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特表2023-533334情報技術サービス管理システムにおける警告優先順位づけ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報技術サービス管理システムにおける警告優先順位づけ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501351
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021040921
(87)【国際公開番号】W WO2022011161
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】16/926,500
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515156946
【氏名又は名称】サービスナウ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ServiceNow,Inc.
【住所又は居所原語表記】2225 Lawson Lane, Santa Clara, California 95054,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レーマン・ヤーロン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
複数の相関関係を決定し、複数の相関関係を決定することは、複数の情報技術および運用管理警告ならびに情報技術サービス管理報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することによることを含み。複数の相関関係のうちの各相関関係は、複数の情報技術および運用管理警告のうちの対応する1つと情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係である。情報技術サービス管理報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含む。決定された複数の相関関係および少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストを生成する。情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストは、警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づいて系統立てられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
複数の相関関係を決定し、前記複数の相関関係を決定することは、複数の情報技術および運用管理警告ならびに情報技術サービス管理報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することを含み、前記複数の相関関係のうちの各前記相関関係は、前記複数の情報技術および運用管理警告のうちの対応する1つと前記情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、前記情報技術サービス管理報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含み、
前記決定された複数の相関関係および前記少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストを生成することを備え、情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストは、前記情報技術および運用管理警告の相対的優先順に少なくとも部分的に基づき系統立てられている、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、情報技術および運用管理警告の前記優先順位づけリストは、前記情報技術サービス管理報告データのうちのより高い緊急性部分と相関関係がある前記情報技術および運用管理警告の中の警告が、前記情報技術サービス管理報告データのうちのより低い緊急性部分と相関関係がある前記情報技術および運用管理警告の中の別の警告よりも高い優先度を割り当てられるように系統立てられている、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記少なくとも1つの緊急性指標は、ユーザが体験した対応する情報技術サービス管理問題の重大さ、および前記対応する情報技術サービス管理問題が前記ユーザに与える影響度のうち少なくとも一方に基づく、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記情報技術サービス管理報告データは、複数のチケットを含み、各前記チケットは、ユーザが体験した対応する情報技術サービス管理問題のテキスト記述を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、さらに、
前記複数のチケットを少なくとも1つの束に束ね、前記複数のチケットを少なくとも1つの束に束ねることは、前記複数のチケットのうち2つの前記チケットごとに意味類似度スコアを決定することを備え、前記意味類似度スコアは、前記複数のチケットの前記テキスト記述から抽出された第3の複数の特徴に機械学習モデルを適用することにより決定される、
備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記意味類似度スコアは、前記複数のチケットのメタデータに基づき重み付けされ、前記複数のチケットは、前記重み付き類似度スコアに基づき束ねられる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記情報技術サービス管理報告データは、ユーザが体験した問題に対する複数の解決に関連する解決データを含み、前記解決のうちの1つの前記解決に関連する前記解決データの少なくとも一部分は、前記1つの解決のテキスト記述を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記複数の相関関係に基づき前記複数の情報技術および運用管理警告のうち少なくとも1つの第1の情報技術および運用管理警告を強化することを備え、前記少なくとも1つの第1の情報技術および運用管理警告は、前記情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの相関関係がある一部分から得られたデータを用いて強化される、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記機械学習モデルは、過去の情報技術および運用管理警告ならびに過去の情報技術サービス管理報告データから抽出された第2の複数の特徴に基づき訓練される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記少なくとも1つの緊急性指標の各々は、ユーザが体験した対応する情報技術サービス管理問題からなる、方法。
