IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】内側安定型整形外科用膝プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
A61F2/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501128
(86)(22)【出願日】2021-07-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2021069244
(87)【国際公開番号】W WO2022008755
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/050,744
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヘルドレス・マーク・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ベネット・トラビス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】マーネ・アミットクマール・エム
(72)【発明者】
【氏名】ウォゴマン・トーマス・イー
(72)【発明者】
【氏名】ロック・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト・スティーブン・イー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC13
4C097CC17
4C097DD01
4C097DD09
(57)【要約】
整形外科用膝プロテーゼ(100)は、脛骨インサート(104)と、脛骨インサート上で関節接合するように構成された大腿骨コンポーネント(102)とを含む。脛骨インサートは、外側関節表面(122)と、外側関節表面に対して非対称に成形された内側関節表面(124)とを含む。内側関節表面は、大腿骨コンポーネントの内側顆の前方への並進運動を低減するように成形されており、外側関節表面は、大腿骨コンポーネントの外側顆が弓状関節経路(806)に沿って内側関節表面に対して枢動することができるように成形されている。更に、大腿骨コンポーネントの一方又は両方の顆(112、114)は、連続的に減少する曲率半径によって画定される湾曲大腿骨表面部分を有する大腿骨関節表面(110)を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脛骨インサートであって、
大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成され、前後方向に延在する弓状関節経路を含む外側関節表面であって、前記弓状関節経路は、前記外側関節表面上の複数の点によって画定され、前記脛骨インサートを各点における内外断面で見たとき、各点は、前記対応する内外断面で前記外側関節表面の最遠位点を画定し、前記外側関節表面は、前記弓状関節経路に直交する断面凹状湾曲を有し、前記断面凹状湾曲は、前記複数の点のそれぞれにおいて均一である、外側関節表面と、
前記大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面であって、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記前後方向に不均一な冠状凹状湾曲を有する、内側関節表面と、を含む、脛骨インサート。
【請求項2】
前記内側関節表面は、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、前記内側関節表面の前記冠状凹状湾曲は、前記内側ドエル点の前方で不均一であり、前記内側ドエル点の後方で均一である、請求項1に記載の脛骨インサート。
【請求項3】
前記弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、前記平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有し、
前記準平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する外側ドエル領域を画定する、請求項1に記載の脛骨インサート。
【請求項4】
各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、請求項3に記載の脛骨インサート。
【請求項5】
前記複数の後方湾曲部分は、前記平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、前記第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、前記第1の後方湾曲部分の曲率半径は、前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、請求項3に記載の脛骨インサート。
【請求項6】
前方湾曲部分は、(i)前記第1の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、かつ(ii)前記第2の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている、請求項5に記載の脛骨インサート。
【請求項7】
前記前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、前記第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する、請求項5に記載の脛骨インサート。
【請求項8】
前記内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲と、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点とを含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置する、請求項1に記載の脛骨インサート。
【請求項9】
前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい、請求項8に記載の脛骨インサート。
【請求項10】
前記第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する、請求項9に記載の脛骨インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条の下で、2020年7月10日に出願された米国特許仮出願第63/050,744号「ORTHOPAEDIC KNEE PROSTHESIS SYSTEM AND METHODS FOR USING SAME」に対する優先権を主張するものであり、当該出願は、参照により本出願に明示的に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、整形外科用膝プロテーゼシステムに関し、特に、全膝関節形成術のための整形外科用膝プロテーゼ、器具、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節が人工関節によって置換される、周知の外科手術である。通常の膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマーインサート又はベアリングを含む。患者の関節への損傷の重症度に応じて、様々な可動性の整形外科用プロテーゼを使用することができる。例えば、膝プロテーゼは、著しい軟組織損傷又は損失が存在する場合など、膝プロテーゼの運動を制限することが望ましい一部の場合に、「固定」脛骨インサートを含み得る。あるいは、膝プロテーゼは、より大きな運動自由度が所望される場合に、「可動」脛骨インサートを含み得る。加えて、膝プロテーゼは、患者の大腿骨の両方の顆の大腿骨脛骨境界面を置換するように設計された人工膝プロテーゼ、又は患者の大腿骨の単一顆の大腿骨-脛骨境界面を置換するように設計されたユニコンパートメント(単顆)膝プロテーゼであり得る。
【0004】
患者の自然膝関節を置換するために使用される整形外科用膝プロテーゼのタイプはまた、手術中に患者の後十字靭帯が保持されるか、又は犠牲にされる(すなわち、除去される)かどうかに依存し得る。例えば、患者の後十字靭帯が手術中に損傷、病変、及び/又は他の方法で除去される場合、後方安定化膝プロテーゼを使用して、後屈曲度で追加の支持及び/又は制御を提供することができる。あるいは、後十字靭帯が無傷である場合、十字靭帯保持膝プロテーゼを使用してもよい。
【0005】
典型的な整形外科用膝プロテーゼは、一般に、患者の関節の自然な動きを再現するように設計されている。膝が屈曲及び伸展されると、大腿骨及び脛骨コンポーネントは関節運動し、相対的な前方-後方運動及び相対的な内部-外部回転の組み合わせを受ける。しかしながら、患者の周囲の軟組織はまた、関節の運動範囲にわたって整形外科用膝プロテーゼの運動学及び安定性に影響を与える。すなわち、患者の軟組織によって整形外科用コンポーネントに及ぼされる力は、整形外科用膝プロテーゼの不要な、又は望ましくない運動を引き起こし得る。例えば、整形外科用膝プロテーゼは、大腿骨コンポーネントが屈曲範囲を通って移動される際に、不自然な(奇異性)前関節並進運動を呈し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、脛骨インサートは、外側関節表面及び内側関節表面を含む。外側関節表面は、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成されており、前後方向に延在する弓状関節経路を含む。弓状関節経路は、外側関節表面上の複数の点によって画定され、脛骨インサートを各点における内外断面で見たとき、各点は、対応する内外断面で外側関節表面の最遠位点を画定する。外側関節表面は、弓状関節経路に直交する断面凹状湾曲を有し、断面凹状湾曲は、複数の点のそれぞれにおいて均一である。内側関節表面は、大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成されている。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、前後方向に不均一な冠状凹状湾曲を有する。
【0007】
一実施形態では、内側関節表面は、内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む。内側関節表面の冠状凹状湾曲は、内側ドエル点の前方で不均一であり、内側ドエル点の後方で均一である。
【0008】
一実施形態では、弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する。準平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する外側ドエル領域を画定する。一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。
【0009】
一実施形態では、複数の後方湾曲部分は、平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、第1の後方湾曲部分の曲率半径は、第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、前方湾曲部分は、(i)第1の後方湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ(ii)第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている。一実施形態では、前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0010】
一実施形態では、内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲と、内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点とを含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。一実施形態では、複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する。
【0011】
一実施形態では、複数の湾曲部分は、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含む。第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。一実施形態では、第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0012】
一実施形態では、内側関節表面の冠状凹状湾曲は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定され、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。一実施形態では、第1の冠状湾曲は、内側ドエル点から内側に18.6度~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている。一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第2の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。一実施形態では、第2の冠状湾曲部分の第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0013】
一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する。第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の平面部分は、脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、第3の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、16.4度~24.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0014】
一実施形態では、脛骨インサートは、前方側壁と、前方側とは反対側の後方側壁とを更に含み、前方側壁と後方側壁との間の距離は、脛骨インサートの前後長を画定する。内側関節表面は、内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、内側ドエル点は、前端から前後長の約63.3%の位置にある。
【0015】
一実施形態では、内側関節表面は、内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、外側関節表面の弓状関節経路は、水平面で見たとき、内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている。
【0016】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含む。ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0017】
別の態様によれば、脛骨インサートは、外側関節表面及び内側関節表面を含む。外側関節表面は、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成されており、前後方向に延在する弓状関節経路を含む。弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分を含む湾曲を有し、準平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する。内側関節表面は、大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成されている。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、内側顆表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む。内側ドエル点は、内側顆表面上で、(i)外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の最前端を含む脛骨インサートの第1の仮想内外二等分線と、外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の最後端を含む脛骨インサートの第2の仮想内外二等分線との間、かつ(ii)外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の前後中間点の後方に位置する。
【0018】
一実施形態では、脛骨インサートは、前方側壁と、前方側とは反対側の後方側壁とを更に含み、前方側壁と後方側壁との間の距離は、脛骨インサートの前後長を画定する。内側ドエル点は、前端から前後長の約63.3%の位置にある。
【0019】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点の前方で不均一かつ内側ドエル点の後方で均一な冠状凹状湾曲を有する。
【0020】
一実施形態では、弓状関節経路の湾曲は、断面で見たとき、準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、準平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを更に含む。一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。一実施形態では、複数の後方湾曲部分は、平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、第1の後方湾曲部分の曲率半径は、第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、前方湾曲部分は、(i)第1の後方湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ(ii)第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている。一実施形態では、前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0021】
一実施形態では、内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲を含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。一実施形態では、複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する。
【0022】
