(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】外科デバイスのための電動ハンドル組立体
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501083
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2020138521
(87)【国際公開番号】W WO2022007344
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/100951
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジフア
(72)【発明者】
【氏名】リー, ショウウェイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC23
(57)【要約】
外科デバイスは、電動ハンドル組立体(12)と、ハンドル組立体(12)から延びるアダプタ組立体(14)と、枢動部材(28)の周りでアダプタ組立体(14)に搭載されるツール組立体(16)とを含む。ハンドル組立体(12)は、関節位置と把持/発射位置との間で移動可能なクラッチ(70)を含む。関節位置において、ハンドル組立体(12)は、枢動部材(28)の周りでツール組立体(16)の電動関節運動を提供するように構成される。把持/発射位置において、ハンドル組立体(12)は、外科デバイスの作動を提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科デバイスのためのハンドル組立体であって、
少なくとも1つのクラッチスイッチを支持する本体と、
筐体内で支持される打込み組立体であって、打込みねじ、ねじ釘及び打込みロッドを含み、前記打込みロッドは、基端部及び先端部を有し、前記ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含み、前記打込みねじは、前記ねじ付きボアを通して延び、及び前記打込みロッドは、前記打込みねじに結合された基端部を有する、打込み組立体と、
前記筐体内で支持される関節機構であって、第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含み、前記第1の関節ギアは、スルーボアを画定し、且つ前記スルーボア内に位置決めされるスプラインと、外歯とを含み、前記第2の関節ギアは、前記第1の関節ギアの前記外歯と係合される外歯を含む、関節機構と、
前記筐体内で前記第1の関節ギアと前記ねじ釘との間に支持されるクラッチであって、前記クラッチが前記ねじ釘の前記外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、前記クラッチが前記第1の関節ギアの前記スプラインと係合される関節位置との間で移動可能であるクラッチと、
前記筐体内で支持される付勢部材であって、前記クラッチを前記把持/発射位置に向けて付勢する付勢部材と、
前記クラッチに結合されたモータであって、前記クラッチを前記筐体内で回転させて、前記打込み組立体又は前記関節機構の一方を作動させるように動作可能であるモータと
を含むハンドル組立体。
【請求項2】
前記モータに結合された第1のベベルギアと、前記第1のベベルギアに結合された第2のベベルギアとを更に含む、請求項1に記載のハンドル組立体。
【請求項3】
前記第2のベベルギアは、スルーボアと、前記スルーボアと連通する長手方向スロットとを画定し、前記第2のベベルギアの前記スルーボアは、前記ねじ釘及び前記打込みねじを受け、及び前記クラッチは、前記長手方向スロット内で受けられて、前記クラッチを前記第2のベベルギアに回転可能に結合する隆起延長部を含む、請求項2に記載のハンドル組立体。
【請求項4】
前記関節機構は、関節リンクを含み、前記関節リンクは、前記関節ねじの移動が前記関節リンクの長手方向移動を生じさせるように前記関節ねじに結合される、請求項1に記載のハンドル組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つのクラッチスイッチは、前記本体の各側にクラッチスイッチを含み、前記クラッチスイッチは、フォーク状部材によって前記クラッチに結合され、及び前記クラッチスイッチは、前記クラッチを前記把持/発射位置から前記関節位置に移動させるために前記本体に沿って移動可能である、請求項1に記載のハンドル組立体。
【請求項6】
前記本体は、ガイドロッドを支持し、及び前記フォーク状部材は、開口部を画定し、前記ガイドロッドは、前記フォーク状部材における前記開口部を通して延びて、前記クラッチが前記把持/発射位置から前記関節位置に移動されるときに前記フォーク状部材の移動を案内する、請求項5に記載のハンドル組立体。
【請求項7】
前記本体上に支持される安全トグル機構を更に含み、前記安全トグル機構は、少なくとも1つのトグル部材と、前記少なくとも1つのトグル部材に結合されたシャフトとを含み、前記シャフトは、前記安全トグル機構を、前記ハンドル組立体が非アクティブ化される非アクティブ位置から、前記ハンドル組立体がアクティブ化されるアクティブ位置に移動させるために、前記少なくとも1つのトグル部材の操作に応答して回転可能である、請求項1に記載のハンドル組立体。
【請求項8】
前記ハンドル組立体の本体は、接点を支持し、及び前記安全トグル機構の前記シャフトは、アームを含み、前記安全トグル機構の前記非アクティブ位置において、前記アームは、前記接点から離間され、且つ前記接点は、開位置にあり、及び前記安全トグル機構の前記アクティブ位置において、前記アームは、前記接点と係合され、且つ前記接点は、閉位置にある、請求項7に記載のハンドル組立体。
【請求項9】
前記安全トグル機構は、前記シャフト上に搭載されたスライダを含み、前記スライダは、停止部材を含む、請求項8に記載のハンドル組立体。
【請求項10】
前記打込み組立体は、前記打込みねじを前記打込みロッドに結合する結合部材を含み、前記打込みねじ、前記結合部材及び前記打込みロッドは、前記クラッチが前記把持/発射位置にあるとき、前記モータの作動に応答して前記本体内の後退位置と前進位置との間で移動可能である、請求項9に記載のハンドル組立体。
【請求項11】
前記結合部材は、前記結合部材がその後退位置にあるとき、前記非アクティブ位置から前記アクティブ位置への前記安全トグル機構の移動を妨げるように位置決めされる、請求項10に記載のハンドル組立体。
【請求項12】
本体は、テーパ形カム面及び基端停止面を有するテーパ形カム部材を支持し、及び前記スライダは、突起部を含み、前記突起部は、前記安全トグル機構が前記非アクティブ位置から前記アクティブ位置に移動されるとき、前記スライダを、前記スライダが前記テーパ形カム部材と位置合わせされる前記シャフト上の第1の位置から、前記スライダが前記テーパ形カム部材の外側に位置決めされる前記シャフト上の第2の位置に移動させるために、前記テーパ形カム面に沿って移動可能であり、前記突起部は、前記安全トグル機構が前記アクティブ位置にあるとき、前記基端停止面と位置合わせされて、前記安全トグル機構を前記アクティブ位置に保持する、請求項11に記載のハンドル組立体。
【請求項13】
前記スライダは、付勢機構によって前記第1の位置に向けて付勢される、請求項12に記載のハンドル組立体。
【請求項14】
外科デバイスであって、
ハンドル組立体であって、
少なくとも1つのクラッチスイッチを支持する本体、
筐体内で支持される打込み組立体であって、打込みねじ、ねじ釘及び打込みロッドを含み、前記打込みロッドは、基端部及び先端部を有し、前記ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含み、前記打込みねじは、前記ねじ付きボアを通して延び、及び前記打込みロッドは、前記打込みねじに結合された基端部を有する、打込み組立体、
前記筐体内で支持される関節機構であって、第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含み、前記第1の関節ギアは、スルーボアを画定し、且つ前記スルーボア内に位置決めされるスプラインと、外歯とを含み、前記第2の関節ギアは、前記第1の関節ギアの前記外歯と係合される外歯を含む、関節機構、
前記筐体内で前記第1の関節ギアと前記ねじ釘との間に支持されるクラッチであって、前記クラッチが前記ねじ釘の前記外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、前記クラッチが前記第1の関節ギアの前記スプラインと係合される関節位置との間で移動可能であるクラッチ、
前記筐体内で支持される付勢部材であって、前記クラッチを前記把持/発射位置に向けて付勢する付勢部材、及び
前記クラッチに結合されたモータであって、前記クラッチを前記筐体内で回転させるように動作可能であるモータ
を含むハンドル組立体と、
長手方向軸を画定し、且つ基端部及び先端部を有するアダプタ組立体であって、関節ロッドを含み、前記アダプタ組立体の前記基端部は、前記ハンドル組立体に結合され、前記関節ロッドは、前記関節ねじに結合された基端部と、先端部とを有し、前記打込みロッドは、前記アダプタ組立体を通して延びる、アダプタ組立体と、
