替わることによって、作動油のポンプ接続部22からチャネルK1への、ひいては動作領域32への流れを確立することができ、作動油のポンプ接続部22から冷却バルブ68へ、かつ冷却バルブ68内への流れが防止される又は少なくともわずかに抑えられるのは、例えば、切替要素70が既に完全に切り替えられている、ひいては対応する作用チャンバ80又は86が完全に、言い換えると最大限、作動油で満たされているため、それ以上作動油を油圧ポンプ14を使用して、その順方向動作にて油圧シリンダ72内に搬送することができないからである。
【0075】
以下では、当初は係合解除されているパーキングロック26の係合の第1の変形形態を要約して説明する。第1の変形形態は、パーキングロック26を係合するための標準手順であり、標準手順は、例えば、パーキングロック26又は自動変速機10が完全に機能している場合に、実施される又は実施することができる。最初に、例えば、ソレノイドとして形成されているアクチュエータ64は、パーキングロックピストンとも称するピストン40を、特に電磁的に係止解除し、ピストン40において、アクチュエータ64は、当初は係止位置にある係止要素58を係止解除位置へと移動する。油圧ポンプ14は、その逆方向動作にて駆動され、これにより、例えば、パーキングロックバルブ30の動作側を、特に補助的に空にする。パーキングロックバルブ30の上記の側とは、特に以下のように理解されたい。パーキングロックバルブ30は、バルブ部材136を含み、バルブ部材136は、例えば、第4のバルブ部材位置と第5のバルブ部材位置との間で調整可能である、特に移動可能である、かつ正に特に並進移動可能である。動作側は、例えば、バルブ部材136の動作側である。第4のバルブ部材位置では、例えば、入口接続部E1は、出口接続部A1に流体接続されているため、第4のバルブ部材位置では、ポンプ接続部22は、パーキングロックバルブ30を経由して動作領域32に流体接続されている。しかし、第5のバルブ部材位置では、例えば、入口接続部E1は、バルブ部材136を使用して出口接続部A1から流体的に分離されているため、例えば、第5のバルブ部材位置では、ポンプ接続部22は、バルブ部材136を使用して動作領域32から流体分離されている。第4のバルブ部材位置及び第5のバルブ部材位置は、合わせてパーキングロックバルブ位置とも称する。例えば、バルブ部材136がパーキングロックバルブ位置のうちの一方から他方のパーキングロックバルブ位置へと移動する場合、これにより、例えば、特に機械ばね要素138に張力がかけられ、特に圧縮される又は引き伸ばされる。これにより、ばね要素138にばね力が提供される、ばね力を使用して、バルブ部材136は、他方のパーキングロックバルブ位置から一方のパーキングロックバルブ位置に移動可能である又は移動する。その順方向動作では、油圧ポンプ14は、このとき、例えば、作動油をバルブ入口接続部E1を経由してパーキングロックバルブ30内に搬送し、この場合、バルブ部材136の動作面の片側である上記の動作側に搬送する。これにより、バルブ部材136の動作面には、油圧ポンプ14を使用して、その順方向動作にて搬送される作動油が供給される。これにより、例えば、バルブ部材136は、特にばね要素138によって提供されるばね力に対抗して、一方のパーキングロックバルブ位置から他方のパーキングロックバルブ位置へと移動する。例えば、作動油のパーキングロックバルブ30内の動作側への搬送が終了した場合、ばね要素138は、少なくとも部分的に弛緩することができるため、ばね要素138によって提供されるばね力を使用して、バルブ部材136は、他方のパーキングロックバルブ位置から一方のパーキングロックバルブ位置へと移動する。動作側を空にするとは、ここで例えば、油圧ポンプ14が、その逆方向動作において、当初はパーキングロックバルブ30の動作側に収容されていた作動油をパーキングロックバルブ30の動作側から外へ搬送又は搬出し、ひいては動作側を、特にチャネルK1を介して、かつバルブ入口接続部E1を介して空にすることと理解されたい。更に、油圧ポンプ14は、その逆方向動作にて作動油を、例えば、パーキングロックバルブ30の外へ動作側から動作領域34内に搬送し、これにより、動作領域34内で、かつこの場合、係止解除ピストンとも称するピストン52でも圧力を形成する。この場合、バルブ部材136は、ばね要素138を使用して、すなわち、ばね要素138によって提供されるばね力を使用して、他方のパーキングロックバルブ位置から一方のパーキングロックバルブ位置へと、かつこの場合、例えば、バルブ部材136又はパーキングロックバルブ30の基本位置へと移動し、これにより、例えば、入口接続部E2と、入口接続部E2を介して動作領域32とは、パーキングロックバルブ30を経由して、かつこの場合、特に出口接続部A1を経由して、上記の別のタンク及び/若しくはタンク134並びに/又は油溜め92に流体接続される。したがって、一方のパーキングロックバルブ位置は、上記の第5のバルブ部材位置であり、第5のバルブ部材位置では、好適には、出口接続部A1は、バルブ入口接続部E1から分離されている、及び/又は、動作領域32は、バルブ出口接続部A1を経由して容器に流体接続されている。この容器は、上記の別のタンク若しくはタンク134及び/又は油溜め92であり得る。これにより、当初は動作領域32に収容された作動油は、特に、ピストン40が第2の移動方向に移動する場合には、入口接続部E2及びバルブ出口接続部A1を経由して動作領域32から流出する又は排出されて、容器内に流れる。したがって、ばね要素44は、その場合、ピストン40を第2の移動方向に移動する、特に伸張し、これにより、パーキングロック26が係合される。