一実施形態では、複数の湾曲部分は、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。一実施形態では、第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0023】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状湾曲を有し、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。一実施形態では、第1の冠状湾曲は、内側ドエル点から内側に18.6度~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている。
【0024】
一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第2の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。一実施形態では、第2の冠状湾曲部分の第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0025】
一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の平面部分は、脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、第3の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、16.4度~24.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0026】
一実施形態では、弓状関節経路は、水平面で見たとき、内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている。
【0027】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含む。ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0028】
別の態様によれば、脛骨インサートは、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面と、大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面とを含む。外側関節表面は、前後方向に延在する弓状関節経路と、弓状関節経路上に位置する外側関節表面上の最遠位点を画定する外側ドエル点と、前方外側リップとを含み、外側ドエル点と前方外側リップの最上点との間の上下距離は、前方外側リップのリップ高さを画定する。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点と、前方内側リップとを含み、内側ドエル点と内側外側リップ上の最上点との間の上下距離は、前方内側リップのリップ高さを画定する。前方内側リップのリップ高さは、前方外側リップのリップ高さよりも高く、内側関節表面の前方側壁と内側関節表面の後方側壁との間の前後距離に対する前方内側リップのリップ高さの比は、18.9%~20.9%の範囲である。
【0029】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点の前方で不均一かつ内側ドエル点の後方で均一な冠状凹状湾曲を有する。
【0030】
一実施形態では、弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する。外側ドエル点は、準平面部分に位置する。
【0031】
一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。
【0032】
一実施形態では、複数の後方湾曲部分は、平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、第1の後方湾曲部分の曲率半径は、第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、前方湾曲部分は、(i)第1の後方湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ(ii)第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている。一実施形態では、前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0033】
一実施形態では、内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲を含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。一実施形態では、複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい。一実施形態では、第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する。
【0034】
一実施形態では、複数の湾曲部分は、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。一実施形態では、第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0035】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状湾曲を有し、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。一実施形態では、第1の冠状湾曲は、内側ドエル点から内側に18.6度~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている。
【0036】
一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第2の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。一実施形態では、第2の冠状湾曲部分の第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、第2の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0037】
一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の平面部分は、脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている。一実施形態では、第3の冠状湾曲の第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、第3の冠状湾曲の第2の冠状湾曲部分は、16.4度~24.7度の範囲の弧長にわたって延在する。
【0038】
一実施形態では、脛骨インサートは、前方側と、前方側とは反対側の後方側とを更に含む。前方側と後方側との間の距離は、脛骨インサートの前後長を画定する。内側ドエル点は、前端から前後長の約63.3%の位置にある。一実施形態では、外側関節表面の弓状関節経路は、水平面で見たとき、内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている。
【0039】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含む。ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0040】
更に別の態様によれば、整形外科用膝プロテーゼは、外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントと、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面及び大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面を有する脛骨インサートとを含む。内側顆は、連続的に減少する曲率半径によって画定される第1の湾曲大腿骨表面部分を含む複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含む。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む。内側顆は、第1の屈曲度で第1の湾曲大腿骨表面部分上の第1の接触点において内側ドエル点に接触し、第2の屈曲度で第1の湾曲大腿骨表面部分上の第2の接触点において内側ドエル点に接触し、第2の接触点は、第1の接触点の後方にあり、第2の屈曲度は、第1の屈曲度よりも大きい。内側関節表面は、第1の屈曲度でのドエル点の前方の位置における内側顆との第1の矢状適合性と、第2の屈曲度でのドエル点の前方の位置における内側顆との第2の矢状適合性とを有する、矢状凹状湾曲を含み、第2の矢状適合性は、第1の矢状適合性よりも大きく、第2の屈曲度での内側顆の前方への並進運動を低減する。
【0041】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、内側関節表面の矢状凹状湾曲と内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい。一実施形態では、第1の屈曲度は約30度である。
【0042】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、当該屈曲度での冠状凹状湾曲と内側顆との間の冠状適合性は、内側ドエル点の前方にある内側関節表面上の位置よりも内側関節表面の内側ドエル点における方が大きい。一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点の前方で不均一であり、内側ドエル点の後方で均一である。
【0043】
一実施形態では、内側顆及び内側関節表面は、外側顆及び外側関節表面よりも互いに適合している。
【0044】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、冠状凹状湾曲と内側顆との間の冠状適合性は、大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい。
【0045】
一実施形態では、外側関節表面は、断面で見たとき、平面部分と、準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する弓状関節経路を含む。準平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する。一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。
【0046】
一実施形態では、内側関節表面の矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含む。第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。
【0047】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。
【0048】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含む。ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0049】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定し、第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する。一実施形態では、第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定されている。各線は、以下の多項式によって画定される長さを有する。rθ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、式中、rθは、θ度の屈曲での第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である。
【0050】
一実施形態では、複数の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、第2の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている。一実施形態では、第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する。
【0051】
別の態様によれば、整形外科用膝プロテーゼは、外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントと、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面及び大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面を有する脛骨インサートとを含む。内側顆は、第1の湾曲大腿骨表面部分と、第1の湾曲大腿骨表面部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分とを含む、複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含み、第1の湾曲大腿骨表面部分は、連続的に減少する曲率半径によって画定され、第2の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む。内側顆は、(i)第1の屈曲度で第1の湾曲大腿骨表面部分上の第1の接触点において内側ドエル点に接触し、第1の接触点は、第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径によって画定され、(ii)第1の屈曲度よりも大きい第2の屈曲度で第2の湾曲大腿骨表面部分上の第2の接触点において内側ドエル点に接触し、第2の接触点は、第2の湾曲大腿骨表面部分の一定の曲率半径によって画定されている。第2の屈曲度での内側ドエル点と第2の湾曲大腿骨表面部分の一定の曲率半径の原点との間の上下距離は、第1の屈曲度での内側ドエル点と第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径の原点との間の上下距離よりも大きい。
【0052】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、内側関節表面の矢状凹状湾曲と内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい。一実施形態では、第1の屈曲度は約30度である。
【0053】
一実施形態では、内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、内側ドエル点において、矢状凹状湾曲は、大腿骨コンポーネントの第1の屈曲度で内側顆と第1の矢状適合性を有し、内側ドエル点の前方にある内側関節表面上の位置において、矢状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第2の矢状適合性を有し、第2の矢状適合性は、第1の矢状適合性よりも大きい。
【0054】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、内側ドエル点において、冠状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第1の冠状適合性を有し、内側ドエル点の前方にある内側関節表面上の位置において、冠状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第2の冠状適合性を有し、第2の冠状適合性は、第1の冠状適合性よりも大きい。一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点の前方で不均一であり、内側ドエル点の後方で均一である。
【0055】
一実施形態では、内側顆及び内側関節表面は、外側顆及び外側関節表面よりも互いに適合している。
【0056】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、冠状凹状湾曲と内側顆との間の冠状適合性は、大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい。
【0057】
一実施形態では、外側関節表面は、断面で見たとき、準平面部分と、準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する弓状関節経路を含む。平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する。一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。
【0058】
一実施形態では、内側関節表面の矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含む。第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。
【0059】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。
【0060】
一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。
【0061】
一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。
【0062】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0063】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定し、第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する。一実施形態では、第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定されている。各線は、以下の多項式によって画定される長さを有する。rθ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、式中、rθは、θ度の屈曲での第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である。
【0064】
一実施形態では、複数の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、第2の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている。一実施形態では、第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する。
【0065】