前記アダプタ組立体の前記長手方向軸を横断する軸の周りで前記アダプタ組立体の前記先端部に枢動可能に結合されたツール組立体であって、前記関節ロッドの前記先端部は、前記ツール組立体に結合されて、前記ツール組立体を、前記ツール組立体が前記長手方向軸と位置合わせされる非関節位置と、前記ツール組立体が前記長手方向軸と位置合わせされない関節位置との間で枢動させる、ツール組立体と
を含む外科デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのクラッチスイッチは、前記ハンドル組立体の前記本体の各側で支持されるクラッチスイッチを含み、前記クラッチスイッチは、前記クラッチに結合され、且つ前記クラッチを前記把持/発射位置から前記関節位置に移動させるために、前記ハンドル組立体の前記本体に沿って移動可能である、請求項14に記載の外科デバイス。
【請求項16】
前記本体上に支持される安全トグル機構を更に含み、前記安全トグル機構は、少なくとも1つのトグル部材と、前記少なくとも1つのトグル部材に結合されたシャフトとを含み、前記シャフトは、前記安全トグル機構を、前記ハンドル組立体が非アクティブ化される非アクティブ位置から、前記ハンドル組立体がアクティブ化されるアクティブ位置に移動させるために、前記少なくとも1つのトグル部材の操作に応答して回転可能である、請求項14に記載の外科デバイス。
【請求項17】
前記ハンドル組立体の本体は、接点を支持し、及び前記安全トグル機構の前記シャフトは、アームを含み、前記安全トグル機構の前記非アクティブ位置において、前記アームは、前記接点から離間され、且つ前記接点は、開位置にあり、及び前記安全トグル機構の前記アクティブ位置において、前記アームは、前記接点と係合され、且つ前記接点は、閉位置にある、請求項16に記載の外科デバイス。
【請求項18】
前記安全トグル機構は、前記シャフト上に搭載されたスライダを含み、前記スライダは、停止部材を含む、請求項17に記載の外科デバイス。
【請求項19】
前記打込み組立体は、前記打込みねじを前記打込みロッドに結合する結合部材を含み、前記打込みねじ、前記結合部材及び前記打込みロッドは、前記クラッチが前記把持/発射位置にあるとき、前記モータの作動に応答して前記本体内の後退位置と前進位置との間で移動可能である、請求項18に記載の外科デバイス。
【請求項20】
前記結合部材は、前記結合部材がその後退位置にあるとき、前記非アクティブ位置から前記アクティブ位置への前記安全トグル機構の移動を妨げるように位置決めされる、請求項19に記載の外科デバイス。
【請求項21】
本体は、テーパ形カム面及び基端停止面を有するテーパ形カム部材を支持し、及び前記スライダは、突起部を含み、前記突起部は、前記安全トグル機構が前記非アクティブ位置から前記アクティブ位置に移動されるとき、前記スライダを、前記テーパ形カム部材と位置合わせされる前記シャフト上の第1の位置から、前記テーパ形カム部材の外側に位置決めされる前記シャフト上の第2の位置に移動させるために、前記テーパ形カム面に沿って移動可能であり、前記突起部は、前記安全トグル機構が前記アクティブ位置にあるとき、前記基端停止面と位置合わせされて、前記安全トグル機構を前記アクティブ位置に保持する、請求項21に記載の外科デバイス。
【請求項22】
前記スライダは、付勢機構によって前記第1の位置に向けて付勢される、請求項21に記載の外科デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、概して、外科デバイスのためのハンドル組立体に関し、より詳細には、電動外科用ステープルデバイスのためのハンドル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
外科デバイスは、一般に、外科処置中に使用されて、少数の例を挙げれば、組織の縫合、把持、切断及びシールを含む多様な異なる外科動作を実行する。典型的には、外科デバイスは、臨床者、例えば外科医が握って外科デバイスを作動させるハンドル組立体を含む。特定のタイプの外科デバイスは、複数のタスクを実行し、デバイスが体腔内の組織により容易にアクセスできるようにする様々な機能を有する。例えば、電動外科ステープルデバイスは、ステープルデバイスのツール組立体のジョーに接近し、ステープルを組織に適用し、組織を切断するための作動ボタンを含む。これらのステープルデバイスは、ハンドル組立体に対するツール組立体の関節運動及び/又は回転を促進するためのノブも含み得る。
【0003】
内視鏡外科デバイスは、低侵襲外科処置中に使用されて、外科処置中に患者に与えられる外傷を最小化する。典型的には、内視鏡外科デバイスは、ハンドル組立体、長尺状本体及び長尺状本体の先端部に支持されるツール組立体を含む。外科処置中、体腔内の組織によりよくアクセスするために、ツール組立体は、長尺状本体に枢動可能に搭載され、ツール組立体が長尺状本体と位置合わせされる非関節位置と、ツール組立体が長尺状本体と鋭角を画定する関節位置との間で移動可能であり得る。
【0004】
ツール組立体を関節位置と非関節位置との間で枢動させるために、ハンドル組立体は、長尺状本体内に位置決めされた関節リンクに結合された関節機構を含む。関節リンクは、ツール組立体を体腔内で枢動させるために、関節機構の作動に応答して長尺状本体内で長手方向に移動可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
外科分野において、ツール組立体を非関節位置と関節位置との間で枢動させる関節機構を含む電動ハンドル組立体が継続的に必要とされている。
【0006】
態様において、本開示は、一般に、筐体、打込み組立体、関節機構、クラッチ及びモータを含む、外科デバイスのためのハンドル組立体に関する。筐体は、クラッチスイッチを支持する。打込み組立体は、筐体内で支持され、且つ打込みねじ、打込み釘及び打込みロッドを含む。打込みロッドは、基端部及び先端部を有する。ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含み、及び打込みねじは、ねじ付きボアを通して延びる。打込みロッドは、打込みねじに結合された基端部と、先端部とを有する。関節機構は、筐体内で支持され、且つ第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含む。第1の関節ギアは、外歯を含み、且つスルーボアを画定し、スルーボアは、スルーボア内に位置決めされるスプラインを含む。第2の関節ギアは、ねじ付きボアを画定し、且つ第1の関節ギアの外歯と係合される外歯を含む。クラッチは、筐体内で第1の関節ギアとねじ釘との間に支持され、且つクラッチがねじ釘の外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、クラッチが第1の関節ギアのスプラインと係合される関節位置との間で移動可能である。モータは、クラッチに結合され、且つクラッチを筐体内で回転するように動作可能である。
【0007】
本開示の他の態様は、ハンドル組立体、アダプタ組立体及びツール組立体を含む外科デバイスに関する。ハンドル組立体は、筐体、打込み組立体、関節組立体、クラッチ及びモータを含む。筐体は、クラッチスイッチを支持する。打込み組立体は、筐体内で支持され、且つ打込みねじ、打込み釘及び打込みロッドを含む。打込みロッドは、基端部及び先端部を有する。ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含み、及び打込みねじは、ねじ付きボアを通して延びる。打込みロッドは、打込みねじに結合された基端部を有する。関節機構は、筐体内で支持され、且つ第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含む。第1の関節ギアは、外歯を含み、且つスルーボアを画定し、スルーボアは、第1の関節ギアのスルーボア内に位置決めされるスプラインを含む。第2の関節ギアは、ねじ付きボアを画定し、且つ第1の関節ギアの外歯と係合される外歯を含む。クラッチは、筐体内で第1の関節ギアとねじ釘との間に支持され、且つクラッチがねじ釘の外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、クラッチが第1の関節ギアのスプラインと係合される関節位置との間で移動可能である。モータは、クラッチに結合され、且つクラッチを筐体内で回転させるように動作可能である。アダプタ組立体は、長手方向軸を画定し、基端部及び先端部を有し、且つ関節ロッドを含む。アダプタ組立体の基端部は、ハンドル組立体に結合される。関節ロッドは、関節ねじに結合された基端部と、先端部とを有する。打込みロッドは、アダプタ組立体を通して延びる。ツール組立体は、アダプタ組立体の長手方向軸を横断する軸の周りでアダプタ組立体の先端部に枢動可能に結合される。関節ロッドの先端部は、ツール組立体に結合され、それにより、関節ねじの長手方向移動は、ツール組立体を、ツール組立体が長手方向軸と位置合わせされる非関節位置と、ツール組立体が長手方向軸と位置合わせされない関節位置との間で枢動させる。
【0008】
本開示の態様において、第1のベベルギアは、モータに結合され、及び第2のベベルギアは、第1のベベルギアに結合される。
【0009】
本開示の幾つかの態様において、第2のベベルギアは、スルーボアと、スルーボアと連通する長手方向スロットとを画定する。
【0010】
本開示の特定の態様において、第2のベベルギアのスルーボアは、ねじ釘及び打込みねじを受け、及びクラッチは、長手方向スロット内で受けられて、クラッチを第2のベベルギアに回転可能に結合する隆起延長部を含む。
