(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】カーボン加熱式シガレット
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230726BHJP
【FI】
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501423
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2021087495
(87)【国際公開番号】W WO2022007459
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010646455.6
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522077432
【氏名又は名称】中国煙草総公司鄭州煙草研究院
(71)【出願人】
【識別番号】523008358
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003845
【氏名又は名称】弁理士法人籾井特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 柯
(72)【発明者】
【氏名】雷 萍
(72)【発明者】
【氏名】李 斌
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 敬美
(72)【発明者】
【氏名】王 爽
(72)【発明者】
【氏名】▲コン▼ ▲為▼民
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】李 志強
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】王 汝
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 明建
(72)【発明者】
【氏名】王 兵
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA41
4B045AA50
4B045AB11
4B045AB16
(57)【要約】
カーボン加熱式シガレットは、上流側から下流側に連続して配置される、カーボンロッド部1と、タバコ部2と、煙抽出部3と、フィルター部4とを備える。カーボン加熱式シガレットは、複合紙と、複合紙、タバコ部2、煙抽出部3、及びフィルター部4に巻き付けられた外側巻付部7とを更に備えることができる。複合紙は、カーボンロッド部1の一部及びタバコ部2の一部又は全体に巻き付けられる。煙抽出部3は、軸方向に貫通する空洞31を有し、空洞31と連通する少なくとも1つの側壁貫通孔32が形成された側壁を有する。外側巻付部7には、側壁貫通孔32に対応する位置に巻付部貫通孔70が形成され、外気が煙抽出部3に入ることを可能にする。カーボン加熱式シガレットは、シガレットが喫煙されているときに空気がカーボン加熱式シガレットのタバコ部2を通過することを防止することにより、タバコ材料の温度を或る特定の温度範囲内に確実に維持することができ、主流煙の組成及び濃度を確保する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン加熱式シガレットであって、該カーボン加熱式シガレットの上流側から下流側に向かって連続して互いに同軸上で隣接して配置される、カーボンロッド部と、タバコ部と、煙抽出部と、フィルター部とを備え、
該カーボン加熱式シガレットは、前記タバコ部に隣接する前記カーボンロッド部の一部及び前記カーボンロッド部に隣接する前記タバコ部の一部、又は前記タバコ部全体に巻き付く複合紙を更に備え、
前記煙抽出部には、前記煙抽出部を該カーボン加熱式シガレットの軸方向に貫通する空洞が設けられ、前記煙抽出部の側壁には、前記空洞と連通する少なくとも1つの側壁貫通孔が設けられ、
該カーボン加熱式シガレットは、前記複合紙、前記タバコ部、前記煙抽出部、及び前記フィルター部の外側に巻き付けられた外側巻付部を更に含み、前記外側巻付部には、少なくとも1つの側壁貫通孔に対応する位置に巻付部貫通孔が形成され、外気が前記煙抽出部に入ることを可能にする、カーボン加熱式シガレット。
【請求項2】
熱伝導性バリアが、前記カーボンロッド部と前記タバコ部との間に配置され、前記カーボンロッド部を前記タバコ部から分離し、
前記複合紙は、金属複合箔紙である、
請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項3】
前記熱伝導性バリアは、前記カーボンロッド部の下流側端面に固定される、請求項2に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項4】