【請求項11】
システムであって、
1つまたは複数のプロセッサであって、
複数の相関関係を決定し、前記複数の相関関係を決定することは、複数の情報技術および運用管理警告ならびに情報技術サービス管理報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することを含み、前記複数の相関関係のうちの各前記相関関係は、前記複数の情報技術および運用管理警告のうちの対応する1つと前記情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、前記情報技術サービス管理報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含み、
前記決定された複数の相関関係および前記少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストを生成するように構成されている1つまたは複数のプロセッサと、前記情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストは、前記情報技術および運用管理警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づき系統立てられており、
前記1つまたは複数のプロセッサのうち少なくとも1つに結合され、前記1つまたは複数のプロセッサのうち前記少なくとも1つに命令を提供するメモリと
を備えるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、情報技術および運用管理警告の前記優先順位づけリストは、前記情報技術サービス管理報告データのうちのより高い緊急性部分と相関関係がある前記情報技術および運用管理警告の中の警告が、前記情報技術サービス管理報告データのうちのより低い緊急性部分と相関関係がある前記情報技術および運用管理警告の中の別の警告よりも高い優先順位を割り当てられるように系統立てられている、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの緊急性指標は、ユーザが体験した対応する情報技術サービス管理問題の重大さ、および前記対応する情報技術サービス管理問題が前記ユーザに与える影響度のうち少なくとも一方に基づく、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、前記情報技術サービス管理報告データは、複数のチケットを含み、各前記チケットは、ユーザが体験した対応する情報技術サービス管理問題のテキスト記述を含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、
前記複数のチケットを少なくとも1つの束に束ねるように構成され、前記複数のチケットを束ねることは、前記前記複数のチケットのうち2つのチケットごとに意味類似度スコアを決定することをさらに備え、前記意味類似度スコアは、前記複数のチケットの前記テキスト記述から抽出された第3の複数の特徴に機械学習モデルを適用することにより決定される、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記意味類似度スコアは、前記複数のチケットのメタデータに基づき重み付けされ、前記複数のチケットは、前記重み付き類似度スコアに基づき束ねられる、システム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムであって、前記情報技術サービス管理報告データは、ユーザが体験した問題に対する複数の解決に関連する解決データを含み、前記解決のうちの1つの解決に関連する前記解決データの少なくとも一部分は、前記1つの解決のテキスト記述を含む、システム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、さらに、
前記複数の相関関係に基づき前記複数の情報技術および運用管理警告のうち少なくとも1つの第1の情報技術および運用管理警告を強化するように構成され、前記少なくとも1つの第1の情報技術および運用管理警告は、前記情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの相関関係がある一部分から得られたデータを用いて強化される、システム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムであって、前記機械学習モデルは、過去の情報技術および運用管理警告ならびに過去の情報技術サービス管理報告データから抽出された第2の複数の特徴に基づき訓練されてきた、システム。
【請求項20】
非一時的コンピュータ可読媒体の中に具体化されコンピュータプログラム製品であって、
複数の相関関係を決定するためのコンピュータ命令と、前記複数の相関関係を決定は、複数の情報技術および運用管理警告ならびに情報技術サービス管理報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することを含み、前記複数の相関関係のうちの各前記相関関係は、前記複数の情報技術および運用管理警告のうちの対応する1つと前記情報技術サービス管理報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、前記情報技術サービス管理報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含み、
前記決定された複数の相関関係および前記少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストを生成するためのコンピュータ命令と、を備え、前記情報技術および運用管理警告の優先順位づけリストは、前記情報技術および運用管理警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づき系統立てられている、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
