(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】電池ケース構造及びボタン電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20230726BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20230726BHJP
H01M 50/153 20210101ALI20230726BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20230726BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20230726BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/109
H01M50/153
H01M50/184 E
H01M50/186
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501165
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2021089639
(87)【国際公開番号】W WO2022095342
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202011237620.9
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522318575
【氏名又は名称】深▲セン▼市合壹新能技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN HYNETECH COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003915
【氏名又は名称】弁理士法人岡田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡江波
(72)【発明者】
【氏名】曹志鋒
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011GG02
5H011KK01
5H012AA04
5H012BB01
5H012CC01
5H012FF01
(57)【要約】
本発明は、電池ケース構造及びボタン電池に関する。電池ケース構造は、上部カバー(200)と底部ケース(100)とを含み、底部ケース(100)は上部カバー(200)と合わせて密封キャビティを形成し、密封キャビティはセルアセンブリ(400)を設置するように構成され、底部ケース(100)には第1の盲槽(1311)が設けられる。ボタン電池は、セルアセンブリ(400)と前記電池ケース構造とを含み、セルアセンブリ(400)は密封キャビティ内に配置される。当該電池ケース構造によれば、上部カバー(200)は底部ケース(100)と合わせて密封キャビティを形成してセルアセンブリの設置空間を提供し、底部ケース(100)には第1の盲槽(1311)が設けられるため、第1の盲槽(1311)が位置する領域は、肉厚が他の領域よりも薄いため、電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスの作用下でまず押し潰されて圧力解放口を形成し、高圧ガスが放出できないことによる電池の爆発を回避して安全を保障することができ、また、当該ボタン電池は前記電池ケース構造を含むため、第1の盲槽(1311)によって圧力解放して防爆して安全を保障することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部カバーと、
前記上部カバーと合わせて密封キャビティを形成する底部ケースであって、前記密封キャビティはセルアセンブリを設置するように構成され、前記底部ケースには第1の盲溝が設けられる底部ケースと、を含む、ことを特徴とする電池ケース構造。
【請求項2】
前記第1の盲溝は、円弧状の経路の溝として構成されるか、又は、直線状の経路の溝として構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池ケース構造。
【請求項3】
前記底部ケースは、第1の底壁、第1の側壁及び第1の封止縁部を含み、前記第1の側壁は環状に配置され、前記第1の側壁は、前記第1の底壁の外周を取り囲むように前記第1の底壁の外周に接続され、前記第1の封止縁部は、環状に配置され、かつ前記第1の側壁に対応して設けられ、前記第1の封止縁部は、前記第1の側壁に接続され、前記第1の封止縁部は、前記第1の底壁から離れた前記第1の側壁の一端に位置し、前記第1の盲溝は前記第1の封止縁部に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の電池ケース構造。
【請求項4】
前記第1の盲溝は、前記第1の封止縁部の円周を取り囲んで非環状溝を形成するように構成されるか、
又は、前記第1の盲溝は、前記第1の封止縁部の円周を取り囲んで環状溝を形成するように構成される、ことを特徴とする請求項3に記載の電池ケース構造。
【請求項5】
前記第1の封止縁部は、第1の延在縁部及び第2の延在縁部を含み、前記第1の延在縁部及び前記第2の延在縁部は、それぞれ環状に配置され、前記第1の延在縁部の一端は前記第1の側壁に接続され、前記第1の延在縁部の他端は前記第2の延在縁部に接続され、前記第1の延在縁部は、前記第1の側壁と前記第2の延在縁部との間に位置し、前記第1の盲溝は、前記第1の延在縁部の円周を取り囲むように設けられ、前記第2の延在縁部は、前記上部カバーに当接している、ことを特徴とする請求項4に記載の電池ケース構造。
