(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓弁
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501162
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021040596
(87)【国際公開番号】W WO2022010958
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520020100
【氏名又は名称】アンテリス テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Anteris Technologies Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ラムジ
(72)【発明者】
【氏名】セント デニス、デイビッド ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、サミュエル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ニースリング、ウィリアム モリス レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル、マーサ ジーン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC11
4C097DD01
4C097DD15
4C097SB02
4C097SB03
(57)【要約】
生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓弁プロテーゼは、遠位端部、近位端部、及び遠位端部と近位端部との間の長さを有するフレームを備える。フレームは、外面と、内腔を画定する内面とをさらに備える。フレームは、非拡張状態から拡張状態に拡張可能である。フレームは、該フレームの遠位端部の付近にある拡張可能な領域と、近位領域の付近にある弁尖領域とをさらに備える。弁尖領域は複数の弁取付機構を有する。弁構成物は、フレームの外面に装着されるとともに、少なくとも弁取付機構においてフレームに取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓弁プロテーゼであって、前記置換心臓弁は、
遠位端部、近位端部、及び前記遠位端部と前記近位端部との間の長さを有するフレームであって、外面と、内腔を画定する内面とをさらに備え、非拡張状態から拡張状態に拡張可能なフレームであって、
前記フレームの前記遠位端部の付近にある拡張可能な領域と、
近位領域の付近にあって複数の弁取付機構を含む弁尖領域と
をさらに備えるフレームと、
前記フレームの前記外面に装着された弁構成物であって、少なくとも前記弁取付機構において前記弁構成物に取り付けられる弁構成物と
を備える置換心臓弁プロテーゼ。
【請求項2】
前記弁尖領域は複数のポストを備える、請求項1に記載のプロテーゼ。
【請求項3】
前記ポストの各々は、周方向に隣り合うポストに対して支柱で接続されており、前記支柱は弁尖開口部を画定する、請求項2に記載のプロテーゼ。
【請求項4】
各弁葉は、隣り合う弁尖開口部に広がり、前記弁葉は前記弁尖開口部を横切って前記フレームの前記内腔に入る、請求項3に記載のプロテーゼ。
【請求項5】
前記支柱はアーチ形支柱である、請求項3に記載のプロテーゼ。
【請求項6】
前記弁構成物は少なくとも2つの弁葉を備える、請求項1に記載のプロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経カテーテル置換心臓弁プロテーゼ(transcatheter replacement heart valve prosthesis)に使用するための新規で有利な拡張可能なフレーム、及びフレームに弁構成物を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に提供される背景の説明は、本開示の状況を一般的に提示するためのものである。本発明者らの研究は、この背景部分に記載されている範囲について、出願時に別の形で先行技術としての資格を有さない可能性がある本説明の態様と同様に、本開示に対する先行技術としては明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
経カテーテル弁置換術(transcatheter valve replacement:TVR)は、カテーテルを介して患者の生来の弁に送達される植込み型の弁プロテーゼ(人工弁)の使用により、心臓の弁を修復又は交換するための低侵襲の心臓処置である。植込み型弁プロテーゼは、典型的には、拡張可能なフレームの内側に複数の平坦な人工弁葉(prosthetic leaflet)が取り付けられた拡張可能なフレームを備える。人工弁葉は、より健全な生来の弁葉の動作を模倣するように意図されている。拡張可能なフレームは、生来の弁に留置される場合、形状記憶合金を使用した自己拡張式であってもよいし、又はバルーン拡張可能であるか、さもなければ機械的に拡張可能であってもよい。経カテーテル弁置換プロテーゼは、大動脈弁、僧帽弁及び三尖弁のために開発されている。TVR処置は、典型的には、患者の血管系へのカテーテルの経大腿的導入を伴い、弁プロテーゼはカテーテルに装入され、患者の血管系を通って生来の弁に進められる。
【0004】
これらの低侵襲の経カテーテル弁置換処置が開発される前は、自己の心臓弁の修復を必要とするほとんどの患者に対する選択肢は、著しく侵襲的な外科的置換処置に限られていた。しかし、心臓弁修復を必要とする多くの患者に対して、外科的修復は比較的高いリスクをもたらしたり、又は患者が手術に対して実施可能な候補ではなかったりした。大動脈弁に関しては、経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)処置が、重度の大動脈弁狭窄症又は同様の症状を有するこれらのリスクの高い患者を治療するための外科的置換処置の代替として、世界の至る所で臨床医によって広く採用されている。数十年間にわたる多くの処置により、TAVRは、これらの患者の長期生存を向上させることが示されている。加えて、近年、バルーン拡張可能なTAVRプロテーゼ及び自己拡張式TAVRプロテーゼの双方に関わるいくつかの研究により、TAVR処置が外科的リスクの低い患者に対して有効性を示すことが実証され、2019年には、アメリカ食品医薬品局は、これらの低リスク患者を含めるようにTAVRの適応を広げた。
【0005】
TAVRプロテーゼの開発及び関連する先行技術は、プロテーゼを生来の弁に送達するため、プロテーゼを生来の弁構造又は周囲の解剖学的構造に対して配置又は再配置するため、及びカテーテルのフレンチサイズを低減して血管を介した送達を改善するための機構及び方法にかなり焦点を当ててきた。しかしながら、この開発は、プロテーゼの長期使用及び経時的な血行動態性能には特に焦点を当ててこなかった。これらの処置において現在使用されているTAVRプロテーゼの多くは、プロテーゼの著しい石灰化、及び崩壊又は劣化を示している。経時的に、典型的には5~15年間で、多くのTAVR弁プロテーゼは劣化し、最終的に機能しなくなり、その後、患者は弁プロテーゼを修復することが必要となる。近年、「バルブ・イン・バルブ」TAVRと呼ばれる処置において、TAVRプロテーゼが機能しなくなった患者に対して第2の弁が提供され得る。これらの処置では、新しい経カテーテル弁が、機能しなくなったTAVR弁の内腔に挿入されて、人工弁葉を脇に押しやる。機能しなくなったTAVR弁の内腔に弁を挿入することにより、必然的に有効弁口面積(effective orifice area)が制限又は低減され、したがってこの第2の弁の血行動態性能は制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
より若く、より低リスクの患者がTAVRプロテーゼを受け入れるようになると、プロテーゼの石灰化及び劣化に効果的に耐えるより耐久性のある弁が必要となる。さらに、その長寿命に加えて、血行動態性能の改善も達成する耐久性のある心臓弁が当該技術分野において必要である。
【0007】
以下は、本開示の1つ以上の実施形態の基本的な理解を与えるために、そのような実施形態の簡単な概要を提示する。この概要は、考えられるすべての実施形態の広範囲な概説ではなく、すべての実施形態の鍵となる要素又は重要な要素を特定するようにも、いずれかの又はすべての実施形態の範囲を描写するようにも意図されていない。
【0008】
本開示は、プロテーゼの有効弁口面積を最大にしつつ、フレームに取り付けられた弁構成物における摩耗を最小限にする、弁プロテーゼのための新規で有利なフレームに関するものである。弁の有効弁口面積は、弁の血行動態性能を測定する際の重要なメトリックである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの実施形態において、本開示で説明するように、少なくとも1つの弁葉を備える弁構成物は、フレームの外面に装着され得る。先行技術の弁は、典型的には、その代りにフレームの内腔内でフレームの内面に装着された人工弁葉を有する。これらの先行技術の弁について、弁が生来の弁に留置されるとき、金属合金フレームが患者の生来の心組織に接し、それがこの領域での炎症、プロテーゼの石灰化、及び弁周囲漏出などの弁プロテーゼの性能問題の一因となる可能性がある。代りに弁構成物を弁の外側に装着することによって、金属合金フレームは、もはや患者の生来の心組織に接することがなく、フレームによる炎症が低減され得る。フレームの内面は内腔を画定することができ、フレームは、弁構成物の弁尖(cusp)又は弁葉がフレームの内腔の中央で接合して弁を閉じることができるように設計され得る。もちろん、本明細書で説明する本発明の他の実施形態では、弁構成物は、本開示のフレームの内面に装着されてもよい。
【0010】
少なくとも一実施形態において、生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓弁プロテーゼであって、置換心臓弁は、フレームと弁構成物とを備える。フレームは、遠位端部、近位端部、及び遠位端部と近位端部との間の長さを有する。フレームは、外面と、内腔を画定する内面とをさらに備える。フレームは、非拡張状態から拡張状態に拡張可能である。フレームは、フレームの遠位端部の付近に拡張可能な領域と、近位領域の付近に弁尖領域とをさらに備え、弁尖領域は複数の弁取付機構を含む。弁構成物はフレームの外面に装着され、弁構成物は、少なくとも弁取付機構において弁構成物に取り付けられる。いくつかの実施形態において、弁尖領域は複数のポストを備える。少なくとも一実施形態において、ポストは、周方向に隣り合うポストに対して支柱(strut)で接続されており、支柱は弁尖開口部を画定する。弁構成物は、少なくとも2つの弁葉を備え得る。各弁葉は、隣り合う弁尖開口部に広がることができ、次いで弁葉は弁尖開口部を横切ってフレームの内腔に入る。少なくとも1つの実施形態において、支柱はアーチ形支柱である。
【0011】
本開示の少なくとも一実施形態において、生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓弁プロテーゼは、フレームと、フレームに取り付けられた弁構成物とを備え、弁構成物は少なくとも1つの弁葉を備える。フレームは、外面と、内腔を画定する内面とを有し得る。いくつかの実施形態において、弁構成物は、弁の内面がフレームの外側面に接するように、フレームに外部から装着される。他の実施形態では、弁構成物は、弁構成物の外面がフレームの内側面に接するように、フレームに内部から装着される。フレームは、非拡張状態から拡張状態に拡張可能であり得る。フレームは、遠位端部、近位端部、及び遠位端部と近位端部との間の長さを有し得る。フレームは、フレームの遠位端部を画定し、フレームの近位端部に向かって延びる拡張可能な領域と、拡張可能な領域から近位方向に延びる複数の弁ポストとを有し得る。拡張可能な領域は、少なくとも、拡張可能な領域の遠位端部において第1のセルの列と、拡張可能な領域の近位端部において第2のセルの列とを有し得る。いくつかの実施形態において、拡張可能な領域は、第1のセルの列と第2のセルの列との間に複数の中間列セルを付加的に有し得る。各弁ポストは、弁取付機構を備え、弁構成物は、少なくとも弁取付機構においてフレームに取り付けられ得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、各弁ポストは、近位端部及び遠位端部、並びに近位端部と遠位端部との間の長さを有し、弁ポストの長さは、フレームの長さの25%~75%である。いくつかの実施形態において、周方向に隣り合う弁ポストは、フレームの周囲に互いから等距離に配置されている。いくつかの実施形態において、フレームは、2本の弁ポストを有し得る。他の実施形態では、フレームは、3本の弁ポストを有し得る。さらに別の実施形態では、フレームは、4本以上の弁ポストを有し得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、弁構成物は、少なくとも2つの造形された弁葉と、2つの造形された弁葉の間の交連領域とを備えることができ、弁構成物の交連領域はポストに取り付けられる。いくつかの実施形態において、弁構成物は、生体材料の単一片を備える。いくつかの実施形態において、弁構成物は、生体材料の単一片内に造形された3つの弁葉を備える。いくつかの実施形態において、生体材料は、ポリマー、ウシ組織、ブタ組織、又は心膜を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、ポストは交連アライメントマーカをさらに備え得る。少なくとも一実施形態において、交連アライメントマーカは、放射線不透過性マーカである。