既存の情報技術サービス管理(information technology service management、ITSM)システムは、潜在的問題を検出したとき、情報技術および運用管理(information technology and operations management、ITOM)監視システムが生成した警告を利用する。ネットワーク構成要素間の通信量が急速に増大することが原因で、正常な運用中に生成されてよいITOM警告の数は、適切に対処することが実行不可能である可能性がある。具体的には一般的組織は、日々何万もの警告が発生することがあり、警告の数は、人間の運用者が手作業で取り扱うことが事実上不可能である。このため、警告に自動的に対処するための解決手段が開発されてきた。
【0002】
ITOM警告は、問題が発生した可能性が高いと判断するために有用であるが、各警告は問題の原因(すなわち、警告をトリガした事象または誤った設定)に関する情報を何も提供しない。それに加えて、同じ事象が多数の警告をトリガすることがある。これらの警告は、追加の各警告が重要な新しい情報を提供しないように、類似することがある。さらに、いくつかの警告は、修復する必要がある根本的問題点をその他の方法で示さない、普通ではない活動によりトリガされることがある。その結果、過剰な数の、情報が少ない警告が存在することがある。
【0003】
以下の詳細な記述および添付図面で本発明のさまざまな実施形態について開示する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】開示するさまざまな実施形態について記述するために利用するネットワーク図である。
【0005】
図2】ある実施形態による、情報技術および運用管理(ITOM)警告を優先順位づけするための方法を例示するフローチャートである。
【0006】
図3】ある実施形態による、データ準備のための方法を例示するフローチャートである。
【0007】
図4A】ITSM警告をチケットと相関させる機械学習を例示するフローチャートの例である。
図4B】ITSM警告を解決データと相関させる機械学習を例示するフローチャートの例である。
【0008】
図5】ある実施形態による警告プライオリタイザ(prioritizer)の概略図である。
【0009】
図6】警告およびチケットを作成するための実施形態を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、処理として、装置として、システムとして、物質の構成物として、コンピュータ可読記憶媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品として、ならびに/またはプロセッサに結合されているメモリに記憶されている、および/もしくはプロセッサに結合されているメモリにより提供される命令を実行するように構成されているプロセッサなどのプロセッサとしを含む、さまざまな方法で実装できる。本明細書では、これらの実装形態、または本発明がとってよい任意の他の形態を技法と呼ぶことがある。一般に、開示する処理のステップの順序を本発明の範囲内で変えてよい。特に指定のない限り、タスクを遂行するように構成されていると記述されるプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、所与の時間にタスクを遂行するように一時的に構成されている一般的構成要素として、またはタスクを遂行するように製造された特有の構成要素として実装されてよい。本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するように構成されている1つもしくは複数の機器、回路、および/または処理コアを指す。
【0011】
本発明の原理を例示する添付図と共に、本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細な記述を以下に提供する。そのような実施形態に関連して本発明について記述するが、本発明はどの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲だけにより限定され、本発明は、数多くの代替形態、修正形態、および均等形態を包含する。本発明を十分に理解できるように、以下の記述では数多くの特有の詳細について示す。これらの詳細は、例示するために提供され、本発明は、これらの特有の詳細の一部またはすべてなしに特許請求の範囲に従って実施されてよい。明確にするために、本発明に関係がある技術分野で公知の技術的題材について、本発明を不必要に不明瞭にしないように、詳細には記述していない。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態は、一般に、情報技術サービス管理(ITSM)システムで警告に効率的に対処することに関し、より具体的にはITSMシステムから得られるデータに基づき情報技術および管理(ITOM)警告に優先順位づけすることに関する。
【0013】
図6は、警告およびチケット作成を例示するフローチャートの例600である。根本原因610は、影響620-1~620-Q(Qは1以上の値を有する整数である)を引き起こし、影響620-1~620-Qのいずれか(またはそれらの任意の組合せ)の結果、徴候630-1~630-R(Rは1以上の値を有する整数である)が得られる。徴候630は、1つまたは複数のシステム内部で明らかになる。徴候630に対する反応は,典型的にはITOM監視システムが警告640を生成することを含む。同時に、徴候630はユーザ体験に影響を及ぼし、それによりユーザ体験および苦情650が得られる。それに応答して、影響を受けたユーザはITSMシステムを介して苦情を提出し、それによりチケット660を生成させる。その結果、最終的に同じ根本原因により従来の監視システムが問題点を検出することになるだけではなく、ITSMシステム内部で問題点を報告することにもなる。
【0014】
ノイズを抑制するために警告を分析してよい。これにより、警告の状況認識を提供する集約された警告に基づき、前後関係の情報を追加してよい。たとえば、警告で示されたウエブ・サーバ・エラー応答の率は、率の増大が存在するときに追跡され報告される。ITOM警告をさらに優先順位づけするための、および/またはITSM警告間のノイズを抑制するための、他の改善された解決手段が望ましい。したがって、これらの難題を克服する解決手段を提供することが有利である。
【0015】