【請求項6】
前記第1の延在縁部は、内側環端部及び外側環端部を有し、前記第1の延在縁部は、前記内側環端部を介して前記第1の側壁に接続され、前記第1の延在縁部は、前記第1の側壁から前記第1の側壁の外環に向けて延在するように構成され、前記第2の延在縁部が前記第1の延在縁部に接続されるように、前記第2の延在縁部は前記外側環端部に接続され、かつ、前記第2の延在縁部は、前記第1の延在縁部から、前記第1の底壁から離れる方向に向けて延在するように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池ケース構造。
【請求項7】
前記第1の盲溝から前記内側環端部までの距離は第1の距離であり、前記第1の盲溝から前記外側環端部までの距離は第2の距離であり、前記第1の距離は前記第2の距離以下である、ことを特徴とする請求項6に記載の電池ケース構造。
【請求項8】
前記第1の底壁上に円弧状の経路の溝として構成された第2の盲溝が設けられ、
前記第2の盲溝は前記第1の底壁の外壁に設けられ、前記第2の盲溝は前記第1の底壁の円周を取り囲むように設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の電池ケース構造。
【請求項9】
前記第1の盲溝は前記第1の封止縁部の外壁に設けられ、
前記第1の盲溝の断面は、矩形、半円形又は三角形であり、
前記電池ケース構造は、前記上部カバーの外周縁部と前記底部ケースとの間に配置された密封リングを更に含む、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の電池ケース構造。
【請求項10】
セルアセンブリと、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電池ケース構造とを含み、
前記セルアセンブリは前記密封キャビティ内に配置される、ことを特徴とするボタン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池安全の技術分野に関し、特に電池ケース構造及びボタン電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電池(Button Cell)は、通常ボタン型電池とも呼ばれ、形状がボタンに似た電池の一種であり、柱状電池に比べて、ボタン電池の厚さがより薄い。ボタン電池は、形状がより小さいため、様々な小型電子製品に広く用いられている。
【0003】
従来のボタン電池は、底部ケースと、上部カバーと、セルアセンブリとを含み、底部ケースは、上部カバーと合わせて密封キャビティを形成し、セルアセンブリは密封キャビティ内に設置される。しかしながら、電池が故障又は廃棄された場合、密封キャビティ内のセルアセンブリが異常であるため、正常な防爆方法がなければ、密封キャビティ内のエネルギーを放出することができず、その場合には、爆発又はそれ以上の深刻な事態が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、第1の盲溝を設けることによって、電池が故障又は廃棄された場合、第1の盲溝が押し潰されて圧力解放し、防爆の役割を果たして安全を保障することができる電池ケース構造と、前述の電池ケース構造を採用して、第1の盲溝によって圧力解放することにより防爆して安全を保障することができるボタン電池と、を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下の通りである。
【0006】
一実施例において、上部カバーと、前記上部カバーと合わせて密封キャビティを形成する底部ケースであって、前記密封キャビティはセルアセンブリを設置するように構成され、前記底部ケースには第1の盲溝が設けられる底部ケースと、を含む電池ケース構造を提供する。
【0007】
上記の電池ケース構造によれば、上部カバーは底部ケースと合わせて密封キャビティを形成してセルアセンブリの設置空間を提供し、底部ケースには第1の盲溝が設けられるため、第1の盲溝が位置する領域は、肉厚が他の領域よりも薄いため、電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスの作用下でまず押し潰されて圧力解放口を形成し、高圧ガスが放出できないことによる電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【0008】
以下、技術案について更に説明する。
【0009】
一実施例において、前記第1の盲溝は、円弧状の経路の溝として構成されるか、又は、直線状の経路の溝として構成される。
【0010】
一実施例において、前記底部ケースは、第1の底壁、第1の側壁及び第1の封止縁部を含み、前記第1の側壁は環状に配置され、前記第1の側壁は、前記第1の底壁の外周を取り囲むように前記第1の底壁の外周に接続され、前記第1の封止縁部は、環状に配置され、かつ前記第1の側壁に対応して設けられ、前記第1の封止縁部は、前記第1の側壁に接続され、前記第1の封止縁部は、前記第1の底壁から離れた前記第1の側壁の一端に位置し、前記第1の盲溝は前記第1の封止縁部に設けられる。
【0011】
一実施例において、前記第1の盲溝は、前記第1の封止縁部の円周を取り囲んで非環状溝を形成するように構成されるか、又は、前記第1の盲溝は、前記第1の封止縁部の円周を取り囲んで環状溝を形成するように構成される。
