特表2023-533311アルキルシロキサン及びヒドロトロープ／可溶化剤の組み合わせを含む起泡性混合アルコール／水組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】アルキルシロキサン及びヒドロトロープ／可溶化剤の組み合わせを含む起泡性混合アルコール／水組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/20 20060101AFI20230726BHJP
C11D 3/39 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230726BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20230726BHJP
C11D 1/82 20060101ALI20230726BHJP
【ＦＩ】
C11D3/20
C11D3/39
C11D3/395
C11D3/40
C11D3/50
C11D3/37
C11D1/82
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501159
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2021040506
(87)【国際公開番号】W WO2022010893
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】62/705,590
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＴＲＩＴＯＮ
２．ＰＬＵＲＯＮＩＣ
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ビクター フク－ポン マン
(72)【発明者】
【氏名】プー カン
(72)【発明者】
【氏名】デリック アンダーソン
【テーマコード（参考）】
4H003
【Ｆターム（参考）】
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC09
4H003AC15
4H003AC23
4H003DA02
4H003DA05
4H003EB04
4H003EB13
4H003EB36
4H003EB37
4H003EE04
4H003FA07
4H003FA12
4H003FA18
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】起泡性組成物等の提供。
【解決手段】本開示は、低表面張力溶液中でマイクロエマルション及び泡を形成することができるペンダントアルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油の相乗的な組み合わせを含む。起泡性組成物は、水、アルコール／水、及び炭化水素凝縮物中で泡を形成することができる。起泡性組成物は、他の組成物中の界面活性剤を置換し得、非トランス脂肪タンパク質及び脂肪酸を含む油で安定したエマルション又はマイクロエマルションを形成する。本開示はまた、それを組み込む殺菌アルコール組成物、洗浄組成物、例えば、硬質表面洗剤、器物洗剤、すすぎ助剤などを含む。
【選択図】図３
【解決手段】本開示は、低表面張力溶液中でマイクロエマルション及び泡を形成することができるペンダントアルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油の相乗的な組み合わせを含む。起泡性組成物は、水、アルコール／水、及び炭化水素凝縮物中で泡を形成することができる。起泡性組成物は、他の組成物中の界面活性剤を置換し得、非トランス脂肪タンパク質及び脂肪酸を含む油で安定したエマルション又はマイクロエマルションを形成する。本開示はまた、それを組み込む殺菌アルコール組成物、洗浄組成物、例えば、硬質表面洗剤、器物洗剤、すすぎ助剤などを含む。
【選択図】図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、アルコール／水、及び炭化水素凝縮溶液で使用するための起泡性組成物であって、ａ）ペンダントアルキルシロキサンと、
ｂ）ＰＥＧ変性ヒマシ油と、を含む、起泡性組成物。
【請求項2】
前記ペンダントアルキルシロキサンが、次の一般式に従い、【化1】
ｎが、０～３０であり、
ｍが、１～５０であり、
Ｒ及びＲ１が、メチルであり、
Ｒ２が、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基ではない、請求項１に記載の起泡性組成物。
【請求項3】
前記ペンダントアルキルシロキサンのＲ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項２に記載の起泡性組成物。
【請求項4】
前記ペンダントアルキルシロキサンのＲ２が、Ｃ２～Ｃ１２炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項２に記載の起泡性組成物。
【請求項5】
前記ペンダントアルキルシロキサンのＲ２が、Ｃ８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項２に記載の起泡性組成物。
【請求項6】
前記ペンダントアルキルシロキサンのＲ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、１～３０であり、ｍが、１～５０である、請求項２に記載の起泡性組成物。
【請求項7】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、水素添加されている、請求項１～６のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項8】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、約２０～約１００モルのＥＯを有する、請求項１～７のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項9】
前記組成物が、シリコーンベースの界面活性剤を十分に含まない、請求項１～８のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項10】
ＰｏｌｙＯＸを、好ましい濃度０．０５％～０．５％で更に含む、請求項１～９のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項11】
正に帯電したポリエチレンイミンポリマーを、好ましい濃度０．１％～５％で更に含む、請求項１～１０のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項12】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、アルコキシル化されている、請求項１１に記載の起泡性組成物。
【請求項13】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、エトキシル化されている、請求項１２に記載の起泡性組成物。
【請求項14】
２～５個のＳｉ－Ｏ繰り返し単位を有するジメチルシロキサンを更に含む、請求項１～１３請求項１のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項15】
前記ジメチルシロキサンが、直鎖である、請求項１～１４のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項16】
前記ジメチルシロキサンが、環状である、請求項１～１５のいずれか一項に記載の起泡性組成物。
【請求項17】
エマルション又はマイクロエマルションの形成による、タンパク質、及び／又は非トランス脂肪のすすぎ、除去を含む、手指及び硬質表面の消毒、表面洗浄の方法であって、前記方法は、前記タンパク質又は非トランス脂肪を有する表面に、
ａ）ペンダントアルキルシロキサンと、
ｂ）ＰＥＧ変性ヒマシ油と
を含む洗浄組成物／すすぎ助剤を塗布することを含む、方法。
【請求項18】
前記界面活性剤及びタンパク質又はトランス脂肪が除去されるように、前記表面をすすぐ又は拭き取ることを更に含む、請求項１７に記載の方法。
【請求項19】
前記ペンダントアルキルシロキサンが、次の一般式に従い、【化2】
ｎが、０～３０であり、
ｍが、１～５０であり、
Ｒ及びＲ１が、メチルであり、
Ｒ２が、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基ではない、請求項１７又は１８に記載の方法。
【請求項20】
ペンダントアルキルシロキサンが、カプリリル（Ｃ８）メチコンである、請求項１９に記載のペンダントアルキルシロキサン。
【請求項21】
Ｒ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項１７～２０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
Ｒ２が、Ｃ２～Ｃ１２炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項１７～２１のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
Ｒ２が、Ｃ８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項１７～２２のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
Ｒ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、１～３０であり、ｍが、１～５０である、請求項１７～２３のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、水素添加されている、請求項１７～２４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、約２０～約１００モルのＥＯを有する、請求項１７～２５のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ＰｏｌｙＯＸを、好ましい濃度０．０５％～０．５％で更に含む、請求項１７～２６のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
正に帯電したポリエチレンイミンポリマーを、好ましい濃度０．１％～５％で更に含む、請求項１７～２７のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、アルコキシル化されている、請求項２８に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、エトキシル化されている、請求項２８に記載の方法。
【請求項31】
前記組成物が、２～５個のＳｉ－Ｏ繰り返し単位を有するジメチルシロキサンを更に含む、請求項１７～３０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ジメチルシロキサンが、直鎖である、請求項１７～３１のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ジメチルシロキサンが、環状である、請求項１７～３２のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
起泡性成分を有する手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物であって、前記起泡性成分が、ａ）ペンダントアルキルシロキサンと、
ｂ）ＰＥＧ変性ヒマシ油と、を含む、手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項35】
前記ペンダントアルキルシロキサンが、次の一般式に従い、【化3】
ｎが、０～３０であり、
ｍが、１～５０であり、
Ｒ及びＲ１が、メチルであり、
Ｒ２が、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、
脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基ではない、請求項３４に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項36】
Ｒ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項３５に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項37】
Ｒ２が、Ｃ２～Ｃ１２炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項３５に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項38】
Ｒ２が、Ｃ８炭化水素であり、ｎが、０であり、ｍが、１である、請求項３５に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項39】
前記ペンダントアルキルシロキサンが、カプリリル（Ｃ８）メチコンである、請求項３５に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項40】
前記ペンダントアルキルシロキサンのＲ２が、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎが、１～３０であり、ｍが、１～５０である、請求項３５に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項41】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、水素添加されている、請求項２８～３４のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項42】
前記ＰＥＧ変性ヒマシ油が、約２０～約１００モルのＥＯを有する、請求項３４～４１のいずれか一項に記載の請求項の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項43】
前記組成物が、シリコーンベースの界面活性剤を十分に含まない、請求項３４～４２のいずれか一項に記載の請求項の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項44】
ＰｏｌｙＯＸを、好ましい濃度０．０５％～０．５％で更に含む、請求項３４～４３のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項45】
正に帯電したポリエチレンイミンポリマーを、好ましい濃度０．１％～５％で更に含む、請求項３４～４４のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項46】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、アルコキシル化されている、請求項３４～４５のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項47】
前記ポリエチレンイミンポリマーが、エトキシル化されている、請求項３４～４６のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【請求項48】
界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、粘度調整剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸、ポリマー分散剤、硬水沈殿顔料のための閾値阻害剤、埴土除去剤／再付着防止剤、光沢剤、泡抑制剤、染料、布地色調剤、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、追加のヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料抗菌剤、ｐＨ緩衝剤、加工助剤、活性蛍光増白成分、追加の界面活性剤、及びそれらの混合物を更に含む、請求項３４～４７のいずれか一項に記載の手指消毒剤、硬質表面消毒剤又は表面洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手指消毒及び洗剤及びすすぎ助剤組成物に使用する可溶化剤及び非界面活性アルキルシロキサンを含む相乗的な組み合わせを用いる、起泡性組成物及び洗浄組成物及び使用方法に関する。これらの起泡性組成物は、水、アルコール／水溶液の両方、及び凝縮炭化水素中のマイクロエマルションの形成の容易さを含む多くの利点を有する。
【背景技術】
【0002】
特定の起泡性組成物は、液体－気体界面で吸着することにより、液体の表面張力を低減させ得る。界面活性剤はまた、液体－液体界面で吸着することによって油又はアルコールと水との間の界面張力も低減させ得る。これらの起泡性組成物は、水分子に引き付けられる親水性部分と、水をはじき、同時に、主に炭化水素からなる化合物にそれ自体付着する疎水性部分とを有する。この表面張力の低減により、新しい表面を作り出すのに、液体をよりエネルギー的に有利にすることによって液体を起泡することを可能にする。
【0003】
これらの起泡性組成物は、界面活性剤などの単一の化合物、又はシリコーンベースの水不溶性化合物及びヒドロトロープなどの互いに相互作用して２つの必要な疎水性領域及び親水性領域を提供する２つ以上の化合物、から構成され得る。アルコールのような特定の液体は、表面張力が非常に低く、その親水性領域のために界面活性剤を十分に溶解しない。アルコールには、例えば、表面張力を十分低下させて起泡を可能にし得る、シリコーンベースの界面活性剤及びフッ化物ベースの界面活性剤の２つの主なクラスの化合物しかない。
【0004】
界面活性剤は、その親水性領域及び疎水性領域のために、汚れた表面を洗浄する洗浄組成物に組み込まれることがよくある。好ましいメカニズムの１つは、この汚れをマイクロエマルション化することによるものである。界面活性剤はまた、多くの場合、水中油マイクロエマルションに組み込まれて、油含有生成物をより均一に見せる。これらの油含有生成物の例には、テルペン及び他の水と混和しない溶剤などの、脱脂するための油性溶剤を含有する洗浄生成物が含まれる。これらの洗浄生成物に一般的に使用される界面活性剤系には、油相の可溶化を助長し、かつ液晶形成を防ぐアニオン性又は非イオン性界面活性剤及び短鎖アルコールの混合物が含まれる。これらの界面活性剤は、互いに相互作用して同じマイクロエマルションを生成する２つ以上の化合物と置き換え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの低表面張力の液体を起泡させ得る既知の薬剤の数は限定されているため、入手可能性は、限定され得る。したがって、これらの低表面張力液体に起泡を引き起こすように使用され得る追加の化合物を特定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
出願人は、水及び／又は短鎖アルコールの混合物中で安定した泡を生成するように一緒に作用する非界面活性アルキルシロキサン及びヒドロトロープの相乗的な組み合わせを特定した。どちらの化合物も単独では機能しないが、これらの組成物を一緒に使用することにより、手指及び硬質表面消毒、洗浄組成物及び汚れ除去のためのエマルションが形成され得る。この組み合わせは、水、アルコール／水溶液、及び炭化水素凝縮物の表面張力を低下させるのに効果的である。更に、起泡性組成物は、エマルションを形成することができ、それ故に、油性の汚れ及び脂っこい染みを除去することができる。一実施形態では、起泡性組成物は、非トランス脂肪及び脂肪酸の染みを除去することができる。一般に、非トランス脂肪を除去するのは、非トランス脂肪の重合熱に起因する洗浄及び除去の観点及び洗濯の安全性の問題の両方から、トランス脂肪を除去するより困難である。
【0007】
一実施形態では、直鎖でなければならないアルキルシロキサンは、次の一般式のものを含み、
式中、
ｎは、０以上であり、
ｍは、０以上であり、
Ｒ及びＲ１は、メチルであり、
Ｒ２は、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基であってはならない。
【化1】
ｎは、０以上であり、
ｍは、０以上であり、
Ｒ及びＲ１は、メチルであり、
Ｒ２は、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基であってはならない。
【0008】
好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。
【0009】
より好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ２～Ｃ１２炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。
【0010】
最も好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ８炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。
【0011】
アルキルシロキサンとカップリング剤の組み合わせは、界面活性剤として一緒に作用し、洗浄組成物、すすぎ助剤、予備浸漬洗剤、エネルギーシステムからの油汚れ除去など、多くの従来の界面活性剤ベースの組成物に使用され得る。
【0012】