本明細書で開示するある種の実施形態は、情報技術サービス管理(ITSM)システムから得られるデータに基づき情報技術および運用管理(ITOM)警告を優先順位づけするための方法を含む。方法は、複数のITOM警告およびITSM報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することによることを含む、複数の相関関係を決定するステップであって、複数の相関関係のうちの各相関関係は、複数のITOM警告のうち対応する1つとITSM報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、ITSM報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含むステップと、決定された複数の相関関係および少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、ITOM警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づき系統立てられた、ITOM警告の優先順位づけリストを生成するステップと、を備える。
【0016】
本明細書で開示するある種の実施形態はまた、記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、処理回路に処理を実行させ、処理は、複数のITOM警告およびITSM報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することによることを含む、複数の相関関係を決定し、複数の相関関係のうちの各相関関係は、複数のITOM警告のうち対応する1つとITSM報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、ITSM報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含み、決定された複数の相関関係および少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、ITOM警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づき系統立てられた、ITOM警告の優先順づけリストを生成する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0017】
本明細書で開示するある種の実施形態はまた、情報技術サービス管理(ITSM)システムから得られるデータに基づき情報技術および運用管理(ITOM)警告を優先順位づけするためのシステムを含む。システムは、複数のITOM警告およびITSM報告データから抽出された第1の複数の特徴に機械学習モデルを適用することによることを含む、複数の相関関係を決定し、複数の相関関係のうちの各相関関係は、複数のITOM警告のうち対応する1つとITSM報告データのうち少なくとも1つの対応する一部分の間の相関関係であり、ITSM報告データは、少なくとも1つの緊急性指標を含むように構成され、かつ決定された複数の相関関係および少なくとも1つの緊急性指標に少なくとも部分的に基づき、ITOM警告の相対的優先順位に少なくとも部分的に基づき系統立てられた、ITOM警告の優先順位づけリストを生成するように構成されている1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサのうち少なくとも1つに結合された、1つまたは複数のプロセッサのうち少なくとも1つに命令を提供するように構成されているメモリとを備える。
【0018】
本明細書で開示する実施形態は、本明細書の革新的教示の多くの有利な使用法の例でしかないことに留意することは重要である。一般に、本出願の明細書で行う陳述は、特許請求するさまざまな実施形態のいずれかを必ずしも制限するものではない。その上、いくつかの陳述は、いくつかの創意に富む特徴に当てはまることがあるが、他の特徴に当てはまらないことがある。一般に特にことわらない限り、単数要素は、一般性を失うことなく複数であってよく、逆もまた同様である。図面では、同様の数字は、いくつかの図を通して類似要素を指す。
【0019】
開示するさまざまな実施形態は、情報技術サービス管理(ITSM)システムで情報技術および運用管理(ITOM)警告を優先順位づけするためのシステムおよび方法を含む。開示する実施形態は、ITOM警告とITSM活動を相関させるため、およびこれらの相関関係に基づき脅威を優先順位づけするための技法を提供する。脅威の優先順位は冗長な、またはその他の点で情報が少ないITOM警告を除去するステップを含んでよく、それによりノイズを低減し、脅威に対してより効率的に応答できるようにする。
【0020】
開示する実施形態はまた、ITOM警告の対処に関連してよいITSM情報を用いてITOM警告を強化できるようにする。具体的には、開示する実施形態は、ITSM活動とITOM警告の間の相関関係を提供するので、相関関係があるITSM活動の情報を使用してITOM警告を強化してよい。開示する実施形態は、既存のITSM環境の中に、その環境の範囲内で作業の流れに影響を与えることなく実装されてよい。
【0021】
ある実施形態では、警告を優先順位づけするためにITOM警告(本明細書では以後、警告)とITSM活動を相関させる。より具体的には、ITSM報告データの一部分を警告と相関させ、ITSM報告データの各一部分と相関させた警告との間の重み付き原因を決定する。重み付き原因に基づき警告を優先順位づけする。優先順位から、たとえば優先順位づけられた警告の順序づけ(すなわち、因果関係で結びつけられる可能性が最も高いから最も低いまで順序づけられた)リストを得てよい。優先順位は、関係のない警告を除去することにより、ノイズを抑制するようにしきい値以下の重み付き原因を有する警告を除去するステップをさらに含んでよい。
【0022】
他の実施形態では、重み付き因果関係は、2段階の機械学習処理を使用して決定され、各段階は、機械学習モデルを適用するステップを含む。特徴は第1段階の結果から抽出され、第2段階の機械学習モデルに入力される。第1段階の機械学習モデルは警報、およびチケット、解決情報、または両方の形をとるITSM活動を含む入力を使用する。第1段階の結果は、警報と対応する相関関係があるITSM活動の対を含む。第2段階の機械学習モデルは、相関関係がある対、および警告とITSM活動の間の相関度を示す1つまたは複数の特徴を含む入力を使用する。
【0023】