別の態様によれば、整形外科用膝プロテーゼは、外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントと、大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面及び大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面を有する脛骨インサートとを含む。内側顆は、連続的に減少する曲率半径によって画定される第1の湾曲大腿骨表面部分を含む複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含む。外側関節表面は、前後方向に延在する弓状関節経路を含み、弓状関節経路は、断面で見たとき、平面部分を含む湾曲を有し、平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する。内側関節表面は、外側関節表面に対して非対称に成形されており、内側顆表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、内側ドエル点は、内側顆表面上で、(i)外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の最前端を含む脛骨インサートの第1の仮想内外二等分線と、外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の最後端を含む脛骨インサートの第2の仮想内外二等分線との間、かつ(ii)外側関節表面の矢状湾曲の平面部分の前後中間点の後方に位置する。
【0066】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、内側関節表面の矢状凹状湾曲と内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい。一実施形態では、第1の屈曲度は約30度である。
【0067】
一実施形態では、内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、内側ドエル点において、矢状凹状湾曲は、大腿骨コンポーネントの第1の屈曲度で内側顆と第1の矢状適合性を有し、内側ドエル点の前方にある内側関節表面上の位置において、矢状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第2の矢状適合性を有し、第2の矢状適合性は、第1の矢状適合性よりも大きい。
【0068】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、内側ドエル点において、冠状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第1の冠状適合性を有し、内側ドエル点の前方にある内側関節表面上の位置において、冠状凹状湾曲は、第1の屈曲度で内側顆と第2の冠状適合性を有し、第2の冠状適合性は、第1の冠状適合性よりも大きい。一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点の前方で不均一であり、内側ドエル点の後方で均一である。
【0069】
一実施形態では、内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、冠状凹状湾曲と内側顆との間の冠状適合性は、大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい。
【0070】
一実施形態では、外側関節表面の弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する。準平面部分は、外側関節表面の最遠位領域を画定する。一実施形態では、各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、複数の後方湾曲部分の曲率半径は、後方で減少している。
【0071】
一実施形態では、内側関節表面の矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、内側ドエル点は、矢状凹状湾曲上に位置する。複数の湾曲部分は、内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含む。第1の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、第3の湾曲部分の曲率半径は、第2の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ第5の曲率半径の半径よりも小さい。
【0072】
一実施形態では、内側関節表面は、内側ドエル点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、第1、第2、及び第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる。
【0073】
一実施形態では、第2の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第3の湾曲部分の最後点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい。
【0074】
一実施形態では、第3の冠状湾曲は、内側関節表面の矢状凹状湾曲を画定する複数の湾曲部分のうちの第4の湾曲部分の最前点で内側関節表面の矢状凹状湾曲と交差し、第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、平面部分の内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている。
【0075】
一実施形態では、脛骨インサートは、脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、ロック機構の第1の部分は、脛骨基部に位置するロック機構の第2の部分と嵌合して、脛骨インサートを脛骨基部に固定するように構成されている。
【0076】
一実施形態では、大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定する。第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する。一実施形態では、第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定されている。各線は、以下の多項式によって画定される長さを有する。rθ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、式中、rθは、θ度の屈曲での第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である。
【0077】
一実施形態では、複数の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、第2の湾曲大腿骨表面部分は、第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている。一実施形態では、第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
図1】整形外科用膝プロテーゼの実施形態の分解斜視図である。
図2】組み立てられた構成の図1の整形外科用膝プロテーゼの外側斜視図である。
図3図1の整形外科用膝プロテーゼの前方立面図である。
図4図1の整形外科用膝プロテーゼの大腿骨コンポーネントの実施形態の側方立面図である。
図5図4の大腿骨コンポーネントの一群の大腿骨コンポーネントサイズに対する曲率半径の終了屈曲度の実施形態の表である。
図6図4の大腿骨コンポーネントの一群の大腿骨コンポーネントサイズに対する曲率半径の長さ値及び対応する比の実施形態の表である。
図7図4の大腿骨コンポーネントの1つ以上の顆表面の曲面部分を画定し得る多項式の係数値の実施形態の表である。
図8】外側弓状関節経路を示す図1の整形外科用膝プロテーゼの脛骨インサートの上面図である。
図9】外側ドエル領域を示す図8の脛骨インサートの別の上面図である。
図10図8の脛骨インサートの下方斜視図である。
図11図8の脛骨インサートの下面図である。
図12図8の脛骨インサートの前方立面図である。
図13図8の脛骨インサートの後方立面図である。
図14図8の脛骨インサートの外側立面図である。
図15図8の脛骨インサートの内側立面図である。
図16】外側ドエル領域を示す図8の脛骨インサートの外側関節表面の断面図である。
図17】内側ドエル点を示す矢状面における図8の脛骨インサートの内側関節表面の断面図である。
図18】脛骨インサートの関節表面の矢状湾曲及び冠状湾曲を示す図8の脛骨インサートの斜視図である。
図19】いくつかの断面切断線を示す図8の脛骨インサートの上面図である。
図20図19の線20-20に沿った複合面における図8の脛骨インサートの実施形態の外側関節表面の断面図である。
図21図19の線20-20に沿った複合面における図8の脛骨インサートの別の実施形態の外側関節表面の断面図である。
図22図19の線22-22に沿った矢状面における図8の脛骨インサートの実施形態の内側関節表面の断面図である。
図23図19の線23-23に沿った冠状面における図8の脛骨インサートの実施形態の外側関節表面の断面図である。
図24図19の線24-24に沿った冠状面における図8の脛骨インサートの実施形態の内側関節表面の断面図である。
図25図19の線24-24に沿った冠状面における図8の脛骨インサートの別の実施形態の内側関節表面の断面図である。
図26図19の線26-26に沿った冠状面における図8の脛骨インサートの実施形態の内側関節表面の別の断面図である。
図27図19の線27-27に沿った冠状面における図8の脛骨インサートの実施形態の内側関節表面の別の断面図である。
図28】約0度の屈曲における図1の整形外科用膝プロテーゼの内側立面図である。
図29】約35度の屈曲における図1の整形外科用膝プロテーゼの内側立面図である。
図30】約90度の屈曲における図1の整形外科用膝プロテーゼの内側立面図である。
図31】約110度の屈曲における図1の整形外科用膝プロテーゼの内側立面図である。
図32図28の線32-32に沿った冠状面における図28の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図33図28の線33-33に沿った水平面における図28の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図34図28の整形外科用膝プロテーゼの脛骨インサートの内側関節表面の内側ドエル点に沿った矢状面における図28の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図35図29の線35-35に沿った冠状面における図29の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図36図29の線36-36に沿った水平面における図29の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図37図29の整形外科用膝プロテーゼの脛骨インサートの内側関節表面の内側ドエル点に沿った矢状面における図29の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図38図30の線38-38に沿った冠状面における図30の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図39図30の線39-39に沿った水平面における図30の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図40図30の整形外科用膝プロテーゼの脛骨インサートの内側関節表面の内側ドエル点に沿った矢状面における図30の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図41図31の線41-41に沿った冠状面における図31の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図42図31の線42-42に沿った水平面における図31の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図43図31の整形外科用膝プロテーゼの脛骨インサートの内側関節表面の内側ドエル点に沿った矢状面における図31の整形外科用膝プロテーゼの断面図である。
図44】ある屈曲度に屈曲され、ある曲率半径によって画定された接触点を示す、図1の整形外科用膝プロテーゼの外側立面図である。
図45図44よりわずかに大きい屈曲度に屈曲され、別の曲率半径によって画定された別の接触点を示す、図1の整形外科用膝プロテーゼの外側立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本開示の概念は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0080】
解剖学的基準を表す、前方、後方、内側、外側、上方、下方などの用語は、本明細書を通じて、本明細書において記載されている整形外科用インプラント及び/又は手術器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。更に、「約」という用語は、製造公差内で定義される特定の寸法に関して本明細書で使用され得る。すなわち、提供された寸法及び/又は数値は、実際には、機械又は製造プロセスに固有の公差によって逸脱し得る。
【0081】
本明細書において「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施例」などへの言及は、説明されるその実施形態が、特定の要素、構造、又は特徴を含み得るが、全ての実施形態が、その特定の要素、構造、又は特徴を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の要素、構造、又は特徴がある実施形態に関連して説明される場合、このような要素、構造、又は特徴を他の実施形態と関連して実施することは、明示されるか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。更に、「少なくとも1つのA、B、及びC」の形式でリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味し得ることを理解されたい。同様に、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」の形式で列挙される項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味し得る。
【0082】
図面において、一部の構造的又は方法の要素を特定の配置及び/又は順序で示す場合がある。しかしながら、このような特定の配置及び/又は順序は、必要ではない場合もある点は認識されるはずである。むしろ、実施形態によっては、こうした要素は、説明図に示されるものとは異なる形態及び/又は順序で配置されてもよい。付加的に、特定の図に構造的又は方法の要素が含まれている場合、このような要素が全ての実施形態において必要であることを示唆するものではなく、実施形態によっては含まれなくてもよく、又は他の要素と組み合わせることが可能である。
【0083】
ここで図1図3を参照すると、例示的な実施形態では、整形外科用膝プロテーゼ100は、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104とを含む。更に、整形外科用膝プロテーゼ100は、使用中に脛骨インサート104が結合される脛骨トレイ(図示せず)を含み得る。大腿骨コンポーネント102(及び脛骨トレイ)は、例示的には、コバルトクロム又はチタンなどの金属材料から形成されるが、他の実施形態では、セラミック材料、ポリマー材料、生体工学材料などの他の材料から形成されてもよい。脛骨インサート104は、例示的には、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマー材料から形成されるが、他の実施形態では、セラミック材料、金属材料、生体工学材料などの他の材料から形成されてもよい。
【0084】
大腿骨コンポーネント102は、患者の大腿骨(図示せず)の遠位端の外科的に調製された表面に結合されるように構成されており、脛骨インサート104は、例えば脛骨トレイ(図示せず)を介して、患者の脛骨(図示せず)の近位端の外科的に調製された表面に結合されるように構成されている。あるいは、他の実施形態では、脛骨インサート104は、脛骨トレイを使用することなく、患者の脛骨の近位端の外科的に調製された表面に直接取り付けるように構成されてもよい。例えば、脛骨インサート104及びポリマー「トレイ」は、単一のポリマーコンポーネントに組み合わされてもよい。
【0085】
使用時に、大腿骨コンポーネント102は、脛骨インサート104と関節接合するように構成されている。そうするために、大腿骨コンポーネントは、外側顆112及び内側顆114を有する関節接合外面110を含む。同様に、脛骨インサート104は、外側関節表面122及び内側関節表面124を有する関節表面120を含む。したがって、外側顆112は、外側関節表面122と関節接合するように構成されており、内側顆114は、図28図31に示すように脛骨インサートの内側関節表面124と関節接合するように構成されている。
【0086】
以下でより詳細に説明するように、大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104のそれぞれは、屈曲中に内側関節表面124での内側顆114の前方への並進運動を制限又は低減しながら、外側関節表面122での外側顆112の枢動を容易にする又は促進する関節湾曲及び関連特徴部を含む。例えば、顆112、114の一方又は両方は、連続的に減少する曲率半径によって画定される曲面部分を有する矢状顆表面を含む。更に、内側関節表面124は、伸展時よりも中間屈曲度(例えば、30度)において、内側顆114の凸状矢状湾曲に全体的により適合する凹状矢状湾曲を有する。脛骨インサート104の外側及び内側関節表面122、124はまた、脛骨インサート104上での大腿骨コンポーネント102の非対称的な枢動を提供するために、非対称に成形されている。加えて、外側関節表面122及び外側顆112は、内側関節表面124及び内側顆114よりも互いに適合性が低くてもよい。更に、以下に説明するように、外側関節表面122の冠状湾曲は、前後方向に均一であるが、内側関節表面124の冠状湾曲は、前後方向に不均一である(例えば、内側関節表面124の冠状湾曲は、複数の異なる冠状湾曲によって画定されている)。加えて、内側関節表面124は、内側関節表面124の矢状形状によって、屈曲時と比較して伸展時に内側顆114により適合し、ドエル点よりも内側顆114のドエル点の前方でより適合してもよい(以下の図18図27の説明を参照)。大腿骨顆112、114の矢状湾曲、内側顆114と内側関節表面124との間の全体的な矢状適合性、外側及び内側関節表面122、124の非対称性、伸展時及び内側顆114のドエル点の前方での適合性の増加により、整形外科用膝プロテーゼ100の安定性が改善され、外側大腿骨顆112の枢動が容易になり、大腿骨の内側前方への並進運動が低減又は制限されることを理解されたい。