ヒドロトロープは、水添又は非水添のいずれかのエトキシル化ヒマシ油である。重要なことには、他のヒドロトロープをアルキルシロキサン化合物と組み合わせて試験したが、有効であるとは判明せず、水／短鎖アルコール系での洗浄に必要な起泡又はエマルションの形成生成は見出されなかった。これらには、ＰＥＧ－４００、Ｂ－シクロデキストリン、１％スルホコハク酸ジオクチル溶液、レシチン、ＰＥＧ（２０）ソルビタンモノラウレート（Ｔｗｅｅｎ（登録商標）２０）、ＰＥＧ（８０）ソルビタンモノラウレート（Ｔｗｅｅｎ（登録商標）８０）、ナトリウムココＰＧ－ジモニウムクロリドホスフェート（Ｃｏｌａ Ｌｉｐｉｄ ＤＣＣＡ）、エタノールＳＤＡ－４０Ｂ１９０プルーフ（９２．３％活性）、ヒマシ油、Ｎ－オクチル－２－ピロリドン、サルファドンＬＰ－１００、イソトリデシルオキシプロピル－１，３－ジアミノプロパン（Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＤＡ－１７）、Ｃ９－アルコールポリエチレングリコールエーテルカルボン酸（低起泡性Ｍａｒｌｏｗｅｔ４５３９ＬＦ）、二級アルコールエトキシレート（Ｔｅｒｇｉｔｏｌ１５－５－７）、ココアミンオキシド（Ｂａｒｌｏｘ－１２ ３０％）、ＳＬＥＳ６０％、及びアルコールプロポキシサルフェート（Ａｌｆｏｔｅｒｒａ１２３－８５）が含まれる。好ましい実施形態では、組成物は、これらの追加のヒドロトロープの１つ以上を含有しない。
【0013】
加えて、アルキルシロキサン及びヒドロトロープの組成物は、追加の界面活性剤を用いて起泡及びエマルション形成能力について試験され、追加の界面活性剤を含めても性能は向上しなかった。試験された追加の界面活性剤には、ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、ＰＥＧ（２０）ソルビタンモノラウレート（Ｔｗｅｅｎ（登録商標）２０）、ＰＥＧ（８０）ソルビタンモノラウレート（Ｔｗｅｅｎ（登録商標）８０）、ＰＥＧ－４００、伸張Ｃ１０ＰＯ８ＥＯ６、ＳＬＥＳ（６０％）、ココアミンオキシド（Ｂａｒｌｏｘ１２（３０％））、カプリリルメチコン、ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、ｔ－オクチルフェノキシポリエトキシエタノール（Ｔｒｉｔｏｎ Ｘ－１００）、高起泡性５０％活性アミンオキシド（Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＡＯ－７２８）、レシチン、１％クエン酸、１％アルキルポリグルコシド溶液、イソトリデシルオキシプロピル－１，３－ジアミノプロパン（Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＤＡ－１７）、ジシクロヘキシルアミン及びポリオキシエチレン－ポリオキシプロピレンブロックコポリマー（Ｐｌｕｒｏｎｉｃ６８）が含まれる。
【0014】
一実施形態では、ヒマシ油は、約２０モル～約６０モルのＰＥＧを有する。必要な２つの組成物の比は、組成物中のアルコールの量に大きく依存する。例えば、６２％エタノールの溶液では、シロキサンは、０．２重量％～約０．３重量％程度と低い値であり得る。ＰＥＧ変性ヒマシ油は、約０．０５重量％～約０．０７重量％程度と低い値であり得る。驚くべきことに、本出願人は、混合物への界面活性剤の添加がエマルション形成を更に助長しないことを実証した。
【0015】
好ましい実施形態では、アルキルペンダント基の長さ及びシロキサンの骨格の長さの範囲は、混合エタノール／水系における溶解度によってほとんど決定され、Ｃ２～Ｃ８のトリシロキサン及びエチルメチコンが、最も好ましい。
【0016】
本開示の更なる態様では、ビルダー酵素などの従来の追加成分を有する起泡性組成物を含む洗浄組成物が提供され、この洗浄生成物は、商業的、工業的及び個人的なランドリー洗浄プロセス又はプレスポッティング処理において、非トランス脂肪を容易に溶解及び分散させるように適合される。
【0017】
本開示のこれらの並びに他の目的、特徴及び付随する利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】カプリリルメチコンが、水、エタノール、又は６２重量％エタノールＳＤＡ－４０Ｂ１９０プルーフ（９２．３％活性）界面のいずれにも界面活性を有しないことを示す、動的表面張力分析の結果のグラフ表示を示す。
【図2】動的表面張力分析の結果のグラフ表示が、ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油が純水の表面張力を５重量％の濃度で３０ｍＮ／ｍ２に低減させることを示している。ただし、それは、エタノール及び６２重量％エタノールＳＤＡ－４０Ｂ１９０プルーフ（９２．３％活性）溶液についての表面張力には影響しない。
【図3】動的表面張力分析の結果のグラフ表示が、カプリリルメチコンと組み合わせたＰＥＧ－４０水添ヒマシ油が、水及び６２重量％エタノールＳＤＡ－４０Ｂ１９０プルーフ（９２．３％活性）溶液の表面張力を更に低減させることができることを示している。
【図4】ＰＥＧ変性油とカプリリルメチコンとの間のアルキル鎖間の疎水性相互作用の概略図を示しており、小さなカプリリルメチコンは、ＰＥＧ変性油のケージ構造内に閉じ込められている。
【図5】蛍光灯下での混合物を示している。左側は、ＰＥＧ－４０を有しない４６ｐｐｍ色素を有する実施例１の混合物であり、右側は、ＰＥＧ－４０を有する４６ｐｐｍ色素を有する実施例１である。図からわかるように、右下は、シリコーン材料（Ｃ８トリシロキサン及びシリコーン液）がエタノール／水溶液中に完全に溶解してマイクロエマルションを形成していることを示す、強力なかつ均一な蛍光を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態は、本発明の界面活性剤系についての使用の特定の用途に限定されず、これらは、異なる場合があり、当業者によって理解される。本明細書に使用される全ての専門用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、いかなる様式又は範囲においても限定的であることを意図していないことを更に理解されたい。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、内容が別段明らかに示されない限り、複数形の指示対象を含み得る。更に、全ての単位、接頭辞、及び記号は、そのＳＩによって認められた形態で示され得る。
【0020】
本明細書内に列挙された数値範囲は、定義された範囲内の数を含む。本開示全体を通して、本開示の様々な態様が、範囲形式で提示されている。範囲形式での記載は、単に便宜性及び簡潔性のためであると理解されるべきであり、本開示の範囲への不可変な限定として解釈されるべきではない。したがって、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能性のある部分範囲及び個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである（例えば、１～５は、１、１．５、２、２．７５、３、３．８０、４、及び５を含む）。
【0021】
本開示をより容易に理解し得るように、ある特定の用語をまず定義する。別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示の実施形態に関連する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似しているか、それらを修正したか、又はそれらと同等である多くの方法及び材料が、必要以上の実験を伴うことなく本開示の実施形態の実践に使用されることができ、好ましい材料及び方法が、本明細書に記載されている。本開示の実施形態についての記載及び特許請求において、以下に記載の定義に従って、以下の専門用語が使用されるであろう。
【0022】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、現実世界において濃縮物又は使用溶液の作製に使用される典型的な測定及び液体取り扱い手順、それらの手順における不慮の誤差、組成物の作製又は方法の実行に使用される配合成分の作製、供給源、又は純度の違いなどによって生じ得る、数量の変形を指す。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。「約」という用語により修飾されるか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、その量の当量を含む。
【0023】
「活性物質」又は「活性物質パーセント」又は「活性物質重量パーセント」又は「活性物質濃度」は、本明細書において互換的に使用され、水又は塩などの不活性配合成分を引いたパーセンテージとして表される洗浄に関与する配合成分の濃度を指す。
【0024】
「再堆積防止剤」は、洗浄されている物体上に再堆積する代わりに水中に懸濁されたままであることを助ける化合物を指す。再堆積防止剤は、除去された汚れの洗浄された表面への再堆積の減少を補助するために、本開示において有用である。
【0025】
本明細書で使用される場合、「洗浄」という用語は、汚れ除去、漂白、微生物集団減少、及びそれらの任意の組み合わせを促進するか、又は助けるために使用される方法を指す。本明細書で使用される場合、「微生物（ｍｉｃｒｏｏｒｇａｎｉｓｍ）」という用語は、あらゆる非細胞生物又は単細胞（コロニーを含む）生物を指す。微生物は、全ての原核生物を含む。微生物は、細菌（シアノバクテリアを含む）、胞子、地衣類、真菌、原生動物、ビリノス（ｖｉｒｉｎｏｓ）、ウイロイド、ウイルス、ファージ、及びいくつかの藻類を含む。本明細書で使用される場合、「微生物（ｍｉｃｒｏｂｅ）」という用語は、微生物（ｍｉｃｒｏｏｒｇａｎｉｓｍ）と同義である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「洗浄組成物」という用語には、別段の指示がない限り、洗剤組成物、ランドリー洗浄組成物、前処理又はすすぎ助剤を含む硬質表面洗浄組成物、並びに健康及び美容分野で使用するためのパーソナルケア洗浄組成物が含まれる。洗浄組成物には、粒状、粉末、液体、ゲル、ペースト、棒状及び／又はフレーク型洗浄剤、ランドリー洗剤洗浄剤、ランドリー浸漬又はスプレー処理、布地処理組成物、食器洗浄洗剤及び石鹸、シャンプー、身体洗浄剤及び石鹸、並びに他の同様の洗浄組成物が含まれる。本明細書で使用される場合、「布地処理組成物」という用語には、別段の指示がない限り、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、及びそれらの組み合わせが含まれる。そのような組成物は、すすぎ添加組成物であってもよいが、そうである必要はない。
【0027】
「電解質」という用語は、水に溶解したときに、又は水と接触したときに、イオン伝導性を提供する物質を指し、そのような化合物は、固体又は液体のどちらかであり得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、「食品加工表面」という語句は、食品加工、調理、又は保存活動の一部として用いられる、道具、機械、機器、構造物、建物などの表面を指す。食品加工表面の例としては、食品加工又は調理機器（例えば、スライシング機器、缶詰機器、又は輸送機器で、水路を含む）の表面、食品加工用品（例えば、台所用具、食器、洗浄用品、及びバーガラス（ｂａｒ ｇｌａｓｓｅｓ）の表面、及び食品加工が行われる構造物の床、壁、又は固定備品の表面を含む。食品加工表面は、食物腐敗防止空気循環システム、無菌包装消毒、食品冷蔵及びクーラーのクリーナー及び消毒剤、用品洗浄消毒、ブランチャークリーニング及び消毒、食品包装材、カッティングボード添加剤、サードシンク（ｔｈｉｒｄ－ｓｉｎｋ）消毒、飲料冷却機及び加温機、肉の冷却又は熱湯処理の水、自動食器消毒剤、消毒ゲル、冷却塔、食品加工用抗菌衣服スプレー、並びに非水性～低水性食品調理潤滑剤、油、及びすすぎ添加剤中に見出され、用いられる。
【0029】
「硬質表面」という用語は、カウンタートップ、タイル、床、壁、パネル、窓、衛生器具、台所及び浴室の家具、器具、エンジン、回路基板、並びに皿などの固形の実質的に非可撓性の表面を指す。硬質表面は、例えば、ヘルスケア表面及び食品加工表面、機器などを含んでもよい。
【0030】
「柔らかい表面」という用語は、布地、カーペット、毛髪、及び皮膚などの、より柔らかく柔軟性の高い材料を指す。
【0031】
用語「洗濯」は、洗濯洗浄機械で洗浄される品目又は物品を指す。一般に、洗濯は、織物材料、織布、不織布、及びニット織物から作製された、又はそれらを含む、任意の品目又は物品を指す。テキスタイル材料は、シルク繊維、リネン繊維、綿繊維、ポリエステル繊維、ナイロンのようなポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、並びに綿及びポリエステルブレンドを含むこれらのブレンドのような、天然又は合成繊維を含み得る。繊維は、処理済又は未処理であり得る。
【0032】
例示的な処理済繊維は、難燃性について処理をされたものを含む。用語「リネン」は、多くの場合、ベッドシーツ、ピローケース、タオル、テーブルリネン、テーブルクロス、バーモップ、及び制服を含むある特定の型の洗濯品目を説明するために使用されることを理解されたい。本開示は、加えて、非ランドリー物品、並びに皿、グラス、及び他の器物などの硬質表面を含む表面を処理するための組成物及び方法を提供する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「マイクロエマルション」という用語は、超低界面張力を特徴とする界面活性剤の界面薄膜によって安定化された水及び／又は油のナノメートルサイズのドメインからなる、熱力学的に安定した等方性分散体を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「無リン酸塩」という用語は、リン酸塩若しくはリン酸塩含有化合物を含有しないか、又はリン酸塩若しくはリン酸塩含有化合物が添加されていない、組成物、混合物、又は配合成分を指す。無リン酸塩組成物、混合物、又は配合成分の汚染を介してリン酸塩又はリン酸塩含有化合物が存在する場合、リン酸塩の量は、０．５重量％未満でなければならない。より好ましくは、リン酸塩の量は、０．１重量％未満であり、最も好ましくは、リン酸塩の量は、０．０１重量％未満である。
【0035】
本明細書で使用される場合、「無リン」又は「実質的に無リン」という用語は、リン若しくはリン含有化合物を含有しないか、又はリン若しくはリン含有化合物が添加されていない組成物、混合物、又は配合成分を指す。リン又はリン含有化合物が、無リン組成物、混合物、又は成分の汚染によって存在する場合、リンの量は、０．５重量％未満でなければならない。より好ましくは、リンの量は、０．１重量％未満であり、最も好ましくは、リンの量は、０．０１重量％未満である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、概して、限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマーなど、ターポリマー、並びにより高次の「ｘ」量体を含み、それらの誘導体、組み合わせ及びブレンドを更に含む。更に、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、限定されることはないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称、並びにそれらの組み合わせを含む、分子の全ての可能な異性体構成を含むものとする。更に、別段に具体的に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、分子の全ての可能な幾何学構成を含むものとする。
【0037】
「汚れ」又は「染み」という用語は、鉱物粘土、砂、天然鉱物質、カーボンブラック、グラファイト、カオリン、環境粉塵などの特定の粒子状物質が含有される場合があり又は含有されない場合がある、非極性の油性物質を指す。
【0038】
本明細書において使用する場合、「実質的に含まない」という用語は、その成分を完全に欠くか、又はその成分が組成物の性能に影響を及ぼさない程度の少量の成分を有する組成物を指す。成分は、不純物として又は汚染物質として存在してもよく、０．５重量％未満でなければならない。別の実施形態では、成分の量は、０．１重量％未満であり、更に別の実施形態では、成分の量は、０．０１重量％未満である。
【0039】
「実質的に同様の洗浄性能」という用語は、概して洗浄力の同じ度合い（又は少なくとも顕著に劣る度合いではない）、又は概して同じ労力の消費（又は少なくとも顕著に劣る消費ではない）を用いる代用洗浄製品又は代用洗浄系により概して達成されることを指す。
【0040】
本明細書で使用される「界面活性剤」という用語は、水又は溶媒に添加されるとき、系の表面張力を減少させる、親油性セグメント及び親水性セグメントを含有する化合物である。界面活性剤の親油性及び親水性セグメントは、自発的な自己凝集を引き起こすのに十分に大きい。
【0041】
本明細書で使用される「ヒドロトロープ」という用語は、疎水性化合物を水溶液に可溶化する化合物である。ヒドロトロープは、一般に、自発的な自己凝集を引き起こすには小さ過ぎる親水性領域及び疎水性領域を有する。そのため、ヒドロトロープは、界面活性剤とは異なり、一般に、臨界ミセル濃度又は臨界ベシクル濃度を欠いている。
【0042】
本明細書で使用される場合、「器物」という用語は、食器道具及び調理道具、食器、並びにシャワー、シンク、トイレ、浴槽、天板、窓、鏡、運搬用車両、及び床等の他の硬質表面を指す。本明細書で使用される場合、用語「器物洗浄」は、器物を洗浄すること（ｗａｓｈｉｎｇ）、洗浄すること（ｃｌｅａｎｉｎｇ）、又はすすぐことを指す。用品は、プラスチック製のアイテムも指す。本開示に従った組成物で洗浄され得るプラスチックのタイプとしては、これらに限定されないが、ポリプロピレンポリマー（ＰＰ）、ポリカーボネートポリマー（ＰＣ）、メラミンホルムアルデヒド樹脂又はメラミン樹脂（メラミン）、アクリロニトリル－ブタジエン－スチレンポリマー（ＡＢＳ）、及びポリスルホンポリマー（ＰＳ）を含むものが挙げられる。本開示の化合物及び組成物を使用して洗浄され得る他の例示的なプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）及びポリスチレンポリアミドが挙げられる。
【0043】
用語「重量パーセント（ｗｅｉｇｈｔ ｐｅｒｃｅｎｔ）」、「重量％（ｗｔ．－％）」、「重量パーセント（ｐｅｒｃｅｎｔ ｂｙ ｗｅｉｇｈｔ）」、「重量％（％ ｂｙ ｗｅｉｇｈｔ）」、及びそれらの変形は、本明細書において使用する場合、その物質の重量を組成物の総重量で除し、１００を乗じた物質の濃度を指す。ここで使用されるとき、「パーセント」、「％」などは、「重量パーセント」、「重量％」などと同義であるように意図されることが理解される。
【0044】
本開示の方法及び組成物は、本開示の成分及び材料、並びに本明細書に記載の他の成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり得る。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、更なるステップ、成分、又は材料が、特許請求される方法及び組成物の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合に限り、方法及び組成物が、更なるステップ、成分、又は材料を含み得ることを意味する。
【0045】
シロキサン及びヒマシ油起泡性組成物
６２重量％エタノール溶液界面で安定した泡を生成させるという課題は、そのすでに低い表面張力（－２５ｍＮ／ｍ２）によるものである。ほとんどの界面活性剤は、シリコーンベース及びフッ化物ベースの界面活性剤を除いて）、水の表面張力をそのような低い値まで低減させることができない。有用なアルキル変性シロキサンの範囲は、ヒドロトロープ系の能力によって制限される。シロキサン（ＰＤＭＳ）の長さが長くなり過ぎると、ヒドロトロープはもはや、エタノール／水系で溶液中に保持できなくなる。ペンダントアルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油は、水、アルコール／水溶液、又は炭化水素凝縮物に十分なかつ安定した泡を提供し得ることが発見された。ペンダントアルキルシロキサンは、親水性領域を欠いている。この領域を有しない場合、シロキサンは、水溶液に不溶性であり、それ自体シリコーンベースの界面活性剤として機能し得ない。
６２重量％エタノール溶液界面で安定した泡を生成させるという課題は、そのすでに低い表面張力（－２５ｍＮ／ｍ２）によるものである。ほとんどの界面活性剤は、シリコーンベース及びフッ化物ベースの界面活性剤を除いて）、水の表面張力をそのような低い値まで低減させることができない。有用なアルキル変性シロキサンの範囲は、ヒドロトロープ系の能力によって制限される。シロキサン（ＰＤＭＳ）の長さが長くなり過ぎると、ヒドロトロープはもはや、エタノール／水系で溶液中に保持できなくなる。ペンダントアルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油は、水、アルコール／水溶液、又は炭化水素凝縮物に十分なかつ安定した泡を提供し得ることが発見された。ペンダントアルキルシロキサンは、親水性領域を欠いている。この領域を有しない場合、シロキサンは、水溶液に不溶性であり、それ自体シリコーンベースの界面活性剤として機能し得ない。
【0046】
アルキルシロキサン
一実施形態では、直鎖でなければならないアルキルシロキサンは、次の一般式のものを含み、
式中、
ｎは、０～３０であり、
ｍは、１～５０であり、
Ｒ及びＲ１は、メチルであり、
Ｒ２は、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基であってはならない。
一実施形態では、直鎖でなければならないアルキルシロキサンは、次の一般式のものを含み、
【化2】
ｎは、０～３０であり、
ｍは、１～５０であり、
Ｒ及びＲ１は、メチルであり、
Ｒ２は、直鎖又は分岐、非置換又は置換、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族のＣ１～Ｃ３０炭化水素であり、かつ親水性基であってはならない。
【0047】
好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎは、０～３０であり、ｍは、１～５０である。
【0048】