【0011】
本開示の態様において、関節機構は、関節リンクを含み、関節リンクは、関節ねじの長手方向移動が関節リンクの長手方向移動を生じさせるように関節ねじに結合される。
【0012】
本開示の幾つかの態様において、クラッチスイッチは、筐体上で支持され、クラッチに結合され、且つクラッチを関節位置と把持/発射位置との間で移動させるために筐体に沿って移動可能である。
【0013】
本開示の態様において、クラッチスイッチは、離間された爪を含むフォーク状部材によってクラッチに結合される。
【0014】
本開示の幾つかの態様において、クラッチは、環状チャネルを画定し、及びフォーク状部材の爪は、環状チャネルで受けられる。
【0015】
本開示の特定の態様において、作動ボタンが筐体上に支持され、プリント回路基板が筐体内で支持され、及び作動ボタンは、プリント回路基板を介してモータに結合される。
【0016】
本開示の態様において、電池が筐体内に支持される。
【0017】
本開示の幾つかの態様において、手動後退機構は、打込みねじに固定され、且つ打込みねじを回転させるように回転可能である。
【0018】
本開示の特定の態様において、手動後退機構は、打込みねじを受ける管状体部と、管状体部に結合され、且つ筐体の基端部から延びるハンドルとを含む。
【0019】
本開示の態様において、筐体は、手動後退機構のハンドルを囲む基端カバー部を含む。
【0020】
本開示の態様において、ツール組立体は、アンビル組立体及びカートリッジ組立体を有するステープルデバイスを含み、及びアンビル組立体は、ツール組立体が開位置と把持位置との間で移動可能であるようにカートリッジ組立体に結合される。
【0021】
本開示の更に他の態様は、本体、打込み組立体、関節機構、クラッチ、付勢部材及びモータを含む、外科デバイスのためのハンドル組立体に関する。本体は、少なくとも1つのクラッチスイッチを支持する。打込み組立体は、筐体内で支持され、且つ打込みねじ、ねじ釘及び打込みロッドを含む。打込みロッドは、基端部及び先端部を有する。ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含む。打込みねじは、ねじ付きボアを通して延び、及び打込みロッドは、打込みねじに結合された基端部を有する。関節機構は、筐体内で支持され、且つ第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含む。第1の関節ギアは、スルーボアを画定し、且つスルーボア内に位置決めされるスプラインと、外歯とを含む。第2の関節ギアは、第1の関節ギアの外歯と係合される外歯を含む。クラッチは、筐体内で第1の関節ギアとねじ釘との間に支持される。クラッチは、クラッチがねじ釘の外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、クラッチが第1の関節ギアのスプラインと係合される関節位置との間で移動可能である。付勢部材は、筐体内で支持され、且つクラッチを把持/発射位置に向けて付勢する。モータは、クラッチに結合され、且つクラッチを筐体内で回転させて、打込み組立体又は関節機構の一方を作動させるように動作可能である。
【0022】
本開示の更に他の態様は、ハンドル組立体、アダプタ組立体及びツール組立体を含む外科デバイスに関する。ハンドル組立体は、本体、打込み組立体、関節機構、クラッチ、付勢部材及びモータを含む。本体は、少なくとも1つのクラッチスイッチを支持する。打込み組立体は、筐体内で支持され、且つ打込みねじ、打込み釘及び打込みロッドを含む。打込みロッドは、基端部及び先端部を有する。ねじ釘は、ねじ付きボアを画定し、且つ外歯スプラインを含む。打込みねじは、ねじ付きボアを通して延びる。打込みロッドは、打込みねじに結合された基端部を有する。関節機構は、筐体内で支持され、且つ第1の関節ギア、第2の関節ギア及び関節ねじを含む。第1の関節ギアは、スルーボアを画定し、且つスルーボア内に位置決めされるスプラインと、外歯とを含む。第2の関節ギアは、第1の関節ギアの外歯と係合される外歯を含む。クラッチは、筐体内で第1の関節ギアとねじ釘との間に支持される。クラッチは、クラッチがねじ釘の外歯スプラインと係合される把持/発射位置と、クラッチが第1の関節ギアのスプラインと係合される関節位置との間で移動可能である。付勢部材は、筐体内で支持され、且つクラッチを把持/発射位置に向けて付勢するように位置決めされる。モータは、クラッチに結合され、且つクラッチを筐体内で回転させるように動作可能である。アダプタ組立体は、長手方向軸を画定し、且つ基端部及び先端部を有する。アダプタ組立体は、関節ロッドを含む。アダプタ組立体の基端部は、ハンドル組立体に結合され、及び関節ロッドは、関節ねじに結合された基端部と、先端部とを有する。打込みロッドは、アダプタ組立体を通して延びる。ツール組立体は、アダプタ組立体の長手方向軸を横断する軸の周りでアダプタ組立体の先端部に枢動可能に結合される。関節ロッドの先端部は、ツール組立体に結合されて、ツール組立体を、ツール組立体が長手方向軸と位置合わせされる非関節位置と、ツール組立体が長手方向軸と位置合わせされない関節位置との間で枢動させる。
【0023】
本開示の態様において、少なくとも1つのクラッチスイッチは、本体の各側に位置決めされたクラッチスイッチを含む。
【0024】
本開示の幾つかの態様において、クラッチスイッチは、フォーク状部材によってクラッチに結合され、及びクラッチスイッチは、クラッチを把持/発射位置から関節位置に移動させるために本体に沿って移動可能である。
【0025】
本開示の特定の態様において、本体は、ガイドロッドを支持し、及びフォーク状部材は、開口部を画定する。
【0026】
本開示の態様において、ガイドロッドは、フォーク状部材における開口部を通して延びて、クラッチが把持/発射位置から関節位置に移動されるときにフォーク状部材の移動を案内する。
【0027】
本開示の幾つかの態様において、ハンドル組立体は、本体上に支持される安全トグル機構を含み、且つ少なくとも1つのトグル部材と、少なくとも1つのトグル部材に結合されたシャフトであって、安全トグル機構を、ハンドル組立体が非アクティブ化される非アクティブ位置から、ハンドル組立体がアクティブ化されるアクティブ位置に移動させるために、少なくとも1つのトグル部材の操作に応答して回転可能であるシャフトとを含む。
【0028】
本開示の特定の態様において、ハンドル組立体の本体は、接点を支持し、及び安全トグル機構のシャフトは、アームを含む。
【0029】
本開示の態様において、安全トグル機構の非アクティブ位置において、アームは、接点から離間され、且つ接点は、開位置にあり、及び安全トグル機構のアクティブ位置において、アームは、接点と係合され、且つ接点は、閉位置にある。
【0030】
本開示の幾つかの態様において、安全トグル機構は、シャフトに搭載され、且つ停止部材を含むスライダを含む。
【0031】
本開示の特定の態様において、打込み組立体は、打込みねじをねじ込みロッドに結合する結合部材を含む。
【0032】
本開示の態様において、クラッチが把持/発射位置にあるとき、打込みねじ、結合部材及び打込みロッドは、モータの作動に応答して本体内の後退位置と前進位置との間で移動可能である。
【0033】
本開示の幾つかの態様において、結合部材は、結合部材がその後退位置にあるとき、非アクティブ位置からアクティブ位置への安全トグル機構の移動を妨げるように位置決めされる。
【0034】
本開示の特定の態様において、本体は、テーパ形カム面及び基端停止面を有するテーパ形カム部材を支持し、及び前記スライダは、突起部を含む。
【0035】
本開示の態様において、突起部は、前記安全トグル機構が前記非アクティブ位置から前記アクティブ位置に移動されるとき、前記スライダを、前記スライダが前記テーパ形カム部材と位置合わせされる前記シャフト上の第1の位置から、前記スライダが前記テーパ形カム部材の外側に位置決めされる前記シャフト上の第2の位置に移動させるために、前記テーパ形カム面に沿って移動可能である。
【0036】
本開示の幾つかの態様において、突起部は、前記安全トグル機構が前記アクティブ位置にあるとき、前記基端停止面と位置合わせされて、前記安全トグル機構を前記アクティブ位置に保持する。
【0037】
本開示の特定の態様において、スライダは、付勢機構によって前記第1の位置に向けて付勢される。
【0038】
本開示の他の特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0039】
本開示の態様によるハンドル組立体を含む外科デバイスの種々の態様について、図面を参照して本明細書において以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】ツール組立体が非関節位置にある、開示される電動外科デバイスの先端部からの側面斜視図である。
【
図2】筐体の半体が取り外され、クラッチが関節位置にある、
図1に示される外科デバイスのハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図3】他方の筐体半体が取り外され、クラッチが関節位置にある、
図2に示されるハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図4】筐体の半体が取り外され、クラッチが関節位置にある、