【0087】
上述したように、大腿骨コンポーネント102は、患者の大腿骨(図示せず)の遠位端の外科的に調製された表面に結合されるように構成されており、骨接着剤又は他の取り付け手段の使用によって患者の大腿骨に固定され得る。大腿骨コンポーネント102は、外側顆112及び内側顆114を含み、それらの間に顆間開口部116を画定するように離間している。使用時に、顆112、114は、患者の大腿骨の生来の顆に取って代わり、上述したように脛骨インサート104の対応する外側及び内側関節表面122、124上で関節接合するように構成されている。
【0088】
ここで図4を参照すると、大腿骨コンポーネント102の顆112、114の一方又は両方は、矢状面において凸状に湾曲した顆表面400を含む。例示的には、顆表面400は、いくつかの曲面部分402、404、406、408、410、及び412から形成されており、そのそれぞれは隣接する曲面部分に接している。各曲面部分402、404、406、408、410、及び412は、異なる屈曲度範囲を通して脛骨ベアリングインサートに接触する。例えば、顆表面400の曲面部分402、404は、初期屈曲中に脛骨インサート104に接触する。顆表面400の曲面部分406、408は、中期屈曲中に脛骨インサート104に接触する。また、顆表面400の曲面部分410、412は、終期屈曲中に脛骨インサート104に接触する。
【0089】
各曲面部分402、406、408、410、及び412は、それぞれ一定の曲率半径R1、R3、R4、R5、及びR6によって画定されている。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、曲面部分404は、一定の曲率半径ではなく、複数の線によって画定されている。特に、曲面部分3604は、顆表面400が曲面部分402の曲率半径R1から曲面部分406に接する曲率半径R2まで漸進的に移行するように設計されている。したがって、曲面部分3604は、連続的に減少する曲率半径を有する。
【0090】
図5の表500に示す例示的な実施形態では、曲率半径R1によって画定される曲面部分402は、-5度の第1の屈曲度から5度の第2の屈曲度までの範囲である。曲率半径R2によって画定される曲面部分404は、5度の第1の屈曲度から65度の第2の屈曲度までの範囲である。曲率半径R3によって画定される曲面部分406は、65度の第1の屈曲度から90度の第2の屈曲度までの範囲である。曲率半径R4によって画定される曲面部分408は、90度の第1屈曲度から105度の第2の屈曲度までの範囲である。曲率半径R5によって画定される曲面部分410は、105度の第1の屈曲度から120度の第2の屈曲度までの範囲である。また、曲率半径R6によって画定される曲面部分412は、120度の第1の屈曲度から163度(又はサイズに応じて155度)の第2の屈曲度までの範囲である。他の実施形態では、任意の曲面部分402、406、408、410、及び412は、異なる度数にわたる範囲を有する。
【0091】
図6に示すように、表600は、一群の大腿骨コンポーネントサイズ1~10に対する各曲率半径R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の長さを規定する。表600に示すように、大腿骨コンポーネント102の各サイズ1~10に対する各曲率半径R1、R2、R3、R4、R5、R6の特定の長さは、サイズにわたって異なり得るが、R1/R2、R1/R3、及びR1/R4の比は、大腿骨コンポーネントサイズにわたって比較的一定であるか又はわずかに異なる。例えば、曲率半径R2に対する曲率半径R1の比は、大腿骨コンポーネントサイズ1~10にわたって約1.350の値を維持するように約1.347~1.355の範囲で変化してもよい。同様に、曲率半径R3に対する曲率半径R1の比は、大腿骨コンポーネントサイズ1~10にわたって約1.280の値を維持するように約1.277~1.278の範囲で変化してもよい。更に、曲率半径R4に対する曲率半径R1の比は、大腿骨コンポーネントサイズ1~10にわたって約1.305の値に維持されてもよい。
【0092】
大腿骨コンポーネント102の顆表面400は、いくつかの実施形態では、曲率半径R3が、曲率半径R2よりも約0.5ミリメートル~約5ミリメートルの範囲の量で大きくなるように設計されていることも理解されたい。以下に説明するように、特定の増加量は、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネントのサイズに基づき得る。更に、上記の分析に基づいて、顆表面400は、R2からR3への曲率半径の増加が約45度から約90度の範囲の屈曲度で生じるように設計されている。特定の一実施形態では、R2からR3への曲率半径の増加は、顆表面400において約65度の屈曲で生じる。
【0093】
上述したように、曲面部分404は、曲率半径R1から曲率半径R2への漸進的な移行を提供するように設計されている。したがって、曲面部分404によって画定される角度の大きさは、所望の移行率に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント102の顆表面400は、曲面部分404が約0.0~約30.0度の範囲の第1の屈曲度から約45.0~約90.0度の範囲の第2の屈曲度まで延在するように設計されている。特定の一実施形態では、曲面部分404は、上述したように、約5.0度の屈曲度から約65.0度の屈曲度まで延在する。
【0094】
大腿骨コンポーネント102の顆表面400の曲率半径R2からR3への特定の増加量、及び/又はそのような増加の顆表面400上の配置は、大腿骨コンポーネント102のサイズに基づくか、サイズに応じて決めるか、又は他の方法でサイズによって影響を受け得ることも理解されたい。すなわち、顆表面400の曲率半径R2からR3への0.5ミリメートルの増加は、小さいサイズの大腿骨コンポーネントでは、より大きなサイズの大腿骨コンポーネントと比べて、比較的大きな増加であることを理解されたい。したがって、大腿骨コンポーネント102の顆表面400の曲率半径R2からR3への増加の大きさは、大腿骨コンポーネントのサイズにわたって変化し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、曲率半径R2、R3、及びR4に対する曲率半径R1の比は、一群の大腿骨コンポーネントサイズにわたって実質的に一定の値に維持される。
【0095】
上述したように、曲面部分404は、曲率半径R1から曲率半径R2への漸進的な移行を提供するように設計されている。そうするために、曲面部分404は、共通の原点Oから始まる複数の線420によって画定されている。複数の線420のそれぞれは、曲面部分404上のそれぞれの接触点を画定する。曲面部分404を集合的に画定するこれらの接触点のそれぞれの位置は、以下の多項式に従って、各屈曲度での各線420の長さに基づいて決定することができる。
θ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、(3)
式中、「rθ」は、「θ」度の屈曲での曲面部分404上の接触点を画定する線420の長さ(メートル法単位)であり、「a」は、20~50のスカラー値であり、「b」は、以下のように選択される係数値である。
-0.30<b<0.00、(4)
0.00<b<0.30、又は
b=0
【0096】
選択された係数「b」が-0.30<b<0.00の範囲にある場合、係数「c」及び「d」は以下のように選択される。
0.00<c<0.012、及び(5)
-0.00015<d<0.00。
【0097】
あるいは、選択された係数「b」が0.00<b<0.30の範囲にある場合、係数「c」及び「d」は以下のように選択される。
-0.010<c<0.00、及び(6)
-0.00015<d<0.00。
【0098】
更に、選択された係数「b」が0に等しい場合、係数「c」及び「d」は以下のように選択される。
-0.0020<c<0.00、又は(7)
0.00<c<0.0025、及び
-0.00015<d<0.00。
【0099】
スカラー値「a」、並びに係数値「b」、「c」、及び「d」の範囲は、多項式(3)の無数の可能な解の部分集合であることを理解されたい。すなわち、上記で与えられた範囲の特定の集合は、脛骨インサート104に対する大腿骨コンポーネント102の前方への並進運動(例えば、内側の前方への並進運動)が低減又は遅延されるように、顆表面400の曲率半径R1から曲率半径R2への漸進的な移行を提供する、一群の曲線(すなわち、曲面部分404)を生成する無数の可能性から決定されている。更に、各係数値「a」、「b」、「c」、及び「d」の範囲は、メートル法単位を使用して設計された実施形態に関して上記に提供していることを理解されたい。しかしながら、このような係数値の範囲は、フートポンド法単位などの他の単位系を使用する実施形態で使用するために変換されてもよい。
【0100】
曲面部分404の全体形状は、複数の線420の共通原点Oの配置によっても影響を受ける。複数の線420の共通原点Oと、初期屈曲の曲面部分402を画定する曲率半径R1の原点422との間の距離を制限することによって、脛骨インサート104上での大腿骨コンポーネント102の奇異な前方への摺動を低減又は遅延することができる。したがって、一実施形態では、複数の線420の共通原点Oの位置は、共通原点Oと曲率半径R1の原点422との間の距離が約10ミリメートル未満であるように選択される。共通原点Oと曲率半径R1の原点422との間の距離及び特定の係数値は、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント102の特定のサイズに依存し得ることを理解されたい。共通原点Oと曲率半径R1の原点422との間の距離及び式(3)の特定の係数値の例示的な実施形態を、図7の表700に示す。
【0101】
他の実施形態では、曲面部分404は、他の形状を使用して曲率半径R1から曲率半径R2への漸進的な移行を提供するように設計されてもよい。例えば、曲面部分404を形成する半径は、共通原点を有していなくてもよく、同じ長さであってもよい。そのような実施形態では、各半径の原点は、曲率半径R1から曲率半径R2への漸進的な移行を提供するために、螺旋に沿って移動される。加えて、更に他の実施形態では、曲面部分404は、複数の小さい湾曲部分から形成されていてもよく、各湾曲部分は、小さい弧長(例えば、1度)を有し、最前方に隣接する小さい湾曲部分に対して減少する一定の半径によって画定されている。
【0102】
ここで図8図18を参照すると、例示的な脛骨インサート104は、非対称の外側関節表面122及び内側関節表面124を含む本体800を含む。内側関節表面124は、内側関節表面124の最遠位点と、一般に、関節運動中に大腿骨コンポーネント102の内側顆114が内側関節表面124に接触する接触点又は領域とを画定する、ドエル点802を含む(ただし、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の一部の接触は、一部の屈曲度で、かつ大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104の負荷に応じて、内側ドエル点802の前方で生じることがある)。
【0103】
例示的には、ドエル点802は、内側関節表面124上で、脛骨インサート104の本体800の前方側壁810に対して位置付けられる。例えば、例示的な実施形態では、ドエル点802は、内側関節表面124上で、脛骨インサート104の本体800の内側における前方側壁810上の最前点から後方側壁812上の最後点までの距離として画定される(すなわち、内側関節表面124にわたって測定される)全内側前後長822の約63.3%の距離820に位置する。いくつかの実施形態では、外側関節表面122及び内側関節表面124は、後方側壁812上の最後点が異なるために、異なる前後長を有し得ることを理解されたい。
【0104】
内側関節表面124のドエル点802とは異なり、外側関節表面122は、外側関節表面122の最遠位領域を画定するドエル領域804(図8に実線で示す)を含む。ドエル領域804は、外側関節表面122の「矢状」湾曲の準平面又は準平坦部分に相当するため、ドエル領域804は、接触領域として具現化されている。本明細書で使用される場合、「準平面」という用語は、平面であるか、さもなければ、以下でより詳細に説明するように、隣接する湾曲部分の曲率半径の長さの少なくとも3倍の半径によって画定される部分を指す。すなわち、ドエル領域804は、弓状関節経路806に沿った断面で見たとき、ドエル領域804の湾曲が平面部分に近づく十分に大きい曲率半径によって画定される表面部分として具現化されてもよい。
【0105】
ドエル領域804は、外側関節表面122の弓状関節経路806上に位置し、弓状関節経路は、大腿骨コンポーネント102の屈曲を通して大腿骨コンポーネント102の外側顆112と外側関節表面122との間の接触点の経路を画定する(ただし、外側顆112は、通常の屈曲中に完全な弓状関節経路806を移動しないことがある)。弓状経路806は、曲率半径808によって画定され、この曲率半径は、内側関節表面124のドエル点802と一致するか又はその基準距離内にある原点を有する。例示的な実施形態では、曲率半径808の長さは、大腿骨コンポーネント102の顆112、114のピッチ(すなわち、各顆112、114での最遠位点間の距離)に製造公差内で一致するように設計されている。したがって、外側関節表面122の湾曲は、大腿骨コンポーネント102の屈曲中に弓状関節経路806に沿って、ドエル点802に対して、大腿骨コンポーネント102が枢動又は回転することができるように設計されている。すなわち、大腿骨コンポーネント102が伸展から屈曲まで動かされると、大腿骨コンポーネント102の外側顆112と外側関節表面122との間の接触点は、弓状経路806に沿って後方に移動する。
【0106】
ドエル点802と同様に、ドエル点804は、例示的には、外側関節表面122上で、脛骨インサート104の本体800の前方側壁810に対して位置付けられる。例えば、例示的な実施形態では、ドエル点804は、外側関節表面122上で、脛骨インサート104の本体800の外側における前方側壁810上の最前点から後方側壁812上の最後点までの距離として画定される(すなわち、外側関節表面122にわたって測定される)全外側前後長922の約62.6%の距離920に位置する。この場合も、いくつかの実施形態では、外側関節表面122及び内側関節表面124は、後方側壁812上の最後点が異なるために、異なる前後長を有し得ることを理解されたい。
【0107】
加えて、図9に示すように、内側関節表面124のドエル点802は、外側関節表面122のドエル領域804と空間的に関連している。具体的には、ドエル領域804は、ドエル領域804の最前端902(図9に中実点として示す)とドエル領域804の最後端904(同様に図9に中実点として示す)との間の距離として画定される長さ900を有し、ドエル点802は、ドエル領域804の最前端902と最後端904との間の内側関節表面124上に位置する。すなわち、ドエル点804は、ドエル領域804の最前端902を含む前方仮想内外二等分線910と、ドエル領域804の最後端904を含む後方仮想内外二等分線912との間の内側関節表面124上に位置する。加えて、図9に示すように、ドエル点804は、ドエル領域804の中間点906(図9に中実点として示す)の後方の内側関節表面124上に位置する。すなわち、ドエル点804は、ドエル領域804の中間点906を含む仮想内外二等分線914の後方の内側関節表面124上に位置する。
【0108】
図10及び図11に示すように、脛骨インサート104の本体800は、上述したように、移植中に脛骨トレイ(図示せず)のプラットフォームに対向するように構成された底面1000を含む。例示的な脛骨インサート104は、脛骨トレイの後方バットレスを受容するようなサイズ及び形状の後方チャネル1002を含む。後方チャネル1002は、側壁1004によって画定され、これは、後方チャネル1002内に内向きに延在し、対応する脛骨トレイのアンダーカット内に受容されるように配置されたフランジ1006を含む。脛骨インサート104はまた、対応する脛骨トレイの前方バットレスを受容するようなサイズ及び形状の前方チャネル1010も含む。このようにして、チャネル1002、1010は、対応する脛骨トレイの特徴部と協働して、脛骨インサート104を脛骨トレイに対して単一配向で脛骨トレイ上に固定する。他の実施形態では、脛骨インサート104及び対応する脛骨トレイは、脛骨インサート104が対応する脛骨トレイから独立して動くことができる可動ベアリング接合面を含み得ることを理解されたい。加えて、上述したように、脛骨インサート104は、いくつかの実施形態では、患者の脛骨に直接取り付けるように構成されてもよい。そのような実施形態では、脛骨インサート104は、脛骨トレイに結合するための上記の特徴部を含まなくてもよく、脛骨インサート104を患者の骨の解剖学的構造に直接移植することができる他の形状を含んでもよい。
【0109】
上述したように、内側関節表面124及び外側関節表面122は、互いに非対称である。例えば、図12図17に最もよく示すように、内側関節表面124は、外側関節表面122の前方リップよりも高い前方リップを有する。例えば、図16に示すように、外側関節表面122は、外側における前方側壁810のリップ又はリムを画定する外側前方リップ1600を含む。外側前方リップ1600は、脛骨インサート104の外側ドエル点/領域804と外側前方リップ1600との間の垂直距離(すなわち、上下距離)によって画定されるリップ高さ1602を有する。同様に、図17に示すように、内側関節表面124は、内側における前方側壁810のリップ又はリムを画定する内側前方リップ1700を含む。内側前方リップ1700は、脛骨インサート104の内側ドエル点802と内側前方リップ1700との間の垂直距離(すなわち、上下距離)によって画定されるリップ高さ1702を有する。例示的な実施形態では、内側前方リップ1700のリップ高さ1702は、外側前方リップ1600のリップ高さ1602よりも高い。
【0110】
更に、内側関節表面124のドエル点802は、リップ高さ1702に対する内側ドエル点802と前方側壁810との距離1710の比が、脛骨インサート104のサイズにわたって比較的一定であるように位置付けられる。例えば、例示的な一実施形態では、リップ高さ1702対ドエル点距離1710の比は、脛骨インサート104のサイズに応じて18.9%~20.9%の範囲である。
【0111】