好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ２～Ｃ２８炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。
【0049】
より好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ２～Ｃ１２炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。最も好ましい実施形態では、Ｒ２は、Ｃ８炭化水素であり、ｎは、０であり、ｍは、１である。
【0050】
ＰＥＧ変性ヒマシ油
本発明の組成物は、組成物の安定性及び水性製剤を助成する１つ以上のヒドロトロープを含み得る。機能的に言えば、使用することができる好適なヒドロトロープカプラーは、非毒性であり、濃縮物又は任意の使用溶液がさらされる温度範囲及び濃度にわたって水溶液中に活性配合成分を保持する。
本発明の組成物は、組成物の安定性及び水性製剤を助成する１つ以上のヒドロトロープを含み得る。機能的に言えば、使用することができる好適なヒドロトロープカプラーは、非毒性であり、濃縮物又は任意の使用溶液がさらされる温度範囲及び濃度にわたって水溶液中に活性配合成分を保持する。
【0051】
任意のヒドロトロープカップリング剤は、組成物の他の成分と反応しないか、又は組成物の性能特性に悪影響を及ぼさないことを条件として使用され得る。用いられ得るヒドロトロープカップリング剤又は可溶化剤の代表的なクラスとしては、アルキル硫酸塩及びアルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼン又はナフタレンスルホン酸塩、二級アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩又はスルホン酸塩、アルキルリン酸塩又はホスホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、糖エステル（例えば、ソルビタンエステル）、アミンオキシド（モノ、ジ、又はトリアルキル）及びＣ８～Ｃ１０アルキルグルコシドなどのアニオン性界面活性剤が挙げられる。好ましいカップリング剤としては、Ｅｃｏｌａｂ Ｉｎｃ．からＮＡＳ８Ｄとして入手可能なｎ－オクタンスルホン酸塩、ｎ－オクチルジメチルアミンオキシド、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩（例えば、キシレンスルホン酸塩）若しくはナフタレンスルホン酸塩などの市販されている芳香族スルホン酸塩、アリール若しくはアルカリールリン酸エステル、又は１～約４０個のエチレン、プロピレン若しくはブチレンオキシド単位あるいはそれらの混合物を有するそれらのアルコキシル化類似体が挙げられる。他の好ましいヒドロトロープとしては、１～約１５個のアルキレンオキシド基（好ましくは、約４～約１０個のアルキレンオキシド基）を有するＣ６～Ｃ２４のアルコールアルコキシレート（アルコキシレートは、エトキシレート、プロポキシレート、ブトキシレート、及びそれらのコポリマー又はターポリマー混合物を意味する）（好ましくは、Ｃ６～Ｃ１４のアルコールアルコキシレート）；１～約１５個のアルキレンオキシド基（好ましくは、約４～約１０個のアルキレンオキシド基）を有するＣ６～Ｃ２４のアルキルフェノールアルコキシレート（好ましくは、Ｃ８～Ｃ１０のアルキルフェノールアルコキシレート）；１～約１５個のグリコシド基（好ましくは、約４～約１０個のグリコシド基）を有するＣ６～Ｃ２４のアルキルポリグリコシド（好ましくは、Ｃ６～Ｃ２０アルキルポリグリコシド）；Ｃ６～Ｃ２４の脂肪酸エステルエトキシレート、プロポキシレート又はグリセリド；並びにＣ４～Ｃ１２のモノ又はジアルカノールアミド、の非イオン性界面活性剤が挙げられる。好ましいヒドロトロープは、キシレンスルホン酸ナトリウム（ＳＸＳ）である。
【0052】
好ましい実施形態では、ヒドロトロープは、ヒマシ油である。ヒマシ油は、トウゴマという植物の種子（トウゴマの実）から得られる植物由来の油である。それは、いくつかの異なる脂肪酸で構成されるトリグリセリドの混合物である。これは、トリグリセリドの腕ごとに１つの二重炭素－炭素結合を有する一価不飽和脂肪である。主な成分は、リシノール酸であり、油の残りの部分はオレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、及び他のいくつかの有機酸で構成されている。
【0053】
リシノール酸の主な成分の化学は、トリグリセリド間で異なる。この脂肪酸は分子の各アームにヒドロキシル（－ＯＨ）基を有し、これが、その脂肪酸を他の脂肪酸よりも極性を高くしている。ヒドロキシル基はまた、トリグリセリドの化学変性を促進させ、多くの異なる用途に望ましい特性を有する誘導体の創造を可能にする。
【0054】
そのような誘導体の１つは、ＰＥＧ－ｘヒマシ油（ｘ＝エチレングリコール単位の数）である。エチレンオキシドと反応したリシノール酸（ヒマシ油）は、ポリエチレングリコール変性ヒマシ油を生成し、エチレングリコール単位の数は、わずか２から１００超まで様々である。この分子のエチレングリコール部分は、親水性（水溶性）である。この親水性部分は、トリグリセリドの疎水性油部分と結合しており、非イオン性界面活性剤分子を生成する。これらの界面活性剤分子は、コンディショニング剤、安定剤、及び増粘剤の優れた乳化剤として配合者により使用され得る。エチレングリコール基は、ヒマシ油分子の保湿特性を向上させる。ＰＥＧ－ヒマシ油分子は、ＰＥＧ－＃に応じて、水溶液に分散可能なものから完全に水溶性のものまでの範囲にある。ＰＥＧ－＃が約３５を超えると、分子は完全に水溶性になる。
【0055】
本開示の実施形態で使用するためのＰＥＧ変性ヒマシ油は、次の一般式のものを含み、
式中、ｌ、ｍ、及びｎは、１～１００の範囲のポリエチレングリコール（ＰＥＧ）単位の平均数である。好ましい実施形態では、ＰＥＧ変性ヒマシ油は、１０～６０モル以上、好ましくは２０～６０モルのＰＥＧを含む。
【化3】
【0056】
特定の理論に拘束されるものではないが、ペンダントアルキルシロキサンの疎水性Ｒ基の両方が、溶液の炭化水素との十分な相互作用を提供して、その溶解度を改善し、ＰＥＧ変性ヒマシ油の疎水性尾部と相互作用すると考えられる。次いで、ヒマシ油のＰＥＧ変性により、両方の化合物が溶液に溶解するのに十分な溶解度が提供される。この相互作用により、２つの化合物は相乗的に作用して、両方ともに十分な溶解度が可能であり、表面張力を十分に低減させて、泡を形成させるためにそれをエネルギー的に有利にする。したがって、この相乗的な相互作用により、これらの組み合わされた２つの化合物は、水、アルコール／水、及び炭化水素凝縮物を含む多くの溶液中で界面活性剤として作用し得る。
【0057】
実施形態によれば、起泡性組成物は、洗浄、すすぎ、脱脂、及び他の配合物に使用され、界面活性剤で置き換えられ得る。本開示の起泡性組成物は、補助界面活性剤なしで、安定したマイクロエマルションを形成するように最適化されている。更に、安定かつ不可逆的である異なる温度範囲のエマルション又はマイクロエマルション、すなわち、特定の温度範囲内にとどまるために元に戻らないエマルション又はマイクロエマルションが生成され得る。本開示の起泡性組成物は、脂肪酸、脂質及びトリグリセリドを含む炭化水素系油、植物油、有機油、鉱油、合成油、石油化学油、揮発性精油を含む油及び脂肪酸によって引き起こされる染みを除去又は処理するための洗浄組成物により、又は洗浄組成物中で、エマルション又はマイクロエマルションを形成することができる。
【0058】
この機能は、潤滑剤、日焼け止めローション、シャンプー、ジェル、コンディショナーなどの医薬品用途のヘア製品、ディーゼル燃料（石油ディーゼル）、エタン（及び他の短鎖アルカン）、燃料油（船舶／炉で使用される最も重い商用燃料）、ガソリン（ｇａｓｏｌｉｎｅ）（ガソリン（ｐｅｔｒｏｌ））、ジェット燃料、灯油、及び液化石油ガスなどの石油製品、個人用及びエンジニアリングのための潤滑製品、洗剤、肥料、医薬品、塗料、プラスチック、合成繊維、並びに合成ゴムなどの油エマルション又はマイクロエマルションを必要とする洗浄製品又は任意の他の製品における油の除去に使用され得る。
【0059】
ペンダントアルキルシロキサンは、約０．０１重量％～約１０重量％、約０．０２重量％～約７重量％、又は約０．０５重量％～約５重量％で溶液中に存在し得る。
【0060】
もう１つのアングルは、不溶性材料がアルキルメチコンであり、ヒドロトロープがＰＥＧ変性ヒマシ油であり、担体／媒体が混合エタノールであるマイクロエマルションの成功裡の形成である。このマイクロエマルションは、ほとんどのマイクロエマルションの場合とは大きく異なり、この不溶性成分が消泡に寄与し、この特別なマイクロエマルション中の不溶性アルキルジメチコンが起泡性に寄与する。
【0061】
この組成物はまた、メタノール及びイソプロパノールなどの他の短鎖アルコールとともに機能する。したがって、好ましい処理がメタノールなどの短鎖アルコールを含む泡を噴霧することであるため、本開示は、メタンハイドレート妨害物の阻害／防止のために非常に重要であり得る。
【0062】
加えて、ランドリー洗浄、非トランス脂肪によるランドリー火災の低減、並びに鍋及びフライパンの手による洗浄、機械による食器洗浄、多目的洗浄、床洗浄、ＣＩＰ洗浄、オープンファシリティ洗浄、泡洗浄、車両洗浄などの硬質表面洗浄を含むが、これらに限定されない、他の使用及び用途がある。本開示はまた、乾燥潤滑剤、タイヤドレッシング、つや出し剤など、並びにトリグリセリドベースのローション、日焼け用ローション、実現可能性が高い医薬品エマルション、及びマイクロエマルションなどの非洗浄関連使用及び用途にも関連している。
【0063】
特定の実施形態では、起泡性組成物は、Ｍｇ２＋、Ｃａ２＋などの多価陽イオン又はアルカリ源又はキレート剤などの他の機能性電解質などの従来の洗浄成分を更に含む洗浄組成物の一部である。得られた組み合わせは、比較的低温で非トランス脂肪を有するマイクロエマルションを形成するのに非常に効果的である。このシステムは、ランドリー洗剤、アルカリベース又は酸ベースのすすぎが、硬質表面クリーナー、すすぎ助剤、プレスポッティング剤として、又は他のエマルション若しくはマイクロエマルションとしてそれ自体でも、硬質表面クリーナーを助成するかどうかにかかわらず、ランドリー洗剤についての配合、硬質表面クリーナーで使用され得る。
【0064】
そのような組成物では、ＰＥＧ変性ヒマシ油は、溶液中に約０．０５重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約７重量％、又は約０．２重量％～約５重量％存在し得る。
【0065】
シロキサン及びヒマシ油起泡性組成物を用いるアルコール／水溶液
洗浄組成物配合物
別の実施形態では、起泡性組成物は、ビルダー、及び酵素などの他の従来の成分を含む、食器洗浄剤又はランドリー洗剤などの洗浄組成物に配合される。当業者に周知のそのような標準的なランドリー、器物洗浄成分及び配合物の例を、以下の段落で提供する。
洗浄組成物配合物
別の実施形態では、起泡性組成物は、ビルダー、及び酵素などの他の従来の成分を含む、食器洗浄剤又はランドリー洗剤などの洗浄組成物に配合される。当業者に周知のそのような標準的なランドリー、器物洗浄成分及び配合物の例を、以下の段落で提供する。
【0066】
洗剤又は器物洗浄用組成物は、固体又は液体の形態で提供され得、例えば、アルカリ源、金属保護剤（器物洗浄用）、開示の水の界面活性剤又は界面活性剤系、及び閾値剤、及び他の任意の成分を含む。典型的な配合物には、アルカリ源の重量で約３０重量％～約８０重量％、金属保護剤の重量で約１５重量％～約３５重量％の、界面活性剤の重量で約２重量％～約１０重量％、水の重量で約０．１重量％～約２０重量％、閾値剤の重量で約０．２重量％～約１５重量％が含まれ得る。スケール抑制剤が存在する場合、それは、約０～約１５重量％の量で存在する。
【0067】
更に別の実施形態は、シャワー、シンク、トイレ、浴槽、調理台、窓、鏡、輸送車両、床などの表面からの脂っこい及び油性の汚れの除去の際に有効な硬質表面洗浄剤を作製するために、本開示の界面活性剤系、酸源又はアルカリ度源、及び任意に溶媒、水調整剤、及び水を有する硬質表面洗浄組成物を含む。これらの表面は、「硬質表面」（壁、床、便器等）として象徴されるものであり得る。
【0068】
活性が約１８％の典型的な硬質表面配合物は、約４０重量％～約８０重量％の本開示の界面活性剤系、約３重量％～約１８重量％の水調整剤、約０．１重量％～約０．５５重量％の酸源又はアルカリ源、約０重量％～約１０重量％の溶媒、及び約１０重量％～約６０重量％の水を含む。
【0069】
特に、洗浄組成物は、約４５重量％～約７５重量％の本開示の起泡性系、約０重量％～約１０重量％の任意の補助界面活性剤、約５重量％～約１５重量％の水調整剤、約０．３重量％～約０．５重量％の酸源又はアルカリ源、約０～約６重量％の溶媒、及び約１５重量％～約５０重量％の水を含む。他の実施形態では、同様の中間濃度及び使用濃度はまた、本開示の洗浄組成物にも存在し得る。
【0070】
追加の従来の洗浄成分。
【0071】
キレート剤
組成物は、キレート剤を任意に含んでもよい。キレート剤の例としては、ホスホン酸及びホスホン酸塩、リン酸塩、アミノカルボン酸塩及びそれらの誘導体、ピロリン酸塩、エチレンジアミン及びエチレントリアミン誘導体、ヒドロキシ酸、並びにモノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、及びトリカルボン酸塩、及びそれらの対応する酸が挙げられる。他のキレート剤には、ニトロアセタート及びその誘導体、並びにそれらの混合物が含まれる。アミノカルボン酸塩の例としては、アミノ酢酸及びその塩が挙げられる。好適なアミノ酢酸には、Ｎ－ヒドロキシエチルアミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）、エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、Ｎヒドロキシエチル－エチレンジアミン三酢酸（ＨＥＤＴＡ）、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム（ＥＤＴＡ）、ジエチレントリアミン五酢酸（ＤＴＰＡ）、及びアラニン－Ｎ，Ｎ－二酢酸；ｎ－ヒドロキシエチルイミノ二酢酸及び同様のもの、それらのアルカリ金属塩、並びにそれらの混合物が含まれる。好適なアミノリン酸には、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、及び８つ未満の炭素原子を有するアルキル基又はアルカリ基を有する他のアミノリン酸が含まれる。例示的なポリカルボキシレートイミノジコハク酸（ＩＤＳ）、ナトリウムポリアクリレート、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、それらの塩、それらの混合物、及び同様のもの。追加のポリカルボキシレートには、クエン酸若しくはクエン酸塩型のキレート剤、ポリマーポリカルボン酸塩、及びアクリル酸若しくはポリアクリル酸型のキレート剤が含まれる。追加のキレート剤には、ポリアスパラギン酸又は他のアミノ酸とアスパラギン酸との共縮合体、Ｃ４－Ｃ２５－モノ－又はジカルボン酸、及びＣ４－Ｃ２５－モノ－又は－ジアミンが含まれる。例示的なポリマーポリカルボキシレートには、ポリアクリル酸、マレイン酸／オレフィンコポリマー、アクリル／マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸－メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド－メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル－メタクリロニトリルコポリマー、及び同様のものが含まれる。
組成物は、キレート剤を任意に含んでもよい。キレート剤の例としては、ホスホン酸及びホスホン酸塩、リン酸塩、アミノカルボン酸塩及びそれらの誘導体、ピロリン酸塩、エチレンジアミン及びエチレントリアミン誘導体、ヒドロキシ酸、並びにモノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、及びトリカルボン酸塩、及びそれらの対応する酸が挙げられる。他のキレート剤には、ニトロアセタート及びその誘導体、並びにそれらの混合物が含まれる。アミノカルボン酸塩の例としては、アミノ酢酸及びその塩が挙げられる。好適なアミノ酢酸には、Ｎ－ヒドロキシエチルアミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）、エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、Ｎヒドロキシエチル－エチレンジアミン三酢酸（ＨＥＤＴＡ）、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム（ＥＤＴＡ）、ジエチレントリアミン五酢酸（ＤＴＰＡ）、及びアラニン－Ｎ，Ｎ－二酢酸；ｎ－ヒドロキシエチルイミノ二酢酸及び同様のもの、それらのアルカリ金属塩、並びにそれらの混合物が含まれる。好適なアミノリン酸には、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、及び８つ未満の炭素原子を有するアルキル基又はアルカリ基を有する他のアミノリン酸が含まれる。例示的なポリカルボキシレートイミノジコハク酸（ＩＤＳ）、ナトリウムポリアクリレート、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、それらの塩、それらの混合物、及び同様のもの。追加のポリカルボキシレートには、クエン酸若しくはクエン酸塩型のキレート剤、ポリマーポリカルボン酸塩、及びアクリル酸若しくはポリアクリル酸型のキレート剤が含まれる。追加のキレート剤には、ポリアスパラギン酸又は他のアミノ酸とアスパラギン酸との共縮合体、Ｃ４－Ｃ２５－モノ－又はジカルボン酸、及びＣ４－Ｃ２５－モノ－又は－ジアミンが含まれる。例示的なポリマーポリカルボキシレートには、ポリアクリル酸、マレイン酸／オレフィンコポリマー、アクリル／マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸－メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド－メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル－メタクリロニトリルコポリマー、及び同様のものが含まれる。
【0072】
キレート剤は、約０．０１～約５重量％、約０．０５～約３重量％、及び約０．１～約１．５重量％の量で存在し得る。
【0073】
防腐剤
組成物は、任意に、防腐剤を含んでもよい。一般に、防腐剤は、フェノール類、ハロゲン化合物、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、ビグアニド、アナリド、有機硫黄及び硫黄窒素化合物、アルキルパラベン、並びに様々な化合物を含む特定のクラスに分類される。フェノール系抗菌剤のいくつかの非限定的な例には、ペンタクロロフェノール、オルトフェニルフェノール、クロロキシレノール、ｐ－クロロ－ｍ－クレゾール、ｐ－クロロフェノール、クロロチモール、ｍ－クレゾール、ｏ－クレゾール、ｐ－クレゾール、イソプロピルクレゾール、混合クレゾール、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、フェノキシイソプロパノール、フェニルパラベン、レゾルシノール、及びそれらの誘導体が含まれる。ハロゲン化合物のいくつかの非限定的な例には、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル（Ｔｒｉｃｌｏｓａｎ）、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ヨウ素－ポリ（ビニルピロリジン－オネン）錯体、及び２ブロモ－２－ニトロプロパン－１，３－ジオールなどの臭素化合物、及びそれらの誘導体が含まれる。四級アンモニウム化合物のいくつかの非限定的な例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化セトリモニウム、及びそれらの誘導体が含まれる。アミン及びニトロ含有化合物のいくつかの非限定的な例には、ヘキサヒドロ－１，３，５－トリス（２－ヒドロキシエチル）－ｓ－トリアジン、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバミン酸塩、及びそれらの誘導体が含まれる。ビグアニドのいくつかの非限定的な例には、ポリアミノプロピルビグアニド及びグルコン酸クロルヘキシジンが含まれる。アルキルパラベンのいくつかの非限定的な例には、メチル、エチル、プロピル及びブチルパラベンが含まれる。防腐剤は、好ましくは、約０～約３重量％、約０．１～約２重量％、及び約０．２～約１重量％の量で組成物中に存在する。
組成物は、任意に、防腐剤を含んでもよい。一般に、防腐剤は、フェノール類、ハロゲン化合物、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、ビグアニド、アナリド、有機硫黄及び硫黄窒素化合物、アルキルパラベン、並びに様々な化合物を含む特定のクラスに分類される。フェノール系抗菌剤のいくつかの非限定的な例には、ペンタクロロフェノール、オルトフェニルフェノール、クロロキシレノール、ｐ－クロロ－ｍ－クレゾール、ｐ－クロロフェノール、クロロチモール、ｍ－クレゾール、ｏ－クレゾール、ｐ－クレゾール、イソプロピルクレゾール、混合クレゾール、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、フェノキシイソプロパノール、フェニルパラベン、レゾルシノール、及びそれらの誘導体が含まれる。ハロゲン化合物のいくつかの非限定的な例には、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル（Ｔｒｉｃｌｏｓａｎ）、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ヨウ素－ポリ（ビニルピロリジン－オネン）錯体、及び２ブロモ－２－ニトロプロパン－１，３－ジオールなどの臭素化合物、及びそれらの誘導体が含まれる。四級アンモニウム化合物のいくつかの非限定的な例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化セトリモニウム、及びそれらの誘導体が含まれる。アミン及びニトロ含有化合物のいくつかの非限定的な例には、ヘキサヒドロ－１，３，５－トリス（２－ヒドロキシエチル）－ｓ－トリアジン、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジチオカルバミン酸塩、及びそれらの誘導体が含まれる。ビグアニドのいくつかの非限定的な例には、ポリアミノプロピルビグアニド及びグルコン酸クロルヘキシジンが含まれる。アルキルパラベンのいくつかの非限定的な例には、メチル、エチル、プロピル及びブチルパラベンが含まれる。防腐剤は、好ましくは、約０～約３重量％、約０．１～約２重量％、及び約０．２～約１重量％の量で組成物中に存在する。