【0015】
複数の実施形態が開示されるが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、本開示の趣旨及び範囲から全く逸脱することなく、様々の明らかな態様において修正を行うことができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0016】
本明細書は、本開示の様々な実施形態を形成すると見なされる主題を特に指摘し明確に主張する特許請求の範囲をもって結論とするが、本開示は添付図面と併せて以下の説明を読むことにより、よりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】弁構成物が収縮期及び拡張期においてそれぞれフレームの外側に装着された本発明の弁プロテーゼの概略図。
【
図1B】弁構成物が収縮期及び拡張期においてそれぞれフレームの外側に装着された本発明の弁プロテーゼの概略図。
【
図2】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図3】拡張状態にある、
図2に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図4】非拡張状態にある、
図2に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図5】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図6】拡張状態にある、
図5に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図7】非拡張状態にある、
図5に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図8】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図9】拡張状態にある、
図8に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図10】非拡張状態にある、
図8に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図11】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図12】拡張状態にある、
図11に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図13】非拡張状態にある、
図11に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図14A】本開示の少なくとも一実施形態による、弁構成物が
図11の拡張可能なフレームに装着された弁プロテーゼの正面図。
【
図15】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図16】拡張状態にある
図15に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図17】非拡張状態にある
図16に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図18】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張状態にある拡張可能なフレームの斜視図。
【
図19】拡張状態にある
図15に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図20】非拡張状態にある
図16に示した拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図21】本開示の少なくとも一実施形態による、少なくとも1つの放射線不透過性マーカを有した非拡張状態にある拡張可能なフレームの平面概略図。
【
図22】本開示の少なくとも一実施形態による、拡張可能なフレーム、及び組織を拡張可能なフレームの少なくとも一部に取り付けるために使用される縫合パターンの平面概略図。
【
図23A】本開示の少なくとも一実施形態による、弁プロテーゼの外表面から見たときの、フレームの交連ポスト、及び弁構成物をフレームに取り付けるための縫合パターンの平面概略図。
【
図23B】
図23Aに示すが、弁プロテーゼの内表面から見たときの、フレームの交連ポスト及び縫合パターンの平面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、弁構成物を装着するためのフレームを有した新規で有利な弁プロテーゼ、及び弁構成物をフレームに装着する方法について説明する。以下で論じる実施形態及び技術は大動脈弁置換術に関して論じられ得るが、本開示の発明が僧帽弁及び三尖弁などの他の弁置換術で使用するのに適し得ることは本開示の範囲内である。さらに、以下で論じる図及び実施形態は、典型的には3つの弁葉を有する大動脈弁について説明する場合があるが、本開示の発明が大動脈二尖弁で使用するためのプロテーゼに適し得ることは本開示の範囲内である。
【0019】
以下の詳細な説明では、いくつかの実施形態の完全な理解を与えるために、多くの特定の詳細が述べられている。しかしながら、いくつかの実施形態がこれらの特定の詳細を有することなく実施され得ることは当業者には理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、及び構成要素の少なくとも1つは、議論を不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。
【0020】
少なくとも本開示のいくつかの実施形態において、弁構成物は、経カテーテル弁プロテーゼの拡張可能なフレームに対して、フレームの典型的な内面ではなく、フレームの外側面上で装着され得る。このような実施形態では、弁プロテーゼの拡張状態において、弁構成物は、フレームの直径より大きな直径を有し得る。
【0021】
図1A~
図1Bは、プロテーゼの一端からの本開示の弁プロテーゼ100の概略図を示す。弁プロテーゼ100は、弁輪上(スープラアニュラー)配置又は弁輪内(イントラアニュラー)配置のいずれかのために設計され得る。弁プロテーゼ100は、内面104と外面106とを有する拡張可能なフレーム102を備える。拡張可能なフレーム102の内面104は、内腔107を画定する。いくつかの実施形態において、拡張可能なフレームは複数のポスト108を備え得る。弁プロテーゼ100は、弁構成物110をさらに備え、弁構成物110は、
図1A~
図1Bに示すように、拡張可能なフレーム102の外面106に装着されている。弁構成物110は、以下でさらに論じるように、生体材料を含み得る。弁構成物110は、間に厚さを備えた内面112と外面114とを有する。拡張可能なフレーム102に取り付けられるとき、弁構成物110の内面112は、拡張可能なフレーム102の外面106に接する。弁構成物110は少なくとも1つの弁葉120を有し得る。大動脈弁のための好ましい実施形態では、弁構成物110は、少なくとも3つの弁葉120を有し得る。弁葉120は、弁葉が、心拡張中には逆流を伴うことなく互いに接合でき、心収縮中には完全に開いて少なくとも適切な血流及び血行動態の改善を促進できるようにするために、拡張可能なフレーム102に対して動揺する、又は動くことができる。少なくともいくつかの実施形態において、弁プロテーゼ100の有効弁口面積は、約1.7~3.5cm
2である。少なくともいくつかの実施形態において、弁プロテーゼ100の平均有効弁口面積は、約2~3.5cm
2である。少なくともいくつかの実施形態において、弁プロテーゼ100の平均有効弁口面積は、約2.2~3.5cm
2である。少なくともいくつかの実施形態において、弁プロテーゼ100の平均有効弁口面積は、約2.5~3.5cm
2である。少なくとも一実施形態において、弁プロテーゼ100は、0.55~0.70のドップラー速度指数(Doppler Velocity Index)ファクタとともに、約2.5~3.5cm
2の平均有効弁口面積及び約533~933パスカル(約4~7mmHg)の圧力勾配を有する。少なくとも一実施形態において、弁プロテーゼ100は、0.55~0.70のドップラー速度指数ファクタとともに、約2.5~3.5cm
2の平均有効弁口面積及び約533~1333パスカル(約4~10mmHg)の圧力勾配を有する。患者の生来の心臓弁に留置されたとき、組織が外部フレーム上に装着されている弁構成物は、生来の心臓弁の組織に直接接し得るのに対して、典型的な弁プロテーゼは、反対に、弁構成物の外側で拡張可能なフレームの内側に装着された弁構成物を有しており、そのため金属の拡張可能なフレームが生来の心臓弁の組織に接し、これが炎症を促進する可能性がある。弁構成物110を生来の心臓弁の組織に直接接触させることにより、炎症が低減され得る。加えて、組織を拡張可能なフレームの外側に有することにより、弁プロテーゼ100はより大きな開口面積を有することができ、これにより血行動態の改善をもたらすことができる。さらに、拡張可能なフレームの外側に組織を有することにより、弁プロテーゼ100は、順流(forward flow)時の弁にわたる勾配を減少させることができ、これにより血行動態の改善をもたらすことができる。弁構成物110に使用される生体材料に応じて、生体材料は、弁構成物110を生来の構造に付着させるために、隣り合う生来の心臓弁組織とともに再構築することさえでき、これにより弁周囲漏出を防止し、弁プロテーゼの移動のリスクを低減することができる。そのような材料が使用されるこのような例では、本開示の弁プロテーゼは、ほとんどの市販の弁プロテーゼに典型的に存在する、弁周囲漏出を防止するためのポリマースカート、ファブリックスカート、又は発泡体などの拡張可能な材料の必要性を排除し得る。他の例では、弁構成物110の一部が、生来の弁構造に対する弁構成物110の付着を支援するために、接着剤などのコーティングを有してもよい。本開示の弁プロテーゼのさらに他の例は、ポリマースカート、ファブリックスカート、又は他の弁周囲漏出対策を備えてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、弁構成物は、ポスト108の内面及び外面の双方の少なくとも一部の上にさらに延在し得る。より詳細には、弁構成物の交連領域と称され得る弁葉の間の弁構成物の部分は、ポスト108と整列することができ、いくつかの実施形態では、ポスト108の内面及び外面が弁構成物の組織材料によって覆われるようにポスト108の上に巻き付けられ得る。いくつかの実施形態では、弁構成物はまた、弁構成物が拡張可能なフレームの遠位端部で拡張可能なフレームの内面及び外面の双方に存在し得るように、拡張可能なフレームの遠位端部(又は環状端部)の上に折り曲げられて折り返しを形成し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレーム102は自己拡張式フレームであってもよく、他の実施形態では、拡張可能なフレーム102はバルーン拡張可能なフレーム又はその他の機械的に拡張可能なフレームであってもよい。さらに他の実施形態では、拡張可能なフレームは、自己拡張式領域とバルーン拡張可能な領域とを有し得る。例えば、弁葉付近のフレームの領域は、形状記憶合金を使用して弁葉領域の拡張を制御するために自己拡張式であってもよく、一方、弁輪(annulus)に最も近いフレームの領域は弁輪内における配置の制御を促進するためにバルーン拡張可能であってもよい。拡張可能なフレーム102は、遠位端部から近位端部まで一定の直径を有してもよい。拡張可能なフレーム102は、遠位端部と比べて近位端部でより大きな直径を有してもよいし、又は反対に近位端部と比べて遠位端部でより大きな直径を有してもよく、これにより弁のテーパーが効果的に形成される。いくつかの実施形態において、拡張可能なフレーム102は、遠位端部から近位端部に向かって広がった形状を有し得る。