【0076】
更に、以下で、パーキングロック26の係合の第2の変形形態を説明する。この場合、第2の変形形態は、第1の変形形態に対して冗長的に企図されており、例えば、油圧ポンプ14が故障している、したがって機能していない場合に実施される。その場合、アクチュエータ64は、ピストン40又は係止要素58を係止解除し、係止要素58において、アクチュエータ64は、係止要素58をその係止位置からその係止解除位置へと移動する。パーキングロックバルブ30のばね要素138は、バルブ部材136を他方のパーキングロックバルブ位置、特に第5のバルブ部材位置へと移動する、特に圧縮する又は伸張し、これにより、動作領域32は、パーキングロックバルブ30を経由して容器に流体接続される。その結果、ばね要素44は、ピストン40を第2の移動方向に、かつこの場合、係合位置へと伸張する、特に移動し、これにより、パーキングロック26は、係合される。したがって、第2の変形形態では、例えば、逆方向動作又は基本的に油圧ポンプ14の動作は行われない。係止要素58が第2の油圧シリンダ48を使用して、かつ油圧ポンプ14を使用して、油圧式に係止解除可能であることが明らかである。アクチュエータ64を使用して、係止要素58は、電磁的に又は電気的に係止解除可能である。第2の変形形態では、係止要素58の油圧式係止解除は行われない又は中止され、係止要素58は、第2の変形形態では、好適には、電気的又は電磁的にのみ係止解除される。全体として、パーキングロック26の係合は、冗長的に行うことができることが明らかである。油圧ポンプ14は、例えば、アクチュエータ64の故障時にアクチュエータ64を代替することができ、アクチュエータ64は、例えば、油圧ポンプ14の故障時に油圧ポンプ14を代替することができる。したがって、例えば、パーキングロック26の係合の第3の変形形態を企図することができ、第3の変形形態は、例えば、アクチュエータ64が故障している、したがって、駆動できない場合に実施される。第3の変形形態は、基本的に第1の変形形態に相当し、その場合、アクチュエータ64を使用してもたらされる又はもたらすことが可能な、係止要素58の電磁的係止解除は行われないため、第3の変形形態では、例えば、係止要素58は、特に、第2の油圧シリンダ48及び油圧ポンプ14を使用してのみ、油圧式に係止解除される。これにより、簡単な方法で、パーキングロック26の、ひいては、自動変速機10の特に確実な動作が全体として実現可能である。
【0077】
油圧ポンプ14の逆方向動作によって、動作側を補助的に空にすることができる。油圧ポンプ14が故障しているため、油圧ポンプ14は、動作側に収容された作動油を動作側から搬送して除くことができない場合、それにもかかわらず、又は油圧ポンプ14の支援なしで、ばね要素138がバルブ部材136を一方のパーキングロックバルブ位置へと、特に第5のバルブ部材位置へと移動することができるのは、その場合、例えば、バルブ部材136が他方のパーキングロックバルブ位置から一方のパーキングロックバルブ位置への、特に第5のバルブ部材位置へのその経路上で、当初は動作側に配置されていた作動油を、例えば、パーキングロックバルブ30から押し出し、かつこの場合、例えば、上記の容器内に搬送するからである。
【符号の説明】
【0078】
10 自動変速機
12 潤滑装置及び/又は冷却装置
14 油圧ポンプ
16 搬送要素
18 電動機
20 両方向矢印
22 ポンプ接続部
24 ポンプ接続部
26 パーキングロック
28 変速機ハウジング
30 パーキングロックバルブ
32 動作領域
34 動作領域
36 油圧シリンダ
38 ハウジング
40 ピストン
42 矢印
44 ばね要素
46 矢印
48 第2の油圧シリンダ
50 ハウジング
52 ピストン
54 チャネル
56 矢印
58 係止要素
60 旋回軸
62 ばね要素
64 アクチュエータ
65 ピストンロッド
66 nPパス
68 冷却バルブ
70 切替要素
72 油圧シリンダ
74 ハウジング
76 ピストン
78 ピストンロッド
80 作用チャンバ
82 矢印
84 矢印
86 作用チャンバ
88 切替バルブ
90 バルブ部材
92 油溜め
94 フィルタ
96 チェックバルブ
98 配管要素
100 切替要素
102 油圧シリンダ
104 ハウジング
106 ピストン
108 作用チャンバ
110 ピストンロッド
112 矢印
114 ばね要素
116 矢印
118 切替バルブ
120 油圧ポンプ
122 搬送要素
123 両方向矢印
124 電動機
126 ポンプ接続部
128 ポンプ接続部
130 配管要素
132 バルブ部材
134 タンク
136 バルブ部材
138 ばね要素
A1~A6 バルブ出口接続部