ここで図18図27を参照すると、上述したように、外側関節表面122及び内側関節表面124は、関節表面122、124が互いに非対称であるように異なる輪郭を有する。例えば、図18に示すように、外側関節表面122は、弓状関節経路806に沿った前後複合断面で見たとき、凹状湾曲1802を含む。弓状関節経路806の前後複合凹状湾曲1802は、水平面で見たときの弓状関節経路806の弓状形状のために、単一矢状面上に存在しないことを理解されたい。加えて、外側関節表面122は、弓状関節経路806に直交する断面で見たとき、凹状湾曲1812を有する。断面凹状湾曲1812は、弓状関節経路806に沿った各点において均一である(図18に複数の凹状湾曲1812によって示す)。すなわち、弓状関節経路806の断面凹状湾曲1812は、弓状関節経路806に沿って概ね前後方向に均一である(弓状関節経路806の弓状形状によって内外方向にも湾曲する)。この場合も、断面凹状湾曲1812は、水平面で見たときの弓状関節経路806の弓状形状のために、外側関節表面122の冠状面上に直接存在しないことを理解されたい。
【0112】
逆に、内側関節表面124は、矢状凹状湾曲1804及び複数の不均一な冠状湾曲1814、1824、1834によって画定されている。しかしながら、図18に示すように、内側関節表面124の冠状湾曲は、内側ドエル点802の後方で均一であり、冠状湾曲1814によって画定されている。逆に、内側ドエル点802の前方では、内側関節表面の冠状湾曲は不均一であり、冠状湾曲1824及び1834によって画定されている。
【0113】
いくつかの実施形態では、内側関節表面124と内側顆114との間の冠状適合性は、冠状湾曲1814、1824、1834にわたって、及び/又は脛骨インサート104上の大腿骨コンポーネント102の屈曲度にわたって均一ではない。例えば、例示的な実施形態では、内側関節表面124と内側顆114との間の冠状適合性(すなわち、特定の接触点における内側関節表面124の冠状湾曲を画定する曲率半径と、内側顆114の顆表面400の接触点(又は領域)を画定する曲率半径とが一致する量)は、特定の屈曲度(例えば、30.0度の屈曲)での冠状湾曲1814と内側顆114の顆表面400との間の方が、特定の屈曲度での冠状湾曲1824又は1834と内側顆114の顆表面400との間よりも小さい。すなわち、特定の屈曲度で、冠状湾曲1824と内側顆114の顆表面400との間の冠状適合性は、冠状湾曲1814(例えば、内側ドエル点802における)と内側顆114の顆表面400との間の冠状適合性よりも大きい。内側関節表面124の冠状湾曲は、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の衝突及び/又は意図しない接触を回避するように設計されているが、内側関節表面124と内側顆114との間の冠状適合性は、特定の屈曲度(例えば、30.0度の屈曲)で内側ドエル点802の前方で増加するため、内側顆114の前方への並進運動が、制限、限定、又は他の方法で低減され得ることも理解されたい。
【0114】
ここで図20を参照すると、外側関節表面122の前後複合凹状湾曲1802の例示的な実施形態が、図19の線20-20に概ね沿った(すなわち、弓状関節経路806に沿った)脛骨インサート104の断面で示されている。例示的な前後複合凹状湾曲1802は、ドエル領域804に相当する準平面部分2000と、平坦部分2000の後方に延在する第1の組の湾曲部分と、平坦部分2000の前方に延在する前方湾曲部分2006とを含む。第1の組の湾曲部分は、例示的には、第1の湾曲部分2002及び第2の湾曲部分2004を含む。
【0115】
上述したように、平坦部分2000(すなわち、ドエル領域804)は、準平面であり、最前端902から最後端904まで延在する。この場合も、平坦部分2000は、図20に示すような平面部分として、又は平面部分に近づくように十分に大きい半径を有する湾曲部分として画定され得るという点で「準平面」である。例えば、例示的な実施形態では、平坦部分2000は、いずれかの隣接する湾曲部分(すなわち、湾曲部分2012及び湾曲部分2016)を画定する曲率半径の長さの少なくとも3倍の長さを有する大きな曲率半径2010によって画定されている。そのような実施形態では、平坦部分2000は、平坦部分2000の最遠位点を画定するドエル点2090を含み、ドエル点2090の前方に約1.15度及びドエル点2090の後方に約1.58度にわたって合計約2.73度の弧長で延在する。
【0116】
例示的には、第1の組の湾曲部分の第1の湾曲部分2002は、平坦部分2000の最後端904から後方に約3.4度にわたって延在し、一定の曲率半径2012によって画定されている。第2の湾曲部分2004は、第1の湾曲部分2002に隣接し、そこから後方に脛骨インサート104のサイズに応じて約13.2度~約13.7度の範囲の弧長にわたって延在する。第2の湾曲部分2004は、一定の曲率半径2014によって画定されている。例示的な実施形態では、曲率半径2014は、曲率半径2012よりも小さい(すなわち、前後複合凹状湾曲1802の曲率半径は後方で減少している)。しかしながら、他の実施形態では、平坦部分2000から後方に延在する第1の組の湾曲部分は、前後複合凹状湾曲1802の後方側を平滑に開放するために追加の湾曲部分を含んでもよく、及び/又は大腿骨コンポーネント102に関して上述したように、漸進的又は連続的に減少する半径によって画定されてもよい。
【0117】
前方湾曲部分2006は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約33.5度~約34.4度の範囲の弧長にわたって平坦部分2000の最前端902から前方に延在する。例示的な実施形態では、曲率半径2016は、曲率半径2012よりも小さく、曲率半径2014よりも大きい。
【0118】
ここで図21を参照すると、別の実施形態では、前後複合凹状湾曲1802は、ドエル領域804に相当する平坦又は平面部分2100と、平坦部分2100の後方に延在する第1の組の湾曲部分と、平坦部分2100の前方に延在する第2の組の湾曲部分とを含み得る。上述したように、平坦部分2100(すなわち、ドエル領域804)は、最前端902から最後端904まで延在する。
【0119】
第1の組の湾曲部分は、例示的には、第1の湾曲部分2102、第2の湾曲部分2104、第3の湾曲部分2106、及び第4の湾曲部分2108を含む。第1の湾曲部分2102は、約5.0度にわたって延在し、一定の曲率半径2122によって画定されている。第2の湾曲部分2104は、約5.0度にわたって延在し、一定の曲率半径2124によって画定されている。第3の湾曲部分2106は、約5.0度にわたって延在し、一定の曲率半径2126によって画定されている。また、第4の湾曲部分2108は、18.0度にわたって延在し、一定の曲率半径2128によって画定されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、平坦部分2100から後方に延在する第1の組の湾曲部分は、前後複合凹状湾曲1802の後方側を平滑に開放するために追加の湾曲部分を含んでもよく、及び/又は大腿骨コンポーネント102に関して上述したように、漸進的又は連続的に減少する半径によって画定されてもよい。例示的な実施形態では、第1の秒の湾曲部分の曲率半径は、後方で増加している。すなわち、曲率半径2128は、曲率半径2126よりも大きく、曲率半径2126は、曲率半径2124よりも大きく、曲率半径2124は、曲率半径2122よりも大きい。
【0120】
第2の組の湾曲部分は、例示的には、第5の湾曲部分2110及び第6の湾曲部分2112を含む。第5の湾曲部分2110は、約15.0度にわたって延在し、曲率半径2130によって画定されている。また、第6の湾曲部分2112は、約35.0度にわたって延在し、曲率半径2132によって画定されている。例示的な実施形態では、曲率半径2130は、曲率半径2132よりも大きい。
【0121】
ここで図22を参照すると、脛骨インサート104の内側矢状凹状湾曲1804の例示的な実施形態が、図18の矢状凹状湾曲1804に概ね一致する図19の線22-22に概ね沿った断面で示されている。例示的な内側矢状凹状湾曲1804は、第1の湾曲部分2200、第1の湾曲部分2200の前方に隣接する第2の湾曲部分2202、第2の湾曲部分2202の前方に隣接する第3の湾曲部分2204、第3の湾曲部分の前方に隣接する第4の湾曲部分2206、及び第1の湾曲部分2200の後方に隣接する第5の湾曲部分2208を含む。例示的には、内側ドエル点802は、第1の湾曲部分2200と第5の湾曲部分2208との交点に存在する。しかしながら、他の実施形態では、ドエル点802は、第1の湾曲部分2200又は第5の湾曲部分2208上に存在してもよい。
【0122】
第1の湾曲部分2200は、約5.2度にわたってドエル点802から前方に延在し、一定の曲率半径2210によって画定されている。第2の湾曲部分2202は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約14.8度~約24.8度の範囲の弧長にわたって第1の湾曲部分2200から前方に延在し、一定の曲率半径2212によって画定されている。第3の湾曲部分2204は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約10.7度~約20.7度の範囲の弧長にわたって第2の湾曲部分2202から前方に延在し、一定の曲率半径2214によって画定されている。第4の湾曲部分2206は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約0.2度~約6.3度の範囲の弧長にわたって第3の湾曲部分2204から前方に延在し、一定の曲率半径2216によって画定されている。また、第5の湾曲部分2208は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約15.9度~約17.4度の範囲の弧長にわたって第1の湾曲部分2200から後方に延在し、一定の曲率半径2218によって画定されている。例示的な実施形態では、曲率半径2218は、曲率半径2210よりも大きい。更に、例示的な実施形態では、曲率半径2212は、曲率半径2210、2214、及び2216のそれぞれよりも小さい。
【0123】
脛骨インサート104の内側矢状凹状湾曲1804は、他の実施形態では、異なる湾曲を有するように異なる形状に成形されていてもよい。例えば、別の実施形態では、第2の湾曲部分2202は、約24.8度にわたって第1の湾曲部分2200から前方に延在してもよい。第3の湾曲部分2204は、約15.0度にわたって第2の湾曲部分2202から前方に延在してもよい。また、第5の湾曲部分2208は、約19.0度にわたって第1の湾曲部分2200から後方に延在してもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、内側関節表面124と内側顆114との間の矢状適合性は、屈曲度にわたって均一ではない。例えば、図28図43に関して以下により詳細に説明するように、脛骨インサート104の内側矢状凹状湾曲1804と大腿骨コンポーネント102の内側顆114の矢状凸状湾曲との間の全体的な矢状適合性は、伸展時よりも特定の屈曲度(例えば、30度の屈曲)での方が大きくてもよい。大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との矢状湾曲間の全体的な矢状適合性(すなわち、特定の接触点のみではなく完全な矢状湾曲にわたる適合性)は、特定の屈曲度でのこれらの湾曲間の全体的な間隙の量として定義することができる。したがって、大腿骨コンポーネント102の内側顆114の矢状湾曲は、脛骨インサートの内側関節表面124の矢状湾曲と、特定の屈曲度(例えば、30度の屈曲)で、最大量で一致する。矢状適合性は、負荷条件下で更に増加し得る(すなわち、大腿骨コンポーネント102が脛骨インサート104に更に押しつけられ得ることにより、特定の屈曲度での矢状適合性が更に増加する)。伸展時と比較して、屈曲中に内側顆114と内側関節表面124との間の全体的な矢状適合性が増加することにより、内側関節表面124における大腿骨コンポーネント102の前方への並進運動が、その特定の屈曲度(例えば、30又は35度の屈曲)で低減され得る。
【0125】
加えて、特定の屈曲度(例えば、30度の屈曲)で、内側顆114と矢状湾曲2200、2202、2204、2206との間の矢状適合性。例えば、例示的な実施形態では、内側関節表面124と内側顆114との間の矢状適合性(すなわち、特定の接触点における内側関節表面124の矢状湾曲を画定する曲率半径と、内側顆114の顆表面400上の接触点を画定する曲率半径とが一致する量)は、特定の屈曲度(例えば、30.0度の屈曲)での第4の湾曲部分2206と内側顆114の顆表面400との間の方が、特定の屈曲度での第1の湾曲部分2200と内側顆114の顆表面400との間よりも小さい。すなわち、特定の屈曲度で、第1の湾曲部分2200と内側顆114の顆表面400との間の接触点(又は領域)における矢状適合性は、第4の湾曲部分2206と内側顆114の顆表面400との間の接触点(又は領域)における矢状適合性よりも大きい。したがって、内側関節表面124と内側顆114との間の矢状適合性は、特定の屈曲度(例えば、30.0度の屈曲)で内側ドエル点802の前方で増加するため、内側関節表面124における内側顆114の前方への並進運動が、制限、限定、又は他の方法で低減され得ることを理解されたい。
【0126】
加えて、内側ドエル点802での内側関節表面124と内側顆114との間の矢状適合性は、いくつかの実施形態では、特定の屈曲範囲を通して増加し得ることを理解されたい。例えば、例示的な実施形態では、大腿骨コンポーネント102が特定の屈曲範囲を通して屈曲されると、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の接触点は、減少する曲率半径によって画定される曲面部分404に沿って移動する。したがって、例示的な実施形態では、内側ドエル点802での内側関節表面124の矢状湾曲は、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の接触点が曲面部分404上に生じる特定の屈曲度(例えば、30度の屈曲)で内側顆114と最大量の矢状適合性を有するように設計されており、その結果、特定の屈曲度に近づくにつれて、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の矢状適合性の量が増加する。
【0127】
ここで図23を参照すると、脛骨インサート104の外側関節表面122の断面凹状湾曲1812の例示的な実施形態が、図18の均一な断面湾曲1812に概ね一致する図19の線23-23に概ね沿った断面で示されている。上述したように、例示的な実施形態では、外側関節表面122の断面湾曲1812は、前後複合凹状湾曲1802に沿って均一であり、一定の曲率半径2302を有する単一の湾曲部分2300を有する。湾曲部分2300は、脛骨インサート104のサイズに応じて、外側ドエル領域804の内側(すなわち、内側寄り)に約25度にわたって延在し、外側ドエル領域804の外側(すなわち、外側寄り)に約18.7度~約31.1度の範囲の弧長にわたって延在し、全弧長が約43.7度~約56.1度である。加えて、外側関節表面122の断面湾曲1812は、湾曲部分2300の最内点に接してその内側(すなわち、内側寄り)に延在する平面部分2310を含む。加えて、図23に示すように、平面部分2310は、脛骨インサート104の底面1000に対して約25.0度の角度2320で傾斜している。平面部分2310のサイズ、形状、及び配向は、大腿骨コンポーネント102の内側形状に一致するように、及び/又は大腿骨コンポーネント102の衝突を回避するように選択又は設計されてもよい。
【0128】
ここで図24を参照すると、脛骨インサート104の冠状湾曲1814の例示的な実施形態が、図18の冠状湾曲1814に概ね一致する図19の線24-24に概ね沿った断面で示されている。例示的な実施形態では、内側関節表面124の冠状湾曲1814は、内側ドエル点802の後方で均一であり、一定の曲率半径2402を有する単一の湾曲部分2400を有する。
【0129】
湾曲部分2400は、脛骨インサート104のサイズに応じて、内側ドエル点802の外側(すなわち、内側寄り)に約25度にわたって延在し、内側ドエル点802の内側(すなわち、外側寄り)に約18.6度~約26.8度の範囲の弧長にわたって延在し、全弧長が約43.6度~約51.8度である。加えて、内側関節表面124の冠状湾曲1814は、湾曲部分2400の最外点に接してその外側(すなわち、内側寄り)に延在する平面部分2410を含む。図24に示すように、平面部分2410は、脛骨インサート104の底面1000に対して約25.0度の角度2420で傾斜している。外側関節表面122の平面部分2310と同様に、平面部分2410のサイズ、形状、及び配向は、大腿骨コンポーネント102の内側形状に一致するように、及び/又は大腿骨コンポーネント102の衝突を回避するように選択又は設計されてもよい。
【0130】
他の実施形態では、冠状湾曲1814は、複数の湾曲部分によって画定されてもよい。例えば、図25に示すように、別の実施形態では、冠状湾曲1814は、ドエル点802が存在する第1の湾曲部分2500と、第1の湾曲部分2500の内側に隣接して(すなわち、外側寄りに)位置する第2の湾曲部分2502とによって画定されてもよい。第1の湾曲部分2500は、約20度にわたって延在し、曲率半径2510によって画定され、第2の湾曲部分2502は、約10度にわたって延在し、曲率半径2512によって画定されている。そのような実施形態では、曲率半径2512は、曲率半径2510より大きくてもよい。加えて、図25の冠状湾曲1814は、湾曲部分2500の最外点に接してその外側(すなわち、内側寄り)に延在する平面部分2504を含んでもよい。平面部分2410と同様に、平面部分2504は、脛骨インサート104の底面1000に対して約25.0度の角度で傾斜していてもよい。
【0131】
ここで図26を参照すると、脛骨インサート104の冠状湾曲1824の例示的な実施形態が、図18の冠状湾曲1824に概ね一致する図19の線26-26に概ね沿った断面で示されている。冠状湾曲1824は、内側矢状凹状湾曲1804を画定する第2の湾曲部分2202の最前点で矢状凹状湾曲1804と交差する(図22参照)。冠状湾曲1824は、外側端2602(すなわち、内側寄り端部)及び内側端2604(すなわち、外側寄り端部)を有する平坦又は平面部分2600と、平面部分2600の内側端2604から延在する第1の湾曲部分2606と、平面部分2600の外側端2602から延在する第2の湾曲部分2608とを含む。第1の湾曲部分2606は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約14.7度~約15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、一定の曲率半径2616によって画定されている。第2の湾曲部分2608は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約20.1度~約28.5度の範囲の弧長にわたって延在し、一定の曲率半径2618によって画定されている。例示的な実施形態では、曲率半径2618は、曲率半径2616よりも大きい。
【0132】