【0024】
拡張可能なフレーム102は、ステンレス鋼、形状記憶合金、可塑変形可能な合金、又はこれらの組合せから構成され得る。このような合金材料の例としては、ニチノール(登録商標)合金などのニッケル・チタン合金、ELGILOY(登録商標)合金などのコバルト・クロム合金、プラチナ・タングステン合金、タンタル合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレームの形成を行うのに用いられ得る他の合金としては、他のコバルト・クロム合金、チタン・コバルト・クロム・モリブデン合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの材料に加えて、拡張可能なフレーム102は、ポリマー、生体材料、又はこれらの組合せからさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、拡張可能なフレーム102は、外面106又は内面104のいずれか一方の少なくとも一部にコーティングを有し得る。コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、バイオポリマー及び他の適当なポリマーを含むが、これらに限定されない、ポリマーを含み得る。他の実施形態では、コーティングは、放射線不透過性物質を含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、薬物溶出物質を含み得る。
【0025】
弁構成物110は、組織材料を含み得る。いくつかの実施形態において、組織材料は生体材料であり得る。いくつかの実施形態において、組織材料は、心臓血管組織、心臓組織、心臓弁、大動脈起始部、大動脈壁、大動脈弁葉(aortic leaflet)、心膜組織、結合組織、硬膜、真皮組織、血管組織、軟骨、心膜、靭帯、腱、血管、臍帯組織、骨組織、筋膜、並びに粘膜下組織及び皮膚からなる群から選択される脱細胞化組織又は細胞組織を含む架橋コラーゲンベースの生体材料であり得る。いくつかの実施形態において、組織材料は、2005年12月21日出願の「移植可能なバイオマテリアルおよび同生成する方法(Implantable Biomaterial and Method of Producing Same)」という発明の名称の本出願人による米国特許第9,205,172号明細書の開示に記載された生体材料などの植込み型生体材料であり、上記特許文献は参照によりその全容を本明細書に援用される。いくつかの実施形態において、架橋コラーゲンベースの生体材料は、ADAPT(登録商標)処理法で処理される。ADAPT(登録商標)処理法は、残留DNAをゼロにする生体材料のための抗石灰化処理法であり、心臓手術に使用した場合に石灰化がないことを示す10年以上の臨床データを有する。いくつかの実施形態において、組織材料は、人工組織であり得る。いくつかの実施形態において、人工組織は、単一片に成形又は形成されたポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、人工組織は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタラート、他のポリマー、及び他のポリマーコーティングを含み得る。弁構成物108は、いくつかの実施形態において、造形された組織材料を含み得る。より詳細には、弁構成物110の弁葉120のうちの少なくともいくつか又はすべては、造形された組織材料を含み得る。いくつかの実施形態において、弁構成物110は、弁葉120を含めて、参照によりその全容を本明細書に援用される「縫合を少なくした置換心臓弁(Replacement Heart Valve with Reduced Suturing)」という発明の名称の本出願人による米国出願第16/129,235号明細書の開示に記載される弁などの、組織材料の単一片から構成された単一片の三次元弁構成物である。
【0026】
図2~
図10は、本開示の発明による、弁プロテーゼの血行動態性能の改善をもたらす弁プロテーゼの拡張可能なフレームの様々な実施形態を示す。これらの図に表し、さらに以下で論じる各拡張可能なフレームは、上記で論じたフレーム材料から構成され得る。さらに、各拡張可能なフレームは、上記で論じたように構成され得る弁構成物に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、弁構成物はフレームの外側に装着され、他の実施形態では、弁構成物はフレームの内側に装着され得る。
【0027】
図2~
図4は、本開示のプロテーゼのための拡張可能なフレーム200の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、弁構成物(図示せず)はフレーム200の外側に装着され、他の実施形態では、弁構成物(図示せず)はフレーム200の内側に装着され得る。
図2は、拡張状態にある拡張可能なフレーム200の斜視図を示す。
図3は、拡張状態にある
図2の拡張可能なフレーム200の平坦なステントパターンの概略図を示し、一方、
図4は、非拡張状態にある
図8の拡張可能なフレーム200の平坦なステントパターンの概略図を示す。
【0028】
拡張可能なフレーム200は、近位端部202と、近位端部202とは反対側の遠位端部204とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部202と遠位端部204との間に及ぶ。拡張可能なフレーム200は、間に厚さを有する外面206と内面208とを有し得る。内面208は、内腔210を画定する。拡張可能なフレーム200は、拡張可能な領域212と、拡張可能な領域212の近位にある弁尖領域214とを有し得る。弁尖領域214は、弁構成物の弁葉が外面206を越えて開くことを可能にし、いくつかの実施形態において、より詳細には、弁葉が、拡張可能なフレームの少なくとも拡張可能な領域212の外面206を越えて開くことを可能にし、拡張可能な領域212はフレームの心室区域であると考えられ得る。これは、弁構成物の弁葉の自由縁によって画定される領域がフレームの外面によって画定される領域よりも大きいというテーパー効果を効果的に生じさせることができ、順流時における圧力勾配の低減及び有効弁口面積の増大をもたらす。先行技術の弁プロテーゼは、フレームのセル構造のせいで、弁葉が拡張可能なフレームの外面を越えて開くことを許容しない。
【0029】
拡張可能な領域212は、弁プロテーゼの固定又は封止に関与し得る。拡張可能な領域212は、近位端部216と遠位端部218とを有する。拡張可能な領域212は、開口部221を画定する複数のセル220を備える。
図2~
図3に示す実施形態では、開口部221は異なるサイズ及び形状を有する。他の実施形態では、開口部221は、同一のサイズ及び形状を有してもよい。
【0030】
セル220は、少なくとも、拡張可能な領域212の近位端部216において、参照符号222で全体的に示した第1の周方向に隣り合うセルの列と、拡張可能な領域212の遠位端部218において、参照符号224で全体的に示した第2の周方向に隣り合うセルの列とに配置され得る。
図2~
図4に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、参照符号226で全体的に示した周方向に隣り合うセルの少なくとも1つの中間列は、第1のセルの周方向の列222と第2のセルの周方向の列224との間に広がり得る。
【0031】
各セル220は複数の支柱230を備える。各支柱230は、直線状の支柱であってもよいし、又は少なくとも
図2~
図4に示すように湾曲した支柱であってもよく、或いは各支柱は、少なくとも1つの湾曲部又は波形を有する蛇行した支柱であってもよい。各支柱230は、支柱230の長さにわたって一様であってもよいし、又は変化してもよい厚さを有し得る。セル220の各支柱は、結節点232で隣り合う支柱に接続され得る。結節点232は、拡張可能な領域の近位端部216及び遠位端部218にある端部結節点234を含むことができ、端部結節点234は各端部216,218で周方向に隣り合う支柱230を接続する。結節点232はまた、列結節点236も含むことができ、列結節点236は、列222,224,226内の周方向に隣り合う支柱230を接続するか、又は1つの列222,224,226の軸線方向に隣り合う支柱230を軸線方向に隣り合う列に接続する。
【0032】
次に弁尖領域214を参照すると、弁尖領域214は、拡張可能なフレーム200に取り付けられた弁構成物の弁葉の動作を容易にする又は支援するように意図されており、弁尖領域214は、近位端部242と、拡張可能な領域212に隣り合う遠位端部244とを有する。弁尖領域214は、拡張可能なフレーム200に弁構成物を取り付けるための複数のポスト246を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域214は、2本のポスト246を有し得る。
図2~
図4に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、弁尖領域214は、3本のポスト246を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域214は、任意の数のポスト246を有してもよい。
【0033】
各ポスト246は、遠位端部248と近位端部250とを有することができ、近位端部250は、弁尖領域242の近位端部242を画定する。いくつかの実施形態において、ポスト246の遠位端部248は、拡張可能な領域212の近位端部216において端部結節点234に結合され得る。他の実施形態では、ポスト246の遠位端部248は、周方向に隣り合うポスト246間の周方向距離に広がるアーチ形支柱に結合され得、アーチ形支柱は、1つ以上の端部結節点234において拡張可能な領域に結合され得る。
図2~
図4に示す実施形態などのさらに他の実施形態では、ポスト246の遠位端部248は、弁尖領域214の1つ以上の弁尖支柱251に結合され得、各弁尖支柱は、1つ以上の端部結節点234において拡張可能な領域212に結合され得る。少なくとも
図3により詳細に示すように、各ポスト246は、右弁尖支柱251aと左弁尖支柱251bとに接続され得る。少なくとも示した実施形態では、ポスト246、右弁尖支柱251a及び左弁尖支柱251bの組合せは、叉骨状の構造を形成する。示した実施形態において、第1のポスト246aの右弁尖支柱251a及び第2のポスト246b(これは第1のポスト246aに周方向に隣り合っている)の左弁尖支柱251bは、拡張可能な領域212の同一の端部結節点234に接続される。ポスト246は側面252をそれぞれ有し、右弁尖支柱は側面253をそれぞれ有する。ポスト246aの側面252と、ポスト246bの側面252と、右弁尖支柱251aの側面253と、右弁尖支柱251bに周方向に隣り合う左弁尖支柱251bの側面253とが、弁葉開口部254を画定する。弁葉開口部254により、弁構成物の弁葉が拡張可能なフレーム200の外面206を横切ることが可能となる。弁葉開口部254により、冠動脈アクセスの改善も可能となり得る。
【0034】
各ポスト246は少なくとも1本の支柱255を備えることができ、支柱255は、支柱255内に配置された少なくとも1つの取付機構256を含み得る。支柱255は、拡張可能な領域214の少なくとも1本の支柱230の幅より大きな幅を有し得る。少なくとも
図3に示す実施形態では、取付機構256は1つ以上の開口部260を備え得る。
図3に示すように、開口部260は、孔260a又は1つ以上のスロット260bとすることができる。さらに他の実施形態では、取付機構256は、特定の縫合パターンを容易にする複数の開口部260を備えることができ、前記開口部は、孔、スロット、又はスリットから構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの取付機構は、フック、ループ、綿撒糸、又は他の取付機構を備え得る。いくつかの実施形態において、ポスト246及び取付機構256の少なくとも1つは、留置中又は留置後に、フレームを再捕捉又は再配置するためにさらに利用され得る。いくつかの実施形態において、ポスト246、取付機構256、及び1つ以上の弁尖支柱251の少なくとも1つは、以前に植え込まれた弁プロテーゼと係合するためか、又は植え込まれる弁プロテーゼと係合するために、バルブ・イン・バルブ処置に利用され得る。
【0035】
弁尖領域214は、1本以上の弁尖コネクタ支柱272によって画定され得る1つ以上の弁尖領域セル270をさらに備え得る。弁尖コネクタ支柱272は、弁が収縮期と拡張期との間で律動するときに弁尖領域が受ける応力に対処するために、ポスト246にいくらかの付加的な構造を提供し得る。弁尖コネクタ支柱272は、拡張可能な領域214の少なくとも1本の支柱230の幅より大きな幅を有し得る。