【0012】
一実施例において、前記第1の封止縁部は、第1の延在縁部及び第2の延在縁部を含み、前記第1の延在縁部及び前記第2の延在縁部は、それぞれ環状に配置され、前記第1の延在縁部の一端は前記第1の側壁に接続され、前記第1の延在縁部の他端は前記第2の延在縁部に接続され、前記第1の延在縁部は、前記第1の側壁と前記第2の延在縁部との間に位置し、前記第1の盲溝は、前記第1の延在縁部の円周を取り囲むように設けられ、前記第2の延在縁部は、前記上部カバーに当接している。
【0013】
一実施例において、前記第1の延在縁部は、内側環端部及び外側環端部を有し、前記第1の延在縁部は、前記内側環端部を介して前記第1の側壁に接続され、前記第1の延在縁部は、前記第1の側壁から前記第1の側壁の外環に向けて延在するように構成され、前記第2の延在縁部が前記第1の延在縁部に接続されるように、前記第2の延在縁部は前記外側環端部に接続され、かつ、前記第2の延在縁部は、前記第1の延在縁部から、前記第1の底壁から離れる方向に向けて延在するように構成される。
【0014】
一実施例において、前記第1の盲溝から前記内側環端部までの距離は第1の距離であり、前記第1の盲溝から前記外側環端部までの距離は第2の距離であり、前記第1の距離は前記第2の距離以下である。
【0015】
一実施例において、前記第1の底壁上に円弧状の経路の溝として構成された第2の盲溝が設けられ、前記第2の盲溝は前記第1の底壁の外壁に設けられ、前記第2の盲溝は前記第1の底壁の円周を取り囲むように設けられる。
【0016】
一実施例において、前記第1の盲溝は前記第1の封止縁部の外壁に設けられ、前記第1の盲溝の断面は、矩形、半円形又は三角形であり、前記電池ケース構造は、前記上部カバーの外周縁部と前記底部ケースとの間に配置された密封リングを更に含む。
【0017】
他の実施例において、セルアセンブリと、上記の技術案のいずれか1つに記載の電池ケース構造とを含み、前記セルアセンブリは前記密封キャビティ内に配置されるボタン電池を更に提供する。
【0018】
上記のボタン電池によれば、上部カバーは底部ケースと合わせて密封キャビティを形成してセルアセンブリの設置空間を提供し、底部ケースには第1の盲溝が設けられるため、第1の盲溝が位置する領域は、肉厚が他の領域よりも薄いため、電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスの作用下でまず押し潰されて圧力解放口を形成し、高圧ガスが放出できないことによる電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の一部を構成する図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明の不当な制限を構成するものではない。
【0020】
以下、本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面について簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な努力を払わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることが明らかであろう。
【0021】
なお、図面は、1:1の縮尺で描かれておらず、各要素の相対的な寸法は、必ずしも真の縮尺で描かれておらず、図面では例示的に描かれているにすぎない。
【0022】
【
図1】一実施例におけるボタン電池の構造全体の断面模式図である。
【
図2】
図1の実施例における底部ケースと上部カバーと密封リングとの組立断面図である。
【
図3】一実施例における底部ケースの背面構造の上面図である。
【
図4】
図3の実施例における底部ケースの断面構造の模式図である。
【
図5】
図4の実施例における底部ケースの第1の盲溝及び第2の盲溝の部分拡大図である。
【
図6】他の実施例における底部ケースの背面構造の上面図である。
【
図7】
図6の実施例における底部ケースの断面構造の模式図である。
【符号の説明】
【0023】
100 底部ケース;110 第1の底壁;111 第2の盲溝;120 第1の側壁;130 第1の封止縁部;131 第1の延在縁部;1311 第1の盲溝;132 第2の延在縁部;200 上部カバー;300 密封リング;400 セルアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
【0025】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下は図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかし、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0026】
図1~
図7を参照すると、一実施例は、上部カバー200及び底部ケース100を含む電池ケース構造を提供する。
【0027】
図1に示された実施例において、上部カバー200は、円形のカバー体であり、上部カバー200の中央部には、円形のアーチ部が設けられ、円形のアーチ部は、上部カバー200の外側に向けて凸設されるか、又はアーチ状に設けられる。底部ケース100には、セルアセンブリ400を収容するための収容キャビティが形成されている。底部ケース100の上縁部と上部カバー200の外周縁部との間が密封された後、上部カバー200と底部ケース100との間に密封キャビティが形成され、セルアセンブリ400は密封キャビティ内に設置される。