ここで図27を参照すると、脛骨インサート104の冠状湾曲1834の例示的な実施形態が、図18の冠状湾曲1834に概ね一致する図19の線27-27に概ね沿った断面で示されている。冠状湾曲1834は、内側矢状凹状湾曲1804を画定する第3の湾曲部分2204の最前点で矢状凹状湾曲1804と交差する(図22参照)。冠状湾曲1824と同様に、冠状湾曲1834は、外側端2702(すなわち、内側寄り端部)及び内側端2704(すなわち、外側寄り端部)を有する平坦又は平面部分2700と、平面部分2700の内側端2704から延在する第1の湾曲部分2706と、平面部分2700の外側端2702から延在する第2の湾曲部分2708とを含む。いくつかの実施形態では、平面部分2700は、脛骨インサート104の底面1000に対して約6.0度で傾斜していてもよい。第1の湾曲部分2706は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約0.3度~約0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、一定の曲率半径2616によって画定されている。第2の湾曲部分2708は、脛骨インサート104のサイズに応じて、約16.4度~約24.7度の範囲の弧長にわたって延在し、一定の曲率半径2718によって画定されている。例示的な実施形態では、曲率半径2716は、曲率半径2718よりも大きい。
【0133】
ここで図28図43を参照すると、上述したように、大腿骨コンポーネント102は、屈曲度の範囲を通して脛骨インサート104上で関節接合するように構成されている。例えば、図28では、伸展時(すなわち、0度の屈曲)における大腿骨コンポーネント102を示す。図29では、大腿骨コンポーネント102は、約35度の屈曲まで関節運動している。図30では、大腿骨コンポーネント102は、約90度の屈曲まで関節運動している。また、図31では、大腿骨コンポーネント102は、約110度の屈曲まで関節運動している。
【0134】
上述したように、大腿骨コンポーネント102の顆112、114は、異なる屈曲度では関節表面122、124との適合量が異なり得る。例えば、図32図34では、約0.0度の屈曲における整形外科用プロテーゼ100を示す。図32に示すように、大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104は、伸展状態のときに冠状適合性が増加している。更に、図33に示すように、大腿骨コンポーネント102は、脛骨インサート104上でほんのわずかだけ旋回又は回転している。更に、図34に示すように、内側顆114及び内側関節表面124は、伸展時に全体的な矢状適合性(すなわち、内側顆114及び内側関節表面124の矢状湾曲間の空間量)を有する。
【0135】
図35図37では、35.0度の屈曲における整形外科用プロテーゼ100を示す。図35に示すように、大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104は、伸展位置に比べて冠状適合性がわずかに小さい。加えて、図36に示すように、大腿骨コンポーネント102は、脛骨インサート104上でより大きな量まで枢動又は回転している。更に、図37に示すように、内側顆114及び内側関節表面124は、図34の0.0度の屈曲に比べて全体的な矢状適合性が増加している。
【0136】
図38図40では、約90度の屈曲における整形外科用プロテーゼ100を示す。図38に示すように、大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104は、図34及び図35の35度の屈曲に比べて冠状適合性が小さい。加えて、図39に示すように、大腿骨コンポーネント102は、図35及び図36の35度の屈曲に比べてより大きな量まで脛骨インサート104上で枢動又は回転している。更に、図40に示すように、内側顆114及び内側関節表面124は、図37の35.0度の屈曲に比べて全体的な矢状適合性が減少している。
【0137】
図41図43では、約110度の屈曲における整形外科用プロテーゼ100を示す。図41に示すように、大腿骨コンポーネント102及び脛骨インサート104は、図38及び図39の90度の屈曲に比べて冠状適合性が小さい。加えて、図42に示すように、大腿骨コンポーネント102は、図38及び図39の90度の屈曲に比べてより大きな量まで脛骨インサート104上で枢動又は回転している。更に、図43に示すように、内側顆114及び内側関節表面124は、図40の90.0度の屈曲に比べて全体的な矢状適合性が更に減少している。
【0138】
ここで図44及び図45を参照すると、大腿骨コンポーネント102が屈曲範囲を通して動かされると、内側顆114の顆表面400は、顆表面400上の異なる接触点で脛骨インサート104の内側ドエル点802に接触する。例えば、例示的な実施形態では、大腿骨コンポーネント102が約65度の屈曲から65度を超える屈曲度まで動くと、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の接触点は、減少する曲率半径によって画定される曲面部分404から、曲面部分404の最後方の曲率半径よりも大きい曲率半径によって画定される曲面部分406まで移動する。そうすることで、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサートとの間の接触点の曲率半径を画定する原点の間の距離が増加する。
【0139】
例えば、図44は、大腿骨コンポーネント102の内側顆114の顆表面400と脛骨インサート104との間の接触点4400が、脛骨インサート104のドエル点802に位置し、かつ曲面部分404を画定する複数の減少する半径のうちの最後方の半径4402によって画定される、第1の屈曲度での大腿骨コンポーネント102を示す。最後方の半径4402は、内側ドエル点802から距離4410の位置にある原点4404を有する。
【0140】
図45では、大腿骨コンポーネント102は、第1の屈曲度よりもわずかに大きい第2の屈曲度まで動かされており、この屈曲度では、大腿骨コンポーネント102の内側顆114の顆表面400と脛骨インサート104との間の接触点4500は、脛骨インサート104のドエル点802に位置し、かつ曲面部分406を画定する一定の曲率半径4502(すなわち、図4の曲率半径R3)によって画定されている。一定の曲率半径4502は、内側ドエル点802から距離4510の位置にある原点4504を有する。原点4504と内側ドエル点802との間の距離4510は、原点4404と内側ドエル点802との間の距離4410よりも大きいことを理解されたい。したがって、大腿骨コンポーネント102と脛骨インサート104との間の接触点が内側顆114の顆表面400の曲面部分404から曲面部分406に移動するときの原点4404、4504間の距離の増加により、脛骨-大腿骨エンベロープが伸長し、それによって膝関節の靭帯での張力が増加し、膝関節の安定性が改善され得る。
【0141】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更並びに改変は全て保護されることが望ましい点は理解されよう。
【0142】
本開示は、本明細書において説明される方法、装置、及び/又はシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、説明される特徴の全てを含むわけではないが、依然として、こうした特徴の利点のうちの少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の特徴のうちの1つ又は2つ以上を組み込む、添付の「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0143】
〔実施の態様〕
(1) 脛骨インサートであって、
大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成され、前後方向に延在する弓状関節経路を含む外側関節表面であって、前記弓状関節経路は、前記外側関節表面上の複数の点によって画定され、前記脛骨インサートを各点における内外断面で見たとき、各点は、前記対応する内外断面で前記外側関節表面の最遠位点を画定し、前記外側関節表面は、前記弓状関節経路に直交する断面凹状湾曲を有し、前記断面凹状湾曲は、前記複数の点のそれぞれにおいて均一である、外側関節表面と、
前記大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面であって、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記前後方向に不均一な冠状凹状湾曲を有する、内側関節表面と、を含む、脛骨インサート。
(2) 前記内側関節表面は、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、前記内側関節表面の前記冠状凹状湾曲は、前記内側ドエル点の前方で不均一であり、前記内側ドエル点の後方で均一である、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(3) 前記弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、前記平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有し、
前記準平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する外側ドエル領域を画定する、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(4) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様3に記載の脛骨インサート。
(5) 前記複数の後方湾曲部分は、前記平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、前記第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、前記第1の後方湾曲部分の曲率半径は、前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様3に記載の脛骨インサート。
【0144】
(6) 前方湾曲部分は、(i)前記第1の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、かつ(ii)前記第2の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている、実施態様5に記載の脛骨インサート。
(7) 前記前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、前記第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様5に記載の脛骨インサート。
(8) 前記内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲と、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点とを含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置する、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(9) 前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様8に記載の脛骨インサート。
(10) 前記第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する、実施態様9に記載の脛骨インサート。
【0145】
(11) 前記複数の湾曲部分は、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様9に記載の脛骨インサート。
(12) 前記第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様11に記載の脛骨インサート。
(13) 前記内側関節表面の前記冠状凹状湾曲は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定され、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様11に記載の脛骨インサート。
(14) 前記第1の冠状湾曲は、前記内側ドエル点から内側に18.6度~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ前記内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている、実施態様13に記載の脛骨インサート。
(15) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様13に記載の脛骨インサート。
【0146】
(16) 前記第2の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様15に記載の脛骨インサート。
(17) 前記第2の冠状湾曲部分の前記第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様16に記載の脛骨インサート。
(18) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様15に記載の脛骨インサート。
(19) 前記第3の冠状湾曲の前記平面部分は、前記脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている、実施態様18に記載の脛骨インサート。
(20) 前記第3の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第3の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、16.4度~24.7度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様19に記載の脛骨インサート。
【0147】
(21) 前方側壁と、前記前方側とは反対側の後方側壁とを更に含み、前記前方側壁と前記後方側壁との間の距離は、前記脛骨インサートの前後長を画定し、
前記内側関節表面は、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、前記内側ドエル点は、前記前端から前記前後長の約63.3%の位置にある、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(22) 前記内側関節表面は、前記内側関節表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、
前記外側関節表面の前記弓状関節経路は、水平面で見たとき、前記内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(23) 前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様1に記載の脛骨インサート。
(24) 脛骨インサートであって、
大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成され、前後方向に延在する弓状関節経路を含む外側関節表面であって、前記弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分を含む湾曲を有し、前記準平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する、外側関節表面と、
前記大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面であって、前記内側関節表面は、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記内側顆表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、前記内側ドエル点は、前記内側顆表面上で、(i)前記外側関節表面の前記矢状湾曲の前記平面部分の最前端を含む前記脛骨インサートの第1の仮想内外二等分線と、前記外側関節表面の前記矢状湾曲の前記平面部分の最後端を含む前記脛骨インサートの第2の仮想内外二等分線との間、かつ(ii)前記外側関節表面の前記矢状湾曲の前記平面部分の前後中間点の後方に位置する、内側関節表面と、を含む、脛骨インサート。
(25) 前方側壁と、前記前方側とは反対側の後方側壁とを更に含み、前記前方側壁と前記後方側壁との間の距離は、前記脛骨インサートの前後長を画定し、
前記内側ドエル点は、前記前端から前記前後長の約63.3%の位置にある、実施態様24に記載の脛骨インサート。
【0148】
(26) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点の前方で不均一かつ前記内側ドエル点の後方で均一な冠状凹状湾曲を有する、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(27) 前記弓状関節経路の前記湾曲は、前記断面で見たとき、前記準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記準平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを更に含む、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(28) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様27に記載の脛骨インサート。
(29) 前記複数の後方湾曲部分は、前記平面部分の前記最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、前記第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、前記第1の後方湾曲部分の曲率半径は、前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様27に記載の脛骨インサート。
(30) 前方湾曲部分は、(i)前記第1の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、かつ(ii)前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている、実施態様29に記載の脛骨インサート。
【0149】
(31) 前記前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、前記第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様29に記載の脛骨インサート。
(32) 前記内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置する、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(33) 前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様32に記載の脛骨インサート。