図2~
図3に示すように、弁尖領域セル270は、セル220の開口部221より大きな開口部273を有する。弁尖領域セル270aのうちのいくつかは、いくつかの実施形態では、少なくとも1本の弁尖支柱251と、少なくとも1本の弁尖コネクタ支柱272と、拡張可能な領域212の近位端部216の1本以上の支柱230とによって画定され得る。他の弁尖領域セル270bは、いくつかの実施形態では、少なくとも2本の弁尖支柱251と2本の弁尖コネクタ支柱272とによって画定され得る。さらに他の弁尖領域セル270cは、いくつかの実施形態では、拡張可能な領域212の近位端部216の少なくとも2本の支柱230と2本の弁尖コネクタ支柱272とによって画定され得る。弁尖領域セル270aは、弁尖領域セル270b,270cよりそれぞれ大きな領域を画定し得る。弁尖領域セル270aは、弁尖領域セル270b,270cとはそれぞれ異なる形状を有し得る。他の実施形態では、弁尖領域セル270aは、弁尖領域セル270b,270cよりもそれぞれ小さくてもよい。一実施形態において、弁尖領域セル270bは、弁尖領域セル270cと実質的に同一の形状を有してもよく、一実施形態において、弁尖領域セル270bは、いくつかの実施形態では、弁尖領域セル270cと同一のサイズであってもよいし、又は弁尖領域セル270cよりわずかに大きくてもよい。他の実施形態では、弁尖領域セル270bは、弁尖領域セル270cとは実質的に異なる形状を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域セル270bは、弁尖領域セル270cより小さくてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、弁尖領域214の直径は、拡張可能な領域212の直径より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、弁尖領域214の近位端部における弁尖領域214の直径は、拡張可能な領域212の遠位端部における拡張可能な領域212の直径に類似してもよい。いくつかの実施形態において、弁尖領域214の近位端部における弁尖領域214の直径は、拡張可能な領域212の遠位端部における拡張可能な領域212の直径より大きくてもよい。少なくとも一実施形態において、弁尖領域214の直径は、弁尖領域214が拡張状態においてテーパー状の外形を有するように、弁尖領域の遠位端部においてよりも、弁尖領域の近位端部においてより大きくてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、
図2~
図3に示す拡張状態にある弁尖領域214の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム200の軸線方向長さの約25%~75%である。いくつかの実施形態において、
図2~
図3に示す拡張状態にある弁尖領域214の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム200の軸線方向長さの約45%~70%である。少なくとも1つの実施形態において、
図2~
図3に示す拡張状態にある弁尖領域814の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム200の軸線方向長さの約60%~75%である。
【0038】
図4は非拡張状態にある拡張可能なフレーム200を示す。
図4に示すように、フレーム200の遠位端部218における端部結節点232は、すべて半径方向に整列している。
図4に示すように、列結節点236もすべて半径方向に整列しており、拡張可能なフレーム200の近位端部216における端部結節点232も同様である。
図2~
図3に示した拡張可能な領域212のセル220のそれらの拡張状態における見え方とは異なり、非拡張状態ではセル220は形状及びサイズがすべて一様である。
【0039】
少なくともいくつかの実施形態において、
図2~
図4に示すフレームのようなデザインの拡張可能なフレーム200は、弁輪上のものである。拡張可能なフレーム200の弁輪上デザインの結果として、このフレームを利用する弁プロテーゼは、順流時における圧力勾配の低減及び有効弁口面積の増大と、したがって優れた血行動態とを得ることができる。
【0040】
図5~
図7は、
図2~
図4に示す拡張可能なフレームの変形例を表す。
図5は、拡張状態にある拡張可能なフレーム500の斜視図を示す。
図6は、拡張状態にある
図5の拡張可能なフレーム500の平坦なステントパターンの概略図を示し、一方、
図7は、非拡張状態にある
図5の拡張可能なフレーム500の平坦なステントパターンの概略図を示す。いくつかの実施形態では、弁構成物(図示せず)は、
図5~
図7に示す拡張可能なフレーム500の外側に装着され、他の実施形態では、弁構成物(図示せず)はフレーム500の内側に装着され得る。
【0041】
拡張可能なフレーム500は、近位端部502と、近位端部502とは反対側の遠位端部504とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部502と遠位端部504との間に及ぶ。拡張可能なフレーム500は、間に厚さを有する外面506と内面508とを有し得る。内面508は内腔510を画定する。拡張可能なフレーム500は、拡張可能な領域512と、拡張可能な領域512の近位にある弁尖領域514とを有し得る。弁尖領域514は、弁構成物の弁葉が外面506を越えて開くことを可能にし、いくつかの実施形態において、より詳細には、弁葉が、拡張可能なフレームの少なくとも拡張可能な領域512の外面506を越えて開くことを可能にし、拡張可能な領域512はフレームの心室区域であると考えられ得る。これは、弁構成物の弁葉の自由縁によって画定される領域がフレームの外面によって画定される領域よりも大きいというテーパー効果を効果的に生じさせることができ、順流時の圧力勾配の低減及び有効弁口面積の増大をもたらす。先行技術の弁プロテーゼは、フレームのセル構造のせいで、弁葉が拡張可能なフレームの外面を越えて開くことを許容しない。
【0042】
拡張可能な領域512は、近位端部516と遠位端部518とを有する。拡張可能な領域512は、開口部521を画定する複数のセル520を備える。
図5~
図6に示す実施形態では、開口部521は異なるサイズ及び形状を有する。他の実施形態では、開口部521は、すべて同一のサイズ及び形状を有してもよい。
【0043】
セル520は、少なくとも、拡張可能な領域512の近位端部516において、参照符号522で全体的に示した第1の周方向に隣り合うセルの列と、拡張可能な領域512の遠位端部518において、参照符号524で全体的に示した第2の周方向に隣り合うセルの列とに配置され得る。
図5~
図7に示すように、セルのこれらの2つの列522,524のみが設けられているが、他の実施形態では、本明細書の他の実施形態で説明するように、周方向に隣り合うセルの中間列が設けられ得る。
【0044】
各セル520は複数の支柱530を備える。各支柱530は、直線状の支柱であってもよいし、又は少なくとも
図5~
図7に示すように湾曲した支柱であってもよく、或いは各支柱は、少なくとも1つの湾曲部又は波形を有する蛇行した支柱であってもよい。各支柱530は、支柱530の長さにわたって一様であってもよいし、又は変化してもよい厚さを有し得る。セル520の各支柱530は、結節点532で隣り合う支柱に接続され得る。結節点532は、拡張可能な領域の近位端部516及び遠位端部518にある端部結節点534を含むことができ、端部結節点534は、各端部516,518で周方向に隣り合う支柱530を接続する。結節点532はまた、列522,524中の周方向に隣り合う支柱530をいずれか接続する列結節点536も含み得る。
【0045】
次に弁尖領域514を参照すると、弁尖領域514は、拡張可能なフレーム500に取り付けられた弁構成物の弁葉の動作を容易にするか又は支援するように意図されており、弁尖領域514は、近位端部542と、拡張可能な領域512に隣り合う遠位端部544とを有する。弁尖領域514は、拡張可能なフレーム500に弁構成物を取り付けるための複数のポスト546を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域514は、2本のポスト546を有し得る。
図5~7に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、弁尖領域514は、3本のポスト546を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域514は、任意の数のポスト546を有してもよい。
【0046】
各ポスト546は、遠位端部548と近位端部550とを有することができ、近位端部550は、弁尖領域542の近位端部542を画定する。
図5~
図7に示した実施形態では、ポスト546の遠位端部548は、弁尖領域514の1つ以上の弁尖支柱551に結合され得、各弁尖支柱551は、1つ以上の端部結節点532において拡張可能な領域512に結合され得る。少なくとも
図6により詳細に示すように、各ポスト546は、右弁尖支柱551aと左弁尖支柱551bとに接続され得る。少なくとも示した実施形態では、ポスト546、右弁尖支柱551a及び左弁尖支柱551bの組合せは、叉骨状の構造を形成する。示した実施形態において、第1のポスト548aの右弁尖支柱551a及び第2のポスト548b(これは第1のポスト548aに周方向に隣り合う)の左弁尖支柱551bは、拡張可能な領域512の同一の端部結節点534に接続される。ポスト548は側面552をそれぞれ有し、右弁尖支柱は側面553をそれぞれ有する。ポスト546aの側面552、ポスト546bの側面552、右弁尖支柱251aの側面553、右弁尖支柱251bに周方向に隣り合う左弁尖支柱251bの側面553は、弁葉開口部554を画定する。弁葉開口部554により、弁構成物の弁葉がフレームの外面を横切ることが可能となる。弁葉開口部554により、冠動脈アクセスの改善も可能となり得る。
【0047】
各ポスト546は、少なくとも1本の支柱555を備えることができ、支柱555は、支柱255内に配置された少なくとも1つの取付機構556を含み得る。支柱555は、拡張可能な領域514の少なくとも1本の支柱530の幅より大きな幅を有し得る。少なくとも
図3に示す実施形態では、取付機構556はスロット560を備え得る。さらに他の実施形態では、取付機構554は、特定の縫合パターンを容易にする、1つの開口部を備えてもよいし、又は複数の開口部560を備えてもよく、前記開口部は、孔、スロット又はスリットから構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの取付機構は、フック、ループ、綿撒糸、又は他の類似した取付機構を備え得る。いくつかの実施形態において、ポスト546及び取付機構554の少なくとも1つは、留置中又は留置後に、フレームを再捕捉又は再配置するためにさらに利用され得る。いくつかの実施形態において、ポスト546、取付機構554、及び1つ以上の弁尖支柱551の少なくとも1つは、以前に植え込まれた弁プロテーゼと係合するためか、又は植え込まれる弁プロテーゼと係合するために、バルブ・イン・バルブ処置に利用され得る。
【0048】
弁尖領域514は、1本以上の弁尖コネクタ支柱572によって画定され得る1つ以上の弁尖領域セル570をさらに備え得る。弁尖コネクタ支柱572は、弁が収縮期と拡張期との間で律動するときに弁尖領域が受ける応力に対処するために、ポスト546にいくらかの付加的な構造を提供し得る。
図5~
図6に示すように、弁尖領域セル570は、セル520の開口部521より大きな開口部573を有する。弁尖領域セル570aのうちのいくつかは、いくつかの実施形態において、少なくとも1本の弁尖支柱551と、少なくとも1本の弁尖コネクタ支柱572と、拡張可能な領域512の近位端部516の1本以上の支柱530とによって画定され得る。他の弁尖領域セル570bは、いくつかの実施形態において、少なくとも2本の弁尖支柱551と2本の弁尖コネクタ支柱252とによって画定され得る。さらに他の弁尖領域セル570cは、いくつかの実施形態において、拡張可能な領域212の近位端部616の少なくとも4本の支柱5300と、2本の弁尖コネクタ支柱572とによって画定され得る。周方向に隣り合う弁尖コネクタ支柱は、参照符号274で示すような結節点又は小さな支柱によって互いにさらに接続され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、
図5~
図6に示す拡張状態にある弁尖領域514の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム200の軸線方向長さの約25%~75%である。いくつかの実施形態において、