【0074】
増粘剤
組成物は、任意に、増粘剤を含んでもよい。増粘剤の例としては、（１）セルロース系増粘剤及びその誘導体、（２）天然ガム、（３）デンプン、（４）ステアリン酸塩、（５）脂肪酸アルコール及び（６）ポリエチレンオキシドが挙げられる。セルロース増粘剤のいくつかの非限定的な例には、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、セルロース硫酸ナトリウムなどが含まれる。天然ガムのいくつかの非限定的な例には、アカシア、カラギーナンカルシウム塩、グアー、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナンナトリウム塩、トラガカントガム、キサンタンガムなどが含まれる。デンプンのいくつかの非限定的な例には、エンバク粉、ジャガイモデンプン、小麦粉、小麦デンプンなどが含まれる。ステアリン酸塩のいくつかの非限定的な例には、ジステアリン酸ＰＥＧ－１５０、メトキシＰＥＧ－２２／ドデシルグリコールコポリマーなどが含まれる。脂肪酸アルコールのいくつかの非限定的な例には、カプリルアルコール、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、パーム核アルコールなどが含まれる。
組成物は、任意に、増粘剤を含んでもよい。増粘剤の例としては、（１）セルロース系増粘剤及びその誘導体、（２）天然ガム、（３）デンプン、（４）ステアリン酸塩、（５）脂肪酸アルコール及び（６）ポリエチレンオキシドが挙げられる。セルロース増粘剤のいくつかの非限定的な例には、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、セルロース硫酸ナトリウムなどが含まれる。天然ガムのいくつかの非限定的な例には、アカシア、カラギーナンカルシウム塩、グアー、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナンナトリウム塩、トラガカントガム、キサンタンガムなどが含まれる。デンプンのいくつかの非限定的な例には、エンバク粉、ジャガイモデンプン、小麦粉、小麦デンプンなどが含まれる。ステアリン酸塩のいくつかの非限定的な例には、ジステアリン酸ＰＥＧ－１５０、メトキシＰＥＧ－２２／ドデシルグリコールコポリマーなどが含まれる。脂肪酸アルコールのいくつかの非限定的な例には、カプリルアルコール、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、パーム核アルコールなどが含まれる。
【0075】
組成物中の増粘剤の量は、組成物の所望の粘度に依存する。組成物は、好ましくは、吹き付け用フォーマーなどのフォーマーを通してポンピングして、起泡性を可能にするのに十分低い粘度を有する。
【0076】
正に帯電したポリマー
特定の実施形態では、組成物は、更なる泡安定化のために、正に帯電したポリマーを含んでもよい。
特定の実施形態では、組成物は、更なる泡安定化のために、正に帯電したポリマーを含んでもよい。
【0077】
正に帯電したポリマー
本発明によれば、ポリエチレンイミン（ＰＥＩ）、並びにアルコキシル化及び／又はエトキシル化（ＰＥＩ）ポリマーなどのその誘導体、ポリアミン、ポリクアット、ポリグリセロールクアット、並びに他のＰＥＩ誘導体、それらの塩又は混合物などの正電荷クラスのポリマーを、本発明の組成物において使用することができる。ＰＥＩは、高分子アミン又はポリアミンであり、それには、ポリエチレンイミン化合物（ＰＥＩ）及び／又はその誘導体が含まれる。ポリエチレンイミンには、一級、二級又は三級アミン化合物が含まれ得る。ポリエチレンイミン化合物及び／又はその誘導体には、直鎖及び／又は分岐ポリエチレンイミンが含まれ得る。なお更に、ポリエチレンイミン及び／又はその誘導体は、例えば、エチレンイミンの開環重合の結果としての直鎖、分岐又は櫛状構造を含む、分子量、トポロジー及び形状において大幅に変化し得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ａｎｇｅｌｅｓｃｕ ｅｔ ａｌ．，Ｌａｎｇｍｕｉｒ，２７，９９６１－９９７１（２０１１）を参照されたい。本発明の一態様によれば、漂白活性化剤は、直鎖及び／又は分岐ポリエチレンイミンであってもよい。
本発明によれば、ポリエチレンイミン（ＰＥＩ）、並びにアルコキシル化及び／又はエトキシル化（ＰＥＩ）ポリマーなどのその誘導体、ポリアミン、ポリクアット、ポリグリセロールクアット、並びに他のＰＥＩ誘導体、それらの塩又は混合物などの正電荷クラスのポリマーを、本発明の組成物において使用することができる。ＰＥＩは、高分子アミン又はポリアミンであり、それには、ポリエチレンイミン化合物（ＰＥＩ）及び／又はその誘導体が含まれる。ポリエチレンイミンには、一級、二級又は三級アミン化合物が含まれ得る。ポリエチレンイミン化合物及び／又はその誘導体には、直鎖及び／又は分岐ポリエチレンイミンが含まれ得る。なお更に、ポリエチレンイミン及び／又はその誘導体は、例えば、エチレンイミンの開環重合の結果としての直鎖、分岐又は櫛状構造を含む、分子量、トポロジー及び形状において大幅に変化し得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ａｎｇｅｌｅｓｃｕ ｅｔ ａｌ．，Ｌａｎｇｍｕｉｒ，２７，９９６１－９９７１（２０１１）を参照されたい。本発明の一態様によれば、漂白活性化剤は、直鎖及び／又は分岐ポリエチレンイミンであってもよい。
【0078】
本発明によれば、ポリエチレンイミン（ＰＥＩ）などの正に帯電したクラスのポリマー、並びにエトキシル化（ＰＥＩ）ポリマー、プロポキシル化（ＰＥＩ）ポリマー、ポリアミン、ポリクアット、ポリグリセロールクアット、及び他のＰＥＩ誘導体などのその誘導体、それらの塩又は混合物は、起泡性組成物中に存在する界面活性剤との静電相互作用を提供するために起泡性組成物中で使用され、特に好ましいのは、エトキシ化又はプロポキシ化ＰＥＩポリマーである。好ましいそのような実施形態では、ＰＥＩ（複数可）は、分岐した球状高分子アミンであり、使用されるＰＥＩ又はＰＥＩ塩の分子量は、約８００ダルトン～約２００万ダルトンである。加えて、使用されるＰＥＩ又はＰＥＩ塩の電荷密度は、約１５ミリ当量／ｇ～約２５ミリ当量／ｇ、より好ましくは、約１６ミリ当量／ｇ～約２０ミリ当量／ｇである。そのような好ましいＰＥＩの例には、ＢＡＳＦ製品ＬＵＰＡＳＯＬ ＷＦ（２５ｋＤａ；１６～２０ミリ当量／ｇ）及びＬｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＦＧ（８００ダルトン；１６～２０ミリ当量／ｇ）、並びにＢＡＳＦから入手可能なＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ファミリーのポリマー、例えば、ＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ＨＰ２０、ＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ＨＰ２２Ｇなどが含まれる。
【0079】
本発明によれば、洗浄組成物は、洗浄量のアニオン性界面活性剤（約１重量％～約７５重量％）及び約０．０１重量％～約５．０重量％のエトキシ化ＰＥＩ、又はポリアミン、ポリクアット、ポリクリセロールクアットなどの他の同様に正に帯電されたポリマー、及びプロポキシ化ＰＥＩであるＶＸ１００３５、ＶＸ９９４５及びＶＸ９９４６である２つの他のＮａｌｃｏ製品などのＮａｌｃｏから市販されている製品を用いて形成され、それらにおいて、ＰＥＩは、まず、プロポキシ化され、次いで、エトキシ化される。直鎖ポリエチレンイミンは、オキサゾリン及びオキサジン誘導体のカチオン重合によって作製される。直鎖ＰＥＩを調製するための方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるＡｄｖａｎｃｅｓ ｉｎ Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｓｃｉｅｎｃｅ，Ｖｏｌ．１０２，ｐｇｓ．１７１－１８８，１９９２（ｒｅｆｅｒｅｎｃｅｓ６－３１）に更に十分に記載される。ポリエチレンイミンはまた、アジリジンの重合によっても作製され得、多くの場合、一級、二級、及び三級アミン官能基を含有する高分子アミンが得られる。ＰＥＩの商業的調製は、一般に、以下に示すように、アジリジンとしても知られているエチレンイミンの環を開く酸触媒反応である。
【0080】
本発明において有用な好適なポリエチレンイミン化合物は、一級、二級、及び三級アミン置換基の混合物を含有し得る。一級、二級、及び三級アミン置換基の混合物は、例えば、鎖セグメントに沿って３～３．５の窒素原子ごとに分岐する約１：１：１～約１：２：１の比率を含む、任意の比率であり得る。代替的に、好適なポリエチレンイミン化合物は、主に、一級、二級、又は三級アミン置換基のうちの１つであり得る。
【0081】
例示的なＰＥＩ生成物は、４３．０７の分子量（繰り返し単位として）を有する、以下の式（－（ＣＨ２－ＣＨ２－ＮＨ）ｎ－）による分岐ポリマー構造を有する多官能性カチオン性ポリエチレンイミンを含む。特定の態様では、式（－（ＣＨ２－ＣＨ２－ＮＨ）ｎ－）は、少なくとも１０～１０５であるｎの値を有し、窒素対炭素比は１：２である。ＰＥＩポリマーは、一般的な次のポリマー構造を有する。
【化4】
【0082】
ＰＥＩ生成物はまた、置換、サイズ、分子量、分岐などにより変化し得る次の一般式でも表され得、
式中、ｘは、１以上の整数であり、ｙは、１以上の整数である。好ましくは、ｘは、約１～約１２０，０００、好ましくは、約２～約６０，０００、より好ましくは、約３～約２４，０００の整数であり、ｙは、約１～約６０，０００、好ましくは、約２～約３０，０００、より好ましくは、約３～約１２，０００の整数である。
【化5】
【0083】
例えば、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＦＧ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）Ｇ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＰＲ８５１５、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＷＦ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）Ｇ２０／３５／１００、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＨＦ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）Ｐ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＰＳ、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＰＯ１００、Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＰＮ５０／６０、及びＬｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＳＫを含む、例えば、商品名Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）（ＢＡＳＦ）で販売されているものを含む様々な市販のポリエチレンイミンが入手可能である。このような例示的なポリエチレンイミンは、無水ポリエチレンイミン、及び／又は水溶液若しくはメトキシプロパノール（Ｌｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＰＯ１００）中に提供される変性ポリエチレンイミンとして入手可能である。変性ポリエチレンイミンを含むポリエチレンイミンのモル質量は、約８００ｇ／ｍｏｌ～少なくとも２，０００，０００ｇ／ｍｏｌで変動し得る。
【0084】
特定の態様では、高分子アミン漂白活性化剤、好ましくは、ＰＥＩ漂白活性化剤は、分岐した球状高分子アミンであってもよい。更なる態様では、高分子アミン漂白活性化剤又はＰＥＩ漂白剤の分子量は、約１００ダルトン～約２００万ダルトン（ＰＥＩ－２，０００，０００）、より好ましくは、約１００ダルトン～約１００万ダルトン（ＰＥＩ－１，０００，０００）、より好ましくは、約５００ダルトン～約５００ｋＤａ（ＰＥＩ－５００，０００）、より好ましくは、約５００ダルトン～約５０ｋＤａ（ＰＥＩ－５０，０００）、より好ましくは、約８００ダルトン～約５０ｋＤａ（ＰＥＩ－５０，０００）、より好ましくは、約８００ダルトン～約１０ｋＤａ（ＰＥＩ－１０，０００）である。更なる態様では、ＰＥＩ又はＰＥＩ塩の電荷密度は、約１５ミリ当量／ｇ～約２５ミリ当量／ｇ、より好ましくは、約１６ミリ当量／ｇ～約２０ミリ当量／ｇである。そのような好ましいＰＥＩの市販の例には、ＢＡＳＦ製品ＬＵＰＡＳＯＬ（登録商標）ＷＦ（２５ｋＤａ；１６～２０ミリ当量／ｇ）及びＬｕｐａｓｏｌ（登録商標）ＦＧ（８００ダルトン；１６～２０ミリ当量／ｇ）、及び、例えば、ＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ＨＰ２０、ＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ＨＰ２２ＧなどのＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）ファミリーのポリマーにおけるＢＡＳＦ製品が含まれる。
【0085】
一態様では、高分子アミンは、他の置換基及び／又はコポリマーを含み得る。
例えば、高分子アミンはまた、例えば、エトキシレート及びプロポキシレートを含む置換基も含み得る。本発明の一態様では、ポリエチレンイミンなどの高分子アミンは、エチレンオキシド（ＥＯ）及び／又はプロピレンオキシド（ＰＯ）側鎖で誘導体化される。本発明によれば、ＰＥＩは、プロピレンオキシド側鎖を含有しない。本発明の例示的な態様では、エトキシ化ＰＥＩは、高度に分岐し得、一級及び二級窒素上の置換可能な水素は、以下のポリマー構造（ＰＥＩ２０ＥＯの総称）などの、様々な程度の繰り返し単位を含有するエトキシ化鎖で置換される。
例えば、高分子アミンはまた、例えば、エトキシレート及びプロポキシレートを含む置換基も含み得る。本発明の一態様では、ポリエチレンイミンなどの高分子アミンは、エチレンオキシド（ＥＯ）及び／又はプロピレンオキシド（ＰＯ）側鎖で誘導体化される。本発明によれば、ＰＥＩは、プロピレンオキシド側鎖を含有しない。本発明の例示的な態様では、エトキシ化ＰＥＩは、高度に分岐し得、一級及び二級窒素上の置換可能な水素は、以下のポリマー構造（ＰＥＩ２０ＥＯの総称）などの、様々な程度の繰り返し単位を含有するエトキシ化鎖で置換される。
【化6】
【0086】
一態様では、正に帯電したポリマーは、エチレンオキシド鎖を有するポリエチレンイミンポリマーである。ＰＥＩのエトキシ化は、本発明による漂白活性化剤の溶解度を増加させる。
【0087】
高分子アミンはまた、例えば、エチレンジアミンを含むコポリマーを含んでもよい。様々な置換基及び／又はコポリマーが、本発明による漂白活性化剤として用いられる特定の高分子アミンの溶解度又はいずれかの他の物理的特性を修正するために、含まれ得る。
【0088】
アミン基が存在するため、ＰＥＩを酸でプロトン化して、周囲の媒体からＰＥＩ塩を形成し、ｐＨに応じて部分的又は完全にイオン化された生成物をもたらすことができる。例えば、ＰＥＩの約７３％がｐＨ２でプロトン化され、ＰＥＩの約５０％がｐＨ４でプロトン化され、ＰＥＩの約３３％がｐＨ５でプロトン化され、ＰＥＩの約２５％がｐＨ８でプロトン化され、ＰＥＩの約４％がｐＨ１０でプロトン化される。一般に、ＰＥＩは、水がある場合とない場合のプロトン化又は非プロトン化形態として購入することができる。分岐プロトン化ポリエチレンイミン（ＰＥＩ塩）のセグメントの例を、以下に示す。
【化7】
【0089】
各プロトン化窒素中心の対イオンは、中和中に得られる酸のアニオンと平衡している。プロトン化ＰＥＩ塩の例には、ＰＥＩ－塩酸塩、ＰＥＩ－硫酸塩、ＰＥＩ－硝酸塩、ＰＥＩ－酢酸塩、ＰＥＩ脂肪酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。実際、任意の酸を使用してＰＥＩをプロトン化し、対応するＰＥＩ塩化合物を形成することができる。
【0090】
カチオン性ポリマーであるＰＥＩは、約０．０１重量％～約５重量％の量で存在する。５重量％を超えると影響が減少し、これは臨界上限である。
【0091】
洗浄組成物
本開示の起泡性組成物は、ＰＥＧ変性ヒマシ油上の相乗的な親水性領域と、アルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油の両方上の疎水性領域とにより、洗浄組成物に見られる界面活性剤に取って代わることができる。本開示の起泡性組成物は、従来の洗剤又は洗浄剤と組み合わせたプレスポット又は前処理組成物として、単独で使用され得、又は洗浄組成物内に組み込まれ得る。本開示は、開示された界面活性剤系を用いる硬質表面及び軟質表面洗浄組成物の両方を含む。
本開示の起泡性組成物は、ＰＥＧ変性ヒマシ油上の相乗的な親水性領域と、アルキルシロキサン及びＰＥＧ変性ヒマシ油の両方上の疎水性領域とにより、洗浄組成物に見られる界面活性剤に取って代わることができる。本開示の起泡性組成物は、従来の洗剤又は洗浄剤と組み合わせたプレスポット又は前処理組成物として、単独で使用され得、又は洗浄組成物内に組み込まれ得る。本開示は、開示された界面活性剤系を用いる硬質表面及び軟質表面洗浄組成物の両方を含む。
【0092】
一実施形態では、本開示は、本開示の起泡性組成物、酸源、溶媒、水調整剤、及び水を用いて、シャワー、シンク、トイレ、バスタブ、カウンタートップ、窓、鏡、輸送車両、床などなどの表面から脂っこい汚れ及び油性の汚れを除去するのに効果的である硬質表面洗浄剤を作製する。これらの表面は、「硬質表面」（壁、床、便器等）として象徴されるものであり得る。
【0093】
約１８％活性の典型的な硬質表面調合物には、約４０重量％～約８０重量％の本開示の起泡性組成物、約３重量％～約１８重量％の水調整剤、約０．１重量％～約０．５５重量％の酸源、約０重量％～約１０重量％の溶媒及び約１０重量％～約６０重量％の水が含まれる。
【0094】
特に、洗浄組成物には、約４５重量％～約７５重量％の本開示の起泡性組成物、約０重量％～約１０重量％の任意の補助界面活性剤、約５重量％～約１５重量％の水調整剤、約０．３重量％～約０．５重量％の酸源、約０～約６重量％の溶媒、及び約１５重量％～約５０重量％の水が含まれる。他の実施形態では、同様の中間濃度及び使用濃度はまた、本開示の洗浄組成物にも存在し得る。
【0095】
ランドリー洗剤配合物において、本開示の組成物は、典型的には、本開示の起泡性組成物、及び任意に酵素を有するビルダーを含む。当業者に周知のそのような標準的なランドリー洗剤成分の例は、以下の段落で提供される。
【0096】
本開示の目的にとって必須ではないが、以下に例示される追加の成分の非限定的なリストは、本組成物での使用に好適であり、例えば、洗浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などの場合のように洗浄組成物の審美性を修正するために洗浄性能を補助する又は向上させるように、本開示の特定の実施形態に望ましく組み込まれ得る。これらの追加成分の正確な性質、及びそれらの組み込みレベルは、組成物の物理的形態、及びそれが使用される洗浄操作の性質に依存する。好適な追加の材料には、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、粘度調整剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸、ポリマー分散剤、硬水沈殿顔料のための閾値阻害剤、埴土除去剤／再付着防止剤、光沢剤、泡抑制剤、染料、布地色調剤、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、追加のヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料抗菌剤、ｐＨ緩衝剤、加工助剤、活性蛍光増白成分、追加の界面活性剤、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。以下の開示に加えて、そのような他の補助剤及び使用レベルの好適な例は、参照により組み込まれる米国特許第５，５７６，２８２号、同第６，３０６，８１２Ｂ１号及び同第６，３２６，３４８Ｂ１号に見出される。
【0097】
述べた通りに、補助成分は、出願人の組成物にとって必須ではない。したがって、出願人の組成物の特定の実施形態は、追加の材料を含有しない。ただし、１つ以上の追加の材料が存在する場合、そのような１つ以上の追加の成分は、以下に詳述するように存在し得る。
【0098】