E1~E10 バルブ入口接続部
K1、K2 チャネル
S1、S2 制御接続部
【図】
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の自動変速機(10)であって、潤滑装置及び/又は冷却装置(12)と、第1のポンプ接続部(22)を有する油圧ポンプ(14)であって、前記油圧ポンプ(14)の順方向動作では、前記第1のポンプ接続部(22)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送され前記第1のポンプ接続部(22)を貫流する作動油を供給可能である、前記油圧ポンプ(14)と、パーキングロック(26)であって、前記パーキングロック(26)は、係合状態と係合解除状態との間で調整可能であり、第1の動作領域(32)を有し、前記第1の動作領域(32)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される作動油を導入可能であり、これにより、前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であることにより、一方の状態から他方の状態への前記パーキングロック(26)の調整をもたらすことが可能である、前記パーキングロック(26)と、を備え、
前記油圧ポンプ(14)は、第2のポンプ接続部(24)を有し、
前記パーキングロック(26)は、第2の動作領域(34)を有し、前記油圧ポンプ(14)の逆方向動作では、前記第2のポンプ接続部(24)を経由して、前記第2の動作領域(34)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記逆方向動作にて搬送され前記第2のポンプ接続部(24)を貫流する作動油を導入可能であり、これにより、前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であることにより、前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)の調整をもたらすことが可能で
あり、
前記パーキングロック(26)は、前記パーキングロック(26)の前記一方の状態から前記他方の状態への油圧調整のために形成されている第1の油圧シリンダ(36)を有し、前記第1の油圧シリンダ(36)は、前記第1の動作領域(32)を有し、前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)のばね作動式の調整のために形成されており、
前記パーキングロック(26)は、第2の油圧シリンダ(48)を有し、前記第2の油圧シリンダ(48)は、前記第2の動作領域(34)を有し、初期状態から解放状態へと油圧式に調整可能であり、これにより前記他方の状態から前記一方の状態への前記パーキングロック(26)の前記調整が解除可能で
あり、
冷却バルブ(68)であって、前記冷却バルブ(68)には、前記第1のポンプ接続部(22)を経由して、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記冷却バルブ(68)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ(68)が設けられている、自動変速機(10)において、
少なくとも1つの切替要素(70)であって、前記少なくとも1つの切替要素(70)を使用して、前記自動変速機(10)の2つの変速機要素は、相対回転不能に互いに接続可能である、前記少なくとも1つの切替要素(70)と、
第3の油圧シリンダ(72)であって、前記第3の油圧シリンダ(72)には、前記冷却バルブ(68)を経由して前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記第3の油圧シリンダ(72)が動作可能であり、及び前記第3の油圧シリンダ(72)を経由して前記切替要素(70)が動作可能である、前記第3の油圧シリンダ(72)と、
によって特徴づけられ、
前記冷却バルブ(68)は、
冷却バルブ入口接続部(E4)であって、前記冷却バルブ入口接続部(E4)には、前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能であり、これにより前記冷却バルブ(68)に前記作動油を供給するために、前記冷却バルブ(68)に前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ入口接続部(E4)と、
冷却バルブ出口接続部(A2)であって、前記冷却バルブ出口接続部(A2)を経由して、前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)には、前記冷却バルブ入口接続部(E4)を経由して前記冷却バルブ(68)に供給され前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記冷却バルブ出口接続部(A2)と、