前記熱伝導性バリアは、空気不透過性の熱伝導性材料で作製される、請求項2又は3に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項5】
前記複合紙はグラファイト複合紙であり、前記グラファイト複合紙は内側グラファイト紙層と外側シガレット紙層とを含み、前記内側グラファイト紙層の幅は前記外側シガレット紙層の幅よりも小さい、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項6】
前記グラファイト複合紙の厚さは、30μm~80μmである、請求項5に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項7】
前記内側グラファイト紙層の紙面方向の熱伝導率が400W/m・K超であり、前記内側グラファイト紙層の厚さ方向の熱伝導率が10W/m・K未満である、請求項5に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項8】
前記外側巻付部は、外側シガレット紙及び受け紙を含み、前記外側シガレット紙は、前記複合紙、前記タバコ部、及び前記煙抽出部の外側に巻き付けられ、前記受け紙は、前記フィルター部と、前記煙抽出部の外側にある前記外側シガレット紙の一部とに巻き付けられる、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項9】
前記煙抽出部の前記空洞の断面は、規則的な形状又は不規則な形状を有する、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項10】
前記空洞は、異なる直径を有する複数の部分によって形成される空洞である、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項11】
前記空洞は、均一に分布し、前記カーボン加熱式シガレットの軸方向に沿って貫通する複数のチャネルによって形成される、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項12】
前記巻付部貫通孔の直径は、前記側壁貫通孔の直径以上である、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項13】
前記外側巻付部は、空気不透過性であるか又は制御された空気透過性を有する、紙ベースの材料又は箔ベースの材料から作製される、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【請求項14】
前記煙抽出部は、アセテート、段ボール紙、又は紙ベースの材料で作製される、請求項1に記載のカーボン加熱式シガレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットの分野に関し、特に、熱伝導によってタバコを加熱し、空気流抽出によって煙を形成するカーボン加熱式シガレットに関する。
【背景技術】
【0002】
他の新しいタバコ製品と比較して、カーボン加熱式シガレットは、製品の外観、喫煙方法、感覚的経験等の面で従来のシガレットに最も近く、独特の価値及び重要性を有する。従来技術においては、熱源の燃焼によって生成された高温空気流を利用してタバコ材料を加熱し、タバコ材料中のニコチン、香味物質等を「焼成」し、凝縮後に主流煙を形成する。現在知られているカーボン加熱式シガレットの喫煙プロセスにおいて生成される高温空気流の温度は、400℃~600℃に達し得て、空気流中の残留酸素の濃度は、8%~13%である。そのような条件下において、タバコ材料は、依然として酸化発熱反応を起こす可能性があり、その結果、タバコ材料の局所温度は、潜在的なリスクを有する700℃~900℃に達する可能性がある。一方、主流煙中の有害物質の含有量は、電気加熱式シガレット製品のそれよりも高く、消費者の喫煙快適性は低い。
【0003】
特許文献1、特許文献2、及び特許文献3等の特許文献は、すべて、熱源が喫煙基材又はタバコ材料から隔離され、熱源の燃焼によって生成された熱が熱伝導性要素を通して喫煙基材又はタバコ材料に伝達されることを開示している。しかしながら、端部及び熱伝導要素の熱伝達効率は、強制対流熱伝達の熱伝達効率よりもはるかに低いことから、喫煙基材又はタバコ材料の温度は著しく低下し、この温度は煙組成及び感覚の質に大きな影響を及ぼす。加えて、喫煙中に新鮮な空気がシガレットに入ると、喫煙基材又はタバコ材料の温度が更に低下し、これが主流煙の煙体積及び安定性に影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許第103564657号