図2に示されるハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図5】
図2に示されるハンドル組立体の側面斜視分解組立図である。
【
図6】
図5に示される細部の示されるエリアの拡大図である。
【
図9】関節機構が作動する際、クラッチが関節位置にあるハンドル組立体の断面図である。
【
図10】クラッチが関節位置にある、
図1に示される外科デバイスのハンドル組立体の関節機構及びクラッチの側面斜視図である。
【
図11】部品が分離されている、
図10に示されるハンドル組立体のベベルギア及びクラッチの側面斜視図である。
【
図12】部品が組み付けられている、
図11に示されるベベルギア及びクラッチの側面斜視図である。
【
図13】部品が分離されている、
図10に示されるハンドル組立体の関節ギア及びクラッチの側面斜視図である。
【
図14】ツール組立体が関節位置にある、
図1に示される外科ステープルデバイスのツール組立体の側面斜視図である。
【
図15】クラッチが把持/発射位置にあり、ハンドル組立体が作動してハンドル組立体の打込みロッドを近傍に移動させた状態の、
図8に示されるハンドル組立体の側面断面図である。
【
図16】クラッチが把持/発射位置にあり、ハンドル組立体が作動してハンドル組立体の打込みロッドを近傍に移動させた状態の、
図15に示されるハンドル組立体の断面図である。
【
図17】クラッチが把持/発射位置にあり、ハンドル組立体が作動してハンドル組立体の打込みロッドを近傍に移動させた状態の、
図15に示されるハンドル組立体の打込み組立体及びクラッチの側面斜視図である。
【
図18】部品が分離されている、
図17に示される打込み組立体のクラッチ及びねじ釘の側面斜視図である。
【
図19】クラッチが把持/発射位置にあり、ハンドル組立体が作動してハンドル組立体の打込みロッドを近傍に移動させた状態の、
図15に示されるハンドル組立体の側面断面図である。
【
図20】ツール組立体が非関節位置にある状態の、開示される電動外科デバイスの代替形態版の先端部からの側面斜視図である。
【
図21】筐体の両半体が取り外れている、
図1に示される外科デバイスのハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図22】筐体の半体の一方が取り外されている、
図21に示されるハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図23】筐体の両半体及びギア筐体を有する、
図22に示されるハンドル組立体の側面斜視図である。
【
図24】
図23に示されるハンドル組立体の打込み組立体、関節機構、セレクタスイッチ組立体及び安全トグル機構の分解組立斜視図である。
【
図25】構成要素が組み付けられ、セレクタスイッチ組立体のクラッチスイッチが取り外された状態の、
図24に示されるハンドル組立体の打込み組立体、関節機構、安全トグル機構及びセレクタスイッチ組立体の片側からの側面斜視図である。
【
図26】構成要素が組み付けられ、セレクタスイッチ組立体のクラッチスイッチが取り外された状態の、
図24に示されるハンドル組立体の打込み組立体、関節機構、安全トグル機構及びセレクタスイッチ組立体の逆側からの側面斜視図である。
【
図27】安全トグル機構がアクティブ位置に向けて移動する際に本体の両半体及びハンドル組立体の関節機構の関節リンケージが取り外された状態の、
図21に示されるハンドル組立体の先端部からの斜視図である。
【
図28】
図21に示されるハンドル組立体のギア筐体の側面斜視図である。
【
図29】安全トグル機構がアクティブ位置にある状態で本体の両半体及びハンドル組立体の関節機構の関節リンケージが取り外された状態の、
図21に示されるハンドル組立体の先端部からの斜視図である。
【
図30】安全トグル機構がアクティブ位置にある状態で本体の半体の一方及びハンドル組立体の関節機構の関節リンケージが取り外された状態の、
図29に示されるハンドル組立体の斜視図である。
【
図31】
図29に示される細部の示されるエリアの拡大図である。
【
図32】
図21に示されるハンドル組立体の本体の両半体が取り外され、クラッチが関節位置にある、上方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、開示される外科デバイスについて図面を参照して詳細に説明し、図面中、同様の参照番号は、幾つかの図の各々における同一の又は対応する要素を示す。しかしながら、本開示の態様は、単に本開示の例示にすぎず、種々の形態で実施され得ることを理解されたい。本開示を不必要な詳細で曖昧にしないように、周知の機能又は構造は詳述されていない。したがって、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定として理解されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び適宜詳述された略あらゆる構造で本開示を種々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。加えて、前、後、上、下、上部、下部、先端、基端及び同様の用語等の方向用語は、説明の理解を促進するために使用され、本開示の限定を意図していない。
【0042】
この説明において、「基端」という用語は、一般に、臨床者に近いデバイスの部分を指すのに使用され、一方、「先端」という用語は、一般に、臨床者から遠いデバイスの部分を指すのに使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、一般に、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡及び/又は小径の切開又はカニューレを通して行われる任意の他の処置を指すのに使用される。更に、「臨床者」という用語は、一般に、医師、看護師及びサポート人員を含む医療者を指すのに使用される。
【0043】
本開示は、電動ハンドル組立体、ハンドル組立体から延びるアダプタ組立体及び枢動部材の周りでアダプタ組立体に搭載されるツール組立体を含む外科デバイスに関する。ハンドル組立体は、関節位置と把持/発射位置との間で移動可能なクラッチを含む。関節位置において、ハンドル組立体は、枢動部材の周りでツール組立体の電動関節運動を提供するように構成される。把持/発射位置において、ハンドル組立体は、外科デバイスの作動を提供するように構成される。
【0044】
図1は、ステープルデバイス10として一般に示される外科デバイスを示し、ステープルデバイス10は、ハンドル組立体12、長尺状本体又はアダプタ組立体14及びツール組立体16を含む。ハンドル組立体12は、静止ハンドル部18、作動ボタン20及びクラッチスイッチ22を含む。アダプタ組立体14は、長手方向軸「X」を画定し、ハンドル組立体12に結合される基端部24と、ツール組立体16を支持する先端部26とを含む。ツール組立体16は、長手方向軸「X」を横断する軸「Y」を画定する枢動部材28によってアダプタ組立体14の先端部26に固定される。ツール組立体16は、軸「Y」の周りで、ツール組立体16が長手方向軸「Y」と位置合わせされる関節位置と、ツール組立体の長手方向軸及び長手方向軸「X」が鋭角を画定する非関節位置との間で関節運動することができる。アダプタ組立体14は、ハンドル組立体12の先端部に回転可能に結合された回転ノブ29内で支持される。回転ノブ29は、アダプタ組立体14及びツール組立体16に長手方向軸「X」の周りを回転させるために、長手方向軸「X」の周りを手動で回転可能である。
【0045】
本開示の態様において、ツール組立体16は、基端本体部32を含み、アダプタ組立体14の先端部に解放可能に結合される再装填組立体30の一部を形成する。再装填組立体30は、アダプタ組立体14から取り外されて交換され、アダプタ組立体14及びハンドル組立体12の再使用を促進することができる。代替的に、ツール組立体16は、アダプタ組立体14の先端部26に直接固定することができる。
【0046】
示されるように、ツール組立体16は、ステープルデバイスであり得、開位置と把持位置との間で互いに対して移動可能なカートリッジ組立体34及びアンビル36を含むことができる。本開示の態様において、アンビル36は、再装填組立体30の基端本体部32に確実に固定され、カートリッジ組立体は、開位置と把持位置との間で枢動することができる。カートリッジ組立体34を基端本体部32に固定して搭載することができ、アンビル36が開位置と把持位置との間で枢動することができると考えられる。ツール組立体16は、ステープルデバイスとして示されているが、ツール組立体16は、把持器、血管シーラー、クリップアプライヤー、縫合デバイス等を含め、多様な異なるタイプの外科デバイスを含み得ることが考えられる。
【0047】
図2~
図5は、ステープルデバイス10のハンドル組立体12を示し、ハンドル組立体12は、第1及び第2の半体42a及び42bで形成される筐体40(
図1)と、電池パック44とを含む。第1及び第2の半体42a及び42bは、一緒に結合されて、静止ハンドル部18(
図1)を形成し、開口部48(
図1)を有するキャビティ46を画定する。電池パック44は、開口部48内で受けられ固定され、電気接点52を含む基部50(
図5)を含む。
【0048】