本明細書の液体洗剤は、正規ｐＨ約７～約１３、又は約７～約９、又は約７．２～約８．５、又は約７．４～約８．２を有する。洗剤には、無機及び／若しくは有機アルカリ源及び水溶性アルカリ金属などの酸性化剤、及び／若しくは水酸化物のアルカリ土類金属塩、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、及び／若しくはメタケイ酸塩；又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、及び／若しくはホスホン酸塩、を含む、緩衝剤及び／又はｐＨ調整剤が含有され得る。本明細書における有機アルカリ性源は、一級、二級、及び／又は三級アミンを含む。本明細書における無機酸性化剤には、ＨＦ、ＨＣｌ、ＨＢｒ、ＨＩ、ホウ酸、硫酸、リン酸、及び／若しくはスルホン酸、又はホウ酸が含まれる。本明細書における有機酸性化剤には、置換及び置換、分岐、直鎖及び／又は環状Ｃ１－３０カルボン酸が含まれる。
【0099】
漂白剤
本開示の洗浄組成物は、１つ以上の漂白剤を含んでもよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤には、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸及びそれらの混合物が含まれる。一般に、漂白剤が使用される場合、本開示の組成物は、主題の洗浄組成物の重量で、約０．１重量％～約５０重量％、又は更に約０．１重量％～約２５重量％の漂白剤を含み得る。好適な漂白剤の例には、以下が含まれる。
（１）予め形成された過酸：好適な予め形成された過酸には、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過ヨウ素酸及び塩、過硫酸及び塩、例えば、Ｏｘｚｏｎｅ（登録商標）、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むが、これらに限定されない。好適な過カルボン酸には、式Ｒ－－（Ｃ－－Ｏ）Ｏ－－Ｏ－Ｍを有する疎水性及び親水性過酸であって、式中、Ｒが、過酸が疎水性である場合に、６～１４個の炭素原子、又は８～１２個の炭素原子を、及び過酸が親水性である場合に、６個未満の炭素原子を、若しくは更に４個未満の炭素原子を、有する、任意に分岐したアルキル基であり、Ｍが、対イオン、例えば、ナトリウム、カリウム又は水素である、疎水性及び親水性過酸と、（２）過酸化水素の供給源、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びそれらの混合物のナトリウム塩（通常、一水和物又は四水和物）などのアルカリ金属塩を含む無機過水和物塩と、が含まれる。本開示の一態様では、無機過水和物塩は、過ホウ酸塩、過炭酸塩及びそれらの混合物のナトリウム塩からなる群から選択される。用いられる場合、無機過水和物塩は、典型的には、組成物全体の０．０５～４０重量％、又は１～３０重量％の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてそのような組成物中に組み込まれる。好適なコーティングには、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩、若しくはホウ酸塩、若しくはそれらの混合物などの無機塩、又は水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油若しくは脂肪石鹸などの有機材料と、（３）Ｒ－－（Ｃ－－Ｏ）－Ｌを有する漂白活性化剤であって、式中、Ｒが、漂白活性化剤が疎水性である場合に、６～１４個の炭素原子、又は８～１２個の炭素原子を、及び漂白剤活性化剤が親水性である場合に、６個未満の炭素原子を若しくは更に４個未満の炭素原子を、有する、任意に分岐したアルキル基であり、Ｌが、脱離基である、漂白活性化剤と、が含まれる。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特に、ベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤には、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はそれらの塩、３，５，５－トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン（ＴＡＥＤ）及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート（ＮＯＢＳ）が含まれる。好適な漂白活性化剤はまた、ＷＯ９８／１７７６７にも開示されている。任意の好適な漂白活性化剤を用い得るが、本開示の一態様では、主題の洗浄組成物は、ＮＯＢＳ、ＴＡＥＤ、又はそれらの混合物を含み得る。
本開示の洗浄組成物は、１つ以上の漂白剤を含んでもよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤には、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸及びそれらの混合物が含まれる。一般に、漂白剤が使用される場合、本開示の組成物は、主題の洗浄組成物の重量で、約０．１重量％～約５０重量％、又は更に約０．１重量％～約２５重量％の漂白剤を含み得る。好適な漂白剤の例には、以下が含まれる。
（１）予め形成された過酸：好適な予め形成された過酸には、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過ヨウ素酸及び塩、過硫酸及び塩、例えば、Ｏｘｚｏｎｅ（登録商標）、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むが、これらに限定されない。好適な過カルボン酸には、式Ｒ－－（Ｃ－－Ｏ）Ｏ－－Ｏ－Ｍを有する疎水性及び親水性過酸であって、式中、Ｒが、過酸が疎水性である場合に、６～１４個の炭素原子、又は８～１２個の炭素原子を、及び過酸が親水性である場合に、６個未満の炭素原子を、若しくは更に４個未満の炭素原子を、有する、任意に分岐したアルキル基であり、Ｍが、対イオン、例えば、ナトリウム、カリウム又は水素である、疎水性及び親水性過酸と、（２）過酸化水素の供給源、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びそれらの混合物のナトリウム塩（通常、一水和物又は四水和物）などのアルカリ金属塩を含む無機過水和物塩と、が含まれる。本開示の一態様では、無機過水和物塩は、過ホウ酸塩、過炭酸塩及びそれらの混合物のナトリウム塩からなる群から選択される。用いられる場合、無機過水和物塩は、典型的には、組成物全体の０．０５～４０重量％、又は１～３０重量％の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてそのような組成物中に組み込まれる。好適なコーティングには、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩、若しくはホウ酸塩、若しくはそれらの混合物などの無機塩、又は水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油若しくは脂肪石鹸などの有機材料と、（３）Ｒ－－（Ｃ－－Ｏ）－Ｌを有する漂白活性化剤であって、式中、Ｒが、漂白活性化剤が疎水性である場合に、６～１４個の炭素原子、又は８～１２個の炭素原子を、及び漂白剤活性化剤が親水性である場合に、６個未満の炭素原子を若しくは更に４個未満の炭素原子を、有する、任意に分岐したアルキル基であり、Ｌが、脱離基である、漂白活性化剤と、が含まれる。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特に、ベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤には、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はそれらの塩、３，５，５－トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン（ＴＡＥＤ）及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート（ＮＯＢＳ）が含まれる。好適な漂白活性化剤はまた、ＷＯ９８／１７７６７にも開示されている。任意の好適な漂白活性化剤を用い得るが、本開示の一態様では、主題の洗浄組成物は、ＮＯＢＳ、ＴＡＥＤ、又はそれらの混合物を含み得る。
【0100】
存在する場合、過酸及び／又は漂白活性化剤は、一般に、組成物に基づいて、約０．１～約６０重量％、約０．５～約４０重量％、又は更に約０．６～約１０重量％の量で組成物中に存在する。１つ以上の疎水性過酸又はその前駆体は、１つ以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用され得る。
【0101】
過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、利用可能な酸素（過酸化物源からの）対過酸のモル比が１：１～３５：１、又は更に２：１～１０：１であるように、選択され得る。
【0102】
追加の界面活性剤
いくつかの実施形態では、組成物は、追加の界面活性剤を含んでもよい。追加の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性双性イオン性であり得、本明細書で議論される追加の伸張鎖界面活性剤も含むことができる。
いくつかの実施形態では、組成物は、追加の界面活性剤を含んでもよい。追加の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性双性イオン性であり得、本明細書で議論される追加の伸張鎖界面活性剤も含むことができる。
【0103】
洗浄組成物は、洗浄量のアニオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤の混合物を含む追加のアニオン性界面活性剤成分を含有することができる。アニオン性界面活性剤は、その湿潤性及び洗浄性のために、洗浄組成物中には望ましい。本開示による使用することができるアニオン性界面活性剤としては、クリーニング産業で利用可能な任意のアニオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の好適な群としては、スルホネート及びスルフェートが挙げられる。アニオン性界面活性剤成分に提供することができる好適な界面活性剤としては、アルキルアリールスルホネート、二級アルカンスルホネート、アルキルメチルエステルスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、及びアルコールスルフェートが挙げられる。
【0104】
洗浄組成物において使用することができる好適なアルキルアリールスルホネートは、６～２４個の炭素原子を含有するアルキル基を有することができ、アリール基は、ベンゼン、トルエン、及びキシレンのうちの少なくとも１つであり得る。好適なアルキルアリールスルホネートとしては、直鎖アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適な直鎖アルキルベンゼンスルホネートとしては、中和されてスルホネートを形成する酸として提供され得る直鎖ドデシルベンジルスルネートが挙げられる。追加の好適なアルキルアリールスルホネートとしては、キシレンスルホネート及びクメンスルホネートが挙げられる。
【0105】
洗浄組成物において使用することができる好適なアルカンスルホネートは、６～２４個の炭素原子を有するアルカン基を有することができる。使用することができる好適なアルカンスルホネートとしては、二級アルカンスルホネートが挙げられる。好適な二級アルカンスルホネートとしては、ＣｌａｒｉａｎｔからＨｏｓｔａｐｕｒ ＳＡＳとして市販されているＣ１４～Ｃ１７二級アルキルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0106】
洗浄組成物で使用することができる好適なアルキルメチルエステルスルホネートとしては、６～２４個の炭素原子を含有するアルキル基を有するものが挙げられる。洗浄組成物で使用することができる好適アルファオレフィンスルホネートとしては、６～２４個の炭素原子を含有するアルファオレフィン基を有するものが挙げられる。
【0107】
洗浄組成物で使用することができる好適なアルキルエーテルスルフェートとしては、約１～約１０個の繰り返しアルコキシ基、約１～約５個の繰り返しアルコキシ基を有するものが挙げられる。一般に、アルコキシ基は約２～約４個の炭素原子を含有する。好適なアルコキシ基はエトキシである。好適なアルキルエーテル硫酸塩は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムであり、Ｓｔｅｏｌ ＣＳ－４６０という名称のものが入手可能である。
【0108】
洗浄組成物で使用することができる好適なアルキルスルフェートとしては、６～２４個の炭素原子を含有するアルキル基を有するものが挙げられる。好適な硫酸アルキルとしては、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル／ミリスチル硫酸ナトリウムが挙げられるが、それらに限定されない。
【0109】
洗浄組成物で使用することができる好適なアルコールスルフェートとしては、約６～約２４個の炭素原子を含有するアルコール基を有するものが挙げられる。
【0110】
アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩、アミン、又はそれらの混合物で中和することができる。好適なアルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムが挙げられる。好適なアミンとしては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモノイソプロパノールアミンが挙げられる。塩の混合物を使用する場合、アルカリ金属塩の好適な混合物は、ナトリウムとマグネシウムであることができ、ナトリウム対マグネシウムのモル比は約３：１～約１：１であることができる。
【0111】
濃縮物として提供される場合、洗浄組成物は、水での希釈後に、所望の湿潤特性及び洗浄特性を有する使用組成物を提供するのに十分な量で追加のアニオン性界面活性剤成分を含むことができる。濃縮物は、約０．１重量％～約０．５重量％、約０．１重量％～約１．０重量％、約１．０重量％～約５重量％、約５重量％～約１０重量％、約１０重量％～約２０重量％、３０重量％、約０．５重量％～約２５重量％、及び約１重量％～約１５重量％、及び同様の中間濃度のアニオン性界面活性剤を含むことができる。
【0112】
洗浄組成物は、洗浄量の非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物を含む非イオン性共界面活性剤成分を含有することができる。非イオン性共界面活性剤は、グリース除去特性を向上させる洗浄組成物に含められ得る。界面活性剤成分は、非イオン性界面活性剤成分を含むことができるが、非イオン性界面活性剤成分は、洗浄組成物から除外され得ることを理解されたい。
【0113】
組成物中で使用することができる追加の非イオン性界面活性剤としては、ポリアルキレンオキシド界面活性剤（ポリオキシアルキレン界面活性剤又はポリアルキレングリコール界面活性剤としても知られている）が挙げられる。好適なポリアルキレンオキシド界面活性剤としては、ポリオキシプロピレン界面活性剤及びポリオキシエチレングリコール界面活性剤が挙げられる。このタイプの好適な界面活性剤は、合成有機ポリオキシプロピレン（ＰＯ）－ポリオキシエチレン（ＥＯ）ブロックコポリマーである。これらの界面活性剤としては、ＥＯブロックと、ＰＯブロック、すなわちポリオキシプロピレン単位（ＰＯ）の中央ブロックとを含むジブロックポリマー、及びポリオキシプロピレン単位上にグラフトされたポリオキシエチレンのブロック又はＰＯブロックが結合したＥＯの中央ブロックを有するジブロックポリマー、が挙げられる。更に、この界面活性剤は、分子中にポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンのいずれかの更なるブロックを有することができる。有用な界面活性剤の好適な平均分子量範囲は、約１，０００～約４０，０００であることができ、エチレンオキシドの重量パーセント含有量は、約１０～８０重量％であることができる。
【0114】
他の非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレートが挙げられる。好適なアルコールアルコキシレートとしては、１１個の炭素原子及び５モルのエチレンオキシドを有するアルキル基を含有する界面活性剤であるＴｏｍａｄｏｌ（商標）１－５などの直鎖アルコールエトキシレートが挙げられる。追加のアルコールアルコキシレートとしては、アルキルフェノールエトキシレート、分岐アルコールエトキシレート、二級アルコールエトキシレート（例えば、Ｄｏｗ ＣｈｅｍｉｃａｌのＴｅｒｇｉｔｏｌ１５－Ｓ－７）、ヒマシ油エトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、獣脂アミンエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、ソルビトールオレエートエトキシレート、末端キャップされたエトキシレート、又はそれらの混合物が挙げられる。追加の非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルジエタノールアミド、ココナッツジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリエチレングリコールココアミド（例えば、ＰＥＧ－６ココアミド）、オレイン酸ジエタノールアミド、又はそれらの混合物などのアミドが挙げられる。追加の好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリアルコキシル化脂肪族塩基、ポリアルコキシル化アミド、グリコールエステル、グリセロールエステル、アミンオキシド、リン酸エステル、アルコールリン酸塩、脂肪トリグリセリド、脂肪トリグリセリドエステル、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレートリン酸エステル、アルキル多糖、ブロックコポリマー、アルキルポリグルコシド、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0115】
非イオン性界面活性剤が洗浄組成物濃縮物に含まれる場合、それらは少なくとも約０．１重量％の量で含まれ得、最大約１５重量％の量で含まれ得る。濃縮物は、約０．１～１．０重量％、約０．５重量％～約１２重量％、又は約２重量％～約１０重量％の非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0116】
両性界面活性剤を使用して、望ましい洗浄特性を提供することもできる。使用することができる好適な両性界面活性剤としては、ベタイン、イミダゾリン、及びプロピオネートが挙げられるが、それらに限定されない。好適な両性界面活性剤としては、スルタイン、アンホプロピオネート、アンホジプロピオネート、アミノプロピオネート、アミノジプロピオネート、アンホアセテート、アンホジアセテート、及びアンホヒドロキシプロピルスルホネートが挙げられるが、それらに限定されない。
【0117】
洗浄組成物が両性界面活性剤を含む場合、両性界面活性剤は、約０．１重量％～約１５重量％の量で含まれ得る。濃縮物は、両性界面活性剤の約０．１重量％～約１．０重量％、０．５重量％～約１２重量％、又は約２重量％～約１０重量％を含むことができる。
【0118】
洗浄組成物は、洗浄量のカチオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤の混合物を含むカチオン性界面活性剤成分を含むことができる。洗浄組成物中で使用され得るカチオン性補助界面活性剤としては、Ｃ１８アルキル鎖又はアルケニル鎖を有する一級、二級、及び三級モノアミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレート、１－（２－ヒドロキシエチル）－２－イミダゾリン、２－アルキル－１－（２－ヒドロキシエチル）－２－イミダゾリンなどのイミダゾールなどのアミンと、例えば、ｎ－アルキル（Ｃ１２－Ｃ１８）ジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどのアルキル四級塩化アンモニウム界面活性剤、ｎ－テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、及びジメチル－１－ナフチルメチルアンモニウムクロリドなどのナフタレン置換四級アンモニウムクロリドなどの、四級アンモニウム塩と、が挙げられるが、それらに限定されない。
【0119】
いくつかの実施形態では、追加の界面活性剤は、伸張界面活性剤であってもよい。
伸張界面活性剤は、リンカーポリアルキレングリコールリンクを含む。非イオン性伸張界面活性剤の一般式は、次式であり、
Ｒ－［Ｌ］ｘ－［Ｏ－ＣＨ２－－ＣＨ２］ｙ
式中、Ｒは、親油性部分、例えば、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、置換又は非置換の、約８～２０個の炭素原子を有する脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり、Ｌは、ポリアルキレンオキシドのブロック、好ましくは、ポリプロピレンオキシドのブロックなどの連結基であり、ｘは、２～２５の範囲の連結基の鎖長であり、ｙは、１～１８の範囲の平均エトキシル化度である。好ましい実施形態では、出願人は、主な界面活性剤としての（かつ唯一の）十分なＰＯ伸張を有する非イオン性界面活性剤を使用すると、液体単相マイクロエマルションを形成できることを見出した。ＰＯ長は、約５～約８モルのＰＯで最適化される。ＰＯ延長のこの長さは、より低い泡プロファイルを提供する。出願者らは、更に、ゲルベアルコールなどの分岐疎水性物質であるＲ基は、タンパク質汚れの消泡化に適していることを見出した。