【特許文献2】中国特許出願公開第107148224号
【特許文献3】中国特許第105324047号
【発明の概要】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、シガレットの喫煙時に空気がタバコ部を通過せず、その結果、タバコ材料を或る特定の温度範囲内に保つことができるとともに、主流煙の組成及び濃度が保証されるカーボン加熱式シガレットを提供する。
【0006】
本発明に係るカーボン加熱式シガレットは、カーボン加熱式シガレットの上流側から下流側に向かって連続して互いに同軸上で隣接して配置される、カーボンロッド部と、タバコ部と、煙抽出部と、フィルター部とを備える。カーボン加熱式シガレットは、タバコ部に隣接するカーボンロッド部の一部及びカーボンロッド部に隣接するタバコ部の一部、又はタバコ部全体に巻き付く複合紙を更に備えることができる。煙抽出部には、煙抽出部をカーボン加熱式シガレットの軸方向に貫通する空洞が設けられ、煙抽出部の側壁には、空洞と連通する少なくとも1つの側壁貫通孔が設けられる。カーボン加熱式シガレットは、複合紙、タバコ部、煙抽出部、及びフィルター部の外側に巻き付けられた外側巻付部も更に含み、外側巻付部には、少なくとも1つの側壁貫通孔に対応する位置に巻付部貫通孔が形成され、外気が煙抽出部に入ることを可能にする。
【0007】
本発明の第1の例示的な実施の形態によれば、熱伝導性バリアが、カーボンロッド部とタバコ部との間に配置され、カーボンロッド部をタバコ部から分離することができ、複合紙は、金属複合箔紙である。
【0008】
代替的に、熱伝導性バリアは、カーボンロッド部の下流側端面に固定することができる。
【0009】
好ましくは、熱伝導性バリアは、空気不透過性の熱伝導性材料で作製することができる。
【0010】
本発明の第2の例示的な実施の形態によれば、複合紙はグラファイト複合紙とすることができ、グラファイト複合紙は内側グラファイト紙層と外側シガレット紙層とを含み、内側グラファイト紙層の幅は外側シガレット紙層の幅よりも小さい。
【0011】
代替的に、グラファイト複合紙の厚さは、30μm~80μmとすることができる。
【0012】
好ましくは、内側グラファイト紙層の紙面方向の熱伝導率が400W/m・K超とすることができ、内側グラファイト紙層の厚さ方向の熱伝導率が10W/m・K未満とすることができる。
【0013】
また、外側巻付部は、外側シガレット紙及び受け紙を含むことができ、外側シガレット紙は、複合紙、タバコ部、及び煙抽出部の外側に巻き付けられ、受け紙は、フィルター部と、煙抽出部の外側にある外側シガレット紙の一部とに巻き付けられる。
【0014】
1つの例によれば、煙抽出部の空洞の断面は、規則的な形状又は不規則な形状を有することができる。
【0015】
別の例によれば、空洞は、異なる直径を有する複数の部分によって形成される空洞とすることができる。
【0016】
更に別の例によれば、空洞は、均一に分布し、カーボン加熱式シガレットの軸方向に沿って貫通する複数のチャネルによって形成することができる。
【0017】
好ましくは、巻付部貫通孔の直径は、側壁貫通孔の直径以上である。
【0018】
代替的に、外側巻付部は、空気不透過性であるか又は制御された空気透過性を有する、紙ベースの材料又は箔ベースの材料から作製することができる。
【0019】
好ましくは、煙抽出部は、アセテート、段ボール紙、又は紙ベースの材料で作製されることができる。
【0020】
本発明のカーボン加熱式シガレットによれば、煙抽出部には側壁貫通孔を通して外部と連通する空洞が設けられていることから、喫煙中、空気はタバコ部を通過する代わりに煙抽出部の側壁貫通孔を通してシガレットに入ることができる。側壁貫通孔から新鮮な空気が入り、主流煙に対して良好な冷却効果を及ぼし、その結果、タバコ材料が或る特定の温度範囲内に維持され、それにより、主流煙の組成及び濃度が確保され、原料の有効利用率を改善する。また、煙抽出部を使用して煙ガスを間接的に搬送する方法は、喫煙(吸引プロセス)中に冷気がタバコ部を通過するのを効果的に防止することができ、加熱効率が改善され、タバコ部の酸素含有量が効果的に低減され、燃焼することなく加熱するという目的が達成される。また、側壁貫通孔の数、孔径、孔の向き、及びタバコ部からの距離を調整することにより、煙の抽出効率、煙の希釈効率、及び主流煙の温度を容易に調整することができ、これにより、シガレットの感覚の質を改善することができる。また、熱源の燃焼煙が基本的に主流煙と分離されているため、熱源配合物の適用範囲を拡大することができる。本発明に係るカーボン加熱式シガレットは、構造が単純であるため、産業上の生産が容易である。
【0021】