【0028】
一実施例において、
図1を参照すると、前記底部ケース100は、前記上部カバー200と合わせて密封キャビティを形成し、前記密封キャビティは、セルアセンブリ400を設置するように構成され、前記底部ケース100には第1の盲溝1311が設けられる。
【0029】
図1~
図7に示された実施例において、底部ケース100には第1の盲溝1311が設けられ、第1の盲溝1311は、非貫通に設けられた溝構造であり、非貫通であるため、溝が設けられていない領域と比較すると、第1の盲溝1311の溝領域の肉厚がより薄くて弱い領域として形成される。
【0030】
電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスは底部ケース100のケース壁に押し圧をかけることがある。このような押し圧の作用下で、溝が設けられていない領域に対して、第1の盲溝1311に対応する弱い領域が高圧ガスの作用下でまず押し潰されやすい。押し潰された後、第1の盲溝1311はケース壁を貫通する溝穴になるため、圧力解放穴になり、高圧ガスは当該圧力解放穴によって圧力解放され、それにより高圧ガスがある程度に達した後に電池ケース構造を押して爆発させることを回避し、更に防爆の役割を果たして安全を保障することができる。
【0031】
当該電池ケース構造によれば、上部カバー200は底部ケース100と合わせて密封キャビティを形成してセルアセンブリ400の設置空間を提供し、底部ケース100には第1の盲溝1311が設けられるため、第1の盲溝1311が位置する領域は、肉厚が他の領域よりも薄いため、電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスの作用下でまず押し潰されて圧力解放口を形成し、高圧ガスが放出できないことによる電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【0032】
一実施例において、
図3及び
図6を参照すると、前記第1の盲溝1311は、円弧状の経路の溝として構成される。
【0033】
他の実施例において、前記第1の盲溝1311は、直線状の経路の溝として構成される。
【0034】
第1の盲溝1311の経路は、円弧状又は直線状であることによって、高圧ガスの作用下で引き伸ばされ、引き伸ばされた後に高圧ガスの作用下で更に引き裂かれて圧力解放スリットを形成して、圧力解放効率と圧力解放能力を向上させ、最短時間内で迅速に反応し、信頼性のある圧力解放経路を提供し、爆発を回避して安全を保障することができる。
【0035】
一実施例において、
図1、
図4、
図5及び
図7を参照すると、前記底部ケース100は、第1の底壁110、第1の側壁120及び第1の封止縁部130を含み、前記第1の側壁120は環状に配置され、前記第1の側壁120は、前記第1の底壁110の外周を取り囲むように前記第1の底壁110の外周に接続され、前記第1の封止縁部130は、環状に配置され、かつ前記第1の側壁120に対応して設けられ、前記第1の封止縁部130は、前記第1の側壁120に接続され、前記第1の封止縁部130は、前記第1の底壁110から離れた前記第1の側壁120の一端に位置し、前記第1の盲溝1311は前記第1の封止縁部130に設けられる。
【0036】
選択的に、
図4に示された実施例と
図3に示された実施例を組み合わせると分かるように、第1の底壁110は円形プレートであり、第1の側壁120は、第1の底壁110の上方を取り囲む円環構造であり、第1の側壁120と第1の底壁110は、一体的に配置されてもよい。第1の封止縁部130は円環状に配置され、第1の封止縁部130は、第1の側壁120に対応して設けられ、第1の封止縁部130の下端は、第1の側壁120の上端に一体的に接続され、第1の封止縁部130の外側の部分は、上部カバー200の外周縁部に当接係合するように構成されてもよい。
【0037】
一実施例において、
図3及び
図4を参照すると、前記第1の盲溝1311は、前記第1の封止縁部130の円周を取り囲んで非環状溝を形成するように構成される。
【0038】
図3及び
図4に示された実施例において、第1の盲溝1311は、第1の封止縁部130の円周に沿って設けられた弧状溝であり、第1の盲溝1311は、第1の封止縁部130の円周全体を取り囲んで設けられていない。
【0039】
他の実施例において、
図6及び
図7を参照すると、前記第1の盲溝1311は、前記第1の封止縁部130の円周を取り囲んで環状溝を形成するように構成される。
【0040】
図6及び
図7に示された実施例において、第1の盲溝1311は、第1の封止縁部130の円周全体を取り囲んで環状溝を形成するように構成される。
【0041】
このように設けられることによって、高圧ガスによって第1の盲溝1311の一部が引き伸ばされた後、高圧ガスのさらなる作用下で、第1の盲溝1311全体に沿って引き裂かれ、これにより上部カバー200が底部ケース100から基本的に分離され、高圧ガスが直接排出し、高圧ガスの排出が遅いことによる爆発などを回避することができる。
【0042】
一実施例において、
図1、
図2、
図4及び