伸張界面活性剤は、リンカーポリアルキレングリコールリンクを含む。非イオン性伸張界面活性剤の一般式は、次式であり、
Ｒ－［Ｌ］ｘ－［Ｏ－ＣＨ２－－ＣＨ２］ｙ
式中、Ｒは、親油性部分、例えば、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和、置換又は非置換の、約８～２０個の炭素原子を有する脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり、Ｌは、ポリアルキレンオキシドのブロック、好ましくは、ポリプロピレンオキシドのブロックなどの連結基であり、ｘは、２～２５の範囲の連結基の鎖長であり、ｙは、１～１８の範囲の平均エトキシル化度である。好ましい実施形態では、出願人は、主な界面活性剤としての（かつ唯一の）十分なＰＯ伸張を有する非イオン性界面活性剤を使用すると、液体単相マイクロエマルションを形成できることを見出した。ＰＯ長は、約５～約８モルのＰＯで最適化される。ＰＯ延長のこの長さは、より低い泡プロファイルを提供する。出願者らは、更に、ゲルベアルコールなどの分岐疎水性物質であるＲ基は、タンパク質汚れの消泡化に適していることを見出した。
【0120】
好ましい伸張界面活性剤には、分岐ゲルベアルコールアルコキシレート、例えばＣｙ（ＰＯ）８（ＥＯ）ｘ（ｘ＝３、６、８、１０）（ｙ＝１０～１２）、また、伸張直鎖アルコールアルコキシレートであるＣ（１２－１４）（ＰＯ）１６（ＥＯ）ｘ（ｘ＝６、１２、１７）も含まれる。
【0121】
分岐アルコールアルコキシレート
好ましい分岐アルコールアルコキシレートとしては、ゲルベエトキシレートが挙げられる。本明細書での使用に好適なゲルベエトキシレートは、次式を有する。
好ましい分岐アルコールアルコキシレートとしては、ゲルベエトキシレートが挙げられる。本明細書での使用に好適なゲルベエトキシレートは、次式を有する。
【化8】
【0122】
一態様では、ゲルベエトキシレートは、Ｒ１がＣ２～Ｃ２０のアルキルであり、Ｒ２がＨ又はＣ１～Ｃ４のアルキルである、と更に定義される。更なる態様では、ゲルベエトキシレートは、「ｎ」が、２～２０の整数であり、「ｍ」が、１～４０の整数である、と定義される。
【0123】
好ましい態様では、分岐アルコールアルコキシレートは、アルケン（例えば、ブタン）の二量化によりゲルベアルコールから調製されるゲルベエトキシレートである。
【0124】
ゲルベエトキシレートを含む分岐アルコールアルコキシレートは、米国特許第６，９０６，３２０号、同第６，７３７，５５３号、及び同第５，９７７，０４８号に従って調製することができ、これらの特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。例示的な分岐アルコールアルコキシレートとしては、商標名Ｌｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－３０及びＬｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－５０（ＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）で入手可能なものが挙げられる。一般に、Ｌｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－３０は、３つの繰り返しエトキシ基を有する考えることができ、Ｌｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－５０は、５つの繰り返しエトキシ基を有すると考えることができる。
【0125】
分岐アルコールアルコキシレートは、比較的水不溶性又は比較的水溶性に分類することができる。一般に、水不溶性分岐アルコールアルコキシレートは、５重量％の分岐アルコールアルコキシレート及び９５重量％の水を含有する組成物として提供される場合、相分離する傾向を有するアルコキシレートと考えることができる。ＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ製のＬｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－３０及びＬｕｔｅｎｓｏｌ ＸＰ－５０は、水不溶性分岐アルコールアルコキシレートの例である。
【0126】
実施形態によれば、分岐アルコールアルコキシレート、好ましくは水不溶性ゲルベエトキシレートは、約１０重量％～約９０重量％のエチレンオキシド、約２０重量％～約７０重量％のエチレンオキシド、好ましくは、約３０重量％～約６０重量％のエチレンオキシドを有する。
【0127】
出願人は、更に、キャップされた伸張非イオン性界面活性剤を使用すると、組成物の泡プロファイル及びタンパク質汚れからの泡が低下することを見出した。
【0128】
キャップされた伸張非イオン性界面活性剤としては：
Ｒ－［ＰＯ］ｘ－［ＥＯ］ｙ［Ｎ］ｚ
Ｒ－［ＰＯ］ｘ－［ＥＯ］ｙ［Ｎ］ｚ
【0129】
（式中、Ｎは、メチル、ベンジル、ブチルなどのアルキル基などのキャッピング基であり、長さにおいて、長さ１～５のＰＯ基）が挙げられる。これらのキャップされた非イオン性界面活性剤は、泡プロファイルなどを低下させ、すすぎ助剤配合物及び洗剤のために有効である。
【0130】
ビルダー
本開示の洗浄組成物は、１つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでもよい。ビルダーが使用される場合、主題の組成物は、典型的には、主題の組成物の重量で、少なくとも約１重量％、約５重量％～約６０重量％、又は更に約１０重量％～約４０重量％のビルダーを含む。洗剤は、カルシウム、又は他のイオン、水の硬度の影響を打ち消す無機又は有機の洗剤ビルダーを含有してもよい。例としては、アルカリ金属クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、カルボキシメチルコハク酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩及びポリアセチルカルボン酸塩；又はオキシジコハク酸、メリット酸、ベンゼンポリカルボン酸、及びクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩；又はクエン酸及びクエン酸塩が挙げられる。ＭｏｎｓａｎｔｏのＤＥＱＵＥＳＴ（登録商標）及びアルカンヒドロキシホスホン酸塩などの有機ホスホン酸塩タイプの金属イオン封鎖剤が有用である。他の有機ビルダーには、より高分子量のポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びポリアクリル／ポリマレイン酸コポリマー及びそれらの塩、例えば、ＢＡＳＦ製のＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）が含まれる。一般に、ビルダーは、最大３０％、又は約１％～約２０％、又は約３％～約１０％であり得る。
本開示の洗浄組成物は、１つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでもよい。ビルダーが使用される場合、主題の組成物は、典型的には、主題の組成物の重量で、少なくとも約１重量％、約５重量％～約６０重量％、又は更に約１０重量％～約４０重量％のビルダーを含む。洗剤は、カルシウム、又は他のイオン、水の硬度の影響を打ち消す無機又は有機の洗剤ビルダーを含有してもよい。例としては、アルカリ金属クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、カルボキシメチルコハク酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩及びポリアセチルカルボン酸塩；又はオキシジコハク酸、メリット酸、ベンゼンポリカルボン酸、及びクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩；又はクエン酸及びクエン酸塩が挙げられる。ＭｏｎｓａｎｔｏのＤＥＱＵＥＳＴ（登録商標）及びアルカンヒドロキシホスホン酸塩などの有機ホスホン酸塩タイプの金属イオン封鎖剤が有用である。他の有機ビルダーには、より高分子量のポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びポリアクリル／ポリマレイン酸コポリマー及びそれらの塩、例えば、ＢＡＳＦ製のＳＯＫＡＬＡＮ（登録商標）が含まれる。一般に、ビルダーは、最大３０％、又は約１％～約２０％、又は約３％～約１０％であり得る。
【0131】
組成物はまた、約０．０１％～約１０％、又は約２％～約７％、又は約３％～約５％のＣ８～２０脂肪酸をビルダーとして含有し得る。脂肪酸はまた、約１～約１０個のＥＯ単位を含有し得る。好適な脂肪酸は、飽和及び／又は不飽和であり、植物又は動物のエステル（例えば、パーム核油、パーム油、ココナッツ油、ババス油、ベニバナ油、トール油、獣脂油及び魚油、グリース、及びそれらの混合物）などの天然源から得られ得る、又は合成的に調製され得る（例えば、石油の酸化によって、若しくはフィッシャートロプシュ法による一酸化炭素の水素化によって）。有用な脂肪酸は、飽和Ｃ１２脂肪酸、飽和Ｃ１２～１４脂肪酸、飽和又は不飽和Ｃ１２～１８脂肪酸、及びそれらの混合物である。好適な飽和脂肪酸の例としては、カプトン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸及びベヘン酸が挙げられる。好適な不飽和脂肪酸には、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びリシノール酸が含まれる。
【0132】
移染防止剤
本開示の洗浄組成物はまた、１つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適な高分子移染防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンＮ－オキシドポリマー、Ｎ－ビニルピロリドン及びＮ－ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。対象の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、組成物の重量で、約０．０００１重量％～約１０重量％、約０．０１重量％～約５重量％、又は更に約０．１重量％～約３重量％のレベルで存在し得る。
本開示の洗浄組成物はまた、１つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適な高分子移染防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンＮ－オキシドポリマー、Ｎ－ビニルピロリドン及びＮ－ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。対象の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、組成物の重量で、約０．０００１重量％～約１０重量％、約０．０１重量％～約５重量％、又は更に約０．１重量％～約３重量％のレベルで存在し得る。
【0133】
蛍光増白剤
いくつかの実施形態では、蛍光増白剤成分が、本開示の組成物中に存在し得る。蛍光増白剤は、布地の灰色化及び黄変化を排除することができる任意の増白剤を含むことができる。典型的には、これらの物質は繊維に付着し、目に見えない紫外線を目に見えるより長波長の光に変換することにより、明るくなり、かつ模擬的な漂白作用をもたらし、太陽光から吸収された紫外線は、淡い青みがかった蛍光として照射され、灰色化又は黄色化ランドリーの黄色の色調が加わって、真っ白にする。
いくつかの実施形態では、蛍光増白剤成分が、本開示の組成物中に存在し得る。蛍光増白剤は、布地の灰色化及び黄変化を排除することができる任意の増白剤を含むことができる。典型的には、これらの物質は繊維に付着し、目に見えない紫外線を目に見えるより長波長の光に変換することにより、明るくなり、かつ模擬的な漂白作用をもたらし、太陽光から吸収された紫外線は、淡い青みがかった蛍光として照射され、灰色化又は黄色化ランドリーの黄色の色調が加わって、真っ白にする。
【0134】
蛍光増白剤ファミリーに属する蛍光化合物は、典型的には、多くの場合、縮合環系を含有する芳香族又は芳香族複素環材料である。これらの化合物の重要な特徴は、芳香環と関連した共役二重結合の中断のない鎖の存在である。そのような共役二重結合の数は、置換基、及び分子の蛍光部分の平面性に依存する。ほとんどの光沢剤化合物は、スチルベンの誘導体若しくは４，４’－ジアミノスチルベン、ビフェニル、５員複素環（トリアゾール、オキサゾール、イミダゾールなど）、又は６員複素環（クマリン、ナフタルアミド、トリアジンなど）である。
【0135】
本開示において有用な蛍光増白剤は、既知であり、市販されている。本発明において有用となり得る例示的な市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン－５，５－ジオキシド、アゾール、５及び６員環ヘテロ環、並びに他の種々の薬剤の誘導体を含むが、必ずしもこれらに限定されない下位群に分類され得る。これらのタイプの増白剤の例は、“Ｔｈｅ Ｐｒｏｄｕｃｔｉｏｎ ａｎｄ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ ｏｆ Ｆｌｕｏｒｅｓｃｅｎｔ Ｂｒｉｇｈｔｅｎｉｎｇ Ａｇｅｎｔｓ”，Ｍ．Ｚａｈｒａｄｎｉｋ，Ｐｕｂｌｉｓｈｅｄ ｂｙ Ｊｏｈｎ Ｗｉｌｅｙ＆Ｓｏｎｓ，Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ（１９８２）に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
本開示で有用であり得るスチルベン誘導体としては、ビス（トリアジニル）アミノ－スチルベンの誘導体、スチルベンのビスアシルアミノ誘導体、スチルベンのトリアゾール誘導体、スチルベンのオキサジアゾール誘導体、スチルベンのオキサゾール誘導体、及びスチルベンのスチリル誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、蛍光増白剤にはスチルベン誘導体が含まれる。
【0137】
いくつかの実施形態では、蛍光増白剤は、スイスに位置するＣｉｂａ Ｇｅｉｇｙ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎを通じて市販されているＴｉｎｏｐａｌ ＵＮＰＡを含む。
【0138】
本開示で使用するための追加の蛍光増白剤としては、４，４’－ジアミノ－２，２’－スチルベンジスルホン酸（フラボン酸）、４，４’－ジスチリルビフェニル、メチルウンベリフェロン、クマリン、ジヒドロキノリノン、１，３－ジアリールピラゾリン、ナフタルイミド、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール及びベンズイミダゾール系、並びに複素環で置換されたピレン誘導体などが含まれるが、これらに限定されない。好適な蛍光増白剤のレベルには、約０．０１、約０．０５、約０．１又は更に約０．２重量％の下位レベルから、０．５又は更に０．７５重量％の上位レベルまでが含まれる。
【0139】
分散剤
本開示の組成物はまた、分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機材料には、ホモポリマー酸若しくはコポリマー酸又はそれらの塩が含まれ、これにおいて、ポリカルボン酸は、２つ以下の炭素原子によって互いに分離された少なくとも２つのカルボキシルラジカルを含む。
本開示の組成物はまた、分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機材料には、ホモポリマー酸若しくはコポリマー酸又はそれらの塩が含まれ、これにおいて、ポリカルボン酸は、２つ以下の炭素原子によって互いに分離された少なくとも２つのカルボキシルラジカルを含む。
【0140】
酵素
洗浄組成物は、洗浄性能及び／又は布地ケアの恩恵を提供する１つ以上の酵素を含むことができる。酵素は、例えば、タンパク質ベース、炭水化物ベース、又はトリグリセリドベースの染みの除去を含む多種多様な布地ランドリー目的、及び／又は布地修復のために本明細書に含めることができる。好適な酵素の例には、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β－グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、任意の好適な起源のものであってもよい。酵素の選択は、ｐＨ活性、安定性最適条件、熱安定性、安定性対活性洗剤、キレート剤、ビルダーなどの因子を考慮に入れる。本明細書で有用な洗浄酵素混合物は、アミラーゼと組み合わせた、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び／又はセルラーゼである。サンプル洗浄酵素は、米国特許第６，５７９，８３９号に記載されている。
洗浄組成物は、洗浄性能及び／又は布地ケアの恩恵を提供する１つ以上の酵素を含むことができる。酵素は、例えば、タンパク質ベース、炭水化物ベース、又はトリグリセリドベースの染みの除去を含む多種多様な布地ランドリー目的、及び／又は布地修復のために本明細書に含めることができる。好適な酵素の例には、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β－グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、任意の好適な起源のものであってもよい。酵素の選択は、ｐＨ活性、安定性最適条件、熱安定性、安定性対活性洗剤、キレート剤、ビルダーなどの因子を考慮に入れる。本明細書で有用な洗浄酵素混合物は、アミラーゼと組み合わせた、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び／又はセルラーゼである。サンプル洗浄酵素は、米国特許第６，５７９，８３９号に記載されている。
【0141】
酵素は、通常、洗剤１グラム当たりの活性酵素の重量で、最大約５ｍｇまで、より典型的には、約０．０１ｍｇ～約３ｍｇで存在する。別の言い方をすれば、本明細書における洗剤は、典型的には、約０．００１重量％～約５重量％、又は約０．０１重量％～約２重量％、又は約０．０５重量％～約１重量％の市販の酵素調製物を含有する。プロテアーゼ酵素は、洗剤１グラム当たり約０．００５～約０．１ＡＵの活性で存在する。本明細書で有用なプロテアーゼには、バチルス［例えば、ズブチリス、レンタス、リケニフォルミス、アミロリケファシエンス（ＢＰＮ、ＢＰＮ’）、アルカロフィルス］、例えば、Ｅｓｐｅｒａｓｅ（登録商標）、Ａｌｃａｌａｓｅ（登録商標）、Ｅｖｅｒｌａｓｅ（登録商標）及びＳａｖｉｎａｓｅ（登録商標）（Ｎｏｖｏｚｙｍｅｓ）、ＢＬＡＰ及び変種（Ｈｅｎｋｅｌ）由来のスブチリシンのようなものが含まれる。更なるプロテアーゼは、ＥＰ１３０７５６、ＷＯ９１／０６６３７、ＷＯ９５／１０５９１及びＷＯ９９／２０７２６に記載されている。
【0142】
アミラーゼは、ＧＢ Ｐａｔ．＃１２９６８３９、ＷＯ９４／０２５９７及びＷＯ９６／２３８７３に記載されており、Ｐｕｒａｆｅｃｔ Ｏｘ Ａｍ（登録商標）（Ｇｅｎｅｎｃｏｒ）、Ｔｅｒｍａｍｙｌ（登録商標）、Ｎａｔａｌａｓｅ（登録商標）、Ｂａｎ（登録商標）、Ｆｕｎｇａｍｙｌ（登録商標）、Ｄｕｒａｍｙｌ（登録商標）（全てＮｏｖｏｚｙｍｅｓ）、及びＲＡＰＩＤＡＳＥ（Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｂｉｏ－Ｓｙｎｔｈｅｔｉｃｓ，Ｉｎｃ）として入手できる。
【0143】
本明細書のセルラーゼには、５～９．５の最適なｐＨを有する細菌及び／又は真菌のセルラーゼが含まれる。好適なセルラーゼは、１９８４年３月６日に発行されたＢａｒｂｅｓｇｏａｒｄらの米国特許第４，４３５，３０７号に開示されている。本明細書において有用なセルラーゼには、例えば、Ｈｕｍｉｃｏｌａ ｉｎｓｏｌｅｎｓ、特に、ＤＳＭ１８００、例えば、５０ｋＤ及び約４３ｋＤ（Ｃａｒｅｚｙｙｍｅ（登録商標））によって産生される細菌又は真菌のセルラーゼが含まれる。更なる好適なセルラーゼは、トリコデルマロンギブラチアタム由来のＥＧＩＩＩセルラーゼである。ＮｏｖｏｚｙｍｅｓによるＷＯ０２／０９９０９１には、洗剤及び繊維用途で使用するためのバチルス属ＤＳＭ１２６４８に内在的であるエンド－ベータ－グルカナーゼ活性（ＥＣ３．２．１．４）を示す酵素、及びＷＯ０４／０５３０３９における抗再沈着エンドグルカナーゼが記載されている。ＫａｏのＥＰ２６５８３２には、バチルス属ＫＳＭ－６３５の培養産物から単離されたアルカリセルラーゼＫ、ＣＭＣａｓｅＩ、及びＣＭＣａｓｅＩＩが記載されている。Ｋａｏにより、更に、ＥＰ１３５０８４３（ＫＳＭ Ｓ２３７、１１３９、ＫＳＭ６４、ＫＳＭ Ｎ１３１）、ＥＰ２６５８３２Ａ（ＫＳＭ６３５、ＦＥＲＭ ＢＰ１４８５）及びＥＰ０２７１０４４Ａ（ＫＳＭ５３４、ＦＥＲＭ ＢＰ１５０８、ＫＳＭ５３９、ＦＥＲＭ ＢＰ１５０９、ＫＳＭ５７７、ＦＥＲＭ ＢＰ１５１０、ＫＳＭ５２１、ＦＥＲＭ ＢＰ１５０７、ＫＳＭ５８０、ＦＥＲＭ ＢＰ１５１１、ＫＳＭ５８８、ＦＥＲＭ ＢＰ１５１３、ＫＳＭ５９７、ＦＥＲＭ ＢＰ１５１４、ＫＳＭ５２２、ＦＥＲＭ ＢＰ１５１２、ＫＳＭ３４４５、ＦＥＲＭ ＢＰ１５０６、ＫＳＭ４２５．ＦＥＲＭ ＢＰ１５０５）において、アルカリ環境向けの、大量生産が容易で高活性のアルカリセルラーゼ／エンドグルカナーゼが記載されている。そのようなエンドグルカナーゼは、上記のバチルス属の１つに内在的なポリペプチド（又はその変異体）を含有し得る。他の好適なセルラーゼは、ＷＯ０１／０６２９０３に記載のＸＹＧ１００６などのパエニバシラスポリキシマ（野生型）由来のエンド－ベータ－１，４－グルカナーゼ活性を示すファミリー４４グリコシルヒドロラーゼ酵素又はその変異体である。本明細書で有用なカルボヒドラーゼには、例えば、マンナナーゼ（例えば、米国特許第６，０６０，２９９号を参照されたい）、ペクチン酸リアーゼ（例えば、ＷＯ９９／２７０８３を参照されたい）、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ（例えば、ＷＯ９６／３３２６７を参照されたい）、及び／又はキシログルカナーゼ（例えば、ＷＯ９９／０２６６３を参照されたい）が含まれる。エンハンサーとともに本明細書で有用な漂白酵素には、例えば、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、オキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ（例えば、ＷＯ９５／２６３９３を参照されたい）、及び／又は（非ヘム）ハロペルオキシダーゼが含まれる。