本発明の上記の態様及び特徴並びに他の態様及び特徴は、添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットの概略構造図である。
【
図2】本発明の第2の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットの概略構造図である。
【
図3】第2の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットのグラファイト複合紙の構造を示す拡大上面図及び右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して本発明の例示の非限定的な実施形態について以下で詳細に説明するとともに、本発明に係るカーボン加熱式シガレットについて更に説明する。
【0024】
本発明に係るカーボン加熱式シガレットは、カーボン加熱式シガレットの上流側から下流側に向かって連続して互いに同軸上で隣接して配置される、カーボンロッド部と、タバコ部と、煙抽出部と、フィルター部とを備える。カーボン加熱式シガレットは、タバコ部に隣接するカーボンロッド部の一部及びカーボンロッド部に隣接するタバコ部の一部、又はタバコ部全体に巻き付く複合紙を更に備えることができる。煙抽出部には、煙抽出部をカーボン加熱式シガレットの軸方向に貫通する空洞が設けられ、煙抽出部の側壁には、空洞と連通する少なくとも1つの側壁貫通孔が設けられる。代替的に、煙抽出部は、アセテート、段ボール紙、又は紙ベースの材料で作製される。カーボン加熱式シガレットは、複合紙、タバコ部、煙抽出部、及びフィルター部の外側に巻き付けられた外側巻付部も更に含むことができ、外側巻付部には、少なくとも1つの側壁貫通孔に対応する位置に巻付部貫通孔が形成され、外気が煙抽出部に入ることを可能にする。例えば、巻付部貫通孔の直径は、側壁貫通孔の直径以上である。
【0025】
本発明によれば、カーボン加熱式シガレットの使用方法は、直接的な喫煙のためにカーボンロッド部に点火することによる従来のシガレットの使用方法と同様である。カーボン加熱式シガレットの喫煙時には、カーボンロッド部の燃焼により生成される熱が複合紙を介してタバコ部に伝達される。タバコ部によって生成された煙は、活発な拡散によって、煙抽出部から入る空気と混合されて主流煙を形成し、主流煙は、フィルター部を通過した後に消費者の口に入る。煙抽出部には側壁貫通孔を通して外部と連通する空洞が設けられていることから、喫煙中、空気はタバコ部を通過する代わりに煙抽出部の側壁貫通孔を通してシガレットに入ることができ、側壁貫通孔から新鮮な空気が流れ、主流煙に対して良好な冷却効果をもたらし、その結果、タバコ材料が或る特定の温度範囲内に維持され、主流煙の組成及び濃度が確保され、原料の有効利用率が改善される。また、熱源の燃焼煙が基本的に主流煙と分離されているため、熱源配合物の適用範囲を拡大することができる。
【0026】
次に、
図1を参照して、本発明の第1の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットについて詳細に説明する。
【0027】
本発明の第1の例示的な実施形態によれば、カーボン加熱式シガレットは、
図1に示すように、カーボン加熱式シガレットの上流側から下流側に向かって連続して同軸上に隣接して配置される、カーボンロッド部1と、タバコ部2と、煙抽出部3と、フィルター部4とを備える。例えば、タバコ部2は、紙基体で巻かれた様々な形態のタバコ原材料で構成することができるか、又は他の喫煙基材で構成することができる。タバコ原料は、或る特定の調合から構成されるタバコ物質であり、様々な形態の紙基体で巻かれたタバコ材料から構成される、シート、フィラメント、顆粒、成形ロッド、多孔性スティック形態、ゲル形態等の形態であり得る。カーボン加熱式シガレットは、また、タバコ部2に近接するカーボンロッド部1の一部及びカーボンロッド部1に隣接するタバコ部2の一部に巻き付く金属複合箔紙5を含むことができる。この実施形態によれば、熱伝導性バリア6が、カーボンロッド部1とタバコ部2との間に設けられ、カーボンロッド部をタバコ部から分離する。1つの例によれば、熱伝導性バリア6は、例えば、接着、プレス、又は他の方法によって、カーボンロッド部1の下流側端面に固定することができる。熱伝導性バリア6は、有機材料又は無機材料を含む空気不透過性の熱伝導性材料で作製することができる。好ましくは、熱伝導性バリア6は、グラファイト、金属、金属酸化物等の高熱伝導性無機材料で作製することができる。
【0028】
さらに、煙抽出部3は、煙抽出部をカーボン加熱式シガレットの軸方向に貫通する空洞31を有し、煙抽出部3の側壁には、空洞31と連通する少なくとも1つの側壁貫通孔32が形成される。例えば、2つの側壁貫通孔32が