図5を参照すると、前記第1の封止縁部130は、第1の延在縁部131及び第2の延在縁部132を含み、前記第1の延在縁部131及び前記第2の延在縁部132は、それぞれ環状に配置され、前記第1の延在縁部131の一端は前記第1の側壁120に接続され、前記第1の延在縁部131の他端は前記第2の延在縁部132に接続され、前記第1の延在縁部131は、前記第1の側壁120と前記第2の延在縁部132との間に位置し、前記第1の盲溝1311は、前記第1の延在縁部131の円周を取り囲むように設けられ、前記第2の延在縁部132は、前記上部カバー200に当接している。
【0043】
図2に示された実施例において、第1の封止縁部130には、第1の延在縁部131及び第2の延在縁部132が設けられ、第1の溝は、第1の延在縁部131に設けられ、
図3及び
図6を組み合わせると分かるように、第1の溝は、第1の延在縁部131の円周を取り囲むように設けられる。
【0044】
図2に示された実施例において、第2の延在縁部132の外周縁部は、その内側(すなわち、第2の延在縁部132の環状構造の内側)に向けて折り曲げられて上部カバー200の外周縁部の上面に当接係合し、第2の延在縁部132の他の部分は、上部カバー200の外周縁部の端面に当接係合し、第1の延在縁部131の上側は、上部カバー200の外周縁部の下面に当接係合している。当然ながら、
図2に示された実施例において、底部ケース100と上部カバー200との間には、密封リング300が更に設けられ、密封リング300は、第1の延在縁部131及び第2の延在縁部132に正確に対応することができる。すなわち、上部カバー200の外周縁部は、密封リング300によって取り囲まれており、密封リング300は、上部カバー200の外周縁部と第1の封止縁部130との間に位置しており、その説明は繰り返さない。
【0045】
図2に示された実施例において、第1の盲溝1311は、第1の延在縁部131に設けられ、第1の延在縁部131が第1の側壁120に接続されているため、すなわち、第1の盲溝1311が第1の延在縁部131に設けられる場合は、第1の盲溝1311が第2の延在縁部132に設けられる場合よりも密封キャビティに近いため、密封キャビティ内の高圧ガスによって底部ケース100が引き伸ばされた際に、密封キャビティに近い第1の盲溝1311が高圧ガスの作用下で迅速に破れて圧力解放を行い、爆発を防止して安全を保障することができる。
【0046】
一実施例において、
図5を参照すると、前記第1の延在縁部131は、内側環端部及び外側環端部を有する。
【0047】
選択的に、第1の延在縁部131は、水平に設けられた環状のプレート構造である。
図5の部分拡大図に示された実施例において、第1の延在縁部131の左側は内側環端部であり、第1の延在縁部131の外側は外側環端部である。
【0048】
一実施例において、
図5を参照すると、前記第1の延在縁部131は、前記内側環端部を介して前記第1の側壁120に接続され、前記第1の延在縁部131は、前記第1の側壁120から前記第1の側壁120の外環に向けて延在するように構成される。
【0049】
一実施例において、
図5を参照すると、前記第2の延在縁部132が前記第1の延在縁部131に接続されるように、前記第2の延在縁部132は前記外側環端部に接続され、かつ、前記第2の延在縁部132は、前記第1の延在縁部131から、前記第1の底壁110から離れる方向に向けて延在するように構成される。
【0050】
図5に示された実施例において、第1の延在縁部131の内側環端部は第1の側壁120の上端部に一体的に接続され、第1の延在縁部131の外側環端部は第2の延在縁部132の下端部に一体的に接続され、第2の延在縁部132は鉛直に設けられた環状構造である。
【0051】
一実施例において、
図5を参照すると、前記第1の盲溝1311から前記内側環端部までの距離は第1の距離であり、前記第1の盲溝1311から前記外側環端部までの距離は第2の距離であり、前記第1の距離は前記第2の距離以下である。
【0052】
図5に示された実施例において、第1の盲溝1311から内側環端部までの距離は、第1の盲溝1311から外側環端部までの距離よりも小さく、すなわち、第1の盲溝1311は、内側環端部に近い位置に設けられる。このように設けるのは、第1の盲溝1311を密封キャビティにより近づけるためであり、それにより高圧ガスが迅速に第1の盲溝1311に作用して押し潰すことができ、押し潰された第1の盲溝1311によって圧力解放し、防爆の役割を果たして安全を保障することができる。
【0053】
図2に示された実施例において、密封リング300の一部は上部カバー200の外周縁部と第1の延在縁部131との間に挟まれている。この場合、高圧ガスがまず密封リング300を押圧することになり、密封リング300への押圧の作用下で密封リング300と第1の延在縁部131(すなわち、底部ケース100)との間で隙間が形成され、高圧ガスが隙間を介して第1の盲溝1311に形成された弱い領域に接触し、それにより弱い領域を迅速に押し潰して圧力解放口を形成して高圧ガスを排出することによって、電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【0054】
第1の盲溝1311が第1の延在縁部131の内側環端部に近く設けられる場合、高圧ガスが迅速に弱い領域に接触し、第1の盲溝1311を迅速に押し潰して圧力解放口を形成して高圧ガスを排出し、それにより電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【0055】
一実施例において、
図1~
図7を参照すると、前記第1の底壁110上に円弧状の経路の溝として構成された第2の盲溝111が設けられる。
【0056】
一実施例において、
図3及び