【0144】
適切なエンドグルカナーゼには以下が含まれる：１）ＷＯ０２／０９９０９１における配列番号２の１～７７３位のアミノ酸配列と、少なくとも９０％、若しくは少なくとも９４％、若しくは少なくとも９７％、若しくは少なくとも９９％、若しくは１００％同一性の配列を有するエンド－ベータ－１，４－グルカナーゼ活性（Ｅ．Ｃ．３．２．１．４）を示す酵素；又はエンド－ベータ－１，４－グルカナーゼ活性を有するそのフラグメント。ＧＣＧプログラムにおけるＧＡＰは、３．０のＧＡＰ作成ペナルティ及び０．１のＧＡＰ拡張ペナルティを使用して、同一性を決定する。Ｎｏｖｏｚｙｍｅｓ Ａ／Ｓによる２００２年１２月１２日のＷＯ０２／０９９０９１、例えば、Ｎｏｖｏｚｙｍｅｓ Ａ／ＳによるＣｅｌｌｕｃｌｅａｎ（商標）を参照されたい。ＧＣＧは、配列分析ソフトウェアパッケージ（Ａｃｃｅｌｒｙｓ、Ｓａｎ Ｄｉｅｇｏ，Ｃａｌｉｆ．，ＵＳＡ）を指す。ＧＣＧには、一致数を最大化し、ギャップ数を最小化する２つの完全な配列のアラインメントを見つける、Ｎｅｅｄｌｅｍａｎ及びＷｕｎｓｃｈアルゴリズム、並びに、２）２００３年１０月８日にＫａｏにより公開されたＥＰ１３５０８４３Ａ（［００１１］～［００３９］及び実施例１～４）に記載のアルカリエンドグルカナーゼ酵素を使用する、ＧＡＰと呼ばれるプログラムが含まれている。
【0145】
好適なリパーゼには、シュードモナス及びクロモバクターによって産生されるもの、並びにＮｏｖｏｚｙｍｅｓ製のＬＩＰＯＬＡＳＥ（登録商標）、ＬＩＰＯＬＡＳＥ ＵＬＴＲＡ（登録商標）、ＬＩＰＯＰＲＩＭＥ（登録商標）及びＬＩＰＥＸ（登録商標）が含まれている。１９７８年２月２４日に公開された日本国特許出願第５３－２０４８７号も参照されたい。これは、リパーゼＰ「Ａｍａｎｏ」の商品名で、アレアリオ・ファーマシューティカル社、名古屋、日本から入手可能である。他の市販のリパーゼとしては、東洋醸造株式会社、田方郡、日本から入手可能であるＡｍａｎｏ－ＣＥＳ、リパーゼｅｘクロモバクター・ビスコサム、並びにＵ．Ｓ．Ｂｉｏｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐ．、Ｕ．Ｓ．Ａ．及びＤｉｏｓｙｎｔｈ Ｃｏ．、Ｔｈｅ Ｎｅｔｈｅｒｌａｎｄｓ製のクロモバクター・ビスコサムリパーゼ、並びにリパーゼｅｘシュードモナス・グラディオリが挙げられる。クチナーゼ［ＥＣ３．１．１．５０］及びエステラーゼも、好適である。
【0146】
液体洗剤配合物に有用な酵素、及びそのような配合物へのそれらの組み込みは、１９８１年４月１４日に発行されたＨｏｒａらの米国特許第４，２６１，８６８号に開示されている。一実施形態では、本明細書における液体組成物は、野生型プロテアーゼ酵素を実質的に含まない（すなわち、測定可能な量を含有しない）。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと組み合わせて含み得る酵素カクテルである。洗浄組成物中に存在する場合、前述の追加の酵素は、組成物の約０．００００１重量％～約２重量％、約０．０００１重量％～約１重量％、又は更に約０．００１重量％～約０．５重量％の酵素タンパク質のレベルで存在し得る。
【0147】
酵素安定剤
洗剤で使用する酵素は、様々な手法で安定化され得る。本明細書で使用される酵素は、最終組成物中のカルシウム及び／又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化され得、そのようなイオンは酵素に提供される。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤を添加して、安定性を更に改善することができる。
洗剤で使用する酵素は、様々な手法で安定化され得る。本明細書で使用される酵素は、最終組成物中のカルシウム及び／又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化され得、そのようなイオンは酵素に提供される。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤を添加して、安定性を更に改善することができる。
【0148】
有用な酵素安定剤系は、カルシウム及び／又はマグネシウム化合物、ホウ素化合物及び置換ホウ酸、芳香族ホウ酸エステル、ペプチド及びペプチド誘導体、ポリオール、低分子量カルボキシレート、比較的疎水性の有機化合物［例えば、特定のエステル、ジアルキルグリコールエーテル、アルコール又はアルコールアルコキシレート］、カルシウムイオン源に加えられたアルキルエーテルカルボキシレート、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低級脂肪族アルコール及びカルボン酸、Ｎ，Ｎ－ビス（カルボキシメチル）セリン塩；（メタ）アクリル酸－（メタ）アクリル酸エステル共重合体及びＰＥＧ；リグニン化合物、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩；ポリヘキサメチレンビグアニド又はＮ，Ｎ－ビス－３－アミノ－プロピル－ドデシルアミン又は塩；並びにそれらの混合物である。洗剤は、可逆的プロテアーゼ阻害剤、例えば、ペプチド若しくはタンパク質型、又はファミリーＶＩ及びプラスミノストレピンの変性スブチリシン阻害剤、ロイペプチン、ペプチド トリフルオロメチルケトン、又はペプチドアルデヒドを含有し得る。酵素安定剤は、１リットル当たり約１～約３０ミリモル、又は約２～約２０ミリモル、又は約５～約１５ミリモル、又は約８～約１２ミリモルの安定剤イオンで存在する。
【0149】
触媒金属錯体
出願人の洗浄組成物は、触媒金属錯体を含み得る。金属含有漂白触媒の１つのタイプは、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなどの定義された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムカチオンなどの漂白触媒活性をほとんど又は全く有しない補助金属カチオン、並びに触媒及び補助金属カチオンに対して定義された安定度定数を有するシクエストレート、特に、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）及びそれらの水溶性塩、を含む触媒系である。そのような触媒は、米国特許第４，４３０，２４３号に開示されている。
出願人の洗浄組成物は、触媒金属錯体を含み得る。金属含有漂白触媒の１つのタイプは、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなどの定義された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムカチオンなどの漂白触媒活性をほとんど又は全く有しない補助金属カチオン、並びに触媒及び補助金属カチオンに対して定義された安定度定数を有するシクエストレート、特に、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）及びそれらの水溶性塩、を含む触媒系である。そのような触媒は、米国特許第４，４３０，２４３号に開示されている。
【0150】
必要に応じて、本明細書の組成物は、マンガン化合物によって触媒され得る。そのような化合物及び使用レベルは、当該技術分野で周知であり、それには、例えば、米国特許第５，５７６，２８２号に開示されているマンガンベースの触媒が含まれる。
【0151】
本明細書で有用なコバルト漂白触媒が知られており、例えば、米国特許第５，５９７，９３６号；米国特許第５，５９５，９６７号に記載されている。そのようなコバルト触媒は、例えば米国特許第５，５９７，９３６号及び米国特許第５，５９５，９６７号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0152】
本明細書における組成物はまた、ビスピドン（ＷＯ０５／０４２５３２Ａ１）及び／又はマクロ多環式硬性配位子（ＭＲＬ）などの配位子の遷移金属錯体も好適に含み得る。実際問題として、限定されるものではないが、本明細書における組成物及びプロセスは、水性洗浄媒体中の活性なＭＲＬ種を少なくとも１億個当たり一部のオーダーで提供するように調整され得、典型的には、洗浄液中のＭＲＬの約０．００５ｐｐｍ～約２５ｐｐｍ、約０．０５ｐｐｍ～約１０ｐｐｍ、又は更に約０．１ｐｐｍ～約５ｐｐｍが提供される。
【0153】
本発明の遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属には、例えば、マンガン、鉄及びクロムが含まれる。好適なＭＲＬには、５，１２－ジエチル－１，５，８，１２－テトラアザビシクロ［６．６．２］ヘキサデカンが含まれる。
【0154】
好適な遷移金属ＭＲＬは、例えば、ＷＯ００／３２６０１及び米国特許第６，２２５，４６４号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0155】
溶媒
好適な溶媒には、水、及び親油性流体などの他の溶媒が含まれる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、過フッ素化アミン、過フッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、他の環境に優しい溶媒、及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、水を含む。水は、脱イオン水、水道水、軟水、及びそれらの組み合わせを含む任意の源からの水を含み得る。溶媒は、典型的には、約０．１重量％～約５０重量％、又は約０．５重量％～約３５重量％、又は約１重量％～約１５重量％で存在する。
好適な溶媒には、水、及び親油性流体などの他の溶媒が含まれる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、過フッ素化アミン、過フッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、他の環境に優しい溶媒、及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、水を含む。水は、脱イオン水、水道水、軟水、及びそれらの組み合わせを含む任意の源からの水を含み得る。溶媒は、典型的には、約０．１重量％～約５０重量％、又は約０．５重量％～約３５重量％、又は約１重量％～約１５重量％で存在する。
【0156】
いくつかの実施形態では、組成物は、約１０％未満、約５％未満、又は約１％未満の任意の追加の界面活性剤を含む。選択された起泡性組成物は、追加の界面活性剤の助けを必要とせずに泡を生成及び維持することができるため、追加の界面活性剤の使用は、制限され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、組成物は、約１０％未満、約５％未満、又は約１％未満の任意の追加のシリコーン材料を含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、組成物は、約１０％未満、約５％未満、又は約１％未満の任意の泡安定剤を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、組成物は、追加の界面活性剤、追加のシリコーン材料、又は泡安定剤を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
【0160】
組成物の形態
洗剤組成物は、ペースト、液体、固体（錠剤、粉末／顆粒など）、泡又はゲルを含む任意の好適な形態であってもよく、粉末及び錠剤が好ましい。組成物は、単位用量の製品の形態、すなわち、洗浄作業における単回部分の洗剤組成物として使用されるように設計された形態であってもよい。当然ながら、かかる一回分の１つ以上が洗浄作業に使用され得る。
洗剤組成物は、ペースト、液体、固体（錠剤、粉末／顆粒など）、泡又はゲルを含む任意の好適な形態であってもよく、粉末及び錠剤が好ましい。組成物は、単位用量の製品の形態、すなわち、洗浄作業における単回部分の洗剤組成物として使用されるように設計された形態であってもよい。当然ながら、かかる一回分の１つ以上が洗浄作業に使用され得る。
【0161】
固体の形態には、例えば、錠剤、棒、ボール、又はひし形の形態が含まれる。組成物は、粒状形態、ばらばらの若しくは圧縮された形状であってもよく、又は射出成形若しくはキャスティング若しくは押出しによって形成されてもよい。組成物は、例えば、ＰＶＯＨ又はセルロース材料の水溶性ラッピングで包み込まれていてもよい。個体製品は、必要に応じて、分割された製品として提供されてもよい。
【0162】
組成物はまた、単位用量製品（小分けされた製品）を含む、ペースト、ゲル又は液体の形態であってもよい。例としては、ポリビニルアルコールパッケージなどの、水溶性コーティングで少なくとも部分的に取り囲まれた、好ましくは実質的に取り囲まれたペースト、ゲル、又は液体製品が挙げられる。このパッケージは、例えば、カプセル、パウチ、又は成形ケーシング（射出成形ケーシングなど）などの形態をとることができる。好ましくは、組成物は、そのようなパッケージによって実質的に取り囲まれており、最も好ましくは、そのようなパッケージによって完全に取り囲まれている。そのようなパッケージはいずれも、本明細書で言及する１つ以上の製品フォーマットを含むことができ、このパッケージは、必要に応じて、１つ以上の区画、例えば、２つ、３つ又は４つの区画を含むことができる。
【0163】
組成物が、泡、液体又はゲルである場合、任意の好適な溶媒を使用することができるが、それは、好ましくは、水性組成物である。本開示の特に好ましい実施形態によれば、組成物は、錠剤、特に、圧縮された粒状材料から作られた錠剤の形態にある。
【0164】
組成物が粘稠な液体又はゲルの形態にある場合、それは、好ましくは、ブルックフィールドＲＶ粘度計を用いてスピンドル１を３０ｒｐｍとして２５℃で測定する場合、少なくとも５０ｍＰａｓの粘度を有する。
【0165】
本開示の組成物は、典型的には、洗剤ディスペンサー内、例えば、食器洗浄機の引き出し内、又は自動食器洗浄機内の自立型分配装置にそれを入れることによって使用される。しかしながら、組成物が泡、液体又はゲルの形態である場合、それは、食器洗浄機内に、任意の追加の好適な手段によって、例えば、トリガースプレー、スクイーズボトル又はエアロゾルなどによって、適用され得る。
【0166】
洗浄組成物の作製プロセス
本開示の組成物は、そのフォーマットに応じた任意の好適な方法で作製され得る。洗剤組成物についての好適な製造方法は、当該技術分野で周知であり、その非限定的な例は、米国特許第５，８７９，５８４号、同第５，６９１，２９７号、同第５，５７４，００５号、同第５，５６９，６４５号、同第５，５６５，４２２号、同第５，５１６，４４８号、同第５，４８９，３９２号、及び同第５，４８６，３０３号に記載されている。固体形態にある洗剤組成物を形成するための様々な技術も、当該技術分野で周知であり、例えば、洗剤タブレットは、粒状／特定の材料を圧縮することによって作製することができ、本明細書で使用することができる。
本開示の組成物は、そのフォーマットに応じた任意の好適な方法で作製され得る。洗剤組成物についての好適な製造方法は、当該技術分野で周知であり、その非限定的な例は、米国特許第５，８７９，５８４号、同第５，６９１，２９７号、同第５，５７４，００５号、同第５，５６９，６４５号、同第５，５６５，４２２号、同第５，５１６，４４８号、同第５，４８９，３９２号、及び同第５，４８６，３０３号に記載されている。固体形態にある洗剤組成物を形成するための様々な技術も、当該技術分野で周知であり、例えば、洗剤タブレットは、粒状／特定の材料を圧縮することによって作製することができ、本明細書で使用することができる。
【0167】
一態様では、本明細書に開示される液体洗剤組成物は、その成分を任意の好都合な順序で組み合わせ、もたらされた成分の組み合わせを混合して、例えば、撹拌して、相安定液体洗剤組成物を形成することによって、調製することができる。一態様では、液体成分の少なくとも大部分、又は実質的に全てを含有する液体マトリックスが形成され、液体成分は、この液体組み合わせ物に剪断撹拌を与えることによって完全に混合される。例えば、機械式撹拌機による急速撹拌が、有効に使用され得る。剪断撹拌を維持しながら、実質的に、全てのアニオン性界面活性剤及び固体成分を添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要に応じて、この時点で撹拌を増加させて、液相内に不溶性固相微粒子の溶液又は均一な分散液を形成することができる。固体形態材料の一部又は全部をこの撹拌混合物に加えた後、含まれる任意の酵素材料の粒子、例えば、酵素顆粒が、組み込まれる。上述の組成物調製手順の変形として、１つ以上の固体成分を、１つ以上の液体成分の微量部分と予備混合された粒子の溶液又はスラリーとして撹拌混合物に加えることができる。組成物成分の全てを加えた後、混合物の撹拌を、必要な粘度及び相安定特性を有する組成物を形成するのに十分な期間続ける。多くの場合、これには、約３０～６０分間の撹拌が含まれる。
【0168】
これは、本開示の範囲内の多数の修正及び変形が当業者に明らかであるため、例示のみを目的とする以下の実施例においてより具体的に説明される。別段の記載がない限り、下記の実施例で報告される全ての部分、パーセンテージ、及び比率、は重量基準であり、実施例で使用される全ての試薬は、以下に記載される化学供給者から得られたか、又は入手可能である。本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0169】
本発明の実施形態を、以下の非限定的な実施例において更に定義する。これらの実施例は、本開示のある特定の実施形態を示してはいるが、単に例証として与えられていることが理解されるべきである。上記の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本開示の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な使用法及び条件にそれを適合するために本開示の実施形態の様々な変更及び修正を行うことができる。したがって、本開示の実施形態の様々な修正は、本明細書に示され記載されているものに加えて、前述の記載から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
以下の実施例で使用される材料が、本明細書で提供される。
シリコーン３５０ｃｓｔ：２５℃での粘度が３５０ｃＳｔのポリジメチルシロキサン
シリコーン１５０ｃｓｔ：２５℃での粘度が１５０ｃＳｔのポリジメチルシロキサン
シリコーン０．６５ｃｓｔ：ヘキサメチルジシロキサン
シリコーン１ｃｓｔ：オクタメチルトリシロキサン
Ｔｗｅｅｎ（登録商標）２０：ポリソルベート２０
Ｔｗｅｅｎ（登録商標）８０：ポリソルベート８０
ＳＬＥＳ：ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
Ｂａｒｌｏｘ１２：ココアミンオキシド界面活性剤
Ｔｒｉｔｏｎ Ｘ－１００：ポリエチレングリコールｐ－（１，１，３，３－テトラメチルブチル）－フェニルエーテル
Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＡＯ－７２８：アミンオキシド
Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＤＡ－１７：イソトリデシクロプロピル－１，３－ジアミノプロパン
Ｐｌｕｒｏｎｉｃ６８：ＥＯ ＰＯブロック共重合体
Ｍａｒｌｏｗｅｔ４５３９ＬＦ：オキシラン、メチル－、オキシランとのポリマー、カルボキシメチルノニルエーテル、分岐
Ｔｅｒｇｉｔｏｌ１５－Ｓ－７：Ｃ１２～Ｃ１４－セカンダリーエトキシル化アルコール
Ａｌｆｏｔｅｒｒａ１２３－８Ｓ：アルコールプロポキシサルフェート
Ｃｏｌａ Ｌｉｐｉｄ ＤＣＣＡ：ココＰＧ－ジモニウムクロリドリン酸ナトリウム
以下の実施例で使用される材料が、本明細書で提供される。
シリコーン３５０ｃｓｔ：２５℃での粘度が３５０ｃＳｔのポリジメチルシロキサン
シリコーン１５０ｃｓｔ：２５℃での粘度が１５０ｃＳｔのポリジメチルシロキサン
シリコーン０．６５ｃｓｔ：ヘキサメチルジシロキサン
シリコーン１ｃｓｔ：オクタメチルトリシロキサン
Ｔｗｅｅｎ（登録商標）２０：ポリソルベート２０
Ｔｗｅｅｎ（登録商標）８０：ポリソルベート８０
ＳＬＥＳ：ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
Ｂａｒｌｏｘ１２：ココアミンオキシド界面活性剤
Ｔｒｉｔｏｎ Ｘ－１００：ポリエチレングリコールｐ－（１，１，３，３－テトラメチルブチル）－フェニルエーテル
Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＡＯ－７２８：アミンオキシド
Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＤＡ－１７：イソトリデシクロプロピル－１，３－ジアミノプロパン
Ｐｌｕｒｏｎｉｃ６８：ＥＯ ＰＯブロック共重合体
Ｍａｒｌｏｗｅｔ４５３９ＬＦ：オキシラン、メチル－、オキシランとのポリマー、カルボキシメチルノニルエーテル、分岐
Ｔｅｒｇｉｔｏｌ１５－Ｓ－７：Ｃ１２～Ｃ１４－セカンダリーエトキシル化アルコール
Ａｌｆｏｔｅｒｒａ１２３－８Ｓ：アルコールプロポキシサルフェート
Ｃｏｌａ Ｌｉｐｉｄ ＤＣＣＡ：ココＰＧ－ジモニウムクロリドリン酸ナトリウム
【0170】
実施例１