図5~
図6に示す拡張状態にある弁尖領域514の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム500の軸線方向長さの約45%~75%である。少なくとも1つの実施形態において、
図5~
図6に示す拡張状態にある弁尖領域514の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム500の軸線方向長さの約60%~75%である。
【0050】
いくつかの実施形態において、弁尖領域514の直径は、拡張可能な領域512の直径より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、弁尖領域514の近位端部における弁尖領域514の直径は、拡張可能な領域512の遠位端部における拡張可能な領域512の直径に類似してもよい。いくつかの実施形態において、弁尖領域514の近位端部における弁尖領域514の直径は、拡張可能な領域512の遠位端部における拡張可能な領域512の直径より大きくてもよい。少なくとも一実施形態において、弁尖領域514の直径は、弁尖領域514が拡張状態においてテーパー状の外形を有するように、弁尖領域の遠位端部においてよりも、弁尖領域の近位端部においてより大きくてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、スカート又は他の弁周囲漏出低減機構が、拡張可能なフレーム206の外面に取り付けられ得る。
図7は非拡張状態にある拡張可能なフレーム500を示す。
図4に示すように、フレーム500の遠位端部518における端部結節点532はすべて半径方向に整列している。
図7に示すように、列結節点536もすべて半径方向に整列しており、拡張可能なフレーム500の近位端部516における端部結節点532も同様である。
図5~
図6に示した拡張可能な領域212のセル520のそれらの拡張状態における見え方とは異なり、非拡張状態ではセル520は形状及びサイズがすべて一様である。より詳細には、第1のセルの周方向の列522におけるセルはすべて、非拡張状態では同一の形状及びサイズであるように見えるのに対して、
図5~
図6に示すように、セル520は、第1のセルの周方向の列522内で形状が変化する。
【0052】
いくつかの実施形態において、
図2~
図7に示す拡張可能なフレームを備えた弁プロテーゼは、2.38cm
2~3.76cm
2の平均有効弁口面積(EOA)を有する。いくつかの実施形態では、平均EOAは、2.64cm
2~3.53cm
2であり得る。さらに他の実施形態では、平均EOAは、2.84cm
2~3.30cm
2であり得る。少なくとも一実施形態において、弁プロテーゼ100は、0.55~0.70のドップラー速度指数ファクタ(DVI)とともに、約2.5~3.5cm
2の平均EOA及び約533~1333パスカル(約4~10mmHg)の圧力勾配を有する。
【0053】
図8~
図10は、本発明の拡張可能なフレーム800の別の実施形態を表す。拡張可能なフレーム800は、上記で論じた弁構成物とともに使用されると、より短い弁輪上弁プロテーゼを形成することができる。この拡張可能なフレームにおける弁構成物の接合は、弁葉の高さの45%~70%であり得る。本明細書に記載する他の実施形態のうちのいくつかとは異なり、
図8~
図10に示す拡張可能なフレーム800は、主として、弁構成物が拡張可能なフレーム800の内面に隣り合って装着されるように設計されている。
図8は、拡張状態にある拡張可能なフレーム800の斜視図を示す。
図9は、拡張状態にある
図8の拡張可能なフレーム800のステントパターンの概略図を示し、一方、
図10は、非拡張状態にある
図8の拡張可能なフレーム800のステントパターンの概略図を示す。
【0054】
拡張可能なフレーム800は、近位端部802と、近位端部802とは反対側の遠位端部804とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部802と遠位端部804との間に及ぶ。いくつかの実施形態において、近位端部802から遠位端部804までのフレームの軸線方向長さは、約18mm~24mmである。拡張可能なフレーム800は、間に厚さを有する外面806と内面808とを有し得る。内面808は内腔810を画定する。少なくとも一実施形態において、拡張可能なフレームの外面806の直径は、近位端部802から遠位端部804までのフレームの軸線方向長さより大きい場合がある。例えば、弁の外径が約25.5mm~26.5mmである実施形態において、近位端部802から遠位端部804までの弁の軸線方向長さは、約20mm~22mmである。拡張可能なフレーム800は、拡張可能な領域812と、拡張可能な領域812の近位にある弁尖領域814とを有し得る。
【0055】
拡張可能な領域812は、近位端部816と遠位端部818とを有する。拡張可能な領域812は、開口部821を画定する複数のセル820を備える。いくつかの実施形態では、拡張可能な領域812のセル820はすべて、実質的に同一のサイズ及び形状とすることができる。他の実施形態では、拡張可能な領域812のセル820は、異なるサイズ及び形状を有する。
【0056】
セル820は、少なくとも、拡張可能な領域812の近位端部816において、参照符号822で全体的に示す第1のセルの周方向の列と、拡張可能な領域812の遠位端部818において、参照符号824で全体的に示す第2のセルの周方向の列とに配置され得る。いくつかの実施形態において、参照符号826で全体的に示したセルの複数の周方向の中間列は、第1のセルの周方向の列822と第2のセルの周方向の列824との間に広がり得る。
図9に示すように、拡張可能なフレーム800は、第1のセルの周方向の列822と第2のセルの周方向の列824との間にセルの2つの中間列826を有する。
【0057】
各セル820は、複数の支柱830を備える。各支柱830は、直線状の支柱であってもよいし、又は少なくとも
図9に示すように湾曲した支柱であってもよく、或いは各支柱は、少なくとも1つの湾曲部又は波形を有する蛇行した支柱であってもよい。各支柱830は、支柱830の長さにわたって一様であってもよいし、又は変化してもよい幅を有し得る。セル820の各支柱は、結節点832で隣り合う支柱に接続され得る。結節点832は、拡張可能な領域の近位端部816及び遠位端部818にある端部結節点834を含むことができ、端部結節点834は、各端部816,818で周方向に隣り合う支柱830を接続する。結節点832はまた列結節点336も含むことができ、列結節点836は、列822,824,826内の周方向に隣り合う支柱830を接続するか、又は1つの列822,824,826の軸線方向に隣り合う支柱830を軸線方向に隣り合う列に接続する。
【0058】
弁尖領域814は、近位端部842と遠位端部844とを有する。弁尖領域814は、拡張可能なフレーム800に弁構成物を取り付けるための複数のポスト846を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域814は、2本のポスト846を有し得る。
図8~
図10に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、弁尖領域814は、3本のポスト846を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域は、任意の数のポスト846を有してもよい。弁尖領域814の近位端部842から遠位端部844に及ぶ各ポスト846は、近位端部848と遠位端部850とを有し得る。いくつかの実施形態において、ポスト846の遠位端部850は、拡張可能な領域812の近位端部816において端部結節点834に結合され得る。他の実施形態において、遠位端部848は、拡張可能な領域の支柱830に、より詳細には第1のセルの周方向の列822の少なくとも1つのセル820の支柱に、結合され得る。各ポスト846は、少なくとも1本の支柱852と、支柱852に接続された少なくとも1つの取付機構854とを備え得る。ポストの支柱852は、一端で拡張可能な領域812に結合されている。支柱852は、拡張可能な領域814の少なくとも1本の支柱830の幅より大きな幅を有し得る。支柱852は、支柱852をポスト846の少なくとも1つの取付機構854に接続する首領域856を支柱852の近位端部に備え得る。少なくとも1つの取付機構854は、タブ858を備えることができ、タブ858内には少なくとも1つの開口部860が配置されている。
図8に示すように、タブ858は、支柱852の幅より大きな幅を有し得る。少なくとも
図8に示す実施形態では、開口部860はスロットとすることができる。他の実施形態では、開口部860は孔であってもよい。さらに他の実施形態では、取付機構854は、特定の縫合パターンを容易にする複数の開口部860を有することができ、前記開口部は、孔、スロット又はスリットから構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの取付機構は、フックを備え得る。いくつかの実施形態において、ポスト846は、留置後に、フレームを再捕捉又は再配置するためにさらに利用され得る。
【0059】
各ポスト846は、少なくとも1つの弁尖領域セル870の少なくとも一部を画定する。
図8~
図9に示すように、弁尖領域セル870は、セル820の開口部821より大きな開口部872を有する。弁尖領域セル870により、いくつかの実施形態において、弁プロテーゼ800の冠動脈アクセスの改善が可能となり得る。弁尖領域セル870は、拡張可能な領域812の近位端部816の支柱830と、少なくとも1本のポスト846と、一対の弁尖支柱874とによって画定される。各弁尖支柱874は、直線状の支柱であってもよいし、又は少なくとも
図9に示すように湾曲した支柱であってもよく、或いは各弁尖支柱は、少なくとも1つの湾曲部又は波形を有する蛇行した支柱であってもよい。いくつかの実施形態において、弁尖領域セル870は、ポスト846の支柱852によって画定される。一対の弁尖支柱を形成する各支柱874は、弁尖結節点876で互いに接続されている。いくつかの実施形態において、弁尖領域セル870は、軸線方向支柱880によってさらに画定され得る。軸線方向支柱880は、
図9に示すように、ポスト846に周方向に隣り合い得る。軸線方向支柱880は、第1の端部882で接続結節点884における弁尖支柱の対の支柱のうちの1つに接続し、第2の端部886で端部結節点834に接続する。軸線方向支柱880は、少なくとも
図9に示すように直線状の支柱であってもよいし、或いは軸線方向支柱880は、湾曲した支柱、又は少なくとも1つの湾曲部若しくは波形を有する蛇行した支柱であってもよい。少なくとも
図8~
図9に示す実施形態では、弁尖領域セルは、8本の支柱、すなわち、ポスト846の支柱852と、一対の弁尖支柱874と、軸線方向支柱880と、拡張可能な領域812の近位端部816における第1のセルの周方向の列822の4本の隣り合う支柱830とによって画定される。少なくとも
図8~
図9に示すように、弁尖領域セル870の開口部872は、いくつかの実施形態では、
図8~
図9に示す拡張状態において略ハート形の周を形成し得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、
図8~
図9に示す拡張状態にある弁尖領域814の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム800の軸線方向長さの約25%~75%である。いくつかの実施形態において、
図8~
図9に示す拡張状態にある弁尖領域814の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム800の軸線方向長さの約30%~50%である。少なくとも1つの実施形態において、
図8~
図9に示す拡張状態にある弁尖領域814の軸線方向長さは、拡張可能なフレーム800の軸線方向長さの約40%~45%である。
【0061】
図10は非拡張状態にある拡張可能なフレーム800を示す。
図10に示すように、フレーム800の遠位端部818における端部結節点832はすべて半径方向に整列している。
図10に示すように、列結節点836もすべて半径方向に整列しており、拡張可能なフレーム800の近位端部における端部結節点832も同様である。加えて、列結節点836は、セルの軸線方向に隣り合う列の隣り合う列結節点と軸線方向に整列している。拡張状態では、弁尖結節点876は、
図9に示すようにポスト846の近位端部850より遠位にあるが、非拡張状態では、弁尖結節点876はポスト846の近位端部850より近位にあり得る。さらに、