ハンドル組立体12の筐体40の静止ハンドル部18は、モータシャフト56を含むモータ54を支持する。モータ54が通電されると、モータシャフト56が第1のベベルギア58を回転させるように、モータシャフト56は、第1のベベルギア58に固定される。ハンドル組立体12は、第1のベベルギア58がギア筐体60内に位置決めされるように、例えばねじ61(
図5)を用いてハンドル組立体12の筐体40の静止ハンドル部18の上に固定されたギア筐体60を含む。ギア筐体60は、プリント回路基板62(「PCB」)を支持し、プリント回路基板62は、作動ボタン20及び電池パック44に電気的に結合される。
【0049】
ハンドル組立体12は、第1のベベルギア58と係合し、ギア筐体60内に位置決めされた第2のベベルギア64を含む。第2のベベルギア64は、中央スルーボア66(
図5)を画定する。中央スルーボア66は、中央スルーボア66の長さに沿って伸びる長手方向スロット68を含む。長手方向スロット68は、更に詳細に後述するように、第2のベベルギア64をクラッチ70に結合するために設けられる。第2のベベルギア64は、第1の軸の周りの第1のベベルギア58の回転が、第1の軸を実質的に横断する第2の軸の周りで第2のベベルギア64を回転させるように、第1のベベルギア58に結合される。
【0050】
ハンドル組立体12は、先端環状フランジ64a(
図7)及び基端環状フランジ64b(
図7)を有する支持部材74を含む。第2のベベルギア64は、先端環状フランジ64a内での回転のために支持される基端ハブ部72を含む。本開示の態様において、支持部材74は、ねじ76(
図5)によってハンドル組立体12の筐体40内のギア筐体60に確実に固定される。支持部材74は、支持部材74(
図7)の環状フランジ64aと64bとの間に延びるスルーボア78を画定する。
【0051】
図5~
図7は、ハンドル組立体12の打込み組立体の構成要素を示す。打込み組立体は、打込みねじ80、ねじ釘82、結合部材84及び打込みロッド86を含む。打込みねじ80は、支持部材74のスルーボア78を通して延び、基端部及び先端部を有する。打込みねじ80の先端部は、ピン88(
図5)によって結合部材84の基端部に確実に結合される。結合部材84は、打込みロッド86の基端部に結合された先端部を含む。本開示の態様において、打込みロッド86の基端部は、段差部90を含み、段差部90は、結合部材84の先端部におけるスロット92(
図6)内で受けられて、打込みロッド86を結合部材84に軸方向に固定するが、打込みロッド86が結合部材84に対して回転できるようにする。打込み組立体上の構成要素は、打込みねじ80の長手方向移動が打込みロッド86の長手方向移動を生じさせるように結合される。
【0052】
ねじ釘82は、部分的に、第2のベベルギア64の中央スルーボア66内及び支持部材64の先端環状フランジ64a内で受けられる。ねじ釘82は、ねじ付きスルーボア94を画定し、外歯又はスプライン96(
図6)を含む。ねじ付きスルーボア94は、打込みねじ80を受け、ねじ釘82を打込みねじ80の周りに螺結合する。更に詳細に後述するように、クラッチ70が把持/発射位置にあるとき、スプライン96は、クラッチ70に係合する。
【0053】
管状スペーサ98が打込みねじ80の周囲で受けられ、ねじ釘82の先端部と係合して、ねじ釘82の軸方向位置をハンドル組立体12の筐体40内に維持する。更に詳細に後述するように、管状スペーサ98は、把持/発射位置と関節位置との間で移動するようにクラッチ70も支持する。
【0054】
ハンドル組立体12は、関節機構を含み、関節機構は、第1の関節ギア100、第2の関節ギア102、関節ねじ104及び関節リンク106を含む。第1の関節ギア100は、ギア筐体60上で回転するために支持され、外歯108を含む。本開示の態様において、第1の関節ギア100は、ギア筐体60上に支持された軸受け112上で回転可能に支持される先端延在ハブ(
図6)を含む。第1の関節ギア100及び軸受け112は、打込みねじ80を受ける中央開口部を画定する。第1の関節ギア100の中央開口部は、クラッチ70が関節位置(
図8)に移動したとき、クラッチ70によって係合されるスプライン114(
図13)の環状アレイによって画定される。
【0055】
第2の関節ギア102は、ギア筐体60上に回転可能に支持され、第1の関節ギア100と係合する。第2の関節ギア102は、関節ねじ104を受けるねじ付きスルーボア116を画定する。第2の関節ギア102は、第2の関節ギア102の回転が関節ねじ104の長手方向移動を生じさせるようにギア筐体60に軸方向において固定される。関節ねじ104は、関節ねじ104の長手方向移動が関節リンク106の長手方向移動を生じさせるように、関節リンク106の基端部に結合された先端部を含む。本開示の幾つかの態様において、関節ねじ104は、長手方向軸「X」(
図1)を横断する軸に沿って延びるガイドピン116を含む。ガイドピン116は、ハンドル組立体12のギア筐体60に画定されるチャネル116a内で受けられて、関節ねじ104がハンドル組立体12の筐体40内で回転しないようにする。
【0056】
ハンドル組立体12の筐体40の先端部は、関節本体130、関節フレーム132及び関節ロッド134を含む関節リンケージ124(
図5)を受けるキャビティ122を画定するバレル部120を含む。関節本体130は、打込みロッド86を受け、突起部138を含むスルーボア136(
図5)を画定する。関節フレーム132は、突起部138を受けて関節フレーム132を関節本体130に確実に固定する開口部140を画定する本体を含む。関節フレーム132は、関節ロッド134の基端部における開口部144(
図5)内で受けられて、関節フレーム132を関節ロッド134に結合するフィンガ142を含む。関節ロッド134は、再装填組立体30(
図1)に含まれる関節リンク(図示せず)に係合して、関節ロッド134の長手方向移動時にツール組立体16の関節運動を促進するように構成されたフック部134aを先端部に含む。米国特許第10,123,799号明細書には、関節運動のために搭載され、外科デバイスの関節ロッドと解放可能に係合するように構成されたツール組立体を含む外科デバイスの例示的な態様が開示されている。
【0057】
関節リンケージ124は、関節リンク106を関節本体130に固定する2部クリップ146も含む。本開示の態様において、関節リンク106は、2部クリップの個片の一方に画定されるT字形スロット150内で受けられるT字形ヘッド部を有する。2部クリップ146は、関節本体130の基端部に形成される環状フランジ152の周囲に固定されて、関節本体130を関節リンク106に回転可能に結合する。この配置により、回転ノブ29(
図1)がハンドル組立体12に対して回転したときなど、関節本体130は、関節リンク106に対して回転して、長手方向軸「X」の周りのアダプタ組立体14及びツール組立体16の回転を促進することができる。
【0058】
クラッチ70は、第2のベベルギア64のスルーボア66内で管状スペーサ98(
図7)の周囲に摺動可能に位置決めされ、関節位置(
図8)と把持/発射位置(
図15)との間で移動可能である。関節位置において、クラッチ70は、第1の関節ギア100と係合し、把持/発射位置において、クラッチ70は、ねじ釘82と係合する。
【0059】
図11及び
図12は、クラッチ70及び第2のベベルギア64を示す。クラッチ70は、基端部160及び先端部162を含む。クラッチ70の基端部160は、ねじ釘82に向かって基端方向に延び、第2のベベルギア64における長手方向スロット68内で受けられる隆起延長部164を含む。第2のベベルギア64の長手方向スロット68内で隆起延長部164を受けることにより、第2のベベルギア64をクラッチ70に回転可能に結合する。したがって、上述したように、モータ54(
図5)が通電されて第1のベベルギア58及び第2のベベルギア64を回転させるとき、クラッチ70は、第2のベベルギア64と共に回転する。
【0060】
クラッチ70は、スルーボア170を画定し、内部スプライン172を含む。クラッチ70が把持/発射位置(
図15)にあるとき、クラッチ70の内面にあるスプライン172は、ねじ釘82上のスプライン96と係合する。したがって、モータ54(
図5)が通電されてクラッチ70を回転させると、ねじ釘82も回転する。クラッチ70の先端部162は、環状フランジ180を含み、環状チャネル182を画定する。
【0061】
図13は、クラッチ70及び第1の関節ギア100を示す。クラッチ70の先端部は、複数のスプライン176を支持する。クラッチ70が関節位置(
図8)にあるとき、クラッチ70上のスプライン176は、クラッチ70の回転によって第1の関節ギア100が回転するように、第1の関節ギア100のスプライン114と係合する。
【0062】
図6は、臨床者がクラッチ70を関節位置と把持/発射位置との間で移動できるようにするために提供されたハンドル組立体12のセレクタスイッチ組立体190を示す。セレクタスイッチ組立体190は、クラッチスイッチ22及びフォーク192を含む。クラッチスイッチ22は、フィンガ係合部材196と、フィンガ係合部材196からハンドル組立体12の筐体40に延びる基部198とを含む。フォーク192は、クラッチスイッチ22の基部198を通して延び、フォーク192に形成された開口部202で受けられるピン200によってクラッチスイッチ22に固定される。フォーク192は、クラッチ70の環状チャネル182内で受けられる離間された爪206を含む。クラッチスイッチ22がハンドル組立体12の筐体40に沿って長手方向に移動すると、クラッチ70は、管状スペーサ98に沿って関節位置と把持/発射位置との間において、筐体40内で長手方向に移動する。