第2の冷却バルブ出口接続部(A3)であって、前記第2の冷却バルブ出口接続部(A3)を経由して、前記第3の油圧シリンダ(72)には、前記冷却バルブ入口接続部(E4)を経由して前記冷却バルブ(68)に供給され前記油圧ポンプ(14)を使用して前記順方向動作にて搬送される前記作動油を供給可能である、前記第2の冷却バルブ出口接続部(A3)と、
を有し、
前記潤滑装置及び/又は前記冷却装置(12)、前記第3の油圧シリンダ(72)、並びに前記パーキングロック(26)のパーキングロックバルブ(30)のための作動油の供給は、それぞれ前記油圧ポンプ(14)の前記順方向動作にて搬送される前記作動油のみを使用して行われる、自動変速機(10)。
【請求項2】
前記第2のポンプ接続部(24)は、前記第2の動作領域(34)と直接流体接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動変速機(10)。
【請求項3】
前記第1の油圧シリンダ(36)は、
第1のハウジング(38)と、
第1のピストン(40)であって、前記第1のピストン(40)は、前記第1のハウジング(38)に並進移動可能に配置されており、前記作動油を前記第1の動作領域(32)に導入することによって第1の移動方向(42)に前記第1のハウジング(38)に対して並進移動可能であり、これにより前記パーキングロック(26)は、油圧式に動作可能であり、それにより前記一方の状態から前記他方の状態へと調整可能である、前記第1のピストン(40)と、
前記第1の動作領域(32)であって、前記第1の動作領域(32)は、部分的に前記第1のピストン(40)によって、かつ部分的に前記第1のハウジング(38)によって画定されている、前記第1の動作領域(32)と、
ばね要素(44)であって、前記ばね要素(44)には、前記第1の移動方向(42)に行われる前記第1のピストン(40)の移動によって張力をかけることができ、これにより前記ばね要素(44)を使用してばね力を提供可能であり、前記ばね力を使用して、前記第1のピストン(40)は、前記第1の移動方向(42)とは反対の第2の移動方向(46)に前記第1のハウジング(38)に対して並進移動可能であり、これにより前記パーキングロック(26)は、前記他方の状態から前記一方の状態へと調整可能である、前記ばね要素(44)と、
を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動変速機(10)。
【請求項4】
前記第2の油圧シリンダ(48)は、
第2のハウジング(50)と、
第2のピストン(52)と、
前記第2の動作領域(34)であって、前記第2の動作領域(34)は、部分的に前記第2のハウジング(50)によって、かつ部分的に前記第2のピストン(52)によって画定されており、前記第2のピストン(52)は、並進移動可能に前記第2のハウジング(50)に配置されており、前記作動油を前記第2の動作領域(34)に導入することによって、第3の移動方向(56)に前記第2のハウジング(50)に対して前記初期状態をもたらすロック位置から前記解放状態をもたらす解放位置へと並進移動可能である、前記第2の動作領域(34)と、
を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動変速機(10)。
【請求項5】
前記他方の状態は、前記係合解除状態であり、前記一方の状態は、前記係合状態であることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の自動変速機(10)。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の自動変速機(10)を備える、自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
上記分野の特許文献6では、油圧ポンプ付き油圧装置が示されており、その油圧ポンプは、一方では、冷却装置及び潤滑装置に作動油を供給し、他方では、パーキングロックを作動させるピストンシリンダユニットに作動油を供給する。この場合、油圧装置は、油圧ポンプの順方向動作時、ピストンシリンダユニットのピストンが一方の方向に移動し、油圧ポンプの逆方向動作時、ピストンが反対方向に移動するように形成されている。
上記分野の特許文献7では、特許文献6に加え、パーキングロックを動作させるために油圧ポンプの2つの動作方向と組み合わせた2つの異なる油圧シリンダを設けることができることが示されている。
更に、特許文献8では、切替要素の切替え工程中に切替要素の作動シリンダへの供給のために高圧油圧ポンプに加えて低圧油圧ポンプを使用することが示されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】DE 10 2018 112 665 A1
【特許文献2】DE 10 2012 016 235 A1
【特許文献3】US 2018/0119 816 A1
【特許文献4】DE 10 2018 130 700 A1
【特許文献5】DE 10 2018 112 670 A1
【特許文献6】DE 10 2016 115 925 A1
【特許文献7】DE 10 2016 011 148 A1
【特許文献8】DE 10 2014 114 972 A1
【国際調査報告】