図6を参照すると、前記第2の盲溝111は、前記第1の底壁110の外壁に設けられ、前記第2の盲溝111は、前記第1の底壁110の円周を取り囲むように設けられる。
【0057】
図3に示された実施例において、第2の盲溝111は、第1の底壁110の外壁に設けられ、第2の盲溝111は、円周全体を取り囲まないように設けられた非環状溝である。
【0058】
図6に示された実施例において、第2の盲溝111は、第1の底壁110の外壁に設けられ、第2の盲溝111は、円周全体を取り囲むように設けられた環状溝である。
【0059】
説明すべきものとして、第2の盲溝111は、第1の底壁110の縁部から間隔を置いて配置される。
図3と
図6に示された実施例において、第2の盲溝111は、第1の底壁110の縁部から一定の間隔を置いて配置される。
【0060】
一実施例において、
図1~
図7を参照すると、前記第1の盲溝1311は、前記第1の封止縁部130の外壁に設けられる。
【0061】
一実施例において、前記第1の盲溝1311の断面は矩形である。
【0062】
他の実施例において、前記第1の盲溝1311の断面は半円形である。
【0063】
更に他の実施例において、前記第1の盲溝1311の断面は三角形である。
【0064】
一実施例において、
図1及び
図2を参照すると、前記電池ケース構造は、前記上部カバー200の外周縁部と前記底部ケース100との間に配置された密封リング300を更に含む。
【0065】
図1及び
図2に示された実施例において、密封リング300は、上部カバー200の外周縁部と第1の封止縁部130との間に挟まれている。
【0066】
更に、密封リング300は、弾性材質からなる。
【0067】
選択的に、密封リング300はゴムリングである。
【0068】
図1を参照すると、一実施例は、ボタン電池を更に提供する。当該ボタン電池は、セルアセンブリ400と、上記のいずれか1つの実施例に記載の電池ケース構造とを含み、前記セルアセンブリ400は前記密封キャビティ内に配置される。
【0069】
当該ボタン電池において、上部カバー200は底部ケース100と合わせて密封キャビティを形成してセルアセンブリ400の設置空間を提供し、底部ケース100に第1の盲溝1311が設けられるため、第1の盲溝1311が位置する領域は、肉厚が他の領域よりも薄いため、電池が故障又は廃棄された場合、高圧ガスの作用下でまず押し潰されて圧力解放口を形成し、高圧ガスが放出できないことによる電池の爆発を回避して安全を保障することができる。
【0070】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0071】
また、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されていない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0072】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「設置」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、机械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記の用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0073】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0074】
説明すべきものとして、素子は、他の素子に「固定される」、「設けられる」と呼ばれる場合、他の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。1つの素子が他の素子に「接続される」と考えられる場合、他の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0075】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることが可能であり、説明の簡潔さのために、上述した実施例の各技術的特徴の可能な組み合わせがすべて記載されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせが矛盾しない限り、本明細書の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0076】
以上の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を表現したに過ぎず、より具体的かつ詳細に説明されているが、本発明の特許の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとっては、本発明のコンセプトから逸脱することなく、多くの変形や改良が可能であり、これらは本発明の保護範囲に含まれることに留意されたい。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に規定されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図2に示された実施例において、第1の封止縁部130には、第1の延在縁部131及び第2の延在縁部132が設けられ、
第1の盲溝1311は、第1の延在縁部131に設けられ、
図3及び
図6を組み合わせると分かるように、
第1の盲溝1311は、第1の延在縁部131の円周を取り囲むように設けられる。
【国際調査報告】