図1は、開示するさまざまな実施形態について記述するために利用するネットワーク図の例100を示す。ネットワーク図の例100では、ユーザ機器120、警告発生器130-1~130-N(本明細書では以後、個々に警告発生器130と呼び、集合的に警告発生器130と呼ぶ)、情報技術管理システム(ITSM)データ供給源140-1~140-M(本明細書では以後、個々にITSMデータ供給源140と呼び、集合的にITSMデータ供給源140と呼ぶ)、および警告プライオリタイザ150は、ネットワーク110を介して通信可能に接続される。
【0024】
ネットワーク110は無線、携帯、または有線のネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network、LAN)、広域ネットワーク(wide area network、WAN)、メトロ・エリア・ネットワーク(metro area network、MAN)、インターネット、ワールドワイドウエブ(worldwide web、WWW)、類似のネットワーク、およびそれらの組合せであってよいが、それらに限定されない。
【0025】
ユーザ機器(user device、UD)120はパーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートホン、装着可能なコンピューティング機器、または優先順位づけられた警告を受信および表示することができる任意の他の機器であってよいが、それらに限定されない。
【0026】
警告発生器130は、ITOM問題点を示す警告を発生させるように構成される。警告は、たとえば問題点のタイプ、警告発生時間、(既知の問題点に関する)問題点識別子、影響を受ける実体(たとえば、徴候を示す機器またはシステム)、それらの組合せなどのデータを含むが、それらに限定されない。警告発生器130はITSM監視システム、組織のネットワーク内に展開されたシステム(すなわち、パーソナルコンピュータ、サーバなどのような、ITSMシステムのために監視されるシステム)などを含んでよいが、それらに限定されない。警告発生器130が監視する環境の範囲内で出現する事象に応答して警告を発生させてよい。
【0027】
ITSMデータ供給源140は、ITSM活動データの供給源を含む。ITSM報告データはチケット、解決データ、または両方を含む。このために、ITSMデータ供給源140は、ITSMシステム(たとえば、ServiceNow(登録商標)、BMC Remedyなど)、チケットリポジトリ、または両方を含んでよいが、それらに限定されない。
【0028】
チケットは、たとえばユーザ提出報告問題点に基づき(たとえば、ユーザからの電子メール、ユーザとの通話、ウエブポータルを介して提供されたユーザ入力などに基づき)作成されてよい。各チケットは、少なくとも問題点のテキスト記述を含む。問題点は事象(たとえば、警告発生器150のうちの1つが警告を発生させた事象)を示してよい。
【0029】
解決データは、IT専門家による問題点の解決に関係があるデータを含む。そのような解決データは、脅威の根本原因の識別、問題点のテキスト記述、影響を受ける実体のテキスト記述、問題点を解決するために行うステップ(すなわち、問題を修復するために行うステップ)のテキスト記述、問題点の相対的重大さを表す重大さ値などを含んでよいが、それらに限定されない。
【0030】
いくつかの実装形態では、チケットは、本明細書で記述するように、警告プライオリタイザ150により束ねられて解決データ結びつけられてよい。束ねられたチケットおよび解決データは、ITSM活動とITSM警告の間の相関関係を識別するために訓練された機械学習モデルへの入力として利用されてよい。
【0031】
警告プライオリタイザ150は、本明細書で記述するように警告を優先順位づけするように構成される。上記で指摘するように、警告はしばしば、チケットまたは解決データと同じ根本原因の結果であると識別されてきた。それに加えて、チケットおよび解決データは、根本原因を識別するステップ、問題がどれだけ緊急であるか判断するステップ、または両方に関連してよい追加情報/指標を含む。より具体的には、チケットおよび解決データは、警告に反映されない、ユーザへの影響に関係がある情報を含む。したがって、ITSM報告データは、警告と相関関係があってよく、警告の内容だけに基づいて警告を優先順位づけすることによるよりも正確に自動化システムにより警告を優先順位づけするために使用されてよい。
【0032】
ITSM報告データと相関関係がある警告を優先順位づけする利益に関する限定しない例として、根本原因は、ウエブサーバとそのデータベースの間の通信を遮断する故障であってよい。その結果、ウエブサーバにログインしようと試みる少なくとも何人かのユーザは、ログインに失敗する。ログインに失敗するこれらのユーザは、この問題をIT専門家に報告し、報告データに関してチケットが作成される。同時に、別のウエブサーバに関する徴候(たとえば、通信速度低下)は警告をトリガする。IT専門家は問題を解決し、または問題が解決されたことを他の方法で理解し、情報を示す解決データを作成してよい。警告とチケットの間の関係を確認することにより、その後の警告はそのチケット以後、より正確に優先順位づけされてよい。
【0033】
警告プライオリタイザ150は、警告発生器130およびITSMデータ供給源140からそれぞれ得られる警告およびITSM報告データを受信または取り出して、警告とITSM報告データの組との間の相関関係を決定するように構成される。警告プライオリタイザ150は、ITSM報告データを使用して警告を強化するようにさらに構成されてよい。警告プライオリタイザ150はまた、警告優先順位に関する通知を生成し、たとえばユーザ機器120に送信するように構成されてよい。
【0034】
図1は、単なる例のために警告発生器130を例示すること、ならびに開示する実施形態の範囲を逸脱することなく、警告発生器130に加えて、または警告発生器130の代わりに、他の警告供給源(たとえば、警告を記憶するデータベース)を利用してよいことに留意されたい。
【0035】
さらにまた、図1に示す警告プライオリタイザ150の導入は単なる例であること、ならびに他の導入が可能であることに留意されたい。たとえば、警告プライオリタイザ150は、物理的システムまたは仮想機械であってよく、クラウド、または組織の構内に導入されてよい。
【0036】
図2は、ある実施形態による、ITOM警告に優先順位づけするための方法を例示するフローチャートの例200である。ある実施形態では、方法は警告プライオリタイザ150により遂行される。
【0037】