アルキル変性シロキサン及び単独でのシロキサンが、エタノールなどの有機溶媒中で及び水などの極性溶媒の溶液中で泡を形成することができることは、知られていない。特定の理論に拘束されるものではないが、図１に示されるように、シロキサンは、エタノール、水、又はエタノール／水溶液に対して表面活性を有せず、これらの溶液の表面張力を低減させることができないと考えられる。この表面活性の欠如、及び表面張力における低減の欠如のために、シロキサンはそれ自身では、起泡剤として機能することができないはずである。
アルキル変性シロキサン及び単独でのシロキサンが、エタノールなどの有機溶媒中で及び水などの極性溶媒の溶液中で泡を形成することができることは、知られていない。特定の理論に拘束されるものではないが、図１に示されるように、シロキサンは、エタノール、水、又はエタノール／水溶液に対して表面活性を有せず、これらの溶液の表面張力を低減させることができないと考えられる。この表面活性の欠如、及び表面張力における低減の欠如のために、シロキサンはそれ自身では、起泡剤として機能することができないはずである。
【0171】
エタノール／水溶液における起泡の可能性をスクリーニングするために、手動起泡試験を、アルキル変性シロキサン又は単独でのシロキサンで実施した。試験するために、表１に示した組成物の各々の２０ｍＬを１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、約１０秒間振盪させた。振盪後、全ての組成物は、約１０秒以内に全ての起泡を失った。これは、多種多様な単独でのアルキル変性ポリシロキサンが安定した泡を生成できないことを示している。
【0172】
この起泡の欠如は、おそらく表面活性の欠如によるものである。特定の理論に拘束されるわけではないが、表面活性の欠如は、エタノールの表面張力が低いことに起因している可能性がある。シリコーンベース又はフッ化物ベースなどの界面活性剤はほとんどなく、水の表面張力をエタノールの表面張力と同等まで低減させることができるため、起泡作用によって新しい表面積を形成することがエネルギー的に有益になる。ただし、表面活性がなければ、シロキサンは、シリコーン界面活性剤として機能して泡を形成することができないため、両方がシリコーンベースであり、シロキサンの表面張力がエタノールよりも低い場合でも、シリコーン界面活性剤とは異なるように挙動する。
【0173】
シロキサンの界面活性能力の欠如は、水及び／又はエタノールにおけるそれらの不溶性により得る。Ｃ８メチコンなどの一部はエタノールに可溶であるが、エタノール／水溶液は、それらの溶解度を低減させるために、シロキサンは溶解しない場合があり、したがって、界面活性を何ら有しない場合がある。したがって、シロキサンは、他のシリコーンベースの化合物とは異なり、単独で使用される場合、水／エタノール溶液中で界面活性剤として機能せず、かつ安定した泡を生成しない場合がある。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0174】
実施例２
変性ヒマシ油が、純粋なエタノールなどの有機溶媒の溶液、又はエタノール／水溶液などの極性溶媒と混合された有機溶媒の溶液で、安定した泡を生成できることは、知られていない。特定の理論に拘束されるわけではないが、図２に示すように、ＰＥＧ変性ヒマシ油は、純水の表面張力を低減させることができるが、純粋なエタノール又は水／エタノール溶液などのアルコール中では表面活性ではない可能性がある。更に、全てのヒマシ油が、アルコールに可溶であるわけではない。有機溶媒中又は有機溶媒を含有する溶液中での界面活性の欠如、及び／又は不溶性のため、単独の変性ヒマシ油は、エタノール／水溶液中で安定した泡を形成することができない。
変性ヒマシ油が、純粋なエタノールなどの有機溶媒の溶液、又はエタノール／水溶液などの極性溶媒と混合された有機溶媒の溶液で、安定した泡を生成できることは、知られていない。特定の理論に拘束されるわけではないが、図２に示すように、ＰＥＧ変性ヒマシ油は、純水の表面張力を低減させることができるが、純粋なエタノール又は水／エタノール溶液などのアルコール中では表面活性ではない可能性がある。更に、全てのヒマシ油が、アルコールに可溶であるわけではない。有機溶媒中又は有機溶媒を含有する溶液中での界面活性の欠如、及び／又は不溶性のため、単独の変性ヒマシ油は、エタノール／水溶液中で安定した泡を形成することができない。
【0175】
単独で使用した場合に、エタノール／水溶液中で変性ヒマシ油の形成の可能性をスクリーニングするために、手動泡試験を、様々な変性ヒマシ油で実施した。種々の変性ヒマシ油をスクリーニングするために、表２に挙げた組成物の各々の２０ｍＬを１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。振盪後、全ての組成物は、約２０秒以内に全ての起泡を失った。これは、単独でのＰＥＧ変性ヒマシ油が、エタノール／水溶液中で安定した泡を生成できなかったことを示している。
【0176】
ＰＥＧ変性ヒマシ油で見られる起泡の欠如は、エタノールの表面活性の欠如による可能性が高く、溶液の表面積を増加させることはエネルギー的に好ましくはない。ただし、ヒマシ油が表面活性であっても、純粋なエタノール溶液又は６２％エタノール／水溶液の表面張力を低減させることはできない。加えて、この起泡の欠如はまた、一部の変性についての溶解性の欠如のためである可能性がある。例えば、１０モルのＥＯ変性は６２％エタノール／水溶液に不溶であった。しかし、２０～６０モルのＥＯ変性に増加された場合、変性ヒマシ油は、溶液に進入するのに十分可溶性である。表２に示されるように、溶液に侵入するのに十分に可溶性である場合でも、ＰＥＧ変性ヒマシ油は、単独で使用した場合、依然として安定した泡を形成することができなかった。
【0177】
したがって、ペンダントアルキルシロキサンも単独でのＰＥＧ変性ヒマシ油も、エタノール／水溶液で安定した起泡を引き起こすことはできず、かつこれらの溶液の既知の界面活性剤を置き換えることはできない場合がある。
【表2-1】
【表2-2】
【0178】
実施例３
アルキル変性シロキサンも単独でのＰＥＧ変性ヒマシ油も、上記の水／アルコール溶液の表面張力を十分に低減させることができなかったため、それらが、相乗的に作用して、泡を形成するのに十分に表面張力を低減させるとは、まとめては予想できなかった。
アルキル変性シロキサンも単独でのＰＥＧ変性ヒマシ油も、上記の水／アルコール溶液の表面張力を十分に低減させることができなかったため、それらが、相乗的に作用して、泡を形成するのに十分に表面張力を低減させるとは、まとめては予想できなかった。
【0179】
アルキル変性シロキサン又はシロキサン／ポリジメチルシロキサンでのＰＥＧ変性ヒマシ油の起泡のためにスクリーニングするために、手動起泡試験を行った。表３に示した組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス製円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
【0180】
振盪させた後、ＰＥＧ変性ヒマシ油及びカプリリルメチコンの組み合わせによる組成物は、安定した泡を生成することができた。少量のＣ２６～Ｃ２８アルキルジメチコンが、６２％エタノール溶液中のＰＥＧ変性ヒマシ油で溶解されると、それは、安定した泡を生成した。更に、ＥＧ変性ヒマシ油の組み合わせたシクロテトラシロキサン（Ｄ４）は、安定した泡を生成する。ただし、この組み合わせには、カプリリルメチコンと比較して、より高い濃度を必要とした。加えて、シリコーン油（１５０ｃｓｔ及び３５０ｃｓｔ）のＰＥＧ変性ヒマシ油との新鮮な溶液は、１０分間持続する低起泡体を生成した。シリコーン液滴相が溶液から分離し、泡は一晩中溶液から生じなかった。これらの結果は、驚くべきことに、単独では失敗した両方を使用した場合に、起泡性組成物としてある濃度の範囲にわたる疎水性シロキサンの広範囲で、ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油が機能し得ることを示している。更に、図３に示すように、起泡性組成物は、水の表面張力を低下させることができ、カプリリルメチコンと結合したＰＥＧ－４０水添ヒマシ油が水ベースの溶液中で界面活性剤として機能し得ることが示される。
【0181】
したがって、ＰＥＧ変性ヒマシ油若しくはアルキル変性シロキサン又は単独でのシロキサン／ポリメチルシロキサンが泡を生成できなかった場合とは異なり、この組み合わせによって、安定した泡が生成された。特定の理論に拘束されるものではないが、シロキサンのペンダントアルキル鎖は、ヒマシ油尾部の疎水性領域と相互作用し得る。更に、ヒマシ油のＰＥＧ変性領域は、溶液の水溶性部分における組成物の溶解度を増加させる。これはまた、水／アルコール溶液の液体－液体界面でのより多い吸着を可能にし得る。この相互作用は、水／アルコール溶液中の組成物の表面活性を増加させ得、泡を生成させかつ組成物が界面活性剤として作用するのを可能にするようにエネルギー的に有利にするのに十分足りている溶液の表面張力を組成物が低下させるのを可能にする。
【0182】
更に、ヒマシ油及びシロキサンの両方の疎水性により、起泡性組成物が、他の水／有機溶媒ベースの溶液中で、又は炭化水素縮合物などの他の疎水性溶液中で、界面活性剤として作用することができる。加えて、疎水性シロキサンの溶解度を高めるＰＥＧ－４０水添ヒマシ油の能力により、水ベースの系で未変性トリグリセリド及びトランス脂肪のような他の疎水性化合物を可溶化できる可能性がある。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0183】
実施例４
ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油は、様々なシロキサンがアルコール／水溶液を起泡させるのに十分だったため、手動起泡試験を使用して、カプリリルメチコンで様々な他のＰＥＧ置換を試験した。表４に示した組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス製円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油は、様々なシロキサンがアルコール／水溶液を起泡させるのに十分だったため、手動起泡試験を使用して、カプリリルメチコンで様々な他のＰＥＧ置換を試験した。表４に示した組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス製円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
【0184】
振盪させた後、ＰＥＧ変性ヒマシ油及びカプリリルメチコンの組み合わせを有する組成物は、６２重量％エタノール溶液中で安定した泡を生成することができた。２０、５０、及び６０ＥＯモルのＰＥＧ変性ヒマシ油は、４０ＥＯモルのヒマシ油の初期高さに近い安定した泡を生成した。２０モルの油は、より低いが安定した泡を生成し、１０モルの油は、不安定な泡を生成した。したがって、より長い親水性領域は、ヒマシ油とシロキサンの間の疎水性相互作用の妨げにならなかった。
【0185】
ただし、１０ＥＯモル変性によって示されるように、不十分な長さの親水性領域は、シロキサンの十分な可溶化を可能にしない可能性がある。また、アルキル変性ポリシロキサンを有するより高い濃度のＰＥＧ変性ヒマシ油は、最初の泡の高さを高めず、故に、追加のヒドロトロープ又は界面活性剤は、泡の高さの妨げになるものではない。
【0186】
キャストオイルのより長い変性と比較したときの２０モル変性のより低いが安定した高さはまた、泡の高さが制御され得ることを示している。これは、低起泡を必要とする一部のシステムのために又はリンス助剤において、重要である。
【0187】
ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油をＰＥＧ－４０ヒマシ油と比較すると、ＰＥＧ－４０ヒマシ油は、初期高さが低い、安定性が低い泡を生成した。特定の理論に拘束されるわけではないが、これは、ＰＥＧ－４０の主鎖が不飽和二重結合により硬くなっているためである可能性が高い。これにより、ＰＥＧ－４０ヒマシ油の尾部がカプリリルメチコンのペンダントアルキル基と十分に相互作用して、カプリリルメチコンが溶液中に存在する水に十分に可溶化することが妨げられる可能性がある。
【0188】
加えて、塩の追加は、泡の高さに影響を与えないようである。塩化カリウム又は５グレーンの水の追加によって泡の高さにも泡の安定性にも影響がないことが、示された。したがって、起泡性組成物は、硬水及び追加の薬剤に対して耐性がある可能性がある。
【0189】
したがって、カプリリルメチコンなどのシロキサンと併用する場合のＰＥＧ変性ヒマシ油に応じて、泡の高さ及び安定性を所望のレベルに調整することができる。これにより、高い起泡が望まれる場合の洗剤、又は低い起泡が望まれる場合のすすぎ助剤に向けて、組成物を更に調整することが可能になり得る。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0190】
実施例５
相乗的組成物の起泡特性を更に特徴付けるために、ＰＥＧ変性ヒマシ油及びカプリリルメチコンの濃度をそれらのより低い範囲にわたって変更した。加えて、より高い濃度のエタノールで起泡を試験するために、いくつかの組成物中のエタノールの量を増加させた。表５～７に示される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
相乗的組成物の起泡特性を更に特徴付けるために、ＰＥＧ変性ヒマシ油及びカプリリルメチコンの濃度をそれらのより低い範囲にわたって変更した。加えて、より高い濃度のエタノールで起泡を試験するために、いくつかの組成物中のエタノールの量を増加させた。表５～７に示される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
【0191】
振盪させた後、表５に示すように、十分なＰＥＧ変性ヒマシ油及びカプリリルメチコンを有する最大７４重量％エタノール溶液で泡を生成することが可能になった。１．３％ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油及び０．４％カプリリルメチコンの組み合わせは、８０重量％エタノール溶液で１２分を超えて安定した泡を形成することができた（表５を参照されたい）。エタノールは非常に低い表面張力を有するために、これは、その極性の性質により与えられる高い表面張力を有する水もその組成物が起泡させることが上記で示されるように、起泡性組成物が溶液のある範囲にわたって機能することを示している。ただし、ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油は親水性が高過ぎて、ほぼ純粋なエタノール中のカプリリルメチコンと泡生成体として完全には作用し得ないが、この組成物は、混合溶液中では界面活性剤の代替組成物として依然として機能し得る。
【0192】
６２重量％エタノールでは、安定した泡を生成することができるＰＥＧ変性ヒマシ油の最低濃度は、０．７％カプリリルメチコンとの組み合わせでは０．２％～０．３％であった（表６を参照されたい）。カプリリルメチコンの場合、６２重量％エタノール溶液で安定した泡を生成するための最低濃度は、３％ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油との組み合わせでは０．０５％～０．０７％であった（表７を参照されたい）。したがって、少量両方の化合物は、低表面張力溶液で起泡を引き起こすのに十分である。
【表5】
【表6】
【表7】
【0193】
実施例６
過剰なＰＥＧ変死ヒマシ油は、起泡に影響を与えないようであったため、起泡を妨げることなく、他のヒドロトロープ及び界面活性剤を組成物に追加できるはずである。組成物中の追加の化合物による起泡を試験するために、追加の界面活性剤を、０．２％カプリリルメチコン、３％～４％ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、及び６２重量％エタノールを含む組成物に追加した。表８及び９に見出される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
過剰なＰＥＧ変死ヒマシ油は、起泡に影響を与えないようであったため、起泡を妨げることなく、他のヒドロトロープ及び界面活性剤を組成物に追加できるはずである。組成物中の追加の化合物による起泡を試験するために、追加の界面活性剤を、０．２％カプリリルメチコン、３％～４％ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、及び６２重量％エタノールを含む組成物に追加した。表８及び９に見出される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。
【0194】
界面活性剤に応じて、追加の界面活性剤の添加は、初期の泡の高さに影響を及ぼさなかったか、又は十分に高い濃度では、追加の界面活性剤は、初期の泡の高さ及び安定性を低下させた。例えば、Ｂａｒｔｏｘ１２は２％で、初期の高さ及び安定性に影響を与えなかったが、６％で泡は、２０秒以内に消えた（表８を参照されたい）。同様に、Ｔｏｍａｍｉｎｅ ＡＯ－７２８の濃度が１％から５％に増加すると、より高い濃度は、２０秒以内に起泡の欠如をもたらした（表９を参照されたい）。ただし、伸張Ｃ１０ＰＯ８ＥＯ６などの一部の界面活性剤の場合、濃度の増加は、泡の高さ又は安定性に影響を及ぼさなかった（表８を参照されたい）。
【0195】
したがって、追加の界面活性剤は、多量であっても、洗浄力を高めるために、泡の安定性を失うことなく組成物に追加され得る。更に、界面活性剤を追加して、すすぎ助剤での使用などの特定の用途のために、泡の高さを制御することができる。
【表8-1】
【表8-2】
【表9-1】
【表9-2】
【0196】
実施例７
加えて、界面活性剤はエタノール／水溶液中の組成物の起泡に影響を与えないようであったために、それをＰＥＧ変性ヒマシ油の代わりに使用して、他の起泡性組成物を生成することができる可能性がある。ＰＥＧ変性ヒマシ油以外の界面活性剤がエタノール溶液中で泡を生成するかどうかを判定するように、様々な他の界面活性剤を、６２重量％エタノール溶液中の０．２％カプリリルメチコン組成物に追加した。表１０及び１１に見出される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。その結果は、他の界面活性剤のいずれも、カプリリルメチコンを有する６２重量％エタノール溶液で泡を生成できず、変性ヒマシ油に置き換わることができないことを示す。
加えて、界面活性剤はエタノール／水溶液中の組成物の起泡に影響を与えないようであったために、それをＰＥＧ変性ヒマシ油の代わりに使用して、他の起泡性組成物を生成することができる可能性がある。ＰＥＧ変性ヒマシ油以外の界面活性剤がエタノール溶液中で泡を生成するかどうかを判定するように、様々な他の界面活性剤を、６２重量％エタノール溶液中の０．２％カプリリルメチコン組成物に追加した。表１０及び１１に見出される組成物の各々の２０ｍＬを、１インチ×４．５インチのガラス円筒瓶に入れ、次いで、約１０秒間振盪させた。その結果は、他の界面活性剤のいずれも、カプリリルメチコンを有する６２重量％エタノール溶液で泡を生成できず、変性ヒマシ油に置き換わることができないことを示す。
【0197】
表１２では、混合器は、インラインポンプを介して８０ｍｌのビーカー中に１０回ポンピングされた。ＰＥＧ－ヒマシ油起泡フォーミュラで、Ｃ８トリシロキサンにより、安定した泡が作製された。任意に低分子シリコーンオイルを用いると、泡は、より小さくかつより密になった。ＰｏｌｙＯＸは、泡をより密にするが、粘度が高いために、ポンプ抵抗が増加した。ＰＥＩは、混合器の粘度を増加させることなく、泡をより安定化させる。ＶＸ１００３５は、ＨＰ２０と比較して、よりも優れた泡安定性を有するマイクロエマルションを形成する。
【0198】
これは、ＰＥＧ変性ヒマシ油構造により得る。特定の理論に拘束されるわけではないが、図４に示されるように、ＰＥＧ変性ヒマシ油構造は、シロキサンの周りにケージを形成することができる可能性がある。３つのアームの疎水性末端は、エタノール／水溶液中での溶解度を高めるために、アルキルシロキサンのペンダント基との十分な相互作用を提供し得る。他の界面活性剤は、多くが単一の疎水性領域のみを有するために、十分な溶解性を提供するようにシロキサンのペンダントアルキル基と十分に相互作用することができない可能性がある。これはまた、他の変性トリグリエルシドヒドロトロープ又は界面活性剤が、ペンダントアルキルシロキサンとの起泡性組成物を生成するのに十分な相互作用を提供し得ることを示している。
【0199】
最後に、図５は、蛍光灯の下での混合物を示している。左側はＰＥＧ－４０を有しない４６ｐｐｍ色素を含む実施例１、右側は、４６ｐｐｍ色素を含む実施例１である。図からわかるように、右の瓶は強力で均一な蛍光を示し、シリコーン材料（Ｃ８トリシロキサン及びシリコーン流体）がエタノール／水溶液に完全に溶解してマイクロエマルションを形成したことを示している。
【表10-1】
【表10-2】
【表11-1】
【表11-2】
【表12-1】
【表12-2】
【0200】
図５を参照されたい、左側はＰＥＧ－４０を含まない実施例１の４６ｐｐｍ色素であり、右側は４６ｐｐｍ色素を含む実施例１である。右側の瓶は、シリコーン材料（Ｃ８トリシロキサン及びシリコーン流体）がエタノール／水溶液に完全に溶解してマイクロエマルションを形成したことを示す、強力で均一な蛍光を示す。
【0201】
本発明はこのように説明されているが、同じことが多くの方法で変動し得ることは明らかであろう。かかる変動は、本開示の趣旨及び範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのかかる修正は、以下の特許請求の範囲の範疇内に含まれることが意図される。上記明細書は、開示された組成物及び方法の製造及び使用の説明を提供する。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの実施形態が作製され得るため、本開示は、特許請求の範囲に属する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】