(34) 前記第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する、実施態様33に記載の脛骨インサート。
(35) 前記複数の湾曲部分は、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様33に記載の脛骨インサート。
【0150】
(36) 前記第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様35に記載の脛骨インサート。
(37) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状湾曲を有し、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様35に記載の脛骨インサート。
(38) 前記第1の冠状湾曲は、前記内側ドエル点から内側に18.6度~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ前記内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている、実施態様37に記載の脛骨インサート。
(39) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様37に記載の脛骨インサート。
(40) 前記第2の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様39に記載の脛骨インサート。
【0151】
(41) 前記第2の冠状湾曲部分の前記第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様40に記載の脛骨インサート。
(42) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様39に記載の脛骨インサート。
(43) 前記第3の冠状湾曲の前記平面部分は、前記脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている、実施態様40に記載の脛骨インサート。
(44) 前記第3の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第3の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、24.6度~16.5度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様43に記載の脛骨インサート。
(45) 前記弓状関節経路は、水平面で見たとき、前記内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている、実施態様24に記載の脛骨インサート。
【0152】
(46) 前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(47) 脛骨インサートであって、
大腿骨コンポーネントの外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面であって、前記外側関節表面は、前後方向に延在する弓状関節経路と、前記弓状関節経路上に位置する前記外側関節表面上の最遠位点を画定する外側ドエル点と、前方外側リップとを含み、前記外側ドエル点と前記前方外側リップの最上点との間の上下距離は、前記前方外側リップのリップ高さを画定する、外側関節表面と、
前記大腿骨コンポーネントの内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面であって、前記内側関節表面は、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点と、前方内側リップとを含み、前記内側ドエル点と前記内側外側リップ上の最上点との間の上下距離は、前記前方内側リップのリップ高さを画定する、内側関節表面と、を含み、
(i)前記前方内側リップの前記リップ高さは、前記前方外側リップの前記リップ高さよりも高く、(ii)前記内側関節表面の前方側壁と前記内側関節表面の後方側壁との間の前後距離に対する前記前方内側リップの前記リップ高さの比は、18.9%~20.9%の範囲である、脛骨インサート。
(48) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点の前方で不均一かつ前記内側ドエル点の後方で均一な冠状凹状湾曲を有する、実施態様47に記載の脛骨インサート。
(49) 前記弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、前記平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有し、
前記外側ドエル点は、前記準平面部分に位置する、実施態様47に記載の脛骨インサート。
(50) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様49に記載の脛骨インサート。
【0153】
(51) 前記複数の後方湾曲部分は、前記平面部分の最後端に隣接する第1の後方湾曲部分と、前記第1の後方湾曲部分に隣接する第2の後方湾曲部分とを含み、前記第1の後方湾曲部分の曲率半径は、前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様49に記載の脛骨インサート。
(52) 前方湾曲部分は、(i)前記第1の後方湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、かつ(ii)前記第2の後方湾曲部分の曲率半径よりも大きい、対応する曲率半径によって画定されている、実施態様51に記載の脛骨インサート。
(53) 前記前方湾曲部分は、33.5度~34.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第1の後方湾曲部分は、約3.4度にわたって延在し、前記第2の後方湾曲部分は、13.2度~13.7度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様5に記載の脛骨インサート。
(54) 前記内側関節表面は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分によって画定される矢状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置する、実施態様47に記載の脛骨インサート。
(55) 前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分とを含み、前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きい、実施態様54に記載の脛骨インサート。
【0154】
(56) 前記第1の湾曲部分は、15.9度~17.4度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の湾曲部分は、約5.2度にわたって延在する、実施態様55に記載の脛骨インサート。
(57) 前記複数の湾曲部分は、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様55に記載の脛骨インサート。
(58) 前記第3の湾曲部分は、14.8度~24.8度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第4の湾曲部分は、10.7度~20.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第5の曲率半径は、0.2度~6.3度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様57に記載の脛骨インサート。
(59) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状湾曲を有し、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様57に記載の脛骨インサート。
(60) 前記第1の冠状湾曲は、前記内側ドエル点から内側に18.6~26.8度の範囲の弧長にわたって、かつ前記内側ドエル点から外側に約25.0度にわたって延在する冠状湾曲部分によって画定されている、実施態様59に記載の脛骨インサート。
【0155】
(61) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様59に記載の脛骨インサート。
(62) 前記第2の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様61に記載の脛骨インサート。
(63) 前記第2の冠状湾曲部分の前記第1の冠状湾曲は、14.7度~15.7度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第2の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、20.1度~28.5度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様62に記載の脛骨インサート。
(64) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様61に記載の脛骨インサート。
(65) 前記第3の冠状湾曲の前記平面部分は、前記脛骨インサートの底面に対して約6度の角度をなしている、実施態様64に記載の脛骨インサート。
【0156】
(66) 前記第3の冠状湾曲の前記第1の冠状湾曲部分は、0.3度~0.9度の範囲の弧長にわたって延在し、前記第3の冠状湾曲の前記第2の冠状湾曲部分は、24.6度~16.5度の範囲の弧長にわたって延在する、実施態様65に記載の脛骨インサート。
(67) 前方側と、前記前方側とは反対側の後方側とを更に含み、前記前方側と前記後方側との間の距離は、前記脛骨インサートの前後長を画定し、
前記内側ドエル点は、前記前端から前記前後長の約63.3%の位置にある、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(68) 前記外側関節表面の前記弓状関節経路は、水平面で見たとき、前記内側ドエル点上に原点を有する曲率半径によって画定されている、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(69) 前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様24に記載の脛骨インサート。
(70) 整形外科用膝プロテーゼであって、
外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントであって、前記内側顆は、連続的に減少する曲率半径によって画定される第1の湾曲大腿骨表面部分を含む複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含む、大腿骨コンポーネントと、
前記大腿骨コンポーネントの前記外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面と、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面とを有する脛骨インサートであって、前記内側関節表面は、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む、脛骨インサートと、を備え、
前記内側顆は、第1の屈曲度で前記第1の湾曲大腿骨表面部分上の第1の接触点において前記内側ドエル点に接触し、第2の屈曲度で前記第1の湾曲大腿骨表面部分上の第2の接触点において前記内側ドエル点に接触し、前記第2の接触点は、前記第1の接触点の後方にあり、前記第2の屈曲度は、前記第1の屈曲度よりも大きく、
前記内側関節表面は、前記第1の屈曲度でのドエル点の前方の位置における前記内側顆との第1の矢状適合性と、前記第2の屈曲度での前記ドエル点の前方の前記位置における前記内側顆との第2の矢状適合性とを有する、矢状凹状湾曲を含み、前記第2の矢状適合性は、前記第1の矢状適合性よりも大きく、前記第2の屈曲度での前記内側顆の前方への並進運動を低減する、整形外科用膝プロテーゼ。
【0157】
(71) 前記大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と前記内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも前記大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(72) 前記第1の屈曲度が約30度である、実施態様71に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(73) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記屈曲度での前記冠状凹状湾曲と前記内側顆との間の冠状適合性は、前記内側ドエル点の前方にある前記内側関節表面上の前記位置よりも前記内側関節表面の前記内側ドエル点における方が大きい、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(74) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点の前方で不均一であり、前記内側ドエル点の後方で均一である、実施態様73に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(75) 前記内側顆及び前記内側関節表面は、前記外側顆及び前記外側関節表面よりも互いに適合している、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0158】
(76) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記冠状凹状湾曲と前記内側顆との間の冠状適合性は、前記大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、前記大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(77) 前記外側関節表面は、断面で見たとき、平面部分と、前記準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する弓状関節経路を含み、
前記準平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(78) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様77に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(79) 前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置し、
前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、
前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(80) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様79に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0159】
(81) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様80に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(82) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様81に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(83) 前記脛骨インサートは、前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(84) 前記大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの前記大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定し、
前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する、実施態様70に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(85) 前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定され、各線は、以下の多項式によって画定される長さを有し、
θ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、
式中、rθは、θ度の屈曲での前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、
bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である、実施態様84に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0160】
(86) 前記複数の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている、実施態様85に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(87) 前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する、実施態様86に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(88) 整形外科用膝プロテーゼであって、
外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントであって、前記内側顆は、第1の湾曲大腿骨表面部分と、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分とを含む、複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含み、前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、連続的に減少する曲率半径によって画定され、前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている、大腿骨コンポーネントと、