図10に示す非拡張状態では、弁尖結節点876は、取付機構854より近位にあり得る。いくつかの実施形態において、弁尖結節点876は非拡張状態と拡張状態との間で取付機構854又はポスト846に対して相対的に位置するので、弁尖結節点876は、拡張可能なフレーム800を再捕捉又は再配置するための回収機構を有し得る。
【0062】
図11~
図13及び
図14A~
図14Cは、本発明の拡張可能なフレーム1100の別の実施形態を表す。拡張可能なフレーム1100は、拡張可能なフレーム1100に取り付けられた、上記で論じ、
図14A~
図14Cに示す弁構成物に類似した弁構成物1200とともに使用されると、より短い弁輪上弁プロテーゼ1400を形成することができる。
図8~
図10に示す拡張可能なフレームと同様に、拡張可能なフレーム1100は、主として、弁構成物が拡張可能なフレーム1100の内面に隣り合って装着されるように設計されている(特に
図14A~
図14Cに図示)。
図11は、拡張状態にある拡張可能なフレーム1100の斜視図を示す。
図12は、拡張状態にある
図11の拡張可能なフレーム1100のステントパターンの概略図を示し、一方、
図13は、非拡張状態にある
図11の拡張可能なフレーム1100のステントパターンの概略図を示す。
図14A~
図14Cは、弁構成物1200が
図11~
図13に示す拡張可能なフレーム1100に取り付けられている弁プロテーゼ1400を示す。
【0063】
拡張可能なフレーム1100は、近位端部1102と、近位端部1102とは反対側の遠位端部1104とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部1102と遠位端部1104との間に及ぶ。拡張可能なフレーム1100は、間に厚さを有する外面1106と内面1108とを有し得る。内面1108は内腔1110を画定する。拡張可能なフレーム1100は、拡張可能な領域1112と、拡張可能な領域1112の近位にある弁尖領域1114とを有し得る。拡張可能な領域1112は、近位端部1116と遠位端部1118とを有する。拡張可能な領域1112は、開口部1121を画定する複数のセル1120を備える。いくつかの実施形態では、拡張可能な領域1112のセル1120はすべて、実質的に同一のサイズ及び形状とすることができる。他の実施形態では、拡張可能な領域1112のセル1120は、異なるサイズ及び形状を有する。セル1120は、
図8~
図10に示す実施形態のセル820について上記で論じたように配置され得る。
【0064】
弁尖領域1114は、近位端部1142と遠位端部1144とを有し得る。弁尖領域1114は、拡張可能なフレーム1100に弁構成物を取り付けるための複数のポスト1146を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域1114は、2本のポスト1146を有し得る。
図11~
図14に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、弁尖領域1114は、3本のポスト1146を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域は、任意の数のポスト1146を有してもよい。弁尖領域1114の近位端部1142から遠位端部1144に及ぶ各ポスト1146は、近位端部1148と遠位端部1150とを有し得る。いくつかの実施形態において、ポスト1146の遠位端部1150は、
図8~
図10に示す実施形態のポスト846について上記で論じたように、近位端部1116で拡張可能な領域1112に結合され得る。
【0065】
各ポスト1146は、少なくとも1本の支柱1152と、支柱1152に接続された少なくとも1つの取付機構1154とを備え得る。ポストの支柱1152は、一端で拡張可能な領域1112に結合されている。支柱1152は、拡張可能な領域1112の支柱の幅より大きな幅を有し得る。少なくとも1つの取付機構1154は、タブ1158を備えることができ、タブ1158内には少なくとも1つの開口部1160が配置されている。少なくとも一実施形態において、開口部1160はスロットであってもよく、他の実施形態では、開口部1160は孔であってもよい。さらに別の実施形態では、取付機構1154は、特定の縫合パターンを容易にする複数の開口部1160を備えることができ、前記開口部は、孔、スロット又はスリットから構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの取付機構は、フックを備え得る。いくつかの実施形態において、支柱1152は、拡張可能なフレーム1100を再捕捉又は再配置するための回収機構を有し得る。
【0066】
各ポスト1146は、少なくとも1つの弁尖領域セル1170の少なくとも一部を画定する。少なくとも1つの弁尖領域セル1170は、
図8~
図10に示す実施形態の弁尖領域セル870に類似して画定され得る。少なくとも
図11~
図13に示した実施形態では、弁尖領域セルは、8本の支柱、すなわち、ポスト1146の支柱1152と、一対の弁尖支柱1174と、一端で弁尖支柱1174のうちの1本に接続され、また拡張可能な領域1112の端部結節点1134に接続されたC形支柱1180と、拡張可能な領域1112の近位端部1116における第1のセルの周方向の列1122の4本の隣り合う支柱1130とによって画定される。隣り合うC形支柱1180a,1180bは、拡張可能な領域の同一の端部結節点1134に接続され得る。隣り合うC形支柱1180a,1180bは、それぞれ、支柱の隣り合う対の支柱1174a,1174bに結合され得る。隣り合うC形支柱1180a,1180b及び支柱1174a,1174bの接続により、結節点1188が形成される。隣り合う弁尖領域セル1170のC形支柱1180a,1180bは、開口部1192を形成する。開口部1192は、弁構成物の弁尖又は弁葉の動作を妨げることなく、二次的な処置(アテローム切除術又は血管形成術の処置など)のための冠動脈アクセスを可能にするようなサイズ及び形状とすることができる。いくつかの実施形態において、開口部1192は、3.3mm(10Fr)~4.6mm(14Fr)のサイズとすることができ、少なくとも一実施形態では、開口部1192は、カテーテルの後の挿入を可能にするために、4.0mm(12Fr)のサイズとすることができる。
【0067】
図13は非拡張状態にある拡張可能なフレーム1100を示す。拡張状態では、弁尖結節点1176は、
図12に示すようにポスト1146の近位端部1148より遠位にあるが、非拡張状態では、弁尖結節点1176は、ポスト1146の近位端部1148より近位にあり得る。弁尖結節点1176同士は、半径方向に整列し得る。
図13に示すように、開口部1192同士は、非拡張状態では半径方向に整列し得る。いくつかの実施形態において、隣り合う結節点1188は、非拡張状態では半径方向に整列し得る。
【0068】
図14A~
図14Cは、弁プロテーゼ1400の少なくとも一実施形態による、拡張可能なフレーム1100への弁構成物1200の取り付けを表す。弁構成物1200は、参照によりその全体を本明細書に援用される「縫合を少なくした置換心臓弁(Replacement Heart Valve with Reduced Suturing)」という発明の名称の本出願人による米国出願第16/129,235号明細書の開示に記載されているように、フレームに取り付けられ得る。さらに、弁構成物1200は、組織の一部をポスト1146の上に重ね合わせることにより、拡張可能なフレーム1100に取り付けられ得る。一実施形態において、スリット1206は、弁構成物の各交連領域1202の付近及び弁構成物の近位端部1204の付近において弁構成物1200に形成され得る。各ポスト1146は、交連領域1202がポスト1146の近位端部に少なくとも部分的に重なり合うように、弁構成物1200の1つのスリット1206を通って挿入され得る。次に、縫合糸を使用して、弁構成物を、各ポスト1146において取付機構1154を用いて取り付けることができる。単一の縫合糸を使用する少なくとも1つの連続胴体縫合(running belly suture)をフレームのまわりで周方向に用いて、弁構成物をフレームにさらに接続することができる。一実施形態において、連続胴体縫合は、弁構成物の弁尖のパターンに従う。弁プロテーゼ1400のいくつかの実施形態において、弁周囲漏出スカート1408が、弁の外表面上に設けられ得る。スカートは、別の縫合糸で弁のまわりに周方向に取り付けられ得る。少なくとも一実施形態において、弁プロテーゼ1400は、6本未満の縫合糸を有する。いくつかの実施形態では、弁プロテーゼは、3~6本の縫合糸を有する。他の実施形態では、弁プロテーゼは、3~5本の縫合糸を有する。
【0069】
図15~
図17は、本発明の拡張可能なフレーム1500の別の実施形態を表す。拡張可能なフレーム1500は、拡張可能なフレーム1150に取り付けられた、上記で論じ、
図14A~
図14Cに示した弁構成物1200とともに使用されると、より短い弁輪上弁プロテーゼを形成することができる。
図8~
図13に示す拡張可能なフレームと同様に、拡張可能なフレーム1500は、主として、弁構成物が拡張可能なフレーム1500の内面に隣り合って装着されるように設計されている。
【0070】
拡張可能なフレーム1500は、近位端部1502と、近位端部1502とは反対側の遠位端部1504とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部1502と遠位端部1504との間に及ぶ。拡張可能なフレーム1500は、間に厚さを有する外面1506と内面1508とを有し得る。内面1508は内腔1510を画定する。拡張可能なフレーム1500は、拡張可能な領域1512と、拡張可能な領域1512の近位にある弁尖領域1514とを有し得る。拡張可能な領域1512は、近位端部1516と遠位端部1518とを有する。拡張可能な領域1512は、開口部1521を画定する複数のセル1520を備える。いくつかの実施形態では、拡張可能な領域1512のセル1520はすべて、実質的に同一のサイズ及び形状とすることができる。他の実施形態では、拡張可能な領域1512のセル1520は、異なるサイズ及び形状を有する。セル1520は、
図8~
図10に示す実施形態のセル820及び
図11~
図13に示す実施形態のセル1120について上記で論じたように配置され得る。
【0071】
弁尖領域1514は、近位端部1542と遠位端部1544とを有し得る。弁尖領域1514は、拡張可能なフレーム1500に弁構成物を取り付けるための複数のポスト1546を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域1514は、2本のポスト1546を有し得る。
図15~
図17に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、弁尖領域1514は、3本のポスト1546を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域は、任意の数のポスト1546を有してもよい。弁尖領域1154の近位端部1542から遠位端部1544に及ぶ各ポスト1546は、近位端部1548と遠位端部1550とを有し得る。いくつかの実施形態において、ポスト1546の遠位端部1550は、
図8~
図10に示す実施形態のポスト846及び
図11~
図13に示す実施形態のポスト1146について上記で論じたように、近位端部1516で拡張可能な領域1512に結合され得る。
【0072】
各ポスト1546は、
図11~
図13に示す実施形態のポスト1146について上記で論じたように、少なくとも1本の支柱1152と、支柱1152に接続された少なくとも1つの取付機構1154とを備え得る。
図15~
図17に示すように、少なくとも1つの取付機構は、1つのポスト1546と隣り合うポストとで異なり得る。
図15~
図17に示すように、ポスト1546aのうちの少なくとも1つは、複数のスリット1560を一定のパターンで備えた取付機構1548aを有し得る。
図15~
図17に示すように、複数のスリット1560は、ポスト1146のうちの1つにおいて小文字の「d」を形成するが、パターンはまた、大文字の「D」又は任意の他の適切な若しくは望ましい形状を形成してもよい。他のポスト1546b,1546cは、取付機構1548とは異なる孔又はスロットなどの同一の取付機構1548b,1548cを有し得る。1つのポスト1546aが、他のどのポストの取付機構1548b,1548cのいずれとも(又は他のポストは相対的に一致した取付機構を有するが)異なる取付機構1548aを備えると、施術者が交連ポストのうちの1つを識別するのを支援して送達中の弁のアライメント及び配向を助けることができる。少なくとも一実施形態において、各ポストが隣り合うポストとは異なる取付機構を有するように、第1のポスト1546はスリットのパターンを有することができ、第2のポスト1546は少なくとも1つの孔を有することができ、第3のポスト1546は少なくとも1つのスロットを有することができる。この構成により、施術者が送達中に弁のアライメント及び配向を行うのをさらに支援することができる。