図1に例示的に示されている。カーボン加熱式シガレットは、金属複合箔紙5、タバコ部2、煙抽出部3、及びフィルター部4の外側に巻き付けられた外側巻付部7を更に備えることができ、外側巻付部には、少なくとも1つの側壁貫通孔32に対応する位置に、外気が煙抽出部3に入ることを可能にする巻付部貫通孔70が形成される。
【0029】
第1の例示的な実施形態によれば、カーボン加熱式シガレットで喫煙するとき、カーボンロッド部1の燃焼によって生成された熱は、金属複合箔紙5及び熱伝導性バリア6を介してタバコ部2に伝達される。タバコ部2によって生成された煙は、活発な拡散によって、側壁貫通孔32を通して煙抽出部3の空洞31に入る空気と混合して主流煙を形成し、フィルター部4を通過した後に消費者の口に入る。
【0030】
代替的な実施形態によれば、外側巻付部7は、外側シガレット紙71及び受け紙72を更に含むことができる。外側シガレット紙71は、複合紙、タバコ部、及び煙抽出部の外側に巻き付けられ、受け紙72は、フィルター部の外側と、煙抽出部の外側にある外側シガレット紙71の一部とに巻き付けられる。代替的に、外側巻付部は、空気不透過性であるか又は制御された空気透過性を有する紙ベースの材料、箔ベースの材料、又は他のフィルムベースの材料で作製することができる。
【0031】
図2は、本発明の第2の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットを概略的に示しており、第1の例示的な実施形態に係るカーボン加熱式シガレットと同一の構成要素には同一の参照符号を付して、本明細書においては詳細に説明しない。
【0032】
本発明の第2の例示的な実施形態によれば、カーボン加熱式シガレットは、カーボン加熱式シガレットの上流側から下流側に向かって連続して同軸上に隣接して配置される、カーボンロッド部1と、タバコ部2と、煙抽出部3と、フィルター部4とを備える。この実施形態においては、カーボンロッド部1はタバコ部2に直接隣接している。また、カーボン加熱式シガレットは、タバコ部2に近接するカーボンロッド部1の一部及びカーボンロッド部1に隣接するタバコ部2の一部に巻き付くグラファイト複合紙5’を含む。
図3を参照すると、グラファイト複合紙5’は、内側グラファイト紙層51及び外側シガレット紙層52を更に含むことができ、展開後の内側グラファイト紙層の幅は、良好な接着時の重なりを得るように、外側シガレット紙層の幅よりも小さい。内側グラファイト紙層は、高カーボンフレークグラファイトを化学的に処理し、高温膨張及び圧延することによって形成された熱管理材料である。従来技術において一般的に使用される等方性箔ベースの材料と比較して、より効果的に熱をタバコ材料に伝達することができる。第2の例示的な実施形態においては、カーボンロッド部は、バリアなしでタバコ部に直接隣接しており、煙抽出部の存在により、カーボンロッド部及びタバコ部の吸引抵抗が過度に大きく、グラファイト紙が不燃性で空気不透過性であるため、吸引時には、グラファイト複合紙で緊密に巻かれたカーボンロッド部からシガレットに新鮮な空気が入らず、熱源のこの部分が燃焼せず、したがって、バリアを備えたシガレット製品と比較して、シガレットの構造及び加工技術が単純化される。
【0033】
好ましくは、グラファイト複合紙の厚さは、30μm~80μmとすることができる。代替的に、内側グラファイト紙層の紙面方向の熱伝導率が400W/m・K超とすることができ、内側グラファイト紙層の厚さ方向の熱伝導率が10W/m・K未満とすることができる。
【0034】
以下、
図4~
図6を参照し、本発明の一実施形態に係る煙抽出部の構造を例示的に説明する。1つの例によれば、煙抽出部の空洞の断面は、規則的な形状又は不規則な形状を有することができる。例えば、
図4A~
図4Cは、煙抽出部の空洞の断面が、例示のみを目的として、円形、六角形、及び三角形等の規則的な形状を有することを示す。別の例によれば、煙抽出部の空洞は、
図5A~
図5Cに示すように、異なる直径を有する複数の部分から構成され、それによってリング状の貫通孔中空チャンバーを形成する空洞とすることができる。更に別の例によれば、
図6A及び
図6Bに示すように、煙抽出部の空洞は、カーボン加熱式シガレットの軸方向に沿って均一に分布した複数のチャネルから構成することができ、チャネルの数及び直径は、必要に応じて調整することができる。
【0035】
本発明の例示的な実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明の原理及び趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に変更を加えることができることを理解するであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物において規定される。
【国際調査報告】