前記大腿骨コンポーネントの前記外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面と、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面とを有する脛骨インサートであって、前記内側関節表面は、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記内側関節表面上の最遠位点を画定する内側ドエル点を含む、脛骨インサートと、を備え、
前記内側顆は、(i)第1の屈曲度で前記第1の湾曲大腿骨表面部分上の第1の接触点において前記内側ドエル点に接触し、前記第1の接触点は、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の前記最後方の曲率半径によって画定され、(ii)前記第1の屈曲度よりも大きい第2の屈曲度で前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の第2の接触点において前記内側ドエル点に接触し、前記第2の接触点は、前記第2の湾曲大腿骨表面部分の前記一定の曲率半径によって画定され、
前記第2の屈曲度での前記内側ドエル点と前記第2の湾曲大腿骨表面部分の前記一定の曲率半径の原点との間の上下距離は、前記第1の屈曲度での前記内側ドエル点と前記第1の湾曲大腿骨表面部分の前記最後方の曲率半径の原点との間の上下距離よりも大きい、整形外科用膝プロテーゼ。
(89) 前記大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、前記内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と前記内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも前記大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(90) 前記第1の屈曲度が約30度である、実施態様89に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0161】
(91) 前記内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点において、前記矢状凹状湾曲は、前記大腿骨コンポーネントの第1の屈曲度で前記内側顆と第1の矢状適合性を有し、前記内側ドエル点の前方にある前記内側関節表面上の位置において、前記矢状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第2の矢状適合性を有し、前記第2の矢状適合性は、前記第1の矢状適合性よりも大きい、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(92) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点において、前記冠状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第1の冠状適合性を有し、前記内側ドエル点の前方にある前記内側関節表面上の前記位置において、前記冠状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第2の冠状適合性を有し、前記第2の冠状適合性は、前記第1の冠状適合性よりも大きい、実施態様91に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(93) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点の前方で不均一であり、前記内側ドエル点の後方で均一である、実施態様92に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(94) 前記内側顆及び前記内側関節表面は、前記外側顆及び前記外側関節表面よりも互いに適合している、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(95) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記冠状凹状湾曲と前記内側顆との間の冠状適合性は、前記大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、前記大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0162】
(96) 前記外側関節表面は、断面で見たとき、準平面部分と、前記準平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有する弓状関節経路を含み、
前記平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(97) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様96に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(98) 前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置し、
前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、
前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(99) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様98に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(100) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様99に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0163】
(101) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様100に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(102) 前記脛骨インサートは、前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(103) 前記大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの前記大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定し、
前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する、実施態様88に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(104) 前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定され、各線は、以下の多項式によって画定される長さを有し、
θ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、
式中、rθは、θ度の屈曲での前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、
bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である、実施態様103に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(105) 前記複数の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている、実施態様104に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0164】
(106) 前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する、実施態様105に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(107) 整形外科用膝プロテーゼであって、
外側顆及び内側顆を有する大腿骨コンポーネントであって、前記内側顆は、連続的に減少する曲率半径によって画定される第1の湾曲大腿骨表面部分を含む複数の湾曲大腿骨表面部分によって画定される大腿骨関節表面を含む、大腿骨コンポーネントと、
前記大腿骨コンポーネントの前記外側顆と関節接合するように構成された外側関節表面と、前記大腿骨コンポーネントの前記内側顆と関節接合するように構成された内側関節表面とを有する脛骨インサートであって、
前記外側関節表面は、前後方向に延在する弓状関節経路を含み、前記弓状関節経路は、断面で見たとき、平面部分を含む湾曲を有し、前記平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定し、
前記内側関節表面は、前記外側関節表面に対して非対称に成形されており、前記内側顆表面の最遠位点を画定する内側ドエル点を含み、前記内側ドエル点は、前記内側顆表面上で、(i)前記外側関節表面の矢状湾曲の前記平面部分の最前端を含む前記脛骨インサートの第1の仮想内外二等分線と、前記外側関節表面の前記矢状湾曲の前記平面部分の最後端を含む前記脛骨インサートの第2の仮想内外二等分線との間、かつ(ii)前記外側関節表面の前記矢状湾曲の前記平面部分の前後中間点の後方に位置する、脛骨インサートと、を備える、整形外科用膝プロテーゼ。
(108) 前記大腿骨コンポーネントの内側顆は、矢状凸状湾曲を含み、前記内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と前記内側顆の矢状凹状湾曲との間の矢状適合性は、伸展時よりも前記大腿骨顆の第1の屈曲度での方が大きい、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(109) 前記第1の屈曲度が約30度である、実施態様108に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(110) 前記内側関節表面は、矢状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点において、前記矢状凹状湾曲は、前記大腿骨コンポーネントの第1の屈曲度で前記内側顆と第1の矢状適合性を有し、前記内側ドエル点の前方にある前記内側関節表面上の位置において、前記矢状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第2の矢状適合性を有し、前記第2の矢状適合性は、前記第1の矢状適合性よりも大きい、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0165】
(111) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記内側ドエル点において、前記冠状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第1の冠状適合性を有し、前記内側ドエル点の前方にある前記内側関節表面上の前記位置において、前記冠状凹状湾曲は、前記第1の屈曲度で前記内側顆と第2の冠状適合性を有し、前記第2の冠状適合性は、前記第1の冠状適合性よりも大きい、実施態様110に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(112) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点の前方で不均一であり、前記内側ドエル点の後方で均一である、実施態様111に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(113) 前記内側関節表面は、冠状凹状湾曲を含み、前記冠状凹状湾曲と前記内側顆との間の冠状適合性は、前記大腿骨コンポーネントが伸展して配置されるときの方が、前記大腿骨コンポーネントが後の屈曲度で配置されるときよりも大きい、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(114) 前記外側関節表面の前記弓状関節経路は、断面で見たとき、準平面部分と、前記平面部分の前方に位置する前方湾曲部分と、前記平面部分の後方に位置する複数の後方湾曲部分とを含む湾曲を有し、
前記準平面部分は、前記外側関節表面の最遠位領域を画定する、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(115) 各後方湾曲部分は、対応する曲率半径によって画定され、前記複数の後方湾曲部分の前記曲率半径は、後方で減少している、実施態様114に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0166】
(116) 前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲は、矢状面で見たとき、複数の湾曲部分を含み、前記内側ドエル点は、前記矢状凹状湾曲上に位置し、
前記複数の湾曲部分は、前記内側ドエル点に隣接してそこから後方に延在する第1の湾曲部分と、前記内側ドエル点に隣接してそこから前方に延在する第2の湾曲部分と、前記第2の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第3の湾曲部分と、前記第3の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第4の湾曲部分と、前記第4の湾曲部分に隣接してそこから前方に延在する第5の湾曲部分とを含み、
前記第1の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の曲率半径よりも大きく、前記第3の湾曲部分の曲率半径は、前記第2の湾曲部分の前記曲率半径よりも小さく、前記第4の湾曲部分の曲率半径よりも小さく、かつ前記第5の曲率半径の半径よりも小さい、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(117) 前記内側関節表面は、前記内側ドエル点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差する第1の冠状湾曲と、前記第1の冠状湾曲の前方に位置する第2の冠状湾曲と、前記第2の冠状湾曲の前方に位置する第3の冠状湾曲とを含む、複数の冠状湾曲によって画定される冠状凹状湾曲を含み、前記第1の冠状湾曲、前記第2の冠状湾曲、及び前記第3の冠状湾曲のそれぞれは互いに異なる、実施態様116に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(118) 前記第2の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第3の湾曲部分の最後点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第2の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定され、前記第1の冠状湾曲部分の曲率半径は、前記第2の冠状湾曲部分の曲率半径よりも小さい、実施態様117に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(119) 前記第3の冠状湾曲は、前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲を画定する前記複数の湾曲部分のうちの前記第4の湾曲部分の最前点で前記内側関節表面の前記矢状凹状湾曲と交差し、前記第3の冠状湾曲は、内側端及び外側端を有する平面部分と、前記平面部分の前記内側端から延在する第1の冠状湾曲部分と、前記平面部分の前記外側端から延在する第2の冠状湾曲部分とによって画定されている、実施態様118に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(120) 前記脛骨インサートは、前記脛骨インサートの底面に位置するロック機構の第1の部分を更に含み、前記ロック機構の前記第1の部分は、脛骨基部に位置する前記ロック機構の第2の部分と嵌合して、前記脛骨インサートを前記脛骨基部に固定するように構成されている、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
【0167】
(121) 前記大腿骨コンポーネントが伸展状態にあるときの前記大腿骨関節表面の最遠位点は、0度の屈曲を画定し、
前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、約5度の第1の屈曲度から約65度の第2の屈曲度まで延在する、実施態様107に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(122) 前記第1の湾曲大腿骨表面部分は、共通の原点から第2の湾曲大腿骨表面部分上の対応する点まで延びる複数の線によって画定され、各線は、以下の多項式によって画定される長さを有し、
θ=(a+(bθ)+(cθ)+(dθ))、
式中、rθは、θ度の屈曲での前記第2の湾曲大腿骨表面部分上の点を画定する線の長さであり、aは、20~50の係数値であり、bは、-0.30<b<0.00、0.00<b<0.30、及びb=0からなる群から選択される範囲の係数値であり、
bが-0.30<b<0.00の範囲にあるとき、(i)cは0.00~0.012の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0<b<0.30の範囲にあるとき、(i)cは-0.010~0.00の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値であり、
bが0に等しいとき、(i)cは-0.0020<c<0.00及び0.00<c<0.0025からなる群から選択される範囲の係数値であり、(ii)dは-0.00015~0.00の係数値である、実施態様121に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(123) 前記複数の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨部分の後方に隣接する第2の湾曲大腿骨表面部分を含み、前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、前記第1の湾曲大腿骨表面部分の最後方の曲率半径よりも大きい一定の曲率半径によって画定されている、実施態様122に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
(124) 前記第2の湾曲大腿骨表面部分は、約65度の第1の屈曲度から約90の第2の屈曲度まで延在する、実施態様123に記載の整形外科用膝プロテーゼ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
【国際調査報告】