【0073】
各ポスト1546は、少なくとも1つの弁尖領域セル1570の少なくとも一部を画定する。少なくとも1つの弁尖領域セル1570は、
図8~
図10に示す実施形態の弁尖領域セル870及び
図11~
図13に示す実施形態の弁尖領域セル1170に類似して画定され得る。少なくとも
図16に示す実施形態では、弁尖領域セル1570は、8本の支柱、すなわち、ポスト1546の支柱1552と、一対の弁尖支柱1574と、一端で弁尖支柱1574のうちの1つに接続され、また拡張可能な領域1512の端部結節点1534に接続された軸線方向支柱1580と、拡張可能な領域1512の近位端部1516における第1のセルの周方向の列1522の4本の隣り合う支柱1530とによって画定される。この実施形態において、軸線方向支柱1580は、少なくとも1つの突起1593を備える。示したように、軸線方向支柱1580は、2つの突起1593を有する。
【0074】
図17は非拡張状態にある拡張可能なフレーム1500を示す。拡張状態では、弁尖結節点1576は、
図16に示すようにポスト1546の近位端部1550より遠位にあるが、非拡張状態では、弁尖結節点1576は、ポスト1546の近位端部1550より近位にあり得る。弁尖結節点1576同士は、半径方向に整列し得る。
【0075】
図18~
図20は、本発明の拡張可能なフレーム1800の別の実施形態を表す。拡張可能なフレーム1800は、上記で論じた弁構成物に取り付けられると、より短い弁輪上弁プロテーゼを形成することができる。
図8~
図17に示す拡張可能なフレームと同様に、拡張可能なフレーム1800は、主として、弁構成物が拡張可能なフレーム1800の内面に隣り合って装着されるように設計されている。しかしながら、弁構成物は、この実施形態又は本明細書で論じる実施形態のいずれかの外面に装着されることもあり得る。
【0076】
拡張可能なフレーム1800は、近位端部1802と、近位端部1802とは反対側の遠位端部1804とを有することができ、拡張可能なフレームの軸線方向長さは、近位端部1802と遠位端部1804との間に及ぶ。拡張可能なフレーム1800は、間に厚さを有する外面1806と内面1808とを有し得る。内面1808は内腔1810を画定する。拡張可能なフレーム1800は、拡張可能な領域1812と、拡張可能な領域1812の近位にある弁尖領域1814とを有し得る。拡張可能な領域1812は、近位端部1816と遠位端部1818とを有する。拡張可能な領域1812は、開口部1821を画定する複数のセル1820を備える。いくつかの実施形態では、拡張可能な領域1812のセル1820はすべて、実質的に同一のサイズ及び形状とすることができる。他の実施形態では、拡張可能な領域1812のセル1820は、異なるサイズ及び形状を有する。セル1820は、
図8~
図10に示す実施形態のセル820及び
図11~
図13に示す実施形態のセル1120について上記で論じたように配置され得る。
【0077】
弁尖領域1814は、近位端部1842と遠位端部1844とを有し得る。弁尖領域1814は、拡張可能なフレーム1800に弁構成物を取り付けるための複数のポスト1846を備える。いくつかの実施形態において、弁尖領域1814は、2本のポスト1846を有し得る。
図18~
図20に示す実施形態などのいくつかの実施形態において、弁尖領域1814は、3本のポスト1846を有し得る。さらに他の実施形態では、弁尖領域は、任意の数のポスト1846を有してもよい。弁尖領域1854の近位端部1842から遠位端部1844に及ぶ各ポスト1846は、近位端部1848と遠位端部1850とを有し得る。いくつかの実施形態において、ポスト1846の遠位端部1850は、
図8~
図10に示す実施形態のポスト846及び
図11~
図13に示す実施形態のポスト1146について上記で論じたように、近位端部1816で拡張可能な領域1812に結合され得る。
【0078】
各ポスト1846は、
図18~
図20に示す実施形態のポスト1846について上記で論じたように、少なくとも1本の支柱1852と、支柱1852に接続された少なくとも1つの取付機構1854とを備え得る。少なくとも1つの取付機構は、1つのポスト1846と隣り合うポストとで異なり得る。
図15~
図17に示す実施形態に関して上記で論じたように、ポスト1846aのうちの少なくとも1つは、複数のスリット1860を一定のパターンで備えた取付機構1848aを有し得る。いくつかの実施形態において、複数のスリット1860は、ポスト1846のうちの1つにおいて小文字の「d」を形成するが、パターンはまた、大文字の「D」又は任意の他の適切な若しくは望ましい形状を形成してもよい。他のポスト1846b,1846cは、取付機構1848とは異なる孔又はスロットなどの同一の取付機構1848b,1848cを有し得る。少なくとも一実施形態において、各ポストが隣り合うポストとは異なる取付機構を有するように、第1のポスト1846はスリットのパターンを有することができ、第2のポスト1846は少なくとも1つの孔を有することができ、第3のポスト1846は少なくとも1つのスロットを有することができる。この構成により、施術者が送達中に弁のアライメント及び配向を行うのをさらに支援することができる。
【0079】
各ポスト1846は、少なくとも1つの弁尖領域セル1870の少なくとも一部を画定する。少なくとも1つの弁尖領域セル1870は、
図8~
図10に示す実施形態の弁尖領域セル870に類似して画定され得る。少なくとも
図15~
図17に示す実施形態では、弁尖領域セル1870は、9本の支柱、すなわち、ポスト1846の支柱1852と、一対の弁尖支柱1874と、第1の蛇行した支柱1880と、第2の蛇行した支柱1881と、拡張可能な領域1812の近位端部1816における第1のセルの周方向の列1822の4本の隣り合う支柱1830とによって画定される。一実施形態において、第1の蛇行した支柱1880は、第1の端部で弁尖領域セル1870aの弁尖支柱1874aのうちの1本に接続され、第2の端部で拡張可能な領域1812の端部結節点1834に接続され得る。第2の蛇行した支柱1881は、第1の端部で弁尖領域セル1870aに隣り合った弁尖領域セル1870bの弁尖支柱1874bのうちの1つに接続され、第2の端部で端部結節点1834に接続され得る。第2の蛇行した支柱1881は、一実施形態において、第1の蛇行した支柱1880に重なり合い得る。重なり合った蛇行した支柱1880,1881は、2つの開口部を有した「8」の字形を形成し得る。重なり合った蛇行した支柱1880,1881は、弁尖領域1814における剛性の改善を可能にし、この領域でねじれに抵抗する。
【0080】
図20は、非拡張状態にある拡張可能なフレーム1800を示す。
図8~
図13及び
図15~
図17に関して本明細書で論じた他の実施形態と同様に、拡張状態では、弁尖結節点1876は、
図19に示すようにポスト1846の近位端部1850より遠位にあるが、非拡張状態では、弁尖結節点1876は、ポスト1846の近位端部1850より近位にあり得る。弁尖結節点1876同士は、半径方向に整列し得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、
図18~
図20に示す拡張可能なフレームを備えた弁プロテーゼは、1.33cm
2~3.43cm
2の平均有効弁口面積(EOA)を有する。いくつかの実施形態では、平均EOAは、1.68cm
2~3.08cm
2であり得る。さらに他の実施形態では、平均EOAは、2.03cm
2~2.73cm
2であり得る。
【0082】
本明細書で論じる拡張可能なフレームは、拡張可能なフレームと、したがって弁構成物とを送達手順中に患者の生来の解剖学的構造に対して望ましい位置に配置するための1つ以上の放射線不透過性マーカをさらに備え得る。少なくとも
図8~
図20に表したものを含むが、それらに限定されない拡張可能なフレームのいくつかの実施形態において、拡張可能なフレームは、少なくとも1本の支柱に取り付けられた放射線不透過性マーカを有し得る。少なくとも
図8~
図20に表したものを含むが、それらに限定されない拡張可能なフレームのいくつかの実施形態において、拡張可能なフレームは、少なくとも1つの結節点に取り付けられた放射線不透過性マーカを有し得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性マーカは、少なくとも1本の支柱、又は少なくとも1つの結節点、又は少なくとも1つの支柱若しくは結節点の組合せに配置され得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性マーカは、少なくとも1本の支柱、又は少なくとも1つの結節点、又は少なくとも1つの支柱若しくは結節点の組合せに取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性マーカは、拡張可能なフレームのその部分におけるコーティングであってもよい。放射線不透過性マーカの位置は、送達カテーテル内での装入状態(これはその非拡張状態に相当してもよいし、又は相当しなくてもよい)からその拡張状態への支柱の短縮によって決定され得る。いくつかの実施形態において、放射線不透過性マーカの位置は、非拡張状態からその拡張状態への支柱の短縮によって決定され得る。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、拡張可能な領域の遠位列に配置され得る。さらなる実施形態では、放射線不透過性マーカは、交連ポストのうちの少なくとも1つ、又は弁尖領域の支柱若しくは結節点に配置され得る。少なくとも一実施形態では、
図21に示すように、拡張可能なフレーム2100は、セルの拡張可能な領域2112と、拡張可能な領域2112の近位にあるセルの弁尖領域2114とを有し得る。弁尖領域2114は、拡張可能なフレームの流出端部を画定することができ、拡張可能な領域2112は、拡張可能なフレームの流入端部を画定することができる。少なくとも拡張可能な領域2112において、拡張可能なフレーム2100は、拡張可能な領域2112の隣り合うセルの支柱2120を接続する結節点2118の複数の列2116を有し得る。
図21に示すように、拡張可能な領域2112は、結節点2118の5つの列2116a,2116b,2116c,2116d,2116eを有する。列2116aは、拡張可能な領域2112の近位端部2124を画定することができ、列2116eは、拡張可能な領域2112の遠位端部2126を画定することができる。いくつかの実施形態において、放射線不透過性マーカは、端部列2116a,2116eのうちの1つに配置され得る。より詳細には、放射線不透過性マーカは、列2116eの結節点又はその付近に配置されて、施術者が送達中に拡張可能なフレームの遠位端部の位置を可視化するのを支援することができる。他の実施形態では、放射線不透過性マーカは、弁プロテーゼの流出端部付近の列2116aの結節点又はその付近に配置されて、施術者が弁構成物の弁尖(valve cusp)の相対位置を可視化するのを支援することができる。他の実施形態では、放射線不透過性マーカは、拡張可能な領域2112の結節点の中間列2116b,2116c,2116dに配置され得る。より詳細には、
図21に示すように、放射線不透過性マーカ2128は、列2116cと列2116dとの間の支柱2120に配置され得る。放射線不透過性マーカ2128の位置は、いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームが患者の生来の弁輪に対して弁輪上に(supra-annularly)適切に配置され得るように、患者の生来の弁輪に対する拡張可能なフレームの所望位置へ移動することができる。
【0083】
弁構成物は、
図11~
図21に示す実施形態のいずれか又は他の同様の実施形態における拡張可能なフレームに対して、他の商品化された経カテーテル大動脈弁装置と比べて少ない数の縫合糸で、取り付けられ得る。
図22は、少なくとも
図12に示す拡張可能なフレームに類似した拡張可能なフレーム2210における縫合パターンを示す。拡張可能なフレーム2210は、近位端部2212と、近位端部2212とは反対側の遠位端部2214とを有し得る。拡張可能なフレームは、近位端部2212に又は実質的にその付近に複数の交連ポスト2246を有し得る。各交連ポスト2246は、近位端部2248と遠位端部2250とを有し得る。各ポスト2246は、少なくとも1本の支柱2252と、支柱2252に接続された又は埋め込まれた少なくとも1つの取付機構2254とを備え得る。少なくとも1つの取付機構2254は、タブ2258を備えることができ、タブ2258内には少なくとも1つの開口部2260が配置されている。拡張可能なフレームは、ポスト2246の両側に結合された弁尖支柱2274をさらに備える。弁構成物が単一片の弁構成物である実施形態では、拡張可能なフレーム2210に対する弁構成物の取り付けは、