【0063】
図5及び
図8は、外科ステープルデバイス10(
図1)のハンドル組立体12の手動後退機構210を示す。手動後退機構210は、管状本体部212及び基端ハンドル部214を含む。管状本体部214は、打込みねじ80の周囲で受けられる。基端ハンドル部は、ハンドル組立体12の筐体40の基端部から突出し、手動後退機構210のハンドル部214の回転がねじ釘82に対して打込みねじ80を回転させて、打込みねじ80をハンドル組立体12内で進めるように、ピン216によって打込みねじ80に回転可能に固定される。ハンドル組立体12は、必要ない場合、手動後退機構210の基端ハンドル部214を囲む基端カバー220を含み得る。手動後退機構210は、ステープルデバイス10(
図1)の電気構成要素がツール組立体216(
図1)を作動させることに失敗した場合、例えばツール組立体16を後退位置又は非作動位置に戻すことに失敗した場合に使用することができる。
【0064】
図5は、PCB62に結合された安全スイッチ組立体230を示す。安全スイッチ組立体230は、ステープルデバイス10の非意図的な発射を阻止するために提供され、ステープルデバイス10を発射できるようにするには、安全スイッチ組立体230を押下して、ステープルデバイス10(
図1)をアクティブ化させなければならない。安全スイッチ組立体230については、本明細書で詳述しない。
【0065】
図8~
図10は、クラッチスイッチ22が関節位置に移動する際のステープルデバイス10を示す。クラッチスイッチ22が、
図8において矢印「A」によって示されるように、先端方向に摺動すると、クラッチ70は、矢印「B」の方向に管状スペーサ98の周りを移動して、クラッチ70の先端部162上のスプライン176(
図13)を第1の関節ギア100上のスプライン114と係合するように移動させる。示されるように、スプライン114及び176の係合端部は、テーパ形であり得、スプラインが自己整合できるようにする。モータ54が通電されると、モータ54は、第1のベベルギア58を回転させ、第1のベベルギア58は、第2のベベルギア64と係合して第2のベベルギア64を回転させる。上述したように、第2のベベルギア64は、第2のベベルギア64の回転がクラッチ70を回転させるように、クラッチ70と係合する。関節位置において、クラッチ70は、第1の関節ギア100と係合する。第1の関節ギア100の回転は、
図9において矢印「C」で示される方向に関節ねじ102の周りで第2の関節ギア102を回転させて、関節ねじ104を長手方向に矢印「D」の方向に移動させる。関節ねじ104は、関節ねじ104の長手方向移動が、関節リンク106を、
図9において矢印「E」の方向に長手方向に移動させるように、関節リンク106に結合される。上述したように、関節リンク106の長手方向移動は、関節本体130、関節板132及び関節ロッド134の長手方向移動を生じさせ、
図14における矢印「F」の方向にツール組立体16を関節運動させる。
【0066】
図15~
図20は、把持/発射位置のクラッチ70を示す。クラッチスイッチ22が
図15において矢印「G」の方向に筐体40の外面に沿って基端に移動すると、クラッチ70は、
図15において矢印「H」の方向に管状スペーサ98に沿って基端に移動して、クラッチ70のスプライン172(
図18)をねじ釘82のスプライン96(
図18)と係合させる。これが生じると、クラッチ70は、第1の関節ギア100から脱係合する。把持/発射位置において、モータ54は、通電されると、第1のベベルギア58を回転させ、第1のベベルギア58は、第2のベベルギア64と係合して第2のベベルギア64を回転させる。上述したように、第2のベベルギア64は、第2のベベルギア64の回転がクラッチ70を
図19において矢印「I」の方向に回転させるように、クラッチ70と係合する。クラッチ70が回転すると、ねじ釘82も打込みねじ80の周りを回転して、打込みねじ80を矢印「J」の方向に長手方向に移動させる。上述したように、打込みねじ80は、打込みロッド86に結合され、打込みロッド86をアダプタ組立体14(
図1)内で長手方向に移動させる。
【0067】
PCB62(
図5)は、電池パック44、モータ54、作動ボタン20及び安全スイッチ組立体230に電気的に結合される。PCB62は、モータコントローラ、作動ボタン20(
図3)に結合されたスイッチ及びハンドル組立体10の動作を制御して、ツール組立体16(
図1)の作動を制御するプロセッサ又はコントローラを収容する。コントローラは、開示される外科デバイス又はその構成要素を動作させる任意の適した電気構成要素を含むことができる。コントローラは、任意のタイプの計算デバイス、計算回路又はメモリに記憶された一連の命令を実行可能な任意のタイプのプロセッサ若しくは処理回路を含み得る。コントローラは、複数のプロセッサ及び/又はマルチコア中央演算処理装置(CPU)を含み得、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の任意のタイプのプロセッサを含み得る。コントローラは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに1つ又は複数の方法及び/又はアルゴリズムを実行させるデータ及び/又は命令を記憶するためにメモリを含むこともできる。
【0068】
図20~
図32は、一般にステープルデバイス300として示されるステープルデバイス10(
図1)の代替形態を示す。
図20は、ステープルデバイス300を示し、ステープルデバイス300は、ハンドル組立体312、長尺状本体又はアダプタ組立体314及びツール組立体316を含む。ハンドル組立体312は、静止ハンドル部318、作動ボタン320及びクラッチスイッチ322を含む。1つのクラッチスイッチがハンドル組立体312の各側に位置決めされる。アダプタ組立体314は、長手方向軸「X」を画定し、ハンドル組立体312に結合された基端部324と、ツール組立体316を支持する先端部326とを含む。ツール組立体316は、長手方向軸「X」を横断する軸「Y」を画定する枢動部材328により、アダプタ組立体314の先端部326に固定される。ツール組立体16は、軸「Y」の周りにおいて、ツール組立体16が長手方向軸「Y」と位置合わせされる関節位置と、ツール組立体の長手方向軸及び長手方向軸「X」が鋭角を画定する非関節位置との間で関節運動することができる。アダプタ組立体314の基端部324は、ハンドル組立体312の先端部に回転可能に結合された回転ノブ329内で支持される。回転ノブ329は、ハンドル組立体312に対して長手方向軸「X」の周りでアダプタ組立体314及びツール組立体316を回転させるために、長手方向軸「X」の周りを手動で回転可能である。
【0069】
本開示の態様において、ツール組立体316は、基端部及び先端部を有する基端本体部332を含む再装填組立体330の一部を形成する。基端本体部332の基端部は、アダプタ組立体14の先端部326に解放可能に結合され、基端本体部332の先端部は、ツール組立体316を支持する。再装填組立体330は、アダプタ組立体314から取り外れ、外科処置中、アダプタ組立体314及びハンドル組立体12の再使用を促進することができる。代替的に、ツール組立体316は、アダプタ組立体314の先端部326に直接固定することができる。
【0070】
本開示の態様では、ツール組立体316は、ステープルデバイスであり、互いに対して開位置と把持位置との間で移動可能なカートリッジ組立体334及びアンビル336を含む。本開示の態様において、アンビル336は、再装填組立体330の基端本体部332に確実に固定され、カートリッジ組立体334は、アンビル組立体326及び基端本体部332に対して開位置と把持位置との間で枢動する。カートリッジ組立体334を再装填組立体330の基端本体部332に固定して搭載することができ、アンビル336が開位置と把持位置との間で枢動することができると考えられる。ツール組立体316は、ステープルデバイスの形態で示されているが、ツール組立体316は、把持器、血管シーラー、クリップアプライヤー、縫合デバイスを含む多様な異なるタイプの外科デバイスを含み得ることが考えられる。
【0071】
図21~
図24は、ステープルデバイス310のハンドル組立体312を示し、ステープルデバイス310は、第1及び第2の半体342a及び342bで形成される本体340(
図20)と、電池パック344とを含む。第1及び第2の半体342a及び342bは、一緒に結合されて、静止ハンドル部318(
図20)を形成し、キャビティ346(
図22)と、電池パック344を受ける溝348(
図20)とを画定する。電池パック344は、電池パック44(
図5)と略同様であり、本明細書でこれ以上詳細に説明しない。
【0072】
ハンドル組立体212の本体340の静止ハンドル部318は、キャビティ346(
図22)の一部を画定し、モータシャフト(図示せず)を有するモータ354(
図21)を受ける。モータシャフトは、モータ354の動作が第1のベベルギア358を回転させるように、第1のベベルギア358(
図23)に固定される。ハンドル組立体312は、ギア筐体360(