S210で、警告およびITSM報告データを得る。実装形態の例では、警告発生器(たとえば、図1の警告発生器130)から警告を受信し、ITSM報告データは、ITSMデータ供給源(たとえば図1のITSMデータ供給源140)から取り出したチケット、解決データ、または両方を含む。ITSM報告データは、ユーザが体験した問題についての、そのような問題の解決についての、またはそれの組合せについてのテキスト記述を含む。
【0038】
任意選択のS220では、S210で得たデータを準備する。ある実施形態では、S220は、得たデータの中のテキストをクリーンにするステップ、チケットを束ねるステップ、チケットを解決データに結びつけるステップ、またはそれらの組合せを含む。
【0039】
図3は、ある実施形態による、データ準備のための方法を例示するフローチャートの例S220である。
【0040】
S310で、データ内のテキストをクリーンにする。クリーンにするステップは、語幹処理(stemming)、余分な空白の除去、綴り間違いの補正、ストップワード除去、同義語変換(たとえば、「X分」、「永久に」、または「長時間」を単に「時間」に変換する)を含んでよいが、それらに限定されない。クリーンにするステップは所定の辞書、シソーラス、または両方に基づいてよい。クリーンにするステップにより、より大きな1組の問題の中で問題を一意に識別する可能性が高い情報だけを含む、問題のテキスト記述を得てよい。このために、クリーンにするステップは、文章を構築するために一般に使用される言葉、またはその他の方法で問題に関する情報を提供しない言葉を除去する。
【0041】
S320で、チケットに関して意味類似度スコアを決定する。各意味類似度スコアは、チケットのうちの2つの間の類似度を示し、したがって、類似度に基づきチケットを束ねるために使用されてよい。ある実施形態では、S310は、テキストの過去の収集物から導出した特徴に基づき訓練された機械学習モデルを使用して、チケットの対ごとに意味類似度スコアを導出するステップを含む。
【0042】
より具体的には、ある実施形態では、S320は、チケットから導出した特徴に機械学習モデルを適用するステップを含む。抽出された特徴は、問題について記述するテキストの一部分を含み、影響を受ける実体の名前または他の識別子、徴候の影響(たとえば、「遅い」など、システム性能に及ぼす影響)について記述する形容詞、影響を受けることがある活動について記述する動詞(たとえば、「ロードする」)、それらの組合せなどを含んでよいが、それらに限定されない。過去のチケットから抽出された特徴を使用して機械学習モデルを訓練する。
【0043】
限定しない例として、徴候についての以下のテキスト記述は、同じ徴候を表してよく、影響を受けるシステムの名前、システム性能に与える影響に関する同じ形容詞の使用、およびシステム活動を表す形容詞と動詞の間の概念的関係を含む共通の特徴により識別されてよい。以下の問題記述は同じ徴候を表す。
1)「システムは非常に遅くロードしており、何も購入できない」
2)「システムAはすべてのチームメンバーに関して非常に遅い」
3)「システムAがロードするのに5分~10分の間かかる」
4)「システムAは永久にロードする」
【0044】
これらの問題記述は、S310に関して上記で論じたようにクリーンにされてよく、その結果、特徴が抽出される以下のテキスト記述が得られる。
1)「システム ロード 遅い 購入できない」
2)「システムA 遅い チームメンバー」
3)「システムA ロードにかかる時間」
4)「システムA ロードする 時間」
【0045】
これらのチケットは、共通テキスト部分「システムA」、「遅い」、および[「ロードする」+時間項目]に基づき機械学習モデルを介して意味的に類似すると判断されてよい。
【0046】
S330で、意味類似度スコアは、限定するわけではないがチケットメタデータで指示された特性など、チケットの1つまたは複数の他の特性に基づき重み付けされてよい。そのような特性は、たとえば時間(すなわち、接近した時間に作成されたチケットは類似する可能性がより高い)、影響を受ける1つまたは複数のシステム、影響を受ける1人または複数人のユーザなどを含んでよい。このために、ある実施形態では、S330は、チケット特性に関して所定の規則を使用して意味類似度スコアそれぞれに重みを決定するステップを含む。チケットメタデータを使用して、類似するテキストが実際に同じ問題を表すかどうかをさらに示す前後関係の情報を提供することにより、意味類似度スコア決定の精度を改善してよい。限定しない例として、1年離れて作成されたチケットに出現するテキストの同一部分は、非常に低く重み付けされてよい。
【0047】
S340で、意味類似度スコアおよび重みに基づき最終類似度スコアを決定する。
【0048】
S350で、最終類似度スコアに基づき、類似するチケットを束ねる。ある実施形態では、各チケットは、しきい値を超える共通最終類似度スコアをそれぞれ有する他のチケットと一緒に束ねる(すなわち、チケットの対がしきい値を超える類似度スコアを有する場合、対のチケットを一緒に束ねる)。
【0049】
警告は、2つ以上の可能な根本原因を示すことがあり、したがって、ユーザに影響を及ぼしユーザにより報告される2つ以上のタイプの問題に関係があることが確認されている。その結果、異なる問題、または同じ問題の変形形態を表すことがあるチケットを束ねるステップは、単一チケットに各警告を結びつけるよりも正確に警告を優先順位づけできるようにする。
【0050】
S360で、束ねられたチケットは解決データに結びつけられる。ある実施形態では、チケットは、S320に関して記述する機械学習モデルのように訓練された機械学習モデルを使用して(すなわち、テキスト記述から抽出された同じ特徴のうち少なくともいくつかを使用して)その中のテキスト記述に基づき解決データに結びつけられてよい。すなわち、影響を受ける実体の名前、徴候の影響について記述する形容詞、および影響を受ける活動について記述する動詞などの共通するテキスト特徴を使用して、類似度スコアに基づきチケットを解決データに結びつけてよい。
【0051】
図3は、チケットを束ねるステップ、および束ねられたチケットを解決データに結びつけるステップに関して記述するが、いくつかの実施形態は、チケットを束ねるステップもチケットを解決データに結びつけるステップもなしにデータを準備してよいことを留意されたい。
【0052】
図2に戻ると、S230で、相関関係のために使用する特徴を抽出する。特徴は、たとえばチケットに関係がある特徴、解決に関係がある特徴、または両方を含む。チケットに関係がある特徴および解決に関係がある特徴の例について図4Aおよび図4Bに関して以下で記述する。ある実施形態では、抽出された特徴の少なくともいくつかは、警告およびITSM報告データに基づき決定されてよい。たとえば、同時発生の数は、ITSM報告データが作成されているしきい期間の範囲内で警告が出現した回数として決定されてよい。