図22に示すように縫合パターン2200を含み得る。縫合パターン2200は、3つの半円2220を含み、各半円2220は弁構成物の1つの弁葉に対応する。各半円2220は、10~45目のステッチ2221を含む。いくつかの実施形態において、各半円は20~30目のステッチ2221を含む。縫合パターン2200は、第1の端部2223と第2の端部2225とを有する1本の縫合糸2222を含み得る。少なくとも一実施形態において、第1の端部2223と第2の端部2225とが結び合わされて縫合パターン2200を完了する。いくつかの実施形態では、第1の端部2223と第2の端部2225とは、フレームの支柱において結ばれ得る。他の実施形態では、第1の端部2223と第2の端部2225とは、ポスト2254のうちの1本のまわりで結ばれ得る。いくつかの実施形態において、縫合パターン2200は、ロッキングステッチのみからなる。
【0084】
図23A及び
図23Bによる拡張可能なフレームの交連ポスト。
図23Aは、拡張可能なフレーム2210の外表面から見た交連縫合パターン2320の一例を示し、
図23Bは、拡張可能なフレーム2210の内表面から見た
図23Aの縫合パターン2320を示す。少なくとも一実施形態において、縫合パターン2320は1本の縫合糸2322を含む。交連ポスト2346は、近位端部2348と遠位端部2350とを備える。交連ポストは、内表面2349と外表面2351とをさらに備える。交連ポスト2346は、支柱2352及び取付機構2354をさらに備える。支柱2352は、第1の側面2356と第2の側面2358とを有する。弁尖支柱2374は、支柱2352の両側面2356,2358から延びている。図示の取付機構は、開口部2360を備える。少なくとも一実施形態において、交連縫合パターン2320は、第1の端部2380と第2の端部2381とを有した縫合糸2322を含む。第1の端部2380は、取付機構2354の開口部2360内に配置される。縫合糸2322は、次に、第1の端部2380から交連ポスト2346の外表面2351の上を第1の側面2356へと延びてポイント2382に至る。ポイント2382で、縫合糸2322は、交連ポスト2346の内表面2349を第2の側面2358へと越えてポイント2383に至る。ポイント2383で、縫合糸2322は、外表面2351を越えて側面2356に隣り合う支柱2374へ、具体的には支柱2374の上部へと戻ってポイント2384に至る。ポイント2384で、縫合糸2322は、内表面2349を側面2358に隣り合う支柱2374の下部へと越えてポイント2385に至る。ポイント2385で、縫合糸2322は、第1の側面2358における交連ポスト2346の遠位端部に向かって外表面2351を越えてポイント2386に至り、次いで内表面2349を越えてポイント2387に至る。ポイント2387で、縫合糸2322は、外表面2351を側面2356に隣り合う支柱2374の下部へと越えてポイント2388に至る。ポイント2388で、縫合糸2322は、内表面2349を側面2358に隣り合う支柱2374の上部へと越えてポイント2389に至る。ポイント2389で、縫合糸2322は次に、外表面2351をポイント2382とポイント2384との間のポイント2389へと越える。縫合糸2322は次に、内表面2389を越えて開口部2360を通って第2の端部2381に至る。第1の端部2380と第2の端部2381とは、確実な結び目で互いに接続され得る。好ましい実施形態において、弁構成物を交連ポストに縫合するとき、弁構成物は、ポスト間隙がなく、また弁構成物が圧力下で適切に接合できることを保証するために十分にフレームに近接して配置される。
【0085】
いくつかの実施形態において、
図23A及び
図23Bに関して上述したようなポストに対する弁構成物の取り付けを容易にするために、弁構成物は、ポストを弁構成物の一部に挿入するように変更され得る。一例を
図24に示す。弁構成物2400は、弁葉2402と、隣り合う弁葉の間に一体となって成形された交連領域2404とを備えた単一片の弁構成物である。スリット2406を各交連領域2404において弁構成物2400に切り込むことができ、その後、フレームに取り付けられると弁構成物2400の一部が拡張可能なフレーム(より詳細には交連ポスト)の外表面上に存在するように、拡張可能なフレームの交連支柱をスリットに挿入することができる。
【0086】
本明細書で使用するように、「実質的に」又は「概して」という用語は、作用、性質、特性、状態、構造、アイテム、または結果の範囲又は程度が、完全又はほぼ完全であることを指す。例えば、「実質的に」又は「概して」包含される対象は、その対象が、完全に包含されているか、又はほぼ完全に包含されているかのいずれかであることを意味する。絶対的な完全性からの正確に許容される解離の程度は、いくつかの場合において、具体的な文脈に依る。しかしながら、一般的に言って、完全性に近いことは、絶対的に且つ全体的に完全性が達成されたかのように概して同一の全体的な結果を有するようになる。「実質的に」又は「概して」という用語の使用は、それが否定的な意味合いで使用される場合には、作用、特徴、特性、状態、構造、アイテム、又は結果の完全またはほぼ完全に欠くことを指す為に同様に用いられる。例えば、一定の成分又は要素を「実施的に」欠く、又は「概して」欠く要素、組み合わせ、実施形態、または組成物は、一般にその測定可能な効果が無い限りは、実際にそのようなアイテムを依然として含んでいてもよい。
【0087】
本明細書において「一実施形態」又は「実施形態」についての記載は、実施形態に関連して説明する特定の要素、特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の「一実施形態において」という記載は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではない。
【0088】
本明細書で使用するように、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、又はその他のそれらの用語の別の変化形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、一定の要素のリストを備える工程、方法、物品、又は装置は、それらの要素に必ずしも限定されないが、明示的に列挙されていない、又はそのような工程、方法、物品、又は装置に固有の別の要素も含み得る。さらに、逆のことが明示されていない限り、「又は」という用語は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指さない。例えば、A又はBは、次のいずれかによって満たされ、Aは真(又は存在する)でありBは偽(又は存在しない)、Aは偽(又は存在しない)でありBは真(又は存在する)、及びA及びBの双方は真(又は存在する)、である。
【0089】
加えて、「1つ」、「一」の使用は、本明細書の実施形態の要素又は構成要素を記載する為に使用される。これは単に便宜上であり説明の一般的な意味を与える為である。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、そうでないことを意味することが明らかでない限り複数形も含む。
【0090】
更に、図面は、例示することだけを目的として好ましい実施形態を示す。本開示を読めば、当業者であれば、本明細書に記載の装置の更なる代替的な構造上及び機能上のデザインを理解できる。
【0091】
したがって、具体的な実施形態及び使用が図に示され且つ説明されているが、開示されている実施形態は、本明細書に開示されているまさにその構造や構成要素に限定されないことを理解されたい。添付の特許請求の範囲に定義される趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている方法及び装置の構成、操作及び詳細について、当業者であれば明白であろうが、さまざまな修正、変更、及び変形が可能である。
【0092】
いくつかの例示の実施形態を参照して本明細書で説明したシステム及び方法は、これらの実施形態が限定ではなく、且つ必ずしも互いに排他的ではなく、様々な実施形態の具体的な要素は、本発明の範囲内において、省略又は別の構成要素の特徴と共に使用する為に組み合わせることができると考えられる。本明細書の任意の実施形態の特徴はいずれも、任意の実施形態で使用可能であり、且つ、別の実施形態の任意の特徴と共に使用可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生来の弁の経カテーテル修復のための置換心臓
弁であって、前記置換心臓弁は、
遠位端部、近位端部、及び前記遠位端部と前記近位端部との間の長さを有するフレームであって、外面と、内腔を画定する内面とをさらに備え、非拡張状態から拡張状態に拡張可能なフレームであって、
前記フレームの前記遠位端部の付近にある拡張可能な領域と、
前記拡張可能な領域の近位
にある弁尖領域であって、
少なくとも第1のポスト及び第2のポストであって、前記ポストの各々が、近位端部、遠位端部、及び少なくとも1つの弁取付機構を有する、少なくとも第1のポスト及び第2のポストと、
前記第1のポストに接続された第1の弁尖支柱と、
前記第1の弁尖支柱及び前記第2のポストに接続された第2の弁尖支柱と、
前記第1のポスト、前記第2のポスト、前記第1の弁尖支柱、及び前記第2の弁尖支柱によって画定される第1の弁尖開口部と
を含む弁尖領域と
をさらに備える
拡張可能なフレームと、
前記フレームの前記外面に装着された弁構成物であって、
該弁構成物は、前記フレームに取り付けられるとともに、少なくとも
前記ポストの前記弁取付機
構に取り付けられ
、前記弁構成物は第1の造形された弁葉を少なくとも含み、前記第1の造形された弁葉は前記第1の弁尖開口部に広がる
、弁構成物と
を備え
、
前記第1の造形された弁葉は前記第1の弁尖開口部を横切って前記フレームの前記内腔に入る
、置換心臓
弁。
【請求項2】
前記弁尖領域は
第3のポストを備える、請求項1に記載の
置換心臓弁。
【請求項3】
前記支柱はアーチ形支柱である、請求項
1に記載の
置換心臓弁。
【請求項4】
前記弁尖領域は第3のポストをさらに含み、前記弁構成物は第2の造形された弁葉をさらに含み、前記第2の造形された弁葉は、少なくとも前記第2のポスト及び前記第3のポストによって画定される第2の弁尖開口部に広がる、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項5】
前記弁構成物は、前記第1の造形された弁葉と前記第2の造形された弁葉との間に造形された交連領域を有する、請求項4に記載の置換心臓弁。
【請求項6】
少なくとも前記第3のポスト及び前記第1のポストによって画定される第3の弁尖開口部と、前記第3の弁尖開口部に広がる第3の造形された弁葉とをさらに備える、請求項4に記載の置換心臓弁。
【請求項7】
前記弁構成物は、生体材料から形成された単一片の弁である、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項8】
前記生体材料が、ポリマー、ウシ組織、またはブタ組織を含む、請求項7に記載の置換心臓弁。
【請求項9】
前記拡張可能な領域は、少なくとも、前記拡張可能な領域の遠位端部にある第1のセルの列と、前記拡張可能な領域の近位端部にある第2のセルの列とを有する、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項10】
前記拡張可能な領域は、前記第1のセルの列と前記第2のセルの列との間に複数の中間列セルを有する、請求項9に記載の置換心臓弁。
【請求項11】
前記フレームは長手方向軸を有し、前記ポストが前記長手方向軸と軸線方向に整列している、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項12】
前記弁尖領域は、少なくとも1つの弁尖コネクタ支柱によって画定される弁尖領域セルをさらに含む、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項13】
前記拡張可能な領域は、近位端部及び遠位端部と、前記拡張可能な領域の前記近位端部における複数の端部結節点とを有し、前記第1の弁尖支柱は、前記拡張可能な領域の第1の端部結節点に接続される、請求項1に記載の置換心臓弁。
【請求項14】
前記第2の弁尖支柱は、前記第1の端部結節点に接続されている、請求項13に記載の置換心臓弁。
【請求項15】
前記弁取付機構は、スロット、フック、ループ、及び綿撒糸からなる群から選択される、請求項1に記載の置換心臓弁。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】