図21)を含み、ギア筐体360は、第1のベベルギア358がギア筐体360内に位置決めされるように、例えばねじ361(
図23)を用いてハンドル組立体312の本体340の静止ハンドル部318の上で本体340に固定される。ギア筐体360は、プリント回路基板362(「PCB」)を支持する、
図21に見られるような上面を有し、PCB362は、作動ボタン320及び電池パック344に電気的に結合される。
【0073】
ハンドル組立体312は、第1のベベルギア358と係合し、ギア筐体360内に位置決めされる第2のベベルギア364(
図23)を含む。第2のベベルギア364は、中央スルーボア366(
図24)と、中央スルーボア366の長さに沿って延びる長手方向スロット368(
図24)とを画定する。長手方向スロット368は、詳細に更に後述するクラッチ370に第2のベベルギア364を結合するために設けられる。第2のベベルギア364は、第1の軸の周りの第1のベベルギア358の回転が、第2のベベルギア364を第1の軸の略直交する第2の軸の周りで回転させるように、第1のベベルギア358に結合される。
【0074】
ハンドル組立体312は、ギア筐体360に固定された支持部材374(
図23)を含み、且つスルーボア378を画定する段差付き円筒体375を含む。段差付き円筒体375(
図22)は、先端部375a及び基端部375bを有する。支持部材374の先端部375aは、ギア筐体360における開口部を通してギア筐体360内に延びる。第2のベベルギア364(
図24)は、支持部材374の先端部375a(
図23)内で回転するために支持される基端ハブ部372(
図24)を含む。本開示の態様において、支持部材374は、ねじ等によってハンドル組立体312の本体340内でギア筐体360に確実に固定される。
【0075】
図24~
図26は、ハンドル組立体312(
図20)の打込み組立体の構成要素を示す。打込み組立体は、打込みねじ380、ねじ釘382(
図24)、結合部材384及び打込みロッド386を含む。打込みねじ380は、支持部材374(
図22)のスルーボア378を通して延び、基端部及び先端部を有する。打込みねじ380の先端部は、ピン388(
図25)によって結合部材384の基端部に固定結合される。結合部材384は、打込みロッド386の基端部に結合された先端部を含む。本開示の態様において、打込みロッド386の先端部は、段差部390を含み、段差部390は、結合部材384の先端部におけるスロット392(
図6)内で受けられて打込みロッド386を結合部材384に軸方向に固定するが、打込みロッド386が結合部材384に対して回転できるようにする。打込み組立体上の構成要素は、打込みねじ380の長手方向移動が打込みロッド386の長手方向移動を生じさせるように結合される。
【0076】
ねじ釘382は、部分的に、第2のベベルギア364の中央スルーボア366(
図24)内及び支持部材364の先端部375a(
図23)内で受けられる。ねじ釘382は、ねじ付きスルーボア394を画定し、外歯又はスプライン396(
図24)を含む。ねじ付きスルーボア394は、打込みねじ380を受けて、ねじ釘382を打込みねじ380の周囲に螺結合する。更に詳細に後述するように、クラッチ370が把持/発射位置にあるとき、スプライン396は、クラッチ370と係合する。
【0077】
管状スペーサ398は、打込みねじ380の周りで受けられ、ねじ釘382の先端部と係合して、ねじ釘382の軸方向位置をハンドル組立体312の本体340(
図1)内に維持する。管状スペーサ398は、更に詳細に後述するように、把持/発射位置と関節位置との間で長手方向移動するためにクラッチ370も支持する。
【0078】
ハンドル組立体312(
図20)は、第1の関節ギア400、第2の関節ギア402、関節ねじ404及び関節リンク(図示せず)を含む関節機構を含む。第1の関節ギア400は、ギア筐体360上で回転するために支持され、外歯408を含む。本開示の態様において、第1の関節ギア400は、ギア筐体360(
図21)上で支持される軸受け412(
図24)上で回転可能に支持される先端に延びるハブ400a(
図24)を含む。第1の関節ギア400及び軸受け412は、第1の関節ギア400及び軸受け412の先端位置への打込みねじ380の通過を促進する中央開口部を画定する。第1の関節ギア400の中央開口部は、クラッチ370が関節位置に移動するとき、クラッチ370によって係合されるスプライン414(
図23)の環状アレイによって画定される。
【0079】
第2の関節ギア402は、ギア筐体360上に回転可能に支持され、第1の関節ギア400と係合する。第2の関節ギア402は、関節ねじ404の非円形端部を受けて、第2の関節ギア402を関節ねじ404に回転可能に固定する非円形スルーボア416を画定する。第2の関節ギア402は、第2の関節ギア402の回転が関節ねじ404の回転移動を生じさせるように、ハンドル組立体312(
図1)の本体340内でギア筐体360に軸方向において固定される。関節ねじ404は、関節ねじ404の回転移動がステープルデバイス310の長尺状本体314(
図20)内で関節リンクの長手方向移動を生じさせるように、結合405(
図21)によって関節リンク(図示せず)の基端部に結合された先端部を含む。
【0080】
本明細書において詳述しないが、ステープルデバイス300は、
図5に示され、詳細に上述した関節組立体124と同様の関節組立体を含み、関節組立体は、関節ねじ404をツール組立体316(
図20)に接続する。ハンドル組立体312(
図1)の関節機構は、ハンドル組立体12(
図1)の関節機構と同様に動作し、本明細書でこれ以上詳細に説明しない。
【0081】
クラッチ370は、第2のベベルギア364のスルーボア366内で管状スペーサ398(
図24)の周りに摺動可能に位置決めされ、関節位置と把持/発射位置との間で移動可能である。関節位置において、クラッチ370は、クラッチ370の回転が第1の関節ギア400の回転を生じさせて、ツール組立体316(
図20)を、ステープルデバイス10に関して上述したように非関節位置と関節位置との間で移動させるように、第1の関節ギア400と係合する。把持/発射位置において、クラッチ370は、クラッチ370の回転が、ステープルデバイス10に関して上述したように、ねじ釘382を回転させ、打込みロッド386を含む打込み組立体をステープルデバイス300内で長手方向に移動させて、ツール組立体316(
図20)を作動させるように、ねじ釘382と係合する。
【0082】
図24は、クラッチ370及び第2のベベルギア364を示す。クラッチ370は、基端部460及び先端部462を含む。クラッチ370の基端部460は、ねじ釘382に向かって長手方向に延び、第2のベベルギア364における長手方向スロット368内で受けられる隆起延長部464を含む。第2のベベルギア364の長手方向スロット368内で隆起延長部464を受けることで、第2のベベルギア364をクラッチ370に回転可能に結合する。したがって、モータ354(
図22)が通電されて第1のベベルギア358及び第2のベベルギア364を上述したように回転させると、クラッチ370は、第2のベベルギア364と共に回転する。
【0083】
クラッチ370は、スルーボア470を画定し、クラッチ70のスプライン172(
図11)のような内部スプライン(図示せず)を含む。クラッチ370が把持/発射位置にあるとき、クラッチ370の内面上のスプラインは、ねじ釘382上のスプライン396と係合する。したがって、モータ54(
図22)が通電されてクラッチ370を回転させると、ねじ釘382も回転する。クラッチ370の先端部462は、環状フランジ480を含み、環状チャネル482を画定する。
【0084】
クラッチ370が関節位置にあるとき、クラッチ370及び第1の関節ギア400は、互いに回転可能に結合される。より具体的には、クラッチ370の先端部は、複数のスプライン476を支持する。クラッチ370が関節位置(
図8)にあるとき、クラッチ470上のスプライン476は、クラッチ470の回転が第1の関節ギア400を回転させるように、第1の関節ギア400のスプライン414(
図23)と係合する。
【0085】
クラッチ470は、付勢部材484によって把持/発射位置に向けて付勢される。本開示の態様において、付勢部材484は、コイルばねを含むが、他のタイプの付勢部材も考えられる。付勢部材484は、クラッチ370がねじ釘382に向けて基端に付勢されるように、クラッチ370の先端面と第1の関節ギア400との間で圧縮される。
【0086】
ハンドル組立体312は、ハンドル組立体12のセレクタスイッチ組立体190(
図6)と同様であり、クラッチ370を把持/発射位置から関節位置に移動させる機構を臨床者に提供するセレクタスイッチ組立体490を含む。セレクタスイッチ組立体490は、クラッチスイッチ322及びフォーク部材492を含む。クラッチスイッチ322は、ハンドル組立体312(
図20)の本体340の両側に摺動可能に位置決めされ、フィンガ係合部材496と、フィンガ係合部材496からハンドル組立体312の本体340における長手方向スロット(図示せず)を通して延びる延長部498とを含む。延長部498は、弾性であり、筐体312の本体340における長尺状スロット(図示せず)を通してスナップ嵌め様式で受けられて、クラッチスイッチ322をハンドル組立体312の本体340(