【0053】
S240で、警告とITSM報告データの間の相関関係を決定する。ある実施形態では、S240は、訓練される機械学習モデルへの入力として抽出された特徴を使用して、過去の警告およびITSM活動に基づき警告とITSM報告データの間の相関関係を決定するステップを含む。機械学習モデルを訓練して、ITSM報告データのうち相関関係がある各一部分が各警告の原因になる程度を示す原因度を出力し、ITSM報告データの相関関係がある各部分は、警告、およびITSM報告データのうち相関関係がある一部分が関係する尤度を表す。相関関係は、警告とチケットの間、警告と多数のチケット(たとえば、チケットの束)の間、警告と解決データに結びつけられた1つもしくは複数のチケットの間、または警告と解決データの間の相関関係であってよい。
【0054】
図4Aおよび図4Bは、機械学習モデルを訓練して、それぞれチケットと警告の間、および解決データと警告の間の相関関係を決定するフローチャートの例である。
【0055】
図4Aは、チケットに関係がある特徴に基づき相関関係モデルを訓練するステップを示す。図4Aでは、チケットに関係がある特徴410は、相関関係モデル430Aを訓練するために機械学習アルゴリズム420Aに入力される。時間近接性特徴411は、警告生成とチケット作成の間の時間の長さを示す。チケットなしの警告の確率特徴412は、対応するチケットが(たとえば、所定の期間の範囲内に)続くことなく警告が出現する確率を示す。属性間の類似度特徴413は、警告属性(すなわち、警告に含まれる測定値)とチケット属性(たとえば、チケットが作成された問題を報告したユーザ、エラーコードなどの問題記述で言及された影響を受ける実体、テキスト記述内のキーワードなど)の間の類似度、チケットの数、または両方を示す。警告に結びつけられた別個のチケットの数特徴414は、警告に結びつけられた、関係があるチケットの数を示す。特徴414は、たとえば警告と相関関係があるチケットの束の中の別個のチケットの数に基づき決定されてよい。
【0056】
図4Bは、チケットに関係がある特徴に基づき相関関係モデルを訓練するステップを示す。図4Bでは、解決データに関係がある特徴440は、相関関係モデル430Bを訓練するために機械学習アルゴリズム420Bに入力される。同時発生特徴441は、解決手段および警告が(たとえば、しきい期間の範囲内に)一緒に出現した回数を示す。独立発生率特徴442は、解決および警告が別個に出現した(たとえば、一方が、しきい期間の範囲内に他方が出現することなく出現する)回数を示す。テキスト類似度特徴443は、解決内のテキスト記述が警告内のテキスト記述に対する整合度を示す。警告に関する相関関係の数特徴444は、その警告と相関関係があった解決の数を示す。同時活動警告特徴445の数は、当該の警告が活動状態にある任意の時点に活動状態にある他の警告の数を示す。問題影響特徴446は、解決に関係がある問題(たとえば、解決のテキスト記述に示された問題)の重大度を示す。問題影響特徴446は、たとえば重大度の数値表現であってよい(すなわち、高い重大さを有する問題は1~10のスケールで9として表現されてよい)。
【0057】
図4Aおよび図4Bは、それぞれチケットおよび解決データ用の機械学習モデルを別個に訓練することを示すが、その機械学習モデルを訓練して、本開示の範囲を逸脱することなく警告と、チケットと解決データの組合せとの間の相関関係を決定してよいことに留意されたい。このために、実装形態の例では、訓練中に図4A図4Bの両方から得られる入力を同じ機械学習アルゴリズムに提供してよい。そのような実装形態は、たとえば、チケットが解決データに結びつけられたときに、またはそうではない場合チケットと解決データの両方に関係がある特徴を使用することにより機械学習モデルの精度を改善するために、使用されてよい。
【0058】
任意選択のS250で、警告は、警告それぞれの相関関係があるチケットに関係があるデータを用いて強化される。強化データは、ITSM報告データの1つもしくは複数の一部分またはそこへのポインタ、1つもしくは複数のチケットから得られる(たとえば、チケットの束の中から選択された代表的チケットから得られる)テキストデータ、相関関係があるITSM報告データの重大度、警告と、相関関係があるチケットとの間の関係に関係がある統計情報などを含んでよいが、それらに限定されない。限定しない例として、警告に関する強化データは、「この警告が出現する時間の85%で、極めて重要な影響を示す重大度を有する10以上のチケットが続き、最近のチケットの例が、チケット1へのリンク(LinkToTicket1)、チケット2へのリンク(LinkToTicket2)である」ことを示すテキストデータを含んでよい。
【0059】
S260で、決定された相関関係に基づき警告の優先順位づけリストを生成する。警告の優先順位づけリストは、最高の優先順位から最低の優先順位まで系統立てられた警告を含み、警告のすべてまたはサブセット(たとえば、上位10の最高優先順位の警告)を含んでよい。ある実施形態では、警告は、ITSM報告データの相関関係がある一部分が示す相対的緊急性に基づき系統立てられてよい。緊急性は、たとえば、ITSM報告データにより表された問題の重大さ、ユーザに及ぼす影響度、両方などに基づいてよい。
【0060】
S270で、警告の優先順位づけリストに基づき通知を生成する。通知は、警告の優先順序づけリストまたはその一部分(たとえば、優先順位で所定の数の上位警告)を含んでよいが、それに限定されない。
【0061】
図5は、ある実施形態による警告プライオリタイザ130の概略図である。警告プライオリタイザ130は、メモリ520に結合した処理回路510、記憶領域530、およびネットワークインタフェース540を含む。ある実施形態では、警告プライオリタイザ130の構成要素は、バス550を介して通信可能に接続されてよい。
【0062】
処理回路510は、1つまたは複数のハードウェア論理構成要素および回路として実現されてよい。たとえば、限定することなく、使用できる例示的タイプのハードウェア論理構成要素は、FPGA(field programmable gate array)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、ASSP(Application-specific standard product)、システム・オン・チップ・システム(system-on-a-chip、SOC)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、テンソル・プロセッシング・ユニット(tensor processing unit、TPU)、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor、DSP)など、または計算、もしくは他の情報操作を遂行できる任意の他のハードウェア論理構成要素を含む。
【0063】
メモリ520は揮発性(たとえば、RAMなど)、不揮発性(たとえば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはそれらの組合せであってよい。
【0064】
一構成では、本明細書で開示する1つまたは複数の実装形態を実装するためのソフトウェアは、記憶領域530に記憶されてよい。別の構成では、メモリ520は、そのようなソフトウェアを記憶するように構成される。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または別様に呼ばれようと任意のタイプの命令を意味するように広範囲に解釈されるものとする。命令は(たとえば、ソース・コード・フォーマット、バイナリ・コード・フォーマット、実行可能コードフォーマット、または任意の他の適切なコードフォーマットの)コードを含んでよい。命令は、処理回路510により実行されたとき、本明細書で記述するさまざまな処理を処理回路510に遂行させる。
【0065】
記憶領域530は、磁気的記憶領域、光学的記憶領域などであってよく、たとえばフラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disk、DVD)、または所望の情報を記憶するために使用できる任意の他の媒体として実現されてよい。
【0066】
ネットワークインタフェース540は、警告プライオリタイザ130がたとえば警告およびITSM報告データを得るためにITSMデータ供給源140および警告発生器150と通信できるようにする。さらに、ネットワークインタフェース540は、警告プライオリタイザ130がたとえば警告の優先順位づけリスト、通知などを送信するためにユーザ機器120と通信できるようにする。
【0067】
本明細書で記述する実施形態は、図5に例示する特有のアーキテクチャに限定されず、開示する実施形態の範囲を逸脱することなく他のアーキテクチャを同様に使用してよいことを理解されたい。
【0068】
本明細書で開示するさまざまな実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せとして実装できる。その上、ソフトウェアは、好ましくは部品から、またはある種の機器および/もしくは機器の組合せから構成されるプログラム記憶装置またはコンピュータ可読媒体上に有形に具体化されたアプリケーションプログラムとして実装される。アプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを備える機械にアップロードされ、その機械により実行されてよい。好ましくは、機械は1つまたは複数の中央処理装置(central processing unit、「CPU」)、メモリ、および入出力インタフェースなどのハードウェアを有するコンピュータプラットフォーム上に実装される。コンピュータプラットフォームはまた、オペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードを含んでよい。本明細書で記述するさまざまな処理および機能は、CPUにより、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されていようといまいと実行されてよいマイクロ命令コードの一部、またはアプリケーションプログラムの一部、またはそれらの任意の組合せであってよい。それに加えて、さまざまな他の周辺ユニットは、追加データ記憶領域および印刷ユニットなどのコンピュータプラットフォームに接続されてよい。その上、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的伝播信号を除き任意のコンピュータ可読媒体である。
【0069】
本明細書で記載するすべての例および条件付言語は、開示する実施形態の原理、および本発明者が本技術分野を発展させるのに寄与する概念を読み手が理解するのを手助けする教育上の目的のためにあり、そのような具体的に記載された例および条件に限定することがないと解釈されるべきである。その上、開示する実施形態の原理、様態、および実施形態だけではなく、それらの特有の例についても本明細書で記載するすべての陳述は、それらの構造的均等物も機能的均等物も包含するものとする。それに加えて、そのような均等物は、現在公知の均等物だけではなく、将来開発される均等物も、すなわち、構造に関わりなく同じ機能を遂行する、開発される任意の要素も含むことが意図される。
【0070】
本明細書で「第1の」、「第2の」などのような呼称を使用する要素への任意の言及は、一般にこれらの要素の量または順序を限定しないことを理解されたい。むしろこれらの呼称は、一般に2つ以上の要素または要素の実例の間を区別する好都合な方法として本明細書で使用する。その結果、第1の要素および第2の要素への言及は、この場合2つの要素だけが採用されてよいことも、第1の要素が何らかの手法で第2の要素に先行しなければならないことも意味しない。また特に指定のない限り、1組の要素は1つまたは複数の要素を備える。
【0071】
本明細書で使用するとき、項目のリストが続く「のうち少なくとも1つ」という語句は、列挙する項目のいずれも個々に利用できること、または列挙する項目のうち2つ以上の任意の組合せを利用できることを意味する。たとえば、システムは「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」を含むと記述された場合、Aだけ、Bだけ、Cだけ、2つのA、2つのB、2つのC、3つのA、AとBの組合せ、BとCの組合せ、AとCの組合せ、AとBとCの組合せ、2つのAとCの組合せ、Aと3つのBと2つのCの組合せ、および2つのBと3つのCの組合せを含む可能性がある。
【0072】
前述の実施形態について、理解を明確にするためにある程度詳細に記述してきたが、本発明は、提供した詳細に限定されない。本発明を実装する代替方法が多く存在する。開示する実施形態は例示的であり、制限的ではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】