図20)に摺動可能に固定する。フォーク部材492の各々は、横方向ロッド500及び半円形結合部材502を含む。横方向ロッド500の各々1つは、クラッチスイッチ322のそれぞれ1つに固定される。本開示の態様において、クラッチスイッチ322の各々は、横方向ロッド500のそれぞれ1つの端部を受けてクラッチスイッチ322を横方向ロッド500に固定するボア(図示せず)を画定する。代替的に、横方向ロッド500を多様な異なる様式でクラッチスイッチ322に固定することができるか、又は横方向ロッド500及びクラッチスイッチ322を一体形成することができると考えられる。フォーク部材492の半円形結合部材502の各々は、クラッチ370の環状チャネル482内で受けられる。クラッチスイッチ322がハンドル組立体312の本体340に沿って長手方向に移動すると、クラッチ370は、把持/発射位置から関節位置への付勢部材484の付勢に逆らって管状スペーサ398に沿って本体340内で長手方向に移動する。
【0087】
本開示の態様において、ハンドル組立体312は、ハンドル組立体312の本体340内で支持され、長尺状本体314の長手方向軸「X」(
図20)と平行な方向に延びるガイドロッド504を含む。ガイドロッド504の各々は、ハンドル組立体312の本体340内で支持され、セレクタスイッチ組立体490の横方向ロッド500のそれぞれ1つにおける開口部506を通して延びる。セレクタスイッチ組立体490が後退位置から前進位置に移動して、クラッチ370を把持/発射位置から関節位置に移動させるときて、ガイドロッド504は、セレクタスイッチ組立体490のフォーク部材492の移動を案内する。本開示の態様において、ガイドロッド504の各々は、L字形構成を有し、基端横方向部510を含む。基端横方向部510は、ブラケット512のスロット512a内で受けられ、ブラケット512は、ねじ514(
図30)を用いてギア筐体360に固定される。
【0088】
本開示の幾つかの態様において、セレクタスイッチ組立体490は、セレクタスイッチ組立体490のフォーク部材492を基端的に付勢して、クラッチ370を把持/発射位置に付勢する付勢部材520を含む。付勢部材520は、コイルばねであり得るが、他のタイプの付勢部材も考えられる。
【0089】
図24~
図26は、安全トグル機構600を示し、安全トグル機構600は、第1及び第2のトグル部材602及び604、シャフト606、安全スライダ608並びに付勢部材610(
図24)を含む。安全トグル602及び604の各々は、ハブ612及びレバー614を含む。ハブ612は、ハンドル組立体312(
図20)の本体340の両側に画定される開口部(図示せず)において回転可能に支持され、D字形ボア616(
図24)を画定する。シャフト606は、D字形延長部618(
図24)を含む第1及び第2の端部を有し、D字形延長部618は、第1及び第2のトグル部材602及び604のそれぞれのD字形ボア616において受けられて、シャフト606の第1及び第2の端部を第1及び第2のトグル部材602及び604に回転可能に固定する。シャフト606は、チャネル622(
図24)と、チャネル622と連通する長尺状スロット624とを画定する縮径部620を含む。安全スライダ608は、円形本体626と、円形本体626から外側に延び、テーパ形カム面628aを含む停止部材628とを有する。安全スライダ608の円形本体626は、シャフト606の縮径部620の周りに摺動可能に位置決めされ、内側延長タブ630と、第2のトグル部材604に向かって延びる突起部631とを含む。タブ630は、長尺状スロット624を通してシャフト606のチャネル622内に延び、安全スライダ608がシャフト606の周りを回転しないようにする。付勢部材610は、第1のトグル部材602と、シャフト606のチャネル622内の安全スライダ608のタブ630との間に位置決めされて、シャフト606の縮径部620の周りで安全スライダ608を第2のトグル604に向けて付勢する。
【0090】
安全トグル機構600のシャフト606は、アーム632を支持し、アーム632は、ハンドル組立体312の本体340(
図20)内のシャフト606から外側に延びる。シャフト606は、第1及び第2のトグル部材602及び604をハンドル組立体312のいずれかの側から回転させて、安全トグル機構600を非アクティブ位置からアクティブ位置(
図30)に移動させることにより、本体340(
図1)のキャビティ346(
図22)内で回転可能である。安全トグル機構600がアクティブ位置にあるとき、更に詳細に後述するように、アーム632は、回転してハンドル組立体312内の接点650(
図30)と係合して、接点650を閉じ、ステープルデバイス10(
図1)を発射可能位置に配置する。
【0091】
図25及び
図26に示されるように、ステープルデバイス300(
図1)の打込み組立体が後退位置にあるとき、結合部材384は、安全スライダ608の停止部材628に隣接して位置決めされて、安全トグル機構600が非アクティブ位置からアクティブ位置に回転しないようにする。したがって、停止部材628は、シャフト606上のアーム632が移動して接点650と係合し、接点650を閉じることを阻止する。したがって、ステープルデバイス10(
図1)の打込み組立体が後退位置にある状態では、ステープルデバイス300は、発射することができない。
【0092】
図27~
図31は、安全トグル機構600が非アクティブ位置からアクティブ位置に移動する際のハンドル組立体312を示す。打込み組立体が前進位置に移動して、結合部材384を安全スライダ608の停止部材628を越えて先端に進め、ツール組立体316を把持位置に移動させると、第1及び第2のトグル部材602及び604は、
図27、
図29及び
図30において矢印「A」の方向に回転することができる。安全トグル部材602及び604が矢印「A」の方向に回転すると、安全スライダ608の停止部材628は、結合部材384を越えて回転し、シャフト606上で支持されたアーム632は、移動して接点650(
図30)と係合して、接点650を閉位置に移動させ、ステープルデバイス300を発射可能位置に配置する。接点650が閉じられた状態では、ステープルデバイス300(
図20)は、作動ボタン320を押下することによって作動することができる。
【0093】
安全スライダ608の当接部材628が矢印「A」の方向に移動すると、安全スライダ608上に形成された突起部660は、ギア筐体360上に形成されたテーパ形カム部材662(
図28)と係合し、テーパ形カム部材662に沿って移動する。この係合は、安全スライダ608を、
図27における矢印「B」の方向に、付勢部材610の付勢に逆らってシャフト606の縮径部に沿ってテーパ形カム部材662を越えて運動変換させる。突起部660がテーパ形カム部材662を越えて移動すると、付勢部材610は、安全スライダ608をシャフト606の縮径部620上の元の位置に戻す。テーパ形カム部材662は、基端停止面664(
図28)を有する。突起部660がテーパ形カム部材662を通過すると、突起部660は、ギア筐体360上の停止面664と係合して、安全トグル機構600をアクティブ位置に保持する。上述したように、アクティブ位置において、接点650は、閉位置にあり、ステープルデバイス300を発射可能位置に配置する。
【0094】
ステープルデバイス300は、外科ステープルデバイス10(
図1)のハンドル組立体12(
図1)の手動後退機構210(
図5)と略同様である手動後退機構710(
図21)を含む。
【0095】
図32は、セレクタスイッチ組立体490の動作を示す。詳細に上述したように、クラッチ370は、付勢部材484(
図24)によって(比較的度合いは低いが、付勢部材520によっても)把持/発射位置に向けて付勢される。クラッチ370を関節位置に移動させるために、クラッチスイッチ322の一方又は両方は、臨床者によって係合され、矢印「C」の方向にハンドル組立体312の本体340(
図20)に沿って先端に摺動して、フォーク部材492を矢印「C」の方向に移動させることができる。フォーク部材492は、矢印「C」の方向におけるフォーク部材492の移動がクラッチ370を矢印「D」の方向に移動させて関節位置に到達させるように、クラッチ370の周りに固定され、関節位置において、クラッチ370の先端部上のスプライン476(
図24)は、第1の関節ギア400のスプライン414(
図23)と係合する。セレクタスイッチ組立体490が臨床者によって解放されると、付勢部材484は、クラッチ370を把持/発射位置に付勢する。クラッチ370が把持/発射位置及び関節位置にある状態でのステープルデバイス300(
図20)の動作は、実質的に上述したようなものであり、本明細書でこれ以上詳述しない。
【0096】
本明細書に特に記載され、添付図面に特に示されたデバイス及び方が本開示の非限定的で例示的な態様であることを当業者は理解するであろう。例示的な一実施形態と関連して示されるか又は記載された要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の例示的な実施形態の要素及び特徴と組み合わされ得ると考えられる。同様に、本開示の上記の態様に基づいて、当業者は、本開示の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され、記載されたものによって限定されるべきではない。
【国際調査報告】